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チーム:変態収監所【家族】
[8] -25 -50 

1: 名無しですが何か?:2012/3/4(日) 12:18:34 ID:1lvOPQUkic
お題【家族】

下記の順番でお願いします。

キマラシ ◆0sHUq1EiMQ
枕 ◆t5ttWOhuII
乙潤 ◆nyan.ce4UM
寅午 ◆.eH7uaEVrQ
鬱岡 ◆CevUvUjMhQ
普乳 ◆kSd3h.IkGU
お姉様 ◆RO2jhvAC9Y
PK ◆UnV9.Bq5g.



47: お姉様 ◆RO2jhvAC9Y:2012/3/23(金) 01:34:56 ID:MvZ84buXJc
「相応しくないレベルって何…お兄様をおじ様に預けたのはお父様でしょ…会いにも行かず、仕事だからって言い訳ばかりして放っておいたのは誰よ」
すすり泣く母は何度も、ごめんね、ごめんねと呟いている。
妹は母の背中をさすっていた。
「会社の経営をすることが成功なの?良い子で成績優秀なら誉められるの?髪を染めたり、オシャレな格好しなかったら優秀なの?失敗したり道を踏み外したら見捨てられるの?家族って何なの?子供より体裁が大事なの?家柄ってそんなに大切なの?お金ってそんなに惜しいの?もうお兄様は家族じゃないの?」
傍に立つ使用人が声を掛けてくる。
「お嬢様…旦那様は家族を見捨てるような人では…」
「じゃあなんで放っておけなんて言えるの!?お兄様がどんなお仕事に就いているか、これからどうなるのか私は知らないとd……ごめんなさい」
興奮のあまり使用人に当たってしまった事を反省する。

わかっている、兄がどれだけ不誠実な申し出をしているのか、我が家の財産で何をしようとしているのか、それに対する父の反応は世間一般で考えると、恐らく正しいのかもしれない。
だけど、自身の息子の危機に何もしないで放っておく決断をした父に遺憾と憤りを覚えるのは正直な気持ちだ。
このままでは恐らく兄の命は無いだろう。人の命を何とも思っていない人ばかりの世界だ。使いものにならなければ弾かれ、ただのチンピラとなりやがて警察に捕まる。それだけならまだいい、組の顔に泥を塗ったと思われ最悪……
不安は重なり最悪の結末が頭をよぎり、気付いたら私の目から涙が零れていた。
もう兄は帰ってこないかもしれない。昔は優しくて聡明で面倒見の良い兄だった。
遊び心も盛んで、一緒に悪さもした。妹にプロレス技を教えて、父に仕向けるように仕組み怒られもした。

でも今ではそれが生活の一部になっている。
それはきっと妹は兄を思っているから。
家族みんなが兄の事忘れていないと言う意思表示だったんだと思う。
今の生活に兄が加わり、お前が教えるから妹が野蛮になったんあだと叱る父、それを笑いながらすまんと謝る兄。それを見て笑う私たち。きっとそんな生活がこれから待ってるはずだった…

その未来はもう叶わないの?もう兄に会えないの?帰ってくるって約束してたんだよ?いつもみたいに謝ってお小遣い没収じゃだめなの?もう兄は家族じゃないの?
泣きだしてしまった私に気付き、妹も泣いている。
家族ってなんなの……

食堂に家族の泣き声だけが響いていた…



そしてメイドが口を開いた。
「奥様、お嬢様……今までお世話になりました。本日付で私はメイドを辞職したしますので、退職金として一億いただきたいと思います」
それはメイドがわが身を犠牲にする選択だった。
48: PK:2012/3/23(金) 09:12:41 ID:nUB3/LZQ6U
一瞬、部屋の空気が凍りつく。

「「「「「……………………」」」」」

まずはじめに口を開いたのは、まだ泣き顔の妹だった。……私も泣き顔だけど。
「いやだよ!めーもいなくなっちゃうなんて……そんなのいやだ!」
めーというのは妹が昔メイドを呼ぶときに使っていた呼び名だ。
めー、めー と子羊のようにメイドを呼び慕っていたことを思い出す。
「ねぇ、めー、いやだよ!でていかないでよ!」
「……」
妹の必死の懇願に耐えかねたのか、メイドが目線を下に落とす。
「いやだぁ!」
メイドのスカートにすがりつき、また激しく泣き出す妹。
それを見かねたのか、母が父の袖をクイクイと引っ張る。

ふぅ。父は軽く嘆息すると、メイドに向かって口を開いた。
「その決心、心からか?」

「はい」
いままでにない強い意志を持った目。少しだけ、かっこいいと思ってしまった。
「退職金は渡せる。しかし、次の職が見つかるまでの保証金はお前から言い出した退職なので出せない。それでもかまわないな?」
「……は、はい」
一瞬目の光が消えた。しかしさっきより弱弱しいながらもまた意思の光が灯る。父がにやりと笑った、気がした。
「ついでに言うとおまえの退職金は規定に少しおまけしても5000万だ。それでもかまわないか?」
「いいえ」
はっきりと言い切った。
「なら、辞めない、ということで良いのか?」「はい」
彼女の黄金の澄んだ精神は何処へか消え去り、後には、底に泥のたまった鈍色(にびいろ)の淀んだ魂が残っていた。

「……しかし旦那様」 メイドがあきれたような顔で口を開く。
「なんだ?」
「『空気』これ、なんて読むか知ってます?」
メイドは大きく『空気』と書いた看板を頭の上に掲げる。……どこから出したんだろう。

「atmosphere」
完璧な発音(多分)で父が答える。なんて言ったのかはわからないが、何となくそれっぽい気はする。
「普通、Airじゃありません?」
「こっちの方が意味的には近い」メイドの問いかけに父が返す。
「まぁそうですけど……」
「そんなことはどうでもいい。作戦会議だ」父が言う。
「いや、それが……」
メイドがいまだ服に縋り付いている妹を指し困った顔をする。
……妹は立ったまま眠っていた。泣き疲れたのだろう。それにしても……器用なやつ。道理で静かなわけだ。
納得しながら妹をメイドの服から引きはがし、ソファにねかせる。
涙とよだれでメイドの服がひどいことになっていたが……見ていないことにしよう。

「さて、今度こそ本当の作戦会議だな」
父が、会議の始まりを宣言した。
49: 枕 ◆t5ttWOhuII:2012/3/24(土) 13:56:51 ID:c6LdN8AlDo

「あの馬鹿は腐ったとは言え、私の息子だ」

 父は苦虫を潰した顔で言った。

「私が何処で間違えたかも分かっているつもりだ。それを知らん顔で放ってしまった結果だ。だから──」

 まるで懺悔のように父は呟いていた。しかし、その言葉は途中で止まる。いや、止められる。

「でりゃあぁぁ!!」

「ぷげらっ!?」

 お婆様のドロップキックによって……。

「お義母さん!? 何をするん──」

「ごちゃごちゃ言ってないでシャキッと言ったらどうだい!!」

 珍しく真剣なお婆様がお父様に言った。

「あんた、折角の格好付ける機会じゃ! 家族にナヨナヨした姿見せて先延ばしする気かい!? 『今日の残り時間』は少ない!! さっさと言いなぁ! 息子を助けたい、力を貸せって!!」

 お父様はよろけながらも立ち上がる。その目には固い決意があった。

「皆、馬鹿息子を一緒に助けたいから…………
 力を貸してくれ!!」


50: 乙潤 ◆nyan.ce4UM:2012/3/24(土) 16:42:30 ID:0JZBd7ZYdQ
「ふふふ、あなたならそういうと思っていましたよ。」

ずっと深刻な顔でいたお母様がようやく笑顔になった。

「まぁ私もまだこの屋敷のメイドな訳ですし、お嬢様とムフフなことをするためにも尽力しますかね!」

「……頼む。一億払うから今すぐにでも辞めてくれないか?」

苦い顔をしながらお父様は、冗談まじりに(だと思いたい)そういった。

「HAHAHA〜ジョウダンデスヨ〜」アセアセ

「私も当然、お兄様のためならなんでもしますわ!」
「ふむ。では作戦なのだが、メイドよ。お前のことだから蹴散らした部下にも何やら怪しい機械を付けて来たのであろう?」

「あ、よくわかりましたね。とりあえず一瞬しか無かったので、盗聴器とGPSの発信機くらいしか付けられませんでしたけど。」
えっあの間にまだそんなことしてたのね!?メイド……恐ろしい子っ!

「お前はメイドを辞めても充分違う仕事で働けるのではないか……。だが、それがあるなら話は早い。その部下の会話を聞けば敵勢力もバカ息子の居場所も分かるだろう。仮に移動していたとしても発信機の電波で居場所は確実に分かる。すぐにでも救出に向かうぞ。」

「お父様私もっ」

「お前はダメだ。さっき何をされそうになったか分かっているのか!」

「でもっ!」

「旦那様。娘さんは私が守ります。ですから共に連れていっては下さいませんか?」

メイドが真剣な目でお父様に頼み込む。

「……何かあったら退職金は無しだぞ?」

「お嬢様、大人しく家にいてください。」

「め、メイドっ!」

「冗談ですよ。」

お父様に頼み込んだのと同じ顔で言われると流石に冗談とは思えないよ……

「あなた、私は?」

「あのバカ息子の親は私達だろう?一緒に行こう。お義母様、小さい娘は頼みましたよ。」

「あらほらさっさー!」

……帰ってきたら家に髑髏型のキノコ雲が上がってるんじゃないかしら。


こうしてお父様、お母様、メイド、私の4人でお兄様救出作戦、オペレーションゲットバッカーズ(命名メイド)が始まった。

51: 寅午 ◆.eH7uaEVrQ:2012/3/24(土) 19:37:03 ID:LIH9xLQmeE
『──…くっそ、なんだあのメイド…強ぇ…』
『うっ…』
『おい、こいつ気失ってるんじゃないか…──』

移動中の車の中、メイドが部屋から持ってきた大仰な機械で、盗聴した内容を録音したものを聞いていた。
そのあまりに鮮明な音声に、おそらくそれまでこの機械の被害者だったであろう私が戦慄したのは言うまでもない。

『──とりあえずボスに連絡だろ』
『うぅ、怖ぇ…』
『おい、いいからこいつ運ぶのを手伝ってくれ──』
私たちがその録音を聞いているうちに、運転をしてくれている執事長がGPSで場所を確認しながら訪ねる。

「旦那様方、何やら四つあった反応のうち、二つだけ移動し始めましたぞ」

それは録音された音声の内容とも一致していた。

「移動し始めた方を追ってください。坊っちゃんの元へ向かうようです」

メイドさんが答える。
というかメイドさん、四人ともに発信器をつけていたの…。

一つしかつけられなかったらしい盗聴機の方は、幸いにも移動し始めた二人のどちらかにつけられたらしい。
お兄様を助け出す際のことを考えると、心強く感じる。

「了解しました。少し運転が乱暴になるやもしれませぬ、お気をつけくだされ」

執事長さんはそう言うと、アクセルを深く踏み込む。
乱暴さなど感じないが、周りの景色だけが移り行く速度を増した。

…お父様がぼそりと、運命とやらを感じさせられる、と呟いたことに、私は気づかなかった。

──この特別な日に、私たちは、再び『家族』として全員揃うのだな。
52: 鬱岡 ◆CevUvUjMhQ:2012/3/24(土) 20:35:21 ID:upUyOZQyEI
――怖い恐いコワイ

「さて、逃げません。と言っていたお嬢ちゃんがどういうことかいなくなってしまったんだが…どんな気持ちだい、お兄様?まぁまともに喋られるとは思っていないワケだが」

――なんでこんなことになったんだ
声がでない

「ま、バカやったくらいならちょっと指詰めて許してやらないでも無かったんだが」

――兄貴がなにか俺に話しかけてくる
体が動かない

「少しばかりハメを外しすぎちまったな。家族には迷惑かけちゃいけませんて習わなかったか」

――家族。この言葉だけは耳に残るけど兄貴の俺を見る目はゴミかなにかを見ているようで
アンモニアの臭いがする

「これからも親に迷惑かけ続けそうな子を養うと思うか?ま、そういうわけだ短い付き合いだったな………おい!このナマモノいつもんとこに捨てておけ」

――兄貴…いや若はあっさり俺を、家族を見捨てた



 全ての繋がりを自分で切ってしまった。
 関係を捨てたつもりはなかったんだけど…な、切れてしまってちゅうぶらりんだ。
 俺の手には糸くずが握られてるだけで本当に大切なモノは何一つ素手で掴んじゃいなかった。
 もうどうしようもないほどに手遅れになって今更気付いた関係。
 そういえば今日はあの日だったな………
遠くから車の音がする――
53: 普乳 ◆kSd3h.IkGU:2012/3/24(土) 21:51:35 ID:sy4TdTqfb6

「お兄様!!ご無事ですか!?」

 バン!っと扉が開くと共にメイドを先頭に父親、そして屋敷の警備員が入ってきた。突然のことに部屋の中にいた者は大した反応が出来なかった。
 その隙に何人かは拘束されていった。

「てめぇ!!」

 一人がメイドに銃を向ける。しかしメイドは臆する事なくその身体にタックルをかました。

「ふごぉっ!?」

 タックルした勢いのまま兄の元に辿り着いたメイドは、兄を俵持ちにした。

「兄は確保した!全員撤退!」

 父のその言葉と共に一斉に人が出ていく。時間にしてほんの二、三分の出来事であった。


─車内─

 メイドは運転する車内は静かだった。因みに警備員は休暇を取っていた者だったので作戦が終わった段階で解散していた。

「……」

 兄は妹達に治療を受けていた。父は誰かに電話をかけていた。

「分かった、では。……兄よ、お前は明日から私の下に戻ることになった」

 その言葉に兄以外のみなは顔を輝かせた。

「何でだよ……」
「お前がもう道を踏み外さない様にだ」
「んなの余計なお世話だっ!!」

 兄は吠えるが誰も意に介さない。

「こんな特別な日に家族全員揃うなんて、私は幸せ者だな……」

 父のその言葉に誰も返事は出来なかった……。
 その後兄は改心し、妹達の想いは叶えられた。家族とは、きっと、どんな時でも、どんな事があっても見捨てない、強い絆を持った人たちの事なのだろう──。
54: お姉様 ◆RO2jhvAC9Y:2012/3/24(土) 23:04:37 ID:tmR2D2iuX.
兄を奪回後、家族は無事屋敷に到着した。
帰り着くとすぐさま兄は屋敷専属の医師団に迎えられ、検査と治療の為リビングに案内される。帰りの車内で医師団を集めるようにも指示していたからだ。
私たちも後に続く。

幸い尿検査も陰性、外傷も娘たちの手当てが的確だったため、経過観察となった。

―23:02―
激動の1日を終え、私は疲れでソファーに座り込む。

「メイド…キツいバーボンを一杯頼む」
「かしこまりました旦那様」
メイドはリビングを後にする。
医師達も治療を終え退室した。リビングには私達5人だけとなった。
徐に兄が口を開く。
「…迷惑かけて、ごめん……その…父さん…」
父さん…永らく聞いていない言葉…悪ガキだった息子も、こう見るとまだまだ幼い。
「…お前が無事だった。それだけでいいさ……家族だろう」
家族…その言葉に兄は涙した。
ただの言葉なのに、何故こうまで胸に温かさがこみ上げてくるのか…冷え切ったグラスに温かい飲み物を注がれた様に、止められない汗が涙として溢れ出した。多くの言葉はいらない。
これから離れていた距離はかならず縮められる。
私は、いい子供を持った…

「ねぇねぇ、そういえば今日ってry」
二女が口を開くと同時にメイドがバーボンとグラスを二個持って来た。
「お待たせしました、旦那様、お坊ちゃま」
「おいおい、息子はまだ18で…」
「堅いこと言うなよ親父wwwもう飲み慣れてるってのw」
「まずはその言葉遣いから再教育しなくてはな。」
クスリと娘たちが笑った。
メイドに渡されたバーボンを二人が受け取り、息子とグラスを当て合いバーボンを一口喉に流し込んだ。一日の疲れが消化されていく気持ちだ。

私「……こうして、また家族みんなで暮らせる日を願っていた。それが今日と言う日に叶った。まったく…因果なものだな。」
息子「うるせぇやいwww」

私「今日はみんな、もう何の日かわかっているな?」
息子「しつこく惚気話聞かされて耳だこだってぇのw」
長女「お母様も歳を考えなさいよ」
妻「あら、私はまだまだ若いし現役よ?」
二女「お父様もだからね!」
私「お前はもう少しお淑やかにならんとなw」
ばつの悪そうな顔をする二女にみんなが笑い声をあげた。

私「……今日は、妻と出会って20年目の記念日、そして結婚記念日でもある、つまり…」







私「私達が、家族になった日だ」
55: PK:2012/3/24(土) 23:46:38 ID:gE8pwd8Sek
「あー、はいはい。またおっさんが臭いこと言ってるよww」
兄が文句を言う。しかしその顔は本当にうれしそうに笑っている。

「お兄様、その言葉遣い、妹に移さないでくださいね?」
おねーちゃんがおにーちゃんにちゅーいしてる。
でもえがおだからきっとおこってないんだ。

「おとーさま、おっさんくさいー」
あの、お嬢様、それはちょっと違うような?
……でもまぁ、面白そうだから乗っかっておきましょうか。

「旦那さま。とりあえずこれ、体臭が取れる石鹸と、話題の毛生え薬でございます」
あらあら、メイドさんってばあんなものどこから取り出したんでしょう?
……いえ、女には秘密の一つや二つ位あるものですわね。

「あなた、遠慮なく受け取っておきなさいな。この前、抜け毛で悩んでいたでしょう?」
くっくっく、うちの娘も図太くなったもんだね。昔はあんなに泣き虫だったのがさ。
ま、多少頼りないとこもあるけどあの旦那様のおかげかな?
ちょっとくらいはみとめてやってもいいかもねぇ。

「おや、そーなのかい?昔うちのじーさんが使ってた毛生え薬、後で届けさせようか?」

……まったく、なぜ私がこんな目に合っているのだろう。
そんなに楽しそうな目を全員から向けられたら、怒るに怒れないじゃないか。


「まったく……しょうがない家族だよ、お前たちは」

親父が、笑いながらあきれながら、楽しそうにつぶやいた。

〜Fin〜
56: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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sage:


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