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魔王「何で女の子が一人もいないんだよ!」
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1:🎏 :2011/9/14(水) 23:03:02 ID:8OHTIHnybw
初めてSSを書かせていただきます。
ギャグ物にしようと思ってまして、そのせいで世界観を無視した発言や行動が多くなると思います。
あと、最終的にはスレタイ詐欺のような展開になるかもしれません。今のところ、そのように予定しています。
以上のような感じで書き進めていこうと思ってます。
問題ないという方は、よければ最後までお付き合いください。
よろしくおねがいします。

※長いため、携帯から読むと途中から読めなくなる可能性があります。読めなくなった場合、こちらから読んでみてください→>>887-891


824:🎏 :2011/11/26(土) 01:56:01 ID:UOzzvGRKcw
魔王と側近の出会い

魔王「側近ー助けてよー」

側近「どうしました?ラグビーボールの軌道が読めないんですか?」

魔王「確かに不規則にバウンドするけども!別に花園目指したりはしてないからね!?」

側近「で、本当のところは何なんですか?」

魔王「トリコの食材考えてんだけど、なんかいいのが思いつかなくて。一緒に考えてよー」

側近「まだ楕円球に夢を託して躍動してた方がよかったじゃないですか……」

魔王「何だよ!しまぶーディスってんのか!?」

龍人「……お前ら本当に仲良いよな」

側近「龍人、言っていい冗談と悪い冗談ってのがあるんだぞ」

魔王「今のは言っていい冗談でしょ!……いや、そもそも冗談じゃないでしょ!」
825:🎏 :2011/11/26(土) 01:56:35 ID:UOzzvGRKcw
龍人「……なあ」

魔王「んー?なーに?」

龍人「こないだ側近と彼女さんの出会いの話を聞いたけどよ」

龍人「今度はお前らの話を聞かせてくれねえか?」

側近「俺らのって……俺と魔王様の出会いの話か?」

龍人「おう」

魔王「俺と側近かあ……いいけど、そんな劇的な展開にはならないと思うよ?」

龍人「いいからいいから」

側近「それじゃ話すとして……俺と魔王様、どっちが話せばいいんだよ?」

龍人「側近、頼むわ」

魔王「即決!?」

龍人「なんか魔王だと話すのが下手そうだからな」

側近「確かに……魔王様だと「あれがね、こう……ズバーっとなってね!」とか普通に言いそうですよね」

魔王「……」

側近「それじゃ話すぞ……俺が話すんだから俺視点だぞ」

龍人「わかってるって」
826:🎏 :2011/11/26(土) 01:57:13 ID:UOzzvGRKcw
前魔王「はあああああ!!」

過去勇者「ぐあああああ!!」

前魔王「はあ……はあ……」

部下「……どうにか勇者を殺せましたね」

前魔王「……そうじゃのう、てこずってしもうたわ……」

部下「……魔王様」

部下「たかが人間如きに苦戦なさる……それが意味するところはおわかりですね?」

前魔王「……」

部下「あなたは老いたのですよ。魔王としての実力も維持できぬほどに」
827:🎏 :2011/11/26(土) 01:58:08 ID:UOzzvGRKcw
部下「以前のあなたは、それはもう強大な力をお持ちでした。仕えて間もない頃はその力に恐怖したものです」

部下「しかし、今のあなたからは覇気も何も感じられません」

部下「人間を殺すことすら苦戦する今のあなたなら、私にだって殺せるでしょう」

部下「魔界は強い者が全て……当然、魔界を統べる魔王は誰よりも強くなければならない」

部下「弱くなったあなたが魔王の座にすがろうというものならば、私はあなたを殺さねばなりませんが……如何いたしましょう?」

前魔王「……わかった。わしとて、無駄に死にたくはないわからの」

部下「賢明な判断です。では、魔王様は表舞台からお引き取りください」

部下「魔界の歴史は、強き者が築いていくのですから……」

その日、何百年と魔界を支配した魔王がその座を退いた。
それはすなわち、新たな魔王が誕生することを意味していた。

魔王になる条件についてだが、それは至ってシンプル。
その条件とは、誰よりも強くあること。誰よりも強い者こそが、魔界の全てを手に入れることができるのだ。
そして前魔王が退いた今、その座を狙った野心家達が一斉に立ち上がるのだった。
828:🎏 :2011/11/26(土) 01:59:10 ID:UOzzvGRKcw
魔界には、魔物と呼ばれる生物が住んでいる。
統一して魔物と呼称される彼らだが、実質的には幾多もの種類に分類される。
多くの種類に分かれる彼らは、同じ魔物でありながら全く別の生物と言えるのかもしれない。
結局は自分の同族、あるいは自分ただ一人が大切で、自身の幸福のために誰かを簡単に犠牲にできる……そのような者で溢れていた。
そんな魔界が徹底した実力主義になったのは、ある種の必然とも言えるかもしれない。
だが、そんな必然は、奪われる側も奪う側も歪めてしまう物だ。

人型と呼ばれる、極めて人間に近い容姿を持つ魔物として生まれた側近もまた、奪われて歪んだ者の一人だった。
829:🎏 :2011/11/26(土) 02:00:17 ID:UOzzvGRKcw
魔物は、どの種族で生まれたかで、大抵の強さが決まってしまう。
鋼の体を誇り攻守で隙のないゴーレム族。龍の力強さと機動力、人の知力と応用力を併せ持つ龍人族。最近では、どういうわけか機械に命が宿った機械生命体も侮れぬ存在になっている。
逆に、弱者として生きることを宿命づけられた種族も確かに存在する。
飛行能力で独自の文化を展開し他種族を拒絶するハーピー族や、擬態や逃亡などで生き残りを図るしかないスライム族などがそうである。

その中で人型の魔物というのは少々特殊な位置付けである。
人型の強さは個人でバラバラである。極端に弱い奴もいれば、強い奴も存在する。
資質と努力次第ではどこまでも強くなれる、可能性に満ちた種族と言えるだろう。
830:🎏 :2011/11/26(土) 02:01:27 ID:UOzzvGRKcw
側近は可能性も何もない弱い人型として魔界に生まれた。
弱いのは側近だけでなく、その両親も同じだった。
そして魔界は、そんな弱い者達には決して優しい世界ではなかった。

人型の多くは強い種族に虐げられ、搾取され……苦しい生活を送っていた。
それをどう切り抜けるのかと言うと、人型より弱い種族から搾取するか、あるいは……
あるいは、人型の中で、強い者が弱い者から搾取してどうにか切り抜けていたのだ。

つまり、人型の中でも弱かった側近とその両親には、まともな生活なんて期待できるはずがなかった。
831:🎏 :2011/11/26(土) 02:02:07 ID:UOzzvGRKcw
食事もろくにありつけない中で、両親はまだ幼い側近を育てるため、自らの食事を切り詰めて側近に与えた。
涙ぐましい生活を送っていた側近達だったが、それでも魔界は容赦しない。
致命的な食糧不足に加え、理不尽な暴力にも見舞われたのだ。そして……

いつしか側近の両親は冷たくなり、動かなくなってしまった。

子どもながらに一人になってしまった側近。それでも彼の命はまだ続いている。
ゆえに彼は生きなくてはならない。自ら命を絶つ勇気もなかった彼は、それを選択するしかなかった。

こんな状態になってしまったのは誰のせいだろう。いったい誰が悪いのだろう。
悪いのは両親を奪い、苦しみを強要する魔界の悪意だろうか。答えは違う。
弱く、虐げられるしかなかった側近達が悪いのだ。それが魔界の答えだった。
832:🎏 :2011/11/26(土) 02:02:53 ID:UOzzvGRKcw
側近は魔界の悪意を、そして両親を救えず殺してしまった自らの不甲斐なさを憎み、呪った。

魔界は腐ってる。
魔物達は自分が全てで、誰かの幸せをいとも簡単に壊してしまう。
魔王もまた、自分の幸せと人間界の征服しか考えておらず、魔界の現状を変えるつもりもない。
そもそもこんな腐った魔界が変えられるわけがない。
では、そんな腐った魔界で幸せになるにはどうすべきか。
簡単である。強くなり、奪う側になればいい。

両親を失ったその日から、強くなるための地獄のような日々が始まった。
833:🎏 :2011/11/26(土) 02:03:45 ID:UOzzvGRKcw
側近には、魔道書を買う金も、魔道書を奪う力もなかった。
そのため、まずは体術を鍛える他なかった。

筋力を鍛え、根本的な身体能力の上昇を図った。
確かな戦闘技術がなくとも、弱者相手なら身体能力に物を言わせて勝つことも可能だ。
弱者を相手に実戦経験を積み、緩やかにではあるが側近は強くなっていった。

少しだけ奪う側に近づけた側近は、弱者からあらゆるものを奪った。金品、食糧等々。
中には初級ながらも魔道書を持った者や、なまくらではあるが青銅の剣を持った者もいた。
それらを奪い、我流ながらも攻撃魔法や剣術を身につけ、また少し奪う側に近付いた。
834:🎏 :2011/11/26(土) 02:04:31 ID:UOzzvGRKcw
そうして自身を鍛え成長しながら、月日は流れていった。

そして物語は冒頭に戻る。
そう、長年魔界を支配した魔王が退く日が訪れたのだ。

大人となった側近は、すっかり強者の仲間入りをしていた。
憎しみと生きる意志は側近に多大な経験点を与えており、かなりの実力者となっていた。
そんな状況で魔王退陣の吉報を耳にしたとなると、側近としては動かざるを得ない。
そう、魔界の頂点、全てから奪うことを許されし存在となる魔王。その座を狙わずして何を狙うというのか。

(魔王にさえなれば、裕福な暮らしができる)

(魔界の魔物共を極端に虐げもしなかったら、反逆されることもなく連中は勝手に生きていく)

(目障りな人間を片づけるだけで、幸せな生活が保障されるんだ)

(なってやる!俺が魔王に……魔界の幸せを俺が独り占めするんだ!)
835:🎏 :2011/11/26(土) 02:05:14 ID:UOzzvGRKcw
魔王が退いた時に次の魔王を決める際のルールは至ってシンプル。
魔界は強い者が全て。ならば、名乗りをあげる者の中から最強の者がなればいい。
そういうわけで、そんな野心家達を募り、武闘会が開催されるのである。
ぶっちゃけて言えば幽遊白書の魔界トーナメント的な感じである。ルールはその時の参加者で決めるという違いはあるけど。

この武闘会は魔界の猛者達が集まるため、戦闘そのものは熾烈を極める。死者が出るのも珍しくないそうだ。
それでも側近は参加を決意する。側近には魔王の座を目指す以外に生きる糧などないのだから。
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