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魔王「何で女の子が一人もいないんだよ!」
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1: :2011/9/14(水) 23:03:02 ID:8OHTIHnybw
初めてSSを書かせていただきます。
ギャグ物にしようと思ってまして、そのせいで世界観を無視した発言や行動が多くなると思います。
あと、最終的にはスレタイ詐欺のような展開になるかもしれません。今のところ、そのように予定しています。
以上のような感じで書き進めていこうと思ってます。
問題ないという方は、よければ最後までお付き合いください。
よろしくおねがいします。

※長いため、携帯から読むと途中から読めなくなる可能性があります。読めなくなった場合、こちらから読んでみてください→>>887-891


479: :2011/10/25(火) 22:17:49 ID:bEpZo/Xb/k
魔王「……今の内に力を封印してっと」キュィィン

側近「魔王様!」ダッ

魔王「おーう、側近!こいつ倒したよー!褒めて褒めてー」

側近「魔王様、見事な勝利でした。俺もそいつにやられてまして、内心スカッとしましたよ」

魔王「側近倒すってすごいよね。実際強かったしねー」

側近「赤子同然にあしらっておいて、それは嫌みでしょう」

魔王「嫌みじゃないよー、女勇者ちゃんをいじめたのは許せないけど、すごい立派な戦闘力を持ってたよ」

側近「……」

魔王「……な、何?ジーって見て笑ってさ……不気味なんだけど」

側近「いいですか?一度しか言いませんよ?」

側近「やはり俺が仕えるべき御方はあなたでした。再びあなたに仕えられる日が来たことを誇らしく思います」

魔王「……」ポカーン

側近「……」

魔王「……ぷっwww急に何言ってんのww離れ離れになって寂しかったん?wwww」

側近「……今のを忘れろぉ!!」ヘッドロック

魔王「え、ちょ、おま……ぎゃああああ!!」ギリギリギリ
480: :2011/10/25(火) 22:18:19 ID:bEpZo/Xb/k
魔王「痛い痛い痛い!忘れる、忘れるから!忘れるから放して!」ギリギリギリ

側近「ちっ……たまに褒めてやったらすぐ調子に乗るんですから……」スッ

魔王「あー痛かった……ところで側近」

側近「はい、何でしょう?」

魔王「……お前も確か女勇者ちゃん達をいじめたんだよな?」ゴゴゴゴ

側近「……」アセダラダラ

魔王「女勇者ちゃんをいじめる悪者にはお仕置きが必要だよなあ?」ゴゴゴゴ

側近「ま、待ってください!そんな量の魔力を放たれたら、俺死にますよ!」

魔王「うるさい!だいたいお前があんな奴に負けるからいろいろ大変なことになってんじゃんか!」

側近「……あのですねえ、それを言い出したら煩悩的な理由で女勇者にわざと負けた魔王様が諸悪の根源じゃないですか!」

魔王「え?……ああ!あ……ああ……ご、ごめん、なさい……」

側近「女勇者が傷つく理由になった悪党にはお仕置きが必要ですよ……ねえ!?」ホッペタツネリ

魔王「いたああああ!!ご、ごめんなさぁぁぁい!!」ギューッ

戦士(なんか急に入りづらい空気つくられた……)

女勇者(魔物の力関係がわからなくなってきた……)
481: :2011/10/25(火) 22:18:53 ID:bEpZo/Xb/k
女勇者「あ、あの……」

側近「ん?」

魔王「いたかったー……なあに?女勇者ちゃん!」

女勇者「魔王の性格が激変してたり、正直未だに魔物と共闘できた理由もわからないんだけど……」

女勇者「でも、世界共通の敵を退けることができたのだけはわかるわ。本当に……本当にありがとう!」

魔王「ああ、いいのいいの!俺は女勇者ちゃんと街の人達、ついでに側近を守りたかっただけなんだから!」

女勇者「……人間と魔物が手を取り合えた。そしてそれを皆に示せた」

女勇者「これでもう、人間と魔物が手を取り合える世界も夢じゃないよね!」

魔王「あ……」

側近「……」

女勇者「……な、何?何で黙るの?」

魔王「……あ、あのね、女勇者ちゃん。その……あの……」

側近「……人間と魔物の遺恨はそんな簡単には消えない。周りを見てみろ」
482: :2011/10/25(火) 22:19:32 ID:bEpZo/Xb/k
側近の発言を機に私は周囲を見回した。
思わず息を呑む。そこには、私の想像していた光景はなかったのだ。
街の人達は魔王を、側近を、恐怖の対象として見ていた。彼らの目からはそれが見て取れた。

「な……なんで?魔王は……私達を助けてくれたんだよ!?なのに何で……そんな目で……」

私が言い切る前に、それを遮って側近が言葉を発する。

「俺達が魔物だからだろう。結果として助けられただけで、腹の中では何考えてんのかって感じだろ」

「でも!側近達は人間との共存を考えてくれてるんでしょう!?」

「それを人間達にどう伝えれば信じてもらえるんだ?俺達は……魔物と人間は、今まで散々に殺し合い、騙し合ってきたんだぞ」

側近にそう指摘されて、私は言葉を呑む。私も……最初は側近や魔王を信じていいのかわからなかったし。
ましてや多くの人達は魔物に対しての対抗手段を持たない。裏切りは即死を意味する……魔物に対して恐怖し、信じることができないのは当然なのかもしれない。
実際に、悪意を持った半人半龍の暴挙による被害を被ったのだ。その半人半龍の上をいく存在で、長らく人間を陥れてきた魔界の王、魔王が怖いのも仕方ないのかもしれない。
483: :2011/10/25(火) 22:20:06 ID:bEpZo/Xb/k
ふと、あいつの言葉を思い出す。

「結局のところ、俺達は同族が、自分が大切な生き物なんだよ!だから俺達は対立するんだよ!」

「そんな連中が、皆のための、誰かのための世界なんか望むと思うか!?」

「お前に世界は変えられない!!お前に俺は止められない!!」

……思えば側近だって現実的な意見はこっちだと言っていた。
私は……私達は、世界に蔓延る悪意にのまれゆくしかないのだろうか。
人間と魔物が共存する世界なんて夢でしかなかったのだろうか。
共存なんて、所詮は一部の限られた者にしかできない代物だったのだろうか。
……私のしてきたことは、目指した未来は、全て無駄だったのだろうか。

そう思い、必死に涙を堪えていると、まだ幼い女の子が、ふらふらと魔王達の方へと歩いてきた。
484: あげちゃった:2011/10/25(火) 22:20:48 ID:bEpZo/Xb/k
私は何事かと思い、幼い女の子をただただ見ていた。魔王達もおそらくは同じ気持ちで彼女を見つめている。
彼女は魔王達の前で立ち止まると、満面の笑みを見せてこう言った。

「おにいちゃん、わたしたちをまもってくれて、ありがと!」

びっくりした。有り体な言葉だが、本当にびっくりした。諦めてた言葉が、展開が、今目の前で繰り広げられたのだから。
間もなく男女の二人組が女の子のもとへと駆けてきた。おそらくは彼女の両親だろう。
母親とみられる女性は、女の子を魔王達から守るように抱きかかえると、すごい剣幕で次のように叫んだ。

「何をしてるの!?この男の人はね、さっきの悪い人の仲間の人なのよ!?」

「そうなの?でも、このおにいちゃんはわたしたちのこと、まもってくれたよ?」

女の子の発言で、母親の表情は複雑な物になる。全員を確認したわけではないが、この場の大人達のほとんどがそうなったのではないだろうか。
485: :2011/10/25(火) 22:21:13 ID:bEpZo/Xb/k
「わたしね、まものとかにんげんとかってはなし、よくわからないけど」

「おにいちゃんがいいひとだってことは、なんとなくわかるよ」

「あのへんなおにいちゃんがいじわるしてこわかったけど」

「おにいちゃんがたすけてくれて、ほんとにうれしかったよ!」

「わたしもママもパパも、たいへんなことにならなくてすんだもん!」

「あのいじわるなおにいちゃんのともだちだっていうけど」

「わたしのともだちにも、やさしいともだちや、いじわるなともだちっているもん」

「だからおにいちゃんもやさしいひとなんだよね!いっぱいおれいをいいたいな!」

「ママ、それでもこのおにいちゃんにおれいしちゃだめなの?」
486: :2011/10/25(火) 22:21:33 ID:bEpZo/Xb/k
純粋無垢な女の子の言葉は、街の人達には大いに響いたのではないだろうか。なんとなく、大人達の表情からそう思う。
その感情は、間もなく言葉になって、緩やかにその場を支配していった。

「そうだよ……確かにあいつは魔物で、しかも魔王だけど、俺達を守ってくれたよ……」
「意図がどうとか、信頼できるできないじゃない、その事実に対して感謝もしないなんてどうなんだよ?」
「……私達、自分の身を案ずることだけ考えて、何かを見落としてるんじゃないかしら」
「あの半人半龍のやつの言った通りだな。俺達は、自分のことしか考えてなかった……」
「街を、人を、何かを守るのを他人に任せて、それが当然かのような振る舞いをしてきた……」
「そういう態度が、目を、心を濁らせたのかもしれない……」
「人か魔物か、それだけを気にするようになった。良い魔物、悪い魔物、全てを突っぱねるようになった……」

しばらくざわついていたが、ある人物が一歩前へ踏み出したのをきっかけに、発せられてた言葉はぴたりと止んだ。
その一歩踏み出したのは、街の代表を務める老人だった。
487: :2011/10/25(火) 22:21:54 ID:bEpZo/Xb/k
代表「助けてもらった身でこんなことを問うのも情けないが……わしらは御主らを信じてよいのか?」

魔王「……信じて大丈夫だよ。俺が魔王を勤める限り、魔界は和平の方向で頑張るから!」

代表「しかし……わしらもそうじゃが、相手の得体が知れんのはそちらも同じじゃろう?お互い、そんなに簡単に信じていいのか?」

魔王「……誰かを信じるのって怖いことだと思うよ。誰かのことを他人が100%理解するってできないと思うし……信じるってことは簡単じゃないよ」

代表「だったら何故……?」

魔王「……俺の場合は、その先にある未来を皆で分かち合いたいから、かな」

代表「先にある未来?」

魔王「俺には側近がいる。ドラゴンがいて、スライムがいて、ゾンビもいる。城の仲間達がいる」

魔王「その仲間達と仲良く過ごすのって、すっごく楽しいんだ。毎日が宝物だよ」

魔王「その楽しみをさ、もっとたくさんの魔物や人で分かち合えたら、もうやばいことになると思うんだ」

魔王「それは、絶対にいがみ合う日々より素晴らしいものだと思うよ。だから、大変で辛くて怖いことってわかってても、一歩踏み出せるのかな」

代表「で、でも……それだけ信用して、そういった世界を目指して頑張れば頑張るほど、悪意に邪魔された時の挫折も大きくなるじゃろう」

代表「それは絶対に避けられぬことと言っても過言ではないじゃろう。そんな報われる保証もない努力を続けることができるのか?」

女勇者「……」
488: :2011/10/25(火) 22:22:15 ID:bEpZo/Xb/k
魔王「……できるよ」

代表「……何じゃと?」

魔王「だって、俺がそうしたいからするだけだもん」

魔王「ただ、中には俺の考えが嫌で、反発する奴も出てくるのもちゃんとわかってる。……実際、そこのドラゴン人間がそうしたんだし」

魔王「それに、途中で裏切りにあうかもしんない。そんときは俺、泣いちゃうかもしれないよ」

魔王「でも、それでいいんだよ。だって、俺の考えを皆に強要するつもりはないもん」

魔王「それはここの皆も一緒だよ。助けてもらった感謝と、魔物を信じていいのかわかんない怖さが入り混じって、正直どうしていいのかわかんない状態なんだと思うけど」

魔王「俺は気にしないから大丈夫!いや、気にはなるけど……けど、俺を突っぱねたっていいんだよ」

魔王「だからって、俺が魔物と人間の共存の足掛かりを掴んだ時に仲間外れにしたりもしないから安心して!」

魔王「今ここで俺を信じないからって、人間との明るい未来を切り捨てたりしないから……俺を気にせず自分の正直な気持ちに従ってよ!」

代表「……なんで、なんでそこまで自分を犠牲にしながら、相手に優しくできるんじゃ?」

魔王「ん?簡単だよ。悲しい表情や怒った表情を見るより、明るい笑顔を見た方が俺も嬉しいもん!」ニコニコ
489: :2011/10/25(火) 22:22:36 ID:bEpZo/Xb/k
女勇者「……」

側近「すげーだろ?うちの魔王様はあんなことを本気で言える御方なんだぜ」

代表「……」

魔王「皆がどんな選択をしようと、俺は信念を変えないで人間に歩み寄る努力は続けるよ。だから皆は嘘偽りのない選択をして!」

代表「……」

幼女「おにいちゃんのはなし、よくわかんなかったけど、わたしはおにいちゃんをしんじるよー!」

魔王「ありがとー!大人になったらお兄ちゃんと結婚しようね!」

側近「台無しですよ……」

代表「……長らく続いた人と魔物の争い」

代表「お互いが自分のことしか考えず、相手を理解しようともしなかった」

代表「そのような時代で、御主のような志を持つ者が現れたこと」

代表「それは時代が変わる時が訪れたという報せなのかもしれないな」

代表「……信じよう。きっと王様もわかってくださると思うよ」
490: :2011/10/25(火) 22:23:01 ID:bEpZo/Xb/k
諦めかけてたそれが目の前で展開された。満面の笑みである魔王と、やれやれというような微笑みの代表が固い握手を交わしたのだ。
驚く私の隣で、側近はこんなことを言い出した。

「……魔物と人の遺恨は簡単には消えないと思ってたんだがな」

「魔王様、やってくれたな……」

「まあでも真のMVPはあの子だろうし、完全な和平なんてまだまだこれからだろうけどな……」

側近には悪いけど、返事をすることもせずに私は魔王とあの子のとこに駆け出した。
そして体当たり同然に魔王へと抱きつく。

「うえぇい!?お、おおお女勇者ちゃん!?///」

困惑してる様子が見て取れた。魔王に悪いかなって少し思ったけど、ごめんね。なんだか我慢できなくって。
ずっとずっと夢でしかなかった、人間と魔物の共存。その第一歩が踏み出せたことが、嬉しくって体が勝手に動いてた。
491: :2011/10/25(火) 22:23:25 ID:bEpZo/Xb/k
「ありがとぉ……本当にありがとぉ……!!」

それは自然に発した言葉だった。別に魔王もあの子も私に感謝されたくてした行動ではないだろうけど、それでも言葉は出てしまう。

普通では解り合えるはずのなかった両者の気持ち。少なくとも、私には無理だった。
でも、魔王とこの子が。
次世代の可能性が人々の概念を根本から変えさせて。
優しい心が全てを受け入れ共に在る未来を示したことで、この瞬間は生まれた。
私の夢が、誰もが望んだはずの完全なる平和の道を切り開いてくれたことが嬉しくって、感謝の言葉が自然と生まれた。

あるがとう……本当にありがとう……!!



……この瞬間、人間と魔物の長い戦いに終止符が打たれたのだった。
492: :2011/10/25(火) 22:23:52 ID:bEpZo/Xb/k
それからのことを少し話そうと思う。

魔王の本当の人格を知った王は、和解を快諾。二人の王が手を取り合い、戦争は終わった。
だが、真の意味では未だ終わってはいない。人間界で魔物を受け入れたのは王都の人々くらいのもので、世界のほとんどは魔物を許してなどいないからだ。
それは魔界も同じようで、真に和解できた者は世界の1割にも満たない。
そんな状態でどうすればいいのかって、そこはお互いの姿を示し合い理解していくしかないと思う。
ただ、あの瞬間を目撃した私としては、たとえ時間がかかっても最終的には完全に和解できると信じている。
今はその時を目指してできることをしていくしかないと、そう思ってる。

世界の動向はそんな感じかな。私達はというと……とりあえず和解した翌日、魔王城に招待された時のことを……
493: :2011/10/25(火) 22:24:17 ID:bEpZo/Xb/k
魔王「本当にすみませんでしたー!!」ドゲザー

女戦士「……いじめられたくて悪役を演じてたって、どういうことなんだよ……」

女勇者「だから脱獄後はあんなに性格変わってたんだね……」

魔王「ごめんなさい……女勇者ちゃん達があまりに綺麗で……調子乗ってしまいました」

女勇者「き、きれ!?///」

女戦士「いやいやいや……確かに私以外は美人揃いのメンバーだけどさ」

女僧侶「そんな……私には勿体無い御言葉ですよ///」

女魔法使い「……///」

魔王「皆綺麗なのに……もっと自信持とうよー」

側近「で、魔王様は反省してるんですか?あなたの性癖のせいで一連の問題が起こったんですよ?」

魔王「ご、ごめんなさい……」

側近「俺なんかハーピーに号泣されましたよ。ハーピーを泣かした罪は重いですよ?」

魔王「うう……確かにハーピーちゃんを泣かしたのは許されざる大罪だよね……」
494: :2011/10/25(火) 22:24:42 ID:bEpZo/Xb/k
女勇者「ま、まあまあ。そのおかげで和解への一歩が踏み出せたんだしさ」

側近「まあ確かに……戦闘に参加した魔物や人間で負傷者こそ出たけど、奇跡的に死者も出なかったしな」

魔王「あれ?>>379の文の感じだと死者も出てるっぽいけど……」

側近「それじゃハッピーエンドにならないじゃないですか。後先考えない書き手の凡ミスだと思ってください」

魔王「ああ、はい……」

女戦士「ところでさあ」

魔王「何?女戦士ちゃん」

女戦士「……結局そいつはどうするんだよ?」

龍人「……」ムスッ

魔王「あー、とりあえず今は力封印してるから無害だよ。安心して」

女僧侶「……この者は強大な力を悪用し、大勢の方々の命を奪おうとしました。決して許される罪ではありません」

魔王「そうだね。人間にも魔物にも、たくさん悪いことしたしね……」

龍人「へっ、だったらどうするんだよ?許されざる大罪人は処刑決行ってか?」

魔王「……殺しはしないよ」

女僧侶「そうですね、彼には生きて罪を償ってほしいです。牢獄に捕らえ、懺悔の機会を与えるのが適切かと」

魔王「いや、しばらくは俺と生活を共にしてもらって、更生を図ろうかなって」
495: :2011/10/25(火) 22:25:17 ID:bEpZo/Xb/k
側近「魔王様、御冗談は性癖だけにしてください!未だ反省を知らない龍人が、悔い改めることなどできるはずがありません!」

側近「それに、捕らえておかないで仮に力が戻りでもしたら、また多くの者達に危険が及ぶ可能性もあります!」

龍人「側近の言うとおりだぜ。俺は間違ってない、考えを改めるなんて絶対にしない……今ここで殺すのが賢明だぜ?」

魔王「そんなことないよ!魔物は、人は、誰しもが変われるチャンスを持ってると思うよ!」

魔王「龍人だってそうだよ!変わり方を知らないで、その機会にも恵まれなかっただけで、きっと変われるさ!」

魔王「そのためのサポートなら俺だってするよ!皆が手を取り合う世界は、文字通り誰しもが仲良くできる世界なんだよ!」

魔王「そんな世界を俺達は目指してるんでしょ?だったら皆で進もうよ!」

女勇者「魔王……」

女戦士「側近、こうなったら諦めるしかねえよ。大丈夫、魔王なら何とかしてくれるだろ」

側近「……魔王様、そんなこと言うのでしたら、ご自身の勤務態度や性癖も変えてくれませんか?」

魔王「う……」
496: :2011/10/25(火) 22:25:52 ID:bEpZo/Xb/k
側近「そういう理想を語る割には仕事は俺任せじゃないですか」

魔王「ご、ごめんって……ゲームが忙しいんだもん」

側近「仕事に影響があるんならゲームとゲーム機は捨てます」

魔王「ああ、ごめんって!ごめんなさい、次からちゃんとしますから!」

女戦士「……母と子供かよ」

龍人「くそ、甘ったれた連中だぜ……これに負けたのか、俺は」

女勇者「……確かに私達は、いや、私はただ甘いだけだったね。私だけじゃこの今は存在しなかったと思うわ」

女勇者「理想だけ掲げて、それを実現する難しさや辛さに耐える覚悟と強さが私には足りなかった」

女勇者「だけど魔王は、自身が傷ついてでも、道を変えることはしない強い方よ。あなたは私達に負けたんじゃない、魔王に負けたの」

女勇者「私はあなたの言うとおりただの甘い人間でしかなかった……ただ、魔王が甘さと優しさだけじゃなく強さも持ってた、だからあなたは負けたの」
497: :2011/10/25(火) 22:26:14 ID:bEpZo/Xb/k
龍人「女勇者……てめえ……」

龍人「……魔王に惚れたか?」

女勇者「え!?」

龍人「なんつーか、魔王を見てる時とか語ってる時、嬉しそうな顔してやがるぜ」

女勇者「え!?いや!そんなことは!!あれだよ、魔王見てるとドキドキするとか、ずっと一緒にいたいとか、そう思ってるだけだよ!!///」

女戦士「人、それを恋心という」

女勇者「女戦士まで!!///」

女戦士「魔王〜、女勇者がな〜」

女勇者「待ってー!!待って―!!まだ言わないでよー!!///」

魔王「側近〜、今度からちゃんとするから!ナムカプのデータ消さんといて〜!!」

女僧侶「……魔王さんは今ゲームのことが大変で、誰かの発言を聞いてる暇がなさそうですよ」

女勇者「よ、よかったー……///」

女戦士「ちっ」
498: :2011/10/25(火) 22:26:40 ID:bEpZo/Xb/k
側近「……そろそろ本題に入ろうか。人間界も共存に向けて行動してくれるんだったよな?」

女戦士「ああ。魔王から力を返してもらった勇者達が、各地で呼びかけなどを行う予定だ」

側近「地道な活動になるな……」

女勇者「地道でも、少しずつ行動していかなきゃね」

側近「魔界にできることがあれば言ってくれ。こちらは協力を惜しまないつもりだ」

女戦士「だったら魔王を借りることが多くなるかもな」

女僧侶「魔王さんは人型の魔物なので、人々の抵抗も少ないと思います。魔王さんが直接説いて回るのは大きいと思いますよ」

女戦士「ほら、女勇者!魔王にお願いしてみろって!」

女勇者「ちょ、ちょっと///……ごほん。そういうことだから……協力してくれる?」

魔王「女勇者ちゃんの頼みならお安い御用だよ!」

女勇者「あ、ありがと……///」

側近「……双方の認識を改善していくのに、交流機会を増やすのは確かに有効だろうな。たまにでいいから、そちらも誰かを貸してくれよ」

女戦士「任せろい!勇者パワーでそれなりの人物を派遣してやるぜ!」

女勇者「なんであんたが得意げなのよ……」
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sage:


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