７月２０日 天気 晴れ
今日から世界征服のための夏期訓練が始まった。
今期の訓練生は全部で200名。
僕は「五十六号」だから、なかなかの成績で入所できたということだ。
訓練所の入所式では、各教官の紹介があった。
一番怖そうなのはタランチュラ教官。
優しそうなのは、衛生部隊の櫻子さんだ。
61： 名無しさん：10/8/30 01:16 ID:VfUmzVwkZw
おやすみ!!なかなか面白いです｡
挿絵付きなことにﾜﾛﾀwww
62： 真中：10/8/30 03:17 ID:fNAwck9eQ2
やばい大好き。支援、超支援
63： ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 12:08 ID:UDty.76XPc
８月３０日 天気 不明
強化改造した俺は、怪人態からさらに変身することが出来た。
その姿は、大昔の特撮番組にあった仮面の戦士に酷似してる。
力がみなぎり、襲いかかってきた数人の仮面を一撃で倒した。
「怪人のくせに、なかなかやるじゃねえか！ これならどうだ？」
赤い仮面が、どこからともなく剣をだして斬りかかる。
しかしその動作は、俺にとってスローモーションを見ているようで、簡単に敵の後ろへ回った。
「はやっ……」
「お前たちがノロいんだ」
赤い仮面を天井まで蹴り上げた。
「それはどうかな」
64： ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 12:10 ID:QWexXY4oic
いつのまにか背後に回っていた仮面が、耳元でつぶやく。
次の瞬間、俺は壁に叩きつけられ、体中に痛みが走っていた。
「一体なにを……」
「簡単だ。 胸に３発、背中に５発、太ももに２発の打撃。肩と手首の関節をコンマ２秒で折らせてもらった」
「へへへ……もうまともに動けねえや」
「よくここまで頑張った。我々の仲間を十人も倒すとはな。
敬意を表して、最後は全力の必殺技で葬ってやろう」
金の仮面は腰を低く落とし、パワーを集中させた。
右足に光が宿った瞬間、大きく跳躍し、奴のキックが俺に襲いかかってきた。
ガキンという、金属が激しくぶつかった音がする。
俺の目には、金の仮面じゃなくて、タランチュラ教官の背中が映った。
「きょ、教官……！？」
65： ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 12:11 ID:uv/VVvGb2Y
教官は静かに言った。
「まったく世話の焼ける奴だ……。 お前は１人じゃない。
最高の仲間がいるじゃないか」
「ちっ……老いぼれ怪人が邪魔してんじゃねえぞ！」
「うをおおおっ！ エレファントハンマー！！」
巨大な鉄の塊が、金の仮面を吹き飛ばす。
ゾウ怪人の、タイタンだった。
「お前ばっかり良い格好はさせないゾウ！」
「このキラータイガー様を忘れてもらっちゃあ困るぜ！」
「猛牛怪人、モーギュ参上！」
訓練生のみんなが、集結した。
「怪人ごときが何人も集まったところで、俺たちに適うわけないんだよぉお！！」
仮面どもは本気をだして、さらなる強化変身を遂げる。
人間らしき人物が、俺に声をかけた。
成績No.1のアイツだった。
66： ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 12:12 ID:UDty.76XPc
「御爺様から伝言だ。 キミの究極態解除コードは“ISOROKU”。
立って、コールするんだ！」
一体こいつはなんなんだと思ったが、とにかくそうするしか道はない。
俺は傷ついた体をなんとか起こして立ち上がり、コールした。
「リミッター解除……“ISOROKU” 変身……！」
俺は眩い光につつまれ、体の傷が癒される。
全身をまとっていた鎧が外れ、体が軽くなり力が溢れた。
背中に、大きな羽翅がひろがる。
「これが最後の戦いだ！」
怪人たちの逆襲がはじまった。
67： ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 12:12 ID:UDty.76XPc
支援ありがとう
68： ガッチャピン：10/8/30 12:14 ID:ML6gRvv.06
ﾜｸﾜｸして宿題終わんないww
69： 名無しさん：10/8/30 12:17 ID:b/StvscmxA
>>68
俺と同じ状況の奴発見
70： ガッチャピン：10/8/30 12:21 ID:ML6gRvv.06
>>69
同志よ。
一緒に宿題板まで来ませんか？
71： 名無しさん：10/8/30 12:22 ID:0RSpGp.nQI
56号かっけぇｗ
72： 名無しさん：10/8/30 12:51 ID:RduMbp0AaY
ちょ、面白いｗｗｗ
73： 名無しさん：10/8/30 13:49 ID:azgmgtXRoc
支援
74： 名無しさん：10/8/30 14:19 ID:QWexXY4oic
今北
>>12の読解力に脱帽
75： ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 14:57 ID:5.uspf0Axk
８月３０日
地上に出た私と何人かの怪人たちは、５６号くんを助けに向かったみんなの帰りを待った。
しかし私たちが目にしたのは、シェルターから一気に噴き出した爆炎。
本部からの救援隊がやってきて、私たち生き残りは医療施設へ運ばれた。
組織は、正義の味方との闘いに勝利し、表向きには組織も共倒れしたことにされた。
私たちは、人間に紛れて生活することになった。
76： ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 14:57 ID:5.uspf0Axk
８月３１日
訓練所シェルターの火を消し止め、生存者の捜索が開始した。
火に強い怪人しか生き残っていなかった。
ラヴァロックの話では、究極態になった５６号くんは黒い仮面と闘い勝ったが、死に際に黒い仮面の自爆に巻き込まれたという。
私は信じない。
77： 櫻子 ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 19:49 ID:IKjjjix3W.
９月１日
５６号くんの亡骸は見つかっていない。
きっとどこかで生きている。
78： 名無しさん：10/8/30 19:52 ID:5zkEImsvYs
コテを語りに使うとは…
79： 櫻子 ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 19:52 ID:J8uBTtgFiA
９月２日
首領のお孫さんが家に来た。
一緒に５６号くんの捜索を手伝ってくれることになった。
他の怪人たちも、就職活動で忙しいのに手伝ってくれるらしい。
80： 櫻子 ◆cLDKWvNKBk：10/8/30 19:56 ID:sAQ2tc.KBk
９月３日
手始めに、５６号くんが改造人間になる前、縁のあった場所を探してみた。
小中学校、収穫なし。
子どものころの５６号くんの写真があった。
本名は佐伯幸司郎っていうらしい。
サッカー少年だったみたいだ。
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