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特別病院〜○○科〜
[8] -25 -50 

1: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 14:48:42 ID:3qfVj3OfXY

入院手続きですか?
そうですか。わかりました。

それでは此方に氏名だけの記入をお願いします。
え?他に書くことはないのかって?

いいえ。何もありませんよ。
アナタは何故この病棟にいるかご存じですか?
そうですか。存じ上げないんですね。それならいいんです。

では、病室にご案内させて頂きますね。
…おっと忘れるところでした。

此方に目を通しておいて下さい。この病棟の規則です。


――では、ご案内致します。




51: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 19:57:08 ID:3MT/HFyZ1E

はい、今日の投下は終わりまーす(´・ω・)
1日に患者1人と結果書けるといいな
52: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 19:59:02 ID:PWh0ZmXisc
>>1に何かあったのかね…?


つC
53: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 20:42:34 ID:9IAOdG2/VE

  〜110号室患者〜

「あ……ぅ……ぅう…」

咽を抑え苦しそうに唸り、必死に言葉を出そうとしていた。

「うぅ…うー…あーあーあー!!」

叫んでも、泣いても、怒っても、ただ辛いだけなのを少女は知っている。

「あーあー!!!」

涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、必死に訴えるが誰も分かりはしない。

「あー…あ゛ぁ゛あぁああ!!!」

声を枯らすほどに叫んだ。そしたら誰か助けてくれるのではないのかと、辛くても苦しくても叫ぶ。

壁を強く殴り、肌を切っても、ただ訴えた。白い壁はみるみる赤い雫で染められていく。



「――あぁあぁああぁ゛ぁあ゛ぁあぁぁ゛!!」

殴る手は止まらず、壁を殴り続けた。
少女の叫びは病室に悲しく響くだけだった。


54: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 20:49:17 ID:9IAOdG2/VE

110号室患者結果
名前:神谷 夏実
入院から2年と3日経過。
現在も生存中

薬の効果
発狂・自傷行為・精神崩壊
会話不可。


55: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 20:55:47 ID:svXBI68Hng

――――

「センセ。今回はどうだった?」

「少し厄介かも知れないな。ところで記事は持ってきたか?」

「うん!はい、これ!」

ふわりと柔らかく笑みを浮かべ、記事を渡すとモニターに視線を移す。

「…………確かに厄介だね」

さっきまでの笑みは消え無表情で呟き、呆れた様子でモニターから目を逸らした。

「110号室の患者の記事は非常に恐ろしいよ。流石に自分でも無理だ」

「センセってチキンなの?」

「俺は鳥じゃないが」

「そっちのチキンじゃないんだけど」

「そうか」


56: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 20:58:29 ID:9IAOdG2/VE

>>52
何も無いですよ、ただ患者と結果にネタが無いだけです(´・ω・`)

1日は無理でしたが一週間に1回のペースで出来たらな!って思ってます
支援感謝\(^^)/
57: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 21:11:31 ID:svXBI68Hng

「110号室患者記事だが"家族撲殺したあとに死体をバラバラに"
少女には弟(当時4才)妹(当時2才)母と父の5人家族であった。周りから見ていた人々か口を揃え「憧れ」や「仲良し夫婦」とコメント。
しかし、そのコメントとは裏腹に夫婦では喧嘩が絶えなかったらしい。
家族を殺害した少女は「うるさかった」との理由で殺害に及んだ」

「結婚って大変だね。僕気を付ける」

「話の腰を折るなよ」

「はーい」

「えっと……。
再び少女から話を聞こうとしたところ、言葉が出なくなってしまい今までの記憶を失っていた」

「ショックがあったのかな?」

「難しいところだ」


58: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 21:17:10 ID:9IAOdG2/VE

「心に闇を抱えてるんだろうね、ここの患者さんは」

どこか懐かしそうにセンセに話し掛け、同意を求める様に少年は首を傾げて見せた。

「お前もあったんだろ?」

「そうだね。センセが助けてくれなかったら、きっと僕も別の形で会ってたのかな」

「殺人だけは止めろよ。絶対に…何があっても」

「優しいね」

「患者を見てればわかる」

「そうかな」

今度は同時にモニターを見つめた。

「患者は道を間違えた。そして"殺人"を、ね…」


59: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 21:25:44 ID:9IAOdG2/VE

「助けられるのはセンセだけだよ」

「プレッシャーに潰されそうだ」

「やっぱチキンだ」

「だから鳥じゃないって」

「もう良いよ、そのボケ」

「すまん」

記事をペラペラと捲り、センセは「ほう」と声を漏らすほど興味をそそるものを発見した。

そして大きく
「無差別殺人!"死ぬのは怖いか?"と質問」の文字。

「……これ知ってる」

「109号室の患者だな」

「聞いてる?」

「聞いてるが、流れていったよ。右から左へ」

「どっちか鼓膜破ろうか?」

「勘弁してくれ」

「わかってるよ。センセ」

ふふっと楽しそうに少年は笑って、センセの頬に手を添えた。


60: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 21:26:53 ID:9IAOdG2/VE

今日の更新終わりにします!
次はもっと見やすく書けるようにしますね
61: 名無しさん@読者の声:2011/11/26(土) 23:02:35 ID:fVVLBZ49.o

「代わりにビンタして良い?」

頬に添えられたままの手は次第にビンタの構えに変わっていく。

「気にくわなかったのか、ごめんね。取り合えず記事を読ませてくれ」

「うん」

にっこりと天使の微笑みを向けたあと、手は素直に下げセンセの言葉に耳を傾けた。

「通行人を次々と切りつけるという無差別殺人が起きた。被害者に状況を尋ねると決まって"死ぬのは怖いか?"と質問されたと証言。遺体には切り傷だけでなく、多くの刺し傷もあった」

「朗読上手いね。センセはそっちの職業の方が向いてるよ」

「俺の話聞いてた?」

ポリポリと頬を掻き、記事を折り畳むと投げるようにして机に置く。


62: 名無しさん@読者の声:2011/11/26(土) 23:24:21 ID:9T.4e7jXrM

「聞いてたよ。うるさいな」

「え、反抗期?反抗期なの?」

「次の患者さんでも見ようよ。センセとの会話飽きた」

「いきなり反抗期ってどうなの。聞いてる?」

センセの問い掛けには見向きもせずに少年はホワイトボードに近付き、患者の写真を貼り付ける。
印を書き込むと、眉を下げ悲しげにこう言った。

「………何人残れるのかな」

モニターに目を移し、今までの患者を見ていく。
センセは咳払いをして真面目な顔で答えた。

「努力次第だ」と。


63: 名無しさん@読者の声:2011/11/26(土) 23:32:30 ID:8oB7ij1vu.

と、まぁ投下終了するつもりです!
次から患者さんのターン(`・ω・´)
番外編か途中にセンセと少年の出会いでも書こうと思いますが、全ておわってからか途中かどっちがいいですかね(´ーωー`)
64: 名無しさん@読者の声:2011/11/27(日) 23:15:34 ID:KQAgxdxGac

  〜111号室〜

電気も点いていない真っ暗な空間に彼女は退屈そうに、汚れの無い真っ白なベッドに寝転び足をバタつかせ仰いでいた。

2つに結ばれた長く美しい髪は暗闇でも目立つほどである。肌も白く、まるで雪のようだ。
片方の目には包帯がグルグル巻きにされていた。
血が滲んでおり、まだ新しいものだと判断できる。

「こっちの目も取っちゃおうかな」

「そしたらもう汚い世界を見なくてすむよね」

そう言う彼女は不気味なほどに嬉しそうだった。

「でも痛いの嫌だな」

うーんと悩みに悩んだ彼女の答えは簡単なモノであった。

「死のう」

その言葉に似合わない満面の笑み。バタつかせてた足はいつしか止まり、彼女は立ち上がった。

「どんなのが良いかな〜」

楽しそうに行動する姿は、デートに向かう可愛らしい様子。思い付いたように彼女はある物を手に取る。

―――"ナイフ"だ

規則違反。
しかし、彼女は気にしてない様子で胸に翳すと一気に奥深くまで貫く。

ひゅーひゅーと苦しそうな彼女は暫くシーツを握り痛みに耐えていた。
…そしてゆっくり身体は崩れ床に倒れ、そのまま覚める事のない眠りについた。


65: 名無しさん@読者の声:2011/11/27(日) 23:22:02 ID:ukpSrCgcpI

111号室患者結果
名前:松崎 美羽
入院から4日経過。
死因は大量出血及び、刺殺

薬の効果
自傷行為
会話に異常無し。


66: 名無しさん@読者の声:2011/11/27(日) 23:23:35 ID:ukpSrCgcpI

どうしましょ、患者さんが同じようなパターンだ( ̄▽ ̄;)
投下終了します
67: 名無しさん@読者の声:2011/11/29(火) 21:28:16 ID:gkmvJaScFM
>>63

私的には 一通り患者さんの情報が出てから 出会いの話が読みたいかな
まあ、早いうちに出しても問題はないかなと思いますが(なんか日本語おかしいですね。すみません)


つC
68: 名無しさん@読者の声:2011/12/3(土) 23:07:54 ID:wjrKSK2k82

  〜112号室患者〜

何かに怯えている瞳。
カタカタと歯がぶつかる音が病室に響き渡っている。
小柄な少年は肩を抱き、ただ怯えた様子で一点を見つめているだけであった。

「……っごめ…なさ」

頬を伝う涙。
それを拭う手は細く、頼りなさそうで今にも折れてしまいそうだった。

「ごめんなさ…ごめんなさい………」

ポタポタと床に涙が落ちる。そして止まる事を知らぬ涙は次から次へと溢れ頬を濡らす。

「…ひっ…ひくっ…ごめなさっ…」

何度も何度も繰り返される単語。呼吸も荒くなり喋ることも難しくなっていく。

しかし一点を見つめる姿勢は崩さなかった。

「……………もう…いいよね?頑張ったよね?」


両手を見つめてた先に向け、涙を流しながら悲しそうに微笑む。
怯えた少年は消えていた。
今いるのは覚悟を決めた揺らぐことの無い瞳を持つ少年。

自らの首に手を翳す、そして絞めると徐々に力を込めていく。強い力で。

「ご…め、……な…、さい」

途切れ途切れに呟くか細い声。
自分の命が途絶えるまで、何度も繰り返していた。


69: 名無しさん@読者の声:2011/12/3(土) 23:11:54 ID:FFkWuh2UB2

112号室患者結果
名前:緑川 学
入院から3週間計画。
死因は絞殺

薬の効果
幻覚・精神崩壊
会話はある程度可能


70: 名無しさん@読者の声:2011/12/3(土) 23:19:34 ID:apUuk9iOiY

>>67
いえいえ、意見ありがとうございます!
そして支援感謝\(^^)/
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