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豆しば「ねぇ知ってる?」
[8] -25 -50 

1: ◆R01dOieVuY:2012/2/8(水) 03:16:10 ID:QLchl5COho


「ねぇ知ってる?」

このフレーズでピンとくる方も多いはずだ。
CMの合間合間に微妙な豆知識を披露する、一見可愛い豆型の犬(?)
豆しばは何を思い、何故知識を披露するのか。
それは本人達にしか解り得ない境地なのだろう。


17: ◆R01dOieVuY:2012/4/9(月) 01:01:35 ID:v9.NOO2OA.
支援もらっといて申し訳ないです
更新ペース大分ゆったりなので気が向いたときにでも覗いて頂ければ。

話自体もそんなに長くないですし
18: 名無しさん@読者の声:2012/5/18(金) 20:11:20 ID:1rjKaK7ckI
豆しばが怖くなった
19: 名無しさん@読者の声:2012/7/3(火) 16:58:44 ID:W6Vsld8Cqc
更新マダー?
20: ◆R01dOieVuY:2012/7/20(金) 02:21:28 ID:JXS0NB5UFg


知識の話をBは笑いながら聞いていた。
それもそうだろう
いくら知識が己の恐怖を弁舌しても、戯言にしか聞こえない。
そんなこともわからないのか、知識はただただ憤慨するばかりだった。

そこでBの飲みかけの豆乳パックから、声が聞こえた気がした。


「ねぇ、知ってる?」


そのフレーズに知識は凍りつく。
Bもそれは同様で、豆乳パックを注視している。
凍りつく二人の様子を気にも止めず、そのパックの中にいるであろう『それ』の口が動くのをありありと想像できた。


「B君の顧客情報を漏洩したのは知識君なんだよ。」


またもや凍りつく、今度は、空気が。
信じられないといった表情でBは知識を見た。
必死に知識は違うとかぶりを振るが、Bにも思い当たる節があるらしく、疑惑の目で見つめ続けるだけだった。
それにしびれを切らしたのか、豆乳は尚も雄弁に語る。
まるで、知識の犯行を実際に見たかのように詳しく。

そしてそれは虚言ではなく、事実のことであった。

Bは怒りにワナワナと震えていたが、突然知識に掴みかかった。


「お前…!よくもそんなことを!!!」

「違っ!!違う!!俺はやってない!!!」

「だけどこれならつじつまが合う…!!よくも…よくも俺の人生を台無しにしてくれたな!!!」


烈火の如く怒っているBをよそに、どこか遠くで子供の甲高い笑い声を聞いた。
それが豆しばのものだとわかるのに、しばし時間が必要だった。

知識が次に目を覚ましたのは自宅であった。


21: ◆R01dOieVuY:2012/7/20(金) 02:40:34 ID:Ggts5cP8t2


「やっと起きた?」


女性の声がする。
ああ、彼女が自分を家まで連れてきてくれたのかとほっとため息をついた。
安心すればなんだか体を起こすのも気だるいもので
しばらくぼんやりと天井を眺めていた。

そういえばBとはどうなったのだろう。
考えようとすると、頭の奥に虫歯のような痛みが走る。
結局殴りあいのケンカになってしまったのだろう。
倒れている俺を彼女が介抱してくれたんだ。

実際はどうかはわからないが、そういうことにしておいた。

遠くで水の流れる音が聞こえる。
きっと彼女が料理でも作っているのだろう。
乱れることなく、一定のリズムで水が…。

知識はここで違和感に気づく。
炊事をしていれば普通水の音には乱れが出るのに…。
ひとつ気になれば他にも気になり始める。
そういえば、水の流れる音以外…金属音…料理を作る独特の熱気等も感じられない。

不安に駆られた知識は起きあがり、台所を確認した。

そこには誰もいなかった。
まるで人だけを消したかのように、流しには銀糸が流れている。

そして知識は大変なことを思い出し、口をパクパクとさせた。
知識には現在、彼女はいない。


ではあの声は誰のものだ!?
パニックになりながらも、とりあえず水を止めようと流しに近づく。
そこでまた知識は悲しいかな硬直する。

水を流しっぱなしかと思われたシンクには銀色のボウルが置いてあり。
その中には無数の豆達がいっせいにこちらを向いて見つめているのだ。

悪意のある無表情さで豆たちは言った。


「「「ねぇ知ってる?」」」


それは先ほどの女性の声に相違なかった。

知識が絶叫し、部屋を出たのはそう間もないことであった。
22: 名無しさん@読者の声:2012/7/20(金) 12:02:56 ID:oNmRRovy2M
更新きた!!
23: 名無しさん@読者の声:2012/7/27(金) 23:00:16 ID:AWAgK8JDiY
豆しばこわすぎワロタ
24: ◆R01dOieVuY:2012/7/28(土) 05:30:02 ID:VogoRq5GDw

「ねぇ知ってる?」

「Cさんの陰口をDさんに伝えたのは知識君なんだって。」

「ねぇ知ってる?」

「E君が行方不明なのは知識君が高利貸しに売り渡したからなんだって。」

「ねぇ知ってる?」

「F君が自殺したのは知識君が情報を奪ったからなんだって。」


「やめてくれよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


どこへ行くわけでもなく知識はただ走り抜けた。
人が、自分を汚い物を見るような目で見てくる。
立ち止まれば、町中の人間が掴みかかってくる錯覚と焦燥。
汗は暑いから流れるだけではない。
息はただ呼吸するために存在するわけではない。
足は前進することに囚われるわけではない。
破けそうな肺と、固まりそうな自分の足。
恐怖か懺悔か目からは涙を落としながら、全身が走る脈動を体感している。
周りの怪訝そうな目も、今の知識には殺意のある視線でしかなかった。

薄暗く、人もあまりいない公園。
ようやく知識は一人になれたことを確認すると、乳酸でパンパンになった足をベンチに投げ出した。
荒々しく呼吸をするが、ふと大きく息を吸った後にため息のような呼気を吐きちらかした。
ずいぶんと落ち着いたようで、空を眺めながらこれからどうするかを考える。

もう自分には居場所がないのかもしれない。
いくら言葉を取り繕うとも、皆、豆の言うことを信じてしまう。
思えば知識には友人と呼べる相手がいなかった。
困ったときに親身になって、知識を信じてくれる相手が…。

それは結局知識自身がやってきたことの積み重ねであり、今傍らにそういう人間がいないのも自業自得。
人を貶め嘲笑い、奈落へ突き落とし、利益を得て。
助けを求めるように上空に手を伸ばした。
今は亡き母親に思いを馳せて、パタリと手は糸を切るように落ちた。
25: 名無しさん@読者の声:2012/7/30(月) 03:41:29 ID:hDE98dHwz2
こええよ
っC
26: 名無しさん@読者の声:2012/7/30(月) 03:48:07 ID:LW72vK0jCQ
まめしばのキーホルダー捨ててきた
27: ◆R01dOieVuY:2012/7/31(火) 01:27:16 ID:C9NIO2qu4I

「母さん…。」


自分は間違っていたのだろうかと自分の胸に問いかける。
あのときの母親の嬉しそうな顔。
あのときの父親の悔しそうな顔。
今でも昨日のことのように思い出せる。
自分は間違っていないはずなんだ。
何故、何故隠し事をするんだ。
それを露呈されたらもっと始末の悪いことになるのに。
何故、本当のことを言わないんだ。

ゆっくりと起き上がると、何も変わらない平穏な公園。
まだ明るいが、子供の声はしないため静まりかえっている。
向こうの古くさい木製のベンチに腰かけた老人は、ビニール袋から豆袋を取り出し、鳩に向かって優しくほおり投げる。

その瞬間だろうか。
公園には自分と老人しかいないのに、子供の声が聞こえたのは…。
恐ろしくなった知識は辺りを見回すが、もちろんいない。
ドクンドクンと心音が耳元で響き、嫌な汗はにじみ出る。

恐々と前を向いた時に知識は小さく「ひっ」と叫んでしまう。

ベンチに座っていたはずの老人が、無表情のまま目の前に立っていたのだった。
その片手には豆袋を持って。
知識はその老人よりも、豆袋のほうに目をやった。
案の定、豆達がこちらを見ている。
老人は青臭い息を吐きながらニイッと笑うと、豆を両手に掴んで知識の耳に擦り付け始めた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ざわ ざわ
  ざわ『ねぇ知ってる?』ざわ
ざわ『A君とB君を殺したのは』ざわ ざわ
 ざわざわ『知識君なんだよ。』ざわざわ


「ちがあああああああうああああああ!!!!!!!!!!!!!」


たくさんの豆達がいっせいにそう語る。
不協和音を奏で、ボイスチェンジャーを使ったような…腹をえぐる重低音。
ニタニタと笑う老人を押しのけて、知識はまた走り出した。
28: 名無しさん@読者の声:2012/7/31(火) 03:03:50 ID:U1SoexudYo
まめしば恐怖症とかになりそう
29: 名無しさん@読者の声:2012/7/31(火) 03:08:29 ID:LW72vK0jCQ
まめしばの恐ろしさに気づくのが遅すぎたC
30: ◆R01dOieVuY:2012/8/6(月) 04:49:43 ID:hP/teSu7xw
「ダレガAクンコロシタノ?」

「ソレハワタシ、トモシキデス」

「ダレガBクンコロシタノ?」

「ソレモワタシ、トモシキデス」

「ダレガシヌノヲミテイタノ?」

「ソレハネ、ミンナ。ミンナガシッテルノ」

「ダレガシタイノバショヲシッテルノ?」

「シタイは」

「何処ニ」

「あるノかな?」


奴等はからかうように笑う。
子供の声をした豆はケタケタと歌っている。
童謡を歌うように軽快に、愉快に。


「やめてくれって…っ!」


泣き言を言う口をつぐんだ。
これ以上泣いて、逃げても同じことの繰り返し。
どこまで行っても奴等は着いてくる。
それならば、奴等を捕まえて…殺してやる!!
その思考に至ったとき、知識は自分の家の前にいた。
今までさんざ酷使した体と、酷い喉の渇きが一気に襲ってきて、とりあえず家に入ることにした。

扉を開けると、間違いなく自分の家の香りがした。
木の香りとムカつくようなヤニの臭い。
入ってすぐ確認できる流し場には水は流れていなかった。
自分は確か水を止めずに慌てて出ていったはずだが…と考えたが、あまりそれに囚われないように心がけた。
恐怖心に駆られたらそれこそ相手の思うツボだ。
包丁を手にとると、知識はそれを片手に身構える。

あのフレーズ。
あのフレーズが聞こえてきたら、声の方向へ向かってこの包丁を突き立てる!

今の知識の顔は、鬼と見まごうほどであった。


「ねぇ知ってる?」
31: 名無しさん@読者の声:2012/8/8(水) 10:49:29 ID:ycV30JdJBU
こわい
たまごかけご飯食べるの怖くなったじゃねーかどうしてくれる
32: 名無しさん@読者の声:2012/8/8(水) 11:43:25 ID:7P5hU/bei.
こえぇ…

つC
33: 名無しさん@読者の声:2012/8/12(日) 12:43:30 ID:qPl5cJW/Gg
待ってた。けどこの展開はわろえないが見ちゃう

私怨
34: ◆R01dOieVuY:2012/8/19(日) 01:19:01 ID:o/z6Xva7QY

押し入れからその子供の声は聞こえた。
暗闇の中で目を凝らしてもどうせは見えないのだが、声さえ聞こえればだいたいの場所はつかめる。
ギラリと光る包丁よりも、知識の目付きのほうが殺気だっていることに、豆しばは気づいているだろうか。

「A君は知識君の…」

「っるせえんだよ!!!死ねよ!!!」

引き裂かん勢いで押し入れを開けると、知識は声のしたほうに向かって包丁を突き立てた。
何度も何度も。
肉を刺す感触と吹き出る生暖かい液体。
一つ刺すたびに、理性は削れ、狂気が構築されていく。
血走った目には何も見えてはいないが、知識の脳内では、豆しばが息も絶え絶えに臓物を撒き散らしているのを視ることができた。

「勝ちだ…!勝ったんだ!!俺は勝った!!!ざまぁみろ!!人間様の隠し事なんざ暴くからだ!!!!!」

勝利の雄叫びを高らかに吠えるその様は人間味をどこかに置き去りにしてきたような顔をしている。
自業自得も甚だしい彼の現状だが、己に与えられた罰とは考えも至らないのだろう。
そんな彼だからこそ、罰を与えられたのだろうけども。


「ねぇ、知ってる?」


まだ悪夢は終わってないことを、その一言で察した。



35: 名無しさん@読者の声:2012/8/19(日) 08:56:32 ID:qvHacQydOQ
ぎゃあああああああ
36: 名無しさん@読者の声:2012/8/19(日) 09:54:51 ID:ai0jBRG7/E
タイトル見て和み系って思ったら・・・・・・ナニコレ怖い
でもおもしろい
27.42 KBytes

名前:
sage:


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