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魔王「何で女の子が一人もいないんだよ!」
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1: :2011/9/14(水) 23:03:02 ID:8OHTIHnybw
初めてSSを書かせていただきます。
ギャグ物にしようと思ってまして、そのせいで世界観を無視した発言や行動が多くなると思います。
あと、最終的にはスレタイ詐欺のような展開になるかもしれません。今のところ、そのように予定しています。
以上のような感じで書き進めていこうと思ってます。
問題ないという方は、よければ最後までお付き合いください。
よろしくおねがいします。

※長いため、携帯から読むと途中から読めなくなる可能性があります。読めなくなった場合、こちらから読んでみてください→>>887-891


763: :2011/11/20(日) 23:20:26 ID:UOzzvGRKcw
側近とハーピーの出会い

龍人「てめえ、この野郎!」

魔王「あ〜!痛い〜!」ポロポロ

側近「……何で龍人から足4の字固めかけられてるんですか?」

龍人「こいつ、俺の水ようかんを勝手に食いやがったんだよ!」

魔王「だって龍人のだって知らなかったんだもん〜」ポロポロ

側近「……魔王様、足4の字という技はひっくり返ると仕掛けた人物の方が痛くなるんですよ」

魔王「あ、そうか!側近、ちょっとひっくり返るの手伝って!」

龍人「ばっ……やめろぉ!」

側近「いきますよー、はい」ゴロン

龍人「ぐわあああああ!!」

ハーピー「あの……皆さん何をしてらっしゃるのですか?」

魔王「あ、ハーピーちゃん!」

側近「いや、魔王様と龍人で遊んでるだけだよ」

魔王「俺らは側近のおもちゃかよ!?」

龍人「いててててぇ!!ちょ、おま、いいから技を解けぇ!!」
764: :2011/11/20(日) 23:21:42 ID:UOzzvGRKcw
龍人「痛かったー……で、このべっぴんさんは誰だよ?」

ハーピー「べっぴんさんだなんて、そんな///」

魔王「この超絶に美しい女の子はハーピーちゃん!残念ながら側近の彼女だよ」

龍人「あー、こいつが……」

側近「お前、一時は人質にしたんじゃなかったのかよ?」

龍人「いや、あの時は人物特定および確保は部下に任せたからさあ」

側近「……もうちょい大胆に反逆すればよかったよ」

魔王「ハーピーちゃんは何で来たの?」

ハーピー「昨日側近がうちに泊まったんですよ。それで今朝、側近のお昼のお弁当を作ったんですけど、側近がお弁当を持ってくの忘れまして」

側近「え?……あ、本当だ」

魔王「それでお弁当を届けに来てくれたんだね。……側近爆発しろよ」

龍人「ちっ!あの時殺してりゃよかったぜ……」

側近「嫉妬しないでください。特に最近の魔王様にだけは言われたくないです!」
765: :2011/11/20(日) 23:22:53 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「側近、おいしくできたかわからないけど……頑張ってつくったから食べてみて!」

側近「馬鹿だなあ、ハーピーがつくった料理がおいしくないわけないだろ?」

ハーピー「側近……ありがとう///」

側近「わざわざありがとな。じゃあ俺は仕事頑張るから」

ハーピー「うん、頑張ってね!……皆さん、突然お邪魔して申し訳ございませんでした。それでは失礼します」

魔王「じゃあねー!!」

龍人「……行ったなあ」

魔王「……側近様」

側近「何ですか、様とかつけちゃって」

魔王「一口、一口でいいのでハーピーちゃんの料理を食べさせてもらえないでしょうか!?」

側近「嫌ですよ!魔王様は女勇者に頼めばいいでしょう!」

魔王「うるさい!女の子が男のために作った料理はすべからく素晴らしいんだよ!」

龍人「ほんと仲良いよな、お前ら……ひとつ気になったんだけどよ」

側近「何だよ?」

龍人「お前ってあの女とどうやって知り合ったんだよ?」
766: :2011/11/20(日) 23:23:32 ID:UOzzvGRKcw
魔王「あ!それ俺も聞きたい!」

龍人「なんだ、お前も知らなかったのかよ?」

側近「え〜……それ話さないと駄目ですか?」

魔王「この魔王が直々に命令しているのだぞ!それを聞き入れぬと申すか!」

側近「いや、そんな急にキャラつくられても……わかりましたよ。語ればいいんでしょう?」

魔王「わーい!なるべくハーピーちゃん中心に頼むね!」

側近「まったく……そうですね、あれは魔王様に仕えて間もない時のことでした……」
767: :2011/11/20(日) 23:24:54 ID:UOzzvGRKcw
側近(こいつが実力で魔王の座を勝ち取ってから数日経ったが……)

魔王「スタンめ!ロザリーさんを愚弄しやがってぇ……許さんぞ!」

側近(人間界への侵攻を禁ずるって宣言してからずーっとゲームしてる……)

側近「……魔王様」

魔王「何よー、側近?」

側近「魔王様が人間界への侵攻を禁ずる、と魔界全土へ宣言してから、魔界が混乱に満ちています」

側近「魔物達の多くは人間との共存を望まず、各地で暴動が起こっている模様です。対処は如何しましょう?」

魔王「マジですか!?それはいけないね……俺も後で対処に向かうから、とりあえずは城の皆で対処に向かっててよ」

側近「……魔王様、言わせていただきますが、俺も魔王様の方針には賛成しかねます」

側近「魔王様の考え方は魔物として異端です。魔王様の実力は認めますが、その考え方がやがてご自身を滅ぼすかもしれませんよ?」

魔王「その時はその時だよ。俺の命をかけてでも目指したい、素晴らしい世界を見据えてんの、俺は」

側近「馬鹿馬鹿しい……」ボソッ

魔王「ん?何か言った?」

側近「……いえ。では対処に向かいます」
768: :2011/11/20(日) 23:26:03 ID:UOzzvGRKcw
ドラゴン「あ!側近様!魔界のあちこちで暴動が起きて大変です!」

側近「わかっている。……当たり前だ、人間との共存なぞ謳われてはな」

ゾンビ「これはちょっと各地で暴動を押さえないとやばいですよ。城の者フル出動させましょうか?」

側近「いや、それだと城の守りが薄くなる。今回の魔王の発表で革命を考えてる魔物も多いはずだ。今城の警備を弱めるのはまずい」

ドラゴン「じゃあどうするんですか?魔界全土で暴動カーニバルですよ?城の者で一丸になって当たらないと解決は難しいかと」

側近「俺がいるだろう」

ゾンビ「え?」

側近「俺が一人で各地を回る。魔界は強き者が全てだと教えてやる……」

ドラゴン「いやいやいや!魔界全土の暴動を一人で解決なんて!」

側近「1週間で事足りる」

ゾンビ「ええ〜……マジっすか」

側近「あの魔王のことだ。ゲームが終わったら自分も向かうとか言い出すだろうが、絶対に出させるなよ。あれでもうちの大将だ」

側近「そこらの魔物の暴動など、俺だけでどうにかする。お前らは城の守備に徹しろ。……では行ってくる」シュンッ

ドラゴン「あ……行っちゃった」
769: :2011/11/20(日) 23:27:09 ID:UOzzvGRKcw
雑魚1「ひゃっはー!」

雑魚2「ひーはー!」

善良魔物「ひいい!誰か……誰か助けて!」

雑魚3「無駄だ!助けなんて来ねえよ!」

雑魚4「恨むんならてめえの実力不足と、人間と共存するとか言いだした気違い魔王を恨むんだな!」

側近「……そこまでだ」

雑魚1「ああん!?なんじゃい色男!?」

側近「魔王への明確な敵意……ほっとくわけにはいかないからな」

雑魚2「ああ!?てめえ、この人数差で勝てると」

側近「はあっ!」スパーン

善良魔物「ひっ!?」

雑魚共「」

側近「……恨むならお前の実力不足を恨むんだな」

善良魔物「こ、殺っ……おええ!」ベチャベチャ

側近「……お前も魔物ならば、戦って生き残ってみせろよ。弱い者が生を勝ち取れると思うな」

善良魔物「おえ……うう……」

側近「……俺は行くぞ」ザッザッザッ
770: :2011/11/20(日) 23:28:13 ID:UOzzvGRKcw
側近が暴動の鎮圧を始めてから数日、その成果は目に見えて表れていた。
各地での暴動が収まるにつれ、たった一人で魔物達を倒す側近の名も有名になっていった。


側近「……」ザッザッザッ

「聞いたか?各地で暴動を起こした魔物達が惨殺されてるってよ」
「側近っていったか。すげえ実力の持ち主みたいだな」
「なんでそいつ魔王になってねえんだよ?」
「新しく就いたあの魔王はその側近より強いってことじゃねえの?」
「それがなんで人間との共存なんか目指しちゃうかねえ……」
「その側近ってのは暴動者を殺す辺り、まだ俺ら寄りの思考だと思うけど」
「魔王に抗って、本来の魔界を取り戻す気はないのかねえ?」

側近「……」ピタッ

側近(俺だって……実力世界に戻すべきだと考えてるさ)

側近(だが、俺はあいつに負けた)

側近(魔界は実力が全てだ……だから俺はあいつに従う)

側近(従うけど……こんな世界は本当に正解なんだろうか?)

側近(弱者とわかりあって、それが何になるというんだ……)

側近「……この地域を制圧すれば、だいぶ落ち着くだろうな」ザッザッザッ
771: 雑魚C「あれ?俺は?」:2011/11/20(日) 23:30:30 ID:UOzzvGRKcw
雑魚A「おらあ!」スパーン

一般魔物「ひいい!」ザシュッ

雑魚B「弱い者は死んじまえ!雑魚をぶっ殺して、魔王を否定して、強い魔界を取り戻したらあ!」

雑魚D「大変だ!」

雑魚E「何だよ!?」

雑魚D「側近だ!側近が俺達を止めに来たぞ!」

雑魚F「ついに来たか、魔王の犬め!いいか、俺達で奴を仕留め、革命の足掛かりにするぞ!」

雑魚G「よっしゃあ!!」

雑魚H「ボス、行ってきますね!」

機人「……ああ」
772: 雑魚C「って、こんな役かよ!」:2011/11/20(日) 23:31:53 ID:UOzzvGRKcw
側近「はあっ!」スパーン

雑魚C「ぐぎゃああああ!!」ザシュッ

側近「……これで魔界全土の暴動は収めたか?」

機人「まだだ、色男」

側近「機械生命体の魔物か……お前が親玉か?」

機人「そうだ。そしてお前の命を奪う者だ」

側近「命を散らすのはどっちだろうな?……お前の場合は停止って言った方がいいのか?」

機人「勝手に言ってろ。お前がそれを深く考えたって意味はないさ……死ぬのはお前なんだからな!」シャキンッ

側近「……両手が剣に変わるのか。戦闘には便利な体だな」

機人「他にも斧や機関銃にだって変更可能だ。だが……剣士のお前を倒すにはこれがいいだろう」

側近「その驕りが命取りだと思い知る頃には、お前はただの鉄屑になってるだろうよ」
773: :2011/11/20(日) 23:33:34 ID:UOzzvGRKcw
かくして側近と機人の戦いは始まった。
暴徒の親玉など取るに足りない……そう思っていた側近だったが、この機人という機械生命体は侮れない実力を誇っていた。

さながら演武のような完成された剣術を披露し続ける両者。
純粋な剣術は側近の方が上だった。事実、その両腕から襲いかかる二つの斬撃を潜り抜け、機人の体に刃を何度も打ちつけてはいた。
しかし機械の体はさすがに頑丈で、側近の斬撃をことごとくはね返した。

更には純粋な剣の本数の差も影響し、最初は有利だった側近も戦闘が長引くにつれて苦戦し始めた。
これはまずいと、側近は機人の斬撃を剣で受け止めた際の衝撃を利用して後方へと跳んで間合いをとったのだった。
774: :2011/11/20(日) 23:34:31 ID:UOzzvGRKcw
機人「どうした?動きが鈍ってきてるぞ?」

側近「生身だといろいろ大変なんだよ。機械のお前にはわからねえだろうがな」

機人「心外だな、これでも機械生命体だ。……まあ心肺機能や疲労の悩みは確かにわからんが」

側近「ますます便利な体だな」

機人「うらやましいか?」

側近「全然。これから鉄屑になる奴なんかをうらやむわけないだろ」

機人「……この現状でまだ強がれるのか。大した根性だよ」

機人「だがそれも間違いだと教えてやる。……さあ再開といこうぜ!肉片にしてやっからよ!」

側近「抜かしてろ!」
775: :2011/11/20(日) 23:35:45 ID:UOzzvGRKcw
会話を経て両者の剣は再び交差した。間もなく戦場は甲高い鋼の衝突音と力強い風切り音に支配された。
お互いに決定打に欠け、ただひたすらに攻防を続けるだけだったが、ついにその均衡が崩れる瞬間が訪れた。仕掛けたのは機人の方である。

機人が下から振り上げた右腕、その先の刃を側近は見事剣で受け止めた。
しかし、敵の斬撃を受け止めて力が弱まる瞬間、それこそが機人の狙いだった。
右腕からの斬撃を側近が受け止めたのとほぼ同時に、機人は左腕での第2の攻撃を仕掛けた。
その標的は、今まさに力が弱った瞬間である側近の剣。それを下から強烈に打ち上げたのだ。
結果、側近の剣は空を舞うこととなった。
776: :2011/11/20(日) 23:37:14 ID:UOzzvGRKcw
(勝機!)

側近の心臓目掛けて右腕を突きだした機人。
それに対し、側近は即座に体をねじる。おそらくは回避を狙った行動だろう。
だが、至近距離からの突きを避けるのは難しく、心臓こそ逃れたものの、その刃は側近の体を貫いた。

側近の口端から血の線が流れるのを確認し、機人は勝利を悟った。

「ははは!終わったなあ、側近!致命……」

高らかに勝利宣言をしようとした機人だったが、その途中で異変に気付いた。
側近の口端がつりあがったのである。何故、この状況で……訪れた死期に気でも触れたのだろうか。
機人はそう考えたが、それは正解ではなかった。
777: :2011/11/20(日) 23:38:51 ID:UOzzvGRKcw
体に突き刺さったままの刃、それと繋がっている機人の右腕を側近は両手でしっかりと掴んだ。
そして、そのまま全身の力を用いて、刃ごと体をひねり、

「ぐあああああ!!」

機人の右肩から先を引き千切ったのだった。

腕を裂かれた痛みで機人の動きが止まった。
その隙に側近は機人の右側に移動する。それと同時にようやく落ちてきた自前の剣をキャッチして、お返しの突きを傷口に見舞った。
頑丈な機械の体も傷口を狙って攻撃されれば意味を成さず、その剣先は機人の体内へと侵入を果たした。
側近は突き刺した剣を媒体に、自らの魔力を機人の体内に移した。そして、

「これで終わりだ」

その魔力を機人の体内で爆発させたのだった。

「……ていうか、その体で痛みとか感じるんだな。ますますわからねえ野郎だ」

言葉はもう返ってこなかった。
778: :2011/11/20(日) 23:39:58 ID:UOzzvGRKcw
側近「……これでたぶん暴動のほとんどは片付いたろ」ポタポタ

側近「わりいな、血がこれ以上出るとやばいから、この剣は腕ごと貰ってくぞ」ポタポタ

側近「……まあでも今の状態でも十分流血してるから意味はないかもしれんが」ポタポタ

側近「やべえ……目がチカチカする……」ポタポタ

側近「くそ、城の連中には1週間で帰るっつたのによ……」ポタポタ

側近「これじゃ……かっこつかねえよ……」ポタポタ

側近「さっさと戻らねえと……」ドサッ

側近「さっさと……」ドクドク

側近「……」ドクドク



ハーピー「……え?だ、誰か倒れてる!」
779: 今日はここまで!:2011/11/20(日) 23:41:13 ID:UOzzvGRKcw
側近「……それが俺とハーピーの初めての出会いだったそうです。俺、気絶してて記憶にないですけど」

魔王「長いよ、出会うまでがさ!読んでる途中で2回くらい今回の小話のタイトル確認しちゃったよ!」

側近「ははは、申し訳ないです」

龍人「しかし……側近に致命傷与えるって、そいつ強かったんだな」

魔王「あの時、側近はそんな大変なことになってたんだね」

側近「ハーピーがいなかったらって考えるとゾッとしますよ」

魔王「それで?そこからどうやって恋人同士になったの?」ワクワク

側近「それは……」

側近「リアルタイムで明日以降に話すとしましょう」

魔王「おいぃ!」ズコー

側近「いや、思った以上に長くなったので……」

龍人「じゃあちょっと休憩だな。……昼までまだ少しあるな。ちょっと軽く白飯とイカ明太食ってくる」

魔王「じゃあ俺はプリン食べてくる……」

側近「それでは皆さん、明日以降にまた会いましょう」
780: 名無しさん@読者の声:2011/11/21(月) 00:12:57 ID:svXBI68Hng
な…なにぃ━━━━━━━━━━(´・ω・`)ショボンヌ
781: 名無しさん@読者の声:2011/11/21(月) 03:26:49 ID:Ga85pR.zOs
まて、昨夜うちに止まった…だと…?
782: :2011/11/23(水) 02:30:42 ID:UOzzvGRKcw
>>780
過去話は思ってたより難しかったんです。まあ遅れちゃいましたけど、許してください。
何ていいますか、過去話だと、もう話が決まってるので、キャラに自由に動いてもらうわけにはいかず、自力でキャラを導かないといけないことに今回気付きまして。
そんなわけで、側近とハーピーの過去話は大変苦戦したという、そういう言い訳です。この分だと魔王側近の話も苦戦しそうで怖いですwww

>>781
側近「彼女の家に泊まったって、別に絶対行為に至らないといけないわけじゃないでしょう?これだから童貞は……」
魔王「ど、童貞馬鹿にすんなし!」
1「そうだし!馬鹿にすんなし!」
側近「交際経験がないから安直な発想しかできないんですよね」
魔王「そんなことないし!行為以外でやることとか知ってるし!」
1「たとえば……手、つないだり!あと……えっと……手、つないだり!」


前述の通り大苦戦しましたが、どうにか書けたので投下します。
……長いよ?覚悟してくださいね。
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