ある日、あるところでのお話です。
綺麗に整備された真新しい道路の上を、一台のモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が走っていました。
後輪の両脇と上に載せた荷物がほとんど揺れていない所を見ると
とても綺麗に整備されているのでしょう
その上をモトラドはゆっくり走っていました
その道路の脇には立てられた白い看板が
「2ch…まとめモバイル掲示板、だって、キノ」
「……」
モトラドが運転手に声をかけます、が
返事はありません
199： 名無しさん＠読者の声：2011/11/1(火) 23:03:36 ID:H6mdcGME.s
ｴﾙﾒｽ「うわ、こりゃまた何とも」
ｷﾉ「盛り上がってるね
どこかの国で見た、闘牛みたいなものかな」
ｴﾙﾒｽ「うーん、あれは人間対牛だったけど
これは化け物どうしの戦いだね」
ｷﾉ「今日は化け物を良く見るね……わ!」
耳をつんざくような大歓声
戦っていた化け物の一方が、力尽きたようです
勝った化け物はそばにいる人間と抱き合った喜んでいる
それはそれは奇妙な光景でした
ｴﾙﾒｽ「ひゃー、ビックリしたね?
モトラドのエンジン音より、幾らか近所迷惑だよ」
ｷﾉ「……」
200： 名無しさん＠読者の声：2011/11/1(火) 23:30:12 ID:H6mdcGME.s
マスター「ひゃー、凄かったねー今の!」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
グレイシア「マスター、バタバタ暴れないで」
ブースター「草タイプにやられるとか駄目駄目じゃん」
ムクホーク「ブースターは炎タイプだからそんな事が言えるの」
グ「ムクホークも飛行タイプでしょ」
マ「あー、そういえばあんた達みんな草には強いん……」
サイドン「……なんだよ」
マ「……なんでもないや」
サ「なんだよ!なんなんだよ!」
ｷﾉ「……あの」
マ「ひゃい!?」ﾋﾞｸｯ
201： 名無しさん＠読者の声：2011/11/1(火) 23:41:05 ID:E1vvQmQ3Ms
ｷﾉ「あの、お隣良いですか?」
マ「えっ、あ、うん、どーぞどーぞ!!
ほらどけブースター!お客様が座るんだぞそこは!」ｸﾞｲｯ
ブ「いてぇっ!」
ｷﾉ「あ、すみません」
マ「いやいや気にしないで!」
ｴﾙﾒｽ「ねー姉ちゃん、この化け物達はなんなの?」
グ「化けっ…!?」
ム「口の悪いモトラド…!」
マ「んと、ポケモンって知らない?
知らない人には化け物に見えるかもね」
ｷﾉ「えぇ、特にそちらの」
サ「……」
サ「…グレるぞ」
202： 名無しさん＠読者の声：2011/11/1(火) 23:52:03 ID:H6mdcGME.s
ｴﾙﾒｽ「ポケモン?」
マ「うん。ポケットモンスター、略してポケモン!」
ｷﾉ「はぁ…」
マ「で、この子達は僕のファミリー!」
ｴﾙﾒｽ「家族なの?」
マ「勿論物の例えだけど、まぁ家族同然だと僕は思ってるよ!」
ｷﾉ「彼らもですか?」
キノは闘技場に立つ人間の方をちらりと見て言いました
マ「うんまぁ多分
お互い信頼しあっていなかったら、闘うなんて出来ないし」
ｷﾉ「信頼しあっているのに、戦わせるんですか?」
203： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:04:12 ID:FexRxm7Y9.
マ「じゃああなたの腰にぶら下げたそれは何に使うの?」
ブ「…あぁ。一瞬下ネタかと」
グ「さいってー」
ｴﾙﾒｽ「パースエイダーに命も感情もないよー?」
マ「どうなんだろうねー?
ポケモン達に戦わせる事が駄目だとは聞いた事が無かったから」
マ「まぁでも、ポケモンが相手なら、ポケモンしか太刀打ち出来ないしね」
ブ「素手でサイドン捕まえた奴の言うことじゃねぇな」
204： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:16:40 ID:E1vvQmQ3Ms
ｷﾉ「家族同然の存在には、あまり危険な目には晒したく無いと思うんですが」
マ「そりゃあね
でもこの子達は成長してくんだ
色んな経験を通してさ」
マ「それを見守って時には褒めて時には馬鹿するのが、僕なりの愛情表現、かなぁ」
ブ「ヴェヘクシｯ!!」
グ「あんたのせいで台無しよ」
ｷﾉ「……そうですか、ありがとうございました」
マ「あれ、もう行っちゃうんだ」
ｷﾉ「暗くなる前に、宿を取らなければ行けませんから」
205： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:26:27 ID:rlABdhtnEw
ｷﾉ「……」
ｴﾙﾒｽ「いやぁ、なかなかに勉強になったんじゃない?」
ｷﾉ「そんな事は無いよ。ここで得た物は、実際の所何も無い」
ｴﾙﾒｽ「そりゃまた何で?」
ｷﾉ「あんな国を、もう見る事は無いからさ」
ｷﾉ「あそこまで愛される化け物は、多分これまでも、この先も…」
ｴﾙﾒｽ「キノ、僕がキノに求める愛情って何だと思う?」
ｷﾉ「……」
運転手は一瞬考えて、答えを出しました
ｷﾉ「……このままどこまでも、エルメスに乗って走って行く」
ｴﾙﾒｽ「御名答!」
モトラドはまた同じ道をゆっくりと、暗闇の中へ走り、消えて行きました
206： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:30:39 ID:rlABdhtnEw
ｷﾉ「次こそ宿を見つけないとね」
ｴﾙﾒｽ「本当。もう眠くなってきた」
ｷﾉ「眠いとライトの光が弱くなるんだねエルメス」
ｴﾙﾒｽ「さぁ。バッテリー切れじゃない事を祈るよ」
ｴﾙﾒｽ「>>212よろしく!
コラボしやすい＋宿がありそうな奴ね!」
ｷﾉ「出来ればご馳走が出てきそうな所で」
207： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:32:44 ID:5cv2uRWMyw
加速下
208： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:33:30 ID:KXnfP1O8Pc
かそくgj
209： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:33:30 ID:.Lm55Anatw
あい!恐らく一番の難関を突破!!
２日考えて、何も浮かばなかったから勢いに任せたです!
結構個人的に好きな感じで終わって良かったです。グレさんありがとうございました
恐らく次で最後になるです。
出来れば最後までお付き合いくださいな!
kskst!!
210： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:38:36 ID:cdu7xIBYa.
おわるなあああああああ
かそくした！
211： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 00:39:03 ID:yjAtFhbGUM
したかそく
212： 名無しさん＠読者の声：2011/11/2(水) 01:31:50 ID:GUEAzaQzlA
最後だし、１の好きなSSで！
213： 1：2011/11/2(水) 08:24:09 ID:KhYF/s3dcs
あぉ、ありがたい配慮です!
どうしようまだ決まっていないので、もうちょっと時間を
短くてサーセン!
長編二本書いて、短編一本放り込むというルーチンで書いとりますので!
214： 名無しさん＠読者の声：2011/11/3(木) 17:42:24 ID:J/7pEGwgW.
さよならいおんと自転車両方かいてくれるのか！！！！
ｗｋｔｋ
215： 1：2011/11/3(木) 21:57:40 ID:E1vvQmQ3Ms
うん。両方やらしていただくんだけど
出来ればもうちょっと待って下されm(_ _)m
ちょいと忙しいのです
明日頑張って２つやって完結させるでござりまする!
216： 名無しさん＠読者の声：2011/11/4(金) 20:28:06 ID:E1vvQmQ3Ms
『お別れの国』
―“Good-bye”to see you again―
ｴﾙﾒｽ「あちゃー」
ｷﾉ「……」
ｴﾙﾒｽ「ねぇキノ」
ｷﾉ「……今日は野宿だね」
ｴﾙﾒｽ「昨日のお城にまたお邪魔しても良かったんじゃない?」
ｷﾉ「さすがにそれは気が引ける」
ｴﾙﾒｽ「ちゃっかりお昼までいただいた癖に」
ｷﾉ「それに、ちょっと面白い話を聞いてね?」
ｴﾙﾒｽ「…?」
217： 名無しさん＠読者の声：2011/11/4(金) 20:38:47 ID:FexRxm7Y9.
ｴﾙﾒｽ「りゅーせーぐん?」
ｷﾉ「噂では今夜がピークらしいんだ」
ｴﾙﾒｽ「流れ星が一杯降ってくるやつだね」
ｷﾉ「それも、この国の上空だけにね」
ｷﾉ「色々と、興味深い所だね。宿をとれなかったのは痛いけど」
ｴﾙﾒｽ「そうだね」
ｷﾉ「とりあえず、あそこの公園にしようか」
ｴﾙﾒｽ「あんまり外にほっぽりだされるのは嫌なんだけどなぁ
虫も一杯集まってくるし」
ｷﾉ「それはボクも同じだ」
218： 名無しさん＠読者の声：2011/11/4(金) 20:48:49 ID:kU0.TrIKHA
ｷﾉ「……待った」
ｴﾙﾒｽ「先客?誰さん?」
ｷﾉ「あれは多分、人じゃないね」
ｴﾙﾒｽ「またか。もう慣れたもんだね」
ｷﾉ「…とりあえず、話しかけてみるよ」
前からやってくるその影に、ぼくは気がついた。
あれは人間だ
ぼくのお母さんとお父さんを食べてしまった、人間の一人だ
「自分も食べられる」って、そんな考えが頭によぎった途端
手が、体が震えだした
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