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チーム:心の風邪【公園】
[8] -25 -50 

1: 名無しですが何か?:2012/3/4(日) 12:17:55 ID:1lvOPQUkic
お題【公園】

下記の順番でお願いします。

箱 ◆.QsccCfaFA
和紙 ◆HA/LxoPaMk
にこ ◆xZVja5sL2g
みずの ◆9WOdrWl6hY
マネー ◆XVIB4D0Otc
ぎっちゃん ◆sTUr.p2brI



36: 和紙 ◆HA/LxoPaMk:2012/3/15(木) 09:32:28 ID:JCMcRY0PdY

しかしただ無人のブランコが揺れているだけで、目を見張る。

「どっち見てるの?」

いつの間にかすぐ隣に女がいた。

男「…驚かすな」

女「遅い」

来るの遅い、と女はふて腐れたように下を向いた。
37: にこ:2012/3/15(木) 19:58:21 ID:NnumXfttI.
女「ねえ、昨日嘘ついたよね」

男「なんだ急に」

女「天国‥無かった」

男「は?」

女「あの人は、どこに行ったのかな‥」

また探しに行かなきゃ、とうつろな目をしてこちらを見る女。

どういうことだ?

面倒なハズなのに、女から目をそらせない。
頭がガンガン痛む。目がチカチカ霞む。
なにか、遠くで声が聞こえた気がした。
そうか‥

女「わたし、ここで、この公園で
‥」

男「‥殺されたんだな」

気付いてしまった。
この女は‥


38: 箱 ◆.QsccCfaFA:2012/3/18(日) 15:43:19 ID:TMbkzyCM06
(12時間以上たったので書いてしまいます)


これで何故俺が見えたのかわかった
こいつはもう死んでしまっていたからだ


そうとは知らずこの女は時間を過ごし、ずっと泣いていた…


そしてずっと探していたのだろう
示してやらなくてはいけない

死神として


俺はしっかりと顔をあげて女に向き合った

男「来い、お前の探していた人の元へ案内す」
幼女「あなたがさがしていたのは、あたしでしょ?」


俺に言葉を言わせないようになのか、あの幼女が言葉を遮った
表情はにやにやといやな笑みをはりつかせている

女「あなた…?私の…?」
幼女「この男についていけば貴女は苦しく辛いよ。でもあたしは貴女を楽にしてあげられるよ」


幼女が俺をちらりと上目遣いで見たあと、俺にしか聞こえない声でつけたしたのを俺は聞き逃さなかった


幼女『魂はもらうけどね』
39: 和紙 ◆HA/LxoPaMk:2012/3/18(日) 18:40:49 ID:cjmz5touQo
幼女「心配ならあなたも来れば?」

歩き出す幼女。女は躊躇いながらもこちらを見て頷いた。

女「…行こう。私、知りたいの」

□□□□

俺と女は幼女に連れられて、公園近くの書店の前まで来ていた。わけがわからない。俺が連れて来たかった場所とは違う。女もよくわからないようで幼女に問い掛けた。

女「あの、ここに何が?」

幼女「…あの人、見覚えない?」

幼女の指差した先には、店のガラス越しにレジを打つ男がいた。歳は24くらいで眼鏡を掛けた、どこにでもいるような男だった。

ドクンッ

俺は胸元を押さえた。一瞬心臓が跳びはねた気がした。

男「…?(気のせいか)」

よくわからないまま、隣を見ると女はレジの男を凝視して。ぽつりと呟いた。

女「………磯辺君」

その時、バキバキと殻が割れるような音を立てて女の記憶は蘇る。

□□□□

女は磯辺からのメールを見て弾んでいた。待ち合わせの公園までスカートを翻し、にやける顔を抑える。

女「ふふ、もうすぐバイト終わるかな〜」

よし着いた!と公園のブランコに腰掛ける。メールをチェックしていると電話が掛かって来た。女友達だ。

女「はい」

友「あ、出た。邪魔しちゃったかな?」

女「まだ会ってませーん。どうしたの?」

友「浮かれちゃって。いや、何にも無いなら良いけどちょっと心配で。」

女「何が?」

友「…昨日言ってたじゃない。最近変な手紙や無言電話が酷いって。待ち合わせ公園でしょ?もっと人気のあるとこに変えた方が良いよ、私から磯辺にメールしようか?」

女「え〜良いよ大袈裟なんだから!そんな気をつかわせるような事したくないよぉ」

女は磯辺との待ち合わせでストーカーの存在などどうでもよくなっていた。
40: にこ ◆xZVja5sL2g:2012/3/19(月) 02:04:10 ID:TMbkzyCM06
女「もう、友ったら心配性なんだからぁ‥」

女は電話を切るとソワソワと手鏡を取り出し身嗜みを整え始めた。

そして鏡越しの人影に気付く。

女「早かったね!」

無防備に振り向くと
そこに立っていたのは‥

□□□□

幼女「思い出した?」

女「‥」

幼女「あのひとがいるのは、てんごくなんかじゃないよ」

女はガタガタと震え出す。


41: 箱 ◆.QsccCfaFA:2012/3/21(水) 18:42:57 ID:oRqqGBvcA2
咄嗟に俺は女を庇った

女の視界に幼女がいるのは危ない気がしたからだ

なぜかさっきから頭がじんじんと痛い

自然と眉間にしわがより、幼女を睨み付けてしまう


基山の魂を送るのに時間もない。しかし、この状況で女も放ってはおけない…
くそっ!

男「おい、大丈夫か?」

女はガタガタと震えている

とにかく俺はこの女を守らないといけない。守らないと。守って、守って……




誰にも傷つけさせないで、誰にもさわらせないで、誰とも話させないで、ガラスケースの中のお人形のように、大事に、して、あゲテ


男「え?」


思考が交錯する。現在と、過去と。それは人間の記憶

…犯罪者の、記憶

ぐらりと世界が反転と点滅を繰り返し、脳が逆立ちしてしまったかのように頭が思考を放棄する


脳内で響き渡る自問自答
結論は出ているのに。
認めたくないという思いが、過去の自分への罪悪感を伴って襲いかかってくる


俺は

「ストーカー…だった、のか?」

女の目には、念願の獲物を見つけた、狂気があった
42: 和紙 ◆HA/LxoPaMk:2012/3/21(水) 21:55:54 ID:9iFRvzsqLU
それは遠くに霞がかった。本当は近い記憶。

□□□□□


(今日も可愛い…)


俺は彼女が好きだった。だからいつも彼女を見ていた。きっかけは何だったか、そう、大学の入学式だ。鈍臭い俺が、資料を持って躓いた時、周りはシカトするのに彼女だけが散らばった資料を拾ってくれた。彼女は俺を見てくれる。天使だった。

(俺の天使…あ、笑った。可愛いっ可愛いよ…!)

彼女はきっと俺が好きだ。俺も彼女が好きだ。でも彼女は恥ずかしがりだから、あれから一度も話し掛けて来ないし、目も合わない。俺も恥ずかしい。だから手紙を沢山書いてる。愛の言葉を惜しみなく詰め込んで、電話も沢山するよ、でも恥ずかしくて何も言えないけどね。
俺と彼女の関係は、そこらの男女とは違う。清楚な関係だった。

そんなある日の事、俺は彼女の友人達が廊下で話しているのを聞いた。

「あの子今度デートなんだって」

「え!マジで?誰と?」

「磯辺。うち二人は良いカップルになると思うな〜」

「ああ〜確かに!」


彼女は俺を裏切った。簡単に俺の純心な愛を踏みにじったんだ。
俺は今まで以上に手紙に愛を込めた。何も変わらなかった。

(俺だけが彼女を見ていたずっとずっと彼女を見ていたのは俺だけだ)

許さない。

だが、その日大学を出た俺は事故にあった。車に轢かれて死んだのだ。
そして死に逝く自分を見ていたら声が聞こえた。

「大切な人を一人殺せば死神になれるよ」
43: 箱 ◆.QsccCfaFA:2012/3/24(土) 17:15:27 ID:7/ngPJy5m.
大切な人と言われて、俺は彼女しか思いつかなかった
声に導かれるままに、そして自分の歪んだ愛のままに、俺は彼女を…基山香苗(きやまかなえ)を、殺した
磯辺を殺そうとは微塵も思わなかった。彼女と、香苗と一緒になれると俺は信じこんでいたから…

□□□□

幼女「でもそのあと、男は記憶をけされて死神になっちゃった。だからなーんにもわからない。なーんにもしらない。憎しみも悲しみもひとりよがりな愛も。」
クスクスと笑いながら、幼女はスカートの裾を翻してくるくると楽しそうに踊る
そしてうなだれる男の前に立つとしゃがみこみ、光を失っていく男の目を見て笑顔で言い切った

「き え う せ た の よ 」
小さくうめき男は頭を抱えた。混乱する感情と裏腹に、理性は冷静に糸をつむいでいく

俺は、基山香苗を殺して、今更に香苗の父親の死も見届けなければならないのか
なんという罪悪感だろう

死神となった今、以前の自分の思考はどこか他人の物のようで、その異常性がどれだけ自分勝手なのかわかる。だから、辛い

なら、いっそ
ちらりと、男は女を…香苗を見た。香苗は変わらず、憎しみに燃える目で男を見ている

男「なら、いっそ、(アイスル)香苗に殺してもらえば」

思わず声が漏れた
はっと気付いた時に、その場の空気は凍りついていた
男「あっいや、これは」
女改め香苗「私は貴方が憎い。」
男「…」
香苗「私の人生を一方的に奪って。幸せだったの。やりたいこともあった、子供だって残せたかもしれないのに、それを貴方が。貴方の一方通行の愛とやらに奪われたの」
男「…あぁ」
香苗「返してよ。体も幸せも時間も何もかも!!」

男は何も言えずにうつむいていた
ただ香苗の震える慟哭を聞いていた

香苗「っはぁっ!」
男「ごめん…謝って済む問題じゃ、ないよな」
香苗「…」
男「俺を、殺して、気がすむなら、俺を!」

バチーンっ
言い終わる前に男は香苗に頬を叩かれた
男は目を白黒させながら不思議そうに香苗を見る
香苗は泣いていた

香苗「何バカなこと言ってるのよお!私まで犯罪者にする気?」
男「で、でも憎いって…」
香苗「…確かに憎い。でも、私は恨み言を直接言えただけで十分だわ…それ以上を望めば…彼女みたいになりそうだし」
香苗は幼女をちらりと見て、強い眼差しで男を見つめた

香苗「行ってきなさいよ。父を天国に行かせないと、今度こそ泣いちゃうからね」
44: 和紙 ◆HA/LxoPaMk:2012/3/24(土) 18:50:35 ID:RXvz35mO86
□□□□

基「随分眩しいところだなぁ…」

男「俺はこの先にはいけません。ここからは一人で行ってください」

基山は目を細めながら、おうと軽く返事をして歩き出す。

男「あの」

大きくは無い声に基山は振り返る。

男「…娘さん、元気でしたよ。元気に…生きてます」

基山は目を見開いた後、穏やかな顔をしてゆっくり手を上げた。

基「ありがとう」

今度こそ基山の後ろ姿を見届けながら、俺は口を開く。

男「幼女、そこにいるんだろ?頼みがある」

□□□□

ブランコがきいきいと鳴る。待ち合わせは公園。あの時と一緒。

「香苗ちゃん」

パッと振り返れば待ち人来たる。

香苗「磯辺君」

磯辺「ごめん遅くなって。行こうか」

頷いてブランコを降りる。ふと公園を見回した。

磯辺「どうかした?」

私はううん、なんでもないと磯辺君の隣を歩き出した。
□□□□

幼「めんどくさ!」

カンッとテーブルにジュースを飲み終わったコップをたたき付ける。マスターは孫の荒れっぷりに溜息をついた。
マ「良いじゃないか、魂があれば命を生き返らせる新術だろう」

お前試したがっていたじゃないかと言っても幼女はきい!と喚く。

幼「おじーちゃんわかってない!私は他の「はいはいほらジュース飲め」

記憶操作まで押し付けられて!と文句を言う幼女から離れて、モモは静かに酒を飲んでいた。 END
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停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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