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チェシャ「リメンバー・アリス」
[8] -25 -50 

1: ◆AlicexxO96:2011/9/11(日) 00:07:28 ID:EXtZ5v8wjc
白兎「アリス! 私達のアリス!」の番外編的なものでございまする

本編に入れたかったけどサイズオーバーにより断念したチェシャ猫の過去編等

本編の時ほどの更新率は無理ですが、放置するようなら直ぐ削除希望を出しますので、御了承ください

完全に蛇足と自負しておりますので
ひっそりと穏便にsage進行で行きたいと思いますので、どうかよろしくですm(_ _)m


2: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 00:09:01 ID:HZAwghMepM
にげと
3: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 00:09:55 ID:rSvHjP2k3.
お帰りなさい!
4: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 00:15:50 ID:12G2BgD5mw
どっかで聞いたようなタイトル…



5: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 00:17:00 ID:yQM7sYVCM6
猫は独りでした

その国が、アリスが生まれたその日から独りでした

チェシャ「……」

不思議の国にも戦争があります

猫達が鼠達を攻撃する形で開戦

戦争を仕掛けた猫の種族だ、悪しき種族だと石を投げられ

不吉の象徴だと後ろ指を指され

その他の人々には目もくれられず

それでも独りで笑っていました
6: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 00:21:43 ID:EXtZ5v8wjc
だって猫はこの国が好きでした

この国の人々が好きでした

もうそういう辛い事には慣れてしまったのでしょうか

笑顔は誰かを幸せにするものと、知っていた猫は

ひたすらに笑みを絶やさず、ずっと独りでした

チェシャ「……寂しいねぇ」フリフリ
7: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 00:24:54 ID:XXyIM9TlNE
チェシャ「こんにちは、はじめまして」ヒョコ

ドラ「…わ!びっくりした! 誰!? どちら様!?」

チェシャ「脅かしちゃったか、ごめんごめん
ボクはチェシャ猫だ」ニンマリ

チェシャ「君の名前を教えて貰えたら嬉しいな?」

ドラ「チェシャ猫さん?
えっと僕は…うん、ドラゴン、なんだけど」

チェシャ「なんだい、歯切れ悪いね」
8: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 00:26:03 ID:XXyIM9TlNE
ドラ「…ドラゴンだよ?」

チェシャ「うん、まぁ見れば分かるよ」

ドラ「君は逃げないの?
ドラゴンだよ? 火を吐くんだよ? 食べちゃうかも知れないんだよ?」

チェシャ「君はボクに逃げて欲しいの?」

ドラ「…!」ブンブン

チェシャ「だろ? ボクも君から逃げるつもりなんてさらさら無い」

ドラ「君は、何をしに来たの?」

チェシャ「ボクと友達になって欲しいんだ」ニンマリ
9: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 00:28:28 ID:3aE7tu1jnQ
ドラ「お、友達…?」

チェシャ「そ。ボクと君は似た者同士だと、勝手に認識させて貰ってるんだ」

ドラ「君と僕が?」

チェシャ「理不尽な理由で忌み嫌われてる所とか」

ドラ「そりゃ、僕はドラゴンだし…
みんな怖がるのも無理ないよ…」

チェシャ「そしてそれを諦めて、受け入れてしまっている所」

ドラ「う…」
10: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 00:32:15 ID:hZatukS3eA
チェシャ「それでも本当は、独りが寂しいって、そう思っている所」

ドラ「……」

ドラ「君もそうなの?」

チェシャ「ボクもそうなの」フリフリ

チェシャ「どうだろ。似た者同士、寂しがり屋同士
話が合うと思わないかい?」
11: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 00:34:20 ID:XXyIM9TlNE
ドラ「じゃあ、君と友達になりたいな」

チェシャ「決まりだね。
まぁ仲良くしようぜ?」

ドラ「うん!」

チェシャ「……」

ドラ「……」

チェシャ「……」フリフリ

ドラ「……えと、何かなこの間は」

チェシャ「や、友達になったはいいけどさ」

チェシャ「友達が出来た事自体、ボクは初めてだからさ」

ドラ「ふんふん」

チェシャ「それからどう過ごせば良いかは分からなくて」フリフリ

ドラ「わぉ」
12: ◆AlicexxO96:2011/9/11(日) 02:50:43 ID:2RxliD3ePc
ランキング見ておりました祝四位!!

まだ投票して下さっていた方々がいるんですね、本当に感激です

いやはや、お話は沢山溜まっておりますが、今日始まったばかりですからゆっくり行きたいと思います

とりあえず、これは献上以前のチェシャ猫のお話なので
少々、性格等本編とは異なる時もあります
御了承くださいな

>>2
にげとおめっとさんです

>>3
ただいま!

>>4
!!

それでは、おやすみなさいませ皆様
13: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 03:50:57 ID:6Y1QddFcCQ
わがまま言っちゃうと鷹くんと白兎の馴れ初めとかアリスが初めてワンダーランドに来た話とかが読みたいです
14: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 16:28:09 ID:rtBjv/ZldI
うああああああああああああ!!!!!
1おかえりいいいいい!!!
四位おめええええ!!
できたらね!男と山鼠ちゃんが人間界にもどってきてからのお話が見たいの!!

チェシャの過去編とか俺得すぐる1愛してる!
15: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 16:31:25 ID:rtBjv/ZldI
あげてしまった・・・
ごめんなさい・・・
16: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 17:58:53 ID:oWjFLHRwNg
アリス番外編キターーーーーーー!!!!!!!!
17: ◆AlicexxO96:2011/9/11(日) 21:06:28 ID:LKWhokV37M
>>13
白兎「馴れ初め:恋愛関係に入ったきっかけ(広辞苑より)」

白兎「はい?(怒)」

というのは冗談で、鷹と白兎ちゃんのお話も考えていきますー
鷹君思えば良い印象全く無い?キャラですね…

>>14
おぉう…テンション…
えぇ、山鼠ちゃんと男さんの絡みも書く予定です

私も愛しておりますw

>>15
おぉう…テンションの差…
初めてsage進行して分かりましたが、やっぱり少し寂しいので時々上げてやって下さいw

>>16
ハードルは下げさせて貰います
あくまでも蛇足ですよん!

じゃ、のんびりとチェシャ猫編ぱーと2スタートです
18: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 21:14:05 ID:hZatukS3eA
ドラ「友達になりたての頃はね」

チェシャ「うん」

ドラ「お互いを褒め合えば、もっと仲良くなるんだって!」

チェシャ「へぇ?」

ドラ「僕の友達の請け売りなんだけどね」

チェシャ「…他にも友達がいるんだ?」

ドラ「うん!とっても楽しい人達なんだよ!?」

チェシャ「へぇ」フリフリ
19: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 21:41:42 ID:Nl1BkT2ffc
ドラ「……(良いところ、良いところ…)」

ドラ「…さっきから揺れてるその尻尾が、その…あれだね!ファンタスティックだね!」

チェシャ「その表現がファンタスティックだね」フリフリ

ドラ「くねくねしてミミズみたいで可愛いね!」

チェシャ「早速友情崩壊の危機かな」フリフリ
20: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 21:43:20 ID:XXyIM9TlNE
チェシャ「ふむぅ」

チェシャ「君の尻尾も逞しくて厳つくて格好良いよ?」フリフリ

ドラ「わ、え、へへ…
そんな事言われたのは初めてかな」フリフリ

ガンッ ガララッ

チェシャ「洞穴崩れるから尻尾振るの止めた方がいいんじゃない?」

ドラ「ちょわわっ!」
21: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 21:58:56 ID:3dwiETMrNI
チェシャ「だいじょぶ?」

ドラ「うん、へーき!
褒め合うのも難しいんだね」

チェシャ「まぁ君だけだろうけどね」フリフリ

ドラ「おっかしいねー
簡単だって聞いたけど…
嘘言うような人達じゃないんだけどねー」

チェシャ「…その、君の友達ってのにも、会ってみたいね」

ドラ「わぁ!良いね!
あとちょっとしたら二人も来ると…あれ?」

チェシャ「ん?」

洞穴の入り口に人影が二つ
22: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 22:03:10 ID:EXtZ5v8wjc
白兎「…あのー、ドラゴンさん?」ヒョコ

山鼠「よぉドラゴン!
また遊びに来てやった…誰そいつ?」

兎と鼠の少女

鼠?

少しだけ
いや、少しどころじゃないような嫌な予感

チェシャ「……」
23: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 22:06:37 ID:.P9Ds9FMzQ
ドラ「この人はチェシャ猫さん!
新しい友達なん…」

白兎「チェシャ猫…?」

山鼠「猫なのかそいつ」

チェシャ「……」ピクッ

猫は気づきました

鼠の少女の目が、自分を蔑んできた人々のものと同じ

嫌な予感は的中してしまったようです

この子とは、友達になれそうにありませんでした
24: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 22:17:48 ID:.P9Ds9FMzQ
ドラ「どうして!?」

山鼠「…俺の両親、戦争に出てって猫共にやられてんだぞ」

ドラ「で、でもチェシャ猫さんが鼠さん達に何かをした訳じゃ無いよ!?」

チェシャ「しょうがないよ
ボクは猫で彼女は鼠だ
そういう関係だからね」

ドラ「諦めるの!?」

チェシャ「…諦めるよ、ボクなんかが君たちの仲を壊す訳にはいかないし」

ドラ「嫌だよ! ちゃんと話もつけずに諦めちゃうのさ!?」
25: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 22:26:36 ID:SreLzOfR6w
チェシャ「……じゃあ君はさ
ボクとそこの二人、どっちを取るんだい?」

ドラ「へ…?」

山鼠「……」

ドラ「そんな、そんな極端過ぎるよ! どっちも大事だし…」

チェシャ「でも、彼女達はその答えを求めてるんだよ?」

白兎「……」

ドラ「…あ…」

ドラ「……僕、は」

チェシャ「言わないで
答えは分かりきってるし、絶対にボクはその言葉を聞きたくない」

ドラ「……でも!」

チェシャ「だからお別れしなきゃ
ほんの短い間だったけどね」

ドラ「へ!? お別れ!?」
26: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 22:45:56 ID:SreLzOfR6w
ドラ「嫌だよ! 友達でしょ!? お別れなんてしないよ!?」

チェシャ「ボクのせいで振り回してごめんね
ボクは友達失格だ」

チェシャ「……ごめんね山鼠ちゃん」

山鼠「…個人的恨みはねぇけどさ」

チェシャ「…うん。出来るだけ君の前には現れないよう、気をつけるから」ピョン

ドラ「ねぇ!? まだ全然お話ししたり無いよ!!」

白兎「ドラゴンさん…」

ドラ「なんで!? 訳分かんない!!」

山鼠「……」チッ
27: 名無しさん@不思議の国:2011/9/11(日) 22:47:53 ID:XXyIM9TlNE
初めから分かっていました

チェシャ「……」ピョン

自分の居場所なんて、そう簡単にある訳がない

チェシャ「……」

でも、ほんの少しの間でしたが、初めて出来た友達とのお別れは

チェシャ「……」ポロポロ

ちょっとばかり、自分には悲し過ぎました
28: ◆AlicexxO96:2011/9/11(日) 22:55:47 ID:49xkdw3Uyk
書いてる途中にブレーカーが落ちたり、書きため飛ばしてしまったりと呪われております1です

>>23>>24の間すっぽかしてますが、何となく分かりますよねっ!w

気づけば明日は月曜日なのです
今夜は此処までにして眠りにつきます

それでは皆様良い夢を…
29: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 23:17:16 ID:qBCAX6PTig
チェシャ猫さん、私とお友達になりませう(`・ω・´)
30: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 23:59:54 ID:ghHEmn560Q
よくできた世界観だったからサイドストーリーが知りたくなるね
支援!
31: 名無しさん@読者の声:2011/9/12(月) 18:42:39 ID:fftOMFszUM
口先上だけでも友達でいたいんだねチェシャ猫さん・・・
C
32: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 20:09:38 ID:.P9Ds9FMzQ


アリス「……?」

アリス「白い、兎…?」

白兎「♪」タッタッ

アリス「あ…」

アリス「待って!」タッタッ



白兎「おいしょ!」ピョン

アリス「あ!」

アリス「…井戸、落ちちゃったけど……あっ?」ツルッ

アリス「ひゃ…!!」



チェシャ「……アリスだ」

ある日、不思議の国にアリスが迷い込みました
33: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 20:11:38 ID:Nl1BkT2ffc
『アリスだよ、アリス』

『僕達のアリスが帰ってきた!』

森に住み鳥達が一斉に慌ただしく鳴き出します

チェシャ「……」

『人間界に遊びに行ってた白兎ちゃんをね』

『追い掛けて、井戸に飛び込んで』

『今頃彼女は…』

チェシャ「ねぇ君達
アリスの居場所、分かるのかい?」スタッ

『!!』バサッ

木にとまっていた鳥達は一斉に飛び立ちました

チェシャ「……あぁそうかい」

チェシャ「いつも通り、ボク独りで探せばいいんだろ」
34: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 20:19:54 ID:XXyIM9TlNE
チェシャ「井戸、か…」

チェシャ「とりあえず近場から巡って行こうじゃないか」フリフリ


チェシャ「ここが一番近い井戸だけど」

チェシャ「ていうか、公爵の城の井戸だけど」

チェシャ「いきなりここから出て来たら、いくらアリスでも侵入者扱いされちゃうかもね」フリフリ

夫人「侵入者?あなたの事かしらぁ?」

チェシャ「げ」
35: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 20:28:42 ID:2RxliD3ePc
チェシャ「相変わらず眠たくなる喋り方だね
ごきげんよう公爵夫人」

夫人「えぇごきげんよう
次の挨拶は裁判所で聞きましょうね」ニッコリ

チェシャ「えっと、やっぱりこれってマズい事なんだろうね…?」

夫人「常識に縛られた考えにおいては、不法侵入は完全な犯罪ねぇ」

チェシャ「まぁ待とう。訳は話すから
ボクはただアリスを探しに来ただけで…」

夫人「…アリス?来ていたのぉ? 不思議の国にぃ?」

チェシャ「どうやらね」
36: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 20:39:17 ID:2RxliD3ePc
チェシャ「アリスの居る人間界からの入り口は井戸だけらしくてさ」

チェシャ「虱潰しに探してたら無意識にここだったって訳で」

夫人「若気の至りってやつかしらぁ」

チェシャ「そう解釈して、見逃してくれると嬉しいね」

夫人「……」

夫人「まぁ、城の庭にのら猫が入って来たってだけよねぇ」スタスタ

チェシャ「物分かりの良いお姉様で感激だよ」

夫人「でも、猫一匹でも侵入してたら、このボタンを押すよう言われてるのぉ」ポチッ

兵士「侵入者だ!!全員整列!!」

兵士「場所は御夫人の庭より!!」

チェシャ「…いじわる」ニンマリ

夫人「規則ですものぉ」ニッコリ
37: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 20:57:13 ID:Nl1BkT2ffc
夫人「……逃げられたかぁ」

夫人「……自由で良いわねぇ、猫って
ちょっぴり羨ましいわぁ」



チェシャ「いやぁ…」

チェシャ「酷い目にあった…」ボロッ

チェシャ「何考えてるか分かんないや、あの人は」

チェシャ「っと、アリスアリス」



アリス「は…はっ…はぁ…」ゼェゼェ

アリス「ここ…なに…?どこ…?」

アリス「怖…い…怖いよ…」

?「おや、アリスじゃぁないか
お帰りなさい」

アリス「…!」ビクッ

?「そんな息を荒げて、どうかしたのかい?」
38: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:07:36 ID:LKWhokV37M
アリス「どこ…?どこに…?
誰の声…?」

芋虫「私は芋虫だ」

アリス「ひっ…!?」

芋虫「ほら気づかないかい?
君の手の傍に落ちてる葉っぱに居るじゃな」

プチッ

アリス「……芋虫が、喋る訳無い」

アリス「喋らなくても気持ち悪いのに…」

アリス「やだ…お家に…帰りたいよぉ…」
39: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:12:52 ID:LKWhokV37M
チェシャ「見つけた…!」スタッ

チェシャ「……怯えてるのかな?
驚かせないようにしなくちゃね」

チェシャ「笑顔の練習」ニンマリ

チェシャ「達成条件、アリスと仲良くなる事!」パンッ

チェシャ「さぁ、行こう」ピョン
40: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:15:35 ID:Nl1BkT2ffc
アリス「…あなたは、だぁれ?」

チェシャ「ボクはチェシャ猫、君の友達になりに来た」フリフリ

アリス「あなたみたいな薄気味悪い笑顔の人とは、お友達になりたくない…」

チェシャ「にゃっ!?」ガンッ

アリス「…でもあなたが一番まともな人間かも知れないわ」

チェシャ「んー…一応猫なんだけどね?」

アリス「どっちでもいいの
今の所見た人間は、銃を構えた無口な怖い男の人位だったから…」

アリス「できたら、帰り道、教えて?」
41: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:20:03 ID:3aE7tu1jnQ
チェシャ「か、帰り道? 帰る気なの? 人間界に?」

アリス「何を驚いてるの?」

アリス「だって、ここは私が居た所じゃないわ
私の居場所はここじゃ無い」

チェシャ「ま、待ってくれよ!この国は…」

?「そう、あなたの為の場所よ?」

白兎「アリスー!」ガバッ

アリス「ひ!?ひゃああ!!」
42: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:25:16 ID:Nl1BkT2ffc
チェシャ「あ…」

女王「この国はあなたが作ったの
あなたの為にあるのよ」

アリス「まっ…いいからっ…のいてっ!」グイッ

白兎「アリスゥ!!アリスゥ!!わっふー!!」

女王「白兎ちゃん、落ち着いて?」

白兎「は、はい!」バッ

チェシャ「(切り替え早っ)」

アリス「あわ…あわわわ…」ビクビク
43: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:27:20 ID:EXtZ5v8wjc
アリス「どういうことっ!?」

女王「あなたは暫く、ここに居るの
好きに遊んで、好きに眠って、好きにお茶して」

アリス「は…!?」

白兎「いっぱい遊ぼうねアリス!」

アリス「絶対嫌!」

白兎「」ビクッ

アリス「意味が分からないよ!
帰して!パパやママに怒られるよ!」
44: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:33:11 ID:LKWhokV37M
女王「ねぇアリス、ここは夢の国
あなたが創りだした、あなたの世界なの」

女王「あなたが帰ってしまうと、この世界の意味が無くなってしまうのよ…」

アリス「私だってここでいる訳にいかないよ!
あんまり遠くに行くとパパにまたぶたれちゃうの!」

女王「…そんなに、帰りたいの?」

アリス「うん!」

女王「……」

白兎「女王様?帰しちゃうんですか!?」

女王「…アリスがそれを望むのなら仕方ないことなのよ」
45: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:35:53 ID:SreLzOfR6w
女王「じゃ、これだけ約束してちょうだい?」

アリス「……?」

女王「お家に帰っても、今日あなたが来たここの事を、どうか覚えていて?」

アリス「…知らない。ここ怖いから、思い出したくないよ…」

女王「お願い。ここの住民は皆、アリスを信じていますから」

アリス「……よく分かんないけど、分かった」

女王「良い子ね。じゃあまた会いましょうね?私達のアリス」
46: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:39:32 ID:yQM7sYVCM6
女王がアリスに手を振った時には

アリスの姿は消えていました

白兎「消えた!?」

チェシャ「…魔法?」

女王「えぇ、魔法
さてと、あなたはだぁれ?」

チェシャ「へ?」

女王「あなたの名前、教えてちょうだい?」

チェシャ「あ…ボ、ボクはチェシャ、チェシャ猫!」

女王「あぁ、噂の…
ごめんなさいね?まだ住民達の顔、しっかり覚えてなくて」

女王「ふふ…女王失格ね」

チェシャ「…あ、いや」
47: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:46:02 ID:3aE7tu1jnQ
これが女王か、と猫は思いました

初めて自分の目を見つめて話してくれたので

猫は物凄く緊張してしまいました

女王「そう、チェシャ猫。素敵な名前」ニッコリ

白兎「じょ、女王様ぁ」

女王「あら、白兎ちゃん
アリスが居たときの活発さはどうしたの?
そんな所に隠れて」

白兎「いえ…」チラッ

チェシャ「……」
48: 名無しさん@不思議の国:2011/9/12(月) 21:50:19 ID:XXyIM9TlNE
白兎「こ、これからどうするんですかっ!?」

女王「そうねぇ、アリスがいつ帰って来てもいいよう、ご馳走の用意でもしましょう」

女王「とりあえず、城に帰りましょ?」

白兎「は、はい!」タッタッ

女王「…またね、チェシャ猫さん」

チェシャ「…!」ビクッ

チェシャ「あ、うん!」


チェシャ「…あり、結局また独りか…」
49: ◆AlicexxO96:2011/9/12(月) 22:17:55 ID:SreLzOfR6w
へたれチェシャ猫

あい、今晩はお仕舞い

三日でまだ50って遅く感じますね
気のせいであって欲しい

>>29
優しいおじさんっ…! ポロポロ

>>30
よくできた世界観!
ありがたいお言葉

>>31
書きながら思ってますが、このチェシャ猫は不憫ですね

それではまた明日
皆様良い夢を…
50: 名無しさん@読者の声:2011/9/12(月) 22:30:09 ID:VDKZMqcALE
チェシャと>>1愛してる!!!!!

んーむぁっ(ちゅっ
51: 名無しさん@読者の声:2011/9/13(火) 19:10:27 ID:I6NXfxmvTI
C
52: 名無しさん@読者の声:2011/9/13(火) 20:33:03 ID:uBwTrONEwQ
あれ?アリスもしかして虐待受けてね?

久しぶりに公爵夫人でた!チェシャとの絡み面白いわぁCCCCCCC
53: 名無しさん@読者の声:2011/9/14(水) 00:30:44 ID:aqZvmbwtMY
本編一気に読んできました
世界観がすごいです…時に涙しながらとても楽しく読ませていただきました

というわけでこちらを支援させてくださいな!
54: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 00:31:23 ID:XXyIM9TlNE
それ以来、アリスが不思議の国に帰ってくる事はありませんでした

しばらくして住民達は皆、女王の城に呼び出されました

まず聴かされたのは女王の謝罪

自分の考えは甘かった
やはりあの時アリスを帰した判断は間違っていた、と

住民達は誰一人として騒がず、女王の話に耳を傾けていました

が、その後伝えられたのは「アリスへの献上」の事

これには住民達の誰もが驚き、戸惑いを隠せないようでした

正確には、猫を除く住民達の誰もが、でしたが
55: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 00:43:07 ID:Nl1BkT2ffc
猫は独り、そのある種横暴な仕組みに希望を見出していました

チェシャ「もしかしたら…」

チェシャ「ボクはこれを機に、何か変われるかも知れないじゃないか」

住民達は一列に並び、城の裏に置かれた裁判所へと流れ込みます


生命の概念の無い空、大地などの景色から「色」が、最初に献上されました

突如として空の青が、野原の緑が消え失せました
56: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 01:02:42 ID:hZatukS3eA
焦る人々 頭を抱える大人達 事の重大さすら分からずはしゃぐ子供達

『次は誰だ?』 『そりゃ勿論』 『我らが女王様じゃないかな』

チェシャ「……」ピクッ

裁判所の中の様子は分かりませんでしたが

猫は一瞬、もの凄い緊張感のようなものに襲われたような

そんな気がしました

チェシャ「…何?」

裁判所の中で、恐らく何かがあった
57: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 01:09:33 ID:3aE7tu1jnQ
女王に下された献上内容は「体」

問題は、それが女王自身の望んでいたものではなかった事

女王「……」

裁判所の中にいた住民達は取り消しを訴えかけますが

女王「……構いませんよ」

裁判長「…申し訳ない…」

女王「アリスにこの体を捧げられるのなら、何も悲しい事などありません」

裁判長「…これは、アリスの意思。受け入れる他、ないのだ…」

女王「でしたら、尚更ですよ…」
58: 名無しさん@不思議の国:2011/9/14(水) 01:18:24 ID:XXyIM9TlNE
女王「じゃ、あなたはどうします?」

ビル「私、ですか…?」

女王は隣に立つ蜥蜴の執事に問います

ビル「…そう、ですね『体温』なんて如何でしょう」

女王「体温?」

ビル「えぇ。陛下が献上なさった御体を、少しでも暖めて差し上げられればと」

女王「…ですって」

裁判長「…許可」

ビル「ありがとうございます」

二人は被告人席を立ちます

惜しみない拍手に送られ、そのまま奥の部屋へ

続くは公爵、その夫人

猫が裁判所に入ったのは、日が暮れ始めた頃でした
59: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:06:49 ID:EXtZ5v8wjc
未だに猫は献上を決めかねていました

先程までの期待は少しずつ、焦りへと変わります

その時ちょうど、ドラゴンの番がやってきていたのに気付きました

その大きな体で、裁判所に入る訳にはいかないので

鼻と口を窓から突っ込んで話し始めました

ドラ「僕に必要の無いものをあげればいいの?」

裁判長「あぁ」

ドラ「そっかー。じゃあどうしようかな」
60: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:20:07 ID:.P9Ds9FMzQ
ドラ「じゃ、僕は『孤独』が要らない!」

裁判所内は一瞬で静まり返ります

ドラ「……あれ? 僕なにか変な事言ったかな」

裁判長「…構わんよ、許可しよう」

ドラ「ホント!? ありがと!!」

「そんな利己的なものでも許されるのか」と人々がざわつく中

恐らく一番驚いていたのは猫

チェシャ「…凄いや」

チェシャ「なんて素敵な考えなんだろう…!
何で思いつかなかったんだろ…!」フリフリ

唯一の友達が教えてくれた、とっておきの願い

嬉しくって、尻尾も小躍りしてしまいます
61: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:26:33 ID:49xkdw3Uyk


裁判長「…次」

チェシャ「あ、はい!」ピョン

裁判長「チェシャ猫さん、ね…」

自分の名を告げられた途端、何人もの、おおよそ鼠や平和主義者達の憎悪を孕んだ視線が

猫の背中に突き刺さった、ような気がしました

あとの人々はまるで自分になんか全く興味などないような

でももう、それもお仕舞いだ
62: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:36:08 ID:3dwiETMrNI
チェシャ「ボクは…ボクはね…!」

ボクはこの他人からの拒絶を、嫌悪を、無関心を。その全てを捨てたいと

そんな猫の訴えを、裁判長の声が遮りました

裁判長「…不許可」

猫「…へ?」

裁判長「チェシャ猫さん、ね
君の献上する物は既に決まっている」

裁判長「君の望むものにはならんだろうが
アリスの意思だ、従って貰う」

チェシャ「……???」
63: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:46:38 ID:2RxliD3ePc
意味が分からない

献上する物は自分の必要でないもので構わないと、女王はそう言ったじゃないか

チェシャ「…なに…?…言ってんの…?」

裁判長「…君が献上するのは『存在』だ
君のお陰でアリスはそこに居る事ができる」

裁判長「そしてそれは、とても誇るべきことだと思ってくれ」

何だよ存在って

チェシャ「…何だよ…存在って」

猫は声を絞り出します
64: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:58:34 ID:hZatukS3eA
チェシャ「…何だよ…何だよ存在って!」

それを捨てたら今よりもボクは

チェシャ「今よりボクは独りになるじゃないか!!」ガンッ

勝手だ! 残酷だ! あんまりだ!

チェシャ「認めない…! 存在なんかくれてやらない…!!」

誰でもいいんだ 誰でもいいから、ボクを見て

チェシャ「独りに…しないでくれ…」

裁判長「…分かるまで何度も言う。 これはアリスの意思だ」

嗚呼、駄目だ

ちっぽけな自分には、これに刃向かう術は無いんだ

そう気づいて、猫はその場にへたり込んでしまいました

いつの間にか、裁判所はまた静かになっていました
65: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 01:07:15 ID:SreLzOfR6w
「…何時までそこでいる気だ」

「後がつかえているというのに」

罵声

「我らが女王様は体を失うというのに」

「それも直ぐに受け入れたのに、あの猫ときたら」

空っぽの脳味噌に直接ねじ込まれるような

チェシャ「…あ…ぁ…」ガクガク

「そんなに一人が嫌なら戦争へ出向けばいいさ」

「お前の仲間がわんさかいるぞ、種の為働いてくればどうだ」
66: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 01:11:27 ID:2RxliD3ePc
それからの事は、猫はよく覚えて居ません

どこかに連れて行かれ、『存在』を献上し

半ば放り出されるように、裁判所の外へ

チェシャ「……ッ」ベシャ

チェシャ「……流石に」

チェシャ「…流石に酷いんじゃないかな…」ジワァ

チェシャ「う…くぅ…」

チェシャ「ううううううううっ!!!」ポロポロ
67: 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 19:39:54 ID:c8SUwpix1c
チェシャちゃん…(;ω;)
俺がついてるよ!
つC
68: 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 23:34:46 ID:a0WZwT0NP.
俺だってついてるよ!
つC
69: 名無しさん@読者の声:2011/9/16(金) 01:24:49 ID:1DXJMNtkDc
じゃあ俺は抱き締める
つC
70: 名無しさん@読者の声:2011/9/16(金) 01:28:20 ID:qIrVN1pmJs
じゃあ俺は恋人になってあげる
つC
71: ◆AlicexxO96:2011/9/17(土) 00:00:23 ID:yQM7sYVCM6
じゃあ自分は嫁ごう

はい、そんな事言ってる場合じゃないですね

すみません凄い忙しい…言い訳乙過ぎますね

忙しいのにスレ立てんじゃねぇ!と言いたい方もいるかもです。最もです
明日、頑張って更新致します

申し訳ない……
72: 名無しさん@読者の声:2011/9/17(土) 00:01:59 ID:j/7oWVUdTU
まったりいこうぜ
つC
73: 名無しさん@読者の声:2011/9/17(土) 03:30:15 ID:/W08sWJM1I
ゆっくり、自分のペースで行こう。
無理はよくないからね。
74: 名無しさん@不思議の国:2011/9/17(土) 22:51:21 ID:.P9Ds9FMzQ
チェシャ「ボクが…」

チェシャ「ボクが何をしたってんだよぉ…!」ブンッ

猫はその振り上げた小さな拳を

そこにはえているだけの、何の罪もない木に叩きつけました

叩きつけようとしました

チェシャ「…う…?」

木の幹に当たったはずのその手に、痛みはありませんでした
75: 名無しさん@不思議の国:2011/9/17(土) 22:55:42 ID:.P9Ds9FMzQ
猫にははじめ、今の出来事を理解する事が出来ませんでした

チェシャ「は…?」

事実は至極単純で

猫の手は、木をすり抜け空を斬ったというだけの事

見たら猫の右手はうっすらと透けていました

チェシャ「…は……は…はっ…」

頭がどうかなりそうで

呼吸の仕方すら分からなくなってきました
76: 名無しさん@不思議の国:2011/9/17(土) 23:00:16 ID:2RxliD3ePc
チェシャ「ひひ…」

チェシャ「ひひひっ」ガクガク

チェシャ「そうかいこういう事かよ存在が無くなるって!」

チェシャ「そこまでボクに消えて欲しいのかよこの世界は!」ブンッ

振り下ろした左手も、やはりその木に当たる事はありませんでした

ゆっくり、でも確実に

チェシャ「消えたくない…消えたくないよぉ…」

猫の体は消えていきます
77: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 01:22:12 ID:3dwiETMrNI

チェシャ「……」

猫は抗う事を止めました

自分の体は、目を凝らせば見える程度

意識は朦朧として

ぼんやりとそこに座っていました

チェシャ「……」

猫は考えていました

自分が居なくなったら、何かこの世界は変わるのだろうか


変わればいいな

出来れば、ボクが消えた事によって


チェシャ「…変われば…いいな」
78: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 01:31:43 ID:2RxliD3ePc
猫の体をふんわりと、優しい何かが包むような

消えていく体を包み込む、不思議な感覚が

女王「…間に合ったかしら」

チェシャ「……ぁ」

それは、我らがハートの女王様

不思議の国の人々が愛し愛されるべき御方

勿論、アリスを除いて

女王「さっきの裁判所の事が気になって、探してたのよ?ねぇ子猫さん」

女王は優しく優しく撫でるように、猫に語りかけます
79: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 01:47:16 ID:3aE7tu1jnQ
チェシャ「あ…あぁ…」ギュウ

女王「怖かったのでしょう?もう、大丈夫だから」

そう言って猫の体を抱きしめるように


月並みな言葉だけれど、本当に心が洗われるような感じが

そして体を包む女王の暖かさが

誰かと触れたのはあんまりにも久しぶりだったので

チェシャ「…う…ぁぁ…」ポロポロ

枯れたと思っていた涙が、また零れだしてしまいました


気付けば猫の体は、ちゃんとそこにありました
80: 名無しさん@読者の声:2011/9/18(日) 12:42:42 ID:sGskfbDDd6
女王様の優しさに泣いた
つC
81: 名無しさん@読者の声:2011/9/18(日) 16:57:03 ID:uBwTrONEwQ
本編にちゃんといるあたり消えてはないんだろうけどやっぱり感動
下がってるのが許せないC
82: 名無しさん@読者の声:2011/9/18(日) 22:32:29 ID:MmO2itk04I
SS板からしばらくお暇してたら番外編だと!?

本編大好きだったから嬉しい!!

毎日wktkしながら待つよ!!
83: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 23:13:30 ID:3dwiETMrNI
チェシャ「…ぁ…わ…!!」

女王「大丈夫ですからね…あなたはここに居て、いいんです」

チェシャ「あ…ああ…!」ギュ

チェシャ「ボクは…ボクはここに…!」

チェシャ「ここに居るんだ…!」

女王「えぇ、あなたは確かにここに」

女王「私の傍にいるんです」ニッコリ

それは本当に魔法のような

ずっと猫が聞きたかった言葉
84: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 23:20:55 ID:XXyIM9TlNE
チェシャ「なんで…なんでボクを…!」

女王「やけに裁判所が静まっていたもんですから」

女王「ちょうどあなたが被告人席に居た時でして」

女王「一部始終を、見せていただきました」

チェシャ「ぁ…」

女王「『存在』を献上する、と?」

チェシャ「う、ん…アリスの意思とかって…」

女王「そう…」
85: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 23:27:18 ID:3dwiETMrNI
チェシャ「でも!でももう平気なんだよね!?
ボクは存在を無くさなくてすんだんだよね!?」

女王「…そんな事は無いわ」

チェシャ「で、でもほら!
ボクの体が元に戻って…」

女王「私があなたにかけた魔法は『あなたの心の傷を癒やす』もの
どういう事か分かる?」

チェシャ「…??」

女王「アリスへの献上はね、精神が弱まっている時に急速に進行するみたいなの」

チェシャ「…はぁ…」
86: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 23:32:41 ID:49xkdw3Uyk
女王「あなたはさっきまで、絶望に近い精神状態だったの」

女王「だから献上が進行し、あなたは勢い良く消えていってたの」

女王「だからあなたの心の傷を癒やした
献上を止める訳にはいかないの、アリスの為だもの」

チェシャ「…そっか」

チェシャ「ボクは、また、消えちゃうのかい…?」

恐る恐る、女王に尋ねます
87: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 23:39:40 ID:XXyIM9TlNE
女王「大丈夫、あなたの心が満たされている限り、消える事はないし」

女王「そしてあなたは、もう二度と独りきりにはならないんですから」

チェシャ「……?」

意味を理解する前に、女王が口を開きます

女王「ねぇ、チェシャ猫
私と、お友達になりましょう?」

チェシャ「……へっ?」

この瞬間、猫はついに独りじゃなくなりました
88: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 23:53:42 ID:EXtZ5v8wjc
女王「アリスの意思により献上した者同士、きっと素敵な…」

チェシャ「…あ、ああぁの!!」

女王「?」

チェシャ「…ボク、と?
ボクと友達…?」

女王「えぇ、あなたとお友達」

女王「困った時は助け合い、哀しい時は慰め合い、嬉しい時は歌い合う」

女王「…あなたの、お友達」

女王「…って、あら?
また泣いているの?」
89: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 23:57:45 ID:.P9Ds9FMzQ
女王「あ、嫌なら構わないのよ?」

嫌なもんか。多分涙はこれで枯れるはずだ。後は、

女王「…ほら、私の愛しいお友達?
素敵な笑顔を見せてちょうだい?」

そう、ボクは笑って笑って、誰かを幸せに

あぁ、今日はなんて素敵な日なんだろう

チェシャ「うん!」ニンマリ
90: 名無しさん@不思議の国:2011/9/19(月) 00:03:44 ID:LKWhokV37M



猫は夢を見ていました

チェシャ「……」ムクッ

それはとても懐かしい、優しい夢でした

チェシャ「……ふぁ」

不思議の国の目覚め

新しいアリスの誕生を意味する「それ」

もう女王はいないけれど

猫はまた笑って
でも決して、独りではありませんでした

チェシャ「…おはようみんな」

愛する不思議の国の全てへ

チェシャ「リメンバー・アリス!」



チェシャ「リメンバー・アリス」

〜fin〜
91: ◆AlicexxO96:2011/9/19(月) 00:10:09 ID:49xkdw3Uyk
ふ〜

これにてチェシャ猫の過去編はお仕舞いです

最後調子にのって上げていますwお許しを

チェシャ猫は書いていて本当に楽しいです
ですが、皆さんに愛されてるキャラなようなので少々緊張もしつつ、なんとか書き終える事が出来ました!

一々言っていきますよ!
ありがとうございました!

更新ペースも遅く、稚拙な文であったにも関わらず支援して下さった方々
最後まで見ていただいた方々に心より感謝しております
92: 名無しさん@読者の声:2011/9/19(月) 00:13:06 ID:QDRLac3J5I
やっぱりチェシャちゃんは笑顔が似合う!

他の番外編なんかも…チラッ書いてくれたりすると…チラチラ
嬉しいなーなんて…チラチラッ
93: ◆AlicexxO96:2011/9/19(月) 00:24:29 ID:LKWhokV37M
>>50
自分はうそこメーカーの診断によると、フレンチキスの天才らしいです
凄いどうでもE情報です

>>51
支援おおきにです

>>52
今は亡き公爵夫人です
アリスについては一応そういう設定にしてます。深くは触れませんでしたが

>>53
わぉ!
あんなダラダラ長いだけの本編をよんでいただきありがとうございます!

94: ◆AlicexxO96:2011/9/19(月) 00:27:50 ID:hZatukS3eA
>>72>>73
更新ペースくらいしか誇れる部分がなかったですから、1日開いたのは申し訳ないです
支援ありがとうです!

>>80
安心安定の女王様です

>>81
番外編ですから結果は予想できていたかも知れませんね
それでも感動していただいたというのはやはり自信になりますねっ!

>>82
SS板にお帰りなさい!
そして支援ありがとうです!

>>92
みんな笑顔が一番です!
次書くとしたら鷹君のお話でしょうか…
最近忙しいので途中で未完庫に行ってしまうかもですが…

いやはやレス返ほっぽりだして申し訳ない

それでは皆様、今日も良い夢を
おやすみなさい
95: 名無しさん@読者の声:2011/9/19(月) 00:28:16 ID:paVuB/pT3E
涙がとまらへん
なんやのこの子…愛おしい

わ、私だって、チェシャちゃん大、大、大、大ッ好きなんだからねッ!
96: 名無しさん@読者の声:2011/9/19(月) 11:35:59 ID:gvrCGm2xHk
相変わらず素晴らしい終わり方だ・・・
壮大だしタイトルのセリフだし
乙!!
97: 名無しさん@読者の声:2011/9/19(月) 19:20:14 ID:FFg93HKdkY


歪みではビル好きだったけどリメンバー・アリスで猫好きに移動した
スレ主天才!!!!
フレンチキスも(笑
98: ◆AlicexxO96:2011/9/19(月) 23:16:43 ID:49xkdw3Uyk
こんばんは
まだチェシャ編の余韻が残り、新しいのが書き始められませんわははw

構成だけでも練りたいので少し時間をいただきたいです

「鷹君と白兎ちゃんの馴れ初め」ということで、全く裏設定なんて考えてませんでしたからw

どうかお許しをm(_ _)m


>>95
相変わらずのチェシャ猫人気に嫉妬です
最後までご覧いただきありがとうございました
できればこれからもご贔屓にw

>>96
いい終わり方、であれば良かったです
オチだけは綺麗に、と意識はあったのでそう感じていただければ幸いです

>>97
天才だなんて自分には勿体ない御言葉!
歪みでは帽子屋が好きな1ですw

それでは失礼いたします
今日も良い夢を
99: 名無しさん@読者の声:2011/9/20(火) 19:54:24 ID:uBwTrONEwQ
いつまでも待とうじゃないか
本編からきました
SSとしては勿論1の雰囲気も大好き!C
100: 名無しさん@さり気なく100をゲット:2011/9/22(木) 23:24:00 ID:hZatukS3eA
透き通るような青の中

浮かんで行く一匹の魚

死んでいる訳ではなく、ただ緩やかな流れにその身を任せていただけ

銀色に光るその体におりた影

体を鷲掴みにした少年の手

水飛沫を上げ、空に舞い上がる

鷹「やりぃ!」バサッ

透き通るような青の中には、沈んで浮かんで弾けるだけの無数の泡だけが

少年は背中の翼で、ぐんぐんと空を目指す
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