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魔王「何で女の子が一人もいないんだよ!」
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1:🎏 :2011/9/14(水) 23:03:02 ID:8OHTIHnybw
初めてSSを書かせていただきます。
ギャグ物にしようと思ってまして、そのせいで世界観を無視した発言や行動が多くなると思います。
あと、最終的にはスレタイ詐欺のような展開になるかもしれません。今のところ、そのように予定しています。
以上のような感じで書き進めていこうと思ってます。
問題ないという方は、よければ最後までお付き合いください。
よろしくおねがいします。

※長いため、携帯から読むと途中から読めなくなる可能性があります。読めなくなった場合、こちらから読んでみてください→>>887-891


800:🎏 :2011/11/23(水) 02:46:13 ID:UOzzvGRKcw
次の日

ハーピー「……じゃあ私は行ってきますね」

側近「ああ」

ハーピー「畑の方の手伝いをして……あ、5時には薬草採取も手伝いますから、遅くなります」

側近「わかってる」

ハーピー「そういうことですので、お留守番は任せますよ!それでは行ってきます!」

側近「……行ったな」

側近「さてと……」
801:🎏 :2011/11/23(水) 02:47:06 ID:UOzzvGRKcw
獣人A「あとちょっとでハーピー族の女を犯せるわけかwwwたまらんなあ、おいwww」

獣人B「ハーピー族は美人揃いだからなあwwwその上、基本誰かと交わることはないっていうwww」

獣人C「初物をおいしくいただくわけだなwww」

獣人「最初の一口は俺にくれよ?俺の手柄なんだからよwwww」

獣人A「わかってるってーwww」

側近「……クソみたいな会話してんな。今すぐ黙ってもらいたいな」

獣人「ああ?誰だよ、てめえは?」

側近「俺か?俺は……弱者の味方だよ」
802:🎏 戦闘はカットで:2011/11/23(水) 02:47:54 ID:UOzzvGRKcw
獣人「う……ぐぅ……」

側近「いってぇ……怪我も完治しないまま戦うもんじゃねえな……」

側近「うわ、また血出てきたし……」

側近「回復魔法って覚えた方がいいのかな……」

側近(こいつら……全員生きてるな)

側近(敵を生かしても意味はない……普通ならとどめを刺すべきだ)

側近(でも……)

側近(そんなことしたらハーピーが悲しむかな……)

側近(こいつらが生き残って報復を考えても)

側近(その都度叩き潰してやればいいか)

側近(ハーピーへの説明はどうするかな……あの女共の計画を言っていいものか……)
803:🎏 :2011/11/23(水) 02:49:02 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「ハー子さん達、来てるかな?」テクテク

ハーピー「あれ?あれって……側近さん?」

ハーピー「それに……大勢の方が倒れてる……あっ!」

獣人「くそが……一矢報いてやる……」

獣人「傷口に攻撃魔法当てればあるいは……くらえ!」バシューッ

ハーピー「危ない!!」

側近「えっ」

声に反応し、振り返った側近が見た光景。
それは、獣人の中級攻撃魔法を、身を盾にして受け止めるハーピーの姿だった。
爆風で、その白く美しい羽根が無数に舞った。ハーピー自身は、自らの血で口から下を赤く染めた。
間もなくハーピーは後ろに倒れた。その前面は酷い火傷がほとんどを占めていた。
調べなくてもわかる。致命傷だった。
804:🎏 :2011/11/23(水) 02:49:47 ID:UOzzvGRKcw
「ハーピー!!」

側近はハーピーの身を案じつつ、獣人の方へ目をやった。次の攻撃に備えてである。
しかし、先の一撃は最後の力を振り絞ったものだったらしく、獣人は既に気絶していた。
それを確認して、側近はハーピーに力強く語りかけた。

側近「ハーピー!!しっかりしろ!!」

ハーピー「だ……大丈夫……でしたか?」

側近「ああ、俺は大丈夫だ!」

ハーピー「そう……よかったです……」

側近「ハーピー!俺には薬草の知識がない!どれをどのように使えばいい!?」

ハーピー「無理……ですよ。薬草じゃ……到底……な、治せない怪我……です……」
805:🎏 :2011/11/23(水) 02:50:53 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「わ、私……弱いなりに……お手伝い、できましたよ」

側近「あ?何を言ってるんだ!?」

ハーピー「平和な世界へのお手伝い……命がけですけど……」

側近「平和な世界?何のことだ!?」

ハーピー「魔王様の優しさに……側近さんの強さが重なれば……きっと魔界は変わります」

ハーピー「側近さんは……ここで死ぬべきじゃない……平和な世界のためにも……」

ハーピー「平和な世界を……作り、そこで過ごすべき方です……」

側近「馬鹿!!お前だって、その平和な世界で生きるべき存在だろ!!」

側近「平和な世界には、お前のような優しい奴だって必要なんだよ!!」

側近「それに……俺という個人だって、お前を欲してる!!」

側近「お前が看病してくれた数日間、本当に楽しかったんだ!!」

側近「た、たぶん……俺はお前が好きなんだよ!!」

側近「世界も俺も、お前が消えるのを望んでねえんだよ!!」

側近「だから生きろ!!」
806:🎏 :2011/11/23(水) 02:51:34 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「ありがとう……嬉しい言葉です……」

ハーピー「……側近さんは……頼りになって優しくて……」

ハーピー「私も……側近が……好き……好き、だよ……」

ハーピー「……」

側近「……おい?おい!?」

側近「くそ、冗談ではない!!死なせてたまるか!!」

側近「しかし……薬草ではどうしようもない!何か……何か方法は……」

側近「……」

側近「回復魔法か……」
807:🎏 :2011/11/23(水) 02:52:22 ID:UOzzvGRKcw
側近はそれまで回復魔法を成功させたことは一度もなかった。
攻撃魔法は各種上級まで極めているものの、回復魔法はそれらと勝手が違う。
魔力を攻撃のそれとは違う性質に変えた上で、放出せねば回復効果は得られない。
しかし側近にはその感覚がつかめてなかった。
そして、失敗を繰り返しているうちに、次のような考えになった。

「そもそも回復魔法が必要になるほど酷くやられるつもりはないし、やられたらその時は死ぬまで」

こうして側近は回復魔法を取得することなく、今日まで生きてきた。
しかし、目の前の麗しい女性は、自分が回復魔法を出さねば死んでしまう。
それだけは阻止したい側近。
彼は挑むしかなかった。成功したことのない、回復魔法に。
808:🎏 :2011/11/23(水) 02:52:52 ID:UOzzvGRKcw
かつて見た魔道書、その中の回復魔法に関する数十ページを必死に思い出す。

(魔力を両腕に集中させ、魔力の性質を変化……)

かつてないほどの集中を以て、回復魔法に挑む側近。
そして、確かな手ごたえに自信を深め、両腕の魔力をハーピーへと放った。

「……あれ?苦しくない……火傷、治ってる……」

成功した。側近が放った魔力は、中級回復魔法となって、ハーピーの体を治したのだった。

「側近さん、私……」

ハーピーが言い切る前に、側近は彼女に抱きついた。
見なくとも彼女が赤くなるのが伝わった。それでも側近は抱擁をやめない。
大切な命が散らなかったという事実がただただ嬉しくて、それを制御する術など持たなかった。

「よかった……ハーピー、よかった……!」

こうしてハーピーは一命を取り留めたのだった。
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