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三蔵「…岩から尻が生えている」
[8] -25 -50 

1: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 01:13:20 ID:clfaSnFbdM
尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」

三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」

尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」

三蔵「しかし無駄に毛深いな」

尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」

三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」

尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」

三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」

尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」

三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」

尻「おい」

三蔵「下の毛とか意味わかんない」

尻「おいこら」


2: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 02:34:57 ID:d94KxDYQi2
尻「ふわぁ…!岩が砂に…!」

三蔵「嫌に面倒な封印だったな。術者の性格悪そー」

尻「ふわぁぁ……」

三蔵「…おい毛尻、羽織っとけ」バサッ

尻「わぷ。…あ、私裸ん坊…」

三蔵「目の毒だ」

尻「……なんだかんだ言っても、僧侶さまも男なんですね」

三蔵「いやマジで気持ち悪くなる。おっぱいが気持ち悪い。おおきい。キモい」

尻「そこまで!?」

三蔵「ところで毛尻、なんでまたこんなとこに封印されてたのよ」

尻「そ、それは……てか何ですか毛尻って!私には孫悟空という立派な名前がありますっ!」

三蔵「何ですかって、尻にビッチリ毛がモジャってるから毛尻」

悟空「そこの説明は求めてません泣くぞ」

三蔵「悟空……?その火のような紅い眼……まさか伝説の斉天大聖…?」

悟空「…あ〜……知られてますよねそりゃ……あはは…」

三蔵「17、8歳どころか、ババアかよ」

悟空「泣きますよ?」
3: 名無しさん@読者の声:2013/6/28(金) 11:30:08 ID:An6zq3r.pE
おもしろい
つCCC円
4: 名無しさん@読者の声:2013/6/28(金) 15:02:08 ID:kicSI8Q9o2
なぜか気になる
5: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 17:06:53 ID:VghCuEkDg.
観音『…聞こえますか、三蔵法師……そして、石猿よ…』

悟空「ふぁっ!?か、観音さまっ!?」

三蔵「…観世音菩薩」

観音『…三蔵法師よ…よくぞこの不浄なる妖を救いましたね……釈尊と見紛うその徳、見事です…』

三蔵「見るに堪えないキモさだったからね」

悟空「私のこと嫌いですね?」

観音『…石猿よ……法師の慈悲に感謝しなさい……そして師と仰ぎ、徳を積むのです……天界をシッチャカメッチャカにした大罪、それにてなんとかギリ、赦しましょう…』

三蔵「シッチャカメッチャカ言うたぞ菩薩が。しかもギリて。お前すげえな」

悟空「わ、わ、若気の至りと言うか黒歴史と言うか、うう…」

観音『…玄奘三蔵法師よ……石猿…いえ、孫行者を、よろしく頼みます……』ガチャッ ツーツー

三蔵「…ガチャ?」

悟空「観音さま…ありがとうございます…!」

三蔵「よろしく…って。え〜……」

悟空「…あ、あの」

三蔵「なにお前、ついてくんの?」

悟空「は、はい!許されるならばっ!!うわあ嫌そうな顔」

三蔵「…なんなんだよ、天竺行けっつったり毛尻つれてけっつったり……ムチャ振り大好きか天界は……わーったよ、やりゃ良いんでしょやりゃ…」

悟空「ありがとうございますっ、僧侶さ…いえ、お師匠さま!!この孫行者、観世音菩薩の導きに従い、お供致します!天下無双の怪力に、変幻自在の術数、必ずやお師匠さまのお役に立ってみせます!!」

三蔵「………あー、うん…」ジロジロ

悟空「お、お師匠さま…そ、そんなジロジロと見ないで下さい……羽織り一枚しか、私…」

三蔵「……マジで苦行だわ……はぁ…」

悟空「いくら私でも傷付くんですけど」
6: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 22:02:31 ID:5liGDbiY1w
三蔵「…で、お前は何が出来んの」

悟空「なにって…えと、つ、強いですよ!」

三蔵「毛根が?」

悟空「ねえ毛から離れませんか?」

三蔵「なんかやってよ、妖術」

悟空「そんな宴会芸みたいに……じゃあここは私の代名詞的なこれを…!觔斗雲の術っ!!」

三蔵「おお、雲が」

悟空「どっ…うですかっ?す…っごいで、しょっ?天っ界っ、ですらっ…これで、ひとっ、飛びっ」

三蔵「それ俺も乗れんの?」

悟空「あ、いやっ、生身のっ、人間さんはっ、ちょっとっ」

三蔵「使えねぇ〜」

悟空「お師匠さまぁ、そんなあっ」

三蔵「……で、なんでお前はさっきから宙返りしてんの?」

悟空「えとっ、トンボ返りっ、してないとっ、雲がっ、消えちゃい、ましてっ」

三蔵「なんつー体育会系な術だよ」



悟空「じゃ、じゃあこれです!ん〜…摂法!!」

ビュオオオオオッ

三蔵「おお、風が」

悟空「どうです!これぞ風を吸い込み暴風を起こす摂法の妙技…きゃあっ!?」

ビュオオオオオッ

悟空「あー!!羽織がっ、羽織がっ!!」

三蔵「…………」

悟空「あぁぁ…」

三蔵「……俺の羽織」

悟空「あうぅ……」
7: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 22:03:37 ID:5liGDbiY1w
三蔵「…うん、もうわかった。もういいよ」

悟空「諦められてる!?……く、こうなったら奥の手…!!」

三蔵「いや、マジでもういいから、替えの服でも調達に」

悟空「…変化っ!!」ボワン

三蔵「……!!」

ロリ悟空「…ど、どうです?お師匠さまの大好きな、8歳前後の体躯!!お胸もペッタンコ!!」

三蔵「…お、お、お前……」

ロリ悟空「や、ちょっとお師匠さま…目が、目が恐ぁい…」

三蔵「下…」

ロリ悟空「した?」

三蔵「……行者。これを」

ロリ悟空「…?綺麗な輪っか…」

三蔵「…緊箍児、という。頭につけなさい」

ロリ悟空「…きんこじ?はぁ……はい、つけました、けど」

三蔵「…『緊箍呪』」

ロリ悟空「ぎにゃぁぁぁぁあ!!?頭が!!頭が割れるよぉにいいぃぃ!!?」

三蔵「ロリ体型に下の毛モジャモジャとか、夢に出るわ!!今すぐ戻らねぇと頭絞め潰すぞゴルァ!!」

ロリ「しょ、しょんなっ!!うにゃぁぁぁぁあ!!!」
8: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/29(土) 23:21:51 ID:VOajUIbaW6
三蔵「ほれ、きりきり歩け、弟子」

悟空「う〜、弟子使い荒ぁい…」

三蔵「天下無双の怪力なんだろ。そのくらいの荷物くらいで弱音吐くな」

悟空「そりゃこれくらい何でもないですけどぉ…封印が解けた途端、お腹空いてお腹空いて…」

三蔵「人里に下りんことにはなぁ、この岩山じゃ、木の実ひとつ……もう自分のムダ毛でも食ってろよ」

悟空「お師匠さま、言葉は時に刃と化すんですよ?」

妖怪「ぐるぁぁぁぁぁぁあっ!!」

三蔵「俺の刃は切れ味バツグンだろう?はっはっは」

悟空「私のピュアハートは切り刻まれてヴィンテージジーンズみたいになってますよ」

妖怪「ぐるぅぁぁぁぁあ!!ぐぅわぁ!!」

三蔵「値段が跳ね上がるな。も少し切っとくか」

悟空「やり過ぎると半ズボンになっちゃうからやめて」

妖怪「ぐるぁぁぁぁあ!!ぐるるぁぁあってばぁ!!!」

三蔵「ところで悟空、パンツ派?スカート派?」

悟空「スパッツ派です」

妖怪「無視すんなテメエらっ!!!」

三蔵「…うるさいなあ、用があるならそれなりの態度をとれよクズが。こっちだって時間を肥溜めに捨てるほど暇じゃねぇんだよカスが」

悟空「急に『ぐるあー』なんて叫ぶ人なんて、普通無視しますよ、関わっちゃいけないタイプですよ、黄色い救急車のお迎えでも待ってて下さいよ」

妖怪「言葉は時に刃と化すねホント!!」
9: 名無しさん@読者の声:2013/6/29(土) 23:33:57 ID:j.KD4f/ouc
おもしろいw
CCC
10: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/29(土) 23:58:04 ID:jz4VLVWnxQ
三蔵「…で、なんの用だよ。追い剥ぎなら残念ながらお金は渡したくないのでお引き取り願います」

悟空「町で服とかご飯とか買わなきゃいけないんでお引き取り願います」

妖怪「うるせぇよ!それで引き下がる追い剥ぎは追い剥ぎ向いてねぇから辞めちまえよ!……と、そんなことは別に良いぜ、俺様の狙いは金なんかじゃねえ」

三蔵「…まさか……!?」

妖怪「へへへ…」

悟空「わ、私の身体が目的!?そ、そうよね…こんなボンキュッボンのセクシーダイナマイツが全裸でそのたわわなボディを揺らして歩いてたら、そりゃあ世の健康な殿方は獣欲に支配されてむさぼるように私をっ」

三蔵「うわぁ趣味悪いなーお前。友達になれんわー」

妖怪「違ぇよ!!もうなんなのお前ら!?頼むから少しは危機感持てよ!!」

三蔵「じゃあなんなんだよ早く言えよウゼェよ」

悟空「そしてその猛りに猛った劣情の塊を見せつけられた私は為す術もなくただただ運命を呪いながら」

妖怪「…なんでこっちが怒られて……あとそこの猿女黙らせろ。…ゴホン。テメェ玄奘三蔵さんだろ?俺ら妖怪の中じゃ、かなりの有名人だぜぇ…?その肉を喰らえば、不老不死の体が手に入るって噂だぁ……くくく、俺様にもツキが回って来たぜぇ…」

三蔵「なにそのハタ迷惑な噂」

妖怪「悪く思うなよ三蔵さんよぉ…ヒョロっちくて不味そうだが、そこは我慢してやるぜぇ、へへへ」

三蔵「バッカ野郎ヒョロくねぇし細マッチョだし脱いだらスゲェし」

悟空「……ねぇお師匠さま」

三蔵「…ん?どうしたションベンか?」

悟空「デリカシーってなんだろう。そーじゃなくて、なんで不老不死になれるからって、お師匠さまを食べようとしてるの?あの人」

妖怪「…はぁ?この女なに言ってやがんだ?」

悟空「だってですよ、不老不死ななりたいなら、チョロッと閻魔さんの所に行って、チョチョイッと閻魔帳にある自分の名前を消せば良いハナシじゃないですか。わざわざ争う事もないですよバカらしい」

妖怪「……え」

三蔵「悟空悟空、そんなこと言っちゃダメだぞ。アイツを見てみろ、妖怪だとは名乗ってるが妖術や仙術はおろか、法力の欠片も無いザコだ。戦闘力たったの5、ってとこだ。そんな奴が閻魔様になんか近付けるわけないだろ?」

悟空「あー、あー。す、すみません妖怪さん、ちょっと私基準で考えちゃいましたぁ。テヘッ」

妖怪「………」

三蔵「あーゆー『持たざる者』は、他者から奪う事しか出来ないんだから、優しくしてやんなきゃ。仏の心ですよ、孫行者よ」

悟空「勉強になりますお師匠さま!愚かさを認めてあげるんですねっ!」

妖怪「て、て、テメェらぶっ殺す!!!」
11: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/30(日) 20:18:10 ID:c0r3KBdBdY
悟空「ふもとの町につきましたっ!」

三蔵「…そうですね悟空さん」

悟空「…お師匠さま?なんでそんな私から距離を取るんです?」

三蔵「いえ、いくら賊徒とは言え、目の前で塵と化したのを見た日にゃあ、仏だって萎縮しますよ。加害者に対する目も変わりますよ。殺生いくないこわいこわい」

悟空「ち、力加減がですね?流石に数百年も動いてないと、そのですね?」

三蔵「そしてきっちりいつのまにやらあの賊徒から服も奪ってるとか、お前常習犯だろ、手際の良さが全てを物語っている恐ろしやー」

悟空「だ、だってスッポンポンで町に入るワケにもっ。そんなことしたら村の若い衆が総出でその青い性を本能の赴くままに」

三蔵「あ、それに付き合うのはめんどい」

悟空「なんて自分勝手な」


三蔵「さて、まずは暗くならんうちに宿を…」

悟空「それとご飯ご飯!このままじゃお腹と背中が反転します!」

三蔵「ヘソがなくなるくらいだな。……それにしても、この町…」

悟空「…どしました?ウンコでもしたくなりました?」

三蔵「お前二度とデリカシーとか語るなよ。いや、この町だがな、妙だ」

悟空「……妙、ですか?」

三蔵「幼女が見当たらないっ!!」

悟空「あ、病院ならそこにありますね、悪いのは眼かな頭かな?」

三蔵「よーし『緊箍呪』っ!」

悟空「ぎにゃあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
12: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/30(日) 20:31:39 ID:c0r3KBdBdY
悟空「うぅぅぅ……こんなツッコミ毎度されてたら、そのうち頭がパーン!ってなるよぅ…」

三蔵「際どいネタはやめい。師匠様に向かって言って良いコトと悪いコトがある」

悟空「さじ加減がわからないですよ……でも、お師匠さま。この町、確かに変です」

三蔵「…ここまで露骨だとなあ、うん」

悟空「女の人が一人も居ない…!」

三蔵「可能性その1、『俺がカッコ良すぎてみんな隠れてる』」

悟空「…せいぜい中の上、くらいですよお師匠さまは」

三蔵「そんなリアルな評価は要らんわい。じゃあ可能性その2、『ここは伝説のホモの町だった』」

悟空「うわあ早く出ましょう。あ、でも美少年同士なら……えへへ…」

三蔵「これは他人のフリせざるを得ない」

悟空「あ、こんなのどうです?可能性その3、『私の美しさに皆恐れ入って出てこない』」

三蔵「そうかお前の毛深さに恐れおののいて…」

悟空「この町の女性は透視能力でもあるんですかねぇ?服着てるんですけどねぇ?ねぇ?」

男「あ、あんたら!!」

三蔵「はい、どうなされました町の方?」

悟空「なんて爽やかな営業スマイル」

男「は、は、早くここから逃げるんだ!女が居るなんてアイツが嗅ぎ付けたらっ…!!」

三蔵「なんか浮気現場が奥さんに見つかりそう、って感じのセリフだな」

悟空「これだから男は」

男「これ以上アイツの犠牲には…なんで白い目で見られてんの俺」

三蔵「まあ浮気は男の甲斐性だしな、少しくらい」

悟空「これだから男は」

男「ねえ話聞いてます!!?」
13: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/1(月) 00:19:35 ID:818dA2ux8.
三蔵「……で、つまりその猪なんちゃら、って妖怪が、町の女連中をさらってったのか」

悟空「悪いヤツですねぇ」

三蔵「しかし小さい町とはいえ、女全てを持ってくとか、豪快さんだなー、スケベだねぇ」

悟空「絶倫ですねぇ」

男「…腕っぷしが立つ十数人が束になっても敵わなかった…猪悟能の奴ぁ本物のバケモンだ…!」

三蔵「なんてベターな」

悟空「まず勝てませんよね、『町の力自慢』とかそーゆー人達って」

男「……そ、それに強いだけじゃなくて、奇っ怪な妖術まで…悪い事は言わん!気付かれない内にこっから…!」

???「ワシが雌の匂いに気付かんとでも思うたか?」

男「ひっ…!!?」

???「安心せい、殺さんわい。お主ら町の男共は、ワシへの供物を作り運ぶ大事な働き手…じゃがそこの余所者は、女を浚うに邪魔そうじゃしの…」

三蔵「およ」

悟空「お師匠さまっ!危ないっ!!」

???「死んでおけぃっ!!」
14: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/1(月) 00:23:44 ID:9XjqRXXnhU

ガキィィィィィン!!!



???「…ほ、邪魔立てするか、女よ」

悟空「お師匠さまに何するんですか!この……って…」

???「九歯馬鍬を跳ね返すとは……ん、なんじゃ女。ワシの顔になんぞついとるか?」

悟空「お、女の子…?」

男「み、見た目に騙されちゃいかん!こ、コイツだ!!コイツが猪悟能だっ!!」

猪悟能「五月蝿いのう。こっちも好きでこんなチンクシャな体躯をしとる訳と違うわい。人の気にしてる事をそう言うもんでは……ヒィッ!?」

三蔵「うん、素晴らしいつるぺた具合だ。そしてこのイカっ腹。おしりもプニプニしてて、ちょっと蒙古斑の有無を確かめても」

猪悟能「な、な、なにするか貴様ぁぁぁああっ!!?」

ガキィィィィィン!!!

猪悟能「退けぃ女ぁ!!そこの腐れ下衆を殺させぇい!!」

悟空「お、お師匠さまに何、するん、です…」

猪悟能「セクハラされた仕返しに決まっとろーがぁ!!」

悟空「ぐ、言い返せない。どうぞって言いたい」

三蔵「やっべぇ超もちもち肌だった。手にしっとり吸い付く」

猪悟能「一発!!一発でいいから殴らせてくれっ!!」

悟空「気持ちは、気持ちは痛いほどっ!」

三蔵「すっぽり腕に収まるそのサイズ、興奮します!」

猪悟能「殴らせろぉぉぉぉぉお!!!」
15: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/1(月) 19:33:52 ID:ci7aUG0C66
猪悟能「えぇぇぇいっ!!退かぬなら勿体無い、ひじょーに勿体無いが、貴様も屠ってやるわ!!ああ勿体無いなぁでもっ!!」

悟空「お師匠さま下がって!!この子強いです!!」

三蔵「漏れ聞こえる本音からどうも緊張感がなぁ」

猪悟能「このワシを小童扱いか女っ!!その五体引き裂かれてから後悔するが良いわぁっ!!」

ヒュンッ ガキィィン!!

猪悟能「ほっ…!」

悟空「ふふん、後悔するのはそっちですっ!」

猪悟能「…やるではないか女。その膂力、棒術、天晴れよ。名乗れぃ、知らず殺すには惜しいわい」

悟空「ふふ、君も強いけど、私には勝てないよっ!東勝神州、傲来国は花果山、その頂きより生まれし妖仙、斉天大聖孫悟空とは私のことですっ!!」

猪悟能「…おおお、よもや天地に武名悪名を馳せた猴仔公を拝めるとは、武人の誉れ極まるわい!…面白い…我こそは天蓬元帥猪悟能!!いざ尋常に……死合えぇい!!」

カキィィン!!ギャリィン!!ビュオッ!!

猪悟能「ふほ、フハハハハハ!!やるわやるわ!!全力のワシの九歯馬鍬と十合より打ち合った者は初めてじゃわいっ!!」

悟空「おっと!君もスゴイですよ!私の如意棒の一撃に耐えられるなんて、魔王クラスじゃないですかっ!!」

男「ひ、ひぃぃぃぃ!!バ、バケモンだぁ…どっちもバケモンだぁぁ…!!」

三蔵「…………」

悟空「伸びて如意棒っ!!」

猪悟能「金剛と化せぃ九歯馬鍬!!」

ガキィィィィィン!!!ガキィィィィィン!!!

悟空「…思った以上ですね…!!」

猪悟能「…ほほ、貴様も名に違わぬわ…!!」

三蔵「……悟空っ!!」

悟空「お師匠さま!安心してください、私が絶対に」

三蔵「ノリが恥ずかしくて見てらんない」

悟空「そんなコト言いますか」

三蔵「正直名乗りの段階から見てて恥ずかしい『私の一撃に耐えられて〜』とかもうやめてお腹痛い」

悟空「ここまで守り甲斐の無い人がいるとは」
16: 名無しさん@読者の声:2013/7/2(火) 02:23:10 ID:v0IlIExTto
支援!
猪の名前なんて読むの?
17: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/2(火) 21:57:31 ID:uaEYZv8uMQ
悟空「師匠の為に奮闘してる弟子に向かって、もー少しなんかないですかねぇ心配とか応援とか」

三蔵「ま、守って欲しいなんて頼んでないんだからね!」

悟空「ツンデレた!」

三蔵「いやただの情緒不安定」

悟空「思春期ですねぇ」

猪悟能「勝負の最中に漫才とは余裕じゃのう!!」

ビュオッ!!

悟空「わわわっ!」

猪悟能「ち、避けるか。すばしっこ…」

悟空「人がお話してる時に卑怯ですよっ!ていっ!!」

猪悟能「痛ぁっっ!!」

悟空「あれ、当たった」

猪悟能「…ぐぬぬ……卑怯はどっちじゃ……いや、これも兵法か…!」

悟空「?」

三蔵「悟空悟空、胸、胸」

悟空「…むね?…おおうっ!おっぱい丸出し!?」

三蔵「さっき掠ったんだなー。はよ隠せよ見苦しい」

猪悟能「そうじゃ隠せ隠せぃ!!」

悟空「そんな二人して。こんな惨めなサービスカットがあるだろうか」

猪悟能「そんなうらやまけしからんモノをぷるんぷるんと揺らされて、父ちゃんそんなん許さんぞ触りたい!!!あぁぁ桃色の突起がなんと凶悪な!!!」

悟空「……はい?」

三蔵「うわあ」

猪悟能「…ぐ、頭が…先の打ち込みか。ええい孫悟空!!勝負は預けたわい!!次こそ揉みしだいてやる!!」

悟空「趣旨がおかしなことに」

猪悟能「雲よ!我が脚と為し天を駆けぃ!!」

悟空「いやあの……行っちゃった」
18: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/2(火) 22:01:19 ID:sZH7Inb.pc
三蔵「何だったんだありゃ」

悟空「…スケベ幼女?」

三蔵「というよりオヤジ幼女だな。中身があれかー、趣味じゃないなあ」

悟空「どーしますお師匠さま?あの感じだとまた来ますよ、きっと」

三蔵「それよりあの雲の術、お前より性能良いなー、宙返りしなくて良いっぽいし」

悟空「私へのダメ出しを見つけるのが本当に上手いなあ」

男「あ、あんたら、すげえんだな…!あの猪悟能を追っ払うなんて…!」

三蔵「全ては仏の導きですよ、ふっ」

悟空「お師匠さまがやったのはセクハラだけですよ」

三蔵「だから仏がセクハラしろって」

悟空「流石にそれは仏に謝りましょうかイエローカードです」

男「…な、なあ、あんたらの力を見込んで、頼みがあるんだが」

三蔵「……ふむ。…腹減ったなあ、悟空」

悟空「え?…あー、はい。ペッコペコですお師匠さま」

男「…え?あ、ああ!そんならウチの店に来てくれ!ボロいが味は保障するよ!」

三蔵「お酒があればなお嬉しいなぁ、悟空」

悟空「私、老酒が良いなぁ」

男「…あ、ああ」

三蔵「ついでに泊めてください」

悟空「朝御飯は乳粥が良いです」

男「…はい」
19: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/2(火) 22:03:06 ID:sZH7Inb.pc
>>16
猪悟能(ちょ ごのう)です。
武器は九歯馬鍬(きゅうしまぐわ)と読みます。支援どーも。
20: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/3(水) 23:28:31 ID:4eTavAN0hc
三蔵「……福陵山ってのまで、あとどんくらい?」

悟空「このペースだと……三日くらい?」

三蔵「遠いなあ」

悟空「まあ悪さをする時は、足がつかないよーに遠くの町とかを狙うのがセオリーですからねぇ」

三蔵「振り込め詐欺団かよ」

悟空「だから私が觔斗雲の術でビューンと行って、あの子懲らしめてきますって言ったのに」

三蔵「そーゆーズルすると、観世音が絶対にケチつけてくんだよ。お前枕元に毎晩菩薩が出てきて説教される気持ちわかる?」

悟空「あの人らは冗談通じませんからねぇ…」

三蔵「かといって引き受けたからには、町の女性達を救わねばならぬ」

悟空「これでもかってくらい飲み食い荒らしましたからねぇ」

三蔵「これで断るとか流石の俺でも出来やしない」

悟空「酒樽ごといっちゃいましたしねぇ私も。後半記憶無いですよーあはは」

三蔵「え、お前あんなことしといて覚えてないの?」

悟空「えっ」

三蔵「あんな恥ずかしいコトしちゃって師匠的にどうしようかと思ったのに」

悟空「えっ、えっ?私何したの?えっ」

三蔵「女の子がやっちゃいけないよあんなコト恥じらいを持てよ」

悟空「ねぇ何したの私!?」
21: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/3(水) 23:29:30 ID:4eTavAN0hc
三蔵「それは下の毛を……ん?」

男の子「…お迎えに上がりました。玄奘三蔵様、孫悟空様」

悟空「やだ美少年」

三蔵「誰だよこのショタっ子」

男の子「猪悟能様の使い、小龍と申します。此方にお二方が向かわれていると聞き、遅れ馳せながら、御迎えに……あの、頭を撫でないで欲しいんですけど」

悟空「どうしよう可愛いシャオロン君可愛い」

三蔵「確かにちょっと目覚めそうになる」

小龍「あの」

悟空「お師匠さま、この子飼ってもいいですか?」

三蔵「ちゃんと毎日エサやりと散歩するって約束できるなら」

小龍「だから、あの」

悟空「わーいお師匠さま大好きっ!」

三蔵「はっはっは、まったくこんな時だけ現金なヤツだな」

小龍「…これは話に聞くより厄介な人達ですね」

悟空「あ、眉をひそめた顔も可愛い」

三蔵「いじめたくなるな」

小龍「……これより主が棲処、雲桟洞へとお連れ致します」

三蔵「真面目だなあお前」

悟空「可愛いなぁ」

小龍「…ところで、三蔵様」

三蔵「んう?」

小龍「…さっきの、『下の毛を』の後が気になるのですが」

悟空「ちょ」

三蔵「君とは仲良くなれる気がする」

悟空「おい」
22: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/5(金) 05:31:43 ID:i8u0Ld2PTc
小龍「…到着しました。お疲れ様です」

三蔵「さすが空飛ぶと早いなー」

悟空「小龍くんが龍の姿になったときはビックリしましたけど、龍の背って乗り心地抜群ですねぇ」

小龍「…喜んで頂けたようで、なによりです」

三蔵「しかし気に入った。まさか龍神とは。男の子はすべからくドラゴンが大好きです気に入った」

悟空「しかも可愛いし。もうウチの子になっちゃいなよぅ小龍くん」

小龍「猪悟能様、小龍めが戻りました。三蔵様、孫悟空様をお連れ致しております」

三蔵「無視の間の取り方も合格点だな」

悟空「有望な子ですねぇ」

伝声管『おう、来たか。部屋まで案内せい』

小龍「はい。お二方、どうぞ此方に」

三蔵「いいトコ住んでんなー、ガキンチョのクセに」

悟空「絨毯がフカフカ」

小龍「あの町からの貢ぎ物もありますが、猪悟能様は商人として成功もされております。まあ浚って来られた女性たちの養いがありますので、金銭はいくらあっても足りませんが」

三蔵「あんなシケた町より、良い暮らしさせてもらってそーだな。助けても感謝されなそー」

悟空「あの子ブッ飛ばして皆さんを取り返すモチベ、下がりますねー」

小龍「…一応私も猪悟能様側の者ですので、せめて小声でお願いします」
23: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/5(金) 05:35:23 ID:aYMsUCp8d.
三蔵「しかしそんなに女を浚ってどーしてんだアイツは。流石にスケベな理由だけじゃないだろ?」

悟空「人食いの臭いはしなかったですけどねぇ」

小龍「それは……あ、こちらの部屋です。猪悟能様、入ります」

ガラッ

猪悟能「おう御苦労、小龍。お主らも昨日は急にすまんかったのう。ワシもつい…おっと、まだ満足出来ぬのか?ほれ?」

娘「ごのうさまぁ…あふぅん…」

小龍「では、私はお茶の用意でも」

猪悟能「そうじゃの…いや、もう夕食の頃合いじゃろ。飯と酒を繕えい。ん?なんじゃ貴様もか?主人をさしおいて何度も果ておってからに助平めが」

人妻「ああ……もう主人じゃ満足できないのぉ…ん…」

小龍「畏まりました。では取り掛かります。お二方、ごゆるりと」

猪悟能「うむ、任せたぞい。…どうじゃ、中々の執事じゃろ?あれも大罪を犯して天界(うえ)を追い出された口らしいが、どうして使える童よ。んっ…ぷはぁ……おうおう蕩けた顔をしおって。幼いとは言え、女じゃのう…」

幼女「おねぇちゃん……おねぇちゃあん…」

三蔵「………」

悟空「………」

猪悟能「ん?なんじゃそんな固まりおって。お、そうじゃ孫悟空よ、混ざるか?男、お前は寄るなよ」

三蔵「……えー、と。スンマセン一旦タイムで」

悟空「ちょっと失礼します」

猪悟能「…?」

三蔵(おいなんだアレ。布切れ一枚の女が軽く50人は侍ってたぞ熟女からピー歳まで食べ放題バイキングしてるぞ)

悟空(完っっっ全にスケベな理由だけでしたね。もう私は彼女を子供扱いできません直視できません)

三蔵(なんか露骨過ぎて俺のマグナムもリロードされない。よもやこの玄奘三蔵ともあろう者が口惜しや)

悟空(なんの話ですか。それに変にフレンドリーだしなにより小龍くんがフツーにしてるし嫌だそんなのに慣れてる小龍くん嫌だ)

猪悟能「なんじゃ後を向いてヒソヒソと。別の所を固くしてしもうたか?ほほっ♪」

三蔵「うわあオヤジ臭」

悟空「ドン引きです」
24: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/7(日) 18:41:03 ID:wtlrFeeeZc
猪悟能「どうした?山海の幸に極上の酒じゃ。もそっと楽しそうにせい、玄奘三蔵よ」

悟空「そうですよお師匠さま、このカニとかヤバイですよプリプリですよ」

三蔵「君はあんなん見た後によく食えるね妖仙ってのは性におおらかなのかな?」

猪悟能「はん、人間がムッツリ過ぎるんじゃ。好きなもんを我慢するとか阿呆の極みじゃの。のう孫悟空」

悟空「一緒にモグモグしないでムシャムシャくださいパクパク私はングッ500年ぶんハムハム食べないとンガッググッ」

三蔵「こんなうるさくカニ食うヤツは初めてだ」

猪悟能「…さて、玄奘三蔵。本題に入ろうかの」

三蔵「あ、バトルならこっちのカニ食い女と。俺かよわいお坊様だから経文がワーッってなってリボルバー撃ちまくるとかそーゆーの出来ないからなによりヤル気が無い」

悟空「なんでこんな人に天竺行かせますかね仏様も」

猪悟能「ほ、正直じゃの。悪くない。…町の女どもは、家に帰してやるわい」

小龍「…猪悟能様?」

三蔵「え、いいの?」

悟空「まさかご飯にお呼ばれするだけでミッションコンプリートだとは」


猪悟能「実はの、主らとやりおうた後、観世音菩薩が現れての」

三蔵「うわ出たよ観世音」

悟空「そんなゴキブリみたいに」
25: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/7(日) 18:42:49 ID:wtlrFeeeZc
猪悟能「貴様らについていけ、と。玄奘三蔵、主の弟子となり天竺へ行けば、天界下界、両方での罪を赦す、とのコトじゃ」

三蔵「なんか俺の扱いが刑務所みたいに」

悟空「服役はしましたけどねぇ私は」

猪悟能「天帝には完全に見限られておったし、死ぬれば末は地獄の地獄じゃと覚悟しておったが、なんと儲けた話よ」

三蔵「意外と甘いよなあ天界」

悟空「ノリで何とかなる感は否めませんね」

猪悟能「しかしの、ひとつよう解らんコトをいわれての。『ごくんさんえん』を断て、とか。ワシは自慢では無いが仏法には疎くての、玄奘三蔵、何なんじゃコレは?」

三蔵「五葷三厭…か」

悟空「さすがお師匠さま、知ってるんですね!」

三蔵「………五葷…はアレだっけ。えと、ん?」

悟空「…お師匠さま?」

三蔵「あ、違う違う、二年の時習ったヤツだったけか?」

悟空「え、僧侶って学年制?」

三蔵「待てよ?あー、あー、高等部じゃないや中等部?」

猪悟能「中高一貫!?」
26: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/8(月) 19:31:22 ID:MUVbGUmL1c
小龍「…五葷は、ネギ、にんにく、ニラ、らっきょう、アサツキのコトですね」

三蔵「そうそれそれ」

悟空「お師匠さま本当に僧侶なんですか?」

猪悟能「ほう、野菜か。ワシの好きなもんばっかじゃの」

小龍「…そして三厭は、獣肉、鳥肉、魚肉ですね」

三蔵「俺鳥肉派ー」

悟空「私魚肉かなぁ、サンマ食べたい」

猪悟能「獣肉じゃろ、熊なんか熟成させると何とも美味で……ん?待て待て、それを断て、ってことは……」

三蔵「お前何食えば良いんだろーな」

悟空「お茶漬け?」

猪悟能「ムリじゃムリじゃムリじゃ!!そんなもん守っとったら旅なんぞ出来るかい!!」

三蔵「確かに外食が基本になるからなあ」

悟空「そーゆー『アタシお肉ダメだから〜』とか言う人が居ると、なんか…ねぇ」

猪悟能「じゃろ?じゃろ?のう玄奘三蔵よ、ここはひとつ観世音にお主から口添えをっ」

三蔵「………条件がある」

猪悟能「おう、何じゃ?金ならあるぞ!」

三蔵「毎晩俺の抱き枕に」

パァンッ!!!

悟空「うわぁお師匠さまの帽子が木っ端微塵に」

猪悟能「ん?よう聞こえんかったのう…条件とやらを早ぅ言うてみぃ常識の範囲内で」

三蔵「はいスンマセンすぐ考えます」
27: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/8(月) 19:32:31 ID:MUVbGUmL1c






悟空「さて、天竺に向けて頑張りましょう!」

三蔵「なんだよ嬉しそうだな」

悟空「邪魔な荷物が減りましたからねぇ。でも重くない?小龍くん」

小龍「…大丈夫です。白馬の姿に化けていれば、これくらい」

三蔵「いやあ悪いね、乗り物になって貰っちゃって」

小龍「…いえ、私もお供をすれば免罪として頂けるのです。当然の事ですよ、先生」

三蔵「先生…いいなあ先生……この子が一番俺に敬意を表してくれる」

悟空「小龍くん、こんな人に何か教わるなんて汚れちゃうよ?」

三蔵「お前マジでそのうち頭ヒョウタンみたいにしてやっかんなゴルァ。…おい、お前も早く行くぞー」

猪悟能「む…う……。のう玄奘三蔵、も少し戒律めを弛くは出来んもんかの…?」

三蔵「戒律そのいち。上の者を敬うことー。…呼び捨てぇ?」

猪悟能「…し、師匠殿…」

悟空「戒律その二が『あんま殺すな』で、その三が『悪いことすんな』でしたっけ。大変だねぇ」

猪悟能「そ、それくらい守れるわい!何をニヨニヨしとるかこの猿……あ、姉者…」

悟空「にゅふふ」

小龍「…その四が『女に無闇に手を出すな』その五が『嘘をつくな』その六が『大酒はやめとけ』その七が『贅沢は敵です』…でしたね」

猪悟能「なんじゃろうそのやっつけ感溢れる戒律」

悟空「でもその八が、ちょっとキッツイねー」

猪悟能「ええい笑うな笑うなぁ!!くぅ…なぜワシがこんな…!!」

三蔵「その八『基本メイド服でいなさい』!!これが玄奘三蔵プレゼンテーション『八つのおやくそく』!!」

猪悟能「変態めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!」

三蔵「いやいや、似合ってるぞ!猪八戒!」

八戒「だまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!」
28: 名無しさん@読者の声:2013/7/9(火) 02:22:52 ID:XHB3Y2aTTg
何気にちょっとお勉強になる
支援!
29: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/9(火) 08:02:58 ID:gmXsKsTfuM
悟空「お師匠さまに近付くなーっ!!」

妖怪「ぐぎゃっ!!」

妖怪「ひでぶっ!!」

妖怪「く、くそっ…!坊主一人になんでこんな強い護衛が…!畜生っ、不老不死のチャンスが…!!」

八戒「阿呆が」

妖怪「うぐっ!?…ガハッ…」

八戒「終わらぬ生など、牢獄と変わらんわい」

三蔵「やー、ご苦労ご苦労」

小龍「…お見事です」

悟空「へっへ〜♪」

八戒「ご苦労じゃあ無いわい。何じゃこの妖怪エンカウント率は?ちぃと街道を歩こうもんなら妖怪妖怪妖怪っ!」

三蔵「レベルがどんどん上がるじゃない」

悟空「経験値無さそな雑魚ばっかですけどねぇ」

三蔵「つーか悟空、お前を助けてから襲われるよーになったんだよ責任取れよこのサゲマンめ」

悟空「おおっと今日のお師匠さまの言葉の刃もキレッキレだー」

三蔵「じゃあ毛マン」

悟空「やめて」
30: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/9(火) 08:04:45 ID:gmXsKsTfuM
八戒「なに阿呆言っとるんじゃお主ら…ん?」

妖怪「…ゲハッ!ゴホッ!……て、てめえら……」

八戒「ほ、まだ意識があったか」

三蔵「あ、殺してない偉い偉い」

八戒「撫でると手元が狂うかもじゃぞ?師・匠・殿☆」

三蔵「おおこわい」

妖怪「…てめえら…イイ気になるなよ……こっから先は『流沙』のナワバリだ……俺みてえな下っ端をノしたくらいで…うっ…」

八戒「何じゃ、全部話してからノビんかい全く。……流沙、か」

小龍「…かなり名高い盗賊団ですね。なんでも頭領は武芸に秀でた妖仙だとか」

八戒「ほ、ほ、それは楽しみじゃ。骨の無い阿呆どもの相手も飽々しておったし……のう姉者?」

悟空「…可愛い」

八戒「そう可愛…なんじゃと?」

悟空「やばい八戒ちゃん可愛い小さな子供が生意気なコト言っちゃってる可愛い」

三蔵「わかるぞわかるぞ」

悟空「でもそこであの日の酒池肉林しちゃってる八戒ちゃんがフラッシュバックして素直に萌えれない困る」

三蔵「わかるぞわかるぞ」

八戒「……のう小龍、ワシ本当にコイツらについてって良かっ」

小龍「メイド服というのも和みますよね」

三蔵「わかってるねー小龍!うんやっぱパーティーには男の子も必要だなっ」

八戒「わ、ワシの小龍が毒されてゆく……」
31: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/13(土) 01:03:50 ID:uaEYZv8uMQ

悟空「……で、そんな盗賊団が居るから、気をつけて進みましょーねってこないだ話してたばっかりなのに」

八戒「まあ、小龍が付いておるからと油断して寝こけていたワシらもワシらじゃが」

小龍「…申し訳ありません」

三蔵「たかだか黄酒数杯で潰れちゃうんだもんなぁ全く」

八戒「ガキに飲ますな阿呆んだらがぁっ!!」

三蔵「見た目幼女が言っても説得力が」

悟空「小龍くん酔わせてナニする気だったんですかケダモノお師匠さまっ!!」

三蔵「そそそこまで飢えてねねねぇよよ」

小龍「…そこで動揺しないで下さい怖い」

八戒「兎に角じゃな…」

妖怪「おっと、動くなよ?」

悟空「何をあっさりと捕まってんですかもーっ!!」

三蔵「めんぼくない」

八戒「本気で雑魚なんじゃな師匠殿」

三蔵「経文とか唱えてみたけど何も起こらなかった」

小龍「…なんと切ない」

???「緊張感の無い奴等だね、ふん」

妖怪「アネゴ!すいやせん、坊主は簡単に拐えたんですが、余計なのが追ってきちまって…」

???「いいよいいよ。へえ…あんまり強そうじゃないねぇ…斉天大聖、天蓬元帥、それと玉龍太子」

八戒「…ほう、知られておったか」

悟空「有名人だねー、あははー…」

三蔵「玉龍?」

小龍「…あ、私です」

???「本音を言えばこの坊主はモノのついでさ。欲しがってる有力妖怪がわんさか居るからね、良いカネになるだろうし。…アタイの狙いはアンタらさね」
32: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/13(土) 01:05:45 ID:uaEYZv8uMQ
八戒「ほ、盗賊風情から恨みを買った覚えはないがのう」

小龍「いや結構方々に恨み買ってますよ悟能様は」

悟空「まさか私の身体目当て!?」

三蔵「ないない」

???「…こんな奴等と……こんな奴等……」

妖怪「ア、アネゴ、落ち着いて…」

???「こんな奴等とアタイは同類だってぇのかいぃぃぃぃぃいいっ!!!」

三蔵「どうした急に」

???「ふ、ふふ…菩薩様がアタイを尋ねて来てねぇ……こう言うのさ……アンタらに付き従って天竺とやらに行けば、罪を許すとねぇ……」

三蔵「良かったじゃん悟空、荷物持ちが増えるぞ」

悟空「わーい」

???「黙れっ!!何が許すだクソ菩薩がっ!!なんで…こんな…!!」

悟空「そんなに荷物持ち嫌なの?」

???「…天女に言い寄りスケベの限りを尽くした変態メス豚!!」

八戒「ギクッ」

???「実家に火を放ち家宝やらなんやら燃やし尽くした放火魔ドラ息子!!」

小龍「……」

???「極めつけは強盗傷害悪逆非道、盗んでは殺し殺しては盗み、挙げ句に釈迦の掌にションベン引っ掻けて捕まった無双の大罪人!!」

悟空「あうぅぅ」

???「そんな最低の奴等とおんなじ酌量だとか、舐めるのも大概にしろってんだい!!アタイはちょっと手を滑らせて器を割っちゃっただけなのに……納得出来ないね!!」

三蔵「至極正論だ」

???「誰がお前らなんかに付いてくもんか!!お前らの髑髏(ドクロ)を手土産に、天界にケンカ吹っ掛けてやるんだ!!」

悟空「やさぐれてるなぁ」

八戒「ヤンキーは恐いのう」

小龍「…気持ちはわかりますけどね」

???「アタイは流砂が頭領、捲簾大将沙悟浄っ!!野郎共、やっちまいなぁっ!!」
33: 名無しさん@読者の声:2013/7/13(土) 17:09:25 ID:MirOoAiuHU
悟空酷www
小龍君はかわいいから許されるね
34: 名無しさん@読者の声:2013/7/13(土) 23:10:00 ID:jT71aL8iLQ
主要メンバー出てきたあああ!!!!!
CCC
35: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/18(木) 11:08:53 ID:UcL2GKha6g
妖怪「ぐぎゃっ!!」

妖怪「うがっ…!!」

沙悟浄「…ちっ!」

悟空「ふふん、もー諦めてお師匠さまを放したらどーですか、おねーさんっ」

八戒「主の手下、確かにそこらの野良よりかは手練れとるがのう。ワシら相手では等しく稚児じゃ。ほっほ」

小龍「…私はお二方ほど、余裕ではありませんが…ふう」

三蔵「うおー、わかってたけど俺の弟子つえーっ。悟空の言うとーり、諦めなよ。まあ君の気が晴れないのは俺も」

沙悟浄「降魔杖よっ!!」

三蔵「なにビックリした。こーまじょー?」

沙悟浄「沙僧が名において力を見せよっ!流沙呪っ!!」

ズズズズズズッ!!!

悟空「おわわっ!?何これっ!?」

八戒「何じゃ!?急に水が…!!ちょ、ワシの背丈じゃともうっ…!!」

小龍「悟能さまっ…!く、これは弱水(底無し沼)ですか…!!」

悟空「あっぷ…!お、お師匠さまはっ、お師匠さ……あれ?水、あれ?」

八戒「…ふん、幻術じゃったか。狡い盗人らしいやり方じゃの」

小龍「…先生も、あの頭領も居ませんね」

悟空「…お師匠さま……」
36: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/18(木) 11:10:39 ID:UcL2GKha6g
沙悟浄「くそっ…!部下どもが足止めにもならないなんて…!正面からじゃあ無理があったね…!」

三蔵「幻術かけてるあいだにサクッとやれないもんなの?」

沙悟浄「あんなもん一瞬の目眩ましさね。殺気を出したらすぐに…って、ふん縛られて拐われて、なぁに余裕ぶっこいてんだい腹が立つねぇ」

三蔵「人質は殺されないのがセオリーだからねぇ」

沙悟浄「…可笑しな坊主だね。さっきはああ言ったが、アタイがあんたを喰らっちまっても構やしないんだよ?」

三蔵「え…食べるだなんて……スケベだなぁもうさすが女盗賊」

沙悟浄「そそそーゆー意味じゃないよっ!!てゆーか女盗賊=スケベみたいな謂れの無い感じやめろっ!!」

三蔵「まあ俺もどっちかってーと受け身でソフトMだから食うってよりかは食われるほーが」

沙悟浄「聞いてないよっっ!!黙れよ色ボケ坊主がっ!!あー嫌だ嫌だこれだから野郎は…ブツブツ…」

三蔵「ところでさ」

沙悟浄「…なんだい。これ以上ムダ口叩くと本気で食い殺すよ」

三蔵「沙悟浄さん、綺麗な髪だな」

沙悟浄「っっ!!?」

三蔵「夕日みたいに真っ赤で、こんなの初めて見たよ。いいなー」

沙悟浄「な、な、なにを、ほ、褒め、褒めたって、バカ、褒め、何も出ないってんだ、夕日みたいって、バカ」

三蔵「およ、照れた?髪より真っ赤になってるぜ?」

沙悟浄「ふふふふざけんじゃないよ!!だだ誰がアンタの揶揄ごときききでこのアタイががががが」

三蔵「あははは」

沙悟浄「…ぐぬぅ……」

三蔵「ところでやっぱ下の毛も赤いの?」

沙悟浄「殺す」



悟空「…はっ!!…いま、お師匠さまがひっどいセクハラしたよーな感じが」

八戒「それは早く追いかけんとのう。たぶんあの盗人、生娘じゃ」

悟空「お師匠さまのセクハラで精神崩壊起こしちゃう前に、助けなきゃね!!」

小龍「…先生すみません、フォローできません…」
37: 名無しさん@読者の声:2013/7/19(金) 21:46:19 ID:LwjZkHrIS.
三蔵以外女のハーレムパーティ(手塚絵)はここですか支援
38: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/20(土) 12:42:06 ID:iHVXKSbeNo
沙悟浄「いいかいっ!アンタはあの猿どもをどーにかぶっ殺す為に生かしてやってるんだ!そこんとこ忘れずに大人しくしてるんだよっ!」

三蔵「イエスマム」

沙悟浄「誰がマムかっ!!」

三蔵(……さて、アジトまで連れ去られたワケだが)

沙悟浄「…まったく……手下はこれ以上失えないね……なんだいあの強さったら…ブツブツ…」

三蔵(…ふふ、この玄奘三蔵、そこいらの天然鈍感朴念人と一緒にしてもらっちゃあ困る。この女…)

三蔵「それにしても、盗賊のアジトのわりには綺麗にしてあるな、ここ」

沙悟浄「…ふん、少しは黙ってられないのかい。このアタイが小汚ない所で寝られるかってんだ。これでも元は天界の」

三蔵「ま、そーだよな。女の子だもんなっ(屈託の無い笑顔)」

沙悟浄「〜〜っ!う、うるさいねっ!ば、ば、馬鹿にしてんのかいっ!?」

三蔵「女の子に女の子って言って、何がダメなのさ」

沙悟浄「もうお前黙れっ!!次にその口開いたら、八つ裂きにしてやるからねっ!!」

三蔵(…くくく……わかりやすいぜ……紛うこと無き『あ、あんたの為なんかじゃないんだからねっ!』的な感じだっ!)

三蔵「怒るなよー。こっちだって緊張してるんだよ、こんな状況でさあ」

沙悟浄「ふ、ふん。今さら恐れを抱いたかい。どうあってもアンタは誰ぞに食われる運命さね、まあそう思えば戯れ言のひとつやふたつ…」

三蔵「いや、こんな美人と同じ部屋にいるとか、緊張するな…って(少し頬を染めながら笑顔)」

沙悟浄「〜〜〜〜っ!!!びびびび!?びじ、おま、ふざけっ!!あ、バカ、あう、あ!?」

三蔵(面 白 く な っ て き ま し た)



悟空「…なんかお師匠さまが楽しんでるよーな気がする。伝わってくる」

八戒「なんじゃ、嫉妬か?ほほっ」

悟空「私も混ざりたい」

小龍「…似た者師弟ですね」

悟空「だってあのおねーさん、絶対イジリ甲斐があるタイプだよっ!私にはわかるっ!お師匠さまズルいっ!」

八戒「確かに器量も中々じゃし、褐色の肌もそそるしのう。あーゆー気の強そうな娘を…ほほ、良いの、良いの……ジュルリ」

小龍「…これは頭領さんピーンチ」
39: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/23(火) 08:07:15 ID:vd3jBrQpWo

悟空「ちょっと八戒ちゃんっ!それ私のシューマイっ!」

八戒「ほっ、名前でも書いてあったかの?早いもん勝ちじゃい」

小龍「…すみません、白酒一樽と、棒々鶏追加でお願いします。あ、あと香味春巻きを」

店員「はーい!八番テーブル、パイチューバンバンコーハル喜んでーっ!」

三蔵「…食うなあ、お前ら」

悟空「お師匠さまの無事を祝ってるんですよー?心配したんですから… ひょいぱくっ」

八戒「全くじゃ。よい弟子をもって幸せじゃのう師匠ど…あーっ!姉者その饅頭はワシがせっかく冷まして!吐けぃ!吐け猿ぅっ!」

小龍「…デザートなんにしようかな」

三蔵「全くこっちを見ないでそんな心配してたとか言われても説得力ないですよお二方?あと小龍くんも会話に入ろうよ…」

悟空「どっちでもいーじゃん、私らに心配なんかされなくても」

三蔵「えええ…」

八戒「心配するだけ無駄、といったところじゃの。くっだらん」

三蔵「ヒドくない?」

小龍「…杏仁豆腐もいいですけど、最近暑いし氷菓子も捨てがたいですね…」

三蔵「会話に入ろうよぅ」

悟空「ダメですよ。お師匠さまなんかと話したらシャオくんが汚れる。妊娠しちゃう」

三蔵「小龍くん男の子だよ?」

八戒「あー、アジトまでの膨大な罠を掻い潜った時の傷が痛むのう…」

三蔵「いや無傷ですやん…どこ怪我して」

八戒「触るなキモい」

三蔵「うわぁ傷付く。俺が無傷じゃなくなる」

小龍「…よし、かりんとう饅頭にします」

三蔵「ずいぶんコッテリしたねってかこっちを見ようよぅ小龍くーん」
40: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/23(火) 08:08:47 ID:vd3jBrQpWo
沙悟浄「あん旦那様っ♪旦那様はこっちだけ向いてれば良いんだよっ♪すりすりっ♪」

三蔵「いや、あの、あんまくっつかないで」

悟空「…はっ」

八戒「モテモテじゃのう旦那様?」

小龍「…そういう人では無いと信じてたんですけどね」

三蔵「いや違うんだって」

沙悟浄「もう旦那様ったら、全然食べてないじゃないのさ…はい、アーン♪」

悟空「…人のことは毛むくじゃら扱いして、そーですか。実はなんでも良かったんですか」

八戒「ロリコンの風上にも置けんの。節操なしめ」

小龍「……はぁ…」

三蔵「いやね?まさかここまでデレるとはね?」

沙悟浄「ん〜、ないだいツレないねぇ旦那様……でもそんなトコが…ス、キ♪」

悟空「けっ」

八戒「ペッ」

小龍「…死ねばいいのに」

三蔵「どうしてこうなった」

沙悟浄「旦那様ぁ〜♪すりすりすりっ♪」
41: 名無しさん@読者の声:2013/7/23(火) 12:42:03 ID:L5zMYeNLkc
小龍wwww
42: 名無しさん@読者の声:2013/7/23(火) 20:50:22 ID:tMM4kSmw0U
小龍くんかわいいwww
43: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/26(金) 15:42:08 ID:OkFOUeUALg
悟空「ふえー、まーた山越えなの〜?」

八戒「妖術でひとっ飛び、という手もあるが、それでは功徳が積めんからの。まあワシら罪人は歩け歩けってハナシじゃ」

沙悟浄「アタイはアンタら程の悪事は働いてないよっ!」

八戒「そのぶん下界で盗賊やっとったじゃろがい。ワシも言えた義理では無いが、どっこいどっこいじゃろ。歩け歩けぃ」

悟空「むぅ、八戒ちゃんはいーよねっ。シャオくんの背中でのんびりしてるんだからっ」

小龍「…悟能様は、軽いですから」

悟空「おっとシャオくん?それは遠回しに私が重いってことかな?かな?」

小龍「…ここは平頂山ですね。これを越えないことには、町らしい町もありません。頑張りましょう」

悟空「あ、話そらした」

八戒「ほっほ、そんだけ胸やら尻やらに肉がついておっては、そらズッシリとしとるじゃろ」

悟空「くうっ。これがナイスバディに生まれた女の宿命かっ」

沙悟浄「……悔しくなんかないんだからね、ふん」

三蔵「…なにバカなこと言ってんだか。てゆーかマジで山越えか……なあ小龍くん?そろそろビジュアル的にも三蔵法師は白馬に乗るべきだと思うんだけど」

小龍「すみません、生理的にちょっと」

三蔵「生理的に!?」

沙悟浄「嫌われたもんだねぇ旦那様♪」

三蔵「誰のせいだと思ってるのかなキミは。あとくっつかないで歩きにくい」

悟空「けだもの」

八戒「色魔」

小龍「…きっと脳には精液しか詰まってないんですよ先生は」

沙悟浄「それでもアタイは構わないよっ♪すりすりっ♪」

三蔵「ねぇいつまでこのネタ引っ張るの!?」
44: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/26(金) 15:44:21 ID:OkFOUeUALg



幼女A「きたよ、いもーと。さんぞーほーしだよ」

幼女B「うん、ねーたん。さんぞーほーしとなかまたちだね」

幼女A「あれをやっつければいーんだよね、いもーとっ」

幼女B「うん、ねーたん。そしたらごほーびいっぱいもらえるね」

幼女A「げんなま?」

幼女B「ふけーきだからね、たぶんげんぶつしきゅーかな」

幼女A「おかしがいいなあ」

幼女B「おかしがいいねえ」





悟空「…この先……」

八戒「気付いたか。ワシもじゃ」

沙悟浄「…認めたくないけど、アタイもわかるよ」

小龍「…はい。誰か率先して様子を見てくるべきですね」

三蔵「ん?妖気でも感じたのか?お前ら便利だなあ」

悟空「ううん、ただ何となく『この先にお師匠さまを連れてくと非常に面倒臭い』感じがして」

八戒「ただでさえ地の地に落ちた師匠殿の信頼が、地面にめり込みかねない予感がするのじゃ」

沙悟浄「…ドロボウ猫の気配がするねぇ…アタイの旦那様を渡しゃしないよ…!」

小龍「…あ、私の中ではもう先生のランクは落ちようが無いですけどね」

三蔵「お前らなんかわからんけど嫌いだ」
45: 名無しさん@読者の声:2013/7/26(金) 23:19:15 ID:v30u1fEZ4U
「脳には精液しか詰まってない」

クッソwwwこんな時間に声上げてワロタwww
46: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/28(日) 15:25:56 ID:KVVx9cAy9Q
八戒「めんどいのう…。姉者め、『ずっとシャオくんの上で楽してたんだから、八戒ちゃんが様子見てきてっ』じゃないわい。もともと小龍はワシの従者なんじゃぞ?」

幼女A「おねーしゃん、おねーしゃん」

八戒「師匠殿も師匠殿じゃ。一緒になってそーだそーだと囃しおって…悟浄が聞けば怒り狂うじゃろーが、よっぽどあの二人のが仲良しじゃな。色恋とは違うが」

幼女B「おねーたん、おねーたん。おねーたんってば」

八戒「しかし姉者も小龍も可愛いのう。ワシはふざけとるだけじゃが、彼奴らは半分は嫉妬じゃな。ほほ、慕われとるではないか師匠殿」

幼女A「むししないで!」

幼女B「おちついて、ねーたん」

八戒「ほっほ、スマンスマン、どうも意地悪をしたくなる性質での。…ふむ、これは師匠殿には見せられんわい。ロリと言うよりペドの域じゃ。犯罪は未然に防がねばの」

幼女A「いもーと…あたち、じしんをなくしたよ…おやにもむしされたことないのに…」

八戒「親が幼子を無視は問題じゃからのう」

幼女B「ちがうよねーたん、きっととしをとって、めとかみみとかがわるいんだよこのひと。ろーかげんしょーはしかたないよ」

八戒「酷い言われようじゃな。そりゃだいぶ齢は重ねとるが、見た目だけならお主らと五歳も変わらんぞい?」

幼女A「きをとりなおして…おねーしゃん、さんぞーほーしさまのおともだち?」

八戒「…まあ、そんなとこかの。お主ら人間ではないな?妖魔の類いでも無さそうじゃが、こんな山道で何をしておる?」

幼女B「あなたたちをやっつけて、おかしをもらうんだよ」

八戒「…ほう」

幼女A「せんりょくはけずるべきだね」

幼女B「せんりょくはけずるべきだよ」

八戒「ほっ!幼子だからと油断はせんが、どう見ても負ける気はせんのう?チビども、ワシが世にも名高き天蓬元帥猪悟能、今は玄奘三蔵が弟子猪八戒と知っての物言いか!」

幼女A「すごいようりょくだね、いもーと」

幼女B「わたちたちじゃ、さわることもできそーにないね、ねーたん」

八戒「殺しはせんが、売られた喧嘩は億倍返しが流儀での。ちぃと痛いが、我慢せぇよ?」

幼女A「ふふふふふふふ」

幼女B「ふふふふふふふ」
47: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/28(日) 15:29:37 ID:kMTIpywxi6




三蔵「…帰って来ないな」

悟空「サボってるのかなぁ八戒ちゃん」

小龍「…プライドの高い方ですから、口ではともかく、仕事を投げ出すとは思えませんが」

沙悟浄「なんにせよアタイらも先に行くべきだね。ここでボケっとしてたって始まらないよ」

三蔵「よし、俺らも行こう。大体そんな不確かな予感で往生してちゃいつまでたっても天竺につかねーよ。さ、小龍くん、俺を背中に」

小龍「御冗談を」

三蔵「とうとうボケだと捉えられた!」






悟空「…で、なにしてんの八戒ちゃん」

八戒「…いや、の?妙な幼子に会うて、それでの?」

小龍「…何がどうすればこんな状況になるんですか」

八戒「こ、これ小龍、あんまりジロジロ見るでないっ!」

沙悟浄「この雌狐…いやメスブタっ!!そんな格好でアタイの旦那様を誘惑しようだなんて、見下げ果てたよっ!!恥を知りなっ!!」

八戒「ぐ、貴様に恥がどーの言われたくないわいっ!」

悟空「いや、だからなんで亀甲縛りで吊るされてんのさ八戒ちゃん」

小龍「…亀甲縛りされたメイド少女って、何を狙ってるんですか悟能様」

沙悟浄「あざといにも程があるよっ!変態めっ!」

八戒「いいからまずは降ろせぇぇぇぇぇぇえ!!」

三蔵「……仏よ…!!」

八戒「そしてお前は泣きながら合掌するのを止めろぉぉぉぉぉぉぉおお!!!」
48: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/29(月) 22:37:53 ID:eeaEmsXAeg
八戒「…触れん、じゃと?」

悟空「うん。さわれない。八戒ちゃんが近くて遠い」

八戒「ま、まことじゃの…うわ、なんじゃこれ気持ち悪い」

沙悟浄「まるで幽霊だねぇ。幻術…だとしたら八戒姐さんがアタイらを目視出来てるのがおかしいか…」

八戒「く、いったい何をされたんじゃワシは」

小龍「…とりあえず辱しめられてるのは確かですけどね」

八戒「言わんでくれ」

三蔵「ところで俺はいつまで後ろを向いてれば良いの?」

悟空「これじゃあどう助けたら良いのか…」

沙悟浄「ねえねえ、こーやって腕を目ん玉に突っ込むとどう見えるのさ」

八戒「残念ながら真っ暗なだけじゃい」

小龍「…筋肉とか骨とか見えちゃっても嫌ですけどね」

三蔵「とうとう無視ですか。しかも悟浄まで」

沙悟浄「アタイ以外の女に色目使いやがって、浮気だよ浮気っ!」

三蔵「バカ野郎俺が幼女に向ける気持ちは本気だから」

悟空「うわあ」

八戒「堂々と何を」

沙悟浄「悔しいっ…!」

小龍「………」

三蔵「はい今回の師匠バッシング選手権は無言でローキックしてきた小龍くんの優勝です地味に痛い」
49: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/29(月) 22:41:16 ID:eeaEmsXAeg
幼女A「くすくす」

幼女B「くすくす」

悟空「誰っ!?」

幼女A「ぶたのおねーしゃんは、そこにはいないよ」

幼女B「べにひさごに、たべられちゃったんだよ」

沙悟浄「子供…?姐さん、コイツらかい?」

八戒「ちょっとそっち向けないからアレじゃけど、この声じゃ!貴様らワシに何をしおった!」

幼女A「べにひさごにたべられると、とじこめられちゃうんだよ」

幼女B「それはべにひさごのよーりょくだよ。いしきとえいぞうだけ、がいかいにはきだすんだよ」

八戒「なにワシその化け物みたいなヤツの中で亀甲縛られとるのか!?」

悟空「嫌な化け物だね…」

幼女A「べにひさごは、えっちだからねえ」

幼女B「そしてさでぃすとだからねえ」

悟空「嫌な化け物だ!」

小龍「…貴女達は何者ですか。奇っ怪な」

幼女A「きんかくだいおう」

幼女B「ぎんかくだいおう」

金角「さんぞーほーしをやっつけて」

銀角「いっぱいごほーびもらうんだよ」

悟空「…っ!」

沙悟浄「ヤル気かい。アタイはワケあってちまっこい女には厳しいよ!」

小龍「…悟能様を解放して貰います」

金角銀角『むりだよ。みんなべにひさごにたべられちゃうんだよ。くすくす』

八戒「皆気を付けぃ!ワシは一瞬にして意識を奪われた!迂闊に近付くでないぞ!師匠殿!主が狙いのようじゃ、決して皆から離れぬよ…」

三蔵「やべえあの双子頬っぺたに挟まりてえ」

八戒「お主もう死ねマジで死ね」
50: 名無しさん@読者の声:2013/7/30(火) 08:46:22 ID:vtJf1.G3Ro
支援がほしいのかね(。・ω・。)
しょうがないなぁ ちょっとだけだよ
っCCCCCCCCCCCCCCCC
51: 名無しさん@読者の声:2013/7/30(火) 12:07:58 ID:DJoSYWMR/U
三蔵「はい今回の師匠バッシング選手権は無言でローキックしてきた小龍くんの優勝です地味に痛い」
これクッソワロタ
52: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/31(水) 00:33:21 ID:e8PdjfOjdU
沙悟浄「悟空姐さん、シャオ。ガキ相手に全員で、ってのも気が引けるからね。アタイが行くよ」

小龍「…相手の手の内が見えないですからね。確かに全員でかかるのは危険でしょう」

悟空「そんなこと言ってお師匠さまに良いトコ見せたいだけのクセに」

沙悟浄「あぁんバレちゃったかい?旦那様ぁ、悟浄頑張るから、見ていておくれよっ♪」

三蔵「え?あ、うん」

八戒「流石にそこで敵の幼女ガン見しながら生返事は悟浄が不憫じゃ師匠殿」

金角「あかがみのおねーしゃんからたべられちゃうんだね」

銀角「かわいそうにねえ」

沙悟浄「ナメんじゃないよ小娘が。アタイだって馬鹿じゃあ無いさ。いきなり打ちかかったりはしないさね…降魔杖よ!!」

悟空「おー、出るよ悟浄ちゃんお得意の幻術っ」

沙悟浄「沙僧が名において力を見せよ!業火呪っ!!」

ゴオオオオッ

金角「うわあ、ひだよ。ひがいっぱいだよ」

銀角「もえてるよ。さくさんもえてるよ」

三蔵「俺は君らに萌えてるよ!」

小龍「…………」

三蔵「あ、罵倒も暴力も無く、その『あーもうコイツダメだわ。これダメだわ』って目で見られるのもキツいなあお兄さん」
53: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/31(水) 00:36:08 ID:Vt9vnVZMJU
金角「こわいよ、あついよ、いもーとっ」

銀角「こわいね、あついね、ねーたんっ」

沙悟浄「ふふっ、如何に幻術とは言え、燃え盛る火炎をその身に浴びれば、熱さも心が作り出すのさ。観念したらどうだい?」

金角「…あかがみのおねーしゃん、ごじょーっておなまえだよね」

沙悟浄「…いきなりなんだい?ははぁ、ここらでも有名だからねぇ、盗賊団『流沙』の悪名は。アタイが元頭領だって気付いて、恐くなったかい?」

銀角「ごじょーっておなまえなんだ。くすくす」

沙悟浄「…気味が悪いガキどもだね。ブッ飛ばしてやりたいけど、もう少し様子を…」

金角銀角『ねえ、ごじょーさん』

沙悟浄「なん」

ヒュコッ

金角「ふたをして、と」

銀角「おいしい?べにひさご」

悟空「……え?」

小龍「…え、悟浄さん、消え」

三蔵「…おいおい、洒落になんねぇじゃんこれ」

金角「くすくす。このひょうたんがべにひさご」

銀角「みぃんなたべちゃう、べにひさご」
54: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/7/31(水) 00:38:06 ID:Vt9vnVZMJU
八戒「何じゃ!?まさか悟浄までやられたかっ!?」

悟空「そんな……悟浄ちゃ…え?」

ブランッ

沙悟浄「………」

悟空「ご、悟浄ちゃん…」

小龍「…同じ、ですか…」

三蔵「お〜…これまた見事な亀甲縛り…」

八戒「マジか…」

金角「あ、きゅういんのしょっくで、きをうしなってるだけだからね」

銀角「すいこまれてもしにはしないよ、あんしんあんしん」

悟空「う、うううっ!そんな、あんまり起伏のない二人ですらあんなにセクシーなことになっちゃってるのに、私みたいなムチムチぷりんがあんなんなったら…!!」

三蔵「…これは、阻止しなければ…!そんな姿を人目に晒させる訳にはいかないっ!」

悟空「え、そんなお師匠さま、そこはいつもどーり『いつもムダ毛で縛られてるよーなもんだからお前は大丈夫だな』とかそーゆー反応してくれないと困りますよぅ、そんなマジに、そんなぁ。エヘヘ」

三蔵「小龍くんの亀甲縛りとか、下手な美少女の数倍の破壊力だぞっ!こんな山道にぶら下げる訳にいかねぇっ!!」

八戒「た、確かに!!」

小龍「…いやちょっと何を」

金角「そーぞーするとちょっとどきどき」

銀角「みせものにすればもうかりそうだね、わくわく」

三蔵「卑劣な…!幼女と言えど許すまじ…!」

小龍「…えっと、あの」

悟空「これ私グレても良いよね?うんグレよう」
55: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/1(木) 16:36:39 ID:G0hsrKDigY

ヒュコッ

金角「そんごくー、つかまえたっ」

銀角「あとはさんぞーほーしさまだけだよ」

三蔵「あわわわわ」

八戒「ぐうぅ…!何とかせい、師匠殿!」

三蔵「そんなこと言われても」

小龍「…この格好は辛いです…」

三蔵「小龍くんモジモジしないで。絵面がすごくあぶない色々あぶない」

沙悟浄「ヤバいこの格好アタイ照れちゃうでも見てほしいそんな乙女心!」

三蔵「…お前は幸せなヤツだな……しかし困ったな。何気に三蔵一行最大のピンチ」

金角「さみしがらなくてもだいじょーぶだよ」

銀角「すぐにいっしょにつるしてあげるよ」

三蔵「まさか俺も亀甲縛り……あ、これはお見せ出来ない師匠の威厳が無くなる」

小龍「…そんなもん欠片も残って無いですけどね」

金角「くすくす、しあげだよ」

銀角「くすくす、ねえ、さんぞー…」

三蔵「…あれ?悟空が吊るされてこないぞ?」

金角「…あれ?」

銀角「ほんとうだ。どーしたのべにひさご?」



ペッ


悟空「あ痛っ!」

金角「………べにひさご、はきだしちゃった」

銀角「なんで?なんで?」
56: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/1(木) 16:39:20 ID:3W6PX0K5LI
三蔵「すごいなお前、どーやったんだ?」

悟空「…え?な、なんだろ。吸い込まれて、なんか身体まさぐられて…」

八戒「…なるほど、の」

沙悟浄「どーなってるんだい?」

八戒「つまりじゃな、ワシに悟浄、小龍。どれも仙界指折りの強者じゃ。あの瓢箪、なかなか高等な代物じゃが、抑え込める妖力に限りがあるんじゃろう。そして姉者の妖力はワシ等の中でも断トツじゃ」

小龍「…キャパシティの限界、ですか」

悟空「ふふふん!つまり私の力は君達の手に負えないってコトですねっ!まいったかっ!」

金角「そんな、そんなはず」

銀角「どーしちゃったの、べにひさごっ」

悟空「諦めなさい!今ならデコピン一発で許してあげなくも…」

金角「ちょっとだまってておさるのおねーしゃん」

銀角「いま、べにひさごとおはなししてるんだから。…ふんふん」

三蔵「なにそのヒョウタン喋るの?」

悟空「不思議なアイテムですねぇ」

金角「…そんな、そこをなんとか…ブツブツ…」

銀角「…どうしても?どうしてもなのべにひさご?」

悟空「ねぇもう良いでしょ。とっとと皆を解放してもらいますよ!」

金角「…だめ。そんごくーはすいこめないって」

銀角「…わたちたちのまけ。ざんねん」

三蔵「やっぱり許容限界だったか」

金角「ううん。きもちわるいからって」

銀角「けぶかいおんなはいやだって」

悟空「そのヒョウタン寄越して」

三蔵「おちつけ」

悟空「そのヒョウタン私のムダ毛で満たしてやる」

三蔵「おちつけ」
57: 名無しさん@読者の声:2013/8/1(木) 22:34:42 ID:/YPO/qMeVM
私もヒョウタンに勝てるわ…

1位おめでとうございますっ!お祝いにムダ毛を!
58: 名無しさん@読者の声:2013/8/4(日) 17:12:59 ID:sCS3Xh2T3s
1位になっててびっくり!!おめでとうございます!

だから三蔵様から悪いことした幼女たちにお仕置きを…ゴニョゴニョ
59: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/4(日) 23:41:04 ID:dZ.3QK5gN.
三蔵「よし、みんな解放されたな」

八戒「酷い目にあったわい…」

小龍「…食い込んで痛かったです」

老人「ひょひょひょ、ようやった三蔵殿。金、銀、お前らも御苦労ぢゃったの」

金角「じいじ」

銀角「じーたま」

三蔵「誰だよ爺さん。折角これから楽しい楽しいお仕置きタイムなのに」

沙悟浄「させないよ旦那様」

三蔵「基本お前らは俺に厳しいよね」

悟空「おやじさん!」

八戒「おお、太上老君殿ではないか」

三蔵「…知り合いか?」

太上老君「石猿に元帥の嬢ちゃん、久しいの。三蔵殿とそちらの褐色娘は初めましてぢゃ。身構えんで構わんよ、天帝様に仕える単なる老いぼれ仙人ぢゃ」

八戒「仙界の大御所じゃ。ワシの九歯馬鍬も老君殿が作られた宝具じゃ。偉いさんじゃぞ」

悟空「宴会とかだと主賓だったよね、おやじさん」

沙悟浄「その偉いさんが、このガキどもの親玉かい?返答次第じゃ、たとえジジイと言えども…」

太上老君「ひょひょ、これは恐ろしい。いやの、菩薩の頼みでの、お主らの力を試してくれと言われてぢゃな、うん」

三蔵「またアイツかよ」

悟空「もう敵なのか味方なのか」
60: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/4(日) 23:42:27 ID:dZ.3QK5gN.
太上老君「しかし力試しとしては微妙ぢゃったな…『名を呼ばれ応えればその身を捕らえる』という紅葫蘆の謎とか無視したやり方ぢゃったし。ま、運も実力の内ぢゃしの。しかし毛深い女は嫌か、こりゃあ流石ワシの作った宝具ぢゃのう紅葫蘆よ。オナゴはつるぺたが一番ぢゃ」

三蔵「貴方とはなにかこう通じるモノを感じる」

小龍「…徳の高さとロリコン度は比例するんですかね」

悟空「もうみんな死ねばいいと思うよ」

太上老君「ひょひょひょ、まあワシも菩薩も許してやっておくれ。力試しを急いだのも、理由があってのう。…三蔵殿、お主を狙う妖怪どもの中で、ある大物の名前が挙がったのぢゃ」

三蔵「あー、そうか俺狙われてんだよな」

沙悟浄「アタイの知る限りでも、大体の有力妖怪は旦那様を食らおうと狙ってるよ。不老不死は餌としちゃベターだけど強力さね」

金角「さいきんじゃうわさにおひれがついて」

銀角「たべるとすりむになるとか、せいかつにめりはりができるとか」

三蔵「俺はサプリメントかなんかかよ」

太上老君「強大な妖力を得る、なんて噂もあるの。殆んどが力があるとは言っても、お主らとは比べるべくもない奴らじゃが……平天大聖の名前が出てしもうて、の」

八戒「なっ…!」

沙悟浄「…本当かい?」

小龍「…伝説級の名前ですね」

三蔵「…?そんな有名人なのか、ごく…あれ?悟空どこいった?」

金角「あっち」

銀角「くもにのって、にげた」





悟空「へ、へいてんたいせいって…嫌だ嫌だ嫌だ会いたくないお兄ちゃんには会いたくない怖い怖い!ざ、残念だけど私の旅はここまで……って、痛い痛い痛い!頭痛い!わーんこれ遠隔操作アリなの!?わかった、戻るからお師匠さま戻るからぁぁあ痛ーいっ!!!」
61: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/4(日) 23:47:26 ID:ELgt2I/m6o
おめでとうくれた人、どうもありがとうです。

一位ですね。わーい。
62: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/6(火) 21:06:02 ID:ja/1U7WEaU
悟空「ヒドイですよ師匠さま…うー、まだズキズキする…」

三蔵「いきなり逃げ出すからだ。なんだよ天下無双の怪力だの世界最強の毛ダルマだの吹いてたクセにその弱腰は」

悟空「弱腰になっててもぶち込んでくるんですねぇ」

八戒「姉者が逃げる程だとはのう。そりゃあ平天大聖…牛魔王と言えば都一つぶっ飛ぶレベルの名前じゃが、悪名なら孫悟空の方が上かと思うがの」

悟空「…そんなん関係ない。お兄ちゃんは怖い」

沙悟浄「お兄ちゃん?斉天大聖と平天大聖が兄妹だなんて初耳だねぇ」

悟空「…義兄妹なの。他にも弟分や妹分が居るけど、牛魔王…お兄ちゃんが長兄で、私が二番目」

八戒「おーおーガタガタ震えとる震えとる」

悟空「怖いのーっ!あ、あの人は、お兄ちゃんはホントに怖いのーっ!私は笑いながら人を殴るけど、お兄ちゃんは笑いながら街を焼き払うのーっ!」

沙悟浄「どっちもどっちじゃないかい?」
63: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/6(火) 21:06:57 ID:ja/1U7WEaU
悟空「うう…ぐす……あれ?シャオくんは?」

八戒「近くの町まで太上老君殿と童達を送っていっとる。龍神形態のあやつは乗り心地抜群じゃからのう。ちと帰りが遅いか?…それにしても姉者がそこまで怯えるとは…ほほ、腕が鳴るのう」

悟空「八戒ちゃんは知らないからそんなこと!お兄ちゃんメチャクチャ強いんだからね!ねぇお師匠さま、ここはコソコソと隠れながら天竺目指そ?基本移動は夜にして泊まる所も目立たないカプセルホテル的なのでコソコソと」

三蔵「…うーん」

悟空「…お師匠さま?」

三蔵「やっぱお前の口から『お兄ちゃん』って単語は違和感がある。なんつーか全国の妹好きに謝れお前」

悟空「それは私に非は無い絶対に無い」

小龍「…ただいま戻りました」

三蔵「おーうお帰りぃ」

八戒「遅かったのう」

小龍「…いえ、麓の町が妖怪の軍勢に占拠されてまして、仕方なく隣村まで行っていたもので」

沙悟浄「ここらも治安が良くないねえ。アタイが言えたハナシじゃないけどさ」

三蔵「愛と正義の三蔵一行としては、助けるべきかねそれ」

小龍「…愛欲と性器の間違いじゃないですかね先生は」

八戒「成りと人数は?」

小龍「…遠目でしたので…ただ妖怪達の全てが、甲冑に焼肉屋みたいなマークを付けてましたね。こう、牛をかたどった」

八戒「お約束じゃな」

沙悟浄「話が早いねえ」

悟空「ぴう」

三蔵「…悟空?」

悟空「ぴう?ぱぴゅうう?」

三蔵「帰ってこい」
64: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/6(火) 21:13:41 ID:ja/1U7WEaU
>>59にて太上老君が小龍に対して久しぶりも初めましても言ってませんが、単なる俺のミスです。めんご。
65: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/10(土) 01:00:31 ID:M.5znbIb.6
妖怪「オラァ!どんどん酒ぇ持ってこい!」

店主「くっ…」

妖怪「あんだぁその態度は?こんなシケ町の一つや二つ、ぶっ潰したって構わねぇんだぜ?おい娘、こっち来て酌しろ!」

娘「は、はい…」

妖怪「ギャハハハハハ!!!」



三蔵「うわあ、ビックリするくらいベタな悪者」

八戒「まったくじゃ。もっとこう飴と鞭を上手く使わねば人は動かんぞい」

沙悟浄「ぶっ潰すくらいなら娘を従わせて客を取れば金になるってもんさ。でもそんな気も無さそうだねぇ」

小龍「…頭が悪いから悪党なんですよ」

三蔵「いやー八戒と悟浄の方が数段悪い子の考えよ?」

八戒「で、どうじゃ姉者。あの牛のマークは」

悟空「…うう、お兄ちゃんの手下に間違いないよぅ…」

沙悟浄「ふぅん。天下の牛魔王の手下にしちゃあパッとしないねぇ。人数は多いけど」

小龍「…こんな裏手から覗いていてもしょうがないですよ?踏み込みますか?」

悟空「…う、うん……まあお兄ちゃんは居なそうだし」

八戒「牛魔王ともあろう者がこんな田舎町にワザワザ出向かんじゃろ。それではひと暴れするかの!」

三蔵「よっしお前ら、いってらっしゃーい!」



妖怪「グヘヘヘヘ、ほぉらもっとこっちに寄りな!」

娘「い、いやぁ…!」

孫悟空「そこまでです!」
66: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/10(土) 01:02:43 ID:M.5znbIb.6
妖怪「ああん!?なんだテメェら!」

八戒「下品な腐れ妖怪どもに名乗る名など無いのう。大人しくしとれば楽に潰してやるわい」

沙悟浄「アンタらに怨みは無いけどねぇ。まあ運が悪かったと思って死んどきな」

小龍「…僕の相手をするなら、半殺しで済みますので、どうぞ」

妖怪「女と餓鬼がナメた口利くじゃねぇか…俺等が牛魔軍と知っての事だろうなぁ!?」

悟空「お兄…牛魔王の名前だけで威張ってる人なんて怖くないよ!ホントはちょっと怖いけど!みんな、行っく」

???「はいストップ」

悟空「よ……へ?」

妖怪「わ、若…!」

???「ダメダメお前ら。血気盛んなのは良いけど、相手を見てケンカ売りなよ。捲簾大将に天蓬元帥、竜王のご子息……お前らが100ダース居ても敵わないよ。それと」

チュッ

???「お手に失礼。久しぶりだね、悟空」

悟空「…っ!」

八戒「なんじゃ、昔の男か?」

沙悟浄「ひゅう、イケメンじゃないか。旦那様のがずっとイイ男だけど」

小龍「…いや先生と比べたら月と可燃ゴミでしょう。もちろん可燃ゴミが先生です」

三蔵「俺一応うしろに居るんだから聞こえないように言いなさい小龍くん」

???「風の噂で、三蔵法師なる者の従者となって居るとは聞いてた。また逢えるこの今日をどれだけ待ち焦がれたか…愛しの君よ」

悟空「いや、あの、その」
67: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/10(土) 01:05:33 ID:I.SN73Nheo
三蔵「…なに、マジで元カレ?」

悟空「ちっ、違いますよっ!こーちゃんはそんなんじゃ無くて、てゆーかそもそもっ!」

???「これは申し遅れた。僕は牛魔王と鉄扇公主が一子、名は紅孩児」

八戒「ほう、牛魔王に息子が居ったとは初耳じゃ」

悟空「あ、えっとね?」

紅孩子「ふふ、なにぶん親の名前が大きくてね。今日の所はお歴々の顔を立てて、この町は出ていきましょう。元より悟空…君が近くに居ると聞いて、騒ぎを起こしたまでだからね」

悟空「あの、こーちゃん?昔も言ったけど」

紅孩子「三蔵さん、悟空を暫し宜しくお願いしますね。僕の大切なフィアンセですから」

三蔵「…趣味悪いなぁお前。視力検査をオススメする」

悟空「お師匠さまはいつでもヒドイ」

紅孩子「それでは失礼するよ。またすぐに会うでしょうけど。またね悟空、お腹出して寝ちゃダメだよ?…お前ら、行くぞ」

妖怪「ぎょ、御意っ!」

紅孩子「……三蔵さん、くれぐれも悟空をヨロシク」

三蔵「…ふん」



八戒「…ホントに出ていったの。なんだったんじゃ」

沙悟浄「しっかし姐さんにあーんなオトコが居たとはねぇ。隅に置けないじゃないのさ、このこの」

小龍「…カッコいい人でしたね。アイドル顔負けでした」

悟空「…違うの」

三蔵「でもフィアンセだとかなんとか」

悟空「…こーちゃん、女の子だもん…」

三蔵「マジか」

悟空「むかし何度も何度も私にその気は無いって言ってるのにわかってくんない困る」

三蔵「あちゃー」
68: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/10(土) 01:34:48 ID:dZ.3QK5gN.
しまった紅孩子じゃねぇ紅孩児だスマソ
69: 名無しさん@読者の声:2013/8/10(土) 15:30:08 ID:/LiP48p3jw
悟空かわいいよ悟空
つCCC
70: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/11(日) 13:55:28 ID:G0hsrKDigY

紅孩児「さて…おい、父上に報告だ」

妖怪「はっ。三蔵一行発見の報ですね。しかし何故あの場で奴等を捕らえなかったのか、言い訳を考えませんと」

紅孩児「違う。『捜索未だ成らず』の報だ。あのクソ親父に僕の悟空を渡してなるものか。三蔵だか三瓶だか、あんな坊主に興味は無いが、愛しの悟空は僕のモノだ」

妖怪「は、はあ…」

紅孩児「女性的なあのスタイル…天真爛漫なあの笑顔…マイ・ラヴリーエンジェル…!」

妖怪「俺はあのロリメイドのが好みですねえ」

妖怪「ロリコンかよ。あの中なら褐色の姉さんだろ。色っぺえ」

妖怪「お、おではあの男の子が良いんだな。白い肌がたまんないんだな」

妖怪「てかあの猿は無いよなぁ。乳はでかいけど色気が無ぇ」

妖怪「頭悪そうだしな」

妖怪「毛深そうだし、嫌なんだな」

紅孩児「貴様らちょっとそこになおれ」

妖怪「あ、いや別に若の趣味にケチをつけるワケじゃあ…」

紅孩児「確かに悟空は毛深い。昔一緒に湯に浸かった時にもガン見したが、尻の穴なんて『こそばゆくないのかしら』と思っちゃうくらいにボーボーだ」

妖怪「どーゆー状況でんなとこガン見したんすか」

紅孩児「本人曰く、剃っても剃ってもすぐに生えてくるから処理とか嫌になった、だそうだ。そのせいか各所のムダ毛は基本手付かずだ」

妖怪「うわあワキとかもっすか。ないわー」

紅孩児「そこがエロいんだろうがっっっ!!!」

妖怪「えええええ」

紅孩児「彼女は自然体で生きてるんだ。まさに女神だ。美しさとは摂理に抗わずともそこにあるものなんだ」

妖怪「ワキ毛もっさーの女神とか嫌ですよ」

紅孩児「ふふふふ…可愛いよ悟空……その豊かな草原に顔を埋めたい…」

妖怪「じゃあまさか若もムダ毛処理してないんすか?」

紅孩児「まさか。週一でエステ通ってるし」

妖怪「………」
71: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/11(日) 13:56:57 ID:G0hsrKDigY





悟空「ぶえーっくしょいっっ!」

八戒「ほ、元気なクシャミじゃのう」

三蔵「もっとこう『くちゅん』とか可愛く出来んのかお前は」

悟空「ハナ、ハナ出た!誰かティッシュティッシュ」

小龍「…悟浄さん、私の首に下がってるバッグにちり紙が」

沙悟浄「…ん、これだね。ほら姐さん、動かないどくれ」

悟空「ぷびーっ!ぷはぁ。ありがとぉ悟浄ちゃん」

沙悟浄「あーもうまだ動くんじゃないよ、頬っぺたカピカピになっちゃうよっ」

三蔵「親子か」

沙悟浄「アタイが母親で旦那様が父親だね?やだよう照れるじゃ無いのさ確かに3人は欲しいねぇ子供っ♪」

三蔵「そのティッシュを持ったまま近付くな」

八戒「3人って、ワシらも数に入っとるんかい」

小龍「…先生の息子とか絶対に嫌ですね…想像したら毛穴が全部開きました」

三蔵「今のうちに毛穴パックでも使えば良いよちくしょう」

悟空「う〜、誰か噂してるのかなぁ」

三蔵「毛深いって?」

悟空「それは噂じゃなくて陰口」

八戒「あの色男女じゃないのかの?ほほ」

悟空「じゃあ毛深いとか言ってそうだよちくしょう」
72: 名無しさん@読者の声:2013/8/11(日) 20:41:31 ID:l5qOMUz4oM
面白い。支援。
73: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/12(月) 22:36:59 ID:IPhDCv3JsM
悟空「ふい〜♪良い湯だねぇ」

八戒「温泉とは、気の利いた宿じゃのう。よっこらせ…と、おお、熱い熱い」

沙悟浄「ババむさいねぇ。それにしても、シャオの坊やだけに任せて、大丈夫かねぇ旦那様…」

八戒「ほほ、先の失敗、あ奴も気にしておったからの。同じ轍は踏まんじゃろ。それに男湯はすぐそこじゃ、何ぞあれば直ぐに解ろう」

悟空「あったまるねぇぇ…♪」

沙悟浄「気楽なもんさね、全く。しかし姐さんゴキゲンだね」

八戒「猿は湯が好きというのは、東国の話だと思うとったがの」

悟空「なんとでも言ってぇぇ…うう気持ちいぃぃ…♪」

沙悟浄「く、プカプカと見せつけるようにっ」

紅孩児「本当に凶悪な乳だね、ふふ」

八戒「っ!?」

沙悟浄「い、いつの間にっ!?」

悟空「うおっ!?こ、こーちゃんっ!!?」
74: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/12(月) 22:38:14 ID:IPhDCv3JsM
紅孩児「まあまあ、そんなに驚かないでくれよ。僕は先客だよ?良い湯だね、悟空♪」

悟空「おっ、お師匠さまっ!」

沙悟浄「そうだよ!アンタがここに居るってことはっ!」

紅孩児「ご心配無く。君達のマスターに手出しはしてないよ。今日は僕もオフでね、悟空の顔を見に来ただけさ」

悟空「腰に手を回すのを止めて」

沙悟浄「…本当だろうね」

紅孩児「我が父、平天大聖が名において」

沙悟浄「………ふん」

紅孩児「睨まない睨まない。僕だってこの三人を相手にするような馬鹿じゃないから。対して元帥さんは冷静だね。年の功かな?」

八戒「いや…お主……」

紅孩児「うん?」

八戒「本当に女だったんじゃの」

沙悟浄「確かに!」

八戒「なんじゃそのきめ細かい肌は。なに食ったらこーなるんじゃ」

沙悟浄「サラシで抑えてたんだね…!アタイよりあるじゃないのさ妬ましい!」

紅孩児「あはは、愉快な友人だね、悟空」

悟空「うん、緊張感の無さには定評があるよ」





三蔵「…良い湯だね、小龍くん」

小龍「…悪い湯とか聞いたこと無いですしね」

三蔵「背中でも流しっこするか!男どーし裸の付き合いってヤツで!」

小龍「…背中が痒いならあそこの岩にでも擦り付けて下さい。尖ってて良い感じですよ」

三蔵「身体はポカポカなのに心が冷えていく!ふしぎ!」
75: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/13(火) 20:16:36 ID:wv5E8ffq8E
八戒「そうじゃオトコ女、主に訊きたい事がある」

紅孩児「紅孩児。別に男扱いは普段の格好から仕方ないけど、流石にその呼び名は嫌かな」

八戒「ほ、これは失敬。して、紅孩児よ、何故牛魔王は玄奘三蔵を狙う?」

沙悟浄「?不老不死の為じゃ無いのかい?」

八戒「牛魔王ともあろう者が、そんなエサで躍起になるとは思えんの。と言うかとっくに不老では無いのかあの御仁は」

孫悟空「…あ、確かに。私がそーなんだから、お兄ちゃんだって」

紅孩児「……ふふ、一番厄介なのはもしかして貴女かもね、元帥さん」

八戒「今は猪八戒、じゃ」

紅孩児「流石だよ、八戒さん。もちろんそんなチャチな理由じゃあ無い。……ん〜、コレ、何気に機密事項ぽいんだけど………ま、別に僕は口止めされてないから、良いか」

沙悟浄「なんだい、勿体ぶるんじゃないよっ」

紅孩児「彼、玄奘三蔵はね、生まれ変わりなんだよ。金蝉子のね」

悟空「こんぜんじ?誰?」

紅孩児「釈迦如来の二番弟子」

八戒「…!」

沙悟浄「へえ、お釈迦様の!さすが旦那様…って、どーしたんだい姐さん」

悟空「あ、いや、お釈迦様って聞くと昔のトラウマが。ごめんなさいごめんなさい落書きしてごめんなさい」

紅孩児「つまり父が欲してるのは、玄奘三蔵の肉体じゃない。その魂だよ」

八戒「…成程。それほどの魂を喰らえば、不老不死どころではないの。どれだけ強大な力を手に出来ることやら」

紅孩児「そんな普通じゃ考えられないゴチソウが、なんと脆弱な人間の中に有るんだ。ま、僕個人は興味無いけど」

八戒「……なんとも、大きな話になってきたもんじゃわい」

沙悟浄「ほら戻ってきな姐さん、せっかくシリアスな空気なのに」

悟空「オシッコひっかけてごめんなさい握り潰さないで痛い痛い痛い」

紅孩児「ふふふふ、可愛いなあ悟空は。さて、もっと悟空を愛でてたいけど、そろそろ僕も湯疲れしそうだ。またね、悟空♪」

悟空「そんな煮えた鉛とかやめて熱い熱い……はっ!え、あ、ここどこ?あったかい!温泉だ!」

沙悟浄「姐さんしっかり」
76: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/13(火) 20:21:34 ID:3X4esBKi6.
紅孩児「ふふっ。それじゃ、僕はこれで。この宿は料理も絶品だから、楽しんできなよ。アディオス」




沙悟浄「…はん。何がアディオスだよ気障ったらしい」

八戒「……このことは、師匠殿には黙っておけい。良いな」

沙悟浄「そうさね。こうなってくると天界の奴等もキナ臭いよ。アタイの惚れた男使って、何させる気なのか」

悟空「…うん。……ところでなんの話か私にもわかりやすく」

八戒「わからんならノリで『…うん』とか言うでないわボケ姉者」

沙悟浄「姐さんには難しい話だからねぇ。後でゆっくり教えてあげるよ」

悟空「あれー私、姉弟子のはずなのに。この末っ子みたいなポジションはなんだろう」





三蔵「いよっしゃ5連勝!」

小龍「…くっ」

三蔵「ぷーくすくす。『先生なんかに負けるとかありえません』だっけ?ぷーくすくす」

小龍「………」

三蔵「竜王様の息子と言えども、子供は子供だなぁ!まだまだ青い青い!」

小龍「…卓球ぐらいでそんな威張らないで下さいよ。大人げない」

三蔵「顔真っ赤だよ?悔しいの?泣いちゃうの?」

小龍「……かい」

三蔵「うん?」

小龍「…もう一回です!はやく!」

三蔵「お前可愛いなぁ」
77: 名無しさん@読者の声:2013/8/14(水) 00:13:15 ID:to75ojTlrM
シャオくんに萌え禿げた
かわいすぎるぅぅぅぅぅ
78: 名無しさん@読者の声:2013/8/14(水) 12:54:46 ID:osCtcCqDjo
っヅラ

っCCCCC
79: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/15(木) 00:59:54 ID:ktMWpaB226
ガラッ

悟空「おっ師匠さまーっ!」

三蔵「しーっ。起こしちゃかわいそうだろ」

悟空「あやシャオくん、寝ちゃってるんですか」

三蔵「メシ食ってる時もうつらうつらしてたからなー。やはり卓球の疲れが出たか」

悟空「あんまりイジメないであげて下さいよ。まああの悔しそうなシャオくんは眼福でしたグッジョブですお師匠さま」

三蔵「うむ、エエもん見たっ!ん、ところで八戒と悟浄はどーした?まだ呑んでんのかアイツら」

悟空「悟浄ちゃんは酔い醒ましに散歩してくるって。八戒ちゃんは『ガマン出来んちょっと遊んでくる。師匠殿には内緒じゃぞ!』って言って夜の町に消えてった」

三蔵「あんの助平メイド」

悟空「まあ私が居れば大丈夫大丈夫!妖怪が何万と襲ってきてもチョチョイのグチャッです!」

三蔵「ほほう。じゃあ例の牛魔王とやらが来ても守ってくれよ一番弟子」

悟空「この宿だと裏口から東の森へ抜けるのがベストですね。まず窓から中庭に降りてそっから猛ダッシュ」

三蔵「ヘタレ毛玉め」

悟空「怖いもんは怖いんです」

三蔵「正直でよろしい」

悟空「だいたいお師匠さまは怖がらなさ過ぎですよ。お兄ちゃんの軍勢ったらそれこそ万超えですよ?よく怖くないですねぇ。それとも基本現実逃避してるんですか?」

三蔵「バカヤロウ俺にだって怖いもんくらいあるわい。例えばだな……」

悟空「幼女怖いとか無しですよ」

三蔵「そう言えばお前がたくさんの幼女を連れてきてくれるワケでも無いだろ。いや、そうじゃなくて…」

小龍「……くぅ…くぅ…」

悟空「?」

三蔵「温泉入ったじゃん?」

悟空「はい。良い湯でしたねぇ♪」

三蔵「ぶっちゃけ小龍くんのお尻にドキドキしてた俺が怖い」

悟空「うわあそれは怖い超怖い」
80: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/15(木) 01:03:17 ID:ZYop85TCD6


虎縞ビキニの女「……あそこの宿よ」

鹿角帽子の男「……よっしゃ!これで俺達も出世コースまっしぐらだぜ!」

羊毛マントの男「……ふふん、紅孩児め。我輩らを謀ったこと後悔するが良い」

八戒「焼き焦がせぃ九歯馬鍬」

ゴオオオッ!!

虎縞ビキニの女「うわちちちちちっ!!?」

鹿角帽子の男「な、なんだ!?」

沙悟浄「八戒姐さんの言う通りだったね。まさか今日のその日に刺客が来るなんて」

八戒「紅孩児が嘘を言うてたとは思わんがの。大所帯ともなると一枚岩では無いもんじゃわい。のう?手柄を欲しがる三下よ」

羊毛マントの男「ぬう、三蔵の弟子か!」

鹿角帽子の男「俺達を三下呼ばわりとは命知らずめ!」

虎縞ビキニの女「ふんっ、丁度良いわ!お前達の首も牛魔王様への手土産にしてやるっ!」

沙悟浄「へえ、大口叩くじゃないのさ。そんじゃあ実力の程を」

虎縞ビキニの女「縞々模様は心の模様!貴方の心に触れタイガー!ちょっとおマセなプリティ妖仙、虎力大仙!」

鹿角帽子の男「雄々しき角は王者の証!本気のお前にディアいたい!熱血闘魂パワフル妖仙、鹿力大仙!」

羊毛マントの男「高貴な白は安らぎの色!君の瞳はトップシープレット!愛と誠実のダンディ妖仙、羊力大仙!」

虎力大仙「我ら!」

鹿力大仙「三妖揃って!」

羊力大仙「三・大・仙!」


沙悟浄「どうしよう戦いたくない関わりたくない」

八戒「…我慢せい。ワシも嫌じゃ」
81: 名無しさん@読者の声:2013/8/15(木) 15:04:28 ID:nkA73PC9KE
三大仙wwwwww三流臭いwwwwww

CCCCC
82: 名無しさん@読者の声:2013/8/15(木) 20:17:37 ID:MP0y9eWMw6
ギニュー特戦隊思い出して笑ったwww
支援
83: 名無しさん@読者の声:2013/8/15(木) 21:35:32 ID:iGTMedRFBQ
フレプリ思い出した
84: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/16(金) 12:30:11 ID:KsWF3VsGY.
虎力大仙「いくわよ!牛魔王様の名の元に!」

鹿力大仙「おっしゃらーっ!」

羊力大仙「我が愛剣の錆になるが良いっ!」

八戒「ワシ、虎女な」

沙悟浄「え?アタイ二人持ちかい?」

八戒「年寄りに無理をさせるでないわ。頼むぞい♪」

沙悟浄「…ちぇ、悟空姐さんに任せりゃ良かったよ…そしたら今頃旦那様と一緒にブツブツ」

鹿力大仙「バトろうって時に余所見かよっ!唸れ俺の拳っ!」

沙悟浄「おっと。へえ、徒手かい。悪くない突きだけどねぇ、こんなバカ正直な」

羊力大仙「しゃあっ!」

沙悟浄「と、と、とっ。随分細っこい剣だね。うんスピードは誉めたげ」

鹿力大仙「鹿力旋風脚っ!」

沙悟浄「…やっぱ面倒ぃよぅ、姐さん…」


虎力大仙「…良いの?元より三対一ではあるけど、こう二手に別れたらお仲間さん、大変じゃない?」

八戒「ウチの悟浄をナメるでないわ。武、妖、智、すべてのバランスを見れば、我等の中でアレが最も優れておる。姉者は頭が残念じゃしの」

虎力大仙「ふん。ならば早々に貴様を殺して加勢しないとね。虎力砲っ!」

八戒「ほ、気弾か」

ドォォォォン…

虎力大仙「…消えっ…!?」

八戒「女。ひとつ教えておいてやろう」

虎力大仙「くっ!上かっ!虎力砲!虎力砲っ!」

八戒「我が名は天蓬元帥。色欲に溺れ堕天されし罪人」

虎力大仙「え?うしろ?ちょ、速いぃっ!」

八戒「観世音が慈悲により、この罪購うを赦され、今日までの禁欲、禁欲、禁欲…」

虎力大仙「くそっ!当たれっ!当たってよぉっ!」
85: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/16(金) 12:35:02 ID:KsWF3VsGY.
八戒「もう、我慢も限界なのじゃよ。のう…オ・ン・ナ…!」

虎力大仙「ひっ」

八戒「いただきます」

虎力大仙「ちょ、やめ、いや……お、お母さぁぁぁぁぁぁぁあん!!」



鹿力大仙「ぐおっ!ち、ちくしょう…!」

羊力大仙「こ、この娘、なんという強さ…!」

沙悟浄「まだやるかい?アタイ満腹で眠いんだよねぇ。そろそろマジで殺すよ?」

鹿力大仙「やれるものならやってみろ!首だけになっても食らいついてやる!」

羊力大仙「我輩らは誉れ高き三大仙!この程度で敗れはせぬ!」

沙悟浄「やけにタフだし暑苦しいし、鬱陶しいねぇ…はぁ」

八戒「なんじゃ、まーだやっとったのか」

沙悟浄「だって姐さん…って、それ…」

八戒「ほれ、返すぞい」ポイッ


鹿力大仙「わ、っとっと!虎力!?」

虎力大仙「…もう…もうお嫁に行けなぃぃぃ…!」

鹿力大仙「どうした!?何をされた虎力!?」

沙悟浄「……姐さん、なんかツヤツヤしてないかい?」

鹿力大仙「ダメだ!ガタガタ震えててろくに返事も出来ねぇ!」

羊力大仙「…ええい!仕方ない、今日はここまでだ!鹿力、一旦引くぞ!」

鹿力大仙「ちっ…!てめえら、虎力の仇だ!覚えてやがれ…絶対天竺には行かせねぇからな!」

虎力大仙「うぇぇぇぇん…!汚された…汚されちゃったよぅ牛魔王さまぁ…!」


八戒「うむ、これで少しの間、姉者やお主を襲わずに我慢できるわい」

沙悟浄「やめとくれ気色悪い」

八戒「ごちそうさまでした♪ほほっ♪」
86: 名無しさん@読者の声:2013/8/16(金) 23:57:26 ID:9Ble5ZofVs
禁欲中だろ…仏の顔も三度までだぞ八戒
87: 名無しさん@読者の声:2013/8/17(土) 08:21:11 ID:50/tNXCHZU
>>86

欲には勝てないんだよ
88: 名無しさん@読者の声:2013/8/17(土) 08:36:32 ID:nHYPkstXjY
>>87まあ三蔵も煩悩まみれだしな。
いっぺん滝にうたれてこい。

89: 名無しさん@読者の声:2013/8/17(土) 19:46:40 ID:Ll5Myk1/v.
>>88
滝程度で抑えられるのか?

支援支援。
90: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/17(土) 21:17:35 ID:dZ.3QK5gN.

虎力大仙「……ん…」

鹿力大仙「おお!目を覚ましたか虎力!」

虎力大仙「…あれ…?私…?」

羊力大仙「あのあとすぐに気を失ってな。一昼夜うなされてたぞ。全く、心配をかける」

虎力大仙「あのあと……う、うわぁぁぁぁぁぁあ!いやぁあ!」

鹿力大仙「うおっ!?なんだ元気じゃねぇか」

虎力大仙「こ、殺してやる…!あのチビ、塩漬けにして喰ってやるぅぅう…!」

鹿力大仙「よっしゃリベンジだな!」

羊力大仙「慌てるな粗忽者どもが。悔しいが奴等の実力は並では無い。ここは慎重に策を練るべきである」

虎力大仙「羊力は私があの雌豚にナニをされたか解ってるの!?」

鹿力大仙「ん?何されたんだ?」

虎力大仙「バカ鹿は黙ってて!」

羊力大仙「落ち着くのだ。虎力の屈辱は我輩ら三大仙の屈辱。必ず晴らす。幸い奴等、弟子の一人が駄々をこねたとかで、先の宿に連泊中と調べはついておる。まだチャンスは…」

紅孩児「無いよ」

羊力大仙「…っ!!」

虎力大仙「こ、ここ、紅孩児っ!?」

鹿力大仙「…なんの用だコラ」

紅孩児「ふふ、駄々をこねたのは悟空かな?温泉大好きだからねぇ。それにしてもダメじゃないか、勝手をしちゃあ。三蔵法師の件は、僕が父上に任されてるんだよ?」

虎力大仙「う、うるさいっ!三蔵を発見しながらそれを隠して、何を企んでるのよアンタっ!」

羊力大仙「…我輩らは貴殿の部下では無い。主たるは牛魔王様ただ御一人」

鹿力大仙「そうだ!テメェに指図される覚えは無ぇぜ、引っ込んでやがれ!」

ゴオッッ!!

紅孩児「黙れ負け犬」

三大仙「……!!」

紅孩児「繰り返す。この一件は僕、紅孩児の預りだ。僕の言は牛魔王が言。それでも逆らうと言うならば、この火炎槍が一振り、貴様らに向けられると思え」
91: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/17(土) 21:19:45 ID:dZ.3QK5gN.
鹿力大仙「じょ、上等だオラァ!!」

羊力大仙「よせ!……敵わぬのは鹿力よ、お前も知っているであろう!」

虎力大仙「…う、うぅ……!」

紅孩児「ふふふ、そんな険しい顔しないで。お三方にはいずれちゃんと働いてもらうから。それまではこの若輩の二代目を立ててよ。ね?」

羊力大仙「…それが、牛魔王様の御意ならば…!」

鹿力大仙「…クソッ!」

虎力大仙「う、ぐ、う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

紅孩児「ちょ、なんで虎力さん泣き出してるの」

羊力大仙「ああ…その、恐らく奴等の一人に、だな。詳しくはわからんのだが、うむ」

鹿力大仙「??」

紅孩児「落ち着いてよ虎力さん。なに?何があったの?」

虎力大仙「…あっ、あの雌豚がっ…ヒック…わた、私のっ…!」

紅孩児「うん、うん。私の?」

羊力大仙「…我輩らは外すぞ、鹿力」

鹿力大仙「あ?なんでだよ?」

羊力大仙「いいから」





紅孩児「……羊力さん、鹿力さん」

羊力大仙「む、話は済んだのか」

鹿力大仙「けっこう長かったな、もう中入って良いか?」

紅孩児「…上物の酒を運ばせるよ。山海の美食も取り寄せよう。今宵はおおいにやってくれ。彼女を一人にしないように」

鹿力大仙「お?なんだ気前が良いじゃねーか、どういう風の吹き回しだ?」

紅孩児「アナタ達が動く前に止めなかった、僕にも責任がある…!」

羊力大仙「…そこまでのアレであったか」

紅孩児「同じ女として、同情を禁じ得ない…!!!」
92: 名無しさん@読者の声:2013/8/17(土) 23:16:48 ID:GDFtVThWts
鹿ちゃんカワイソス…
なでなでしてあげるからこっちおいで。
あと支援
93: 名無しさん@読者の声:2013/8/17(土) 23:17:29 ID:tIB9xfa1qg
鹿じゃねえ虎だった
94: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/19(月) 01:33:48 ID:xCsuf/lVYE
悟空「うー、もぉ少しゆっくりしたかったなぁ…」

三蔵「5泊だぞ5泊。もう完全に温泉旅行だったよじゅーぶんだよ」

沙悟浄「次は新婚旅行で来たいねぇ旦那様っ♪ああでも混浴が無かったねぇあそこ、やっぱり夫婦ならおんなじ湯に浸からないと」

三蔵「だから悟浄、歩きにくいから腕を離して」

悟空「ホントは嬉しくて鼻の下ビロ〜ンなくせにねぇ、シャオくん?」

小龍「……え?あ、そうですね、はい」

悟空「ど、どうしたのシャオくん!?いつもの罵倒は!?心を抉るような罵倒は!?」

沙悟浄「熱でもあるのかいシャオ!?」

三蔵「お前らなあ。きっとあれだよやっと俺を見直したんだよ主に卓球で」

小龍「…あの卓球で感じたのは先生の大人げ無さと執拗な意地悪さだけですよ。地に落ちた信用はそう簡単に戻りませんよ社会の常識ですよ」

三蔵「ちくしょういつもの1.5倍は饒舌じゃねーかこの子」

悟空「じゃあなんで上の空だったの?…はっ!私ウザかった!?気安過ぎた!?ヤダ嫌わないでシャオくんっ!」

小龍「…苦ひいれふ、違いまふから離ひてくりゃはい」

悟空「あ、ごめん」

三蔵「すげえな胸で顔を隠したぞ」

沙悟浄「く、アタイにゃ出来ない芸当だよっ」

小龍「…けほ。…上の空というか、その、流石に少し、可哀想ではないかと…」

三蔵「あー。いいのいいの、放っとけって。自業自得なんだから」

小龍「…でも」

八戒「…小龍の言う通りじゃ!何故ワシがこのような仕打ちをっ!」

三蔵「何故って、戒律ぶっち破ったのお前じゃん。観世音に枕元でグチグチ言われた俺の身にもなれ」

八戒「くそう天界め…!プライバシーの侵害じゃ…!」
95: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/19(月) 01:35:10 ID:xCsuf/lVYE
沙悟浄「アタイが告げ口するまでもなかったねぇ、姐さん」

悟空「敵に手を出すなんて、餓えてたんだねぇ八戒ちゃん…」

小龍「…悟能様…これは見るに耐えないです…。先生、なんとか…」

三蔵「だぁめ。信賞必罰は基本だよ小龍くん。悪いことをしたら罰を受ける。当然のコトだ、うん」

小龍「…くっ、先生なのに正論を言うなんて」

三蔵「先生は正論言わなきゃダメだと思う」

悟空「まあまあ、荷物持ちくらいでそんな愚痴らなくても八戒ちゃん」

八戒「それは別に構わんわいっ!そこでは無い、そこでは無いのじゃ!…師匠殿っ!この格好はもう嫌じゃ、堪忍してくれぃっ!」

三蔵「俺のお手製スク水の何が不満だ!」

八戒「何もかもじゃあぁぁぁぁぁあ!!!」

悟空「あえて旧スクじゃないとこがお師匠さまだよねぇ」

沙悟浄「むう、せめて無いなら無いで旦那様好みのロリ体型なら良かったのに。妬くよぅ姐さん」

小龍「…おいたわしや」

八戒「くうぅぅ……!このワシともあろう者が、なんと無様でなんと情けない…!ちょっとつまみ食いしただけじゃのに…!」

三蔵「ちょっとじゃねぇよ観世音に詳しく聞かされたよ!お前どんだけ変態だよ夜中にあんなの聞かされて一晩中悶々としたよ俺は!」

八戒「…う。ま、まあ確かにちとマニアックな食い方はしたようなそんなような」

三蔵「だからちょっとじゃねぇよ!」

悟空「どうどう」

沙悟浄「怒ってる旦那様もステキだねぇ…はふぅ…♪」

小龍「…自業自得、か…」

八戒「小龍までっ!?…うう、ワシが悪かったぁぁあ!!もう許しとくれぇぇぇぇえっ!!!」
96: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/20(火) 12:53:57 ID:YF7cwfpJRE
ワイワイ ガヤガヤ

悟空「うーん、お店がいっぱいだねぇ!活気のある国ですね、お師匠さま!」

三蔵「おう。あれから町らしい町もなくて野宿野宿だったからなー。ここでは少しのんびりするか」

沙悟浄「んー、歩いてるヤツも売り子も女ばっかってのがねぇ。…なんかチラチラこっち見てくるし。アタイの旦那様に色目ぇ使ってんじゃないだろうね全く」

八戒「旅人が珍しいだけじゃろ、それらしい者が見当たらんしの。それより、町に女しか居らんというのが気に掛かる。こういった場合、男はこぞって兵役に取られとる場合が多いからのう」

悟空「それより私は、女の子ばっかの町で八戒ちゃんがオイタしないかが気に掛かるよ」

八戒「しつっこいのう。もう反省したわいっ」

沙悟浄「でも姐さん、いつの間にやらスク水がデフォになってるあたり、もうオシオキ覚悟でやらかすつもりじゃ」

八戒「阿呆ぅ。これはあれじゃ、西域になるにつれ暑いからのう。ちょうど良くなってしまっただけじゃ。メイド服より動きやすいしの」

三蔵「俺の自信作を気に入ってもらえて嬉しい」

悟空「…変態は強いなあ」

小龍「…宿に荷物を預けて来ました」

三蔵「お疲れ小龍くん。さて、まずは腹ごしらえでも」

小龍「……」

八戒「ん、なんじゃ小龍、何か言いたそうじゃの」

小龍「…はい、その……宿の女将に聞いた…と言うか聞かされたのですが、ここは西粱女人国と言って、女性しか住まわない国だそうです」
97: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/20(火) 12:57:51 ID:sM.cNP7zXE
沙悟浄「女しか住まない国!?」

八戒「兵役では無かったか。奇っ怪な……それではワシ等がチラチラと見られていたのは」

悟空「色目かどうかはともかく、男の人そのものが珍しかった?」

三蔵「それか俺がイケメン過ぎたか」

沙悟浄「ああん旦那様正解っ♪」

三蔵「やはりか、ふふ」

小龍「…調子に乗らないで下さい先生。…じゃなくて、というか、その…」


「…やだ…先生だって先生…」ヒソヒソ

「…師弟……ご飯三杯はいけます…」ヒソヒソ

「…も、萌え…!」


悟空「な、なんかシャオくんが戻ってきた途端、周りの目が、なんか」

沙悟浄「…い、異様な空気だね……うわ姐さん、そこの本屋っ」

八戒「…『男子校恋愛模様』『僕はイケメン先輩の奴隷』『彼氏と彼氏の情事』……ほほ、趣味の良い本が並んどるのう…」

悟空「…シャオくん、もしかしてここって」

小龍「…はい、『そういう趣味』の女性が集う国だそうで」

悟空「わぁお」

三蔵「国ごと腐ってやがるのか」
98: 名無しさん@読者の声:2013/8/20(火) 13:45:39 ID:0QqGl4hwC.
わろた
99: 名無しさん@読者の声:2013/8/20(火) 14:20:51 ID:ZkKTmK/uuM
なんつー国だwww
100: 名無しさん@読者の声:2013/8/20(火) 18:41:14 ID:PVl4Lh/dKI
あたしもそこに住みたい
101: 名無しさん@読者の声:2013/8/20(火) 19:26:12 ID:zq7ytUWxZ2
どこにあるのか教えてください
102: 名無しさん@読者の声:2013/8/21(水) 13:31:19 ID:nO1aZCPUIU
シャオくん逃げて超逃げて
103: 名無しさん@読者の声:2013/8/21(水) 16:35:54 ID:pr/DhNttbQ
盟主:ロックブーケ
104: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/21(水) 20:58:01 ID:eOdiG7yszY
沙悟浄「町の中心に近付くにつれて、濃ゆい雰囲気になっていくねぇ…しっかし何だい、この本屋の多さは」

八戒「『北斗×南斗☆絶対主義』『関帝総受けアンソロジー』……こやつら道教の神をなんだと」

小龍「…バチ当たりどころじゃありませんね……というかもう視線が嫌なんですが。馬に変化しても良いですか私」

三蔵「それじゃご飯行けないじゃんよ。別にとって食われるワケじゃ無し、俺は気にならん。なあ悟空、なんか美味そうなトコ見つかっ……悟空?」

沙悟浄「あー、あそこだよ」


悟空「おおおお……やっぱ500年も経つと絵柄とかものっそいコトに…!」

売り子「やだお客さん500年って何よ、ふふっ♪その新刊良いでしょ?やっぱ時代は一周回ってヘタレ攻めよね!」

悟空「え、あ、うん!そ、そうですね!ところでこのシリーズって何冊くらい」

三蔵「なにしてんだお前」

悟空「はうあ!」

八戒「姉者……腐っておったのかお主」

悟空「ち、違うよ!ちょっと興味があるだけだよ!腐りかけだよ!」

沙悟浄「……男同士ねぇ……ピンと来ないねぇアタイにゃ」

三蔵「男の娘ならあるいは」

小龍「…黙って死んで下さい」

三蔵「小龍くんそんなピリピリしないのー。ほら悟空、いーからまずは飯だ飯だ。行くぞっ」

悟空「うー、もーすこし…」

宮廷服の女「お食事でしたら御心配なく。最高級の物を御用意致します。そちらの書物も、後で取り寄せてお贈りしましょう」

八戒「なんじゃお主、唐突に」

宮廷服の女「これは失礼致しました。玄奘三蔵法師様と、その御弟子の方々でごさいますね?私、この西粱女人国が宮仕えにございます。我らが女王が、是非とも三蔵様と御一行をお招きしたいと申しており、お迎えに上がりました」

三蔵「…なに?有名なの俺たち?」

宮廷服の女「それはそれは。大陸各地にて妖魔を滅し、人を助ける。さながら仏の御遣い、天よりの勇者と」

悟空「なんかすごい誉められてる」

沙悟浄「まあ基本毎日毎日なにかしら襲われてるからねぇ。間違っちゃいないけど」
105: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/21(水) 20:59:44 ID:eOdiG7yszY
小龍「…噂に尾ひれがつきましたかね」

三蔵「…どうする?」

八戒「タダ飯を食わせてくれると言うのじゃ。喜んで相伴に預かろうではないか。……と、言いたいが」

宮廷服の女「…何か不都合がおありでしょうか」

八戒「おあり、じゃの。左の路地に、そこの店の裏手。…兵でワシらを囲んでおいて、何処に招くつもりかのう?」

宮廷服の女「……!」

沙悟浄「気付かないとでも思ったのかい?」

小龍「…殺気は感じませんけどね。足音、鎧の擦れ。町中には似合わない雑音です」

三蔵「おー、すげぇ。お前気付いてた?」

悟空「いや立ち読みに夢中で」

三蔵「さすが俺の一番弟子だ」

宮廷服の女「もうっ!出てきなさいアナタたちっ!」

ゾロゾロゾロ…

三蔵「うわ、結構居るな。5、6人とかじゃ無ぇのか」

悟空「やっぱりだけど、兵隊さんも女の子なんですねぇ」

宮廷服の女「演習してなさいって言ったでしょ!なんでついてきてるのですか!」

八戒「…ん?」

女兵士「だって……隊長だけズルいですよ!アタシ達だって噂のカップリング見たいです!」

女兵士「やだ近くだとマジお似合い!美少年と冴えない男とか悶え殺す気ですねそうですね!」

女兵士「ふおおお創作意欲がぁぁぁぁぁぁぁぁあ」

沙悟浄「……ほらシャオ、『美少年』がしちゃいけない顔になってるよ」

小龍「………」

三蔵「俺ちょっとこの国好きかもしれない」

悟空「なんか清々しいですよね」

小龍「…もう嫌だ…!」
106: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/22(木) 23:15:55 ID:6HA6JYQVvM
女王「よくぞ妾の国へおいで下さった。ごゆるりとされよ、三蔵殿、そして勇者たちよ」

悟空(わぁ…綺麗な人…)

八戒(ふむ、王の器量が良いのは、国にとっても良いコトじゃの。支持にも外交にも強い)

沙悟浄(しかしこのナリでも腐ってるんだよねぇ、この女王さん)

小龍(…こんな優しそうな人なのに…)

三蔵「いやーお美しい!なんかもっとこう、上下スウェットのボサボサ頭を想像してましたよ俺」

悟空「ちょ、お師匠さま声が大きっ」

女王「おお、ようわかったのう!普段はそのような身なりぞ、妾は!これはお仕着せでのぉ、動きにくぅてかなわん上に、まず着るのが面倒臭い!」

三蔵「うん、俺こーゆー適当な偉いさん、好きだわー」

悟空「あー、わかりますねぇ」

女王「愉快、愉快ぞよ!ほれ、客人に馳走を!今日は客人の旅の話を肴に、おおいに楽しもうぞ!」



侍女「さ、さ。この国自慢の銘酒でござりまする。ぜひ御賞味ください」

三蔵「お、とっと。どーも」

八戒「…ん。これは甘露じゃの。よい酒じゃ」

悟空「このムシャムシャお料理もモグモグやっばいパクパク」

小龍「…あ、私はジュースで。…しかし豪勢な宴席ですね…」

沙悟浄「お、楽団の演奏付きかい。あるところにはあるんだねぇ、金って」

女王「我が国が誇る文化は、大陸じゅうの同志に愛されておるでな。妾の抱える宮廷は総勢100を数える!他国の追随を許さぬぞよ!」

三蔵「そもそも普通の国に宮廷サークルなんて無いけどな」

八戒「外貨をそれだけで潤しておるとか、もはや天晴れじゃのう」

女王「ところで三蔵殿、今夜は是非とも宮殿に泊まっていってくりゃれ。それくらいの礼を尽くさねば、国の面子が保てんでな」

小龍「…あ、宿なら」

三蔵「あはは、お酒出しといて泊まるなってのはムリでしょう?ほら女王もグラスが寂しそうですよ、飲みましょう飲みましょう」

女王「ふははは、こぉのなまぐさ坊主め!気に入った!ぐいっとあけよ、ぐいっと!」
107: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/22(木) 23:18:32 ID:eIWHv.kn.I
小龍「……くっ。悟能様、宿代は払ってしまってますし、荷物も…」

猪八戒「んぅ?そんなもの届けて貰えばよかろ?宿代くらいくれてやれぃ。お、お主胸の谷間にホクロがあるのぅ」

侍女「え〜、どこですかぁ〜?」

猪八戒「ここじゃ、ここ。もそっと奥じゃて。ふほほほ」

侍女「や〜んこの娘エッチ〜♪」

小龍「…反省は…反省は何処へ消えたのですか悟能様…!」

悟空「どしたのシャオくん、浮かない顔して。あ、この鶏レバーみたいなのすっごい美味しいよ!シャオくんも食べなよっ♪」

小龍「…それはフォアグラです……うう。泊まりたくない…なんか嫌な予感がする…!」

沙悟浄「…諦めな、シャオ。旦那様と八戒姐さんが決めちゃったら、もうどうしようもないさね」

三蔵「いちばん!玄奘三蔵法師、うたいます!」

悟空「やんややんやー!」

女王「待ってました!」

三蔵「はんにゃーはーらーみーたー♪」

悟空「やめて暗くなる!でも流石に上手い!」

女王「きゃー三蔵カッコいい!」

沙悟浄「ちょいと女王様、それアタイのセリフっ!」

八戒「イヤじゃイヤじゃ、口移しじゃないと飲めないのじゃ〜♪」

侍女「もうワガママさんなんだからぁ♪」

小龍「…ダメだ…!私がしっかりしないと、この人達はダメだ…!」
108: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/22(木) 23:28:18 ID:9Ld2NxJses
>>106の女王のセリフですが

女王「我が国が誇る文化は、大陸じゅうの同志に愛されておるでな。妾の抱える宮廷サークルは総勢100を数える!他国の追随を許さぬぞよ!」

です。サークル抜けてました失敗失敗。

109: 名無しさん@読者の声:2013/8/22(木) 23:32:23 ID:pvPqaSTbkg
毎日更新チェックしてます。
(○w○)⊃CCCC
110: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/23(金) 20:58:44 ID:jv2blKc1uY

三蔵「……うん。まずは落ち着いて現状を整理しよう。うん」

小龍「……はい。取り乱しても利はありませんしね」

三蔵「ええと、俺達は昨夜、宮殿の宴会場で飲み潰れたワケだ」

小龍「…はい。女王様含め、女性陣は侍女の方たちが寝室へと連れて行きました。先生は私が。周りがイヤにニヤけていたのを覚えています」

三蔵「まあこの国だし、それは…うん。それで、ココが俺と小龍が泊まった寝室だな」

小龍「…はい。ダブルベッド1つしかありませんでしたので、先生を床に放置して私がベッドで」

三蔵「このやろう」

小龍「…私も勿論眠りましたが、これでも竜神が一族。何か異変を感じれば、すぐに目覚める自信があります」

三蔵「…つまり、寝込みになんかされたんじゃ無いんだな?」

小龍「…100%、とは言いませんが…妖気の欠片も感じませんし、呪術の気配も…」

三蔵「謎だな…」

小龍「…何故、私がこんなことに…!」

三蔵「…ところで今何時かな。アイツらは大丈夫なのか…」

ガラッ

悟空「おっ師匠さまー!シャオくーん!朝ですよー!」

沙悟浄「朝っぱらから元気だねぇ姐さん…旦那様、起きてるかい?」

八戒「…姉者、声が大きいわい…頭に響くからやめい…」

三蔵「お、おう」

小龍「…おはようございます」

悟空「…っ!?」

沙悟浄「…シャ、シャオ…?」


111: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/23(金) 21:01:04 ID:jv2blKc1uY
三蔵「待てお前ら、これはな?」

小龍「…落ち着いて聞いてください、これはですね?」

八戒「…痛た……む、どうした?部屋に化け物でも……うお、何じゃシャオ、その腹は。まるで妊婦ではないか」

悟空「お、お、お師匠さまがシャオくん孕ませたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

沙悟浄「こ、こ、この泥棒猫っ…!いや泥棒龍ぅぅぅぅぅぅうう!!!」

三蔵「ばっ、バカ野郎お前ら落ち着けっての!」

小龍「…あの、しっかりして下さい皆さん。先生もなんで動揺してるんですかウザい」

八戒「…妊娠8ヶ月くらいかの、この大きさじゃと」

悟空「いやぁぁぁぁぁぁぁお師匠さまのケダモノぉぉぉぉおっ!!!」

沙悟浄「そ、そんな前から…!?ぐぅぅう二人してアタイの気持ちを弄んでほくそ笑んでたのかい!!!悔しいぃぃいっ!!!」

三蔵「違う!それならもっと前からお腹が目立ってるハズだろ!つわりとか無かったじゃないか!」

小龍「…いやいやいや。それにほら私、龍族ですし胎生じゃくて卵生ですし妊娠とかしませんし」

八戒「いやお主ら全員冷静になれい。小龍は男じゃろうが」

悟空「認知しないとか最低だよお師匠さま!」

三蔵「俺の子じゃねーっつってんだろ!」

沙悟浄「…愛人、か……。ふふ、アタイみたいな女にゃあ、お似合いなのかもねぇ……」

小龍「実家に私の卵の殻とか記念にとってありますけど鶏卵程度の大きさですしそれはもちろん多少は産卵時に身体の変化はありますがこれほどでは」

八戒「ダメじゃ誰も聞いとらん」
112: 名無しさん@読者の声:2013/8/24(土) 00:21:00 ID:0kE6FvEb5Q
みんな見た目どれくらいなんだろう
113: 名無しさん@読者の声:2013/8/24(土) 08:57:43 ID:cLmaCNW1ks
絵書きさんいたらみんなを書いてほしいね♪

っCCCCC
114: SS幻想入り:2013/8/24(土) 10:01:15 ID:DhHnfKDfcc
イメージとしては
ごくう→東方の紅美鈴(扱いとスタイル)
はっかい→恋姫無双袁術(ビジュアル)
さごじょう→三国無双祝融(4以降)
しゃおろん→ポケモンルビサファの双子ジムリーダーフウ・ランのフウの方(趣味)

まあ何はともあれ支援だ
115: 名無しさん@読者の声:2013/8/24(土) 11:43:34 ID:V3L/v4xpps
シャオくん何されたんだー!!支援っっ

>卵の殻とか記念にとってあります
ヘソの緒みたいな感覚なんだろうか…www
116: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/24(土) 23:36:17 ID:eIWHv.kn.I
女王「……なんと…!」

小龍「………」

女王「三蔵殿、僧の身でありながらお主」

三蔵「もうそのくだりは満腹なんで。今さっきやっっっっと落ち着いたんで俺。話を次に進めたいんですよ次に」

女王「お、おお。そのように怖い顔をせんでくりゃれ」

八戒「…で、何か心当たりを訊きたい。調べられる所は調べたが、どうも妖術の類いでは無さそうでの。ワシらでは打つ手無しなのじゃ」

女王「…そう言われてものう……ううむ…」

悟空「このままじゃシャオくん可哀想だよ!こんな甲斐性無しの子供なんて絶対にグレるよ家庭崩壊だよ!」

沙悟浄「…そうだ養子に!大丈夫、アタイ旦那様の赤ちゃんなら我が子のように愛せる!愛してみせる!」

三蔵「お前らいい加減にしろ」

悟空「ごめん、つい」

沙悟浄「まだ少し混乱してて」

女王「ところで当の本人は、何ゆえ黙りこくっておるのかや?」

小龍「………」

八戒「…いや、の」

女王「んう?」

八戒「…先程、腹を、のう。……赤子が蹴ったらしく」

小龍「…こわいこわいこわいこわい」
117: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/24(土) 23:38:28 ID:eIWHv.kn.I
三蔵「よく考えたらすげぇ恐怖だよな」

悟空「不謹慎だけどエイリアンのお話思い出したよ私」

沙悟浄「あ、あの卵を産み付けられるヤツだね読んだ読んだ」

八戒「青ざめて震えとるから止めてやれい」

女王「なんと不憫な………ん、急に子を身籠る……もしや…!」

小龍「……な、なにか解るのでしょうか!?」

女王「我が国が起こした奇跡ではなかろうか」

侍女「男と男の家庭…!ダブルファザー…!」ハァハァ

衛兵「お揃いのネクタイ…!行ってきますのキッス…!」ハァハァ

大臣「しゅ、しゅ、出産立ち会い…!」ハァハァ

小龍「…この国を滅ぼします決めました」

三蔵「まてまて竜神形態はマズイ」

悟空「身重なんだから無理しないで」

小龍「身重とかやめろ!」

三蔵「アカンもう余裕が無いこの子」
118: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/24(土) 23:42:56 ID:2f3sLYWJzA
女王「ジョーダンじゃ、冗談。大臣や、確か古い記録に」

大臣「…ああ!子母河でございますか」

八戒「しぼか?」

女王「うむ。実は我が国は、昔は真に男子立ち入り禁制、厳格な女人国での。もう1000年より前のことじゃが」

大臣「子母河とは、この国の中心を流れる…いえ、流れていた河なのです。殿方との接触を持てぬ先人は、この河の水を飲むことで、子を宿す…と、古い記録には残っております」

三蔵「水飲んだら妊婦すんのか」

悟空「おちおち喉も潤せないね」

女王「因みに今は他所で男をつかまえてじゃの」

沙悟浄「その話は後にしな……ってシャオが必死の形相で訴えてるんで、割愛しとくれ」

女王「美形が台無しじゃのう…。その河水や効力、瞬く間に腹に子を授かると聞く。単なる伝説だと思うのじゃが…その河も今は無いしのう」

八戒「いや、偶然では無かろう。なるほど、仙薬のようなモノかもしれぬな」

沙悟浄「それなら解毒できるね。でもどうするか…」

女王「ならば妾達も、他に文献を当たってみよう。気を落とすで無いぞ、小龍殿」

小龍「…うう…グスッ…」

三蔵「よし、とりあえずお前は休め。歩くのも辛そうだしな」

小龍「…はい…すみません…」

悟空「あ、肩を貸すよ、お腹に障っちゃう」

沙悟浄「朝飯はどうする?すっぱいモノとか食べたいかい?」

八戒「お主らそれ以上小龍を怒らすでないわい。胎教に良くないじゃろ」

三蔵「あ、八戒まで」

小龍「…何故貴女方はこの状況で私をからかえるのか…!」
119: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/24(土) 23:46:15 ID:YF7cwfpJRE
三蔵一行のビジュアルは好きに想像してください。
とりあえず見た目悟空は17〜19歳、三蔵は20代中頃、八戒は9歳くらい、沙悟浄はハタチ前後、小龍は12歳くらいで。支援どうも。

120: 名無しさん@読者の声:2013/8/25(日) 02:04:38 ID:a7T6vvlUO.
キャラクター描いてみてもよろしいですか?(((´・ω・`))gkbr
121: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/25(日) 02:20:46 ID:jv2blKc1uY
あ、許可とか要るんですね。どぞー
122: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/25(日) 21:46:15 ID:v.EooVUQtg
紅孩児「如意真仙殿、此度はご助力、感謝しますよ」

如意真仙「なんだなんだ水臭い。昔のように『おじちゃん』と呼んでくれて構わんぞ」

紅孩児「…では、叔父上。しかし枯渇した子母河の水を復活させるとは、僕にはとても出来ない芸当です。いえ、父上だとしても」

如意真仙「おいおい、たとえ世辞でも、兄者と俺を比べたりするなよ。俺があの人に勝てることなんて、あるわけがない」

紅孩児「…ふふふ」

如意真仙「その悪そうな笑み…その顔をした兄者は、本当に恐ろしかった。ふん、ソックリだぞ紅孩児」

紅孩児「ふふ、心の底から嬉しくないですね」

如意真仙「はは、滅多な事を言うなよ?兄者は地獄耳だからな。…で、あの何とか再現した子母河の水、何に使ったんだ?」

紅孩児「そりゃもちろん、僕の悟空に赤ちゃんを作って貰うためですよ!」

如意真仙「相変わらずの百合娘が…」

紅孩児「あああ……可愛いだろうなあボテ腹悟空…!胸とかあれ以上に乳輪とかもうどうしましょうね叔父上!」

如意真仙「知らんがな」

紅孩児「しかしまあ、その辺の店ででも食事をしてくれれば楽だったのに。まさか宮殿に招かれてるとは……あの河水を混入させるのに苦労しましたよ」

如意真仙「ふむ、だがどうやって斉天大聖にだけ河水を?城の侍女にでも化けたのか?」

紅孩児「いえ、流石にガードが固くてですね。城に卸す前の飲み物に混入させるのがやっとでしたよ。急な宴とあって、急いで用意をしたみたいでしたからね」

如意真仙「…おいおい、それじゃあ誰に当たるのかわからんではないか」

紅孩児「構いませんよ?」

如意真仙「…は?」

紅孩児「別に三蔵一行の誰が、あの城の誰が孕もうと構いません。悟空はあるモノは全て口にしますからね、確実です」

如意真仙「…やはり似とるわ、兄者の子だ…」

虎力大仙「……見てきたわよ」

紅孩児「ああ、お帰りなさい、御苦労様。あれ?鹿力さんと羊力さんは?」
123: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/25(日) 21:48:28 ID:v.EooVUQtg
虎力大仙「…あの町にオトコが入るのはキツいのよ。かといって女装はアイツらには無理だし。鹿力はマッチョすぎるし、羊力は髭を剃りたがらないわ。おぞましい事になるわよ」

紅孩児「ふふふ、確かに見たくないね。で、首尾はどうだった?悟空も八戒さんも、沙悟浄さんもみーんな妊娠して大混乱、ってとこかな?」

如意真仙「その前に女王も危ないだろう。これは酷い悪事に手を貸してしまったな…」

虎力大仙「……いえ、一人だけだったわ」

紅孩児「へえ!ピンポイントで悟空だけ?すごい確率だね……あ、もしかして瓶ごと飲み干したのかな、ふふ」

虎力大仙「ううん、なんかショタっ子が孕んでた」

紅孩児「なんでショタっ子が!?」

如意真仙「え、あれって男にも効くのか!?」

虎力大仙「いや貴方がそれを言っちゃうの?」

紅孩児「…ええ〜……確かに誰が孕もうと構わないとは言ったけど、ショタっ子って…」

虎力大仙「あ、それでね。ココ…破児洞に、孫悟空と沙悟浄、あとあのクソ豚が向かってるわよ。いろいろ調べたっぽいわね。如意真仙さんなら、あの河水の効力を消せるんでしょ?」

如意真仙「いや、消せるというかなんというか…それよりちょっと待て紅孩児、荒事にはならないと言ったではないか!」

紅孩児「いやあの、なんか諸々予定外で…」

虎力大仙「バトルになるなら、あの豚はアタシに殺らせてもらうわよ?」

紅孩児「…仕方ない、叔父上の家を荒らす訳にもいかないし。虎力さん、鹿力さん羊力さんも呼んで。…久々に悟空と遊ぶかな…ふふっ」

如意真仙「…クソ、ここで逃げたら兄者に殺されてしまうな…。さらに貸しだぞ、紅孩児」

虎力大仙「リベンジよ!豚娘め、ミンチにして缶詰にしてやるわ…!」
124: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/25(日) 21:53:11 ID:ie.wHJyH3.
悟空「急いで二人とも!早くしないとシャオくんから産まれちゃうよ!『なにか』が!」

八戒「ほほ、この三人で遠出というのは初めてじゃの。しかし文献に見える如意真仙、何でも牛魔王が弟というではないか。腕が鳴るわい」

悟空「やめて八戒ちゃんお兄ちゃんの名前を出さないで。シャオくんの為に奮い起こしたヤル気が萎えていく引きこもりたくなる」

沙悟浄「……ねえ、姐さんたち」

八戒「なんじゃ悟浄。疲れたか?」

沙悟浄「…いや、ほんの少し気になったんだけど、さ」

悟空「どしたの?なんか神妙な顔して」

沙悟浄「その、如意真仙?とやらが住む場所にある、落胎泉とかの水を飲めば、シャオの腹は引っ込むってんだよね?」

八戒「文献にはそうあったの。仙薬の効能は対になっとる事が多い。恐らく眉唾ではあるまい」

沙悟浄「いや、真贋を疑ってるとかじゃあ無いんだ。そうじゃなくて、ええとね」

悟空「そうじゃなくて?」

八戒「ハッキリ言わんかい。らしくもない」

沙悟浄「…それは、赤ん坊を『堕胎す』ってコトになっちゃうのかい?」

悟空・八戒「…うっ」

沙悟浄「あ、あはは!ゴメンゴメン、変なコト言ったねアタイ!そーゆー話じゃ無いさね、シャオは男だもんねぇ!」

悟空「そ、そーだよ!シャオくん困ってるんだから、そーゆー話じゃないよ全くもー悟浄ちゃんたら!」

八戒「し、然りじゃ然り!倫理とか道徳とか、そーゆー話はおいとくべきじゃ!たとえ今、小龍の腹に新しい命が宿っとると言っても!」

悟空「…新しい、命…」

沙悟浄「…元気に腹を蹴飛ばす、生命…」

八戒「…小さなその手…」

三弟子「………」




鹿力大仙「…お!来たぜ来たぜ!奴さん達のお出ましだ!」

羊力大仙「うむ。紅孩児殿に報せねば。しかし奴等、なにやら難しい顔をしておるな」

虎力大仙「なんか後ろ暗そうな、やりきれない様な顔してるわね」
125: 名無しさん@読者の声:2013/8/26(月) 08:09:30 ID:Dsz5bLXFgs
今回はギャグとして取り上げられてるけど実際難しい問題よな中絶・堕胎って。日本での中絶件数は全体的には減少傾向にあるが若年層では逆に微量ながら増加してるし。

支援
126: 名無しさん@読者の声:2013/8/26(月) 11:32:11 ID:4fs12nuzgo
実際は猪八戒が妊娠するんだよね
127: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/27(火) 12:49:43 ID:F5CDjetA6M
虎力大仙「真虎力砲っ!」

八戒「はっ」

鹿力大仙「貫け!鹿力正拳突き!」

八戒「よほっ」

羊力大仙「羊力・石楠花の舞!」

八戒「おおっと」

虎力大仙「くそっ!ちょこまかとウザッたいわねっ!」

八戒「ウザッたいは此方の台詞じゃ。誰ぞの手引きじゃとは思うておったが、まぁたお主らとはの」

鹿力大仙「今回は前とは違うぜ!俺たち三大仙は、三位一体!心はひとーつっ!」

羊力大仙「コンビネーションを活かしての戦闘こそ、我輩らの真骨頂である!覚悟めされよ!」

八戒「…むう、カッコつけて『3バカ如き、ワシ一人で十分じゃ』とか言わん方が良かったかのう。ちと手間取るか…」




沙悟浄「てやあっ!」

如意真仙「伸びろ、如意鉤」

シュルルッ、キィィンッ!

沙悟浄「っ!刀身が伸びた!?悟空姐さんの得物と同じかい!」

如意真仙「戻れ如意鉤。…まあ、斉天大聖の如意金箍棒と比べられては敵わんがな。少なくとも貴様の禅杖よりかは上物よ。強者ならばそれなりの武具を用いるものだ」

沙悟浄「はん。確かに武器を選ぶ奴は一流さね。姐さん達と同じで。…でもね、アタイは別に武器なんざ選らばないのさ」

如意真仙「自らを二流と認めたか、捲簾大将よ」

沙悟浄「まさか!アタイは超一流だからねっ!」
128: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/27(火) 12:50:59 ID:F5CDjetA6M


紅孩児「うーん、あっちもそっちも、中々に少年漫画的にバトルしてるね、ふふ。さて、僕たちも始めようか、悟空♪」

悟空「……今回の事、本当にこーちゃんがやったの?」

紅孩児「そうだよ?」

悟空「…私を狙って?」

紅孩児「うん♪でも残念、まさか龍神君に当たっちゃうなんて。せっかく僕と悟空のベビーを拝めると思ったのに」

悟空「…そんな気持ち悪い理由で、シャオくんを苦しめて、みんなに迷惑かけて…!」

紅孩児「ま、この状況も悪くないかな。悟空と二人きりになれたし♪…って、もしかして怒ってる?」

悟空「おしおきだよ、こーちゃん!」

紅孩児「…良いね、その眼だ。あの日、僕が心奪われた、戦乙女の真っ赤な瞳だ」






小龍「…あ、気持ち悪い。なんかちょっと気持ち悪い」

三蔵「う、産まれるのか!?な、な、なんだっけ、お湯!?お湯を沸かして…それからえっと!あ!タオル!」

小龍「…いや産まれて堪りますか。先生、それより飲み物とか」

三蔵「そうだ小龍、ひっひっふー、だ!ひっひっふー!」

小龍「だから産まないって言ってるでしょう!」
129: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/28(水) 19:57:20 ID:/H6ZHx4LeA
鹿力大仙「……ガハッ…!」ドサッ

羊力大仙「……無念…!」ガクッ

八戒「…ぷうっ。悟浄の言うておった通り、タフさだけは図抜けておったの」

虎力大仙「ろ、鹿力!羊力ぃっ!」

八戒「安心せい、殺しとらん。無闇に殺生出来ぬのでな、ワシは。さぁて……」

虎力大仙「…ひっ!?ちょ、ウソ、待って待って待って!」

八戒「血を見ると、こう、滾ってくるのう……ほほほほ…」

虎力大仙「いやぁぁぁあ!やだ!やだ!た、た、助けてぇぇぇえ!」

八戒「と、ヤりたいところじゃが。今は残念ながら火急での。おあずけじゃ。…しかしなにもマジ泣きせんでも良かろうに、減るモンで無し」

虎力大仙「ぐ…うううう…!」

八戒「次はワシ無しでは居られぬ躯にしてやるわい♪またの、虎娘よ」

虎力大仙「……畜生…!ちくしょおおおおおおおっ!!!」




如意真仙「つあっ!」

沙悟浄「ハズレだよ」

如意真仙「此方かっ!」

沙悟浄「はい残念」

如意真仙「く…!また幻影か…!」

沙悟浄「ふん、大口叩いた割にゃあ、アタイに掠り傷ひとつ付けられないじゃないのさ。本当にアンタ、牛魔王の弟なのかい?」

如意真仙「…俺は元来、荒事は好かんでな。この様に体を動かしたのも、数百年ぶりだ。やはり武は磨き続けてこそ、か」

沙悟浄「言い訳も甚だしいね。うちの悟空姐さんなんて、500年間岩の中だよ?単にアンタがアタイより弱いってことさ」

如意真仙「…ふ、ふはは!全くだ捲簾大将よ!幾度もこの首獲れる機会はあったであろうに、こうも力の差を見せつけられては、武人として認めざるを得まい!……参った!」

沙悟浄「なんだい、随分とあっさりしてるねぇ」

如意真仙「デカイ兄を持つとな、諦めも良くなるのだよ。落胎泉なら、我が居洞の奥にある。行け、どうやら殺す気も無さそうだ」

沙悟浄「…ふん。けど勘違いするんじゃないよ?この先旦那様に危害を加えようってんなら、牛魔王だろうが何だろうが、この沙悟浄が殺して髑髏にしてやる。兄貴に伝えときな!」
130: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/28(水) 20:00:18 ID:/H6ZHx4LeA
如意真仙「ふっ…兄者が喜びそうだ」

八戒「なんじゃ、牛魔王はマゾなのか」

沙悟浄「姐さん。そっちは終わったのかい?」

八戒「不完全燃焼で欲求不満じゃ」

沙悟浄「よく我慢したね!偉いよ姐さん!」

如意真仙「三大仙も敗れたか。これで残るは…」

沙悟浄「悟空姐さんが敗けるワケないさね。さ、早いトコその泉に」

八戒「……それが、の…」

沙悟浄「なんだい姐さん?……まさか、嘘だろう?」

八戒「………うむ…」








悟空「ちょあーっ!!おりゃーっ!!!」

紅孩児「いいよ!いいよ!もっと、もっとだ悟空っ!!!」

悟空「大きくなって!如意棒っ!!!」

紅孩児「火炎槍、焔だ!もっと燃やせ!この至福の時を、永遠に焼き写せ!!!」



沙悟浄「……うわぁ…」

八戒「此奴ら、洞穴の入り口前で闘り合いおってからに。近付けるかあんなもん」
131: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/28(水) 20:02:33 ID:/H6ZHx4LeA

沙悟浄「あ、山の形が変わった。悟空姐さんの本気、ヤッバイねぇ」

八戒「紅孩児の奴もじゃ。あの調子でバンバンと炎を使うていては、ここら一帯禿げ山と化すぞい」

如意真仙「俺の家の前であのバカ娘っ!」



悟空「毛分身っ!こーちゃんを抑え込んで!!」

紅孩児「あぁもう!僕に悟空の姿の分身を焼き消させるなんて…!ゾクゾクするよ!!」



沙悟浄「……とりあえずもう落石やら倒木やらで、洞穴見えなくなっちゃったねぇ」

八戒「……中が崩れてなけりゃ良いがのう」

如意真仙「困る困る困る!」



悟空「うりゃりゃりゃりゃっ!!!まだヘバっちゃダメだよ、こーちゃんっ!!!」

紅孩児「勿論さ!その瞳の中に僕が居る限り、命果てるまで闘おう、悟空っ!!!」



沙悟浄「ところで悟空姐さんの『大きくなって、如意棒!』って、なんかエロいねぇ」

八戒「あーワシも思った」

如意真仙「…俺の……家ぇぇ……」
132: 名無しさん@読者の声:2013/8/28(水) 21:36:36 ID:kr7dG7UPEk
【悲報】如意真仙、完全に巻き添え
133: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/29(木) 18:22:20 ID:JcS5jp74ig
小龍「………ん…」

八戒「おお、小龍。気がついたか」

小龍「…悟能様……」

悟空「わーん!良かったよぅシャオくぅん!」

沙悟浄「シャオほら、お腹」

小龍「…あ…!元に戻ってる…!」

三蔵「お前、寝てたからさ。戻ってきた皆が、そのなんちゃら水を飲ませてくれたんだよ。正直ギリギリだったからなー。隣の部屋に産婆さんスタンバってたし」

小龍「…う。…ありがとうございます、皆様…!」

八戒「礼には及ばん。姉者が阿呆のようにヒートアップせなんだら、もそっと早う戻って来れたんじゃがの」

沙悟浄「岩やら土やら掘り起こして、ヘタな戦闘より疲れちまったよアタイは」

悟空「う〜、もういっぱい謝ったじゃん私ぃ…」

八戒「哀れなのは如意真仙殿じゃの。真っ白になっておったぞ」

沙悟浄「中にはけっこう貴重そうな書物とかもあったみたいだしねぇ。ま、奴等に荷担した報いさね」

三蔵「なんか色々あったみたいだな」

八戒「うむ。何よりあの紅孩児の強さ、目を見張るものが……どうした小龍、まだ腹がおかしいか?」

小龍「…いえ、その……やはりこれは、命を奪ってしまったのかと……」

悟空「あ、私たちとおんなじ道を通ってる」

沙悟浄「安心しなシャオ。その如意真仙が言うには、落胎泉の水の力は、殺すワケじゃあ無いってさ。魂を輪廻に戻すだけって話さね」

八戒「そしてその魂は、何れ主が元に還る。来るべき時、授かった命を慈しめばよい」

悟空「その時はちゃんと産んであげようね!シャオくん!」

シャオ「……はい…!」

三蔵「いやなんか良い話っぽくしてるけど、もう妊娠しないだろ小龍は」

女王「おー、上手くいったようじゃの、小龍殿!」

小龍「…はい。ご迷惑をおかけしました」

女王「皆もご苦労であったの!いや目出度い!今宵はパーッと騒ごうぞ!あ、あの夜に仕入れた物は全て廃棄しとる故、安心されよ!」
134: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/29(木) 18:28:49 ID:/H6ZHx4LeA
悟空「わーい!ご馳走!ご馳走!」

八戒「悪いのう、此方の内輪事だと言うに、また宴席を設けて貰うとは」

女王「なあに、ついでじゃから気にするでないぞよ!今宵は妾の婚約の宴も兼ねておるからの!」

沙悟浄「婚約?また急な話だね……旦那様とシャオは、聞いてたのかい?」

小龍「…いえ、そんな素振りすら」

三蔵「………」

女王「小龍殿は寝ておったからの!急に決まった話じゃから、知っておるのは極々小数じゃ!のう、ダーリン♪」

三蔵「……え、あ、はあ…」

悟空「……はい?」

八戒「……あ?」

小龍「……え?」

沙悟浄「……ダーリン…?」

女王「妾の愛しのダーリンは、三蔵殿じゃ!つい先頃、妾から告白してOKを貰ったぞよ!さぁて、宴の準備じゃ準備!皆はゆるりとしておれ!また夜にの、ダーリン♪」

ガラッ ピシャンッ

三蔵「……えっとだな?」

悟空「この節操無しぃぃぃぃぃぃいっ!!!」

八戒「なんなんじゃお主は!?悟浄の時もそーじゃが目を離すとなんなんじゃお主は!!?大した顔でも無いクセになんなんじゃお主は!!?」

三蔵「いや今回は俺のせいじゃ無いんだって!」

小龍「…人が苦しんでる時に……何考えてるんですかコレは…」

沙悟浄「…………」

三蔵「小龍くんモノ扱いは勘弁していくら俺でも泣きたくなる!悟浄はなんか喋って逆に怖い!違うんだって!」

悟空「もう救えないよお師匠さま!」

八戒「死ね。もう死ね」

小龍「…とりあえず視界から消えてください今すぐ」

沙悟浄「……旦那様を殺して…アタイも……!」

三蔵「だから師匠の話を聞こうよ!!お願いだから!!」
135: 名無しさん@読者の声:2013/8/30(金) 02:11:17 ID:3t/JL.FU4U
普段あまりSS読まないけどこんなに更新の楽しみなSSは初めて
っC
136: 偽善者:2013/8/30(金) 22:26:34 ID:w7MJ.SeGHU
もしよろしければssフェスティバルに参加いたしませんか?
137: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/30(金) 22:52:58 ID:wsiaJpb4m.
女王「皆々、飲めや歌えや!今宵はめでたき席ぞ!大切な客人の病が治り、そして見よ!妾の隣におわすが、妾が最も愛する殿方!この国初の男王となられるお方、三蔵殿じゃ!」

「きゃーっ!」

「三蔵様バンザイ!」

「西燎女人国、バンザイ!」

三蔵「…あ、あはは……ども…」



八戒「…見よ小龍。あれがその場凌ぎで流されまくった男の阿呆ヅラじゃ」

小龍「…その場凌ぎしか出来ないダメな大人の顔ですね」

悟空「いやまあ、兵隊さんに囲まれて告られたんなら仕方ないよ…。お師匠さま、ザコだもん」

八戒「に、してもじゃ。上手く話を逸らすとかあるじゃろが。アレは基本、女に甘いだけじゃ全く」

悟空「おかしいね私には甘くないのに。タワシ女とか言ってくるのに」

小龍「…それで、どうしますか?アレ持って逃げますか?」

八戒「…むう…そうしたいところじゃが……」

沙悟浄「よし、悟空姐さんは中央で暴れて混乱を起こしとくれ。八戒姐さんとシャオは逃げ道の確保を」

悟空「おお、意外と冷静だね悟浄ちゃん!」

沙悟浄「その隙にアタイがあの女王の首を獲る」

悟空「冷静じゃなかった!」

沙悟浄「だって姐さんあの女!あの女あんなに旦那様にくっついて…うあぁぁあ近い!顔が近い!は〜な〜れ〜ろぉぉ!!!」

八戒「ええい煩いのう。師匠殿を奪って逃げるのは簡単じゃが、ワシらは言わば執行猶予中みたいな立場なんじゃぞ?流石に国家を敵に回すワケにもじゃな」

小龍「…そうですね。方法はどうあれ、求婚を受けてしまったのはあそこのアレですし。ここで逃げては不義になります」

沙悟浄「じゃあどーするってのさ!アタイもう無理だよっ!見てほら拳握りすぎて爪が手の平に痛い!うああん!」

悟空「よしよし悟浄ちゃん。てゆーかシャオくん、そろそろモノ扱いやめたげなよ…」

八戒「…よし、待っとれ。ちと女王に絡んでくるわい」
138: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/30(金) 22:57:14 ID:hNWLQnImEQ
女王「ほれダーリン♪酒が進んでおらぬではないか、殿方がそれでは示しがつかぬぞ?」

三蔵「だから近いです離れて、離れて」

女王「んもう照れおってからに……お、八戒殿!楽しんどるかや?」

八戒「うむ。しかしこうも華やかな席は、ワシはともかく、姉者や悟浄の様な武骨者には似合わんがの。ささ、ワシの酌、受けて下され」

女王「おっとと……これはすまぬの」

八戒「…時に女王陛下、この阿呆…ではなく、我等が師匠殿の何処を気に入られた?言うてはなんじゃが、顔も中途半端、腕っぷしはカマドウマ程度、仏門に入ってなければ性犯罪者まっしぐらな男じゃぞ?」

三蔵「お前俺を泣かしに来たのかちくしょう」

女王「どこって、全てじゃ!良きも悪きも、それ全て愛しく感じる!これこそ運命じゃ!」

八戒「……しかしじゃな、ええと、そうじゃ足とか酷く臭いぞ此奴は。腐ったナマコを便所に放置したような臭いとかするぞ?」

三蔵「君はナマコを腐らせてトイレに置いといた事があるんだね?」

八戒(ええい邪魔をするな!お主を幻滅させようと絡んどるのじゃ!このまま国王にでもなるつもりか阿呆!)ヒソヒソ

三蔵(おおうスマンつい!嫌だよこんなとこで腐国強兵に励みたくねぇよ!助けて!)ヒソヒソ

八戒(じゃったらお主も協力せい!)ヒソヒソ

女王「あ、足の臭いかや…」

八戒「そーじゃそーじゃ、オマケに頻繁に屁は放つしゲップはするし、汚い奴での!」

三蔵「そうそう!俺の屁ってゆで卵が干からびた様な臭いだし、ゲップは魚の糞みたいな臭いで困っちゃうんだよな!」

八戒「おお……本気じゃの師匠殿…!」

女王「…構わん!」

八戒「へっ?」

女王「むしろ、なんとワイルドで男らしい…!妾、ダーリンになら汚されても良い……否、汚されたい!」

三蔵「ここまで好かれるとちょっと揺らぐ」

八戒「揺らぐな阿呆ぅ!じゃが気持ちはわかる」
139: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/31(土) 17:36:57 ID:2f3sLYWJzA
小龍「…はい皆様、飲み物買ってきました。あ、悟空さんすみません。バナナシェイク売り切れてましたので、バナナジュースで」

悟空「うえー、ジュースは出来てシェイクが無理ってそんなぁ……あんがとシャオくん…」

八戒「やけに本屋が多いことさえ目を瞑れば、オナゴだらけじゃし外で茶も出来るし、良い町じゃのう」

小龍「…甘味処も多いですしね」

悟空「じゃあちょっと私、そこのおっきな本屋さんに」

八戒「待てぃ。別に戯れに町に出たワケではないぞ。もう時間が無い、なんとかせねばのう」

小龍「…一昨日も昨日も、同じこと言ってますよ悟能様」

八戒「…うっさいわい」

悟空「女王様、お師匠さまにメロメロなんだもん……ねぇもう逃げちゃお?だいじょーぶだよ、菩薩様も許してくれるよぅ」

八戒「ふむ。最も天の…釈迦の裁きが恐ろしさを知っとる姉者がそう言うならば、それもアリかの」

悟空「うん軽率でした。お釈迦様怖いお釈迦様怖い仏陀マジ鬼畜」

八戒「ほほ。では姉者、釈迦と牛魔王ならば、どちらを選ぶ?」

悟空「そんなのウ○コ味のカレーかカレー味のウン○かみたいなもんだよ選べないよ」

八戒「怖がっとる癖に失礼極まりないのう」

小龍「…しかし困りました。もう明日は結婚式ですからね」

八戒「あ、これ小龍っ」

沙悟浄「う…!うううううううう…!!!」

悟空「お、落ち着いて悟浄ちゃん」

沙悟浄「いやだぁぁあ!アタイの旦那様盗っちゃいやだぁぁあ!アタイの!アタイのなのぉぉぉお!!!」

八戒「そのワードを口にするで無いわ。全く、やっとこさ宮殿から連れ出したと言うに」

悟空「お城、結婚式の準備とかで盛り上がってるもんねぇ。女王様がウエディングドレス見せに来たときなんて、悟浄ちゃん涙が真っ赤だったよ…」

小龍「…すみません…」

沙悟浄「……グスッ……アタイのなんだ……邪魔する奴は髑髏にしてやる……首飾りにしてやる……」

八戒「…もう限界じゃの。まったく、それもこれもあの阿呆ぅがヘタレじゃから…」

悟空「このままじゃお師匠さま、王様になっちゃうよ…」
140: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/31(土) 17:41:01 ID:F6rQAdS9a2
紅孩児「あれ、悟空?まだこの町に出た居たのかい?」

悟空「あ、こーちゃん」

八戒「…紅孩児…!」

小龍「…っ!」

紅孩児「ふふ、構えない構えない。プライベートとお仕事は別にしようよ」

小龍「…何をっ…!」

紅孩児「あー、そうだよね怒ってるよねぇ。まああの時は誰がどうなっても構わないって思ってたけど、流石に龍神くんは男の子だもんね。ゴメンね?」

悟空「シャオくんの怨みの分、私がキッツいの数発入れてあげたからね!よしよし」

小龍「…ぐっ…」

紅孩児「ふふふ、かなり痛かったよ?治癒に数日かかったしね」

八戒「して、何用じゃ。何故こんな所でウロウロしとる」

紅孩児「だからプライベートだよ。友人の付き添いでね。ほら、あそこの本屋で買い物してるよ」


虎力大仙「ええと…『半ズボンの誘惑』の二巻は…あったあった!やっぱここは品揃え良いわよね〜♪」


八戒「…………」

紅孩児「僕はあんまり得意じゃないんだけどね、この町。ほら、男に間違われるからさ、周りの目がねぇ」

悟空「もうすでに超見られてるもんね。シャオくん居るし。『美形カップル…!』とか呟かれてるもんね」

小龍「…はやくここを出たい…!」

紅孩児「ん?なんか動けない事情でもあるのかい?そういえば三蔵さんの姿が見えないけど……食べられちゃった?」

沙悟浄「もうすぐ食べられちゃうんだよ!うわぁぁぁぁぁん!」

八戒「…いや、の。ちと厄介な事に………ん?うむ?…ふむ、ふむむ」

悟空「八戒ちゃん?」

八戒「……これじゃ。思い付いた!」

小龍「…?」
141: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/31(土) 17:43:56 ID:F6rQAdS9a2
八戒「紅孩児。ワシの可愛いシャオを辱しめた事、真に反省しておるか?」

紅孩児「んー、まあ悪かったとは思ってるよ?」

八戒「ここで全員でお主に襲いかかる事も出来る」

紅孩児「それは困るなあ。今日はプライベートだし、この前のダメージも完全には抜けてないし。…で、どうしたら良いのかな?」

八戒「話が早ぅて助かる。なに、簡単な頼み事じゃ」





女王「そこの飾りはもっと派手に!お色直しの段取りじゃが」

侍女「女王様、お忙しいところ申し訳ありません!」

女王「じゃから派手と言ってもこう、気品をじゃな……む、なんじゃ?祝辞の電報ならチェックは大臣に」

侍女「いえ、遠方、火の国の王子と名乗る方が、女王様に謁見を求めておりまして…」

女王「火の国…?聞いたこともない国じゃの。まあ良かろ、通せ。王族とあらば会わぬ訳にも行くまい。この忙しい時に迷惑な輩よの…」

侍女「は。それでは謁見の間にて」

紅孩児「もう入って来ちゃった♪ダメだよ?こんな穴だらけの警備じゃ。ふふっ」

侍女「きゃっ!?」

女王「………!」

紅孩児「おお、噂以上に美しい女性だ。この火国王子、これほど素敵な人を見たことが無い。ぜひ僕のモノにしたい!」

女王「な、何を急に無礼な!妾は明日、運命のお方と永久の契りを…!」

紅孩児「…なら、間に合った」

女王「…ちょ、手っ、握っ…!」

紅孩児「貴女が誰かのモノになる前に、こうして出逢えた…!」

女王「ふ、ふぇぇ…!」
142: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/8/31(土) 17:46:11 ID:F6rQAdS9a2










三蔵「けっきょく顔かよちくしょう!!!」

悟空「『不埒な妾を許して欲しい。なんと罵倒されようと構わぬ。だが妾の心はそのお方に奪われてしまった。真っ直ぐ妾を見つめるその目に、妾は真の運命を知ってしまった。すらりと整ったその鼻筋に、妾は』……うぷぷぷ…!この手紙…!こーちゃん女の子なのに…!」

八戒「ほっほほ。師匠殿がモテることそれ自体可笑しかったんじゃ。あの女人国でずっと暮らしていては、男慣れなぞしとらんじゃろからの。子供から玩具を取り上げるには、それより面白い玩具を与えれば良い」

沙悟浄「んふふふぅ♪あの女には見る目が無かったんだよぅ旦那様っ♪旦那様にはアタイが居るじゃないのさっ♪もう離さないからねっ♪すりすりっ♪すりすりっ♪」

小龍「………くすっ」

三蔵「あー!小龍まで笑いやがった!」

悟空「『彼こそ殿方の中の殿方、世に火国王子を凌ぐお方が居るとはもはや妾には思えぬ』……あははははは!お腹痛い!女王様には悪いけどお腹痛い!あははは!」

三蔵「釈然としねぇぇぇえ!」
143: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/1(日) 17:31:13 ID:XLQd2/7.GI
厚化粧の女「…あなた。あなた。紅より報せがありましてよ。あなた」

十字傷の男「…ん…むう……」

厚化粧の女「あなた。起きて下さいな。あなたの証印が無ければ、使いの者も困りまする故に」

十字傷の男「…おお、鉄扇。何だ、朝っぱらから…」

鉄扇公主「もう夕刻ですわ。紅の報せ、読み上げますわよ?『西梁にて例の一行、確認出来ず。恐らく入れ違いになった模様』だそうで……って、聞いてますの?」

十字傷の男「……ふわぁぁあ…」

鉄扇公主「しっかりして下さいな、牛魔王様」

牛魔王「……ふん、紅の奴め。親父を舐めきってやがるな。あんなデケェ妖力のぶつけ合いしといて、何が『確認出来ず』だよ。帰って来たら尻百叩きだな」

鉄扇公主「…あら、言葉の割には、随分と上機嫌な御様子」

牛魔王「くっくっく……500年振りの孫の妖気だ。あんなに戦の虫を騒がす気は、あの娘にしか出せねえ…!」

鉄扇公主「あら、また別の女の話?この鉄扇公主、嫉妬で腸が煮え熔けますわね」

牛魔王「いいぜ、妬けて狂って俺を刺せよ。テメェの女の刃は避けねぇ」

鉄扇公主「そうですわね。では今宵の閨にて」

牛魔王「くくくく、流石は俺の鉄扇だ。…さて、懐かしい気に当てられちまって我慢出来ねぇ。ちょっと出てくるぜ」

鉄扇公主「どちらへ?」

牛魔王「散歩だ、散歩。…裏に隠れてる餓鬼にもそう言っとけ」

鉄扇公主「…あらあら」



紅孩児「…やっぱりバレてましたか。僕が居ることも、悟空の事も」

鉄扇公主「…そうみたいね」

紅孩児「散歩…ね。ふん…父上の好きになんて、させるもんか」

鉄扇公主「……ねえ、紅ちゃん」

紅孩児「あ、安心してください母上。三蔵法師には興味ありませんから僕。父上に代わって、とかそんなことは」

鉄扇公主「孫悟空ってあれよね。牛魔王様の義妹で、紅ちゃんとも仲の良かった」

紅孩児「ええ。ああ、母上とはあまり面識が無かったんでしたかね」

鉄扇公主「……どういう関係よ」
144: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/1(日) 17:39:58 ID:dDcXJHxXRg
紅孩児「…どういう…って、何がです?」

鉄扇公主「牛魔王様とその孫悟空、どういう関係よっっ!」

紅孩児「え、だから義兄妹だって、いま母上も」

鉄扇公主「それだけなはず無いわよ!あの嬉しそうな牛魔王様の顔!そういう関係なの!?イケない兄と妹なの!?僕は妹に恋をしちゃう系なの!?ねえ!!」

紅孩児「母上落ち着いて。違う、違いますから」

鉄扇公主「キィィィィ…!悔しい…!お母さん悔しいわ紅ちゃん!玉面公主の女狐だけでも嫌なのに、これ以上女だなんて…!」

紅孩児「…ほらまあ、英雄色を好みますから母上。それに悟空はそーゆーのじゃ」

鉄扇公主「ねぇ紅ちゃんもお父さんにお願いして?家族3人もっと遠くに引っ越して、3人だけで仲睦まじく暮らそう、って!お母さんもう耐えられない!こんなの耐えられない!」

紅孩児「……これだから実家は嫌なんだ…」

鉄扇公主「ねぇ聞いてるの紅ちゃん!紅ちゃんまでお母さんにそんな態度なの?お母さんひとりぼっちじゃないの!まさか紅ちゃんまであの女狐に!?そうなのね!?私から牛魔王様だけじゃなく紅ちゃんまで奪おうとしてるのねあの女っ!!」

紅孩児「いや母上、僕女ですし。まあ確かに女性が好きですけど」

鉄扇公主「やっぱり…!うわぁぁん!行かないで紅ちゃん!お母さんの所に居てぇ!」

紅孩児「…疲れる…!」
145: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/1(日) 17:44:55 ID:esaHs83m3Q
妖怪「…くそ…!くそ!なんで数人のガキどもに、我ら牛魔の勇士がいとも簡単に…!」

妖怪「に、逃げろ!敵わねぇ!」

小龍「…逃げても、どうせまた来るんでしょう。絶対数は減らしておかないと」

妖怪「…ひっ…!」

小龍「…はっ!」

妖怪「ぐぎゃっ!」

沙悟浄「おー。やるじゃないのさ、シャオ」

小龍「…いえ、まだまだ皆様の足下にも」

八戒「姐者、お主何匹ふっ飛ばした?」

悟空「さんじゅう……ひい、ふう………いっぱい!」

三蔵「ここんとこヤベェな。団体さん多すぎだろ」

八戒「これ全て牛魔王の息のかかった奴等じゃとすると、流石に驚愕じゃの。下手な国家より兵力がありそうじゃ」

沙悟浄「まあ牛魔王クラスなら、自分一人で国の一つや二つ潰せるだろうけどねぇ」

小龍「…出来れば戦いたくありませんね。なにより…」

悟空「お兄ちゃんこわいお兄ちゃんこわいお兄ちゃんこわい」

三蔵「…コイツがこれだもんな」

八戒「せめて姉者よ、牛魔王の特徴くらい教えておいてくれ。嫌だ嫌だと喚いていても、狙われとる以上、やり合うのは時間の問題じゃ」

悟空「特徴………角があって、悪巧みが得意で、女好き?」

三蔵「…角があって」

沙悟浄「…悪巧みが得意で」

小龍「…女好き…」

八戒「なぜワシを見る」
146: 名無しさん@読者の声:2013/9/2(月) 04:40:51 ID:R4XQTGuwlc
元ネタは金角銀角までしか知らないけどこれ面白いなあ
147: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/2(月) 15:08:26 ID:U6xJ35fnD6
三蔵「すみませんねご主人、泊めてもらう上に御馳走にまでなっちゃって」

村人「な、なあに。三蔵法師様の御一行と言えば、世を正す正義の方たちだべ。これくらいは」

沙悟浄「悟空姐さん、もー少し食べる量を抑えなよ。オッサン引いてるじゃないのさ」

悟空「はむほむはむ?」

八戒「飲み込んでから喋れい。ときに主人、そこに流れる河、かなり広いが、船渡しは出来るのかの?」

村人「…え、ああ。へえ、あの河は通天河だべ。船着き場なら直ぐ近くにあるけんども、広いでなあ。けっこう時間はかかってしまうよ」

小龍「…通天河……天に通ずる河、ですか」

悟空「むへは、ひふみほふほふはふはへ!」

三蔵「船が沈みそうな河だね!と言ってます」

沙悟浄「なにその以心伝心妬けるんだけど」

村人「あはは、楽しい御仁だべ…」

八戒「…で、主人。ワシらに何を頼みたいのじゃ」

村人「…えっ」

沙悟浄「そう浮かない顔してちゃ、嫌でもわかるってもんさね。それにこの酒に料理。かなり奮発してるだろ。話してみな」

三蔵「えー、なになになんかあんの?あとは寝るだけだと思ってたのに」

小龍「…今更ですが先生、ちゃんと考えて生きてますか?」

三蔵「生き方にダメ出し!?」

村人「…うう…!急にこげなことお願えするのは筋違いだとわかってますけんど…!頼んます!霊感大王のヤツを、倒してくだせえ…!」

八戒「…む、そこそこ通った名じゃの」

沙悟浄「うん、聞いたことある名前だね。ここらが住処だったのかい」

悟空「…っくん。ぷあ。えー、私知らないや」

三蔵「うん君にはそこ期待してないから食べてなさい」

小龍「…それで、その霊感大王がどうしたんですか?」

村人「ここらじゃ、毎年この時期に、霊感大王に供物を捧げる決まりがあんだけんど…とうとうそれがオラの家の番になって…!」

八戒「まさか」

沙悟浄「い、生け贄かい?」
148: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/2(月) 15:09:58 ID:U6xJ35fnD6
悟空「うっわ」

小龍「…なんて事でしょう…!」

三蔵「え、なにその反応。そりゃ悪い事だけどお前らがそんなに驚くなんて」

八戒「生け贄じゃぞ?いやいやこのご時世に」

沙悟浄「古臭いどころの話じゃあないね。もう古典だよ化石だよ」

悟空「私が封印される前ですら時代遅れな発想だったよ」

小龍「…恥ずかしく無いんですかね、霊感大王さん」

三蔵「相変わらずお前ら悪人の感覚はよくわからん」

八戒「よし、ではその生け贄、ワシらが化けよう。その時代錯誤のツラも拝みたいしのう」

村人「や、やってくれるだか!ありがてぇ…!」

沙悟浄「で、その生け贄…ぷふっ……ってのは、女かい?」

村人「汚れを知らぬ男児と女児、という決まりだあ。家は年子の息子と娘が居るで…」

三蔵「ふむ。まあ男の子役は小龍で良いとして…」

小龍「…仕方無いですね」

三蔵「…悟浄は無理だな。大人すぎる」

沙悟浄「やだよう旦那様ったら大人の色気が溢れてるだなんてもう、正直なんだからっ♪」

三蔵「……八戒か」

悟空「ねえ一回くらいこっち見ません?ダメでもコメントくらいしません?」

三蔵「でも『汚れを知らぬ』ってのがな」

沙悟浄「汚れと言う汚れを知り尽くしてるレベルだからねぇ姐さん」

小龍「………」

八戒「ええいフォローせんかい小龍」

悟空「なら私がロリ悟空ちゃんに化けて」

三蔵「黙れ毛」

悟空「お師匠さま悪口が雑!」
149: 名無しさん@読者の声:2013/9/2(月) 22:13:33 ID:01uMINxzms
毛wwwww

CCCCCC
150: 名無しさん@読者の声:2013/9/2(月) 23:51:15 ID:IeJPP4Bduc

いつもはまとめばっか読んでたけど、
このSS面白くてちょくちょく掲示板を
覗くようになったわw

CCCCC

151: 名無しさん@読者の声:2013/9/3(火) 00:08:52 ID:GvDxSQ9qhY
毛とかひでぇw
支援
152: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/3(火) 23:28:25 ID:L72rFc9g22
悟空「ほら、お師匠さま早く早く。八戒ちゃんたち祭壇に着いたよ!」

三蔵「距離を後をつけるってのも、意外と面倒臭いな。生け贄の子供だけで河辺の祭壇まで…って、どんなルールだ全く。あと悟浄歩きにくい歩きにくい」

沙悟浄「だって、聞けばその霊感大王、女の妖怪だって言うじゃないのさ。金輪際知らない女なんかに近付かせないんだからね旦那様っ!」

三蔵「俺の信用が地中にめり込んで出てこねえ」

悟空「そのうちマグマにぶち当たるね。……あ、なんか河から出てきたよ?」

三蔵「お、ホントだ。人魚…じゃないな、半魚人?こっからじゃよく見えんな……俺らも近付くか?」

沙悟浄「とりあえず様子を見ようよ。なあに、八戒姐さんとシャオなら問題無いさね」

悟空「お、八戒ちゃんが馬鍬を構えてポーズをとった!」

沙悟浄「八戒姐さんは結構律儀に名乗りとか上げるからねぇ」

三蔵「我こそは天蓬元帥〜、ってやつか。まあ名前でビビって貰えるからなぁお前らは」

悟空「敵との間合いを計りながらも、カッコつけてる八戒ちゃんの邪魔にならない位置取り…!プロだねシャオくん…!」

沙悟浄「……ん?なんか後ずさってないかい、半魚女」

三蔵「あ、河の中に消えた」

悟空「一瞬で潜ったね」

沙悟浄「………で?」

三蔵「うん、もう行こう。こっからじゃ何がなんだかわからん」




八戒「うおぉい!何をスーっと逃げとるんじゃ貴様!出てこぉい!」

小龍「…あまりにもナチュラルな動きに、反応出来ませんでしたね…」

三蔵「おーい。どしたの?」

悟空「逃げたの?」

小龍「…すみません、なんかそうみたいです」

八戒「ええい!武人が先に名乗ったのじゃぞ!応えぬとは何事じゃーっ!」

霊感大王『………そんなこと言われても…』
153: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/3(火) 23:30:26 ID:L72rFc9g22
沙悟浄「うわ、頭の中から声がする。念話かい」

三蔵「菩薩とかの声とおんなじアレだな。これちょっと気持ち悪いよな」

八戒「出てきて話さんかい!聞けば天候すら操れる大妖怪じゃろ貴様!恥を知らんのか!」

悟空「八戒ちゃん戦う気マンマンで見栄を切ったのにねぇ…」

八戒「そうじゃっ!この気持ち何処に持って行けと言うんじゃ戦えぇえ!」

霊感大王『………だって…ズルい……そんなん…ムリ……』

小龍「…数の利を卑怯と言いますか」

八戒「あぁもう怒鳴り疲れたわい……!戦るのはワシひとりじゃ!ワシを負かせば退いてやる!出てこい!」

霊感大王『……そんなに……大勢…ゾロゾロと………やめて……大人も居るし……嫌だ…怖い…』

三蔵「…ん?」

霊感大王『……小さい子供だから喋れるのに……でも大声だし、なんか難しい事言うし、貴方達は嫌………退治とか勘弁して……無理無理お父さんお母さん以外の大人とか無理無理無理……』

悟空「ひきこもりだ!」

八戒「…あ、こりゃダメなヤツじゃ」

沙悟浄「うあぁアタイこーゆー奴イライラするっ!」

小龍「…なるほど。だから生け贄だけで祭壇に来させてたんですね…」

三蔵「うーん……じゃあ霊感大王さーん、せめてもう生け贄とか止めてくれるって約束してよー。そしたらなんもしないからさー。なんなら菩薩とかに俺から頼んで、天界で暮らすとかも出来るかもだし。ね?」

八戒「…女に甘い」

悟空「…お師匠さまウロコ系もいけるんですね…」

沙悟浄「くっ!目を離した隙にっ!」

小龍「…時と場合を選んで口説いて下さいよ」

三蔵「徳を示しただけだよお前ら俺が僧侶だって忘れてない!?」

霊感大王『…あはは何言ってんだろこの人、そしたら私のゴハンどーしろってのよデリバリー以外でどーやってゴハン食べろってゆーのよ、あと引っ越し?無理無理無理コミュ障になにムチャ振りしてんのよ、あーもー早く帰ってくんないかな私ヒザの匂い嗅ぐのに集中したい』

悟空「ブツブツとなんか怖いよお師匠さま!」

三蔵「軽くキレてるあたりがムカつく…!」
154: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/3(火) 23:32:40 ID:L72rFc9g22
>>152三蔵のセリフ
三蔵「距離をおいて後をつけるってのも、意外と面倒臭いな。生け贄の子供だけで河辺の祭壇まで…って、どんなルールだ全く。あと悟浄歩きにくい歩きにくい」

です。『おいて』が何故か抜けてましためんご。
155: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/4(水) 23:52:43 ID:oL9GrTiuj.
三蔵「……ご、悟浄……もっとひっついて…!」

沙悟浄「えっ…!や、やだ旦那様、そんな人の目が、ここ外だし、ア、アタイ心のじゅじゅ準備が…!」

悟空「来られると来られるで引いちゃうあたりが悟浄ちゃんだねぇ」

三蔵「…ちがう。寒、寒い…!」

八戒「確かに冷えるの。まるで北国じゃ」

悟空「だからってスク水の上にメイド服って八戒ちゃん……マニアック過ぎるよ…」

八戒「ワシはデリケートなんじゃ。小龍、焚き火が消えそうじゃぞ」

小龍「…はい、お待ちを」

沙悟浄「じゃ、じゃあ旦那様、まずは、まずは手から……ってかアタイもけっこー寒いのに、シャオと悟空姐さんは平気そうだね」

小龍「…私は実家が海底ですから。寒冷には慣れてます」

悟空「竜宮城って中は暖かいけど外は寒いもんねー」

三蔵「…お前ちょっと体毛分けろよズリィよ」

悟空「暖をとれるレベルで濃く見えます?ほら腕とか肌色!ほら肌色だよ?」

八戒「しかし、難儀じゃの」

沙悟浄「こっちが河の中に入ろうとしたら、まさかここまでしてくるなんてねぇ…」

小龍「…河全体を凍らせるとは、規格外にも程があります」

霊感大王『……あーもー早く帰ってくんないかなホント……次は雪でも降らせたら帰るかな……あれ疲れるのになんなのコイツらマジ迷惑なんですけど暇なのかよ帰れよ』

三蔵「くっ…!テレパシーで腹の立つ独り言を…!」

悟空「この子ちゃんとやれば強そうなのにね…」
156: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/4(水) 23:56:12 ID:oL9GrTiuj.
八戒「九歯馬鍬の炎でも溶けんかったからの、この氷。相当な妖力じゃ」

三蔵「まさに心の氷か。他者を寄せ付けない絶対零度の壁か」

小龍「…私と先生の間にあるヤツですね」

三蔵「いつか溶けると三蔵法師は信じてます」

沙悟浄「悟空姐さん、ぶっ壊せないかい?」

悟空「…どうだろ……普通の氷ならどんな厚くてもいけると思うけど…」

三蔵「試しにやっ」


ドォォォォォォォォォォォォン!!!!


三蔵「…て?」

悟空「なに、地震!?……うわ」

沙悟浄「河が…割れてる…!」

小龍「…上空に気配が、悟能様」

八戒「皆、隠れよ。嫌な気じゃ」

悟空「…この感じ……」





霊感大王「……やだ、やだ……なに…?またアイツら…?もうやだなんなの放っといて…!」

牛魔王「よう、霊感の」

霊感大王「ひっ」

牛魔王「なにやってんだお前?なんの遊びだよコリャ。ワカサギでも釣るのか?」

霊感大王「ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ…!!!!」

牛魔王「まあ良いや。この辺に坊さんが来なかったか?無駄に毛深い娘を連れてる坊さんなんだが」

霊感大王「う、う、う、う、ま、ま…!!!!」

牛魔王「お前人の名前言うだけでそれとか、いい加減なんとかしろよ」
157: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/5(木) 00:02:57 ID:dt9vImOcMU


沙悟浄「…シャオ、見えたかい?」

小龍「…姿形は確認出来ませんでしたが、氷の亀裂に入っていったようですね。此方には気付いていないかと」

八戒「なんじゃあの桁外れの圧は。久方ぶりに戦慄を覚えたぞワシは…」

三蔵「なんなの気配とか圧とか。パンピーにも解るように説明してくれ……あれ?悟空は?」

沙悟浄「あっちの方にビューンと」

三蔵「うんもう説明良いやわかった」





悟空「おおおおおお兄ちゃんだだだだだ…!!!逃げちゃダメなのはわかってる、わかってるんだけど一旦、一旦逃げよう山に帰ろ…痛たたたたたたたっ!!?わーんこうなるって知ってた!私知ってた!」





三蔵「今回粘るなあアイツ」

小龍「…よっぽど嫌なんですね…」

沙悟浄「とすると、やっぱ牛魔王かい」

八戒「じゃな。あの氷を一撃とは、姉者が恐れるのも納得かも知れん」




悟空「うわぁぁぁん頭痛いお兄ちゃん恐い頭痛いお兄ちゃん恐い頭恐いお兄ちゃん痛いぃぃぃぃいっ!!!」
158: 名無しさん@読者の声:2013/9/5(木) 01:43:16 ID:Y96HeWp78A
三蔵とシャオの漫談がいい。言葉のチョイスも面白いw
これは是非最後まで書いてほしいのでC
159: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/6(金) 18:09:11 ID:dt9vImOcMU
沙悟浄「残像呪!てあぁっ!」

牛魔王「おう、なかなか」

小龍「…悟能様、いけます」

八戒「うむ!焔重ねて、吹き飛ばせぃ九歯馬鍬!」

牛魔王「お、龍神のブレスか。天界で暴れてた頃を思い出すぜ」

三蔵「八戒熱い!こっちまで火の粉が!」

八戒「もっと離れとれい!こっちも余裕が無いっ!」

沙悟浄「敵さんは余裕綽々なのが腹立つね、まったく…!」

小龍「…これが、悟空さんの義兄……平天大聖牛魔王…!」

牛魔王「くくく、悪くねぇぞお前ら!どうだ?3人とも俺の妾にならねぇか?平等に愛してやるぜ?」

八戒「御免被るの。ワシは汗臭い男に興味は無い」

沙悟浄「アタイの頭の先から足の裏まで、すべて旦那様のモノだよっ!誰がアンタなんかにっ!」

小龍「…私は男です。目がお悪いようで」

牛魔王「くっくく、フラれたか、残念だ。それと少年、俺はお前ならオッケーだぜ?」

小龍「…何をふざけた事を」

三蔵「まあわかる」

八戒「小龍なら仕方ないのう」

沙悟浄「下手な女の子より可愛いからねぇ」

小龍「………」

三蔵「何故俺だけ睨む!?」




悟空「…………うわぁぁあ……バトってるよぅ…!急に輪っかが締め付けて来なくなったから、どーしたのかなーって思って戻って来たけど……どうしようお兄ちゃんだよやっぱり…!」
160: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/6(金) 18:11:35 ID:dt9vImOcMU
牛魔王「坊さんよ、良い弟子持ってんじゃねーか。大した顔してねぇクセに、これだけ上物を侍らすたぁ、見上げたぜ!」

三蔵「ことあるごとに顔を云々言われるが、そんなに悪かねーよちくしょう」

沙悟浄「そうだよ!旦那様は世界一のイケメンだよ!」

三蔵「そうだそうだ!」

八戒「あーもう師匠殿、黙っとれ。お主が喋ると何かこう、戦う気が失せる」

小龍「…離れててください。しっしっ」

三蔵「ホントに良い弟子だよ!」

牛魔王「そうか。戦の邪魔は良くねぇな。魂さえ無事なら構わねぇし、声帯でもかっ斬っとくか」

三蔵「え」

八戒「しまっ…!!」

小龍「待てっ!!」

沙悟浄「旦那様ぁぁぁぁあっ!!!」


ガキィィィィィィン!!!


牛魔王「…よう、孫」

悟空「…ひ、ひさしぶりだね、お兄ちゃん…」

三蔵「何が起こったのかすら……あ、悟空」

八戒「…姉者!ナイスタイミングじゃ!」

沙悟浄「良かった…!良かったぁぁ…!」

小龍「……ふぅ」

牛魔王「本当に久しいな、孫。俺に武器を向けるたぁ、成長したじゃねぇか」

悟空「え、えへへ。つい、その、えへへ」

牛魔王「お前が身体を張って人を守るなんてなぁ。まさかその坊さんに惚れたか?くく、あの孫が色恋たぁ、こりゃあ傑作だ!」

悟空「うん、お兄ちゃんちょっとタイム。お師匠さま露骨に『え〜…マジかよコイツ…』って顔しないで!あと悟浄ちゃん『キイィ…!こんな身近に敵が居たなんて…!』みたいな空気出さないで!違うから!」

八戒「姉者、大変じゃの色々と」

悟空「もういっぱいいっぱいなんだから!うわぁぁん!」
161: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:39:21 ID:Ie5.npZXAs
牛魔王「しかし安心したぜ孫。封印されてた割にゃあ、腕は衰えてねぇみたいだな」

悟空「え、うん、えへへへへ……」

三蔵「お前カッコよく出てきたのに敵と一切目を合わせないのな。カッコ悪いぞ悟空」

悟空「うるさいですよもう!お師匠様もいつまでも尻もちついてないで、離れてて下さいよ!」

三蔵「いや腰が抜けて立てねえんだよ」

悟空「そんな人にカッコ悪いとか言われたくない!」

牛魔王「おうおう、イチャイチャしやがって、くくく」

沙悟浄「そのイチャイチャちょっと待ったぁ!」

八戒「お主まで止めぃ悟浄、ワケがわからんことになる」

小龍「…本当に先生が絡むと、真面目が続きませんね…」

牛魔王「くく、こんな孫も面白ぇな。さて」

狐耳の幼女「……もう行こうよ、パパ」

牛魔王「うお、何だよ来たのかよ」

悟空「……誰?」

三蔵「紹介して欲しい」

沙悟浄「浮気だよ旦那様っ!キィィッ!」

八戒「娘を連れてくるとは、遊覧か何かのつもりかの、牛魔王」

小龍「…我々など遊びついで、とでも言うんですかね」

牛魔王「あ?コイツは俺の女だぜ?」

狐耳の幼女「……牛魔王が第二夫人、玉面公主」

八戒「なんと」
162: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:40:56 ID:Ie5.npZXAs
悟空「…お兄ちゃん……相変わらずの守備範囲の広さだね……」

小龍「…先生、何も泣かなくても」

三蔵「だって!だって夫人って!妻って!」

沙悟浄「なんで…!なんでアタイは幼女じゃ無いんだいっ…!」

牛魔王「玉、霊感の奴と遊んでろって言ったじゃねぇかよ。も少し俺にも遊ばせてくれよ」

玉面公主「……やだ。今日は玉と一緒の約束。それにあの魚つまんないから、壊しちゃったし」

四弟子「…!」

牛魔王「くくくくっ!夫の友人を殺すたぁ、流石は玉だぜ!仕方ねぇ孫、今日は仕舞いだ。そうだ玉、お前、コイツらどう見る?」

玉面公主「……三蔵法師は、まだ食べ頃じゃない。魂に不純物が多い」

悟空「つまり心が汚ないと」

三蔵「そーゆー意味だとしたら僧侶として少し反省」

玉面公主「……一番できるのは沙悟浄。動きがまあまあ。次が孫悟空。力は大きいけど使いこなせてない」

沙悟浄「なんか褒められたよ?」

悟空「えー納得いかない」

玉面公主「……玉龍はまだまだ若い。そして」

小龍「…まあ悟能様の例が有りますから、私より年上なのでしょうね、この方も」

玉面公主「……猪悟能。貴女は弱い」

八戒「………」

玉面公主「……まあ自分でも解ってるだろうけど。ねえパパ、もういいでしょう?」

牛魔王「おう、成る程な。坊さんよ、もっと修行しとけ、今じゃ食っても仕方ねえってよ。…よし、行くか玉。朝まで寝かせねえからな、くくく」

玉面公主「……いやん」
163: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:47:23 ID:lg2kHXsfJw








悟空「…か、帰ってくれたぁぁぁぁぁぁあ………!」

三蔵「悟空、地べたに寝るなよ汚ないぞ」

沙悟浄「よほど恐かったんだね、姐さん」

悟空「実は少し漏らしてます」 

三蔵「うわぁ近寄るな」

小龍「…悟能様」

八戒「…うむ。お主にも、皆にも説明せねば、の」

悟空「お師匠さまひどくないですか!?助けたのにそんなちょっと漏らしたくらいで!」

三蔵「いやお前よく見たらだいぶいってるじゃねぇか下半身グッショリじゃねぇか!」

沙悟浄「替えのズボンあったかねぇ…」

八戒「……皆、話がある。聞いて欲しい」

悟空「なんですか!幼女のおしっこと私のおしっこの何が違うっていうんですか!」

三蔵「高級シャンパンと出涸らしの番茶くれぇ違ぇよ」

沙悟浄「これが魂の不純物…!いつかアタイが取り除いてあげるからね旦那様…!」

悟空「でも取り除いちゃったら食べられちゃうよねお師匠さま」

三蔵「つまり未来永劫ロリコンでいろ、と」

八戒「おーい。これからワシけっこーシリアスな話するんじゃから纏まれい」
164: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/8(日) 18:36:39 ID:Ie5.npZXAs
八戒「結論から言うとじゃな。ワシの妖力は、もうゼロに近い」

悟空「…お腹空いてるの?」

沙悟浄「トシかい?」

小龍「……妖力、ですか」

八戒「…まあ、わからんじゃろな」

三蔵「頼むから俺みたいなフツーの人間にも解るように説明してくれ」

八戒「うむ。師匠殿もワシ等の戦闘を見ておるじゃろ?ほれ、姉者が毛で分身を作り出したり、悟浄が幻術を使ったり、じゃ。あれ全て、妖力という力を使うとる。仙力とも言うの。人間が使うところじゃと、法力や気力の様なものじゃ」

三蔵「習った習った。でもその試験、ヤマ張って外したなー」

悟空「よく僧侶になれましたねお師匠さま」

八戒「無論この力は、腕力や脚力…基本的な戦闘能力にも反映される。体力と同じで無限では無いが、まあ栄養を採って一晩ぐっすりと寝れば、回復するモノじゃな」

沙悟浄「……姐さん、つまりどーゆーことだい?」

八戒「じゃから、もうワシにその妖力が無いんじゃよ。ワシは妖力が回復せんのじゃ。先の牛魔王との小競り合いで、ほぼ使いきったからの」

小龍「…何か隠されているとは感じていましたが、妖力が回復しない…?呪いかなにか、受けられたのですか?」

沙悟浄「そんな呪い、聞いたことないねぇ」

八戒「…呪い、か。似たようなモノかもの。小龍、主は天帝に裁かれて、どうなった?姉者、悟浄にも訊こう」

小龍「…どう、と言われましても。ご存知の通り、極刑は免れましたが、下界へと堕とされました」

沙悟浄「アタイもおんなじだね」

悟空「…私は岩の中に封印のオマケ付きだけどね…」

八戒「ほほ、姉者は罪が図抜けておるからの。ワシも姉者程では無いが、天帝も相当お怒りでな。下界に堕とすだけでなく、人間へと転生させられかけたのじゃ」

沙悟浄「え、でも姐さん」

八戒「お前らアレじゃろ、ワシが豚ベースの妖仙じゃと思っとるじゃろ。これはの、転生させられる間、滅茶苦茶に抵抗したらどーゆーワケか、豚の胎内に入り込んでしもうたのじゃ」

悟空「うわあ」

沙悟浄「魂だけで暴れるとか、姐さんらしいねぇ…」

八戒「まあ人じゃろうと豚じゃろうと、そのままではワシはワシで無くなってしまう。必死で肉体情報を持ち越そうとした。で、先の話に戻るがの。なんとか妖仙として転生出来たは良いが、妖力だけは持ち越し『のみ』じゃった。この身体は、新たな力を一切生まぬ」

沙悟浄「…そういうワケかい…」

小龍「…悟能様」
165: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/8(日) 18:39:30 ID:Ie5.npZXAs
八戒「旅に出るまでは、力を使うほどの敵になど会わんかったからの。………そんな顔をするでない。九歯馬鍬もある、その辺の雑魚ならば……ん?師匠殿と姉者は?」

小龍「………あ、河の方に」



悟空「ねえ飼っていい?飼っていい?」

三蔵「水槽を持ち運ぶワケにもなあ」

八戒「これお主ら。人が真面目に話しとるのに、ちぃとは大人しく聞いてられんのか」

三蔵「いや、なんか水辺でバチャバチャと音がして」

沙悟浄「そういや氷が無くなってるね」

悟空「可愛いの見つけたんだよ!ねえお師匠さま飼いたい飼いたい!」

小龍「……これは……珍しい金魚ですね」

金魚『……金魚とか。そりゃ金魚だけど。好きでこんなんなってるワケじゃないっつの…あーもー嫌だ…ぞろぞろなによ煩い煩い…』

三蔵「この声」

八戒「…霊感大王」

沙悟浄「殺されたんじゃなかったのかい?」

金魚『……あんな狐なんかに殺されるとかあるわけないじゃん頭沸いてんのかなこの人……不意を突かれただけだし油断しただけだし私もともと喧嘩とかバカみたいなコトしないし……』

三蔵「…お前コイツほんとに飼いたい?」

悟空「やっぱ良いや口悪いしジメジメしてるし」

八戒「ほほ、何とか逃げたのか。しかし見たところ、力のほぼ全てを投げ出したようじゃの。音に聞こえた霊感大王も、これまでか」

金魚『……黙れば良いのにチビのくせに上から目線やめてよウザいウザい……あーあ、これじゃ何にも出来ないじゃんプランクトンでも食べながら生きてくしかないじゃん……』

小龍「…少し不憫ですね。まあ人を食らってきた報いですが」

金魚『……同情するならなんとかしてよ口だけで何言ってんのよ帰れよ……ほんと哀れむなら人参果の一つでも持ってきてよそしたら元の妖力だって戻るのに……』

八戒「…!おい霊感大王、その話詳しく」

金魚『……人にモノ訊く態度じゃないよね頭が高いよねまず呼び捨てって』

八戒「姉者、塩焼きと刺身、どちらが良い?」

悟空「あえての天ぷらかな」

金魚『はい話しますカラッと揚げないで』
166: 名無しさん@読者の声:2013/9/8(日) 20:28:54 ID:uCKO46U9Zc
一位おめでたうございます!!
167: 名無しさん@読者の声:2013/9/8(日) 21:54:27 ID:a1Vd159yFg
八戒ちゃんファイト!
っCCCCCCCCCCC
168: 名無しさん@読者の声:2013/9/8(日) 22:32:20 ID:GvDxSQ9qhY
支援私怨紫煙死怨
好きなのどうぞ
169: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/9(月) 12:47:01 ID:SCU1uCVRO.
虎力大仙「…牛魔王様、どうぞ一献」

牛魔王「おう。しかし虎力よ、見ねえ内に随分と女っぷりを上げたじゃねぇか。どうだ今夜?」

鉄扇公主「……ほほほ」

玉面公主「…………」

虎力大仙「ぎゅ、牛魔王様ったらお戯れを、あは、あはははは…(ひぃぃ睨んでる睨んでる奥様方めっちゃ睨んでるぅぅぅう!!!)」

玉面公主「……玉も、おかわり」

羊力大仙「は。畏まりました玉面公主様」

鉄扇公主「…あら。私の杯も、とうに枯れて久しいのですけど」

羊力大仙「…こ、これは…!今直ぐに!失礼をばっ…!」

紅孩児「で、どうされたのですか父上。皆で食事だなんて、珍しい」

牛魔王「なあに、酒は大勢でやった方が美味いだろ?ほら、アレだ、家族団欒ってヤツだ」

紅孩児「ふふふ、似合いませんよ父上。僕はてっきり、何かお叱りを受けるのかと恐々としましたよ」

牛魔王「叱られるようなコトでもしやがったのか?ん?」

紅孩児「さあ、どうでしょうね。ふふ」

玉面公主「……これ、美味しいよパパ。あげる」

鉄扇公主「…玉面さん。その『パパ』というのは止めませんこと?曲がりなりにも天下の平天大聖が第二夫人としては、ちょっと、ねぇ」

玉面公主「……玉はちいさいから。おばさんとは違う」

鉄扇公主「おばっ…!?」

虎力大仙「りょ、料理の追加をお持ちしますねっ!」

羊力大仙「鹿力!わ、我輩も厨房を手伝おうか?」

鹿力大仙「あん?ちょっと待てよ今いー感じでガチョウが焼けるんだからよ。火加減が命だぜ…よし!」

紅孩児「…では父上、僕から父上にお叱りがあるんですがね」

牛魔王「ほぉう?」

紅孩児「止めて下さいよ、横槍は。三蔵法師の件は、僕の預かりでしょう?上にチョコチョコと手を出されては、部下に示しがつきませんよ」

牛魔王「孫のヤロウに挨拶しただけじゃねぇか。義妹に会いに行って何が悪い」

紅孩児「聞けば霊感大王様のお命すら。…まあそれは兎も角、僕に全て任せる約束ですよ?牛魔王は一度下した言すら」
170: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/9(月) 12:58:57 ID:MKG0EmJtgQ
牛魔王「わーかったわーかった!全く生意気言うようになりやがって!」

玉面公主「……なんか食欲ない」

鉄扇公主「あら、ご気分が優れないの?でしたら無理にここに居なくとも、奥に寝室を御用意させますわよ?」

玉面公主「……誰かさんの香水がきつい。くさい。トイレの芳香剤?」

鉄扇公主「あらあらあら…!それは困った誰かさんですわねぇ…!」

虎力大仙(もー無理!もーっ無理!なにこのギスギスした空間!?紅孩児も牛魔王様になんか突っ掛かってるし!)ヒソヒソ

羊力大仙(我輩、胃に穴が空きそうである!帰りたい!帰りたいぞこれは!)ヒソヒソ

鹿力大仙「おーし!ガチョウがうまぁく焼けたぜ皆!皮はパリパリ肉はジューシー…って、どーしたお前ら、汗がすげぇぞ?」

虎力大仙「……馬鹿は気楽で良いわよね…」

羊力大仙「…その心臓、分けてくれ本当に…」

鹿力大仙「?」
171: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/10(火) 15:02:33 ID:esaHs83m3Q
虎力大仙「……はぁぁ……つかれた……」

紅孩児「…やあ」

虎力大仙「…紅孩児。奥様方は?」

紅孩児「母上はやっと部屋に戻ってくれたよ。玉面さんも帰った」

虎力大仙「牛魔王様が早々に寝てくれて助かったわね。あんなんで朝までコースとかやられたら堪んないわ」

紅孩児「ふふ、御苦労様。鹿力さんと羊力さんは?」

虎力大仙「…鹿力は『そーいや俺、作ってばっかでなんも食ってねぇ!』とか言ってゴハン食べに。羊力はマジで胃に穴が開いて病院。労災出るんでしょーね?」

紅孩児「なんとも正反対な二人だね……」

虎力大仙「…アンタも随分ゲッソリしてるじゃない。ママの愚痴の相手、きつかったみたいねー」

紅孩児「ふふふ。で、虎力さん、好きな人いるの?鹿力さん?羊力さん?まさかウチの父上?」

虎力大仙「いやなにイキナリその乙女チックな話題、気持ち悪っ!」

紅孩児「良いじゃないの女同士そんな照れないで」

虎力大仙「鹿力と羊力は家族みたいなモノだし、そ、そりゃ牛魔王様はカッコいいけど……じゃないわよ。なにどうしたの大丈夫アンタ?」

紅孩児「母上と玉面さん連続でドロドロとした愚痴を聞かされた身にもなってくれ!もう辛い!ピュアな空気に浸りたい!女の汚い所をもう見たくない!」

虎力大仙「お、おちついて」

紅孩児「父上に絡んでたのも、あの二人と話したく無いからなのに!虎力さんたちは片付けだなんだってすぐに逃げるし!玉面さんはなんか『パパと同じ匂いがする』とかで僕に引っ付いてくるしそれを見てさらに母上は激昂するし!しまいにゃ芭蕉扇持ち出そうとするし館ごと吹き飛ばす気かあの人は!」

虎力大仙「どうどう」

紅孩児「これだから女は…!僕はこんなことなら男で良かった…!ドロドロドロドロと面倒臭い…!」

虎力大仙「ま、まあまあ。紅孩児美人なんだから、そんな勿体無いコト、ね?」

紅孩児「……虎力さん…」

虎力大仙「さて、アタシも全然飲めなかったんだから、付き合いなさいよ。行くわよ」

紅孩児「…やさしい……もしかして虎力さん、僕のこと…!でも僕には悟空が……そうだそれなら二人とも」

虎力大仙「アンタやっぱ牛魔王様の子供だわ」
172: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/11(水) 19:27:16 ID:yNWzRbQuPg
「万寿ランドへ、ようこそ〜!」


三蔵「……なんだこりゃ」

八戒「……遊園地、じゃの」

小龍「……霊感大王さんの話では、万寿山は五荘観、という寺にあると言ってましたけど…」

悟空「お師匠さま!私あれ!あれ乗りたい!」

沙悟浄「デ、デートの定番…!ゆうえんち…!」

三蔵「うーん、俺もガキの頃ならワクワクもしたろうが、こうも原色でゴテゴテしてると気が引けちまうな。これが大人になるってコトなのか…」

八戒「回転木馬に興じとる幼子をガン見しながら何を言うとるか。しかしこの有り様……霊感大王が嘘を吐いたとは思えぬが、目当ての人参果、何処にあるものやら」

小龍「…お寺は見当たりませんね。奇妙な城やら、可笑しな建物だらけです」

沙悟浄「よし手分けして探そう!姐さん達とシャオはあっち、アタイと旦那様は観覧車を!」

悟空「えー、やっぱりまずはなんか食べたい!えっと…あっ!あのお店!」

三蔵「お前らマジで引っ張り合うの止めろ比喩じゃなく体が裂けるテーマパーク殺人事件になる」

八戒「…お主ら、遊びに来たワケでは無いぞ?」

悟空「違うよ八戒ちゃん、ほらあのお店!売ってるよ、人参果!」

八戒「そう、ワシの力を戻せるはずの人参果を………なんじゃと?」
173: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/11(水) 19:28:35 ID:yNWzRbQuPg





小龍「…人参果アイス、人参果ジュース、人参果まんじゅう…」

沙悟浄「とろける人参果プリン、ちょっぴり大人のビターな人参果ティラミス……選り取りみどりじゃないのさ、姐さん」

八戒「…ほほ……ワンコインで買えちゃうのう」

悟空「おにーさんっ!人参果焼きそばと人参果シェイク!」

店員「はいよっ」

三蔵「スイーツに行かないあたりが悟空だぜ。店員さん、この人参果って」

店員「おっと、お客さん万寿ランドは初めてかい?人参果ってぇのは、ここらの地域に伝わる伝説のフルーツよ!その実を匂うだけでも万年長寿、食えば仙人にだってなれるっつー代物だ!ま、伝説だけどな!」

小龍「…え。ではこの人参果料理は」

店員「あっはは、悪ぃな坊っちゃん、子供に嘘をつけねぇもんなあ。ニセモノだ。でも兄ちゃんが最高の食材を選んで作ってっからよ!ガッカリしねぇで食ってってくれ、な!ほら、これはサービスだ!」

小龍「…ぐるぐる飴を貰いました、悟能様」

八戒「…良かったのう」

悟空「やひほあ、おひひぃお!」

三蔵「あ、うん美味いな人参果焼きそば」

沙悟浄「食べたら観覧車乗ろうよ旦那様」

八戒「…ワシも遊園地モードに入って良いかのう」

小龍「…いや悟能様の用事でしょうに」
174: 名無しさん@読者の声:2013/9/11(水) 21:10:42 ID:HJiOnTdgsw
会話のテンポが良くてこのSS大好きだよー!
175: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/12(木) 19:46:00 ID:jrYEHBO52g
沙悟浄「んふふふふぅ…♪観覧車、楽しかったねぇ旦那様ぁ♪」

三蔵「一時間も並んでゆっくり回るだけとか、俺には意味がわからん」

沙悟浄「そんなこと言って、てっぺんまで来たときテンション上がってたじゃないのさ、んふふぅ♪」

三蔵「…まあ、それは。てか悟浄そろそろ腕を離してくれ手の感覚が無くなってきた!」

八戒「楽しそうじゃの、まったく」

沙悟浄「あ、姐さん。ゴメンよ、アタイと旦那様の方は収穫無しだったよぅ♪」

小龍「…まあこの二人で真面目に聞き込みしてるはずないですけどね」

三蔵「誰と組んでも俺に決定権など無かろうに。そっちはなんか掴めたのか?」

八戒「うむ、思うたより地元の者が少のうての。じゃが眉唾でも無さそうじゃ。もう少し調べたいところじゃがな」

三蔵「まあ宿とかも充実してるし、ゆっくりと……で、一応聞くけど悟空は?」

小龍「…ジェットコースターの列に。どうしても乗りたい、と」

八戒「3時間待ちとかじゃったの。流石に時間のムダではないかと止めたのじゃが」

三蔵「子供かアイツは」

沙悟浄「よっぽど觔斗雲の術の方がスピードもスリルも上だろうにねぇ、悟空姐さん」

八戒「言ったがの。『それとこれとは違うの!』だそうじゃ」

小龍「…自由な人ですからね」

三蔵「……そんでそろそろ突っ込むけど、お前らそのネコ耳やらウサギ耳やら風船やら光るウチワやら、なんなの?」

沙悟浄「遊園地に馴染み過ぎだよ二人とも」
176: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/12(木) 19:47:33 ID:jrYEHBO52g
ネコ耳八戒「…いや、これはの?遊んでたとかじゃ無いのじゃ。本当に」

ウサ耳小龍「…くれるんですよ、周りが。なんかこう、微笑ましいモノを見る顔で」

沙悟浄「あー、端から見たら可愛らしいお子様カップルだもんねぇ、二人」

三蔵「実際は非道君主と冷淡従者なのにな」

八戒「お、なんかそれカッコいいのう」

小龍「…悟能様は非道ではありませんよ。たまにやり過ぎるだけです」

沙悟浄「…たまに?」

三蔵「やり過ぎるっつーかヤり過ぎっつーか。ん?なんだあの人だかり」

八戒「おお?あんな塔、建っとったか?」

沙悟浄「いや、無かったハズだよ。あんなデカイの何処から…なんか傾いてないかい?」

小龍「…揺れてるようにも見えますね。人だかりで根本は見えませんが、何でしょうねあの赤い塔は…」

一同「……………………………」

三蔵「違ぇあれ悟空の如意棒だ!」

八戒「こんな場所で何をおっ立てとるんじゃあの阿呆姉者は!」

沙悟浄「まったくあんな大きくしてどーゆーつもりだい!?」

小龍「…なぜ自分の股間を見たのですか先生」

三蔵「わかってるのに訊くのは良くないな小龍くん」
177: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/13(金) 15:35:07 ID:f7g/DA//3A
三蔵「ちょっとすんません、すんません」

八戒「ええい、なんという人混みじゃ。煩わしいっ」

沙悟浄「悟空姐さん、トチ狂って如意棒振り回さないでおくれよ……っ!誰だい今アタイの足踏んだのっ!」

小龍「…こんな所で悟空さんが暴れたら、大惨事になりますからね」

三蔵「本気のアイツって山とか壊しちゃうんだろ?アカンアカンそれはアカン」

八戒「ぷへっ!ふぃ、やっと見えた……」



若娘「なになに?演劇かなんか?」

男「すごいなあの娘、あんなでっかいモン持ち上げて」

女「バカね、きっと風船かなんかで、糸とかで吊ってるのよ」


悟空「謝るんなら今のうちですよ!これ以上ふざけたコト言うなら、ペシャンコにしますからね!」

玉面公主「……玉は悪いことしてないもの。貴女に下げる頭なんて、無いわ……」

悟空「むっかぁぁあ!何ですかその態度は!やって良いコトと悪いコトの区別くらい出来ないんですか!」

玉面公主「……無双の大罪人、孫悟空がそれを言う……?」

悟空「私はここまで非道いコトしてないもんっ!」


三蔵「おーい!なにやってんだ悟……お。先日のクールビューティロリ人妻」

沙悟浄「むっ」

小龍「…玉面公主…!」

八戒「……ほう。いくら姉者とは言え、考え無しに臨戦体制にはならんと思うとったが。確かにこの者相手なら、油断は禁物じゃの。じゃが姉者よ、得物はも少し小さくせい。周囲に被害が出るぞい」


玉面公主「……お仲間さんが、なにか言ってるわよ……」

悟空「話をそらさないで!やっぱり地面にめり込まないと反省出来ませんか!?」
178: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/13(金) 15:37:36 ID:f7g/DA//3A
八戒「…おぅい、姉者?」

沙悟浄「頭に血ぃ上って、聞こえちゃいないね。まずいよ、このままバトルし出したら、この前の紅孩児の時みたいに…」

小龍「…最悪、周りの人間たちを安全な場所まで…」

三蔵「あんのトラブルメーカーめ……そもそも何をそんな怒ってんだアイツは。しゃーねぇなあ」

沙悟浄「ちょ!旦那様あぶないよっ!」

八戒「あの今にもはち切れそうな姉者の気。ワシでも容易に近づけんと言うに……師匠殿は大物なのか馬鹿なのか」

小龍「…大物で馬鹿なんじゃないですか?」



悟空「よぉぉしもぉ謝っても許しませんからね…!真っ赤なトマトになってグチャっと」

三蔵「グロいわボケ」

悟空「しっぽっ!?」

三蔵「なにキレてんだお前は。迷惑かけるんじゃありません全く」

悟空「…お、お師匠さま……。だ、だってだって!あの子が!あの子が悪いんですよ!」

三蔵「そうか毛玉オバケとかバカにされたんだな、辛かったな悟空…」

悟空「誰かさんのおかげで免疫が出来ましたんで、それくらいじゃキレませんねぇもう」
179: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/13(金) 15:38:50 ID:f7g/DA//3A
玉面公主「…………へえ」

八戒「落ち着いてくれたようじゃの」

沙悟浄「さっすが旦那様!」

小龍「…で、コトの起こりは何なんですか?」

悟空「あ、みんなも。いやでも本当にあの子が悪いの!」

玉面公主(……羽虫一匹、肌に触れようものなら弾ける。そんな武威だった。それを一瞬で緩く、弛く。……玄奘三蔵法師……)

悟空「私、もう二時間は並んでるのに!あの子割り込んですぐに乗ろうとしたんだよジェットコースター!」

玉面公主「……玉はここのスポンサーだもの。当然の権利だわ…」

悟空「スポンサーだかスッポンポンだか知らないけど、みんなずっと待ってるんだから!ちゃんと並んで!」

玉面公主「……貧乏人と違って、玉は時間を大切にするタイプだから…」

悟空「やっぱりペシャンコにしてや痛い痛い痛いっ!お師匠さまなんでっ!?」

三蔵「なんでじゃねぇよ下らねぇ!」

八戒「…姉者」

沙悟浄「…姐さんらしいけど、ねぇ」

小龍「…これは流石に」

悟空「なんでっ!?悪いことじゃんっ!なんでみんなそんな冷たい目をっ!?ちょっとお師匠さまの気持ちがわかったコレは辛いよ!」

三蔵「だろう?特に小龍がヤバイだろ?」

悟空「でもちょっとゾクゾクする何かに目覚めそうになる!」
180: 【今回は番外編です】ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/14(土) 20:58:17 ID:LGBzHj3e.c
こんな世界なら。



すべて燃えてしまえば良いと思った。



「その罪、赦すに重く」

「その火、悪に燃ゆる」

「龍の息子は、火の子なり」

「龍の息子は、罪の子なり」


この身体を貫く刃を見よ。この鮮血に染まった刃を見よ。

我が子を刑台に躊躇いなく突き出す親を。
表情すら無い、天人の顔を見よ。

「…お前らなんて、死ねばいい」

牙を剥き出し、眼を見開いて、幾度と知れず口を汚す。


「悪の蛇に、裁きを」

「道を知らぬ罪人に、教えを」


天に裁かれながら、天を信ぜよ。

天に刃を突き立てられ、天を尊べ。

ただただ正しい、正しいだけの世界を見よ。


……クソ食らえだ。
181: 【今回は番外編です】ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/14(土) 21:01:10 ID:LGBzHj3e.c




『まったくじゃの』

…わかりますか。いや、わからないでしょうね。

『お主が怪我をしとることならわかる』

…ほっといてくださいよ。

『放っといたら死ぬじゃろが阿呆。拾ってやった礼くらい言わんかい』

…構いません。捨てていってください。

『拾ったんじゃから、ワシのもんじゃ。返してほしくば、誠意を見せい』

…別に要りませんよ、私なんて。

『ならば返さん。後から返せと喚いても、もう知らんぞい』

………………




『おお、小綺麗にすればなかなかの美少年じゃの』

…私なんかを助けても、なんの利もありませんよ。

『炊事洗濯掃除に遣い走り、これがタダで手に入ったのじゃ。利しか無いわい。ほほ』

…逃げるかもしれませんよ。

『追いかける。主はワシのモノじゃ。ワシの許可無くして何処にもやらぬ』

…なんで、そこまで。

『……拾ったからじゃ。ほっほっほ』




…その小さな主人は、私より悪人で。

…その小さな主人は、私より賢く。

…その小さな主人は、我が儘で。
182: 【今回は番外編です】ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/14(土) 21:03:49 ID:LGBzHj3e.c
『おうい、湯がぬるい。薪を足せい』 

『腹が減った。はよ飯じゃ飯』

『暇じゃからなんか面白い話でも頼む。ええい、無ければ考えい』

『ちょっと笑ってみい。うむ、そうじゃ!』


…私より遥かに、強い人だった。


『…お主を拾うて、どれ程経ったかの』

…さあ、冬は数回来ましたが。

『返さんからの』

…ええ。もう、あげますよ。


…飽きるまで持っていて下さい、悟能様。
183: 【今回は番外編です】ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/14(土) 21:07:51 ID:LGBzHj3e.c









八戒「…と、こうしてワシが小龍を拾ってやったワケじゃ」

悟空「シャオくんかわいそうぅぅぅ…!拾ってくれてありがとう八戒ちゃんっ!」

沙悟浄「刑罰で刺刀を受けるだなんて、結構ハードなコトされてんだねぇ」

三蔵「てかマジで放火犯だったのか小龍」

八戒「うむ。まあ人は見た目では解らぬものよ。虫も殺さんよーな顔をした殺人鬼などそこらに」

小龍「…なに嘘八百吐いてるんですか悟能様」

八戒「ほ。起こしてしまったか」

悟空「えーっ?ウソなの?」

小龍「…なんですか全て燃えろとか情緒不安定ですか。私は天ぷら揚げてて火事を出しちゃっただけですよ」

三蔵「主婦の不注意だ!」

小龍「…まさかあれで家宝まで燃えるわ死罪になりかけるわ、なにがなんだか」

悟空「天界ってこわいよね!常識とか無いもんね!」

沙悟浄「油断出来ないからねぇ。天帝が一番情緒不安定だよホント」
184: 【今回は番外編です】ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/14(土) 21:09:19 ID:LGBzHj3e.c

八戒「…ほほ、まあ戯れじゃ、小龍。この方がカッコいいじゃろ?」

小龍「…まったく……皆さんもう朝になりますよ。少しは寝ないと」

悟空「おお!そだね、朝御飯食べ損ねちゃうもんね!トイレいってこよーっと!」

三蔵「あ、歯ぁ磨いてねーや」

八戒「ワシはひとっ風呂浴びてから寝るかのう」

沙悟浄「シャオ、起こして悪かったねぇ」

小龍「…いえ」

沙悟浄「……ねぇ、あの話。ホントに嘘なのかい?」

小龍「………さあ、どうでしょう」

沙悟浄「…ふふ。お休み、シャオ」

小龍「…おやすみなさい」







…この、知らぬ世界を見よ。

正しくもなく、清くもなく、煤けて汚れた世界を。

しかし、血の通った、この世界を。







外伝『龍と少女』
185: 名無しさん@読者の声:2013/9/14(土) 22:29:15 ID:xI6qAn0DQs
シャオロン君過去編キタ━━( ´∀`),,゚Д゚)・ω・)゚∀゚)^ω^) ̄ー ̄)@∀@)´_ゝ`)゚ー゚)・∀・)゚∋゚)━━!!!!
186: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/15(日) 21:26:23 ID:GjE.pg6sLA
創作板のイベントだって言うんでお話止めてなんかしました見逃して。

今日は疲れてるんでイベントの更新はこの番外編で見逃して。

台風気を付けてねー。
187: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/16(月) 14:01:44 ID:dDcXJHxXRg
三蔵「はい皆さんありがとうございましたー!サプライズ演劇、これにて終了とさせて頂きまーす!」

女「すごかったねー!」

男「褐色のねーちゃんの演舞、色っぽかったぜぇ…」

子供「おにーちゃんが竜になったね!ね!」

母親「ねえ、カッコよかったねぇ」




八戒「…なんとか誤魔化せたかの」

悟空「いっぱい拍手貰ったね!楽しかった!」

沙悟浄「姐さん……よくまあそうコロコロと気分が切り替えられるねぇ…」

小龍「…疲れました。私らがここまでする必要があるんですかね」

三蔵「こーでもしなきゃギャラリー散らせなかったろ。みんなお疲れー」

玉面公主「……面白かったわ……」

八戒「なんじゃ、まだ居ったのかお主」

悟空「割り込み子!なんですかまだお説教が足りませんか!」

玉面公主「……三蔵法師…」

三蔵「え?」

沙悟浄「旦那様に近付くな殺すよ餓鬼」

玉面公主「………敵意は無いわ。貴女達のボスは、彼なのでしょう?」

小龍「…何を企んでいるんです」

玉面公主「………これ」

三蔵「…名刺?」
188: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/16(月) 14:03:34 ID:dDcXJHxXRg
八戒「摩雲カンパニー総帥代理、白面企画(株)代表取締役、玉面公主…」

小龍「…本当にこの遊園地の出資者だったんですね…」

悟空「だからって割り込みはダメだよ!お客さんを蔑ろにして」

玉面公主「……貴女には、これ」

悟空「偉い人だったんだねぇ、じゃあしょーがないねぇ♪」

沙悟浄「年間パスひとつで懐柔されないどくれ姐さん!」

三蔵「ロリで人妻で社長かよ。属性多いなアンタ」

玉面公主「……死んだパパの会社よ……まあ玉が大きくしたんだけど。玉、優秀だから」

八戒「ほほ、自尊の強い者は嫌いではないがの。で?こんな物を見せて何のつもりじゃ?」

玉面公主「……だから、ウチで働かない?ショーのスタッフとして。お給金、弾むわよ……?」

沙悟浄「馬鹿言ってんじゃあないよ!敵の下になんて、アタイらを舐めたら痛い目見せるよ!」

小龍「…立場、というものを知らないようですね」

玉面公主「……人参果」

八戒「…っ!」

玉面公主「……欲しいんでしょう?人参果。働きによっては考えてあげるわよ?……都城ひとつより値の張る代物だけど……玉、やさしいから」

沙悟浄「…し、信用できないね!アンタは旦那様を食らおうとしてる牛魔王の」

小龍「………悟浄、さん…!」

沙悟浄「……シャオ…」

八戒「……」
189: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/16(月) 14:05:53 ID:dDcXJHxXRg
玉面公主「……まあ、そうなるでしょうね………だから、ボスに訊いたのよ。…どう?三蔵法師」

小龍「…先生、罠だとは解っています。いますが、しかし…!」

八戒「小龍、冷静になれい!」

三蔵「うん、やろう」

沙悟浄「旦那様っ!?」

八戒「師匠殿、悟浄の言う通りじゃ。ワシも敵の情けなぞ………」

三蔵「俺はまだ食べれるレベルじゃないんだろ?捕まっちゃったらまた助けてくれ。八戒、悟浄、お前らの考えはわかるけど、小龍が俺に頭下げてんだぞ?断ったら多分、今後の罵倒で消し飛ぶぞ、俺」

小龍「…先生…!」

沙悟浄「…あーもう!わかったよ!でも少しでも危なくなったら暴れるからねアタイは!」

小龍「…ありがとう、ございます……」

八戒「………いや、皆…すまぬ。小龍、すまぬ。感謝する…!」

玉面公主「……美しい情ね。………決まったかしら」

三蔵「おう。キチッと仕事してやる。そしたら約束通り人参果ってやつを寄越せよ。それと」

玉面公主「……それと?」


ガラガラガラガシャァァァァァァアン…!!!


三蔵「…この弁償代、チャラで」

悟空「ケホッ、ケホッ………あれ?故障?」

八戒「ちょ、なにやっとんじゃ姉者!?」

悟空「え、いや、ジェットコースター乗ってたんだけど」

沙悟浄「何をどーしたらジェットコースターが崩壊するんだい!?てかいつの間に乗って!?」

悟空「いや、なんかもっとスピード出ろ出ろ〜って思ってたら、あれ?」

小龍「……路銀の残りでは、払えそうにありませんね」

三蔵「弁償代プラス旅費も下さい」

玉面公主「………考えとくわ……」
190: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/17(火) 17:45:50 ID:FYaeDtpdPU
小龍「…やあやあ我こそは、天下無双のそんごくう…」

玉面公主「……もっと元気に。やりなおし」

小龍「…やはり孫悟空役は、悟空さんのが合ってると思うのですが」

玉面公主「……舞台を壊されちゃ敵わないわ。いいじゃない、主人公は男の子の方が映えるわ」

悟空「壊さないよ!私だけ仲間外れ嫌だっ!」

玉面公主「……玉龍役は白馬を用意すれば良いだけだし。子供向けの劇でムダ乳を揺らすのも良くないし」

悟空「すごい怖い目!?」

八戒「…のう、ワシの台詞じゃが、どーしても語尾に『ブヒ』って付けねばならんのか?」

玉面公主「……世間に広まってる猪八戒像は、どんくさくてマヌケでスケベな豚の妖怪だもの……諦めなさい…」

八戒「なんでそんな風に伝わっとるんじゃ!」

沙悟浄「それでもスケベって情報だけは伝わるあたり姐さんだねぇ」

三蔵「で、俺と悟浄が逆なのは?」

玉面公主「……最近の京劇の流行りよ。三蔵法師役は美形の女優が演るものなの」

沙悟浄「美形……!旦那様、聞いた?聞いた?」

三蔵「持ち上げに弱いよなお前も」

玉面公主「……それに沙悟浄って地味で見せ場も無いし、誰でも出来るから」

沙悟浄「なんだってぇ!?」

三蔵「上げられたり下げられたり大変だなお前も」
191: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/17(火) 17:47:08 ID:FYaeDtpdPU
玉面公主「……子供向けだから、大事なのは殺陣のシーンよ。物語部分は舞台でやるけど、そこは舞台前の広場まで出てきて貰うわ。……孫悟空、貴女はそこでパパ…牛魔王役をやってもらうから。鎧を着込めばクソ乳も隠せるし」

悟空「お、お兄ちゃんの役……てかクソ乳って悪口初めて!なにそれ!」

沙悟浄「…本当に何も企んで無いんだろうね」

玉面公主「……勿論。企んでるのは劇の成功だけよ。……そうそう、殺陣のシーンでは玉が観客に防御結界を掛けておくから。多少本気でやりあってもいいわ。………それじゃ、稽古を続けてて」



沙悟浄「…まったく信用出来ないねぇ……女狐だよ本当」

八戒「何度か殺気を送ってみたがの、眉ひとつ動かさん。あれは強いぞい」

小龍「…無事に終われば良いですが…」

悟空「……クソ乳はひどいよぅ…」

三蔵「でもちょっと楽しんでるだろお前ら」

沙悟浄「い、いやそりゃまあ美形とか言われるとヤル気が出ないでも無いさねムフフゥ…♪」

八戒「台本読んでみたが、猪八戒っておいしい役どころじゃの。台詞も出番も多いしさすがワシじゃ」

小龍「…この京劇の悟空さんの衣装、格好良いなあ、とは……」

悟空「お兄ちゃんのモノマネ本気でいこうと思います」

三蔵「それでこそお前らだ」
192: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/19(木) 13:07:52 ID:FYaeDtpdPU
三蔵「やー、小龍の孫悟空も板についてきたな。もう一番弟子あの子でいーんじゃないかと思えてきた」

悟空「もともと悟浄ちゃんより兄弟子なんですけどね。無理ですよお師匠さま、『兄さん』って呼べないよ可愛いもん」

玉面公主「……稽古、サボり?」

三蔵「サボりも何もほとんど台詞ねーんだもん沙悟浄」

悟空「私なんて『てきとーに悪い奴やって倒されて』って、これしか書いてないよ台本!紙切れ1枚!差別だよ!」

玉面公主「……それもそうね。三蔵法師、隣、良いかしら」

三蔵「良いけど君が俺に近付くと舞台の上の三蔵法師がメッチャ睨んでくるんだが」

悟空「悟浄ちゃん大丈夫だから私居るから殺気を止めて!乗ってる白馬が怯えてるかわいそう!」

玉面公主「……………」

三蔵「あの、顔が近いです顔が近いです。どうしよう悟空このままだと本能に負けて抱き締めてしまいそうになる!」

悟空「お師匠さま頑張って耐えて!そんなんしたら舞台の上の三蔵法師が爆発しちゃう!白馬今でさえもう汗だくかわいそう!」

玉面公主「………やはり、魂は濁っている。それなのに………」

三蔵「な、なんだよまたレベル鑑定かよ」

悟空「よく耐えたねお師匠さま!魂濁ってるクセに!」

三蔵「……緊箍児?」

悟空「ノー緊箍児。このくらいでやられてたら私のおでこが持たない」

玉面公主「……玄奘三蔵法師……いえ、陳 紅流。貴方は何者……?」

悟空「ちんこ…うりゅー?」

三蔵「そこで切るな!…なんで俺の本名知ってんだよアンタ。喋ってねーぞ俺」

悟空「本名なんてあったのお師匠さま!?」
193: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/19(木) 13:10:03 ID:FYaeDtpdPU
玉面公主「……父は陳蕚、母は満堂嬌。江州長官と帝国宰相の娘が一子……良いとこのボンボンね……」

三蔵「ぐ、そこまで」

悟空「ストーカー…?」

玉面公主「……摩雲カンパニーの情報収集能力は大陸一………色々あって金山僧侶学園に入学、成績はいつも赤点ギリギリ、しかしムダに解呪の実技だけは得意という典型的なヤル気の無いタイプ……」

三蔵「こわいこわいプライバシーが無い」

悟空「お師匠さま法術とか全く出来ませんもんね」

玉面公主「……当時の担任僧侶、法明和尚のインタビューによると、『修行中も隠れてロリエロ漫画三昧、態度も不遜で何度破門にしようと思ったかわからない。しかし何故かお偉方に気に入られてて手が出せず、もういっそ殺してやろうかと』」

三蔵「あのハゲ!」

悟空「お坊さんはみんなハゲですよ」

玉面公主「………どこをどう突っついても、徳も仁も見当たらないわ。………何故……貴方が……」

三蔵「だから近い!」

玉面公主「……いっそ……少し食べれば………」

悟空「あ」

沙悟浄「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!もう我慢ならないっ!!!近付くんじゃないよ女狐ぇぇえっ!!!」

三蔵「バカお前その勢いでへぶらっ!?」

悟空「お師匠さまーっ!?」

沙悟浄「やっぱり離さない離れない!もうこのままくっついて生きるからねアタイ!」

三蔵「ギブ、ぎ、くるし、ご、悟空っ、助けっ…!」

悟空「悟浄ちゃんストップストップ!魂食べられる以前に魂出ちゃう多分口から!玉面さん止め……居ないし!あーもー二人も見てないで手伝って!」

八戒「…やめるでブヒ、兄貴!……違うのう。……やめるでブヒよ、兄貴ぃ!…おお、こうじゃな!」

小龍「……『我こそは天下無双!』のところで一回如意棒を地面に突き立てて……うん、その方が格好良いですね…!」

悟空「二人ともってばーっ!」
194: 名無しさん@読者の声:2013/9/19(木) 13:14:39 ID:WVZHgk7m4w
玉面ちゃんにつまみ食いされたい
支援
195: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/20(金) 20:26:32 ID:dCYYu0Pb2o
沙悟浄(三蔵)「出たな妖魔め。みな、お師様をお守りするのだ」

猪八戒(八戒)「ひ、ひいいっ!あ、あれは牛魔王でブヒ!あんな強いやつ、敵わないでブヒよ!」

三蔵法師(沙悟浄)「なにを弱気になっているのですか。沙和尚、猪八戒、孫行者よ。これも試練、天竺にてありがたいお経を授かるまで、挫けてはならないのです」

孫悟空(小龍)「おう、お師匠さま!我こそは天下無双、斉天大聖孫悟空だ!正義の如意棒、受けてみやがれ!」

牛魔王(悟空)「くっくっく、このおれをぎゅーまおーとしってなお、むかってくるか。さけのさかなにしてやるぜ!」

孫悟空(小龍)「いくぞ牛魔王っ!」

ワーッ ワーッ


 



男児「そんごくー、かっこよかったー!」

女児「さんぞーほーしさま、きれいだった!」

母親「すごい力の入った京劇だったわねぇ」

父親「さすがは摩雲カンパニーの擁する遊園地のショーだな。でも牛魔王役、清々しいまでに棒読みだったなー」

男児「またみたいねー♪」

女児「ねー♪」





沙悟浄「おわったぁぁあ…!」

八戒「物凄い声援だったのう。娯楽の力は強いわい」

小龍「…緊張しましたね」

三蔵「疲れた。おい棒読み、お茶取って」

悟空「その呼び方やめて!反省してます!」
196: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/20(金) 20:28:40 ID:dCYYu0Pb2o
玉面公主「……ブラボー。素晴らしかったわ…」

三蔵「まあ俺達にかかればこれくらい」

八戒「ほっとんど台詞の無い奴が何を威張っとるか。やはりワシの役どころを捉えた演技が……いや、ノリノリの小龍が決め手じゃったの、ほほ」

小龍「…ご、悟能様…!」

玉面公主「……約一名、ひっっっっどい棒読みだったけど……」

悟空「悟浄ちゃあん、みんながいじめるぅ」

沙悟浄「よしよし姐さん。頑張ったのにねぇ。ただ倒れるシーンで『ばたーん』って口で言った時にゃ、この人マジですか、って思ったけど」

悟空「みんながいじめる!」

八戒「そんなことより玉面公主よ。約定は違えぬであろうの?」

玉面公主「……もちろん。予想以上の出来だったし、文句無いわ。………よいしょ。……はい、これ…」

沙悟浄「これは……」

小龍「…なんというか……」

悟空「……赤ちゃん?」

三蔵「赤ちゃんだな」

八戒「いやいやいや玉面公主。ワシは赤子をくれとは言うとらんぞ。人喰いの趣味は……てか誰の子じゃこれ」

玉面公主「……だから、それが人参果」

八戒「いや、これどう見ても人間の赤子…」

玉面公主「……そーゆー形なの」

八戒「あ、頭とかうっすら髪とか生えとるし」

玉面公主「……柿のヘタみたいなものよ。あ……全部食べないと効果、無いからね…?」

八戒「こ、これを……?全部……?って、おいお主ら。なぜワシから離れる」

悟空「た、食べるトコ、見たくないなぁ……と」

三蔵「右に同じ」

小龍「…………」

沙悟浄「姐さん、ファイト!」

八戒「こぉの薄情者どもめぇっ!!」
197: 名無しさん@読者の声:2013/9/20(金) 21:07:39 ID:P5ppY8CIwY
地面に落としたらあかんやつか。
埋まっても掘り出したら食えるのかなあれ
198: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 00:24:37 ID:4Qd8sJLF2c
ズルッ……ビチャッ……シャリッ……


悟空「うううう、音が、音がなんかスプラッタな想像を掻き立てるよぅ!」

小龍「…先生、ちょっと今どんな感じか振り向いて見てください」

三蔵「はっはっは断る!」

沙悟浄「赤ん坊を貪る幼女……ホラー以外の何物でもないねぇ…」

グチュ……ピチャ……

八戒「……食べ、終わった、ぞい…!」

沙悟浄「姐さんよく頑張ったね!……って、うわ」

悟空「て、手とか口許とか、真っ赤…!」

小龍「…す、すぐに拭くものを…」

三蔵「なにこれ血?」

玉面公主「……果汁よ。しかしよく食べたわね、あんなもん……キモッ……」

八戒「……ほ、ほほ。言い返す気力も残っとらんわい……」

三蔵「八戒、そーゆーの大丈夫だと思ってたんだが」

八戒「ほほ……内蔵から脊髄まで精巧に模してある果肉や芯を口にした感想、事細かに語ってやろうか。ん?」

三蔵「うわあそれはキツイ。いいから涙と血でぐちゃぐちゃな顔を拭け」

八戒「血では無いと言うとろうが!」

小龍「…悟能様、タオルを。……それで、御力の方は…?」

沙悟浄「そうだよ!妖力は戻ったかい?」

悟空「これで戻って無かったら余りにも八戒ちゃんか不憫」

八戒「……お、おお………うむ。なんとも形容し難い感覚じゃの。身体が、軽い……いや、膂力が増したか……?」

玉面公主「……戻ったどころか、恐らく数段パワーアップしてる筈よ………試してみる?」

小龍「…っ!」
199: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 00:26:22 ID:4Qd8sJLF2c
八戒「…ほ。やはり素直には解放せぬか」

沙悟浄「良いねぇ。アンタの清ました頬っ面、打ち叩いてみたいと思ってたトコさね」

悟空「……4対1とか、私ですら無謀だってわかるよ?玉面さん」

玉面公主「……違う違う……玉じゃない……そろそろ来ると思うわ……」

三蔵「…来る?」

悟空「……あ、窓の外」



虎力大仙「ここよ!ここに憎きあの豚が…!」

羊力大仙「玉面第二夫人様によれば、奴は今妖力を失っているとの事。好機である!」

鹿力大仙「ケンカに卑怯も糞も無ぇ。俺ら三大仙をコケにし続けた報い、受けて貰うぜ!」

虎力大仙「出てこいクソ豚小娘!今日こそローストポークにして喰ってやる!」



三蔵「……あれが噂の」 

小龍「…三大仙……通称3馬鹿トリオですか…」

悟空「八戒ちゃん、ご指名三番テーブル〜♪」

八戒「ほほほほ♪こりゃあ丁度良い力試しじゃ。では、いただきま……行ってくるぞい♪」

沙悟浄「玉面の……アンタ鬼かい……」

玉面公主「……くすくす」
200: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 23:22:24 ID:QCeojctKq.
三蔵「おー、すげえすげえ。あ、鹿角の兄ちゃんが吹っ飛んだ」

沙悟浄「八戒姐さん、武術が基本だとばかり思ってたけど……本来は妖術寄りのスタイルだったんだねぇ」

小龍「…生き生きとされてますね」

悟空「私も混ざりたい……おおっ、水術からの雷撃!」

玉面公主「……沙悟浄。これ」

沙悟浄「ん?…金じゃないか。うえ!?ゆうに4、50万銭はあるじゃないのさ!」

玉面公主「……約束の路銀よ。三蔵法師に近付くと、また貴女が煩そうだから………それじゃ。……あ、アレ……殺さない程度で止めてあげてね……」

小龍「…結局、敵に塩を贈っただけですよ。良いのですか」

玉面公主「………パパが……牛魔王が殺せと言うならば、玉は従うわ………それは玉龍、あなた達も同じでしょう……?」

小龍「…従いませんよ無視しますよ」

三蔵「即答だ!」

沙悟浄「従わないね。うん」

悟空「うんうん」

三蔵「お前らこのやろう悟浄までっ。八戒ならきっと……うん断るな」

玉面公主「……あら。思ったより慕われてないのかしら………玉の思い違い……?」

悟空「お師匠さまは、『殺せ』なんて言いませんよ!お、お、お、お兄ちゃんとは違うもん!」

小龍「…低俗で下劣ですが、悪人ではありませんから先生は」

沙悟浄「けど旦那様が優しいからって勘違いするんじゃあないよ?舐めたマネしてくるなら、アタイの独断で殺してやる」

玉面公主「……そう。………その路銀、遣いきれる事を祈っているわ………またね………」
201: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 23:26:16 ID:L72rFc9g22



悟空「…消えちゃった。良いなー、これ私も出来ない術だ」

小龍「…なんとも掴めない方ですね」

沙悟浄「やっぱりこの場で消しとくべきだったかねぇ…」

悟空「いやー、さすがにお金まで貰ったのにそれは私でも躊躇いがあるよ!」

小龍「…何れにせよ、先生のレベルとやらが奴等の考える値に達した時には、当たらねばならない相手ですから」

三蔵「…………」

悟空「お師匠さま、どしたの外ばっかり見て……あ、八戒ちゃん終わったの?」

三蔵「いや、あれ」

悟空「羊マントさんが…うわぁ、黒焦げ。可哀想に…」

小龍「…鹿角の人も、地面にめり込んでますね。大丈夫でしょうか」

沙悟浄「奴等、かなりタフだからね、その心配は…」

三蔵「いや、それよりさ」

悟空「虎ビキニちゃん、なんか喚いてるね」

小龍「…悟能様が悪い顔をしています」

沙悟浄「お、逃げようとしてるね虎女」

悟空「あー、回り込まれちゃった」

小龍「…捕まえて、そして」

沙悟浄「ムリヤリ茂みに連れ込む、と」

三蔵「アカンアカン止めろ!ここ遊園地!夢の国でなんばしよっとですかあの幼女は!」
202: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:26:55 ID:8x9GO0HEAA
悟空「あー、もっと遊んで行きたかったなぁ」

三蔵「遊園地はともかく、宿の飯も美味かったしな、気持ちはわかる」

沙悟浄「次は子供が出来たら来たいねぇ♪家族サービスは夫の務めだよぅ旦那様ぁ♪」

三蔵「君の将来設計はどこまで勝手に進んでるんですかね。あと毎度毎度歩きにくい離れろ!マジで歩きにくいんだぞコレ!」

悟空「もう慣れなよお師匠さま……およ、立て札だ。なになに、この先……これなんて読むの八戒ちゃん」

八戒「……知らん。どーでもええわい」

小龍「…悟能様、そろそろ機嫌を直されては……」

八戒「……ふんじゃ。ワシまだなーんもしとらんかったのに。欲求不満じゃ欲求不満!」

沙悟浄「いや結構ギリギリアウトだったよ姐さん」

悟空「うんうん。『白昼の凌辱!引き千切られたビキニ!』みたいな絵面だったよ」

三蔵「反省どころか不貞腐れるとは。おい小龍、このダメ主人なんとかしろよ」

小龍「…暴れないだけ、丸くなっていますので…」

沙悟浄「これで暴れたら悟空姐さんよりタチ悪いねぇ」

悟空「おっと最近は悟浄ちゃんまでだよ!姉弟子ってなんだろう!」

三蔵「で、立て札だっけか。なになに、このさき比丘(びく)国……比丘…なに、坊さんの国がなんか?」

小龍「…遊園地で聞き込みをした際、近くの国の話なども聞きました。仏信仰の厚い国があるとかなんとか…」

三蔵「ふむ。つまんなそうな国だな。よし避けて通ろう」

悟空「さっすがお師匠さま!それで良いのか僧として!」

沙悟浄「まあ確かに面白味のある国とは思えないしねぇ」

八戒「……女が居らなそうじゃ。避けい避けい」

小龍「…では、多数決なので別のルートを」

観音『……御待ちなさい……玄奘三蔵法師、そして弟子たちよ……』

三蔵「おっと幻聴が疲れてんのかなー俺」
203: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:29:06 ID:8x9GO0HEAA
悟空「嫌がるのを通り越してますねお師匠さま。リアルだよリアル」

沙悟浄「菩薩様かい。何の用だい?」

観音『……その国……比丘国では、王の悪政によって罪も無き民が苦しんでおります……悪を誅して正道を為す……これは仏が御心……』

三蔵「よし観世音様、ちょい待ってくださいタイム」

観音『……え?はあ……』

三蔵(どうしようメチャクチャ面倒臭い。なにこれ行かなきゃダメな感じ?)ヒソヒソ

悟空(でも拒否ると毎晩枕元に立たれますよ?良いんですか?)ヒソヒソ

沙悟浄(面倒臭いってのには同意だねぇ。なんせ相手は王様だろう?)ヒソヒソ

小龍(…あの、このヒソヒソ話、観世音菩薩の前で意味あるんですか?)ヒソヒソ

三蔵(むー……仕方ない。おい、おい八戒!)ヒソヒソ

八戒「……なんじゃ耳元で気色悪い」

三蔵(お前の話術で観世音を説得してくれ!八戒なら出来るだろ?)ヒソヒソ

八戒「嫌じゃそれこそ面倒臭い。暴れて国王をぶっ潰せばええんじゃろ?その方がストレス解消にもなるわい」

三蔵(……次。一回に限り、ナニしても目を瞑るから)

八戒「乗った」
204: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:31:23 ID:8x9GO0HEAA
観音『……あの……丸聞こえですけど……説得とかされても……』

八戒「ほほほほ、観世音菩薩ともあろうお方が、随分と筋違いな事を仰る」

観音『……筋違い……?猪八戒、貴女は罪を購う気が……』

八戒「そも王の悪政を打ち破り民を救えと言うは、王の首を獲れということに他ならぬ。そうして国の長をすげ替えたところで、それは根本的な解決となるのか否や!」

観音『……そ、それは………しかし現に民が苦しんで…』

八戒「苦しみの無い政など幻想じゃ!王という者は敬愛されてはならぬ考えもある!民に過度の情を生んでは、それ即ち国の滅びる元となる!」

観音『……あの、そーゆー政治の話をしてる訳じゃ……』

八戒「そして愚王と言えどその国の王じゃ!その国の歴史じゃ!真にその政が国の為にならぬとあらば、立ち上がるべきはワシら余所者ではない!民じゃ!観世音よ、そなたは民の力を、否、人の力を信じぬのか!?」

観音『……う、ぐっ……』

八戒「血と汗と涙を流し、そうして人も国も成長してゆくのじゃ!それをワシらが人知を超えた力を以て無理矢理の平和を与えたとて、それでは人が腐る!国が腐る!これだけ言うてもわからんのなら、菩薩など名乗るで無いわっっ!!!」

観音『………ふぐぅぅぅぅ……!』

悟空「八戒ちゃん、なんかよくわかんないけどカッコ良い…!」

沙悟浄「おぉぉ……菩薩様が何も言えなくなってるよ…」

三蔵「予想以上だな。小龍、あの幼女かなり詐欺紛いの悪事を働いて来たろ」

小龍「…ノーコメントです」
205: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 01:03:12 ID:LGBzHj3e.c
観音『……あ、あなたたち……それでも仏の遣いですか……!ええいっ!』

ペカーッ

三蔵「うわ実体化しやがった」

悟空「あ、観音様久しぶりに見た」

沙悟浄「天帝様の宴で見かけて以来だねぇ、アタイも」

八戒「ワシも最後に会うたのは……軍事演習じゃったかの」

小龍「…皆さん、観世音菩薩が『姿まで見せたのに反応が地味…!』みたいな顔してますので、もう少し形だけでも平伏す感じにしてあげても」

観音「そんな哀しい気遣いは要りません玉龍!」

三蔵「何気に小龍は天界全般に辛辣」

観音「…おほん。孫行者?例えば、道中に足を挫いて動けず、空腹で苦しんでいる人が居たらどうします?」

悟空「とどめをさす!」

観音「違います!いっそ楽にしてやらないで!…お、おほん。沙和尚よ。賊に捕らわれ泣いている乙女が居れば、助けるのが正義でしょう?」

沙悟浄「旦那様に女を近付けたくないんで、賊もろとも消し去るのがアタイの正義さね」

観音「そんなハードな正義は菩薩認めません!貴女いちばんマトモに見えるのに!…げほ、おほん。猪八戒……は、少し口が立ちすぎるので……玉龍。貴方は傘を持っています。そして雨に濡れて泣いている子供を見つけます。さあ、どうします?」

小龍「…………」ボソボソ

八戒「空模様を読まずに傘を用意しなかったその子供の自業自得ですね、知りません。…と、言うておる」

観音「会話すらしたくないほど嫌われてる!?玄奘三蔵!あなた一体この者達にどんな教えを施しているのですか!徳の『と』の字も無いじゃないですか!」

三蔵「いや、俺の教えってゆーか、単に観世音様がナメられてるだけじゃないっスかね」

観音「なぜ私を軽んじるのです!?旅立ちの時は皆厳かに私の声を聞いていたではありませぬか!」

三蔵「いやー、なんつーかさっきから生の姿と声を聞いてると、なあ?」

悟空「弄り甲斐があってかわいい!」

沙悟浄「観音様、思ったより面白いねぇ」

小龍「…………」ボソボソ

八戒「簡単に転がせそうなお方じゃの。小龍は『頭が悪そうです』と言っておる」

三蔵「ほら」

観音「ひどい!特に玉龍!」
206: 名無しさん@読者の声:2013/9/25(水) 02:03:59 ID:gH0PTh6W8A
玉龍はシャオくんの本名?
207: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 02:20:12 ID:DA4.g7BxpI
>>206
うん。他にも白竜、白龍馬、意馬、龍馬三太子とかの別名があるよん。
208: 名無しさん@読者の声:2013/9/25(水) 12:17:10 ID:gH0PTh6W8A
ヨシュアさん
ありがとう!
209: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 21:47:18 ID:RZuf16Jx5U
観音「……えと、あの……本当に比丘国を救う気は……ないのですか?」

三蔵「そんな瞳を潤ませられましても。しかし実際八戒の意見も賛成だしなぁ。当の本人達から助けを求められたワケでもなし」

沙悟浄「こ、媚びた上目遣い…!菩薩様のクセに『女』を出してんじゃあないよっ!」

八戒「これ悟浄。流石に菩薩相手に殺気は止めとけい」

小龍「…その国王とやらが人間ならば、私達が手を下すのは確かに…」

悟空「……私も実際、反対」

三蔵「お。食いもんと牛魔王関連以外で真面目な顔とか、珍しいな悟空」

悟空「……あんまり良いコトばっかりしてると、お師匠さまのレベル?…よくわかんないけど、それが上がって食べられちゃう気がする」

沙悟浄「……!」

八戒「…ほ。粗忽粗忽と思うて居たが、やはり一番弟子は姉者じゃの」

小龍「…はい。悟空さん、素晴らしい慧眼です」

三蔵「単に牛魔王が来るのが怖いだけだろ」

悟空「可愛い弟子が心配してるのにコレ、照れて悪態をついてるとかじゃなくて素だからねウチのお師匠さまは!」

八戒「聞いての通りじゃ、観世音菩薩よ。眼前の悪を野放すほど薄情ではないが、善行を押し売るつもりもない。なにより、考えれば考える程に主らを信用できぬ」

沙悟浄「旦那様を付け狙う妖怪共はまだ解りやすいってもんさ。天界のキナ臭さのが、アタイは気に食わないね!」

小龍「………」コクッ

三蔵「なになに、なんか険悪な雰囲気に」

悟空「私も難しい話になるとちょっと」

観音「…ううっ…!わ、私だってその、上の……ゴニョゴニョ……」

八戒「上の?」

観音「はうわ!いや、あの、そのっ!」

青年「はいはい、そこらで堪忍したってや」

観音「も、木叉(もくさ)っ!いるなら早く出てきて助けなさいっ!」
210: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 21:53:08 ID:7C3S5N4Kv6
木叉「あーもー泣かんといて下さいよ師匠。しゃーないやんタバコ切れとって店探してたんやから。ボクの銘柄マイナーやさかい、なかなか売ってへんねんもん。ほんで最後に入った店にも無ぅて、イヤやわー、ムッカつくわー思てたら、店の娘ぉがオトンの吸っとるヤツと同じやわー言うて家から持ってきてくれはって!やー、人間も捨てたモンちゃいますわホンマ!それかアレやね、あの娘ボクにホの字やね。モテる男はハッピーですわ〜!」

三蔵「誰だよこの無限に喋る兄ちゃんは」

悟空「イケメンさんですねぇ」

八戒「なんとも軽薄に過ぎるのう。菩薩の関係者とはとても思えん」

沙悟浄「アタイこーゆーチャラついた男は嫌いだよ」

小龍「…関わりたくないタイプです」

木叉「おー、これはこれは自己紹介が遅れまして、えろうスンマヘン。ボク恵岸行者言いまして、観世音様の弟子やらせてもろてます。呼びにくいで、木叉て呼んでください。やーもー今日はウチの師匠が迷惑かけてもて堪忍してやってや?これでも足りへん頭で頑張ってますんで、そこんとこあんじょう…」

観音「木叉っ!あなたはどっちの味方なのですかっ!」

木叉「なんやのん普段そんな怒鳴らんクセに人前やからって師匠。せやせや三蔵はん、個人的にはボクも無理繰りエエことするってのには反対や。でもな、なんでもガキを引っ捕まえて酷いコト考えとるらしいねん、そこの王様。しかもなんやその国、妖魔の臭いがプンプンや。それなら話は別やろ?アレや、牛魔王のオッサンに似た臭いや。おおかた娘さん辺りが一枚噛んでるっぽいで。行ったって下さいよ、三蔵一行は子供たちの憧れのヒーローや。夢壊さんといてぇな」

三蔵「ホントによく喋る口だなオイ……」

悟空「うえ、こーちゃんまたなんかしてんの…?」

沙悟浄「……どうする?八戒姐さん」

八戒「このまま首を縦に振らんかったら、この男延々喋りそうじゃしのう……それに紅孩児が居るなら、虎娘も……ほほ……いや紅孩児だけでも」

小龍「…悟能様……先生が無責任な約束をするから全く…」

三蔵「えー俺は悪くな痛っ!うん俺のせいだからフトモモをつねるの止めようか君は地味なダメージ与えるの好きだね」
211: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 21:58:15 ID:MzjGJVNmFY
木叉「わかってくれましたかー!さっすがは天下の三蔵法師と仲間達や!ほなボクらはこの辺で。さー帰りますよ師匠、エエ歳して泣いたり怒鳴ったりもう若く無いんやから無理せんで、肩貸しましょか?」

観音「い、いりません!玄奘三蔵!とにかく全ては仏の導きなのです!いいですね!頑張りなさい!」

木叉「適当やなぁ師匠。そんなアバウトな助言されても三蔵はんかて困るやん、も少し具体的に」

観音「うわぁん!黙りなさい!」

木叉「おー怖っ。ほな、さいなら〜♪」





悟空「……なんだったんだろう今のは」

三蔵「嵐が去った、ってのはこのコトだな」

悟空「早口過ぎて何言ってんのかほとんどわかんなかったよぅ…」

沙悟浄「…じゃあ、とりあえず行くかい?そのなんちゃら国」

八戒「納得も何も出来んが、仕方ないじゃろ」

三蔵「まあ幼女…子供が捕らわれてるんなら行かないとな!幼女…子供は国の宝だし!」

小龍「………」

沙悟浄「………」

三蔵「左右からやめろフトモモ千切れる!」

八戒「……レベルの心配、要らなそうじゃの」

悟空「……だねぇ」
212: 名無しさん@読者の声:2013/9/25(水) 22:57:09 ID:gH0PTh6W8A
木叉が完全に小野坂昌也で再生されるwww

しかし遊佐も捨てがたい(笑)

新キャラ好きだなー
213: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/27(金) 00:57:45 ID:CIp68r8DSU
八戒「比丘国なぞと辛気臭い名前の割に、そこそこ垢抜けた街ではないか」

三蔵「ふむ。なんかもっとこう、沈んだ空気を予想してたけど、至って普通だな」

悟空「都会ですよ!お店も人もいっぱい!」

八戒「まあ街から童を拐っておるとは限らんわい。付近には小さい農村も幾つかあるしの」

小龍「…簡単に尻尾は掴めないかもしれないですね」

沙悟浄「さて、とりあえずはどっか店にでも入るかね。歩き続けで喉が乾いちまったよ」

悟空「ごはん!焼き魚食べたい!」

八戒「お、良いのう。それで老酒をクイッと…♪」

小龍「…まだ陽が高いですよ」

沙悟浄「えー。洒落た茶屋あたりの気分なんだけどアタイ」

悟空「サンドイッチとかじゃ今は足りないもん」

八戒「茶屋では酒が出んではないか」

三蔵「よし、そこのオープンスタイルの茶屋にしよう」

悟空「ええーっ!?なんでぇ!?」

沙悟浄「とうとうアタイの愛が伝わったんだね旦那様!えーとシャオ!この国で一番の式場付きの宿を!あ、指輪ってどこで買えば!?」

八戒「なんじゃ師匠殿、まさか本気で手頃な女で済まそうと」

三蔵「お前にだけはそーゆー言われ方されたくねぇ。そうじゃなくてだな、知ってる顔がそこでお茶してるから」

小龍「…知ってる顔…?」




紅孩児「悟空ーっ!こっちこっちー!」

悟空「やっぱりあっちの酒家で焼き魚食べようよ」
214: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/27(金) 01:04:49 ID:4S6ENTFD.M



三蔵「えっと、コーヒー三つとオレンジジュース。あとバナナシェイク。それから軽食セットを五つください」

女給「かしこまりましたぁ」

紅孩児「もう、悟空だけで良かったのに……なんてね。女人国以来だね、皆さんお久しぶり♪」

八戒「お久しぶり、じゃないわい」

悟空「…こーちゃんが絡んでるって知ってたけどさぁ…」

沙悟浄「出てくるなら出てくるで、目が虚ろな国王の横で妖術を掛けてるとか、実は国王は死んでいてアンタが化けてるとか、そーゆーのだろうこの場合」

三蔵「なにのほほんと茶ぁシバいてんだ」

紅孩児「悟空、もしかしてオッパイ大きくなった?」

八戒「話を聞けぃ!」

悟空「おお、まだまだ成長期か私っ」

沙悟浄「姐さんも乳を揉まない!」

悟空「あ、つい。……って、ヤダお師匠さまにシャオくんまでっ。そんなオッパイ見つめないでよエッチ!」

三蔵「…いや、これは胸が成長したと言うより」

小龍「…太っただけですね。目測で5斤(約3s)ほど」

悟空「うちの男性陣のデリカシーが迷子だよ!?」
215: 名無しさん@読者の声:2013/9/27(金) 16:52:00 ID:UA2BXDBNOY
迷子ということは元々あるにはあったのか…?<デリカシー
216: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/27(金) 21:52:00 ID:hH9R6b4r/I
三蔵「違ぇよ俺のデリカシーは迷子なんじゃなくて、基本かくれんぼしてるんだよ特にお前に対しては」

小龍「…女性は多少ふくよかなくらいが魅力的だと、悟能様が仰ってましたので…」

悟空「その子絶対見つかんないよ……もう公園に居ないよお家帰っちゃってるよ……あと八戒ちゃんの性癖とかきいてない」

紅孩児「僕は悟空がどんなに肉ダルマになっても、変わらず愛するよ?」

悟空「フォローにも何にもなってない!てか肉ダルマってなにそれ怖い!」

三蔵「毛ダルマで肉ダルマとか、金玉かよお前」

八戒「ぶふっ」

悟空「女子に言っちゃいけないタイプの悪口だ!そして女子がそんなので笑っちゃダメだよ八戒ちゃん!」


紅孩児「…へぇ、君達の中だと、ツッコミなんだね悟空って。ふふっ」

沙悟浄「まあ弄られる頻度は高いねぇ。悟空姐さんはノリが良すぎるから」

紅孩児「楽しそうで何よりだよ。烈火の如く妬けるけど、ね。ところで、何で僕がこの国に絡んでるって知ってたの?」

沙悟浄「教える義理は無い……けど、奴等を庇う義理もアタイにゃ無いね。観世音菩薩の弟子とやらが言ってたのさ、牛魔王の娘が裏に居る、ってねぇ」

紅孩児「ああ、やっぱり木叉君か。いや、宮殿で侍女達が『西の訛り言葉の男にナンパされた』って話してたから、もしかしてとは思ってたけど」

沙悟浄「ふん。宮殿ね。今回はどんな悪さしてんだい。なんかガキを拐ってるとか、人喰いでも飼ってるのかい?」

紅孩児「答える義理は無い♪……ふふ、良いね。悟浄さんの殺気は僕好みだよ♪」
217: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/27(金) 21:54:03 ID:hH9R6b4r/I
沙悟浄「……アタイ、その手の舐めた態度とられるのが、一番嫌いなんだけどねぇ…!」

八戒「やめとけぃ悟浄。ヘラヘラと笑っておるが、これは困り果てとる顔じゃ。何があった紅孩児」

紅孩児「…スゴイね、八戒さん。なんかパワーアップしたって聞いてたけど、超感覚まで手に入れたの?」

八戒「タダの勘じゃわい。良いから話せぃ、今のお主からは敵意も悪意も感じぬ」

紅孩児「……恥を捨てて話そう。力を貸して欲」

悟空「今日という今日は怒りましたよ私も!お師匠さまだって最近お腹出てきたクセに!」

三蔵「あっテメェ微妙なお年頃の師匠に向かってそれは言っちゃいけない!こ、これはお前らの酒盛りに毎晩付き合わされてるからだなぁ!」

小龍「…毎晩……そうですか…私が寝た後にドンチャン騒ぎしてるんですね…」

悟空「ち、違うのシャオくん!仲間はずれとかじゃないんだよ?ただシャオくん寝ちゃうの早いからっ」

三蔵「除け者にしない為に、小龍の寝てる横で飲んでるしな」

小龍「…人が眠ってる側で騒がないで欲しいんですが。どうも最近うなされると思ったら……」


紅孩児「…えっと、どれくらい待てば終わるかな?あの辺は」

沙悟浄「んー、もう少し待っとくれ」

八戒「小龍がそろそろ締める流れじゃからの」

紅孩児「……ホントに妬けるよ」
218: 名無しさん@読者の声:2013/9/27(金) 22:47:24 ID:iyGyvn07gc
金玉wwwwwwww
くそ噴いちゃったwwwwwwwww女の子なのにwwwwwwwwww
219: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/29(日) 13:21:56 ID:OM/gH/ZlSw
沙悟浄「三バカが宮殿に捕まってる?」

八戒「馬鹿を言えぃ。流石に人間如きにどーこー出来る奴等ではあるまい」

紅孩児「国王は人間なんだけどね。側近の国丈さんと妃の美后さんが妖仙なんだよね。あ、僕らとは別口の」

悟空「でもこーちゃんが居るのに…」

紅孩児「うん、そりゃあ僕に勝てるような連中じゃないよ。でもここ、比丘国を名乗るだけあってさ、城付きの僧侶がいっぱい居るんだよね。ほら、人間の僧侶って戦闘力は皆無なクセに、封印とか守護とか、ヤラシイ術だけは異様に得意じゃない?」

小龍「…そうですね。僧侶はヤラシイですね」

三蔵「男社会だからホモとか多いしな」

悟空「ホモだからってヤラシイわけじゃないと思います!」

紅孩児「うんホモ談義は後でお願い悟空。それで何度か三人を助けようと宮殿に忍び込んだんだけどね。結界結界結界で、ルパンでも待ち構えてんのかって警戒っぷりでね。お手上げなんだよ」

八戒「いっそ宮殿ごと破壊してしまえば良いじゃろ。あの三人なら死にはせんじゃろし」

紅孩児「…この辺りって、牛魔の縄張りなんだよ。あまり派手にやりたくないんだよね。この街の賭場や娼舘なんかも、ウチの息がかかってて資金源になってるし」

沙悟浄「アンタらはヤクザかい…」

紅孩児「似たようなモノかもね。で、たまたまこの国に立ち寄ったら、その国丈さんと美后さんが国王に取り入って悪さしてるって聞いて縄張りを荒らされちゃ困るって事で、とりあえずシメようかと…。まさかこんなことになるとは……」

悟空「めずらしく良いことしようとしたのにねぇ」

小龍「…善行かどうかは微妙ですが。では子供が拐われてると言うのは…?」

紅孩児「国王の命令…まあ国丈が唆してるんだろけどね。よくあるでしょ?子供の心臓を何人分食べると不老不死になるとかなんとか。なるわけないのに」

八戒「人間の王じゃのに、情けないのう。不死なぞに惑わされるとは」

紅孩児「しかも今は宮殿に忍び込むのも難しくてね。……すぐそこだから、ちょっと来てみてよ」






鹿力大仙「俺、最強ぉぉぉぉお!!!ぶるぁぁぁぁあ!!!」

羊力大仙「宮殿には蟻の子一匹通さぬであーる!王公を守るは武人の誉れであーる!」
220: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/29(日) 13:23:35 ID:OM/gH/ZlSw
紅孩児「ガッツリ洗脳されちゃっててね。寝ないで毎日毎日宮殿の回りを固めてるのさ、あの人達」

悟空「うわぁ鹿角の人、気持ち悪いくらいにムキムキになってる」

小龍「…羊マントの方は、気持ち悪いくらいに髭が伸びてますね」

三蔵「ムキムキはわかるけどなんで髭が。で、倒せないのか?」

紅孩児「洗脳術で強化されててね……なんてゆーか、気持ち悪いくらいに頑丈になっちゃって…」

八戒「…タダでさえタフな奴等じゃったからの」

沙悟浄「けっこー本気で打ち込んでも、『まだまだぁ…』とか言って立ち上がる系だからねぇ」

紅孩児「事情が事情だけに、あまり手勢も使いたくないんだよ。手伝ってよ」

三蔵「まあ拐われてる幼女も助けないとだしな。よし行け頑張れ弟子たちよ!」

悟空「とうとう幼女って言い切りましたね」

紅孩児「何言ってるのさ三蔵さん。洗脳や結界を何とかするの、貴方に頼んでるんだよ?」

三蔵「……は?」

紅孩児「力業でどーしよーもないんだから、目には目を、僧侶には僧侶を。天下の玄奘三蔵法師の力を見せてよ」

八戒「解呪の類いは得意じゃと言うておったしの」

沙悟浄「大丈夫、絶対に危ない目には合わせないよ命にかけて!」

悟空「まあ動機が幼女だから、レベルの心配もいらないね!」

小龍「…頑張って下さい」

三蔵「ええええ………俺ぇぇぇえ……?ヤダよめんどいよ悟空助けて以来ろくに法術なんて使ってないのに………うわ、なんかお腹痛くなってきた」

八戒「のう悟浄、お主これの何処に惚れたんじゃ?」

沙悟浄「あぁん、メンタルの弱さなんて母性本能にビンビン来るじゃないのさぁ♪」

悟空「どう考えてもシャオくんのが母性本能をくすぐる」

三蔵「それは俺もそう思う」

小龍「…なんの話ですか…」
221: 名無しさん@読者の声:2013/9/29(日) 13:51:20 ID:UWa4V3m1AY
俺の虎はどこいった
222: 名無しさん@読者の声:2013/9/29(日) 21:57:21 ID:GvDxSQ9qhY
私怨
223: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/30(月) 18:26:50 ID:QFQsdKhsF6
紅孩児「それじゃ、ちゃちゃっとお願いしちゃっても良いかな?」

三蔵「どーでも良いけどお前敵のクセに馴れ馴れしいよな」

小龍(…門前にあの二人…勿論衛兵も居るでしょうし、誰かは外で囮をしなくてはなりませんね…)

沙悟浄「そうだよ紅孩児!あんまりアタイの旦那様に近寄るんじゃないよ十歩くらい離れなっ!」

小龍(…悟浄さんはダメですね。先生から離れないでしょう。まあ野放すと、その王妃とですらフラグ立てかねないですし)

八戒「男二人は戦力にされとるが、虎娘は宮殿の中かの。彼奴も戦い方を覚えれば、野良妖仙などに遅れは取るまいに。気弾に頼り過ぎじゃからのう」

小龍(…悟能様もダメだ。目がキラキラしてる。耳がソワソワしてる。……虎ビキニさん、ごめんなさい)

悟空「ところでさっきの茶屋の軽食セットのハムサンド、レベル高かったよね。あのソースなんだろ、あのピリッとしてて少し酸っぱいあのソース」

小龍(………………)

紅孩児「よし、まずは邪魔な鹿力さんと羊力さんなんだけど」

小龍「…私が引き受けます。私の息(ブレス)なら広範囲に牽制出来ますし、竜の姿なら目立ちますから、衛兵の目も引けるでしょう」

八戒「…無茶は……するようなお主ではないの、ほほ。うむ、任せた」

小龍「…はい」

悟空「ねぇなんか引っ掛かる!私だけ早いってゆーか、なんかこう諦められてるよーなそんな引っ掛かりが!」

沙悟浄「なにワケわかんない事言ってんだい姐さん。じゃあシャオ、一発デカイのぶっ放しとくれ。硝煙に紛れて……あそこだね。二階の小窓から入ろう」

紅孩児「ふふ、さすが元盗賊頭。中の案内は任してくれて構わないよ。途中かなりの結界があるから、頼むよ三蔵さん♪」

三蔵「ちょ、二階って、え?飛ぶの?あと結界とかお前普通は昼夜かけて解くもので」

八戒「ええい大の男がグダグダと喧しい!姉者っ!」

悟空「はいお師匠さま動かないでねっ!」

三蔵「こら師匠の襟首掴むとかどーゆーつもりだ」

小龍「……いきます。……火竜咆哮!」

三蔵「うわあぁぁぁぁぁぁあっ!!!レジ袋みたいに運ぶなぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
224: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/1(火) 21:28:10 ID:YneYV8H5.E
沙悟浄「……見廻りの兵どころか、使用人すら出てこないね」

八戒「入り口で竜が暴れとるんじゃ、総力をもって当たるじゃろ。後は震えて部屋に籠っとるか……あ痛っ!?」

悟空「どしたの八戒ちゃん。おでこ押さえて」

八戒「痛たたたた…何かにぶつかった……?うお、なんじゃこりゃ」

紅孩児「厄介な結界その1、不可視の壁だね♪一定以上の妖力を持つ者を完全に通さない。一番最近に張られてね、コレのせいで今はなんとか忍び込んでもここまでなんだよ」

八戒「場所が解っとるなら先に言えいっ!」

悟空「うわー、ホントに透明だ…!見て見てお師匠さま、パントマイムパントマイム!」

三蔵「うるせぇな…こっちは雑に持ち運ばれて首が痛むんだよまだ…」

紅孩児「さて三蔵さん、かなり高度な結界だけど、この状況じゃ解術に何時間もかけてられないからね。少なくとも一時間以内…」

三蔵「はい、解けたよ」

紅孩児「……は?」

三蔵「んだよ結界ってこんなんかよ。こんなもんイタズラとしても低レベルじゃん。俺なら妖力センサーなんて無駄な機能つけるなら、マジックミラー風にするね………なんだよ皆、変な顔して」

悟空「……だ…!」

三蔵「だ?」

悟空「だ、誰ですかアナタ!お師匠さまに化けて、なんのつもりですか!?」

三蔵「…はい?」

悟空「お師匠さまがそんな役に立つワケ無いもん!そんな有能なお師匠さま、お師匠さまじゃないっ!なんも出来ないクセに口だけいっちょまえなのが私のお師匠さまだもんっ!正体を見せろ妖怪めっ!」

三蔵「はっはっは緊箍呪」

悟空「痛い痛い痛い!あれー?本物のお師匠さまだった痛い痛い痛い今日は一段と痛い!」

三蔵「てめえマジで疑ってやがったのか師匠をなんだと思ってやがる」
225: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/1(火) 21:30:27 ID:YneYV8H5.E
八戒「いや、姉者の気持ちも解らぬではないぞ。師匠殿、お主そんなこと出来たんじゃの……」

三蔵「出来ないと思ってたなら何故ムリヤリ連れてきた?」

沙悟浄「………えと、その……」

三蔵「…お前もなんだその微妙な顔は」

悟空「『惚れ直したよぅ旦那様ぁ!』って抱き付くに一票」

八戒「ならばワシは『旦那様ぁ!アタイの恋の結界も解いとくれぇっ!』とか変化球で来るに一票じゃ。晩飯のオカズでも賭けんか?」

悟空「よし乗った!では悟浄ちゃん続きどーぞ!」

沙悟浄「……えっと…そんなカッコいい旦那様………アタイ、その、どうしていいか……」

紅孩児「二人とも残念不正解♪正解はベタでも変化球でもなく、『マジで恋する乙女』でした〜♪」

三蔵「俺はそれどう反応すりゃ良いんだよ」

悟空「……抱き締めてあげればぁ?」

八戒「ブチュ〜っとキスでも何でもすればエエじゃろ。くっだらん」

三蔵「いや今回に関してはそんなジト目をされる謂れは全く無いだろ俺!小龍居なくて良かった!」

沙悟浄「…キ、キ、キ、キ、キしゅしゅ…!?」

三蔵「しねえよ後ずさるなよちょっと傷付くのは何でだろう!?」

紅孩児「ふふ。罪作りな三蔵さん、そろそろ次の結界なんだけどね。ほら、そこの曲がり角とか、さっきも通ったと思わな………あれ?」

三蔵「ん?…あぁ、無限回廊の結界?さっきついでに解いといたよ。なんかすっげー適当な術式だったから……え、なに?コレが解けなくて困ってたのお前?」

紅孩児「……君達の師匠、ムカつくんだけど」

八戒「うむ、今のはワシもイラッと来た」

悟空「そんなのやっぱりお師匠さまじゃない!」

沙悟浄「ちょ、やだ、旦那様の顔まともに見れないじゃないのさぁ…!ふみゅう…!」

三蔵「どーしろってんだよお前らはさぁ!」
226: 名無しさん@読者の声:2013/10/1(火) 21:34:02 ID:tHpJgcZ0Vg
三蔵がかっこよくみえた不覚
227: 名無しさん@読者の声:2013/10/1(火) 23:35:00 ID:w2H/KYEVpY
かっけぇww
228: 名無しさん@読者の声:2013/10/2(水) 13:30:28 ID:R41MMmOwCs
他の能力分を全て解呪にまわしたみたいwwwww
229: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/3(木) 13:10:45 ID:qmq0PQlfZU
虎力大仙「うわぁぁぁぁぁぁあ来るなぁぁぁぁぁあっ!!!」

美后「逃げても無駄よぉ〜?貴女の妖力は封じてあるし、結界の外には出られないわよぉ〜?」

国丈「洗脳に掛からぬのは面倒だな。気のコントロールが得意なタイプは全く鬱陶しい」

虎力大仙「くそっ!何やってんのよ紅孩児は!?うわぁ来るな来るな来ないでぇぇえ!」

国丈「手駒にならぬのなら、せめて国王の慰みものとして役に立て、女」

美后「そぉよぉ、私ばっかりじゃ疲れちゃうわぁ。大丈夫よぉ、あのお爺ちゃんトシだから、道具ばっかだしぃ〜♪」

虎力大仙「なにも大丈夫じゃないわよこのアバズレっ!ううう何でアタシばかりこんな目にぃぃい!」








紅孩児「コレはなかなか厳しいと思うよ。真空の層を発生させて外敵を」

三蔵「怪我させるタイプは良くないなー。はい解いた」


紅孩児「…この結界が厄介でね、妖力を全て吸いとっ」

三蔵「えーと、術の核は…よし解けた」


紅孩児「これ!これが凄いんだよ、父上の居城にも同じモノがあるんだけどね高名な老仙に」

三蔵「ふぁぁい、解けた」

紅孩児「アクビしながら…!何だろうこの悔しさは…!」
230: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/3(木) 13:12:55 ID:qmq0PQlfZU
八戒「ほ、チート臭い能力じゃの。外の二人もその調子で正気に戻せたのでないか?」

三蔵「あーゆーのは術者にしか解けん。基本だろ?」

悟空「うわぁお師匠さまドヤ顔がスゴく嫌だ」

沙悟浄「……旦那様ぁ……♪」

八戒「おーい悟浄、良い加減シャキッとせい。よぉく考えたら格好良くなど無いぞ。むしろ結界オタクのようで気持ち悪いわい」

三蔵「なんで誰も素直に褒めねぇんだよちくしょう」

悟空「普段の行い……っと、何か来るよ!」

紅孩児「あ、もうこれで結界終わりか。近衛兵かな?」

虎力大仙「嫌だぁぁぁぁぁあ!うわぁぁあん!」

美后「うふふふ〜♪その角の先は結界よぉ?鬼ごっこもお〜しまい♪」

虎力大仙「ヤダぁぁ助けて鹿力ぃ羊力ぃぃぃい!」

八戒「おお、虎娘。無事じゃったか」

虎力大仙「ふえっ」

美后「……!あらあらぁ?まさか侵入者ぁ?」

国丈「馬鹿な……ぬ、紅孩児!この結界を潜り抜けるとは…!」

紅孩児「ふふ、5日振りくらいかな?国丈さん。牛魔の縄張りに手を出した落とし前、きっちりつけて貰うよ?」

悟空「おーい虎ビキニちゃーん?」

沙悟浄「逃げて来たと思ったら、なんか凄い顔で固まってるねぇ」

三蔵「まぁコイツからしたら、逃亡の最中に出くわしたのが八戒だからな。前門の豚、後門の狼ってトコか」

八戒「それを言うなら前門の虎、じゃ。助けに来てやったと言うに、失礼なヤツじゃな」

虎力大仙「……あう……あう……!」
231: 名無しさん@読者の声:2013/10/3(木) 17:57:31 ID:10fOwpAq3c
虎ちゃんカワイソスwww
232: 名無しさん@読者の声:2013/10/3(木) 20:13:10 ID:nbO0ZSub/Y
虎ちゃんどんまいwww
233: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/5(土) 00:07:45 ID:gGiNgm69c6
悟空「ていっ」

美后「きゃふっ!……あぁん痛いぃぃい〜!国丈ちゃあん、ムリムリ勝てないわよぅ〜」

国丈「……ぐうう…!は、恥を知れ紅孩児!よもや敵対している三蔵一行と手を結ぼうとは!」

紅孩児「ふふ、人間の僧侶の力を借りて籠城してた人に言われたくないね。さぁて、八つ裂きか火炙りか…」

八戒「待った待った。拐った童を返して貰わねば」

虎力大仙「ひう」

悟空「八戒ちゃん、固まってる人をお触りするのは頂けないよ」

沙悟浄「とっととガキを返しな。だいたい子供の心臓を喰らって不老不死だのって、嘘吐くならもっと可愛いげのある内容にしなってんだ」

国丈「……ふん、貴様らに我等の崇高な理念が理解できるとは思えん」

美后「子供じゃなきゃダメなのよぅ〜」

悟空「子供じゃなきゃダメって、お師匠さまみたいですね!」

三蔵「なんだ仲間か」

紅孩児「あ、本当にロリコンなんだ三蔵さんって。悟浄さん可哀想に」

沙悟浄「障害があるから愛は燃え上がるんだよ、覚えときな」

八戒「ほっほっほ、そんなふざけた理由じゃったら、この前夜なべして作っとった桃色のナース服、喜んで着てやるわい。どうせアレじゃろ、悪竜でも飼っとって、その餌じゃろ。正義ぶるつもりは無いが、見過ごす事は出来んのう」

国丈「馬鹿な。子供を食べさせるワケないだろう。心臓と言ったのも、国王には家畜のそれでも食わせるつもりだったからだ」

美后「拐った子供たちは、みぃんな無事よぅ〜?」

紅孩児「…なら、単なる牛魔王への嫌がらせかい?」

国丈「いや、幼女が好きだからだ。主に7歳くらいが堪らない」

美后「ショタっ子が愛しくて堪らないのぉ〜♪主にぃ、10歳くらいが…うふふふぅ……♪」

悟空「八戒ちゃんナースけって〜い」

八戒「阿呆ばっかりじゃ!この世は阿呆ばっかりじゃ!」
234: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/5(土) 00:10:14 ID:9JYLtRGjOI
三蔵「この人達、悪人じゃないかもしれない。蒙古斑について熱く語りたい」

紅孩児「…善悪はともかく、最低だとは思うけどね」

沙悟浄「あ、なんか旦那様を直視できるようになってきた」

八戒「興も殺がれたわ…。童が無事ならもーエエじゃろ。とっとと此奴等叩きのめして、小龍と合流を…」

国丈「……く、くくくくくく……!」

美后「うふふふふぅ…♪うふ、うふふ♪」

沙悟浄「…なんだい?恐怖で気でも触れたかい?」

国丈「長々と問答に付き合ってくれて、礼を言おう。紅孩児、三蔵一行」

美后「あ、ロリ好きショタ好きってのは本当よぅ?子供たちは無事だから安心してねぇ〜?」

紅孩児「逃げる気かな?結界なら意味を為さないよ?」

国丈「逃げる?まあ貴様らが本気で来るならば、それも考えよう。出来るなら、な。……蟠龍杖に僧侶どもの力が溜まった!」

美后「お、い、で、ま、せぇ〜♪」

ドゴォォォォォォォンッッ!!!

悟空「わっ!壁がっ!?」

紅孩児「大事にはしたくないのになぁ……って、あらら」

国丈「くく、ふはははは!行け龍神よ!邪魔者共を焼き尽くせ!」

小龍「…はイ、ゴしゅジんさま……!」

悟空「そんな…!」

沙悟浄「シャオ!嘘だろうっ!?」

三蔵「…流石にふざけられん展開だわ」

八戒「……小、龍………」
235: 名無しさん@読者の声:2013/10/5(土) 09:36:51 ID:R41MMmOwCs
年齢の好みがガチすぎる
236: 名無しさん@読者の声:2013/10/5(土) 20:47:43 ID:DbSgrpsQIk
阿呆ばっかりwwwwwそりゃ仏さんも嫌んなるよwwwwww

すんごいどうでもいいんだけど、CCさくら世代の自分はどうしてもつい『シャオラン』と読んでしまう…ロンだよねロン
237: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/6(日) 16:40:18 ID:qnr4xcsZc.
小龍「……こぉぉぉぉぉぉ……!」

国丈「くは、くははは!強化された龍神のブレスだ!この狭い回廊に逃げ場は無いぞ!」

紅孩児「ふん、火炎槍で吹き飛ばして…」

悟空「待ってこーちゃん!シャオくんに怪我させたら許さないよ!」

紅孩児「そんな悟空、じゃあどうするのさ」

沙悟浄「話してるヒマ無いよっ!こらシャオ目ぇ覚ましなっ!」

虎力大仙「…っ!痛い痛い痛い痛い!?なに!?」

三蔵「八戒、乳を握りつぶすの止めてやれ」

悟空「まだ触ってたの!?」

国丈「馬鹿どもが、漫才ならあの世で好きなだけしろ!やれ龍神!」

小龍「………火竜咆」

八戒「焼き尽くせぃ九歯馬鍬」

ゴォォォォォォォォッ!!!

国丈「なっ!?」

美后「いやぁん熱いぃ〜!」

小龍「………!」

沙悟浄「ちょ、姐さん!シャオに当たっちゃってるじゃないのさ!」

八戒「小龍のブレスは強いからの。相殺は難しいでな、出鼻を挫かせて貰った」

悟空「うわぁんシャオくん熱くない!?大丈夫!?」

国丈「き、貴様、仲間に対する情とか無いのか…!?」
238: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/6(日) 16:41:34 ID:qnr4xcsZc.
八戒「五月蝿い」

美后「…ひっ!」

八戒「…小龍はワシのモノじゃ。煮ようが焼こうがワシの勝手じゃ。……じゃからこそ、赦せぬ」

悟空「あ、お師匠さま逃げよう。これマズイ」

三蔵「ん?ん?」

沙悟浄「ほらアンタも。死にたくないだろ?」

虎力大仙「え?え?」

紅孩児「んー、マジの八戒さん、ちょっと興味あるけど……巻き添えはゴメンだね。あーあ、オオゴトにはしたくなかったのにな…」

国丈「え、ちょ、お前らどこへ」

美后「やだ国丈ちゃあん、あの娘、チョ〜顔怖ぁぁい…!」

八戒「ワシの小龍を誑かした事、冥獄にて後悔せい………小龍、少し痛いが、我慢するのじゃぞ?」

小龍「………ケホッ…」

八戒「師匠殿ーっ!!」

三蔵「おいコラだからレジ袋みたいに運ぶな……あー!?なんだよ八戒ーっ!?」

八戒「次一回、ナニをしても目を瞑ると言うたのぉ!?此処で使うぞ!!殺生に目を瞑れぃ!!!」

国丈「え、いや、ちょ、殺生って」

美后「ひ、ひぃぃぃぃい……!!!」
239: 名無しさん@読者の声:2013/10/6(日) 17:32:59 ID:KRLnf9vdXs
やだ…
八戒ちゃん可愛いじゃなくてカッコイイ
240: 名無しさん@読者の声:2013/10/6(日) 22:28:35 ID:2J3lXOSA7c
八戒ちゃんに男を見た…!
つーわけで紫煙!!!
241: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/9(水) 01:50:24 ID:wZNna3vuaM






小龍「……う……んん……」

三蔵「おう、起きたか」

小龍「……先生……うっ…!」

三蔵「寝てろ寝てろ。全身打撲で骨もバッキバキにいっちゃってるってよ。人間しか診たこと無い典医がビビってたぞ。なんで生きてるんだ、ってな」

小龍「………私は……一体………?」

三蔵「お前操られちゃって大変だったんだぞー。助けたのは八戒。その怪我も八戒がやったんだろーけど許してやれよ?」

小龍「……悟能様………悟能様達は…?」

三蔵「ん、そこ」

悟空「…ムニャムニャ……いやいや特盛ってのはこう器からはみ出すくらいに……ムニャ……」

沙悟浄「……旦那様………ふみゅ……」

八戒「……すぅ……すぅ………」

三蔵「お前三日も寝てたからな。流石にさっき全員落ちた。あ、安心していーぞ、なんかお詫びだかなんだかで、宮殿に泊めてもらってるから。紅孩児がそーとー脅したみたいだな、国王さんを」

小龍「……すみません……正直未だに何がなんだか……」

三蔵「仕方ないわなー。しかしアレだな、洗脳されるとマジでレイプ目になるんだって初めて知った」

八戒「……それが第一の感想か、この阿呆ぅ」

三蔵「狸寝入りかよ」

小龍「……悟能様」

八戒「………スマン。やり過ぎた。……痛むか?」
242: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/9(水) 01:54:33 ID:9JYLtRGjOI
小龍「…いえ。御迷惑をお掛けしたみたいですね」

三蔵「いやいや痛むに決まってんだろ。見ろこのミイラ男みたいな姿」

八戒「……う。シャ、小龍が平気と言うておるなら平気なのじゃ!それじゃワシは朝飯でも…」

三蔵「泣いてたくせに」

八戒「ななな泣いとらんわ!」

三蔵「『どけ!ワシが妖力を送る!誰も触るな!』」

八戒「っ!」

三蔵「『なんでもする、なんでもするから目を覚ましてくれ』」

八戒「焼き尽くせ九歯馬…!」

三蔵「わかった、わかったからその物騒なモノを下に下ろそうか」

小龍「…落ち着いて下さい、悟能様」

八戒「…ふん!小龍はもう少し寝ておれ!姉者と悟浄が起きたら、皆に話がある!」

三蔵「話?」

八戒「…あの後、宮殿で何があったかを話す。……ワシの考えでは、牛魔王なんぞより厄介な事になってそうじゃ」

三蔵「…ふぅむ」

小龍「…あの、その前にひとつだけ」

八戒「なんじゃ?腹でも空いたか?」

小龍「…何故、悟能様はその、看護師風の格好を」

八戒「…訊かんでくれ」

三蔵「パンツが見えそで見えない、絶妙なミニスカが匠の技だろ?」

小龍「…悟能様は下着をつけませんよ?」

三蔵「やべえコンタクト落としたかも」

八戒「そんなもんはめて居らんじゃろがお主!屈むな!」
243: 名無しさん@読者の声:2013/10/9(水) 11:17:50 ID:xMna/fS82.
八戒ちゃんパンツはいてないのね

244: 名無しさん@読者の声:2013/10/9(水) 18:17:03 ID:m1j4TaAkkU
ちょつと絵描きスレで確認してくる
245: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/9(水) 21:40:29 ID:UjvavobsL.
沙悟浄「え?殺っちゃってないのかい?アイツら」

悟空「あんなカッコ良く啖呵を切ったのに?」

三蔵「あんな無駄に髪とかブワーッてなってたのに?」

八戒「ええい、順を追って話す!余計なツッコミは話し終わってからにせい!あの後な、とりあえず向かってくる小龍をボッコボコにしたんじゃが…」

悟空「ボッコボコにしないで!かわいそう!」

小龍「…わぷっ。あの、くるひいでふごくーふぁん」

沙悟浄「やめたげな姐さん、傷口が開くよ」

八戒「お主ら、そろそろ人の話を聞けるようになれぃ。それでの、しまったちょっとやり過ぎた…と思いながらも、ガタガタ震えるあの馬鹿共を追い詰めたワケじゃ」

三蔵「意外と冷静にキレてたんだな」





八戒『……小龍を医者に診せねばならん。さっさと死んで貰う』

国丈『わ、わかった!洗脳は解く!子供も返す!い、命だけは…!』

八戒『そうか。じゃが殺す』

美后『この国からもすぐに出ていくからぁぁ…!お願いよぉ、死にたくなぁい〜!』

八戒『そうか。じゃが殺す』

国丈『ひぃぃぃぃっ!この通りだっ!許してくれぇっ!』

美后『うわぁぁあん助けてぇぇぇぇぇ!』

八戒『無理じゃ。さて、死ね』

木叉『いやいや許したげましょーよ。こなぃ謝っとるやん』

国丈『お、おお!助け……う、ぐっ!?』

木叉『うっさい。寝とれボケ。ネーチャンもや』

美后『きゃんっ!?』

八戒『……なんの真似じゃ。いきなり現れて獲物を横取るのが菩薩のやり方か』

木叉『ちゃいますちゃいます!なんやのん恐い顔して可愛らしいお顔が勿体無い!ほらアレやん?いくら三蔵さんが許したかて、仏の使いの一行が殺生は色々と外聞も悪いやないですか!そこでボクがコイツら引き受けよー思て、善意ですやん善意〜♪』
246: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/9(水) 21:42:02 ID:UjvavobsL.
八戒『……ふん。見くびられておるのか、それともタダの馬鹿か。…いや、もう開き直っておるのか?』

木叉『……んふふぅ。相手が猪八戒さん言うんがついてないわぁ。悟空さん辺りなら幾らでも煙に巻けるんやけど。ま、と言うてもほら、ボクも哀しき下っ端なもんで?言われたコトを言われたまんまこなしとるだけやさかい?』

八戒『天帝か?』

木叉『……ナイショや♪』

八戒『ワシがここで逃がすような間抜けに見えるか?』

木叉『ボクもここで逃げれんよーな木偶の坊ちゃいますよって』

グニャァァァァァア……!!

八戒『…ちいっ!転移呪を用意しておったか…!』

木叉『猪八戒さん強いさかい、マトモにやり合うんはしんどいわ。この二人はきちんと上で裁きますよって、堪忍したってや?あ、それと観世音様なんやけど、猪八戒さんに凹まされてから寝込んどるねんで?あれでメンタルめっちゃ弱いねんから、イジメんといたってや?あー、そやそやそれから』

八戒『えぇい行くならとっとと行けぃ!ワシは小龍を』

木叉『あっははスンマヘンスンマヘン。じゃ、ナース姿楽しみにしとりますよって♪さいなら〜♪』

グニャァァァァァ…!!

八戒『……ふざけおって…!』






八戒「……そして小龍を担いで戻ったワケじゃ。まぁ、これで解ったのう」

沙悟浄「……信用ならないどころか、天界はもう敵だね……。つまりあの国丈やらは、奴等の差し金かい」

悟空「え?そうなの?」

小龍「…普通に考えれば。しかしやはり、何がしたいのかまでは……」

八戒「うむ。牛魔王の様に意図が読めぬだけに面倒臭い。良いか師匠殿、この先は菩薩、いや如来すら信用出来ぬと心得よ。天竺で何が待っておるかは解らぬが………寝そべってナニをしとるのかな貴様は?」

三蔵「嘘吐き…!小龍の嘘吐き…!下に履いてるじゃん八戒…!」

小龍「…ウソは吐いてません。それは先生が渡したスクール水着ですから」

悟空「お師匠さま、スカートの中を覗くにしても、やり方がストレート過ぎるよぅ」

沙悟浄「の、のーぱんが好みなのか…!よ、よし…!」

八戒「のう、深刻に考えとるのワシだけ?」
247: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/9(水) 21:47:00 ID:gGiNgm69c6
猪八戒の下着について捕捉

三蔵との約束で普段八戒はメイド服です。絵スレの服はきっと登場時と屋敷でのシーンでの格好かと思います。つまり下着じゃないよね。

それ以降は寒ければメイド服、暑ければスク水を着てます八戒は。今回ピンクのナース服がコスプレに加わりました。


捕捉失礼。
248: 名無しさん@読者の声:2013/10/9(水) 21:55:55 ID:5h5/Xp8rfU
しえん
249: 名無しさん@読者の声:2013/10/9(水) 22:56:07 ID:4vAl4emVd2
なんかスゴい展開になってきてるのに緊張感が感じられない。どうなっちゃうの!ドキドキ支援!
250: 名無しさん@読者の声:2013/10/11(金) 17:16:01 ID:w2H/KYEVpY
しえん
251: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/12(土) 18:52:41 ID:gGiNgm69c6
木叉「観世音様〜?戻りましたでぇ〜。頼まれとった馬乳酒とか買い込んで来たさかい、ちょお手伝ってや重いねんコレ…」

???「兄様、ウチがお手伝いしますえ」

木叉「うおっ。なんや哪吒(なた)、来とったんかいな。観世音様は?」

哪吒「さあ…?ウチが来た時には、お姿が見えんかって。でも兄様が帰って来てくれはって助かったわぁ、無駄足になるんは堪忍どす」

木叉「なんやなんや、久し振りに会うた家族に、いきなりシゴトの話かい。情もヘッタクレも無いのう、兄ちゃん寂しいわ」

哪吒「ウチかて久々にお顔を見れたんどす、この新作のスカートとか褒めてもらいたいし、兄様にならブラまでなら……と、甘えたいんは山々やけど。アカンやないの兄様、三蔵法師はん達、完全に疑ぅてはるえ?」

木叉「ほんで説教とか、はっ、オトンに似てきたわお前も。ほいだらボクなんかに任せんと、そっちでやればエエねん。あーなった以上、無理にでも連れ帰らんとアカンかったやんか。美后のネーチャンはどぉでもエエとして、国丈さんは身内やし?」

哪吒「それでもなぁ…任せて問題あらへんて進言した、ウチの身にもなってぇな兄様……」

木叉「おうコラ」

哪吒「…おっと」

木叉「天帝様の直属や何や知らんけどな、ボクは別に天帝に従っとるワケと違うで。そこんとこ気ぃつけて喋れや。アニキ嘗めとると酷いで」

哪吒「あん、お気を悪ぅせんで下さいえ、兄様。ウチは兄様が好いとるで、こうして会えるかもと思うたらお化粧にも力を入れて…」

木叉「……っかぁしい……」

哪吒「……兄様?」

木叉「じゃかぁしい!その女装もえーかげん止めや!キショイねん!」

哪吒「ヒドイ兄様!女装やないもん、ウチ女の子やもん!」

木叉「ほぉぉぉそいだらその股間にぶら下がっとるモンは何やねん!筍でも貼り付けとんのか!男や男!お前は男や!弟がオカマとか身の毛がよだつわ気色悪いっ!」

哪吒「こ、これはあれやもん!ついててもエエやないの!あとそーゆー考え方古いわぁ、ジェンダーフリーの時代に頭カッチカチやわ!差別や差別!それでも菩薩様の弟子なん兄様!?」

木叉「そんな時代は当分来んわい!要らんのやったらその股間の筍、山に返したれや!ほんで宦官にでもなったらエエ!」

哪吒「そぉゆぅコトと違うやん!みんな可愛いて言うてくれはるもん!兄様の分からず屋!」

木叉「うっさい変態女装男!」

哪吒「なんやの女たらし!」



観音(……うう…!お茶会から帰って来たらお家に入れない…!はやくケンカ終わってぇぇ…!)
252: 名無しさん@読者の声:2013/10/12(土) 20:29:15 ID:w2H/KYEVpY
かわいいなw
253: 名無しさん@読者の声:2013/10/12(土) 20:43:43 ID:oQOAUAXAAM
観音弱すぎワロタwwww
止めろよww
254: 名無しさん@読者の声:2013/10/12(土) 22:42:11 ID:v.Z.DKY7OI
観音様wwwwwガンバレwwwww
255: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/13(日) 23:13:53 ID:81/Zu/IqUI
八戒「観世音じゃな」

紅孩児「切り崩すなら、ってことかな?」

八戒「うむ。あの御仁、弁も立たねば気当たりにも弱いと見た。さらに『上の』意思で動いておると口走るなど、粗忽じゃしの」

羊力大仙「上、か。菩薩の上となれば、天帝………いや、天帝を上とはせんか。……貴殿等、とんでもない相手に喧嘩を売られているであるな」

八戒「…ほう。三バカのクセにやるではないか。まあ、主は元よりマトモっぽかったからのう。ほれ」

羊力大仙「酌は受けん、馴れ合うつもりは無い。しかし助けられた恩は事実、杯を並べる程度の義は示すであるが」

紅孩児「ふふ、お堅いなあ、羊力さんは」

八戒「いやいや。悟浄もまだまだ甘いし姉者は頭にバナナが詰まっておるでな、こちらの話を即座に理解して貰えるは心地好いわい。………しかし全く…!」

紅孩児「ふふ、落ち着きなよ」

八戒「こんなに大っっっっっっっっっ事な話をしとると言うのに、身内が一人も居らんとはどーゆー了見じゃ!!!」

紅孩児「みんな中庭に居るね。ほらここの窓からも見えるよ。ウチの虎力と鹿力も一緒だね。なんか楽しそう♪」

八戒「馴れ合わんのではないのか貴様等!」

羊力大仙「いやそれは我輩の流儀であって…」

紅孩児「ほらほら羊力さんに当たらない。そんなに仲間外れが寂しいなら、八戒さんも行ってきなよ?」

八戒「そぉゆぅコトでは無いわい!」

羊力大仙「ところで貴殿、何故ナース服なのであるか?しかもそのスカート丈……やはり痴女であったか…」

八戒「やはりって何じゃ………いや、そこは言い訳出来んな我ながら」

紅孩児「うわぁ認めちゃうんだ」





鹿力大仙「んあぁ?つまりアレだろ?妖力をこう、膝からギューッと」

悟空「違う違う、膝からドーンとお腹に持ってきて、そっからバビューンと」

鹿力大仙「あー、なんだよ最初からそー言えよ。で、バビューンのあとにキュッとしてバーンか」

悟空「そうそう!バーンの時に気持ちククッと抑えると良い感じ!」

三蔵「…何語喋ってんだアレ」

沙悟浄「…よくアレで通じるねぇ……」
256: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/13(日) 23:15:19 ID:81/Zu/IqUI
虎力大仙「鹿力は頭にマーマレードジャムが詰まってるからね。はい、飲み物貰って来たわよ」

三蔵「お、どーも」

沙悟浄「…ありがと。でもあんま旦那様に近付くな」

虎力大仙「はいはい。で、アイツ等なにやってんのよ」

三蔵「いやなんか、ゴッツいパンチを打つ練習?」

沙悟浄「敵に教えてどーすんだってんだよね、姐さんも……てかアンタは何で此処に居んのさ。あ、もしかしてあの筋肉鹿、アンタのコレかい?」

虎力大仙「バカ言わないでよ。あれは出来の悪い弟みたいなもんね。………だって、大勢集まってる所に居ないと……!」

三蔵「…八戒か」

虎力大仙「ホントは早くここから逃げたいのに!紅孩児が後処理だなんだって仕事押し付けるし!何が悲しくてあの性欲魔豚と同じ屋根の下に!」

三蔵「気に入られちゃってるからなぁ」

沙悟浄「気に入られちゃってるからねぇ」

虎力大仙「なんとかしてよお前らの仲間だろ!?」

三蔵「これから大変だな、君も」

沙悟浄「同情するよ…」

虎力大仙「……え?なにが?」

三蔵「いや、俺らに対して菩薩様とかまで敵に回るとしたら」

沙悟浄「八戒姐さんが禁欲する理由も無くなるからねぇ」

虎力大仙「………!」

三蔵「まあ本人がそこに気付いてないけどな、まだ」

沙悟浄「素直にコスプレもしてるもんねぇ。可愛いもんだよ姐さんは」

虎力大仙「気付くな気付くな絶対気付くな気付かないでぇぇぇ…!」
257: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/15(火) 15:21:02 ID:YneYV8H5.E
悟空「伸びて如意棒ーっ!」

八戒「薙ぎ倒せぃ、九歯馬鍬ぁ!」

沙悟浄「沙僧が名において、力を見せよ降魔杖!」

妖怪「ぐぎっ…!」

妖怪「くっ!退け、退けぇっ!」

小龍「…………」

三蔵「はい君は大人しくしてなさい。傷口は塞がったとは言え、ずっと寝てたんだから」

小龍「…しかし」

悟空「そうだよ!特に脇腹の切り傷なんてちょっと内臓見えそうな感じでグロかったんだから!まったく八戒ちゃんは!」

沙悟浄「いや、右腕の火傷のがヤバかったよ。火に強いはずの竜族の皮膚をあれだけ焦がすとか、どんだけ強火でじっくり焼いたんだ、って話さね……まったく八戒姐さんは」

八戒「ええい良い加減しつこいわっ!………小龍、その水筒もワシが持つ、寄越せ!」

小龍「…いやそうなると悟能様が、荷物全てを持つことに」

八戒「うっさい!寄越せったら寄越せぃ!喉が渇いただけじゃ!」

悟空「あ、八戒ちゃん私にも!もう喉カラカラだよぅ」

沙悟浄「…軽くバトった後、ってのもあるけど、暑いねぇ……ごめんアタイも一口」

三蔵「比丘国も暖かかったが、西に進むにつれて温度上がり過ぎだよな。異常気象も甚だしいぜ」

小龍「…紅孩児の助言通り、水分を多量に用意しておいて助かりましたね。あの者は敵の自覚があるのかどうか…」

八戒「そう言えば城を出る際、妙なコトを言うとったの。『この先は牛魔の縄張りは縄張りなんだけど、ちょっと僕は関与出来なくて』だの何だの」

沙悟浄「あいつ太子だろう?それが関与出来ないって、牛魔王直轄ってことかね……てか姐さん早く代わっておくれよっ」

悟空「んくっ…んくっ……ぷはぁ。もう一口、もう一口だけ」

三蔵「お、やっと森を抜けるな。そろそろ村かなんかあると良いな」

小龍「…野宿すると、蚊とかヤバイですからね……」

八戒「森林の出口に待ち伏せる族徒は多い、油断するなよ」
258: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/15(火) 15:23:20 ID:YneYV8H5.E




ゴオオオオオオオオオオ……





三蔵「…待ち伏せの方がマシだったな」

悟空「…これは見たくなかった現実だねぇ…」

八戒「…暑い……いや、熱いワケじゃのう」

小龍「…まるで地獄ですね…」

沙悟浄「あーもー姐さん飲み過ぎだよ、先のコトも考えて……って………なにこれ。…山?」

三蔵「山だな」

悟空「めっちゃ燃えてるけどね!キレイだけど熱い!」

三蔵「お前毛深いから人一倍蒸れるもんな。股とか」

悟空「太股の内側を伝う汗が気持ち悪いですよどうせ」
259: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/17(木) 22:25:39 ID:ukLgnN2ewA
悟空「ひあー、熱かったぁ〜」

三蔵「ごくろーさん。で、どーだった?」

悟空「ダメですねぇ。このあたり全部炎がボーボーだよ。觔斗雲の術でも近付けないくらい熱いし…」

三蔵「ボーボー対決でお前が負けるとか一大事だな」

八戒「いやこのボーボー加減はマウンテンゴリラでも勝てんじゃろ」

悟空「ボーボーボーボーうるさいよ!」

沙悟浄「しかし参ったね。炎の山脈に囲まれてるとか、進みようがないじゃないのさ」

小龍「…西天へは、ここを通らない事には辿り着けません。……と、西域情報紙にはありましたね」

八戒「そうは言うてもワシは叉焼になるのはゴメンじゃ。おい誰ぞ、雨とか降らせられんか?」

悟空「ごめん私、そーゆー繊細な術はちょっと…」

沙悟浄「やったことが無いからねぇ…そもそも雨程度で消えるのかね、あの炎」

八戒「ワシも雷なら落とせるんじゃがのう」

小龍「…私も火竜寄りなもので……」

三蔵「しかし『雨を降らせられるかどうか』って真面目に話し合い出来るあたり、お前らのバケモノっぷりが伺えるな」

玉面公主「……雨なんかじゃ消えないわよ……あれは地獄の炎だもの…」

三蔵「うわビックリした!」

八戒「急に現れるのう、お主は。牛魔王の命でも下ったか?」

沙悟浄「旦那様に近付くなぁっ!」

悟空「まだ食べれないと思うよ?お師匠さまの9割は煩悩で出来てるよ?」

小龍「…残り1割は精液が詰まってます」

三蔵「じゃあ100%じゃねぇかよ!」
260: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/17(木) 22:29:23 ID:ktLhYxeNBo
玉面公主「……相変わらず賑やかね………違うわ……パパと逢っていたの。その帰りにアナタ達を見かけたから、声をかけただけよ……」

八戒「なんじゃ逢い引きの帰りか。気持ち艶々としているとは思ったが。……呼び出されれば身体を差し出しに出向く……『2号』は大変じゃのう?」

悟空「おーっと八戒ちゃんがケンカを売ったー!性格が悪いぞーっ!」

玉面公主「……愛故に、よ………貴女には解らないわ………良いのよ、今は太子とされていても紅孩児は女……玉は男の跡継ぎを生んでみせるわ……」

沙悟浄「なんかドロドロしてるねぇ。第一婦人とやらも気の毒に」

八戒「しかし見た目幼女が孕む云々の話をするのもシュールじゃの」

悟空「八戒ちゃんがそれを言っちゃうのもシュールだよ」

玉面公主「……でも、問題があるのよ………玉の一族、長命だけど幼年期が長くて………玉、まだ『きてない』から………口惜しいわ……」

八戒「いや知りたくも無いわいそんな情報」

悟空「おおーっとコレはロリコンのお師匠さまには御褒美ですね……お師匠さま?どしたのお腹痛いの?」

小龍「…『きてない』のセリフの辺りで前屈みに倒れました。そっから小声で『お前それ反則だよ…お前それ反則だよ…』と呟き続けてます。死ねば良いのに」

沙悟浄「くそっ!アタイ純潔だけど初潮はさすがにもう来てる…!」

八戒「いやそのナリで来てなかったら怖いわい」

玉面公主「……相変わらず、ひっどい会話ねアナタ達……」

悟空「いやコレは玉面ちゃんのせいだよー?」

三蔵「……反則……反則……うふぅ……!」
261: 名無しさん@読者の声:2013/10/17(木) 23:04:04 ID:mMBbNGzqdU
>>悟空「ボーボーボーボーうるさいよ!」
でクソフイタwwwと思ったのにその後も息もつかせぬ連続攻撃だった…!
ヨシュアさん、手加減してくださいよ(´Д`)
262: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/19(土) 02:12:53 ID:oiDmFOs0Js
三蔵「あー、ヤバかった……ありがとうな悟空、お前を見てたら落ち着いた」

悟空「確認しなくても失礼な意味なんでしょうねちくしょう」

玉面公主「……とにかく、あの炎は簡単には消せないわよ……諦めたら?」

八戒「ふん、そう言われると意地でも消してやりたくなるわ。……色々と知ってそうな輩が目の前に居るとなると、更にのう」

玉面公主「…………」

沙悟浄「いまや天竺なんて結構どーでも良いんだけどねぇ。このまま逃げ出すのは性に合わないからね。知ってるコトがあるなら吐きな」

玉面公主「……武器をおろして。……どっちが悪役か、わかった物では無いわね……」

三蔵「まあ言うても犯罪者の集いですし」

小龍「…先生も頭の中を覗かれたら即逮捕ですしね」

悟空「寝言とかドン引きだもんねたまに」

三蔵「マジか後で詳しく」

玉面公主「……芭蕉扇。聞いたこと、あるでしょう…?」

八戒「ほ、有名な宝具じゃ。価値で言えば姉者の如意棒と比べても遜色ない代物じゃの」

沙悟浄「盗賊時代、欲しがってるクライアントも結構居たね……まぁ在処が解らないからパスしたけど」

悟空「へぇ。やっぱ私の如意棒って凄いんだ……えへへ…♪」

三蔵「普段お前の耳の中にしまわれてて耳糞まみれのコイツがねぇ」

悟空「まみれてないよ!……ま、まみれてないよね?ね?」

小龍「…それで、その芭蕉扇が何なんですか、玉面公主」

悟空「シャオくんなんか言って!スルーしないで!」
263: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/19(土) 02:14:44 ID:oiDmFOs0Js
玉面公主「……あれはこの世で最も大きな風を起こす扇……如何に火焔山が地獄の炎とは言え、吹き飛ばせる筈よ……」

沙悟浄「で?また譲ってやるから働け、とでも言うのかい?」

玉面公主「……玉、持ってないわよ。……何処にあるか……誰が持ってるかは知っているけど……」

八戒「読めんのう。何をさせたいんじゃお主」

玉面公主「……だから、その芭蕉扇……持ち主を教えてあげようと思っただけよ………一応、羅刹女と呼ばれる妖仙だから、そこそこ強いかもだけど………」

小龍「…羅刹……鬼神の女怪ですか」

八戒「ふむ。まあ罠だとしても、このままでは立ち往生じゃしのう。師匠殿」

三蔵「とりあえずここ暑いし、行くなら行こうぜ」

沙悟浄「……また女…!また女なのかい…!」

悟空「羅刹女……どっかで聞いたよーな………うぅん?」







鉄扇公主「へっくし!」

鉄扇公主「……嫌だわ、何方か噂でもしてるのかしら……?」

鉄扇公主「…おほほ、きっと牛魔王様ね。あのチンクシャじゃ物足りなくて私の豊満な躯を思い出して居られるに違いないくてよ!そうよ!」

鉄扇公主「……あぁあ忌々しい小娘…!何よ頭に耳とか生やして可愛いとでも思ってるのかしら?痛いだけよネズミにでもかじられちゃえば良いのよ…!」

鉄扇公主「………さみしい」
264: 名無しさん@読者の声:2013/10/19(土) 16:28:32 ID:w2H/KYEVpY
支援

265: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/20(日) 22:25:35 ID:8yQ0cN0zGE
沙悟浄「……やっぱり納得いかない」

悟空「まだそんなん言ってるの?しょうがないじゃんジャンケンの結果なんだから」

沙悟浄「だってこーゆー時は大体、『ほほう女の羅刹とは腕が鳴るわい』とか言って八戒姐さんが出張るじゃないのさぁ……そりゃアタイとしても旦那様に女を近付けたくないから留守番させるのは賛成だったけど……」

悟空「なんだかんだで病み上がり?じゃないか、怪我上がり?のシャオくんが心配なんだよ八戒ちゃん」

沙悟浄「…むう。じゃあもうとっととその芭蕉扇、奪って帰る!アタイの旦那様分が切れる前に!」

悟空「いや別に奪わなくても」








召使い「奥様ぁ〜、今夜のご飯、何かリクエストはおありですか?」

鉄扇公主「……そうね。白キツネの丸焼きとか良いわね。腸を引き出して香草を詰めるの。獣は臭いから、そうしないと食べれたモノではないし」

召使い「……えぇぇ……白狐と言われましても…そんな珍獣……」

鉄扇公主「珍獣。そうね、珍獣よ。珍しいだけよ。あとほんの少し若いってだけよ。それだけよ。それが無かったらあんなチンチクリン」

召使い「奥様?」

鉄扇公主「だいたいこの近くで逢い引きするとか、当て付けがましいにも程があるわよ性格悪すぎるわよ親の顔が見てみたいわよ下の毛も生え揃ってない糞餓鬼のクセに意気がってんじゃないわよ」

召使い「おーい奥様〜?」
266: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/20(日) 22:26:46 ID:8yQ0cN0zGE
衛兵「奥様ぁぁあ!変事で御座います!えぇい、邪魔だ飯炊き!」

召使い「キャッ!?」

鉄扇公主「…騒がしいこと。落ち着いて話しなさいな。牛魔が勇士として、無闇に狼狽えるは恥と知りなさい?」

召使い「うわぁ切り替え凄っ」

衛兵「もっ、申し訳…!しかし奥様!そ、そ、そ、孫悟空が、孫悟空が攻めて参りました!沙悟浄も居ります!」

召使い「なっ…!?お、奥様!は、はやく逃げましょう怖いっ!」

鉄扇公主「……そんごくう?」

衛兵「飯炊きの言う通りで御座います!裏手に馬車と護衛を用意しております故、今すぐ……奥様?」

鉄扇公主「青鋒剣をお持ちなさい!」

召使い「は、はひ!?」

衛兵「ま、まさか奥様!?な、なりませぬ!貴女様は牛魔王様が第一夫人!御身を危険に晒すは許せませぬ!」

鉄扇公主「黙りない。これは牛魔王夫人としてでは無く、翠雲山芭蕉洞が主、鉄扇仙が命。……何を呆けてます、青鋒剣を早く!」

召使い「か、畏まりましたぁっ!」

衛兵「ぐぅ…!ええい!奥様が出陣なさる!門を開けぇい!」

鉄扇公主「孫悟空……牛魔王様の義妹………これ以上妾を増やされてたまるもんですか…!そうだわ、このままその三蔵とやらも生け捕って、牛魔王様に献上しましょう……その孫悟空とやらの首と一緒に………おほほ……おーっほっほっほっほ!!」
267: 名無しさん@読者の声:2013/10/21(月) 22:04:30 ID:w2H/KYEVpY
かっけぇと思ったら性格悪かったww
268: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/22(火) 19:59:58 ID:Fwli.uj/ek
玉面公主「……リーチ一発……ツモ……七対子。……裏ドラは……残念。……はい、4000オールね…」

三蔵「ぐっ。やばい、トぶぞこれ」

小龍「…先生、染め手ばかりじゃ上がれませんよ」

三蔵「おかしいな、寺じゃこれでも一番の実力だったのに」

八戒「牌も読めぬし運も無い。弱いのう師匠殿」

三蔵「うるせぇお前だって今3位じゃねーかよ。このポーカーフェイス二人が強すぎるんだって」

小龍「…いや先生弱いですよ。背中どころか心が煤けてますからね」

三蔵「意味はわからないがグサッとくる罵倒だ!」

八戒「しかし付き合っておいてなんじゃが、随分とゆっくりしとるのう、玉面の。……お主ヒマ人か?」

玉面公主「……報告を待っているのよ…………あの二人が羅刹女を殺して、芭蕉扇を奪い取って来れたかどうか……」

三蔵「いや殺してまで奪って来いとは言ってねぇ」

小龍「…殺して貰いたい理由でも?」

玉面公主「……だって、羅刹女……鉄扇公主が死ねば、玉が第一夫人だもの………」

八戒「なんと。そういう事じゃったか」

三蔵「うわコイツ性格悪っっ!」

小龍「…しかし悟空さんと悟浄さんのコンビです。殺める迄も無く、叩き伏せるでしょう」

玉面公主「……わかってないわね………なんで邪魔なあの女を、玉が壊さないで我慢してるのか……………玉より、ずっと強いからよ」

八戒「……!」
269: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/22(火) 20:02:28 ID:75nZ.ybS5Q

ガキィンガキィンガキィン!!!ガキィン!!!


鉄扇公主「おほほほほほ!邪魔よ退きなさい小娘!私が殺したいのは後ろの猿なのだから!」

沙悟浄「くっ…!?は、はやっ……!!」

悟空「悟浄ちゃん頭下げてっ!伸びて如意棒っ!」


カッッ!!!

鉄扇公主「…女の顔を狙うだなんて、野蛮だこと」

悟空「うええええええ!?」

沙悟浄「棒の突きを、切っ先で止めた…!!」

鉄扇公主「……牛魔王様がヤケに買っていらっしゃるから、どれ程の強者かと思っておりましたけど……力任せの猿と小手先ばかり器用な小娘……期待外れですわね」

沙悟浄「……参ったね。強いじゃないのさ……二刀流ってのがまた厄介だねぇ……!」

悟空「…お兄ちゃんの縄張りだって聞いてたから、まあ関係者なんだろーなー嫌だなーとは思ってたけど……こーちゃんのお母さんかぁ……そりゃ強いハズだよぅ……」

鉄扇公主「そう言えば、紅のお気に入りでしたわねぇお猿さんは……困ったわ、殺したら紅に怒られちゃうかしら?……そうだわ、手足を切り落として達磨にしましょう!それであの子にプレゼントすれば、夫に集る害虫も大人しくさせて息子にも喜ばれる……一石二鳥ですわね!」

沙悟浄「なんか怖いコト言ってる!姐さんこのオバサン怖い!」

悟空「狙われてる本人はもっと怖いんだから怖い怖い言わないでもっと怖くなる怖い!」

鉄扇公主「オバ……!?……そっちの小娘も同じように……いや(ピーッ)して(ピピーッ)してさらに(ピッピッピーッ!)して、兵どもの慰みモノに決定ですわね…!」

悟空「ふゃあぁぁなんか決定したよ悟浄ちゃん」

沙悟浄「さすがのアタイも逃げ出したいマジで怖い」
270: 名無しさん@読者の声:2013/10/22(火) 20:52:55 ID:fKuf/3QRUo
っCCCCCCCC
271: 名無しさん@読者の声:2013/10/22(火) 21:15:32 ID:q3lmOLpqYE
こーちゃん息子扱いかよwwwww
272: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/24(木) 22:42:12 ID:ENTcVMzf/s
鉄扇公主「おほほほほ……心配しなくても一瞬で斬り落としてあげますわ……!」

沙悟浄「ううぅ何だろう雰囲気が怖い妖気がドス黒い」

悟空「わかるわかる実力がどーこーよりまず怖いとりあえず謝りたくなる」

鉄扇公主「おほほほ……小便臭い小娘では私の圧、到底耐えられるモノでは無くてよって誰が年増ですってぇ!!?」

沙悟浄「言ってないよっ!」

悟空「しょ、しょーがないっ!一旦離れよう!ん〜……摂法っ!」

ビュオァッ!!

鉄扇公主「あら?」

沙悟浄「おおっ!さすが姐さん!」

悟空「ゴメンねオバ……おねーさんっ!吹っ飛んじゃえ!」

鉄扇公主「…無理に摂理を弄くり風を起こす……無粋で不躾で野蛮なやり方ですわね………風と云うのは、こうして優雅に扇いで起こすもの……」

悟空「へ?」

鉄扇公主「見せてあげますわ。……芭蕉扇」

ビュオオオオオオオオァッッッ!!!!

悟空「ちょ」

沙悟浄「な」

オオオオオオオ………!!!

鉄扇公主「……あらいけない。つい吹き飛ばしちゃったわ。……ま、聞けば狙いはこの芭蕉扇らしいですし、また来るでしょう。今度はその坊主も連れて来なさいな。おほほほほ……」





玉面公主「……まったく……期待外れ甚だしいわね……くすくす…」

三蔵「お前らが勝てないとか、牛魔王さん以来だな。なんかホッとするのは何でだろう」

紅孩児「さすが母上、腕は落ちてないみたいだね」

八戒「ええい情けない!天下の斉天大聖と捲簾大将ともあろう者が、たかが羅刹一匹にしてやられるとは!名が泣きじゃくって居るわ未熟者め!」

悟空「うう、なんでいきなり叱られてるんだろう」

沙悟浄「何万里もすっ飛ばされて、やっと帰って来たのに……」
273: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/24(木) 22:43:59 ID:ENTcVMzf/s
八戒「勝敗は戦の常とは言え、二人がかりで敗け帰ったと言うのが問題じゃ!どうせ悟浄!お主師匠殿が居らんからとヤル気を削がれて居ったろ!」

沙悟浄「う」

紅孩児「悟空はムラっ毛があるからね。そんな悟浄さんの気分に当てられて本気が出なかったかな?」

悟空「う……って、待ってなんでこーちゃんが居るの」

八戒「説教の途中でムダ口を叩くでないわ姉者っ!」

悟空「ぴいっ!?」

沙悟浄(………ちょいとシャオ、なんであんな怒ってるのさ八戒姐さん)ヒソヒソ

小龍(…ええと、その……『お二人が芭蕉扇を無事に持ち帰るかどうか』で賭けておりまして……玉面公主と)ヒソヒソ

沙悟浄(…あぁ……あとなんで紅孩児までここに?それとけしかけといてアタイらが負ける方に賭けるとかあの狐っ娘なにを)ヒソヒソ

八戒「そこぉっ!!聞いとるのかぁ!!」

沙悟浄「ぴいっ!?」

玉面公主「……玉としては、賭けに負けても良いから殺して欲しかったのに………あ、御免なさい……息子の前だったわね……」

紅孩児「いや娘ですから。やめて下さいよ母上に嫌がらせは。愚痴られるの僕なんですから…あとくっつかないで下さい離れて下さい」

玉面公主「……パパと同じ匂い……」

三蔵「…なんかどっちも忙しそうだし、道教王カードでもやってよーか小龍」

小龍「…良いですよ。私の関帝デッキで1ターンキルですし」

三蔵「バッカ俺こないだ必勝コンボ思い付いたし」

悟空「そんな!二人とも助けてよぅ!」

沙悟浄「旦那様ぁ!見捨てないどくれぇ!」

八戒「うるさいお主ら特訓じゃ!その鈍った性根を叩き直してくれるわ!」

悟空・沙悟浄「うええええええ……」
274: 名無しさん@読者の声:2013/10/24(木) 23:32:49 ID:xMna/fS82.
シャオ君とお師匠様が仲良くなっている…だと?
275: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/27(日) 02:53:12 ID:8sRrnWgNdo
紅孩児「さてと。それじゃ涙目でお説教される悟空も堪能したし、僕はそろそろお暇するよ」

小龍「…罠カード『太公望の妙計』発動です。場のカードと手札全部除外して下さい」

三蔵「なにその鬼畜効果!?」

紅孩児「三蔵さん三蔵さん、ほら、この伏せカード発動して、コイツの効果で墓地から……」

三蔵「…ん?おおお!よっしゃ全滅回避!」

小龍「…くっ……余計な事を…」

紅孩児「だって無視するから、ふふ。じゃあね♪」

三蔵「おーう、助かったぜぃ」

悟空「………で、こーちゃんホントに何しに来てたんですか?」

小龍「…悟空さん、悟能様の特訓とやらは終わったのですか」

悟空「なんか『まずは貴様らは心構えからじゃ!』とか言い出して、そんし?とか、ごし?とか、よくわからない本を読まされそうになったから逃げてきた!大丈夫、分身残して来たから!」

三蔵「さすが俺の一番弟子だ」

小龍「…よく悟能様にバレませんね、それ」

悟空「ふっふっふシャオくん、分身に気を移すことにかけては、天界一だからね私は!イタズラに欠かせない技能だよ!」

三蔵「さすが俺の一番弟子だ」

悟空「えへへへ……で、こーちゃん何しに」

小龍「…ええと、ですね……」

三蔵「うん、なんかすぐ近くで牛魔王さんが宴会してるらしい。で、この辺は紅孩児も管轄外だから、親父さんにはクギをさしてあるけど、見つかんないよーにね、って」

悟空「え」

小龍「…しかし牛魔王の家族全てに居場所がバレている今、あんまり意味も無さそうですよね。紅孩児としては、やはり悟空さんを気にしているのでしょうか」

悟空「に、逃げよう!今すぐ逃げよう!」

三蔵「逃げようったって……じゃああの火の山、何とかしねーとなぁ」

悟空「う……!お兄ちゃんも怖いけど、あのオバサンも怖いし…!そうだ玉面ちゃんに頼んで……あれ?玉面ちゃんは?」

小龍「…いつの間にか居ませんね……あ」

悟空「う〜、お兄ちゃんに見つかるくらいならあのオバサンを……こーちゃんに頼めば……いや見返りに何を要求されるか……ううう、怖いなあ嫌だなあ…」
276: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/27(日) 02:55:37 ID:gGiNgm69c6
八戒「ほほう?怖がりな姉者でも、ワシ如きの怒りは怖くないと見えるのう」

悟空「ぴっ!?」

八戒「講義の最中に寝こけおって、九歯馬鍬の先でちょいとつついてやったら……これじゃ。毛分身とは、やるではないか姉者」

悟空「しまった気を移し過ぎて行動パターンまで私そっくりに……あーん八戒ちゃん、恥ずかしいから皆の前で私の毛なんて見せないでよぅ」

三蔵「うわぶっとい毛だな。マン毛?」

悟空「言葉を選ぼうかお師匠さま」

八戒「嫌なら嫌と言えば良いのに、こんな騙すような真似をされると、妹弟子として寂しいのう……」

悟空「そんなん言える空気じゃなかったじゃん…」

三蔵「あれ、悟浄はどした?」

八戒「そこで休んどる。姉者の分もシゴいたからの」


沙悟浄「……は、はふ……ぅん………姐、さん……ダメ………そ、そこは旦那様の為、に………あふぅ……!」


三蔵「ピクピクしてるな」

小龍「…ピクピクしてますね」

悟空「うわぁぁぁあしっかりして悟浄ちゃん!ゴメンね私が逃げたばっかりに!」

八戒「さてスッキリした所で、今後どう動くかでも話し合うかの!」

三蔵「悪魔だな」

小龍「…最近否定が出来ません」


沙悟浄「……死ぬ前に……ウエディングドレスを……着たかっ……た……」

悟空「悟浄ちゃぁぁぁぁぁあん!」
277: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/29(火) 05:45:44 ID:DUc863sXGs


ドサッ……


悟空「……お師匠さま?」

…………

悟空「…お師匠さま!お師匠さまってば!」

『屍だ。応えぬ』

悟空「お師匠さまっ!!お師匠さまぁあっ!!」

『そうしている内に、仲間も骸と化す』

悟空「え………八戒ちゃん!!悟浄ちゃん!!」

……………

悟空「シャオ、くん………」

『護れなかったな。なにひとつ』

悟空「……う、ううう、ううううう…!!!」

『そうら、三蔵法師の躯より、魂が抜けてゆく』

悟空「ゆるさない……ゆるさない……!!!」

『ならば、喰え』

悟空「ああ!?」

『玄奘三蔵法師が魂を、喰らえ。さすればこの天地に孫悟空の敵は無くなるだろう』

悟空「ふざけるな!!!」

『仇も、討てるぞ?殺したいだろう?師を、友を、奪った仇を』

悟空「うう、う、ううううう!!!」

『喰らえ』

悟空「うあ…うああああああああああ!!!!」
278: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/29(火) 05:47:42 ID:DUc863sXGs







悟空「……ぁぁぁあああああああああああっ!!!」

八戒「うおっ!!?な、なんじゃ!!?」

悟空「…………八戒ちゃん……八戒ちゃぁぁぁぁあん!」

八戒「こ、これ姉者、苦しい!抱きつくな!む、しかしやはり良い弾力じゃのぉ…ほほほ♪」

悟空「ひうっ!?」

八戒「あ、すまぬ。つい」

悟空「つい、で乙女の乳首を摘まんじゃダメだよ!とんだセクハラ幼女だよ!」

八戒「急に抱きついて来ておいて、セクハラはどっちじゃ。なんじゃ、怖い夢でも見よったか?」

悟空「………ゆめ……」

小龍「……すぅ……すぅ………」

沙悟浄「………ムニャ……あぁん…旦那様ぁ……♪」

三蔵「………いやお前スジってのはプニプニ感がだな……んんぅ……」

悟空「…みんな居る……良かったぁ………あとお師匠さま寝言がひっどい」
279: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/10/29(火) 05:49:39 ID:DUc863sXGs
八戒「ふむ、皆から無視されゴミを投げ付けられトイレでは床に落ちた握り飯を食わされ、机に花瓶でも置かれる夢とかかの?」

悟空「いじめだ!それもガチなやつだ!」

八戒「ではどうした。寝れんなら見張りを代われい」

悟空「嫌だよ、今日は八戒ちゃんの番じゃん。……夢、なんだけど………あれ?なんかよく覚えてないや………とりあえず、皆がやられちゃって、それで…」

八戒「ほほ、牛魔王が相手だとしても、そう簡単には殺られんわい」

悟空「……お兄ちゃんの声のような気も………ううん…………あ、あとなんか、食え!とか言われたような……」

八戒「床に落ちた握り飯を?」

悟空「もうそれいいよ!その私可哀想すぎるよ!やり方が陰険だよ!」

八戒「ほっほっほ、では早う寝ろ。明日は怖い怖い鉄扇公主と再戦じゃ。今度は本気を出して貰うぞい」

悟空「あう。嫌だなあ………おやすみぃ…」

八戒「うむ。………と、そうじゃ姉者」

悟空「…ん、なーに?」

八戒「乙女なら、乳毛くらいは剃ったらどうじゃ?」

悟空「うるさいよ!あんな少し摘まんだだけでわかるほどじゃあ……じゃなくて放っといてよ!うわぁん!」
280: 名無しさん@読者の声:2013/10/29(火) 15:07:53 ID:L0KAQrBqD2
八戒ちゃんwwwwwwwwww
281: 名無しさん@読者の声:2013/10/29(火) 21:00:43 ID:n.aOuE0Va2
三蔵の寝言の意味がわからない(´・ω・`)
食べ物のスジ?
282: 名無しさん@読者の声:2013/10/30(水) 07:31:15 ID:GJA3bj0wQQ
>>281
あと何年か生きれば、その内分かるよ。
急いては事を仕損じるって言うだろ。
焦っては駄目だ。
283: 名無しさん@読者の声:2013/10/30(水) 07:59:10 ID:5oiZxNPDCc
>>281
いやむしろ知らなくていいよそのまま純粋なままでいてくれよ…
284: 名無しさん@読者の声:2013/10/30(水) 19:18:20 ID:Y9Fj8nLSgQ
割れ目のことだよ
285: 名無しさん@読者の声:2013/10/30(水) 19:49:18 ID:6.COk9rl9A
>>284岩のな。
286: 名無しさん@読者の声:2013/11/1(金) 01:49:52 ID:GlzETAUq3E
岩みたいに固く成ったのもあればマシュマロみたいに柔らかいのも有るんだよな〜
287: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/1(金) 05:37:03 ID:BvessgMNn2
三蔵「…………おは…」

八戒「……む。早起きじゃの。まだ早朝じゃぞ」

三蔵「……いやぁ酷い夢見ちったよ………あえて何とは言わないけど、素敵なモノを触ってたらそれが急に毛虫に化けるっつう………うう、手に感触が残ってる気がする……」

八戒「あえて何とは聞かんが、寝ボケて姉者の尻尾を触っておったのう、師匠殿」

三蔵「………この毛玉め、師匠にケツ向けて寝るとかこの毛玉め」

八戒「そして尻尾を触られた姉者がビックリして小龍のツノを掴み、さらにビクッとなった小龍が悟浄の顔を蹴飛ばして、それで」

沙悟浄「……あぁんもう……旦那様ったら情熱的なんだからぁ……♪」

三蔵「…悟浄が小龍の足の裏にキス、がオチか」

八戒「お主ら、面白いのう」

三蔵「しかし未だにツノを引っ張られ足を舐め回されてんのに、この子よく起きねえな。なんか前に『少しでも異変があれば起きますよ』とかなんか威張ってなかったかコイツ」

八戒「ほほ、別に邪気も殺気も感じんからの。龍神とは言えまだまだ童子じゃ」

三蔵「いやツノは知らんが足をふやけるまで舐められたら起きろよ………と、ションベンションベン」

八戒「外でやれい。臭いが籠る」

三蔵「わーってるよ。でもホラ穴があって良かったなー。外は暑いし夜でも明るいし……」

八戒「………のう、師匠殿」

三蔵「あー?」

八戒「死んだら、その魂をワシが食う……と言ったら、どう思う?」

三蔵「ふざけんなテメェんなことしたらヒッデェ下痢にしてやるかんな、って思う」

八戒「ほっほ。それでは食えぬのう」

三蔵「当たり前だ。そんときは四人仲良くちゃんと分けて食え」

八戒「………ほ…ほほほ!そうじゃな!姉者なぞは食い意地が張っとるからのう、きちんと分けねば喧嘩になるのう!」

三蔵「あーでも太り気味だかんな最近。気持小さめに切り分けて…………ん?」

八戒「……どうした?血尿でも出たか?」

三蔵「自慢じゃないがそこまで身体に無理させるほど働いてねぇよ。じゃなくて……」

八戒「?」
288: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/1(金) 05:39:19 ID:BvessgMNn2


三蔵「ほれ。珍しいモンが生えてた」

八戒「ほう、霊芝(万年茸)じゃの」

三蔵「これ高いキノコだよな確か。でもおかしいな、寝る前にも同じ場所でションベンしたけど、こんなん見当たらなかったんだけどな」

八戒「あー、じゃあ小龍の仕業じゃな」

三蔵「…は?」

八戒「此奴も寝る前に用を足しに行っておった。男の立ちションスポットは大体同じ所を選ぶからのう」

三蔵「いやいくらキノコ繋がりだからってそれとこれと何の関係が」

八戒「なんじゃ知らんのか?小龍の小水を浴びれば、木々は艶めき根本からは霊芝や仙草が生えるんじゃぞ?」

三蔵「なんと」

八戒「しかも飲めば内蔵系の病気ならば大体治すしの」

三蔵「マジか」

八戒「そこはほれ、龍神じゃからのう。正体のよくわからん姉者はともかく、血統で言えばワシら妖仙とはレベルが違うわい」

三蔵「………まさか飲んだこと」

八戒「いや1回二日酔いが酷い時に頼んだが流石に断られた」

三蔵「お前子供になにさせよーとしてんだ」
289: 名無しさん@読者の声:2013/11/1(金) 07:42:00 ID:/kU2jJP7Ck
師匠の肉みたいにシャオロンの御小水を狙う妖怪とか現れそうwww
支援!
290: 名無しさん@読者の声:2013/11/1(金) 14:57:26 ID:2iTqpd5cSg
むしろシャオくんなら御小水のみならず肉鱗内臓戦闘力すべて狙われてそう
291: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/3(日) 22:36:04 ID:Si3F8rHkVU
悟空「いけーっ!そこだ悟浄ちゃん!」

八戒「かーっ!惜しい!もそっと腰を入れんかい!」

ビュッ!!ガキィン!!ガキィン!!

沙悟浄「……ふうっ!」

鉄扇公主「…な、なによ?この小娘、前日とは動きが段違いじゃありませんこと…!?」

沙悟浄「はんっ!この前と比べてもらっちゃあ困るってもんさね!今日のアタイは百人力!なんせ……」

三蔵「なんだ、強い強いって言ってたけど、押してるじゃねーか」

小龍「…いえ、悟浄さんの幻術を絡めた攻撃を見事に見切ってます。強敵ですよ」

三蔵「お前らバケモンのレベルなんてわかんねーよ」

沙悟浄「……なんせ、今日のアタイには旦那様がついている!愛しい男の視線を背負った女の強さ、とくとその目に焼き付けなぁっ!」

鉄扇公主「……く、愛の力…!なんと羨ま妬ましい…!」

悟空「おおお……てか悟浄ちゃん、あんなに強かったっけ。マジで愛の力?」

八戒「それがひとつ。あとは、アレは全力で闘わぬクセがついとるからのう。元々彼奴は天帝の近衛じゃからして、護衛のスペシャリストじゃ。じゃからこそ打ち倒すよりも、絡め捕る、敵の無力化を得意とする。幻術に長けとるのもそれ故じゃろう」

小龍「…今は、全力が出せる、と」

八戒「ほほ、今護るべき師匠殿には、ワシらが付いておる。信頼されとるんじゃよ。……これどうした悟浄、もう息切れか!?もたもたしとるならワシが代わるぞい!」

沙悟浄「まさか!この一戦で、牛魔王の第一夫人よりも玄奘三蔵の第一夫人のが強いってコトを、天下に知らしめてやるんだからねぇ!」

三蔵「待て誰が誰の第一夫人だって?」

悟空「そうだよその言い方だと第二夫人も居るように聞こえるよ!」

八戒「ワシは御免じゃし、師匠殿の趣味的に姉者は……となると、小龍か」

小龍「…消し炭にしてから実家に帰りますね」

三蔵「どっちかにしてよぅ」
292: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/3(日) 22:39:36 ID:Si3F8rHkVU
鉄扇公主「……くぅっ!こんな漫才カルテットにこの私が…!しかし、ここで芭蕉扇で吹き飛ばしても、逃げだと思われてしまいますわね…!」

沙悟浄「そんなヒマ与えないよっ!」

鉄扇公主「きゃっ!?」

沙悟浄「覚悟っ!」


ドゴォォォォォォォォォォンッッ!!!!!


沙悟浄「……ち、女の喧嘩にしゃしゃり出るかい…!」

牛魔王「…………」

鉄扇公主「牛魔王様ぁ……!」

八戒「小龍」

小龍「…はい。ダメですよ悟空さん」

悟空「に、逃げない、逃げないから尻尾はやめてぇシャオくぅん!」

沙悟浄「……退いとくれよ、アタイはそのオバサンと闘り合ってんだ」

牛魔王「…くくく………おぉい孫。お前、コイツらに説明してなかったのか?この俺が、何に一番キレるかっ……てよ」

悟空「…………あ。うん、わかってたんだけどね、言ったところでね…?」

牛魔王「テメエの女に手ぇ出されんのが、いっっっっちばん嫌ぇなんだよ俺ぁ!!!!俺の鉄扇に何してくれてんだオラァァァァア!!!!!」


ビリビリビリビリビリビリ…!!!!


沙悟浄「……あ、ゴメン姐さん達、これムリ臭いかも」

八戒「ここまでとは……前の小競り合いなぞ、遊びも良いトコじゃったんじゃの…」

小龍「…これは、怖いですね……」

悟空「とか言ってみんな臨戦体制だね!やる気だね!逃げようとか提案できる空気じゃないね!」

三蔵「大声出したくらいでビビらなくても。怖がり毛虫だな」

悟空「毛虫は初めてのパターンだ!むぅ、お師匠さまは良いよね、妖気とか感じないもんね……ううう、わかりましたよやりますよ……じゃあお師匠さま、座ってないでもう少し離れて……」

三蔵「いや、例のごとく腰が抜けてな。急に怒鳴るんだもんあの人」

悟空「よくそれで毛虫をバカにできましたねってか毛虫じゃないよ!まだ毛玉のが可愛い!」
293: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/6(水) 21:34:55 ID:BL1IQ1ozDA
牛魔王「死ねゴルァァァアッッ!!!」

ズズズズズズズ……!!!

沙悟浄「ちょ、なんだいこの馬鹿デカイ妖力は!?んな妖力の放出、喰らったらひとたまりも無いよ!?」

悟空「わー、お兄ちゃんの牛魔砲だ……懐かしいなあ……すごいんだよアレ、島とか沈めちゃうんだから……うう、怒ってるってよりか、酔ってるよあの人!マジで本気だよ!」

八戒「牛魔砲……なるほど、虎娘の技はこの模倣か。規模は巨竜とアオミドロ程もあるが」

小龍「……ダメですね。気を溜めている最中でも、隙がありません。というか半端な攻撃では、あの渦巻く妖力に掻き消されてしまう」

沙悟浄「のんびり話してる場合じゃないだろ!どーすんのさコレっ!?後ろには旦那様が居るんだよ、なんとかしないとっ!」

八戒「姉者、防げるか?」

悟空「……みんな、私の身体に触れてっ!」

沙悟浄「いや姐さん……ごめんアタイには旦那様が……」

小龍「…とうとう先生のアレが伝染りましたか…」

悟空「違うよ!あとアレってなんなのシャオくん!?ほら八戒ちゃんみたいに早くっ!迷わずおっぱい鷲掴みにされてるけどスルーするから!それどころじゃないから!」

沙悟浄「じゃあ……御利益があるかもしれないし、アタイも胸で」

八戒「ほれ、小龍も早うせい」

小龍「……尻尾で」

悟空「ひうっ!?シャ、シャオくんのエッチ!」

小龍「…何故…!」

悟空「じゃ、じゃあ合図したら、ありったけの妖力を私に送ってね!……くるよ!さん、にぃ、いち……」

牛魔王「塵にしてやるぜぁ!!!……牛・魔・砲っっ!!!」

悟空「ここっ!!!頑張って如意棒っ!!!」

八戒「なんとアバウトな」


カッッッッッ!!!!!
294: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/6(水) 21:37:37 ID:BL1IQ1ozDA







沙悟浄「…………う…うん………どう、なったんだい…?」

小龍「…光って……それで………なんですか、この壁は」

八戒「この色……まさか」

悟空「ふぃぃ……上手く行ったぁ……え、うん。これ如意棒」

沙悟浄「にょっ……!?え!?だ、だってこれ、え!?」

小龍「…壁、ですよね……」

悟空「『如意』棒だからねー。やろうと思えばどんな形にもなってくれるんだよ。すっごく疲れるから殆んどやらないけど」

八戒「……上も左右も、終わりが見えんぞい」

悟空「いやみんな本気で送ったねぇ。最高記録更新だよコレ。たぶん上は天界より…横はわかんない。人とかは避けてって念じたから、大丈夫だと思うけど」

三蔵「ほんっとにバケモンだなお前。ひくわー」

悟空「隠れてた人が相変わらずヒドイ!……はぁ…」

三蔵「どうした?ツッコミにキレが無いぞ?そんな疲れたのか」

悟空「……んー、えっとね。そろそろ来ると思うんだ…け、ど……」

沙悟浄「…姐さん?ちょ、どうしたんだい?……凄い熱…!」

八戒「おい姉者!く、反動か?おい、しっかりせい姉者!」

小龍「…悟空さん!悟空さん!」

三蔵「……なんだよ。おい、冗談やめろよ……!」

悟空「……だ、いじょ……ぅぶ………少しの………あいだ…………だ、け……」

三蔵「おい?おい悟空っ!おいってば!」

悟空「………お…ししょ………さ……」
295: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/6(水) 21:40:58 ID:BL1IQ1ozDA


ボワンッ





三蔵「…………」

ごくう「あー、やっぱりだ。これやると、少しの間だけちっちゃくなっちゃうんだよね。まいったまいった」

八戒・沙悟浄・小龍「…………」

ごくう「どしたのみんな?なんで涙ぐんでるの?」

八戒「心配を返せバカ姉者ぁっ!!」

小龍「…完全に消滅フラグでしたよ!ふざけないで下さい!」

ごくう「えっ、えっ。なんで怒ってるの?あと悟浄ちゃんはなんでそんな怪訝な目を……?」

沙悟浄「…だって……だってそんなの…!」

ごくう「…?あ、おししょーさまも、後ろ向いてどーしたの?」

三蔵「……どストライクじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁあ!!!悟空なのに!!!これ悟空なのに!!!」

沙悟浄「やっぱりだぁぁぁあ!ちくしょうズルいよ姐さん!ズルいよ!」

ごくう「ふ、ふたりともどーしたの?」

八戒「……頭の中まで幼退化しておるな」

小龍「……喋りも若干幼いですしね」

三蔵「あれは悟空あれは悟空あれは悟空あれは悟空」

沙悟浄「そうだよアレは姐さんだよ!毛だよ!毛まみれだよ!ダメだよ旦那様!」

ごくう「?」
296: 名無しさん@読者の声:2013/11/6(水) 22:10:53 ID:S5h0xcTTFg
ギア・サー…


っCCCC
297: 名無しさん@読者の声:2013/11/6(水) 22:13:48 ID:Qdufl9asVM
C
298: 名無しさん@読者の声:2013/11/7(木) 00:03:32 ID:BEFjJnujFQ
ちびごくうはよ
299: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/10(日) 18:29:05 ID:tFw3rbWAB.
三蔵「ふわぁぁあ……よく寝た…」

小龍「…長いお昼寝、お疲れ様です。食べて寝て食べて寝て、今や世にも名高い三蔵法師がニートさながらの生活をしてるんですから情けない」

三蔵「寝起きの師匠に対して辛辣な。お前らだって似たよーなモンだろー。野宿がこうも続くと、やること無いんだよもう」

小龍「…この如意棒から離れるワケにもいきませんしね。近くに村でもあれば良いんですが」

三蔵「いつ頃もとに戻るかわからんとか、無責任な感じがいかにも悟空の術だな……そういやアイツどこいった?」

小龍「…3人で食料を……って、聞いてどうするつもりですか」

三蔵「生ゴミを見る目をやめようか。なんもしねーよ!信用してよ!」

八戒「信用を得るような行動したこと無いじゃろが。どちらにせよ、当分師匠殿と姉者は二人きりにせん」

三蔵「えええええ……」

小龍「…お帰りなさいませ、悟能様」

八戒「うむ。周りを見てきたが、この洞穴よりマシなねぐらは無かったのう。食料はワシが全部担いで来てやったわい……ええい悟浄め、荷物持ちくらいやらんか全く!」

三蔵「………てゆーかさ、悟空と二人きりが無理なのは、俺がどーこーじゃなくて」

小龍「…まあ、アレが原因ですね」

八戒「…最初は『こんなロリッロリな姐さんを、アタイの旦那様に触れさせるワケにいかないよ!』とか言ってたクセにのう……」
300: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/10(日) 18:33:17 ID:wqSY9IHfd6





ごくう「…悟浄ちゃん、あたま撫でないで」

沙悟浄「良いじゃないのさ減るもんでもなしぃ♪」

ごくう「姉弟子としての威厳とか秒刻みで減ってる気がする」

沙悟浄「ほら姐さん、そこ段差があるから、アタイが抱っこしてあげるよぅ♪」

ごくう「いいよぉ…あるけるよぉ…」

沙悟浄「いいからいいから!あぁぁぁん姐さん軽い!かわいい!ほっぺが、ほっぺがぷにぷに!」

ごくう「あつくるしい……」





三蔵「まさかの母性本能大爆発だもんな」

小龍「…溺愛ですね。子供好き同士でお似合いなんじゃないですか先生」

八戒「道中も延々と可愛がっておったわ、姉者もげんなりしとるわい。もう悟浄の中では我が子になっとるのう」

小龍「…たぶん脳内では先生との娘なんでしょうね」

三蔵「ロリコンなのは否定しないけど、悟空が娘ってのはなんか嫌だ。あんな娘めんどくせぇ」






沙悟浄「さあパパも待ってるから帰ろう帰ろう!あーもう可愛いねぇ姐さんは♪」

ごくう「まってパパってまさかお師匠さま?それはなんか嫌だ。あんな父親めんどくさい」
301: 名無しさん@読者の声:2013/11/10(日) 23:06:02 ID:ElWhNBG81s
いくつぐらいになっちゃったんだ…?
302: 名無しさん@読者の声:2013/11/11(月) 22:02:08 ID:6KdyPMHBok
支援
303: 名無しさん@読者の声:2013/11/13(水) 09:15:07 ID:LId/HKuROA
C
304: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/15(金) 19:19:16 ID:2BRfy..96Q
ごくう「いっただっきまーす!」

沙悟浄「あぁほら姐さん、ちゃんとコレつけて」

ごくう「いやヨダレ掛けっておい」

八戒「ぶふっ」

三蔵「きったねーな八戒!飯粒飛ばすな!」

小龍「…悟能様、ちり紙です」

八戒「んがっ……!鼻の奥に米粒が……ぷひーっ!………ふう。いや今の真顔でのツッコミは卑怯じゃろ姉者よ」

ごくう「だって見てよこのヨダレ掛けのワンポイント!おサルさんが体で『G』を表してるよ!わたし専用だよ!こんなのどうやって怖い!」

三蔵「裁縫は任せろ!」

沙悟浄「デザインはアタイが!」

ごくう「もうわたしに逃げ場が無い!」

八戒「良いではないか。普段は毛だの脳ミソ湯豆腐だの毛だの乳だけ星人だの毛だのとバカにされとるんじゃから、今のうちに可愛がられておけぃ」

ごくう「毛ぇ多いなぁ……」

小龍「…ところで先生、思ったよりも悟空さんに対して欲情を剥き出しにしませんね先生のクセに」

三蔵「わーおスットレートに失礼だ!……んー、と言うかなぁ…」

沙悟浄「姐さん、あんまりお腹いっぱいにしちゃダメだよ?今日はデザートに焼きリンゴ作ったげるから♪」

ごくう「わぁい!………う、うん。いいよね、やきりんご。うん」

八戒「おーおー、幼児退行を必死に抑えとる抑えとる」

三蔵「……あーも『我が家の末っ子』的な扱いをされてるヤツに劣情を催すほど、俺は堕ちてなかったワケだな」

小龍「…なるほど」
305: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/15(金) 19:20:50 ID:2BRfy..96Q
三蔵「だがストライクゾーンなのは確かだ。俺の心の均衡を保つ為にも、早くいつもの毛に……そっか。コイツ毛が無くなってるんだ。ほら見ろムダ毛が無い」

小龍「…本当ですね。確か変化の術を使っても、ソコだけは変わらなかったハズなのに」

ごくう「…とりあえず降ろしておししょーさま。なんなのさ」

沙悟浄「ああっ!可愛い!ブラーンってなってる姐さん可愛い!」

八戒「ふむ。そして今の姉者は力が出せぬ、と。つまり……」

三蔵「お前の力の源って毛かよ」

ごくう「そんなばかな!」

小龍「…そう言えば、分身の術等も、その、ムダ毛を抜いて行ってましたね…」

ごくう「しゃおくんの口からムダ毛って聞きたくないなあ!……え、マジで?」

八戒「……まあ、毛は女の命と言うし……ぷふっ……!」

ごくう「ウン百年生きてきて、こんな事実知りたくなかったよ……」

沙悟浄「もー、あんまり姐さんを苛めないどくれよ皆。さて、焼きリンゴの準備準備〜♪」

八戒「すっかり母親しとるのう。…母親と言えば、あの厚化粧から扇を奪わんと山を越せんが、やはり姉者の回復を待たねばならんか」

小龍「…襲ってくるかと思ってましたが、数日音沙汰無しですね」

ごくう「あー、それはたぶん、おにいちゃんもわたしみたいに」

三蔵「え、なに?アイツもちっさくなってんの?お前ら義兄妹どうなってんだよ」

ごくう「ちがうよー。あれだけ本気でぶっぱなしてたからねぇ。きっと妖力を回復するために、正体の白い牛さんに」

沙悟浄「皆、ちょっと来ておくれ!」



虎力大仙「……………」

三蔵「…ボロボロじゃんかよ!おい虎さん!?」

沙悟浄「息はあるけど、ギリギリだね」

ごくう「たすけなきゃ!しんじゃうよ!」

小龍「…はい。事情も知りたいですしね」

八戒「うむ。では悟浄、小龍………ワシを離せぃ!さすがに瀕死相手になんもせんっ!!!」
306: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/18(月) 21:46:43 ID:tkQ1cT7I8g
牛魔王「……ぶふぅぅぅぅ……!!!」

木叉「かー、オッちゃんタフやなぁ。そんな獣の姿でも、ここまでボクと戦り合えるやなんて、こら予想外やわ」

牛魔王「………」

鉄扇公主「……ぎゅ……まお、さま………」

玉面公主「………パパ………ぁ……」

牛魔王「……テメェは百万回殺す…!」

木叉「おー怖。やめてぇや、ボクこれでも動物好っきゃねんから。特に牛とか雄々しくて角とかカッコええし……何より焼いたら美味いんがエエわ」

牛魔王「…意気がってんじゃねぇぞ餓鬼が。焼かれて食われるのはどっちか解ってねぇようだな…!」

木叉「んんん?何やろねその大口は?もしかしてオッちゃん、助けとか待ってたりするん?………可愛い一人娘の」

牛魔王「……!」

木叉「かーっ!なっさけないわー!牛魔王ゆうたらその名を聞けば泣く子は黙り城門は開け放たれ香を焚いて出迎えらるっちゅー大物やのに!助けを頼みに啖呵を切るとか、しかも女の助けを!……幻滅やわ」

牛魔王「………テメェ」

木叉「おーっと、アカンで?『俺の子嘗めるなよ』とかそんなド三流のセリフ吐かんといてや?そら紅孩児ちゃんは強いけどやな………来ぃへんし」

ドサッドサッ

鹿力大仙「………」

羊力大仙「………」

木叉「はいこちら、お使いもマトモに出来へん役立たずの死体でございまぁす♪……て、言いたいトコやけど、コイツらエッラい頑丈なんやもん、ビビったわ!あ、持ってきてへんけど、あのビキニガールちゃんにもヤキ入れさせてもらいましたー。女の子やさけ、心が痛んだわぁ」

牛魔王「……鉄扇!!!テメェまだ動けるだろ!!!玉を連れて逃げろ!!!」

鉄扇公主「………お、断り……致しますわ…!」

牛魔王「いいから逃げろ!!!言うこと聞きやがれ!!!」

鉄扇公主「……私も!……忌々しいけれど、この小娘も!貴方が居なければ死ぬ女ですわ!」

牛魔王「……ちっ…!」

木叉「アカン涙ちょちょ切れるやん〜。映画化決定やね全大陸が泣いたね!でも安心しぃや、娘さんは面倒やさかい呼ばせんかったけど、まだ望みはあるで?」

牛魔王「…なんの話だ」

木叉「そろそろお喋りばっかやと間が持たんで、はよ来てくれるとエエねんけど……」
307: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/18(月) 21:48:38 ID:tkQ1cT7I8g
八戒「焼き尽くせぃ九歯馬鍬!」

ゴォォォォォォォオッ!!

牛魔王「っ!?」

八戒「…ふむ、やはりお主か。喧嘩を売る相手、間違うておらんか?」

沙悟浄「まったくもう……敵に塩を贈るどころじゃ無いじゃないのさ。命の獲り合いしてた連中だよ?どっちが死のうと知ったこっちゃないってのに」

ごくう「まーいーじゃん。玉面ちゃんにはお世話になったし。あー、やっぱお兄ちゃん牛になってるや…」

三蔵「かふっ!」

八戒「どうした師匠殿」

三蔵「…いや、悟空の『お兄ちゃん』の破壊力は凄まじいなとか、そんなこと思ってないよ大丈夫」

小龍「…死んでください」

三蔵「とうとう願望じゃなくて要望してきた!」

牛魔王「……孫……テメェら……。おい三蔵さんよ、何しに来やがった…?」

三蔵「なにって……わかってるけどムリムリムリ。瀕死の女の子に助けて助けてとかうわ言を聞かされたら、いくら俺が生臭坊主でもムリムリムリ」

牛魔王「……虎力か…」

三蔵「さて八戒、悟浄、小龍。悟空が役立たずだから頑張ってあげてね。とりあえずあの兄ちゃんは俺も好きくない!」

八戒「応!」

沙悟浄「あいよ旦那様っ!」

小龍「…借りは返します」

ごくう「ごめんね!役立たずでごめんね!」
308: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/18(月) 21:49:44 ID:tkQ1cT7I8g
木叉「…………来た」

三蔵「?」

木叉「…………命を狙われた相手を、助けに来た。………徳が貯まったぁぁあ!哪吒ぁ!」

哪吒「はいな兄様」

三蔵「え」





カッッッ!!!









牛魔王「……なんだ…?どうなりやがった…?」

八戒「…く、何処へ行きおった彼奴め!」

沙悟浄「気配が無い……逃げた?」

小龍「…それに、聞き覚えの無い声がしましたが」

ごくう「……おししょーさまがいない!」

八戒・沙悟浄・小龍「!!!」

ごくう「となりにいたのに……いない!いないよ!」

ごくう「おししょーさまぁぁぁぁあっ!!!」
309: 名無しさん@読者の声:2013/11/19(火) 20:33:08 ID:6KdyPMHBok
支援、切実に支援
310: 名無しさん@読者の声:2013/11/21(木) 15:02:50 ID:Ri/0Dq7liI
ごくうかわゆす///
っCCCC
311: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/21(木) 20:46:27 ID:2BRfy..96Q
八戒「……陽が落ちるのう。観世音あたりから何かしら報せがあるかとも期待しておったが、甘かったか」

小龍「……場所の手掛かりがありません……天界へは、生身の人間は物理的に入れませんし…」

沙悟浄「…あんな奴等、助けようとしなければ良かった!!さっさと消えちまいやがって!!旦那様は、旦那様は…っ!!」

ごくう「……おししょおさまぁ………」

紅孩児「座が暗いなあ」

ごくう「…こーちゃん…?」

紅孩児「うわあ悟空、可愛くなっちゃって。でもこれじゃあ犯罪だなあ、手が出せないや♪」

沙悟浄「何しに来たんだい!冷やかしなら殺すよ!」

紅孩児「わー怖い。せっかく色々教えに来てあげたのに」

沙悟浄「な、何か知ってるんだね!?言え!はやく言え!」

猪八戒「落ち着け悟浄。……紅孩児、牛魔王はどうしておる?」

沙悟浄「こんなときに敵の心配かい姐さんっ!?旦那様はどうでもいいってのかい!!」

八戒「落ち着けと言うて居ろうがっ!!」

沙悟浄「…っ!」

八戒「そう逆上せておっては貴様、もし紅孩児の口から師匠殿の居場所でも出ようモノならば、考えも無しに飛び出して行くじゃろ!相手は天界じゃ!その無謀こそ師匠殿の身が危うくなりかねんと知れい!」

小龍「…私たちも、怒りも……悔しさも同じです。悟浄さん」

沙悟浄「…ごめんよ」

ごくう「…絶対にたすける。だから教えてこーちゃん。おししょーさま、どこ?」
312: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/21(木) 20:48:42 ID:2BRfy..96Q
紅孩児「ん?天竺」

八戒「……なんじゃと?」

紅孩児「玉面さんが、『三蔵法師の魂が金色に輝いたのを感じた』って言ってたからね。つまり彼は今、金蝉子……前世の力を取り戻したんだよ。今なら食べ頃MAXってわけ」

沙悟浄「…?それで天竺って……あーもう!もっと解りやすく話しなよっ!」

紅孩児「だって、黒幕がそこにいるらしいから」

小龍「…黒幕」

紅孩児「うちの父上みたいに、その魂を喰らおうと考えてるとは思えないよね、天部が。でも奴等は三蔵さんが覚醒した途端に連れ去った。事を急いだ理由まではわからないけど、金蝉子の魂を欲するとしたら」

八戒「……やはり、観世音の言うておった『上』とは……釈迦如来か」

ごくう「おしゃかさま……!」

沙悟浄「なんでさ!なんで仏様がそんな真似を!」

小龍「……金蝉子は釈迦の弟子……そもそもそれほどの者が転生、死んだというのは、よく考えれば異常……」

紅孩児「もうわかるよね?狙いは多分、金蝉子の復活だよ」

八戒「……くっ…!」

ごくう「…それ、おししょーさま、どうなっちゃうの?ねえ?ねえってば!」

小龍「……前世に戻れば、人間としての先生は……」

沙悟浄「そんなの、死ぬって事じゃないのさ!姐さん!無謀とかじゃなくてもう、行かないと!」

紅孩児「行ってどうするの?」
313: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/21(木) 20:50:59 ID:2BRfy..96Q
沙悟浄「ああっ!?」

紅孩児「力が落ちていたとは言え、ウチの父上。それに母上に玉面さん…それらを簡単にあしらう木叉君。その木叉君だって、天部で一番ってワケじゃない。……正直僕らも甘く見ていた。大昔に父上が喧嘩を売ってた頃とは桁が違う」

沙悟浄「何が言いたい!」

紅孩児「死にに行くようなモノだって言ってるんだよ。君らが死のうが構わないが、そんな自殺旅行に僕の悟空を連れて行くのは許さない。……止めに来たんだよ、僕は」

ごくう「……こーちゃん」

紅孩児「僕だって悔しいんだ。友人も殺されかけたしね。でも悟空。確かに悟空なら、父上とだって闘りあえる力を持ってる。でも、釈迦の力の意味は、君が一番良く知っているだろう?ましてや君は今、そんな姿だ。もう手遅れさ……諦めてよ」

沙悟浄「ふざけんなっ!!今、何を諦めろって言った!!?」

紅孩児「ならば僕に悟空を失えと言うのか!許せるワケ無いだろ!それに、きっともう三蔵さんは」

小龍「…やめてください!……嫌だ…!」

ごくう「………おししょーさまぁ………」

紅孩児「仕方ないじゃないか!僕だって悟空の悲しむ顔なんて………悟空?」

ごくう「………痛い…?」

八戒「姉者?」

ごくう「……痛い。痛いよ!輪っか、輪っか締め付けてくる!痛っ!」

沙悟浄「っ!」

ごくう「生きてる!おししょーさま生きてるよ!痛たたっ!『はやく助けろボケ』って言ってるよ!痛い!あは、あははは!痛いってばおししょーさま痛いい!」

八戒「決まりじゃ。行かねば姉者の頭が弾け飛んでしまうわ!ほっほっほ!」

沙悟浄「生きてる!生きてる!」

小龍「…皆さん、私の背中に。全速力で飛ばします。もう取経の旅では無いのですから、ルールもクソもありません!」

紅孩児「……近道を教えるよ。僕も行くしか無いじゃないか。悟空だけでも生きて連れ帰る」

ごくう「たすけるまで帰らないもん!もうおしゃかさまだろーとしらない!たすける痛い!ちょっとおししょーさま痛い痛い少しゆるめて痛いってば!」
314: 名無しさん@読者の声:2013/11/21(木) 21:02:39 ID:5RiZkxhOv2
胸熱な展開ktkr!支援!
315: 名無しさん@読者の声:2013/11/22(金) 12:04:59 ID:fsAT5AQwKM
皆格好いい!全力で支援!

しかし現状で徳が貯まったとか…金蝉子も元々ロリコンだったのかね?

316: 名無しさん@読者の声:2013/11/22(金) 16:03:48 ID:6KdyPMHBok
急転会に胸熱
317: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/24(日) 00:17:29 ID:2WIxnK5D9I
ごくう「とばせシャオくんっ!いけいけーっ!」

小龍「…はい。しっかりと掴まっていて下さい」

八戒「しかし火焔山にこのような抜け穴があるとはのう」

紅孩児「山向こうの偵察をするのに必要だったからね。前に一度母上が火を消して……と、そろそろ抜けるよ。天竺国だ」

  
ヒュオオオオオオ……


沙悟浄「………早速お出迎えかい」

ごくう「船がいっぱい飛んでくるよ!」

『……ガーガー…ピー……孫悟空、猪悟能、沙悟浄、白龍太子に告ぐ。これよりは天竺国が領空。天意である、即刻引き返せ。繰り返す、即刻引き返せ』

紅孩児「百は下らない数の戦艦……引き返すなら今だよ?」

八戒「…個人的にもそれは出来んな。あれは天蓬水軍………ワシの部隊ではないか!」

沙悟浄「天界最強の水軍だね。天帝は仏の傀儡だったってことかい……上等じゃないのさ!」

小龍「…しかし、私たちの邪魔をするということは、来てもらっては困るということ。つまりまだ間に合う…!」

水軍隊長「警告は無視………射てぇぇぇぇい!矢の雨であの小汚い龍を射ち落とせぃ!」

水軍兵「おおおおおおおおっ!」

ごくう「うわ、射ってくるよ!」

八戒「……この痴れ者どもがぁぁぁぁぁあっっっ!!!」

水軍兵「っ!!?」

八戒「ワシに弓を向けるとは何事か!ワシの、この天蓬元帥が教えを忘れたか!?自らが兵(つわもの)である事を自覚し、真の敵と見極めてから武を奮えと、それが武人の誇りじゃと教えたであろうが!」

水軍隊長「……元帥、様……!ぐ、うう……!」

ごくう「おおお!八戒ちゃんカッコいい…!」

沙悟浄「流石だね姐さん!あいつら黙り込んじまったよ!」

小龍「…お見事です」
318: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/24(日) 00:19:38 ID:2WIxnK5D9I
八戒「ふん!ワシが居らん間に、腑抜けた軍に堕ちたようじゃの。まあこれで下らん邪魔も……」

水軍隊長「……皆の者!千載一遇の好機ぞ!あの女を射殺せぇぇぇいっ!!!」

八戒「なぬ!?」

水軍兵「うおおお!俺の彼女返せ外道めっ!」

水軍兵「お前のせいで母さんはっ!母さんはっ!」

水軍兵「妹の人生メチャクチャにしやがってぇぇぇえ!」

水軍隊長「最愛の妻を、妻を奪った恨みじゃあぁぁぁあっ!!!」

紅孩児「矢が更に激しくなっちゃったね」

八戒「…………」

ごくう「…八戒ちゃんカッコわるい……」

沙悟浄「最悪だね、姐さん……」

小龍「…悟能様……」

八戒「な、なんじゃその目は!全て合意の上じゃ!ワシは悪くない!悪くないぞ!」

紅孩児「あ、女の子だ」

水軍女兵「私だけだって言ったのにぃぃい!私の初めて返せぇぇぇえっ!」

ごくう「…言ったの?」

八戒「……言ったような言わなかったような」

沙悟浄「…で、初めてを奪ったのかい?」

八戒「……過去は振り返らん主義での」

小龍「…最低じゃないですか悟能様…!」
319: 名無しさん@読者の声:2013/11/24(日) 17:09:20 ID:BXWM8D12yo
しっえーんっ!!

しかし八戒ちゃんェ…
320: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/25(月) 22:12:21 ID:tqr5BIGS5s
八戒「と、とりあえずバラけるぞい!これでは的にしてくれてと言うてるようなモンじゃ!小龍!」

小龍「…はい。龍神形態を解きます。用意は……」

ごくう「まって今わたし飛べない!」

沙悟浄「そんなこともあろうかと!」

ごくう「うわぁおんぶひもだ!」

紅孩児「よし、僕が」

沙悟浄「ふざけんじゃないよ!アタイと旦那様の愛の結晶は渡さないからね!」

ごくう「それだとわたしが二人の娘みたいに聞こえる!あ、そのつもりなんだったこの人!」

八戒「どっちでも良いから早ぅせいっ!」

小龍「…矢の塊が……限界です!四方に飛んで下さい!」

八戒「ええいっ!面倒臭いっ!」

沙悟浄「ああんっ!」


ビュビュビュビュビュビュビュッ!!!


八戒「おおっと……!雲よ!我が足と為し……む、本気で軽いのう、姉者」

ごくう「八戒ちゃんに背負われるってなんか変な感じ!」

沙悟浄「降魔杖よ!沙僧が名において天駆けよ!………うう、姐さんに姐さん取られた……」

小龍「…ややこしいですね」

紅孩児「浮術、浮術……と。あはは、なんかアレだね。妹の面倒を見る歳の近いお姉ちゃん、って絵面になってるね」

水軍隊長「……くっ!射て射てぃ!的が割れても、面で敵を捉え…」

八戒「薙ぎ殺せぃ九歯馬鍬ーっっ!!!」

水軍兵「た、隊長ぉぉぉおっ!元帥様が、元帥様が凄い勢いでひでぶっ!?」
321: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/25(月) 22:14:24 ID:tqr5BIGS5s
八戒「貴様等……よくも恥を晒させてくれたのう……!元とは言え、兵が将に逆らった代償は高いぞい…!」

水軍隊長「じ、自業自得ではないです……ないか!私の妻を…!」

八戒「うるっさいわい!女ひとり捕まえておけん貴様等のせいじゃ!逆恨み甚だしいわ!」

水軍隊長「逆恨みなワケあるかぁ!」

八戒「唇と唇、目と目と手と手とナニとナニ!神様は何も禁止しとらんっ!ワシは悪くないっ!!!」

沙悟浄「言葉の意味はわからないけど、酷い理不尽なのはわかるねぇ…」

小龍「……自由なお方ですから……」

ごくう「他人のフリしたくても背負われてちゃ出来やしないよ……」

紅孩児「げんなりしたミニ悟空も可愛らしいね……っと。……へえ、前線に出るんだね」

木叉「あははは〜♪まあ管轄外とは言えやね?この戦艦隊、天帝様からの借りモンやさかい。全滅させられるくらいなら出てこーかなー、と。はいどーもぉ、天部の爆笑王こと木叉君でございますぅ♪やー、仕事やし頑張っていきたいなぁと思」

沙悟浄「貴様ぁぁぁあっ!!!」

木叉「わわっ!?まだ話しとるやん出囃子の途中やんっ!」

沙悟浄「旦那様を返せぇぇぇえっ!!!」


ガキィィンッ!!!


沙悟浄「……っ!誰だい。殺すよ?」
322: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/25(月) 22:17:05 ID:tqr5BIGS5s
哪吒「お初にお目にかかりますえ。毘沙門天が三女、哪吒言います。以後よろしゅう♪」

木叉「三男、やろがい」

哪吒「ウチ女の子やもん!兄様は何度言うたらわかってくれはるの!」

木叉「だぁれがお前のオシメ換えてた思てんねん!立派なポークピッツがついとったわい!そっから兄貴の顔にションベン何度も引っかけおった奴が、なぁにが女の子や気色悪いっ!」

哪吒「きゃあああああっ!?そ、そんなん知らんもん!そんなマニアックな事をしてたんウチ!?あーでもウチMやから、かけるよりかけられる方がええから、それウチやないわぁ」

木叉「何のハナシしとんねん!?聞いとらんわ聞きたないわ!」

沙悟浄「………」

ガッキィィンッッ!!!

木叉「おわぁ!?いや流石にここで邪魔すんなや空気読めや!」

哪吒「そうやそうや!オチまでやらすんが礼儀どすえ!これやから軍人は」

小龍「…火龍咆哮っ!」

ゴオオオオオオオッ!!!

哪吒「熱ぅうっ!?な、なんやのもう!不意打ち卑怯や!」

小龍「…その声……先生を拐ったのはアナタですね」

沙悟浄「卑怯はどっちだい。漫才がしたいなら、地獄でしな!」

木叉「……激おこやね。まあ、そらそーか」

哪吒「可哀想やけど、これも仕事なんどす。御免してや?」

小龍「…悟能様、ここは先へ。………龍王が一族、猪悟能が従者。……そして……玄奘三蔵が弟子、小龍。推して参ります…!」

八戒「……ほほほ。よう言った!任せる!」

沙悟浄「旦那様には早く抱き付きたいけど、ここで退いたら女が廃るね。捲簾大将沙悟浄!今は玄奘三蔵が弟子にして妻!アンタ等の髑髏、首飾りにしてやるよっ!」

ごくう「悟浄ちゃんファイト!あとシレっと妻って言ったね!」
323: 名無しさん@読者の声:2013/11/25(月) 22:24:38 ID:tSsrD5y.q.
燃える展開支援
ナニとナニとかやめろwww
るろ剣かな?
324: 名無しさん@読者の声:2013/11/25(月) 23:31:56 ID:5tEgBHr1Gk
½—キタ━━ヽ(´ω`)ノ゙━━!!
八戒ちゃんwww
325: 名無しさん@読者の声:2013/11/25(月) 23:46:55 ID:Jtf8NwZ8So
シャオくん素敵支援!!

ところで自分ガラケーからなんですがおにゃのこ()の名前が見えない
常用漢字じゃないのかな??
どなたか教えてくれると嬉しいですー
もし仕様でしたらすみません
326: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/25(月) 23:51:15 ID:tkQ1cT7I8g
>>325
ごめんちゃい。ナタ、って読みます。那咤あたりで当て字にしますかね。
327: 325:2013/11/26(火) 00:19:45 ID:Jtf8NwZ8So
>>326
すみませんヨシュアさん直々にありがとうございますっ
そこだけ空白になっちゃってて
なたちゃん当て字じゃなくて構いませんよー名前さえわかればこっちのもんですから!!←

いつも笑いをありがとうございます
レス消費してすみません(¨`)

328: 名無しさん@読者の声:2013/11/26(火) 01:55:32 ID:2iTqpd5cSg
あ、名前ついてたのか。
…まだ名前分からない設定かと
329: 名無しさん@読者の声:2013/11/26(火) 23:41:52 ID:QsZCryh2P.
>>328
私もいつ名前出てくるのかなと思ってた
330: 名無しさん@読者の声:2013/11/27(水) 12:55:50 ID:J7xZ0o57uw
おぉPCからは見える
331: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/27(水) 17:49:19 ID:D42A7cg9hk
木叉「……さて、三人とも戦艦の包囲を抜けたさかい、これで安心やね♪……それでも10隻くらいついでに沈めとるあたり、猪八戒さんやなぁ……」

沙悟浄「はん。なぁに『待っててあげた』みたいな言いぐさしてんだい。ずっと背中狙ってたじゃないのさ、油断も隙も無いね」

木叉「えー。コッチの台詞やん。目ぇ逸らしたら、一瞬で首飛ばしそぉな気ぃビンビンにしよってからに……おお怖っ」

哪吒「龍神はんも、そない睨まんどくれやす。可愛らしいお顔が勿体無いわぁ。………女の子の服とか、興味あらへん?」

小龍「…着るとアナタみたいに無様になるのでしょう?…お断りですね」

哪吒「なっ!?」

沙悟浄「あはは!言うじゃないのさシャオ!…でもこの無様、見くびんないほうが良いよ。天部のナタって言ったら、思い出したよ。毘沙門天のオッサンが、自分の息子に心底ビビってたってのがコイツさね。表に出てこないから、名前しか知らなかったケドね」

哪吒「ム・ス・メ・や!!!」

木叉「ム・ス・コ・やろ」

哪吒「兄様どっちの味方やのん!」

小龍「……軽薄男に女装男。まったく……天界の連中には、ろくな者が居ませんね」

沙悟浄「いやいやシャオ、姐さん達もアタイも、てゆーかアンタだって元天部だから」

小龍「…ええ。悟浄さんも、悟空さんも。悟能様は言わずもがな。そして私も。…ろくでなし、でしょう?」

沙悟浄「…ぷっ……あっはははっ!本当に言うよーになったねぇシャオ!全くさね!なんたって仏に歯向かおうってんだ、天上天下一のろくでなしさ!」

木叉「…愉しそうやね。心配ちゃうん?大事な大事なお師匠様、どーなっとるかわからへんで?」

沙悟浄「信じて残ったんだ。すぐにアンタ等ぶっ殺して、追うけどね。………さて、名乗りな」

哪吒「…なんどすえ?」

沙悟浄「ちゃんと名乗りを上げろ、って言ってんのさ。アタイもシャオも、札付きの大悪党様だよ?見栄も切れない名無しの権兵衛が相手じゃねえ?それとも、ここで死ぬから必要ない……ってことかい?」

木叉「…ケンカ売っとるね?」

沙悟浄「先に売ったのはそっちさね。品切れになるまで買ってやるよ?」
332: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/27(水) 17:51:08 ID:D42A7cg9hk
木叉「……んふふぅ……ボクな?バカにするんは好っきゃねんけど、されるんは苦手でなあ……乗ったるわ。……我が名は恵岸行者。毘沙門天が子にして、大慈大悲を司る観世音菩薩が一番弟子。天部の木叉が武、その目に焼き付けい!」

哪吒「ウチさっき軽く名乗ったんに……ま、ええわ。我が名は羅車太子。毘沙門天が娘にして、天帝が配下。天部のナタが術、その目に焼き付けや?」

木叉「仏の意志や」

哪吒「死んどくれやす」

沙悟浄「上等っ!」

小龍「……来い!」








八戒「紅孩児!方向はこっちであっとるのか!?」

紅孩児「うん、雷音寺。流石に内部まではわからないけどね」

ごくう「そこにおししょーさまが…!……ところで八戒ちゃん。雲に乗ってるんだしもうわたしを下ろしても」

八戒「スマンの。この雲、心が煩悩にまみれておらんと乗れんのじゃ」

ごくう「なんかどっかで聞いたことある奴と逆だ!さすが八戒ちゃんの術!」

紅孩児「…どれどれ。……うわ、乗れた……」

八戒「なんじゃお主も頭ん中エロエロか」

紅孩児「…く、八戒さんに言われるとショックかも」

ごくう「汚いオトナばっかりだよ…」
333: 名無しさん@読者の声:2013/11/27(水) 18:41:36 ID:6KdyPMHBok
支援!
盛り上がってきたね!
334: 名無しさん@読者の声:2013/11/27(水) 19:00:24 ID:2iTqpd5cSg
なら三蔵さんはバッチリ乗れるな
335: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/28(木) 23:08:24 ID:KMtMRLKlQk
金縁眼鏡の男「……元気やの。まだ根ぇ上げんの?」

三蔵「……はあ?誰だよアンタ。どこだよココ」

金縁眼鏡の男「……冴えへん顔にしょっぱい声、これがホンマに金蝉子様の生まれ変わりなんか?」

三蔵「……なんの話だよ……あと顔がなんだっつんだよ美形じゃないにしろ人並みだよちくしょう。こっちの質問に」

天兵「失礼します」

金縁眼鏡の男「ん、なんやあった?」

天兵「は。天蓬水軍百五十隻、突破された模様です。内三十二隻に被害、十四隻、全壊との報告です」

金縁眼鏡の男「ふぅん……て、早すぎ違う?ウチの子ぉらも居るんやろ?なんで?」

天兵「捲簾大将と白竜太子を相手取っているとの事で。包囲を抜けた斉天大聖、天蓬元帥。……それと、容姿から平天大聖が嫡子、紅孩児の三名。正門へと向かっております」

金縁眼鏡の男「つっかえん子ぉ等やなぁもう……木坊までついといて全く……正門て、誰やったっけ?」

天兵「巨霊神将軍が」

金縁眼鏡の男「ん〜、巨霊神のガキか……アカンな。しゃーない、殿下にも働いてもらおか?」

天兵「……!畏まりました、金吒(きんた)様!」

金吒「その名前で呼ぶんやないっ!!!」

天兵「っ!し、失礼致しました、前部護法様!」

金吒「その名前のせぇでガキん頃から友達にキンタマキンタマ言われ続けて…!二度と呼ぶんやないで!はよ行け!」

天兵「は、ははっ!」
336: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/28(木) 23:12:34 ID:qW1jDNSU42
金吒「んったく……ナタの部下やなあれは……後で厳しく言うとかんと…」

三蔵「おいキンタマ」

金吒「あぁ!?次言うたらシバくで!呼ぶなっちゅーねん!」

三蔵「みんな来てるのか?俺を助けに。答えろよキンタマ」

金吒「キンタマ言うな!………もうアンタには関係無いハナシや。アンタはもっぺん生まれ変わる」

三蔵「だからそれ、なんの話だよ」

金吒「話したところで詮無いコトや。三蔵法師ゆう人間は、居らんかったことになる。初めっからや」

三蔵「…よくわからんが、アイツら強いんだぞ?見てきた。わかる。俺は助かる」

金吒「…エライ自信やの。弟子を信じとるさけ、そぉやって粘っとるんかアンタ」

三蔵「いや別に何も粘ってねぇけど」

金吒「粘っとるやんか。魂の輝きは100パーセントやのに、それやと魂が取り出せん。……ホンマにエエ加減にしてくれや……」

三蔵「?」

金吒「なんやその脳内真っピンクな煩悩は!?いっくら魂が綺麗でも器がドロドロのベトベトのエロエロやんか!金蝉子様の魂が嫌がって身体から出て来ぃへんやんけ!」

三蔵「知らねえよマジなんの話だよ!なに!?つまり俺の煩悩を消したくてこんなとこに閉じ込めてんのか!?ホントやめてくれよ壁一面にムキムキのボディービルダーの絵とか夢に出るわ!やり方が頭おかしいだろ!」

金吒「頭おかしいんはアンタやろ!なんでマッチョなオッサンの絵ぇに囲まれてもエロいこと考えられんねん!………え、まさか三蔵さん、そっち?」

三蔵「そっちでもこっちでも無ぇぇよ!あと別にエロいこと考えてねぇよふざけんな!」

金吒「考えてなくてその煩悩力なん!?そっちのが怖いわ!……アプローチ変えてみるか……?いや、いっそ濃厚なガチホモ系で萎えさせるか……そうや確か男色のオヤジが近衛兵に」

三蔵「うぉぉぉぉぉぉい止めろ!!!はやく助けろ悟空ーっ!お師匠さま大ピンチだぞーっ!誰も喜ばないサービスシーンが始まっちまうぞーっ!」
337: 名無しさん@読者の声:2013/11/29(金) 00:08:37 ID:6KdyPMHBok
うほっ
338: 名無しさん@読者の声:2013/11/29(金) 00:44:42 ID:2iTqpd5cSg
三蔵さんならこの状況でもロリのことを考えられるはず
339: 名無しさん@読者の声:2013/11/29(金) 12:34:19 ID:TTh33cTPL.
むしろ今の悟空を考えるだけであぶない
340: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/29(金) 21:56:12 ID:xJ8tC.QyzQ
哪吒「羅車仙術の壱、斬妖剣っ!」

ビュオッ!!!

小龍「…火龍咆哮!」

ゴォォォォォォォォッ!!!

哪吒「あややや……こら驚きやわ……金剛すら斬り裂くウチの斬妖剣を、ブレスひとつで相殺するやなんて…!ちっさいナリして、お強いわぁ」

小龍「…アナタとそれほど身長は変わりませんよ。それにしても…いちいち何か喋っていないと、死合の一つも出来ないんですか?」

哪吒「いややわぁ、ウチそなぃ安い挑発には乗らんえ?でもまぁ……そんポーカーフェイスが歪むんも見たいし、ギア、上げてこか?」

小龍「…せいぜい全3速くらいですかね」

哪吒「自転車かいな。いきますえ……羅車仙術の弐、砍妖刀(かんようとう)!」

ズォォォォォオッ!!!

小龍「…火龍咆哮!」

哪吒「うふふん……せやったら、その煩い口を塞いでしまおか?羅車仙術の参、縛妖索や!」

小龍「…火龍咆哮!」

哪吒「……ううんっ!羅車仙術の肆(よん)、降妖杵(こうようしょ)!潰れてまえっ!」

小龍「…火龍咆哮」

哪吒「………羅車仙術の伍、綉毬(しゅうきゅう)!四方八方から」

小龍「火龍咆哮」

哪吒「なんやのもーっっっ!!!」

小龍「…なんですか、急に」

哪吒「こっちは色々盛り上げよぉ思て、アレやコレやとしとるんえ!それやのに火龍咆哮火龍咆哮てアホの一つ覚えか!便利か!万能か!」

小龍「…そう言われましても。私、龍ですし」

哪吒「そんなん知らんもん!もう飽きたわ火龍咆哮は!他の!別の!チェンジやチェンジ!」

小龍「…火龍咆哮」

ゴォォォォォォォォッ!!!

哪吒「ど熱っつぅ!?話聞けやこのダァホこらボケカスぅ!!!」
341: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/29(金) 21:59:51 ID:AO31P0pYAc
小龍「…それが素ですか。本気を出す前に仕止めたかったですが」

哪吒「ええわ……そなぃ火ぃが好きなら、望みどぉり焼き殺したるわ……羅車が秘術、火輪…!」

小龍「…む」





木叉「なぁにを遊んどるんやアイツは……っと!危なっ!」

沙悟浄「なんだ。そのまま余所見してて良かったんだけどねぇ。サクッと殺させなよ」

木叉「言うてる台詞がモロ悪役やで自分。それも『四天王最弱のなんちゃら』ってレベルの、なっ!」

キィン!!キィン!!ガガガッ!!!

沙悟浄「降魔杖よ!沙僧が名において力を見せよ!怨霊呪!」

オオオオオオオッ!!!

木叉「ユーレイ怖がるトシでもないわいっ!七星剣っ!全部ぶった斬ったれ!」

沙悟浄「…ち、やっぱ最高級の宝具かい。ボンボン丸出しだね」

木叉「元エリートがそれを言うなや。………なあ自分ら、そない頑張っても、たぶん報われんで?ボクとならそら、そんだけの力なら戦り合えもするけど……」

沙悟浄「はん。仏を殺せるだなんて思い上がってないさ。旦那様を取り返すだけさね」

木叉「……辿り着けんと思うけどなぁ……」








八戒「………かはっ…!」

ごくう「八戒ちゃぁぁぁぁぁん!!!」
342: 名無しさん@読者の声:2013/11/29(金) 22:03:34 ID:W1WmOG90fA
はよ
続きはよ
はよ
343: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/11/29(金) 22:05:01 ID:fI31rUQC0k
紅孩児「ダメだよ悟空。今の君が行っても………だから無謀だって言ったんだ…!」

八戒「がふっ………げほっ…げほっ……」

鎧姿の少女「あーっはっはっは!あの天蓬元帥が血ヘド吐いてる!いい気味っ!昔から嫌いだったんだよねコイツ!死ね天部の面汚し!」

三つ目の武者「巨霊神よ、うぬは吾の後に隠れておっただけであろう。何を威張っておる」

巨霊神「何って、二郎真君さま、ワタシを助けに来てくれたんでしょ?じゃあワタシの手柄みたいなモンですよ!」

二郎真君「いや、その理屈はおかしい。吾は前部護法殿からの報せでだな」

巨霊神「もー、細かいこと言いっこ無しですよ!さー、残りの二人もチャチャっとやっちゃいましょー!」

二郎真君「いや何故うぬが仕切っておるのだ…?」


紅孩児「……天界一の英雄、二郎真君…!そうだよ、こんなバケモノまで出てくるんだ…!悟空、八戒さんまで失いたくないなら、ここは全力で逃げるんだ」

ごくう「う、うう…!やだ、八戒ちゃんも、おししょーさまも…!」

紅孩児「悟空っ!現状をよく見」

八戒「……それで良い、姉者……」

ごくう「八戒ちゃんっ!!」

紅孩児「馬鹿!逃げる体力を残せ!」

八戒「……出来んのう。……ワシの可愛い小龍が、男を見せた。あの悟浄が、逸る気を抑えて、この愚姉に託してくれた」

ごくう「八戒ちゃん…」

八戒「ほ、ほほほ……いやぁ、流石ワシじゃ。こう、一番オイシイ見せ場が巡ってくる…!」

巨霊神「えええ!立つの!?めんどくさっ!」

二郎真君「面倒も何も、うぬがやるワケでは……ふむ、敵ながら天晴れよ」

八戒「……名高き英雄よ、聞けぇぇい!!!」

ビリビリビリビリッ!!!

二郎真君「……そして、見事な気概」

八戒「貴様を殺す者の名を、忘れず閻魔に告げよ!!!師、玄奘三蔵より授かりしその名を!!!」

八戒「我こそは………猪八戒!!!」
344: 名無しさん@読者の声:2013/11/29(金) 22:52:37 ID:wXxnoAcbM2
前に落ちた株が急上昇やな八戒ちゃん
345: 名無しさん@読者の声:2013/11/30(土) 01:26:11 ID:6KdyPMHBok
お、落とした株なんてねーしっ!
346: 名無しさん@読者の声:2013/11/30(土) 18:05:38 ID:AY51fdUhxg
鳥肌たった
347: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/1(日) 16:57:41 ID:xCr1adqKgE
巨霊神「……な、なんなのさ大声出せばビビるとでも思ってんの!?アンタもう負けだから弱いクセに」

八戒「…………」チラッ

紅孩児「…………」

八戒「……一騎討ちじゃ。英雄」

二郎真君「……あい解った。此程の武人が願いを無下にしては、この二郎真君、吾が吾で無くなる。平天大聖が子よ、石猿と共に、ゆけい」

巨霊神「はああああ!?な、なに言ってんですか二郎真君さまっ!門番ワタシなんですけど!怒られるのワタシ!」

紅孩児「………死んじゃうと悟空が泣くから。出来たら死なないでね、八戒さん」

ごくう「えっ!八戒ちゃんダメだって!ほらこーちゃんも手伝えばきっと!わ、わたしもきっともうすぐ戻れるしって…わわっ!?」

紅孩児「行こう。確かに二郎真君を抜けたとなれば、可能性は出てくる」

巨霊神「さ、させるかぁ!百叩きじゃ済まないんだぞコッチは!唸れ宣花斧!あのカスどもをグチャグチャに」

紅孩児「君は怖くない」

ザンッ!!!

巨霊神「きゃふっ!?な、生意気っ!下界の妖怪風情が生意気生意気生意気っ!………って、な、な、ナニこれ!?熱いっ!熱い熱いっ!熱、苦し…!!!」

紅孩児「三昧真火。見えない焔に焼かれて死ね。これでも結構イライラしてるんだよね、僕」

巨霊神「た、たす、助け、じろ、しんく、さまぁ…!!!」

二郎真君「…………」

紅孩児「行くよ悟空。……助けるんだろう?」

ごくう「……うん!八戒ちゃんっ!勝ってよ!絶対だよっ!!!」

八戒「…応さ。はよ行けぃ」
348: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/1(日) 17:00:03 ID:xCr1adqKgE




巨霊神「……あ………が………」

二郎真君「…この緊張感、久しいぞ。生きてみるものだ、このような嬉しい事が起こる」

八戒「…そこの黒焦げ、まだ助かるやも知れんぞ?良いのか?」

二郎真君「地位に驕り己を失った者の末路であろう。……もう、言葉は要るまい。真の武人よ」

八戒「……ほほほ…ゆくぞ…!」






(……ちょ、なによコレ……なんかスッゴいのと戦ってんだけど)ヒソヒソ

(……額の眼に三又の大刀……で、伝説の顕聖二郎真君ではないであるか…!)ヒソヒソ

鹿力大仙「へー、物知りだな羊力。……で、どっちに味方すんだ?やっぱ助けてくれたし三蔵側だよな、虎力?」

虎力大仙(バカ鹿っ!声が大きいわよ隠れてる意味を考えなさいよホント脳ミソ使いなさいよっ!)ヒソヒソ

羊力大仙(うううむ…!それは勿論、借りを返さねば我ら三大仙が沽券に関わるからして、だがしかし、いくらなんでも武神が相手では……!)ヒソヒソ

鹿力大仙(んだよわかったよ頭抑えんなよ!……で、やるの?やらねえの?)ヒソヒソ

虎力大仙(……や、やるわよ!やるけど、でも、ええと……)ヒソヒソ

鹿力大仙(さっきもそー言って、あの褐色のねーちゃんと竜のガキが天部の野郎とかと戦ってる所スルーしたじゃんかよお前ら)ヒソヒソ

羊力大仙(いやあれはだな、あの木叉が相手ではその、ああも簡単にやられてしまった我等では……しかしまだアッチの方が良かったであるな……)ヒソヒソ

虎力大仙(……あっ!ヤバイヤバイ!あのエロ豚負けそう!)ヒソヒソ

羊力大仙(ぬ、ぬう…!ど、どうする?)ヒソヒソ

鹿力大仙(…どうすんだよ、虎力)ヒソヒソ

虎力大仙(もー!アンタらさあ、ここぞって時にいっつもアタシに振るのやめてよ!……うう……い、いくわよ!あのエロ豚に2度も助けられたとか、耐えらんないわよ!てゆーかそろそろ出ないとアイツ死んじゃう!)ヒソヒソ

鹿力大仙(……殺す殺す言ってたワリにゃあ、やけにあのガキを心配するよな、虎力)ヒソヒソ

羊力大仙(……女心は解らんであるな)ヒソヒソ

虎力大仙(ああゴメンその勘違いだけはやめて虫酸が走る)ヒソヒソ
349: 名無しさん@読者の声:2013/12/1(日) 20:09:41 ID:3PtiMlAxMk
虎力でたら本気でるだろうな
はっかいちゃん
350: 名無しさん@読者の声:2013/12/3(火) 16:36:15 ID:FxVdLkvea.
八戒ちゃんカッコいい…けど…いまだに…ピンクの…ナース服…なのか…?
351: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/3(火) 21:33:59 ID:szjIbTswGY
二郎真君「覇ぁあ!!!」

八戒「つあっ!!!」

ギャリンギャリン!!!パキィンッッ!!!

二郎真君「…うむ、うむ…!吾が三尖両刃も、合を重ねる度に喜んでいるぞ。強者との戰こそ、この命を輝かせる…!」

八戒「……ゼェ……ゼェ……こ、言葉は要らぬ、とか……言うとった、クセ、に……ゼェ……」

二郎真君「や、これは失敬。しかし此処迄の武士とは、正直期待をしていなかった。珍奇な装いに、その体躯……吾もその様な事で侮るとは、未だ鍛えるべきが残されていたか」

八戒「……我が師お手製のスク水じゃ……ゼェ……萌え萌えじゃろ……ほほ……!」

二郎真君「…眼に諦めが微塵も見えぬ……好い。なんと好き敵よ!終りが来ること、生まれて初めて惜し」

「「「ちょっと待ったぁぁぁぁあ!!!」」」

二郎真君「……?」

八戒「……ほ?」

虎力大仙「縞々模様は愛の模様!恋するハートを見せタイガー!ラブラブキュートなプリティ妖仙、虎力大仙!」

鹿力大仙「雄々しき角は勇気の証!真のお前にディアいたい!勇気凛々パワフル妖仙、鹿力大仙!」

羊力大仙「高貴な白は希望の色!輝く未来はトップシープレット!明日も煌めくダンディ妖仙、羊力大仙!」

虎力大仙「我らっ!」

鹿力大仙「三妖揃ってぇ!」

羊力大仙「三・大・仙っっ!!!」


二郎真君「…………」

八戒「…………」

虎力大仙「……なによ反応しなさいよ!なに黙ってんのよ豚!その沈黙はアレ!?ガッカリってこと!?アタシらでガッカリってこと!?」

鹿力大仙「んあ?なんでガッカリなんだ?助けに来たんだろ俺ら?」

羊力大仙「鹿力、それは流石にバカが過ぎるぞ………ガッカリされても仕方無い戦歴であろう、我輩らは」

二郎真君「…新手か。悪いが暫し待たれい。今はこの者と武を交えておる。吾が生き残れば、その後に御相手しよう」

八戒「…………」
352: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/3(火) 21:35:40 ID:szjIbTswGY
虎力大仙「ふんっ!それでハイそーですかって引き下がると思ってんの!?その豚はアタシが殺すんだから、勝手に横取りしてんじゃないわよ!」

鹿力大仙「売られたケンカを待ったするなんざ、男のすることじゃねーぜ!テメエの都合なんて知らねえな!」

羊力大仙「我輩らは義によって駆けつけた。例え数の利を避難されようとも、この義心は微塵も陰らぬ!」

二郎真君「…此の好き死合を、横から汚すと……そう云うか…!!!」

ゴオオオオオッ!!!

三大仙「…っっ!!!」

二郎真君「…今一度、頼む。終わるまで、待て…!!!」

虎力大仙「こ、怖い怖い怖い怖い何アレ怖すぎるっ!………よ、良かったチビってなかった…!」

鹿力大仙「こ、この…なんだ?このそのあれ、ぎゅ、牛魔王様とかのレベルじゃねーのか?」

羊力大仙「こ、ここまでのレベルになると、もう我輩らでは解るモノでは無いような……!か、帰りたい…!」

二郎真君「……ふん…黙ったか。……よし、待たせたな。さあ、愉しき時を、また始めよう」

八戒「…………ふむ」

二郎真君「どうした。毒気を抜かれたと言うならば、待つぞ。闘志を燃やせ」

八戒「…よぉし!おーい三バカ!手伝え!」

二郎真君「……な!?」

三大仙「……へ?」

八戒「ほれ、はよコッチに来い。あ、お主はちょっと待っとれ?作戦会議じゃ作戦会議」

二郎真君「……な……な…!?何を言っているのだ!?今、吾とうぬは、その武を、命をぶつけて…!」

八戒「あーもぉそーゆーの後にしてくれい。これ三バカ、なぁにモタモタしとるか!はよ来いと言うに!」

三大仙「え……あ、はあ……」

二郎真君「そ、そーゆーの……!?ほ、誇りはどうした!師の為に奮った気概は!?あの鬼気迫る名乗りはなんだったのだ!?」

八戒「よいか、鹿の、お主はだな……ああ?うっさいのう静かに待っとれんのか英雄のクセに。誇りや気合で勝てたら苦労せんわい、世間の常識じゃ、常識」

二郎真君「な……!?は……!?あぁあ……!?」

虎力大仙「えと、なんかアオスジ立ててワナワナしてるけどあの人……良いの?」

八戒「放っておけい。それよりワシの話を真面目に聞くのじゃ。………お主らを三バカから、伝説の英雄を打ち負かした、真の大仙と成らせてやるわい…!」

三大仙「……!」
353: 350:2013/12/4(水) 13:32:33 ID:g4AwWwN3dY
スク水でマジバトルとか新しすぎる…!
益々支援!
354: 名無しさん@読者の声:2013/12/4(水) 20:27:50 ID:fwgN3hVBiI
三大仙の決め台詞がちょっと上手くてワロタ
完全にかませ役の台詞やめれww

しえーん
355: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/4(水) 22:09:42 ID:RKcCHY8Ai.
鹿力大仙「鹿力雷迅脚っ!」

二郎真君「……温い…!」

八戒「身体を引けぇい!」

ブンッ!!!

鹿力大仙「うおおおっ!?よ、避けれたっ!?」

二郎真君「……ふん」

八戒「無闇に突っ込むなと教えたであろうが!じゃが今の蹴り、悪くなかったぞい。お主は元より膂力、格闘センス共に優れておる。しかしマトモな教えを受けなんだのであろう、戦い方を知らぬ。……ほれ!右脇っ!」

鹿力大仙「おおっ!鹿力三段突きぃ!!!」

二郎真君「…ぬっ!猪口才…!」

八戒「そーじゃ、それで良い!攻めて、引く。そして攻める。基本中の基本じゃが、実戦でこれを徹底することは難しく、される側は嫌なモノじゃ!」

鹿力大仙「うおーっ!これがさっき言ってた、『ヒットエンドラン』だな!なるほどだぜ!」

八戒「……ヒットアンドアウェイ、じゃ。誰が塁に出ろと言うた」

鹿力大仙「それそれ!そのアウェー!」

八戒「とにかくお主は基本じゃ。そこにフェイント等を絡められるようになれば、ウチの姉者に近い動きとなろう。あれは滅茶苦茶に動いとるように見えて、実に基本に忠実な武技を使う。どうも天然でやっとる辺り、天才じゃな。……さて、次は」

二郎真君「……ぬ、く…!ちょこまかと…!」

羊力大仙「ふっ、ふっ、てぇあ!」

八戒「うむ。流石お主は覚えが良い。お主の持ち味は、ウチの悟浄も誉めておったそのスピードじゃ。少なくともワシより、お主のトップスピードは上じゃと見る。なのに何故攻撃が当たらぬのか、それは」

二郎真君「…落ちろ!」

ガキィィィンッ!!!

八戒「おっと。コレじゃ……当てる前に、負けるからじゃの」

羊力大仙「か、かたじけない…!」

二郎真君「……邪魔を…!どこまで吾を怒らせれば気が済むか…!吾を教材か何かのようなこの扱い、このような愚弄を」
356: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/4(水) 22:12:42 ID:RKcCHY8Ai.
八戒「良い。じゃがもっと足を使え。延々と動き回り、その細剣で一撃必殺を狙うのがお主向きの戦法じゃ。む、来るぞ」

二郎真君「無視か貴様等ぁっ!!!」

羊力大仙「む、むんっ!はあっ!羊力・山茶花の舞っ!!!」

二郎真君「えええいっ!!!疎ましいっ!!!」

八戒「ほほ、良いぞ!体運びは、戦闘における要じゃ。その技術こそ、ウチの悟浄の強さの根源よ。あれは動きに一切の無駄が無い。洗練された武は、それこそ舞のように美しくなる!」

鹿力大仙「おっと足元がお留守だぜ!鹿力地刈蹴っ!」

羊力大仙「ここである!羊力・金木犀の舞ぃっ!」

二郎真君「ぐあああああ!!!鬱陶しいぃぃい!!!」


虎力大仙「……すごい………アレが、うちの鹿力と羊力…?」

八戒「……ふうっ。ま、ワシが茶々を入れて乱して居るからの。冷静に対処されては、二人とも一瞬で真っ二つにされかねん。勝ちを急ぐぞ、虎娘」

虎力大仙「いや、アタシもさっきから気弾撃ちまくってんだけど……あたんない……」

八戒「それで良い」

虎力大仙「いや、よくないから!アタシ役に立ってないつらい!」

八戒「そもそも、お主はその虎力砲、じゃったか。その技に頼り過ぎじゃ。いや頼るのは良い。しかしお主それしか無いではないか。虎力砲、虎力砲、虎力砲って、バカの一つ覚えも甚だしいわい」

虎力大仙「し、真虎力砲だから!ちゃんとパワーアップしてるし!てゆうかアタシだけダメ出しキツくない!?なんかどっか誉めろよ!」

八戒「誉める所………乳首がピンク色でエロい」

虎力大仙「殺す!」

八戒「ほほ、まあ冗談は良しとして。気弾を軸に戦うならば、それのみでは駄目じゃ。更に一枚、奥の手を用意せねばならぬ」

虎力大仙「奥の手…?」

八戒「うむ。ワシの可愛い、小龍のようにのう」
357: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/4(水) 22:16:15 ID:QOPj05xI2I




ゴオオオオオオオオオオオ…!!!


哪吒「あはははははは!もう降参したらどうどす?秘術・火輪は全ての炎を飲み込み、大きく強くなるえ!」

小龍「…火龍咆哮!」

哪吒「無駄や言うとるやろがっ!」

ボウゥッッ!!!

小龍「……く、火龍咆こ」

哪吒「アンタ、阿呆やな!」

小龍「…うぐっ……!」

哪吒「はぁい、チョークスリーパーやっけ?この形。くふふぅ♪これじゃあ自慢の炎も吐けへんねぇ?このまま首ぃ折ったってもエエけど、どないする?火輪の中で焼け死ぬ方がエエ?火ぃ大好きやもんなぁ?」

小龍「…………」

哪吒「……目ぇがムッカつくわ。首へし折ってから火葬やな。ほな、バイバ」

ブシュッ


哪吒「……え?」

小龍「……ケホッ……ふう」

哪吒「え………あれ…?ウチの……腕………腕ぇ!!!あああぁぁぁぁあああ!!!腕、き、斬られ……!!?うでぇ!!!無いぃぃ!!!ウチの腕ぇ!!!腕ええっ!!!」

小龍「……これで、チェックメイトです」

チャキッ

哪吒「ナ、ナイフ……?自分、そんなん、使うん……?」

小龍「…銘を『逆鱗』。我が主から頂いた奥の手、私の八十一枚目の鱗です。…もう一度触らば、死ぬことになりますよ」

哪吒「ひっ…!む、無理やん……許して……参った、参ったぁ……!」

ジョォォォォォォォ……

小龍「…私の替えのズボンなら貸しますよ。……男物でよろしければ」

哪吒「……あう……あう……!」
358: 名無しさん@読者の声:2013/12/4(水) 23:28:11 ID:ZjcyjGGVtM
シャオ君
シャオ君シャオ君シャオ君
マジシャオ君素敵
359: 名無しさん@読者の声:2013/12/5(木) 00:16:19 ID:3PtiMlAxMk
シャオくん天使で勇者で子悪魔最高
360: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/5(木) 20:19:39 ID:szjIbTswGY

八戒「ま、今の今で、お主に何ぞ真必殺技を編み出せとは言わぬ。とりあえずこのまま、弾幕で奴を牽制し、懐へ飛び込め」

虎力大仙「そ、それで?」
 
八戒「ワシが気を潜め、後ろから付いてゆくから安心せい。今回は『奥の手』、ワシが策にて代替えてるわい。ほれ、あ奴等が殺されぬウチに、ゆくぞっ」

虎力大仙「わ、わかった!」


二郎真君「……ふぅーっ!……ふぅーっ!蚊蜻蛉どもめ、苛々させる…!」

鹿力大仙「くそ、結構イイの、何発か入ってんのになぁ…!」

羊力大仙「や、やはり我輩らでは、到底敵う相手では…!」

二郎真君「叩き落とし、踏み潰す…!そして、その後にあの不届き者を……」

虎力大仙「真虎力砲ぉおっ!!!砲っ!!!砲っっ!!!」

ドドドドドドドドドッ!!!

二郎真君「ぬあぁっ!貴様も先から目障りな!そのような脆弱な気功、受けたところで効きはせぬぞ!」

虎力大仙「だってこれしか無いんだもんアタシ!鹿力!羊力!どんどん攻めて!癪だけどもうアイツの言う通りにするしかないっ!」

鹿力大仙「お、おうっ!」

羊力大仙「う、うむ。最早逃げる事も叶わぬ程、怒らせてしまっているであるしな!」

二郎真君「身の程知らずの未熟者めらが……!」

八戒(……天地よりも差のある格下に、短時間とは言え翻弄され、奴の苛立ちは極限に近い筈じゃ。その鬱憤は大技として吐き出す。その一瞬…!)

鹿力大仙「鹿力鋼鉄肘っ!」

羊力大仙「羊力・白百合の舞であるっ!」

虎力大仙「良いわよ二人ともっ!よしっ!懐に入ったっ!ほら入ったわよ!ちょ、豚ぁ!なんかするなら早くっ!」

二郎真君「…何を狙っているかは知らんが、吾が懐に招いたのだ。……一撃にて、纏めて存在を消してくれようぞ!!!覇ぁぁぁぁぁぁぁあ……!!!」

虎力大仙「ひぃぃいっ!!!」

八戒「此処じゃ!!!両手を広げい、虎娘っ!!!」

二郎真君「何をしようと遅いっ!!!」

虎力大仙「両手っ!?うわ、うわ、死ぬっ……!!!」
361: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/5(木) 20:23:19 ID:szjIbTswGY
八戒「ほいっ♪」シュルッ

虎力大仙「…へ?」


ポロンッ♪


二郎真君「!!!?」ピシッ

虎力大仙「きゃああああああああああああああ!!?」

八戒「うむうむ、やはりお主の乳房は形が素晴らしい…!では無かった、ほれぃ今じゃ!ありったけを此奴の顔面に叩き込むぞ!!!」

鹿力大仙「お、おおうっ!唸れ俺の拳っ!!!」

羊力大仙「や、やけくそであーるっ!!!」

ドゴォンッ!!!スバァンッ!!!

二郎真君「………ぐっ…は……!!?」

八戒「トドメじゃ」

二郎真君「こ、こ、この……ひ、卑怯も……!!!」

八戒「打ち潰せぃ九歯馬鍬ぁぁあ!!!」

二郎真君「卑怯者ぉぉぉぉぉぉぉおっ!!!」


ドカァァァァァァァアンッッ!!!





二郎真君「…………がふっ…!」

八戒「…よしっ!」

虎力大仙「よし、じゃねえっ!!!アタシのビキニ返せ!!!」

八戒「…コレか?」

虎力大仙「それだよそれ以外何があるっつんだよナニをトップレスにしてくれてんだよ返せよ!うわぁ嗅ぐな裏地を舐めるな頭に巻くなぁっ!!!」

八戒「ジョーダンじゃ冗談。しかしお主の『奥の手』、効果絶大じゃったのう♪いや『奥の乳』か?ほほほっ♪」

虎力大仙「…殺す…やっぱ殺す…!!!」
362: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/5(木) 20:29:57 ID:DltRDRQ026
鹿力大仙「み、見たか羊力!?」

羊力大仙「鹿力こそ、見たであるか!?」

虎力大仙「ちょ、アンタら何をっ…!」

鹿力大仙「俺の正拳突きが奴の顔面を貫いたのをよ!くぅぅ、初めてだぜあんな手応えは!」

羊力大仙「馬鹿を言え、貫いたのは我輩の一閃である!まさに一撃必殺、会心の技であった…!」

虎力大仙「…………アンタらは……アンタらはもーっ!!!」

八戒「ほほほ……さて」

二郎真君「………ガハッ……はぁ…はぁ………!」

虎力大仙「…ひっ!?う、動けるの!?」

鹿力大仙「…な、なんだよ、まだやんのかよ!」

羊力大仙「わ、我輩、もうあまり力が残ってないのであるが…!」

八戒「……まあ、立つじゃろの。しかし、今の貴様を殺すのに、武は要らぬ」

二郎真君「……なにを……滅する……うぬだけは、うぬだけは命に代えても……!」

八戒「ほ。ボロボロでよう吠える。女人の乳房は効くじゃろ?見ちゃうじゃろ?ワシも前に同じ目にあってのう。ほほほほほっ♪」

二郎真君「……破廉恥な……!もはやうぬは…ゲフッ……武人に非ず…!」

八戒「しかしあそこまで固まるとは思わなんだぞ。あ、アソコと言うのはアソコの事ではないぞ?まさかあれだけで固くは……してしもうたか?んん?」

虎力大仙「オ、オヤジ臭…!」
363: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/5(木) 20:35:51 ID:t/BjMu/o/s
二郎真君「…ぎ……ぎ……ぐうう…!!!」

八戒「怒るな怒るな。いやの?お主、この三人が現れた時、まず虎娘を見て、すぐに目を逸らしたじゃろ?ワシここで気付いたわい。わかっちゃったわい」

二郎真君「……何を言いたい…!まだ愚弄を続けるか…!」

八戒「ワシの持論での、スケベで無い男なんぞ居らんと思うとる。如何に高潔であろうと、の。しかしお主の反応は、スケベ云々ではないのう。ほほほ」

二郎真君「……その口、閉じぬか…!」

八戒「そちらの連れは厚手の鎧を着込んでおったし、薄着とは言えワシや今の姉者では、まあ師匠殿のような輩で無ければ劣情は催すまい。紅孩児はパッと見オトコじゃしの。ビキニ姿のオナゴは、刺激が強かったか?」

二郎真君「……聞く耳持たぬ…!吾は顕聖二郎真君なり…!最早うぬは悪…!悪を滅すは英雄が務め…!」

八戒「……ふん。なぁにが英雄じゃ」

二郎真君「…黙らせてくれる…!」

八戒「なぁにが武人じゃ、なぁにが誇りじゃ。なぁにが命のぶつけ合いじゃ。そんなカッコつけた台詞はのう…」

八戒「一度でも女を抱いてから宣えぃ!!!こぉの童貞がっっっ!!!」

二郎真君「!!!」ピキッ

虎力大仙「うわヒドイ」

鹿力大仙「うお、真っ白になったぞアイツ」

羊力大仙「これは死んだであるな」

八戒「童貞のクセになに威張っとんじゃ貴様は?ああん?貴様いったい何百年オ○ニーのみなんじゃ?あれか?脳内では経験豊富か?彼女が本から出てこんのか?ゴミ箱は妊娠したか?」

二郎真君「 」

虎力大仙「……お、鬼だ…!悪魔だ…!」

鹿力大仙「……す、砂になってくぞ、アイツ…!」

羊力大仙「我輩もう不憫で、見てられんである…!」
364: 名無しさん@読者の声:2013/12/5(木) 20:44:18 ID:Da6WQ42Ckk
童貞を守り抜くとは見紛う事なき英雄…!
支援!
365: 名無しさん@読者の声:2013/12/5(木) 23:46:16 ID:YcxDHst8rs
守り抜いた末に英雄か…
悪くないな
366: 名無しさん@読者の声:2013/12/6(金) 22:40:26 ID:3PtiMlAxMk
最後は幼女に罵られつつ看取られるのか、最高だな
367: 名無しさん@読者の声:2013/12/8(日) 01:29:44 ID:stq7X9CgJk
おまえらwwwww
368: 名無しさん@読者の声:2013/12/8(日) 10:51:09 ID:.DhKlcE1Lo
でも八戒ちゃんは攻めてばっかりだから攻められたことはあるんですかね
369: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/8(日) 13:49:43 ID:QOPj05xI2I
木叉「…あんのアホ…!いっつもそうや、ボクより力ぁあるクセに、スペックだけで闘うから………っとととっ!!?」

沙悟浄「アンッ…タもっ!!早く沈んじまいなっ!!!」

木叉「……ぐっ…!!何やねんこの人も…!!何やこの地味ぃなしぶとさは…!!あと、なんか……うおっ!?」

沙悟浄「地味って言うんじゃないよっ!!!そらそらそらぁっ!!!」

木叉「わちちちっ!な、なんやペース上がってへん自分!?」

沙悟浄「シャオ!先に行きなっ!……二郎真君なんて名前を出されちゃあ……クソッ!!せめて悟空姐さんが戻っててくれれば…!!!」

木叉「はんっ!!龍神くん一人追い付いたところで……あ痛ぁっ!!!………アカン、まずは自分の心配やコレ…!!」

小龍「…いえ、それなら二人でリンチにしてから向かいましょう。その方が効率的です」

沙悟浄「…それもそうさね。しっかしシャオ、アンタやっぱ八戒姉さんとこの子だねぇ…ふふっ」

木叉「わ、ワルモノや……ワルモノが居るで…!」

天兵「え、えっ、恵岸行者様ぁぁあっ!」

木叉「なんや!助けなんて要らんぞ!ちゅーかお前らがダースで来たって役になんぞ」

天兵「い、いえっ!……はぁ…はぁ……す、すぐに雷音寺へお戻りを!正門突破され、庭園の中程まで侵入を許してしまって居りますっ!」

沙悟浄「…お♪」

木叉「平気や!巨霊神ちゃんじゃ無理なんはわかっとったわい!アニキが何処で殿下を使うか知らんけど、こっちがジョーカー切ったら勝ちや!」

天兵「そ、それが……私も何度も誤報では無いかと確認したのですが……その……!」

木叉「なんや!コッチはこれからリンチ回避せなアカンねん!ちゃっちゃと喋れ!」

天兵「…で、殿下……顕聖二郎真君様、天蓬元帥により、討たれまして御座います!」

木叉「……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?ウ、ウソやろ!?あのオッサンの強さとか、チートやで!?い、いくら猪八戒さんや言うても、えええ!?」

沙悟浄「…あははははははははっ!さっすが姐さんだよ!シャオ!アンタの主、伝説になっちまったよ!」

小龍「…当然です。悟能様は負けません」

木叉「いやいやいやいや!どんな奇跡が起きた言うねん!例えアンタら全員が相手でも無理なレベルの筈やで!?え、どんな手ぇ使て…!?」

沙悟浄「そりゃあ勿論……」

小龍「…汚い手ですね」

沙悟浄「汚い手だろうねぇ」

木叉「……ワ、ワルモノや……本気でワルモノやコイツら……!」
370: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/8(日) 13:51:37 ID:QOPj05xI2I
天兵「あ、あの、お戻りを……!」

木叉「うっさい!まだアニキも居れば他にも居るやろ!それに近衛も全部出とんのやろ!?殿下のコトが誤報や無うても、猪八戒さんも無傷とはちゃうやろ!紅孩児ちゃん一人なら……まさか悟空さんまで戻った言うんか!?」

天兵「い、いえ、その報告はありませんが……ど、何処からか現れた大軍により、近衛兵団が押されておりまして…!!」

木叉「……はぁぁぁあ!!?なんやもうワケわからんぞ!!?」






近衛兵「ひ、怯むな!たかが賊の集まりだ、捻り潰すぞ!」

牛魔兵「やってみやがれ!青っ白いエリートさんがよぉ!ひゃーっはっはっは!」

紅孩児「……聞いてませんよ、僕。何しに来たんですか」

牛魔王「あぁん?そりゃあ売られた喧嘩をぶん盗りに来たんじゃねぇか。なんとか俺も快復したからよぉ。…孫はまだみてぇだな、んったく」

ごくう「…いきなりガラの悪い軍団が地面から湧いて出るとか、世紀末かと思ったよ……なにこれ……」

玉面公主「………玉の……転移装置………摩雲カンパニーの技術力は大陸一………」

鉄扇公主「おほほ、金儲けしか能の無い貴女にしては、なかなか気が利いてましてよ、おほほほ♪」

玉面公主「………散財しか能の無いオバサンに……言われたく……無いわ……」

鉄扇公主「………天部の連中の前に、狐狩りをお望みかしら?」

玉面公主「………狩り……弓、引けるの……?腰とか……ほら……」

鉄扇公主「そこまでトシではなくってよ!」

ごくう「あと馬車に乗せてくれるのはありがたいけど、この二人の間とか、なんの嫌がらせなのお兄ちゃん」

牛魔王「ん?お前今なんも出来ねぇんだろ?鉄扇と玉の間なら、まず安心じゃねぇか」

紅孩児「……ゴメンね悟空、僕もそこにだけは座りたくない」

ごくう「うう……嫌な汗がでるよぉ、ここ……」
371: 名無しさん@読者の声:2013/12/9(月) 01:08:19 ID:stq7X9CgJk
もうアカンねん・・・鉄扇公主がぷよぷよのルルー様にしか見えへんねん・・・
372: 名無しさん@読者の声:2013/12/9(月) 11:08:25 ID:x0Qs6v/1VY
俺は三國無双の甄姫で再生される
373: 名無しさん@読者の声:2013/12/9(月) 11:10:33 ID:V1kwfMyIRQ
私はときメモGS3のみよちゃん
374: 名無しさん@読者の声:2013/12/9(月) 13:39:27 ID:3PtiMlAxMk
牛魔王がカッコよく見えてきた!フシギ!
375: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/9(月) 23:36:47 ID:saYLYmn1LM
牛魔王「……ちっ。数だけは無駄に居やがるぜ、天部の兵ってのはよぉ。…おう玉、まぁだ戻らねえのか孫は」

玉面公主「………人参果……これでみっつめ………はいどんどん……どんどん……」

ごくう「そんなわんこそばみたいに食べれないよ!ほんとに戻るのコレ!?……うぇぇえ………八戒ちゃあん、コレきついね……きついね……!」

鉄扇公主「ちょっと、汁がこっちに飛びましてよ。貴女のズタ布と違って、私の召し物は高価なのですから、気を付けあそばせ」

ごくう「となりは怖いし人参果はキツいし、うう…!おししょおさまぁ…!」

牛魔王「早く戻れよ孫。俺ぁテメェと暴れてぇんだ。……さぁて、孫が戻るまで寝てるか……軍を進めとけ、紅」

紅孩児「……全く勝手な……畏まりました、父上………と、お前ら止まれ。何か来た」

天兵「道を、道を開けよ!」

天兵「太上様より面会の申し出だ!孫悟空!」

ごくう「まって玉面ちゃんまだ、まだ食べ終わって……ふえ?」

太上老君「……石猿よ。……こんな形で会いたくはなかったのう……」

ごくう「…おやじさん」

太上老君「……またもや天に……天帝様に逆らうか。石猿よ……なんという、哀しき事ぢゃ……!」

ごくう「お、おししょーさまを返してもらうだけだよ!悪いのはそっちじゃんか!」

太上老君「……仏の意思なのぢゃ。彼は、言うなれば生まれ変わる為に生まれた、そういう運命なのぢゃ。……主の気持ちは解る。ぢゃが、これはなんぢゃ?このような悪鬼羅刹を引き連れて、畏れ多くも如来がおわすこの地を踏みにじる……あってはならぬ事ぢゃ」

ごくう「知らないもんそんなの!おやじさん、おししょーさま、ここのどこにいるのっ!?おしえてよっ!」

太上老君「……お主が愛を覚えたか……辛いのう………ワシとて辛い……!しかし、それでもぢゃ。ひとりの人間の為に、どれだけの血を流すつもりか。……三蔵殿とて、それでお主らが死ぬるなど、望むまい……よいか石猿、ワひゅっ」

ドゴォォォォォォォォォォオンッッ!!!

ごくう「あ」

牛魔王「話が長ぇんだよジジイ」
376: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/9(月) 23:39:33 ID:HqCzBPy4J6
天兵「う、うわああああああああ!!?太上様が地面にめり込んだぁぁぁぁあ!!?」

天兵「きっ、貴様ぁっ!!自分が何をしたかふびゅらっ」

ドゴォォォォォォォォォォオンッッ!!!

天兵「うわぁぁぁぁあっ!!!と、飛んでった……!!?」

牛魔王「っせぇなあ……ジジイと雑兵を黙らせただけだろが……こっちは昼寝しようと思ってたのによぉ…ふわぁ…!」

天兵「……ぐぅ…!よ、よくも貴様…!」

鳥目の男「はいダメダメ〜。退いてなお前ら。お前らじゃまた埋められるか飛ばされるかしちゃうよん?」

天兵「ぼ、昴日星官(ぼうにちせいかん)様…!」

牛魔王「…あん?」

昴日星官「ん〜♪如何にもって悪人ヅラっスねオッサン。なにそのバッテン傷?どしたらそんなん付くの?」

牛魔王「………」

昴日星官「まあいいや。でもさ、いっくらなんでも喋ってる最中のお爺ちゃんボコすとか、イケてねーよオッサン。てかその武器もダサくね?なにそれ鉄棒?ガッコの校庭から持ってきちゃった?やっぱさ、装備でキマんじゃんか、オトコの格ってゆーか、拘りって」

ドゴォォォォォォォォォォオンッッ!!!

天兵「昴日星官さまぁーっっっ!!?」

牛魔王「話が長え」

鉄扇公主「ナイスショットですわ、牛魔王様♪」

紅孩児「………」

天兵「う、うう、う……!こ、これが牛魔王…!混鉄棒を振り回す悪鬼……!記録にある通りのバケモノ……!!!」

牛魔王「……おぉい玉!孫は……お、戻ってんじゃねぇか。おら孫!暴れんぞ!早く来い!」

悟空「…………うぷっ……だ、り……て……」

玉面公主「………『まだ無理』……『気持ち悪くて』………だって………ショボい……」

悟空「………うう……なにこの復活の仕方…!カッコ悪いにも程があるよぅ…!……おえっ」
377: 名無しさん@読者の声:2013/12/10(火) 11:39:05 ID:V1kwfMyIRQ
ちっ
戻ってしまったか
378: 名無しさん@読者の声:2013/12/10(火) 11:57:55 ID:xEmVgKUp2A
>>377三蔵法師乙
379: 名無しさん@読者の声:2013/12/10(火) 19:15:08 ID:3PtiMlAxMk
かっけぇぇぇ!


ヨシュアさん後で戻してくださいお願いします。
 
380: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/11(水) 20:19:54 ID:ZM74H3s1Ug
悟空「……すぅ…はぁ………ふう、落ち着いた……」

牛魔王「おら、孫っ」ブンッ

悟空「…わっとっと!?あ、如意棒……」

牛魔王「孫悟空にはそれが無ぇとカッコつかねぇだろ。優しい兄貴に感謝しやがれ」

玉面公主「………ちいさくしたの……玉………」

悟空「……ありがと。玉面ちゃんもありがと。………よし…!」

鉄扇公主「じゃあとっとと行って下さる?……全く、武のみとは言え、牛魔王様に求められるだなんて、烏滸がましいにも」

フッ

鉄扇公主「程が……あら?お猿さん?消え……?」


天兵「ぐっ!?……く、苦し……!」

悟空「お師匠さま、どこ」

天兵「だ…黙れ……汚い手を離せ反逆者め…!」


玉面公主「………うそ……いつの間に……あんな所に……?」

紅孩児「疾い…!」


悟空「お師匠さまはドコかって訊いてるの」

ゴオッ!!!

天兵「ひ、ひいっ…!!!」
381: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/11(水) 20:22:16 ID:ZM74H3s1Ug
牛魔王「…ククク、ありゃあ相当イラついてやがったな。……しかし、あぁも見事に怒りを飲み込めるなんざ……変わりやがったぜ、孫の奴」

紅孩児「……悟空…」


悟空「……教えてくれないなら、いいよ」パッ

ドサッ

天兵「……ゲホッ…ゲホッ……はぁ、はぁ……!」

悟空「伸びて、如意棒」

ギュウウウウウウウウウウウウ……ン……

天兵「…な……ななな……!!?」

悟空「よい…………しょっ」

ブゥゥゥゥンッッッッ!!!!

「「「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」」」


玉面公主「………すごい………たった一振りで……!」

鉄扇公主「…ゆ、ゆうに四、五百人は吹き飛ばしましたわよ、アレ…!?」


天兵「……バ、バ、バカな…!!!まるで草木を刈り取るように我らを……!!!」

悟空「……最後のひとりだけ残して、ソイツにもっかい訊くから」

天兵「…ぐ……!!!」

悟空「おっきくなって、如意」

八戒「それは止めい姉者。ワシらまで巻き込む気か」

悟空「っ!」
382: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/11(水) 20:25:17 ID:GYSIe3zCqI
小龍「…巨大化した如意棒でさっきのをやられては、確かに怖いですね」

悟空「八戒ちゃんっ!シャオくんっ!」

天兵「ぐわぁぁぁあ!!?」

沙悟浄「邪魔だよ雑魚は引っ込んでなっ!チクショウ出てきな木叉ぁっ!勝負の途中で抜けるとか、馬鹿にすんのも大概にしなよーっ!!」

悟空「悟浄ちゃんっ!みんな無事だったんだね!良かったぁ…!」

沙悟浄「はっ!当然じゃないのさ姐さん、アタイらがそう簡単に…………」

悟空「…悟浄ちゃん?」

沙悟浄「………………」

悟空「あ、あの?え、懐から何取り出して……うわ、それもしかして私の人形?そんなものいつの間に?」

沙悟浄「………………」ブツブツ

悟空「えっと、ねえどしたの?人形ニギニギしながらなにをブツブツ言ってるの?ねえってば」

小龍「……はい。はい。…ええと、『旦那様を救うためには悟空姐さんが戻って良かった』『わかってるけど、頭では納得できても、心が』……だそうです」

八戒「よしよし、泣くな悟浄」

悟空「えっなにこの私が悪いみたいな空気」

沙悟浄「……………」ブツブツ

小龍「…『出来れば最後に』『一回だけで良いから』『お母さん、って呼んで欲しかった』………悟空さん」

八戒「呼んでやれ、姉者」

悟空「え、う、うん…?……お、おかあさん……?」

沙悟浄「……………!」ブツブツブツ

小龍「…『そんなんじゃない』『アタイの可愛い姐さんは』『そんなんじゃない…!』……悟空さん…」

八戒「謝れ、姉者」

悟空「えぇぇえなんで!?私悪くないよ!?いや絶対私悪くないよ!?」


牛魔王「……変わりやがったな、孫…」

紅孩児「……ふふっ」
383: 名無しさん@読者の声:2013/12/11(水) 22:13:33 ID:htcGOKN7BQ
悟空戻ったあああ!!!
本当面白い!!!支援支援!!
384: 名無しさん@読者の声:2013/12/12(木) 12:51:35 ID:HlERC3r0QE
更新される度に面白くなってく
応援してます

っC
385: 名無しさん@読者の声:2013/12/12(木) 22:03:41 ID:hfARQxF33I
急かしちゃダメなのはわかるけど続きが楽しみで楽しみで(T_T)

っCCCCCCC
386: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/13(金) 23:17:07 ID:1vJjNNC0lk
虎力大仙「あーもうアンタら邪魔!なんでウチの軍は隊列とか無いのよもう!」

牛魔兵「イテッ…あにすんだゴルァ……っ!さ、三大仙様!し、失礼しやしたっ!」

羊力大仙「あー、よいよい。それにしても牛魔王様、いつの間に我輩らを追い越して……」

鹿力大仙「お、やっと先頭に出れそうだぜ。よっしゃ新生鹿力様の拳と健脚、ぶちかましてやるぜっ!」

虎力大仙「あー、息苦しかった………全く、エロ豚はホイホイ先に行っちゃうし……アタシも今度浮術習おうかな、紅孩児にでも」

羊力大仙「ふむ?敵軍はまだ現れて居らんのであるか?まあさておき、牛魔王様の馬車は……おお、あれであるな。牛魔王様ぁ!三大仙、遅れ馳せながら推参致し」

牛魔王「あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!?」

三大仙「ひうっ!!!?」

牛魔王「………ぁんだ、お前らか。ケッ……!」

虎力大仙(な、な、なんであんなブチ切れてんの牛魔王様!?)ヒソヒソ

羊力大仙(し、知らんである!わ、我輩なにか粗相をしたであろうか!?)ヒソヒソ

鹿力大仙(お、遅れて来たからか!?遅刻したら廊下に立たされるのか!?)ヒソヒソ

玉面公主「………あなた達のせいじゃ無いわ………でも本当にイライラしてるからパパ……気を付けて…」

羊力大仙「な、何故でございますか?」

鉄扇公主「……消えたんですわ。敵軍が。こう……パッ、と。瞬く間に」

鹿力大仙「敵が……消えたんスか?え、つまり…?」

紅孩児「文字通り、消えたんだよ。ほんのさっきまで、戦っていた敵兵達が、一瞬で。…………悟空達と一緒に」

虎力大仙「……アイツらと一緒に…」

牛魔王「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!!何処行きやがったぁぁぁぁぁあ!!!!暴れ足りねぇぞ!!!!孫んんん!!!!何処だぁぁぁぁあ!!!!」

ビリビリビリビリ……!!!

金吒「……うわ……なんちゅう大声やねん……音量下げぇや……」

牛魔王「あん……?……ほぉう、テメェの仕業か、この嘗めたマネは………金玉ぁ…!」

金吒「キンタマ言うな!……久しいやん、大力王。……や、牛魔王、やったか」

紅孩児「……父上」

牛魔王「ああ、見知り顔だ。前部護法、だったか。役付きの頭でっかちだ。先の戦争以来か?……で、孫を何処にやりやがった、金玉野郎」

金吒「キンタマ言うな言うてるやろが!……あの娘ぉらは……よー知らんねん。まぁ此方側の誰かがやったんやろケド。あ、軍を消したんはワイや。無駄に兵を減らしてもしゃーないしな」
387: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/13(金) 23:21:34 ID:DltRDRQ026
牛魔王「……弟と言いテメェと言い、西訛りはムカつく奴が多いぜ……それでテメェは、死にに来たのか?」

金吒「……安い市販の風邪薬が効かんかった場合、病院で注射打つしかないやん?……ウイルス退治や」

牛魔王「……病原菌じゃなくて、致死量の毒かも知れねぇぜ?」

金吒「……言うてろ、成長せん悪ガキが」







悟空「………ねぇ、ここどこ?」

八戒「姉者、その質問三回目じゃ」

沙悟浄「……だだっ広いし真っ白だし、気味が悪いねぇ……なんの妖術だい本当に…!」

小龍「…天界らしいやり方ではありますね。……閉じ込めるつもりだとしたら、厄介です」

悟空「うううう……やっぱ結界とかかなぁ…?もー、なんでお師匠さま居ないのさ!お師匠さま居ればこんなのパーッと解いちゃってお師匠さま助けに行けるのに!」

八戒「ええい落ち着け姉者。今何処ぞに空間の綻びが無いか……」

ペカーッ!!

悟空「ひゃ!?眩し……!」

観音「……孫行者、猪八戒、沙和尚、玉龍……」

八戒「…観世音…!」

観音「……無理矢理呼び寄せた非礼を詫びます………ですがどうしても、アナタ達に話したい事が痛っ!?えっ、ちょ!?痛い痛い髪引っ張らないで沙おしょ……腿っ!?腿蹴らないで玉龍!鋭いローを放たないで!」

沙悟浄「旦那様どこやったんだい。あぁぁん?言わないとこの髪、頭皮ごと引き千切るよ?」

小龍「…上からモノを語る資格が今の貴女にあるとでも?その脚、アザまみれにならないと解りませんか?」

観音「ひ、ひぃぃい…!!!」

八戒「……どこのヤンキーじゃお前ら」

悟空「ぐ、出遅れた……!あとなんだろ、なんか妙に息が合ってる悟浄ちゃんとシャオくんにジェラシーを感じるよ!」

八戒「あ、なんかわかるのう、それ」
388: 名無しさん@読者の声:2013/12/14(土) 08:30:06 ID:3PtiMlAxMk
支援w
ヤンキーww
389: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/14(土) 21:38:58 ID:GeMk5DVjOQ
観音「……うぅぅ……痛かったです……いやまだ痛みます……!」

八戒「菩薩とは思えん威厳の無さじゃの。で、話とは何じゃ。ワシら、マジで暇では無いんじゃが」

悟空「そーだよ!お師匠さまどこに隠したのさっ!」

観音「か、体を揺すらないで下さい孫行者…!ふくらはぎが、玉龍に蹴られた左のふくらはぎが地味に痛むんですぅ…!……おほん。で、では話を聞きなさ……聞いて貰えますでしょうかお願いします」

沙悟浄「いくら下手に出ても、つまんない話だったら……非道いよ?」

小龍「…次は右と見せかけて、更に左を破壊します」

観音「ひぃっ!?……え、ええとですね。どこから話そうかな………に、睨まないで!簡潔に話しますから!そ、そもそもですね、私としては今回の玄奘三蔵の……その、拉致…ですか。預かり知らぬというか、そんなの聞いてなかったと言うか…」

沙悟浄「……責任逃れかい?」

観音「ちっ、違います違います!ふくらはぎを凝視しないで玉龍!……でも、本当に釈尊……釈迦如来から私が聞かされていた予定とは、全然違うんです!まず玄奘三蔵を拐うなんて話は無かったし、金蝉子の復活だなんて、それも知りませんでしたし!」

八戒「にわかに信じられんの。貴様、師匠殿に善行を促しておったではないか。それは金蝉子の復活の為では無いのか?」

観音「そ、それは、徳を高めて苦難を乗り越え、そうして此処……天竺が雷音寺に辿り着かせる為です!そこで玄奘三蔵は、釈尊の意により栴檀功徳仏(ぜんだんくどくぶつ)として、我らに迎えられるという筋書きだったのです!存在を消すなんてとんでもない!」

悟空「ぜんだん……なに?」

小龍「…役職名みたいなものですよ。菩薩や竜王にも勝る高位です」

観音「えと、ちなみに、孫行者は闘戦勝仏、猪八戒は浄壇使者、沙和尚は金身羅漢、そして玉龍には八部天龍馬の位を授ける予定でした…」

八戒「なんかワシだけ『使者』とか付いとってパシリ臭がするんじゃがソレ。気に食わんのう」

観音「い、いえいえ!浄壇使者は仏への供物を統べる、実入りとしては最もオイシイ役職で、欲気の強い貴女には最適な……じゃなくて!本当に私も、どうしてこんなことになったのか解らないんです!何故、私の木叉が……こんなことに荷担して……!」

悟空「……むう…」

沙悟浄「……そんな、泣かれても……ねえ?」

観音「こんなことを……こんな無為に苦しみを生むようなことを、人を導くべき天が行って良い訳がありません……!ましてや、釈尊が」

木叉「……そこまでや。観世音様」

観音「……木叉………」

沙悟浄「出たね敵前逃亡野郎が。どのツラ下げてアタイの前に来てんのさ、腰抜け!」

木叉「…………さ、帰るで観世音様。こんなデッカイ空間なんぞ造って、疲れましたやろ?」

沙悟浄「…無視かい…!」
390: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/14(土) 21:41:23 ID:uwCVI9QSkc
観音「は、離しなさい木叉!私に黙って、何をやっているのですか!?天帝は、釈尊は、いったい何を」

木叉「……悪いことはしてませんよって」

観音「わ、わ、悪いです!どう考えても悪いです!私は、菩薩としてっ」

木叉「……ボクが動くんは、いつだって観世音様の為や。それだけや」

観音「意味がわかりませんっ!そ、そして私の為だとしても、悪事に手を染めるだなんて、赦しません!は、離してっ!」


八戒「……なんじゃ?仲間割れか?」

沙悟浄「聞きようによっては、痴話喧嘩みたいにも聞こえるケドねぇ」

小龍「…菩薩が痴話喧嘩とか……」

悟空「それは流石に世も末だって、私でも思っちゃうね」


木叉「せやから……後で諸々説明するよってに、ここは帰りましょ、って言っとんねん、観世音様」

観音「な、納得出来ますかそんなの!今話しなさい!なんでこんな事をしたのですか!貴方に少しでも正義があるならば、私の眼を見て真実を語りなさい!」

木叉「………なにが正義や。そんなもん……クソや」

観音「なっ…!?あ、貴方、自分が一体何を言っているのか、わかっているのですか!?正義無くして、この天に住まう我らが赦されるとでも!?い、言うに事欠いて、ク、クソ…!?」

木叉「ああクソや!そんなもん………正義だの何だの、そんなんどーっっでもエエ!」ガシッ!!

観音「キャッ…!?」

木叉「……惚れた女ぁ守る為なら、そんなもん……クソや…!」

観音「………もく、さ……!」


八戒「………ん?んんん?」

沙悟浄「……え?……マジで痴話喧嘩…?」

小龍「…ぼ、菩薩が痴話喧嘩とか……」

悟空「世も末だったね!」
391: 名無しさん@読者の声:2013/12/15(日) 09:18:00 ID:sw5ilgdYT.
クリスマスに関係ないような菩薩様までリア充とか私涙目www

支援
392: 名無しさん@読者の声:2013/12/15(日) 09:29:26 ID:3PtiMlAxMk
>>392
っはんかち
涙ふけよ
393: 名無しさん@読者の声:2013/12/15(日) 10:20:08 ID:2AUkHniM5Y
>>392
セルフはんかちww

新ジャンル観音萌え←なんかばちあたりそう笑
支援
394: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/15(日) 22:54:07 ID:C9C6dowwmE
観音「……そうやって、いつも、誤魔化すんですね…!」

木叉「……誤魔化しとらん。大真面目や。……ボクは、観世音様の為なら、なんだって……!」

観音「………嫌、です…!」

木叉「せやかて!上の意志や!こんなん観世音様が反対するのはわかっとった!でも逆ろうたら、位の剥奪程度じゃ済まんかも」

観音「………『のん』って……部屋で……二人の時のように………『のん』って呼んでください………もっくん……!」

木叉「…ア、アホ…!何をこんなとこで…!」

八戒「……小龍」

小龍「…はい。……火龍咆哮っ」

ゴオオオオオオオオオッ!!

観音「キャアアアアアッ!?」

木叉「どわぁぁぁあ!?な、なにさらすねん………うっ…!」

八戒「お主ら、ワシらの存在を完っっっ全に忘れとったろ。成程成程、観音で『のん』か。木叉で『もっくん』は……ベタじゃの」

沙悟浄「……師弟の恋…!」

悟空「…菩薩って何だったっけ、シャオくん」

小龍「…菩提薩埵……覚りを求め、衆目を導く存在ですね」

悟空「…今この人が求めてたの、確実にキッスだよね彼氏の愛だよね。何を導くのかなこれが愛の伝道師ってヤツかな?」

木叉「な、なんやねんなんやねん!なんや文句あんのかい!あーそぉやそぉや!ボクら付き合うてますー!天部が恋愛したらアカンか!?迷惑かけたか!?神様は禁止したか!?」

悟空「開き直った!」

小龍「…しかし菩薩とその弟子が、とか…」

沙悟浄「ちょいとシャオ!師匠と弟子が恋しちゃいけないってのかい!?」

八戒「絡むな絡むな悟浄。さて、とりあえずはお主ら、いつまで抱き合っとるんじゃ。離れい」

観音「………あう」

木叉「…う」
395: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/15(日) 22:56:26 ID:C9C6dowwmE
八戒「内情は何となく解ったのう。つまりこれは釈迦と天部の独断か。他の菩薩等が出てこんのも、それならば合点が行く」

小龍「…四海の竜王や、天部の管轄下にない者も、そう言えば見ませんね」

木叉「………そうや。せやから前も言うたやろ。ボクは末端も末端や。釈迦如来直属のアニキや、天帝直属のナタと違うて、フリーランスや」

沙悟浄「それで、恋人を楯に取られて、言いなりになってた……って言いたいのかい?」

観音「もっくん……」

悟空「そうなの?もっくん」

木叉「もっくん言うな!………言い訳もせん。反省もしてへん。………エエわ、こうなったらアンタらのうち、誰かの首ひとつ……いや腕一本…!」

沙悟浄「いや、そんな今さらマジな空気を出されてもねぇ、もっくん」

小龍「…そんな恋人繋ぎしたままカッコつけられましても、もっくん」

木叉「お前ら性格悪過ぎやろ!七星剣っ!!敵悉く斬り裂……あ痛っ!?」

八戒「自棄になるな阿呆が」

観音「も、もっくんに乱暴しないで……きゃうっ!?」

八戒「お主もじゃ。お主の『もっくん』じゃろ、無茶を止めてやるのはお主の仕事じゃろが、『のん』」

観音「ま、また……ふくらはぎ…!」

八戒「木叉よ。聡明な貴様ならば、ワシら四人相手では腕一本、無理な事は解ろう。……大方その武を買われ、良いように使われて居ったのじゃろ、健気な話じゃ。ワシは、色恋で動く男を軽蔑せん。それは仏法や正義を超えて、命あるものの真理じゃ」

木叉「……猪八戒さん」

八戒「女の為に武を奮う。観世音、良い男を見つけたのう。そうじゃ、男はそうでなくてはならん。……もう毒気も抜かれたわい。ここひとつ、お主ら二人はもう責めん。じゃから邪魔もするな。……それで良いじゃろ、皆」

沙悟浄「……姐さんにそう言われちゃ、ねぇ…。まぁアタイは?旦那様が戻ってくれば、それで良いし?」

悟空「私も!……てゆーか八戒ちゃん、今回ちょいちょいカッコ良いよね」

小龍「…悟能様は、もともと格好良いですよ」

木叉「……は、はは……せやな………沙悟浄さんひとりであのザマや………強いなあ、アンタら。さすが、天下の三蔵一行や。…………三蔵さんは、本堂から続く更に奥、塔のてっぺんに居る。………ゴメンな、のん。党には何があっても近付けるなって言われとったケド……もうボクには無理や。でも、どんな罰食らうても、のんには絶対…!」

観音「……釈尊より罰を受けるなら、私もです…!ね?一緒に…!」
396: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/15(日) 22:59:37 ID:ldewMVXTf.
ゴンッ!!ゴンッ!!

木叉「あだっ!?」

観音「痛いっ!?」

悟空「なんかそれ、私たちが負ける感じで話してない?心配しなくても、後でそんな意地悪出来ないくらい、とっちめてやるんだからね、お釈迦さま!」

沙悟浄「……いやいや姐さん、アタイはそこまで………あーもう。ダメだ目が本気だよコレ」

小龍「…良いじゃないですか、そのまま私達の罪も、ウヤムヤにしちゃいましょうよ」

八戒「ほっほっほ!それ良いのう小龍!そういうコトじゃお主ら。もう良いから、はよ此処から出せぃ」

観音「…………わかりまし」

沙悟浄「待った」

観音「へ?」

沙悟浄「……観音さん、ちょっとコッチへ。訊きたいコトが」

観音「え?は?えっ?」

八戒「あ、ワシもひとつ。おい木叉、こっち来いこっち来い」

木叉「……ん?な、なんやねん引っ張るなや!」

沙悟浄「………で、どうなんだい?そ、その、弟子と付き合うってのは、どんな感じなんだい?すんなり恋愛対象として見れるモンなのかい?」

観音「え、えと……どんな感じって……」

沙悟浄「じゃ、じゃあ、どっちから!?どっちからその、こ、こ、告白……!」

観音「そ、それは……えっと、その………も、もっくん……!」

沙悟浄「弟子から!弟子からなんだね!それで上手くいくんだね!?」

小龍「…まあ、此方は別に」

悟空「うんツッコミの必要ないね、いつもの恋する悟浄ちゃんだね。でも」

八戒「……で、どうなんじゃ?」

木叉「…な、なにがやねん」

八戒「ナニって……決まっとるじゃろが。ワシが興味あるコトと言うたら、ほほほ…!ほれ言うてみぃ、どんな具合なんじゃ?菩薩のマ」

悟空「はい八戒ちゃんストーップ!いくらなんでもそれはストップだよレッドカードだよ一発退場だよ!」
397: 名無しさん@読者の声:2013/12/15(日) 23:20:37 ID:3PtiMlAxMk
だれかゴクリ…のAA!
398: 名無しさん@読者の声:2013/12/15(日) 23:31:59 ID:Z5wDWglJyY
・・・・・・ゴクリ。
   ヽ|/
 / ̄ ̄ ̄`ヽ、
`/      ヽ
/ \, ,/   |
| (●) (●)||||
| / ̄⌒ ̄ヽ U|
| | |~ ̄~ヽ| |
|Uヽ  ̄~ ̄ ノ |
|   ̄ ̄ ̄  |
399: 名無しさん@読者の声:2013/12/15(日) 23:37:12 ID:CS.h1LThPI
ぐあああ!!
菩薩なのに…!菩薩なのに…!!
このリア充めぇえええ!!!

CCC
400: 名無しさん@読者の声:2013/12/16(月) 01:20:43 ID:sw5ilgdYT.
セルフハンカチの意味がわからないけど支援


401: 名無しさん@読者の声:2013/12/16(月) 05:42:33 ID:.inN52riKQ
>>400
ヒント >>392の安価
402: 名無しさん@読者の声:2013/12/16(月) 08:53:28 ID:L42.WERUbA
八戒ちゃん…ちょいちょいカッコ良いのにwwwカッコ良いのにwwwwww
403: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/17(火) 00:40:14 ID:CfKAWhzbec
沙悟浄「…ちっ、狭い階段だね…!これじゃ術で飛んでいくのも無理じゃないか、あぁあウザったい!」

悟空「外から飛んでてっぺん目指そうにも、いきなり階段入り口にワープさせられたもんね……壁もなんか壊せないし」

小龍「…恐らく、他に道は無いのでしょう。釈迦如来の居塔です、侵入路が多いとは思えません」

八戒「ぬう、いつまで続くんじゃこの階段は……奴等もケチケチせず、最上階に飛ばしてくれれば良いものを……」

沙悟浄「………」

悟空「………」

八戒「…ん?なんじゃそのジト目は」

沙悟浄「…いや、姐さんに文句を言う権利があるかねぇ……って」

悟空「シャオくん甘やかし過ぎだよ!そこまですることないよ!」

小龍「…いえ、でも……」

八戒「じゃってワシ、ヘトヘトなんじゃもーん。なんと言うても、あの伝説の二郎真君を倒したんじゃし!少しでも休まんと!のう、小龍?」

小龍「…はい。お疲れ様です、悟能様…!」

悟空「だからってなんでお姫様抱っこなのさ!せめてそこはおんぶじゃないのかな!?」

沙悟浄「シャオ、アンタだってそこそこ疲れてるだろうに。走らせたら良いんだよ、その人全然元気だよ」

八戒「なぁにを言うか。聞けば敵の将を降したのは、ワシと小龍だけではないか。本当ならお主ら二人で、功・労・者たるワシらを運ぶのが筋では無いのか?ん?」

悟空「イ、イヤな八戒ちゃんだよぅ…!」

沙悟浄「本当に姐さんは根に持つねぇ…!」

八戒「ふん。お主らが止めなんだら、もう少しで木叉の奴から根掘り葉掘り、詳しく聞けたと言うに。キョーミあるじゃろ普通?観音の観音様が観音開きじゃぞ?」

悟空「うわこれはひっどい」

沙悟浄「下品が度を超えてるよ姐さん…」

小龍「…すみません。止める空気だったもので……」

悟空「謝らなくて良いよシャオくん!あれを止めなかったら八戒ちゃんの為にも良くないよ!僅かに残った八戒ちゃんの『女の子』が消滅しちゃうよ!」
404: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/17(火) 00:45:24 ID:AuuToUuhIc
八戒「うっさい姉者じゃのう………む、小龍。ちと首の位置が……もそっとこう、しっかり持てい」

小龍「…はい、こうですか?」

沙悟浄「……八戒姐さんをダメにしてるのって、もしかしてシャオなんじゃないかい…?」

悟空「……もしかしなくてもそうだと思う」

八戒「ん、おお、んぅぅ…♪うむ、この体勢じゃ。……お、姉者、悟浄。扉じゃぞ」

悟空「…おっとっと!」

沙悟浄「……ここ、かね。嫌に大仰な扉だけど」

小龍「…この先も階段……というのも、不自然ですしね」

悟空「……お師匠さま…!……悟浄ちゃん、どいてっ!」

悟浄「ちょ、姐さ、何も壊すことっ」

悟空「お師匠さまぁぁぁあっ!!!」

バッコーンッッ!!!

小龍「…扉は壊せるんですね………よくわからな」

ガラガラガラ……

三蔵「…な、なんだよ今度はっ!?もうあのキモいオッサンは本当に勘弁…!」

悟空「お……」

三蔵「……お、おお…!」
405: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/17(火) 00:47:41 ID:AuuToUuhIc
悟空「お師匠さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」

沙悟浄「旦那様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」

小龍「…先生…!」

ダダダダダダダダダダダ…!!!

三蔵「おおおお!お前ら遅ぇよ…って待てその勢いは待てへぶらっ!!?」

バターンッ!!!

悟空「お師匠さまっ!お師匠さまっ!おひひょーひゃまあっ!」

三蔵「痛つつ……悟空鼻水!鼻水やめろコラお前今ちょっとかんだろ!?師匠の袈裟で鼻かんだろ!」

沙悟浄「旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様っっっ!!!」

三蔵「痛い痛い!悟浄痛……いや熱い!お前頬っぺたそれ以上擦り付けんな摩擦熱が!摩擦熱が!」

小龍「…ご無事で何よりです、先生」

三蔵「そう思うなら低空ドロップキックはやめようか小龍!あれ危ないんだぞ膝壊しかねないんだぞ!」

小龍「…両手が塞がっていたもので」

八戒「ほほほほっ♪……師匠殿、愛弟子の抱擁じゃ、我慢せい♪………待たせたの」

三蔵「……おう。待ったぞちくしょう」

悟空「おひひょおしゃまぁぁぁぁぁあ……うえぇぇぇぇん…!」

三蔵「…これは、『なんだよ毛玉に戻っちゃったのかよお前』とかは、言わないほうが良い感じ?」

八戒「そうじゃの。言わんほーが好感度的にも良いじゃろ」

悟空「それ口に出したら意味無いよぉぉ…!うえ、うええええん…!」

沙悟浄「旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様だんなさまだんなさまだんなさま」スリスリスリスリスリスリスリスリ

三蔵「アカンこれは袈裟買い換えるレベルまでグシャグシャにされる。あと悟浄怖いもうなんか怖い!そして逆にお前頬っぺ大丈夫なのかそれ!」
406: 名無しさん@読者の声:2013/12/17(火) 00:59:30 ID:piwV0qFrog
袈裟は高いのは一千万くらいする

支援
407: 392:2013/12/17(火) 01:12:07 ID:3PtiMlAxMk
おくればせながらセルフハンカチに気づいた....
はずい
408: 名無しさん@読者の声:2013/12/17(火) 08:04:44 ID:/3MIJ0S1EM
弟子の間で主従関係がきっちり成立してるのに師弟関係が全く成立してないwww
409: 名無しさん@読者の声:2013/12/17(火) 15:47:06 ID:g38IDIgMhs
観音の観音様が観音開きwwwwwwwそれは確かにちょっとキョーミあるwwwwww
410: 名無しさん@読者の声:2013/12/18(水) 13:00:01 ID:MCjKEPE3c2
なにせ観音の観音様が観音開きだもんな・・・
411: 名無しさん@読者の声:2013/12/18(水) 17:30:13 ID:rJxZpqAXeQ
そうだな…観音の観音様が観音開きだもんなぁ
キョーミない方がおかしいわ
412: 名無しさん@読者の声:2013/12/18(水) 17:34:06 ID:BkDfM4y7xQ
お前ら言いたいだけだろwww
413: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/18(水) 21:00:09 ID:DltRDRQ026
牛魔王「……へぇ。前にゃ見なかった術だな。しかし相変わらず自分で闘わねぇ野郎だ」

金吒「しゃーないやろ、ワイ、弱いさけ。木坊から鍛練を、ナタから才能を無くして、そんで足して二で割ったくらいやし、ワイ。人気を惹き付ける頑張り屋の次男坊、才気溢れる天才肌の三男坊。長男なんて真面目くらいしか取り柄が無いもんや」

牛魔王「は、陰気臭ぇ。……そんでテメェらしい、趣味の悪い術だぜ」



巨霊神「ふしゃあぁぁぁぁあっ!!!死ね!シネ!死ネねねネネ!!!」

ボォウッ!!!

巨霊神「死シシっ…!?」

玉面公主「……ゾンビ…良いわね。………玉……B級ホラー、好きよ……」

巨霊神「……ナマイキ…!死シねね…!」

玉面公主「………死因は火傷…?じゃあ冷やして…凍らせてあげるわ……玉の狐火で……」



昴日星官「殺すコロスころすコロ殺ころ殺ろろろぉぉぉぉああっ!!」

鉄扇公主「……気品の欠片もありませんわね。ああ醜い……」

昴日星官「殺ロロ……いや厚化粧のオバサンに言われたくないっスわ」

鉄扇公主「なんでそこだけ流暢にハッキリクッキリ喋りますの!?さっきまでコロコロ言ってただけじゃありませんの貴方!……不愉快ですわっ!」

ビュオッ!!

鉄扇公主「…青鋒剣の錆にするのも穢らわしいですけれど……その口は微塵切りにしないと、気が済みませんわ!!」
414: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/18(水) 21:03:30 ID:AuuToUuhIc
金吒「んー、太上の爺さんが釣れんかったってことは、生きとるんかあの人……しぶといジジイやのう。あれも欲しかったんになぁ。……どしたん?恐い顔して?」

牛魔王「……ち。紅のヤロウ、『じゃあ僕は悟空を探すから、あとは昔馴染み同士でごゆっくり』じゃねぇっつんだ。虎力達まで連れて行きやがって……どっちが自分勝手だっつんだ……」

金吒「奥さん達が心配なん?手伝いに行ったってもエエねんで?」

牛魔王「……させてくれそうに無ぇもんでね。このズタボロがよ」

二郎真君「……………」

金吒「ま、あの反逆者どもも一個だけエエことしてくれたわ。まさか殿下を殺してくれるやなんてなぁ。この人前から扱い辛かってん。コトある毎に大義やら仁義やら、七面倒臭いお人でなぁ。こやって傀儡に出来たんは、儲けもんやで」

牛魔王「…マジで悪趣味な術だぜ。死人を操るとかよぉ…」

金吒「…輪廻封印法呪。死した魂をそのまま躯に閉じ込め、操る。真面目やとな、こんなんも身に付くねん。……死んどっても伝説の英雄や。覚悟せぇ、悪ガキ」

牛魔王「…はっ。目玉の飛び出た英雄ねぇ。………ところでよ」

二郎真君「……どどどどどドウテイじゃねねねねぇぇぇぇぇしし…!ドウテイっていうやつガがドウテイだししシシし……!!」

牛魔王「コイツはさっきから何を言ってんだ?」

金吒「いやワイもよくわからんくて怖いねん」

二郎真君「たトえドウテイだとしてもドウテイというナのエイユウだしし……!!」
415: 名無しさん@読者の声:2013/12/18(水) 21:27:20 ID:3PtiMlAxMk
死んでも引きずるのか...
怖いな、童貞
416: 名無しさん@読者の声:2013/12/18(水) 22:09:17 ID:pB5cpQkw1.
ふ、不憫すぎるっ……(´;ω;`)ブワッ
417: 名無しさん@読者の声:2013/12/18(水) 22:56:31 ID:NIP6er7H2A
私で卒業させてあげたくなる程不憫

418: 名無しさん@読者の声:2013/12/19(木) 09:05:39 ID:AAgK1hrOrk
とどめは八戒ちゃんのDT発言なのだろうか
419: 名無しさん@読者の声:2013/12/19(木) 20:59:57 ID:3PtiMlAxMk
もうやめたげてよぉ!
420: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/20(金) 22:20:49 ID:R79ptkJzvY
ギャリン!!ガキィン!!ギィィンッ!!

二郎真君「グガががごごぎぁァぁあっ!!」

ガッッ!!

牛魔王「……っ!!」

二郎真君「グはァ……!ぐろウ……スるナぁぁ……!」

牛魔王「……ペッ…!やるじゃねぇか、ゾンビ野郎…!」

金吒「……………」



巨霊神「……シシ死……し……ひぃ……」

玉面公主「……寒い?……冷たい?……可笑しいわね……こんなに……こんなに燃えているのに……」

ボボボボボ……

牛魔兵「こ、これが玉面第二夫人様の『狐火』……お、俺、初めて見た…!」

牛魔兵「氷みてぇな蒼白い炎……うう、見ているだけで背筋が凍るぜ…!」

巨霊神「………シ………ぁ……」

ピキピキピキ……!!

玉面「……ゾンビの氷漬け………思った以上に……良いわ。………応接間に飾ろうかしら………」

牛魔兵「……お、おっかねぇ…!」

牛魔兵「…いや、恐ろしさならコッチも…!オエッ……ひっでぇ…!」


スバッ!!ビシュッ!!ザンッ!!

鉄扇公主「おほほほほほほ!!悪いのはこの口!?この口!?」

昴日星官「 」

鉄扇公主「……ていうか、何れが口ですの?ミンチになるのが早すぎましてよ、貴方」

牛魔兵「……俺、絶対に奥様達だけは怒らせねぇ……」

牛魔兵「……うん……」
421: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/20(金) 22:24:21 ID:QOPj05xI2I
玉面公主「……うわ……グロ………性格疑う……」ボソッ

鉄扇公主「聞こえてますわよ!ふんっ!そんな気色の悪い氷漬けを持ち帰ろうとしてる貴女に、性格をどうこう言われたくありませんわ!」

玉面公主「………なに興奮してるの……?欲求不満……?あ…更年期……?」

鉄扇公主「貴女いちいちケンカを売らないと喋れませんの!?」

玉面公主「………ミンチ……勿体無い……。そうだわ、パパの」

バリバリバリバリッ!!!

牛魔王「う……ぐっ……!!!」

金吒「…捕縛法呪や。捕まえたで牛魔王。なぁにタイマン張っとる気になっとんねんアホ」

鉄扇公主「あなたっ!!!」

玉面「……パパっ!!!」

金吒「動くな。アンタ等から、殿下に殺させよか?」

牛魔王「ふざけんな……!こんな術…!」

金吒「ぬ……流石やね。このままやと解かれてまうわ。でも……もぉ遅いわボケェ!!!やれ二郎真君!!!こん悪タレの首、飛ばしたれぇ!!!」

二郎真君「あアアァぁあァぁあっ!!!」

牛魔王「やってみやがれゴルァァァァアッ!!!」




グググ……!!

金吒「………が、ぐ……!?……な、なにしとんね……!?なんで……ワイの首ぃ掴んで……!?」

二郎真君「……う、うううウううう……!!!」

牛魔王「……どうなってやがんだ…?」

金吒「や、やめ……な、なんでや……!?なんでワイを……!?」

玉面公主「……殺したのが、貴方だから。…………たぶん」

金吒「……!!!」
422: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/20(金) 22:29:32 ID:CfKAWhzbec
鉄扇公主「…どういうコトですの?」

玉面公主「……老化の始まった脳にも解るように説明すると……この手の禁呪は、だいたいタブーがあるのよ………恐らくこの術のタブーは、『自分で殺さない事』……」

金吒「………そ、そんな…!?し、知らん!!そんなん聞いてへん!!!」

玉面公主「……紅孩児が言ってたけど……その人、倒したのって……猪八戒でしょう?………変だと思ったわ………彼女は………殺さないもの………」

鉄扇公主「ふぅん。つまりあの子ブタさんにやられてしまって瀕死の身内を……己が手に掛けた、ってコトですわね。……自業自得、因果応報ってことかしら、つまらない男だこと。…あと誰が老化が始まって脳のシワは減るのに小ジワは増える一方ですってぇ!?」
 
玉面公主「……自覚……してるじゃない………」


金吒「……ぎ……ぐぁ……は、離せ………!!言うことを……聞け……この………亡者めぇ………!!!」

二郎真君「ウ、うヌガ……ウヌをヲ……うア、うぁぁぁぁぁぁアアあ!!!」

牛魔王「………殺すな」

二郎真君「…………!!!」

金吒「……かはっ……はぁ……ぁ……!」

牛魔王「……ふん、なんだよ、言葉ぁ通じるじゃねぇか。…そうだ、殺すんじゃねぇぞ。……玉ぅ!ここで金玉が死んだら、このゾンビ野郎はどうなる?」

玉面公主「………たぶん、終わる。動かなくなる。その金た……メガネから、僅かに仙力が伸びて繋がってる。……だから、そいつが死ねば、終わり」

牛魔王「ま、そんなトコだろうたぁ思ったぜ。……じゃあまだテメェは終わるんじゃねぇ。許さねぇ」

二郎真君「………?」

牛魔王「イイ感じになってきてた所じゃねぇか………最後までヤろうぜ、英雄…!誰の邪魔も無しだ…!」

二郎真君「………ウ、う……!」

……ドサッ……

金吒「……ぐふぇっ……!」

牛魔王「よし……オラ、来やがれ!」

二郎真君「………お、オオおオオおお!!!わ、ワレはけん聖ぃ!ジロう真クんなりィィいい!!!」ブワッ

牛魔王「ククク……なぁに泣いてんだよ………!応!平天大聖、牛魔王だ!!!……ちゃんと……殺してやるぜ!!!」

二郎真君「……い、イざああ!!!じ、ジん、じン常にィィ!!」

牛魔王「……勝負ぅあっ!!!」
423: 名無しさん@読者の声:2013/12/20(金) 22:35:37 ID:3PtiMlAxMk
牛魔王!抱いてっ!
424: 名無しさん@読者の声:2013/12/20(金) 22:54:30 ID:oG9MT0ZQSQ
二郎真君も!抱いてもらえっ!
425: 名無しさん@読者の声:2013/12/20(金) 23:06:20 ID:OsZxbnbwdc
牛魔王ならしかねないな
426: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 08:12:08 ID:FaVvc6qoAY
童貞捨てずに処女捨てる気かw
427: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 12:42:04 ID:3PtiMlAxMk
二真郎君!抱いてっ!
にすりゃいくね?
428: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/21(土) 13:21:55 ID:oKvGYFF4B2
牛魔王「オオオオラァァァアッッ!!!」

二郎真君「るァァぁぁアあアアっっ!!!」

ギィンッ!!!パキィィンッッ!!!


玉面公主「………パパ……嬉しそう…………」

鉄扇公主「……彼が強者と戦う姿は……この人の、牛魔王の妻である喜び、誉れ……それを最も感じる事が出来ますわ。しかし、私では、あんな幸せそうな顔はさせてあげられない……嫉妬に狂う瞬間でもありますわね……」

玉面公主「………嫉妬してるような……顔じゃないわよ……」

鉄扇公主「……あら?表情の裏も読めないだなんて、やはりお子様ですわね。おほほほほ…」

金吒「……げふっ……か、はぁ……あぁ……!木偶が……役立たずの木偶がチョーシこきおって…!せめて牛魔王を殺せ木偶!その死体さえあれば、もう貴様なんぞ……!」

チャキッ!!

鉄扇公主「黙りなさい、下郎が。もはやこの一戦、お前のような虫ケラが汚して良いものではありませんことよ」

ボウッ!!

玉面公主「………動かないで。アナタは息さえしてれば良いの。……わかった?」

金吒「………ぎ、ぎぎぎ…!!」




牛魔王「ククククク、おぉあ!愉しいなぁ、オイ!!!」

二郎真君「ふ、ふハハはは、死アいのさナカに、なにヲ…!!!」

牛魔王「へっ!ニヤケ面で言っても……オラァ!!説得力ねぇぞ!!」

二郎真君「ヌァぁあ!!……好キ、敵……!!!」

牛魔王「おう、久々の好敵手だ。堪らねぇな!!!」
429: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/21(土) 13:24:28 ID:oKvGYFF4B2
鉄扇公主「……あぁん…!牛魔王様ぁぁあ……♪」

玉面公主「………やっぱり嫉妬なんてしてないじゃない……」

鉄扇公主「……そ、そろそろ決まりますわね。あと三合……いえ二合……!」

玉面公主「………へえ、よく解るわね……年の功?」

鉄扇公主「……おほほほ、貴女とは妻としての年季が違いますもの。じきに牛魔王様が決めますわ、顔でわかりましてよ」

玉面公主「……古女房」

鉄扇公主「……妾同然の二号」

玉面公主「………やる……気……?」

ボオオオオッ!!

鉄扇公主「弱い者イジメはしたくないのだけれどね…!」

ビュンッ!!

金吒「痛ぁぁあ!?か、顔、切れっ…!!」

鉄扇公主「あら、ごめんあそばせ」

玉面公主「………失血死しても困るから……」

ピキピキピキ……!!

金吒「つっ!冷た痛ぁぁぁぁあっ!?」




二郎真君「覇ァァぁァァぁぁああアアあっっ!!!」

ギャリ……!!!

牛魔王「………ぁぁああっ!!!」

……ィィンッッ!!!

二郎真君「………っ!!!」

牛魔王「……あばよ、英雄」

二郎真君「…ふ……サらばダ、魔王」


ドッ……!!!
430: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/21(土) 13:26:36 ID:oKvGYFF4B2

牛魔王「今度逢ったら、またヤろうぜ」

二郎真君「……有リ……難ウ………!!」


サァァァァァァァァ………


牛魔王「………なぁにを、礼なんざ言ってやがる…」




玉面公主「……おっと…手元が………」

鉄扇公主「冷たっ!?な、なにしますの!!」

玉面公主「………手元が……つい素直に動いたの…」

牛魔王「………鉄扇……玉……」

鉄扇公主「このチンチクリンが……一度痛い目を見ないと解らないようですわね…!」

玉面公主「……痛い目って……どんな目かしら………マスカラ塗り過ぎな、こんな目かしら……?確かにアザみたいで痛そうね……?」

牛魔王「鉄扇っ!!!玉っ!!!」

鉄扇公主「は、はいっ!?お、お呼びかしらあなたっ!」

玉面公主「……なに…?パパ…?」

牛魔王「馬車ん中で、服ぅ脱いで待ってろ」

鉄扇公主「あ、あなた?こ、こんな所で…?」

玉面公主「……はぁい。……って、えっ。馬車……ひとつ……えええぇ……まさか一緒…?」

牛魔王「うるせぇ。イイ加減仲良くしろってんだテメェらも。………童貞を弔ってやるにゃ、ナニが一番だろうよ。クククク……!」

鉄扇公主「……不満なら貴女は外に居なさいな。まあ貧相なその身体では、比べられるのは嫌ですものねぇ?」

玉面公主「………比べられるて困るのは……ユルユルでガバガバなそっちじゃあ……」

鉄扇公主「な、なんて下品な…!」

玉面公主「……ちょっと……あの連中に、毒された………かも」
431: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 13:40:52 ID:5Uu0Qg6VUs
牛魔王が前田慶次で再生されるヤバいかっこいいC
432: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 13:59:38 ID:a80M3Ya6iM
童貞に見せつけて弔うとか鬼畜w

決着の二人のセリフに痺れました
支援!
433: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 18:17:42 ID:3PtiMlAxMk
かっこよく終わっても
童 貞 なんだよなw
434: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/22(日) 19:29:25 ID:PUcDNQImec
鹿力大仙「……いってて……!ダメだ、傷ひとつ付かねぇぜ、コレ」

羊力大仙「ふぅむ、結界の類いであろうか。しかしそれらしい感じは……」

紅孩児「……よっと。うん、かもね」

虎力大仙「おかえり。やっぱ無理っぽい?」

紅孩児「だね。上もなんだか変だ。雲に覆われてて、そこから先は、どうにも登れない」

虎力大仙「……ホントにこの中に居るんでしょーね、アイツら」

木叉「さっきからそぉやって言うとるやん。しつこい女の子は嫌われるで?虎ねーちゃん」

虎力大仙「ふん!信用出来ないから何度も訊いてんのよ!」

羊力大仙「そうである!よもや貴殿、我輩らにどんな仕打ちをしたか覚えて居るのであろうな!」

鹿力大仙「そうだそうだ!……って、なんでお前ら紅孩児の後ろに隠れてんだ?」

虎力大仙「う、うっさいわよ!てゆーかコイツに殺されかけたのはアンタもじゃない!怖くないアンタがおかしいのアタシらがフツーなの!」

羊力大仙「こ、虎力の言うとーりである!と言うかお前も一緒に隠れるのがベターであろう!様式美であろう!空気を読め!」

鹿力大仙「え、空気ってなんか書いてあんのか?あ、でもどっちにしろ俺字ぃ読めねぇわ」

木叉「……おもろい部下やの、紅孩児ちゃん」

紅孩児「……その件に関しては、僕も怒ってるんだけどね。あと彼女らは部下じゃないよ、同僚さ」

羊力大仙「……しかし何故我輩らまで連れて来たのであるか、紅孩児殿……自分で言うのもなんであるが、正直今回はレベル的に、その、追い付かないのであるが……」

紅孩児「そんなこと無いさ、僕はお三方を買ってるんだよ?いずれ軍を引き継いだら、僕に次ぐ地位に就いて貰うつもりだし」

虎力大仙「え、マジで?だって各地の支部にはまだ、アタシ達なんかより古株の大王さんとかが……」

紅孩児「だって虎力さん、僕の側室に入るワケだし。兄弟同然の二人にも、それなりの地位を与えないことには、ね?」

虎力大仙「待てコラ」

紅孩児「あ、そこはゴメンね?正妻は悟空だから500年以上前に決まってるからそこは!そこだけは譲れない我慢して!」

虎力大仙「いやそこじゃない。そこじゃないとかですらない。なんの話よソレ」

紅孩児「だって僕、虎力さん好きだし」

虎力大仙「オッケー紅孩児、意味がわからない答えになってない」
435: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/22(日) 19:31:14 ID:PUcDNQImec
羊力大仙「ふむ、鹿力よ。虎力は何気にモテるであるな。猪八戒殿に続き紅孩児殿まで」

鹿力大仙「どっちも女ってのが爆笑もんだけどな!」

虎力大仙「うっさいわよアンタらはっ!!」

木叉「あはは、やっぱおもろい奴等や。まあ理不尽な理由で痛い目合わせたんは事実やしの。恨まれてもしゃーないわ。せやからこーして、全部しょーじきに話しとるやん、ボク」

紅孩児「……本来ならそれでも、牛魔の流儀としては殺してやるところなんだけど………」チラッ

観音「?」

紅孩児「……そんな可愛いのがくっついてちゃ、どうにも出来ないね。なんでそんな引っ付いてるのさ、それホントに菩薩様?コスプレさせた彼女とかじゃなくて?」

木叉「いやなんかもう、一度オープンにしたら吹っ切れてもぅて。たぶん世界はボクとのんしか居らんよーな気さえしてきとる!今なら人前でBまでイケる!」

観音「……や、やだもっくん……わ、私は、もっくんが良いなら、その……最後まで……だって……」

木叉「……それはアカン。そん肌ぁ見てエエんは、この世でボクだけや。せやろ?のん……」

観音「……もっくぅん……♪」

紅孩児「……これで何度目だっけ、二人の世界に入っちゃうの」

鹿力大仙「まずイチャついてるところに出くわしたかんなー。えっと、三回目くれーじゃねぇか?」

羊力大仙「しかし長い接吻であるな。よくこの状況でここまで盛れるモノよ…」

虎力大仙「アタシもう吐く砂糖が切れたんだけど。何を見せられてるんだろうアタシ」

紅孩児「……じゃあ、甘いの、補充する?」

虎力大仙「しないわよ近寄るな肩を抱くな口を尖らせるな!アンタらも見てないでこのバカ女なんとかしてよ!」

羊力大仙「いや、我輩は虎力が選んだ相手ならば、喜んで送り出すつもりであるが」

鹿力大仙「俺の卵焼きが恋しくなったら、いつでも帰ってこいよ?」

虎力大仙「親か!」
436: 名無しさん@読者の声:2013/12/22(日) 20:42:44 ID:OsZxbnbwdc
虎ちゃんにはきちんとしたいい人(男)のところに嫁に行ってもらいたい
切実に
報われないよ(´;ω;`)
437: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/23(月) 19:07:32 ID:QRrM/4VRG6
紅孩児「…それで、御覧の通り実力行使は無理だったワケだけど。中に入る方法は、本当に無いのかい?」

虎力大仙「アンタよくそうスッとシリアスに戻れるわね……」

木叉「せやから、無いねんって。ボクらも思うトコあって、後を追おうとしたんやけど……なあ?」

観音「……孫行者達を、塔の中へと転送したあとすぐ……その、ゲートと言うか、道が閉ざされてしまって……すみません、私の力では、これ以上干渉が出来ないのです……」

羊力大仙「此奴等もよくスッと会話に戻れるであるな」

鹿力大仙「抱き合ったまんまだけどなー、暑くねぇのかホントに」

紅孩児「……つまり、見方を変えれば……悟空達は、ここに……」

木叉「せや。閉じ込められた、ってコトやな」

紅孩児「悟空……!」







悟空「……………」

八戒「……なんのつもりじゃ。これは」

沙悟浄「……シャオ、少しでもアイツらが妙な素振りをしたら」

小龍「…はい。先ずは私がひと吹き…」

三蔵「………それにしても」

ジュウウウウウウウ…!!

老婆「ほれ、冷めん内に食いなしゃれ。肉も魚も、新鮮なエエとこ揃えとるでよぉ」

三蔵「美味そうだなぁ…」

沙悟浄「食べちゃダメだよ旦那様!何を盛られてるかわかったもんじゃないよっ!」

三蔵「でも俺、ここに来てからなんも食ってないんだよ辛いよコレは」

八戒「……そりゃワシらだってじゃな………では無く。老人、座に付け、というまでは従うが……流石に敵地のド真ん中で、出された馳走に箸はつけぬぞ?」

悟空「ひょ、ひょーらよばかにひないれっ!!」

小龍「…悟空さん、ヨダレ、ヨダレが」

悟空「じゅるる……ごくん。だって!だってシャオくん!お肉がイイ感じにミディアムレアで!お魚の皮があれすごいパリパリしてそう美味しそう!うわぁん!」
438: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/23(月) 19:17:36 ID:DltRDRQ026
老爺「…ひゃ、ひゃひゃ。毒なぞ盛っておらんよぅ。食うとけ食うとけ、どぉせ最期の晩餐じゃ……ひゃひゃひゃ…!!」

八戒「……なんじゃと?」

『やめろって鎮元爺、適当なセリフで怖がらせよーとすんな。黎山(れいざん)婆も止めろよ全く』

沙悟浄「誰だいっ!」

小龍「……念話…!」

鎮元爺「ひゃひゃ……老い先短い年寄りの戯れじゃ、戯れじゃ」

『お前、何千年も前からおんなじこと言ってるじゃん。……あ、本当に毒とか入ってないから、食べなよ君ら』

悟空「られらっへごひょーひゃんがきいへるれひょ!」

小龍「…悟空さん、ヨダレ、ヨダレが」

三蔵「誰だって悟浄ちゃんが訊いてるでしょ!だとよ、天の声さん」

『誰だ……って、酷いな。知ってる仲じゃんよ、弼馬温(ひつばおん)。五百年間のお務め、ごくろーさん』

三蔵「ひつばおん?」

小龍「……天の馬屋番ですね。五百年……と言うことは」

八戒「…姉者じゃの、おそらく」

悟空「私をその名前で呼ぶのって……!」

黎山婆「しゃしゃ…おぉい、年寄りには念話は頭に響いて気色悪いでよ、止めてくださらぬか」

『雰囲気だよ。ふ、ん、い、き。……ま、ちゃんと顔見て話しますか……』


キラキラキラ……


八戒「……ぬ?」
439: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/23(月) 19:20:36 ID:Jmwu8f4QkU
長髪の男「……ふう。久し振りだな、人前に顔出すのも」

鎮元爺「ひゃ、ひゃ。引き籠るのも程々になされよ、釈迦」

黎山婆「髪も伸び放題で、しゃしゃ……男前が台無しじゃて、如来」

沙悟浄「如来…!?コイツが……!?」

小龍「……イメージと違いますね………悟空さん、この人が…?」

悟空「ち、違うよ知らないよこんなおにーさん!だって私が捕まったお釈迦様って、もっとこう、ボリューム満点激安ジャングルに売ってる覆面みたいな顔でっ!」

三蔵「あー、仏像のヤツな。そうだよな、俺もそーゆーのイメージして……」

釈迦 「これ?」スッ

悟空「それそれ!……って、ええええ!?」

釈迦 「イメージ大切だからさ、人前に出るときは基本コレ被ってた。何でも揃って楽しいお店で買ったヤツ」

三蔵「パーティーグッズ着けてたのかよ仏様」

沙悟浄「菩薩と言いこの如来と言い……」

小龍「……何でしょうねこの緊張感の無さは……」

八戒「………あ、美味いのう、この肉」

悟空「八戒ちゃん一人だけ場から逃げないでズルい」

八戒「知らん!もう知らん!なんじゃコイツは!?なんかもっとあるじゃろ、それこそ雰囲気って物が!ワシそれなりに緊張しとったのに!真面目かギャグかどっちかにせい!ワシもう疲れた面倒臭い!」

沙悟浄「姐さん、どうどう」

三蔵「至極最もな怒りだ」
440: 名無しさん@読者の声:2013/12/23(月) 22:39:55 ID:OsZxbnbwdc
八戒ちゃんお肉食べても良かったっけ?
441: 392:2013/12/23(月) 23:36:40 ID:3PtiMlAxMk
>>400
よかったよ、そのかわりメイド服。
442: 名無しさん@読者の声:2013/12/23(月) 23:37:20 ID:3PtiMlAxMk
間違えてコテ付けたぁぁぁぁぁ!
ごめんなさい!
443: 名無しさん@読者の声:2013/12/24(火) 01:07:14 ID:g4lCkLBiEw
セルフハンカチの人www
444: 【今回は番外編です】ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/24(火) 20:58:25 ID:dVplcHIlsM

〜時は少し遡り、河近くの小さな村〜


妖怪「オラァ!モタモタしてねぇで蔵ん中の蓄え、とっとと出しやがれ!」

妖怪「ショボい村のクセしやがって、そぉとぉ溜め込んでるって噂じゃねぇか!」

村人「……よ、妖怪の盗賊団……!」

村人「クソ…!こんな田舎の村にまで…!」

妖怪「……ケッ!食糧はたんまりあっても、金目のモンは他に何も無ぇ……つまらねぇ村だグヘッ!?」

青年「……この村から出ていけ!!薄汚い盗賊め!!」

妖怪「痛てて……んだこのガキャあ……あだぁっ!?」

青年「聞こえなかったか!ここから出ていけと言ったんだ!」

妖怪「テメェ……調子コキやがって………ぶっ殺す!」

青年「や、やってみろ!お前らなんか…!」

「……なんだい、騒がしいねぇ」

妖怪「ア、アネゴ…!」

青年「……っ!」

沙悟浄「こんなちっさいシノギすら、スムーズに出来ないのかいお前らは……ハァ……」

妖怪「い、いやアネゴ、このガキが邪魔しやがって………いてぇっ!?な、なんで殴るんスかぁ、アネゴぉ!」

沙悟浄「人間のガキに二発も貰ってんじゃないよ、このトンマ!それでも流沙の団員かい!なっさけない!」

妖怪「……み、見てたんじゃねぇスか、意地が悪ぃなあ……」

沙悟浄「それに比べて、度胸があるじゃないのさ、ボーヤ。でもその棒切れ一本でアタイらを追っ払おう、ってのは………無理があると思うよ?」

青年「だ、黙れ!お、お前が頭目か!?お前らに渡す物なんて、何も無い!」

沙悟浄「いや、あるじゃないのさ、たーっぷりと。今年は北の方が凶作らしくてね、作物がまぁ高値で売れるんだよ。なぁに全部とは言わないよ、この冬を越せるくらいは残してやるさ。ふふふっ」

青年「お前らみたいなコソ泥に渡す分なんて、米粒ひとつ無いって言ってるんだ!」

沙悟浄「良〜い威勢だねぇ。でもねぇ、ボーヤ……」

ドガッ!!

青年「ぐ…は……!?」
445: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/24(火) 21:01:12 ID:SGh4tmqVCM
沙悟浄「吠えるには、弱すぎるんだよ、ボーヤ。勇気と無謀を履き違えちゃあ、いけないよ?」

青年「…く、クソぉ……!!」

沙悟浄「ほら野郎どもっ!買い手とはもう話がついてんだ、納期に間に合わなくなっちまうよ!働いた働いた!」

妖怪「へ、へいっ!」

青年「う、うあぁぁぁぁあっ!!!」

沙悟浄「おっと。元気だねぇ。……ねぇボーヤ。アタイらは別に殺し屋じゃあないから、命までは取らないし、この村を潰そうって気も無いんだ。災害みたいなモンだと思って、おとなしく……」

青年「黙れ黙れ!この作物は、村の皆で頑張って貯めた、村の宝なんだ!……こ、殺すなら殺せ!こんなことをして、天が、天がお前らを許すと思うな!!」

沙悟浄「……天…」

妖怪「あっ、バカっ…!」

沙悟浄「………そぉさ。……天に許されないから、盗んで、盗んで、盗んで………!此処に居るのさ!!!」

青年「…あ……う……!!」

沙悟浄「殺すなら殺せ……吐いた唾ぁ、飲むんじゃないよっ!!髑髏になっちまいな餓鬼ぃっ!!!」

青年「……っ!!!」

バッ!!

沙悟浄「……!」

青年「………………?」

沙悟浄「……退きな、小娘」

村娘「……させない…!さ、させない…!」

青年「お、お前っ!バカ、隠れてろって!」

村娘「だって…!だって…!」

沙悟浄「……もう一度言うよ。退きな。……アンタも死ぬかい?」

村娘「………こ、この人がっ!!……あう、えぐ……!!」

沙悟浄「?」

村娘「この人が死ぬんならっ!!!私も死ぬのっ!!!」

沙悟浄「………!!」
446: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/24(火) 21:03:45 ID:SGh4tmqVCM
青年「お、お前……!」

村娘「……う、うう、うううう……!!!」ガタガタ

妖怪「へっ!だらしねぇなぁ、女に助けられてやがる!」

沙悟浄「……帰るよ」

妖怪「へい、こんなガキども放っといて……へ?」

沙悟浄「帰る、って言ったんだ。……二度も言わすんじゃないよ!!!さっさと支度しなっ!!!」

妖怪「へ、へいぃぃっ!」

青年「…………ごめん、ごめん…!」

村娘「……あう、あうう……!!」

沙悟浄「…………ふん」

妖怪「………アネゴ、優しいトコあるんスねぇ?」

沙悟浄「……バカ言ってんじゃないよ。興を殺がれただけさね。………男なんかの為に命張るなんざ、これだから女は……!」

妖怪「…アネゴも女でがしょ」

沙悟浄「……はん。アタイは『盗賊』だよ。女もクソもあるかい」

沙悟浄「愛だの恋だの、くっだらない……!!」








〜時は流れて、比丘(びく)国城下町、祭りの夜〜


沙悟浄「はい旦那様ぁ♪た、こ、や、き♪ちゃんとフーフーしたげたからねぇ♪」

三蔵「いやさすがに人前でそれは……あふ、あふい!ごひょーこれまらあふ……熱いっ!」

沙悟浄「あぁんゴメンよぅ♪きっとアタイの熱い想いがたこ焼きに……んふふぅ♪」
447: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/24(火) 21:06:01 ID:SGh4tmqVCM
八戒「今夜の悟浄は飛ばすのう」

小龍「…いつもこんなものでは無かったでしょうか」

八戒「小龍、お主まだ完治しとらんのだから、無理はするなよ?……しかし派手な祭りじゃのう、それに、なんと言うか、異様な空気じゃの」

小龍「……恋人同士ばかりですね。聞けば、そういった趣のお祭りだそうで。……ここ、僧侶の国では無かったのでしょうか…」

八戒「まあ、念仏を唱えるような祭りよりは余程この方が良いがの。……どうした姉者、妙な顔をしおって」

悟空「………むう」

小龍「…悟空さん?」

悟空「……なんか私だけ、あぶれてる」

八戒「あん?」

悟空「悟浄ちゃんがお師匠さま連れ回しちゃうと、私があぶれてる気がする……」

八戒「なんじゃ、嫉妬か?それを言うなら、ワシも小龍も蚊帳の外じゃろ、この場合」

小龍「…悟浄さん、先生しか見えてませんしね、今は」

悟空「だって周りがカップルだらけの中でこの面子だと、お師匠さまと悟浄ちゃん、八戒ちゃんとシャオくんで、ほら私だけあぶれてる!」

八戒「ワシと小龍…?そう見えるのか?」

小龍「…さあ、どうでしょう…?」

悟空「二人でひとつのわたあめ食べながら言ってももうそれギャグだよどう見ても仲良しお子様カップルだよ!さっきすれ違ったカップルさんにも『……お姉さん同伴?』みたいな顔されたよなんか辛いよ!」

八戒「そんなこと気にするんじゃの、姉者」

小龍「…食い気だけかと思ってました」

悟空「私だって女の子だよ!?あとシャオくんひどい!」


沙悟浄「旦那様ぁ♪すりすりっ♪すりすりっ♪」

三蔵「あーるーきーにーくーいっ!歩きにくい悟浄っ!」

沙悟浄「……んふふぅ♪愛してるよぉ、旦那様……♪」





外伝『コイスルドクロ』
448: 【今回は番外編でした】ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/24(火) 21:07:11 ID:SGh4tmqVCM
クリスマスなのでなんとなく。


メリースリスマス。
449: 名無しさん@読者の声:2013/12/24(火) 21:10:43 ID:KfqTBR3FlY
悟浄ちゃんもやっぱり女の子だねぇ。濃い恋してるねぇ。
あーあ、どいつもこいつもドクロになっちまえばいいのに
支援
450: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/26(木) 17:44:15 ID:DltRDRQ026
悟空「これおかわり!この柔らかいお魚!」

黎山婆「……しゃしゃ…あいあい…」

釈迦「……よく食うなぁ、コイツら……」

八戒「ところで酒は出んのか酒は。この膾(なます)なぞ、酒の肴にせんと失礼じゃろ」

小龍「…まあ、釈迦如来のもてなしですからね。肉や魚が出てる時点で、お酒くらい構わないとは思いますが」

悟空「はむあむおむあむ!はむむ!」

三蔵「流石にそこまで頬張ってちゃ、俺でも何言ってるかわからん」

沙悟浄「姐さん、こぼしてるこぼしてる。あーもう、手が焼けるねぇ………はぁ……これであの可愛い姐さんだったらどんなに良いか……」

悟空「あむ……ごっくん。ええぇ……まだそれ引きずってるの悟浄ちゃん……」

八戒「………ところで師匠殿、そろそろワシの次の衣装は考えてくれたか?」

三蔵「……は?」

八戒「じゃから次の衣装じゃよ。楽しみにしとるんじゃから」

三蔵「え?マジで?いや待てのんびりとメシ食っといて何だが、それ今話す事じゃないよーな」

悟空「……見たい見たい!私次はゴスロリっぽいのが良いと思う!ヒラッヒラの!」

三蔵「え?乗るの?でもゴスロリか、アリだな」

沙悟浄「……えー、アタイはやっぱメイド服の姐さんが一番だと思うんだよねぇ。あんまレパートリー増やすと着てくれる率が……」

小龍「………私はスクール水着の方が。その、セクシーですし」

三蔵「え?え?」

八戒「ふぅむ。ナース服は不評かのう。ワシあれ結構お気に入りなんじゃが………の!!!」


ガシャーン!!!


沙悟浄「降魔杖よ!沙僧が名において力を見せよ!閃光呪っ!」

カッ!!!

釈迦「……っ!」

小龍「すぅ………火龍咆哮っ!!」

ゴオオオオオオオオオオオッ!!!
451: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/26(木) 17:45:43 ID:DltRDRQ026
鎮元爺「ひゃ、ひゃあっ!?」

猪八戒「焔重ねて……薙ぎ殺せぃ、九歯馬鍬ぁっ!!!」

ブォォォォォォンッッ!!!

黎山婆「しゃぎゃっ……!!」

釈迦「……熱っ………」

悟空「……貫いて!如意棒っっ!!!」

釈迦「…弼馬お」

ギュウンッッッ!!!

釈迦「んっ」

ドガァァァァァアンッ!!!




沙悟浄「……やった……ワケ、無いかね」

八戒「当たり前じゃ。仏じゃぞ仏。今ので地面も壁も傷焦げひとつ付いとらん。出口も消され、逃げれんのならば」

小龍「……倒すしかありませんね。……御老体お二方は……今回ばかりは御免なさい、です」

三蔵「…お、お前ら……やるなら、やるって………ビックリして腰が…また腰が……!」

八戒「申し合わせてあったんじゃ。ワシがあんなコト言うワケ無いじゃろ」

沙悟浄「これならコスプレの順で、ぶちかます順番も決められるしねぇ。てゆーか旦那様ぁ、そろそろ姐さんじゃなくてアタイにもなんか作っておくれよぅ」

小龍「……スクール水着作られたら、着るんですか悟浄さん……」

悟空「ビックリさせてゴメンね、お師匠さま。………でも、これくらい怒ってるんだよ、みんな。……この人に対して!」

釈迦「……………」

八戒「……モロに入ったと見えたんじゃがの。油断を誘っても意味があったかどうか」 

沙悟浄「…ところで元々仏様って、生きてるのかね?死んでるのかね?」

小龍「…殺してみれば解るでしょう」

悟空「わぁおシャオくん過激!……みんな、行くよっ!」

釈迦「………やっぱり、逆らうかぁ………金蝉子……!」
452: 名無しさん@読者の声:2013/12/27(金) 00:18:24 ID:3PtiMlAxMk
如来はロングのイケメンのイメージ
支援
453: 名無しさん@読者の声:2013/12/27(金) 16:08:35 ID:CCgmNaQi3I
初めて読んだけど面白過ぎ!!
巨乳とか羨ましいぞ悟空…支援

454: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/28(土) 18:57:11 ID:1vJjNNC0lk
釈迦「………煩悩に塗れ、しかし人を誑す………変わらないな、金蝉子………」

沙悟浄「なにブツブツ言ってんだい!せぇあっ!!」

釈迦「………怒り…」ヒョイッ

沙悟浄「……ち、避けるかい…!」

八戒「退け悟浄!掻き潰せ九歯馬ぐ」

釈迦「………欲望…」ヴォンッ

八戒「……ぐ…!?か、身体が……!?」

沙悟浄「姐さんっ!!」

小龍「…悟能様を、離せ」

キィィィンッッ!!!

小龍「…斬れない……!?」

釈迦「………無知…」

悟空「でああああぁっ!!」

ブォォンッ!!!

釈迦「……………」スッ

悟空「八戒ちゃん!だいじょーぶ!?」

八戒「……ふぅぅ……!助かった……小龍、姉者…」

釈迦「………そんなものに囚われてるから、迷うのに……」

沙悟浄「……牛魔王の野郎とかとはまた違って……気味の悪い強さだね。生身を相手にしてる気がしないよ」

八戒「…うむ。あの二郎真君ですら、探せば付け入る隙はあった。……これはやりにくい……!」

小龍「…衣服に汚れすら……嫌になりますね」

悟空「……でも、やっつけなきゃ…!」

三蔵「みんながんばれ!……あー、やっと腰が落ち着いた……うんお茶が美味い」

釈迦「………良いのかお前達?護ろうとしている奴は、この最中薄情にも茶をすすってるぞ?」

悟空「それがお師匠さまだもん」

三蔵「さすが俺の一番弟子。よくわかってる」
455: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/28(土) 19:00:12 ID:1vJjNNC0lk
沙悟浄「旦那様は何もしなくて良いに決まってるじゃないのさ!そのぶんアタイが働くんだ!」

三蔵「待て悟浄それたぶん師匠じゃなくてヒモだよね!さすがに人聞きが悪い!」

小龍「…ヒモじゃなかったんですか…?」

三蔵「本気で不思議がるなよ小龍!え?俺ヒモなの?」

八戒「貴様なぞ、ワシらの敵では無いとふんぞり返って居るのじゃよ、我等が師匠殿は。嘗められとるのにも気付けん程、馬鹿なのかお主は?んん?」

三蔵「はいそこ俺をダシに変な挑発しないの!ロン毛にーちゃんコッチ睨むな違う!……なんだよ悟空、ニヤニヤして」

悟空「……えへへ。やっぱお師匠さまが居ないとなあ、って思ってたんですよ。えへへ」

三蔵「……その心は?」

悟空「ツッコミ役が私に回らなくて楽になります」

三蔵「ほほうこのやろう」

釈迦「………んー。少し手荒だけど、覚悟を問おうか………」

沙悟浄「だから何をブツブツ……」


パチンッ


悟空「っ!?」

ヒュオオオオオオ………

八戒「……まぁた空間転移か。今日はコレ多いのう」

沙悟浄「空……足場は雲、かい………はっ!旦那様っ!?」

三蔵「大丈夫、居る居る。うおー、雲に乗ってるよ俺……」

小龍「…先生が入れると言うことは、天界ではありませんね……疑似空間か、ただの上空か……」

八戒「後者なら逃げてしまうのも手じゃがの。………どうした姉者?」

悟空「……これ……知ってる………私、知ってる……!」

八戒「ん?どういう……おおお!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!

沙悟浄「…な、なんだいコレ……!?は、柱……!?」

小龍「……私達を取り囲むように、五本。何かの術でしょうか」
456: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/28(土) 19:05:48 ID:1vJjNNC0lk
悟空「………お釈迦様だよ。……お釈迦様の、指…!」

三蔵「お前どうした大丈夫か?なんだ指って、どうみても……」

悟空「……ほら、あそこ」

三蔵「……ん?」


『孫悟空』


沙悟浄「……姐さんの名前が書いてあるね。……落書き……って、じゃあマジでこれ仏の……!?」

小龍「…悟空さんの有名なアレですか。じゃあこの下の方にあるうっすらとしたシミは…」

八戒「伝説の通りなら、姉者の小便の跡じゃの」

悟空「うわあやっぱり残ってたぁ!見ないで恥ずかしいぃぃ!」

三蔵「話には聞いてたが、落書きしたあとオシッコ引っ掻けるとか………暴走族顔負けだなお前」

悟空「うわぁん消そうよお釈迦様!手ぇ洗えば済む話じゃん!そりゃ油性で書いた私も悪いけど!」

沙悟浄「いや姐さん、そこじゃないと……」

釈迦『………力の差、みたいなの、わかっただろ?』

八戒「……それを見せたくて、こんな所に飛ばしたか?」

釈迦『……天竺にちゃんと来たからね、お前らは。罪はもう許してるんだよ。なんなら観世音さんに言った通り、高官に就いて天界に戻るように取り計らうよ?』

沙悟浄「…旦那様は?」

釈迦『……また、それかぁ………』

小龍「……話になりませんね。……ええと……ありました、悟能様」

八戒「よし貸せい。丁度五本あるから……の、っと」

悟空「……八戒ちゃん?なにして……?」

八戒「位置的に見て、姉者が中指か。ならばワシは……うむ、一番太い親指にしとくかの」

キュッキュッ

悟空「……あっ」
457: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/28(土) 19:07:49 ID:1vJjNNC0lk
小龍「…さすが達筆です、悟能様。……では隣の…人差し指になりますか、コレは」

沙悟浄「次アタイにも。じゃあ薬指にしようかねぇ♪いずれアタイの薬指にも、二人の名前が入った指輪とか……ヤダ照れるじゃないのさ旦那様ぁっ♪」

三蔵「んだよ残ったの小指かよ……油性マジックか……筆のがまだ慣れてんだけどなー」

悟空「……あはは…!」


『猪八戒』
『小龍』
『孫悟空』
『沙悟浄』
『玄奘三蔵』


八戒「ほほ、やはりワシが一番上手いのう。………コレが答えじゃ、釈迦如来」

沙悟浄「アンタが喧嘩を売ったのは、この世で最もタチの悪い連中さね。御愁傷様」

小龍「…さすがに小水までは掛けませんけどね」

三蔵「え?あ、そうだよな当たり前だよな!場合によっちゃ御褒美になっちゃうもんな!」

小龍「…やる気だったんですか……あともう黙って下さいその口縫い付けて下さい」

悟空「……グス……あは、あはは……!」

三蔵「なんだ悟空、ムダ毛でも目に入ったか?」

悟空「目に入るんならそれ多分まつ毛ですよムダ毛じゃありませんよ!『あの頃と違って一人じゃないんだ私……』的な感慨にくらい浸らせて下さいよもう!台無しですよ!」

三蔵「言っちゃったら本当に台無しだなオイ」
458: 名無しさん@読者の声:2013/12/28(土) 20:19:18 ID:dqvzbTqV8Y
なにこれすごい泣けてくる
支援!!
ストーリー構成に脱帽(¨´)
459: 名無しさん@読者の声:2013/12/29(日) 00:01:01 ID:bwPd6QIuBc
八戒ちゃんは物語シリーズの忍ちゃんイメージ
460: 名無しさん@読者の声:2013/12/29(日) 20:43:14 ID:3PtiMlAxMk
おしっこは俺がかけときますね
461: 名無しさん@読者の声:2013/12/29(日) 21:55:31 ID:t1Txdfp7E6
>>460
やめろwwwwww
462: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/30(月) 10:29:59 ID:ZM74H3s1Ug
八戒「……黙りか。とりあえずこれが指ならば、へし折ってみるかの」

小龍「…横に折るべきですね、関節を考えると」

三蔵「待とう二人とも、悟空がとっても複雑な顔になった」

悟空「そりゃなりますよ。今さっき並んだ名前にちょっとウルッときたばっかなのに折っちゃうとか。えーん皆が感動シーンをぶち壊すよぉ悟浄ちゃあん」

沙悟浄「よしよし。姐さん強い子だろう、泣かない泣かない。……これがあの可愛………じゃなくて。でもこのままじゃ、埒が開かないからねぇ。へし折るかはともかく一撃……」

釈迦『……………』


パチンッ


悟空「あ、戻った!」

釈迦「……指を折られちゃ敵わないからね。まったく、とんだ悪党どもを連れてきたな、金蝉子」

三蔵「ここに来てからそれよく呼ばれるけど、誰だよそれ。俺のコトなんだろ?」

釈迦「……ふ、ふふっ……姿も声も違うのに、言葉の調子が金蝉子そのままだ。転生したとは言え、ここまで変わらずに居られるあたり、金蝉子だなぁ…」

三蔵「うわぁすっげぇ見てくる。やだ怖いこのロン毛」

沙悟浄「熱い視線……まさか恋敵…!」

八戒「いやいや悟浄、そのアレで男まで敵視し出したらキリが無いぞい」

小龍「…先生、そっちもイケるんですかドン引きです」

悟空「……お師匠さまじゃなぁ……絵ヅラがなぁ……」

三蔵「小龍その非難はムリヤリ過ぎるだろ!あと黙りやがれ腐れ毛」
463: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/30(月) 10:31:44 ID:ZM74H3s1Ug
釈迦「ふふ、そうそう……何時でもお前の周りには、人が居たなあ、そうやって……………姿と、声、か………よし」

パチンッ

三蔵「っ!?」ガクッ

悟空「お師匠さまっ!?」

沙悟浄「旦那様!?旦那様、どうしたんだい!?」

八戒「何をした釈迦如来っ!!」

釈迦「害したワケじゃないよ。騒ぐなよ。玉龍太子も、その炎は引っ込めな?……ほら、別に怪我とかさせてないから」

三蔵「……おお…?なんだ今の…?」

悟空「大丈夫ですかお師匠さまっ!?なにされたんですかっ!?」

三蔵「……いや、なんつーか………うわなんだコレ、頭がムズムズ……」

バササッ!!

八戒「……なっ!?」

沙悟浄「………!!」

小龍「………先生……髪が………」

三蔵「……なにこれ!?え!?コレ俺の髪の毛!?えぇえなに怖いロン毛の呪いでもかけられたのか俺……待て待て、なんか声もおかしくね俺?」

八戒「………いや……髪と言うか、声と言うか………」

三蔵「え?なになに怖いなんなの!?」

悟空「……お、お師匠さまが…………女の子になっちゃったよ!!?」

三蔵「はぁぁぁぁぁあ!!?」
464: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/30(月) 10:34:04 ID:ZM74H3s1Ug
釈迦「懐かしい………これで記憶と能力以外は、完全に金蝉子だな。まあ器が人間の身だから、復活したうちには入らないけど」

ガキィィィィィン!!!

釈迦「……速いね。見くびってた。ほんの少し袖が切れちゃったよ。………そんな怒るコトか?」

沙悟浄「旦那様を……元に戻せぇぇえ!!!」

小龍「……次は袖では無く、素っ首を掻き斬りますよ…!」

八戒「……ふざけるのも、大概にせい…!」

釈迦「………姿形を変えたくらいで、この怒り様………六道輪廻の中にある奴等は、すぐ怒るから情けない……そもそも情とは、そんなうわべの」

沙悟浄「……こんな……こんなの…………アタイが百合に目覚めたら、どーしてくれるんだいっ!」

釈迦「………ん?」

小龍「…女性になってしまっては、蹴れないじゃないですか抓れないじゃないですか戻して下さいよやりづらい」

八戒「ワシが師匠殿に欲情する前に戻せい!自慢じゃ無いがワシは見てくれが女なら何でも構わんタイプじゃぞ!」

釈迦「…………」

三蔵「うう、胸とかあるぞ気持ち悪ぅぅ……ん?お前は行かないの悟空?」

悟空「やー、パッと怒るコメントを見つけられなくて。でもお師匠さまアレですね、女の子になると顔面偏差値上がるんですねぇ。せいぜい中の上だったのが上の中にはなりましたねぇ」

三蔵「うるっせぇよ!お前男の大事な所を失ってこれでも動揺しまくってる師匠に向かって、もっとこうなんかあるだろ慰めろよ!」

悟空「でもこれなら八戒ちゃんとお風呂とか入れますよ」

三蔵「なるほど。………いややっぱ嫌だアイツ絶対俺のキャパを超えるセクハラしてくるし。考えただけで怖い怖いきっと男に戻れなくなる精神的に」

悟空「あー、トラウマ植え付けられそーですよねぇ 」

八戒「お主らワシをなんじゃと」

小龍「…いや悟能様、今御自分で『誰にでも欲情出来る』的な事を仰ってましたし、致し方無いかと……」

沙悟浄「この場合、二人ともウェディングドレスなのかねぇ……いややっぱ戻しとくれ!あとついでに悟空姐さんを小さくしてくれると嬉しい!」

悟空「悟浄ちゃんドサクサで何を!」

釈迦「………変な奴等……」
465: 名無しさん@読者の声:2013/12/30(月) 11:00:49 ID:4v/ZcLE.qY
本当にwwwwwww変な奴等wwwwwwwwwwww

しかしこれは絵描きスレに期待
466: 名無しさん@読者の声:2013/12/30(月) 12:59:57 ID:GKr3NTpEJU
お師匠様は巨乳じゃないけど美乳なイメージwktk
467: 名無しさん@読者の声:2013/12/30(月) 13:39:32 ID:lPDOndQsx.
これは絵書きさんに期待wktk
468: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/2(木) 05:25:36 ID:I4ARMZqPpc
沙悟浄「てやっ!!てやっ!!つあああっ!!!」

釈迦「すごいな。流石は元、近衛隊長だ。素晴らしい武技だよ」

八戒「金剛と化せぃ九歯馬鍬っ!!!」

釈迦「おおっ。宝具への力を込め方、熟練してるね。太上の爺さんの作品かな。そんだけ使いこなして貰えれば、宝具も幸せだねー」

悟空「毛分身っ!!お釈迦様を押さえ付けてっ!!!」

釈迦「うん、気を移すのが上手くなったな弼馬温。今イタズラにこれ使われたら、俺でも対処が難しいかもね。………ふう。まだ、諦めない感じ?」

沙悟浄「当たり前さね!!そっちこそ早く旦那様を戻しな!」

八戒「諦めるのはお主じゃ。これ以上は一歩たりとて、師匠殿には近付けさせぬ」

悟空「もうボッコボコ決定なんですからね!お釈迦様!」

釈迦「……元気だな。流石に直に魂に触れないと、転生完了しないからなぁ………お前も面倒臭い奴だよ金蝉子。コイツらと合流した途端、妙な色欲のバリアが緩むんだから」

三蔵「なんの話だよバリアなんて張ってねーよ!つーか早く戻せ!」

小龍「…先生、あまり奴の言葉に反応しない方が。どんな方法で何をしてくるか、わかったモノではありません。私から離れず、じっとしていて下さい」

三蔵「じっと……ううん……」

小龍「…なんですか、モゾモゾして」

三蔵「ん、あ、いや……出来れば早急に元に戻して貰いたいなぁ……と」

小龍「……?」
469: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/2(木) 05:27:38 ID:I4ARMZqPpc
八戒「どうした師匠殿?………まさか、何か身体にまた異変か?」

沙悟浄「旦那様っ!?」

三蔵「あ、いや異変と言うかまぁ異変ちゃー異変なんだけど……」

悟空「どうしたんですか!?痛いの!?」

三蔵「………悟空ちょっと正解。…………ごめんウ○コしたい」

小龍「……………」

三蔵「いやいや小龍、そんな呆れた目をされてもだね!?生理現象だから!こればっかりは!」

悟空「……トイレ、ありますか?」

釈迦「え、あー、うん。俺の座ってた台座の裏手に……」

八戒「……じゃと。小龍、悪いが付き添って……」

小龍「…はあ。しかし先生、真面目な雰囲気を壊すのが好きですね。いつもいつも……」

三蔵「そんなこと言われても。………後だな、その、男に戻してくれないか。じゃないとトイレ行けん」

釈迦「……女人に触れることになるからか。へえ、不良坊主と聞いていたけど、そのくらいの節度は持ち合わせてるんだな。コレはちょっと金蝉子っぽくないかな」

沙悟浄「旦那様は紳士だからね!」

三蔵「いや、あんま触りたくないんだよ。元が俺だからかけっこー毛深いんだよ感覚でわかる。まったく女にするんだったら幼女にしろよ気が利かねぇなあ」

沙悟浄「ちょっとアタイもトイレ。あと誰かカミソリ持ってないかい?」

八戒「……後にせい。……そーじゃ、筋金入りじゃったな、師匠殿は」

悟空「ここまでくると天晴れですねぇ」

小龍「……もう漏らせば良いですよ、じゃあ」

三蔵「おおっとちょっと本音を言ったらひっどい目の集中砲火」
470: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/2(木) 05:29:23 ID:I4ARMZqPpc
釈迦「……あー、そういや初期の報告に、『重度のロリコン』ってあったな。流石は金蝉子の生まれ変わりだって笑ったっけ。……金蝉子も年下趣味でなー、ちょうど玉龍太子、君くらいの男の子が大好きだったよ」

小龍「………離れて下さい先生」

三蔵「えぇぇえ離れるなって言ったばっかじゃんお前!え?俺の見た目が女でもその感じなの小龍?」

小龍「…むしろ危機感が増しました」

三蔵「普段から危機感があったとしたらそれはすまなかった謝る!」

沙悟浄「あぁぁん戻せ!せめてはやく男に戻せ!敵がこれ以上増えたら困る!」

八戒「いや師匠殿に靡く幼子なぞ居らんから、元より敵らしい敵は居らんと思うが」


釈迦「………なるほど」

悟空「……なんですか?」

釈迦「荒み、暴れて、憂さを晴らすだけだったお前が、変わった理由がわかったよ、弼馬温」

悟空「……その『ひつばおん』、やめて下さいよ。私もうそれクビになりましたし」

釈迦「……良い仲間だな、孫悟空」

悟空「………はい。お釈迦様。私の、この世でいちばん大好きな、皆です」


三蔵「アカンもうマジで漏れるロリの神様ごめんなさいトイレトイレ!」

小龍「…どんな神様ですかソレは……」

沙悟浄「そ、そうだ旦那様、触るのが嫌なら、ア、アタ、アタ、アタイが下の、下のせ、世話をっ!」

八戒「……待て悟浄。ならワシが」

三蔵「なんの取り合いだよさせられるかそんなん!」


悟空「……ちょっと下品……いやだいぶ下品ですけどね」

釈迦「……ふふっ」
471: 名無しさん@読者の声:2014/1/2(木) 10:33:55 ID:ZEOPBAIpFQ
観音の態度に変化が!?
472: 名無しさん@読者の声:2014/1/2(木) 11:49:12 ID:PKVzLSWIZg
ロリの神様wwwwwwwwwwwwwww
473: 名無しさん@読者の声:2014/1/2(木) 12:40:59 ID:GcKkUFCjwk
なんやねん新年早々wwwwww
474: 名無しさん@読者の声:2014/1/2(木) 15:28:14 ID:ZEOPBAIpFQ
ってか
釈迦と金禅師ってどういう関係よ
見た感じただの師弟には見えないんだが
475: 名無しさん@読者の声:2014/1/4(土) 02:03:04 ID:ZEOPBAIpFQ
支援
476: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/4(土) 03:00:29 ID:KKuRIsd80U






釈迦『……またここに居たのか、金蝉子』

金蝉子『やっべー半ズボンやっべーよアレ反則だよ』

釈迦『……金蝉子』

金蝉子『おおお!いや待て待てそんなに!?そんな体制だと大丈夫かなポロリしちゃわないかな下さい下さい欲しい欲しい!』

釈迦『金蝉子っ!』

金蝉子『あ、居たんすか、お師匠』

釈迦『居たんすか、じゃねぇよ。説法の時間だってのに、高弟のお前が居ないとかふざけんな』

金蝉子『いやいやお師匠、そんな座って巻物広げてたって何にも掴めやしませんよ、それより見てくださいよこの素晴らしい景色を。いやー、無垢な子供って、癒されるよねぇ』

釈迦『天部小等学院より苦情だ。毎日毎日屋外実習の度に変な女がハァハァしながら見てくる、ってな。いい加減にしろ』

金蝉子『うおおお学院一の美少年キンタ君キター!メガネメガネ半ズボンメガネっ!』

釈迦『お前もう破門したろーか』

金蝉子『それは困る金蝉子ちゃん困る。正直お師匠の弟子だから許されてる案件は両手じゃもう足りない』

釈迦『俺の顔に泥を塗る為だけに弟子になったのかな君は?』

金蝉子『あ、泥パック知らないんすかお師匠。メッチャ肌キレーになりますよ、やったねこれで貴方もモテカワブッダ!』

釈迦『………緊箍呪』

金蝉子『いだだだだだだっ!!!わか、わかりましたお師匠っ!戻る!戻るから止めて痛い痛い!ちょ、マジやめてやめて!』

釈迦『俺に実力行使させるのなんて、お前くらいだよ全く。いつになったらその緊箍児、外してやれることやら』

金蝉子『あー痛かったぁ………でもこれ私、アクセとしてはお気に入りなんですけどね。ほら上品な美人だから、こうキンキラキンとしたちょいケバなアイテムが、逆に合う、みたいな?』

釈迦『……はぁ』
477: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/4(土) 03:01:15 ID:KKuRIsd80U
金蝉子『溜め息は幸せ逃がしますよ?……しょーがない、今日は真面目にやりますか…』

釈迦『………なあ、金蝉子』

金蝉子『しかしキンタ君も捨てがたいけど、城の宴席で見た二郎なんとか、って子もソソるんだよねぇ……ちょい筋肉質なのがエロい腹筋舐めたい………はい?なんか言いましたお師匠?』

釈迦『独り言は周りに聞こえないように言おうな。………お前さ。なんで真面目にやらないんだ?お前なら、俺以上に徳高く慈愛に充ちた仏になれると思うのに』

金蝉子『………そんなワケ無いじゃないっすか!いや持ち上げるなら人を選びましょうお師匠!自慢じゃありませんが私、部屋に隠してあるコレクションとか見られたら、確実にお縄ですよ?なんか新しい規制とか作られちゃうレベルですよ?』

釈迦『……如来の目に、狂いがあるワケこそ、無いだろ。なんで修行に身を入れない?』

金蝉子『……うぅん…………私も大概バカだから、上手くは言えないんですけど……』

釈迦『?』

金蝉子『………私は、まだまだ迷っていたいんですよ。この世界で』









三蔵「あぁぁあ辛かったぁ………しかし女は大変だな、ションベンの時も紙使わなきゃなのは勿論知っていたが、うん」

八戒「よう考えんでも、珍奇で貴重な体験じゃのう、師匠殿。時間があれば他の体験も色々とさせてやれるのにのぅ…」

悟浄「させないよ姐さん!」

小龍「…流石にそれは見たく無いですね、私も」

三蔵「いや実際勉強になった。俺レベルでこれなんだから、悟空いつも大変だったんだな……毛、すごい邪魔だろう?ご苦労様」

悟空「そんなねぎらいは要りませんよ!」


釈迦「………迷っていたい、か…………」
478: 名無しさん@読者の声:2014/1/5(日) 11:59:16 ID:ZEOPBAIpFQ
支援
479: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/6(月) 20:51:08 ID:KynnPppulg
釈迦「仲良いなぁ、お前ら。見ていて飽きないよ」

八戒「……ふん、此方としてはとっとと飽きて上へ帰ってもらいたいのじゃがの。………時に釈迦如来、見物料がわりに質問に答えよ。………金蝉子の復活、次の輪廻へと見逃せぬワケは何じゃ」

釈迦「……君は頭が良いな。他の三人はふざけてるように見えて、ずっと俺の首を狙ってるのに………そんな事に気が回るとか」

小龍「………なるほど」

沙悟浄「……ああ」

三蔵「……ふむ」

悟空「……ごめん八戒ちゃん。たぶん私だけ軽くついてけてない。も少し詳しくお願いします」

八戒「つまりじゃな姉者、次でエエじゃろ、って話じゃ。師匠殿とて人の身、もしも仙人にまでなったとしても、いずれ死ぬ。ワシらも然り、じゃ。ならばその後また、誰ぞに転生した金蝉子を甦らせれば良い。此方もそこまでは邪魔せんからのう」

沙悟浄「あ、そーゆーコトかい」

三蔵「おー、そりゃそうだ」

悟空「あれシャオくん以外は理解してなかった!二人とも上手いなあ空気に合わせるの!」

釈迦「うんうん、その中に居る者に、輪廻のコトなんて解らないよな、仕方ない。答えよう。………勿論、それが容易ならばそうするさ。でもな、次の転生先はナメクジかもしれない。その次は山猫かもしれないし、そのまた次は地獄の餓鬼かもしれない。………物凄い確率なんだよ、人間や神仙に転生するのって。ましてや徳ある僧に、なんて……億の、いや兆の朝日を拝んでも、たぶんもう無理だ」

八戒「………くっ。………ならば、せめて師匠殿の生が尽きるその時に」

釈迦「却下だ。その魂の輝き、いつ衰えるとも解らない。………今だ」

悟空「そんなの勝手すぎるよ!お師匠さまに関係ないじゃん!」

釈迦「………間違ってるんだろうな、俺は。………もしかしたら何も悟ってないのかも知れない。愛別離苦……今更こんなものに囚われるだなんて………」

小龍「…………」

釈迦「……お前らの仲を引き裂いてまで、やることじゃ無いな。わかってる」

沙悟浄「………なんだい、急に」

釈迦「だけど」

八戒「っ!師匠殿っ!離れてはならんぞっ!!」
480: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/6(月) 20:53:08 ID:KynnPppulg
釈迦「ごめんな」

悟空「させないっ!!」








悟空「………なにもしないの?」

八戒「油断するでない。……しかし好転する兆しが見えぬのう…!」

小龍「…奴が嫌になるまで、逆らうしかないですね」

沙悟浄「旦那様、どんな場合でも誰かの側に居ておくれよ?」

三蔵「……じゃあこの子の側が良いかな」

小龍「……触らないで下さい、なんですか一体」

三蔵「おぅふ敬語!敬語なんだ!やべー可愛い飼いたい!」

悟空「………え?」

八戒「……師匠殿?」

沙悟浄「………まさか……!」

三蔵「……え?なになに?なんで私美少女達に睨まれてるの?もしかして君等のうち誰かがこのショタクールの恋人とか!?ズルい私にも分けろ!」

釈迦「…………」

三蔵「あ、お師匠だ。……ちょっと老けました?とりあえず状況説明をお願いしますよ。あとこのショタクールの飼育の許可もお願いします」

悟空「………そんな………やだ……!」

釈迦「……おかえり、金蝉子」

金蝉子「…はあ。ただいま?」
481: 名無しさん@読者の声:2014/1/6(月) 21:09:35 ID:.cUSspOk4Q
なんてこった…パンナコッタ…
支援
482: 名無しさん@読者の声:2014/1/6(月) 22:16:56 ID:tC5TH24fhU
つロリ
つロリ
つロリ
つミニ悟空

戻ってきて!!お師匠さま!
483: 名無しさん@読者の声:2014/1/7(火) 03:35:05 ID:RtAm/VMSPE
くれじゃなくて分けろなあたり・・・
484: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/7(火) 22:21:28 ID:/TJQh52H.g
金蝉子「んん〜?なんか違和感と言うか、体の調子が変だな……ん?おお?あれ緊箍児が無い!と思ったら爆乳っ娘が付けてる!え、なんで?レプリカ?やっべーマジで状況が意味不明」

悟空「………お師匠さま………私のこと……わからないんですか……?」

金蝉子「???」

沙悟浄「……う、うう…!!」

八戒「師匠……殿………」

釈迦「……さて…」

小龍「まだですっ!!!」

釈迦「………」

小龍「…奴は、『転生には直に触れる必要がある』と言いました!私達は奴と先生の接触を許してない!まだ完全に転生してはいないはずです!」

悟空「シャオくん……!」

八戒「そ、そうじゃ!その通りじゃ小龍!まさかそんな意味の無い嘘も吐くまい!」

金蝉子「おーい誰か私に構え説明をしろー」

釈迦「………そんな泣きそうな顔をするなよ、玉龍太子」

小龍「………」

釈迦「……そうだな。まだ、転生は成って居ない。まだ金蝉子は『人間』のままだし。俺が直に魂を磨く事で………いまや器と……何処かに心も残ってるかな?………そうすることで、その僅かに残った、玄奘三蔵法師、陳 紅流は完全に消える」

悟空「……!!!」

釈迦「……いいよ、確かにこれじゃあんまりだろ。皆で金蝉子に色々術をかけるなり、気絶させるなり、好きにしてみな。まだまだ不安定だから、起きるかもよ、三蔵法師。あ、殺すのはダメな」

八戒「……師匠殿に武器を向けろと……!?貴様……!!」

金蝉子「いーかげん会話に混ぜろ!さみしい!」
485: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/7(火) 22:25:25 ID:YFeCZSsW9c
悟空「寝てるんなら起きてよお師匠さま!ねえっ!」

金蝉子「だからキミタチ誰なのよ……揺らすな揺らすな酔う酔う酔う」

沙悟浄「………黙って聞いてりゃ……!」

釈迦「……まあ」

沙悟浄「黙って聞いてりゃ……嘗めてんじゃないよ!!!戻せ………アタイの旦那様に戻せぇぇぇえ!!!」

ゴオオオオオオオッ!!!

釈迦「…………」

沙悟浄「降魔杖よ!!!沙僧が命を燃やし、愚者に地獄を見せよ!!!終の幻呪、鳳…」




バシュッッ




沙悟浄「………げ、ほっ……!!?」ドサッ

悟空「悟浄ちゃんっっ!!?」

金蝉子「あっぶなー!なんだキミタチ、賊か。ダメだよ仏様に攻撃とか、バチ当たりだろ。今度はもっと強くぶつよ?」

釈迦「……まあ、好きに出来たら、だけど。釈迦如来が直弟子最強、金蝉子を相手に」

悟空「悟浄ちゃん!悟浄ちゃん大丈夫!?」

沙悟浄「………がふっ…!!…が、ぷぁ……えほっ……えほっ……!!!」

小龍「……急所は外れてます。今、血止めを…!!!」

八戒「………最悪じゃ……!!」
486: 名無しさん@読者の声:2014/1/7(火) 22:41:35 ID:ciGfs5kw8o
三蔵ぉ…(´・ω・`)

487: 名無しさん@読者の声:2014/1/7(火) 23:21:24 ID:BPnrh310YQ
やっぱりシャオくんもなんだかんだ言ってお師匠様が大好きなのね
支援
488: 名無しさん@読者の声:2014/1/8(水) 17:20:59 ID:o/aBKuVook
いよいよクライマックス、か…
…終わっちゃうのかぁ…(´・ω・`)サミシス
489: 名無しさん@読者の声:2014/1/8(水) 19:09:01 ID:1609eCLpaw
悟空とか牛魔王の過去編やって欲しいなあ…
490: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/10(金) 01:12:09 ID:iQojU102nc
金蝉子「んじゃお師匠、賊をブッ飛ばしてから説明を……って、およよ?……これ、もしかしなくても折れてるよね、腕。うわぁなんで怖い怖い」

釈迦「……お前、まぁ色々あって転生中なんだよ。で、今のその身体、人間だから。手荒に扱うと壊れるぞ」

金蝉子「ええええ何そのハンデ戦……まあいいや。あ、ショタクール君だけは連れて帰るから愛でるから」

釈迦「いやそんな誘拐紛いの事……って、人のコト言えないか、俺」

八戒「くっ…!……姉者!どうするかは兎も角、今の師匠殿はキケンじゃ!とりあえず抑え込むぞ!………これ以上、怪我させん為にも!」

悟空「………やだよぅ……こんなの嫌だよぉ……!」

八戒「姉者っっ!!」

悟空「っ!」

八戒「呆けて居る場合か!!あの殺傷力、下手をせんでも皆殺されるぞ!!シャキッとせんかい!!」

悟空「……みんな…?や、やだよ!!やだやだやだ!!!」

八戒「ワシもじゃ!!誰が欠けるのも嫌じゃ!!じゃから動け!!やれっ!!」

悟空「……!や、やるよ!やるやる!お、抑え込めば良いんだね!?」

ブチブチブチッ

悟空「すぅ……ふーっ!!!毛分身っ!お師匠さまを抑え込んでっ!痛くしちゃダメだからねっ!」

金蝉子「うわぁ爆乳が押し寄せて来たっ!気にするほど貧しくはないけど、この差はヘコむぜ少し!?」

八戒「よし!動きを制しておる内に、ワシが……」

金蝉子「ていやっ」

ボンボンボンボンッ!!!

悟空「なっ……!?」
491: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/10(金) 01:13:18 ID:iQojU102nc
八戒「触れずして、姉者の分身を……!」

釈迦「……解呪、解術のスペシャリストでもあるからな、コイツは。三蔵法師も得意だったろう?」

悟空「八戒ちゃあん……!」

八戒「……どうせいと言うんじゃ、こんなもん……!!」



小龍「……よし、止血はこれで………後は妖力を…!!」

沙悟浄「……げほっ……シャ、シャオ………」

小龍「…まだ喋らないで下さい!傷口が…!!」

沙悟浄「……み、てたん……だ………ハァ……やっぱ……露出、は、強い……ハァ………ねぇ……」

小龍「……?何の事です…?」

沙悟浄「……はっ……かい……姐さん、に………伝え………ハァ………ふふっ……こんな、時なのに………旦那、様………姐さん、の………お尻ばっか……見て…………妬ける、ねぇ……」

小龍「………!」

沙悟浄「……まだ……ちゃんと………居てくれ、てる………よ………!」

小龍「………動かないで、待っていて下さい!」



金蝉子「なんか悪者っぽい立ち位置なのかね私。おかしいな正義と少年を愛する金蝉子ちゃんなのに」

悟空「……次は?次はどーしたらいいの八戒ちゃんっ!ねぇっ!」

八戒「ええい泣くな!……ぐ、うぬぬぬ……!」
492: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/10(金) 01:15:09 ID:iQojU102nc
小龍「…悟能様、お耳を!」

八戒「なんじゃ小龍、悟浄は……ふむ?……マジか?うむ、うむ……!」

悟空「なに!?なに!?どーしたら良いの!?どーしたらなんとかなるの!?」

金蝉子「あ、ショタクール!おいでおいで、こっちおいで〜♪……ってなんだよ退いてよロリババアちゃん。そんな見つめるなよ私ソッチの気は」

八戒「……師匠殿っ!!!」

金蝉子「だから私はアナタの師匠じゃ…」

八戒「ここを切り抜けたら、次はワシ、ブラジル水着を着てやろうと思うのじゃが、どうかの!!?」

金蝉子「………」ピクッ

小龍「…どうだ…!?」

金蝉子「……なに言ってんのこの娘。それを私に言ってどう反応しろと」

八戒「…ダメか…!ならもういっそ脱ぐか……?」

悟空「え?え?ブラジル水着着れば良いの!?じゃあ私も着るから!!なんでも着るからぁ!!お師匠さ」

金蝉子「いやお前は要らん。んなもん着たら上から下からジャングルが広がって遭難するわ」

悟空「…………へ?」

金蝉子「………今なんか長めのツッコミしたよね私。え、なに?口が勝手に怖い怖い怖い」

八戒「……ほ、ほほほほ!……居る!」

悟空「今の……お師匠さまだ!!あんなんお師匠さまにしかスラスラ出ないもん!!………よぉし!居るってわかったら元気出てきた!!」

金蝉子「えええ……なにこの娘罵倒されて喜んでる………マゾ?」
493: 名無しさん@読者の声:2014/1/10(金) 12:15:04 ID:ZEOPBAIpFQ
如来の髪がぬけよ!脱毛呪!

しえん
494: 名無しさん@読者の声:2014/1/13(月) 10:36:04 ID:f4KW8cmzK2
しえん
495: 名無しさん@読者の声:2014/1/13(月) 18:46:51 ID:EKJUDrPd1w
お師匠様って尻フェチなの?w
496: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/13(月) 19:09:29 ID:GcKkUFCjwk
金蝉子「むううう………身体はなんか上手く動かないし、手加減しないと怪我しちゃうし、この娘達はしぶといし………あぁぁぁ面倒臭い………」

八戒「姉者、もう一度じゃ!術は消されてしまうが、肉弾戦ならなんとかなりそうじゃ!仙力の刃に気を付けい!」

悟空「とりあえずふん縛るんだね!……そのあとどーするの?」

八戒「…ふむ……姉者が接吻でもしてみるか?なんかこー、よくある話じゃろ、そんなんで目覚めるとか」

悟空「悟浄ちゃんに殺されちゃうよぅ」

沙悟浄「……死すら……生温い………苦しみを…………」

悟空「ほら!聞いてたよこの怪我人!」

小龍「…いえ、寝言です。だいぶ血を流してましたので、無理矢理寝かせましたから」

悟空「逆に怖いよそれ!無意識でヤキモチ!?」

金蝉子「……キンチョー感が無いよね、キミタチ」

八戒「…ほほ。お主の中に居る男のせいでのう。シリアスが続かん空気を植え付けられてしもうたのじゃ」

小龍「…不真面目の極みのような御方です。残念ながら、それが心地好いから困りますが」

悟空「お師匠さまとは、まだまだこれから一緒に色んなコトして、色んなモノを見」

沙悟浄「いろんなコトってなにさ!?アタイの旦那様に変なコトしたら承知しな……ムニャ……」

悟空「ねぇ悟浄ちゃんホントに寝てるの!?」


金蝉子「………どうしよう。お師匠」

釈迦「……ん?」

金蝉子「……私、この娘達、嫌いじゃない」

釈迦「………だろうなぁ」

金蝉子「……この娘達のお師匠って、私なの?」

釈迦「………器は、そうだな」

金蝉子「…………教えてよお師匠。………私、なんで死んだの?」

釈迦「……………」
497: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/13(月) 19:12:16 ID:GcKkUFCjwk









黎山婆『如来、如来。客じゃ、客じゃ』

釈迦『…………今は、一人にしてくれないか』

鎮元爺『会うておけ、会うておけ。天帝の外戚じゃ、会うておけ』

釈迦『…………もう扉の外に居るじゃないか。わかったよ』

黎山婆『入れ、入れ。如来が許したぞえ。しゃしゃしゃ……』
   
ギィィィィ……

三つ目の少年『………失礼致す』

釈迦『……二郎真君殿。どうしました、殿下がこんな所に。ここには貴族をもてなせるような、面白い物は有りませんよ』

二郎真君『……首を、献上しに参った』

釈迦『……来るところを間違えてますね。軍部の話なら、俺にはよくわからな』

二郎真君『…全てを知って居られるであろうに、冷静に対処なさるのですな。この二郎真君、扉を開けた瞬間に殺されても、致し方無しとの覚悟で参ったのですが』

釈迦『……殺さないよ』

二郎真君『………玉帝陛下は、崩御なされました。………自らの手で』

釈迦『………!』

二郎真君『初めからそのつもりであったと見えます。世継ぎや政務の諸々、事細かに記した文が遺されて居りました故』

釈迦『……命を捨てるほど……怖いのかよ……』
498: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/13(月) 19:17:01 ID:Vn45EroKe.
二郎真君『……その他、四海竜王の方々、それと毘沙門天様は………籠っております。其れ故、持てる首は、この二郎真君が首ひとつ。どうかお納めを』

釈迦『……だから、殺さないって。………そんなもの、欲しくもない……』

二郎真君『………金蝉子殿の、仇であってもですか』

釈迦『…………』

二郎真君『此の首飛ばすが穢れと言うならば、せめて情けを。塵にされても構いませぬ。貴殿ならば簡単でありましょう』

釈迦『……お前が……殺した訳じゃないだろ……』

二郎真君『見ていた。止めなかった。多勢で一人を……そんな暴を、止められなかった。見殺しも立派な悪です。仇を討たれよ、釈迦如来殿』

釈迦『………アイツ……』

二郎真君『……?』

釈迦『……アイツ………死ぬ前に、どんな顔してた……?』

二郎真君『……顔、ですか…』

釈迦『……どんなに思い出してもさ………いっつも笑ってんだよアイツ………ケラケラとさ………アイツの何が怖いってんだよ…………』

二郎真君『……天部の意向としては、放っておけば貴殿を凌ぐ仏陀となり得る、と。……臆病なのです。古来より自らを神と思い上がって居た天人は、貴方達、人間でありながらそれを超えた存在になった者が……怖いのです』

釈迦『………君を恨んでない。帰ってくれないか』

二郎真君『しかし、吾は』

釈迦『……男の子を殺したりなんかしたら、金蝉子に怒られちまうよ。………帰ってくれ』

二郎真君『……………何時でも、この命、受け取りに来て下され』


ギィィィィ……バタン……


釈迦『…………欲しい命は、お前のなんかじゃ無ぇよ……!!』
499: 名無しさん@読者の声:2014/1/14(火) 09:32:23 ID:QElgoLRwT.
二郎真君はずっとガチムチだと思ってた。
意外だ…
500: 名無しさん@読者の声:2014/1/14(火) 11:45:36 ID:RtAm/VMSPE
私ももっと漢!!︎って感じかと思ってた。

・・・あ、トランスフォーム出来るってことにすれば・・・ハンターのビスケみたいな・・・
501: 名無しさん@読者の声:2014/1/15(水) 21:46:48 ID:zQ0zFY1Gkw
そういや三蔵って悟空や八戒に出会うまでに9回転生してんだったよな
それ全部沙悟浄に殺されてるんだっけ
支援
502: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/16(木) 23:06:15 ID:/6dHr.e3y2

金蝉子「おーいお師匠、なにボーッとしてんのよ。しょーじき私もうこの娘達と戦うの……」

釈迦「……ああ、すまん。ちょっと昔のコトを……」

金吒「おおおお!!復活しはったんですね金蝉子様!」

金蝉子「はん?」

悟空「八戒ちゃん八戒ちゃん、空気についてけてない上に知らない人が乱入とか、私もうキャパ不足なんだけど」

八戒「西訛り……木叉の仲間かのう」

釈迦「……来たの気付かなかった……テンパってるな、俺」

金蝉子「……どっかで見たようなお兄さん……」

金吒「キンタで御座います!や、無理もありません、なんせ最後にお目に掛かったんはもう千年より前………こうしてまた会えるやなんて、こんな嬉しいコトありません…!」

金蝉子「えええええ!?キンタ君!?いやいやまさか、だって私のキンタ君はもっとこう半ズボンが似合う美少年で、キミみたいなインテリ青年じゃ………でも似てるなあ………」

釈迦「……ところで前部護法よ。牛魔王は?」

金吒「ああ……御変わり無いなぁ、金蝉子様……!………エエや無いですか、牛魔王とか別に。どーせここまでは来れませんさけ」

釈迦「いや、負けたのは千里眼で見てた。よく生きて戻ってこれたなお前」

金吒「はん。まあ奴等から逃げるくらい、簡単でしたよ」

悟空「……お兄ちゃんに負けたらしいのに生きてるとか、すごいよこの人」

八戒「……あまり強そうには見えんがのう」

金吒「……こっち放っぽらかしてギシアン始められたら、そら逃げるっちゅーねん」

八戒「……すごいのは牛魔王の性欲じゃったの」

悟空「……あー、うん。そーいや昔っから暴れた後はムラムラするって言ってたよ……」

金吒「それより如来様、見れば金蝉子様、未だ余計なモンが混ざっとる御様子。はよう完全な復活をさせたって下さいよ。そんで残っとる仇を、皆殺しや。……殿下は死んでもろたし、あとは……」
503: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/16(木) 23:07:29 ID:/6dHr.e3y2
釈迦「……いや、それは……」

金吒「ああ、まずはこの猿共を片付けんとですね。金蝉子様が居れば、まあ問題は……金蝉子様?」


金蝉子「もう痛いことしないから、睨まないでよショタクール君ってば。感じちゃうじゃん」

小龍「…なんのつもりですか」

八戒「……っ!!いつの間に小龍のところに……!」

金蝉子「はいどいてどいて。えっと……あんまり得意じゃないけど……ブツブツ……」

ポワァァア……

悟空「悟浄ちゃんに何をっ!?」

金蝉子「あーもー静かにしてよ、得意じゃない上に力も使いにくいんだから今……よし、こんなもんかな」

シュウウウウウ…!!

沙悟浄「…………むにゃ……」

小龍「…傷口が塞がって……血色も……!」

金蝉子「ゴメンね赤髪ちゃん?……やっぱ気に入っちゃったらダメだね、もう私キミタチ好きだもん。………つーわけでお師匠!」

釈迦「……?」

金蝉子「この娘達に、返してあげてよ。……この身体、私のじゃないしね」

釈迦「……お前…」

金蝉子「そのお兄さんがキンタ君なら、この世界ももう私が居る時代じゃ無いんだろーし。……さっき聞こえた殿下、って、二郎君でしょ?……そっか、死んじゃったのか……」

釈迦「……お前、もしかして記憶が」

金蝉子「……なんとなく。あはは、お師匠も寂しがったりするんですね、私に会いたがるとか」

釈迦「………千年以上、待ったんだぞ…」
504: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/16(木) 23:09:44 ID:/6dHr.e3y2
金蝉子「………ありがとうございます。………ごめんなさい」

釈迦「…………そんなこと言われても……俺は……」

金吒「なに、言うてますの?」

金蝉子「えっと、キンタ君……なんだよね?やー、なんてゆーか、これ以上ワルモノやるのは金蝉子ちゃん的に厳しいってゆーか、頭ん中でなんかうるさいんだよね、『出せーっ!』って。あはは……」

金吒「なに、言うてますの?やっとやで?やっとまた貴女に逢えたんや…………そんなん、赦されへん」

金蝉子「やだもしかして恋されてる私?うー、でもあの頃のキンタ君なら鼻血モンだけど、今じゃなあ……」

金吒「……ゆる、され、へん」

釈迦「っ!!避けろ金蝉子っ!!」

金吒「遅いですわ、もう」

バリバリバリバリバリバリッッッ!!!

金蝉子「……なっ!?」

釈迦「やめろ金吒!!なんのつもりだ!?」

金吒「キンタ言うなや。そん名で呼んでエエんは金蝉子様だけや。なんやかんや言うても実はアンタは怖くない。仏は殺しが出来んさけな。みんな無駄に怖がりすぎや。……手駒集めは失敗してもぉたけど、金蝉子様さえ居ればもうエエわ。せや。この世に必要なんはワイと金蝉子様だけや。あとは要らん」

金蝉子「からだ……うごかな……!?」

悟空「お師匠さまっ!!」

八戒「おい釈迦如来!このくらい何とか出来るのではないのか此奴は!」

金吒「無理やで。三蔵法師の身体にはタップリと呪いを掛けといたさけ、ワイ。いくら金蝉子様でも……いや如来様だとしても、解けんで。……次は、と」

金蝉子「あ……あ………あ………!!!」

金蝉子「とりあえず戦ってもらわなアカンさけな。軽く操らさせてもらいます。……ワイに手ぇ出すなや。呪いが暴走したら金蝉子様が死んでまう」

八戒「きゅ……急に出てきて何なんじゃコイツは!?」

釈迦「……油断した……!」

金蝉子「あー、自分らには自己紹介しとらんかったな。前部護法や、覚えとき。毘沙門天……まあアレももう殺すけど。その息子や。金蝉子様を取り戻す為だけに、そこのロン毛の弟子になっとった者や。………ご苦労さん、もう帰ってエエで自分ら?」

悟空「なんなのさ……いーかげん、お師匠さま返してよぅ…!!!」
505: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/17(金) 00:41:31 ID:FchGqXLGRQ
金吒「とりあえず戦ってもらわなアカンさけな。軽く操らさせてもらいます。……ワイに手ぇ出すなや。呪いが暴走したら金蝉子様が死んでまう」

上のセリフが金蝉子になってますね。間違いです。キンタのセリフです。めんご。
506: 名無しさん@読者の声:2014/1/17(金) 08:20:06 ID:EKJUDrPd1w
金蝉子の台詞にウルッと来たところで
キンタ君の空気の読めなさにひっくり返ったw
てか金咤は嫌でもキンタ君なら良いんだwwww

支援支援
いつも楽しみにしてます!
507: 名無しさん@読者の声:2014/1/17(金) 09:25:59 ID:EuwVHUTUqM
金吒ゲスいなぁ…
でもそんなところが好きだなぁ
4円
508: 名無しさん@読者の声:2014/1/17(金) 21:00:20 ID:hicq3/MfY2
ぶちギレろ悟空!キンタマなんかやっちまえ!
509: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/18(土) 21:53:34 ID:KynnPppulg









……ッ!!!……ッ!!!



沙悟浄「………ん……うん………」


ワーワー……!!!ギャーギャー……!!!


沙悟浄「……んるっさいねぇ………人が気持ち良く寝て…………っ!!!だ、旦那様はっ!!?」ガバッ

八戒「じゃーかぁらぁ!!!ちぃとは黙って話を聞けと言うに!」

紅孩児「悟空は何処だ!!!って訊いてるのさ!無事なのかどうなのか教えろっ!!!」

観音「しゃ、釈尊っ!わ、私は、金蝉子さんがそんな最期を遂げていたなんて、露知らず……!てゆーかどうして私には異常な程に情報が入らないのでしょう……!私、もしかしてハブられてます!?」

釈迦「……いや、菩薩達には情報規制みたいなのが………そもそも今回は俺が悪いんだよ。考えてみれば三蔵法師を見つけたのも金吒だったな……仏ともあろう俺が、友会いたさに……情けない……」

木叉「アニキ……あんのアホ、昔っからいつかキレるんちゃうかと思てたけど、そこまで狂っとったか。………でもまぁなぁ……ボクかて、のんがそんなんなったら、血眼で何とかしよぉとするしやろなぁ……」

釈迦「……金蝉子は、大勢に好かれていたからな………いや、天部には疎まれてたが」

羊力大仙「……あの長髪が真に如来であるのか…?別に神々しくも何とも無いのであるが……」

鹿力大仙「ひょろいし弱そうだぜ?……で、にょらいってなんだ?」

虎力大仙「アンタ最近バカに拍車がかかってない?……つか、何なのよこの状況……」
510: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/18(土) 21:55:21 ID:KynnPppulg
沙悟浄「………いや、ホントになんなのさ。ちょ、誰か……」

小龍「…悟浄さん!……良かった、気が付いたんですね」

沙悟浄「……シャオ。あのさ、アタイに解るように説明を。どうなったんだい?旦那様は?なんで外に?……悟空姐さんは?」

小龍「……それは」

八戒「じゃからぁ!師匠殿の身体に金蝉子が居って、そんでそれをクソメガネが操ってじゃな、そうこうしとったらクソメガネが『面倒や』とか言い出して、金蝉子が塔を破壊したのじゃ!姉者は……わからん!奴等が消えると同時に、居なくなってしもうた!」

紅孩児「………わからないよ!何一つわからないよ!もっと簡潔に話せないの八戒さん!」

小龍「…金蝉子……さんは、先生を返してくれるようでした。恐らく釈迦如来も。……しかし急に出てきた、そのクソメガネ……前部護法により、また何処かへ連れ去られた……みたいです」

沙悟浄「そんな……姐さんは?消えたって……?」

釈迦「……たぶん、金蝉子……そして三蔵法師だ」

一同「?」

釈迦「………タダ操られる奴じゃない。三蔵法師もそうだろう?……あの金吒が、孫悟空を連れていく筈がない。………何処に行ったのか……」

紅孩児「釈迦如来のくせにそんなことも解んないのかアンタは!返せ!悟空を返せ!」

観音「こ、これは重罪です!すぐに報告して、しかるべき処置を……!」

木叉「……軍部のトップは死んどるし、天帝はお飾りやし、何より実質的に全部を統括しとったんは当のアニキや。……誰に報告すんねん、のん」

観音「…あうう……!」

沙悟浄「……アタイが寝こけてる間に……クッソォォオッッ!!!」

羊力大仙「……しかし場違いであるな、我輩ら」

鹿力大仙「正直なんでここにいるのかわかってねーんだけど、俺」

虎力大仙「………紅孩児の付き添い、かな」

紅孩児「うううう……悟空ぅぅう!!!無事で居てよ悟空ーっっっ!!!」
511: 名無しさん@読者の声:2014/1/21(火) 20:42:41 ID:ZEOPBAIpFQ
支援
512: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/21(火) 22:33:14 ID:FC8EB0.jvY



悟空「待って待って!ちょ待ってって!」

金蝉子「仙刃烈塵」

ビュオオオオオッッッ!!!

悟空「わたたたたっ!?やめてお師匠さまっ!こんなん当たったら私真っ二つになっちゃうよ!」

金蝉子「……………」

悟空「……お師匠さま……!ううう、ここドコだかもわかんないし、お師匠さまメッチャ襲ってくるし……みんなぁ……!」

ズズズ……

金吒「………此処は玉皇殿が最奥、高天大聖の間や。釈迦如来でも天帝の許しが無ければ入れん、この世界で最も聖なる場所や」

悟空「……きんきらメガネ!お師匠さまを戻せっ!!」

金蝉子「…………」スッ

悟空「むうぅ…!邪魔しないでよぅ…!!」

金吒「…ちゅーか、ワイの金蝉子様を、勝手に師匠呼ばわりするなや。………ま、余計なモンが着いてきて面倒や思たけど、ソレがあるなら別や。そん緊箍児は、金蝉子様の御召し物や。お前みたいなクソ猿が身に付けてエエもんちゃうねん、返せ」

悟空「ふんだ!返せって言われても、これ取れないもん!……それにこれ、お師匠さまから貰った物だもん、誰がお前なんかに!」

金吒「…………チッ」

金蝉子「仙光槍」

ギュオッッッ!!!

悟空「うわあっ!?」
513: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/21(火) 22:38:21 ID:vpkiXk3aj2
金吒「……当たれや、つまらん」

悟空「つっ……!!……掠っただけなのに……痛……!!」

金吒「ふん、誰に口聞いとるつもりや、自分。ワイは前部護法……これより傀儡の帝を廃し、真の天帝となる男やぞ」

金蝉子「…………」

金吒「……側に侍るは、そう、金蝉子様。……馬鹿で間抜けな釈迦如来に替わり、この新帝が仏陀と認めた女(ひと)………クク、クハハハハ!これや!これこそ世界のあるべき姿や!こん宇宙を統べるんは、ワイと金蝉子様の二人なんや!!………クハ、クフフフ、キハハハハ!!!」

悟空「…………気持ち悪い」

金吒「ハハハ…………ああぁ!?なんやと?」

悟空「……そんなんじゃ、どんなにイケメンさんでも、モテないよ?」

金吒「猿が何を……!」

悟空「……お師匠さまがモテるの、八戒ちゃんとかは不思議がってたけど………私、わかるんだ」

金吒「あ?なんの話やねん!」

悟空「………お師匠さま、本気で付き合ってくれるから。相手が偉くても、悪くても。……化け物でも」

金吒「…ボッソボソと耳障りやのぉ!お前はとっとと緊箍児返して、んで死んどけばエエねん!せや、首ぃ飛ばして引っぺがしたるわ!」

悟空「……だから、お師匠さまのこと、大好きなんだよ。八戒ちゃんも、シャオくんも。悟浄ちゃんは引いちゃうくらい。………私の大好きなお師匠さま、返してもらう!!!」

金吒「ウザいわっ!!細切れにしたって下さい金蝉子様っ!!!」

金蝉子「…………」

悟空「……いくよ、如意棒!」
514: 名無しさん@読者の声:2014/1/21(火) 22:46:13 ID:C2UFL8Nivo
更新はよ!!はよ!!!
しえん!!
515: 名無しさん@読者の声:2014/1/21(火) 23:13:02 ID:ZEOPBAIpFQ
sienn
516: 名無しさん@読者の声:2014/1/21(火) 23:15:34 ID:wEBK82zqcc
はよ
こう更新はよ(バンバンバンバンバンバンバン
517: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/23(木) 00:06:38 ID:tLHYgRMEgY
悟空「てあああああああっっ!!!」

金蝉子「……仙刃長刀」

カキィン!!キィン!!ギャリンッ!!

悟空「……くっ………!」

金蝉子「…………」

金吒「ククク……斉天大聖、恐るるに足らずや。相手しとるんは、不完全とは言え不世出の大天才、金蝉子様やしのぉ。ワイもこれから忙しいでな、そろそろ死んでくれへん?」

悟空「……潜り抜けて、きんきらメガネをブッ倒そうにも、難しいなぁ……強いや、このお師匠さま」

金吒「なんや無視かい。それともどーにもならへんて気付いて、死ぬのが怖なったか?……命乞いするんなら、せやなぁ、まぁた弼馬温としてくらいなら使たっても」

悟空「………ねえ、お師匠さま。覚えてます?」

金吒「………ほぉ…」ビキッ

悟空「……私を助けてくれたときのこと。初対面で毛深いだのなんだの、ホントお師匠さまはヒドイですよねぇ。まあ初対面でお尻丸出しだった私もアレですけど」

金蝉子「…………」

悟空「実はですね。岩から出して貰うまで、空耳か幻聴かって、疑ってたんですよ私。そりゃ疑いますよ、なんたって五百年ですからね、よくそんだけ人が寄り付かない場所に来ましたねお師匠さま。もう奇跡ですよ」

金蝉子「…………」

悟空「……私、ずっと荒れてたんですよね。ほら私って、かなり正体不明なもので。岩から生まれたとか、ちょっと自分でも意味不明ですからね」

金吒「無駄や!そん人はもう、あのクソ坊主と違うねん!黙れや猿がっ!!」

悟空「……お兄ちゃんとかこーちゃんとか居たけど、私の力目当てなんだろーなって、勝手にクサってて。ムシャクシャするまんまに、暴れて、暴れて。挙げ句にお尻丸出しで封印ですよ。あはは。………なんかずっとひとりぼっちだったなー、って、ずっと、岩の中で、泣いてて」

金蝉子「…………」

金吒「……狂いよったか。もぉエエわ、金蝉子様、この猿、殺してまいましょ」

悟空「………でも、お師匠さまが見つけてくれました。そしたら、八戒ちゃんに会えて。シャオくんに、悟浄ちゃんに、会えて。………ぜんぶ、お師匠さまが、私を見つけてくれたから」

金吒「………死ね」

金蝉子「……仙刃剛剣」

ヴォンッ…!!

悟空「ねぇ、お師匠さま」

金蝉子「………覚悟」
518: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/23(木) 00:08:50 ID:tLHYgRMEgY
悟空「……ちょっと、戻っちゃいますけど…………また、見つけて下さいね?」

ユラッ………

金蝉子「………っ!!?」


ゴオオオオオオオオオッ!!!


金吒「……な、な、な……!?」


……ォオオオオオオオ………!!!


金蝉子「……消え……?」

ドガアッッッ!!!

金蝉子「……ガフッ…!!?」

金吒「金蝉子様っ!?な、なんやねん……なんやねんソレぇぇえっ!!?」


悟空「………ウキァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアッッッ!!!!」

ゴオッッッ!!!

金吒「ひいっ……!!」

悟空「グルルルル………ウキャーッッッ!!!」

金吒「……こ、金色の悪魔………美猴王(びこうおう)………!!!……こっ、殺せっ!!!コイツは、コイツは全っ部破壊し尽くす、化け物や!!!殺せ殺せ殺せころせころせぇぇえええっ!!!」

金蝉子「……きん、いろ………」

悟空「……ふしゅうううう………グルァ……!!!」
519: 名無しさん@読者の声:2014/1/23(木) 07:49:49 ID:EKJUDrPd1w
はじけてまざれっ!支援!
520: 名無しさん@読者の声:2014/1/23(木) 10:41:55 ID:2qWpLkPhc6
クロウカード!!
悟空大好き支援
521: 名無しさん@読者の声:2014/1/23(木) 23:21:10 ID:wEBK82zqcc
クロウカード?
何故に?
支援
522: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/25(土) 00:19:31 ID:risAjpyX3s






三蔵「…………どこだよ、ここ」

シーン……

三蔵「木彫りの仏像……寺……の広間、か?何となくウチの寺に似てて腹立つ。ボロいクセに無駄に広くて掃除が面倒なんだよな」

シーン……

三蔵「………で、なんで俺はこんなとこに居んだよオイ。……ごくー?はっかーい?ごじょー?しゃーおろーん?」

「むだむだ。ここにはいないよ?」

三蔵「っ!……え、今どっから……?」

「ここ、ここ。目の前に居んじゃんよ」

三蔵「目の前……って………仏像くらいしか」

仏像「ばあっ!」

三蔵「おわあっ!?………なんてな。今さら仏像が喋ったくらいじゃあんまビックリしねぇよ。こちとら龍に変身する悪口小僧とか、急にチビッコになる毛むくじゃらとかと一緒にいんだから」

仏像「……ふぅむ。適応力高いねえ。悪くない」

三蔵「そりゃどーも。で、アンタ誰?」

シュウウウ……

三蔵「………あれ?お前……」

金蝉子「はぁい♪正義と美少年と半ズボンの味方、金蝉子ちゃんでーっす!………なんだよその顔は。こんな美人が現れたんだから喜べよ男なら」

三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」

金蝉子「わかる。私も生粋のショタコンとして、男は見た目12歳くらいまでじゃないと欲情出来ない」

三蔵「ほほう」

金蝉子「ヒゲとかスネ毛とかやめてほしい。声変わりとかホントやめて。なぜ第二次成長期のまま時は止まらないのだろう」

三蔵「わかる、わかるぞ。胸とかあんま膨らむんじゃ無ぇ。いらん。下の毛とかマジやめろ。あの毛はナニを守ってんだよ要らねぇよ俺が守るから」

金蝉子「いや、生えかけ……くらいは、良くね?萌えね?ムラムラしね?」

三蔵「えー、相容れんわー!それともそれは男女の違いか……?」
523: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/25(土) 00:24:05 ID:K/dz2lDCR.
金蝉子「わっかんないかなー!未成熟なナニに、うっすら芽生えたオトナの蕾の良さが!つまりだね……」

三蔵「……しかしだな、そもそも少女ってのは……」

金蝉子「……うん、それはわかるよ?でもさ、見方を変えてさ……」

三蔵「ふむふむ。そこはロリにも通じるな……!」

金蝉子「乳首って重要だよね……!」








三蔵「……やるな、お前。ロリとショタの違いはあれど、ここまで筋金入りの子供ラヴは、なかなか居ねぇぜ…!」

金蝉子「そっちこそ…!君の『ロリコンがおかしいんじゃない。ロリコンじゃない男がおかしいんだ』ってセリフ……痺れたよ…!」

三蔵「ふふふ……酒でもあれば朝まででも語り合いたいぜ……じゃなくて。アンタ誰だよ、女になった俺とそっくりじゃねーか、トイレの鏡で見たけど………お?そういや男に戻ってるじゃん俺」

金蝉子「そりゃ戻るよ、ここは君の中だもん。ここで女の姿だったら、深層心理的にオネエの可能性が」

三蔵「?」

金蝉子「まぁロリコン僧侶にしちゃ、心の世界がお寺、ってのは偉いね。ちゃんと徳はあるみたいだ。煩悩で隠れてるけどねぇ」

三蔵「………アンタ……一体……」

金蝉子「だから正義と美少年と半ズボンの味方、金蝉子ちゃんだよ。………話せて良かった。三蔵法師さん」

三蔵「おいアンタ消えてんぞ!待てよ、意味わかんねぇぞ!」

金蝉子「……気怠そうな感じは、ちょっとだけお師匠に似てるかな?ふふっ………がんばれ、お師匠さん。可愛い弟子が待ってるよ?……見つけてあげてね」

三蔵「はあ?だから待てって!何しに現れたんだよアンタっ!」

金蝉子「次に……次、か。……うん。次に会えたら、『子供がどの程度の性知識を持ってるくらいが萌えるか』でも語り合おうぜ!じゃねっ♪」

キラキラキラ……

三蔵「おいってば!そのセリフで終わるとか流石に俺でもどうかと……………消えちったよ。………性格は違うけど、なんか悟空に似てる奴だったな……ノリとか……」

三蔵「……悟空…」
524: 名無しさん@読者の声:2014/1/25(土) 18:27:50 ID:SNueLc92fw
切ないなぁ…(´・ω・`)
話してる内容はアレだけど

525: 名無しさん@読者の声:2014/1/26(日) 12:33:38 ID:8r1bsDqeqs
しえんしえん
526: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/27(月) 20:54:42 ID:AsP1X.jGbI

ガラガラ……ゴゴゴ……


悟空「……ふしゅるるる………!!!」

金蝉子「…………」

悟空「ルゥゥキャァァァァァァァァアッッッ!!!」

金蝉子「……仙刃斧槍」

ガキィンッ!!ガキィンッ!!ガガッ!!

金蝉子「……っ!」

悟空「ルアアァァァァアッッ!!!……ガッ!?」

バチバチバチ……!!

金吒「…させるか……!!結局……結局殺そうとするんやお前らはっ!!邪魔やと!!要らんからと!!殺そうとするんや!!……今のワイが言えた義理や無いけどなぁ……二度と失わんで……二度とぉっ!!」

悟空「………グ、ギギ………!!」

金吒「金蝉子様が居らん世界なんて………もう、嫌なんや……!!!」

悟空「グルルル……!!!」

金蝉子「……………」

金吒「やれっ!!!この猿を殺して、共に永遠をっっ!!!」

悟空「……オ………ジジョ……ザマ……ァ…………!!!」














『お師匠さま』


……悟空?
527: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/27(月) 20:57:48 ID:AsP1X.jGbI


『お師匠さま』


悟空。よかった、見つかった。


『お師匠さまっ』


何回呼ぶんだお前は。ちょっと今回の長ぇよ、飽きた。次行こうぜ次。


『お師匠さま、大好き』


よしキモい。800年くらい若返ってから言え。


『お師匠さま、大好きっ』


悟浄かお前は。大好きっ、って小さい「っ」を入れるな。ちょっと妹キャラを出すな。全国の妹に謝れ。


『お師匠さま、お師匠さま、お師匠さまっ』


しつけえ!いーから戻るぞ、お前の案を採用して次は八戒にゴスロリ着せるんだから、デザイン手伝え。ついでに小龍にタキシード作ってやるから。好きだろそーゆーの。


『お師匠さま』


どうしたなんだそれ、お師匠さま病か?ほら早く……。


『ずっと一緒にいましょうね』


……なんのデレだよ。………ずっとでも何でも良いから………とっとと出てこい。いつまで尻丸出しで岩に埋まってんだお前は。


『お師匠さまっ』

『お師匠さまっ』

『お師匠さまっ』

528: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/27(月) 20:59:42 ID:AsP1X.jGbI

うん、悟空。









三蔵「だからしつっけぇ!!!」

悟空「しっぽっ!!?」

三蔵「……………ん?」

悟空「……ウキャ……?」

三蔵「ウキャ、ってなんだよ。猿かお前は。あ、猿か。てかなんだその金キラキンは。穏やかな心を持ちながら激しい怒りにでも目覚めたのか」

悟空「………オ、シショ……」

シュウウウウウウ………

悟空「………さま?」

三蔵「……あ、戻った」


金吒「……な、な、な………な……!!?」


悟空「もど、もどっ!戻ったのは、お、おし、おししょっ」

三蔵「ん?……おお、うん、戻ってるな。……うんうん、ちゃんと付いてる。軽く疲れマ」

金吒「………な、な、なんで……!!?」

三蔵「あれ?寺のねーちゃん?」

金蝉子「ちゃおっ!ついさっき『二度と会えないけど、でも、それでも』みたいな空気を出しちゃった相手の前だからちょーっと恥ずかしい金蝉子ちゃんでーっす!」

三蔵「うん俺も反応に困ってる」
529: 名無しさん@読者の声:2014/1/27(月) 21:46:05 ID:i7KyZYivcE
さりげなくドラゴンボールネタが使われてる♪
支援のかめはめ波
530: 名無しさん@読者の声:2014/1/27(月) 22:01:41 ID:N7x8tWnKvM
悟空、尻丸出しで語りかけてたのかwww
支援
531: イーノック:2014/1/28(火) 14:49:34 ID:sq39s4dBbg
オス!オラ悟空!よろしくな!
532: 名無しさん@読者の声:2014/1/30(木) 17:27:01 ID:XB8fowyCj2
続きが気になって夜しか眠れない…っ支援
533: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/30(木) 22:30:27 ID:0efSGV3AI2
金蝉子「あはは。だよねだよね、だから三蔵さんには特に絡まないっ。………てことで。ふむっ」

金吒「……え、あ……う……!?」

金蝉子「……まったく、この子は」

金吒「…な、んで……!?魂は!?魂はどうなって……!?」

金蝉子「魂なんて、そんなん三蔵さんとこにあるに決まってんじゃん。良いキンタ君?私は死んだの。いないの。なんで頭の良い君が、それを解れないかなぁ。……って、お師匠ですらだし、そこは無理も無いか」

金吒「じゃ、じゃあ、金蝉子様は」

金蝉子「……なんだろ、精神体?この具象化も、少ししか持たないと思う」

金吒「ア、アカンやないですか!!……くっ…!!そぉか、金蝉子様が『剥がれた』せいで、呪いも………はよ、はよ同化をっ!」

金蝉子「だからね?気持ちは嬉しいけど……」

金吒「嫌や!!言うたや無いですか!!世界は、ワイの世界は……!!!」







ピピーッ!!

金蝉子『ほらそこーっ!もっと思いっきり飛び込みなさいっ!そう水着が脱げちゃうくらいに!』

少年『……なんなんだあの先生……あんな先生居たか?』

少女『いつもの先生が風邪なんだって。さっき言ってたじゃない』

金蝉子『はいそこの女子邪魔っ!見えない!男子が見えない!女子はプールサイドでスクワットでもしてろっ!いや待って男子のスクワットも見たい!そうだスクワットしよう!』

金吒『しませんよ』

金蝉子『おわぁっ!?』
534: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/30(木) 22:32:24 ID:0efSGV3AI2
金吒『……なにしてはるんですか、金蝉子様』




金蝉子『……というわけで、水泳の授業と聞いていてもたっても居られなくなり、こうして教師に化けて忍びこみました』

金吒『……ホンマの体育のセンセは、どこなんです』

金蝉子『あー、あの筋肉ダルマならちょっと用具入れの中で眠ってもらって』

金吒『犯罪やね。警邏に連絡を』

金蝉子『やめてやめて困る!怒られる!そうだ口止め料としておねーさんがキスしてあげよう!これがホントの口封じ!』

金吒『……い、要りませんよそんなん。………はぁ。なんでそんなんなんですか貴女は。釈迦如来が高弟と言えば、エリート中のエリートですよ?ワイらが目指す先なんやから、もっとこう…』

金蝉子『キンタ君もう精通した?』

金吒『話を聞いてください』

金蝉子『なんだよもー。お師匠か君は。口煩いのも萌えポイントだけど、行き過ぎると可愛げ無くなるよ?』

金吒『……楽しそうですね、金蝉子様は』

金蝉子『楽しいよ?だってショタの水泳だよ?ご飯三杯はいけるよ?』

金吒『…………ワイは、楽しくありません』

金蝉子『……?』

金吒『……毘沙門天の息子なんて、楽しくありません。何をやっても、出来て当たり前。………周りも色眼鏡で見てくる奴ばっかや。小等部でこれやと、この先も分かるわ………はよワイも、金蝉子様みたく世界の上の方で働きたい』

金蝉子『いや私自慢じゃないけど、ほっとんど働いて無いようなそんなような』

金吒『そや、金蝉子様からも口添えしてくださいよ。ワイならもうそこで働ける筈や。上に立って、そんで、誰の子ぉやとかなしに実力を』

金蝉子『……だーめ』

金吒『なんでですか!?術やなんかも、もうレベル的にこんなとこじゃ』
535: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/1/30(木) 22:35:06 ID:2VG5YjV5Vs
金蝉子『君はもっと、世界を知ろう。世界を見よう。……秀才君♪』

金吒『……世界?』

金蝉子『そ。急がなくていーんだよ。まだ子供なんだから。てか成長止まれ。精通したあたりで成長止まれ』

金吒『………金蝉子様も、オトンと変わらんのですね。適当な事を言って誤魔化す……』

金蝉子『大人なんてそんなもんよん♪………さて、そろそろお師匠が来るな。逃げようっと』

金吒『……あ………最後に質問に答えて下さいよ』

金蝉子『んう?』

金吒『……金蝉子様が考える、「世界」って、なんですか?』

金蝉子『…………ふふっ』


チュッ


金吒『……なっ!?』

金蝉子『……私にとっての世界ってのはね。……君がいて、私が居るところ。……ちょっと難しいかな?ふふ♪』

金吒『……意味がわかりません。……額にキスされたんも、意味がわかりません』

金蝉子『いやこれは雰囲気的にやっちゃえるかと思ってご馳走さまでした!』

金吒『…………』







金吒「……あの日からっ!!あの日から、ワイの世界は……ワイの世界は、金蝉子様なのに……!!!」

金蝉子「……キンタ君…」
536: 名無しさん@読者の声:2014/1/31(金) 19:00:07 ID:i7KyZYivcE
初恋の相手を一途に想い続けるキンタ君萌え
537: 名無しさん@読者の声:2014/1/31(金) 19:23:37 ID:oLh42ZgcPk
口封じされたひ
538: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/3(月) 22:55:55 ID:oq30b1amcE
三蔵「………ま、辛過ぎるわな。大事な誰かが死ぬ、ってのは」

悟空「……お師匠さま………」

三蔵「だから悟空このサバ折りだかベアハッグだかから師匠を解放しようか歯みがき粉のチューブみたいに口からなんか出そう!」

悟空「もう離さない、って強い意思表示です」

三蔵「じゅーぶん伝わったから離せ。お前の乳圧で死んだとあってはこの三蔵法師、末代までの恥だから」

悟空「お師匠さま、子孫とか残しゅ気……」

三蔵「噛むなよそこで」

悟空「鼻水が。えへへ」

金蝉子「……ほら、見なよキンタ君。………私だって、出来るなら此処に居たいよ?お師匠や、キンタ君と一緒に。………でも、あれを壊しちゃいけない。あれを壊したら、それこそ私を殺したアイツ等と同じ、弱虫になっちゃうから。………キンタ君は、弱虫なんかじゃないって、私は知ってるよ」

金吒「……………」

金蝉子「ほらキンタ君なら超絶美人の私より、もっともっと超超超絶美人をゲット出来るから!初恋なんて胸の端っこに置いとくもんさ!だから……」

金吒「………うるさい」

金蝉子「キンタ君」

金吒「うるさい煩いウルサイ五月蝿いっ!!!」

ゴオッ!!!

金蝉子「……っ!」

金吒「……んな事は解っとるわぁ!!!汚い手ぇ使ぉて天部のトップに立って、人を貶めて、騙して、追い込んで………殺して!!!………そんなん……そんなん!!!好きでやっとるワケ無いやん!!!楽しくない!!!辛い!!!苦しい……!!!」

金蝉子「…キンタく」

金吒「それでもや……それでもなんや……!!!……………三蔵法師………その身体ぁ、魂………ワイの全てでもって奪う!!!…………禁術・摩醯首羅(まけいしゅら)……!!!」

メキメキメキメキメキ……!!!

金蝉子「……なっ……!!?」

金吒「あ、ぐ、うぐ……!!!ぐぎ、ぐが……ぁ!!!」

メコメコ……ビキビキビキ……!!!

三蔵「うおえええ!?悟空なにあれ腕がたくさん生えてムキムキでデカイ!!!」

悟空「うえええ!?し、知りませんよぅ!こ、こーゆーのはシャオ君辺りが詳しいのにシャオ君居ないうわぁぁん!」

金蝉子「……大自在天………シヴァ、とか言ったかな……古の破壊神………それを自分に降ろす……こんな術を身に付けていたなんて……!!」
539: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/3(月) 22:58:38 ID:Ob84VVl/Cw
金吒「………魂を……金蝉子様に………!!!ぐう、ぉえ……!!!……ワイの……金、蝉、子、様ぁ……!!!」

悟空「…………!」

三蔵「うおおおこっち来る!!!ごく、悟空ほら何とかしろ!さっきの強そうな金色とかもっかい!………悟空?」

悟空「……………私だ」

金蝉子「……悟空ちゃん」

悟空「……さっきまでの、私だ。……そうだよ。誰が悲しむとか、誰が辛いとか。関係ないよ。……だって、居ないと嫌なものは、嫌だもん」

金蝉子「………それが、悪でも?」

悟空「………私、もともと大犯罪者だし。……そんなカッコになって、血を吐いて、それでも。それでも好きなんだよ、駄目なんだよ、この人は。おねーさんが居ないと」

金蝉子「……そう、だね」

悟空「だけど、ごめんね」

金蝉子「……うん。おねがい」

三蔵「ん?ん?」

金蝉子「はい君は危ないから下がってなさいな。っとに真面目が出来ないんだねぇさすが私の生まれ変わりだわ」


金吒「金蝉子様あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!」

悟空「……すぅ………!……伸びてっ!!!如意棒っっ!!!」














金蝉子『………ありがとう』
540: 名無しさん@読者の声:2014/2/4(火) 19:33:40 ID:oZHcI5iM.Q
・゜・(つД`)・゜・
541: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/5(水) 22:59:12 ID:fqlHB4D5jc

ビュオオオオオオオッ

八戒「ここは天界のどの辺じゃ?」

沙悟浄「……そんな外れの方じゃ無いと思うよ。なんとなしに見覚えがあるよ」

木叉「うわ実家の近くやん。ちょ、嫌やはよ通り過ぎて」

観音「……あああ………非常事態とは言え、手続きもせずに天界に入るだなんて………これ、誰が責任を……」

紅孩児「今更過ぎるでしょ、菩薩さん。だいたいこーなったのも天界の連中のせいで」

釈迦「いや、俺のせいだ。勿論責任は俺がとる。………方角はあっちだな。猪八戒、お前の言う通り、天帝宮を千里眼で視たら、僅かだが金蝉子の気配を感じた。……よく解ったな」

八戒「ふん。あーゆー小者は、宮殿やら玉座やらをヤケに好むからのう。彼処に居る公算は高いと思うておった」

沙悟浄「……天帝が匿ってるとしたら、あのガキも髑髏にしてやる……!!」

観音「ひえええ!?た、頼みますからこれ以上殺生は………きゃっ!?ゆ、揺れっ!?」

小龍「…あまり動かないで下さい。完全に定員オーバーなんですから。………重い……!」

虎力大仙「……そりゃ重いわよね、これじゃ」

羊力大仙「虎力、最近肥えたであるしな」

鹿力大仙「あー、毎日おかわりするもんな。よく噛まねぇから太んだよ」

虎力大仙「だって鹿力のゴハンが美味しいから………じゃないわよ!どう考えてもゴツいアンタ達二人のが重いクセに!あと太ってない!」

木叉「………なんでコイツら連れてきたん?」

紅孩児「彼女同伴の君にそんな言われ方される筋合いは無いね」

八戒「や、頭数は多い方が良い。別に此奴等、弱くは無いぞ?………すまぬな小龍。術を使うて、気を感じ取られ逃げられる可能性がある以上、力を使わず飛べるお主に頼る他無い」

小龍「…いえ。……そろそろ宮殿です。私も解る所まで来まし……………」

沙悟浄「ん?どうしたんだいシャオ?」

小龍「……あれ!!!あそこ!!!」
542: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/5(水) 23:02:02 ID:fqlHB4D5jc












三蔵「だからなんでお前帰り道わかんねぇんだよ!前に天界までひとっ飛び出来る的な自慢してたじゃねーか!」

悟空「だから下界から天界はわかるんですよ!上に飛べばなんとかなるし!でも天界から下界って、なんかこう、その………わかんないんですよぅ!」

三蔵「え?なに?天界って上に飛べば着いちゃうの?そんな簡単なの?」

悟空「……ふぅむ。つまり地面を割ればもしかして下界に」

三蔵「さらっとイカツイことを言うねお前………ん?なんか聞こえないか?」

悟空「ふえ?………あー、はい。………えっと……なんか叫んでるような………」


沙悟浄「旦那様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ」


三蔵「………俺はあの勢いで抱きつかれて、大丈夫なんだろうか」

悟空「あは。助けてあげたいですけど、私の方にもキッツいのが」


紅孩児「悟空ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううううううううううううう」


三蔵「………避けちゃダメだよなぁ。しゃーない、ふんばるか」

悟空「ファイトお師匠さま!私は避けますけどね」

三蔵「なんて奴だちくしょう」
543: 名無しさん@読者の声:2014/2/5(水) 23:38:03 ID:4ekbwKPOIw
なんかいい感じだな
544: 名無しさん@読者の声:2014/2/6(木) 04:26:10 ID:zL1WLCW5ps
最強は悟空でおk?

CCCC
545: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/6(木) 20:41:32 ID:v9eWSbnpzw
釈迦「………さて」

三蔵「わかった!わかったから悟浄、一旦離そうか!俺のアバラ骨はさっき悟空に抱きつかれた時点でもう限界でね!?」

沙悟浄「姐さんが良くてアタイがダメとかそんなん通るワケ無いじゃないのさ却下だよっ!すりすりすりすりすりすりすりっ!!」

猪八戒「……姉者、よう戻られた。この八戒、嬉しくて泣きそうじゃ」

悟空「えへへ………おおぅ、おっぱいとかお尻とかまさぐって来ないって事は、これマジ抱擁だね?えへへ、照れちゃうな、えへへ」

観音「……あら?玉龍、貴方は良いのですか?何をうつむいて…………ああ。そうですよね、うふふ。いつもクールな貴方が、そんなグチャグチャの泣き顔は見せられ痛い!?痛い痛いなんで蹴るんですか玉龍っ!?」

小龍「……黙らないと……えぐっ……その脚……ぐすっ……!!」

木叉「やー、これはのんが悪いで。男の沽券に関わる問題やし。……でもちょい蹴り過ぎちゃうかな龍神君?そろそろやめたげ……オイ止めぇやゴルァ!」

紅孩児「………悟空に避けられた…………避けられた…………」

鹿力大仙「そんな落ち込むことか?」

羊力大仙「慰めなくて良いのであるか?虎力よ」

虎力大仙「嫌よ。どー見てもワナじゃない絶対キスとかしてくるわよコイツ」

釈迦「……全然『さて』じゃなかったな、いつまで騒いでるんだお前らは。………三蔵法師」

三蔵「じゃあ悟浄、せめて腕を解放してくれ自由が………あん?呼んだ?」

釈迦「………金蝉子は、笑ってたろ?」

三蔵「……なんだよアンタ、見てたのか?」

釈迦「いや。でもコイツが無事なんだ。きっと金蝉子は、金蝉子を貫いただろうと思ってな」

金吒「……………」

釈迦「……まあだいぶ瀕死だけど。どうしたんだ、コイツは?」

三蔵「知らん。なんか致死量の呪を飲み込んでたから、とりあえず解いといた。……なんだよその目は」

釈迦「……また、自分を殺そうとした相手を助けたのか。呆れた奴だな」

三蔵「………まあな!」

釈迦「……………!」
546: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/6(木) 20:46:42 ID:tii46iCmxk
三蔵「あ、離してもらえた!……うおお、背骨がパキパキ言うぜ……!」

沙悟浄「……………」

虎力大仙「……?なに後ずさってんのよアンタ」

沙悟浄「………旦那様が……カッコ良くて………まぶしい………!」

虎力大仙「……はあ?……ただドヤ顔してるだけじゃない、むしろ軽くムカつく顔だけど」

八戒「……小龍」

小龍「……ぐすっ………は、はいっ?」

八戒「………どうやらワシは今、ものすごく誇らしい気持ちじゃ。……お主は、どうじゃ?」

小龍「………はい。悟能様がそうなのですから、勿論この小龍めも」

八戒「……そうじゃな♪」

悟空「えへへ…………ん?……ん?ん?あれっ?あれぇっ?ええええええっ!!?」

三蔵「うっせぇなどうしたんだよ。口の中に毛でも生えてきたか?」

悟空「なにそれ怖っ!じゃなくて、無い、無いのっ!……輪っか!緊箍児が無いよぉっ!」

沙悟浄「あ、ホントだ」

八戒「さっきまで着けとらんかったか?」

悟空「お師匠さまっ!?」

三蔵「いや俺じゃねぇよ?そもそも外し方知らねーし」

悟空「そんなものを私に着けてたんですか!?ただの呪いの装備だよそれじゃ!」

三蔵「そのつもりだったんだが」

悟空「うわひどい」

小龍「……悟空さん。額に、何やら文字が」

悟空「えっ?なになに読んで怖い怖い」
547: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/6(木) 20:49:02 ID:tii46iCmxk




『これは、わたしの♪』




悟空「え?だけ?」

小龍「……だけ、です」

釈迦「………く、くく……………あははははははははは!そうか!流石だ!あははははは……!」

観音「釈尊?」

釈迦「あははは……!なあ観世音、法に照らせば、金吒……前部護法だが、死罪までは行かずとも追放は免れないだろう?」

観音「えっ?あっ、えと、そうですね。私だけで決める事ではありませんけど、まあ大体追放か封印か……もっく……オホン。私の一番弟子の兄君でもありますから、私もあまり厳しい刑は望みませんが……」

釈迦「ならばコイツは俺の預かりにしてもらう。一応これも弟子だしな。………俺はコイツを連れて、金蝉子を探しに行く」

木叉「……どぉゆぅコトです?だって金蝉子様は……」

釈迦「いや、いる。もう三蔵法師から、金蝉子が剥がれている。……なのに緊箍児を持っていきやがった。……ふふふ………この天地の外か、そのまた外か。魂すら持たんアイツが何処に居るのか、わからないが………探すよ。兆の朝日を跨いででも」

観音「………はあ…………?いやいやいや!ダメですよ何言ってるんですか釈尊!?貴方は仏門の祖、釈迦如来ですよ!?仏陀ですよ!?仏様ですよ!?この天地を、衆目を導く役目が…!」

釈迦「それは大丈夫だ。後任が居る」

観音「……まさか、私とか言わないで下さいよダメですよ他の菩薩もみんな反対するに」

釈迦「……徳は十二分、そして立派な弟子も居る………ま、ちょっと若いが、そこは周りがフォローしてやつてくれ」

悟空「お師匠さまぁ、もっかいアレ下さいよぉ!なんかもう着けてないと落ち着かない!」

三蔵「尻尾でも巻いとけよもう無ぇよ」

釈迦「……頼んだぞ、玄奘三蔵法師。………いや、三蔵如来!」

三蔵「………は?」

一同「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!?」」」
548: 名無しさん@読者の声:2014/2/6(木) 20:52:42 ID:6KdyPMHBok
ええええええええ!
超展開!三蔵かっけぇぇ
549: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/8(土) 18:48:13 ID:wqSY9IHfd6








木叉「……せやから、警備になんぞ人員回すな言うたやろ!人手がカツカツやって理解せぇや!くっだらん報告しとる暇があんねやったら、動け動け働けっ!」

天兵「はっ、すみませんっ!」

木叉「おお!良い返事や!お前は見所があるわ!」

天兵「は、はっ!勿体無きお言葉!」

木叉「よぉしお前なら心配無いな、じゃ後頼むわ!」

天兵「はっ……って、ちょ、恵岸行者様っ!?人手が足りないって仰った直後に逃げないで下さいよドコ行くんですか!」

木叉「……い、一服や一服っ!外でタバコちゃん吸うてくるだけや!ヤニが切れてんねんニコチンが不足しとんねん!ついてくんなや、しっしっ!」

天兵「じゃあ何も外に行かなくても、城内に喫煙ブースが………って、クソもう居ねえ!」







木叉「………ぷはぁぁあ………あーアカン、向いてへんわこぉゆぅ仕事………外で好きにやるんが一番や………イケ好かんアニキやったけど、こんなんよぉ仕切っとったわ、ちょい尊敬してまうわ……」

太上老君「ほっほっほ。流石の木叉君も苦手があったようぢゃの。うむ、居なくなって初めて解る、その者の価値よ」

木叉「……ジイさんも暇なら手伝うてや」

太上老君「嫌ぢゃよ、儂、お客様ぢゃもん。観音はどうした?」

木叉「のんものんで忙しいねん。……なぁにがお客様や、全部終わった後にヒョコッと現れよってからに」

太上老君「………ほっほ。この太上にも読めん顛末、なんと面白きか、運命とは。………いや、儂如きが、人の運命を語るが間違いぢゃったか。ほっほっほ」
550: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/8(土) 18:52:05 ID:4mSTeKqnNA
木叉「あぁ?なんの話やねんボケたんか?あ、せやジイさん、ナタ見んかったか?あんのアホ、元々宮仕えのクセに、仕事もせんとドコほっつき歩いて……!」

太上老君「ん?中庭の花壇で見たぞい?なにやらアンニュイな顔で……………おお、俊足ぢゃのう。……ほっほ、此程の者が居るならば、天はまだまだやり直せる。………のう、釈迦如来よ」








哪吒「………スキ……キライ……スキ……………うん、これは無しやね。なんや花びらが一枚足りへんかった気がする。うん」

木叉「……………」

哪吒「……も、もう一度や。……スキ……キライ……スキ……キライ……スキ……キライ……!ス、ス、ス、スキ…!!あぁぁん……ウチも、す、す、す、好き………きゃあああんっ♪」

木叉「………うわあ」

哪吒「きゃあああんっ!?あ、兄様!?い、いつからそこにっ!?……な、なんやのんそのジト目は!それ可愛い妹に向ける目ぇと違うえ!」

木叉「……弟が気持ち悪くクネクネしながら花壇を荒らしとったら、大抵の兄貴はこんな目になるっちゅーねん。え、なに気持ち悪い。働けて叱りに来たんやけどもぉエエわ気持ち悪い」

哪吒「三回も言わんでエエやん!気持ち悪く無いもん!あと弟や無いって何度………あ、そぉなんや。そぉかそぉか、兄様あれやろ?嫉妬しとるんやろ?シスコンやなぁ兄様は、もうっ♪」

木叉「心の底からなんの話やねん」

哪吒「……でももうなぁ?ウチ、兄様好き好き、ってのから卒業すんねん……うん、そぉや……オトナになったんや………恋を、知って……!」

木叉「なんやつまり、最近顔見んと思てたら、恋患いかい、気持ち悪っ」

哪吒「ふん、兄様はそぉやって悪口ばっかり言うてればエエわ。………ウチは……ウチの心は………もうあの御方の虜や……♪」

木叉「アカンこの世のモノとは思えんレベルで気持ち悪いクネクネすんな。……で、そのお前に好かれた可哀想な奴は、誰やねん」

哪吒「………凛々しいお顔………白く透き通った肌………甘く優しいお声………でも、氷の様に冷たい、その眼……………!」

木叉「……あー、成程…」

哪吒「……シャ、シャ、シャ、シャオ、様ぁ……♪きゃあああんっ♪御名前を口にしてもうたっ♪恥ずかしいっっ♪」

木叉「……龍神くん逃げて超逃げて」
551: 名無しさん@読者の声:2014/2/8(土) 22:31:41 ID:6LYyU.x/2k
うわあ……
シャオくん乙

支援!!
552: 名無しさん@読者の声:2014/2/8(土) 23:05:22 ID:fjpGsvxB0Q
あぁ……
超逃げて

支援
553: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/9(日) 11:16:09 ID:lH9DHWJB16
観音「貴方は逃げないでください、まったく!」

木叉「うおっ?」

観音「現場を放棄してなにしてるんですか!どうして貴方はいつもいつも……」

木叉「の、のん………いやほらボクは、このアホを連れ戻そうとやな」

哪吒「観世音お姉様ぁ、兄様がウチんこと、『気持ち悪い気持ち悪い』てイジメるんどすえ?ウチもう悲しゅうて悲しゅうてぇ」

観音「お、おねえさま……!もっくん!ダメじゃないですか可愛い妹を!前部護法さんが居ない今、たった一人の兄君なんですから貴方は!」

木叉「のん騙されたらアカン!それは男や!キノコのこの子元気の子や!エリンギ舞茸ベニテングや!ちゅーかのんにくっつくなボケェ離れろっ!!」

哪吒「なんやのん。未来のお姉様と仲良ぉするんが、何がアカンのん。ねぇお姉様?」

観音「そ、そうですよねぇナタちゃん♪うふふ……♪」

木叉「こんのカマガキ……!弟と言えどそれ以上くっついたら真っ二つに……!」

観音「…はっ!そうです、私まで油を売るわけにはっ!もっくん、貴方も早く会場に戻って下さい!料理もお酒も足りないって、もう修羅場ですよ!」

木叉「………だから呼ばんほぉがエエって言ったやん、あの人等は………」










牛魔王「おい酒だ!あぁ邪魔臭ぇ、樽で持ってこい!」

給仕「あ、あの、平天大聖様……?まだ開宴前ですので、その、あまり……」

牛魔王「ああああん?テメェらが呼んどいて、何ふざけてんだ?……良いんだぜ?俺ぁ今から天帝の首ぃ狙ったって。クククク……!」

給仕「ま、またそんな、ご、御冗談を……」

ドオォォォォォォォォォォォオンッ!!!

牛魔王「……おお悪ぃ。手が滑って、壁ぇ壊しちまった」

給仕「た、た、た、樽だっ!備蓄分すべて出せえっ!」

牛魔王「……フン」
554: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/9(日) 11:18:23 ID:lH9DHWJB16
給仕「こちら、天鴨の薫製でごさいます。柑橘のソースにてお召し上がり下さいませ」

鉄扇公主「……ふぅん…………あら、へぇ……。不味いわ。別のを頂戴な」

給仕「はい、合わせるとしたら白ワイン、それも最高級の………って、はい?」

鉄扇公主「不味い、と言ったのですわ。ウチの鹿の料理の足元にも及びませんわね。べ、つ、の、を、頂戴?」

給仕「や、あの、でももう10回は……!ひっ!?」

鉄扇公主「………無駄な事を宣う、邪魔そうな口ですわね?首から落としてサッパリさせて差し上げても良くてよ?」

給仕「ちゅ、厨房っっ!つぎ、次の料理をっっ!」



玉面公主「……ねぇ、どう?お給金なら、今の倍は出すわよ……?あそこのオバサンは文句ばかりつけてるけど、貴方なかなかの腕よ……」

料理人「いやちょっと、調理の邪魔なんですけど」

玉面公主「……どうせこんなとこに居ても、城仕えの料理人じゃ、先は無いでしょう…?玉の経営する高級酒家でなら、今すぐにでも料理長……いえ、のれん分けして、自分の店を持つことだって……」

給仕「おおい追加だっ!なんだスピード遅いぞなにやってんの!」

料理人「だって、だってなんか幼女が邪魔してくるんだよぉっ!」









観音「………まあ確かに、忙しさの殆どは彼等のせいかもですけど………」

木叉「いくら今回の件に絡んどるからって、この世でもっともパーティーに呼んだらアカン家族やろアレは……」
555: 名無しさん@読者の声:2014/2/9(日) 11:48:16 ID:QHnE6yOsIM
玉ちゃんがダントツでましだな
556: 名無しさん@読者の声:2014/2/9(日) 11:55:08 ID:6KdyPMHBok
むしろ俺が働きに行こうか

557: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/9(日) 18:24:16 ID:4mSTeKqnNA
木叉「……ぜぇ、ぜぇ………で、のんは何しててん?」

哪吒「……はぁ、はぁ………ひどいわ兄様、力尽くやなんて……!ウチまだ腕の怪我で本調子やないのに……!」

観音「ケ、ケンカは………わ、私は仕事ですよ!宮殿付近の街に宿を取ってる玄奘三蔵達を、迎えに行くんです!………天界内ではワープ出来ないのがネックですよねぇ、ふう」

木叉「アイツらも面倒やのぉ、『宮殿とか堅苦しくて泊まりたくない』とか抜かしよって。あ、ほんならボクも行こうかな、猪八戒さんにスピーチ頼まんと」

哪吒「シャ、シャ、シャ、シャオ様いらしてるん!?ウ、ウ、ウ、ウチも行くっ!ウチもっ!」

木叉「お前何日も仕事に顔出さんからそんなんも知らんねんアホ……また腕落とされても知らんで」

哪吒「あの御方なら構わへん…!むしろ落として落として斬り刻んで…!」

木叉「うわあキモいキモいサブイボが出る」

哪吒「なんやのんこのチャラ男!」

木叉「チャラ男ちゃうわオカマ男!」

観音「ケンカするならついてこないで!」







木叉「………まぁたエッラい高価い宿選びよってアイツら」

哪吒「……こ、ここにシャオ、シャオ様がが………!な、なぁ兄様っ!髪とか、服とか、変やない?ウチちゃんと可愛い?いつも通りラヴリー?」

木叉「……いつも通り変や。変な人や」

哪吒「ひどい!」

観音「……ううぅ………」

木叉「どないした?部屋どこかわかったか?」

観音「……うん………ねぇもっくん、ここの支払いって、経費で落ちるよね……?」

木叉「……どぉやろ。元々宮殿に泊まらせるつもりやったしなぁ。なんで?いくら良い宿や言うても一晩やし……」

観音「……先に払っておこうとフロントで訊いたらね………これ……」

木叉「請求書やん………うえええ!?な、なんやこの額!?……このありえへん出前の数は、悟空さんか………コンパニオン代金……?猪八戒さんやな………!あ、壁やら窓やら壊した弁償まで……」

観音「お、おこづかいが無くなるぅ……!」

木叉「ボ、ボクも手伝うさかい……!」
558: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/9(日) 18:27:48 ID:4mSTeKqnNA
哪吒「なぁなぁ、はよお部屋へ………なんやのん二人して固まって。………ん?なんや安いモンやん。エエわウチが払ったるわ、せやからはよっ!」

観音「ナ、ナタちゃんおかねもち………!?」

木叉「くっ……!実家住まいめ……!」






コンコンッ

木叉「おーい三蔵さーん。木叉やー。起きとるかー?」

観音「……どうしたんですかナタちゃん?そんな隠れて」

哪吒「………は、は、恥ずかしくなってきたたた……!そ、そぉや手のひらに、『呪』って書いてそれを飲んで…!」

木叉「なんの儀式やねん、それ。……なんや寝とるんか?でも気配はあるしなぁ………。カギは………開いとるやん。もう入るでー?」

ガチャッ

虎力大仙「このスカート可愛くない?後で買いに行こうよ、天界なんてあんま来れないしさ」

紅孩児「うーん、ヒラヒラしたの苦手なんだよね……それより良いスパがあるらしいから、そっちの方が」

虎力大仙「アンタの前で水着ぃ…?」

紅孩児「いやいつもビキニじゃない虎力さん」

羊力大仙「ぐぬぁぁあ!また負けたである!」

鹿力大仙「弱ぇなあ、羊力」

羊力大仙「じゅ、十を超える足し算すら出来ぬクセに、なんで将棋がこんな強いのであるかお前は!」

鹿力大仙「足し算カンケー無ぇだろよ。良いか羊力、このビューンと飛べる奴はだな、あんまり大事に使っても意味無ぇんだよ、それとこのピョンっと動く奴は…」

羊力大仙「ええい駒の名前をちゃんと呼べ!わからんである!……知力の勝負で鹿力に負けるとは、なんと悔しい………!」



木叉「…………なにしとんねんお前ら」
559: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/9(日) 18:30:21 ID:oq30b1amcE
紅孩児「あ、木叉くん。………なにって……ボクと虎力さんは今日の予定を立ててたんだけど。父上達と一緒は嫌だし」

虎力大仙「鹿力と羊力は、見ての通り将棋指してるけど。ちなみに鹿力の三連勝」

木叉「うわあエグッ、駒ほとんど取られとるやん……やなくて。え?三蔵さん達は?」

紅孩児「下だよ?」

観音「した?……え、でもフロントには誰も……」

紅孩児「違う違う、しぃた。下界。たぶん西域の外れあたりかな?」

木叉「……………は?」

紅孩児「三蔵さん、めんどくさいから嫌だってさ」

観音「な、な、な………!?」

虎力大仙「エロ豚より伝言。『ワシもう下のが居心地良い。じゃあの』だって」

鹿力大仙「龍のチビから伝言だ。『誰が天界なんかに。戻るわけ無いでしょう』……嫌われてんなぁ、お前ら」

羊力大仙「沙悟浄殿から伝言である。『旦那様が嫌って言ったら嫌なんだよ!諦めな!』だ、そうである。これは無理であるな」

紅孩児「最後に悟空から。『ゴハン美味しかったよ!ごちそーさま!』………と、これは別に伝えなくても良いか、ふふっ」

観音「な、な、な、な、な、なぁぁあ……!?こっ、困りますっ!!も、もう新如来を祝う宴の準備も、てゆーか今日だし、い、い、今更そんな、えええええええ!!?」

哪吒「ちょっとどーゆーコトなん!?シャオ様はっ!?ウチのシャオ様は何処っ!!?」

鹿力大仙「あん?だから下界だって」

羊力大仙「ちょ、テーブルを揺らすで無いっ!今回こそは勝てそうなのだ!」

虎力大仙「……いやもう詰みでしょこれ。ちょっと次私とやりましょ鹿力」

木叉「………は、ははは……なんて奴等や……仏の座ぁ捨てよった………」

紅孩児「そんな驚くコト?僕としては予想通りだけど」

木叉「……せやな、うん。………エエのん?紅孩児ちゃんとしては、悟空さんが一所に居着いてくれた方が、安心とちゃうの?」

紅孩児「……ふふっ。そんなことないさ。………じっとしてる女なんて、つまらないじゃない」

木叉「…それ、男に向けるセリフやろ。………くく、ははは……!流石や、三蔵一行…!」
560: 名無しさん@読者の声:2014/2/9(日) 19:58:06 ID:4nmsSbrheY
終わっちゃうのね…(´・ω・`)
支援!全力で支援!!
561: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/10(月) 22:49:28 ID:BL1IQ1ozDA





ピィ……ヒョロロロロ………


八戒「………お、トンビじゃ。………んんぅ、良〜い陽気じゃのう…♪」

三蔵「………ソーデスネ」

八戒「どうした?浮かない声を出しおって。陽は暖かく、道もなだらか。言うことの無い旅日和じゃぞ?」

悟空「……さすがに……二日酔い………うぉえ……!」

沙悟浄「宿を出た時ゃ、まだ酔ってたんだねアタイら………うう、日差しが気持ち悪いぃ……!」

三蔵「時間が経つにつれヤバイな………は、はやく次の町に……!」

八戒「なっさけないのう、あれしきの酒で。蹴ったとは言え、仏とその弟子の座まで上り詰めた者とは思えんの。ワシと小龍以外」

悟空「シャオくん飲んでないじゃん………ふーん、そゆこと言うんだ八戒ちゃん………悟浄ちゃん、そっちからね」

沙悟浄「……あいよ姐さん。シャオ、悪いね」

小龍「…はい?」

悟空・沙悟浄「こちょこちょこちょこちょっ!!!」

小龍「…わ、脇腹、やめ、やめて下さっ……あは、あははははっ!!!」

八戒「ぬあっ!?ゆ、揺らすで無い小龍っ!頭が、頭がグワングワンって、おえっ、吐く、吐くぅっ!」

悟空「どーだ参ったか!一人だけシャオくんの背中で楽してた罰だよっ!」

沙悟浄「シャオもシャオさねっ!あんま八戒姐さんを甘やかすんじゃないよツケ上がるからっ!」

小龍「わか、わかりま、ひぃうっ!?そ、その円を、円を描くような動、きひぃ……!!やめ、やめて、うぁぁううっ……!」

八戒「吐く吐く吐く………おぉえ……や、やっと止まった………!お主ら、悪ふざけも大概に………ん?なんじゃ?何を赤くなっとる?」

悟空「…………シャオくんの声がエロ過ぎて、なんかイケないコトをしてるよーな気分に」

沙悟浄「ア、アタイも………ち、違うんだよ旦那様っ!これは浮気心とかじゃないからねっ!?」

三蔵「白馬の姿なのに色っぽいとか、もう称賛に値するぞ小龍」

小龍「……黙っ……ゼェ………死ん…………ハァ………!」

八戒「………元気ではないか、皆」
562: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/10(月) 22:54:24 ID:lH9DHWJB16







悟空「あー、なんか騒いだら楽になった!そしてお腹空いた!」

三蔵「いやまだ師匠は頭ガンガンしてるんで大声出すな」

小龍「…街道まで出れましたから、夕刻迄にはどこか町に着けるでしょう。…もう私に乗って空から行きますか?そうすれば今すぐにでも」

沙悟浄「………あ、そっか。もう別に徳を積むだの苦行だの、関係無いんだよねアタイら。飛んじゃえば早いねぇ」

八戒「徒歩が習慣になっておったからの。ふむ…」

悟空「………いーよ。歩こ?……今までみたいに」

沙悟浄「……だね♪」

八戒「ほほほっ………ま、急ぐ旅では無いどころか、単なる根なし草じゃからな」

小龍「…はい」

三蔵「うん、歩こう歩こう」

悟空「ありょ、お師匠さまのコトだから、『えー、俺は楽したい』とか言うと思ってましたよ」

三蔵「とりあえず今は歩こう。…………この体調で空なんて、確実に小龍の背中にゲロ吐く。色んな意味でそんな事は出来ねえ」

悟空「相変わらず台無しにしますねぇ、お師匠さま」

沙悟浄「で、町には行くとして……その後どーするんだい?いくら自由な旅でも、なんとなく目的地くらい欲しいじゃないのさ。まあアタイは、旦那様と一緒ならどこだって構わないけどねっ!」

小龍「…下界は広いですからね。大陸の外れ辺りは、天界ですらあまり関知してないですし」

八戒「そうじゃの。……更に西域と言うのも面白いぞ。なんでも西の果てに住むオナゴは、皆真白い肌に青い眼、そして乳が異様にデカイと聞く。………あ、ワシそこ行きたい」

悟空「また八戒ちゃんは……」

八戒「本場の西域料理は、頬も落ちる美味とも聞くの」

悟空「お師匠さまそこ行こう」

三蔵「お前は本当に清々し」

「見つけたぁ!!三蔵法師とその一行っっ!!!」
563: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/10(月) 22:56:19 ID:lH9DHWJB16
三蔵「……い?」

甲冑姿の妖怪「くははははは!俺様にもツキが回って来たぜ!こんな田舎に、噂の三蔵法師が現れるなんてなぁ!野郎共、生け捕りだ!坊主以外は殺して構わねぇ!」

悟空「うわ、なんか懐かしいなこーゆーの」

八戒「一度出回った噂は、そうは消えんからのう。ましてや食えば不老不死、じゃ。これからも襲われるじゃろ」

沙悟浄「身の程知らずのザコが………誰の夫に手を出そうとしてるか、解らせてやらないとねぇ…!」

小龍「…はい、では夫さんはまた捕まらないように、そこで小さくなってて下さい邪魔です」

三蔵「うん夫じゃないよ?よしお前ら頑張れ。でも早く町で休みたいから、ちゃちゃっと終わらせてね」

悟空「守り甲斐がないなぁ、あはは」

甲冑姿の妖怪「なに和気あいあいとくっちゃべってんだテメエらっ!!……この百眼魔君を嘗めた事を後悔させてやるぜ……!!野郎共、やっちまえっ!!!」

手下妖怪「「「キシャァァァァァアッッ!!!」」」

八戒「ほほ、天蓬元帥猪悟能じゃ。英雄すら砕いた、この九歯馬鍬が剛撃……受けてみよ!」

小龍「…その従者、小龍。…おとなしくしていれば、火傷くらいで済みますよ?」

沙悟浄「捲簾大将沙悟浄っ!髑髏になりたい奴から、さあっ!かかってきなっ!」

悟空「…すぅ……斉天大聖、孫悟空!お師匠さまに、近付くなっ!」












三蔵「…岩から尻が生えている」

〜劇了〜
564: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/10(月) 23:00:49 ID:uIkRHsGkQI
本編終了しました長かった。

あとはその後を好きに書きます、ほら放送終了後のスペシャル版的なそんなのを。まだスレ全然埋まってないし。

とりあえずここまで暇潰しになったんなら良いじゃない。笑えばいいじゃない。踊ればいいじゃない。
565: 名無しさん@読者の声:2014/2/10(月) 23:03:09 ID:JV4RvwNaJ2
88888888888888888

お疲れ様でした!!
楽しさいっぱいありがとう!!!

構成が素晴らしすぎました
登場キャラみんな大好きです
566: 名無しさん@読者の声:2014/2/10(月) 23:24:08 ID:Pox5T6T4nQ
うわぁぁぁー!
お疲れ様です!
初期のころからすごく楽しませていただいてました!

567: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 05:37:23 ID:eoaH/rfMJ.
終わっちゃった・・・!

お疲れ様でした、楽しませていただきありがとうございました!

スペシャル的な何かも楽しみにしてますね

ヨシュアさんと登場キャラクター全員に愛をこめて
つ愛
568: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 06:04:34 ID:4nmsSbrheY
( ゚∀゚)o彡°メイド服!メイド服!
569: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 06:54:56 ID:9a7vRiwYwA
終わるのがツライ…!!毎日毎日、更新状況を見るのが日課でした。
スペシャルも楽しみにしていまっす!
570: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 07:38:44 ID:OHenw44lQM
非の打ち所がないくらいストーリーがまとまっててキャラクターの個性があって面白かったです!
後日談も楽しみにしてます!完結おめでとうございます!
571: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 10:29:50 ID:N4jwCkModw
寂しくなるなぁ…
毎日のように更新チェックしてました 楽しかったです

お疲れさまでした!
572: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 14:32:12 ID:ebWBTeFZA2
乙です!
最後まで楽しめるSSだった
その後の話にも期待C
573: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 15:45:06 ID:j5u3Ryt06o
お疲れさまでした!
毎日ストーカーのように待っていました。大好きでした。
スペシャル、そして劇場版を楽しみにしてます!
574: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 15:58:42 ID:Mhq9Aeg83A
お疲れさまでした!
シャオくんがかわいかっこよすぎてメロメロでした。

スペシャル版にはシャオくんのお話もあると嬉しいです!全裸待機も厭いません
575: 名無しさん@読者の声:2014/2/11(火) 18:51:51 ID:N.Cc/SbodU
これ龍さんにお願いしてまとめの方に載せてもらえないかなあ…
576: ヨシュア【なんとなく劇場版っぽい感じで】 ◆.frSdr10QQ:2014/2/12(水) 22:37:38 ID:qW1jDNSU42


〜下界〜


妖怪「こ、黄眉大王さまぁっ!!」

「…………」

黄眉大王「……貴様………!!」

ドカッ!!!

黄眉大王「………がはっ……!?」

「…………」

黄眉大王「はぁ……はぁ………もはや我等牛魔は、三蔵法師より手を引いたのだぞ………なんのつもりで」

グチャッ!!!

黄眉大王「ぐあああああ!!?…………な、何故だ………」

「………キキキキ……!」

黄眉大王「……孫……悟空………!!」







別伝『孫悟空 対 孫悟空』







悟空「………むううううう……!」

八戒「な、なにもそんなに膨れんでも良いじゃろ、姉者……」

沙悟浄「……いや、姐さんの怒るのも無理ないよ。全く……シャオ、アンタが付いておきながら、どぉゆぅコトだい……!」

小龍「…返す言葉もありません……」

三蔵「しかし困ったな。もう暗くなるってのに………」
577: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/12(水) 22:42:27 ID:wqSY9IHfd6
三蔵「……無一文のスッカラカンになっちまったとは」

悟空「全財産バクチでスるとか、どーかしてるよ八戒ちゃんっ!」

八戒「と、途中までは勝っとったんじゃ!あそこで、あそこであの馬さえコケなければ……!」

沙悟浄「財布を姐さんに預けてたのが間違いだったねぇ………はぁ……」

悟空「今夜のゴハンがぁぁぁあっ!」

八戒「そ、そう怒鳴るでない……」

小龍「…あの、その、悪気は、決して悟能様に悪気は無かったんです…!止めなかった私こそ責任が…!」

三蔵「いや考えてみたらお前が八戒止めるわけ無いしな。完全なイエスマンだもんな」

小龍「………あう」

八戒「……の、残り少ない路銀を、じゃの?こう、その、数倍にして皆を喜ばせようと、じゃの?そ、そうじゃ善意じゃ!良かれと思ってやったことで、結果はともかく」

悟空「………八戒ちゃあん………!」

沙悟浄「それ以上、腹ペコの悟空姐さんを刺激しない方が良いよ、八戒姐さん」

八戒「………あう」

三蔵「ま、とりあえず罰をうけて貰おう。はいコレっ」

八戒・小龍「………?」
578: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/12(水) 22:44:24 ID:wqSY9IHfd6







八戒「……し、師匠殿…?この、メイド服以上にヒラッヒラで動きにくい衣装は、なんじゃ……?」

小龍「…私のコレも……首とか、肩とか……窮屈なんですが……」

三蔵「ゴスロリ&タキシードだ!細やかな装飾が匠の技だろっ!」

沙悟浄「うわぁ姐さんお人形さんみたいじゃないのさ。ぷくく……!」

悟空「お師匠さまの裁縫も神憑って来ましたね!これはヨダレもんだよシャオくん!」

三蔵「眼福かつ皆の機嫌も和やかにする、さすが俺っ!」

八戒「………ぐ、今は立場が弱い………!文句が言えん……!」

小龍「……これは、存外に恥ずかしいです……!」

三蔵「さて。現実逃避はこのくらいにして、なんとか飯と宿にありつかねーと……」

観音『………玄奘三蔵……玄奘三蔵………聞こえますか……』

三蔵「おっ。観世音様、良いところに」

観音『えっ』

悟空「ナイスタイミングですよ観音様っ!」

観音『えっ、えっ?な、なんです?』

三蔵「すんませんけどカネ貸して下さい」

悟空「返すアテはありませんけどお願いします」

観音『いきなり借金の相談って、私そこまで嘗められてるんですか!?』
579: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/13(木) 21:40:16 ID:BvessgMNn2
悟空「おねーさんっ!コレとコレとコレと……いいや!頼んだやつ全部おかわりっ!」

女給「え、あ、はいっ!えっと……」

八戒「あと老酒も追加じゃ。あー、瓶のままで良い良い」

小龍「…焼き菓子でなにかオススメありますか?」

女給「ちょ、ちょっとお待ちを……!」

観音「………た、頼みますね……!まさか毎晩、こんな感じなのですか……?」

三蔵「まあ見てのとーり、これじゃ路銀もガンガン減るってもんですよ。そもそも俺等、特に収入が熱い!悟浄そのシューマイまだ熱い!」

沙悟浄「あんゴメンよぅ旦那様っ♪ふーっ、ふーっ……はい、あーん♪」

観音「…………」

八戒「どうした観世音?ほほ、彼氏でも思い出して、恋しくなったか?」

観音「なっ!?そ、そんなことありませんっ!」

八戒「無理するでない無理するでない。最近忙しくてなかなか会えんのじゃろ?欲求不満は辛いからのう。わかるぞい」

観音「ど、どうしてそれを……!?」

小龍「…欲求不満な菩薩とか…」

沙悟浄「信仰してる奴らが不憫極まりないねぇ」

観音「よ、欲求不満じゃありませんっ!あ、アナタ達、人にご馳走になっておいて、なんですかその態度はっ!特に猪八戒っ!貴女が賭博なんかで無駄遣いしたから困ってたんでしょう!?もっと反省の色をですねぇ!」

八戒「るっさいのう………このくらい屁でも無いじゃろ?観世音菩薩……いや、観世音如来代理?」

観音「っ!!?」

小龍「…昇格されたらしいですね、良かったじゃないですか」

沙悟浄「で、それに伴って恋人の木叉の野郎も、実質上天帝宮統括まで出世したとか。あの軽薄に勤まるのかねぇ、そんな上役」

三蔵「だいぶ儲けてるらしいから、躊躇なくカネの無心が出来ました」

悟空「あむあむ………っくん。お金持ちを見つけたらとりあえずタカれ、って習いましたからね。お師匠さまに」

三蔵「仏法の基本だな」
580: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/13(木) 21:43:10 ID:AO31P0pYAc
観音「ナニを大ウソ教えてるんですか玄奘三蔵!やっぱ貴方が如来にならなくて良かった!じゃ、じゃなくて………な、なんで……?それまだ内々の事で、一部の者しか知らない筈なのに……!」

八戒「最新号に書いてあったのでの」

観音「………さ、最新号?」

八戒「……ええと、これじゃこれじゃ。ほれ」

観音「手紙……?ええ…と……『愛しのシャオ様へ』『貴方のナタより』………こっ、恋文じゃないですかコレっ!」

八戒「まあ、そうとも言うの」

観音「……うわあ、ホントだ………コッチの事情が事細かに書いてある……」

悟空「観音さま、麻婆豆腐が得意料理らしいですね!私も食べたい!」

観音「そ、そんなことまで!?……うー、でも恋するナタちゃんに悪気は無いし………あ、でも玉龍、偉いですねえ。『いつもいつもお返事を頂く度、御達筆に惚れ惚れ致しております』って書いてありますよ、ふふ♪ちゃんと返事を送ってあげてるんですね、まあ他の者に読ませちゃうのは良くないですけど……」

小龍「………?」

八戒「ああ、ちゃんと書いとるぞ。ワシが」

観音「なんで!?」

八戒「なんで、って……小龍はワシの所有物じゃからして、それはつまりワシに来た手紙じゃろ?天界(うえ)の様子も知れて、なかなか面白い文通じゃ。のう小龍」

小龍「…はい。天部もたまには役に立つんですね」

観音「な、な、な……!?げっ、玄奘三蔵っ!孫行者!沙和尚っ!?アナタ達っ、まさかこんな非道を知りながら、見過ごしてっ!?」

三蔵「んなこと言われましても……なあ?」

悟空「八戒ちゃんとシャオくんだからねぇ……」

沙悟浄「あのガキが男だとかそーゆーコト以前に、惚れる相手を間違えたね。ご愁傷様」

八戒「む、この魚、骨が鬱陶しい。小龍」

小龍「…はい、お待ちを」

観音「……な、なんて可哀想なナタちゃん……!」
581: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/14(金) 21:59:17 ID:QHnE6yOsIM
三蔵「ま、ま、とりあえず飲みましょう観世音様」

観音「うう……もう私、可哀想過ぎてナタちゃんを直視できない……」

八戒「で、なんなんじゃ?」

観音「……はい?」

沙悟浄「はい?じゃないよ。アタイらに、なんか用があったんだろう?」

悟空「もぐもぐ……え?お金くれにきたんじゃ…はふはふ……ないの?」

観音「あげたワケじゃありません貸したんですっ!そ、そーでした、大事な用件を忘れてました……!」

小龍「…忘れる程度の用件なんですね」

観音「ねぇそんなに私が嫌いですか玉龍!?私が何をしたと!?………おほん。…孫行者」

悟空「むぐむぐ………ふぁい?」

観音「貴女に逮捕状が出ています」








紅孩児「………へぇ。あちこちで悟空が暴れてる、って聞いては居たけど」

「……………」

紅孩児「………ここまで瓜二つとは、ね。物凄い精度の変化術だよ」

偽悟空「………ギュウマオウの子、コウガイジ……」

紅孩児「これは光栄だね、僕もボチボチ名が売れてきたかな?なるほど、見た目だけじゃなさそうだね。各地で名のある仙人や妖仙を潰しただけはあるかも」

偽悟空「………キキキ…!」

紅孩児「黄眉大王殿……牛魔が一味に手を出したのが運のツキだよ、ニセモノさん。牛魔の流儀によって、我が火炎槍が焔を受けて貰おう」

虎力大仙「………本音は?」

紅孩児「悟空のニセモノとか超欲しい悪戯したいお持ち帰りしたい!」
582: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/14(金) 22:01:21 ID:QHnE6yOsIM
虎力大仙「珍しく管轄外に出張ると思ったら、やっぱりそぉゆぅ……」

紅孩児「だって虎力さん!いま悟空西の外れなんだよ?父上が居ないから仕事忙しくて、そうそう会いに行けないし!………あ、ヤキモチ?」

虎力大仙「誰が。牛魔王様、ご旅行なさってるんだっけ?」

羊力大仙「うむ。なんでも東国にヤマトなにがし……とか言う強者が居ると聞き、奥方様達を連れて……全く、主の留守を狙うとは卑怯な輩である」

鹿力大仙「しかしマジでサル女そっくりだな、コイツ」

紅孩児「でもなんか違和感があるんだよね。その変なマントのせいかな?せっかくの悟空のナイスバディを隠しちゃって、勿体無い。それ脱いでよ邪魔臭い」

偽悟空「…………よし……オマエも潰す……!」

バサッ

紅孩児「………なっ…!?」









悟空「ちょ、私なんもしてないよ!?なんで逮捕されなきゃいけないのさ!」

三蔵「剛毛罪とかじゃねーの?」

悟空「なにそれ響きだけ聞くと強力な育毛剤みたい!毛深くて誰に迷惑がかかるってんですか!」

沙悟浄「じゃあ巨乳罪なんてのはどうだい?」

八戒「ほほ、確かに豊満な乳房は、男を惑わす魔性の罪とも言えるのう」

悟空「残念ながら殿方を誘惑出来た試し無いけどね………うう、何がダメなんだろう………?っと待った。どうせ色気が無いって言うんでしょ、わかってるよ自覚してるよツッコミはノーサンキューだよ!これ以上私を苛めるのは許さないよ!」

八戒「いやワシは毎日のように姉者の乳に欲情しとるぞ?」

悟空「八戒ちゃん女の子じゃん………あと毎日はやめようか流石に引く」
583: 名無しさん@読者の声:2014/2/15(土) 13:09:58 ID:zs6HkdJN8o
剛毛罪ワロタwww

ワロタ……
584: 名無しさん@読者の声:2014/2/15(土) 18:34:19 ID:6KdyPMHBok
ワロタ…

ワロタwwww
585: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/15(土) 20:08:50 ID:ta8SXDI.Mc
沙悟浄「…しかしニセモノとはね。悟空姐さんもいよいよ人気者だねぇ」

八戒「姉者に濡れ衣を着せて天に捕らえさせるつもり、とかかの。なんにせよ下らん悪事じゃ。まあ師匠殿の一件は、天部とワシらしか知らぬから無理は無いが」

小龍「…一応今の天部は味方のようなモノですしね。一応」

悟空「……うー、私そんな人に恨まれるよーな覚えは………うん星の数ほどあるやゴメンナサイ」

三蔵「そりゃお前伝説の犯罪者だもんな。しかし観世音様、『そーゆーワケですから何があるかわかりません!気を付けて下さいね!』って……毎度毎度アバウトなんだよあの人、どう気を付けろと」

沙悟浄「しかし相変わらず威厳の『威』の字も無かったねぇ。ただのキャンキャンうるさい小娘じゃないか、もう」

悟空「でもお金貸してくれたし、優しいよやっぱり」

八戒「財布ごと借りようとしたら泣いて断られたがの」

悟空「たぶん普通の人は泣いて断るよそれ」

三蔵「まああんま借りれなかったけど、なんとか無事に宿にも入れたし。明日考えよーぜもう眠」

悟空「お師匠さま伏せてっ!」


バリィィィィンッ!!!


三蔵「えっ何痛い痛い悟空押さえつけるなっ!」

???「…………あら、避けられちゃったわ、ふふっ」

悟空「誰ですかっ!」

八戒「タイミング的に今回の件か、いつもの師匠殿狙いか………しかしなにも窓ガラスを割って侵入せんでも、扉の鍵なぞ閉めとらんと言うに。それ弁償するのお主らじゃからな」

沙悟浄「……三人、かい。屋根に居る奴も出てきな」

小龍「…宿の部屋で襲われるのは初ですね。ハタ迷惑な」
586: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/15(土) 20:10:17 ID:ta8SXDI.Mc
???「……流石に反応が素晴らしいわね」

???「……そりゃそーだよ、なんたって三蔵さん一行だもんっ♪」

???「……だぁから寝こけんの待ってからブッ殺したほぉが楽だ、っつったんだよ俺ぁよぉ」

沙悟浄「ああん!?なぁにブツブツ言ってんだい気持ち悪い!フードなんて被ってないで顔見せな!」

八戒「いや、待て悟浄、この声………」

???「顔ですって、うふふ」

???「えー、そんなに見たいんなら、見せてあげても良いケドぉ……♪」

???「言われなくても脱ぐっつんだバァカ。暑ぃんだよココ死ねよ」

ファサッ

小龍「………っ!?」

沙悟浄「は、八戒姐さん………シャオ…………ア、アタイ……!?」

八戒「…これは、驚いた」

悟空「え?え?み、みんなが二人居る…!?」

三蔵「あ痛たた………うお、そっくりじゃん凄っ!」

ニセ沙悟浄「期待どおりのリアクションね。まあ、驚かない方が変よね」

ニセ八戒「むう、皆さんそんな怖い顔して武器なんか構えて………おこりんぼさんは、めっ、だよっ!」

ニセ小龍「あぁにガンくれてんだよテメェら、ケツから手ぇ入れて奥歯ガタガタいわせてやろぉか、おお?」

悟空「でも似せる気微塵も無いよこの人たち!中身完全に別人だよ!」

三蔵「特に小龍の顔でそれはやめて欲しい夢に出る」
587: 名無しさん@読者の声:2014/2/15(土) 20:50:52 ID:Uxv1Lbls5g
ニセシャオ君
これはこれで……イィ
588: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/16(日) 12:11:00 ID:DJ2yaRdHnQ

小龍「…つあっ!」

ニセ小龍「うらあっ!」

ガッ!!ガガッ!!

小龍「…蹴りには、蹴り。掌底には掌底………そこまで真似ますか」

ニセ小龍「るっせぇよウゼェよとっとと死ねよ。てかなんで火ぃ吐かねぇんだよ龍だろテメェ」

小龍「…この町中で何を。火事になってしまいますよ」

ニセ小龍「はっ!放火魔がなぁに言ってんだ?イイコちゃんぶってんじゃねぇぞ犯罪者ぁ!」

小龍「……………」

ニセ小龍「あんだよその顔。もしかしてキレたか?ヒャハハハハハ!ボクちゃん怒っちゃったか!」

小龍「……私は、こんな下品な笑顔が出来るんですね………」






八戒「金剛と化せぃ九歯馬鍬ぁ!」

ブォンッッッ!!

ニセ八戒「ふえぇっ!?……あ、あぶなかったあ………ぼーりょく反対だよっ!ぷんぷんっ!」

八戒「………虫酸が走る。ワシの姿で気持ちの悪い喋りをするな……」

ニセ八戒「そんな悪いコには、オシオキするんだからねっ!えっと、こんごーとかせっ!きゅーしまぐわーっ!」

ガキィィィンッ!!!

ニセ八戒「むむっ!あたってよもうっ!」

八戒「……と、初めは思うたが………ふむ。ふむふむふむ…」

ニセ八戒「な、なに?なにニコニコしてるの?」
589: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/16(日) 12:12:20 ID:DJ2yaRdHnQ
八戒「………こんなワシは、どんな風に啼き喘ぐのか……今ワシ興味津々じゃ…!」

ニセ八戒「…ひっ!?」

八戒「膂力も速力も互角と見える……………そぉゆぅ箇所も、同じなのかのぉ………ほ、ほほほほ………!」

ニセ八戒「な、なんか怖いよっ!?よ、よらないでぇっ!」






ニセ沙悟浄「きゃっ……!?」

沙悟浄「てあっ!ふっ!そおらっ!」

ギュンッ!!ビュオッ!!ガガガッ!!

ニセ沙悟浄「ふふ、そんな急がなくたって良いじゃない。ちょっとくらいお喋りしましょうよ?」

沙悟浄「降魔杖よ!沙僧が名において力を見せよ!散撃呪っ!」

キィィンッ!!!

ニセ沙悟浄「あら、実体の攻撃が読めちゃったわ。『沙悟浄』って幻術が効かないのね」

沙悟浄「………ちっ…!」

ニセ沙悟浄「なにイライラしてるのよ、さっきから」

沙悟浄「黙りなっ!アタイの姿で………気に食わない…!」

ニセ沙悟浄「あらあら。まぁ貴女、言葉遣いが荒いものね、女の子なのに。名高い盗賊さんは、女を強調する自分を見たくないモノなのかしら?」

沙悟浄「…………って………んだよ……!」

ニセ沙悟浄「?」

沙悟浄「………そんなことはねぇ……どぉだって良いんだよ……!」

ニセ沙悟浄「そんな怒るほど変かしら、私」

沙悟浄「違うよアタイだけ微妙なんだよ媚びロリ八戒姐さんと極悪シャオみたいにインパクトが無いんだよっ!捻りなよもっとっ!」

ニセ沙悟浄「……はい?」

沙悟浄「お嬢様言葉とか気弱キャラとか色々あったろーがっ!なんだいその普通さは地味かアンタは!うわぁ地味ってゆーな!アタイは地味じゃないっ!」

ニセ沙悟浄「いや何に怒ってるのよ貴女」
590: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/18(火) 00:33:47 ID:ld1lzIwMT6

八戒「ふむふむ………どうやら動きの型から、潜在妖力までも真似られ………いや、コピーと言うた方が良いか……」

ニセ八戒「ひ、ひううっ!来るな来るな手をワキワキさせるなぁっ!こっ、こんごーとかせっ!きゅーしまぐわーっっ!!」

ブウンッ!!

八戒「おっ……と。コレじゃ。コレは実に驚きじゃ。ワシら本体のみではなく、手持ちの得物すら具現化するとは。……しかし此方が使うた技しか出さぬ………つまりそれを一度『視ぬ』ことには模せぬ、という事かのう」

ニセ八戒「ぐっ……!そ、そんなことないもんっ!」

八戒「図星か。それならば貴様らなぞ、ワシらの敵では無いわ。天下の玄奘三蔵が弟子に喧嘩を吹っ掛けた事、骨の髄まで後悔するがよい……!」

ニセ八戒「ふぁぁあん怖いよおおっ!!セリフよりその濁った目とちょっと赤い顔が怖いっ!!手の動きが怖い中指の動きが速い怖いいいいっっ!!!」





ニセ小龍「待ちやがれガキぃ!逃げられると思ってんのかバァァカ死ね!」

小龍「…脚力が変わらないと言うことは、追い付かれもしませんけどね」

ニセ小龍「ははぁ、町から出ようって魂胆か!ヒャハハ!そしたら気にせず炎を吐けるもんなぁ?優しい優しい放火魔さんよぉ!」

小龍「……違いますよ。……此処で良いです」

ニセ小龍「……あぁ?何がしてぇんだテメェ」

小龍「…私のブレスがお望みでしたね。見せてあげますよ、真っ赤な炎を」

ニセ小龍「ヒャ、ヒャハハハハ!!そぉかどうでも良くなったか!この俺殺したさに、町なんか燃えても構わなくなったワケだ!良いぜお前、それでこそ犯罪者だぁ!」

小龍「…………」



ニセ沙悟浄「……ねぇ、どこまで行くの?怒ったり走ったり、忙しない人ね、貴女」

沙悟浄「鬼ごっこが嫌なら、さっさと踵を返しな!その瞬間、首を跳ばしてやるけどねっ!」

ニセ沙悟浄「…何が狙いかしら。スタミナ切れを狙ってるなら無意味よ?体力だって貴女と……っと」

沙悟浄「…ん、此処かね」
591: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/18(火) 00:38:53 ID:QWZu1jwT1Q
ニセ沙悟浄「………ずいぶん狭い路地ね。禅杖を振り回すには向いてないんじゃない?お互い」

沙悟浄「降魔杖よ!沙僧が名において力を見せよっ!」

ニセ沙悟浄「…ここでまた幻術?懲りないわね………それは効かないって、貴女が一番解ってる筈なのに」





小龍「……火龍咆哮っ!!!」

ゴオオオオオオオオオオオッッ!!!

ニセ小龍「来た来た来たぁぁあっ!!おんなじ威力で相殺してやんぜぁ!!……すぅ……火龍咆哮ぁぁあ!!!」

オオオオオオオオ……!!!

ニセ小龍「……………あ?あ…?え、あれ?か、火龍咆哮っ!かりゅ、火龍咆哮おおっ!!?な、なんで出ねえんだよっ!!?視たじゃねぇか俺っ!!これ、これを……う、うわぁぁあっ!!!火っ、火がぁぁっ!!!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!




ニセ小龍「あがっ………!!?」

沙悟浄「……ニセモノの炎にビビってんじゃないよ、ニセモノさん。んったく、そんな喋りでシャオのイメージ壊すんじゃないってんだ。シャオはねぇ……」

ニセ小龍「……て、めぇ……!」

ズシャッ……

沙悟浄「……シャオは、もっと口が悪いよ」

小龍「…どういう意味ですか、悟浄さん」

沙悟浄「おっと、聞かれてたかい。そっちは?」

小龍「…問題なく」

ニセ沙悟浄「………幻術……じゃ………なか…………った………ぁ………!!!」
592: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/18(火) 00:41:05 ID:QWZu1jwT1Q
沙悟浄「うわ……黒焦げの自分、ってのも気味が良いモンじゃないねぇ………」

ニセ沙悟浄「………幻術に……見せかけ………て…………だから………狭く……入り組んだ…………!!!」

ニセ小龍「………きっ……たねぇ………!!」

沙悟浄「喧嘩に汚いもクソもないさね。入れ替わったのに気付かない方がマヌケってもんさ」

小龍「…逆鱗に触れさせるまでも無かったですね。紛い物のド三流が、なに調子に乗ってるんですか不愉快な」

沙悟浄「……ほら、口が悪い」

シュウウウウウウ………

沙悟浄「……!」

小龍「……これは…」





悟空「八戒ちゃん見つけたっ!」

八戒「ん?おお、どうした姉者、師匠殿。まさかワシを心配して来たのか?それは心外じゃぞ、ニセモノ如きに負けるワケ無かろう」

悟空「いや、そこじゃなくて、お師匠さまが」

三蔵「お前自分のニセモノすら手籠めにしそうだから止めに来た。ムリヤリ、ダメ、ゼッタイ」

悟空「いくら八戒ちゃんでもそこまで変態さんじゃないよ、って言ったんだけど」

八戒「む、無理矢理では無いわい。………たとえ無理矢理じゃったとしても、結果気持ちよくしてやれば良いのじゃろ?」

三蔵「いやどんな理屈だよ」

悟空「そこまで変態さんだったよ……」
593: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/18(火) 12:10:07 ID:BvessgMNn2
八戒「ま、師匠殿の心配は大当りじゃったが………未遂じゃから見逃せい。ほれ」

ドサッ

悟空「………なにこれ」

八戒「狒狒じゃな」

三蔵「なんで猿が倒れてんだよ」

八戒「先のニセモノじゃ。叫んで気絶した途端、この姿になりおった。見たところ妖では無いのう、只の獣じゃ」

沙悟浄「未遂で良かったねぇ八戒姐さん。サルを相手にするところだったワケだ」

八戒「おお、悟浄に小龍。お主らも終わったか。……ふむ、建物の焼ける臭いはせんの。相手に炎を使わせず、上手くやったのじゃな小龍」

小龍「…いえ、悟浄さんのお蔭です。流石に私のブレスを乱発されては、周囲の被害は防げませんからね」

悟空「そっちもおサルさんが化けてたの?」

沙悟浄「うん、どうみても普通のサルだったね。頭がお粗末だったから、大した奴が化けては無いと踏んではいたけどさ……なんでこんなのが襲ってきたのかねぇ」

三蔵「悟空友達だろ、起こして聞いてみろよ」

悟空「いやお師匠さま、いくらおサルさんだからって違いますよ知りませんよ」

三蔵「えー、だってお前いつも『毛深い奴は大体友達』って」

悟空「言ってませんよ!なんですかその『悪い奴は大体友達』みたいな言い方やめて!」
594: 名無しさん@読者の声:2014/2/18(火) 20:39:05 ID:0HDyW1Q4Mg
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好き過ぎて困るう
595: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/19(水) 12:08:15 ID:W43xDnLuTo
悟空「だいたい私そこまで毛深くないですよ!お師匠さまみたいにスネ毛とか無いじゃないですか!」

三蔵「いやお前さすがにそこに生えてたら色々大問題だろーが」

八戒「でも腕毛はそこそこ」

悟空「これはうぶ毛!みんな生えてるやつ!う、ぶ、毛っっ!!」

沙悟浄「どうどう姐さん。さて、宿に戻るかい?アタイそろそろ……ふわぁ………」

八戒「むう、不完全燃焼じゃ………のう、寝る前にもう一杯やらんか?」

小龍「…開いてる店があれば良いですが」

悟空「あっ、だったらさっき、美味しそーな屋台がっ」

三蔵「おー、あったな。ラーメン屋だったけど酒も出してるっぽいし」


「残念ながら、ソレは諦めてモラおう」


悟空「………ですよねー」

八戒「ま、日を跨ぐのも間抜けな話じゃしのう。さっさとその屋根から降りてこい。ワシははよ飲みに行きたいんじゃ」

沙悟浄「朝までとかは勘弁だよ、八戒姐さん……」

偽悟空「…………キキキ……!」

三蔵「……これまたソックリだな」

悟空「私あんなに目付き悪くないもん」
596: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/19(水) 12:09:11 ID:W43xDnLuTo
小龍「…今回の件の張本人ですか。この悟空さんも猿が化けてるんですかね」

八戒「ほほ。只の狒狒が天下の斉天大聖に化けるか、なんとも烏滸がましい話じゃ。大仰なマントなんぞで格好付けよってからに」

偽悟空「……あんな駒とイッショにされてはコマるな………!……コレを見ても、そう軽口をタタけるか……?」

ブンッ……ドサッ!!

紅孩児「……くっ…!!」

悟空「……こーちゃんっ!?」

八戒「なんと…!」

偽悟空「……キキキ……!実力的にはキサマ等と遜色無いであろう達人、コウガイジ…!ソレもこのトオリよ……!」

悟空「こーちゃん大丈夫!?うわボロボロ……!」

紅孩児「……カッコ…悪い所を……見せちゃったね……悟空……」

沙悟浄「アンタがやられるなんて…!」

紅孩児「………一瞬の……隙………突かれ……良いのを貰っちゃって……ね………!虎力さん達……逃がすのが、精一杯……だっ……」

小龍「……気を失いました。どうやら骨が内蔵に刺さっているようですね……重症です」

三蔵「…ん、小龍、看てやって。よし悟空、お前も運動してこい!ラーメンの前にっ!」

悟空「おっけーお師匠さまっ!」

偽悟空「……ソン……ゴクウ………!!!今こそ……積年のウラミ……!!!」




ガキィィィィィン!!!ガキィィィィィン!!!


沙悟浄「……やるね、あのニセモノ。単なるコピーじゃないよ」

八戒「うむ。姉者の動きでは無いな。似てはおるが 」

紅孩児「………う……うん…………はっ!」

三蔵「およ、起きた?」

小龍「……応急処置は、仕方なくしましたが。呼吸も苦しいハズですよ。まだ気絶してたらどうですか」

紅孩児「……痛っ…!」
597: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/19(水) 12:13:28 ID:ld1lzIwMT6
沙悟浄「安心して寝てな。だけどアンタもヤキが回ったね、腕が落ちたんじゃないかい?ねぇ姐さん」

八戒「ほ、まあ勝敗は兵家の常じゃ。負けることもあるわい。……時に紅孩児、今日お主セクシーじゃのう?いつもの鎧を着ておらんからか、やはり胸を出すと色香が増すのう、ほほほ…!」

紅孩児「……相変わらず、だね、八戒さん………これはアイツに壊されて………悟空っ!悟空はっ!?」

三蔵「そのニセモノさんと、ほらあそこで」

紅孩児「いっ、今すぐ八戒さんでも龍神君でも……ゲホッ……悟浄さんでも良い!代わって……!」

小龍「……?」

紅孩児「……だ、駄目だ、悟空……!奴の憎悪は……怨念は!………君では……!」

八戒「……怨念、とな…?」



悟空「てああっ!」

偽悟空「…………」

悟空「とぉぉおりゃっ!!」

偽悟空「……………」

悟空「伸びてっ!如意棒っ!」

偽悟空「………………」

悟空「……むー。なにさ弾いたり避けたりばっかりで。ヤル気あるんですかニセ私っ!」

偽悟空「ヤハリ強い…………だが天の裁きを期待できぬなら仕方無し……コノ手で潰してやる……!!」

悟空「うわあやっぱり私が恨まれてるんだ……なんだろうどれだろう……?」

偽悟空「………ル………ルと……!………ゆん………ゆんと…………!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!

悟空「…む。これは……凄いや。こーちゃんやっつけたって、ホントかも」

偽悟空「……潰す…!キサマだけはぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」
598: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/19(水) 12:15:40 ID:ld1lzIwMT6

バサッッ!!!

悟空「わぷっ!?なにこれマント?脱いだモノを人に投げつけないで下さい……よ………」


紅孩児「駄目だ悟空!そのマントの下には、君では振り払えない虚無が……!!」


偽悟空「……はぁーっ……はぁーっ………!!!」

悟空「………えっと」

偽悟空「…………」ペターン 

悟空「……男の人?」

偽悟空「違うわぁぁぁあっ!!!胸が無きゃオトコか!?乳が膨らんでなきゃオンナじゃないってか!?プルンプルンたゆんたゆんとサッキから当て付けがましいんだよデカ乳の何がエライってんだーっ!!!」

悟空「いやあのその、え?なに?なんなの?」



八戒「……まあ、虚無、と言うか………無い、のう……」

三蔵「見事な貧乳、いや無乳だな。……待て待て小龍、そんな目は要らないぞ。俺はロリコンであって貧乳好きとは似て非なるから」

小龍「…いやなんの説明ですか訊いてません。と言うか何故悟空さんに変化しているのに、その……胸が」

紅孩児「……奴は、変化なんてしていない……元から悟空に瓜二つなのさ…!奴の名は六耳獼猴(ろくびじこう)……霊山、花果山が産み出した、もうひとりの美猴王……!」

沙悟浄「……で、要は何かい?胸のサイズで姐さんを恨んでんのかいアイツ。なんか一気に馬鹿馬鹿しく………ん?」

紅孩児「奴の怨念を甘く見ちゃいけない……!実際その怒りの攻撃は、胸の大きな女性……僕や虎力さんに対しては数倍の威力をぐえっ!?ちょ、悟浄さん、なんで締めるの、苦しっ!!」

沙悟浄「さっきアンタ悟空姐さんを退かせて、アタイら三人に戦え的なコト言ってたねぇ?つまりなんだい?男のシャオとナリが幼女の八戒姐さんは良いとして、アタイも問題無いと?小さいと?」

紅孩児「あ、あの、僕ケガして……ごめんごめん許して……コレ死ぬ、死ぬって……!!」

八戒「……まあ、女にとっては一大事なんじゃろの、こーゆーのは。ワシはどっちも好きじゃが」

三蔵「節操無しめ」

小龍「…悟浄さん、そろそろ死んじゃいますよそれ」

沙悟浄「ちょおおおっと自分がデカイからって、調子くれてんじゃないよあぁぁん……?」

紅孩児「ギブ、ギブギブ…!!」
599: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/20(木) 19:47:08 ID:KMtMRLKlQk
悟空「貫いて、如意棒っ!」

六耳獼猴「迎撃セヨ、如意棍っ!」

パキィィィィン!!

悟空「むむっ、なら……!ふーっ!毛分身っ!動けなくしちゃって!」

六耳獼猴「……十五体か。猿ドモ出ろ!アノ腹立つ分身を、自分に近付けるな!」

猿「「「キキィィィィッッ!!!」」」

悟空「うわぁっ、おサルさんがいっぱい!?」

六耳獼猴「キキキ……!目眩ましの分身程度ナラば、獣でジュウブン……!しかも花果山の猿だ。狂暴さは知ってイルだろう?」

悟空「……やりますね。でもそれはあんまり覚えてないよ、もう山には五百年帰ってないから」

六耳獼猴「……ヤリあえる……やはり互角にタタカえる……!!殺せる……!!ソンゴクウを、殺せる……!!!ソノ乳、捻り千切ってヤル…!!」

悟空「怖い怖いおっぱい千切るとかやめよう!?ねぇ、そんなコトくらいで怒るのやめましょうよ……」

六耳獼猴「ソンナコトだと!!?」

悟空「ひうっ!?いやほら、でもその、おっきい人なんていっぱい居るんだし、なんで私にだけっ?」

六耳獼猴「……他のデカ乳もムカつくが……キサマは別格だ………!同じ霊山より生まれ……顔も背丈も、そしてコノとおり術とて負けぬ、変ワラヌと言うのに………何故……ナゼ私とキサマ、ココだけこうも違うのだ…!!」

悟空「い、良いじゃないですか、個性ですよ個性」

六耳獼猴「……ならばキサマ、ユルせるか?」

悟空「へ?」

六耳獼猴「私とキサマが、店でラーメンを頼んだとしよう………ソシタら店主が、私にダケこう言うんだ……」

悟空「ふんふん?」
600: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/20(木) 19:50:03 ID:2twRS1Q.AA
六耳獼猴「『よし、お嬢ちゃんにはチャーシュー五枚オマケしてやろう。あっちの娘にはナイショだよ』ってな!」

悟空「そ、それは許せないよ!一枚ならいざ知らず、五枚はもうオマケの範疇じゃないよ不正だよ!」

六耳獼猴「ダロウ……!?私のこの、『何故アイツだけ』という、やるせないキモチが解るか……!?」

悟空「……くっ…!そこまでの恨みだったなんて……!」



三蔵「おい、あそこにバカが二人居るぞ」

八戒「頭の残念さも瓜二つじゃのう。しかし牛や虎より、猿は頭が良い筈なんじゃが」



六耳獼猴「誰を恨めば良イ……?何を恨めば良イ……?この呪いともヨベル、虚無の怒り……哀しみ………キサマ以外の、ナニにぶつければ良イ……!?」

悟空「……わかったよ……!……わかったけど!私を殺したところで、胸が大きくなるわけじゃ無いよ!?誰も幸せになんて、ならないよ!?」

六耳獼猴「………ダマれ……!!」

悟空「私、バカだけど……これだけは知ってるよ!?怒りとか……哀しさとか……そんなムシャクシャした気持ちは、どれだけ暴れたって……どれだけ殺したって!楽になんてならないんだよ!?嫌な……嫌なモヤモヤだけ残るんだよ……!?」

六耳獼猴「…イヤな……モヤモヤ………」

悟空「そうだよ……!私も、そのモヤモヤは……自分一人じゃ消せなかった………。もう、やめよう?こんなこと。自分の嫌いなところなんて、誰にでもあるよ。……ね?」

六耳獼猴「……………っ!!!」

悟空「さ、武器を下ろそうよ。………ほら、私だって……そりゃおっぱいはおっきいけどさ?もうあちこちムダ毛だらけなんだよ、剃っても剃っても。お尻なんて
、後ろから見たら毛皮のパンツ履いてるみたいなんだから、アハハ。いくらおっぱいが凄くても、こう毛深くちゃあ」

六耳獼猴「私だって毛深いわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」

悟空「えええええええ!!?」

六耳獼猴「毛深い上に胸も無いわこちとらぁぁぁぁあ!!!それがドウシタ悪いかァァァアッ!!!うわあああああ!!!」

悟空「うわあああああゴメンなさいぃぃい!!!」



三蔵「おい、ウチのバカが墓穴掘ったぞ」

八戒「まぁた深く掘ったもんじゃの。嫌なモヤモヤの話から嫌なモジャモジャの話になるとは……上手いのう、姉者」
601: 名無しさん@読者の声:2014/2/20(木) 22:00:50 ID:6KdyPMHBok
嫌なもじゃもじゃw
602: 名無しさん@読者の声:2014/2/20(木) 23:25:35 ID:x4x9i9Nzlc
観音の観音様が観音開きといい、
八戒ちゃん言葉の遊び方が巧みすぎるwwwww
603: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/21(金) 06:56:19 ID:QWZu1jwT1Q
ミスに気付いた。訂正します。

六耳獼猴の読み方、正しくは「ろくじびこう」ですね。めんご。
604: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/21(金) 19:06:34 ID:QHnE6yOsIM
六耳獼猴「ナニが斉天大聖だ!!ナニが玄奘三蔵の一番弟子だ!!偉そうなコト言いながら、結局私をコケにしやがって!!!」

悟空「ち、違うよぉっ!私そんなつもりじゃっ!け、毛深くて、それでおっぱい小さいからって……………だ、大丈夫だよっ!!それにこんなの大きくたって、肩が凝るくらいだよ!!」

六耳獼猴「ナンだ今の間はぁぁぁぁあ!!!ナンダそのフワッとした励ましはぁぁぁぁぁあ!!!アト胸が無くたって肩ぐらい凝るわナメんなぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」

悟空「ひ、ひいい……喋れば喋るほど泥沼だよぅ……!!」

六耳獼猴「誰の胸がまな板ダ!!!誰の胸がタリム盆地ダ!!!誰の胸が『そもそもそこには村も何も存在しないのだから、貧しい以前の問題』ダぁぁぁぁぁぁあっ!!!」

悟空「言ってない言ってない!てか最後の誰に言われたのヒドイ!」

六耳獼猴「………オワラセテヤル……!!!………るぅぅう………うううキャァァァァァァア!!!」

ゴオオオオオオッ!!!

六耳獼猴「……かぁぁ………はぁぁぁあ……!!!」

悟空「まさか……それ………!」

六耳獼猴「我ガ名は六耳獼猴………!!!我こそガ、真の美猴王……!!!消エロ……我ガ悪夢よ……!!!」

悟空「あわわ……コレがソレなら、かなぁぁり強いよどうしよう……!?」


三蔵「おお?なんかあっちのバカが銀色になったな」

八戒「……なんという妖力じゃ…!これが件の、『美猴王モード』か……!」

沙悟浄「……姐さん…!」

紅孩児「………ギ………ヴ…………」

小龍「…悟浄さん、そろそろ冗談ではなく死にますよ」

沙悟浄「おっと」

八戒「ふざけとる場合では無いぞ、悟浄。動機はギャグじゃが、これ最早見逃せぬ。…姉者!悪いが一騎討ちを邪魔するぞ!其奴の怨恨に付き合う義理は無い!」


悟空「うん来て来てぇ!私もう色々と辛い!」

六耳獼猴「おっと……ソレは面倒ダ………仕方無い……カナリ力を使うガ………猿ドモ……!」
605: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/21(金) 19:08:04 ID:QHnE6yOsIM
猿「「「ウキャァァァァア!!!」」」

八戒「三匹………はっ!まぁたワシ等に化けさせるか?今度は瞬殺してやるわ!悟浄、小龍っ!!」

悟浄「あいよ八戒姐さんっ!変なキャラ付けする前に猿に戻してやるよっ!」

小龍「…待って下さい!違う……っ!?」

「「「ルゥゥゥ……キャァァァア……!!!」」」

三蔵「……うおお……銀色が三人……!」


六耳獼猴「キキキキ……!『三昧変化・美猴分心』……!タダの分身や、先の変化と思うナよ……!その三匹、それぞれが私ダ……!」

悟空「みんなっ…!!」


八戒「……ほほ。久々にピンチかの?コレは」

沙悟浄「……紅孩児、絞め落とさなきゃ良かったかねぇ……」

小龍「…そうですね。先生の護衛くらいには使えたかもしれません」

三蔵「…ふむ。おーい悟空ー?お前もキンキラキンになれねぇのー?」

悟空「無理ですお師匠さまー!どうにもこうにもモチベが上がりませーん!メンタル重要なんですよあれー!」

三蔵「メンタルって。お前その心臓の剛毛はなんの為にあるんだよ使えねぇ」

六耳獼猴「誰の乳毛が心臓カラ繋がってるだぁぁあ!?心臓カラ乳首までの距離が近いカラってかフザけんなぁぁぁぁぁあっ!!!」

悟空「お師匠さま火に油を注がないで!」
606: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/22(土) 18:15:44 ID:uIkRHsGkQI
美猴分心「キァァァァアッ!!!」

ギィィィィンッッ!!

八戒「く……!?この膂力、二郎真君に勝るとも劣らぬ……!此程か、美猴王とは…!」

沙悟浄「イチチチチ……!数合で、もう手が痺れてきたよアタイ……!キッツイねぇ………!」

美猴分心「キシャアアアアアッッ!!!」

小龍「………っ!」

八戒「小龍っ!?」

小龍「…だ、大丈夫です………避けたつもりでしたが、疾い…!」


六耳獼猴「キィィ……るぁぁぁぁあッッ!!」

悟空「うっ……くっ……!!」

六耳獼猴「ドウしたソンゴクウ、動きガ鈍いぞ!?お仲間がシンパイか!?」

悟空「……まさか。みんな強いんだから。君になんて負けないよっ!」

六耳獼猴「逐一ムカつくヤツだ…!ヨシ……ならばキサマに絶望ヲ与えてヤル……!美猴分心ヨ!!三蔵法師をネラエ!!!」

悟空「なっ!!!」


美猴分心「「「ウキャァアアアァァァアッッッ!!!」」」

三蔵「ちょっ!!?」




ドスッ……!!!

美猴分心「…ア……キャ………!?」

小龍「……自ら逆鱗に触れるとは、愚かな」
607: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/22(土) 18:16:41 ID:uIkRHsGkQI
沙悟浄「いくよ姐さんっ!沙僧が名において力を見せよ!!!多重連撃呪っ!!!らぁぁぁあっ!!!」

八戒「応っ!!薙ぎ殺せいっ!!九歯馬鍬ぁっ!!!」

ズパァァァァァンッッ!!!

美猴分心「「グギャッ……!!?」」


六耳獼猴「な、ナニぃぃ!!?」


八戒「…ひゅう……ワシ達も大概テキトーじゃが、それだけは侵させぬのよ………我等が師匠殿に」

沙悟浄「アタイの大事な大事な旦那様にっ」

小龍「…先生に」

三弟子「「「手を出すな!」」」

小龍「……まあ後遺症が残らない程度になら、許しますが」

三蔵「許さないでそれも守って!」


六耳獼猴「……バ、バカな……!!美猴分心を相手に…………はっ!!?」

悟空「でぇぇぇぇいっ!!!」

ガキッ……ギギギギギギ……!!

六耳獼猴「ナ、なんだ……このチカラは……!!!サキ、ほど、より……!!!」

悟空「次、お師匠さまになんかしようとしたら……ヒドイよっ!!!」

八戒「良いぞ姉者押せ押せぃ!押し切れぃ!」

小龍「……この分身も、起き上がって来そうです。やはり本体を倒さなければ」
608: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/22(土) 18:17:50 ID:uIkRHsGkQI
沙悟浄「ブッ倒しちまいな姐さんっ!全く人の夫を襲うだなんて!」

三蔵「そうあちこちで吹聴してると、そのうち本当に夫婦にさせられそうで怖いよね」


悟空「まっかせて!いけそう!……りゃあぁぁぁぁあっ!!!」

六耳獼猴「………ナゼ……キサマばかり………キサマばかり………!!!私は………私はヒトリで……!!!」

悟空「…………!」

六耳獼猴「イヤ違ううう!!!私はヒトリでも強いイイイイイイ!!!」

バチィッッッッ!!!

悟空「わぷっ!?」

沙悟浄「姐さん!上っ!」

六耳獼猴「消ス……………………モウこのイノチすら要らナイ!!!我がスベテをモッテ…………ァァァアアアアアアアアアア……!!!」

悟空「……っ!」

六耳獼猴「ソンな棒切れイッポンで防げるとオモうな!!!全妖力放出………銀猿噛(ぎんえんごう)っっ!!!」

ゴォオォオオオォォオオオオオオオオッッッ!!!

悟空「……すぅ………頑張って!!!如意棒っっ!!!」

六耳獼猴「ナニかと思えバ単なる巨大化か!!!バカめ、飲み込ンデ……!!!」

悟空「もっと頑張ってぇぇぇぇえっ!!!」

ズオオオオオオオオオオオッッッ!!!

六耳獼猴「ナアぁぁぁあアアア!!?壁が、赤い壁が迫っ……!!!」

悟空「もっとおおおおおおっっっっ!!!!」

六耳獼猴「う、う、ウワァぁぁぁァぁぁぁぁアあっ!!!」
609: 名無しさん@読者の声:2014/2/22(土) 20:14:40 ID:IbGPs7mNlw
みんなお師匠様ラヴなのね♪
610: 名無しさん@読者の声:2014/2/23(日) 00:43:38 ID:QbzRe6e0TQ
キンピカにならずとも勝てるのか悟空さすが(@゚▽゚@)
611: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/23(日) 08:51:18 ID:nTgvpAjq9.


ヒュウウウウ………






六耳獼猴「…………コロセ。もうシッポの先すら、ウゴかん」

悟空「やだよ」

六耳獼猴「……ドウセなら、力を使いキッて死にたカッタ………憎きキサマに殺られるクライなら……!」

悟空「殺さないって言ってるじゃん。なんなのさ」

六耳獼猴「情けのツモリか……?ナラバ嘗めるな………私にもプライドがアル。世に美猴王はフタリも要らないだロウ………殺せ……!」

悟空「情けってゆーか………だって……その……」

六耳獼猴「……?」

悟空「………私の……妹みたいなもんじゃん、君」

六耳獼猴「…………!」

悟空「よぉくじっくり考えてみたら、これ私的にものすごい嬉しいんだけど!おんなじとか!私とおんなじとか!」

六耳獼猴「………ハ?」

悟空「だってそうじゃん!おんなじ山で産まれたんだよ!すごいよ!石猿って個体名じゃなかったんだ種族名だったんだ!」

六耳獼猴「いやキサマ、なにヒトリでテンション上げて」

悟空「いや上がるっしょ!石猿あるあるとか話せるんだよ……あっ」
612: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/23(日) 08:53:01 ID:nTgvpAjq9.


ボワンッ


六耳獼猴「っ!?」

ごくう「あー……だよねこうなるよね………なんでにょいぼーにムリさせると縮むんだろうどーゆーメカニズムなんだろう」

六耳獼猴「………プッ」

ごくう「ふえ?なにさ」

六耳獼猴「……なんだソノ姿は、マヌケな……!キキ……キはははは!コレは良い、私と変わらずペッタンコだ……!」

ごくう「そのかわり毛深くなくなってるんだよ、ふしぎ!」

六耳獼猴「イヤそのナリで毛深かったら怖いダロう、キははは……痛たた……笑わせルナ……!」




三蔵「おー居た居た。どこまで一緒に吹っ飛んでんだアイツは。町から出てんじゃねーか」

小龍「…何か、楽しげに話してますね」

沙悟浄「はぁ?誰とでも仲良くなるにも程が…………って。待って待って待って。ねねねね、姐さんがちちちち小さくくくく……!!!」

八戒「抱き抱えに行くのは少し待ってやれい悟浄、空気を読めよ?……ほほ、しかし、己が命を狙うた相手と時をおかずに談笑か………流石は師匠殿の一番弟子じゃの?」

三蔵「あん?なんだそりゃ。……ただ悟空が底抜けにバカなだけだろ」




ごくう「えー!ろくちゃん変化したら毛も無くなるの?ズルい!」

六耳獼猴「誰がろくちゃんダ……キキ……それより石猿あるあるッテなんだよソレ……キは、ははは……!」

ごくう「石猿あるあるそのいち、岩にすわるとみょーに落ちつく」

六耳獼猴「ヤバいソレあるある…!ははははは……!」
613: 名無しさん@読者の声:2014/2/23(日) 18:38:23 ID:IbGPs7mNlw
石猿あるあるwwwwwwwwwwwwwww
614: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/23(日) 19:56:04 ID:ld1lzIwMT6






木叉「やー助かりましたわー♪さっすが天下の、いや天下一の三蔵一行様や!うんうん、今の悟空さんがそない悪いコトするわけないやん思てたケド、ニセモン騒動やったワケやね!しかしこないスピード解決出来るとは、天部を代表して感謝感謝や、おおきに!」

三蔵「相変わらずよっく喋る……」

八戒「なぁにが感謝感謝じゃ、終わってからノコノコと。そもそも姉者に逮捕状が出た、と言うのも怪しいわい。大方初めからワシ等に何とかさせよーとしとったんじゃろ」

木叉「んなことあらへんて!いや忙しいねんウエも。釈迦如来様とアニキ、それに二郎真君殿下が抜けた穴、もうドデカイねんで?……ま、そら自業自得やねどな」

小龍「…ですね、自業自得です。私達の知ったことではありません」

木叉「キビシイなぁ龍神くん……」

ごくう「ねえ、それで、その……ごじょーちゃん下ろして。高い高いしながらクルクル回らないでしゃべりづらいそして酔う」

沙悟浄「ああん姐さんもうちょっとお」

木叉「いやホンマ、悟空さんもそないカッコになるまで頑張ってくれはって!しかもちゃんと生け捕りや!ウチの軍部で召し抱えたいくらいやでしかし!」

ごくう「そんなの良いから、そのっ。………ろくちゃん、どーなるの?」

木叉「…コイツの事か?そやなぁ、下界を騒がせたんもそやけど、何より人に成り済まして悪事、言うんが仏法的にアウアウや。まぁ死罪は無いにしても、禁固は確定やろなぁ。どーやろ、百年くらいは……」

六耳獼猴「……………」

ごくう「そんな……!」

三蔵「…………何とかもう少し軽くなんないか?シッペくらいに」

木叉「うーんデコピンと馬場チョップをセットにしてならそれもってアホか。なんで禁固百年から『もう少し軽く』でそこまで下がんねん三蔵さん。アカンアカン、今はウエとしても大事な時期や。法を緩めたりなんてでけへん。まぁ三蔵さんが嘆願書出す言うんなら、多少は軽くなるかもやけど、シッペは無いわシッペは」

悟空「……うう…」
615: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/23(日) 19:57:19 ID:ld1lzIwMT6
八戒「どうしてもか?」

木叉「なんや猪八戒さんまで……こーゆーんが大事なんは、あんさんが一番理解してくれそぉなモンやと」

八戒「………弁才天女」

木叉「っ!!?」

八戒「ちょろっと小耳に挟んだのじゃが、やるのうお主。天女に愛の告白を受けたそうではないか、羨ましいのう?」

木叉「……な、ななな……?なんで、そんなん、知って……!?」

八戒「ほほ、最新号の二枚目……ま、情報源があってのう。………しかし忙しい忙しい言うとる割に、結構頻繁に会っとるそうじゃのぉ、その天女様と」

沙悟浄「うっわ浮気とかサイテーだよ……観音さんも可哀想に」

小龍「…死んだ方が良いですね」

八戒「いやいやワシは解るぞ?据え膳食わぬは単なる阿呆じゃしのう?男の甲斐性じゃよなぁ?」

木叉「ちょ、待てちゃうわっ!!言い掛かりや!!キッパリとお断りしたんやボクは!!ボクが愛する女性はのん一人や!!」

八戒「それにしては随分と食事やらなんやら……正直に話してみい?弁才天女ならワシも見掛けたことがあるぞい、多少トウが立ってはおるが、ボンキュッボンのセクシーダイナマイツじゃ。たまには魚ばかりではなく、分厚いステーキを食いたくもなるってモンじゃよな?」

木叉「違う言うとるやろがぁぁあ!!アンタと一緒にすんなやぁぁあ!!そ、それはやな、お付き合いをお断りしたとは言えやな、仕事上関わりがあったり、あの人地位も高いからやな、あんまし邪険にも出来へんのもあってやな……!」

沙悟浄「言い訳みっともなっ」

小龍「…ダサいですね」

木叉「なんでや!ホントのコトや!!」

八戒「ほほぉ……じゃあ何故告白された事を観世音に内緒にしとるんじゃ?なんぞ後ろ暗い理由でもあるのかと、フツーは考えてしまうのぉぉお?」

ごくう「うわワッルい顔」

三蔵「ノリノリだな」

木叉「そ、それは……だって不安にさせたくないやん……のんもあれで結構ヤキモチ焼きやし……最近只でさえあんま時間とれへんのに、そないつまらんハナシしたくないやん……」

八戒「成る程成る程、愛されとるのう観世音も。浮気で無いと言うのならば、ワシも特に気にせんで良いワケじゃ。この口が観世音に、ウッカリすっかりスッテンコロリンとこの事を滑らせても、問題無いのう、ほほほほ……♪」

木叉「いや、そ、それは……!内緒にしてたって言うそれ自体が、ちょっとやな、あの……!」

八戒「おっと話が逸れたのう、スマンスマン。……で、なんじゃっけ、此奴の処遇の話じゃったか。………どうにか、ならんのか?んん?」

木叉「………ワ、ワルモノや……!ワルモノの親玉が居る……!!」
616: 名無しさん@読者の声:2014/2/23(日) 21:43:04 ID:M97GWVJjkM
サンゾウイッコウニロクチャンガクワワッタラサイキョウジャマイカ
617: 名無しさん@読者の声:2014/2/23(日) 21:59:47 ID:2gpOsOdCJk
八戒ちゃん可愛いけど悪の親玉みたいww
618: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 06:42:52 ID:4TidOYto2A
沙悟浄「こぉゆぅほんの小さな出来事から、愛は傷つくんだよねぇ」

小龍「…そして雪のように流れて消えてゆくワケですね」

木叉「……ぬ、ぬぐぐぐ……………わぁったわい!!何とかすればエエんやろ何とかすれば!!くぅぅ、着任早々裏に手ぇ回したり黒いコトせなアカンとは……!!」

八戒「ほほ、不正くらい慣れておくべきじゃて、上に立つ者ならばのう」

木叉「……どこまで悪人やこの幼女……!そいでもココで釈放は無理やで!上で少し説教かましてからやな……追放って事で処理したるわ!それがボクの精一杯や!クソッ!」

六耳獼猴「………なんで……オマエらまで……」

八戒「うむ?姉者の妹御とあらば、ワシ等の姉妹も同じじゃ。のう?」

沙悟浄「そうさ。アンタも乳なんか気にするんじゃないよ、女は度胸さね」

小龍「…いや自分も気にして……なんでもありません」

六耳獼猴「………姉妹……ワプッ!?」

ごくう「よかったぁ!よかったよぉろくちゃんっ!えへへへ……!」

六耳獼猴「………ソンゴクウ……」

三蔵「他はともかく、悟空に対して女のコンプレックスとか無意味だぜ?見ろよ普段より今の方が色気があるくらいだし」

ごくう「それはおししょーさまがロリコンだからですよ……」

六耳獼猴「………は、ハハハハ……!」


木叉「……じゃあそろそろ行くで。あー気分悪いわ……!」

八戒「睨むな睨むな。男前が台無しじゃぞ?ほっほっほ」

三蔵「……あ。で、お前どーすんだ?上で色々済んだら、一緒に来るか?」

ごくう「そーだよろくちゃん!たのしいよ!」
619: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 06:44:40 ID:4TidOYto2A
沙悟浄「良いねぇ、来なよ。旅は道連れ、ってね?」
  
小龍「…悟浄さんは、女性が加わるのは反対するかと思いましたが」

沙悟浄「……アタイ、双子用のベビーカーに憧れるんだよねぇ……!」

八戒「此奴まで縮ませるつもりじゃったか……どうする六耳よ、ワシは無い乳も大好物じゃし、歓迎するぞ?」

六耳獼猴「……イヤ、山に戻る。あんなデカ乳と並んでナド歩けるか」

ごくう「ろくちゃん……」

六耳獼猴「……でも……ソノ………だな……」

ごくう「?」

六耳獼猴「………タマには……遊びに……キテくれると……嬉しい……かも。…………お、おねえちゃん…」

ごくう「……うんっ!いくよ!ぜったいいく!……えへへ…!」
620: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 07:05:12 ID:75kB6ULjKA

……むかしむかし、大陸を行脚する一行が居たそうな。


小龍「……よい、しょ」

八戒「なんじゃ小龍、その荷物は」

小龍「…はい、今さっき宿の店主に呼び止められまして。いつもの郵便だと思ったのですが」

沙悟浄「なんだい八戒姐さん、今度はナタの奴に金でもタカったのかい?」

八戒「んなことしとらんわい。そもそもワシまだ今回は返事出しとらんのじゃが……」

……その一行、各地にて妖魔を滅し、弱きを助け、強きを挫く。さながら正義の使者と謳われたそうな。

小龍「……ええと、いえ、悟空さん宛ですね。手紙も付いてます」

悟空「えっ私?貸して貸してっ!……誰からだろ………わっ、わっ、ろくちゃんだ!」

三蔵「しかし天界ってすげえよな、何処に居ても居場所バレて……悟浄、そろそろ腕の感覚が恋しいかなぁ師匠は」

沙悟浄「姐さんを亡くした悲しみを癒せるのは、旦那様の温もりだけなんだよぅ!すりすりっ!」

……一行の主は、世にも名高き高僧、玄奘三蔵法師。供に連れるは武勇に優れた、妖の弟子たち。

悟空「いや私生きてるよ!良いじゃん今回はリクエストに応えて『おかあさん』って呼んだじゃん!」

三蔵「むしろそれで悪化したんじゃねぇかな」

悟空「まったくもう………えっと……」

『おねえちゃんへ。許サレタ。山に帰れタ。気がムイタら、ネグラへ来い。マッテる』

悟空「よかった……えへへ………字ぃ下手だなぁ、えへへ……」

……曰く、猪八戒、沙和尚、玉龍。そして孫行者。

八戒「で、このダンボールは何なんじゃ?ん、結構重いのう……開けても良いか?」
621: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 07:07:42 ID:75kB6ULjKA
悟空「え、うん。なんだろ……山の果物とか送ってくれたのかな………えっと」

『追伸・ネグラのベッドの下にアッタ書物だガ、おねえちゃんのダロウ?捨てるニモ売るニモ恥ずかしクテ困ってイタ。引き取レ。』

悟空「……花果山の家の……ベッドの下………」

……師を守らんと闘う姿、その忠誠。それは物語となり、空を駆ける。

八戒「…『ボクの身体は彼の玩具』『背中に触れるカタイモノ』『その長槍で貫いて』………」

小龍「………漫画……ですか。随分と年期の入った」

沙悟浄「悟空姐さん………」

三蔵「お前エロ漫画を妹に送らせるとか、どんな姉ちゃんだよ」

……人々は敬意をもって、彼等を『五聖』と呼び崇めたそうな。

悟空「ちっ、違うのっ!私が頼んだワケじゃ、あ、あうう、恥ずかしいから中身広げないでぇっ!」

八戒「全般的にハードなタイプが好みなんじゃのう、姉者」

悟空「やめてー!特にシャオくんそんな目で見ないでぇぇぇぇえっっ!」


……今宵の御話は、これにておしまい。
622: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 07:11:21 ID:W43xDnLuTo





『孫悟空 対 孫悟空』


脚本 ヨシュア

主題歌『GO WEST!』歌/三蔵一行

挿入歌『コイスルドクロ』歌/沙悟浄













店員「お待たせしましたぁ、こちらカシスオレンジと、ジントニックでございまぁす」

虎力大仙「あ、カシオレ私。追加は……良いや、あんがと」

店員「ごゆっくりどうぞぉ」

虎力大仙「……いつまでメソメソしてんのよアンタ。ほら、おかわり来たわよ」

紅孩児「だって……放置って……いくらなんでも放置って……!」

虎力大仙「そのハナシ何回目よ。飽きた」

紅孩児「虎力さぁぁん……冷たいぃぃ………慰めのキスくらいしてくれてもぉぉ……!」

虎力大仙「酔いすぎよバカ。……ゲ、もう朝方?ヤバい私そろそろ帰んないと」

紅孩児「えええ!?こんな状態の僕を置いて!?」

虎力大仙「いや、鹿力がさ、カレー作ってたから。一晩おいた鹿力のカレーやばいから。食べ逃すワケにはいかない」

紅孩児「僕よりカレーを取るのぉ!?ひどいよ虎力さぁん!ううう……ひどいよぉ………悟空ーっっ!!!」



劇了!
623: 名無しさん@読者の声:2014/2/24(月) 08:13:39 ID:mCU9rSPiNc
テーマソング聴きたいwww
624: 名無しさん@読者の声:2014/2/24(月) 12:55:46 ID:zL1WLCW5ps
悟空も変態ww
625: 名無しさん@読者の声:2014/2/25(火) 18:33:11 ID:6KdyPMHBok
乙!
626: 名無しさん@読者の声:2014/2/26(水) 21:22:30 ID:O0RYAJ0eU2
終わりなのか(´;ω;`)
お疲れ様でした!
627: ヨシュア【OVAみたいなそんな】 ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:50:49 ID:tii46iCmxk
「おおおお……田畑が甦って行くだ……!」

「流石は仏の御遣い様だぁ、ありがてぇ、ありがてぇ……!」

「なんとお礼を言ったら良いだか……!」

三蔵「いえいえ、僧侶として当たり前の事をしたまでですよ。皆さんのお役に立てた、それだけで満足です」

「おお、なんて欲の無い……!」

「そんなわけにはいかねぇだ、なんかお礼を……!」







八戒「ふむ。これで今夜の飯と宿はゲット出来たかの」

悟空「だねー。でも営業スマイルのお師匠さま、いつ見ても気味が悪いね」

小龍「…田畑に呪いがかけられて居たのは事実ですし、それを助けたワケですから……多少のドヤ顔は我慢しましょう」

悟空「あはは、まあコレしか能が無いもんね、お師匠さしっぽっ!!?」

三蔵「だーれが能無しだ毛玉め」

八戒「御苦労じゃった、師匠殿。しかし本当に水神様とやらの呪いじゃったのか?」

三蔵「んにゃ、そんな大層なもんじゃ無いんじゃね?呪った、ってより、化かした、くらいのレベルだったし……ん?悟浄は?」

小龍「…悟浄さんは、『旦那様のカッコいい所を他の女に見せたら大変な事に』とかで、近くの広場に村の女性を集めて、なにやら護身術を教えています。男性も結構参加してましたが」

八戒「大方悟浄目当ての助平じゃろうな。ま、この辺りの治安も微妙じゃし、悪い事では無かろ。しかし気になるのう……何故こんな田舎の村の田畑になぞ……」

悟空「頭締め付けられなくなったと思ったら、最近しっぽばっかもう………で、お師匠さま。ゴハンとかは?」

三蔵「ん、オッケーだ。村の酒家の2階が宿になってるらしい、もちろんタダ飯タダ宿だ!」

悟空「わーい!」

小龍「…では荷物を……あ、悟浄さん」
628: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:52:22 ID:tii46iCmxk
沙悟浄「居た居た。旦那様、終わったみたいだね。……ほら、八戒姐さんならそこのメイド服だよ」

悟空「……そのオジサン、誰?」

沙悟浄「えっとだね……」

八戒「普通こういった場合、金やら食料やら、貢物を要求されとるモノじゃが……むう……ほ?」

男「悟能っ!」

ガバッ!!

八戒「……っ!!?」

小龍「…なっ……!」

沙悟浄「ば、馬鹿アンタっ!」

悟空「は、は、八戒ちゃんに抱きついた……!」

三蔵「みんな周りの人を逃がせ!そして俺らも逃げようまだキレんなよ八戒!」

八戒「………マ……」

男「あっはっは!悟能だ!あっはっはっは!」

八戒「…………マオ……!」







八戒後伝 〜A Midsummer Night's Dream〜

629: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:53:22 ID:tii46iCmxk
八戒「え、ええい離せ!マ、卯(マオ)、お主どうして……コラ抱き上げるでないっ!」

卯「あっはっはっはっは!」

悟空「し、知り合い……?」

三蔵「おい悟浄、この人何なんだ」

沙悟浄「いや……講義の最中、子供でも使える護身術を教えた時に、八戒姐さんの事をちょろっと話したら食い付いてきて……」

小龍「…ご、悟能様……」





卯「やー、良いんですかね、オレまで晩御飯ご馳走になっちゃって!」

八戒「……マオじゃ。小龍を拾うより前、下界に落とされた直後に………まあ、ワシが少し世話になった男じゃ」

卯「自己紹介が遅れました!マオと言います!女みたいな名前でしょ、あっはっは!」

悟空「…もぐもぐ……あれ?オジサン妖怪?」

卯「おお、鋭いな!まあ弱いけどね!あとオジサンはやめてくれ、まだまだ若いつもりだぜ、オッパイちゃん!」

悟空「オッパイちゃん……」

八戒「…血のうっすい半々妖じゃ。人間と殆んど変わらんわい、ザコじゃザコ」

卯「変わらず口が悪いなぁコイツめ!」

八戒「…ぬう、頭をポンポンと叩くで無い……!」

小龍「……………」

沙悟浄「おーいシャオ〜?……ダメだ、見た事の無い御主人様を目の当たりにして固まっちゃってるよ」

三蔵「しかしあの八戒を……ああ、ソイツの事です。妹……いや娘みたいに扱いますねアンタ。すげえな」

卯「あ、そう見えます?嫌だなぁ、そんなんじゃ無くて……」

八戒「ま、待てマオ!」

卯「コイツはオレの嫁ですよ!」

三蔵「……よめ?」

沙悟浄「………ヨメ……って………」

悟空「嫁ぇぇぇぇええええっっ!!?むぐっ!!?……ちょ、み、水、詰まっ……!!」
630: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:54:59 ID:tii46iCmxk
八戒「それはお主が勝手に言うとったダケじゃろが!」

卯「でも別に嫌だとも止めろとも言わなかったじゃんかよ、悟能も」

八戒「あ、あの時はじゃな、誤解されて面倒な者も居らんかったしじゃな………なんじゃ皆、ヒソヒソと」

悟空「……結婚詐欺に一票」

沙悟浄「…それだね。アタイも
も結婚詐欺に賭けるよ」

三蔵「おいおいみんな結婚詐欺にしたら賭けが成立しねぇじゃんよ」

八戒「うぉい」

卯「あっはっは、詐欺られてなんてないですよ。むしろ悟能の助言のお陰で、商売が上手くいって助かってたくらいなんですから!それに嫁とは言いましたが、オレはコイツが大きくなるまで待ってから夫婦になろうと」

八戒「じゃからワシは成長しきってコレじゃと何度も……」

沙悟浄「あ、そーいやそうだね、八戒姐さん見た目幼女だもんね」

悟空「お師匠さまに慣れてるせいで、ロリコンに違和感を覚えなくなっちゃってたね」

三蔵「……ん?つまり何か?卯さんはロリコンでも無いのに八戒を……?え、コイツの何処に女として惚れる要素が」

悟空「中身は脂ぎった中年オヤジだもんねぇ……」

悟空「しかも意地悪でドがつくスケベで変態さん」

八戒「うぉい!フォローが無いと思うたら、いつまで固まっとるんじゃ小龍!」
631: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:57:54 ID:ld1lzIwMT6


八戒『皆は先に部屋に戻っておけい!ちょっと此奴と話があるだけじゃ!ええい姉者、何をニヨニヨしとるか、しっしっ!』



沙悟浄「くくく……なんか可愛かったねぇ、八戒姐さん」

三蔵「女の子みたいだったな」

悟空「女の子ですけどね。てゆーか………良いの?シャオくん」

小龍「……はい?」

悟空「あのオジサンと二人で飲んでるんだよ八戒ちゃん。良いの?」

小龍「…良いの、の意味がよくわからないのですが……」

悟空「だぁかぁらぁ〜!二人っきりなんだよ?なんかあるかも知れないんだよ?」

小龍「…悟能様なら、万の軍勢が襲ってきても平気ですよ?それは悟空さんも知って…」

悟空「そぉじゃなくてぇ〜!昔の恋人さんっぽいんだよ?焼けぼっくいに火がついちゃうかもなんだよ?空白の時間を埋める濃厚なベッドインかもなんだよ?」

小龍「……閨事でしたら、屋敷に居らした頃から毎日のように相手を取っ替え引っ替えされてましたし」

悟空「そぉじゃないじゃぁぁぁんっ!ソレとは全然違うよ男の人だよ!?あの八戒ちゃんがだよ!?心配じゃ無いのシャオくぅん!」

小龍「…一体悟空さんは何をそんな興奮して……」

三蔵「悟空は何気にこーゆーの好きだからな。露骨なノロケじゃなくこーゆー大人の恋愛小説っぽい感じ」

沙悟浄「気持ちは解らないでもないけどねぇ……しかし完全な女色だと思ってた八戒姐さんが……男ねぇ?なんか変なカンジだよ」

悟空「お師匠さまぁ〜、シャオくんが全く理解してくれないぃぃ」

三蔵「そんなに気になるなら八戒んトコ行けば良いだろ。下の酒家に居るんだから」

悟空「いや、それは野暮ってゆーか、大人げないかなぁって……」

三蔵「大人毛の塊だもんなお前」

悟空「それぜったい字が違うよね!」

小龍「………………」
632: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:59:10 ID:ld1lzIwMT6



卯「と、と、と………サンキュー!………んはぁ!やっぱ悟能に注いで貰う酒は格別だな!」

八戒「はん。どぉ贔屓目に見ても安物じゃろが。料理は悪くないが、まあこの田舎では酒は期待出来ぬわな」

卯「お、おいおい……店の人に聞かれるぞ……相変わらず失礼だなお前は」

八戒「お主こそ、相も変わらずガタイに似合わん小心者じゃの」

卯「それを言うなって、あはは」

八戒「じゃから頭を撫でるでない」

卯「しかし悟能がまさか、天下の三蔵法師様の御一行とはなぁ。噂じゃ猪八戒って言やあ、黒豚の巨怪って聞いてたんだが」

八戒「しかもマヌケでスケベとなっとるの。まったく。……ま、色々あったんじゃ。……マオ、お主は何をしておった」

卯「マヌケじゃあないけど、スケベは否定出来んな、あっはっは!……ん、まあオレも、色々だ」

八戒「……そうか。………って誰がスケベじゃ。お主に言われたくないわい、このエロ本マニアが」

卯「いやいや、むしろどんだけ隠し場所を変えても探し出すお前こそエロ嗅覚が凄いだろ!」

八戒「あれは隠し場所がズサンなダケじゃ。だいたい豚小屋に隠す時点で……なんじゃ、ワシの顔になんぞ付いとるか?」

卯「いや。……オレの嫁さんは、変わらず可愛いな、と思ってさ」

八戒「……お主に嫁いだ覚えなぞ無いと言うておるじゃろ、この阿呆が」

卯「しっかし大きくならんなお前。オレ巨乳好きなんだけどなー」

八戒「ほほほ、では永遠に好みの女にはなれんわい残念じゃったのぉ!」

卯「あっはっは!」

八戒「……ぷっ………ほほほほ……!」
633: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:01:29 ID:ld1lzIwMT6




八戒「んんん、夜風が心地好いのぅ………♪」

卯「酒が入ってっから良いが、じゃなかったら肌寒いくらいかもな」

八戒「砂漠が近いのじゃ。昼間と夜の温度差が、この季節ならばまだ良いが、冬になれば更に酷くなるぞい」

卯「へええ。悟能はなんでも知ってるな」

八戒「関心するだけで、何故そうなるかを訊かんのがお主のダメな所じゃの」

卯「あっはっは、難しい話になりそうなもんで。で、どこまで歩くんだよ、悟能」

八戒「…………………」

卯「……悟能?」

八戒「…………夢が、覚めるまで………かの?」

シュルッ……

卯「お、お前なに脱いでんだ外だぞ!?風邪引くぞ!」

八戒「………乳は無いし、何より幼子の体躯じゃが…………」

卯「おい悟能っ!」

八戒「…………抱いて、くれるか?………マオ…………」

卯「悟能…………………」

八戒「…………………………………………ほ、ほほほほほ……!黙ってしまったのう。いや、喋れぬ、動けぬ筈よ」

卯「………………………」

八戒「ワシがこの様に迫り、そしてお主がどんな反応をするか……………ワシには見当がつかぬのじゃから」

卯「………………………」

八戒「………のう?ワシのマオよ」

卯「………………………」

八戒「………のう?…………死んだ男よ……」
634: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:03:33 ID:ld1lzIwMT6

ズズズズズズズ…………


狐面の男「術が解けて居たか」

八戒「……ワシが思う、ワシが考える………ワシの中のマオ、そのものであった………そりゃそうじゃの、『ソレ』を具現化されて居ったのじゃから」

狐面の男「確実に化かした自信があったのだが。流石は天蓬元帥」

八戒「化かす………成程、田畑の悪戯も貴様じゃな。ワシらを留まらせる為と言うた所か………ほほ、いや見事に化かされておったよ。はじめ、マオが生きとる事に疑問を抱かんかった………」

狐面の男「惜しかったと言うわけか。この狐阿七(こあしち)、詰めが甘かったようだ。名を上げるチャンスだったのだが」

八戒「狐………ほほ、まったく、狐の妖にはロクな奴が居らんのう………」

狐阿七「さて、真正面から闘り合うつもりは無い」

八戒「……なんじゃ、つれない。………懐かしき夢を見させてもろうた礼じゃ……楽に逝かせてやるぞい」

狐阿七「怖いな。悪いが逃げさせて貰おう」

ズズズズ………

八戒「………そうか。好きにせい」

狐阿七「天蓬元帥、次こそ」

ドスッ

狐阿七「………がぁぷ……!?」

ズシャッ……

小龍「………………」

八戒「…次は、無さそうじゃの」

小龍「…余計な手出し、お許しを」

八戒「……いや。ようやった、小龍。不殺の約束、お主のお陰で守れたわい」

小龍「……悟能様」

八戒「………奴は……マオはの。お主と出会う前に………と、これは話したか。………一年程度じゃが、共に暮らしておったんじゃ」

小龍「…………はい」
635: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:09:37 ID:eo8hmY6MeU


『じゃーかーらっ!豚小屋に捨てられとったワケでは無い!ワシは天蓬元帥じゃ!貴様如き虫ケラ、一瞬で塵と出来るのじゃぞ!?』

『そうか……親に捨てられたショックでそんなワケわかんない事言ってるんだな……かわいそうに………』

『違うと言うておろーがぁっ!!』



八戒「………ワシの妖力も見てとれぬ程に弱くての。まあ殺すのは何時でも出来ると思い、当面の宿として、奴の所に転がり込んだのじゃ」

小龍「……………はい」



『お主アホじゃのう、ほれこの店じゃ。ここはいつもお主の豚を買うてくれるじゃろ?他に無理して売り捌くより、この店に安く卸してやれい』

『え、でも安くしたら儲けが……』

『それが阿呆じゃと言うんじゃ。定期的な収入がじゃな……ええい、もう良いワシが仕切るっ!』

『任せたよ奥さん』

『言うとれ』



八戒「勝手に嫁だのと呼びよって、そのくせ扱いは娘同然じゃったわい。何がしたかったのか……今もようわからん」

小龍「………………」



『おーい帰ったぞ悟能!見ろ、今日は熊肉を買ってきた!お前これ好きだもんな、あっはっは!』

『…………………』

『ん?なんだ?生で食うなよ?』

『阿呆。………何故マオは、それほどワシに良くする?嫁じゃとかそーゆーいつもの馬鹿話ではなく、じゃ』

『いや馬鹿話のつもりじゃあ…………そうだなぁ………………拾ったから、かな』

『………なんじゃそら』

『あっはっは、なんだろな?よくわからん!』

『………可笑しな奴め』
636: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:12:03 ID:eo8hmY6MeU

八戒「……………そして、ある日、死んだ。殺された。………ワシの留守中、金目当ての賊に押し入られて、の。特に珍しくも無い話じゃ」

小龍「………………」

八戒「商売が成功してなんだら、狙われんかったやも知れん。ワシが殺したとも言えるのう」

小龍「…そんなこと……!」

八戒「………ほほほ、良い。……ほほ、今宵は……冷えるのう………」

小龍「…悟能様、御召し物を……お身体に障ります」

八戒「………後ろを向け、小龍」

小龍「………はい…?」


………トッ


小龍「……っ」

八戒「………少し……少しの間………背中を借りる………」

小龍「……借りるも、何も。………私の全ては、悟能様のモノです……」

八戒「…………ふ…ふぐっ………え、う、ぐぅぅ………!!!」





637: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:19:11 ID:2twRS1Q.AA








悟空「………ねぇねぇってばぁ!あの後どーなったの?どーなったの?」

八戒「昔話をして、それで終わりじゃと言うたろうが。なんじゃウザいぞ姉者」

悟空「違うもん私にはわかるもん!今日の八戒ちゃんオトナっぽいもん!姉妹弟子間で隠し事は良くないと思います!」

八戒「ええい、しつっこい……!」

悟空「ほらシャオくんだって気になるでしょ?澄ました顔で八戒ちゃん運んでないで、一緒に質問攻めに」

三蔵「よし、八戒ちょっと小龍から降りろ」

八戒「うお?なんじゃコリャ、引っ張るで無いっ!」

沙悟浄「で、悟空姐さんがシャオに乗りな。ほらとっとと!」

悟空「ふえ?え?なになに?」

小龍「…悟浄さんも、良ければどうぞ」

沙悟浄「お、二人乗りかい、良いねぇ。………っと、よっし飛ばしなシャオっ!」

小龍「…しっかり掴まってて下さいね」

悟空「な、なに?走るの?なんでっ?うわっ…………そういえば馬のシャオくんの背中初めてかも!」
638: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:28:08 ID:fI31rUQC0k

八戒「………助け船のつもりか?」

三蔵「あん?舟なんか無くても空飛べるじゃんお前」

八戒「…どっから見ておった、この出歯亀め」

三蔵「いや君のヌードなんて見てないよ?」

八戒「この……まず一人で出歩くで無……まああの様子では、悟浄も一緒か」

三蔵「あいつ寝ないで人の寝顔見てやがった怖い」

八戒「ほほほほ、では置いてきぼりは姉者のみか、ほっほっほっほっ」

三蔵「………平気そうだな」

八戒「誰に物を言うとるか、師匠殿よ。………それより小龍、どこまで走る気じゃ?もう見えなくなるぞ」

三蔵「おお?おい置いてくなっ!人数比的にこっちが迷子っぽくなるだろが!おーい!待てって!」



悟空「うわぁぁあすごいすごい!これ気持ちいいっ!」

沙悟浄「へえ、アンタ結構スピード出るんだねシャオ、そんじょそこらの名馬顔負けだよ!」

小龍「…まだまだ、後半の伸びが私の持ち味ですから」

悟空「……なにそれ競馬?」

沙悟浄「八戒姐さん……ほんと教育に良くないねぇあの人は……」

三蔵「待てっつーのお前らーっ!」





八戒「ほほほ………………マオよ。ワシはもう二度と失わん。じゃから安心せい。……安心して、ワシの中で眠っておれ」


ヒュオオオオオッ……


八戒「………さらばじゃ、我が夫殿」




〜劇了〜
639: 名無しさん@読者の声:2014/2/27(木) 20:19:49 ID:q1gq9EEtOQ
ヨシュアさん乙です!!面白かった!

ろくちゃんが悟空の妹ということは、牛魔王の妹にもなるってことですかね?

個人的には牛魔王と奥様方の馴れ初めや、ほかの兄姉の話など読みたいです…チラッチラッ
640: 名無しさん@読者の声:2014/2/28(金) 08:31:42 ID:mOxADzsLmI
くそぅ…八戒ちゃんの最後の一言で泣いてしまった!
641: 名無しさん@読者の声:2014/3/5(水) 22:36:36 ID:.Y.RrahXfA
番外編もっと欲しいなあ
642: ヨシュア【TVスペシャル・前編】 ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:38:13 ID:DYTtg.AA2o
ヒュオオオオオ………

沙悟浄「………まさかアンタと戦り合う日が来るとはねぇ………シャオ」

小龍「…悟浄さん………御覚悟を」



西遊閑話 〜西天は紅く萌えているか〜



八戒「………………」

小龍「………………」


ごくう「ちょ、しっぽ!しっぽひっぱんないでぇ!」

金角「そんごくー、ちっちゃーい!」

銀角「ねーたん、わたち、わたちよりちっちゃいこ、はじめて!」

沙悟浄「あああん姐さん可愛い……!お友達と遊ぶ我が子……公園デビューって、こんな感覚なのかねぇ……♪」

三蔵「色不異空、空不異色、色即是空、空即是色……」


八戒「ちと賭……買い物から帰ったら、なんじゃこのカオスは」

小龍「……平頂山で会った双子ですね。何故ここに」

ごくう「いたたた……あ、八戒ちゃんとシャオくん、おかえりなさい!」

金角「ぶたのおねーしゃん」

銀角「りゅーのおにいたん」

八戒「おうおう、久しいのう。して何用か………や、その前に姉者よ。まあ悟浄がトリップしとるのは良いとして、アレはどうしたんじゃ?」

ごくう「あれ?」

小龍「…ベッドの隅で壁に向かって般若心経を唱えてる、アレです」

ごくう「ああ……なんか『光景が素晴らし過ぎて、このままじゃ俺はダメになってしまう』とかで、さっきからあんなんなってる」

八戒「下手に徳がある変態は難儀じゃの」

小龍「…とっくにダメになってるでしょうに」

三蔵「究境涅槃三世諸仏!」
643: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:40:32 ID:DYTtg.AA2o
金角「なんでそんごくー、ちっちゃいの?」

沙悟浄「アタイの娘だからだようっ♪」

ごくう「ちがうよ!れいのごとくにょいぼーにムリさせたら、この体たらくなだけだよ!」

小龍「…朝、寝ボケて……と言うのが恐ろしいですね」

ごくう「はんせいしてます」

八戒「ワシ等がとっさに気付いたから屋根だけの被害で済んだが、まったく。ハタ迷惑な朝勃ちじゃの」

ごくう「いやべつにせいりげんしょーじゃ。あとサラッとそーゆーの口にしちゃダメ!ちっさい子がいるんだから!」

三蔵「お前が一番小せぇけどな」

ごくう「あ、おちつきましたか、おししょーさま」

三蔵「や、未だ身体の一部分は落ち着いてないけど」

ごくう「だからやめなさいそーゆーの!」

八戒「して、金角銀角よ、今日は何しに来た?」

金角「……えと、じーしゃまから、おてがみ」

銀角「わたちたち、おつかい」

八戒「ふむ、太上老君殿からか。どれ、貸してみい」

金角「だめ」

銀角「ぶたのおねーたんには、みせちゃだめって、じーたまが」
644: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:41:42 ID:DYTtg.AA2o
八戒「なんじゃそら。良いから渡せい。………ふむ、確かに太上殿の字じゃな」

三蔵「また厄介事か?何が書いてあんだ?」

八戒「…………………!」

ごくう「……八戒ちゃん?」

八戒「……ふへ?あ?なんじゃ?」

三蔵「いや、だから何が書いてあんのかって」

八戒「あ〜………いや、別に大した事は書いてないのう。と言うか……うむ。これワシ宛じゃな、うむ。ほれ、九歯馬鍬のメンテナンスについてとか、色々と」

三蔵「……いやそれならなんでお前には渡すなって」

八戒「それは……ワシに渡さないとダメ、と言われたのを、此奴等が聞き違えたんじゃろ、幼子じゃしのう。あ、そうじゃ師匠殿、まだ数日はこの町に居るじゃろ?宝具のメンテは集中力がいるからの、ワシちょっと近くの山にでも籠ってやってくるわい。………じゃあの!」

バタンッ

三蔵「……小龍」

小龍「…はい、後を追います」

ごくう「……シャオくんでだいじょーぶ?」

三蔵「お前らがそんなだから仕方ないだろ」

沙悟浄「そうだ姐さんお弁当持って公園行こう!デビューしちゃおう!」

ごくう「うんわかってたけど訊いてみただけー。あつくるしいから離れてごじょーちゃん」
645: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:45:42 ID:DYTtg.AA2o







沙悟浄「親子三人でお出かけ………んふふふぅ……♪」

ごくう「くやしいけど肩車はちょっと楽しい」

三蔵「お前ら気楽だな………っと……此処だ」

沙悟浄「なになに、『領主主催、比武大会』………ふぅん、そこそこデカい催しなんだねぇ」

ごくう「拳法のたいかいなんだね。わたしも出たかったなあ………」

三蔵「ええと、コレだ。優勝賞品、世にも珍しい赤水晶。賞金もまあまあ出るのに副賞までか、儲かってんだな、ここの領主」

ごくう「それをねらってるの?八戒ちゃん」

沙悟浄「アタイらに嘘吐いてまで、あの人は……」

三蔵「ん。怪しかったから観世音様呼び出して正解だったぜ、あの幼女め」

受付嬢「あら、参加希望者さん?」

三蔵「え、あ、はい。いや俺じゃなくて」

沙悟浄「アタイが出るよ。名前は沙悟………じゃなくて、流沙、で登録頼むよ」

ごくう「るさ?」

三蔵「……俺らそこそこ有名人だろ。本名はマズイ」

受付嬢「あらあら、奥さんに闘わせるだなんて、良い御身分ねぇ旦那さん。うふふ」

沙悟浄「お、奥さん………んふ、んふふふふぅ……♪」

三蔵「……もうそれで良いです。あ、つかぬコトを訊きますが、ココにナース服の幼女が来ませんでした?」

受付嬢「ええ、お昼過ぎだったかしら。ふふ、参加希望だなんて言うから、笑っちゃったわ。この辺りは武術が盛んで、若い武道家も多いから年齢制限も13歳以上、ってしてるんだけど……どう見ても8、9歳なんだもの」

三蔵「なるほど。これはザマアミロだな」

受付嬢「で、諦めて、なんかボーイフレンドが登録してったわよ。ええと……ロン選手ね。あの子も13歳にしては幼く見えたけど、まあ男の子だしね、許してあげたわ」

ごくう「ほら予想どーり、ミイラとりがミイラになってるよ……」
646: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:47:02 ID:DYTtg.AA2o
沙悟浄「……相手はシャオかい」

三蔵「いいか悟浄、その赤水晶………いや、宝具『紅珠(こうしゅ)』。絶対に八戒の手に渡しちゃいけない。悪いが頼む」

沙悟浄「そうだねぇ……旦那様の頼みだし、まあ………でもシャオだけなら良いけど、他の選手は武道家とは言え人間だからねぇ………手加減が難しいね」

ごくう「う、それがあるね。やっぱわたし出なくてよかったかも……あ」

八戒「………ち、嗅ぎ付けたか」

小龍「………………」

三蔵「………八戒」

八戒「処罰は後で幾らでも。それこそレオタードでもブラジル水着でも着てやるわい。………じゃが今回は、譲れん」

三蔵「……観世音様から聞いたぞ。人間が使っても大した事無いから領主が持っている分には構わないが、世に出るのならば阻止しなくちゃ、だそうだ。だからその紅珠を壊して欲しい、ってのが今回の上の要望らしいぜ。悪用されん為にな」

八戒「………ある程度使ったら、考えてやるわい」

三蔵「お前…!おい小龍、お前もなにアッサリと寝返ってやがる」

小龍「………私も、お叱りは後ほど」

ごくう「…………なんかシリアスしてるけど、ようはアレでしょ?その道具って」

沙悟浄「……観世音さんが言うには、『対象者の精神に作用して、その気分や身体の状態を好きに操る』……まあ、エゲツないっちゃエゲツない道具だねぇ」

三蔵「………お前、そんなモノ手に入れて、どうするつもりだ……!」

八戒「………ふ、知れた事…………」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

八戒「あの娘もこの娘もエッチな気分でヌレヌレにしてウハウハに決まっとろうが!!ふほほほほほほほほほ!!」

三蔵「こんにゃろ開き直りやがった!」

ごくう「八戒ちゃん………」

沙悟浄「禁欲が祟ったかねぇ………目がイッちゃってるよ……」

八戒「今回はワシ止まらんからな!こんなチャンスを見逃すワシではないわ!行くぞ小龍、悟浄なぞケッチョンケチョンにしてやるのじゃ!」

小龍「…………はい」

三蔵「お前はそれで良いのか小龍」

ごくう「イヤならイヤって言おうよシャオくん……」
647: 名無しさん@読者の声:2014/3/6(木) 15:50:24 ID:iluM/Oud42
ヨシュアさんありがとうおおおおおお!!!!
そして安定の変態ご一行様
648: ヨシュア【TVスペシャル・中編】 ◆.frSdr10QQ:2014/3/7(金) 17:10:55 ID:07CqOQjenA






太上老君「いやはや、申し訳無い!まさか元帥の嬢ちゃんが、ここまで暴走するとは」

三蔵「まったくだぞジーサン。鋼の絆の三蔵一行が、見事に真っ二つだ」

ごくう「もぐもぐ……エロでこわれるとか、プリンなみの強度でしたねぇ」

太上老君「しかしあの娘、もそっと理性的かと思うとったんぢゃが」

三蔵「ウチの八戒を嘗めるなよ。遊園地では強姦未遂、ギャンブルに熱くなれば全財産を注ぎ込み、己が欲の為なら師匠すら欺く。気持ちいいくらいのダメ幼女だぞ?」

太上老君「ほっとんど大魔王ぢゃのう、ひょひょ」

ごくう「かわいいとこもあるんだけどねぇ……」

三蔵「見た目以外、どこに………おう、お疲れ」

沙悟浄「ん、予選終わらせて来たよ。あぁ手加減疲れた………で、拾って来たよ。予選会場は選手しか入れないからねぇ」

小龍「…………逃げませんから、あの、離して………」

三蔵「よぉぉ裏切り者」

小龍「………裏切るもなにも……私は悟能様の従者で………」

ごくう「でもわるいことなんだよ!シャオくん、めっ!」

小龍「………こ、この程度………悟能様的に悪事の範疇では………」

太上老君「あの紅珠は、古の戦争……その血塗られた戦いが残した、負の遺産ぢゃ。壊さねばならぬ。御主ならばそれが解ろう?」

小龍「………て、天部の言など、私は信用しませ……」

沙悟浄「で?アタイをケチョンケチョンにするってぇ?言うようになってきたのは良いけど……ちょいと吹き過ぎてやしないかい?ねぇシャオ……?」

小龍「…………私が………言った……訳じゃ………」

三蔵「なあ小龍、俺も男だから八戒の野望は解らんではないが、ある意味今回は全女性の危機だ無視できん。暴走してるアイツに付き合う必要無いぞ?」
649: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/7(金) 17:13:47 ID:wEh.JxV2So
小龍「………………」

ごくう「…ね、ねえ、そろそろかわいそうになってきたんだけど」

小龍「…………れ、でも……!」

沙悟浄「あん?」

小龍「…それでも!私は悟能様の味方ですっ!」

三蔵「ぐぬ」

沙悟浄「………忠義、かい」

ごくう「おおう、なんかカッコいい…!」

太上老君「……主君の過ちを正してやるも、臣下の務めぞ、玉龍よ」

小龍「……………い…」

ごくう「い?」

小龍「…良いじゃないですか!あんなに欲しがってるんですから、ソレあげましょうよ悟能様に!だって悟能様が欲しがってるんですよ!?きっと手に入れたら悟能様、喜びますよ!?」

ごくう「甘ぁぁぁっっ!!?」

三蔵「忠義どころかタダの溺愛じゃねーか甘やかしMAXじゃねーか!」

小龍「…なんとでも言ってくださいっ!……てあっ!」

沙悟浄「おわっ!?」

小龍「………幸か不幸か、最後までぶつかりませんが………決勝で会いましょう、悟浄さん……!」

ヒュンッ

沙悟浄「ちょ、待ちなシャオ………うわあ、本気だよあの子……」

太上老君「………国を亡ぼすタイプの王と側近じゃの」

ごくう「……うん……八戒ちゃんをダメにしてるのはシャオくんだ、とはおもってたけど………」

三蔵「アイツも輪をかけてダメダメだったな!」
650: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/7(金) 17:24:32 ID:U1hNfgMBqk






実況『………あー、テステス………それでは皆様、お待たせ致しました!第三十五回比武大会、決勝戦を執り行います!』

ワァァァァァァァァァァァァッッ!!!

三蔵「すごい声援だな……」

太上老君「ふむ、娯楽の少ない土地柄ゆえかのう。これ金、銀、お菓子を溢すでないぞ」

金角「ぽっぷこーん、のどかわく」

銀角「きゃらめるあじだから、なおさら」

三蔵「ジーサン、なんでこの二人まで連れて……ナイスだ。眼福眼福」

ごくう「あ、みてみておししょーさま、あのハタ、『流沙LOVE』って書いてあるよ」

三蔵「おー。あっちには『ロンくん大好き』って垂れ幕もあるな。がっつりファンをつけやがって二人とも」

ごくう「ごじょーちゃんカッコいいし、シャオくんかわいいもんねぇ。わたしも出てたら応援もらえたかなぁ」

三蔵「とりあえず俺が大きく『毛』って書いてあるTシャツとか作ってやるよ」

ごくう「なにその嫌がらせグッズ!」
651: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/7(金) 17:27:18 ID:wEwZC7Zu5M

実況『まず、鳳凰の門より、選手入場です!』

ウォォォォォォオッ!!

沙悟浄「……これ、手とか振るべきなのかねぇ…」

実況『ここまで全ての試合を、足技ひとつで制して来た女傑!その長い脚を大きく伸ばす度に、男性陣の鼻の下も伸びる伸びる!』

沙悟浄「ちょ」

実況『惜しむらくはもう少しバストが欲しいところか!今回も華麗な足技を見せてくれ!流沙選手が舞台に上がります!』

沙悟浄「あの実況、後で死なす…!」


実況『続いて応龍の門より、選手入場!』

キャァァァァァァアッ!!

小龍「……………」

実況『対してこちらは、達人も舌を巻く見事な武術で勝ち上がって参りました、なんと小さな男の子!』

小龍「……………」

実況『セコンドにピンクのナース幼女を侍らせて、若いのにそんな趣味丸出しで大丈夫なのか!ロン選手、堂々のリングイン!』

小龍「……ひどい誤解を生んでますね………」


沙悟浄「………姐さん……今度はちょーっとオイタが過ぎるんじゃないかい?」

八戒「……ほ。妹弟子の分際で説教とは烏滸がましいわ。………負けんぞ…!」

実況『セコンドアウトです!両者中央へ!』

沙悟浄「…………本当にバカだねぇ、アンタも」

小龍「………馬鹿で結構。これが私です」

実況『試合、始めぇっ!』
652: 名無しさん@読者の声:2014/3/10(月) 08:10:39 ID:/3rE4ol2iY
前回の番外編のシャオくんのかっこよさに比べて…(´・ω・`)
653: ヨシュア【TVスペシャル・後編】 ◆.frSdr10QQ:2014/3/11(火) 00:44:21 ID:xCO0I9dQ82



太上老君「ひょ、流石は元、近衛のトップと西海龍王の子息ぢゃ。天界の御前試合とて、ここまでの武はなかなか拝めんぞい」

三蔵「つーか小龍ってこんなに戦えるんだな。なんか火ぃ吐いてるイメージが強すぎて」

金角「ぽてとちっぷ、なにがすき?」

ごくう「のりしお!しょっぱいほーがおいしいもん!」

銀角「えー、こんそめだよ!でもねーたんはいっつもうすしおかってくる」

金角「おとめだから、かろりーをきにしてるの!」

三蔵「………随分と溶け込んでますね、悟空さん?」

ごくう「いやー、もういっそこの姿になったときは幼女ライフを楽しもうかと」

三蔵「個人的にはグッジョブだが、お前そんな気楽にしてて良いのか?もし小龍が勝っちゃったら、性欲魔豚フィスティバルが始まるとゆーのに」

ごくう「んー、そりゃまあ大変ですけど、べつにそこまで……」

三蔵「ほう。せっかく師匠が心配してやってるんだけどなあ。………八戒がその紅珠を手に入れたら、最初の標的は………お前か悟浄だぞ、たぶん」

ごくう「うわああポテチ談義してるばあいじゃなかったよ!ごじょーちゃんがんばって!!」



沙悟浄「そぉ……らぁっ!」

小龍「…ふっ!」

ドガアッ!!

実況『こ、これは物凄い攻防だぁーっ!流沙選手が放った踵落としを、柳の様に受け流すロン選手!そして外れた蹴りは石舞台にヒビを入れる威力!コイツら本当に人間かーっ!?』
654: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/11(火) 00:48:57 ID:U1hNfgMBqk
小龍「………まだ人間の域は出てないレベルだと思いますが」

沙悟浄「……素手ゴロだしねぇ。ふふ、シャオ、辛そうじゃないのさ。腹ん中で火袋がゴロゴロ鳴ってるんじゃないかい?」

小龍「…確かに、つい炎を吐きそうになりますね。しかし悟浄さんも、両手が寂しそうですよ」

沙悟浄「だってアタイ、得物で戦り合うのが基本だからねぇ。ま、脚で十分……と言いたいけど、いざ相手にしてみると、やりにくい動きさね、アンタ」

八戒「燕青拳じゃ。ワシが仕込んだ。小龍はスジが良いからのう、捕まえ辛いじゃろ、ほほほほ」

沙悟浄「……ねぇ八戒姐さん?そりゃあシャオは強いけどさぁ………まさか本気でアタイに勝てるとでも?」

ゴオオッッッッ!!

小龍「……闘気………!」

八戒「………ほ、純粋に武のみを競うたら、ワシや姉者ですら、御主に勝てる率は低いわい。……しかし、兵法ならば此方が数段上じゃ………やれぃ」

小龍「…はい。………悟浄さん」

沙悟浄「あん?」

小龍「…悟空さんが小さいと、本当に先生と悟浄さんの娘みたいですよね。若夫婦、って感じです。お似合いですよ」

沙悟浄「なんだいシャオったらそんなホントのこと言っちゃってぇ!嫌だよぅやっぱそう見えちゃうおおおっ!?危なっ!!?」

小龍「………残念、避けられましたか」

沙悟浄「ちょ、そぉゆぅ手ぇ使う!?」

八戒「およそ戦いは、正を以って合し、奇を以って勝つ………手段は選ばぬぞ、悟浄よ…!」

沙悟浄「………ぐ、敵に回すとここまで厄介だとは…!」
655: 名無しさん@読者の声:2014/3/11(火) 13:30:26 ID:CVio7w8LIk
支援!

しかしこんな姑息な手を使っても悟浄ちゃんには勝てない気がする

656: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/12(水) 21:54:20 ID:VQx19Xq4TI




太上老君「……ふむ。どう見るね、石猿。元帥の嬢ちゃんが策謀に、近衛娘は勝てるのかの?」

ごくう「んんぅ……ふつーにやったら、ごじょーちゃん勝つよー。よゆーがあるもん、見てて」

三蔵「おお、そりゃ良かった」

ごくう「でも……ごじょーちゃん、ほら、なんていうか……ここぞって時に、地味に終わるってゆーか」

金角「じみー!」

銀角「かませー!」

三蔵「ひどいなお前ら。……そーいやコイツらとやり合った時も、自信満々で負けてたもんなぁ悟浄」

ごくう「ちょっと運がたりないんだよね、ごじょーちゃんって」

三蔵「そんなどーにもならんダメ出しやめてやれって…」





沙悟浄「ぐぬぬぬぬ……!シャオ、あんた恥ずかしくないのかい!正々堂々の勝負を、そんな口先で汚そうなんてさぁ!」

小龍「…これは悟浄さんの言とは思えませんね。喧嘩に卑怯も何もない、と言ったスタンスでは無かったのですか?」

沙悟浄「男らしくないって言ってんだよ!……せっかく格上のアタイが胸ぇ貸してやってんだから、正攻法で来れないのかい!」

八戒「………」チラッ

小龍「……………か……貸す程、あるんですか?胸……」

沙悟浄「うわあアンタ今言っちゃいけないコト言った。それ言っちゃいけないヤツだ歯ぁ食い縛りな」
657: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/12(水) 21:56:21 ID:VQx19Xq4TI
小龍「………悟能様、やはりこれは厳しいです。こんな、心にも無いことを言うというのは……」

八戒「む、そうか。まあ御主、悟浄を『大人の素敵な女性』だと評しておったしの、ほほ」

沙悟浄「えっ」

小龍「…ほ、本人の前で、そんなこと」

沙悟浄「…な、なにさなにさ!止めとくれよちょっと身内でそんな照れ臭」

ブウンッッッ!!

沙悟浄「うわあっ!?」

小龍「……惜しい」

沙悟浄「いやいやいやヒド過ぎない!?アタイ今『そ、そっか……シャオにそんな風に思われて……』みたいなそんな嬉し恥ずかしな気持ちだったのに!このウソつき!このままじゃアタイ龍族不信になる!」

小龍「……将、吾が計を聴かざるときは、之を用うれば必ず敗る。之を去らん。………私は、勝つために、悟能様の作戦に全乗っかりしてますので」

八戒「怒らし、驕らせ、乱す。そして疲れさせる。兵法の基本中の基本じゃぞ?ひっかかる方が間抜けのポンポコピーじゃ、ほっほっほ♪」

沙悟浄「ム、ム、ムカつく……!アタイの姉弟子めっちゃムカつく……!!」

小龍「…あと、嘘は吐いて居ませんよ、私。悟浄さんは素敵な方です」

沙悟浄「うううう…!もうやだコイツら相手にすんのもう嫌だぁぁ……!」





三蔵「おいなんか泣いてないか悟浄」

ごくう「…どうしよう負けるかも」
658: 名無しさん@読者の声:2014/3/12(水) 21:58:30 ID:oRQSKCD3As
これ勝てるのお師匠様くらいなんじゃないか?
支援
659: 名無しさん@読者の声:2014/3/13(木) 12:38:22 ID:cTXqppT6rA
お師匠様がショタを殴れるとでも?

支援
660: 名無しさん@読者の声:2014/3/13(木) 13:50:13 ID:d6dospV6B6
そもそもお師匠殴り合いはダメなんじゃあ・・・
661: 名無しさん@読者の声:2014/3/13(木) 17:04:03 ID:v903hCs1PE
お師匠様来たらシャオくんの処女が危ない
662: 名無しさん@読者の声:2014/3/13(木) 17:56:41 ID:pHFMAn0byM
お師匠のこの絶大な信頼度にワロタ。


支援支援支援ー。
663: ヨシュア【TVスペシャル・後編長くね?】 ◆.frSdr10QQ:2014/3/15(土) 20:39:40 ID:kQCzfU9hQo
実況『おーっとどうしたことかーっ!流沙選手の動きが、先程に比べて明らかに鈍い!しかし苦悶の表情を浮かべるその姿に、はからずも何かこう劣情を催してきましたワタクシ!』

沙悟浄「実況黙れっ!くそ、そうだよ何も聞かなければ良いんだ……無心で蹴り倒す、無心で蹴り倒す……!」

小龍「…………」

ツー……

沙悟浄「え、ちょ、な、涙?なんでアンタが泣いてんの痛ぁっ!!?」

バターン!!

小龍「…初めてまともに入りました」

八戒「ほらの?涙、便利じゃろ?」

沙悟浄「……あ…ああ…!?……へ?なに?悪魔?アタイ悪魔と戦ってんの……?」




太上老君「これは惨い。こと狡猾さにおいて、老婆と小娘ほども差があるのう」

金角「あれはかわいそう」

銀角「たぶんあたまんなかぐちゃぐちゃ」

ごくう「うわぁぁあ負けないでごじょーちゃあん!」

三蔵「つかなんでみんな、何喋ってるか解るんだよ。舞台側の客席とは言え、流石に内容までは聞き取れんぞ俺は」

太上老君「ひょ、儂ら天人は、意識すれば下界の声すら聞き取れるからのう。この程度の距離、なんでもないぞい」

金角「きこえるー」

銀角「まるぎこえー!」

三蔵「マジかよズルい。悟空、お前も?」

ごくう「わたしはくちびるの動きを読んでます」

三蔵「うおおっ、なんだそのカッコいいセリフ!」
664: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/15(土) 20:41:09 ID:kQCzfU9hQo
ごくう「ごめん言ってみたかっただけ。ホントはわたしもがんばれば聞こえる」

三蔵「気持ちはわかるから許す。で、やっぱ八戒アレか?俺をダシにしたり容姿を誉めたりとか、そんなんで動揺させてるのか?」

ごくう「おおう、さすがおししょーさま!うん、そんなかんじ」

三蔵「……ふむ。よし、金銀姉妹、ちょっと一緒においで。俺もセコンドに付いてくる」

ごくう「おししょーさまこんなときになにを!?ダメだよ犯罪だよ!」

三蔵「バカ野郎お師匠さまは節度のあるロリコンだぞ。時と場合と高感度は常に気にしてるっつの安心しろ。………ふふふ、八戒……お前の好きにはさせんぞ…!」




八戒「ほほほ…!揺さぶりはこの辺りで十分かの。そろそろ仕留めに……む」

小龍「……先生」

沙悟浄「だ、旦那様ぁっ!ゴメンもうアタイ辛い!悟空姐さん抱いて寝たい!」

三蔵「うん、だだ泣きじゃねーかよ悟浄。………八戒、随分と好き勝手してるじゃん」

八戒「………勝負じゃからの?別にルール違反では無いぞい?」

三蔵「………そっちがその気なら、こっちにも考えがある」

八戒「ほ、師匠殿が出張って来るのは予定通りじゃ。………良いか小龍、どんな揶揄を受けようとも動じるでないぞ…!」

小龍「…勿論です。先生如きに揺さぶられる私ではありません」

三蔵「……ふっ。お子ちゃまだな。この玄奘三蔵、人をおちょくる事にかけてはそこのナース幼女には負けないぞ」

八戒「お主が着せとるんじゃろがナースは。しかも何金角銀角を連れて来とるか、この変態め」

三蔵「………ふ、ふふふ………この手だけは使うまいと思ってたが………他はともかく世の幼女までお前の毒牙にかけるのは許せないからな。………見ろっっ!!」

ジャジャーン!!

小龍「………っ!!!そ、それは……!!!」

三蔵「……超ウルトラレア『義侠軍神・関羽』……!!小龍、お前の道教王カードデッキのエースカードだ……!!」
665: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/15(土) 20:44:19 ID:OIsZYRTVzE
小龍「…か、勝手に荷物から……!」

三蔵「……目には目を、悪事には悪事を、だ」

小龍「……それをどうするつもりですか、先生……!」

三蔵「…俺も決闘者(デュエリスト)の端くれだからな、これを破り捨てたりなんかしないさ。俺は何もしない………ただ、このカードを…………コイツらに預ける!」

金角「かーど、きらきらー!」

銀角「ひげのおじさんがかいてあるー!」

小龍「……なっ…!?」

三蔵「………良いのか小龍?お前が大切にしてるコレ、コイツら多分ラクガキするぞ?いや舐めたり噛んだりするかもだぞ?歯形ビッチリ付くぞ?」

金角「もっとみしてー!」

銀角「きらきらみしてー!」

小龍「…ぐっ……!!」

八戒「待てぃ師匠殿!それは反則じゃろ、脅迫ではないか卑怯者っ!」

三蔵「うっせぇお前に言われる筋合いはノミの糞ほども無ぇっ!」

沙悟浄「ねぇ旦那様そんなんどーでも良いからアタイを慰めて!」

小龍「…私がそのカードを引くまで、どれだけ苦労したのか知っているでしょうに……!」

三蔵「わかってくれ小龍……!俺だって辛いんだ…!」




太上老君「……御主等、仲良しぢゃな」

ごくう「……でしょ」
666: 名無しさん@読者の声:2014/3/20(木) 09:22:37 ID:Jk.0rVztq.
支援!
667: ヨシュア【TVスペシャル・後編長過ぎて困る】 ◆.frSdr10QQ:2014/3/20(木) 20:40:11 ID:oR9LTLZEIM
小龍「………好きに、すれば、良いです……!」

三蔵「マジかお前、超レアだぞ?………じゃ、はい」

金角「きらきらー!」

銀角「あれー、しーるになってないのこれー?」

小龍「ぐっ……!………こ、この身命、全ては悟能様が為……!己など、二の次三の次!」

八戒「おおお……よう言うた小龍!それでこそワシの小龍じゃ!………ほ、ワシとしたことが涙腺が………年は取りたく無いのう…!」

三蔵「君の動機がエロスじゃなかったら美しい主従愛なのになぁ………スマン悟浄、俺にはもう手札が無い。カードだけに」

沙悟浄「旦那様ぁぁぁあ……!」

八戒「よぉし小龍、トドメじゃ!一気にまくし立てぃ!」

小龍「…はっ!」

沙悟浄「ひぃぃ悪魔が、ちっさい悪魔が来るぅぅぅう!」

三蔵「キャラ崩れるくらい怯えてやがる……おーい悟浄、頼むよ頑張ってくれよ!」

沙悟浄「もう嫌だアタイ悟空姐さんとこ帰るぅぅぅう」

八戒「ほほほほほ!望み通りにしてやるわ!勝ちじゃ!」

小龍「…一撃で、場外まで飛ばします…!」

三蔵「うぉぉい!来てる来てる!動けって悟浄!なんでもするから!」

小龍「…もう遅い!」


ドガッ……!!!


八戒「……な?う、受け止め……いや、動いては居らぬのに……!」

小龍「…ビクとも……!?」

沙悟浄「………なんでも?」

三蔵「お、お前、大丈夫か?めっさ腹に小龍の拳が」

沙悟浄「………なんでも、する?」

三蔵「へ?あ、うん、俺が出来ることなら………」

沙悟浄「………むふ♪」
668: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/20(木) 20:41:00 ID:oR9LTLZEIM
ゴオオオオオオオオオッッ!!!

小龍「…うわっ!?」

沙悟浄「………むふ、むふふ………♪策を巡らせば良い。謀を重ねれば良い………」

小龍「…ご、悟能様……!」

八戒「ちょ、待て悟浄!げ、下界の武道大会じゃぞ?その妖力は無いじゃろ、待て、待てと言うに!」

沙悟浄「………我が拳よ……沙悟僧が命を燃やし……愚者に地獄を見せよ……!!」

小龍「……あの、この、ちょっとコレは……!」

沙悟浄「………終の幻拳っ!!『鳳点頭(おおとりのうなづき)』!!!」

八戒「お主初の必殺技の初披露がココとかどうかと」


カッッッッ!!!


八戒「思っ………ぐう…!」

小龍「………きゅう」バタッ

実況『ロン選手、ダウゥゥゥゥゥンッ!!!カウントを始めます!』

沙悟浄「……ふっ。鳳点灯は目視の叶わない超高速を生み出す、『実体のある幻影』……カウントはムダさね、立てやしないよ」

三蔵「うおおおお!すげーじゃん悟浄!」

沙悟浄「あぁん旦那様ぁぁぁあっ♪悟浄勝ったようっ♪」

ガバッ!!

三蔵「ぐえっ」

沙悟浄「約束どーりなんでも……むふ、むふふふぅ……♪すりすりすりすりっ♪」

実況『勝者、ロン選手!』

沙悟浄「すりす……へ?はぁぁぁあ!?なんで!?倒れてんじゃないさアイツ!!」

実況『ロン選手のダウンカウント五の時点で、流沙選手が場外となりました。リング以外の物や人に触れたら場外です。貴方セコンドのその人に抱きつきましたし』

沙悟浄「……………」

三蔵「お前バカァァァァァァァァァアッッ!!!」
669: 名無しさん@読者の声:2014/3/26(水) 17:25:01 ID:qNsY8il6TA
こっそり紫煙
670: ヨシュア【TVスペシャル・やっとラストだよゴメンゴメン】 ◆.frSdr10QQ:2014/3/27(木) 16:55:20 ID:.zKgV8r9b6
八戒「ほ、ほほほほほほほ………これが……これが夢にまで見た宝具、紅珠……!ようやった!ようやったぞ小龍!」

小龍「……喜んで頂けて、何よりです」

三蔵「…八戒」

八戒「…ほ。皆で小龍の優勝祝い、かの?」

太上老君「それを此方に渡すのぢゃ。それを悪用する事は天を代表して許さぬ」

八戒「………ほほ……悪用ではないわ。ワシの妙技でオナゴ皆々天に昇らせてやるだけのこと。活用じゃ、活用♪」

ごくう「……悪者のせりふだよ………」

八戒「まずは………紅珠よ!我が言葉に応えよ!手近なオナゴ全て、エロエロのドロドロのグチャグチャの頭ん中どっピンクにしてしまえい!!!」

金角「あ」

銀角「そのめいれいだと」

八戒「……ほ?」

※青少年の健全な育成を阻害する事象が起きましたので、落ち着くまでこちらをお聴きになってお待ちください。

『コイスルドクロ』歌/沙悟浄

※コイスルドクロ コイスルドクロ
そうよ貴方をホネマデアイシテル
コイスルドクロ コイスルドクロ
だから私をホネマデアイシテネ

貴方しか見えないの この世界で唯一ただひとり
私が選んだ貴方なの 「好き」が溢れて止まらない

守るわ貴方命をかけて 他の誰かになんて渡さない
貴方を見る目ハートマーク だって最初で最後の恋だから

コイスルドクロ コイスルドクロ
見てよ桃色ハートノクビカザリ
コイスルドクロ コイスルドクロ
ダメね貴方にホネヌキクビッタケ

貴方だけ特別よ 神様だってぜんぜん敵わない
私が愛する貴方なのLOVEが飛んでくどこまでも

待ってて貴方女は度胸 どんな障害だって乗り越える
だけど時々不安になるの だって乙女の心は万華鏡

※くりかえし

好きよ好き好きアナタガダイスキヨ
671: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/27(木) 17:00:20 ID:.zKgV8r9b6





金角「はいよー!しるばー!」

小龍「…あの、私はシルバーでは」

金角「だめだよ、おうまさんはひひーんってなくんだよ!」

小龍「…ひ、ひひーん………」

銀角「ねーたんずるいー!つぎわたちー!」

小龍「…つ、疲れる………っ!?ちょ、ツノを引っ張らないで下さいっ!」

金角「もちやすい」

銀角「このふぃっとかん」

太上老君「ひょっひょ、悪いのう玉龍よ、面倒見てくれて助かるわい」

三蔵「いーんだよ、罰なんだから。ある意味一番暴走してたのはコイツかもだし」

小龍「……うう………もう十分罰は受けたと思うのですが………主に悟浄さんから」

三蔵「生尻叩かれてたな」

小龍「…皆さんの前で………ぐうう………!」

太上老君「うむ。息子を叱る母親のようであったのう。ひょひょ、三蔵殿よ、良い伴侶ではないか」

三蔵「え?なに?天界でも三蔵法師×沙悟浄はもう鉄板なの?俺に逃げ場無いの?」

太上老君「ひょひょひょ、しかし見に行きたいのう………のう、ナイショで覗きに行かんか?」

三蔵「いや………なんかもうエロいってかグロいらしいし。俺の幼女幻想が壊されかねないからヤダ」

小龍「…悟能様………」

三蔵「しかしバカだよなアイツも………シモが絡むと悟空よりマヌケなんじゃねーか?」


〜隣室〜

ごくう「…………」

沙悟浄「…………」

八戒「あふぅぅぅぅ………ぇふぅ…………あっ………くふぅ………ぅぅん………!!!」
672: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/27(木) 17:03:21 ID:yCnF/CXjeE
ごくう「…なにを見せられてるんだろうね、わたしたち」

沙悟浄「………亀甲縛りで喘ぐ姉妹弟子?」

ごくう「…ヒョウタン借りられて良かったね。これは表に出せないよ出しちゃいけないよ」

沙悟浄「…あれはお漏らしなのかねぇ……純なアタイにゃわからないや……」

八戒「あっ……ねじゃっ………ご、じょ………!!!た、たのむ、ヤラ、ヤらせ……あぐっ!!ひうっ!!」

ごくう「うわあ」

沙悟浄「恐ろしきは紅珠の力だねぇ。もう性欲しか残ってないじゃ無いのさこの人………姐さん教育に悪いから見ないほうが」

ごくう「わたし子供じゃないけどそれには同意」




三蔵「『手近な女』っつったらそりゃ最初は自分にかかるに決まってんだろ。アイツたまに自分が女子だって忘れてっからなぁ」

太上老君「ま、紅瓢の中ならば、簡単には衰弱せぬからのう。主人が元に戻るまで貸してやるから、それまで金と銀を宜しくの、玉龍」

金角「つぎおままごとー!あたちとおにーしゃんがめおとね!いもーとはふりんあいて」

銀角「しゅらばだね、ねーたん!」

小龍「…た、助けて……!」




ごくう「……これ、いつもとに戻るんだろうね」

沙悟浄「戻ったら叱ってやろうと思ってたけど、なんかその気も失せたよ……」

八戒「……あ、ぅんっ!!なわ、縄が………あふっ!!ぐふぅぅぅぅう……!!」

ごくう「戦ってる時はすごくカッコいいのになぁ、はっかいちゃん………」

沙悟浄「アタイ今後この人を姐さんって呼べるのかねぇ………」

八戒「……だ、だれ、誰でも良いから………ヤらせ………やらせぇぇぇぇぇぇぇっくぅぅぅぅぅんっっ!!!」ビクンビクンッ!!

紅瓢(……流石に吐き出したい………)



劇了!
673: 名無しさん@読者の声:2014/3/27(木) 18:15:46 ID:pPIlox/yAk
ゴクリ…だ、誰か!絵師はよ!!
674: 名無しさん@読者の声:2014/3/27(木) 18:30:32 ID:0HxDtJds0Y
悟浄ちゃんとシャオくんのスパンキングに八戒姐さんのアへ顔ダブルピースか……
夢のある話だ……
675: 名無しさん@読者の声:2014/3/27(木) 22:43:57 ID:As0U6PmeL.
流石に瓢箪に同情するわwww
676: 名無しさん@読者の声:2014/3/28(金) 04:41:51 ID:jWUAF0fKNU
これ放送して大丈夫なのか
677: 名無しさん@読者の声:2014/3/28(金) 18:50:49 ID:ZwpEJG395w
深夜ならあるいは…いやアウトだなこれもう


ヨシュアさん乙でしたー!
678: 名無しさん@読者の声:2014/3/29(土) 08:59:04 ID:heqk5tD.eg
お絵描き部隊はよ
679: ヨシュア【ドラマCD版とかそんな】 ◆.frSdr10QQ:2014/4/4(金) 23:35:14 ID:BneZiERyG2
悟空「る……る…………ルール………ルールブック!」

小龍「…く……燻製」

八戒「い、か。では…イラマ」

悟空「ストーップ!エロ単語禁止だよ!八戒ちゃんもたまにはエロから離れて!」

沙悟浄「いらま……?なんだい、ヤラシい言葉なのかい?」

小龍「…さあ、わかりません」

三蔵「変態にしかわかんない暗号じゃね?」

八戒「ほほ、単語の途中で解るあたり、姉者もワシ側じゃな」

悟空「あれおかしいな風紀を正した私がスケベ扱いされてるよ?そしてお師匠さまはわかってるクセにちくしょう。もう、いいから八戒ちゃん別のっ!」

八戒「ふむ……では、石頭」

沙悟浄「ま……マリッジブルー。アタイもそろそろ……」

三蔵「おかしいね君と結婚式挙げる予定は今んとこ白紙なんだけどね?……ん?ルーだから、ルか?ウか?」

悟空「ル!絶対ル!」

三蔵「ルーズボール」

悟空「ひやぁぁぁぁあまたルだぁぁぁあ!もう無いよ!お師匠さまの次もうヤダ!」



哪吒「あぁぁん……♪しりとりに興じてはるシャオ様も素敵どす………♪」

木叉「素敵も何も、今龍神君、馬やん。白馬やん」

哪吒「まさに白馬の王子様やわぁ……♪」

木叉「いやあれやと白馬の王子やなくて、王子の白馬やろ。………なぁ、ナタ?」

哪吒「……んもぅ兄様は黙っといて!エエ……エエなぁ……♪ウチも乗りたい乗られたい……♪」

木叉「……無理言うて下界に来れたいうのに、望遠術で覗き見しながら気持ち悪くクネクネするだけで満足なんお前?」

哪吒「せ、せやね……!せっかく、せっかく掴んだチャンスやもんね……!三ヶ月も拝み倒してやっと許された外出や……!あと気持ち悪くない!」

木叉「ボク(統括責任者)とのん(如来代理)が口添えしても外出許可が中々通らんとか……お前どんだけ上層部の信用無いねん……」

哪吒「ふんっ、どーせ父上がなんか根回ししてんねやろっ!………よ、よし……!シャ、シャ、シャオ様に近付くんや………まずは肉眼で監視できる位置まで………!」

木叉「ツチノコでも見つけたんかお前は」
680: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/4/4(金) 23:41:31 ID:SJ9WWrQy7U
哪吒「ま、町に入った……!今日はそこでお泊まりなんやねシャオ様………!そ、そや、泊まる宿を確認して、近くの宿に部屋を……!」

木叉「なんでボクまでこなぃストーキングに付き合わな………誰も付き添いに名乗りを挙げんとか面倒臭がられとんねんウチの弟は……」

哪吒「い、も、う、と!エエもん、誰に嫌われてもシャオ様さえ居ればそれでエエもーん♪」

木叉「で、なんで近くの宿やねん。同じ宿の部屋取ればエエやろ」

哪吒「そ、そ、そんなん恥ずかしいやん!お、お、お、お風呂上がりとかにバッタリ会ったら恥ずかしくて死んでまう!そんでお互いお風呂上がりだったりしたらもう!なにそのロマンス!」

木叉「や、両方男湯なんやからお互いに、は無いやろ」




悟空「ねぇ本屋さん寄ろーよ!ちょっと新刊チェックしたい!」

小龍「…あ、私も見たい本が」

悟空「なになに漫画?バトルもの?」

小龍「…いえ、兵法書を。ここらは隠匿した識者が多いとの噂を聞きまして」

悟空「………おぉう」

三蔵「姉弟子としてキッツいよな。自分はエロ本買いに行くってのに」

悟空「エ、エロ本じゃないもん!れ、恋愛モノの漫画だもん!ちょっと男の子どおしでくんずほぐれつしてるダケだもん!」

三蔵「エロ本のがマシだよ声がデケェよ」




哪吒「あぁ…♪武のみやなくて知にも秀でてはるんどすねシャオ様……♪ますます惚れてまうわぁ………♪」

木叉「盗聴虫まで飛ばしとったか………あれ?これボク逮捕せんでエエのかな?」




沙悟浄「そうだ、量販店にも寄らないとね。この先ちょっと山越えだから、食料とか買い込まないと」

小龍「…調味料も切れてましたね」

沙悟浄「アンタが当番の時に使い過ぎなんだよ。いくら八戒姐さんが濃い味好みだからって、健康に良くないよ?」

小龍「…う。……しかし、美味しそうに食べて頂けると、その……」
681: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/4/4(金) 23:44:16 ID:SJ9WWrQy7U
沙悟浄「本当に大事に思ってるなら、ちゃんとした栄養管理したげないと!塩分は控えめに!あと肉より野菜を多目に……」

悟空「姑だ」

三蔵「姑だな」

八戒「その場合小龍がワシの妻で、ワシは悟浄の娘……ではなく息子か。となると師匠殿が父親で、姉者はワシの妹じゃな」

悟空「姉者なのに!?」




哪吒「りょ、料理まで出来るなんて……!ま、まさに理想の殿方や……奇跡の人や……!」

木叉「はぁ?男子厨房に入らず、やろ。飯炊きは女の仕事やで?そなぃ女々しい事出来るかい」

哪吒「……観世音姉様に言うてやろ」 

木叉「話し合いましょうか可愛らしいお嬢さん」
682: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/4/4(金) 23:45:25 ID:SJ9WWrQy7U




八戒「そうじゃ小龍、今日の宿じゃが部屋風呂が付いとるトコを探せい」

小龍「…部屋風呂、ですか」

八戒「たまには背中を流せ、と言うとるのじゃ、男女別れてては出来ぬではないか。姉者に流して貰うとガサツで痛いし、悟浄は丁寧過ぎてこそばゆい。お主が一番じゃ」

小龍「…かしこまりました」

悟空「なんかスゴいコトをかしこまっちゃったよシャオくん」

沙悟浄「そ、そんな、嫁入り前の男女が混浴なんてててて……!」

三蔵「…………」

悟空「どしたのお師匠さま?」

三蔵「や、『俺が流そうか八戒!』って言うタイミングを逃した」

悟空「あるある」




哪吒「………………」

木叉「なんや、飽きたか?帰ろか?」

哪吒「………なぁ、兄様…………」

木叉「帰るんやったらその前に、馬乳酒買うて来てってのんに頼まれとるさかい…」

哪吒「………シャオ様の周り………ちょおおおおおおっと女の子が多過ぎひん………?」

木叉「ええええなんで急にヤンデレるん?」
683: 名無しさん@読者の声:2014/4/5(土) 13:11:03 ID:MXeNFa.KW2
ドラマCDキターーーーーー!!!!!!!!
支援!
684: 名無しさん@読者の声:2014/4/5(土) 20:03:06 ID:jUrGbOxKhA
や…やっと追い付いたあああ〜!
つC
685: 名無しさん@読者の声:2014/4/6(日) 14:58:31 ID:B7JlnaNpzw
続編!!(゚∀゚)
ヨシュアさんありがとう支援!!
686: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/4/12(土) 13:41:26 ID:mkQIrdNEXw
木叉「まあ………多いなあ。八戒さんのコト考えると実質男目線のが多い気ぃするけど」

哪吒「危険や………シャオ様の貞操の危機や………ウチが……ウチが守らな……!」

木叉「龍神君も難儀なんに好かれたなぁ……別にお前の初恋とかどーでもエエけど、そこは無いと………や、どうやろな………」

哪吒「まずはあの乳オバケや!事ある毎にシャオ様に抱きついて!あああほら今もや!その穢らわしい肉を押し付けるんやめぇ!殺すえ!」

木叉「いやお前じゃ勝てへんで多分。………まーたデカなってないか?悟空さん。なんや?あん人は栄養が全部乳と毛ぇに行くんかな」

哪吒「………でもまあ、あれはエエわ。なんか色気全く感じひんし。ウチのが全然色っぽい」

木叉「不思議となぁ。なんであそこまでムッチンプリンなのにエロく見えんのやろなぁ」



悟空「ぶえーっっくしょいっっ!!」

三蔵「なんだ、誰かが陰口でも言ったか?『柔道部の部室みたいだよね悟空って』とか」

悟空「まずは風邪か?から聞いてくださいよ………あとなにそれわかんない」

八戒「チン毛まみれってコトかの」

悟空「……………八戒ちゃん女の子がそーゆー単語をサラッと言っちゃダメ!あとまみれてないしよしんばまみれてたとしても陰毛にじゃない!それとやっぱそーゆー部室ってそうなの?」

三蔵「迷った末に全部言ったか」



哪吒「……それよりなんやのあのチビは。シャオ様に命令ばっかやないの無礼な……!」

木叉「や、あそこは主従関係やし。………とは言うものの、ボクとしてはアソコが一番怪しいねんけどなぁ………八戒さん、女色や言うて実は龍神君のこと………あ、少し面白くなってきた。個人的にあのロリオヤジをあたふたさせたい」

哪吒「はん。いくらなんでもあのチンクシャなら負けんわ。中身はいざ知らず、尻の青いお子ちゃまやないの。あれに欲情する男なんて、ド底辺の社会不適合者だけやわ」



三蔵「へっくし!」

悟空「どうしましたお師匠さま、誰かに陰口言われました?『実は単なる若ハゲ』とか」

三蔵「そうだとしたらそっとしといてやってくれ」

小龍「…そうなんですか?」

三蔵「違ぇよ剃ってるよ俺が髪生やしたら雀の涙ほどの僧侶らしさが霧散すんだろ」

小龍「…自覚はあったんですね」
687: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/4/12(土) 13:41:58 ID:mkQIrdNEXw


哪吒「………そんで一番怪しいんは、あの赤髪や」

木叉「は?一番無いやろ。悟浄さんは三蔵さんにゾッコンやで?」

哪吒「いーや、あやしい!なんやあの二人、やけにコンビになるコトが多いえ!女の勘や!何より並んだ姿がもうあれや、兄様の部屋で見たオネショタもんのエロ漫画や!」

木叉「ちょ」

哪吒「おねーさんの方が貧乳気味なんもソックリや!きっとあの地味女もあの漫画みたいに、シャオ様を狙とるに違いないで…!」

木叉「やめて」

哪吒「しかもよう見るとあのクソ女やけに美人や!なにあれ?女優?乳無いくせになんやあの色気は!きっとビッチやエロガッパや!」

木叉「いやあん人は処女臭………やなくて。お前人の部屋に勝手にコラふざけんなや!」

哪吒「勝手にや無いもん。観世音姉様に入れて貰たんやもん。てか本見つけたんも姉様やで?」

木叉「おぅふ」

哪吒「なんや真剣に読んどったで姉様。『そ、そうか………こーゆーのが好きなんですか………!』とか言いながら」

木叉「………それで最近似合わんハイヒールやらストッキングやら………のん………」

哪吒「うわ似合わんとか酷いわぁ。言うたろかな」

木叉「………なんて可愛いヤツなんやのん!アカン帰りたい!帰ってのんを強く抱きたい!糸が切れるように!強く!!」

哪吒「ウザっ」

木叉「あぁん?」




沙悟浄「………八戒姐さん」 

八戒「言うな。ワシらしかまだ気付いておらん。このまま帰ってくれれば良しなんじゃ、『気付いている』事を悟られるな」

沙悟浄「でもなんかイライラするんだよ………気配の消し方が上手いのも逆にイライラする」

八戒「我慢せい。観世音や木叉だけならば構わんが、あの女装男はあまり相手にしたくない。玉面のヤツと同レベルで面倒な輩じゃ」

沙悟浄「………同意」

八戒「それに、ワシ女々しい男、嫌いじゃしの」

沙悟浄「あ、男の娘は範囲外なんだね。なんか安心したよ」
688: 名無しさん@読者の声:2014/4/15(火) 06:00:41 ID:K1blMSbodU
シャオ君めっちゃ好きだわ…

キャラの絵って前から上がってるデザインを参考に描いた方がいいのかな?(´・ω・`)
描きたいけど自分なりのでいいか気になって…
689: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/4/15(火) 06:05:15 ID:vd/Xj8/Au2
オールフリーですノンアルコールです。好きに遊んでやって下さいな!
690: 名無しさん@読者の声:2014/4/18(金) 08:07:04 ID:hAIgEEc0wY
了解です!!ありがとうございます(`・ω・´;)描かせていただきます〜
691: 名無しさん@読者の声:2014/4/19(土) 01:46:08 ID:coNt9vcfN6
C
692: 名無しさん@読者の声:2014/4/23(水) 22:14:17 ID:zEG3/jzTlI
紫煙
693: 名無しさん@読者の声:2014/4/29(火) 18:52:49 ID:B7JlnaNpzw
ヨシュアさん忙しいのかな…C
694: 名無しさん@読者の声:2014/5/5(月) 19:31:30 ID:vjp1rLdVbs
しえんあげ!(`・ω・´)
695: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/7(水) 22:01:42 ID:SmnKvuzPVI

木叉「やー、コンビニ様々やな、なんやこの辺ヘンピやのにコンビニだけはちゃんとあるから助かるわ」

哪吒「キツネのマークのコンビニやろ、最近よー見るわ。あ、兄様、アイス買うてきてくれた?」

木叉「おう、チョコミントと抹茶どっちが………やないわ。お前いつまでストーキング続ける気ぃやねん!もう三日やぞ!エエ加減声くらいかけろやもう面倒ぃ!」

哪吒「………う。………だって、なんて声かけたらエエのかわからんもん………よお考えたらウチ、シャオ様と面と向かって話したん、腕落とされた時以来やし………」

木叉「モジモジすんなキショイ。愛おしそーに腕を擦るなキショイ。スカート履くなキショイ」

哪吒「最後の言わんでもエエやつや!………あ、あした!明日お声をかけるよって、今夜はまた遠視で素敵な寝顔を………」

木叉「それを止めろっちゅーんじゃ!しまいにゃ本気でブタ箱ぶち込むぞ!」

哪吒「あれ、シャオ様こんな夜中にどこに出掛けはるんやろ」

木叉「話を聞けぇ!」

哪吒「森の中に………ほら追うで兄様!」

木叉「この……」




小龍「………すぅ…………つぁっ!」

ブンッ!!

小龍「こぉぉ………せやっ!」

ギュンッ!!


哪吒「………シャオ様…?」

木叉「……………うぅん……」

哪吒「ん?なんやの兄様その妙な顔は」

木叉「…いやな?これどう見ても人目を忍んで鍛練しとるって感じやん龍神君。男が影で努力しとる姿を女が見たらアカン……と言いたいねんけど、お前女や無いやん?ボクどうしたらエエのか」 

哪吒「女やもん!」


小龍「…っ!…誰ですか」
696: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/7(水) 22:03:23 ID:SmnKvuzPVI
哪吒「しまっ…!」

木叉「…………」

哪吒「ね、猫の真似とかすれば、えと、な、な〜ご?にゃ〜お?みゃ、みゃ〜…」

木叉「………ていっ」

ドガッ!!

哪吒「ごっ!!?」

ヒュウウウウ………ドサッ


小龍「…………」

哪吒「な、なにしはるん兄様!妹を一体なんやと…!」

小龍「………あの」

哪吒「なんやの今あのチャラアホに文句をやな………っ!!」

小龍「…なにしてるんですか、貴方」

哪吒「………シャ、シャ、シャ、シャ、シャ、シャオオオオオさささ様ままま」

小龍「…あの」

哪吒「あえ、えお、えと、ほ、ほんほほんじつはおひがらもよくくくく」

小龍「…夜ですし曇ってますが。…いや、そうでなくて」

哪吒「おひ、おひさ、おひさしぶりゅりゃりぇりぁ」

小龍「…とりあえず退いてくれませんか。重…くは無いですが、身動きが」

哪吒「〜〜〜〜っっっ!!!」


木叉「くく、ほぉれ頑張りや」


哪吒(あ、に、さ、ま、め〜っ!!!)

小龍「………?」
697: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/8(木) 22:11:54 ID:H0G3OfWv2k


小龍「………ふう」

哪吒「すすすすすみまへんでしたぁぁぁあ!おお押し潰してしもて、重かったでしょうに、ゆゆ許しとくれやすうううううう!」

小龍「…いえ、だから重くはなかったと」

哪吒「しししかも押し潰すだけやなく、その、まるでアラビア数字の6と9がくっついたかのよーな体勢になってもーて、うううウチ、どぉやって謝罪したらエエのんかかか!」

小龍「…謝罪する気があるなら、そこ詳しく解説しない方が好ましいと思いますよ」

哪吒「ううううどぉしたら許して貰えるやろ………そ、そうや!小指詰めますよって!なんなら手首でも!」

小龍「…手首を渡されても困りますが。………手首………ああ、何処かで見たと思ってましたが、貴方、天部の」

哪吒「ううううううシャオ様に嫌われるぅぅはしたない女やと思われてまうぅぅぅ無しにしたいさっきの無しにしたいぃぃぃぃ」

小龍「……あの、話聞いてますか?………えと、ナタ、さん?」

哪吒「………!!!………にゃ、にゃた、しゃん………っ!!!」







『………ナタさん』

『…………』

『………ナタさん?』

『………ぶー。いつまで「さん」付けで呼ばはるんどすか、シャオ様』

『…だって、ナタさんは、ナタさんですし』

『その敬語もやめとくれやす!………ふ、夫婦なんやからっ!』
698: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/8(木) 22:13:04 ID:H0G3OfWv2k
『……じゃあ………ナタさんも「様」付け、やめて下さいよ』

『あう!?』

『…やめてくれたら、私も直しますよ』

『…で、でも、よ、呼び捨てとか、なんか、しょの、にゃんか』

『………ダメですか?………ナタ』

『っっっっ!!!………あう、うう………』

『…ナタ?』

『………しゃ、しゃ………小龍………』

『…………』

『なっ、なんか反応して!はずかしい!』

『………いや……存外、照れますね……コレ』

『い、言わしといてなんやのもうっ!』







小龍「…え、なんか今妙に長い何かが挟まりませんでした?だいぶ気持ち悪い感じの何かが」

哪吒「みたいな!!みたいなぉぁぁぁぁぁあ!!!ひゃぁぁぁぁぁあ!!!」

小龍「…放っといて帰っても構いませんかね、もう」
699: 名無しさん@読者の声:2014/5/9(金) 06:21:14 ID:vjp1rLdVbs
シャオ君逃げて超逃げてwww

ヨシュアさんおかえりなさい!つC
700: 名無しさん@読者の声:2014/5/12(月) 19:56:05 ID:Of4tuPoCBY
なんだこのカオスはwwwwwwwwwwwwwww
701: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/12(月) 23:51:52 ID:oeiyiXpXEw
小龍「…で、何か用ですか?先生方なら宿ですよ。まあ酔い潰れてますから、先生と悟空さんは起こしても無駄でしょうけど」

哪吒「え、あ、えっと、い、嫌やわぁ、ほら、そ、そーや、お、お手紙に書きましたやん、ウチ!そのうちお茶でもしましょお、って!」

小龍「…手紙………ああ。いやあれは悟能様が………」

八戒『良いか小龍、このナタとしておる文通、上の動きが丸見えで便利じゃから、本人に会うても話を合わせよ。なあに安心せい、此方からは無難な返事しか書かんでの、ほほほ』

小龍「………なんでもありません。しかしならば何故空から降ってきたんですか」

哪吒「え、えと、えっとぉ………シャ、シャオ様こそ、こんな所で、な、何を?」

小龍「…質問に質問で返しますか。………鍛練ですよ。まあ型の復習ですが。…………私は、あまり強くありませんから」

哪吒「そ、そんなこと………てゆーかウチ、シャオ様に負けとるワケで、そのシャオ様が強ぅ無いとか言ってもーたら、天の軍部を預かっとるウチの立場が………」

小龍「………私の勝ち方は、基本不意討ちですし」

哪吒「あーそやね確かに、ウチも油断しとるところをスパッと………はっ!ちゃ、ちゃいますちゃいます!シャオ様はじゅーぶんお強いし、よしんば強うなくてもカッコいいし可愛いし!」

小龍「……はあ」

哪吒「だから、ウ、ウチは、お、お手紙にも書いたよぉに、そ、そんなシャ、シャオ様のコトをおおおお慕いいい」

小龍「…あ。危ない」

ドゴォォォォンッッ!!!

哪吒「いぅえぁっ!!?」

???「………きひ、きひひ」

小龍「……何者ですか」

???「……きひひ、ひひ………にく……肉がいるぅ……♪」
702: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/12(月) 23:54:01 ID:oeiyiXpXEw
小龍「………熊……!?」

熊の化物「……くん、くんくん。………オメェも、今のヤツも、妖怪か?よぐわがんねぇな。でもニンゲンじゃあねぇなあ………でも……肉……!」

小龍「…話の通じる相手では、無さそうですね」

熊の化物「んああ?いまオメェ、オデを馬鹿にしだろぅ?この黒風(こくふう)様を、馬鹿にしだろぉ!?」

小龍「………馬鹿になんてしてませんよ。私が馬鹿にする前に、もともと馬鹿のようですし」

黒風「んがぁぁあ!なんがわがんねぇけど、三回も馬鹿っつったなぁ!決めたぁ!まずはオメェを食っ」

哪吒「羅車仙術の弐、砍妖刀おおっ!!」

ズオオオオッ!!

黒風「んぎっ…!?」

哪吒「ぬぁにしくさってくれとんじゃこの黒ダルマぁぁあ!!!ウチのプリチーな顔にキズでも付いたらどないして責任取るつもりじゃこんボケナスがぁぁぁあっ!!!」

小龍「…………」

哪吒「………はっ。………な、なんてことしてくれはりますのん、ひどいわぁ熊さんたらっ!女の子のお顔にキズとかついてもーたら、お嫁にいけなくなってまうやないのっ☆」

小龍「…いや、別に言い直さなくても」

哪吒「うう、てかシャオ様ぁ、さっきのんは『危ないっ』てウチを押し倒してやな、そんでウチが『や、ま、まだウチらにはこーゆーの早いとぉぉぉ』とかテンパるみたいな、そんなんがベタやないのん?言うだけて!危ないって言うだけて!」

小龍「…ナタさん、右に跳んで下さい!」

哪吒「へっ!?」
703: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/12(月) 23:58:26 ID:rSOAmWvyuo

ズシャァァアッッ!!

黒風「ぐ、避けられだ!避げるな!」

哪吒「な、なんやのんコイツ、でっかいナリして素早……!」

小龍「……地面が………成程、膂力は悟空さんクラスですか。厄介ですね」

黒風「痛かっだ……もぉぉお許ざねぇ………!ぐちゃぐちゃにしで、ハンバーグにしでやる!」

ゴオオオオオッ!!!

哪吒「の、野良妖怪の妖気とちゃうやん!なんでこんなんがこんな所に…!?」

小龍「………ナタさん」

哪吒「は、はひっ!?」

小龍「………アナタは、とりあえず味方……ですよね」

哪吒「も、モチのロンどす!世界中を敵に回したって、ウチはシャオ様の」

小龍「……森を焼き払いたくありません。………頼っても?」

哪吒「………は、はいぃぃ!仰せのままにぃっ♪」






木叉「……ん、釣れた釣れた♪二人掛かりやったらまあ、無傷で行けるやろ」

八戒「見たところ天人崩れでは無いのう。獣が妖怪化したようじゃが、此程の妖力を持つとは」

木叉「たまぁにあんねん、突然変異言うやっちゃな。てか牛魔王のオッサンとかもそぉやろ?ガキの肉が好物らしぃで、上手く釣れて良かっ………八戒さん、いつのまに?」

八戒「小龍が特訓しとる時は、大抵覗いとる。武を施した以上、成るまで見届けるのがワシの流儀じゃ」

木叉「い、いやぁ奇遇やねぇ、ボクらも散歩しとったらちょーど龍神君を見かけて」

八戒「ナタの餓鬼と一緒になって、ワシの湯浴みまで覗いとった件は許してやるから、少し黙っとれい。小龍の動きを視るのに集中したい」

木叉「ぬ、濡れ衣や冤罪やそれでもボクはやってない、やっ!!ノゾキしとったんはアイツだけで、ボクはなんも見てへん!だいたい龍神君も男なんやから、一緒に風呂入るんやめぇやこの痴幼女!」

八戒「………やっぱり見とったんではないか。別にお主に見られた所でワシは気にせぬ。良いから黙っとれ、邪魔じゃ。それとも観世音にバラされたいか?んん?お主の男に風呂を覗かれた、と泣きついてやろうか?」

木叉「………ぐ……!……やっぱボクこの人嫌いや………!」
704: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/13(火) 23:11:19 ID:bEHo2KteXU
哪吒「羅車仙術の参、縛妖索っ!」

黒風「うぐ………うっどおしいっっ!!」

バチィン!!

哪吒「うえええ!?む、無理矢理跳ね返しよった!?」

小龍「…そこっ!」

ズシッ………

黒風「んああ?いま、何かしだかぁ?」

小龍「………首元を蹴っても、ノーダメージですか……」

黒風「ぬるい!オメェら、ぬるいぞ!おどなしくオデに食われろ!」

哪吒「い、言わせておけば……!こぉなったら、火輪で黒コゲに……!」

小龍「……だから、火事になってしまいますって」

哪吒「ウ、ウチのハートはとっくに大火事に」

小龍「……毛皮が硬質化して、甲冑の様になってますね………刃は通るか……?」

哪吒「無視するシャオ様も素敵やわぁ……♪」



木叉「………あれ?予想以上に、強い?妖力だけ肥大化したんと思てたけど、動きも素早いし力の使い所も絶妙やん………これボクも手伝うたほぉがエエかな」

八戒「ならん」

木叉「よっしゃトドメは八戒さんに譲るさかい、まずはボクが一太刀………はい?ならん?なんで?」

八戒「小龍が、逃げておらぬ。ワシは別に戦闘狂では無いからの、どう足掻いても勝てぬと見れば逃げを選べ、と教えてある。逃げておらぬと言う事は、彼奴は勝つ算段をしておると言う事じゃ。邪魔立ては、主としてワシが許さぬ」

木叉「………ふぅん、心配ちゃうのん?」

八戒「ふん。この程度の相手に心配するほど、ヤワな鍛練は施しておらんわ。お主こそ可愛い弟が心配か?喧嘩ばかりしとるよぉに見えるが、仲良し兄弟なんじゃのう?」

木叉「………そないミシミシと馬鍬を握り締めといて、説得力無いで?柄にヒビ入っとるやん」

八戒「えっ!?…………………………謀りおったな、貴様……!」

木叉「あははは、顔真っ赤やで自分!よぉやっと八戒さんから一本取れた♪」

八戒「……観世音に無いコト無いコト吹き込む。決めた」

木叉「せめてあるコト吹き込めや!」
705: 名無しさん@読者の声:2014/5/17(土) 17:24:41 ID:Of4tuPoCBY
八戒ちゃんさえ居れば平和な気がする
706: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/19(月) 23:15:44 ID:s2S0QPX0oI
黒風「ぬあああああ!とっどとミンチになりやがれぇぇえ!!」

小龍「……次、多角的な攻撃を!」

哪吒「は、はいっ♪羅車仙術の伍や!綉毬(しゅうきゅう)っっ!」

ボボボボボッ!!

黒風「ぐむっ!?ごんなん効かねぇぞおっ!」

小龍「……燕舞連脚」

ドガガガッ!!

黒風「かぷぁっ……!!」

小龍「…どうやら、鼻っ柱はそんなに硬くない様ですね」

哪吒「シャ、シャオ様そんな、口元狙うやなんて危ないえ!おみ足噛み千切られてまう!」

小龍「…だから目眩まして貰ったんですよ。急増にしては良い連携ですね、助かります」

哪吒「そそ、それはちゅまり相性が良いとと言うこととと………え?なに?今日ウチ死ぬんかな?こない嬉しいこと言うて貰えるとか死ぬんかな……って、うわ、立つんかいな……」

黒風「いぢぢぢ……!ぢぐじょお……!」

小龍「……皮鎧の下も、そうとう分厚い脂肪に守られてるみたいですね。衝撃を吸収してしまう………吸収……」

哪吒「ううう……せっかくシャオ様とふ、ふたりっきりやのに、もう邪魔やねんあの熊……!兄様も見とらんで手伝うてくれたら………え?な、なにシャオ様?そそそんなみちゅめられりゅととと……!」

小龍「…炎を使います。協力を」

哪吒「……ふぇ?いやでも、火事になってまうってさっき…」

小龍「…耳を」

哪吒「はわぁぁぁぁぁぁあアカンアカンそれはアカンシャオ様それはそれはウチには刺激ががが」

小龍「…真面目に聞いてください」

哪吒「あ、はい、すみまへん」
707: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/19(月) 23:17:31 ID:s2S0QPX0oI


八戒「……む」

木叉「なに?どったん?」

八戒「空気が渇いてゆく。……小龍め、火を吐くつもりじゃ」

木叉「……ふぅん………って、いやいやいやアカンやろ!ここ森やで!?大火事になってまうやん止めな!」

八戒「ほほ、もう遅いわい。どうするつもりなのやら」

木叉「ちょーっ!?」




黒風「そろそろ飽ぎた!食う!喰う!くううううう!!!」

小龍「…すぅ…………」

黒風「いだだきまぁぁぁぁぁぁぁずっっ!!!」

小龍「……火龍咆哮!」

哪吒「羅車仙術奥義!火輪っ!」

ギュオオオオッッッ!!!



黒風「……っっ!!?」

オオオオオオオオ……

黒風「………あで?オデの………お腹……あで……?あ、穴……空い……て……」

小龍「……良いダイエットになったじゃないですか」

哪吒「ムダな脂肪は、燃やすんが一番どすえ♪」

黒風「……ごれじゃ……ゴハン……食ぇね……」

……ズゥゥゥン……!!
708: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/19(月) 23:20:17 ID:s2S0QPX0oI


八戒「……ほ、ほほほほ!成程!これは凄い!考えたではないか!」

木叉「龍神君が吐いた炎を、MAXパワーでナタの火輪が吸い込む、か……まるでレーザー砲やな……」

八戒「これならば周りに燃え移る事も無く、威力も申し分無い。いやはや、連携技とは言え、もはや火力では負けとるのうワシ!ほっほっほ!」

木叉「……嬉しそうやね?」

八戒「んう?可愛い小龍の成長を目の当たりにしておるのじゃ、嬉しいに決まっておろうが」

木叉「……やーほら、その可愛い小龍クンとうちのナタが、ちょっとエエ感じなワケやん?妬いたりしぃひんのかなぁ〜、と」

八戒「………お主も、姉者とおんなじ阿呆か」

木叉「待ってイヤや頭のどうこうで悟空さんと同じはイヤやなんでや!」

八戒「……小龍は、まだ幼子じゃぞ?」

木叉「いや見た目幼女が何を。そりゃまだお子様やけど、龍神君かてそろそろお年頃やろ〜?ボクも初恋はあんくらいの時やったし。ガッコのセンセやったけどな、メガネが凛々しゅうて、どことなくのんに似とって」

八戒「お主の初恋はどぉでも良いが、何を勘違いしとるか。小龍は幼子じゃ。や、赤子と言うても差し支えん」

木叉「……は?」

八戒「お主、龍族がどれだけ生きるか知っておるか?と言うか寿命が来た龍族の話すら聞いたこと無いじゃろ。ましてや龍神、竜王の一族じゃぞ小龍は」

木叉「……え?つまりどういう?」

八戒「じゃから、彼奴は人間の年齢に照らせば、まだまだ赤子、生まれて間も無い稚児じゃ。そりゃあそれでも生きた年月が長いからのう、知識や理性は見た目くらい、いやそれより熟して居るが、恋愛感情やらはまだまだ無いと思うぞい」

木叉「……てことは?」

八戒「ん?精通もしとらん幼子じゃから、もちろん性欲も無いじゃろの。じゃからこそワシが側でナニしとっても無関心じゃし」

木叉「いやそんなん聞いてへんけど。………その辺が育つん、いつ頃なんやろ」

八戒「さあのう……百年か二百年か……」

木叉「……あちゃ〜………」




哪吒「あぅぅんさっすがシャオ様やわぁ♪そか…ウチの技はこの連携の為に……いやウチが生まれたんはシャオ様のお役に立つ為やったんやね!」

小龍「…はあ。…よくわかりませんが……嬉しそうでなりよりです」
709: ヨシュア【長短編のハズがなんかごめん】 ◆.frSdr10QQ:2014/5/21(水) 13:27:36 ID:oeiyiXpXEw


三蔵「……あのな、小龍。もちろん俺らが言ってる事はゲスい。卑しい。やらしい。それはわかってる」

小龍「……はい」

沙悟浄「だけどねぇ、せっかくの食い扶持を稼ぐチャンスだったんだ。フイにしちまったのは、痛いさねぇ」

小龍「……仰る通りです」

悟空「そうだよ!妖怪退治なら私も連れてってよ!私ここんとこバトってなくてつまんない!」

小龍「……はあ」

八戒「ほ、その辺にしといてやれい」

小龍「…悟能様」

悟空「だって八戒ちゃんっ!シャオくんったら、このあたりに出るって人食い妖怪、一人でやっつけちゃったんだよ!?」

三蔵「まず退治を町長さんとかから依頼されて、それからじゃないとなー。お礼が貰えん。もったいない。……哀しいけど、これが俺らの基本収入なのよね」

八戒「ほほ、大陸一と謳われる僧のセリフでは無いのう。姉者もそんなに躯を動かしたいのならば、いつでもワシが相手をするぞい?」

悟空「はい手をワキワキさせないなんの相手をするつもりなのさ。ヤダよ八戒ちゃんと手合わせすると、セクハラしかしてこないし」

沙悟浄「しかしねぇ八戒姐さん、結構アテにしてたからねぇ、今回は。せめて死体でもありゃあ、それを手土産に町長にタカるって手もあったんだけど……」

八戒「ワシが言うのもなんじゃが、悪人丸出しじゃのうお主も。……カネの心配ならせんで良いぞ。ほれぃ」

ジャラランッ

三蔵「うおっ!?」

沙悟浄「……三十……や、四十万銭はあるじゃないのさ!どこで盗ってきたんだい姐さん!」

悟空「自主した方が罪は軽くなるよ八戒ちゃん!」

八戒「お主ら……戒律は破っておらぬわ。…ん?窃盗は別に構わんかったんじゃったっけ?」

三蔵「なんだ?万馬券でも当てたのか?てかこんな早朝にレースなんかあんのか?」

八戒「ほほほほ、まあそんなトコじゃ。可愛い可愛い、ワシの白馬の一人勝ちじゃ♪」

小龍「……?」
710: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/21(水) 13:28:44 ID:oeiyiXpXEw





木叉「……あのド腐れ幼女………いつかキャン言わしたる………とぉとぉ露骨に脅してきおって……!」

哪吒「まったく兄様は!ウチの為に着いてきてくれたんと思てたんに、仕事のついでやったなんて!酷いわ!」

木叉「うっさいキリキリ歩け!こっちはそれどころや無いねん!経費で……落ちひんやろなぁ………ちゅーか礼金の範疇を超えとるやろクソ……!」

『ワシの可愛い小龍を危険な目に合わせておいて、数万程度の金銭でカタをつけるつもりでは無かろうの?エエんじゃよワシは?お主が部下のオナゴから、手織りの羽織を貰ったとか、そーゆー事を知っとるワシは、優しいから数万程度で我慢するやも知れんけどのう?』

木叉「………やっぱもう金輪際関わらん……!怖い……あの人怖い……!」

哪吒「待ってぇな兄様ぁ〜!こん熊、重いねんてぇ〜!」

木叉「うっさいのう、ちゅーかこれはお前の仕事でもあんねから、ウダウダ言わんと働け!」

哪吒「はぁ……可愛い妹にこの態度とか、ヒドイ男やわ……シャオ様とは雲泥の差や、月とスッポン、朱雀とフライドチキンやわ……」

木叉「加工済みかいボクは。あと妹やなくて弟や。………龍神君ねぇ。カッコエエはカッコエエけど、お子様やん」

哪吒「そこがエエんやないの!……にゅふふぅ♪」

木叉「なんやねん気持ち悪い」

哪吒「みゅふ、昨夜のシャオ様がなぁ?最後にボソッと呟いたねん。

『……まだまだ。もっと強くならなくては。………守れる、くらいに』

って!カッコ良かった!シビれた!濡れた!」

木叉「……………」

哪吒「なにを守れるくらいになんやろな?ウチかな?ウチやったらエエな!いやきっとウチやわそうやわシャオ様ぁぁぁあっ♪」

ダダダダダダダッ!!

木叉「なんや元気やんけ。おーい、転ぶでー。…………恋愛感情が無い、やって。……くく、なぁんもわかっとらんアホは、アンタなんやない?……八戒さん」
711: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/21(水) 13:34:34 ID:oeiyiXpXEw






悟空「ねぇねぇ!次になんか強そーな敵が出たら、私の番だからね!いいよね!」

八戒「いやワシじゃろ。そろそろ九歯馬鍬も血に飢えておる」

沙悟浄「悪役どころか悪魔のセリフじゃないのさ姐さん。ねぇ旦那様ぁ♪すりすりっ♪」

三蔵「悟浄歩きづら……くもなくなってきた慣れてきた人間ってすげぇ。んー、良いんじゃねぇの、次は悟空で。また太ってきたしコイツ」

小龍「……目測で、5斤……いや6斤?」

悟空「やめて!」

八戒「姉者、女は少しくらいふっくらしておった方がエロくてワシ好みなんじゃぞ?」

悟空「んな八戒ちゃん限定のメリットとか知らないよ!」

小龍「…では悟能様のメリットの為にも、次も私が戦いましょうか」

悟空「姉弟子のデメリットも気にしてよシャオくん!お姉ちゃん悲しいよ!私を太らせてどーすんのさ食べる気!?」

八戒「え、その通りじゃけど」

悟空「食べるの意味がおかしい!」
712: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/5/21(水) 13:35:25 ID:oeiyiXpXEw
沙悟浄「ふふ、よしな悟空姐さん、その二人に口で勝てるワケないんだから」

三蔵「諦めて肥えろよもう」

悟空「諦めたらそこで乙女終了ですよ!おいしくいただかれちゃう!」

三蔵「八戒、ちゃんと毛を取って食えよ、喉に引っ掛かるから」

八戒「心得た」

悟空「心得ないで!」

沙悟浄「ところでシャオ、アンタもなかなかやるねぇ。森で戦ったってことは、炎使わずに倒したんだろう?」

小龍「……いえ、少し工夫を。出来ればあの程度の相手ならば、徒手で圧倒したかったのですが。……まだまだ、鍛練をしなければ」

三蔵「まだ強くなるつもりかよ」

八戒「ほ。いずれワシを超えるのかのう。楽しみじゃ」

悟空「いや弄りまくっておいて放置しないでよ!」

小龍「……もっと、強くなってみせます。きっと」

悟空「無視しないで!」







外伝『Dragon Soul』

劇了!
713: 名無しさん@読者の声:2014/5/21(水) 16:39:24 ID:.2AkVKi4ps
拍手喝采!!!!!
乙でしたー、そして木叉wwwm9(^Д^)
714: 名無しさん@読者の声:2014/5/22(木) 00:33:02 ID:SVLVCWO2pw
8888
面白かった!
715: 名無しさん@読者の声:2014/5/29(木) 12:28:36 ID:DiUHGZnrR6
っCCC
716: 名無しさん@読者の声:2014/6/6(金) 19:01:36 ID:69wDxnSEy.
何度でも読み返したくなる不思議
まだまだ支援(ノ ´∀`)ノ
717: ヨシュア【じゃあコミックス版】 ◆.frSdr10QQ:2014/6/11(水) 20:03:28 ID:ngz8lte.Qg
三蔵「…………」

牛魔王「でよぉ、そん時の孫っつったら、そりゃあ嵐の様な暴れっぷりでよぉ……あん?どうした坊さん、酒が減ってねぇぞ」

三蔵「あ、いえ、はい。い、頂いてます」

牛魔王「おう、男が遠慮なんざするもんじゃねぇぜ。…っと、どこまで話したか………そうだそうだ、あん頃はアレだ、竜王どもからケンカ売られててよぉ……ヒック…!」

三蔵(…なんなんだこの状況)





バンッ!!!

紅孩児「ひっ」

八戒「……つまり、師匠殿は無事なんじゃな」

紅孩児「あ、いえ、はい。そこは安心して貰って、はい」

悟空「嘘ついたら、ひどいよこーちゃん」

紅孩児「に、睨まないでよ悟空ぅぅ……ぼ、僕だって被害者で……」

小龍「…まさか……うぐっ……用足しの一瞬を狙われるとは……ちょ、お願いですから静まって………て、転移術までは警戒してませんでした」

紅孩児「……あの、その………さ、だからさ、こうして土下座で説明してるんだしさ………そ、それ、なんとかならな、なりませんか……?」

八戒「………む、まあ、そうじゃの……」

沙悟浄「旦那様旦那様旦那様旦那様旦那様だんなさまだんなさまだんなさま……!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!

悟空「悟浄ちゃんそろそろ妖気おさえて!宿屋さん壊れちゃう!」

小龍「…ご、く、さん……も、抑えるの、手伝って……!」

紅孩児「は、放さないでね龍神くんっ!その人確実に殺そうとしてる!僕を殺そうとしてるぅ!」

八戒「……ふぅ。……しかし、牛魔王の輩が師匠殿を拐った理由、これがのう……」

紅孩児「あのクソ親父め……!」

悟空「こーちゃんのおムコさんにするため、って、ねぇ……」

沙悟浄「旦那様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっっっ!!!」



外伝『聖天の花婿』
718: 名無しさん@読者の声:2014/6/12(木) 14:27:19 ID:W.SRFd6Pe2
新しい外伝キタ━━━━ (*゚∀゚*)━━━━━━!!!!!
もうヨシュアさん大好きすぐる!!!
っCCCC
719: 名無しさん@読者の声:2014/6/12(木) 15:46:08 ID:5UCzrXjCr2
待ってました!
また楽しみが増えた!ヽ( ´_`)ノ
720: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/12(木) 21:20:55 ID:JXTFO8ACPk
紅孩児「………最近、クソ親……父上が、今まで以上に稼業をサボり気味でね……」

悟空「お兄ちゃんちの稼業って……」

八戒「ようはヤクザ稼業じゃろ」

紅孩児「まあ……うん………で、ウチも大所帯だからね?古参の幹部さん達が、『だったら早く世継ぎに家督を譲れ』って言い出しててね……」

小龍「……御家騒動、ですか」

八戒「ま、トップにヤル気が無いとなると当然じゃの。で、それが今回の件とどう関係があるんじゃ。家を継ぐなら一人で継げい」

紅孩児「………いや、ほら、僕、女だから………古参の幹部さん達が簡単に認めなくって……」

悟空「…はい?や、だってその跡継ぎ?を急かしたのって、その古参さん達なんじゃ?」

八戒「姉者よ、組織とはそーゆーもんなんじゃ」

小龍「…面倒臭いですよね」

紅孩児「……で、ね?そーゆーワケでその、僕に、む、婿養子を、って話に……ひっ!?」

沙悟浄「…なんでそれが旦那様なんだい……?あぁぁぁん……?」

紅孩児「怖い怖い近い近い!おでこ!おでこ押し付けないでぇっ!!」

悟空「はいはいヤンキー自重しようねぇ悟浄ちゃん」

八戒「しかしマジで何故師匠殿なんじゃ。……まさかお主、実はアレの事を」

紅孩児「無い無い無い!!僕は女の子が好きなんだから!主に悟空とか悟空とか悟空と……痛い痛い痛い痛いおでこ痛い!!悟浄さん痛い!!」

沙悟浄「…ナイニキマッテンジャナイノサソンナン………アッタラドクロニシテカラスリツブシテヤル……!」

小龍「…悟浄さん、話が進みませんから今は。後でドクロでも骨盤でも粉状にして構いませんから」

紅孩児「嫌だ漢方薬にしないで!」
721: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/12(木) 21:22:15 ID:JXTFO8ACPk
悟空「じゃあなにさ。お師匠さま返してよ全く」

紅孩児「あ、やっぱ悟空もそこそこ怒ってるよねそうだよね……えっとね………帝って、居るじゃない?」

八戒「みかど………天帝の事か?」

紅孩児「や、下界の。一応、この中華で一番偉い人」

小龍「……確か二代目でしたか、今の皇帝は。それが一体……」

紅孩児「………三蔵さん、その皇帝さんの、義弟らしくて……」

小龍「…お、と……」

悟空「うとぉぉぉお!?」

紅孩児「あ、いや、弟って言っても外戚ってワケじゃなくて、父上と悟空みたいな、言葉の上の兄弟関係らしいんだけど………どしたの、悟浄さん」

沙悟浄「……ア、ア、アタイの王子様は、ホントに王子様だったんだだだだ……!!」

猪八戒「…丁度良いから、そのまま混乱させとけぃ。……しかし皇帝の義兄弟とは。金蝉子の生まれ変わりじゃったり、ウチの師匠殿、本気でなんなんじゃ一体……」

紅孩児「……で、如何に今の帝国が形骸化してるとは言え、強い結び付きを得られれば、その、ビジネス的にも凄く役に立つ、って…………玉面さんが言い出して」

悟空「うわあ出たよ玉面ちゃん」

小龍「…相手にしたくないランキングNo.1の登場ですね」

紅孩児「ううう……助けてよ悟空ぅ!僕の純潔は悟空に捧げるって決めてるのに!」

悟空「如意棒でも挿せばいいの?」

紅孩児「あ、そこそこじゃないねけっこう怒ってるね」
722: 名無しさん@読者の声:2014/6/12(木) 22:04:31 ID:TK3Kk.4.b.
キタ━━( ゚ ∀ ゚ )━━!!!!
ありがとうヨシュアさん!

相変わらず先の読めない展開…どう収まるんだこれ(;´∀`)
723: 名無しさん@読者の声:2014/6/13(金) 17:09:52 ID:0KF4bEfOR2
如意棒でも挿せばいいの?wwwwwwwwwwwwwなにそのAVwwwwwwwwwwwwwww
724: ナオト:2014/6/13(金) 20:39:05 ID:5ANOPHRN7w
有能
725: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/16(月) 01:55:51 ID:UbHbuR0r9c
三蔵「しっかし広いなこの部屋……壁やらの調度品もなんか高そーだし、すげぇとこに住んでんな牛魔王さん。つかここどの辺なんだろ……」

虎力大仙「都の近くよ」

三蔵「うわビックリした。………あ、久しぶりな人だ」

虎力大仙「……牛魔王様は?」

三蔵「え、なんか部下の人に呼ばれて出てった。まさかの拐われて放置。今の俺以上に手持ち無沙汰なヤツはそう居ないと思う」

虎力大仙「……拐われといて、なんか余裕ねアンタ。そう言えばきちんと話すのは初めてね、三蔵法師。アンタいっつもピッタリと沙悟浄の奴を侍らせてるし」

三蔵「侍らせてねぇよ気付くと引っ付いてんだよ。それよりなんで俺が紅孩児と結婚しなきゃいけねーんだよ。ロリコンとレズっ娘って、組み合わせとして何も成立しねーだろ」

虎力大仙「……自分でロリコンとか言っちゃうんだキモッ。マジで沙悟浄、コレのどこに惚れてんのよ…?」

三蔵「そうだよな、それが一般的な女子の反応だよな、うん」

虎力大仙「……ま、いいわ。それより、どーせいつも通り助けて貰えるんだろう、って高を括ってんでしょうけど……あまり牛魔を嘗めない方が良いわよ。……今回は、前にも増して、本気よ」

三蔵「………?」




鉄扇公主「……アナタ。本当にあの坊主を紅の婿に迎えますの?」

牛魔王「んん?ああ、それはまあ、どっちでも良いんだけどよ。……孫の奴と遊びてぇじゃねぇか、くくく」

鉄扇公主「やっぱりそう言う………付き合わされる紅も兵達も、可哀想なこと」

玉面公主「………乗り気じゃないなら………引っ込んでれば良いわ……」

鉄扇公主「……夫婦の会話に入らないで下さる?このチンクシャ娘が」

玉面公主「……玉も………ふうふ。………あとパパ、どうでもよくないわ。皇帝との繋がりは実際、ちょっと欲しいもの……」

牛魔王「あー、そっちは玉、テメェの好きにして良いぜ。紅の奴も嫌なら坊さんを助けりゃいい。どっちにしろ、今の牛魔を相手に出来ねぇようじゃ、跡を継ぐもクソもねぇだろうしなぁ。だが負けてやるつもりもねぇぜ、くっ、くくくく……!」

玉面公主「……丁度良い機会よ……そうね、猪八戒にはコレ………沙悟浄には………うふふ………新しい軍用技術を試すのに持ってこいだわ……」

鉄扇公主「ちょっ、二人で盛り上がらないで下さいまし!私も出ますわ!てゆーか貴女、牛魔王様の肩から降りなさい失礼な!不遜ですわ不敬ですわ!」

牛魔王「くくく……早く来い、孫……!」




虎力大仙「………てな具合で、牛魔王様と玉面様がまぁノリノリで………アンタもう諦めたら?紅孩児が落ち着いてくれたらアタシも安心だし」

三蔵「お前それは流石に、俺より紅孩児が不憫だ」
726: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/18(水) 22:21:30 ID:C9CwjAhNic

悟空「よし着いたっ!」

沙悟浄「くらぁ出てきな牛魔王っ!!アタイの旦那様返せぇっっ!!!」

小龍「……ご、悟能様……大丈夫ですか……?」

八戒「うぉえ……ま、まだ身体にGが……姉者、飛ばしすぎじゃ……」

紅孩児「……悟空の觔斗雲の術……こんなに速かったんだね………まさか一瞬とは……おえっ……」

『……騒がしいわね………相変わらず……』

悟空「玉面ちゃんの声だ!」

沙悟浄「コソコソ隠れてどっから喋ってんだい性悪狐が!今すぐ返さないと城ごとペシャンコにしちまうからねっ!!悟空姐さんがっ!」

悟空「あ、私なんだ」

小龍「…ペシャンコにしてしまったら、先生もペシャンコになっちゃいますよ」

紅孩児「……玉面さん………父上を出して貰えませんか」

玉面公主『……あら紅孩児……貴女も怒ってるの………?せっかく玉、跡継ぎが貴女でも良いわ、っ気になったのに………ほらどうせあのオバサン、ヒスを拗らせて早死にするだろうし、そしたら貴女の母親は私ってことになるし……』

鉄扇公主『聞こえてましてよっ!!アナタのその口の悪さ、どうにかならないんですの!?アナタなんて牛魔王のお許しがあればズッタズタの細切れに』プツッ

玉面公主『……余計な音声が入ったわ………』

紅孩児「母上……。いや、怒ってますよそれは。僕にだって選ぶ権利がある。誰があんな異常性癖の生臭坊主なんかと」

沙悟浄「あぁぁん旦那様の何が気に食わないってんだい殺すよ!!」

紅孩児「どうしろってのさこのヤンキーは!」

八戒「ええい、いい加減静まれい悟浄。……時に姉者、成長したのう」

悟空「んう?」

八戒「いつもの『牛魔王怖い怖い病』を発症して居らんではないか。躊躇い無く居城に攻め込むとは」

悟空「ふ、ふふふ……!鉄扇のオバ……おねーさんだろうと、玉面ちゃんだろうと。虎ちゃん達だろうと他の大王さん達だろうと!お師匠さまを助ける為ならみんな、この如意棒で場外ホームランしちゃうよっ!」

小龍「……おお……」

悟空「でもお兄ちゃんが出てきたら………お願いね悟浄ちゃん!」

沙悟浄「まっかしときなぁ!今のアタイなら神仏にだって負けやしないよっ!」

八戒「全然ダメではないか」
727: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/18(水) 22:24:14 ID:C9CwjAhNic
小龍「…まあそんなもんですよね」

玉面公主『……くすくす……本当に飽きないわね、貴女たち………。じゃあ、取り返しに来なさい………扉は開けてあげるわ…………』

ズゥンッッッ!!!

悟空「っ!?」

沙悟浄「なっ……!?」

玉面公主『………でも、今回は………ひとりづつ、ね……』







ヒュオオオオ……

八戒「……異空間………では無いな。……ふむ。西の砂漠か」

ズゥン……

玉面公主「……狼狽えないわね………面白くない………他の面子は、それなりにアタフタしてるわよきっと……」

八戒「ふん。瞬間転移か。そう言えばお主の得意技じゃったの。……で、なんじゃ、ワシを御指名か?」

玉面公主「……前に言ったわよね………『貴女は、弱い』って………おぼえてる?」

八戒「なんじゃ、ケンカ売っとんのか。あ、売っとるんじゃろーな」

玉面公主「……今でも……玉は、貴女が一番弱いと思ってるわ………」

八戒「……ふ、ふほほほ。成程成程」

玉面公主「………違う?」

八戒「…いいや、違わんぞい。ワシは一番、弱い。武技、体術は悟浄に及ばず、火力では小龍に劣る。そして全てにおいて姉者を下回る、それがワシじゃ」

玉面公主「……でも、貴女が一味で一番……厄介……」

八戒「ほ、お主に言われては世話無いのう。……良いじゃろ、ワシはロリもイケるしのう?遊んでやるわ、女狐!」

玉面公主「……見せてもらうわ………貴女のその……力で量れない強さ……!」
728: 名無しさん@読者の声:2014/6/19(木) 18:40:22 ID:3eLPcjO/6I
wkwktktk
729: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/21(土) 14:02:02 ID:UbHbuR0r9c
玉面公主「……狐火・氷座刀………」

パキパキパキパキ……!!

八戒「おっと、下か。焼き払えい、九歯馬鍬っ!」

ゴオオオオオッ!!

玉面公主「……捕まえられない速度でも無いのに………攻撃、読まれてる……?」

八戒「ほほほ、戦歴の賜物よ。水軍の長として賊軍、反乱軍を相手に先陣切って戦ってきたこの心胆に、脳髄に。戦が染み付いておる。小娘の読みなんぞ、透けて見えるわい」

玉面公主「……将校のクセに、先陣切っちゃうんだ………。んん、やはり玉ではムリね………マトモにやったら…」

八戒「ほ、ならばとっとと諦めて股を開いたらどぉじゃ?優しくするぞい?」

玉面公主「うわぁ心の底からお断り……………さて、そろそろ、ちゃんと遊ばせて貰うわね………」





沙悟浄「ずああああっ!」

???「ギ………!」

ドサッ……!!

鉄扇公主「あらあら、背中がお留守ですわよ?」

ガキィィィィンッッ!!!

沙悟浄「……今のアタイに………隙なんて無いってんだよぉ!るぁぁあっ!!」

鉄扇公主「きゃっ!?……んもう、可愛げの無い娘ですわね………腕の一本くらい落とさせなさいな」

沙悟浄「黙りなクソババアっ!人の夫を奪うだなんて、人妻の風上にも置けないよっ!」

沙悟浄「ク、クソバ……!?お、お前たちっ!なにを寝てますの!とっととこのペチャパイを取り押さえて頂戴!達磨にしてやる!」

???「…………ギ…!」

???「………グギ……!」

沙悟浄「………ち、なんだいコイツら、倒しても倒しても……!あと誰がペチャパイか!アタイがフツーなんだ悟空姐さんとか紅孩児とかが規格外なだけでうわぁぁぁん!」

鉄扇公主「……ふん、あの狐娘が用意したってのが気に食いませんけど、まあそこそこ有用じゃありませんの、この醜い人工兵隊も………。まあやられたらやられたで、狐娘の株が下がるだけ………お前たち、壊されても良いから頑張りなさいな!」

人工兵「ギイイイイッ!」

沙悟浄「……クソッ!」
730: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/21(土) 14:04:43 ID:UbHbuR0r9c




八戒「うお、なんじゃゾロゾロとコヤツら。……生気を感じんぞ、気色悪い………!」

人工兵「……ギィ………!」

玉面公主「………生きてないもの…………『ごーれむ』ってヤツに近いわね………肉体は全て人工。命令も単純なモノしか受け付けないけど………死を恐れず襲い来る木偶………なかなかどうして、厄介よ………」

八戒「趣味の悪い……しかし木偶は木偶、こんなモノでワシを」

人工兵「ギイイイイイイイッ!!!」

八戒「うるさっ!?なんじゃ人のセリフを遮るでは無いわ人形風情がっ!」

玉面公主「……あらあら………やっぱり……」

人工兵「……テン、ポウ………ゲン、スイ………!ギィィ………!!」

八戒「なっ…!?うわあなんじゃ気持ち悪い!なんか怒っとらんかコヤツら!?つか喋っ………ん?この感じは……」

玉面公主「………呪術で木偶を動かすだけなら簡単だけど、自律行動させるのは無理だったのよ………今までは…………でも、魂の代用品を発見、開発できたの………それは……この世に残した、『怨み』………」

八戒「……うらみ……」

玉面公主「………ある死体の欠片を入手………そこにへばりついた怨念の欠片を抽出………それを媒体に造られたのがこの子達…………予想通り、貴女の前だと、力が数倍に膨れ上がるわね……」

八戒「………………あ、わかった」

玉面公主「………名付けて、人工英雄兵『DT-G』………にっくき貴女の前で、どこまでパワーアップするのか……データが取りたいわ………行きなさい……!」

DT-G「………ギイイイイッ!!!」

八戒「………軽い気持ちでバカにしちゃいけんかったんじゃのぅ…………童貞って………」
731: 名無しさん@読者の声:2014/6/21(土) 17:17:56 ID:YDoKF2wKiU
あいつか…
732: 名無しさん@読者の声:2014/6/21(土) 18:37:33 ID:3eLPcjO/6I
二郎君…(´;ω;`)
733: 名無しさん@読者の声:2014/6/22(日) 17:10:07 ID:Eq/wGr6jUo
童貞二郎でDT-G www
734: 名無しさん@読者の声:2014/6/22(日) 21:03:52 ID:0BTXdKYBKk
いろいろ酷いねwwwwwwwwwwwwwww
735: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/24(火) 17:48:28 ID:KF9CgmVeFA
DT-G「ギイイイィァァッ!」

八戒「ちっ……!」

玉面公主「………ふむふむ………パワー、スピードともに少なくとも2倍増………映像を見せた時より格段に性能が上がるわね………」

八戒「えええい鬱陶しい!薙ぎ消せ九歯馬鍬!九牙裂斬っ!」

スバババババッ!!

DT-G「ガぷぁ……!?」

ビチャビチャビチャッ!!!

玉面公主「………あら………容赦ないわね………ミンチにされちゃったわ…………貴女のせいで迷った怨念よ?少しは気にしてあげても………」

八戒「るっさいわい!生きとらん人形ならば、殺しには入らんじゃろ!つーかそれを利用しとるお主の方がずーっと悪人じゃ!気色悪い目に合わせおって、覚悟は出来とるじゃろうの…!」

玉面公主「………気色悪いとか…………まあ、そうね。別段あの英雄さんに気遣う必要は無いわよね………魂そのものはとっくに輪廻へ還ってるワケだし…………ここにあるのは、ただその強い強い『念』だけ………」

グチャ………グニャグニャグニャグニャ!!!

八戒「なっ………!?細切れた肉片が………!?」

玉面公主「………人工のボディには、人参果のエキスをたっぷり投与………それにより可能になった、細胞の超分裂、回復…………核は怨念そのものなんだから、頭を潰されようと身体を切り刻まれようと、関係ないわ…………」

DT-G「ギギギギ……!」

八戒「うっ………!!」

玉面公主「あら………グロいの苦手……?玉は好きよ………醜悪さと美は、表裏一体だと思うの………くすくす………見た目に似合って、怖いのダメなのかしら、貴女………」
736: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/6/24(火) 17:50:08 ID:KF9CgmVeFA
八戒「んなもんどーっでもエエわい怖いわけあるか!二郎真君……殿の怨念じゃろうがなんじゃろーが、そんなんも知らん!!ワシは悪くない!!そんなことより………そんなことよりコヤツらなんなんじゃ気色悪い!!!」

玉面公主「……だってほら………怨念の内容が内容だし………でもあれよ?貴女の前でだけの現象なのよ?………よっ、このモテかわ幼女………」

八戒「ふざけるなぁぁ!いくらワシでも、いくらワシでも………」

DT-G「ギギギギギギギ」

八戒「十数人すべて、ナニがバッキバキに勃○しとる奴等と戦うとか嫌じゃ!つか何故そんなん付けた!?そして付けるならズボンくらい履かせんかい変態かお主!!」

DT-G「………ギフゥ……!」 

玉面公主「………あ、罵られて少し反応した………貴重なデータね……」

八戒「反応するな冷静にメモを取るなぁぁぁあ!!」

玉面公主「………くすくす………普段シモ系では最強ヅラしてる貴女が取り乱す様………悪くないわ………」

八戒「黙れ悪女が!ちゅーかこーゆーのは悟浄とかにやって『ア、ア、アタイの操は旦那様のモノなんだよおおおお!』とかが定石じゃろ!ワシにやるな!」

玉面公主「……だって言ったじゃない………貴女にしか○起しないんだものこの子たち…………妬けちゃ、ぷふっ………妬けちゃうわね………」

八戒「なに笑っとるか犯すぞ貴様ぁぁ!!!」

玉面公主「………犯されるのはどっちかしら………くすくす…まさかの『八戒ちゃん逃げて状態』………イきなさい、DT-G………!」

DT-G「……テンポウ………ゲンスイイイイイイ!!!」

八戒「よ、寄るなぁぁぁぁぁぁあ!!!」
737: 名無しさん@読者の声:2014/6/25(水) 08:42:11 ID:iWkL3jbdNM
八戒ちゃんかつてないピーンチ!!!
二郎真君はドMだったのか…
738: 名無しさん@読者の声:2014/6/25(水) 12:03:20 ID:Q0OIY//CZQ
これはひどいwwwww
739: 名無しさん@読者の声:2014/6/26(木) 21:12:55 ID:HyvtXC.lJU
オカ板に『軽い気持ちで童貞バカにしたら大変なことになった』ってスレ立てられるな
740: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/2(水) 23:05:40 ID:wo0Ra1ftEU
八戒「焼き払えぃ!九歯馬鍬ぁ!」

ゴオオオオオオオッッ!!!

DT-G「ギッ……!?」

八戒「ど、どおじゃ……ゼェ……炭にしてしまえば、回復もクソも……」

DT-G「……ィィィアァァアッッ!!!」ギンギンビーン!!

八戒「うえええええ!?これでも駄目かってか何故さっきより元気になっとんじゃ死ねぇぇ!!」

玉面公主「……くすくす………玉、知ってるわよ…………貴女の火術って、基本その宝具ありきでしょう……?無論貴女の強い妖力があってこそ、そこそこの力が出てるけど………そこそこはそこそこ、所詮道具の力………本当、貴女ってスペックだけ見ると……残念無念ねえ………」

八戒「るっさいわい自分で戦わんでなぁに偉そうに……って待てい。何じゃその手に持っとる物は。おいまさか」

玉面公主「………ん?映像保存機よ?………これを大量に空の水晶に移して………そうね、タイトルは……『狙われた幼女!白濁に溺れる放課後』とかどう……?」

八戒「撮すな焼くな売るなぁぁぁぁあ!!!」

玉面公主「……ああ、そうね。ちょっとタイトルが煩すぎるわね。『つぼみ』くらいの方がウケが良いかしら……あ、目線はちゃんとモザイク入れてあげるわよ、もともと貴女の見かけだと、正規ルートでは売れないし……」

八戒「んなこと言っとらんし聞いとらんわぁ!ひ……ちょ、待て!は、話し合おうではないか、わ、ワシみたいな幼子より、そ、そぉじゃ!ボンキュッボンの姉者とかのほうが」

玉面公主「………うわあ、姉弟子売っちゃうんだ、うわあ」

八戒「い、嫌じゃ…!男ってだけで嫌じゃのに、こんな色気の欠片も無い木偶に……ぬぁぁぁっ!来るな!寄るな!おっ勃てるなぁ!!」

玉面公主「……くすくすくすくす……いぃい顔よぉ………くらいまーっくす…!」

八戒「にぎゃぁぁぁぁぁあ!!!」
741: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/2(水) 23:06:41 ID:wo0Ra1ftEU

ゴオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!


DT-G「………ッッ!!!?」

玉面公主「………火…?」

八戒「ほのお………シャ、小龍っ………」

紅孩児「残念♪紅孩児さんでした〜♪」

八戒「………お、おお……」

紅孩児「あれ?本気で龍神君が良かった?どっちかって言うと、龍神君が八戒さんに依存してる感じだったけど、逆なのかな?ふふっ♪」

八戒「た、たしゅかった……!礼を、礼を言ううううう……!」

紅孩児「うわっ?ちょ、離して八戒さん。なにどしたの、本当に幼女みたいだよ?そんなに怖かっ………ていっ」

八戒「おっと。なんじゃ、助けに来たクセに殴ろうとするでない」

紅孩児「助けて貰っといて尻を撫でないで欲しいね」

八戒「ああ……このやぁらかい感触……やっぱオナゴはエエのう………!」

玉面公主「………もう倒しちゃったの?………相変わらず使えないわね……三馬鹿………」

玉面公主「いやぁ、その言い方は可哀想ですよ、玉面さん。あの三人だって、足止めだけに専念すれば、僕一人なら多少は持ったでしょうけど………ダメですよ、二人も任せちゃ」

八戒「……ふたり?」

紅孩児「ん、ふたり。なんか知らないけど、僕と龍神君でセットで飛ばされてね。牛魔の兵が一万くらいと、虎力さん達が相手だったんだけど………龍神君マジでヤバイね。さながら怪獣映画だったよ………もうね、人がゴミのように燃えてく燃えてく」

八戒「……小龍」

紅孩児「てことでやること無い僕は、虎力さんから転位装置奪って使って、ここに出た、ってワケ」

玉面公主「………ぬかったわね…………定点ポイントを玉に設定してあったから…………でも、炎では玉のDT-Gは……」

ゴオオオオオオオ……

八戒「おお!?まだ燃えとったのかコヤツら」

玉面公主「………!」
742: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/2(水) 23:10:54 ID:wo0Ra1ftEU
紅孩児「……僕の炎は、普通の炎じゃないからね。八戒さんほどのスピードで発動も出来ないし、火力そのものは龍神君のそれとは比べるべくもない。だけど」

玉面公主「……三昧真火………」

紅孩児「そ。忌術、三昧真火。この身に宿した、呪われた火種だよ。視えない炎に燃えない炎。今回は『消えない炎』さ。再生しても、無意味」

DT-G「ヴァ………ギァ……」

紅孩児「こと火術の多様性において、この紅孩児の右に出る者、天地に在らず。僕の前でその汚ならしいモノを晒した罰だ。延々と、焼かれ死ね」

DT-G「………ギァァァ……ァァ………」

玉面公主「………ちぇ……防火策が必要ね………じゃあまあ、今日は……三十六計、逃げるにしかず…………」

ズズズ……

八戒「待ていお主には言いたい事ヤりたい事がごまんとっ!」

紅孩児「ムダだよ、もう転位が始まってる。………玉面さん、父上に………いや、牛魔王に伝えてくれますか。……殺してやる、と」

玉面公主「………あら……パパ、喜んじゃうわね…………バァイ…♪」

………フッ

紅孩児「……ふん。さて、僕らも城まで戻ろうか。龍神君ももう終わってるだろうし、たぶん悟浄さんは母上と、か………長くなるかもね。確実に悟空が父上とだ、急ごう」

八戒「………うむ……」

紅孩児「…どしたの?」

八戒「や、今回ワシ格好悪いのう、と」

紅孩児「八戒さんでもそんなん気にするんだ」
743: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/6(日) 11:38:34 ID:YZt4mxW2H6
沙悟浄「ぐはっ………!?」

ウウウウウ………

鉄扇公主「…………」

沙悟浄「……くそっ!……風で近付けない上に、飛ばされると周りには風の壁………タダでさえ結構腕が立つってのに、これじゃあ………!」

鉄扇公主「……ふぅん。DT……何でしたっけ?あのガラクタは早々にやられてしまいましたけれど、コッチは本当に凄いですわね………風壁を生み出す薬、『定風丹』………」

沙悟浄「つあああっ!!」

鉄扇公主「……芭蕉扇」

ビュオオオオオオオッ!!!

沙悟浄「またっ……くそおおおおおおっっ!!!」

ドォォォォンッッ!!

鉄扇公主「…あと数回吹き飛ばせば、おしまいかしら。………っと。あら、へぇ。流石は紅ね、私の血を継いでいるだけはあるわ……うふふ…」

沙悟浄「……ぜぁ……はぁ……なぁに余所見してんだいっ!多重連撃呪っっ!!」

鉄扇公主「……ならば」

ガキィィィィン!!!

沙悟浄「……っ!………どうしたのさオバハン。扇で吹き飛ばさないのかい?」

鉄扇公主「…詰まりませんもの」

ギャリンッ!!

沙悟浄「っ、と。ああん?」

鉄扇公主「使い魔から報せがありましたの。貴女の所の子ブタさん、性悪女狐を抜いたみたいですわよ?まあ、ウチの紅のお陰らしいけれど」

沙悟浄「は、性悪さならアタイんとこの八戒姐さんがナンバーワンさね。あんなキツネに負けるかってのさ。…それで?」

鉄扇公主「あの女狐が負けたのならば、別に私まで卑怯な真似をしなくとも良いもの。牛魔王様の命だから渋々使ってやっていただけのコト…『粗悪品でしたわ、役立たずだこと』とでも言ってこの定風丹、女狐に突っ返してやりますわよ。こんなものを使ってまで勝とうとは思いませんわ」

沙悟浄「……はん、嘗めてんのかい?使えば良いじゃないのさ、そんなもん今すぐ破って」

鉄扇公主「………だから、詰まらないじゃないですの」ゴオッ!!

沙悟浄「……!覇気……」
744: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/6(日) 11:40:04 ID:YZt4mxW2H6
鉄扇公主「この鉄扇仙、女である次に武人」

ビュオッ!!

鉄扇公主「私、貴女のこと嫌いではなくてよ?貴女と刃を交えると、青峰剣も喜びますもの」

沙悟浄「………へっ。アタイはアンタなんか嫌いだよ」

鉄扇公主「………ギャグパートは、御仕舞い。羅刹女、鉄扇仙………牛魔が誇りにかけて。参りますわ!」

沙悟浄「……応!捲簾大将沙悟浄!玄奘三蔵が名の元に、ぶっ潰してやるよっ!」

鉄扇公主「いざ尋常に」

沙悟浄「勝っ……」

小龍「火龍咆哮」


ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!


沙悟浄「ぶ……」

鉄扇公主「ひああああああああああっ!!?」

沙悟浄「ちょ……え……?」

鉄扇公主「………ケホッ……」ドサッ

小龍「………よし」 

沙悟浄「いやシャオなにして、うっわぁ黒コゲ………てか今アタイが、アタイと」

小龍「…ああいう自分に酔ってる場面は、不意打ちが一番ですね。さて、行きましょう悟浄さん。夕飯までには終わらせたいですし」

沙悟浄「ええええ……さしものアタイも流石にどーかと思うなこれは。名乗りに乗ったアタイまで恥ずかしいと言うかなんと言うか、いくら喧嘩に卑怯もクソも無いって言ってもさあ」

小龍「……向こうから手を出して来たんです。何をされても文句無いでしょう?余計な面倒ばかり起こす連中は、死ねば良いんですよ死ねば」

沙悟浄「…訂正。性悪さナンバーワンは、この子だよ……」
745: 名無しさん@読者の声:2014/7/6(日) 20:06:50 ID:Troofj4v4o
うおお!!カッコいいー!!
…と思ったらシャオくん…w
ちょっと鉄扇さんが好きになったww
746: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/8(火) 21:31:37 ID:qlCdfXcKI.

ビュッ!!ガガガッ!!………ビュオオッッ!!

ドガァァァァァァン!!!

……ガラガラ………

悟空「…いちちちち………!」

牛魔王「うっし、だいぶ暖まって来たぜぇ……!」

悟空「ううう……なんか私だけガチでバトってる気がする……他はギャグってる気がするぅ……!」

牛魔王「んんんん、だが八分……いや、六分も良いとこか。どぉした孫、もっと死ぬ気でかかって来いよ。あ?」

悟空「知らないよじゅーぶん本気だよほら私繊細だからメンタルに左右されるのっ!」

三蔵「だからお前がメンタルとか………あと言い返すならちゃんと相手の目を見ろよ悟空」

悟空「うるっっさいですよメンタル的な原因はお兄ちゃんの後ろでソファに座って悠々となんか飲んでるお師匠さまですよ!助けに来たのにモチベ下がりっぱなしですよ!なにそれお酒!?助けに来たのにお酒!?」

牛魔王「玉んとこの酒蔵で作らせた白酒だ。なにやら目新しい製法らしいが、俺にゃあよくわからん。ま、旨けりゃそれでいい」

悟空「へぇぇ美味しそ………じゃないよそんなコトきーてないよどーでもいーよ!」

三蔵「だから目を見てだな………いやしかし、旨いけどさあ、この酒。見ろよ悟空、銘柄が『牛魔王』って。ラベルにでかでかと。どんだけ自己主張激しいんだって話だよ、目立ちたがりも程々にしろよ牛さん」

悟空「ちょちょちょお師匠さま!?おおおお兄ちゃんに向かってそんなコト言ったららら………へ?なにそのぎゅーさんって」

牛魔王「馬っ鹿野郎、そりゃあ玉の奴が勝手に付けた名前だ!武名悪名以外で名を売ろうたぁ考えてねぇよ、黙ってやがれ玄!」

悟空「げ、玄……?」

三蔵「え、なにって、牛魔王だから牛さん」

牛魔王「玄奘なんちゃらなんちゃらだから、玄だろ」

三蔵「なんちゃら分多いだろそりゃそこしか覚えてないならそーなるわ!」

牛魔王「クックック、野郎の名前なんざ頭に入らねぇよ、ククク」

悟空「ええええ……なに気持ち悪いその感じ気持ち悪いやめて。なにその打ち解けた感じ嫌だなんか嫌だ」

三蔵「嫌だと言われても」

悟空「ううあ、なんだろこの気持ち悪さ……!例えるなら外出中に母親と学校の先生が仲良く一緒に歩いてるのを見ちゃったようなそんな」

三蔵「その例えはよくわからんが、とりあえずそのお母さんは不倫してると思う」
747: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/11(金) 23:24:56 ID:qlCdfXcKI.
三蔵「なんか昔っからアレなんだよ俺。ヤンキーに好かれるんだよ何故か」

悟空「あー居ますよねそーゆー子。別に不良っぽくないのにそーゆーグループに居るようなタイプ」

牛魔王「玄は面白ぇ。俺を怖がらねぇどころか、簡単に軽口を叩いて来やがる。だが別に嘗めてるワケでもねぇ。まるで俺を兄弟かなんかのように見てやがる。クックッ、可笑しな野郎だぜ」

悟空「ザコのくせに怖がらないですからねぇお師匠さまは」

三蔵「最強風吹かしといて怖がりなお前に言われたくねぇ」

牛魔王「現世一の高僧にして、皇帝の義兄弟………さらに仏の座を蹴った男……はっ!紅の婿にゃあ勿体無ぇかもな!孫、テメェが惚れたのもわかるぜ!」

悟空「うー、もう、なに気に入られてるんですかお師匠さま………とにかく!別にこーちゃんの結婚相手とかどーでも良いし私はそんなんじゃないけど!お師匠さま返してよお兄ちゃん!このままじゃ悟浄ちゃんが嫉妬で世界を滅ぼしちゃうよ!」

三蔵「あんまり大袈裟じゃないんだろーなそれ、やりかねん」

悟空「……それにこーちゃんも嫌がってんだから無理でしょ………もう止めようよお兄ちゃん……」

牛魔王「………昔々、教えたじゃねぇか、孫。……テメェが欲しいモンは?」

悟空「………………相手をぶっ殺してでも、奪い取る」

牛魔王「……上出来。変わっちまった変わっちまったと思ってたが、その紅蓮の瞳は昔のまんまだ。日和ってなくて安心したぜ、兄貴はよ」

悟空「………すぅ……」

牛魔王「そうだ。俺を殺してみろや、孫んんん!!!」

悟空「……伸びて如意棒っ!」





八戒「……ひゅう。西の砂漠から都辺りまでは、流石に遠かったのう」

紅孩児「……ぜぇ…ぜぇ……僕も……乗り物系の術、覚えよかな……ぜぇ……浮術で長距離は………ぜぇ……」

八戒「じゃからワシの雲に乗れば良かったものを」
748: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/11(金) 23:27:35 ID:qlCdfXcKI.
紅孩児「……幼女に………セクハラされる趣味は……無いんでね………」

八戒「胸や尻なぞ、触られて減るもんでもなかろうに………む。おお、奴等も一緒か。悟浄!小龍!」

小龍「…流石悟能様、お早いお着きで。私も飛ばしたのですが。……お怪我ひとつ無く、安心致しました」

八戒「ほ。無いと知りながら言うでないわい。……悟浄、顔が怖い。美形が台無しじゃぞ」

沙悟浄「…旦那様が……アタイの王子様がこの城の中に………オラァ紅孩児ぃ!とっとと扉を開けさせな!」

紅孩児「……ちょ、待って、まだ息が………」

ギィィィィィィィ……

羊力大仙「……主、牛魔王様より入城の許可が……ひっ!?」

虎力大仙「なにやってんのよ羊力、とっとと中に入れ……ヒイッ!?」

小龍「………」

鹿力大仙「おいオメーら、もう中は準備出来てんぞ。……なに青くなってんだよ」

羊力大仙「つ、ついさっき焼き殺されかけた相手であるぞ!青くもなるである!」

虎力大仙「エ、エロ豚っ!そのガ………お、お子さまにちょっと教育しときなさいよ加減ってもんを教えときなさいよ!とっくに黒焦げになってる相手を更に焼くとか……ううう、思い出したくもない怖い怖い」

八戒「うむ、教えた通りじゃ。やるときは徹底的にやれ、じゃ」

虎力大仙「悪魔かアンタら!」

小龍「………私としては、あそこまでやったのにもうピンピンしてるこの三人のが怖いですが……」

虎力大仙「と、とにかく!ほらアンタら入んなさいよ!もう始まるから!」

紅孩児「………始まる?何が?」

虎力大仙「結婚式よ」
749: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/13(日) 20:07:07 ID:T3t5n7KU1E
沙悟浄「ああぁん!?け、け、結婚ってまさか………くぉら紅孩児どぉゆぅコトだいっ!?」

紅孩児「知らないよもう僕に怒るのやめてよ!!」

羊力大仙「オホン。……では皆々様、式場へと御案内致すである。私語は慎まれい」

沙悟浄「ふざっけんじゃないよ!降魔杖よ!沙僧が名において…!」

虎力大仙「我ら三人には今この時、争う意志は無いわ。そう命令も出ている。無抵抗の者を手に掛けたいのならば、どうぞ」

沙悟浄「……ぐっ…!」

八戒「とりあえず従うておこう、悟浄。暴れるならば牛魔王に会うてからで良かろ」

羊力大仙「………では、奥へ」





紅孩児「………なにさコレ………ずいぶん内装を弄ってるんだけど…」

小龍「…牛魔王の城、という雰囲気では無いですね。白を基調とした装飾………逆に不気味です」

八戒「……と言うか、アレじゃな。西国風のホテ…」

パパパパーン♪パパパパーン♪

沙悟浄「っ!?」

パパパパンパパパパン♪
パパパパン♪パパパパン♪

牛魔王「よぉう、ご機嫌麗しゅう、テメェら。今日は牛魔が結婚式を盛大に祝ってくれ!」

紅孩児「父上!これはいったい」

鉄扇公主「厳粛になさい。まずは花婿の入場ですわ。はい、拍手」


ズズズズ………!!


三蔵「…………」

沙悟浄「旦那さ………!!」
750: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/13(日) 20:08:52 ID:T3t5n7KU1E
小龍「…先生!………お前ら、先生に何を!!」

鉄扇公主「五月蝿いですわよ、この火吹き小僧が!私の玉の肌を焼いた罪は重くてよ!答える義理なんて」

玉面公主「…酔っぱらって、寝てるだけ。………安心しなさい……」

鉄扇公主「まだ私が喋ってますでしょう!?順序ひとつ守れませんの貴女は!これだから」

玉面公主「……次、花嫁………入場………」

鉄扇公主「話を聞きなさいっての!!」

八戒「おい悟浄!おい悟浄!しっかりせい!」

沙悟浄「……だ、だ、だんなさまかっこいいいい………!」

八戒「……アカン、此奴には師匠殿の………なんじゃあの衣装、たきしーど、か?は刺激が強すぎたみたいじゃ」

小龍「…それより、花嫁……は、紅孩児………ですよね」

紅孩児「ちょ、絶対嫌だ!こんな結婚式僕が認めるとでも」

玉面公主「……貴女じゃ………無いわよ………」


ズズズズ………!!!


悟空「……ふえ?」

八戒「…………姉者?……なんじゃその格好は……」

悟空「………あれ…?みんないる………あれ、私………えっと、お兄ちゃんにコテンパンにされて………そんで……うおっ!?なにこのヒラヒラしたカッコ!白いよ!?私なんか白いよ!?」

小龍「……ウェディング……ドレス………?」

鉄扇公主「あらあらうふふ、綺麗になって。馬子にも……いえ、猿にも衣装ですわねぇ」

悟空「え、や、やだなキレイだなんて初めて言われ………じゃなくてなにこれ!?ええ!?」

玉面公主「……あなたのそんなすがた………なみだがでるわね……ううん、だめね。おめでたいせきなのだから……」

悟空「棒読みだ!なにその娘を嫁に出すお母さんみたいなセリフ!……嫁に出す?」

牛魔王「ククク、喜べ孫!この兄貴自ら、テメェとその大好きなお師匠様の結婚式、執り行ってやるぜ!クハハハハ!!」

悟空「………はい?私と………お師匠さ…………はあああああ!!?」
751: 名無しさん@読者の声:2014/7/13(日) 20:42:01 ID:MFPuqZvM7M
悟空が悟浄に殺されるぅー!! (((((゚Д゚;)))))
どうしてこうなった!?wwwww
752: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/14(月) 19:07:04 ID:dhDxPMinHs
紅孩児「ふ、ふざけ……!」

鉄扇公主「何を怒っているの紅。貴女はこの坊主を婿に取るのは嫌なのでしょう?私もどちらかと言えば反対でしたわ、こんな冴えない男」

紅孩児「そうじゃなくて、なんで悟空が」

玉面公主「………古株の年寄りどもも……やはり人間を上に置きたくはないみたい………勝手よね………でも、皇帝との繋がりは欲しいし………」

牛魔王「玄がムスコ、ってのもなんかしっくり来ねぇしな。そこで孫だ。コイツが玄の伴侶となりゃあ、現皇帝とこの俺も義兄弟同然になるワケだ。つーかいっそ俺の軍に戻れよ孫。そうだそれが良いぜ!」

紅孩児「勝手に話を進めるな!悟空っ!」

悟空「え、あ、うん、なに?ちょっと今混乱してて」

紅孩児「綺麗だ!」

八戒「あ、ダメじゃコイツもも混乱しとる」

牛魔王「良いじゃねぇか、紅、テメェとっくにフラれてんだろ孫には。孫がこんなに懐いた男、好いた男は初めてだ。一緒にしてやるべきだぜ」

悟空「いやあのお兄ちゃん、そりゃお師匠さま好きだけどさ私。ラブじゃなくてライクって言うか、そーゆーんじゃないって、見ててわかりそうなモンなんだけど」

牛魔王「あぁん?んなもん抱かれちまえば愛に変わるっつんだよ。ようやく女になれるなぁ孫!」

悟空「抱かれちまってたまるかーっ!お兄ちゃんの理論を押し付けないでよっ!」

八戒「一理ある…!」

悟空「無いよ暴論だよ黙ってようか八戒ちゃん!」

鉄扇公主「そんなことありませんわよ?私と牛魔王様も、初対面で無理矢理……抵抗する私を力ずくで……いやですわ、うふふ…♪」

玉面公主「……玉も………出会い頭に………純血……奪われた………ポッ…♪」

悟空「事件だよそれ!?特に玉面ちゃんはビジュアル的に大事件だよナニしてんのさお兄ちゃん!」

八戒「ほほう。牛魔王よ、今度一杯やらんか?詳しく話を」

悟空「だから黙ってようかってばさ!!」
753: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/14(月) 19:09:56 ID:dhDxPMinHs
沙悟浄「………悟空姐さん……」

悟空「ひうっ!?ご、ごじょーちゃん!?ずっと固まっててくれて良かったのに………わ、わかるよね悟浄ちゃん?私に怒るのはお門違いで、悪いのはみんなお兄ちゃんで……」

沙悟浄「うん、大丈夫。アタイそこまで猪じゃないよ。そんな、ずっと固まってろだなんて、ヒドいねぇ姐さんたら。あははは……」

悟空「あ、あはは。ご、ごめんねぇ悟浄ちゃん?ほら悟浄ちゃんお師匠さまのコトとなると見境が……」

沙悟浄「………それはそれとして」

悟空「え?なに?なんで怖い顔?」

沙悟浄「……悟空姐さん、照れてるよね」

悟空「ふえっ?」

沙悟浄「口元が綻んでるし。ちょっと頬も赤いし。なによりさっきから旦那様の方まったく見ないし。照れてるよね。意識してるよね」

悟空「ちちちちち違ぁ!!そりゃちょっとドキッとしたけど、それはこんなヒラヒラな洋服着たこと無かったし、け、結婚とか言われちゃうとなんかほら!だからよしんば照れてるとしても、お、お師匠さまが相手だからとかじゃないんだからねっ!!」

八戒「おお、ツンデレた。小龍、なんぞ茶請けはあるかの」ズズーッ…

小龍「…見事なまでのツンデレですね………あ、はい。煎餅で良ければ」

沙悟浄「やっぱり……!まんざらじゃないんだ……悟空姐さんもまんざらじゃないんだ……!」

悟空「うおおおおい八戒ちゃんシャオくぅん!!?なに呑気にお茶してんのかなその勘違いしまくってる妹弟子を止めてよ!!ツンデレっぽくなっちゃったのは謝るから!!」

八戒「じゃって今回、特に命の危険がどーとかじゃなさそうじゃし。のう小龍」

小龍「…はい。なんかもう疲れました」

悟空「いやこのままだと命の危機だよ主に私の!!」

紅孩児「ちょおっと待ったぁぁあ!さあ悟空、僕とどこか遠くへ逃げて幸せに暮らそうっ!……あ、虎力さんも一緒で良い?」

悟空「うわぁいつのまにかタキシードだ!てか駆け落ちを促しといて他の女の子もとか、けっこうクズだよこーちゃん!虎力ちゃんもなんか言ってやって……」

虎力大仙「いいからとっとと終わらせてよ残業とか勘弁なんだけどアタシ。もう両方と結婚しちゃいなよめんどくさい」

悟空「私が一番めんどくさいよ!!」

牛魔王「……でだな、まぁ鉄扇は艶っぽかったぜぇ?こうだな、反らした顔を無理矢理……」

八戒「……その度に締まりが……ええの、ええのう!」

悟空「今ーっ!今その猥談必要ですかーっっ!?そして悟浄ちゃん半泣きで睨まないで悪くないのに申し訳なくなる!シャオくんカードゲームのデッキ調整やめてこっち構って!………ぅぅうお師匠さまぁぁあ起きてぇぇぇえ!!ツッコミが、ツッコミが追い付かないよぉぉぉぉおっっ!!」
754: 名無しさん@読者の声:2014/7/16(水) 10:42:41 ID:Q7Ytjw.LcA
なんというカオスwwww
755: 名無しさん@読者の声:2014/7/17(木) 05:51:24 ID:GzqJu1EFHY
悟空の悲痛な叫びが…wwww
756: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/21(月) 22:58:23 ID:AT7EGZL4TQ
悟空「お師匠っ……あ痛っ!?うえ!?なにこれ、なんかぶつかった!?」

玉面公主「………結界。貴女と三蔵法師の回りに施しといたわ………当たり前の処置ね………捕まってるのよ、貴女たち……」

悟空「こ、こんなのお師匠さまなら………ってそうだ寝てるんだ!起きてー!お師匠さま起きてーっ!」

三蔵「………んん……」

悟空「お師匠さまーっ!お師匠さまってばぁぁあっ!」

三蔵「………いや君スモッグの下スッポンポンってマジすかいただきます!………むにゃ……」

悟空「ダメだ!そして相変わらずひっどい寝言だ!」

牛魔王「なんだ孫、大好きなお師匠様が恋しいか?……あの壊すか殺すか盗むくらいしか出来なかった孫をこうまで女にするたぁ……見上げたぜ、玄!」

悟空「なんでそう見えるかな!?お兄ちゃん頭よかったよね!?わざと!?」

八戒「………さて、と。もうそろそろ帰るかの。ワシ明日早いんじゃよ、パチンコの新台が出るんじゃ。並ばんといかん」

悟空「泣くよ!?もう泣くよ私!?」

八戒「騒ぐで無いわ、なにも姉者達を置いていくとは言うておらん。……牛魔王。武こそ力のこの天下、力なき女子はその身命、他人に決められども文句は言えぬ。じゃから力及ばず捕まった姉者に拒否権は、無い」

悟空「なにその理不尽!?」

八戒「しかし、男は別じゃ。如何に力無くとも、自らの意志にそぐわぬ事は、命を賭けてもしてはならん。じゃろ、牛魔王よ」

牛魔王「…何が言いてえんだ、嬢ちゃんよ」

八戒「我らはこれでも、師に命を賭しておる。師匠殿が是と言わぬ婚礼ならば、姉者を含め四人の命、此処で捨てても、打ち壊す。………そんな顛末を、牛魔王が望むのか?」

牛魔王「……玉が一目置くわけだ、弁も立てば心理も押さえてやがる。言葉に宿るドスも一級品じゃあねぇか。………確かに、望まねぇ。これでも俺は妹想いなんだ、死なすつもりはねぇよ」

悟空「おおお……さすが八戒ちゃん……!惚れるよ、これは惚れる……!」
757: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/7/21(月) 23:00:24 ID:AT7EGZL4TQ
八戒「ほほほ、何じゃ姉者、ワシの嫁になるか?……ま、そーゆーワケじゃから諦めよ牛魔王。しかし姉者が負けたは事実、その何じゃ?師匠殿が皇帝の弟だとかいうコネ?は、まあワシらからも口利きを促すとい事で……」

牛魔王「………つまり、玄の野郎が乗り気ならば問題ねぇんだな?」

八戒「……や、まあそうじゃが、お主知らんのか?今の寝言聞いとったじゃろが。我らが師匠殿は筋金入りのロリコンじゃぞ?」

悟浄「そ、そうだよっ!旦那様が悟空姐さんを選ぶわけ無いんだ!だって10歳以下しか女として認めない変態なんだか………」ズゥゥゥン……

小龍「…自分で言った事でヘコまないで下さい、悟浄さん」

牛魔王「なぁに、んなこたとっくに知ってらあ。一緒に呑んだ仲だしな。ちゃあんと考えてるぜ………玉!」

玉面公主「………はぁい。……猪八戒には、D-TG………沙悟浄には、定風丹…………玉龍にはこの熱すら通さない結界を用意してたんだけど、三馬鹿じゃあ使いこなせなかったわね…………そして………」

プシューッ!!

悟空「ふえっ!?」

玉面公主「……孫悟空には………これ。前に巨大化した如意棒を元に戻した時の応用で開発した……そうね、名付けて…『時手箱』……なんてどうかしら……?」

悟空「えほっ!えほっ!……なにすんのさ、気持ち悪……」

ボワンッ

ごくう「……けへっ………ううう、なんかへんな………おっと?なんかわたしのこえが、かわいいよ?したったらずだよ?……これは………えっと………」

玉面公主「………いえーい……大成功………ロリ嫁悟空ちゃんのかんせーい………」

八戒「………いやいやいやいや!そ、それは反則じゃろ牛魔王っ!そ、そんなんいっちゃんマズいパターンではないかっ!!」

小龍「…いやいくら先生でも………ご、悟空さんにはそーゆー気を起こさないって言ってましたし………口だけは…………口だけですしね……」

ごくう「……およめさん……わたしが、おししょーさまのおよめさん……?ふぇぇ……!」

八戒「あかんあの馬鹿姉、いつもより頭の幼児化が早い!おい悟浄、もうキレて良いから城ごとぶっ壊」

沙悟浄「き、きき、き、近親相姦んんん……!だ、だめだよそれはおとうさんとむすめがそんなだめだよおかあさんどうしたら」

八戒「気色悪いコト言うとらんで帰ってこいっ!!」
758: 名無しさん@読者の声:2014/7/28(月) 18:16:38 ID:nOg2pmWu6Y
気長に待ってます(`・ω・´)
しえん!
759: ヨシュア【すんません更新した気でいましたぜ】 ◆.frSdr10QQ:2014/8/3(日) 12:46:06 ID:axO.AdCUDs
ごくう「……およめさん……えへへ………およめさんかぁ……♪」

沙悟浄「頬を染めてんじゃな………染めたら、めっ!アタイの旦那様は誰にも渡さないし悟空姐さんは嫁になんてやらないよまだ早いっっ!!」

小龍「…今どの立ち位置なんですか悟浄さん」

八戒「えええい!諸々元に戻さんかい牛魔王っ!場をシッチャカメッチャカにして何が楽しいんじゃ貴様!」

牛魔王「しっかしホントに小せぇな、この孫は」

ごくう「む。おにいちゃんがおっきいのー」

牛魔王「俺ぁ白牛になっちまっても多少は戦えっけど、妖気の欠片も感じねぇ。こりゃあクソの役にも立たねぇな」

ごくう「なにさ!いもーとにたいしてしつれいな!」

八戒「………どぉしてこう、バトル馬鹿は話を聞かんヤツばっかなんじゃ……!」

小龍「…私等も大概だと思いますが。…幼児化がひどいと、牛魔王怖い病が治まるんですね、悟空さん」

沙悟浄「………あ、ぐ、うぅ………!!」

八戒「ようし悟浄、もう暴れて良いぞ。城ごと吹き飛ばせばあの馬鹿一家も……何じゃその顔は。どんな顔じゃそりゃ」

沙悟浄「………悟空姐さんに旦那様が盗られそうで死ぬほど悔しいのに……悟空姐さん可愛い………!なにこれ!?憎いのに愛しい!ぶん殴りたいのに抱き締めたい!なにこれ!!?」

小龍「…け、血涙を流しながらも締まりの無い笑顔……!」
760: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/3(日) 12:46:48 ID:axO.AdCUDs
沙悟浄「うああアタイどうしたら」

ドゴォォォォンッッ!!

沙悟浄「ぴぎっ!?」

玉面公主「……狐火・雪魅死伏(ゆきみだいふく)………その氷塊からは………簡単には抜けられないわよ……」

小龍「…いきなり何を…!」

鉄扇公主「刀両扇(とおりゃんせ)」

ガガガガツ!!

小龍「…っ!?」

鉄扇公主「人様の家の中で、暴れるの何のだなんて相談………害されても仕方無くってよ、ボク?」

八戒「小龍っ!ち、大人しいと思うて居ったら……」

紅孩児「焼き斬れ火炎槍!」

ガキィィィィン!!

八戒「つっ!?……紅孩児…!今回はこっち側じゃろ貴様!なんの真似じゃ!」

紅孩児「………ふふふ……気付いたのさ………どうやら父上は、結構マジで牛魔に悟空を呼び戻すつもりだ…………誰と結婚だとかそんなんもういい。………一つ屋根の下で過ごせば、いくらでも襲う機会が満載じゃないか!ふふふふ今後安眠は出来ないと思いなよ悟空うふふふふふふ」

八戒「発想がワシじゃ!!」

虎力大仙「自分で言うんだ」
761: 名無しさん@読者の声:2014/8/3(日) 20:46:08 ID:LBWwpFc1EY
もwwうwwなwwにwwがwwなwwんwwやwwらww
762: 名無しさん@読者の声:2014/8/4(月) 02:21:05 ID:gYqlmAdgeY
発想がワシじゃwwwwwwwww

せやな
763: 名無しさん@読者の声:2014/8/4(月) 12:56:50 ID:8.ZFOm3w/I
発想がワシじゃwwwwwwwwww
流行らしたいほどの名台詞wwwwwwwwwwww
764: 名無しさん@読者の声:2014/8/4(月) 21:14:49 ID:7JPQ9XP.dE
もうカオスどころの話じゃないwwwwwwwwwwwwwww
765: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/4(月) 23:33:55 ID:bNZUvuoFwM
沙悟浄「こんな…もの……アタイの愛の炎で溶かして……!」

玉面公主「………そんな一方通行の愛で溶けるほど……玉の狐火はヤワじゃないわ………」

小龍「……寄る年波で腰にキてると聞いていましたが、どうして素早い動きじゃないですか、鉄扇公主」

鉄扇公主「どぁれが湿布臭さを香水で誤魔化してるですってぇぇぇえ!!?キィーッ!!」

紅孩児「三昧真火・裏奥義!聖嬰大紅蓮(せいえいだいぐれん)!!!」

八戒「じゃからお主も悟浄も、こんなアホな場で必殺技を出すでないわーっ!」

ワーッ!!ギャーッ!!ウアーッ!!

羊力大仙「………地獄絵図……いや、絵にも描けない混沌っぷりであるな……」

鹿力大仙「うおおおお!燃えるじゃねぇか!よっしゃ俺も」

虎力大仙「はいはいアンタは奥で料理してなさいな。あんなん飛び込んだ瞬間に塵になるわよ」

牛魔王「あぁぁん?なんだテメェら、主君の妃や世継ぎが矛を振るってるってぇのに、高みの見物かぁ?偉くなったもんだなぁ、おお?」

羊力大仙「さ、さ、三大仙、突撃であーるっ!牛魔王様の御為ならばこの命、鴻毛の軽きであーるっっ!!」

鹿力大仙「おっしゃらーっ!!俺の拳が真っ赤に燃えるぁ!!」

虎力大仙「……うう、アタシも死ぬ前に結婚とかしたかった……!」



牛魔王「……くくく、どいつもこいつも殺気の欠片も出してねぇ。あんな腑抜けた戦闘で死ぬワケねぇだろが。………なあ玄?」

三蔵「……んだよ、起きてたのバレてた?やー、ほとぼりが冷めるまで面倒で。つか牛さんのせいじゃん」

牛魔王「あの程度の酒で潰れる男じゃねぇだろが。酒飲みは見抜けんだよ、俺ぁ。安心しろ、全員戦るのに夢中で、こっちなんざ見てねぇよ。孫のヤツも、ほれ」

ごくう「がんばれごじょーちゃーん!あーっ!しゃおくんあぶないっ!」

三蔵「もうロリってより幼児じゃねーかよ。なんで尻尾振ってんだよ犬かよ」
766: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/4(月) 23:36:00 ID:bNZUvuoFwM
牛魔王「……変わったな」

三蔵「そーだよいつもはあそこまで幼女じゃねーぞ。もうちょいウィットに富んだ皮肉とかも」

牛魔王「…違ぇよ、そうじゃねぇ。………あのいっつもつまんねぇ顔してた孫が、キレイに笑ってらぁ、ってコトだ」

三蔵「………ふぅん」

牛魔王「聞いたぜ、見たんだろ?今や伝説にまでなっちまった、金色の悪魔………大層な二つ名だぜ」

三蔵「あー。キンキラキン悟空か。なんかバチバチ言ってた」

牛魔王「それが昔の孫だ。溢れて止まらねぇ力を、人に、物に、世界にぶつけて、壊す。それしか出来ねぇ……それしか知らねぇバケモンだ。そんなんだから、悪い戦屋に駒にされてばかりでよ。………俺とかな」

三蔵「悪人め」

牛魔王「は、生臭坊主に言われたかねぇ。………だが、前の騒動で見た孫の戦は、違った。弱くはなってねぇ。弱くはなってねぇが………アレだ。柔らかいっつーか………優しかった」

三蔵「うっわなにその似合わねーセリフ。キャラ変?」

牛魔王「るっせ、茶化すな。………これは嫉妬だ。ああ、嫉妬だぜ。テメェが変えやがったんだ。俺じゃあどうにもならなかったアイツを……良く、変えた」

三蔵「…………」

牛魔王「……ふん、喋り過ぎたな。………おい、玄」

三蔵「ん?」

牛魔王「………生まれて初めて、他人に頭を下げるぜ。…………これからも、義妹を、頼む」

三蔵「……別に嫁には取らねーぞ」

牛魔王「……くく、好みの幼さじゃねぇのか?」

ごくう「そこだっ!はっかいちゃん!あーもー、こーちゃんじゃまーっ!」

三蔵「いや今はあれだけど、戻ると毛むくじゃるし。そろそろヒゲとか生えんじゃね?」

牛魔王「お前も大概ひっでぇな」
767: 名無しさん@読者の声:2014/8/7(木) 18:16:39 ID:zrX4Em9..2
いい感じにまとめにかかってるwwwwww
768: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/8(金) 13:12:44 ID:y7fGDtDdPg
牛魔王「……さあて、ちょっくら俺も混ざってくっか。城を壊されちゃあ面倒臭ぇしな」

三蔵「自分で起こした騒ぎだろーに。怪我させんでくれよー」

牛魔王「クックック、約束しかねるなぁ!オラァァ!平天大聖の暴武、魅せてやらぁ!!」


三蔵「……んったく………。ふむ、あんまウロチョロしてもアレだが……っと、結界か。えっと、あーなるなる、けっこー複雑ね………ん、よし」

バシュウッ

ごくう「やっちゃえー!しゃおく………ぷえっ!?」ペチョッ

三蔵「なんだその可愛い擬音」

ごくう「ふえぇ……?とーめーのかべがきえたよ?」

三蔵「なるほど、別で解かれると他も解けちゃう術式か。そこを簡易化させたぶん熱に強く……」

ごくう「ころんじゃった……あ!おししょーさまだ!おししょーさまーっ!」

三蔵「こら走るな悟空」

ごくう「ぷえっ」ポテッ

三蔵「ぽてっ、て………ほら転んだ」

ごくう「うう、このひらひらしろいのふんじゃうよ……」

三蔵「おー、いつものチビ化より更に小さいな。俺が片手で持ち上がるって、フツーのガキより軽いだろコレ」

ごくう「む、おろして!わたしおよめさんなんだよ!しつれい!」

三蔵「あとなんでちょっと強気になってるのかもわからん」

ごくう「およめさんでけっこんしきなんだよ!ひらひら!まっしろ!」

三蔵「なー、白いなー。つーかタキシードって窮屈なんだなー、やっぱ法衣の方が良いや、股ぐら蒸れないし」

ごくう「けっこんしきだから、けーき!……でも、けーき、ないね?」

三蔵「なー、無いなー。まあ食いもん出してる場合じゃねーもんな、見ろよアッチの大乱闘スマッシュモンスターズ。あ、羊のオッサンが壁にめり込んだ」

ごくう「けーきないから……あとは………えっと……」

三蔵「うわぁ牛さんそれ鹿さんまで巻き込んでるじゃん味方味方。つーかあんだけ文句言ってた八戒が一番楽しんでないかオイ虎さんを脱がすな脱がすな」

ごくう「………ちゅーしよう!」
769: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/8(金) 13:13:12 ID:y7fGDtDdPg
三蔵「なー、ちゅーな………いや待て悟空それはマズイ平静を装ってはいるが実はお師匠さまお前に反応しないように頭ん中じゃ般若心経をフルで」

悟空「けっこんしきは、およめさんとおむこさんがちゅーするんだよ!しらないの?だから、ちゅー♪」

三蔵「うおお止めろ悟空お師匠に残った理性の欠片が『YESロリータGOタッチ』ってバカ俺それ理性じゃねーじゃん!」

悟空「ちゅー♪」

チュッ

三蔵「………な、なんだ頬っぺか、いやそれでもギリギリだから離れようか悟く……」

ボワンッ

悟空「…………」

三蔵「…………」

悟空「………にゅああああ!?ななな何してんですかいたいけな私に!お師匠さまがそんな人だとは思ってたけど!」

三蔵「したのはお前だろーが!あとそこは思ってなかったって嘘でもそー言え!」

悟空「うあああやっぱりロリならなんでも良いんだ幼い躯に猛り狂った欲望の塊をこれでもかとぶつけるつもりなんだ鬼畜だよ最低だよ犯罪だよ!」

三蔵「久々の妄言ラッシュかましてんじゃねーよ!てかなんださっきまでのお前は!あんなロリコンホイホイ俺じゃなくたって」

悟空「まったくお師匠さまは!こんなん誰かに見られたらまた面倒臭い事に……」

三蔵「……悟空さん」

悟空「なんですかもう。何さん付けしてんですか気持ち悪い」

三蔵「……お師匠さま、妖気とか感知できないんだけどさ、俺の右斜め後ろ辺りから嫌〜な感じがするんだけど、確認お願いできます?」

悟空「妖気?えー、ここまで一ヶ所でドンパチしてると、特定の妖気とか………ぴっ!!?」

三蔵「………聞くぞ。最悪のパターンか?」

悟空「………イエス、お師匠さま」


沙悟浄「………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
770: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/8(金) 13:13:45 ID:y7fGDtDdPg
玉面公主「……玉の氷塊が、簡単に溶けてく……!?そんな……!?」

鉄扇公主「ちょ、柱に……壁にもヒビが入って行きますわよ!?防御呪を織り込んだ特注ですのに!」

沙悟浄「………………キス………した…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

三蔵「うわ最も見られちゃアカン相手に!落ち着け悟浄!これは事故だ!それに俺も良心の呵責があったのか未だ半勃ちで」

悟空「余計な口を閉じましょうかお師匠さま!悟浄ちゃん違うんだよ誤解だよ!そんな悟浄ちゃんが居るのに私がそんな事ってうわぁぁあ屋根が吹っ飛んだぁ!」

沙悟浄「………アタイも…………まだなのに…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

三蔵「そして開いた穴から全員逃げてってんだが。うぉぉぉいコラ何とかしろ置いてくな!」

八戒「姉者ーっ!とっとと如意棒で盾を作れい!はよせんと周囲の町ごと吹っ飛ぶぞ!」

悟空「うええ!?そんなーっ!?」

沙悟浄「………アタイの…………アタイの旦那様なのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいっっ!!!!」

悟空「な、何とかして如意棒ぅぅぅうっ!!!」


ゴオオオオオオオオオオオッ!!!







………かの三蔵一行の軌跡を記した史書より抜粋………

『此の時玄奘三蔵法師と孫行者が交わした儀が、頬ではなく口吸いだったならば、大陸の半分は消し飛んで居たであろう』

………この史書編纂に五聖が一人、玉龍が携わったと伝わっており、その信憑性は極めて高いとされる………
771: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/8(金) 13:24:23 ID:y7fGDtDdPg
>>769上から2つぶんの悟空のセリフ、名前欄をごくう』って平仮名にしといてくらさい。まちがえた。
772: 名無しさん@読者の声:2014/8/8(金) 19:10:57 ID:s07rOb9dRQ
ごくうかわいいよごくう
そして『YESロリータGOタッチ』wwww
名言ktkrwwww
773: 名無しさん@読者の声:2014/8/9(土) 09:21:09 ID:7JPQ9XP.dE
般若心経フルでwwwwwwwwwwwwwww
良心の呵責wwwwwwwwwwwwwww例え半分だとしても勃つなwwwwwwwwwwwwwww
774: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/11(月) 22:02:07 ID:SHTiB856fg


『……128番台スタート!……本日はパーラー娘々にご来店まことに……』

八戒「………よし!赤保留からの……玄武ちゃんリーチ!悪くない!………よしよしよし金文字……!」

グワングワングワン……ヒュルルル…プスッ

玄武ちゃん『うう、どーせ私はノロマな亀ですよぉ……ぐすん』

八戒「……………ぬぁぁぁあ!外れるかぁ!?これで外れるかぁ!?さっきは激熱だとか抜かしといて外れおるし、一体どんだけ回せば出るんじゃお主!!」

小龍「…悟能様」

八戒「ぐうぅぅしかも急に玉が入らんよーに!クギ可笑しいじゃろこっちは朝から並んで」

小龍「…悟能様、お昼になりますよ」

八戒「……あと千銭……いや五百銭も回せば……と、もうオケラか。おお小龍、ちとカネを」

小龍「…残念ながら、悟能様に渡すから……との理由で、私も無一文です。申し訳ありません」

八戒「ぐ」

小龍「……諦めて昼食に致しましょう。先生たちもお待ちですし」

八戒「ぐぬぅぅぅ……!ええい!覚えておれ『CR萌え萌え四聖獣』!次こそは店を潰すレベルで玉吐き出させてやるからのーっ!」




小龍「…そこの角の酒家です、雲呑麺が評判だそうで」

八戒「くそ……やはり安易に新台に飛び付くより、いつもの黄河物語を打っとけば………しかし小龍、ワシらも一緒でエエのかの?昨夜や今朝の感じじゃと、当分あの三人だけで行動しとったほうが良いような」

小龍「…それはそうですが。先程も申し上げました通り、無一文ですので……合流しないと、お昼が食べられません」

八戒「ぐ」
775: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/11(月) 22:03:33 ID:SHTiB856fg


沙悟浄「はぁい悟空姐さん、ちゃあんとフーフーしたげたからねぇ♪たんとおあがり♪」

ごくう「わ、わぁい………う、麺がぬるい……わたしラーメンは熱々のほーが」

三蔵(悟空っ!)ボソッ

ごくう「えへへへへ!おいしーね、らーめん!お、おかーさんっ!」

沙悟浄「うんもうっ♪可愛いんだからこの子はっ♪よくモグモグして食べるんだよぉ♪」

ごくう「は、はーい………」

沙悟浄「んふふ、旦那様ったら物欲しそうな顔しちゃってぇ♪妬かない妬かない♪じゃあ旦那様にはアタイのワンタンを……ふーっ、ふーっ………はい、あ〜んっ♪」

三蔵「いやそんな顔はしてないし妬いても無……そして待とうか悟浄フーフー二回じゃその熱そう過ぎるワンタンは確実に俺の口内をベロベロに」

ごくう(おししょーさまっ!)ボソッ

三蔵「あ、あーん………っっ!!………む、ぐ………っくん!……い、いやぁ、なかなか美味いけど……ご、悟浄の手料理には敵わないかな!あはははは!」

沙悟浄「んもぉ嫌だよぉ旦那様ってばぁ♪そんな事言っちゃ、お店の人に失礼じゃないのさぁ全くぅ♪でも……嬉しいっ!」

ごくう「ぐえっ!?」

三蔵「あははは悟浄、悟空を挟んで抱き付くなよ、この子潰れちゃうぞー?」

八戒「さて、汁物は肴にならんでな………お、蟹ミソ豆腐、美味そうじゃの。あと揚げ雲呑じゃな」

小龍「…はい、それと麦酒ですね…………あの、そんな目で見られましても、私たちにはどうすることも」

三蔵・ごくう「…………ううう」

八戒「……ま、このママゴトを………そうじゃの、あと十日も続ければ、悟浄の気も晴れるじゃろ」

三蔵「と、十日………!」

小龍「…もし悟空さんの変身が解けても、一応これがありますしね。玉面公主から分けて貰った、『時手箱』」

ごくう「いらないよっ!そんなんいらないよぉっ!」
776: ヨシュア【今回もお付き合いありがとうございました】 ◆.frSdr10QQ:2014/8/11(月) 22:05:40 ID:SHTiB856fg
八戒「しっかり代金として、師匠殿に何やらサインさせとったがの。皇帝への口利きと言った所か」

小龍「…でもこれで小さくなると、あのように頭までだいぶ幼くなってしまうのがネックですが」

八戒「や、むしろ無理して子供っぽくせんでよくなるんじゃし、姉者としても楽であろ」

ごくう「そんなん、もしまたおししょーさまにキスとかしちゃったら困るか……」

三蔵「悟空っ!!」

沙悟浄「………………キス…?」ゴゴ……

ごくう「おおおおおとーさんっ!ごくうこのあと、こーえんであそびたいなーっ!」

三蔵「よっしゃあ子供の頃ブランコの魔術師と呼ばれたお父さんの技を見せてやるぞ娘よっ!」

沙悟浄「あんもぅ仲良しさんで妬けちゃうよぉお母さんはぁ♪でも旦那様、あんまり危ないコト教えちゃダメだよう、女の子なんだからぁ♪んふふふふふぅ……♪」

八戒「……頑張れ、ブランコの魔術師」

小龍「……技、覚えたら見せてくださいね」

三蔵・ごくう「……どうして………どうしてこうなった………!!!」













紅孩児「結局………幹部連に跡継ぎと認めさせる為に、僕の仕事がダダ増えただけとか……!」

虎力大仙「はい追加ー。幽州豪族どもの取り纏めの件と……これは都の新賭場の報告ね。あ、あと本城の修繕の見積もりが」

紅孩児「うえええ………虎力さん、ちょっとだけ手伝って………」

虎力大仙「えー。でもアタシほら、アンタ的に駆け落ちのついでに連れてかれる愛人の位置でしょー?愛人は仕事しないわよー、っと。じゃ、頑張ってー」

紅孩児「そんなぁぁぁあ虎力さぁぁぁん!ううう……僕こそもうこのオチに使われる位置イヤだぁぁぁぁあっ!!」



劇了っ!
777: 名無しさん@読者の声:2014/8/12(火) 12:30:31 ID:A01T1otMO6
おかわりまであったなんて!!ありがとうございますありがとうございます!!
こーちゃんすっかりオチ担当カワイソスwwww
778: 名無しさん@読者の声:2014/8/26(火) 15:25:01 ID:s07rOb9dRQ
[壁]д・)ゾクヘンマダカナー…ナンツッテ…
779: ヨシュア【劇場版第二弾のような】 ◆.frSdr10QQ:2014/8/27(水) 15:22:56 ID:2pf10fAcLU
………昔々、そのまた昔。

この広大な大陸を行脚する一行があった。
徳、世に名高き高僧、玄奘三蔵法師。
供をするは、その弟子たる妖。

天が水軍を率いし勇将、天蓬元帥猪悟能。
四海を司る竜王が一族、玉龍太子。
天帝が近衛、その長まで上りし女傑、捲簾大将沙悟浄。


そして、霊山より生まれし伝説の神猿、斉天大聖孫悟空………




悟空「豆乳鍋っ!ほら見て美味しそう!これ食べに行こーよっ!」

八戒「んん?ワシあんまりアレ得意じゃ………おお、火鍋の店もあるではないか、これが良い!酒にも合うしの!」

悟空「えー、豆乳鍋食べたいよお。八戒ちゃん最近辛いのばっかじゃん、痔になっても知らないよ?」

八戒「姐者こそ、そんな白濁とした汁を欲しがりおって……欲求不満か?発情期か?白濁とした汁をゴックンしたくて堪らんのか?白濁とした汁が喉に絡んで」

悟空「ごはんの話してる時にやめようよそーゆーの!いやマジでごはんの話してる時にやめようよ!」

八戒「先に痔とか言い出したのはそっちじゃろがい」

三蔵「俺もどっちかってーと火鍋かな。八戒に一票」

悟空「ちょっと待って下さいお師匠さま!そうなると自動的に悟浄ちゃんはお師匠さまに付くしシャオくんは八戒ちゃんのイエスマンだし!うわあ私の負けが火を見るより明らかだ!」

沙悟浄「いやいや勝手に決めないどくれよ。ちょいとそのパンフ見しとくれ………うん……うん…………アタイ、悟空姐さんに一票。豆乳鍋、良さそうじゃないのさ」

小龍「…先生に賛成しないなんて、珍しいですね。………ああ、カロリーを気にして……確かに悟浄さん、前より腰回りの脂肪が……」

沙悟浄「ふふふふふふシャオ?アンタもぉぉぉ少し歯に衣着せることを覚えようか?」

八戒「そのぶんの脂肪、気にしとる胸に付けば良かったのにのう」ヒソヒソ

悟空「世の中ってうまくいかないんだねぇ」ヒソヒソ

沙悟浄「聞こえてるってんだよそこの姐さんズ黙りなぁっ!!」

三蔵「晩飯くらい静かに決めらんねーのかお前ら」



外伝『妖ノ国・獅駝嶺(あやかしのくに・しだれい)』
780: 名無しさん@読者の声:2014/8/28(木) 04:09:28 ID:q7vIKuHuK2
キター!!!!しえん!!!!
781: 名無しさん@読者の声:2014/8/28(木) 07:23:55 ID:BVV9R3.79Y
外伝だー!!CCCC
782: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/28(木) 15:13:00 ID:Ge5xUiIhmY

沙悟浄「とりあえずさ、何処の店に入るかは後にしないかい?軽く急がないと、街に着く前に陽が落ちちまうよ」

三蔵「だな。けっこーデカイ街なんだろ、そのシダだかなんだって。当分ゆっくりしよーぜ」

小龍「…獅駝嶺……と、パンフレットには書いてありますね。しかしこんな北の地に、それほど栄えた街があるとは思いませんでした」

八戒「山越えにはなるが、西国へのルートのひとつじゃからの、この辺は。交易は最も短期間で潤うもんじゃ、良くも悪くも、な」

悟空「豆乳鍋!豆乳鍋!」

八戒「ええい煩いのう、喚いておれば通ると思ったら大間違いじゃぞ!そんなに乳が欲しいなら自分で出せばエエじゃろ、立派なモンぶら下げとるんじゃから……ほ?」

悟空「よしんば出たところで自分で飲まないよ………って、おっとっと」

ドスン……ドスン……

巨妖怪「ヒヘヘヘ………ようカワイコちゃん達、なんだ、鍋が食いてえのかぁ?」

巨妖怪「くん……くん………ヒャハハ、嬢ちゃん達と、そのボクちゃんは妖怪(お仲間)だなぁ?ヒャハ、なあなあ、鉄鍋なら用意してやるからよぉ………その坊さん、仲良く一緒に分けて食おうぜぇ?」

小龍「……どの辺を分けてあげれば良いんですかね。サーロインあたりですか?」

三蔵「こらこら小龍、お師匠のそんな高級部位を差し出そうとしちゃダメだぞこいつぅ」

沙悟浄「はっ。夫の前で妻をナンパしようなんざ、良〜い根性さね。丁度いい運動だよ、アタイが……」

八戒「や、待て悟浄。よし姉者、どちらが早く……そうじゃの、命乞いさせるか、じゃな。それで勝負じゃ。都合良く二匹じゃしの」

悟空「のった!私が勝ったら豆乳鍋ね!よぉし、悟空ちゃんの本気見せちゃう……」

???「てぇぇぇやぁぁあっっ!!」

ドスッ!!ドスッ!!

巨妖怪「ぐぎっ!?」

巨妖怪「あへっ!?」

ドススーン……

羽飾りの娘「……よしっ!まったく、女の子を襲うだなんて、性根が腐ってるにも程があるっス!大丈夫っスか、旅の人!…………あれ?なんで怪訝な顔っスか?」

悟空「………ええぇぇぇえ…………」

八戒「何邪魔してくれとんじゃお主」
783: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/8/28(木) 15:16:53 ID:Ge5xUiIhmY
羽飾りの娘「……あ、あれれ?欲しい反応が返って来ないっスね……」

三蔵「急に出てきて、なんだあの人」

小龍「…大方、正義の味方でも気取りたかったんじゃないでしょうか。それか謝礼狙いですかね」

沙悟浄「どっちにせよ、助ける相手を間違えたねぇ。ほらアンタ早くうちの姐さん達に謝りな、理不尽な暴力を受ける前に」

羽飾りの娘「えっ?謝んなきゃなんスか自分?我ながら悪いことした覚えゼロなんスけど、ええええ?」

八戒「ふん、悪いことはしとらんが、胡散臭いことはしとるわい。賊共を黙らせたこの羽飾りの飛刀(投げナイフ)、的確に経穴を突いておる。仮死の秘孔か……見事じゃ。此程の技量を持ちながら、ワシらの実力を見抜けぬ事もあるまい。何が狙いじゃ?」

三蔵「おおう、さすがウチの頭脳」

悟空「羽っ娘ちゃんのミニスカをガン見してなきゃカッコいいのにね。八戒ちゃーん、相手の目を見て喋ろうよう」

羽飾りの娘「ね、狙いとか……し、親切心っスよ!そんな、人間さんなんて連れてこの先に行ったら、今みたいのがワラワラ涌いて来るっスよ?自分等の街、獅駝嶺は……妖怪の国なんスから」

沙悟浄「あん?どういうコトだい?」

羽飾りの娘「うおっ!?に、睨まないで欲しいっス!自分ヤンキー苦手で、だからあーやって戦う時は影からプスッと………あ、まだ自己紹介もしてなかったっスね。『雀(すずめ)』って呼んで下さいっス!」

八戒「で、その妖怪の国、ってのは何じゃ。パンフレットには鍋の美味しい宿場町、としか書いとらんぞ」

雀「ああ、それは元々のハナシで、最近になって国家として………って、あの、スカート捲らないで欲しいんスけど」

八戒「スカートは捲るためにあるんじゃぞ?ほう、縞パン……!」

雀「ちょ、あの、皆さんこの子止めて」

沙悟浄「スカートよりも下着を死守しな、剥ぎ取られるよ。……旦那様、見ちゃダメだからねっ!」

三蔵「痛い痛い痛い目が、目が陥没する!んなもん見ねえよ見たとしてもロリ以外のパンツになんざ何も感じねぇよ!」

悟空「感じるようになってもらわなきゃ一番困るのは、悟浄ちゃんなのにねぇ。難しいねぇ」

雀「え、あの、えっと」

小龍「…人の話を聞かないのは、この方達のお家芸ですから。私が聞いてますので、話の続きをどうぞ。妖怪の国とは?」

雀「は、はあ……えっとっスね、元からこの獅駝嶺には妖怪も多く住んでたんスけど、二ヶ月くらい前に教王を名乗る二人組が………じゃなくてその前に!この子をひっぺがして欲しいんスよ脱がされるっス!お嫁にいけなくなるっス!」

小龍「…教王、ですか。あまり耳慣れない呼称ですね……それで?」

雀「あれぇぇマトモだと思ったこの少年も人の話聞かない村の住人だったっス!」

八戒「おほ。お主、毛ぇ薄いのう」

雀「だ、誰か助けてっスーっ!!」
784: 名無しさん@読者の声:2014/8/29(金) 00:11:33 ID:om8BEypqRs
あぁっ!新キャラがさっそくひどいことにwww

つC
785: 名無しさん@読者の声:2014/8/29(金) 20:45:18 ID:gdmkW4wNGc
まともなのが一人もいないwwwww
786: 名無しさん@読者の声:2014/8/30(土) 05:26:49 ID:YDR0adIOWk
八戒ちゃんは下品だなぁ(歓喜)
787: 名無しさん@読者の声:2014/8/31(日) 10:38:42 ID:g/4yaawZVM
絵師さん!はよ!
788: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/1(月) 14:54:57 ID:vndY0XTvww
三蔵「さて。何も見えんからよくわからんが、多分ひっどいコトになってんだろ。止めたげて悟空」

悟空「あいあいさーお師匠さま!はいそこまでだよセクハラ幼女!てかもうやってる事がセクハラじゃなくてタダのチカンだよ!」

八戒「うおっ!?わかったわかった、わかったから降ろせい!人をレジ袋みたいに持つでない!」

沙悟浄「よし。ほらアンタ、とっとと服の乱れ直しな」

雀「え、あ、はいっス!」

小龍「…ところで、悟能様は痴漢ではなく、痴女ですよ。男ではありません」

三蔵「あー痛かった…やっと離して貰えた……そして小龍それなんのフォローだよフォローになってねぇよ」

八戒「むう、メイド服は持ち上げられやすくてイカンわい。……のう?止めるなら止めるで、もそっと早く止めてくれんかの?もうワシだいぶソノ気になっちゃっとるんじゃが」

沙悟浄「外で、しかも皆の前でソノ気になっちゃわないどくれよ姐さん……」

小龍「…しかし僭越ながら悟能様。一度の邪魔で手を引くとは、御成長なされましたね」

八戒「じゃろ?じゃろ?」

悟空「これシャオくん、皮肉とかじゃなくマジ褒めだからね溺愛どころじゃないよね」

三蔵「……主君が素晴らしい家臣を手に入れることを、『水を得た魚』って例えるけどさ。この二人はアレだな、『小遣いを得たニート』って感じだよな」

悟空「ダメになる一方だ!」

雀「あ、あの、ありがとうございますっス……」

悟空「おお、完全に被害者なのにお礼言っちゃった」

雀「……で、その、つかぬことをお訊きするっスけど……『ハッカイ』とか『ゴジョウ』とか……そんで『ゴクウ』って……も、もしかして、あの有名な孫悟空さんっスか…?」

三蔵「そうだよ、毛の有名な孫悟空だよ」

悟空「そんなもんで名を上げた覚えはありませんよ!」
789: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/7(日) 10:54:20 ID:se49ZBIlzg


青髭の武人「……臭うな」

白髪の剣士「だべー?風呂入れって兄貴。お前股間から異世界の臭いがしてっから」

青髭の武人「毎日入ってんだけどね?あといっつも思うんだけど、兄貴に対して『お前』はやめない?キミ後輩とかに『お前』って言われたらどうするよ?あと目を見て話そうよ失礼だよ?雑誌読むの中断しよ?」

白髪の剣士「えー?後輩にー?そりゃシメっけど?でも後輩と弟は違くね?てか兄貴、男のクセに細けーし本くらい好きに読ませろし。だからインキンでクセーんだよ。あーそうだ、あと、俺のサンダルとか勝手に履くなよ水虫伝染ったら殺すかんな」

青髭の武人「………うん、よし、うん…………で、だ。人間が来たな。某の嫌いな僧侶の臭いだ。……周りに強い妖気を連れている。恐らくは件の高僧、玄じょ」

白髪の剣士「俺お前の臭いのがキラーイ。お、長安モデルのジャージ出てんじゃんマジ買いじゃねコレ!?イカちぃマジイカちぃし!」

青髭の武人「……うん、大丈夫、某は大人、怒らない、怒らない………誰ぞあるか!」

信者「はっ!青教王様!」

青教王「神託が降りた!妖魔の神は、邪教の高僧をお望みである!国中に布令を!見つけ次第、ここ獅駝洞へと引っ立てい!」

信者「ははっ!して青教王様、その邪教が高僧、身形は?」

青教王「うむ、伝聞によれば、白き衣に金の袈裟…」

白髪の剣士「あー、そこの。良いから見つけた人間は全部ほーこくなー。こっちで判別すっから。あーと、あとアレだ。どーせお前らじゃ敵わねぇから、別にバトんなくて良いから。俺らでやっから」

信者「はっ!白教王様!」


青教王「………」

白教王「んだよ、間違ってねーべ?だいたい仕切りの才能ねーんだから、引っ込んでろし。お、来月イベントあんじゃん、女の子集めねーと……」

青教王「……が、我慢……我慢………某は大人……某は長兄………!」






雀「……っと!これでオッケーっス!バッチリっス!」

三蔵「……んだよこの毛皮の着ぐるみは。いくらここが北でもさすがに暑いんだが」
790: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/7(日) 10:55:27 ID:se49ZBIlzg
沙悟浄「あぁぁん♪旦那様、もふもふで可愛いじゃないのさぁ♪」

八戒「…ぷ、く……まあ、いつもワシに色々エロエロと変なもん着せとる罰じゃの、ぷほほ……!」

小龍「…熊を模した着ぐるみ、ですか。これは痛いですね」

悟空「……く、口の中に顔……!安いコント衣装みたい……!も、もうダメ、あは、あははははははっっ!!」

三蔵「うるせぇよ!お前らうるせぇよ!」

悟空「な、なにその短い手でのツッコミ可愛い!もうやめて、お腹よじれる!あははははははは!!」

三蔵「うるせぇよ!」

雀「これぞ雀特製、『獣臭くまちゃん』っス!天下の三蔵法師様ご一行とあらば、そうっスね……一着五千銭のところ、なんと三千九百銭で」

八戒「タダにせい」

雀「………はいっス」

沙悟浄「なるほど、人間の旅人にこいつを売りつけて銭にしてたんだね、アンタ。確かに人間臭が完全に隠れてるよ」

小龍「…隠れてるというか、ケモノ臭いです、先生」

三蔵「うん、確かに臭い。犬小屋みたいな臭いする。それより今更だけど人間って臭うの?お前らもわかんの?」

八戒「うむ。意識して鼻を利かせれば、じゃがの。けっこうキツめの臭いがするぞい」

小龍「…例えるなら、アンモニア臭に近いですね」

雀「あー、近いっス近いっス!そーゆー臭いっスよね!」

三蔵「訊いといてなんだけどもうやめて。なんか臭い臭い言われてる気がして微妙な気分になる。あと悟浄、ただでさえ暑いんだから、離れてくれ」

沙悟浄「もふもふ……むふふぅ♪そうだいつかペットも飼いたいねぇ♪庭付きのお家と可愛い娘……仔犬の横には旦那様……♪」

三蔵「俺にそんな甲斐性ないと思うぞ我ながら。そしてそこの毛玉いい加減笑うの止めろ」

悟空「け、毛玉なのはお師匠さまですよ、あは、あはははは、ひぃ、お腹、お腹痛いぃぃぃ……!あ、あははははははははははっっ!!脚、脚短い!かわいい!」

三蔵「どんだけだお前」
791: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/11(木) 23:02:38 ID:dKTCu5UY4Y




八戒「ふむ、『中華に蔓延る人間共を僻地へと追いやり、妖怪の理想国家を』か。豪気なのか弱腰なのか。どうせなら『人間共を根絶やしに』くらい吠えたらどうじゃ、とも思うがの。…小龍、小骨」

小龍「…はい、お待ちを。…ここも十分僻地ですけどね。新手のギャグでしょうか」

雀「ちょ!声が大きいっス!街の全員が妖魔真義教の信者なんスから!」

三蔵「おい悟空、お酢取って。しかし物騒な宗教だな迷惑な。おとなしく仏教やっときゃ良いんだよ一番ポピュラーなもんやっときゃ間違いねーんだから」

悟空「はいお酢…ングング…てかひっどい…モグモグ…セリフですね…ムシャムシャ…それでいいのか僧として…アムアム…っくん。ぷあ。雀ちゃんは信者じゃないの?」

雀「一応表向きは信者っスよ。反発して殺されたくもないっスし、住み処を変えるのも面倒臭いっスしね」

沙悟浄「宗教国家ねぇ……お、この麻婆春雨、イケるね。それにしても、天部は……こーゆーのには手ぇ出さないだろうけど、牛魔王の野郎とかが黙って無いんじゃないかい?」

雀「あ、それはヘーキみたいっス。街に優先的に摩雲なんとか、って会社のチェーン展開させるのを条件に、相互不干渉とする約定を結んだとかで。ほら、この店も」

悟空「……ほんとだ。『摩雲カンパニーグループ・金剛九尾飯店』……玉面ちゃんのお金持ちが止まらない、止まらないよ…!」

三蔵「九尾、って名前でもしやとは思ったけど。あの人妻幼女、もう天下人なんじゃねーのか」

八戒「……お主、イヤに内情に詳しいの。独立国家を謳う輩が、そんな威張れもせん外交を民に明かすとは思えんがのう」

雀「へ?ちょ、う、疑ってるんスか?もう勘弁して下さいっスよ、そりゃ自分も信者だとは言いましたっスけど、そんな」

八戒「師匠殿。恐らく一人でなんとかなる手合いじゃ。たまには師匠らしく、出張る弟子を指名したらどうじゃ?」

三蔵「ん〜、じゃあ小龍で」

沙悟浄「えー、アタイじゃないのかい旦那様ぁ」 

悟空「私もバトりたいですよぉ、お師匠さまぁ」

三蔵「だってこの店そんな広くねーし。お前ら武器ぶん回すじゃんテーブルとか絶対壊すじゃん。いつも思うんだ家具や壁に罪は無えよ職人さんに失礼だよ、って。小龍なら火さえ吐かなきゃ、ほら」

八戒「む、正論じゃ。では小龍、師が命じゃ。なるたけ静かにやれい。あ、其奴は残せい、まだ訊きたい事もある」

小龍「…はっ」

雀「え?え?なんスか?何の話」

小龍「…右転掌」

ドゴッ!!

ウェイトレス「かはっ……!?」

雀「……っ!」
792: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/11(木) 23:03:41 ID:dKTCu5UY4Y
蝿の妖怪「……グ、ギギ……!!」シュウウウ……!!

三蔵「うお、ウェイトレスのねーちゃんが。まさか店員さんまで敵とは」

八戒「それだけでは無いわい。後ろの席の男女、奥のコック、カウンターの若造……ん?ほぼ店に居る全員じゃの。ほほほ」

沙悟浄「うえぇ、虫のバケモンかい……良かったアタイじゃなくて、虫はちょっと……」

悟空「お。女の子っぽいね悟浄ちゃん」

三蔵「お前は?」

悟空「……残念ながらゴ○ブリですら素手でいけます」

三蔵「これは引く」

雀「……あらら。全部バレてたんスねぇ。でもそのお子様一人で……ってのは、ちょっとナメ過ぎっスねペロペロ自重っスね。出るっス甲虫隊!教王様が親衛の力、この自惚れ共に見せてやるっス!」

蚊の妖怪「キキキキ!竜の血ってのも美味そ」

小龍「…飛燕脚」

虻の妖怪「ぶほほほ……ガキが調子に」

小龍「…穿中肘打」

蜻蛉の妖怪「一斉にかかれ!」

蜂の妖怪「ぶっ刺してやるぁ!」

蟷螂の妖怪「大人しく喰われろチビがぁ!」

小龍「…連牙」

小龍「…雷撃打」

小龍「…天地頭砕」

ドサッ……バタッ……ガクッ……!!

八戒「よし」

沙悟浄「お見事、シャオ」

悟空「最後の投げ技すごい!カッコいい!あとで教えて!」

小龍「…申し訳ありません先生。皿を二枚と椅子を一脚、破損してしまいました」

三蔵「その『なんか文句あるんですか?』って目をやめなさい何も言ってないよ俺!」
793: 名無しさん@読者の声:2014/9/12(金) 18:33:32 ID:pWbQmthAOQ
ありゃ、雀ちゃん悪モンやったのけ?
もうヤっちゃってください八戒ちゃん!
794: 名無しさん@読者の声:2014/9/13(土) 16:06:55 ID:wx3LNQkJDU
玉面ちゃんパネェっす!
795: 名無しさん@読者の声:2014/9/14(日) 19:21:19 ID:dQdOsORJBg
初期のシャオくんはお師匠様を本気で慕ってたのに現在との温度差がw
796: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/16(火) 18:46:26 ID:EIZQ8mNFrw
悟空「はい暴れないのっ。あれ?手首ってどやって縛るの悟浄ちゃん。こう?」

雀「痛い痛い痛い痛いっス!手、変な方向に、痛い痛い!」

沙悟浄「もうめんどくさいから、腕をそのまま方結びにしたらどーだい?」

雀「何をさらっと怖いこと言うんスかこの人!?なんスかそのホラー描写!?うわぁ孫悟空のお姉さん『あ、なるほど』みたいな顔しないで欲しいっスやめて怖い怖い!」

三蔵「手伝ってやれよ八戒、縛るのとか得意だろ?」

八戒「なんじゃそりゃ、嫌味のつもりか。どーせワシは二度も亀甲縛りされとるわい。もそっと待てい、煩いと筆が迷う」

小龍「…何を書かれてるんですか、悟能様」

八戒「……っと、これで一枚。ん?ほほ、葉書じゃ葉書、クレームの葉書じゃ。『貴社の飯店では料理人や従業員が店内で乱闘騒ぎを起こし(中略)経営者の性格と性根を疑います』と。玉面の奴に文句を言える機会は、逃してはならんからの。あと十枚は書かんと。ほほほっ♪」

沙悟浄「性格も性根も似たり寄ったりのクセにねぇ」

悟空「同族嫌悪ってこーゆーのなんだろね。でもよかったねぇ雀ちゃん、書き終わるまでセクハラされずに済むよ」

雀「か、書き終わったら、なんかされるんスか自分…?また下着スか!?下着脱がされるんスか!?」

八戒「あん?下着?なぁにを惚けた事を言うとるか。今度はセクハラではなく、罰じゃ。ピーッをホニャララしてピピーッをゴニョゴニョしてピッピッピーが○○となった所を×××して**の☆☆を●●●ってやるわ。覚悟せい」

悟空「うわあ」

三蔵「す、すげぇぞ悟空。この玄奘三蔵をして、半分以上何言ってんのかわかんねぇ単語があったぞ。これが八戒の本気か…!」

悟空「え、あ、そうですね、八戒ちゃん怖いですねぇ」

三蔵「……わかるんかいお前。ちょ、こっち見んな。変態が伝染る。腐る」

悟空「伝染りませんよ腐りませんよ失礼な!」

三蔵「そして伝染ると全身の毛が」

悟空「濃くなりませんよ!!」

雀「あ、あう、あうあう……!じ、自分なにされるんスかぁ!?ねぇ!自分ナニされるんスかぁぁ!?」

沙悟浄「…ゴメンよ、アタイじゃ何一つ理解出来なかったから……」

小龍「…具体的に知りたいならば、訊いて来ましょうか?」

雀「えええなんスか嫌っス嫌っス不安で死にそうっス!!……え?し、死にはしないっスよね?そんな酷いことしないっスよね?」

八戒「……ほ、ほほほほほ。多分、の。ほほほほほほふひ、ふほほほほほ……!」

雀「た、た、た、助けてぇぇぇぇえ!!!目が、目が、キチ○イのソレっスぅぅぅぅううううう!!!」
797: 名無しさん@読者の声:2014/9/19(金) 20:50:23 ID:k6p7H7HFxU
腕をそのまま片結びワロタwww
798: 名無しさん@読者の声:2014/9/20(土) 12:18:02 ID:HFsBN0JOvQ
八戒ちゃん・・・
目とか笑い方とか色々アウトだよ、好き
799: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/20(土) 18:05:34 ID:EIZQ8mNFrw
八戒「……よし、うむ、我ながらよく書けた。後は投函すれば完了じゃ。………さぁぁて」

雀「ひっ……!!うわぁ寄るなっス来るなっス触るなっスぅぅぅううう!!!」

八戒「寄るし行くし触るし舐める」

雀「増えてる!増えてるっス!嫌ぁぁぁあ…………なんちゃって」

八戒「ほ?」

雀「あは、あははは!自分がただ大人しく捕まったとでも思ってたっスか?随分と平和ボケした奴等っス!お前らの大事な師匠は、既に我が手に落ちてると言うのに!」

小龍「…ですから先生、確かに『邪神・共工』は、相手の手札を破壊できますが、それは表側守備表示の時だけですよ」

三蔵「えー?それは通常攻撃じゃ破壊できない、って効果の縛りじゃねーの?だってそうじゃないと……ん?誰か呼んだ?」

雀「……な、嘗めてるっスねさては……!そんなふざけた態度もこれまでっス!玄奘三蔵法師!貴様のその身に纏った着ぐるみ!ただ獣臭で人間臭を消すだけのモノだと思ったっスか!」

沙悟浄「で、今どっちが勝ってるんだいコレ?」

小龍「………残りライフ的には私が押されてますが、陣容としては勝ってます」

三蔵「負け惜しみ乙」

悟空「シャオくんシャオくん、カードゲームくらいで殺気はやめようコレ一応お師匠さまだから」

雀「コ、コ、コケにするのも大概にするっス!そっちがその気ならもぉぉお知らないっス!着ぐるみに掛けた術の呪いで苦しむが良いっス三蔵法師!……む〜ん……きえええっ!」

悟空「あ!そのカードのキャラ知ってる!天界の将軍さんだよね、昔戦った!」

三蔵「出たよリアルレジェンド自慢」

小龍「…て言うか、悟空さんのカードもありますよ。ほら、『斉天大聖・孫悟空』」

沙悟浄「うわ、なにこのゴリラ」

悟空「名前使うなら取材しようよ……完全にゴリラじゃん服くらい着せようよ……この子じゃお釈迦様の手に名前書けないと思うよ…?」

三蔵「いやお前も全裸だったじゃん最初」

悟空「それを言われると痛い」

雀「……………あれ?」
800: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/20(土) 18:09:03 ID:EIZQ8mNFrw
雀「あ、あれ?なんで?着ぐるみが全身を締め付けて、あれ?術、発動してるはずっス!あれぇ?」

悟空「発動してるんですかお師匠さま」

三蔵「うん。腰もみマッサージ機能に変えといた。術式簡単だったし。気持ちいい」

八戒「お、エエのう。後で貸してくれんか」

三蔵「サイズ合わねーどころの話じゃねーだろ」

雀「ふぇ?ふぇぇえ!?なんで!?」

悟空「ごめんねぇ雀ちゃん。ウチのお師匠さま、呪いとか術とか解くのだけはチート級で」

沙悟浄「もう諦めなよ、色々と」

雀「いい、いやそんな理不尽な…!な、ナニを諦めろと…?」

沙悟浄「……人生とか?」

雀「んな簡単に諦めちゃダメなヤツっスそれはぁぁあっ!!」

悟空「まあまあ……」

フッ

沙悟浄「……っ!?……ち、急だね。なんでこう『王』って付くヤツは、自分で来ないで呼び寄せたがるかねぇ」

小龍「…空間転移ですか。玉面公主のそれより、随分と速い」

八戒「うむ。そして此所は異空間か。……ふむ、釈迦如来ほどでは無いが、少なくとも観音よりは精度の高い術じゃの。……思うたより、やるではないか。出て来るが良い、相手してやるわ」

三蔵「あ、ここ涼しい。助かったー、もう股ぐらが蒸れて蒸れて」

悟空「お師匠さま、たぶんシリアスシーン始まりますから、緊張感緊張感」

ズズ……

青教王「……羽虫どもでは歯が立たぬと踏んでは居たが、まさか玉龍一人に敵わぬとは。思っていたより出来る、は此方の台詞だ、三蔵一行」

白教王「おーい雀ー?なに縛られてんだよマジ使えねぇなお前。オラこっち来い」クイッ

雀「ぅあっ!」

悟空「おおっ、念動力っ!」

沙悟浄「へえ。八戒姐さんの言う通り、雑魚じゃあなさそうだね」

雀「あうっ……ご、ごめんなさいっス、青兄さん、白兄さん……」
801: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/20(土) 18:18:46 ID:EIZQ8mNFrw
八戒「なんと。兄妹か」

青教王「…やらせろと言うから任せたが、やはり未熟よな。身の程が解ったか」

白教王「ほら兄貴めちゃキレてんぞ?ふだん俺にボロカスに言われてるぶん、怒れる相手にはここぞとばかりに怒んぞコイツ」

青教王「ボロカス言ってる自覚あったんだなんかホッとした。あとコイツは止めようか」

雀「うう、ご、ごめんなさいっス……許して欲しいっス……!」

沙悟浄「……あーあー震えちまって。兄貴ってのはそんな恐いもんかね」

悟空「こわいよ。怒ると島とかと一緒に沈められるし。こわいこわいマジこわい」

八戒「そんな兄を持っとるのは姉者くらいじゃと思う」

小龍「………」

青教王「お前はもう良い、引っ込んでいろ。元より戦力として数えておらん。…で、怪我は無いか?外は寒かったろう、毛布を用意してあるぞ。飲み物はココアで良いか?」

白教王「ちょお前、手ぇヤベェ荒れてんじゃんよハンドクリーム塗っとけよ、んだよ逆剥けになってんじゃん傷バンド傷バンド」

雀「青兄さん、白兄さん、優しいっス……えへへ……」

悟空「厳しいと思ったら溺愛だ!甘々だ!ウチのお兄ちゃんと大違いだ!」

八戒「まあ妹には優しくせんとなぁ。のう姉者?」

沙悟浄「うんうん、妹は大切にすべきだねぇ。ねえ姐さん?」

悟空「こんな時ばっか長女扱いするなと小一時間」

三蔵「……なあ小龍、いつまで待ってもシリアスシーンとやらが始まんねーんだけど。ずっとグダグダと放課後の教室かココは」

小龍「…先生がふざけたヌイグルミを着てる時点で、どだいシリアスは無理だと思いますが」

三蔵「それを言われると痛い」

悟空「じゃあ優しくするからちゃんとお姉ちゃん扱いしてよ」

沙悟浄「えっと……こんな感じかね。………お姉ちゃんなんだからワガママ言わないの!まったくこの子は!」

悟空「間違ってないけど悟浄ちゃんの立ち位置がおかしい」

八戒「ふむ、では……そこのお姉ちゃん、一晩いくらじゃ?」

悟空「間違ってる上に八戒ちゃんのモラルがおかしい」
802: 名無しさん@読者の声:2014/9/21(日) 14:26:28 ID:01Qiq5ZNCA
私もシリアス来るかと構えて読んでたのにwww全然始まらないしwww
803: 名無しさん@読者の声:2014/9/22(月) 12:48:26 ID:QHWefPtQJM
シリアスを求めるべきではないんだね・・・・・wwwwwwwwwwwwwww
804: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/22(月) 22:53:18 ID:EIZQ8mNFrw
悟空「と言うかそもそももっと二人が妹っぽく可愛らしくだね」

八戒「何を言うか。こんなプリチーな見栄えのワシじゃぞ、妹の中の妹と言っても過言では」

ドガァァァァンッッ!!

八戒・沙悟浄「っっ!!?」

小龍「悟能様っ!!」

悟空「悟浄ちゃんっ!…っ、なにすんのさ!」

青教王「おや。敵の眼前で漫才に興じて居るのは、此方の油断を誘う策かと思ったが。簡単に攻撃が通ったな」

白教王「こんなもんなんじゃね?孫悟空は伝説級だけどよ、所詮残りは天界くずれだろ?」

小龍「……貴様ら」

……ガラガラガラ………

八戒「…待て、小龍。……悟浄、見えたか?」

沙悟浄「痛つつ……あ〜…ちょっと速いねぇ、無理無理。今の、どっちだい?」

八戒「恐らく青ヒゲの方じゃな。高速での妖気圧か……面白味は無いが、良い技じゃ」

沙悟浄「じゃあ姐さんそっちで。アタイ白いのね。なんかさっきからチラチラこっち見てて、気分悪いし」

青教王「おお、一対一を所望するか。小娘とは言え、一応は武人。心得ているな」

白教王「助かったぜ、兄貴と違って俺、ロリっ娘痛めつける趣味ねーし」

青教王「人聞き悪いどころじゃないよそれ、教団のイメージ考えよう?」

八戒「姉者、小龍、ちぃと暴れる。師匠殿から離れるでないぞ」

悟空「うーい」

小龍「…畏まりました」

沙悟浄「旦那様ぁ〜♪悟浄頑張っちゃうから、見てておくれよぅ♪」

三蔵「うん、他に見るもんもないしね」

悟空「ひどっ」
805: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/22(月) 22:54:32 ID:EIZQ8mNFrw
青教王「武人の礼だ、名乗ろう。妖魔真義教が蒼き爪……青教王」

白教王「えーっと、妖魔真義教が白銀の刃、白教王」

青教王「次に玉龍と、あの孫悟空が控えておる。早々に臥して貰おう」

八戒「次なぞ無いわい、阿呆。…天蓬元帥猪悟能じゃ。天界くずれ如きに地を舐めるは、貴様等よ。あと勝ったらその妹は少し借りるぞ。まだ罰を与えとらん」

沙悟浄「やめな姐さん、ビクビクしてんじゃないのさあの娘。…捲簾大将沙悟浄!アタイらに喧嘩吹っ掛けた事、骸髏んなって後悔しな!」

八戒「師、玄奘三蔵が名にかけて」

沙悟浄「勝負ぁ!!」





三蔵「…おー、相変わらずすっげぇ動くなもうワケわからん。てかお前らって基本タイマン張るよね」

悟空「私はあんま気にしないんですけどね。まあ一騎討ちはロマンですから」

小龍「…悟能様も悟浄さんも、元は武将ですからね。私も特に気にしませんが。でも悟空さんは元々ヤクザじゃないんですか?」

三蔵「確かに。ヤーさんって筋とか礼儀とかうるさそうだよな」

悟空「違うよ何その誤解やめて!私が昔暴れてたのなんてなんとなくだよ理由なんて無いもん!」

三蔵「いやそっちのがタチ悪いだろ」

小龍「…あの二人、強いですよね」

悟空「んー、うん。感じる妖力は、お兄ちゃんクラスだねぇ」

三蔵「は?牛さん?え、それ大丈夫なのか?」

悟空「だいじょぶじょぶ、無問題ですよお師匠さま。単に妖力が高いってだけじゃ、私の妹弟子には勝てませんよ」

三蔵「……なんか随分上から物申してないかコイツ。なんだコイツ」ヒソヒソ

小龍「……まあ実際実力的に上ですから。言いたいんですよ言わせてあげて下さい」ヒソヒソ

悟空「うん聞こえてるよー?お願いだから聞こえないように言おー?実は天下の斉天大聖も傷付くんだよー?」
806: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/22(月) 22:57:20 ID:EIZQ8mNFrw

〜沙悟浄 対 白教王side〜


ガキィン!!ギィン!!

白教王「おっも!重っ!おねーさん、んな細腕なのに一撃、重ぇんだけど!腕マジ痺れっわイカっちぃ〜!」

沙悟浄「…はん、ついてくるかい。でも軽いねぇ。パワーありそうに見えたんだけど、見かけ倒しかい?」

白教王「やー、やっぱそこそこツエぇわイカちぃわ。さっきはバカにしたけど、腐っても沙悟浄だわ。……俺のオンナになんね?」

沙悟浄「お生憎様。もう旦那様に売約済みさね。あと誰が腐ってるってんだい、腐ってんのはウチの悟空姐さんだけだよ」

白教王「……旦那様……三蔵法師ねぇ………はっ。マジかぁ……じゃ、ボコって拐うしかねぇじゃん……俺、無理打ち好きくねんだケドなぁ………」

沙悟浄「ぁにワケわかんない事……っ!」

ゴキゴキゴキゴキ…!!!

沙悟浄「……変身する奴は、初めてだね。なんだいそりゃ気色悪い……ゾウ、かい?」

白教王「……ゾ〜ウさん♪ゾ〜ウさん♪お〜はなが長いのね……ってね。イカちぃべ?俺ってば、魂に霊象を合成しちゃってんのよ。んで両手は……こう!!」

ビュオオオッ!!!

沙悟浄「くっ!!?」

ガキィィィィィ……ィィンッッ!!

沙悟浄「……ちっ」

白教王「防ぐのがやっとだべ?俺の『象双白牙(ぞうそうびゃくが)』、マジイカちぃっしょ?」

沙悟浄「腹の立つ喋りだねぇ……これなら木叉の野郎のがまだマシだってん」

ギャリイイイイインッッ!!

沙悟浄「……っっ!!」

白教王「なぁ、俺のオンナになってくれよぉ?俺らアウトローの憧れだったんだぜぇ、アンタはさぁ?」

沙悟浄「…はぁ……はぁ………あん?」

白教王「息切らしてんじゃねぇよ……こんなもんじゃねーだろぉ?……会いたかったんだぜぇ……『血髪の沙僧』」

沙悟浄「…………」
807: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/9/22(月) 22:58:32 ID:EIZQ8mNFrw
ギャリン!!パキィン!!キィィン!!

白教王「盗賊団・流沙が頭領、血髪の沙僧って言やぁよぉ!マジリスペクトの対象だったぜ!ワルの中のワル!」

沙悟浄「…………」

白教王「浴びた返り血がその髪を赤く染め!浴びる返り血よりその髪は赤くなる!イカちぃ!カッケェ!!マジやべぇ!!!」

ガッ……キィィンッッ!!

白教王「それが、んだよこのザマぁ?俺なんかに圧されてんじゃねぇよ日和ったのかよ?……選んだ男を間違えたとしか思えねぇ違えねぇマジありえねぇ!!俺んトコ来いよ!!憧れたアンタに、戻ってくれよぉぉ!!!」

ビュンッ……ガキッッ!!

白教王「……っ!」

沙悟浄「………黙りな、餓鬼が」

白教王「黙らねぇな!凄んだところで今のテメェなんざガフッ!?」

沙悟浄「………この髪は、もう、血の色なんかじゃ、無い」

白教王「グ……が……!?」

沙悟浄「この髪は、この紅(あか)は。…………夕暮れの、色」

ズバッッ!!

沙悟浄「玄奘三蔵と言う日輪に照らされた、空の色」

ガガガガッ!!

沙悟浄「彼の人に染められた、紅い、色」

ズザンッッ!!

沙悟浄「今日の終わりを、告げる色」

白教王「う、うあ、うあああああぁぁぁあ!!!」

沙悟浄「………子供はお家に帰る時間だよ」

ズパァァァァァンッ!!!!

白教王「……パ、ネェ………」

ズゥゥゥゥン……

沙悟浄「……拜拜(バイバイ)、小弟弟(坊や)」
808: 名無しさん@読者の声:2014/9/24(水) 18:43:38 ID:QHWefPtQJM
ご、悟浄ちゃん……悟浄の姉御!!!格好良い!格好良過ぎです!一生ついて行きます!!!!!!!!
809: 名無しさん@読者の声:2014/10/3(金) 10:52:08 ID:qZoiI.psJc
支援あげ!(=゚ω゚)ノ
810: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/6(月) 23:24:09 ID:VKwp2Y6QKI

〜猪八戒 対 青教王side〜

ガキィンッ!!ガキィンッ!!

青教王「……流石は猪八戒、簡単には倒せぬな。くくく、ならば其の真の姿を」ゴキゴキゴキ…!!

八戒「焼き払えい九歯馬鍬!」

ゴオオオオオッ!!

青教王「……天に名高き宝具、九歯馬鍬……其の獅子王咆で砕いて見せ」ゴキゴキ…!!

八戒「凪ぎ払えい九歯馬鍬!」

ズッパーン!!

青教王「………な、なかなか疾いな、しかし獅子の仙力をもってすれば、その程度の」

八戒「掻き斬れ九歯」

青教王「変身させてくれないかなぁ!?と言うか攻撃をするなよ!待つのが礼儀と言うか空気と言うか、わかるだろう!?」

八戒「ほっほ、そろそろ怒られるとは思うとった。ほれ、待っとってやるから、変身でも変態でも好きにせい」

青教王「……ぐぬ…!軽口を叩いて居られるも、今だけだ……グルル……覇ぁぁぁ」ゴキゴキゴ

八戒「掻き斬れい九歯馬鍬ーっ!」

バシューッ!!!

青教王「ぁぁぁぁあああっ!!?はぁぁぁあ!!?」

八戒「ぷほっ。ほほ、ほはははは、良いリアクションじゃ、ぷほほほ………む、マジで怒っとるなコレは。わかったわかったそう睨むな、もう邪魔せんから、な?」

青教王「…………」ゴキゴキゴキ

八戒「………」スッ

青教王「っ!」ビクッ

八戒「ぷっ!ぷく、ぷくくく……!ビクッて、ビクッてしおった…!」

青教王「せ、性格が悪いとかの次元では無いぞ貴様!?悪魔か!!」
811: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/6(月) 23:25:31 ID:VKwp2Y6QKI

〜仕切り直し・猪八戒 対 青教王side〜

ゴキゴキゴキ……!!

青教王「ぐるぁぁぁあっっ!!……ふぅぅう………余計な手間を取らせよって…」

八戒「いやの?悪気は……あったにはあったんじゃが、あっちで悟浄のヤツが恥ずかしげもなくシリアス入っとるからの?ワシはギャグっとくべき的な使命感がの?」

青教王「……よくわからんが、そのままふざけていろ。肉塊になった後に笑ってやる」ゴゴゴゴ……

八戒「……残念じゃが、そのふざけた妖気が、それを許してくれんのう。……獅子、じゃな。霊獣を取り込む術か、面妖な。マジにならざるを得んわい」

青教王「……ならば、此処からは死地。……光天既に死す!奮んんんっっ!!!」

八戒「叩き伏せいっ!九歯馬鍬っ!」

ドガァァァァァンッッ!!

八戒「……!膂力はワシでは到底敵わぬな…!」

青教王「…ほう、見事。最小限の力で往なすか……見惚れる程の武よ、恐れ入る。……妖天此処に立つべし!雄々ぉぉぉぉぉおっ!!」

ガキィィィィンッ!!

八戒「…っ、まともに受けては此方が持たん…!てか何じゃ変身した途端、その文言は。まんま太平道のパクリではないか、このエセ教祖めが」

青教王「……似非結構、一応教祖らしく振る舞おうとしての戯れだ。教団の体を為しているも、天界の邪魔を防ぐが理由よ。しかし宗教とは便利だな、都合の良い絵空事を説くだけで、馬鹿が簡単に集まる」


八戒「……ふん。マジついでに訊いておくか。何故ワシ等を狙う?残念ながら最早、三蔵法師を食ろうても不老不死などには成らぬぞ?嘘では無い証拠に、牛魔も手を引いたじゃろ?」

青教王「見くびって貰っては困る。貴殿達と天界の一件、天部は秘しているつもりらしいが、筒抜けも筒抜け、とうに知っておるわ。玄奘三蔵に金蝉児が宿って居らぬことなど、な」

八戒「……ほ。これは驚いた。……まあ管理しとるのがあのバカップルじゃからな……筒抜けも已む無しじゃ。それを承知の上で目的は…………師匠殿、か」

青教王「…やはり知者よな、猪八戒。その通りだ。食らえば不死身、などと言う眉唾臭い噂より、今の玄奘三蔵にこそ価値がある」

八戒「……ワシら弟子を討ち倒し、三蔵法師を食らい殺した事天下に報せば、一勢力を築くに足る武名を得る、か。人質に取ってワシらを操る、と言う手もあるのう。成程、悪党の考えそうな事じゃ。…嫌いでは無いがの」

青教王「其の台詞だ。貴殿の知勇、好ましいぞ」

八戒「ほほ、告白のつもりか?悪いが汗臭い男は趣味では無いのう」

青教王「安心しろ、其も性格の壊れた女子は御免だ」

八戒「壊れとるとまで言われたのは初めてじゃ!」
812: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/6(月) 23:26:30 ID:VKwp2Y6QKI

ガキィンッ!!ガキィンッ!!ギャリャンッ!!

青教王「グルァァアッ!!獅子王咆っ!!」ゴオッ!!

八戒「むおっ!?」

ドガァァァァンッッ!!

青教王「……不憫よな。武技、気術、そして何よりその知謀。戦士として非常に優れて居るが、余りにも撃が軽い。貧相な体躯も、火力不足の原因と見る」

八戒「……ワシは搦め手で勝つタイプなんじゃい。ほっとけ」

青教王「だが噂では、あの武神・二郎真君すら下したと聞く。成程搦め手……扇動、挑発、貴殿の口舌の威力、先程の揶揄は氷山の一角なのであろう。こちらのペース、崩される前に畳み掛けるぞ……獅子王咆ぉお!!」

ドゥンッ!!ドゥンッ!!ドゥンッ!!

八戒「ぐぅっ!!ちょ、待っ……がふっ!!」

青教王「我が獅子王咆は、音速を超える気砲!悪いがこのまま葬らせてもらう!波ぁぁぁあっ!!波ぁあっ!!」

八戒「聞く耳持たぬか……くうううううっ!!」

青教王「それで避けているつもりか!」

ドドドドドドッッッ!!!

八戒「……っ!!」

ズル……ズル……

青教王「敵に背を向けるか!失望させるな、猪八戒!」

ドォンッッ!!

八戒「ぐぅあっ!!…………はぁ……はぁ………!!」ズル…ズル…

青教王「……醜態だな。これ以上見たくもない。最期くらいは、武人らしく首を撥ねてやろう」ギャリンッ

八戒「………はぁ……ぜぇ……」

青教王「…………と、近付かせるのが狙いだろう!その手に乗るか!残念だったな猪八戒!獅子王……」

小龍「…そこまでです」

青教王「っ!?」
813: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/6(月) 23:27:36 ID:VKwp2Y6QKI
雀「あう、あう……せ、せーにいしゃままま……!ま、また縛れちゃったっスぅぅう……!」

小龍「…動けば彼女の首は跳びます。……悟能様、どうぞ」

八戒「……ふぃ。あぁぁ痛かった……大義じゃ、小龍」

青教王「な、なな……!?ひ、人質……!?」

八戒「好き放題バカスカ撃ちおって……覚悟は出来ておろうの?」

青教王「す、雀……!くそ、縛られていては……!ひ、卑怯にも程があるだろう!?恥ずかしくないのか貴様!?」

八戒「ん?いや全く?勝負において恥ずべきは、負ける事じゃし」

青教王「な、何より貴様ピンピンしているではないか!余力があると言うのに何故このような、勝負を汚す真似を」

八戒「か〜っ、これじゃから自称『武人』は。戦に汚いも糞も無いわい。そも戦とは謀じゃ。武とは暴じゃ。そして綺麗事を宣うだけの阿呆を、木偶の坊、と呼ぶのじゃ。ほほほほ」

青教王「き、き、き、貴様それでも武人かぁぁぁあっっ!!!」

八戒「然り。ワシこそが武人じゃ。金剛と化せい、九歯馬鍬ぁぁっ!!!」

青教王「ぬああぁぁぁぁあぁああああぁぁぁあっっっ!!!」

八戒「九牙裂塊斬っっ!!!」

ズガガガガガガンッッ!!!

青教王「…………!!!」

シュウウウウウ……

八戒「…………済まんな。ワシとて強ければ、こうはせぬ。弱いんじゃ、ワシは」

バタン……

八戒「……さて、小龍」

小龍「…はっ」

八戒「……流石に白い目で見とる師匠殿と姉者……む、悟浄も終わっとるの。皆に言い訳しに行くか」

小龍「…言い訳、ですか……?人質は正当な戦術だと思いますが?」

八戒「……ほ、ほっほっほ!ワシ、マジで悪魔を育ててしもうたのう!ほっほっほっほっほ…!」

小龍「……?」
814: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/9(木) 23:26:32 ID:.SRgTcAUvM

三蔵「おうお疲れ、デンジャラス悪魔コンビ」

八戒「なんじゃその噛ませ犬臭いタッグ名は。これでも奮闘した結果じゃ。……肋骨を数本、いかれたな」

沙悟浄「雑魚い雰囲気してるクセに、強かったよアイツら。特に八戒姐さんの相手、天部でも木叉辺りじゃないと抑えらんないんじゃないかい?」

小龍「…牛魔の三馬鹿とかでは、逆立ちしても勝てないレベルですね。…しかし、霊獣同化の術ですか……あまり気持ちの良いものではありません。括りとしては私も霊獣と似たり寄ったりですし」

八戒「ほほ、獅子や巨象程の高位霊獣でも、お主ら龍族と比べるは烏滸がましいがの……む?どうした姉者、そんなに眉間を寄せて」

三蔵「左右の眉毛が絡まって戻らなくなったんだよ」

悟空「とっさにそんなんよく出ますねお師匠さま!?うん一応否定しますね違う!……だって私のバトルが残ってないんだもん」

沙悟浄「あ、そっか」

八戒「……今更言われてものう。向こうもご指名気味じゃったし。のんびり構えとった姉者が悪いんじゃぞ?」

小龍「…私も戦ってませんので、我慢しましょうよ悟空さん」

悟空「流れ的に割り込めなかったんだもん!んでシャオくんは虫みたいなのいっぱい倒したじゃん!私もバトりたい!ずるい!」

三蔵「お前らのこの『戦いたい症候群』は一体なんなんだよ」

八戒「そうじゃの……アレじゃ。性欲に似とるの。ムラムラする感覚に近い」

三蔵「おー、わかりやすい」

沙悟浄「じゃあつまり今悟空姐さんは」

小龍「…ヤりたくてヤりたくて仕方ない発情状態、ですか」

三蔵「こら悟空、色欲は最も抑えるべき煩悩だぞはしたない」

悟空「人を八戒ちゃんみたいに言わないで」

八戒「人を悪口扱いするでないわい。……ほ、そうじゃ」

雀「青兄さまぁ!白兄さまぁ!死んじゃ嫌っス!しっかりするっスぅぅ!」

青教王「……す、雀、ゆ、揺らさないで……キズ、傷口が」

白教王「……っべぇ……マジ沙悟浄リスペクト………てか雀マジ揺らすなキツイキツイ」

八戒「姉者の相手、まだ居るではないか。あそこに」

雀「ち、血止めを……へ?」
815: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/9(木) 23:27:47 ID:.SRgTcAUvM


沙悟浄「はい、双方構えとくれっ」

小龍「…では、始」

雀「めないっス!降参っス降伏っス勝てるワケ無いっス!!」

八戒「初めから諦めるとは何事じゃ馬鹿者。勝敗は実力だけでは決まらんわい」

悟空「さっすが八戒ちゃんいーこと言う!さぁて、かかってこい雀ちゃんっ!」

雀「や、やる気満々の孫悟空さんとか、無理ゲーにも程があるっス!こんなん実力だけで決まるっスよ、どんな頑張っても猫が虎……ゴリラには勝てないっス!」

悟空「待とうかなんで今言い直しちゃった?虎で良いじゃんなんでゴリラに変えちゃった?」

沙悟浄「るっさい小娘だねぇ。とっとと戦ってサクッとやられちゃいなよもう」

雀「ほらサクッとやられる前提になってるっス!イヤっス痛いのイヤっス!」

八戒「降参するなら、ワシにヤられるだけじゃが」

小龍「…勝負に敗ければ、見逃されるのですか?」

八戒「……我ながら、んなワケ無いのう」

雀「酷すぎて言葉に出来ないっスよ!?アンタら本当に正義の三蔵一行っスか!?」

三蔵「まあほら、ヤバそうなら止めるから」

悟空「地味にゴリラは傷付くんだよねぇ……。もー、来ないならこっちから行くよ?」

雀「ちょおおおおおおっ!!?」

青教王「………雀っっ!!!」

悟空「んう?」

雀「ふふぇっ!?せ、青兄さま?」

青教王「…ゲホッ……雀………羽飾りを、取れ……!」

白教王「…っ!!ちょ、兄貴!?雀はまだ……!!」

雀「……へ?え、なんでそんなコト………てゆーかコレ青兄さまが……はい?」

青教王「……封印具だ。………コケにされたまま、引き下がれる訳が無い………思い知れ三蔵一行!我等が切り札に、絶望するが良いっ!!羽飾りを取れ、雀ぇぇぇえ!!!」

雀「は、はひっっっ!!!」
816: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/9(木) 23:28:40 ID:.SRgTcAUvM

……スッ…

雀「と、取ったっ、スけど……」

沙悟浄「封印具……?なんだい、こいつも変身すんのかい?」

小龍「…やはり鳥系でしょうか。鶏とかペンギンとか」

三蔵「せめて翔べるのにしてやれよ」

八戒「変身中、エロいと良いのう」

悟空「どこの美少女戦士なのさそれ」

雀「……え、と。な、なにも……」

白教王「お、おい兄貴!オ、オレ知らねぇぞ!?おいっ!!」

青教王「く、くくくくくくくく…………我等が妖魔真義教、即席の適当な教団だが……持っている!!!そう、我等は『神』を持っている!!!く、くはははははははははははっっっ!!!出でよっっ!!!」

雀「え?………ぁ…………ぁぁぁぁああああああああっっっ!!?」


………コォォォォォォォォォ…………


三蔵「…おお、なんか光ってねーかあの鳥っ娘さん………あん?どしたのお前ら」

小龍「…あ、あ………あ……!!」

沙悟浄「ね、姐さん……姐さん……?あれ、まさか」

悟空「……お師匠さまを」

三蔵「へ?」

悟空「逃がさなきゃ」

三蔵「は?おいマジどうし」

八戒「貴様等ぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」

青教王「く、くひ、くひひひ……!!」

八戒「こんな娘に……己が妹に!!!貴様一体、『ナニ』を混ぜたぁぁぁぁあっっ!!?」

青教王「くひゃはははははははははははははははははははははっっ!!!」
817: 名無しさん@読者の声:2014/10/10(金) 05:59:26 ID:QfZo2cW/ao
うわぁぁ!これどーなるんだ!?
818: 名無しさん@読者の声:2014/10/10(金) 07:26:59 ID:La4UTdOf7g
気になって二度寝できない!
支援
819: 名無しさん@読者の声:2014/10/10(金) 07:44:12 ID:BctG7PBMUY
うおおお!!シリアス来たか!!?
支援!!
820: 名無しさん@読者の声:2014/10/14(火) 18:37:05 ID:87xfBmk9gw
果たして本気で強敵なのか、超ロリっ子でお師匠様が(?)危ないのか…

C
821: 名無しさん@読者の声:2014/10/14(火) 22:48:22 ID:vLdMUv3W2M
「ナニ」という表現からして卑猥な方面しか想像出来ない私はきっと八戒ちゃんに毒されちゃったんだな。後方支援
822: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/15(水) 00:15:56 ID:RFw2hXjYg.
雀「………ぁぁ……ぁ…………」

オオ…オオオオ……

沙悟浄「虹色の……炎………」

悟空「避けてえっっ!!」

沙悟浄「ーっ!!」バッ

オオオオオオオッ!!

沙悟浄「ご、ごめん姐さん……頭、ボーッと……でも、あれ、あれ」

小龍「……ぅ……ぁぁあぁあアアアアアアアァァア!!!」

三蔵「ちょっ、なんでシャオ龍になって」

八戒「姉者ーっ!!小龍を頼むっ!!ええい悟浄、シャキッとせい!!師匠殿はこっちじゃ、離れるぞ!!」

三蔵「おわっ!?」

悟空「ごめんねシャオくんっ!伸びて如意棒ーっ!!」

ドスッッッ!!

小龍「グルァァァァァァアッッ!!」

悟空「よしっ!悟浄ちゃんお願いっ!」

沙悟浄「……ハッ!お、応さっ!降魔杖よ!沙僧が名において力を見せよっ!閃光呪っ!」

小龍「ルァァァァァァァアッッ!!?」


八戒「師匠殿っ!この異空間、破れるか!?」

三蔵「うえ?え?あ、えっと、端まで行けば……あっちかな……てゆーか地面スレスレで引っ張るな怖い怖い!」

八戒「向こうじゃな!」

三蔵「なんなんだよ?シャオはどーしたんだよ?鳥っ娘さんは一体……っ!」

八戒「小龍は…奴の『神気』にあてられた!ワシ等より存在が近いからのう……!」

三蔵「……震えてんのか、八戒…?」
823: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/15(水) 00:18:30 ID:RFw2hXjYg.
八戒「震え…?そうか、ワシは怯えておるか………ほ、ほほ……当然じゃ………『アレ』は、戦ってどうなる手合いでは無い……!」

三蔵「…っ、ここだ!……ちょっと待て、意外と複雑な術式で……よしゃっ!」

パリィィン!!

八戒「飛ばすぞ!!少し喋るな、舌を噛むっ!雲よ!我が脚と為し天駆けぃ!!」

三蔵「うおおおっ!?」

ギュウウウウウウンッッッ!!




……ゥゥゥゥゥゥ……

八戒「…くっ、姉者達はまだかっ!とっとと小龍を連れて来いと言うに……ワシの妖気なら追えるじゃろ…!!」

三蔵「や、やっとスピード下がった……なんなんだよもう!なに?今回の敵そんなスゲェの?師匠は説明を求めます!」

八戒「……東国では……ヒノトリ。西国では不死鳥……ガルダ、と言う呼び名も聞く。………ワシらが相手どった、武神じゃの仏じゃの……それらとすら、存在そのものが違う……!!あの様な小娘に……どうして……!!」

三蔵「……おいおい。それ、俺でもわかるぞ」

八戒「紛れもない、神……!!生物総ての王………鳳凰じゃ……!!」

三蔵「ほうおう……」

……ゥゥウウウウウンッ!!

沙悟浄「居たっ!八戒姐さぁん!!旦那様ぁぁぁあっ!!」

八戒「おお悟浄!……うむ、小龍も無事じゃな!……良かった…!」

小龍「…………」

沙悟浄「ちょっと……ハァ……当て身、強く入れちゃったけど……ハァ……!」

三蔵「……悟空は?」

沙悟浄「…………」

八戒「……悟浄?おい悟浄!?」

沙悟浄「………残って、攻撃、防いで……アタイ……シャオを八戒姐さんに渡したら……戻るって……戻らなきゃ……!」

八戒「な……!!……あんの、馬鹿姉…!!!」

三蔵「……悟空」
824: 名無しさん@読者の声:2014/10/16(木) 22:02:07 ID:vLdMUv3W2M
神話詳しくないんだけど、火の鳥、フェニックス、ガルーダ、鳳凰ってイコールなの?
教えてエロい人
825: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/16(木) 22:15:11 ID:DRbQJXusHU
ここではイコールにしました(小声)

類似点が多いんです(エロい人)
826: 824:2014/10/20(月) 19:25:36 ID:vLdMUv3W2M
ヨシュアさん!!!ありがとうございます!!!!!
まさか御本人に回答いただけるなんて光栄でございます!!!!!
最前線で支援( ☆∀☆)ノΞC~* ΞC~* ΞC~* ΞC~*
827: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/21(火) 12:32:27 ID:8YN.LO6g4E

……オオオォォォォォォォォォオオオ……


白教王「す、すげぇ…ヤベェパネェちょっと引く…!」

青教王「ふ、ふは、ふははははははははは!!素晴らしいぞ雀!!お前の魂が、神と適合出来たのは、奇跡などでは無かった!!この世界を獲る運命にあったのだ、我等はガフッ!!?」

青教王「あ、兄貴っ!?て、テメェこら乳オバケ、なにしてくれて」

悟空「黙って。……これ以上、刺激しないで……アレを」

雀「……ぁ……ぁぁ………ぁぁぁぁああああっっ!!!」

ゴオオオオオッッッ!!!

白教王「ひいいいっ!?」

虹色の大鳥『………ぁぁああ…………………………………常世は、久方ぶりよ………』

悟空「……っ!」

虹色の大鳥『……眠りにあった余を起こしたは……其処な獣か?依り代となっておる、此の女か?』

白教王「す、雀……?」

虹色の大鳥『それとも……猿王。貴様か?』

悟空「……確かに猿山の王様だったけど、貴方なんて知りませんよ。……どちら様ですか」

虹色の大鳥『金色の猿王かと見たのだが。…まあ其れも、数多に在る其れ以外。……余か?……見えるは中つ大陸、か……ならば鳳凰。しかし余に名なぞ、元より不要。余は、此処にひとつしか在らぬ故に』

白教王「お、おい雀ぇ!雀だろ、返事しろよワケわかんねぇ事言ってんじゃ」

悟空「刺激しないでってば!そっちで見つけたんでしょ、なんでわかんないのさ!神様だよ!あれ神様っ!!」

虹色の大鳥『…神……滑稽、滑稽。神など、居らぬ。常世を含め、此処に在るのは……余と、其れ以外。余は在り続け、其れ以外は、余の戯れで消える。そしてまた、涌いてくる。とるに足らない、其れ以外』

ゴオオオオッ!!

悟空「……っ……怒ってます……よね」
828: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/21(火) 12:33:54 ID:8YN.LO6g4E
虹色の大鳥『怒り?余の怒りを解するか。其れ以外にしては、質が良い。……此より全てを焼くが、猿よ、残してやろうか?』

悟空「……やっぱ怒ってるんだ。なんかわかっちゃった、私。逃げても、無理だって……途中で……普通じゃ無いんだろうなぁ。……許しては、もらえませんか」

虹色の大鳥『此は可笑しな事を。北風の寒きに憤るように。熱砂の炎天に逆上せるように。赦す赦さぬの話では、無し。気に触れた、そこで消す。尊き余の平安を、護るのだ。……其処の倒れた獣は、余を邪に扱った。そこで、消すのだ。余は、一度、世を消すのだ』

悟空「………消させない」

虹色の大鳥『心鎮めよ、猿、願えばひとり、消さぬ。新たな世にも、猿王ひとつ在るも一興であろう』

悟空「………」グッ!!

虹色の大鳥『……よもや、まさか。まさかもまさか、余に叛するつもりか?信じられぬ』

悟空「……お師匠さまも、八戒ちゃんも、悟浄ちゃんもシャオくんも居ない世の中なんて、ちょっとも考えたくないから」

虹色の大鳥『その手に持つは、天海の支柱か。成る程成る程、中つ大陸においては敵も居るまい。思い上がるも仕方無し』

悟空「……こーちゃんやお兄ちゃん、鉄扇さんに玉面ちゃん。虎ちゃんたち。木叉くんや観音さま。……お師匠さまに教わったんです。全部、好きになれたんです。全部、好きになれるんです」

虹色の大鳥『残念ながら、戦いにもならぬ。共に無くなるが望みと見た。構わぬぞ。……苦しみは無い、楽にせよ』

悟空「だから」

カランッ…

悟空「…お願いします。消すのは、私だけにしてください」

虹色の大鳥『…平伏しながら、嘆願か。確かに、王では無いな』

悟空「どうか、私ひとりで、怒りを鎮めて下さい。お願いします。お願いします。お願い、します」
829: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/21(火) 12:39:47 ID:8YN.LO6g4E
虹色の大鳥『……涙。以前、在った猿王とは似ても似つかぬ』

悟空「お願いします!いっぱい、いっぱい殺した私が言っちゃいけないのはわかってます!!でも、お願いします!!」

虹色の大鳥『泣いても、日照りは止まぬ。泣いても、飛蝗(イナゴの群れ)は止まらぬ。……さらばだ、猿王』

悟空「おね、がい、します……!!!」

虹色の大鳥『……次は、正しき世に目覚めたきものよ……』


オオオオオオオオオ……!!!


悟空「やめてください!!どうか、私だけ、私だけでしっぽっ!!?」

三蔵「あにしてんだテメーは」

悟空「お、師匠さま…?お師匠さまっ!?」

八戒「うおおお何じゃ本気で鳳凰全開ではないか!!逃げるぞはようせいボケ姉者!」

悟空「ダ、ダメなんだよ八戒ちゃん、逃げるってっても、どこにも」

沙悟浄「うわぁんゴメンよ姐さんすぐ戻れなくてっ!!そこのアホ姐がビビっちゃってなかなか許してくんなくてっ!」

八戒「慎重と言え阿呆がっ!」

悟空「あの、悟浄ちゃ、苦し」

三蔵「だいたいなぁ、一人残って『私はどーなっても良いから〜』とかお前はなんだ主人公か。いつも勝ち気な悟空ちゃんが健気に頭を下げてギャップ萌え狙いか。その前にムダ毛の処理でも頑張れよ萌えられたいなら」

悟空「だ、だって、だって」

三蔵「……良いか悟空。自己犠牲なんざ、なんの幸せも生まん。俺はともかく、お前はコイツらを信じて…ちょ、動くなシャオ、あーもーちょっとカッコつかねーからおんぶすんの代われ誰か!」

小龍「…いや意図的に邪魔しました。なんか偉そうな説教しそうでしたので」

三蔵「起きてんのかよそんでなんで邪魔するの!?俺ここ見せ場だった気がするのに!」

小龍「…なんでって……だから邪魔したんですけど」

三蔵「『なに当たり前な事聞いてんだろうこの人』って顔はおかしいだろ!もう敬わなくていーからせめて師匠の邪魔はやめようか!」

悟空「私のシリアスもだいぶ邪魔されましたが」
830: 名無しさん@読者の声:2014/10/21(火) 15:55:58 ID:y4/bSFZLt2
まあ、このお師匠に限って真面目に教えを説くとかないわなwww
831: 名無しさん@読者の声:2014/10/21(火) 22:19:50 ID:UssQwlc6YE
「お前はなんだ主人公か」てwww主人公だよwww
そしてこの漫才の間黙って待っててくれる鳳凰さんめっちゃイイ人っすね!(媚びてみる)
832: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/26(日) 22:05:06 ID:9E6uAq7FLI
八戒「…ぐ、なるほど……つまり逃げようにも世界そのものがヤバいワケか、どーせいっちゅうんじゃ…!!」

沙悟浄「嫌だよアタイまだ結婚式もハネムーンも嫁姑問題も経験してない死にたくない!」

小龍「…最後の必要ですか?」

悟空「緊張感はどこいったんだろう」

三蔵「いやそれなりに緊迫のシーンだろなんとかなんねーのかこれ!てかなんか今動いてねーしブッ飛ばせねぇの?」

虹色の大鳥『………豚に天人、それと龍の子………そして……ほう。これはこれは』

三蔵「え、なに、こっち見てきた怖い怖い」

虹色の大鳥『中つ大陸の西では、シャーキャの王子。さらに少し離れ、ユダヤの救世主。稀に見る、聖の者』

三蔵「え?え?」

虹色の大鳥『名乗れ、聖の者よ』

三蔵「……俺?」

八戒「そ、そりゃそうじゃろ。ワシが豚で天人ば悟浄じゃろから」

小龍「…龍の子は私ですし、悟空さんは元々居たわけで」

三蔵「お、おお……えと、三蔵です、けど」

虹色の大鳥『俗世の尊称は聞いていない。名を』

三蔵「え、あ、本名っすか?……陳 紅流」

悟浄「アタイ将来、陳悟浄になるんだねそう言えば」

悟空「悟浄ちゃんさっきからボケ倒しだけどどうしたの?」

八戒「単なる現実逃避じゃ。このワシとて夢と現が混ざりそうな程怯えておる。…平気か、小龍」

小龍「…神気にも、慣れ……いえ、同じく恐怖が心すら麻痺させたのかも知れませんが」

虹色の大鳥『……少し、煩いな。他は黙れ』

ヴヴヴンッッッ!!!

四弟子「っっ!!?」

三蔵「おおっ!?おい皆どーしたっ!?おいっ!?」

虹色の大鳥『喚くな。少し動きを止めたまで。………三蔵法師・陳紅流。……問答をしよう』
833: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/26(日) 22:06:39 ID:9E6uAq7FLI
三蔵「も、問答?てかなんなんだよアンタ、本気で世界を壊すとかマジで止めろよ困るんだけど!」

虹色の大鳥『幾つか、問答をする。余が問答に応え、其の答えが余の求めるモノならば。良かろう、願いを聞き入れよう。世界は、壊さぬ』

八戒(…ぬう、唇どころか視線も動かせぬ……!しかし鳳凰め、問答じゃと…!?)

沙悟浄(くそ、動け動け動けっ!!旦那様っ!!旦那様ーっ!!!)

小龍(…鳳凰の問い……神が求める答えを出すだなんて、無理に等しいのでは…!)

悟空(…妖気の感じでわかるなぁ……皆『お師匠さまじゃその手のはちょっと』って考えてるよ…!そうなんだよねお師匠さま何気にスゴいけど、模範解答を出すような人じゃないんだよなぁ…!)

三蔵「なんかわからんけどジト目な感じを受けてる気がするなんでだろう。……質問にこたえりゃ良いんだな?」

虹色の大鳥『まずはひとつ、問おう。……真理とは、何か』

三蔵「……もうちょい簡単にしてくれません?俺、座学の成績酷かったんであんま難しいのは」

虹色の大鳥『……ふむ。誤魔化しではなく、真に無知か。……この世において、絶対なもの、とでも言い換えよう』

三蔵「絶対……絶対か」

虹色の大鳥『虚偽は叶わぬぞ、見透かせる』

三蔵「あー、つまりあれか、てきとーな事言うとバレると。うーん……」

八戒(…道徳的には、愛やら善やらと言うのが正解じゃろうが……それこそ適当な嘘になってしまう…!)

沙悟浄(…あんまりキナ臭い答えはダメなんだろうね……くそっ、旦那様っ!!)

小龍(……この手の問答ですか……意外性ならば、或いは先生なら)

悟空(お師匠さま……!!)

虹色の大鳥『さあ、応えよ』

三蔵「幼女?」

四弟子(世界終わったぁぁぁぁぁぁあっっっ!!!)
834: 名無しさん@読者の声:2014/10/27(月) 06:40:27 ID:vLdMUv3W2M
こんな時でもブレないところは尊敬します、お師匠様。
835: 名無しさん@読者の声:2014/10/27(月) 11:42:59 ID:yvqzG8tEzg
ほら、幼女の笑顔は世界を平和にするし、開く前の蕾、つまり無限の可能性とか若さの象徴だし(震え声)
836: 名無しさん@読者の声:2014/10/27(月) 18:43:14 ID:qZoiI.psJc
神様さえ存在を知るような人物なのに…なのにwww正直にも程があるだろうお師匠www
837: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/28(火) 18:00:09 ID:eFiSxg3Gxk
虹色の大鳥『…正義、とは何か』

三蔵「幼女」

八戒(それだと『正義の味方』ってのは『幼女の味方』ってコトになってヒーローが一転して犯罪者予備軍ではないかボケ師匠がぁぁあ!)

虹色の大鳥『……幸福とは、何か』

三蔵「幼女だな」

小龍(…そりゃ先生にとってはそうでしょうけど……なんでそんな自信満々に……もうこの人だけ滅べば良いのに)

虹色の大鳥『………万物の起源とは、何と考える』

三蔵「よくわかんねーけど幼女じゃね?」

沙悟浄(いやいやいや旦那様!人も山も海もウサギもバッタも一人の幼女から生まれたってのは賛成できない!さすがのアタイでも賛成できないよっ!?)

虹色の大鳥『…………人の生きる意味とは何と』

三蔵「幼女幼女」

悟空(食い気味で言った!なんか今のお師匠さまなら『きのう何食べた?』って聞いても幼女って答える気がする大変だ!!)

虹色の大鳥『……………』

三蔵「なんかアンタ、俺に幼女って言わせようとしてね?」

八戒(ほ、鳳凰が……生きとし生ける物の王が、言葉を失うとは)

小龍(…さすが先生ですね、神すら黙らせましたよ……ハァ……)

沙悟浄(……待っとくれよ?万物の起源から、この世の真理まで幼女ってコトは……アタイも幼女……!?そ、それなら旦那様と)

悟空(あ、悟浄ちゃんが大混乱してる。妖気の感じでわかる)

虹色の大鳥『………およそ、聖の者とは思えぬ』

三蔵「いや、ヒジリだかヒジキだか知らんけど」

虹色の大鳥『……最後の問答だ。陳紅流。………この……この、世界とは……何か』

三蔵「世界?」
838: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/28(火) 18:02:18 ID:eFiSxg3Gxk
虹色の大鳥『そうだ。この世界だ。今しがた、お前が「壊すな」と願った、この世界。世界とは、何か?』

三蔵「世界……」

八戒(悩んでもどぉせ出てくるのは幼女じゃろ結局!あぁぁあどうすれば切り抜けられる!?詰みか!?もう詰みか!!?)

小龍(……正直さを評価されて、何とか………うん無理ですね何でも言えば良いってモノじゃない)

沙悟浄(てゆーかどっちにしてもここで滅んだら旦那様と結ばれない嫌だ!うううう、旦那様ぁぁぁぁぁぁ…!)

悟空(……全妖力を、爆発させて……八戒ちゃんなら、即座に反応してくれるはず………もう無理でも何でも、死んでも、皆を)

虹色の大鳥『さあ。応えよ。世界とは?』

三蔵「……俺にとっての、世界ってのは………」

虹色の大鳥『世界とは?』


三蔵「アンタがいて、俺が居るところだ」


虹色の大鳥『……っ!』

悟空(……へ?)

沙悟浄(え?え?幼女じゃなかった?)

小龍(…鳳凰の反応が……違う…!)

八戒(や、それはともかく、どーゆー意味じゃ?そんな、奴が居って自分が居る場所だとか、当たり前な)

ヴヴヴンッッッ!!

八戒「事を……おおっ!?解けた!?むお、声が出る…!」

三蔵「うおっ!なんだお前ら大丈夫なのかふべらっ!?」

沙悟浄「うわぁぁぁぁん旦那様良かったぁぁまた抱きつけたぁぁぁあっ!!」

小龍「…無理矢理に動きを止められてたせいで、多少ふらつきますが……平気です」

悟空「えっ?えっ?助かったの?私の悲壮な決意は空振ってくれたの?」

三蔵「え?悲壮なケツ毛がなんだって?」

悟空「別に私のケツ毛は悲しくありませんよ!」

八戒「姉者どうどう。テンパってツッコミがおかしい」
839: 名無しさん@読者の声:2014/10/30(木) 21:26:41 ID:sPDQrE1GFI
悲壮なケツ毛ってなんぞwwww
840: 名無しさん@読者の声:2014/11/2(日) 19:15:55 ID:y168Xz60k.
>「アンタがいて、俺が居るところだ」

お師匠様やっぱり金禅子ちゃんの生まれ変わりね。
841: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/2(日) 21:52:02 ID:KuCSaKXNf6
沙悟浄「すりすりすりすりすりっ♪」

三蔵「お前の頬擦りで俺の左肩が削れる日もそう遠くないなもう離せって!…で、なに?俺今のでOK?我ながらだいぶヒドイ答えだったと思うけど」

悟空「わかってて言ってたんだ!」

小龍「…まあ本音しか言えないならば、わかってても言うしか無いんでしょうが」

八戒「最後のヤツが良かったんじゃろうが、師匠殿、あれはどういう…」

虹色の大鳥『……人に、真は、解らぬ』

八戒「ほ?」

虹色の大鳥『人に、善悪も。人に、満ちる事も。人に、その始まりも。その意味すら、本当には解らぬ』

悟空「は、話が難しいよぅシャオくぅん」

小龍「…ふぉりあえふらまっへ聞きまひょうよ」

八戒「姉者、小龍を乳で潰すな。ワシにやれ」

虹色の大鳥『……なれど。不確かで、おぼろげで、疑いに覆われた、此処で。確かに在るのは、己と……彼』

三蔵「だからもうちょっとわかりやすく」

虹色の大鳥『世界とは、此処。己ひとつだけの世界などは、世界と呼ばぬ。誰かと、己以外の誰かとの間にこそ、世界が在るのだ。

そう……世界とは、繋がり。この余とて、世を感じるは、其れ以外の存在なくしては不可能………己と、彼が居る処。それが世界。

……見事だ、三蔵法師・陳紅流。取るに足らぬ、しかし素晴らしき聖者よ!』


オオオオオオオオオッッッ!!!


三蔵「……消えた?あ、羽っ娘さんがゆっくりと落ちてくる」

悟空「そしてそれを八戒ちゃんが待ってましたとばかりに受け止めに。……んう?お師匠さま、それなんですか?手に持ってるの」

三蔵「うえ?なんだコレいつの間に……卵?」
842: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/2(日) 21:52:55 ID:KuCSaKXNf6




雀「……ん、ぅうん………?」

青教王「す、雀っ!気がついたか!?」

白教王「うおおお良かったぁ!マジ起きねぇかと……!」

青教王「すまぬ雀!某が、某が間違っておった!大事なお前を実験台にするなど…!」

雀「え?え?あの、何がどうなって……ここドコっスか?く、雲の上?」

白教王「や、兄貴もオレも、結局気絶しちまって……よくわかんねーんだけどよ、気付いたらこの雲に乗せられてて。……あのニーチャン達に」

釈迦「おー、妹君が起きたか。よかったよかった」

金吒「ふん、大事無いに決まっとるやないですか。このワイが治癒したったんやさけ」

釈迦「男のツンキャラは子供でも無い限りウザいだけだぞ?やー、良かったねぇ妹君。もう少しで猪八戒のヤツに手籠めにされてるとこだったぜ君。あっはっは」

雀「ちょはっかい……うおお、なんかすごい助かった感がするっス…!……そ、それはともかく、だ、誰なんスかあなた…?」

釈迦「ん。三人とも起きたから自己紹介しよう。俺はシッダールタ。こっちの意地悪そなメガネはキンタだ」

金吒「誰が意地悪そぉやねんこのロン毛師匠が。あ、もうこのロン毛は言うても聞かんからしゃーないけど、お前らはキンタて呼ぶなや。兄弟子様とかそんなんで呼べ」

白教王「あ、あにでし……?」

釈迦「おう、お前ら三人、これから俺の弟子なー。一緒に旅しよーぜ、旅。構わないだろ?どうせあのまま街を占領してても、牛魔に乗っ取られて仕舞いだ。主に経済面から」

金吒「あんの氷キツネ、やり方汚なそぉやもんなぁ」

青教王「…し、しっだるた………まさか、ぶ、仏陀…?」

釈迦「元、な。席を譲った男は、その席ぶん投げやがったけど。あははは」
843: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/2(日) 21:54:05 ID:KuCSaKXNf6



悟空「豆乳鍋っ♪豆乳鍋っ♪」

沙悟浄「あっダメだよ姐さん、まだそこ煮えてないよっ」

八戒「……んくっ、んくっ……ぷあ。小龍、酒が切れたっ!」

小龍「…はっ。黄酒で宜しいですか?」

三蔵「おい八戒、まだ食い始めて間もねーのに何杯目だお前。おちつけ」

八戒「じゃって呑まんと欲求不満が!」

悟空「八戒ちゃんが受け止めよーとした途端に消えちゃったからねぇ、雀ちゃん」

沙悟浄「アニキども二人もいつの間にやら居なくなってたし、不思議な事もあるんだね……ん、鶏肉オッケーだよ皆」

八戒「天部の仕業か、強制転移術だとしたらあの性悪女狐か……全く。……しかし問題は、例の卵じゃの。マジで鳳凰の卵なんじゃろか。なんかそれこそ鶏卵と変わらん見た目じゃが」

小龍「…どうなんでしょう。私達龍族の卵も、実際鶏の卵とそう見分けはつきませんし」

沙悟浄「はい旦那様ぁ♪はいシャオ、悟空姐さんは大盛りで……八戒姐さんエノキ要らないんだっけ。……で、そんなおっかない卵、悟空姐さんが持ってて平気なのかい?」

三蔵「俺もそう思うが、コイツがイヤに欲しがるから」

悟空「だってもしこの子が産まれて最初に見たのが私だったら、やっとこのパーティーにも私より下の面子が!姉弟子なのに完全に末っ子なこのポジションからの脱却が狙いです!」

三蔵「小龍が居るじゃねーか」

小龍「…私が弟役では不満なんですね……ああ、かなしい…」

悟空「棒読み!ほらこーやって私を弄るんだよこの子は!」

沙悟浄「で、卵どこにあるんだい?姐さんバッグも何も…」

悟空「胸の間!暖めないとだしね!」

三蔵「やめろ食事中だぞ汚い」

悟空「どういう意味ですか汚いは流石にひどいやめて」
844: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/2(日) 21:57:59 ID:KuCSaKXNf6
八戒「ふむ、どんな風に挟んどるのかちょっと確認を」スッ

悟空「そんなあからさまなセクハラに応じると思ったら大間違いだよ八戒ちゃ…」サッ

グチャッ

三蔵「………なに?今の音」

沙悟浄「……まさか、姐さん」

悟空「…………おっぱいのあいだが……べちょべちょする……」

三蔵「うわぁぁぁぁあコイツ乳圧で割りやがったぁぁぁあ!」

悟空「えっ!?えっ!?ち、違うよ、えっ!?は、八戒ちゃんがセクハラしよーとするからぁ!!」

八戒「ちょ、寄るな姉者!ワシまで祟られとう無い!」

悟空「そんなぁ!うわぁぁあゴメンナサイゴメンナサイ呪わないで祟らないで許して!あと悟浄ちゃんとシャオくんもなんか喋ってドン引きやめて!」

三蔵「……乳で神を殺すとか、お前また伝説増やしたな」

悟空「うわぁぁぁあんどーしよう怖い!何が怖いのかもわかんないくらい怖いぃぃぃい!」




釈迦「さて、金蝉子探しを再開するか。鳳凰が暴れたら世界そのものがヤベーからな、なんとかなって良かった良かった。…お、これでアイツらとパーティー編成がおんなじになったな。ちょうど五人だ」

金吒「…ワイのポジション誰に当たんねんそれ。あ、エエですわ答えんで、誰に当たってもイヤや。…次は未来や無ぅて過去にしましょ。ごっつ高いビルばっかやと気が滅入る」

釈迦「だなー、過去の方が少年の露出度も高くてアイツ好みだろうし」

金吒「…ふん。ん?なんですソレ。卵?」

釈迦「ん、ヨー○卵光とすり替えといた。流石にこんな危険なモン、あのお笑いグループには任せらんないだろ」

金吒「……手際良すぎやろ」

釈迦「はっはっは。さ、行こう!こっちは任せたぞ、三蔵一行!」




悟空「……殻が谷間に刺さって痛い」

三蔵「まだ冷静になるなよ反省しろよ」


劇終!
845: 名無しさん@読者の声:2014/11/3(月) 03:01:26 ID:W3uVQEako2
お疲れ様です
結局鳳凰は卵となってまた孵化する時を待っているということですかね?
846: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/3(月) 03:48:07 ID:vWYRH6PNK2
おそまつさまです。

さあ?卵に戻ったのか新しく卵を産んだのか、知ってるのは本人とお釈迦様くらいかとっ。
847: 名無しさん@読者の声:2014/11/3(月) 13:03:42 ID:U/Iz4I.ENo
まさかお返事いただけるとは!

個人的には鳳凰も師匠に惚れてついていこうとしてたのかなと思ったりもしていましたw
848: 名無しさん@読者の声:2014/11/3(月) 21:15:38 ID:m3ro3DygUs
お釈迦様とキンタ久しぶりーっ!!
そうだよ、この二人が介入するくらい一大事だったのにあの緊張感の無さwww
いろんな意味で流石ですね三蔵一行www

ヨシュアさんお疲れさまでしたー!
849: ヨシュア【OVAそのに・前編】 ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:49:22 ID:cD0UJg150s
悟空「……てあっ!」

八戒「ふっ!ほっ!」

悟浄「悟空姐さん、もうちょい右、右。アタイ入れない」ボソッ

悟空「えっあっ、ごめんごめん」ボソッ

八戒「ラストじゃ、ほれ決めるぞ」ボソッ

三弟子「「「覇ぁっっ!!!」」」

ドドーン……!!

「ほおお……!」

「流石は音に聞こえる豪傑、なんとも素晴らしい…!」

「この美しき武技、まさに天下の勇者ですな…!」

大臣「…以上、孫悟空殿、猪八戒殿、沙悟浄殿による演武に御座いました。お三方、大義でありました、お席へ……」



悟空「ふへぇ、緊張したぁ……」

三蔵「おうお疲れ。なんだスゲーじゃんお前ら、即興であんなん出来るとか」

小龍「…お疲れ様です。……何度か危なっかしい場面も、あるにはありましたが」

八戒「打ち合わせらしい打ち合わせもしとらんからの。ワシと悟浄は型がしっかりしとるからそれでも平気じゃが、問題は姉者じゃったな」

沙悟浄「我流だとは知ってたけど、傍目メチャクチャだからねぇ動きが。合わせるのに苦労したよ」

悟空「だって別に誰か棒術、習ったワケじゃないもん。あー、お腹すいたぁ…」

三蔵「残念ながらメシにありつくには、後……」

小龍「…予定表によると、次は講談師による朗読『三蔵一行冒険譚・羅刹女と芭蕉扇』、その次は宮廷詩人による詩歌『五聖』、その次は……」

悟空「うええええそれいつゴハン食べられるのーっ!?」



番外編〜余談・都にて〜
850: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:50:25 ID:cD0UJg150s

悟空「うー、よくみんな食べないで聞いてられるねこんなん……」

八戒「ワシらの凱旋を祝う宴席じゃと言うのに、まだ酒の一杯も出んとは。これじゃから儒教まみれの皇室は好かん」

沙悟浄「まあ、気に食わないのには同意だねぇ。なぁにが『天下の勇者』だい。どいつもこいつもデップリと脂ぎった金持ち共が、心にも無い世辞言ってんじゃないよ全く」

小龍「…よく燃えそうですよね、試してみましょうか」

三蔵「いや今回はマジで俺のせいでスマン。俺だってこんな席に出たくねーんだが」

沙悟浄「ああん旦那様のせいじゃないよう!仕方ないさね、義理は果たさないとだしねぇ」

八戒「…ま、元々『天竺へありがたい経を貰いに行く』という体じゃったものな、師匠殿は。もう経典は渡したのかの?」

三蔵「あ、うん。さっき大臣さんに」

悟空「観音さまにお願いしたヤツですよね」

三蔵「なんか急いで書いた感バリバリだったよな字ぃヘッタクソ過ぎるぞアレ」

沙悟浄「まあ読めないくらいが良いんじゃないかい?どうせ中身なんて……」

大臣「三蔵法師、そしてお弟子の方々。天子様が、別室にて目通りを御所望です。お食事もそちらに」

悟空「ごはん!」

三蔵「や、良いよ大臣さん、こっちで食うよそして終わったらさっさと帰」

八戒「何を言うとるか、行くぞ師匠殿。酒は出るであろうの?」

小龍「…あと甘いのも欲しいですね」

沙悟浄「はい旦那様っ♪義理のお兄さんなんだろう天子様って?ご挨拶に行かないと夫婦としてっ♪」

三蔵「いや夫婦って……あーくそ、会いたくねぇなぁ……」




天子「……面を上げて下さい……ああ、よくぞ帰って来ました玄奘。元気そうで何よりです」

悟空「……え?」

小龍「…皇、帝……ですよね?」

八戒「……いやはや、まさか」

沙悟浄「………女っ!?」

三蔵「……うん、ねーちゃん」
851: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:53:39 ID:cD0UJg150s
天子「…さて……積もる話もありますが、まずは大臣、皆様にお料理とお酒を。それと、近衛に見られながらなど箸が進まないでしょう、人払いを」

三蔵「料理と酒は貰いますが人払いは結構です大臣さん」

天子「人払いを」

三蔵「しなくて良いです」

大臣「………ごめんな玄奘、哀しいけどこれって皇帝の命令なのよね。……は、酒宴の用意と人払い、畏まりました」

三蔵「ぐっ」




大臣「……お待たせ致しました、お料理とお酒、出揃いまして御座います」

悟空「ふおおおお……!こーゆーご馳走久しぶり!食べても良いですかお師匠さまっ!」

天子「ふふ、どうぞ御賞味を。……膳が済んだら、女官達、戻りなさい。酌は大臣、貴方が」

大臣「……はっ」

三蔵「…………」

天子「………さて、と。もう平気ですね…………玄奘ぉぉぉぉぉぉぉおっっ♪」ガバッ

沙悟浄「っっっ!!!」

三蔵「あーもう抱き着くな!痛……くはないな鍛えられたなぁ俺」

天子「だって、だってお姉ちゃん寂しかったんですよう!?半月くらいかと思ってたのにもうどんだけ帰らないんですか玄奘ったら!」

悟空「モグモグ……うわあ……はっ!悟浄ちゃんダメだよ暴れちゃ……ん?あれ、なんか何とも言えない顔してる。どったの?」

八戒「んぐ……ぷはぁ。ひっぺがしたいけど、師匠殿の義姉に嫌われたくない……という揺れる乙女心じゃな。イケるのう、この白酒」
852: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:54:04 ID:cD0UJg150s
小龍「…此方の鶏も美味ですよ、悟能様。……しかし皇帝の威厳、全く無いですね……」

三蔵「うっざい離れろ!ねーちゃんの威厳とかどーでも良いが、俺まで師匠としての威厳を失っちまう!」

小龍「…あると思ってた事に驚愕です」

天子「むう、玄奘のいけずぅ……」

八戒「なるほど、の。これが会いたくなかった理由か」

三蔵「や、まあ別にブラコンなのは構わんのだが」

悟空「ロリコンがブラコンを否定する権利無いですもんね」

三蔵「うっせぇけどその通りだ。性癖や嗜好に罪は無い。それよりねーちゃんはだな……」

天子「あ、自己紹介がまだでしたね。ごめんなさい、義弟との再開に、舞い上がってしまって。……玄奘のお弟子様たち、初めまして。朕(ちん)は二代目皇帝、平世と申します。あ、でも朕の事名前で呼んじゃうと色々めんどくさいから、天子様〜とかそんなんで呼んだげて下さいね、偉そうでゴメンね?」

沙悟浄「わ、わ、悪い人じゃあ、無さそうだね…!」

悟空「悟浄ちゃんが頑張って平静を保ってる」

小龍「…確かに、高慢な感じは受けませんね。帝とは思えません」

八戒「うむ。それこそ師匠殿が好む『テキトーな性格の偉いさん』ではないか。中々に美人じゃし、そう邪険にせんでも」

天子「そもそも自分のこと朕とか、そっから偉そうですよね変えるべきですよね。だいたい朕ってなんなんですかね、私チン付いてないのにね!朕チン○ン付いてないのに!ぷっ!チン何回言うんだよってね!」

八戒「……もしかしなくてもこの御方、ワシと仲良く出来るタイプかの?」

三蔵「……ウン、ソウダネ」
853: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:54:29 ID:cD0UJg150s
天子「んふんふんふ、久しぶりに楽しい宴席ですよこれは。それにしても孫悟空さん、噂と違ってプリチーですね!いやあ可愛い妹にしたい!でもあんまり弟妹増やすと大臣に怒られる!」

悟空「ぷえっ?え、えへへ……あ、ありがとうございます」


三蔵「…ねーちゃんああ見えて武闘派でさ、けっこう力ずくで皇帝になったみたいで」

八戒「うむ、オナゴにしては大柄じゃしのう。それに動きが武人のソレじゃ。撃剣あたりの使い手かの、筋肉の感じじゃと」


天子「んふ、んふんふんふ♪」

沙悟浄「へっ?は、はいっ?あの、なにか」

天子「んふふ、沙悟浄さん、玄奘のコト好きでしょ?わかるんですよぉ、これでも朕も乙女ですから。ねえねえどこに惚れたの?ねえねえ?」

沙悟浄「えっ、えっ、えっと、えええ!?」


八戒「しかし女性の天子とは……いや、今の中華では天子なぞ誰でも良いか。乱世でもなし」

三蔵「まあ別に愚帝ってワケじゃあないんだよ。それなりに治めてるし。問題はそこじゃなくてだな……」


天子「どうです玉龍殿、特製プリンのお味は?」

小龍「…すごく美味しいです……」

天子「でしょう?朕も甘味に目が無くて、乳牛を西域から輸入してですね…」

大臣「……天子様、御歓談の最中、申し訳ありません。上奏を望む者が来ておりまして、追い返したくとも、そやつら特例の許可証を持っているので無下に出来ず……」

天子「あらあら。ん〜……じゃあここまで入って貰いなさい。例え賊が化けていたとしても、孫悟空さんを始めとした勇者が揃うこの室で、狼藉も何も無理でしょう?」
854: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:55:16 ID:cD0UJg150s
大臣「…ですね。……天子様の許可が出ました!入りなさい!……あ、女性の方だけで後の二人は待ってて欲し」

虎力大仙「んったく早く通しなさいよ……えっと、我ら牛魔が主、その夫人玉面公主の使いにて……あれ?書類持ってんの誰?羊力?……って、ウゲッ!エロ豚!?なんで!?」

羊力大仙「こら虎力、人間とは言え中華の長であるぞ、あまり無礼に振る舞っては……む、三蔵一行」

鹿力大仙「あん?なんで居んのお前ら……うおっ!?」

天子「わぁぁぁおムキムキ!おにーさんムキムキじゃないですか!カッコいいい!でも顔は意外と童顔でかわいい!」

鹿力大仙「なにこのネーチャン」

天子「ふおおお!お隣のおにーさんはお髭がダンディー!よく見たらけっこう美形じゃないですか濡れる!」

羊力大仙「な、なんであるかこの女官は。大臣殿、これは一体、天子様は何処に」

大臣「……残念ながらそれが天子様です」

天子「どっちでもいいから、結婚を前提にセッ○スしてください!」

虎力大仙「なに言い出すのこの人!?」


三蔵「……問題は、どうしようもなくビッチなんだよ」

八戒「……そりゃ大問題じゃの」
855: 名無しさん@読者の声:2014/11/8(土) 16:14:50 ID:OmjjaxiSjs
本当に八戒ちゃんといろんな意味で仲良くできそうwwww
856: 名無しさん@読者の声:2014/11/8(土) 19:46:36 ID:QvnGSzKaG6
ロイヤルビッチ美味しいです(^q^)おや、誰か来たようだ
857: ヨシュア【OVAそのに・後編】 ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:24:41 ID:hbHbZCp96o
八戒「なるほど男好きか。大臣殿から衛兵まで女ばかりなのは、そのせいなんじゃな。ほ、どこぞの女人国を思い出すのう」

三蔵「腐ってるほーがマシかもだぜ。若い男と見りゃすぐ食おうとしやがるからなアイツは。女版のお前だよマジで」 

八戒「一応ツッコんどくがワシも女じゃい」


天子「なになに?お友達でしたか牛魔王さんとこの使者さん達。なら一緒に呑みましょー!おにーさん達は朕を挟むように座って座って!後で朕もチンを挟んであげちゃいますから!朕チン挟んであげちゃう!」

虎力大仙「うっわぁ」

鹿力大仙「ぶはっ!ちんちんだってよちんちん!おもれーネーチャンだなおい!」

羊力大仙「お前の笑いの沸点は小学生レベルであるな……」


大臣「……ああ、もう…」

三蔵「お疲れ大臣さん。ま、呑んで呑んで」

大臣「あ、悪いな玄奘……と、とと……はぁ。まったく私の苦労も知らないであのクソビッチ皇帝」

三蔵「はは、今ん所どこの誰が相手だかわからん子とか孕んで無いみたいね、良かった良かった」

大臣「やめろそんな怖い冗談。いや冗談じゃないくらいリアルな問題なんだよそれやめろ」

悟空「でもいい人だよ!なんかフワッとしてて、ニコニコしてて!頭撫でられちった、えへへ……♪」

沙悟浄「『結婚式は都で挙げて下さいね!めっちゃ豪華にしてあげますからお義姉さん!』なんて言われちまったよぅ…♪お義姉さま公認……むふふぅ…♪」

小龍「……さすが……あむ……先生の姉君ですね。かなりの人誑しです」

三蔵「人たらしって。だから悪いねーちゃんでは無いんだけどなー。や、手クセは悪いけど。あと何杯プリン食うんだよお前、悟空か」

小龍「………本当に美味しくて」

大臣「これで人当たりすらダメならもうとっくに謀反ってますよソープに落としてますよあんなん。あれ、猪八戒殿は?」

三蔵「獲物を見つけたから狩りに行った」


虎力大仙「うわぁぁあ来るな寄るな触るなーっっ!!」

八戒「酌をせいと言うとるだけじゃ、ほほほっ♪」
858: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:25:38 ID:hbHbZCp96o


三蔵「……で、結局大宴会の大騒ぎかよ。三バカさんも適応力高ぇなあ」

天子「んふんふ。玄奘は混ざって来ないの?じゃあ朕が混ざってきますそれはもうくんずほぐれつ上から下から」

三蔵「ねーちゃんは黙って玉座で大人しくしてろ。…実家でツレが騒いでて、混ざり難いあの感じなんだよこちとら」



鹿力大仙「マ、マジかよ……!?腕相撲で、この俺が負けた…!?牛魔王様にしか負けたコトねぇのに…!」

悟空「へっへ〜♪でも鹿くん強いよ?だいたいムダにマッチョな人って弱いイメージなのに。あ、お兄ちゃんは別格ね。そうだなぁ……悟浄ちゃんくらいは強いかな」

鹿力大仙「んだとオイ赤頭、勝負しやがれ!」

虎力大仙「るっさいわねバカ鹿、今アタシが喋ってんの!ねぇ沙悟浄沙悟浄、アンタこのフレアスカートなんか似合うんじゃない?髪もツインテにしてさ、小物とかもあえてキッチュなのを選んで」

沙悟浄「なんだいファッション雑誌かい?……いやアタイはそんな子供っぽいの……子供っぽい…?……だ、旦那様にウケる……!?」

虎力大仙「そぉよアンタ、好きなオトコがロリ趣味なんだから、そっから考えないと……んでそこの変態ロリはこっち向くな視線を向けるな!」

八戒「つれないのぅ……ワシは単に親睦を深めたいだけじゃと言うに……のう大臣殿?」

大臣「ちょ、猪八戒殿!?あのその、胸元に手を入れないで欲しっ、ひうっ!?わ、私には夫とまだ幼い息子がっ!」

八戒「良いではないか、もう少なくとも二人に吸わせた乳房じゃ、三人になっても変わらんじゃろ?ほほほ…!」

羊力大仙「……止めなくて良いのであるか、龍神殿。己が主君が不貞を犯そうとしているであるぞ」

小龍「…はむ……では貴方は、倫理だの常識だのを理由に……んむ……牛魔王の行いを止めるのですか?」

羊力大仙「……止めぬであるな。成る程、主そのものを我が常とするが忠義か。いやこれは我輩教えられたである、うむ!」

大臣「いや止めて下さひゃあぁぁあっ!?なっ、舐めっ!?」



三蔵「あーあー、ありゃもうだいぶ酔ってんなアイツら……ねーちゃん良い酒出し過ぎだろ。そんで小龍はいつまでプリン食ってんだ」

天子「……んふふ♪」

三蔵「…なんだよニタニタと」

天子「んふ♪なんでもありませんよ?……んふ、んふんふ…
♪」
859: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:27:26 ID:hbHbZCp96o
悟空「おっ師匠さまー!なに話してるんですかー?私も混ぜてっ!」

三蔵「とか言ってコッチの料理をパクってんじゃねーよ毛玉」

天子「んふんふ、仲良しですねぇ。ダメですよ玄奘、二股は」

三蔵「他のツッコミを放棄して言うぞ、どの口で宣ってんだこのアバズレめ」

悟空「そんなお師匠さま、いくらなんでもアバズレって…」

バターン!!

衛兵「お食事中、無礼を致しますっ!!」

大臣「そそそそんな先っぽばっかり……うわぁ離して凝れば違っ!な、なにごとですか!?今ここは立ち入り禁…」

衛兵「申し訳ごさいません!しかし、変事でございます!北の方百里、賊軍が迫っております!諸県の政庁を襲いつつ規模を膨らませ、兵力は二万にも届くかと!」

天子「あらあら。宴の緩みを突いたつもりですかね。大臣、先行に騎馬隊五千を…」

悟空「要りませんよ、天子さん。ね、皆?」

沙悟浄「ん、ちょっと外の空気も吸いたいしねぇ」

八戒「なんじゃこれからじゃと言うに……ま、良いじゃろ。おい三バカ、久方ぶりに武を見てやるわい、行くぞ」

虎力大仙「ちょ、なんでアタシらまで」

鹿力大仙「おっしゃらー!猿女ぁ!次はブッ飛ばした数で勝負な!」

羊力大仙「一飯の恩義である、返すは紳士の礼。あまり混戦は好かぬであるが」

小龍「…では三バ…お三方はどうぞ私の背中に。飛べないんでしょう?」

天子「あら、あらあら」

大臣「に、二万の軍勢ですよ!?如何に寄せ集めの烏合の衆と言えど、そんな数人でなんになると!?玄奘っ、彼女らを止め」

三蔵「おーい悟空ーっ」

悟空「そうだシャオくん、私も如意棒おっきくしないから、炎禁止ね。すぐ終わっちゃうから……はーい?なんですかお師匠さまー?」

三蔵「帰りに今週号の週間少年跳躍買ってきてー。買うの忘れてたー」

悟空「うーい!」

大臣「玄奘っ!?」

天子「…平気ですよ大臣。玄奘の顔が全てを物語ってます。……お姉ちゃん、少しだけ妬けますね。んふ♪」
860: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:28:00 ID:hbHbZCp96o





天子「……賊の討伐、実に大義でありました。この中華の帝として、深く感謝します。んふ、ありがとうね♪」

悟空「えへへ……また撫でられた…♪」

大臣「た、たった七人で、二万の敵を……いやはや、度外の武ですね…!」

八戒「じゃが結局この人数では、誰がどんだけ倒したか、ようわからんかったがの。あ、三バカトップは虎娘じゃが」

沙悟浄「なっさけないねぇ、男のクセに紅一点に遅れをとっちゃって」

羊力大仙「こ、虎力は遠距離に優れてるであるからして、我輩ら二人は一騎討ちの方がであるな!」

鹿力大仙「おいやっぱ俺にも教えろ虎力!あのビームみたいなの!」

虎力大仙「アンタには無理よ、気功術って、気の流れを理解するっていう学門だもん」

小龍「…ところであのプリン、まだありますか?」

三蔵「この面子でボケるのがお前とかやめて小龍」

天子「んふ、お気に召したようで何より。まだまだ沢山ありますよ?さ、お疲れでしょう皆様、後の膳を用意させましたので、ごゆるりと。………玄奘」

三蔵「ん?」

天子「夜を待たずに、発つ気でいるんでしょう?」ボソッ

三蔵「……長居すっと寺にまで呼ばれそうだからな。それはめんどい」

天子「…取経は済んだのに、まだ旅に出るのか…とか、最高僧としての務めを云々とか。そんな野暮ったいこと、お姉ちゃん言いません。でもね、玄奘」

三蔵「…だから抱き締めんなフワッて感じで抱き締めんな」

天子「……朕は貴方の姉であり、家族であるつもりです。貴方の居場所が、此処では無いとしても。…いつでも、帰ってくるんですよ?」

三蔵「………気が向いたらな」

悟空「うわっ、お師匠さまが照れてるキモッ」

八戒「なんじゃその取って付けたよーなツンデレ弟キャラは。気っ色悪い」

沙悟浄「…そ、そうか、フワッと抱き締めれば良いのか、フワッと……こう、肩から、こう」

三蔵「せめて茶化すくらいの可愛げはねーのかお前らは!あと悟浄なにそれ、肩を粉砕する系の技の構えかなんか?そして一番の毒舌が聞こえねぇと思ったらまたプリン食ってんのか小龍!」
861: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:30:54 ID:hbHbZCp96o



悟空「ふわぁ〜、お腹いっぱいで歩くのダルい眠い…」

三蔵「うっせ歩け。本気でモタモタしてっと寺に連れてかれるんだよ三時間は読経させられるぞ」

八戒「そりゃその場に居るだけでキッツいの。ふぁ……じゃあワシ少し寝るから、あまり揺らすでないぞ小龍」

小龍「…はい。お休みなさいませ」

沙悟浄「また甘やかす……でも良いお義姉様だったよぅ旦那様ぁっ♪アタイこれなら家庭に入っても頑張れるよぅ♪……ちょっと何読んでんだい妻を無視してっ」

三蔵「いや、袈裟のポッケに手紙が……うわ、『勅』って書いてある」

悟空「ちょく?」

小龍「…皇帝の名においての命令、ですね」

三蔵「……何だよ回りくどい、直接言えよ直接……なになに?」

『“勅” 玄奘三蔵法師に、二代皇帝平世が勅を下す。天竺より更に西、西果ての国へ赴くと聞き及び、彼の地での人材を求めるものである。若く壮健な男子を所望す。努々、大臣には悟られぬよう』

悟空「…つまり?」

沙悟浄「西国から男を見繕ってこい、ってコトかねぇ…」

小龍「…曲がりなりにも天子が、勅命で男漁りですか……しかも大臣さんにバラすな、とまで」

八戒「…ふわ……西国の男は、色白で背丈があり……むにゃ……ナニが異様にデカイと聞くからのう……」

三蔵「……二度と帰るかあのクソビッチ!」





虎力大仙「……で、まあ賊の相手は面倒だったけど、美味しい物食べれたし、良い仕事だったわ。あ、これ経費の領収書」

紅孩児「…なんでそんな楽しそうなトコに、僕が居ないの…?よ、呼んでくれても」

虎力大仙「沙悟浄はなかなか話がわかるし、孫悟空は鹿力の相手してくれるし……エロ豚さえ居なきゃ、アイツらと呑むのも悪くないわね」

鹿力大仙「こんど俺様特製の麻婆茄子を食わせてやるって言っちまったからな!どっかで誘わねーと」

羊力大仙「八戒殿に龍神殿、双方とも兵法に明るく知者である。見識の交換は、我輩らの為にもなるであるな」

紅孩児「いずれ上司になる人を無視とか良くないと思うな!良くないと思うな僕!えっ、待って帰っちゃうの?えっ、ちょっ、えーっ!?」


劇終。
862: 名無しさん@読者の声:2014/11/18(火) 06:49:07 ID:QG/0oG8K2g
安定のこーちゃんwwwwwwwwwwwwwww
863: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/18(火) 07:15:38 ID:KuCSaKXNf6
>>1000まで埋まらせるから鼻クソほじりながら応援してね!
864: 名無しさん@読者の声:2014/11/18(火) 20:36:01 ID:6KdyPMHBok
ほら、ほじったのあげるよ!
支援
865: 名無しさん@読者の声:2014/11/19(水) 18:58:27 ID:Xl5E.mQ8IU
よっしゃー!まだまだ支援!!
866: ヨシュア【ファンブックおまけラノベみたいな・前編】 ◆.frSdr10QQ:2014/11/20(木) 19:14:45 ID:kNC9uH3bo.
……長い廊下が続く。古城特有のカビ臭さが鼻につく。

目に映る、紫の絨毯。蛇やら蠍やらを象った燭台。この彫像は毒竜かな。ウチの実家も大概だけど、輪を掛けて趣味が悪いね。魔王の城かっての。

「この先にて、魔王様がお待ちで御座います」

って、そうでした魔王の城でした。

城門からずうっと、僕を案内してくれた筋骨隆々の大男が、そう言って立ち止まる。

「……ここからは、一人で行けって事かな?」

僕の当然の問いに、男は腰の剣を抜いた。

瞬間。

針を刺す様な気が、僕を襲う。

「……へえ、驚いた。魁夷な風体に似合わない、綺麗な殺気だ」

「失礼ながら、力を試させて頂きます。魔王様の御前に立てるだけの力を、お持ちかどうか」

いやいや。呼ばれたから来たんだよ?それでなんで試されないと、と文句を言おうかと思ったけど、相手の目を見て諦める。ダメだこりゃ。

そして男は殺気を途切れさせず、大きな身体には似合わない、短めの剣を重心低く構えた。さっきから敬語も似合わないし、似合わないだらけだなこの人。

「…しょうがないなあ。お手柔らかに頼むよ?これでも僕、か弱いオンナノコなんだから」

「……牛魔の跡目、紅孩児………何れ程の兵(つわもの)か。いざ!」




『紅孩児伝〜The Devil's Blood〜』
867: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/20(木) 19:17:11 ID:kNC9uH3bo.

「佳く、来た」

玉座から、頭上に声を掛けられる。僕は首を上げず膝をついたまま、口を開いた。

「はっ。平天大聖が一子、紅孩児に御座いまする」

「うむ。頭を上げよ」

嗄れた、しかし通りの良い声が響く。

「…しからば。此度の謁見、元来ならば父、平天大聖が赴かねばならぬ処、此の様な若輩の身で代えた事、平に御容赦願います。……混世魔王様」

………混世魔王。坎源山(こんげんざん)に居を構える大妖怪。ウチのクソ親父と同じく『魔王』の名を持つ、バケモノだ。

「よい。大力王……いや、今は牛魔王と呼ばれているか。大所帯を束ねる身、身軽には動けぬであろう。王とは不自由なものよ」

黒い肌に、白い髪と髭。僕ら妖魔は見た目が老けてても実年齢は解らないけど、部屋全体を包む重い妖気が、かなり齡を重ねたそれだと確信させる。ま、この人父上より年上だって知ってるけどね僕。

「用件の前に、紅孩児。それは何の手土産だ?」

「……いえ、これは手土産ではなく、手打ち。無礼者は、混世魔王様の側近には相応しくないかと」

色々似合わないだらけだった男の首を、玉座に向かってゴロンと転がす。

「は、ははははは!おお、飛天か!試す相手を、見誤ったな貴様!ははははは!」

飛天って名前だったんだこの人。スゴいな名前まで似合わないよフルコンプだよ。

「気に入った!我が旗下に欲しい程よ!他家の跡継ぎであること、実に惜しい!」

………まあこうなるって思っててやってるんだけどさ。いや気に入らないでよ。部下殺されてるんだよ?僕だったら『なにしてくれてんのさ』って怒るトコだけどな。

親父もそうだけど、この『強いやつならなんでも好き好き』な感覚、わっかんないなぁ。

……とっとと終わらせよ。

「して、御用命は。我ら牛魔、盟友である貴方様の御為ならば、犬馬の労も厭いませぬ」

どうせシノギを分けろとかでしょ。若しくは露骨に銭の要求か。いつも親書でやり取りしてるのに呼びつけたトコを見ると、後者かな。
暴れてもらっても困るから、ある程度は聞き入れてあげないと……

「なに、主らに何か動いて貰おうと云う話ではないのだ。……ただ、邪魔をしてくれるな、と」

……ん?

「お話が、呑み込めませんが」

「………孫悟空を、殺そうと思うてな」

……呑む前に、話が変わってきたね。
868: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/20(木) 19:24:33 ID:JmqaZECoQM
「……この疵(きず)、幾百年経てども癒えず。腸は時に比して尚煮える」

皺だらけの手で両の眼を覆う魔王。……盲目っぽいね。飛天さんだかの首を見分けたのは、妖気の残り香を嗅いだか。

「光を失った事に怒りは無い。この疵は儂を強くした。……怒りを覚えるは、奴に、あの猿に恐怖した己よ」

出逢ってからの悟空の動向は、ストーカーばりに調べて知っている。その前の話か。なにこの人までやっつけちゃってたの悟空。さっすがあ。

「奴めは、主の父が義妹。主は奴の義姪になる。盟友の親族を手に掛ける事となるのだ。直接報告せねば、礼を失すると思うてな」

……まるで、もう殺したかのような言い方をする。うん、ムカつく。

「……御承知とは推しますが、今や孫悟空は、かの玄奘三蔵が一行。その弟子達の武名、天下に鳴り響いております。我ら牛魔も手を焼いた相手で御座います故、如何に混世魔王様と言えど、一筋縄では行きませぬかと」

さて、どう答えるか。

「………今の貴様らは、私腹を肥やす事しか考えぬ、単なる商人に成り下がったも同然。武において儂に意見する程度に無いわ。しかもその三蔵とやらと、共闘すらしたと聞く。下等な人間等と馴れ合うようになっては……」

薄ら笑いを浮かべて吐くその台詞を、ピーッという間抜けな機械音が遮った。

「…何の音だ?」

「ん?小型の録音装置。なんと通信機能まで付いてる優れものだよ……って、そっちが主か。牛魔傘下、摩雲カンパニーの技術力は大陸一ってねー。……あー、テステス。虎力さんどーぞー?」

眉間を歪ませた混世魔王を無視して、返信を待つ。もう敬語も良いや。
869: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/20(木) 19:26:28 ID:JmqaZECoQM
『ふわぁい、こちら虎力。あによ』

……寝てたな。

「予定大幅へんこーう。ココ潰すからさ、城、占領しちゃって?」

途端、『はぁ!?ふざけんな!』だの『聞いてない!』だのと大音量の怒声を浴びる。寝起きで元気だこと。

「怒んないでよ虎力さん。……牛魔が虚仮にされた。幹部連を黙らせる為に言質もとったよ。やらないと、流儀に反する」

少し間をおいて、ムスッとした了解の返事と溜め息が返ってきた。なんやかんや言っても忠臣なんだよね。彼女のそーゆーとこ、好きだな。

「……さてと」

通信機を懐に仕舞い、玉座に視線を向ける。

「声調を変えて気付いたぞ。うつけ牛の子は、娘であったか」

ふふん、動じないか。妖気に揺らぎも感じられない。てゆーか声でも男に間違われるのか僕。どんだけ。

「…占領部隊より先に終わらせたいからね、とっとと死んでもらうよ。座ったまんまで良いの?おじいちゃん」

「…………嘗めるなよ、小娘」

ごう、と音を立て、圧に押される。

押し返す。

「……ほう」

「嘗めてるのは、そっち。牛魔が流儀において、お命頂戴仕っちゃうよ?」



拝啓、愛しの悟空。

君のせいで、今日のこーちゃんのお仕事は魔王討伐です。
870: 名無しさん@読者の声:2014/11/20(木) 20:46:59 ID:pmZEHZJ8Ik
め、珍しくこーちゃんがかっこいい…
871: 名無しさん@読者の声:2014/11/21(金) 01:43:23 ID:.5uph4r0TI
こーちゃんの魔王討伐はっじまーるよー!
872: ヨシュア【ファンブックおまけラノベみたいな・中編】 ◆.frSdr10QQ:2014/11/24(月) 20:17:48 ID:cD0UJg150s
たん、と後ろへ跳ぶ。取り敢えず遠距離で様子見しますか。僕は慎重さが売りだしね。

「どう殺すね、小娘」

「そうだね……じゃあ小娘らしく、女の子っぽい技から出そうかな?」

愛槍、火炎槍の切っ先を下に。そして円を描くように、石畳の床を斬りつける。

刃より散った火花が、消えずに空中を漂う。

「炎術・花火弁(はなびら)」

僕の周りを舞う火花達が、その姿を楕円に変え、未だ立ち上がりもしない魔王に襲いかかる。

「焔の花唇……か。視えぬが、げに美しき花なのであろう」

よし余裕ぶっこいて避けない。花火弁は火花を『楕円の刃』に変える術。魔王だろうと冥王だろうと、細切れになっちゃえば終わりだね。

「しかし、脆弱」

数にして五十はあるであろう炎の円刃は、音もなく全て、奴の身体に、皮膚に刺さった。

……肉には届かずに。

「……おじいちゃん、体硬いねぇ」

「この図体で、乙女の柔肌であったら滑稽であろ。……風と音から察するに、長物を扱うか。ふむ」

お、立ってくれるみたいだ。ま、油断されっぱなしもあんまり気持ちの良いもんじゃ無し……って、うわ。背ぇ高っ。僕の三倍はあるんじゃない?

「刃を交えてみたい。近う」

「嫌だね」

どこに隠していたのか、刀身だけで僕の身長を悠に超える柳葉刀を携える魔王。あんなのとチャンバラは……まだ、御免被るね。

「もう少し、僕の火遊びに付き合ってもらうよ」

「不良娘の素行を正すも、爺の役目か」

…人をどっかのガングロみたいに言わないで欲しいんだけど。
873: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/24(月) 20:19:11 ID:cD0UJg150s
「煙燻らせ、螺旋と成し」

火炎槍の先に炎を灯し、白煙を渦巻かせ。

「尖る螺旋、羽虫を穿つ」

ドリル状になった火煙を、槍先より放つ。

「炎術・火槍火(かやりび)」

さっきは質より量、今度は量より質の攻撃。さあ、どう迎え討……

「憤っ!!!」

空気を揺さぶる程の大喝は、火煙の槍を霧散させた………って、うええええ?気合いで……いや、額に当たってる!頑丈にも程があるでしょ?

「……ほほう、中々の威力。痛みを感じたのは、実に久方ぶりだ」

額に出来た小さな小さな傷を擦り、魔王が嘯く。

「火遊びとやらは、もう打ち止めか?」

「まさか。まだまだアップの段階だよ」

互いに、にやりと口角を上げる。真似すんな。

「炎術・火斬亡(ひきりなし)」

「懲りもせず、また焔か」

炎の斬撃を弾き飛ばし、眼前に魔王が迫る。

「一太刀にて、斃(くたば)ってくれるなよ」

「勿論。喰らわないからね」

図体の割に疾いけど、見切れない程じゃない。振り下ろさされる刀を躱し、燃える切っ先を喉元に突き立てる。

「迷わず急所か。好ましい」

金属音が響く。……ふざけてるね。硬いとかのレベルじゃない。

「…なに?鉄か何かで出来てるのかな、その身体は」

石床に斬り刺さった刀を、ゆっくりと抜く魔王に、再び距離を取りつつ訪ねる。
874: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/24(月) 20:21:52 ID:cD0UJg150s
「鉄如きならば、貫けぬ貴様ではあるまい。両の眼を潰され、得た力が此の頑強よ。如何に気配を読もうと、聴覚を研ぎ澄ませようと。視覚に勝ろう筈も無し。敵の攻め手、全ては読めぬ」

…その通りだ。人間ならいざ知らず、元々感覚全般に優れる僕ら妖魔にとって、視覚を排除して得られる利なんて少ない。

「故に儂は、あの猿めが姿を隠してからの五百年。その全てをこの躯の強化に努めた……」

明らかな殺意が飛んできた。思うより先に、僕の身体が『避けろ』とアラームを鳴らす。

「二度と、もう二度と恐怖を感じぬ為に!」

「……っ!!!」






ガラガラと壁石が崩れ落ちる。これだけの衝撃で倒壊しないって事は、古そうに見えて、ちゃんと防御呪を施してあるんだね。

「大した身の熟しだ。焔に頼るばかりの木偶では無かったか」

斬撃は、避けた。二の手から繰り出された拳も、避けた。

…ほんの肩先に掠っただけで、これか。これが、魔王か。

「高が小娘とは言え、惜しいな……殺すには、惜しい」

炎も、刃も通さない身体。全身が凶器。これが、魔王か。

「妾として、飼うてやろうか。くく、それもいい」

軽口を叩きつつも、凍えそうな殺気を止まず放出し続ける、これが。


石床が、チリ、と音を立てる。


「……なんだ、この熱は」

炎の刃にも、燃える切っ先にも怯まなかった魔王が、初めてその顔を強張らせた。

「………こんなものが、魔王か」

異様な熱気を孕んだ、たかが小娘の一睨に。
875: 名無しさん@読者の声:2014/11/25(火) 00:49:21 ID:unmLT9hqu.
C!

本筋読み終わったばっかりでサイドストーリー今追ってますが三蔵一行とか描いても宜しいでしょうか?
876: ヨシュア【ファンブックおまけラノベみたいな・後編】 ◆.frSdr10QQ:2014/11/27(木) 19:20:52 ID:fr1T4ByreU
「……ずあぁあっ!!」

僕が呟くや否や、刀を構え飛び込んでくる魔王。間違ってはいない。不可解な現象に対し、冷静に対処……と言えば聞こえは良いが、一旦間を置くのは凡夫のそれだ。賢者ならば、後手を取る前に動くべき。だけど。

ひび割れた壁を背に座り込んだまま、魔王の柳葉刀を火炎槍で受け止める。ぶつかる刃の音は、部屋中に。

響かない。

「……っ!!?」

盲目の魔王には、何が起きたかが解らない。刀が軽い。折られた?いや、合する手応えすら無かった。

「……刀身を…斬られた…?」

ギィン、と、断たれた刃先が床へと落ちる。

「摂氏千度、青銅を熔かし」

ゆっくりと起き上がる僕に、魔王が後ずさる。

「摂氏二千度、白金を熔かす」

否。僕は刀身を斬ってなどいない。この火炎槍が刃に触れたなまくら刀が、勝手に『熔けた』だけのこと。まるでアイスクリームのように。

「摂氏五千度、およそ下界で熔かせぬ金鉄無し」

槍先を掠めた石床が、ドロリと熔け消える。

「三昧真火・裏奥義。聖嬰火炎槍(せいえいかえんそう)。この躯の中に燃える真火、その熱を全て槍先に。…最高値は、摂氏二万度だよ」

炎そのものである宝槍、火炎槍だからこそ出来る術。と言うか僕は、この槍を介してしか炎を使えない。

「……三昧真火………忌術中の忌術……!!」

そう、狂う程の苦痛に耐え得た、忌まわしき炎。呪われた炎。火炎槍というフィルターを通さずして体外に出そうとすれば、消し炭となるのは、僕のこの肉体だろう。

「君が五百年、悟空に『殺されないよう』、鍛えている間」

紅の刃を、宙に泳がせる。

「僕は五百年、悟空と『殺し合えるよう』、強さを求めた」

愛しの女性を、脳裏に映す。

「恐怖なんかで強くなれるワケ無いでしょ。人はね、愛で強くなるんだよ」

「ぬ……ぐああぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」

果たして、僕の愛は。

魔王の咆哮を掻き消し、その心臓を貫き熔かした。
877: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/27(木) 19:23:54 ID:fr1T4ByreU




「………ガフッ……はぁ……はぁ……」

……生きてるか。術で気血を巡らせてるのかな、しぶといコトで。

「たかが小娘に負ける気分はどう?臆病な魔王様?」

魔王の肌が真黒から浅い灰色へと変わっている。成程、身体の異常硬化は、妖力に因ったものか。

「………よもや……今生で、二度も…敗れよう……とは……」

二度、か。一度目は悟空に。二度目は、悟空に植え付けられた恐怖に敗けた、ってところだね。やーい二連敗。

「……牛魔の跡目……この混世を降したのだ………今日にでも、好きに魔王を名乗るが良い……」

……魔王、ねえ。

「僕に流れる半分は、言うまでもなく魔王の血だけども」

くるりと、玉座に背を向け。

「もう半分は、悪鬼羅刹の血。ちなみにどちらかと言えば、母親似だしね」

振り向かず、扉へと進み。

「……精々が、『悪魔』くらいじゃない?僕は」

静かに、広間を後にした。壊れた玩具に用は無い。


「………殺さぬ、か。…………く、くく……甘い悪魔も居たものよ……」






「おつかれ」

中央階段を降りたところで、虎力さんに声を掛けられる。制圧早いなあ。強くなったね。

「うん、ご苦労様。あれ、みんなは?」

数人の兵しか連れてない。え、何もう定時でほとんど帰っちゃった?

「羊力は投降兵の処理。鹿力は、相手がちょっと強かったからね。タイマン後のお昼寝」

なーる。ほぼ降参したわけだ、人望あんま無いのね、魔王さん。
878: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/27(木) 19:25:28 ID:fr1T4ByreU
「で?ボスは殺ったの?」

「ん〜………あ、そこのキミ、新人?」

真新しい鎧を着けた、まだ子供みたいな兵士に声をかける。

「は、はっ!今回が初陣で御座います!若君様!」

やー、初々しいね。まあそのうち先輩連中に毒されて、酒と女とギャンブル漬けのロクデナシになっちゃうんだろけど。

「…この階段を登って、真っ直ぐ廊下を進むとね、突き当たりに広間があるんだよ。そこで大柄なおじいちゃんが寝てるからさ。その首、刎ねてきちゃって?」

「ちょっ!紅孩児、はぁ!?」

新人君が、僕の命令より虎力さんの大声にビクッとした。結構部下には厳しいらしいからねー。
手をヒラヒラさせ、そんな彼女を宥める。

「初陣の記念だよ。大将首、あげる」

「は、ははぁっ!畏れ多くも謹んでっっ!」

拝礼し、キビキビした動きで階段を駆け上る新人君。うーん、100点満点だね。

「……アンタ………」

「大丈夫大丈夫、ホントに死にかけの瀕死状態だから。なにもしかして彼、虎力さんのお気に入り?浮気しないでよぉ」

呆れた顔も可愛いなあ、虎力さん。

「そうじゃなくて……アンタ性格悪過ぎ。なんで自分でカタつけないのよ」

えーとね、それはね。

「……敗けて満足、みたいな顔されて、ムカついたんだもん。怨まれないと、殺り甲斐、無いじゃない?」

「……本音は?」

「なんとなく♪」

ふふ、敵わないな虎力さんには。
879: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/27(木) 19:31:49 ID:fr1T4ByreU
「うわぁヒドっ。悪魔か。……たまに、牛魔王様より、奥方様より。アンタのがよっぽど怖い時があるわ、紅孩……」

ポフッと、虎力さんの胸に埋まる。やわらかい。

「……なに?セクハラ?訴えるべき?」

…裏奥義は、実は滅茶苦茶疲れるんだよね。僕も、体力的には、瀕死も良いとこ……

「…今回だけ……許してよ……」

眠い。あ、ダメだ。

「……少しだけね」

やさしいなあ。……おやすみなさい。

「……まったく。寝顔だけは私より幼いクセに」

「……んぅ………ごくう……」

「……私の名前を呟かれてもキモいけど、胸貸しといてコレはなんかムカつく」


……ねぇ、悟空。
880: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/27(木) 19:33:30 ID:fr1T4ByreU

……僕はきっと、君みたいに変われないけど。

……この流れる血は、ずっと、ドス黒い悪の色だけど。

……きっと君は、『変わらなくて良いんじゃない?』って言ってくれるから。

変わらず、ずっと。愛してるよ。悟空。



敬具。



〜The Devil's Blood〜










「ところでさ紅孩児。録音の内容聴いたけど、あの魔王って孫悟空のヤツ狙ってたんでしょ?」

「うん?そうだよ虎力さん」

「任せちゃえば良かったじゃないそれこそ。城も留守を襲ったほうがアタシらも楽だったのに」

「あー……まあ、それも考えたんだけどね……うまくすれば悟空と一緒に戦えたかもしんないし」

「なんでそうしなかったの?また何となく?」

「……いや、ほら、あれじゃん」

「?」

「あーゆー大物と悟空達が戦り合うと、高確率で僕がオチにされるじゃん!もうアレ嫌だ!」

「え、狙ってやってるのかと」

「ねぇ僕を芸人かなんかだと勘違いしてない!?跡継ぎ!キミの主君の跡継ぎ!ねえ訊いてる?ねえってば虎力さぁん!」


〜fin〜
881: 名無しさん@読者の声:2014/11/27(木) 22:32:06 ID:vJ5YwfnO9A
こーちゃんかっこよかったよ!今回だけは!
882: 名無しさん@読者の声:2014/12/1(月) 21:43:35 ID:HzljYieRmg
やっぱり最後はこんな扱いwww
883: ヨシュア【ドラマCDそのに・上巻】 ◆.frSdr10QQ:2014/12/5(金) 17:09:31 ID:hfmaEtNMU6
観音「孫行者、お茶のおかわりとか如何ですっ?」

悟空「……あ、じゃあ。ハチミツたっぷりで。あとケーキ、まだあります?」

観音「ありますあります!沙和尚と猪八戒も、もうひとつどうですか?中々美味しかったでしょう、けっこう行列とか出来ちゃうお店のケーキなんですからっ」

沙悟浄「……えっと。や、アタイはもう良いよ」

八戒「ワシもじゃ。余っとるなら姉者にくれてやれい」

観音「は、はいっ。じゃ、じゃあ孫行者、ちょっと待っててくださいねっ」


八戒「なんじゃあの挙動不審者は。呼びつけておいて、一向に用件を言わんし………ほ?どうした二人とも、ワシの顔に何ぞ付いとるか?」

悟空「…いや、あの……なんか八戒ちゃん、そんな優雅ってゆーか、上品な感じでお茶飲めるんだね……と」

沙悟浄「カップとかスプーンとかの音、ぜんっぜん出さないじゃないのさ……え、なに?お嬢様なのかい?」

八戒「ほほ、そりゃあヤクザ上がりの暴れん坊や武骨一辺倒の元近衛と、文武両道のワシとでは品格が違うと言うものじゃ。将軍職と言うのはな、戦と調練だけしとればエエ訳では無いからの?皇族貴人の相手もせねばならぬ、このくらいの作法、嫌でも身に付くわい」

悟空「でもそんな八戒ちゃんなんか違うよぉ……イスの上でもあぐら座りで、ふんぞり返ってるのが八戒ちゃんだよぅ……」

沙悟浄「そうだよカモミールティーに苺のムースとか似合わないよ。一升瓶にイカの一夜干しが八戒姐さんだよ」

八戒「確かにワシもそう思うがそれはそれとして、よしケンカじゃな?」

観音「け、喧嘩は止めてくださいっ!…猪八戒は、天部に居た頃も礼節正しく厳格でしたよ?………表向きは。うん、表向きは」

八戒「何か言いたいコトがあるならハッキリ言えい」

観音「あ、いえ、別にそんなつもりはっ」

八戒「違うわい。ワシらに何の用じゃ、と訊いておる」

沙悟浄「しかも旦那様とシャオは外させて、とかどーゆーつもりだい。夫婦を引き離しといて……下らない話だったら承知しないよ!」

悟空「どうどう悟浄ちゃん、眉間の寄り方がスケバンになってるスケバンになってる」

観音「……………なんとなく……殿方には、相談しづらいと言うか……その、ですね………なんですかね、ええと……」

悟空「……観音さま」

観音「えっあっ、な、なんですかっ?」

悟空「とりあえず持ってきたケーキ、テーブルに置いてくださいよ」

観音「今更ですけど私、完っ全に敬われてませんねもう!」
884: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/5(金) 17:10:28 ID:hfmaEtNMU6
〜西遊雑談・ある昼下がりの一幕〜


八戒「なんと」

沙悟浄「木叉のヤツが」

悟空「浮気!?」

観音「ち、違うんですまだわかんないんです!もちろん私はもっく……彼を信じてますけどですね、その」

八戒「いつかやらかすとは思うとったが、まあ持った方かの?」

沙悟浄「浮気顔してるもんねぇ。あーヤダヤダ」

悟空「これだから男は」

観音「だから確定じゃないんですって!」

八戒「そもそも彼奴はアレじゃよな、惚れた女には一途、みたいな風を装ってはおるが」

沙悟浄「そうそう、チャラチャラしてる様に見えて、その実……と思わせといて」

悟空「実際チャラチャラしてるんだよね。『恋人に一途』なんじゃなくて、『そんな一途な自分』が好きなタイプだよね」

観音「その恋人の目の前でなんでそこまで言えるんです貴女達!?」

沙悟浄「だってヨソで女作られたんだろう?ヒドイ話じゃないのさ。あんな舌先ばっかの男…」

観音「やめて!もっくんのコト悪く言わないで!」

悟空「あ、彼女モードになった」

八戒「……それよりもお主、なんでそんな相談をワシらにする?」

悟空「そうだよね。八戒ちゃんはともかく、私や悟浄ちゃんなんて自慢じゃないけど、恋愛経験うっすいですよ?」

沙悟浄「アタイは初恋の……いや最初で最後の恋の最中だけどねぇムフフ……と、確かに人選がアレだねぇ。もしかして観音さん……」

八戒「友達おらんのか?」

沙悟浄「友達居ないのかい?」

悟空「友達いないの?」

観音「やめて!私のコトも悪く言わないでしかも一人ずつ!」
885: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/5(金) 17:12:06 ID:hfmaEtNMU6
沙悟浄「で、何があったん だい詳しく言ってみな」

観音「その……最近………ちゅ、ちゅーする時とか、なんかもっくん、上の空な気がして……」

八戒「さて帰るか」

悟空「ごちそうさまでしたー」

沙悟浄「お、上手いね姐さん。お茶もノロケも、ってコトだね?」

観音「うわぁん帰らないで!違うんですそうじゃないんですホントに何か変なんです!待ってくださいってばぁ!」

悟空「わひゃっ!?しっぽ引っ張んないで!えっち!」

八戒「いつも思うが、姉者の中で『尻尾に触れられる』というのは、どの程度のセクハラにあたるんじゃ?」

悟空「……おっぱい揉まれるよりちょい上?」

八戒「セクハラどころか前戯レベルじゃったか」

沙悟浄「……ん?そう言えば旦那様って、輪っか無くなってから姐さんのシッポばっか握ってるよね………悟空姐さん……アタイの旦那様になんてこと……!」

悟空「えぇぇぇえ、されてる側だよ私!?え、なに悟浄ちゃんは夫が痴漢したら触られた女性に怒るの!?」

沙悟浄「別に怒らないよ。ぶっ殺すけど」

八戒「なるほどこれがヤンデレか」

悟空「ちがうよそれもう単なる殺人鬼だよ…」

観音「ねぇですから喋りながら玄関に向かわないで!話を、話を聞いてくださいって!」

悟空「ひうぅ観音さまこそ話聞いて!しっぽやめてっつってんじゃん!」

観音「他にも色々あるんですっ!雑誌に載ってるアイドルの絵姿見て『可愛い』とか言ったり、帰りが遅くなるのに連絡してこなかったり、なんか女性が居そうなお店のライター隠してたりっ!」

八戒「……じゃからどうした、としか言えん内容じゃの」

観音「そんなこと無いですっ!ねぇ沙和尚、貴女ならわかるでしょう!?なんか、なんか、別の女の人の影を感じるって言うか、心配になるでしょう!?私どうしたらっ!」

沙悟浄「だから近付く女はみんな殺しちゃえば良いんだよ。これで安心さね」

観音「観世音菩薩に人殺しを勧めないでください!!」

悟空「いやまず観世音菩薩が男の相談してる時点で」

八戒「ぶっちぎりでアウトじゃな」

観音「もうそこは目を瞑ってください!」
886: ヨシュア【ドラマCDそのに・中巻】 ◆.frSdr10QQ:2014/12/8(月) 01:06:48 ID:rVyi/DLuEc
観音「……それでですね、お仕事してるとこ覗いたら、部下の女の子に上奏文の書き方かなんか教えてたんですよ!肩とか触れそうなくらい近くで!」

八戒「まだあるんかい……そりゃ近くで見てやらんと教えられんじゃろ……」

観音「しかもお昼なんて、たくさんの部下さんに囲まれて食べてたんですよ!その女の子も居ました!私の作ったお弁当を、あの子と、あの子と私のお弁当をっ!」

沙悟浄「気持ちはわからないでは無いけど、じゃあアンタは彼氏にぼっち飯させたいのかい?」

観音「あやしいんです!あやしいんですよぉ!でも何を訊いても『なんもあらへんよ』って誤魔化すし!きっと、きっと言えないようなコトが」

悟空「………ねぇ観音さま?」

観音「それにそれに……へ?」

悟空「最初は木叉くんを信じてる、って言ってたのに、もう完全に疑ってますよね」

観音「……えう。だ、だって」

悟空「なんか聞いてると、観音さま本人が、木叉くんが浮気したことにしたがってるよーに聞こえますよ?なんなの?浮気しててほしいの?ほしくないの?」

観音「………う」

八戒「ほ。姉者はこう稀に、核心を突くのう」

沙悟浄「悟空姐さんの言う通りだね。この感じじゃ、『じゃあ浮気してるんだろね』って結論しか出せないよ」

観音「……だって、だってだって……!」

悟空「だってじゃないですよ。そんなん木叉くんを信じてあげるか、さっきの悟浄ちゃんの冗談みたいに」

沙悟浄「近寄る女ぜーんぶ、ぶっ殺すくらいしか解決策が無いさね」

観音「だ、だ、だ………うぇっ…!」

八戒「……ん。姉者、悟浄、そのへんにしておいてやれい」

観音「うぇぇぇぇぇん…!」

悟空「泣いちゃったよめんどくさっ」

沙悟浄「泣けば良いとか餓鬼かい情けない」

観音「うええええええん!」

八戒「そのへんにしておいてやれと言うに」
887: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/8(月) 01:08:43 ID:rVyi/DLuEc
観音「う、うう、だ、だって、もっくん、カッコ、いいから……!うぇ、わた、私、沙和尚みたいに、美人じゃない、し」

沙悟浄「な、なんだいやめとくれよ」

観音「ひっく……ちょ、猪八戒みたいに、可愛くも、ないしっ」

八戒「ほっ。なんか久々に容姿を褒められたのう」

観音「孫行者みたいにっ、おっぱい大きくないしっ!」

悟空「私だけ顔関連じゃ無いのがとてもやるせない」

観音「私なんて、私なんて、きっと、きっと、もっくんに、捨てられちゃうんです!うえ、うえええええ…!」

悟空「ちょっと観音さま、どうしたの酔ってんの?」

八戒「これ姉者、そこじゃと危ないぞ」

悟空「へ?危ないって、な」

木叉「のぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっっ!!!」

悟空「にがふっ!?」

木叉「ボクが、ボクがのんのコト捨てるわけあらへん!のんはボクの宝や!命や!全てや!」

観音「も、もっくん……!?」

沙悟浄「……気配わかんなかったよ。見てたのかい」

八戒「ワシも潜んどる事に気付いたのは、今さっきじゃ。現天部筆頭・木叉が力、やはり侮れんの」

観音「も、もっくん、苦し」

木叉「あ、ああスマン、でもやなのん!のんは美人や!そこのヤンキーとは比べるまでもないわ目つき悪いだけや恐いだけや見た目ドMホイホイのクセして純情処女とか表紙サギやでこんなん!」

沙悟浄「さぎっ!?」

木叉「腹黒幼女とももう格が違うわ!のんのがずっとずっと可愛い!こんなんアレやナリだけは可愛く作ってある劇の人形や!張りぼての下で操っとるんはハゲでメタボでキッタナいハゲたオッサンや!」

八戒「なんでハゲ二回言うたお主」

木叉「えっとそんでそこのは毛が生えた肉まんや」

悟空「短っ!人のこと体当たりでスッ飛ばしといて短くない!?」
888: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/8(月) 01:10:17 ID:rVyi/DLuEc
観音「もっくん……だ、だって、わらし、ふあ、不安で…!うぇぇえ……!」

木叉「のん……!」

沙悟浄「いやいやいや。ラブってるとこ悪いけどそこの彼氏。あんだけ露骨にケンカ売っといてスルーしてもらえると思ってんのかい?あぁん?」

悟空「そうだよ!どうせ私になら何言っても良いとか思ってるでしょそんなん通らないよ!」

木叉「そっちかてボクのことさんざ言うてたやんけ!お互い様や!」

八戒「……ま、道理じゃの。姉者も悟浄も、矛を引っ込めい」

沙悟浄「どしたんだい姐さん、ノリが悪いよ?眠いのかい?」

悟空「今日ちょっとテンション低くない八戒ちゃん?」

八戒「や、別にノリもテンションも平常なんじゃが………ワシには事情が読めとるからのう」

悟空「事情?」

八戒「うむ。この男が浮気しとるかは……まあ、定かでは無いが。今回、観世音がこうも荒れとるのは」

観音「……っ!ご、ごめんなさ、ちょ、ちょっと気分が……うぉえっ……」

木叉「の、のんっ!?」

八戒「ほ、タイミングの良いことじゃ。……おめでた、じゃな」

観音「……ふぇ?」

八戒「心身ともに不安定となり、普段は気にせぬ事にも苛つき、癇癪を起こすようになる。ようある妊娠の初期症状じゃ。悪阻(つわり)も初めてでは無かろ。体調不良もイライラに拍車をかけるでのう」

観音「に……」

一同「妊娠んんんんんんんんんん!!?」

八戒「これ、煩いぞ皆。身重の女が居るんじゃ、気を使ってやれい。木叉、お主も父となるのじゃぞ。チャラチャラも程々にせんとのう?」

木叉「ボ、ボクと……のんの……こども……!」

観音「あ、赤ちゃん……うわ、うわああ……!」

沙悟浄「……ちぇ。頭のおめでたい話かと思ったら、本当に目出度い話だったじゃないのさ。毒気抜いてくれるねぇ、全く」

悟空「ここまで幸せムード出されちゃ、空気読んでおめでとうしか言えないもんね。でも八戒ちゃん、なんで妊娠中のコトそんな詳しいの?」

沙悟浄「将軍やってた頃に、子を授かった部下でも居たのかい?」

八戒「いや、前に腹ボテプレイにハマった時期が」

悟空「はい幸せな空気を切り裂くのやめて!」
889: ヨシュア【ドラマCDそのに・下巻】 ◆.frSdr10QQ:2014/12/11(木) 12:52:20 ID:o/vrnjEwsE
沙悟浄「へぇえ、この中に赤ん坊がねぇ……シャオの時と違って、やっぱなんか神秘的だね」

観音「……お母さんに、なるんですね……ど、どうしましょう……!」

木叉「えと、えと、産休や!産休の申請せな!産休てオトコも取ってエエんやったよな確か!いつから取ろ、明日から!?明日からがエエかな!?」

沙悟浄「いやアンタ、如来代理と天部のトップが一緒に休んだらマズいんじゃないのかい?」

木叉「あ、のんに近付かんといてくれます?お腹の子ぉにヤンキーが伝染ってまう胎教に悪い。しっしっ」

沙悟浄「ゴメンよ観音さん、ちょっとその子の父親亡くなっちまうけど、女手ひとつで頑張っとくれ」

木叉「ほっほぉ今のテンションがおかしくなっとるボクに刃を向けます?よっしゃよぉく見とくんやで我が子!キミのオトンがメッチャ強いってこと教えたるでぇ!」

観音「なんで喧嘩になるんですか!やめて!」



悟空「……おかあさん、かぁ。どんな感じなんだろね。八戒ちゃんのお母さんって、どんな人だった?」

八戒「…むう、遠い昔過ぎてのう。と言うかワシは転生しとるからな、今の母親はブタになるんじゃないのかの?それじゃと、ワシが身体に宿ると同時に爆散して肉片になってしまったでの、残念ながらどんな母親だったかは……」

悟空「うんごめん、八戒ちゃんになんか暖かいエピソードを求めたのが間違いだった。エロかグロしか出やしないのなんて知ってたのに」

八戒「そう言う姉者の母親はどうなんじゃ」

悟空「え、岩だけど」

八戒「うむ知っとる。ここ二人が母を語る事そのものが間違いじゃったな」

観音「なんか微妙に悲しい話してないで、もっくんと沙和尚を止めてくださいっ!本当に三蔵法師は、貴女たちにどんな教えを………ん?三蔵法師……?はっ!も、もっくん!もっくんてばっ!」

木叉「父の力をその刀身に、唸れ七星剣……ってうおお危ないでのん!大事な身体なんやから、ほらこっち座って」

のん「あぅんもっくん優しい……じゃなくて!貴方は孫行者たちがここにいる間、三蔵法師を護衛してくれてるハズでしょう!?」

木叉「う」

沙悟浄「はあ!?護衛つけるって言ってたけどコイツなのかい!?天部どんだけ人手不足なのさ!?」

木叉「あー、いや、軍部に頼むとナタにバレるやん?龍神君目当てでまた暴走しかねんなぁと思て、その、ボクがな?」

八戒「まあその小龍が居るからの、師匠殿の心配は別に無いが……いくら彼女がなんの話をしとるか気になるとは言え、己が責務を放っぽり出すとは……」

悟空「無責任な父親かぁ」

木叉「い、言いがかりや!ちゃんと代役立ててきたわい!……民間やけど」

観音「……民間?」
890: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/11(木) 12:52:51 ID:o/vrnjEwsE



三蔵「……ものすごく、美味いな」

小龍「……はい。ものすごく」

鹿力大仙「どんどん食えよおめーら!まだまだ材料あっからよ!…っと、そろそろ饅頭が蒸し上がるかなっと」

三蔵「こんな美味い麻婆茄子、はじめて食ったぞ。高級料理とはまた違う、家庭料理を極限まで高めた『何か』だコレは……!」

小龍「…私も料理をしますが、何をどうすればこんな旨味が出るのか……!辛いのに、優しい……!」

三蔵「やべえご飯が止まらねえ。……あの、羊さんも一緒に食べません?そんな隅で突っ立ってなくても」

羊力大仙「気遣い無用。我等は貴殿の護衛として派遣されているである。就寝中、閨事中、そして食事中の襲われ易きは基本である。注意を怠る我が輩ではない」

三蔵「まあまあ、小龍も居るしそんな気張らなくても」

羊力大仙「龍神殿より武に劣る我等では不安も当然であろうが、安心召されよ。宿の周囲、町の各所ともに私兵を配置しているである。何かあればすぐに対応する故、気にせず食事を続けられい」

三蔵「いや別にそんなこと訊いてない」

虎力大仙「ただいまー。あ、良い匂い。鹿力なに麻婆?アタシにもちょーだーい」

鹿力「おーう。あんだオメェ、どこで遊んでたんだ?」

虎力大仙「遊んで無いわよ、仕事よシ、ゴ、ト。はい三蔵法師、これ」

三蔵「……なにこれ。……え、なにこのお金」
891: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/11(木) 12:53:28 ID:o/vrnjEwsE
虎力大仙「何って……アンタらって、あっちこっちで賊だのをやっつけて、その謝礼で食べてんでしょ?ここらの領主んとこ行ったら、近くで山賊団が暴れてるって言うから、潰して来たのよ。で、その礼金」

三蔵「えっ……え?」

虎力大仙「あによ怪訝な顔して。天部の依頼とは言え、受けたからにはちゃんとアイツらの代役はこなすわよ。あーでもアレね、山賊どもが貯め込んでたお宝は、ウチで接収させて貰ったから。鹿力、羊力、臨時ボーナスよ臨時ボーナス♪」

羊力大仙「では虎力、きちんと報告書に、その接収金もまとめ……なくて良いであるな。その方が兵達にも多く渡るであろうし」

鹿力大仙「ここの宿、なかなか台所が充実してて捗るぜぇ。あ、カネ入ったんならよ、俺新しい石窯欲しいんだけど」

虎力大仙「良いわよー、美味しいの作ってくれるなら。てゆーかアタシの麻婆茄子はやくっ」

三蔵「………なあ、小龍」

小龍「………なんでしょうか」

三蔵「………三バカ……いや、三大仙さん達ってさあ……ウチの……」

小龍「………先生、それ以上は」

鹿力「よっしゃ海老饅頭、出来上がったぜ!羊力、これなら立ったまま食えんだろ?ほらよっ」

羊力大仙「とっ、と、熱つつ……!鹿力、食い物を投げるでない。おお、そうだ虎力、わかってるとは思うであるが、今回は玉面様経由の依頼だ、報告書に不備は残すなよ。あの御方は細かいであるからして」

虎力大仙「はいはい了解了解、細かいのはアンタも同じよ。それよりマーボー!朝からロクに食べてないんだからアタシ!」

鹿力「ちっと待ってろっての。おっし虎力は花椒少なめで、っと」

三蔵「………ウチの三姉妹より、よっっっぽどしっかりした大人だな……」

小龍「……くっ」
892: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/11(木) 12:54:09 ID:o/vrnjEwsE




悟空「えー!?鹿くんの麻婆茄子とかズルい!この前作ってもらう約束したの私なのに!」

三蔵「また機会があんだろ、なにもそんな大声で言わんでも。お前その食い気モジャモジャなんとかしろよ」

八戒「ほほ、食い気ならぬ食い毛、か。斉天大聖より、よほど妖怪っぽい呼称じゃの」

悟空「やだよそんなザコっぽい名前」

小龍「…それにしても、あの二人に子供、ですか。なんと言うか……」

三蔵「天帝って人を除けば一番偉いんだろあの二人。そこがデキちゃった結婚とか大丈夫かよ天界」

沙悟浄「んふふぅ♪ほぼ一日振りの旦那様ぁ……♪すりすりすりすり………えっ。ダメなのかいデキ婚?どうしようアタイと旦那様にはもう悟空姐さんが」

悟空「私は悟浄ちゃんから産まれてません!」

八戒「しかしどう贔屓目に見ても、木叉もガキじゃし観世音も世間知らずの小娘じゃ。しっかりと親をやれるかどうか」

沙悟浄「ガキがガキ作っちまった、ってヤツだねぇ。んふふぅ旦那様ぁ、悟空姐さんの弟か妹は、ちゃんと計画的に作ろうねぇ♪」

悟空「はい同じネタを繰り返さないの。でもちっちゃい子供が居たら、こーゆー旅とか難しいよねー」

三蔵「…………」

小龍「…………」

悟空「んぅ?なにどしたの二人とも」

八戒「なんじゃ、今回は何のジト目かわからんぞ。小龍まで」

沙悟浄「すりすりすり……え、なになに?」

三蔵「……子供はお前らだろ」

小龍「……皆さんこそ、もっとしっかりしましょうね」

三姉妹「?」






劇終。
893: 名無しさん@読者の声:2014/12/11(木) 21:08:23 ID:SGh4tmqVCM
ヨシュアさん今回も新作ありがとう!
そして食い気モジャモジャという言葉の謎のセンス
894: 名無しさん@読者の声:2014/12/15(月) 08:16:09 ID:lnDs.6DFoU
観音様の観音様から新しい命が生まれるとはめでたいめでたい
895: 名無しさん@読者の声:2014/12/18(木) 23:00:10 ID:keSpzPPFso
観音様の赤ちゃんが観音の観音様を観音開きして出てくるんだな・・・
896: ヨシュア【年末TVスペシャル特番】 ◆.frSdr10QQ:2014/12/19(金) 17:34:18 ID:BME.DcoF6E

ー西国の更に西、森の道ー


女騎士「はぁっ……はぁっ……!」

怪物「ゲヘヘヘ……!」

女騎士「ちっ……!不意を突かれなければ、こんな奴になど…!」

怪物「観念シヤガレ、オンナァァァア!」

女騎士「よ、寄るな汚らわしいっ!」

怪物「ゲヘ、ゲヒャヒャヒャヒャァァアッッ!!」

女騎士「くっ……!!」

悟空「伸びて如意棒ーっ!」 

ドガァァァァァンッッ!!

怪物「グギャッ…!!?」

女騎士「……へ?」

悟空「よしっ」

沙悟浄「おや、ドテッ腹貫けなかったかい。意外と硬いんだねぇ、ここらの賊は」

小龍「…頭ならば、グチャッといけたのでは」

三蔵「会話がグロいっつーの。ん、なんだ八戒、不満そーな顔して」

八戒「ううむ………ちと助けるのが早かったのではないか?」

悟空「いやいやじゅーぶんピンチだったよ、このお姉さん」

八戒「凌辱シーンがピークになってからが良かったんじゃがワシ」

悟空「せめて始まったら、くらいにしようか」

女騎士「……な、なんなのだ…?」



〜西遊後伝・王子と姫騎士〜
897: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/19(金) 17:35:17 ID:BME.DcoF6E
悟空「さてと。だいじょーぶ?お姉さ……およ、お姉さんじゃないや、よく見るとまだ幼いっぽい」

女騎士「…………」

三蔵「待て悟空。見たとこ14、5歳くらいじゃんか。このくらいで幼い、ってのは」

悟空「あ、そうですね失礼ですよね」

三蔵「そうだ幼女に失礼だ」

悟空「別に幼女全般に気遣う義理無いですし私」

女騎士「………お……」

沙悟浄「どしたんだいアンタ、呆けちまって。そんなに怖かったのかい?」

八戒「大層な鎧姿しとるクセに、見かけ倒しじゃの。……と、足を挫いておるか。小龍、膏薬はあったかの?ワシが塗る」

小龍「…はい。確かまだ残って……」

女騎士「………王子っ!!」

八戒「むおっ!?」

女騎士「王子!!御無事でおられたのですね、王子っ!!」

小龍「…ええと、ああ、やはりだいぶ減って………はい?」

女騎士「このフローレ、王子は必ずや生きていらっしゃると、ずっと、ずっと……!!」

三蔵「おい王子、女の子泣かすなよ」

悟空「ダメだよ王子、そんなとこまでご主人様に似ちゃ」

小龍「…よく即座にイジれますね。……あの、人違いでは?あと肩を揺すらないで欲し」

フローレ「どうなされたのです王子!?……まさか御記憶が……!?ワタシです!フローレです!王子っ!!」

沙悟浄「なんだいスミに置けないねぇシャオ。昔のコレかい?」

小龍「…私は下界に落ちてから、ずっと悟能様と一緒ですよ。他に知り合いなど」

八戒「ズルいぞ小龍、ワシを差し置いて金髪碧眼をモノにするじゃなんて。よし寄越せ」

小龍「…はい、どうぞ悟能様」

三蔵「うんごめん勝手に他人をどうぞしちゃダメー。どんだけイエスマンだお前」
898: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/19(金) 17:36:55 ID:BME.DcoF6E
フローレ「…なんだ貴様らは。王子に先程から気安く……無礼な!そこになおれ!」

悟空「むっ。助けてあげたのにその態度は良くないですね。うん良くない!」

フローレ「ふん、助けてくれと頼んだ覚えは無い!王子、御下がりを!この無礼者どもを斬り捨て、すぐさま城へとお連れ致します!」

小龍「…ですから人違いだと」

沙悟浄「龍王の息子だから、王子は王子だけどねぇ」

三蔵「お、確かに」

小龍「…あの、それは良いですから。……悟能様、どうしましょうか、これ」

八戒「………ふむ。姉者、まあ許してやれい。おい娘子、『この者』が王子とな?」

フローレ「娘子では無い!我が名はフローレ、誉れ高き騎士だ!……この者、だと?我らがローウン王子に対して、なんと言う口の聞き方……!!」

八戒「ほ、間違いじゃのにちょっと名前似とるのう……ではなく。おおお、そうであったか。これは知らぬ事とは言え、無礼をした。いや、フローレ殿の仰る通り、この者……や、この方は記憶を失っておってのう。ワシらが世話をしておったのじゃよ」

沙悟浄「ちょいと八戒姐さん?」

フローレ「な、なんと……!そうだったのか……それならば此方こそ非礼を詫びなくてはなりません。よくぞ、よくぞ王子を助けて下さった…!!」

悟空「あ、多分この子バカだ」

三蔵「お前がそれ言っちゃうか。おい八戒、なんの悪ふざけだよ」ヒソッ

八戒「良いではないか、なんか面白そうじゃし。それに恐らく、この流れじゃと…」ヒソッ

フローレ「それでは皆様も城へと御案内致します!さ、王子、あちらに馬を繋いで居りますので!」

小龍「…………はい。よろしくお願いします。申し訳ありません、貴女の事も覚えておらず……」

フローレ「そんな……フローレは、王子が生きて居られる、それだけで……!城に戻れば何か思い出されるかもしれません!ささ、此方です!」

八戒「ほれ、食事と宿が確保出来たぞい」

三蔵「いいのかなぁ」

悟空「……てかシャオくんって凄いよね……可哀想なくらい従順だよね……」

沙悟浄「……こんなムチャ振りにも、ちゃあんと対応するしねぇ……ひっどい教育だよ……」

八戒「お主らも実はノリ気なクセしおってからに、なんじゃその言い種は」
899: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/21(日) 17:16:11 ID:5n7RT7yJ56

悟空「わー、やっぱり町並みがこう、違いますねお師匠さま!」

三蔵「だな。なんつーか、ものっそメルヘンなー。いつかの遊園地みてーだ」

沙悟浄「遊園地と言えば……ねぇ、あそこのコンビニ……」

三蔵「………この辺って確か、天界ですらあんま把握してない地域なんだよな」

悟空「どこに行ってもキツネのマークから逃げられないとか、もうホラーだよ……」

八戒「……しかしまだ夕刻じゃと言うに、人通りが皆無に等しいのはどういう事じゃ?……まさか、戦時か?」

フローレ「……ハッカイ殿、でしたか。いいえ、我が国は中央から遠く離れた小国。戦らしい戦は、何十年とありませぬ。………先程、ワタシを襲った怪物を覚えておいでか」

八戒「おお、あの緑色の妖か」

沙悟浄「そういやアタイ、裏の商人から聞いたことあったよ。アレが『おーく』ってヤツかい?中華じゃ見ないよね、あんなん」

フローレ「チューカ………なるほど、遥か東国の方々でしたか。へえ、そちらにはオーク族は居ないのですね。いえ、確かにオーク族も粗暴で、ワタシたちヒューマン族に比べると多少知恵の足りないところはありますが……あのような理性の無いバケモノではありません。我が城にも近衛として数名、仕えておりますよ」

八戒「ほほう。西国は人も妖も、単なる種族の違いと見るか。風土の違いじゃのう」

悟空「あっちだと人間じゃなきゃ妖怪!って感じだもんね。考えてみたら乱暴だよねー」

フローレ「一年ほど前から、あれらが現れ始めたのです。街すぐ近くにて狼藉を働く事も……領民も怯えており、日中ですら人通りは疎ら、この時間では出歩く者は居なくなってしまいました」

沙悟浄「……騎士、ってのはつまり、城付きの武将だろうアンタ?言いたかないけど、城下の治安も守れないのかい、この国は」

フローレ「……言い訳にしかなりませんが………前述の通り、戦も知らぬ我が国、常備の兵も少なく……それに、一年前と言えば……」

小龍「……?」

フローレ「…いえ!それも今日までのこと!王子が帰ってきて下さったのです!暗く沈んだ我が国にも、きっと光が射しましょう!」

小龍「……はあ」

フローレ「……っ!もも、申し訳ありません!このような往来で、お手を、お手を握ってしまうなどと……!」

八戒「でも手ぇ離さんのじゃな」

沙悟浄「は、乙女だねぇ」

悟空「ラヴコメの香りがするなぁ痒いなぁ」

三蔵「毛ジラミか」

悟空「それ毛の濃さ関係ない!……か、関係ないよね?」
900: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/22(月) 21:35:58 ID:wrako9Kb/.
フローレ「おーい!ワタシだ!門を開けてくれ!そして皆の者聞いてくれ!なんと王子が」

番兵「……フローレ様…?フローレ様!すぐに大臣様に報せねば!フローレ様、御無事であらせられたぞ!門を開けろ!フローレ様だ!」

フローレ「おお、で、王子がだな?」

番兵「大臣様!ラーツ様!フローレ様御帰還にござります!ラーツ大臣さまーっ!」

フローレ「……おーい」

八戒「なんでお主が帰ってきて騒がれるんじゃ」

フローレ「…えっと……たぶん……」

片眼鏡の男「姫ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえっっ!!!」

フローレ「おおラーツ!喜べ、なんとだな」

ラーツ「何が喜べですか!こんな物騒な時に御一人でフラフラと!メイドだけに言伝て『森へ行く』って森ってどこですか東西南北どこ進んでもそのうち森ですよ!こっちはもう捜索隊の準備すら」

フローレ「そ、そんな一気に色々言われてもだな、うう」

沙悟浄「それより、姫ってなんだい姫って。将じゃ無いのかい?」

ラーツ「本当に貴女は御身をどう考えて……おや、こちらの方々は……もしや姫を保護して下さったので?このような甲冑姿の怪しい者を姫と信じて送ってきて下さるとは、なんとお礼を申し上げてよいか…」

フローレ「怪しくないぞ!」

悟空「え?お姫様なの?」

ラーツ「馬車用の白馬まで持ち出してまったく……ってうおおおおお王子ぃぃぃい!!?えっ幽霊!!?いや足ある!!うええええ!!?」

フローレ「そうなのだ王子なのだ!しかし御記憶が……って驚いてないで聞いてくれラーツ!」

沙悟浄「……ところでシャオ、あんた角隠せるんだね」ボソッ

小龍「…変化の応用です。とりあえず成り済ます流れなんでしょう?」ボソッ

悟空「ねえお姫様なの?ねえってば!」

三蔵「……八戒、今回ちゃんと責任持ってオチをつけろよ」

八戒「えー?ワシぃ?」

三蔵「お前さすがにコレで投げっ放しやがったら次の衣装バンソーコー三枚だかんな」

八戒「おっほ、目がマジじゃこの僧侶」
901: 名無しさん@読者の声:2014/12/22(月) 22:38:44 ID:jwxjZ82e3c
続きが気になるー

902: 名無しさん@読者の声:2014/12/22(月) 23:29:02 ID:KhzwrMS1JU
そういえばお師匠様僧侶だった素で忘れてた
903: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/24(水) 15:33:07 ID:UUg2hnHlnA
ラーツ「と、とりあえず落ち着かなくては……よし。まず姫はお着替えを!城内でまでそのような格好、神が許そうともこのラーツめが許しません!メイドさんたち、連れてっちゃって!」

メイド「はい〜♪」

フローレ「ちょっ!えっ!待ってワタシは王子のそばにっ!やーっ!」

ラーツ「……はあ。あ、ここではなんですし、広間へどうぞ、皆様……と、王子……なのですね…!」

小龍「……ええと、だそうで。なにぶん記憶喪失なので、申し訳ありませんが貴方のことも」

ラーツ「なんと……ああすみません、まだ混乱しておりまして……とりあえず、広間へ……」

小龍「………」




沙悟浄「国王の弟の娘、って……なんだいバリバリの王族じゃないのさ。そりゃ姫様だねぇ」

八戒「つまり、小……ローウン王子殿とは、イトコ同士か」

悟空「え、でもあの感じは完全にラヴコメだったよ」

ラーツ「ええ、ラヴコメやむなしでございます。なんせフローレ姫は、ローウン王子の許嫁でございますから」

三蔵「ほー。ずいぶん近いとこから嫁さん取るんすね」

ラーツ「我が国は政略結婚の必要も無い、田舎の小国にございます。国王の弟君とその御夫人……フローレ様の父母は、流行り病で若くしてお亡くなりに。不憫なフローレ姫を、ローウン王子は幼き頃より慰め、愛を持って接しておりました。恋仲になるのは自然な事かと」

八戒「見た目が小龍くらいじゃとすると、明らかにあの娘のが年上じゃよな。姉萌えの結果か、あの娘のショタ趣味か」ボソッ

悟空「うん八戒ちゃん、私それなりに『純愛っぽいなあ』とか感じてるんだからそのゲス話を振られても困るよ?」

ラーツ「……しかし、一年前のあの日……全てが引き裂かれました……!」

悟空「でも私的にはショタ好きに一票」

八戒「結局ノってくれるから好きじゃぞ姉者。うむワシもそう思う」

沙悟浄「ほら姐さん達、回想シーン始まるからお口にチャックだよ」

三蔵「あ、すんません気にせず続けてください」

ラーツ「は、はあ……」
904: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/24(水) 15:34:35 ID:UUg2hnHlnA


フローレ『王子、剣のお稽古の時間ですよ!さあ、先生もお待ちです!』

ローウン『……ボクは良いよ。フローレはそんなに剣術やら弓術やら頑張って何になりたいの?アマゾネスの戦士?』

フローレ『そんなムキムキではありません!しかし王子はもっと身体を鍛えるべきです!そんなんだから背も伸びないんですよ!』

ローウン『いや成長期に筋肉つけたらマズイんじゃなかったっけ。それにほらボクのルックスだとさ、ちょっと線が細い方が女の子ウケも良いと思うんだ』

フローレ『一国の王子なのですから、女の子ウケより領民への威厳を優先してください!さ、行きますよ……はっ!?すすすすみません!殿方のお手を引くだなんてはしたないコトをっ!』

ローウン『とか言いながら手ぇ離さないんだよね、あはは』



ラーツ「……当時、ワタクシはお二人の教育係を担う、一介の文官でございました。王の善政は国を守り、王妃の慈愛が王室を包む。平和で、穏やかな時でした……ですが、あのドラゴンが、平穏を奪ったのです……!」

悟空「どらごん……」



衛兵『ぐはっ……!!』

黒龍『……ゥルルルルル……!!』

フローレ『黒い……ドラゴン……!』

王『…くっ……一体どこからこの玉座の間に……!!周りは炎に囲まれ、大事な臣下は悉く倒れて行く……無念だ……!!』

王妃『……フローレ。貴女は隠れなさい。ここ……玉座の下に、昔、抜け道を埋め立てた穴があります。人ひとりは収まるでしょう』

フローレ『馬鹿な!王と王妃を置いて、ワタシが逃げるなど!』

王『…あのバカ息子め。このような時に遠乗りとは……よくやった!隠れろフローレ!!お主とローウンが居れば、我が王家は潰えぬ!』

王妃『衛兵達が、その命をかけて戦ってくれています。今ならば、あのドラゴンめに気付かれず隠れられましょう。さあ、早く!』

フローレ『でも、でもっ!』

王『そなたも王族ならば、兵たちの命を無駄にしてはならぬ!国の未来を……』

王妃『……そして、あの子を。頼みましたよ……』

バタン……

フローレ『王……っ!!叔父上っっ!!叔母上ぇぇえっっ!!』

黒龍『グルァァァァァァァァァァァアッッッ!!!』
905: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/24(水) 15:35:36 ID:UUg2hnHlnA



ラーツ「………しかし、王子は戻らず……我々も探しましたが、なにぶん犠牲者が多く、国の建て直しこそ急務。あの飄々とはしていましたが、お優しい王子が逃げたとは思えず………誰もあえて口にはしませぬが、死んだものと考えておりました……」

沙悟浄「……なるほどね。ん、てことは今この国、王様居ないのかい?」

ラーツ「……本来ならば、唯一残られたフローレ姫が王位を継がれるのが一番なのですが……如何せんまだ若く未熟。それに、まだあの忌まわしき日より一年余り……気丈に振る舞っては居られますが、痩せ我慢が見え透いております。……しかし、王子!」

小龍「…はい」

ラーツ「貴方は帰ってきてくれた!こんな、こんな嬉しい事はありません……!」

小龍「………」

ラーツ「今日、姫が無断で城を抜け出したのも、貴方様を森で見かけた、という噂を耳にしての事だったのですが……まさか本当に見つかるとは!御記憶なぞ問題ではございません!その御身こそが有難い…!」

小龍「…はあ……どうも……」


三蔵「おいマジどーすんだコレ。今さら嘘でしたとか言えねーぞ」ヒソヒソ

悟空「晩ごはん食べたら、シャオくん連れて逃げちゃうとかどうでしょう」ヒソヒソ

沙悟浄「王子誘拐とかで、人相書まわされないかね、それ。もう口封じ出来る状態じゃ無いよねぇ」ヒソヒソ

八戒「まあこんな小さな国じゃ。二つ三つ山を越えれば、逃げ切れるじゃろ」ヒソヒソ

三蔵「おまえら」

沙悟浄「あぁん冗談だよぅ旦那様ってばぁ♪」

八戒「チョイ悪姉妹を演出しただけじゃ、怒るな怒るな」

悟空「なんかちゃんと叱るとか、今日のお師匠さまはお師匠さまみたいですね!」

ラーツ「な、なにか揉め事ですか?」

三蔵「なんでもないです良い弟子たち過ぎて泣けるやら疲れるやらなんです」

ラーツ「?」
906: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/25(木) 21:24:13 ID:wrako9Kb/.


悟空「いっただっきまーっす!」

ハムハムガツガツバクバクッ!!

三蔵「悟空のスタートダッシュが普段より存外ヤバい件」

沙悟浄「ま、気持ちはわからないでは無いさね。コレとか何だろね、野苺のソースかね。洒落てるじゃないのさ」

八戒「シャ……王子殿とフローレ殿は、どちらにおわすのじゃ?夕食を御一緒できるかと思うておったのじゃが」

ラーツ「あはは、案外不粋ですね、ハッカイ殿。二人きりにしてあげようではありませんか。皆様揃えての御歓談は、また明日以降にでも。急ぐ旅では、無いのでしょう?」

八戒「……まあ、の」

悟空「はむへむほみふむ、ほなはむへ!」

三蔵「どうして口いっぱいにモノを詰めるんだお前は」

ラーツ「焦らなくとも、追加はドンドンさせますので。……と、ではすみません、ワタクシ政務が残っております故、一旦失礼致します。寝室、浴場を御所望の際は、なんなりとその辺の者に仰せください。それでは……」

バタン……

八戒「……ふむ」

三蔵「なーんか見慣れねぇモンばっかで困るな。あと俺何気にワイン初めてだ。ねーちゃんはけっこー好きで取り寄せてたけど……」

八戒「悟浄」

沙悟浄「あいよ」スッ

三蔵「………なにすんの師匠イジメ?なによグラス返せよ悟浄」

沙悟浄「飲み物なら、今からアタイが愛を込めてお茶を煎れるから、旦那様はそれで我慢しとくれよぅ♪…ええとお茶っ葉ときゅうすは……」

三蔵「なんで!?飲みの席でお茶とか拷問じゃね!?」

八戒「…大声を出すで無いわ。残念じゃが飲ませられん。この葡萄酒、毒が盛ってあるでのう」

三蔵「っ!?」
907: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/25(木) 21:27:03 ID:wrako9Kb/.
八戒「ま、毒と言うても……んく……ぷぁ。遅効性の痺れ薬、かの。あまり味は邪魔して居らんが、多少臭いがする。どうやら『その為』に、製造段階から薬を混ぜとるのう。こんなモノを常備しとるとは、怖い話じゃ」

三蔵「いやいや飲んでんじゃんお前ら」

八戒「ほ、ワシらにこの程度の毒は効かんわい。杯で二、三飲んだところで……お通じが良くなるくらいじゃ」

沙悟浄「食事中だよ八戒姐さん。はい旦那様、お茶♪熱いから気をつけておくれよぅ?」

三蔵「ははんグツグツ言ってるグツグツ言ってる。……待てよ、なんで俺らが毒盛られんだよ」

八戒「とりあえず飯を食え、視られとる。師匠殿は僧侶じゃからな、酒に手をつけんでも不自然で無かろ」

沙悟浄「あ、やっぱりかい。なんかウザったい感じがするとは思ってたけど、隠視術だったんだねぇ。気っ持ち悪い」

三蔵「……よくわかんねーけど、とりあえずゴタゴタに関係無い俺らは邪魔、ってとこか?」

八戒「ほほ、師匠殿は結構こーゆーの慣れとるのう」

三蔵「皇室は裏の裏まで見てるからなー。はぁ」

沙悟浄「カネと権力が集まる場所ってのは、例外無く真っ黒なもんさね。……大丈夫かね、シャオは」

八戒「そうじゃのう………こうなれば逃げても構わぬのじゃが……」

沙悟浄「……見知ったからにゃ、後味悪いもんねぇ。あの姫さんとかも」

三蔵「……ところでシリアスなところ訪ねづらい質問なんだが」

八戒「別にシリアスしとるつもりも無いわい、何じゃ?」

三蔵「そのワイン、グラス二、三杯飲んでも、お前らならちょっと腹にクるくらい、とか言ってたよな」

沙悟浄「うん。あ、アタイもう五杯は飲んでるね、そろそろ止めとくかね」

三蔵「……そこにビンで20杯は飲んでるバカが居るんだが、大丈夫なのか」

悟空「んくんくんく……ぶふぇっ!ぷはーっ!これ酸っぱいけど美味しい!お肉がすすむ!……どったの?」

八戒「……オムツとかあったかのう」

三蔵「着けさすんなら小さくしろよ見るに堪えねぇ」
908: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/26(金) 22:54:32 ID:SnPTb53aAE



小龍(……悟能様達の居る部屋は……ダメだ、妖気が探りにくい。この纏わりつく感覚……隠視術…その影響か)

フローレ「王子っ、食後のお茶ですっ」

小龍「………どうも、ありがとうございます」

フローレ「先程からずっとバルコニーで何をされて……あ、月を御覧に?ふふ、王子はお月様が好きでしたものね」

小龍「……そう、なんですか?」

フローレ「ええ、『太陽とかギラギラうざいよね、月明かりくらいが丁度良いよあんまボクを照らさないでよ』ってよく仰っておりました」

小龍「…引き籠りかなんかですかそれ。病んでる人の台詞ですよ?」

フローレ「ふふ、かなりのインドア派ではありましたね。……そうだ。コレ、なにか思い出しませんか?」

小龍「……ペンダント、ですか。……すみません」

フローレ「あああ、良いんです良いんです!そんな急かしてるワケじゃ無いんです!……ムーンストーンのペンダントです。……王家の慣わしで、王位継承者とその伴侶は、ひとつずつ、対となる宝石を持つんです」

小龍「…ムーンストーン……」

フローレ「はい。王子には、サンストーンの指輪が。……お持ちでは、ない、ですよね……」

小龍「………すみません……」

フローレ「………ふふっ」

小龍「?」

フローレ「うふふ、ゴメンなさい。ワタシに『スミマセン』なんて言うような王子では無かったので、そう何度も謝られると、変な感じなんです。……お気になさらないで下さい」

小龍「…はあ」

フローレ「もともと『ボクもムーンストーンが良かったなー、太陽嫌いなんだよなー』とか仰って、指輪はポケットに入れっぱなしでしたしね、王子」

小龍「…くだけた人ですね、王子とは思えない」

フローレ「あははっ。貴方のことですよ?」
909: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/26(金) 22:56:48 ID:SnPTb53aAE
小龍「……そうでしたね」

フローレ「……指輪なんて、無くても良いです。王子の嫌いなサンストーンなんて、無くても良いです」

小龍「……フローレさん」

フローレ「そんなもの無くても……ワタシのムーンストーンは、また輝ける。ローウン王子……貴方という太陽が、帰ってきてくれたから……」

小龍「……あの、えと」

フローレ「王子………」

小龍(……目を閉じてしまった。どうしたら)

悟空「トイレトイレトイレトイレトイレトイレどこーっっ!!?」バターンッ!!

フローレ「ひっ!?」

悟空「あっシャオく、じゃなかった王子さまっ!!あのごめんトイレどこっ!!?なんか広くてよくわかんなくて、あ、お姫さまも居るっ!!トイレどこトイレっ!!!」

小龍「…御手洗い、どこが近いですかね」

フローレ「…えっ?あ、えっと、そ、備え付けの物がこの部屋には。そ、そこの洗面所の横に」

悟空「あっコレっ!?よかった助かっ……っっっ!!?待って待ってまだダメだよ鎮まれじゃじゃ馬……よし、よし………じゃゴメン借りるっっ!!!」バターンッ!!

フローレ「……な、なに……?」

小龍「…大丈夫ですか、悟く」

悟空「あへぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえっっ!!!うわぁぁんなにこれなにこれ痛い痛い痛い痛い!!!」

フローレ「ご、ご病気かなにか……?」

小龍「…空気読まない病です。助かりました」

フローレ「え?」

悟空「おほぉぉぉぉぉぉぉぉおおお………ダメだめダメだめ知らないよこんなの斉天大聖史上最強のビッグウェーブだよ……ひぅぅぅううう……!!!」
910: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/29(月) 10:49:43 ID:zXjItBAtbw


沙悟浄「ふぃ〜♪お先にお湯貰ったよぅ姐さん。なんか湯船にバラの花びらが浮いてたよ!」

八戒「ほ。洒落とるのも、やり過ぎると何ぞ煩わしいのう」

三蔵「てかよく風呂入れるな。覗かれてるんだろ?」

沙悟浄「あん旦那様、妬いてくれてるんだね嬉しいっ♪」

八戒「隠視術は、対象の動きを……悟浄、説明してみせい」

沙悟浄「えっアタイ?こ、こーゆーのの解説は八戒姐さんの役割じゃあ……えっとだね、対象の動きを……こう、イメージって言うか、何をしてるかは把握されるけど、姿そのものを見られてるワケじゃあ……み、みたいな?」

三蔵「はあ」

八戒「三十五点。赤点は免れる程度じゃの」

沙悟浄「ア、アタイ術学だとかはあんま得意じゃ……くっ、悟空姐さんが居ないとアタイが頭悪いポジションに…!」

八戒「ま、そーゆー事じゃ。空気の動き等、細かな変化を術者の脳内に伝える術じゃからして、ワシら程で無ければ見抜かれる事も無い。基本は敵軍全体の動きを見るのに使うモノじゃの。つーかじゃな、そんな鮮明に視られておったら」

三蔵「そっか、トイレにも行けねーな。……まだ戻ってこねーぞあのバカ」

沙悟浄「ちっちゃくなってオムツで良かったのにアタイ」

八戒「こっからドンパチが始まるやもしれん時に、足手纏いを増やす訳にもいかんじゃろが。……ワシは風呂、おあずけかの」

沙悟浄「旦那様、アタイか姐さんから、離れないどくれよ」

三蔵「襲われ慣れるって、けっこう悲しい習慣だよなー。へいへい」

八戒「…ノックは要らんから、ちゃあんとドアを開けて入ってこい。逃げも隠れもせん」

ギィ……

トカゲの化物「……毒ガ効イテネェノハトモカク、気配モ読マレテタカ……!」
911: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/29(月) 10:51:21 ID:zXjItBAtbw
沙悟浄「うえっ気持ち悪っ!……よし旦那様、ここは八戒姐さんに任せて、アタイと一緒にシャオと合流を」

八戒「うむ、師匠殿はワシの雲に乗れるから助かるのう」

三蔵「これフカフカしてて嫌いじゃない」

沙悟浄「ちょ、え?」

八戒「とりあえず窓から中庭に出るかの、万一の時に逃げやすい。じゃあ悟浄、其奴は任せたぞい」

沙悟浄「えぇぇぇぇそんなぁ!逃げないとか言ったそばからえぇぇぇえ!?」

トカゲの化物「逃ガスカァァア!!消シ炭ニナッチマエ!!」

ゴォォォォォオッッ!!

沙悟浄「ちっ……!!」

ブォォォッッ!!!

トカゲの化物「……ッ!!……俺ノ『サラマンドルの炎』ヲ、武器ノ回転デ……!!」

沙悟浄「マッチ棒程度の火に、なぁに大仰な名前付けてんだい恥っずかしい。……ちぇ、恨むよ八戒姐さん」



三蔵「なんだ八戒、まさかお前もトカゲとか苦手なのか?」

八戒「まあワシもなんとかギリギリ、すんでの所で女子じゃから、得意とは言わぬが……ほれ、アレじゃ」

三蔵「うっ……なるほど、中庭にこんなん居たのか。悟浄、こーゆーのダメだもんなあ…」

八戒「な?これならまだトカゲのがマシじゃろ?妹思いの姉に感謝せい悟浄」

巨大ワーム「フシュルルルルル……!!」

八戒「蚯蚓(ミミズ)か蛆虫か……なんかワシの相手って、デカい奴率高いのう」

三蔵「でっけぇミミズ……ふむ、触手プレイか」

八戒「凌辱系は悟浄のが似合うじゃろ」

三蔵「あー俺ロリコンだけどそれは何となくわかる」
912: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/30(火) 15:03:13 ID:ZXu4OU2kzk



フローレ「とうとう城内にまでコイツらが……クソッ、衛兵は何をして……王子、ワタシの後ろに!」

怪物「キヒヒヒヒヒ……!」

怪物「ゲヘ、ゲヒャヒャヒャ!」

小龍「……敵は複数です、なんとか逃げて、誰かと合流した方が」

フローレ「なんのっ!フローレの剣術の腕、お忘れか……ってお忘れでしょうけど、油断さえしなければこんな奴ら……痛っ!」

小龍「…まだ足の腫れも引いてないでしょう。よっ……と」

フローレ「わわっ!?お、王子っ!?ワタシ重いですよっ!?」

小龍「……流石に戦闘となると、まあまあ読めますね……中庭の東と、北側の三階……悟能様はどちらか……」

フローレ「か、軽々と……王子、逞しくなられて……って、え?あの、ちょっと王子、まさかココ(バルコニー)から飛び降り……?ご、五階ですよココっ!?」

小龍「…喋らないで。舌、噛みますよ。……悟空さん、任せます!」タッ

フローレ「きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁあっっ!!?」

怪物「追ェェエエエッッ!!命令ハ生ケ捕リダァ!!」

ドガァァァアンッッ!!!

怪物「キヒャァァアグフッッ!?」

怪物「……ッ!?誰ダ!!」
913: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/30(火) 15:04:19 ID:ZXu4OU2kzk
悟空「……キミ達みたいな小悪党に、名乗る義理は無いけれど……冥土の土産に教えてあげましょう!」

怪物「ムッ……!」

悟空「東勝神州、傲来国は花果山!その頂より生まれし神仙にして、玄奘三蔵法師が一番弟子!斉天大聖孫悟空とは、私の事ですっ!謝るんなら、今のうちだよっ!!」

ドドーン!!

怪物「…………イヤ誰ダヨダカラ」

怪物「カッカサン?ゲンジョー?」

悟空「あふん名乗りが通じないっ!無名扱いって久しぶりでなんかヘコむよ!」

怪物「ツカ何デコイツ、内股デピクピク震エテンダ?」

怪物「見ルカラニゲッソリシテルシ」

悟空「うるさいなっ!まだ出きってないんだよゴロゴログルグル言ってるんだよ!」

怪物「……ナンカ臭ワネ?」

怪物「アレダ、コイツ、トイレ開ケッパナシダ」

悟空「あっ……。む、むうう、乙女に向かって御不浄の臭いを指摘するとか、失礼だよ最低だよ非道だよ!」

怪物「イヤコレ流シテネーダロ絶対、腐ッタ魚ミテーナ臭イガスル」

怪物「チョ、俺アッチノ窓モ開ケテクルワ。ヒッデーヨコレ、オエッ」

悟空「流したよ!それ以上やめようか泣く!」
914: ヨシュア【年末TVスペシャル特番が年を越すという暴挙】 ◆.frSdr10QQ:2015/1/4(日) 23:01:39 ID:IMo50X/CKw


怪物「グヒャッ…!?」

怪物「ア……ガァ……!!」

怪物「ツ、強…イ……!!」

ドサドサドサッ……

悟空「ふうっ。まったく、お腹は痛いわ大勢に臭い臭い言われるわ……私が何したってのさ……まったく!自分のアレだってのを差し引いても、そんなに臭くは……」

……プ〜ン……

悟空「って臭ぁっ!うぇぇえ臭ぁぁあっ!?な、なにこれ!?何この鼻をゆっくりと壊死させてくれそうな臭い!」

三蔵「うん俺もクサ過ぎてなんかもう頭痛がする。耳の奥から痛みが広がってく臭い」

悟空「お、お師匠さまっ!違うんですよコレ私じゃないです流石にここまでのモノは!」

八戒「……あねひゃれわない、わひりゃ。ひひょーろの、まろ、まろをひめろ」

三蔵「言われんでも閉めるわ。あーキツかった……悟空そっちの窓も閉めて」

悟空「ういうい……で、どしたんですかお師匠さま、その背中の幼女は」

三蔵「抱っこは断固拒否されたんで、仕方なく背負ってる」

悟空「あら珍しいですね、おんぶとは言えお師匠さまに身体を許すなんて」

三蔵「久々に役得です!」

八戒「うるひゃい、らまれ!……うぐ、おぇぇえ……はぁ、はぁ、あぁぁ多少落ち着いた………あのミミズめ、なんちゅう酷い臭いを……!」

三蔵「いやアレを燃やしたお前が悪い」

八戒「斬っても潰しても再生しよるなら焼くしかないでは無いか!クソ……この身体は臭覚が利き過ぎる…!」

悟空「よくわかんないけど、八戒ちゃん豚ベースだもんね、鼻良いもんね」

八戒「難儀じゃ……うっ。この部屋も何ぞ変な臭いが残っとるの、腐った魚介のような」

三蔵「ほんとだ。なにここゴミ捨て場?」

悟空「もうそれやった!もういい!」

三蔵「何の話だよ」
915: 名無しさん@読者の声:2015/1/5(月) 06:36:04 ID:UxR6Hg5gpo
続きキター(・∀・)ー!!
はよはよ
916: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/5(月) 21:44:09 ID:TpYefkOpa.


ガキィンッ…!!

トカゲの化物「ギィィィッ………何ダコノ女、強ェェエ……!」

沙悟浄「へえぇ、予想以上に頑丈だねぇ。動きはトロいけどさ」

トカゲの化物「仕方ネェナ……身体ニ負担ガ掛カルガ……コォォォォォオオッ!!」

ボボボボボッ!!

沙悟浄「……何だいそりゃ。熱くないのかいアンタ」

トカゲの化物「魔装、『サラマンドルの鱗』……コノ全身ニ纏ッタ業火ハ、鋼鉄スラ溶カスゼェ……!」

沙悟浄「は、そいつは困ったねぇ。アタイの柔肌にゃあ酷な話だよ」

トカゲの化物「余裕ブッコイテラレンノモ、ココマデダ!!地獄ノ抱擁ヲ食ライヤガレ!!」ガバッ!!

沙悟浄「……爬虫類風情が、オイタが過ぎるってもんだ」

スゥッ……

トカゲの化物「……!?消エ……!?」

沙悟浄「……降魔杖よ。沙僧が名において、力を見せよ」

トカゲの化物「……ナッ…!?」
917: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/5(月) 21:46:32 ID:TpYefkOpa.
沙悟浄「多重」

ズオオオオオッ!!

トカゲの化物「フ、増エヤガッタ……!?ナ、ナンダ!?ナンナンダ!?テメェ、ナニモンダ女ァァアッ!!」

沙悟浄「……連撃呪」

ズドドドドドドドッ!!!

トカゲの化物「……ガハッ………!!!」

沙悟浄「ん?アタイかい?……人妻さ。人様の女に抱き付こうなんざ、不埒なトカゲさねぇ」

ズシャッ……

沙悟浄「……で。なぁに隠れてんだ……あっと。……もう賊は片付けましたでございますわよ、王子様?」

小龍「…慣れない敬語なんて使うから、どこぞの年増みたいになってますよ」

沙悟浄「…っとに一言多い王子様だね」

フローレ「す、すごい…!魔導士様だったのですか……!このような魔法、初めて見ました……!」

沙悟浄「……一応アタイは、カテゴリーとしては僧侶になるよね?」ヒソヒソ

小龍「…ですね。先生の弟子な訳ですから、建前としては仏門に帰依してます。修行僧になりますか」ヒソヒソ

沙悟浄「……てことは………アンタはともかく、悟空姐さんと八戒姐さんも僧侶…?」ヒソヒソ

小龍「…………まあ……少なくとも回復役では無いですね」ヒソヒソ

沙悟浄「こっち風に言うと、バーサーカーとかになるんじゃないかい、あの二人。もしくは遊び人」ヒソヒソ

小龍「…………破戒僧、あたりならばシックリくるのでは」ヒソヒソ

沙悟浄「それだ」

フローレ「……?」
918: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/6(火) 16:54:27 ID:6scSKSGqQk
沙悟浄「……さて、と。どう動くかねぇ。………ところで王子様?いつまでお姫様を抱き抱えてらっしゃるので?」

フローレ「っ!そ、そうでした!王子、ワタシはもう大丈夫ですのでっ!」

小龍「…いや、多分まだ痛むのでは、足……」

フローレ「平気です!王子をお護りするのは、このワタシの役目……ととっ!?」グラッ

小龍「……ほら、言わないことでは無いですよ。せめて、私に掴まっていた方が」

フローレ「は、はい、申し訳ありません……」

沙悟浄(………一見、ただシャオが天然で紳士っぽい感じなだけに見えるけど………違う!)

フローレ「……御記憶が無くても、変わらず優しいですね、王子…」

小龍「…はあ」

沙悟浄(自然に!違和感無く恋人繋ぎしやがった!ほらシャオも気付いたら指が絡んでるからちょっと驚いてる!な、なんて高等なテクニックだい……プロか…!?)

フローレ「それにしてもゴジョウ殿、本当に素晴らしい魔法でした!武器の扱いも、ワタシでは足元にも及びません!」

沙悟浄「え、あ、あはは、姫様に誉められるとは光栄だねぇ」

小龍「……相変わらず、お見事でした」

沙悟浄(かといって、どこぞのバカップルみたいに二人の世界に入ろうともせず、ちゃんと周りにも話を振る……だと……!?出来る女だ!コイツ出来る女だよ!)

フローレ「……しかし、衛兵の一人も見当たらない……皆、どうしたと言うのでしょう……!」

小龍「……兵士の詰所は、離れにありましたね……確認すべきでしょうか、悟浄さ……悟浄さん?」

沙悟浄(真面目な話をしながらでも、繋いだ手をニギニギしてるぅぅ!一定のリズムでニギニギしてるぅぅぅうっ!なるほどそれだと相手も握り返したくなる!リズムに合わせて握り返したくなるじゃないのさ!うまい!すごい!……女……これが女かっ……!!)

フローレ「え、えと、ど、どうしたのでしょうか」

小龍「…たまにトリップするんですよ」
919: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/6(火) 16:58:18 ID:6scSKSGqQk


三蔵「お、居た居た」

八戒「ほほ、大事無い様じゃの。うむ、姫君と悟浄も一緒か」

小龍「…皆様も、御無事で」

悟空「あらあら、両手に花だね王子様?」

フローレ「は、花だなんてそんな、ゴクウ殿……」

小龍「……それを言うなら、先生もでしょう」

三蔵「花じゃねーよイガグリと毒キノコだよ」

悟空「別に私の毛は刺さりませんよ!」

八戒「ワシも別にキノコ生えとらんしの。ん、どうした悟浄、何を俯いてブツブツ言っとる」

沙悟浄「……八戒姐さん………アタイは………アタイは女じゃなかった……!」

八戒「ほ?」

沙悟浄「アタイなんか全っ然女としてダメだった!露骨なようで的確なアピール!そこはかとない気遣い!乙女としての技術、心構え、全部負けた!アタイは女じゃないっっ!!うわぁぁぁんっっ!!」

八戒「……よくわからんが、お主が女では無かったら、ワシや姉者はどうなるんじゃ」

悟空「ヘイ自虐は一人でやってくんないかな巻き込まないで」

フローレ「……っふ、ふふ」

小龍「…どうしました?」

フローレ「うふふ、こんなに可笑しいの、久し振りで。ダメ、ちょっと、笑っちゃう、あははは……!」

小龍「………」

悟空「あらあらどーすんの八戒ちゃん、可愛いシャオくんが恋しちゃうよ?ちゃうよ?」

八戒「またそれか……そうじゃの。ダメじゃ、許さん」

三蔵「お」

八戒「まず主君であるワシが、相手の女子を手籠めにしてからじゃ」

三蔵「黙れよ大魔王」
920: 名無しさん@読者の声:2015/1/6(火) 18:57:57 ID:wAyMVBUad6
もう八戒ちゃん大好きだwwww
921: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/10(土) 15:19:26 ID:PgTFdLJtyI

八戒「城内のそこらで、兵士や召使いが倒れておった。……揃って外傷は無いが、の」

フローレ「はい……ワタシ達も、廊下で横たわっているメイドを見つけました。息はあったので、手近な部屋に……」

八戒「……姫君。此処等では食事の際に、基本的には葡萄酒を共に飲むのじゃろうか」

フローレ「え?は、はい。そうですね、飲まない者の方が珍しいかと。……なんて言っておいて、ワタシは苦手で専らジュースなのですが……あの、それが何か……?」

沙悟浄「思ったより強めの毒だったみたいだね。アタイも少し腹にキてるし……悟空姐さん、大丈夫かい?」

悟空「ビックリするくらい大丈夫じゃないよ……」

フローレ「ど、毒……?あ、あの、一体何を」

三蔵「………よし悟空、八戒、悟浄、集合しゅーごー。あ、ちょっと身内の話なもんで、王子様とお姫様は大丈夫っす。二人とも離れてて離れてて」

フローレ「は、はあ……」

小龍「…………」


三蔵「……で、どうすんだよどう持ってくんだよ」

八戒「予想通りと言うか、まあそーゆー話じゃよな、コレ」

沙悟浄「どう転んでもあの姫さん、可哀想な結果になるよねぇ」

悟空「そのうえ王子様までニセモノだったとか、自殺しちゃわないかと私でも思うよ?」

沙悟浄「だよねぇ……八戒姐さん、なんか諸々都合良く収まる悪知恵、無いのかい?」

悟空「がんばってウチの頭脳っ」

三蔵「責任持てって言ったよな俺」

八戒「なんじゃワシに丸投げする為だけの会議かコレは。……むぅ………」
922: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/10(土) 15:20:22 ID:PgTFdLJtyI

フローレ「……み、皆様、どうされたのでしょうか。何か相談して居られるような」

小龍「……あの方達は……特に悟の……いえ、八戒さんは、中華では一、二を争う神算の持ち主です。……と、聞き及んでいます。何か策を練っているのでしょう、心配ないですよ」

フローレ「へえ……確かに見た目は幼子なのに、とても年下には思えない風格ですものね……」


八戒「………よし、コレで行こう。待っとれ」

三蔵「お、さすが悪巧みの天才」

沙悟浄「どうするんだろうね、早めに姫さんにネタばらししちまうとか?」

悟空「あ、それも良いかも。あの子なら誠心誠意謝れば許してくれそうだし」

三蔵「ん?いや、小龍の方に近寄ったぞ八戒」

沙悟浄「なんか演技でも仕込むのかね。だったら一回姫さんから離さないと……」

悟空「……なんだろ、シャオくんをジッと見つめて」

三蔵「何も言わず肩に手を置いて」

沙悟浄「力強く、コクンと頷いたね」

悟空「………………………………………………………え?おわり?」

沙悟浄「……あれ?もしかしなくてもあの人、え、マジで?」

三蔵「うわぁアイツ小龍に丸投げしやがった!なんだあの『あとは任せた』みたいな雰囲気!」

悟空「さ、さすがのシャオくんでも白目剥いてるよ『マジですか』って顔に書いてあるよかわいそう!」

沙悟浄「む、無責任にも程があるね……!うっわなんか良い顔して戻ってきたドヤ顔して戻ってきた」

三蔵「見た目幼女じゃ無かったらもう殴ってるかもしんない俺」

悟空「どうどう」
923: 名無しさん@読者の声:2015/1/10(土) 15:46:17 ID:qYKHfwxHDs
こんなにキュートな腐れ外道がいたとはwww
支援!
924: 名無しさん@読者の声:2015/1/11(日) 13:54:59 ID:0mw0hg7m2o
八戒ちゃん…
925: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/12(月) 23:42:20 ID:KExN5FUd7w


三蔵「……露出じゃもう堪えんからなコイツは、罰として何着せたろか」

沙悟浄「……いっそボロ纏わせてホームレス調にしてやるとかどうだい?」

悟空「……ナイスアイディアだけど、それだと私らが虐待してるよーに見えちゃうのがネックだね」

八戒「あーあー聞こえん聞こえん何も聞こえん」

小龍「……はぁ。………フローレさん。あの、片眼鏡の方………大臣さんの居場所へ、案内をお願い出来ますか」

フローレ「……え?あ、ああそうですね!ラーツの無事も確認しなくては!この時間なら執務室だと思います!こちらです!」

小龍「……無事の確認……そうですね……」

フローレ「?」




バタンッ!!

ラーツ「おおっ!?な、なんですか姫、そんな乱暴にドアを……おや、王子に皆様も。そう言えば先程から外が少し騒がしいですが、何かあったんですか?あ、鬼ごっこでもして遊んでました?」

フローレ「ほっ……よかった、お前は無事か……」

ラーツ「無事?って姫、またサーベルなんて持ち歩いて!いくら亡き父君様が、王家随一の剣士だったからと言って、レディーがそのような物騒な」

フローレ「こ、こんな時に小言など……王子?」

小龍「………フローレさん。何があっても、お気を強く持って下さい」

フローレ「え?え?」
926: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/12(月) 23:48:33 ID:KExN5FUd7w
小龍「………ラーツ、さん。もう、大体解っています、出来れば降参を。……命までは取りません………少なくとも私達は」

ラーツ「はい?なんの事でしょうか王子。それ何の遊びです?」

沙悟浄「しらばっくれんじゃないよ。妖気は感じないけどねぇ」

八戒「悪人の臭いは隠せぬ。特に尊厳も何も無い小悪党の臭いは、の」

悟空「よくも人のお腹ピーピーの大洪水にしてくれましたね!ちょっと痩せた気がするよありがとう!」

三蔵「単なる脱水症状だぞソレ」

小龍「…回りくどい手です。性格を疑う」

ラーツ「………あははは。なんかここまでバレバレだと清々しいですね。いやいや、毒入りワインは、城の者達を大人しくさせるための処置でして。貴殿方に通用するとは期待してませんでしたが、あは、あはははは」

フローレ「ラ、ラーツ……?」

ラーツ「しかしトロール兵どもはともかく、サンドワームやリザードマンまで簡単にやられるとは。いやはや、見くびっておりました」

フローレ「お、おいラーツ、お前何を言って」

ラーツ「東国に、正義の味方を気取った僧侶の一行あり……と聞き及んではいましたが。はは、けっこう闇の世界では有名なんですよ、貴殿方。しかし伝え聞く容姿とは大分違いますね、もっとモンスター丸出しな感じを予想しておりましたよ」

フローレ「いい加減にしろラーツ!さっきから一体どうしたと言うのだ!」

ラーツ「さっきから……?何も可笑しな事はありませんよ、姫。ラーツめはどうもして居りません。城の者達を黙らせたのも、異形の兵を皆様に差し向けたのも、貴女のよく知る、いつものラーツで御座います」

フローレ「なっ……!?な、なにをバカな……お、おい、ラーツ!?」

小龍「……落ち着いてください。近寄ってはいけません」

沙悟浄「……まだ、喋らせるのかい、コイツに」

八戒「……ここで張り倒しても、後々わかる事じゃ」

ラーツ「そう。今日、姫を森で襲ったトロール兵……あれもワタクシの差し金。ここ一年で、傀儡にするには面倒な娘だと判断しましたのでね、もう邪魔なんですよね、姫」

悟空「うっわ典型的な悪いヤツだ」

三蔵「なんで古今東西、大臣ってのはクーデター起こすかね」
927: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/12(月) 23:50:30 ID:KExN5FUd7w
フローレ「く、傀儡……な、なあラーツ、何を、何を言って」

ラーツ「理解力の無い……そういうトコも苛々するんですよ貴女は。だぁかぁらぁ?モンスターを造り出して兵隊とし、国中にバラ撒いたのもワタクシ!あの日、城をドラゴンに襲わせ、モンスター兵の素晴らしさを理解しない馬鹿共を焼き殺したのもワタクシ!……あぁ、あのクソ王と妃は、食い殺させましたけどね?」

フローレ「……な……な………」

ラーツ「しかしまさか王子のニセモノがやって来て、それが件の偽善者集団とは。止めてくださいよ、せっかく一年かけて人心を掌握し、実質的に国王の権力を得たと言うのに……ああ邪魔邪魔!ぜんぶ邪魔!」

フローレ「……ニセ……モノ………違う、王子、王子は」

ラーツ「……ふん」

コロッ……

フローレ「……っっ!!」

ラーツ「返しますよ、それ。どっかの馬鹿餓鬼が後生大事に握り締めていた指輪。宝石としての価値は薄いし、お金にもなりませんから」

フローレ「……お、うじ、の……サン、ストーン……」

小龍「………もう、宣う台詞は尽きましたか」

ラーツ「………大方、ワタクシに勝てるつもりでいらっしゃる御様子。東の僻地でどれだけ有名か知りませんが……世界を知らぬ田舎者が、チンケな正義感を燃やして意気がるのも、もう不愉快です」

小龍「……正義だなんて、私の一番嫌いな言葉ですよ」

ラーツ「貴方も扱い易そうなら、傀儡になってもらうプランもあったんですけどねぇ………もう全員死んで下さい!邪魔!邪魔邪魔邪魔ジャマぁぁっっ!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!

三蔵「うおっ!?」

沙悟浄「旦那様、掴まって!」

悟空「お姫さまも!そこ危ないコッチ!」

八戒「……召喚術か」

黒竜「グルルルルルルル……!!」

ラーツ「……ワームやリザードマンと比べて貰っては困りますよ?マスターの命令です、全て殺しなさい、ブラックドラゴン!!!」

黒竜「グオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!」
928: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/14(水) 12:48:26 ID:PK4ZEzZHf6
三蔵「うおお床崩れる崩れる!」

八戒「せっまい部屋で毒竜(西洋のドラゴン)なぞ召喚しおって……っと。ほ、丁度良く真下は大広間か」

悟空「お姫さまボーッとしてないで!どうするこの子どっか逃がす!?」

沙悟浄「いや、一人にしちゃうのはどうだろね。それに、ウダウダ考えてる余裕は」

黒竜「ヴルォォォオオオッ!!!」

ガキィィンッッ!!

悟空「……うん、無いね。うへぇ、馬っ鹿力ぁ……!」

三蔵「爪でかっ。迫力ものすげぇな。こえー」

悟空「サラッと言ってるように見えていつも通り腰を抜かしてるお師匠さまがカッコ悪い」

ラーツ「ほぉ……ドラゴンの爪を受け止めますか。驚愕です、素晴らしい」

沙悟浄「…随分落ち着き払ってるじゃないのさ、憎たらしい」

八戒「ま、仕方あるまい。何せこの毒竜」

ヴゥゥゥゥンッッ!!!

悟空「わひゃーっ!?」

ドガァンッ!!
929: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/14(水) 12:51:37 ID:PK4ZEzZHf6
三蔵「悟空っ!おい吹っ飛ばされたぞアイツ!」

八戒「……かなり、強い。単純な膂力ならば、姉者すら凌ぐじゃろ」

三蔵「マジか。なんとなくだけど俺、あーゆー怪獣っぽいのってお前らから見たら楽勝なのかと思ってた」

沙悟浄「勝てなくは無いんだよ。オツムも獣だし、厄介な術を使うワケでも無いしねぇ。ただ完全にぶっ倒すとなると、骨が折れるね」

八戒「然りじゃ。毒竜は龍族の中でも、四肢強く戦闘向きのナリをしており、鱗の頑強さ、炎の耐性共に頭抜けておる。ワシならば迷わず逃げるのう、面倒極まりない」

沙悟浄「あれだよ旦那様、熊やら虎やらを素手で仕留められる達人って、人間にも居るだろう?かと言ってその達人にとって、熊や虎は油断できる相手じゃない、みたいな感じさね」

三蔵「おお、なんかわかってきた」

八戒「うむ七十点。その説明ならば合格じゃ悟浄。ほれ、師匠殿はワシが見とるから、お主も手伝うて来い。姉者との連携は良い鍛練になるぞい」

沙悟浄「いやまあ一人で任せるのも悪いし、行くけどさ……てゆーか満点おくれよ厳しいよ」

三蔵「お前はなんで楽しようとしてんだよ」

八戒「じゃってワシあーゆー手合い苦手じゃもん。先のミミズ程度の雑魚ならば良いが、話が通じん上にタフじゃとか、敵として趣味では無い」

三蔵「そこで放心状態の姫さんの前で固まってる忠臣に対して、戦いもせず申し訳なく無いのか諸悪の根元」

八戒「ワシが成り済まさせたからこそ、姫君の命も助かったと言うものじゃ。結果オーライじゃろ」

三蔵「結果出てねぇよ今必死で小龍が結果どーするか考えてるよ見ろよ目がグルグルになってるよ」

八戒「静かにテンパる小龍、面白いのう」

三蔵「おいこの君主そのうち滅びるから転職考えろ小龍」
930: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/15(木) 17:21:53 ID:965sdwRtHU

悟空「伸びて如意棒っ!」

沙悟浄「そこっ!喉元もらったぁっ!」

ガキキキキンッッ!!

黒竜「ゥルルルル……!!」

悟空「うわ硬っ。鱗ってゆーか鎧だねもう」

沙悟浄「んん……悟空姐さんで貫けないんじゃ、アタイが正面からってのは、ちとキッツいねぇ……っと、尻尾くるよっ!」

悟空「おっけ受け止める!回り込んで悟浄ちゃん!」

沙悟浄「あいよ姐さんっ!」


三蔵「……軽く、攻めあぐねてね?」

八戒「あぐねとるのう」

三蔵「そんっなに強ぇのか、あれ」

八戒「強いのう」

三蔵「……これでもか、ってくらいの楽観だな。俺が言うのもなんだが」

八戒「じゃって勝負なんぞヤる前から見えとるし。ほれ悟浄!そこは多少危険を侵しても潜り込まんか!逆に姉者は勇猛過ぎじゃ!良い機会なんじゃから、力押し以外の技も鍛えい!」


沙悟浄「……っさいねぇ、あの幼女……」

悟空「まあ悪びれて低姿勢になる八戒ちゃんとか気持ち悪いから別に良いけどね」

沙悟浄「あはは、だね。……さて、まだ掛かりそうかね?」

悟空「ムチャ振りどこじゃないからねー。も少し運動してよっか」

沙悟浄「ん。……ところで姐さん、もしマジでやるんなら、どんな具合だい?」

悟空「うーん……わかんないけど、倒そうとするなら、お城無くなっちゃうよ多分」

沙悟浄「あー、あーあー。うんやっぱシャオ待とう」

ラーツ「お喋りしながらとは、随分と呑気ですね?……の割には、我がドラゴンに、傷一つ付けることも出来ない御様子ですが」

沙悟浄「……ムッカつくねぇ……スカシた男、嫌いなんだよねアタイ。一発だけヤキ入れちゃダメかねアイツ」
931: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/15(木) 17:23:17 ID:965sdwRtHU
悟空「やめときなよ、シャオくんの邪魔になるかもだし。私ら脳筋コンビじゃ、上手いオチの付け方もわかんないんだから」

沙悟浄「悟空姐さんに言われるとなんか危機感を覚えるね、それ。勉強しようかねぇ……」

悟空「なんでさ失礼な!」


三蔵「……なに?手ぇ抜いてるってコトかアイツら?」

八戒「や、そうではない。二人とも全力で打ち込んでおるし、全力で動いておる。が、倒す算段はしておらぬ、と言う事じゃ。あれは時間稼ぎの場繋ぎじゃて」

三蔵「なんの時間稼ぎだよ」

八戒「んなもん小龍待ちに決まって居ろうが。小龍が出れば勝ち確定なんじゃから」

三蔵「へ?」



フローレ「………黒い……ドラゴン………叔父上……叔母、上…………王子……ローウン王子………」

小龍「……………」

フローレ「死んだ……?王子も、死んだ……?ラーツが……殺したの……?これは、何……?なんなの、これ……?」

小龍「……フローレ、さん」

フローレ「嫌っ!!!」

小龍「……っ」

フローレ「……もう………わからない………!王子が……死んだなら……居ないなら!貴方はなんなの……?」

小龍「……私は」

フローレ「王子だって言ったじゃない!帰ってきてくれたんでしょう!?死んでない!王子は死んでない!!貴方は王子でしょう!?ねえ!?……ねぇ……ローウン……なんでしょう……!?」

小龍「………………その者は、もう、生きてはいません」

フローレ「………う、う、うう……うぁ、うぁぁあ」

小龍「………悟空さん!悟浄さん!」

悟空「おっと、はいはーい」

沙悟浄「ん、終わりかい?」

小龍「………あとは、私が」
932: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/16(金) 17:59:23 ID:yH514xoAY.

ラーツ「………おや。選手交替ですか?夜明けまでには綺麗さっぱりとさせたいので、巻きで御願いしたいのですけども」

小龍「……同感です」

ラーツ「今度はニセモノさんですか。しかし本当によく似ている……瓜二つですよ。あの小憎たらしい糞餓鬼そっくり……ふふ、同じ様にグチャグチャにしてやりたくなります」

フローレ「……ラーツ…」

ラーツ「おやおや姫、まだそんな所で呆けてたんですか。ま、逃げたところで殺しますが」

フローレ「……なあ、嘘だと……嘘だと……」

ラーツ「まさか貴女、まだこれが悪い夢だとか思ってたりします?現実ですよ現実。フローレ姫の愛しい愛しいローウン王子は………ワタクシが顔面を切り裂き!手足を潰し!この手で心の臓を貫きました!現実は非情ですねぇ姫!あは、あははははは!!!」


八戒「……ふむ。完全に悪に呑まれとるの。手段としての悪行ではなく、其が行為そのものに悦る様になってしまっては、もう手遅れじゃな」

悟空「お兄ちゃんも大悪人だけど、あーじゃないなぁ」

沙悟浄「ま、ああなると悪党とは呼べないね。狂人の類いだよ」

三蔵「で、その狂人の相手、小龍だけで平気なのかよ」

八戒「ほ、意外と心配性じゃの、師匠殿。平気と言うたら平気じゃ」

沙悟浄「旦那様、アタイらずっと旅して来たけどさ。龍に襲われた事、あるかい?」

三蔵「へ?……ああ、そういや無いな」

悟空「龍の棲処になってるよーな山とかも、けっこう越えて来ましたよ実際」

三蔵「……どゆこと?」

八戒「襲われるワケが無いんじゃよ。ワシらには、小龍が居るのじゃから」
933: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/16(金) 18:01:21 ID:yH514xoAY.


フローレ「………ひ、い……あ、ああ……」

ラーツ「くく、くくくく……予想外に面白いですね。あの気丈で勝ち気な姫が、こうも言葉を失い狼狽するとは……一緒に掃除してやろうと思ってましたが、こんな姫なら飼うのも一興か……ドラゴン!姫を此方へお連れしなさい!」

黒竜「グルルル……ルァァア!!!」


ガギィィンッッ!!!


黒竜「ゥルァッ……!?」

小龍「………やめろ」

ラーツ「……ほぉう。隠しナイフ」

小龍「………“フローレ”に、近付くな」

フローレ「………え……?」

ラーツ「は。剥き出しの正義感……ああ嫌だ。まるであの糞餓鬼本人ですよ。死人を相手にしているようで気持ち悪い」

小龍「……死人を相手にしてるんだよ、お前は」

ラーツ「……はい?」

小龍「…まさか“ボク”を忘れたとは言わせないよ、“ラーツ”。お前に顔を切り裂かれ、四肢を潰され。胸を貫かれた、このボクを」

ラーツ「……やめろ。何の真似だ」

小龍「…何の真似かは、こっちの台詞だ!」

ラーツ「っ!!」

小龍「父を殺し!母を殺し!城の仲間を殺し!……そして今また、ボクの大切な人を……フローレまでも手に掛けようだなんて、許さない!」

ラーツ「…な、なな、何を馬鹿な事を……!?」

フローレ「……ロー……ウン……?」

小龍「……ただいま、フローレ」

フローレ「お、うじ……王子……!」
934: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/16(金) 18:03:28 ID:yH514xoAY.
ラーツ「ふ、ふざ、ふざけるな!王子はワタクシが殺した!ソイツは、ソイツは王子じゃない!!」

フローレ「生きてる、生きてる……ワタシの王子……!!」

小龍「……ううん。ボクは、死んだ。殺された。……奴に」

ラーツ「ひっ……!!」

フローレ「…死んだ…って、だって、ここに」

小龍「…死んだボクにね。神様が、ふたつだけ、ワガママを許して、叶えてくれたんだ」

フローレ「ふた、つ……?」

小龍「…君に、フローレにもう一度逢うこと。そして」


ヴゥゥゥンッ……!!


小龍「……君を守る力を得ること」

ラーツ「ひ……なな、なんの芝居か知りませんが、も、もういい!殺せブラックドラゴン!全て喰い殺せぇぇえ!!」

黒竜「…グ……ゥルルゥ……」

ラーツ「……どうした!?命令を聞け!殺せ!そ、そうだ炎だ!地獄の黒炎で、全部焼き尽くせ!城なんて、モンスター兵を他国に売り込み、いくらでも稼いで建て直せる!やれ!」

黒竜「……ル、ルァァ……グァァァアッ!!」

小龍「……龍神形態……」


シュウウウウウウ……!!


黒竜「……グゥルゥ……!!?」

ラーツ「あ、あ、あああ、あ」

小龍「……これが、君を守る力………」

フローレ「………白い……ドラゴン………」
935: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/16(金) 18:08:59 ID:yH514xoAY.
小龍「………異形の竜よ」

黒竜「……ゥゥゥ…!!」

小龍「我に、牙を剥くか」

黒竜「……グルゥゥゥ……!!!」

小龍「種が頂点に、逆らうか……!!!」

ゴォォォォッ!!!

黒竜「グ、グゥゥルルッ!?……ゥゥン……!!」

小龍「……そうだ。還れ。二度と人間を襲うな」

ラーツ「な、何をしている!こんな、こんな変なドラゴンごとき」

小龍「…待て。……去る前に、塵の掃除をしていけ」

黒竜「アゥ……ゥルル……」

ラーツ「……お、おい?ど、ど、どうした?か、勝てないのか?に、逃げるなら、ワタクシ、ワタクシも」

黒竜「……ゥルルルルァァァァアッッ!!!」

ラーツ「よ、よせ!!来るな!!うあ、うあああああああああああああああ!!!」



八戒「……小龍は、龍神、竜王が一族、その純血種じゃ。窮鼠猫を噛むやも知れんが、猫は虎には噛みつかぬ。毒竜とは多少血が遠いからの、格の違いに直ぐには気付かんかったようじゃが」

沙悟浄「シャオが居るとね、そこらのノラ悪龍なんて、近付いただけで逃げちまうのさ」

悟空「ってコトですお師匠さま」

三蔵「あ、うん……それはわかったけどさ」

悟空「うん?」

三蔵「小龍のヤツ随分とファンタジーな感じで話進めたなおい」

沙悟浄「ちょっとムリヤリ感あるよね。いけるかね、あれ。あと台詞がクサイんだけども」

八戒「いやオナゴはこーゆーの好きじゃろ。まあ多少演技過剰なきらいもあるが、流石ワシの小龍じゃ。うむうむ、嘘は吐き通せば真となる!」

悟空「シャオくんが一生懸命考えた設定にゴチャゴチャ言うのやめたげて」
936: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:37:57 ID:m4upFD38RM

シュウウウウウウ……


小龍「……フローレ。……終わったよ」

フローレ「………王子……ワタシ……ワタシ……」

…ギュッ……

フローレ「……!」

小龍「……ごめんね。また君を、一人にしてしまう」

フローレ「……なんで………居てよ……ここに居てよ……ローウン……!」

小龍「……人は、甦らない………ボクはもう……この世には居られない……」

フローレ「…嫌だ……嫌だよ………ワタシひとりで、無理だよ……!」

小龍「……見てるから」

フローレ「う、うう」

小龍「見てるから。ずっと、空から、君を。……ボクのフローレ……」

フローレ「うあ、うぁぁぁぁん……!」



悟空「…グスッ……すごいね、純愛だね……」

三蔵「おい悟空、鼻毛湿らせてないでお前ちょっと城内見回ってこい。このラストで敵がまだうろついてたら締まんねーだろ」

悟空「感動ひとつさしてくれやしないよこのお師匠さまは……あれ、八戒ちゃんは?」

三蔵「『どうせ地下あたりに妖魔を造り出していたラボがあるはずじゃ』とか言って潰しに行った。お前も働け」

悟空「あーありそうありそう……で、悟浄ちゃんは何してるの」

沙悟浄「や、こう、うまーくシャオがキラキラと消えてくように幻術をだね?」

悟空「ああ……なんかシャオくんキラキラしてるな幻想的だなぁと思ったら。アシストご苦労様だけどタネを知っちゃうとなんだかなぁ……」

三蔵「えっとつまり、俺らは記憶喪失の男の子を保護してて、それが実は天国からやって来た王子様だった、ってコトにすりゃ良いんだよな。うん」

沙悟浄「だね。アタイらもビックリしてるフリしなきゃねぇ」

悟空「ウチには感動を共有できる人が居ないなあ本当」
937: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:38:39 ID:m4upFD38RM



八戒「ふわぁぁ……寝不足じゃ……」

三蔵「流石に城に長居は出来ねーしな。かと言って城下で宿探すのもマヌケだし」

悟空「……お姫さま、見送りに顔出してくれなかったね」

沙悟浄「城の人間たちに、事の次第を説明してくれただけでも上々だろうさ。ってかアタイら以外は姫さんしか事情知らないんだしね、説明してくんなきゃ困るワケだけども」

小龍「……これで良かったのでしょうか」

八戒「良い。少なくとも、救えるだけの命は全て救うた。これ以上に良い顛末は有るまい」

沙悟浄「あのモノクル野郎がおっ死んで、辺りの邪気も消えたしね。アンタは良くやったよ、シャオ」

三蔵「まあ演技はクサかったけどな」

沙悟浄「アタイ尻がムズ痒くなっちまったよ」

八戒「ワシ後半見とらんのじゃけど、更にか?」

悟空「やめたげてってば!」

小龍「……悪意の無い者を欺くのは……少し、気が咎めるものですね」

八戒「……ほ。お主も、心が成長してきたのう」

沙悟浄「んじゃ成長しないダメ幼女は、とっとと今回の功労者の背中から降りようか?」

八戒「ぬおっ!?これ悟浄、姉弟子をレジ袋みたいに持つでない!……おい師匠殿、何じゃそのノートは」

三蔵「デザイン帳だ。今回のペナルティは選ばせてやろう。幼稚園児ルックと魔法少女コス、どっちが良い?」

沙悟浄「あ、旦那様旦那様、悟空姐さんがちっちゃくなった時用に、もう一着小さめの頼むよぅ♪」

八戒「そうじゃの、肩掛け鞄とか便利そうじゃし幼稚園……では無いわワシを着せ替え人形扱いするでない!ええい離せ悟浄ーっ!」

悟空「さらっと私にまで着せようとしないでくれないかな悟浄ちゃん……シャオくんもう馬から戻りなよ、お城見えなくなったし」

小龍「…はい。では」

ボワンッ

小龍「…まあ、山越えでも無いですし、悟能様も当分解放されないでしょうし……」

「これは驚きです。そんな魔法もあるのですね」
938: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:39:25 ID:m4upFD38RM
小龍「っ!?」

悟空「はへっ!?」

フローレ「ふふ、隣国へ出る道はこれひとつ。待ち伏せさせて貰いました。しかしネズミを白馬にする話は聞いたことありますが、人が化けるだなんて、不思議な魔法です…!」

悟空「うわあああシャオくん隠れてぇぇえ!」

小龍「…いや、もう、遅っ……!」

沙悟浄「ア、アレかい!?とりあえず一発気絶させて記憶を」

八戒「よ、よし悟浄ソレじゃ!」

三蔵「アレでもソレでもねーよやめろ!」

フローレ「ふふ……そんなに警戒しないで下さい、大丈夫、わかっております。サンゾー様、ゴクウ殿、ハッカイ殿、ゴジョウ殿。………そして、シャオロン様……で、良かったでしょうか」

小龍「……!」

八戒「……全て、見抜いておいでであったか?」

フローレ「……騎士気取りの男勝り、そんなワタシでも、一応は女。……この身を抱き締められれば、気付きます。……ああ、あの人じゃ無い、って」

三蔵「女ってすげぇな、俺なんてタワシと悟空の違いもわかんねーのに」

悟空「このシーンでぶち込まれてもスルーしますよ」

フローレ「……きちんとお礼を言いに来たんです。国の危難を救っていただき、本当に……本当にありがとうございました!」

沙悟浄「……ああ、いや、うん………怒って、無いのかい?」

フローレ「…何の怒りがございましょう。あの男の邪な野望を砕いてくれた。ワタシの命を助けてくれた。感謝しか……ございません」

沙悟浄「そ、そうかい?いやぁ姫さん人が出来て」

小龍「……私は、貴女を騙しました」

沙悟浄「ちょ、シャオ?」

小龍「…私は、貴女の大切な方を装い、騙しました。主が命とは言え、他に幾らでもやり様はあったでしょう。しかし、私は最後まで……貴女を欺く事を選んだ」

悟空「シャオくん……」

小龍「……何故、怒らないのですか。憤らないのですか。怨まないのですか」

フローレ「………だって、貴方はそれを選んでくれた」

小龍「……?」
939: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:40:37 ID:m4upFD38RM
フローレ「ワタシが一番、ワタシの心が一番救われる方法を、とってくれた」

小龍「……そんなこと」

フローレ「貴方は、王子の振りをしていたけど……本気で怒ってくれた。守ってくれた。本気で、優しく、してくれた」

小龍「……申し訳…」

フローレ「謝らないで?……嬉しかったの。この人は、彼では無いけれど。この人を、ワタシの元へ導いてくれたのは、きっと、彼だと……きっと……!」

小龍「…フローレさん……」

フローレ「……スンッ……ダメですね。これからは、ワタシがこの国を引っ張っていかなくてはならないのに。……もう、この甲冑姿も最後です。もう、騎士でも……姫でも無く………王に、なるのだから」

小龍「……あ、あの」

フローレ「……ありがとう、シャオロン様。貴方にフローレは、救われました」

小龍「………っ」

フローレ「……もし、それでも。王子を騙った事を、それでも気に病むと言うなら………ひとつだけ。ワタシの願いを、聞いて頂けますか?」

小龍「…勿論です。私に出来る事ならば」

フローレ「……最後に……姫として、最後に、もう一度だけ。……ワタシの王子に、なってください……」

スッ……

フローレ「……ローウン………」

小龍「……ん、むっ……」


沙悟浄「ひゅう♪だいた〜ん♪」

悟空「こんな綺麗なキスシーン、シャオくんしか出来ないね!」

三蔵「言ってて悲しくなんねーのかお前は。……お、流石に不機嫌か、八戒?」

八戒「ふん。………ま、これくらいは、の。許してやるわい」


フローレ「……必ずや、良い国にしてみせます。貴殿方が、また、訪れたくなるような。……また、来てくださいね……きっと」

小龍「……はい。また……きっと」



〜西遊後伝・王子と姫騎士〜

『百花白龍物語』
940: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:43:59 ID:m4upFD38RM






八戒「むう………」

悟空「どしたの眉間にシワ寄せて。あ、やっぱ口は気に食わなかった?頬っぺくらいがラインだった?」

八戒「違う。……隠視術が、解けたのじゃ」

沙悟浄「はん?そりゃあ術者が消えたんだから、ねぇ。何言ってんだい姐さん」

八戒「じゃから違う。今さっき、解けたのじゃ。……小龍と姫君が接吻した辺りで、じゃ」

三蔵「……あ?それおかしくね?」

八戒「ウザったいから意識せんよーにしとったせいで、完全に忘れとったが、解けて気付いた。さっきまで術が掛かっておったのじゃ。……どういうコトじゃ……?術者はあの大臣では無かったのか……?」










〜天界〜

「天蓬水軍艦隊、残存五隻!八割方、墜とされてしまいましたぁ!」

「城内の衛兵も全て出せ!これ以上の突破を許してはならぬ!」

「絶対に下界へ行かせるな!天部官軍の意地にかけて止めるのだ!」
941: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:44:42 ID:m4upFD38RM

天部武将「ぐぬぬぅ……戦況は一向に好転せぬか……!」

伝令「只今戻りました!」

天部武将「おお!任務御苦労!で、恵岸様はお連れしたのであろうな!?」

伝令「そ、それが……恵岸行者、木叉様………観世音様のマタニティスイミングに付き添うとの事で、参戦叶いませんでしたぁ…!」

天部武将「なにしてんのあのバカップル!?この非常事態に!!まだ生まれてもねぇガキの胎教より必死で戦ってる部下を気遣えよ!!てゆーか、てゆーかぁぁあ!!!」

伝令「お、落ち着いて下さい隊長…」

天部武将「オメーの弟だろうがぁぁぁぁあっっ!!!」




哪吒「ウチを下界へ行かせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええっっ!!!あの辺一帯、焼け野原にしたるんやぁぁぁあっっ!!!」

天兵「ナ、ナタ様!どうかお鎮まりをひでぶっ!!?」

哪吒「鎮まれるワケあるかぁボケナスがぁぁあ!!!ハグまでは、ハグまでは我慢した!ウチ我慢したぁ!」

天兵「なんの話でぐぼえっ!!?」

哪吒「でも!でもでも!キ、キキキ、キシュシュ……キスは許されへんんんんん!!!ウチのシャオ様の唇ををを……相手が誰や知らんけど、国ごと消し去ったるぅぅぅうう!!!」

天兵「いやいやナタ様!?国とか消しちゃダメですってうぎゃぁぁあ!!?」

哪吒「シャオ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!うわぁぁぁぁんっ!!!」






おしまい。
942: 名無しさん@読者の声:2015/1/20(火) 01:35:00 ID:3B/Y4RmXm2
盗み見はお前かwww
943: ヨシュア【新春特番いまさら】 ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:25:28 ID:yH514xoAY.
〜西国、とある宿屋〜


悟空「あー!ダメだってば花瓶いじっちゃ!うあぁもうそんなもの口に入れちゃダメ!こらー!」

太上老君「ひょひょ……大変そうぢゃの、石猿」

悟空「そうだよ大変なんだよだからSOS飛ばしたんだよ何とかして!うわぁん!」

太上老君「ふぅむ……やはり原因は、如意金箍棒の暴走ぢゃな……籠められた仙力が不安定になっておる。漏れ出した力が、皆に影響を及ぼしたのであろうのう。そもそもこれは天海の支柱として造られ……」

悟空「そんな能書きはどうでも良いから何とかしてよ!痛たたた尻尾引っ張んないでってばぁ!」

さんぞー「しっぽモジャモジャしてやんのー!きもちわりー!」

はっかい「かびんをたおしたのはオヌシじゃからな!ワシはしらんぞい!」

ごじょう「ふ、ふえぇ……ちがうよう、ごじょーじゃないよぅ……!う、うぇぇ……!」

しゃお「……あぶ」

太上老君「……カオス此処に極まれり、って感じぢゃなぁ……お主が無事なのはアレぢゃろな、耐性がついとったのぢゃろう。皆々幼くなってしまわず良かったのう、それこそ儂とかに連絡も出来んかったしの」

悟空「冷静に解説してないで助けてよおやじさん!ぎにゃぁぁお師匠さま捻らないで千切れる!八戒ちゃん割ったら大変だから花瓶触らないで!悟浄ちゃんも泣き止んでってうわぁぁぁあシャオくん今何を口に入れたの!?ペッしなさいペッ!」

太上老君「一応、持ち帰って調べてみるかの、如意棒借りるぞい。まあいつものお主と同じで、時が経てば元には戻るとは思うが」

悟空「えええええおやじさん行っちゃうのぉ!?一人にしないでよぉせめて誰か連れてきてくれるとかっ!」

太上老君「いや、儂のような老体が居たところで、すぐに疲れて使い物にならんぢゃろし。かと言って、天部も危機的な人手不足ぢゃしのう……お、そうぢゃ、金角銀角姉妹ならば暇しとるからすぐにでも」

悟空「幼女増やしてなんになるってのさ、あぁぁん!?」

太上老君「冗談ぢゃ冗談ぢゃ、年寄りの胸ぐらを掴むでない。沙悟浄の嬢ちゃんみたいになっとるぞ、石猿。ひょひょひょ」

悟空「冗談じゃない状況で冗談言うなーっ!ううう、みんな元に戻ってよぉぉぉぉおおっ!!!」


『超短編・孫悟空の災難』
944: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:26:50 ID:yH514xoAY.

悟空「……うう、本当に帰っちゃったよおやじさんめ……そりゃさ?如意棒のせいならさ?責任は私にあるかもしれないけどさ?もう少しこう、協力してくれる姿勢をしっぽぉぉぉお!!?」

さんぞー「あははは、しっぽひっぱるとさけぶ!へんなのー!」

悟空「離しなさいっ!ダメっ!ここデリケートなとこっ!くぅ、お師匠さまがこんっっな悪ガキだったとは……!」

さんぞー「なにおこってんだよ、おっとなげねー!こどものイタズラにおこるとか、そーゆーのウツワがちっさい、っていうんだぜー?」

悟空「ムッッカつくぅ……!ちょっと口が立つあたりがお師匠さまっぽいそれがムカつくぅ……!これはいっそ教育のし直しを」

ごじょう「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええんっっ!!!」

悟空「うるさっ!?」

ごじょう「ひっく……ひっく……ひぃぃぃんっ……!」

はっかい「ふん、すぐになきよってからに。なきむしなヤツじゃ、まったく」

悟空「ああもう泣き止んでよ悟浄ちゃん!あんまうるさいと宿屋さん追い出されちゃうからぁ!しかしまさか悟浄ちゃんが泣き虫キャラとか……まあでもちっちゃい頃はこんなだったのかもだよね、今やタダのヤンキーだけど。どこで間違えたんだか……そんで……」

ごじょう「うぇぇ……やーのぉ!やぁぁのぉぉぉお!ごじょーのパンツとっちゃイヤなのぉ!」

はっかい「じゃからパンツがほしいわけではないわい!そのなかみをみせろというとるのじゃ!かんねんせい!」

悟空「そんでなんでキミは全くもって一切ひとっつも変わらないかなぁ!?見た目もあんま変わってないけど中身も変わってないよ!?なに八戒ちゃんって子供の頃からそうなの!?性欲が具現化して生まれた何かなの!?」

しゃお「……あぶぅ」

悟空「おっとシャオくん。どしたの、抱っこ?……よいしょ、っと。軽いなぁ……だけど何故にシャオくんだけヨチヨチ歩きの赤ちゃんなのかなぁ。みんなだいたい人間で言う四、五才くらいなのに………うう、可愛いすごく可愛い。こんなうるさい中で赤ちゃんなのに泣かないし、唯一の癒しだよこの子は……」

しゃお「……だぁ……ぶっ」

悟空「そんで赤ちゃんってなんか暖かくて良いよね命を感じるよね……あったかい………うわぁっ!?なんかヤケに温かいと思ったらお漏らしだ!シャオくんストップストップ、そっかオムツとか必要なんだ……って」

しゃお「……あぶぅぅ……はふぅ……」ジョジョジョジョ

悟空「うわぁぁぁあ!?なんか床から草とかキノコとかめっさ生えてきた!シャオくんオシッコとめて!足下が大変な事になってる森の神様みたいになってる!」

さんぞー「すげー!もりだもりー!」

はっかい「おお、キノコじゃの。そうじゃしっとるか?キノコはの、パンツのなかのソコに入るんじゃぞ?」

ごじょう「う、うそだぁ!はいらないよぉ……こわいよぅ、やめてよぉ……!」

しゃお「……うぶ」ブルルッ

悟空「止めてお願いーっっ!!!」
945: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:27:48 ID:yH514xoAY.



悟空「はあ……はあ……なんとか伐採したけど、やっぱ床下から突き抜けてたよ……どうしようコレ。弁償いくら掛かるんだろ、お金余ってたかなぁ……」

小龍「……すぅ……すぅ………」

悟空「あははは天使の寝顔だねぇ……宿屋の女将さんにオムツ貰えて良かった……しかもその上」

はっかい「うむ、びみじゃ!」

ごじょう「……にんじん、たべれない……」

さんぞー「もったいねーな、おれがたべてやるよ!」

ごじょう「あ、ありがとお……」

悟空「お昼予約してなかったのに、賄いのシチューまで出してくれるなんて……うう、子連れだと人の優しさが身に染みるね……!シャオくん用に粉ミルクも貰ったけど、寝てるし後で良いよね……さ、私も食べ」

ごじょう「うぁぁぁぁぁんっっ!!」

悟空「うえええ何よもうゴハンくらい静かに食べようよ私が言うのもなんだけど!」

はっかい「オヌシはスキきらいするからの、どーせコレもキライじゃろ?ワシがくうてやる!」

ごじょう「お、おにくはたべれるもん……う、うう…!」

悟空「うわぁもう、八戒ちゃん、八戒ちゃんがめんどくさぁい……!」

さんぞー「おい!おまえイジメっこだぞ!よわいヤツをなかすのはカッコわるいんだからな!」

はっかい「ふーんじゃ!ワシなんもしとらんもーん!べろべろばー!ぶたのけつー!」

ごじょう「あう、あう……」

悟空「……なにあれ。何あの構図。さっきまで私のことさんざ苛めてたクセにお師匠さまめ……あと八戒ちゃんはもうどーしよーもないね、根っから大魔王なんだね」

ごじょう「うう、ううう、おね、おねぇちゃあん……ぐすっ……」
946: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:28:27 ID:yH514xoAY.
悟空「あよ、どったの悟浄ちゃん。……てかほんとオドオドしてるなぁこの悟浄ちゃんは……」

ごじょう「ケ、ケンカ……ごじょーのせいなの……!や、やめさせてあげてほしいの……!」

悟空「……う。やだなぁあの悪ガキコンビの間に入るの………うーん……ご、悟浄ちゃん?」

ごじょう「…ふぇ?な、なに?」

悟空「えっとほらアレだよ……うん。ケンカはやめて、って、まずは自分で言わなきゃ、ね?」

ごじょう「じぶんで……?」

悟空「そうだよー?悟浄ちゃんはケンカ嫌なんでしょ?じゃああの二人に、悟浄ちゃんから言うの。きっと止めてくれるよ?」

ごじょう「……でも、さっき、やめてっていっても、パンツぬがすのやめてくれなかったの……おにくも……」

悟空「あ、うん訂正訂正。あの仔豚ちゃんには言わなくていいや。お師匠……さんぞーくんに、言ってみな?」

ごじょう「うう……ごじょー、うまく、いえない……」

悟空「ダメだよそんなんじゃ!言いたい事はバシッと言うの!はっきりくっきり喋らなきゃ、気持ちは伝わらないんだよ!」

ごじょう「きもち……つたえる………わ、わかったの……ごじょー、いってくるの……!」

悟空「ふふふ……こうやって少しずつ成長していくんだね……頑張れ悟浄ちゃん!」

さんぞー「あんまりわるいことばっかりすると、ぶつぞ!」

はっかい「おんなにてをあげようとは、みさげはてたおとこじゃ!」

ごじょう「……ね、ねえっ!」

さんぞー「ん?なんだよじゃますんなよ!わるものをこらしめるんだから!」

ごじょう「えっとね……うんとね………!」

はっかい「なんじゃハッキリせんのうウジウジと!」

ごじょう「えと、えと………さ、さんぞーくんっ!ご、ご、ごじょーとけっこんして!」

悟空「おっとそこまで頑張れとは言ってないよ何の気持ちを伝えてんのよ」

さんぞー「お、おまえなー!け、けっこんとか、こどもはできないんだぞ!おっきくなってからなんだぞ!」

ごじょう「……じゃあ、じゃあ、おっきくなったら、してくれるの……?」

さんぞー「うっ……い、いいよ、べつに……」

悟空「あーあ了承しちゃった。お師匠さまダウトだね終了だね」
947: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:29:28 ID:yH514xoAY.



さんぞー「……くぅ……くぅ…」

ごじょう「………んぅ……さんぞーくん……」

はっかい「……ほほ……きれいなマン」

悟空「八戒ちゃんその寝言ストップ!……っと、やばやば、起こしちゃう起こしちゃう……やっと寝てくれたんだしね、もう私も限界だしね……」

さんぞー「……うぅん……すぅ……」

悟空「……良いなあ私も眠いなあ………ちょ、ちょっとだけなら、良いかな?横になるだけ、横に……」

しゃお「……あぶ……あぅぅう」

悟空「うおっ?えええ起きちゃったのシャオくぅん……も、もっかい寝ようよ、ほら悟空お姉ちゃんが子守唄を」

しゃお「あ〜……ぶっ!あぅぅ、あうぅぅ」

悟空「ウソぉぉおここでシャオくんがグズるのぉ!?えっなにどしたの、オムツは平気っぽいし……あ!お腹すいたのか!そりゃそうだ!」

しゃお「あぅ、だぅぅう」

悟空「ごめんごめんシャオくん、今ミルク作ってあげるから待っててね……え?どしたのもう、ダッコ?わかったわかったから、泣かないでね〜?」

しゃお「……あぶ。……ぁんま。ぁんま」ゴソゴソ

悟空「へぅっ!?ちょ、シャオくん何を、ダメダメダメ、ほんと何してっ」

しゃお「……ぁんま、ぁんま。……ぅぶ」

ボロンッ

悟空「うわぁぁおっぱい丸出しにされた!……え?……あの、シャオくん?小龍さん?あなたまさか、いやあの、まさか」

しゃお「……ぁんま!」

悟空「だぁぁぁぁあ!ダメだよなんも出ないよそっからは!ミルク、ミルク作るから、あの、お願い、やめて」

しゃお「…あぁ〜」

悟空「ダメだってばシャオくん小龍×悟空とかやっちゃいけないカップリングだよ方々から怒られるよ主に私が!」


カプッ



悟空「はふん」
948: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:31:40 ID:yH514xoAY.








三蔵「……つまり、俺らは幼児になってたと。いつもの悟空みたいに」

太上老君「うむ。記憶も飛んでおったからの、覚えては居らんぢゃろが。思うたより早く元に戻ったのう。……で、石猿は、疲れて爆睡ってトコかの?」

八戒「みたいじゃな。気が付いたら夕刻じゃし、姉者は寝こけとるし、全く意味がわからんかったわい」

小龍「しかし如意棒の暴走ですか……平時だから良かったものの、笑える話ではありませんね」

太上老君「ひょひょ、まあ心配には当たらんよ。これでもかと仙力を籠めてやったからの、向こう百年はこんなことはあるまいて。強く使う度に石猿が縮んでしまうのは、メカニズムがようわからんで直せんかったが」

沙悟浄「あ、それは良かったよぅ♪毎度あの女狐に頭下げてちっちゃくしてもらうのは、勘弁だからねぇ♪」

八戒「姉者も難儀じゃの……ま、ワシは根が品行方正じゃからの、手の掛かる幼子では無かったハズじゃが」

三蔵「それなら俺もだ。大人しく真面目な良い子だったと自負している」

小龍「……悟浄さんあたりが、お転婆で手を焼いたんじゃないですか?」

沙悟浄「否定は……出来ないけどねぇ。いやいや、アンタがちっこい火ぃ吹きまくってたとかじゃないのかい?」

小龍「……ありそうですね」

三蔵「あるのかよ怖ぇな龍族の子供」

八戒「何にせよ、たかが半日程度の子守りでへこたれるとは情けない姉者じゃのう、ほっほっほ」

悟空「……むにゃ………」
949: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:32:36 ID:yH514xoAY.
太上老君「…………災難ぢゃったの、石猿や………。さて、と。御主ら夕食はまだぢゃろ?外に金と銀を待たせて居っての、一緒にどうぢゃ?今夜は儂が奢ろう」

三蔵「お、太っ腹だなジーサン。よし姉妹のどっちかは俺の膝の上に座らせろ」

沙悟浄「させないよ旦那様!そんならアタイが座る!」

八戒「なんぞ如何わしい店みたいになるのうソレ。ん?ほれ何しとる小龍、行くぞ?」

小龍「…あ、いえ。悟空さんに一応、書き置きをと思いまして」

八戒「ほ、マメな事じゃ。どうせ朝まで起きんと思うが。先に出るぞい」

小龍「…はっ。私もすぐに」

悟空「……むにゃ……うううん……」

小龍「…ええと、外食に出ます、起きられたら妖気を追って………うなされてますね。余程だったのでしょうか」

悟空「……うう……お師匠さま痛い痛い……悟浄ちゃん泣き止んで………八戒ちゃんいい加減にして……!」

小龍「……余程だったんですね……」

悟空「……むにゃ……シャオくん……」

小龍「………」

悟空「……もう……わかったよぅ………はい、おっぱいどうぞ……むにゃ……」

小龍「…っ!?」ピシッ

悟空「……乳首……そんなにしちゃダメだよシャオくぅん……んぅ……」

小龍「……………!!?…………………!!!??」




劇終。
950: 名無しさん@読者の声:2015/1/23(金) 12:30:12 ID:XGQVyVyYsw
とっても面白いです。
毎日更新チェックしてます!

個人的には悟浄ちゃんの幼児化がドツボ。
951: 名無しさん@読者の声:2015/1/24(土) 14:59:47 ID:oL58yhGGH6
幼女がもっと幼女になって幼女にキノコ入れようとするとか…毎度ありがとうございます
952: ヨシュア【新春特番そのに】 ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:51:14 ID:TpYefkOpa.
八戒「………ふむ」

カラッ

八戒「……何度財布を覗いても、スッカラカンはスッカラカンじゃのう………参った……」

ピィ…ヒョロロロロ……

八戒「……鳶じゃ、こっちにも居るんじゃな………空が青いのう……」


『超短編・猪八戒の休日』


八戒「大体じゃな、あの札遊びは肌に合わぬ!麻雀ほど場の流れを読める訳でなく、牌九ほど解りやすくもない!中途半端極まりないわ!」

…グゥゥ…キュルル…

八戒「……腹が空いたのう……朝からじゃからなぁ………宿に戻るか。……いや、しかし………多少、ほんの少し、ちろっとだけ駄々をこねて持ち出したカネを、全部スッたと皆に知れたら……」

三蔵『だから言ったろーが。お前ヘタの横好きなんだよギャンブル向いてねーよ』

八戒「ぐっ。言われる絶対言われる。ん、んなこと無いわい、そも博打は運否天賦、向く向かないの話では……」

悟空『そのぶん美味しいもの食べたほーが絶対に良いのに。もったいなーい』

八戒「るっさいわいんなコト負けた本人がいっちばん痛感しとるわ!やる前は勝つ気で居るんじゃ無くすとは思っとらんのじゃ!」

沙悟浄『ま、なんにせよ次に収入があるまで、お小遣いは無いからね八戒姐さん?だからってその辺で強盗とかしないどくれよ、馴れない土地で札付きになるのは勘弁だからねぇ』

八戒「えええい、最近の御主はワシをなんぞ諦めた目で見よる腹立つ!なぁにが強盗じゃ元盗賊に言われとうないわ!」

小龍『……………』

八戒「とうとう想像上じゃのにフォローが来ん!なんか言え小龍!……って、フォローが想像できんのはワシ自身がフォロー思い付かんからか、ほほ……」

少年「なに一人で騒いでんのオマエ」

八戒「……何とかカネを工面して、『ま、対して儲けは無かったが、まあまあ遊べたわい』くらい言いたい……!なんとか……!」

少年「おいってば。無視すんなよ」

八戒「ああん!?何じゃ餓鬼!ワシは今虫の居所が活火山なんじゃ、怪我せん内にとっとと去ねぃ!邪魔……」

キュルルルル……

少年「……サンドイッチならあるけど、食う?」

八戒「………食ってやらんでもない」
953: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:52:13 ID:TpYefkOpa.
八戒「……むぐ……なかなか美味いではないか、はむっ」

少年「…オマエそのカッコ、どっかのお屋敷勤め?」

八戒「ん?……おお、このメイド服か?いやいや、ワシは旅の者じゃ。これは戒律での、我が師匠の教えで、基本着とらんと駄目でな」

少年「なにその師匠ヘンタイ?」

八戒「然り……んぐっ、なんぞ飲み物、無いかの?」

少年「ん、ほらよ」

八戒「おお葡萄酒!わかっとるのう小僧。……んく、んく……ぷはぁ。……しかし子供がこんな物を持ち歩くとは、誉められた話では無いのう、こぉの不良め」

少年「え?ワインだぞそれ。何言ってんのオマエ」

八戒「ほ?……ああ、そう言う風土か。食事の供な訳じゃったな、此処等では。確かに度も軽いしのう。小僧、おかわりあるかの?」

少年「あるけど……小僧小僧って、そっちも子供だろ、その呼び方止めろよ。てゆーか年下だろ多分」

八戒「ほほほ、御主の祖父、いや曾祖父でも足りぬぞ、ワシの齢は。……完全な人外、妖怪じゃからなぁ、ワシは」

少年「……ヨウカイ?え、じいちゃんより歳上って……大人なのかオマエ?」

八戒「ほほ……そうじゃ?サンドイッチでは足りぬのう……小僧……ワシに頭からガブリと喰われたくなければ、ちょろっとお小遣いの融資を」

少年「大人だとしたらとんだクズじゃねーかよ子供から巻き上げんなよ。へぇ、エルフなのか、初めて見た」

八戒「……えるふ?」

少年「エルフなんだろ?オマエらって見た目子供でも、百年とか生きてるって本当だったんだ。ふーん、角とか生えてるんだな」

八戒「……あぁ、そーゆー風土でもあったの……道理で賭場でも変な顔ひとつされんかったワケじゃ。居るんじゃの、そういう種族が…」

少年「……で、なんでこんな公園のベンチで騒いでたんだよ、オマエ」

八戒「ポーカーで有り金全部スッ飛ばして途方に暮れておった」

少年「とんだクズじゃねーか」
954: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:53:11 ID:TpYefkOpa.


八戒「……ぷぅ、馳走じゃ。んー、腹にモノを入れたら、苛々もなんとなしに紛れたのう」

少年「全額使っちゃったってオマエ、旅の途中なんだろ?平気なのかよ」

八戒「ん、路銀は別の者が管理しておる。前にそれすら溶かして大目玉を食ろうたからの。……まぁ今日もそこから多少つまんで来た故、ちと帰り難い。ほっほっほ」

少年「オマエ本当に大人?」

八戒「それを言うならば小僧、御主も子供のクセに、こんな真っ昼間から何をしておる?その歳でニートは逆に笑えんぞい?」

少年「今日、学校休みなんだよ」

八戒「ほ、書生であったか。何を学んでおる?用兵か?政か?詩歌か?」

少年「魔法。そこの木、見てろよ?……フレアッ!」パチンツ

ゴオオオオオオッ!!

八戒「おお!?見事な火術じゃの。その学校とやらでは、童が此程の術を学ぶのか」

少年「習ったって、他のヤツは出来やしないよ。オレ、天才だから」

八戒「ほぉう……しかし天才小僧よ、標的はきちんと消し炭にせんと……雷よ!」

バッシャァァァンッッ!!

少年「っ!?」

八戒「燃え広がって、火事になってしまうぞい?」

少年「へえ……!」

「こらぁっ!!お前らそこで何してるっ!!」

八戒「ほ?」

少年「ヤバッ、衛兵だ。捕まったらまた説教されちまう」

衛兵「……んん?お前、例の魔法学校の問題児だな!?ちょっとこっちへ……」

八戒「……では、逃げるか♪」

少年「へ?……ちょ、おい、手ぇ……!」

八戒「雲よ!我が足と為し天駆けい!」

少年「うわぁぁぁあ!?」

ビュウウウウウウンッッ!!
955: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:54:19 ID:TpYefkOpa.


少年「た、高い高い!なんだよこの魔法!?」

八戒「ほほほ、少しの間宙ぶらりんで我慢せい。雲に乗せてやりたいが、御主の歳で乗れたらそれこそ問題じゃからのう。……時に小僧、今『例の問題児』とか呼ばれとったな。やっぱり不良ではないか」

少年「…不良かは知んねーけど、問題児だよ。超問題児。……なんたって、上級生どころか、教師だって使えないレベルの魔法が楽勝なんだから、オレ」

八戒「ふむ」

少年「腫れ物扱いだよ、今だってもし衛兵に捕まっても、説教で終わりさ。本来なら退学モノだぜ、外で魔法を使って木を燃やすとか。親に連絡すら行かねーんじゃねぇの」

八戒「ところでチラリズムってあるじゃろ?あれワシ嗜好として解らんでも無いんじゃが、個人的には焦らされるより、見れるんなら中身全部見たいと思っちゃうんじゃが、どう思う?」

少年「なんの話だよ!そっちから振っといてオマエなんの話だよ!」

八戒「じゃって御主、せっかくワシがナンパされてやったと言うに、そんな詰まらん話するんじゃもん。モテんぞそれでは?」

少年「だからそっちが振った話題だろ!あと、ナ、ナンパじゃねーよバカ!」

八戒「ほ、まぁナンパでもガールハントでも何でも良いわい。どうせヒマじゃろ、ワシの憂さ晴らしに付き合えい。……うむ、この岩山で良かろ。ちぃと揺れるぞ、舌を噛むなよ?」

少年「へっ?」

八戒「……ひゅうう………掻き削れい九歯馬鍬ーっ!!」

ズガシャァァァァァァァアッッ!!!

少年「いいいいいいい!?」

…ガラッ……パラパラ……

八戒「…っと。うむうむ、思うた通り質の良い岩じゃ。ふむ、見晴らしも悪くない」

少年「……い、岩山を削って……平らにした……!」

八戒「真っ平とはいかんかったがの、まあ上出来じゃろ。……小僧、いつまでワシの手を握っとるか。もう地面じゃぞ?」

少年「…っ!オ、オマエなんなんだよ……こんな、オマエ、山って」

八戒「いや、大した技では無い。岩の点穴を的確に見極め、真横に気を広げて打ち込んだだけのコトじゃ。姉者なぞは膂力のみで壊せるが、ワシの細腕ではとてもとても……ん?どうした、ワシが怖いか?」

少年「こっ、怖くねーよ!ビックリしただけだよ!」

八戒「ほほ、ならば良し。さて、広場もこさえたコトじゃし、始めるかの」

少年「は、始めるって、何を」

八戒「憂さ晴らしの運動じゃ」
956: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:55:21 ID:TpYefkOpa.
八戒「ほれっ。これを持て」ポイッ

少年「わっ、とっと……!さっきの武器……武器?農具?何だよコレ。てか、なんか思ったより軽いな」

八戒「九歯馬鍬、と言う。御主ら風に言うと、マジックアイテム、とでも呼ぶのかの。重量は、持ち主の腕力に馬鍬自身が合わせてくれておる。便利じゃろ?」

少年「何?くれんの?」

八戒「阿呆ぅ。流石にコレだけは質に入れた事無いんじゃぞワシも。やらん、貸すだけじゃ」

少年「……?で、オレこれで何すんの」

八戒「これからワシが、御主を襲う。あ、性的な意味では無いぞ?まあ童とは言え男じゃからの、多少の期待はあったかも知れんが残念ながらワシは女色で、あぁ女色と言うのはの、レズビ」

少年「ねぇぇぇよ!!オマエさっきからイイ加減にしろよ!!」

八戒「ほっほっほ、済まぬ済まぬ、からかいたくなる性質での。……ワシがこれより、御主に攻撃を仕掛ける。殴る蹴るはせんよ、全て術にて、じゃ」

少年「む、無理言うなよ、山壊すようなヤツの魔法なんて」

八戒「安心せい。ワシの攻撃からは、九歯馬鍬が守ってくれる。持っとる方の手の力、抜いておけよ。勝手に動く故、手首を捻るからのう」

少年「はあ……で、それで?」

八戒「ワシの攻撃の隙を突き、ワシに術を当てられれば小僧の勝ち。……そうじゃの、夕暮れ迄に一本取れなければ、ワシの勝ちじゃな」

少年「……三時間くらいか。勝ったらなんかあんの?」

八戒「頭を撫でてやろう」

少年「バカにすんな。……いいぜ、やるよ。ヒマだし。怪我しても文句言うなよ」

八戒「良い威勢じゃ。直ぐに疲れ果ててくれるなよ、小僧……ゆくぞ!」

少年「そっちこそっ!」

八戒「先ずは……雷撃よ!地走り敵を討てい!」

バリバリバリバリッ!!

少年「いきなり足元かよえげつねぇっ!!……って、うおっ!?」

バシュウッ!!

少年「おおお……ホントに防いでくれた……この変な武器、すげぇ……」

八戒「次は上じゃ!一斉落雷っっ!!」

少年「でえええええっっ!?」
957: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:56:10 ID:TpYefkOpa.

少年「くそっ、グリン・アローッ!!」

八戒「光の矢か。面白いが、的の小さき相手に使う術では無いのう、若いっ!」

少年「うわぁぁ、また雷ぃ!」



八戒「ほれほれぃ!足元がお留守じゃぞっ!」

少年「あだっ!?オ、オマエ殴る蹴るはしないって」

八戒「転ばさんとは言うとらん♪」

少年「こっの……!」



少年「アルバ!!ブラスト!!ファウンテンッ!!!」

八戒「ほっほ多様じゃのう。しっかし当たらんのぉ〜?ほいっ」

少年「うわちっ!!ってかオマエ雷しか使えねぇの!?」

八戒「い、痛いトコ突くのう。九歯馬鍬が無いとその……るっさいわい!雷よっ!」

少年「うぁぁあ防いでくれても怖ぇぇえっっ!!」


…………………





八戒「ん〜っ、動いた動いた!おお、綺麗な夕陽じゃのう」

少年「……っそ……いっ……ぱつも………当たんなかっ……たぁ……!」

八戒「正直惜しいシーンも無かったの」

少年「うるせぇ!……はぁ……はぁ………疲れたぁ……」

八戒「……ほほ、ワシはそこそこ憂さが晴れたが、小僧はどうじゃ?」

少年「……わかんねーけど……なんか………全力とか久し振りで………気持ち良かった」

八戒「それは重畳。………当てれんかったが、ガンバったで賞をやろう。先の詰まらん話、続きを聞いてやっても良いぞ?」

少年「………オレさ。卒業したら、王宮に就職が決まってんだ。王宮魔導士って言や聞こえは良いけどさ……ウチの国、軍国だから」
958: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:56:52 ID:TpYefkOpa.
八戒「体の良い、人間兵器か」

少年「言い方悪っ。はは、まあ間違ってねーや。有事の際は、この手で敵国の兵を殺すんだ。炎の矢で貫いて。氷の弾丸で頭を砕いて。風の刃で切り刻むんだ」

八戒「嫌なら逃げれば……ともいかぬわな。御主にも家族が居る」

少年「……ホントに頭良いな、オマエ。そう、オレが軍属になれば、父さん母さんに楽させてやれる。妹も居るんだ。それに、別にオレにこんな力が無くたって、戦争に巻き込まれないワケじゃない」

八戒「然り。戦は、外交のいち手段に過ぎぬ。起こらぬに越した事は無いが、目を逸らし逃げてはならぬ現実でもある」

少年「……分かってるんだけどさ………怖いんだよな……殺すのも、殺されるのも」

八戒「……受け入れろ」

少年「………」

八戒「受け入れ、敵を倒せ。敵軍を、政敵を、己の邪魔となる者すべてを」

少年「……嫌だな」

八戒「授かった力を、余さず使え。時に悪を為せ。利に走れ。情けを捨てろ」

少年「………悪いエルフだな、オマエ」

八戒「しかし、邪悪を憎め。欲を飼い慣らせ。人を愛せ」

少年「…難しいこと言うなよ」

八戒「清濁合わせ呑め、と言うコトじゃ。そうして大人になって行く。……きっと御主は、良い男になる」

少年「……頭撫でんのは、オレが勝ったらじゃなかったのかよ」

八戒「ほほほ……今は周りより頭抜けて居るやも知れぬが、このワシ一人とっても、御主では敵わぬ。まだ御主は、力に悩むほどの力を持っては居らぬ」

少年「……オマエが強すぎんだよ」

八戒「練磨を怠るな。強くなれ。そして比類無き術士となった暁に……この悪いえるふと、また遊ぼう」

少年「……また、会えるの?」

八戒「会って貰わねば困る。今撫でてやったのは、次の勝負の前借りじゃ。……次は、馬鍬は貸さぬからの?」

少年「………次は、もっと格好良くナンパするよ」

八戒「ほっほ、マセた事を言いおって!」
959: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:58:41 ID:TpYefkOpa.

八戒「家まで送らんで平気か?小僧」

少年「バカにすんな。この公園でイイよ。……なあ」

八戒「うん?」

少年「……名前、教えろよ」

八戒「嫌じゃ。御主の名前も、要らん」

少年「ひっでぇな」

八戒「次、逢うた時も。『小僧』と呼ぶし『オマエ』と呼ばれてやる。……またの、未来の大魔導士殿♪」

少年「……またな!悪いエルフ!」




少年「……まずは、山を壊せるようになんないとな。……はははっ」







三蔵「お、帰ってきた」

沙悟浄「遅かったねぇ、八戒姐さん」

八戒「うむ。腹が減った。メシ、これからか?」

小龍「…お帰りなさいませ、悟能様。はい、近くに美味しい肉料理の店があるとかで」

八戒「おお、良いのう!ワシ昼にサンドイッチ程度しか食うて居らんで、よし早ぅ向かおう」

悟空「こんな時間まで何してたの?賭け事勝ったの?」

八戒「……ん、ちぃと運動とて……じゃな」

小龍「?」

八戒「……ワシも、恋をされてきた。ほほほほ♪」
960: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/26(月) 22:59:20 ID:TpYefkOpa.
悟空「なにそれ、どっかのフーゾク店の話?そーゆープレイ?さっそく下ネタ?」

沙悟浄「イメージプレイってやつかい?無駄遣いして……てか姐さんよくそーゆー店入れるね、そのナリで」

三蔵「『自分にベタ惚れプレイ』とかか。おい八戒、モテない中年のチョイスだろそれ、悲しい遊びすんなよ」

八戒「うぉい」

小龍「…お待ちください、皆さん」

八戒「うむ、フォローせい小龍」

小龍「…その辺で女性を襲わなくなっただけ、御成長されておりますので、遊郭遊びくらい問題ありません」

八戒「うぉーい?それフォローかのう小龍?うぉーい?」









八戒「あ、それはそれとしてスッカラカンになってしもうたので、小遣いの追加を」

悟浄「却下だよ」



劇終。
961: ヨシュア【大丈夫まだ一月特番】 ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:03:26 ID:IMo50X/CKw
沙悟浄「ごっくう姐さぁ〜ん♪」

ごくう「お、おかあさぁん……」

沙悟浄「むふふふぅ♪ああもう可愛いねぇ姐さんはぁ♪」

ごくう「え、えへ、えへへ……はぁ……」


八戒「ふぁぁあ……小龍、なんぞ飲み物を……」

小龍「…おはようございます、悟能様。只今お茶を」

三蔵「おはやくねーよ、お前もう昼過ぎだぞ。自由に生き過ぎだろ」

八戒「エエじゃろ、今日は出立せんのじゃし……ん、おい茶が熱い。フーフーせい、フーフー」

小龍「…は、お待ちください」

三蔵「この『子供が子供を介護してる不思議な光景』も見慣れたなぁ」

八戒「介護までいっとらんわい、人聞きの悪い。…慣れる慣れないと言えば、姉者も良い加減慣れるべきじゃろ、子供役に」

小龍「…悟能様、これくらいで如何でしょう。……確かに、いつも引き気味ですよね、悟空さん」

三蔵「げんなりしてるよな」


沙悟浄「はぁい姐さん、今度はこっちのおべべ着てみようねぇ♪」

ごくう「い、犬の着ぐるみパジャマ…?え、あのさ、わたしあんまり犬はすきじゃないかなぁ、ほら犬猿のなかって」

沙悟浄「ええ……そうかい?せっかくお父さんが作ってくれたのに……」

ごくう「なに余計なもんつくってんですかおししょーさま」

三蔵「睨むな睨むな」

沙悟浄「じゃあコッチ!可愛いおサルさんのパジャマだよぅっ♪」

ごくう「わたしがそれ着たらマトリョーシカになる!何着余計なもんつくってんですかおししょーさま!?」

三蔵「誉めるな誉めるな」


『超短編・沙悟浄の幸福』
962: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:05:10 ID:IMo50X/CKw


悟空「もうイヤだ!もうやりたくない!」

八戒「ふわぁぁ……なんじゃ朝っぱらから騒がしい。発情期か?手伝うてやろうか?」

三蔵「おうおはよう八戒。今日はちゃんと起きたな。あ、見たくないから自慰は外で済ませろよ悟空」

悟空「朝から下ネタ自重して!……もう悟浄ちゃんの子供やるの嫌なの!」

八戒「……ん、小龍は居らんのか?」

三蔵「悟浄と買い出し。朝市があるらしくて。お茶は自分でいれなさい」

八戒「なら水で良い……ふあ」

三蔵「ダメ幼女め」

悟空「ねぇたまには私の話をきちんと聞いてくれてもバチは当たんないんじゃないかな!?」

八戒「んく……ぷぁ。しかしじゃな姉者。それをワシらに言うても始まらんじゃろ、本人に言えい本人に」

悟空「通常時に言っても流されるし、ミニ化してる時に言ったら悟浄ちゃん傷付くもん」

三蔵「良い子かお前は。……まぁアイツ、何気に情緒不安定だからなぁ」

八戒「不安定も不安定、と言うかアレは情緒が思春期じゃもの。実のところ小龍はともかく、ワシらの中で最も幼いのは悟浄やも知れぬ。……あ、末妹じゃからそれでエエのか」

三蔵「そもそも何がそんな嫌なんだよ。俺はもうママゴトだと割り切って付き合ってるぞ。前にお前も言ってたろ、『この姿の時は幼女ライフを楽しむ』とかなんとか」

悟空「……そこじゃないんです。別にそれ自体が嫌なんじゃなくて……なんていうか、悟浄ちゃんにとって、ちっちゃい私さえ居ればそれで良くて、この私は必要無いのかなぁとか……そんなことないとは思うけど、なんか寂しくて……」

八戒「………ああ」

三蔵「………うん」

悟空「そんなことないって言ってよ!なにその反応!?なにその何とも言えないみたいな感じ!」

八戒「じゃって思うたより理由が重うて……のう?」

三蔵「…なあ?まさに何とも言えねーよ」

悟空「ごめんね変な空気にして!」
963: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:05:42 ID:IMo50X/CKw
八戒「まあ姉者の憂鬱はさておき、悟浄はやけに『家族』に拘るのう。師匠殿に関してもそうじゃ、彼女恋人ではなく、すっ飛ばして妻を名乗る」

三蔵「あー、確かに」

悟空「さておかないでよ!むぅ……そうなんだよね、なんかもうマジで母親やってるんだよね。この前ちっちゃくなってた時なんか、私クシャミして鼻が垂れちゃったんだけどさ。………口で吸い出そうとしたからね、私の鼻水」

三蔵「うわあ」

八戒「……赤子扱いじゃの、極まっとるわ。……で、吸うてもろうたのか?」

悟空「……抵抗……出来なかったんだ……」

三蔵「うわあ」

八戒「そのうちトイレの世話までされそうじゃの」

悟空「…………」

三蔵「おいコイツもうされてるぞ弟子たちがイケないプレイしてるぞ師匠としてどうしよう」

八戒「三姉妹で除け者は良くないのう、ワシも混ぜろ」

悟空「だいぶ姉弟子の、いや乙女の尊厳がボロボロな話なんだから茶化さないでやめて!」

三蔵「いや泣かんでも。まあアイツにもなんかあるんだろ、色々。それこそ姉弟子の度量で笑って許して……」

『いろいろ………知りたい……?』

悟空「ふへっ!?」

八戒「……何の用じゃ。帰れ」

ズズズ……

玉面公主「あら……いきなり帰れだなんて、ごあいさつね……はぁい、おひさ……」

悟空「うわ、玉面ちゃんだ」

三蔵「流石の俺も、アンタは警戒するぞ。幼女カテゴリで八戒と同じだし」

八戒「一緒にするな、反吐が出る」

玉面公主「…嫌われたモノね………まあ良いわ……ちょっと、新発明の実験をお願いしたいのよ……」

八戒「断る。姉者、客人がお帰りじゃ」

悟空「はいお出口こちらでーす。足もと段差お気をつけくださーい」

玉面公主「……嫌われたモノね……ほんと……」
964: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:06:41 ID:IMo50X/CKw


八戒「……物質の記憶を写し出す、とな?」

玉面公主「……そう。よく言うでしょう…?モノには記憶が宿る、って……特に長年愛用された道具なんかだと、本当に記憶が残ってるのよ……それを映像化するのに成功したの……玉って天才……マジ仙界の諸葛孔明……」

八戒「我褒めも大概にせい。ふむ、大樹などならばともかく、命の宿らぬ道具に、のう…」

三蔵「嫌ってるわりにあの二人、話合いそうだよな」

悟空「似た者同士ですからね。でもあそこが本気で仲良くしたら世界が滅ぶと思う」

玉面公主「……そこで、貴女達の武器の記憶を見せて欲しいのよ………年代物でしょう……?」

八戒「ワシの九歯馬鍬は貸さんぞ。御主になぞ預けたくない」

悟空「じゃあ私の如意棒?」

玉面公主「……猪八戒のは要らないわ……どうせ肉欲に爛れた記憶しか無さそうだし………孫悟空のも、パパの混鉄棒の記憶と変わらない、血で血を洗うスプラッタ劇場しか映って無いだろうし………沙悟浄目当てだったんだけど……居ないのかしら…?」

八戒「ならば留守じゃ、帰れ帰れ出直せ」

悟空「でも悟浄ちゃんの武器なら、そこにあるよ?」

三蔵「あー、両手が塞がるだろうからって、置いてったなそういや」

八戒「……彼奴は禅杖が無くとも術を問題なく使えるからやも知れぬが、武人の魂を置いて行くか普通……?」

玉面公主「あらラッキーね……じゃ、この記憶読み取り装置、名付けて『後から盗撮君』の実験を……」

悟空「どうだろうそのネーミングは!えっ、そんなダメだよ勝手に」

玉面公主「……わかるかもよ……?なぜ沙悟浄が、家族に拘るかが……」

悟空「……うっ」




ジジ……ジ……

三蔵「お、なんか水晶に映った」

八戒「んん……天界じゃな。天帝宮っぽいのう」

悟空「うっわノリノリで観てるよこの二人。ごめんね悟浄ちゃん……」
965: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:07:25 ID:IMo50X/CKw
『天帝陛下、御帰還!天帝陛下、御帰還!』

『玉座への道を清めよ!御帰還である!』


三蔵「どこも帝の周りってのは変わんねーな。ん?なんかこの兵隊さん達が持ってるの、悟浄とおんなじ杖じゃね?」

八戒「これは捲簾隊じゃな……では同じモノであろ。奴等の装備は一律された支給品じゃと聞いたことがある。……表に出ぬ部隊じゃから、あまり詳しくないが」

悟空「ねえ、それより、もしかしてこの人……」


覆面の女将『周囲の警戒を怠るな!羽虫一匹たりとて御陛下に近付けてはならぬ!』

『はっ!捲簾大将様!』


悟空「やっぱり悟浄ちゃんだ!……なんで顔隠してるの?」

八戒「顔、そして本名、出自すら他者に明かさぬのよ、奴等は。天帝の最も近くで警護するが役目じゃからのう、暗殺等を防ぐ為の一環じゃ。太上老君殿ですら、悟浄と面識が無かったであろ?」

三蔵「なんだその秘密戦隊……お、場面が変わった」

玉面公主「やはり途切れ途切れになるわね………仕方ないわ、記憶の欠片のようなモノだもの……」


『……ね、来週御到殿されるのって、どこの竜王様だっけ』

『えっと確か、東海……あれ、南海……?』

沙悟浄『そこ。私語を慎め。陛下のお膝元で、不敬だぞ』

『た、大将様!も、申し訳御座いません!』

沙悟浄『次は無いぞ。それと、何処の誰が宮殿に入るかなど、我等が知る必要も無い。余計な情報は捨てろ。我等はただ、陛下を御護りする事だけを考えて居れば良いのだ』

『こ、この命を賭してっ!』

沙悟浄『よし。持ち場へ戻れ』


悟空「誰あの優等生」

八戒「コテッコテのエリートじゃな……融通が利かなそうじゃ」

三蔵「今がヤンキーなだけにギャップがすげぇな」
966: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:08:26 ID:IMo50X/CKw
悟空「しかしこれかなり観やすく映ってるね。すごいよ玉面ちゃん」

三蔵「使いようによっては女湯とか覗き放題だな。ダメだぞ八戒」

八戒「いや覗く必要無いじゃろワシは。元々女湯じゃ」

玉面公主「あら……ほんとにシャワーシーン始まったわね……」

悟空「おっと。一応お師匠さまはあっち向きましょうか」

三蔵「あ、うん。一応な」

八戒「おい玉面。湯気で肝心の部分が見えんぞ」

玉面公主「結局かぶり付きでまじまじと観るじゃないこのスケベは……消したかったら製品版を買って頂戴……」

悟空「売っちゃダメ!」


沙悟浄『ふんふふんふ〜ん♪赤い御髪の悟浄ちゃん〜♪今日もお仕事パーフェクト〜♪とっても素敵な女の子〜♪』


三蔵「……お、おい誰か、ツッコんでやれよ…!」

八戒「……あ、姉者……ぶふっ……」

悟空「……ご、ごめん、出来ない、ぷ、ぷくく……!」

玉面公主「……笑っては可哀想よ……?…あ、自室に戻ったみたいね……もう観ても平気よ……三蔵法師……」


沙悟浄『ぬいぐるみさん達、ただいまっ♪ママが帰ってきまちたよ〜♪』


八戒「く、熊のヌイグルミを抱き締めて……ぶふぉっ、チューまでしたのう……!」


沙悟浄『るんる〜ん♪あっ、そうだ、今日はお酒飲んじゃおっかな?うふふ、悟浄ったら不良なんだぁ〜♪』


悟空「こ、こんなん笑うなって方が、ちょ勘弁して悟浄ちゃ、お腹痛いお腹痛い…!」


沙悟浄『……でね?今日は部下の子たちに、悟浄怒っちゃったの。嫌われてないと良いなぁ……ヘイキダヨ!オシゴトナンダモン、ワカッテクレルヨ!……だよねだよね!真面目にやんないとだもんね!』


三蔵「アカンぬいぐるみと喋ってる……!ア、アテレコまでしてる……!ちょ、一旦停止してくれ、息が、息が苦しい…!」

玉面公主「その機能はまだ無いわね……検討してみるわ………しかしこれ、玉だったら自殺モンの黒歴史ね……」
967: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:09:07 ID:IMo50X/CKw
『捲簾大将に問う。天が宝である玻璃の器。それをその手から落とし、破壊したのは貴様で相違無いか』

沙悟浄『……は。弁解も御座いませぬ。処分は如何様にも……』


悟空「ひぃ、ひぃ……あ、良かった場面変わった……」

八戒「……ふぅ……ふむ、天を追放される段かの」


『……反省もしておる、そして故意では無い……体を装っては居るが』

沙悟浄『……?』

『陛下の宝を、手を滑らせて落とすなど、武技の達人たる貴様には有り得ぬ』

『然り。これは正に、腹に二心を抱く表れ』

『此奴も、器と同じく地に落とすが妥当ぞ』

沙悟浄『なっ……!?』


三蔵「……コップ割っちゃっただけでって厳し過ぎんだろとは思ってたけど、こーゆー事か」

八戒「成る程の。失態に付け入られての追放か。地位の高いオナゴは、方々から軽んじられ、かつ疎まれるでのう」

悟空「あー、やっと落ち着いた……じゃあ八戒ちゃんも、周りに敵多かったの?」

八戒「や、多かったは多かったが、女だからと言うワケでは……そもそもワシ、あの頃は女扱いされとらんかったし」

三蔵「今もされてねーよ」


『元来、このような小娘に近衛の長を任せるが間違いであったのだ』

『所詮武に秀でただけの武骨者……その赤毛も、吉兆の赤などでは無かったな。破壊しか生まぬ、血の色であったわ』

『おお、なんと穢らわしい。陛下の御側に、血髪が賊を置いていたとは。今すぐに排除せねば』

沙悟浄『ぐ……!!貴様ら……!!』


三蔵「あーこりゃグレるわヤンキーにもなるわ」

八戒「初め軽く男嫌いっぽかったのも、この辺からじゃろな」

悟空「さっきのぶりっ娘キャピキャピからの落差がものすごいね…」
968: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:11:43 ID:IMo50X/CKw
沙悟浄『明朝、追放……極刑を免れただけ、慈悲に感謝せよ、か……』

沙悟浄『は、ははは……ねぇ、くまちゃん……悟浄が、なに、したのかなぁ……?』

沙悟浄『規律だから……友達も作らずに……陛下のため……天界の平安のため……って、ただ、がんばって』

沙悟浄『…ママやパパの顔も知らないで、ちっちゃい頃から、腕を、術を、磨いて……悟浄、これしか、無いのに……!』

沙悟浄『ねぇ……こたえてよ………なんで、なにも、言ってくれないの……?…う、う、うあ、うああああ……!!』


八戒「……これはさっきとは違う意味で、観るに耐えんの」

三蔵「悟空、鼻をかめ。きたない」

悟空「ひぐ、えぐ、うわぁぁぁぁあ悟浄ちゃんかわいそうぅぅ……!」

八戒「繋がりらしい繋がりを持って来なかったからこそ、家族のような強い絆を求める、か。そのへん、姉者の涙腺を直撃したようじゃの。境遇で言うたら姉者のが余程きついと思うが」

玉面公主「……これでお仕舞いね……やはりランダムな一部しか読み込まない……もっと改良しないと、使いようがないわね………じゃ、玉はこれで……」

八戒「待てい女狐、協力してやったんじゃから礼金を」

玉面公主「……ばぁい」ズズズ……

八戒「…くっ、逃げ足のはやい……」

三蔵「しかしまあ、色んな意味で見なかったことに……悟空?」

悟空「う、うわぁぁぁんゴメンね悟浄ちゃん!えっと、肉まんになって如意棒っ!」

八戒「無理を言うな姉者」

ボワンッ

ごくう「ごじょーちゃぁあぁんっっ!」

三蔵「……そーゆー無理でもちっさくなれるんだな」

八戒「……なんか丸ーくなっとるな、如意棒。やろうとはするんじゃな、健気な棒じゃ」
969: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:12:41 ID:IMo50X/CKw

沙悟浄「あぁん今日も姐さんがちいさい!かわいい!」

ごくう「えへへ、ごくう、おかーさんだいすきっ!」

沙悟浄「あぁぁぁんお母さんもだよぅ!」


小龍「……何があったんですか?」

八戒「……ま、色々じゃ」

三蔵「当分あのままなんだろな、あの感動毛玉は。食費が浮いて助かるじゃん」

八戒「他人事ではなかろ?あれを観たからには、師匠殿も腹を括って、ちゃあんと悟浄を娶ってやらねば」

三蔵「それはまた後で考えよう今を生きよう」

八戒「このクズめ」

三蔵「……お前に言われたくねぇ」

小龍「……?」




三蔵「悟浄、ここに居たのか」

沙悟浄「旦那様。ダメだよぅ、一人で出歩いちゃ」

三蔵「ベランダ出ただけだろ」

沙悟浄「最近は旦那様目当ての輩もあんま来ないけど、それでも用心に越した事は無いからねぇ。どしたんだい?寝れないのかい?」

三蔵「お前こそ。悟空は良いのか?添い寝してたろ」

沙悟浄「あはは、寝付いたところで元に戻っちゃったよ。今回短いねぇ」

三蔵「……あんまヘコんで無いんだな」

沙悟浄「そりゃ残念だよぅ、はやくまた小さくならないかねぇ………なんて。姐さんは姐さんさね。ちっちゃくなったらアタイの娘、ってだけ」

三蔵「……なんだ。悟空の取り越し苦労か」

沙悟浄「ん?なんの話だい?」
970: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/30(金) 21:14:04 ID:IMo50X/CKw


沙悟浄「………あっはは、変にナイーブなこと考えてたんだね、悟空姐さんらしいよ」

三蔵「やっぱ心臓にだけは毛ぇ生えてねーのかもな、豆腐メンタルだし」

沙悟浄「ひっどいねぇ旦那様、あはは。……それにしちゃヤケに今日、『お母さん』に甘えてくれたけど……他にもなんかあったのかい?」

三蔵「……いや、別に?」

沙悟浄「んぅ?あやしいねぇ……。ま、良いか。……そうさねぇ、どうしても娘扱いがイヤだ、ってんなら、方法が無いでも無いケドね?」

三蔵「当分平気だとは思うが……や、なんでもない。…方法?」

沙悟浄「んふふぅ♪……アタイにホントの子供が出来たら、姐さんも解放されるんじゃないかい?ねぇ旦那様?」

三蔵「おっふ」

沙悟浄「……なーんてね♪じゃ、アタイはそろそろ寝るよ。おやすみ、旦那様♪」

三蔵「……おう、おやすみ」



三蔵「……何だよ居るなら出てこいよ出歯亀」

八戒「…ほ、珍しく勘が冴えとるの。いつぞやの仕返しじゃい。……いやしかし、愛いのう悟浄は。なぁにが子供じゃ、生娘が耳まで真っ赤にして無理しよってからに、ほほほ」

三蔵「……なー、可愛いなー」

八戒「お?おお?何じゃ奇跡が起こったか?」

三蔵「俺がロリコンじゃなかったら、一発で落ちてるんだろうなぁ」

八戒「……このクズめ」

三蔵「お前に言われたくねぇ」



悟空「んぅ……おかあさん……」

沙悟浄「……おや、夢の中では娘の方なんだねまだ。……恋をして、みんな居て。幸せ者だね、アタイは。ふふ、姐さんは可愛いねぇ♪」

悟空「……いやでもおかあさんのおっぱいじゃ……あんまりないから無理じゃない…?……むにゃ……」

沙悟浄「起きなクソ姐ゴルァ」


終っ!
971: 名無しさん@読者の声:2015/1/31(土) 22:01:53 ID:J4I.nSkhJk
残りのスレ数、そして各キャラのショート…
もうすぐ終わりなんて言わずにもっと続いて!(私欲)

残り僅かですが、これ置いときますね。C
972: 名無しさん@読者の声:2015/2/1(日) 04:51:58 ID:jkvkHh/shU
いつも楽しみにしてます。
もっと続いて欲しいな。
CCC
973: 名無しさん@読者の声:2015/2/3(火) 12:54:09 ID:N.OnNK6csY
最後クソワロタw
作者さん作者さん、色々都合があるのは百も承知で言わせていただくけど、終わりにしないでほしいな。
974: ヨシュア【なんかわかんないけど特番】 ◆.frSdr10QQ:2015/2/4(水) 22:42:44 ID:k6sxJkXSBQ


ー此処ではない、何処かにてー



金吒「……ち、波長センサーには、なあんも引っ掛からんな……しっかし、見渡せど見渡せど森、森、森。んで居るんはでっかいトカゲばっか……うぅん、ここには居れへん気ぃするなぁ、金蝉子様……」

雀「金にーさまっ!食料調達してきたっス!お魚も果物もたくさんっス!偉いっスか?自分よくやったっスか?」

金吒「ああ?あー、ご苦労さんご苦労さん。えらいえらい」

雀「えへへ……褒められちゃったっス♪」

金吒「あぁもう、引っ付くなやウザい」

青「こら雀……金にーさまが嫌がっておいでだぞ…?離れようか…?ですよねぇ金にーさまぁ…?」ビキビキ

白「ほら雀ぇ、金にーさまのお仕事邪魔しちゃあいけねーよ…?金にーさまはお忙しそぉだからよぉ…!」ビキビキ

金吒「お前ら兄弟子に向かって殺気飛ばすん止めや。あとムサい野郎からの『にーさま』呼ばわりはキツい」

雀「ちょ、なんスか青兄さん、白兄さん!引っ張んないで欲しいっス!」

青「何だは此方の台詞だ雀!如何に恩人であり兄弟子だとは言え、年頃の娘が男に対して、ああもベタベタとスキンシップをしてはならぬ!」

白「そぉだぜ今回ばかりはアニキの言う通りだぜ!お前そこそこマブいんだからよ、あのメガネに食われちまうぜ男はウルフなんだぜ!?」

雀「そんなこと言われても……自分も女子っス、イケメンには弱いっス!」

青「い、いけめ……おいおい雀、真に男前と呼ぶはだな、某の様に威厳と風格を漂わせておる男だぞ?あのような線の細い優男のどこが良いのだ?」

白「バッカおめー、イケてる男子ってのはよ、俺みてーなヤツよ。あんなガリ勉臭いシャバ僧なんてお呼びじゃねーよ、男はこうビシッと尖ってキメてねーと」

雀「ええぇ……青兄さんとか白兄さんみたいなのは……」

青「ん?す、雀?なんだその奥歯に物の挟まったような物言いは。い、言いたい事があるならば言ってみよ」

白「そ、そーだぜ兄妹で遠慮は良くねーぜ。なんだ雀、兄ちゃん達はお前が何を言っても動じねーからよ?」

雀「……じゃあ………青兄さんみたいな人は嫌っス。男前は男前でも一昔以上前の男前っス。眉毛が太いっス全体的に暑苦しいっス海が似合いそうっス。イケメンってより若大将っスおばあちゃんにしかウケないっス」

青「がふっ」

雀「そんで白兄さんもちょっと……だって白兄さん、髪形とファッションで誤魔化してるだけで顔面偏差値は中の下っス、不良っぽいからモテてる田舎の学生みたいなもんス。都会じゃ通用しないっスむしろヤンキーとかもうダサいっス」

白「ぐはっ」

金吒「おいやめたれ、流石に可哀想や」
975: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/4(水) 22:43:32 ID:k6sxJkXSBQ
釈迦「あっはっは、新弟子達とも随分と打ち解けたな、金吒」

金吒「……そぉですねぇ。少なくともアンタよりかは社交性がありますよって」

釈迦「おいこらー?なっがいこと新弟子なんてとってなくて弱冠どう絡んで良いかお悩み中の師匠を苛めるなー?」

雀「お師匠もイケメンだから好きっス!でもなんかそーゆー目では見れないっス不思議と!」

青「す、雀……そんな娘に育てた覚えは……!」

白「ありえねぇマジ落ちるマジブルー……!」

釈迦「面食いもここまで明け透けとしていると気持ち良いな、あっはっは。そうだな、一応元仏陀だからな俺は。なんか悟っちゃったオーラ的な物が邪魔してるんだろうな。……お師匠、か。……まったく、何処に居るんだか……お前らの姉弟子は」


『超短編・三蔵法師の再会』


三蔵「ん〜っ、いーい天気だなあ……」

悟空「ですねぇ……」

三蔵「悟浄が居ないと左腕が楽で良い。外で腕を組まれない日は無いからな……」

悟空「うっわ言ってや……言わないですけどね涙目の悟浄ちゃんとか胸が痛くなるし」

三蔵「いやほんと肉体的な問題でだな、見ろ俺左右で腕の太さが」

悟空「わ、ホントだ左腕のが明らかに太い気持ち悪い」

三蔵「多分加圧トレーニング的な何かが起こってる怖い。しかし意外だな悟浄のヤツ、まさか虎さんとお出掛けとは」

悟空「お洋服とか見に行く約束だって言ってましたねー。私も今度、虎力ちゃんとボー……女性向け漫画を買いに行く約束してますよ」

三蔵「ボーイでラブな漫画だろもういいよ濁さなくて。で、八戒と小龍はカジノで、お前だけ余ったと。可哀想に」

悟空「護衛ですよみんな出掛けるワケに行かないじゃないですか失礼な!それに用事が無いのはお師匠さまもおんなじじゃん!」

三蔵「いや俺は重要な用事があってこのベンチに座ってる」

悟空「座ってグダってるだけじゃないですか」

三蔵「これから前の広場で、近所の子供会が運動会を催すらしい。気合いを入れてガン見せねばならん」

悟空「うわあ通報待ったなしだ!」
976: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/4(水) 22:44:56 ID:k6sxJkXSBQ

三蔵「お、開会式だ。うんうん、なんて平和な光景だろうか」

悟空「パッと見は本当に、無邪気な子供達を笑顔で見守る僧侶さまなのに、頭の中は性犯罪者なんですよね世の中は恐ろしいね」

三蔵「しっぽ?」

悟空「ノーしっぽ。あれおっぱい触られるより恥ずかしいし、おっぱい握り締められるより痛いんですから」

三蔵「ふむ。『じゃあ優しく触られるとおっぱいとどっちが感じるんだ?』みたいな質問が頭をよぎったが、お前にセクハラしても始まらんからやめた」

悟空「なんでそれを口に出すかなあ」

三蔵「うおおブルマーだ!わかってるね子供会!そうだよブルマーじゃなきゃダメだよ!」

悟空「はぁ……」

『最初の競技は……男女混合徒競走……男女混合徒競走……小等部の皆さんは……』

三蔵「なんだよ男子はいらねーよ、女子だけで走らせろよそんな男女平等はいらねーよ」

悟空「ふわぁ……そーですねぇ。男の子のが速いですもんねぇ」

三蔵「む、おい悟空、向こうのベンチに移るぞ」

悟空「へ?ここのがグラウンドよく見えますよ?」

三蔵「俺は走ってる幼女より、走り終わって息を切らした幼女が見たいんだよ。ほらあっちに一等とかの旗持ってる人がいるから」

悟空「すごい良い顔ですごいダメなコト言いますね!」

三蔵「んだよ、来ないなら一人で移るぞ俺は」

悟空「行くに決まってるじゃん合法的に事後のショタを拝めるんだからやべぇヨダレが止まらねぇ」

三蔵「………悟空?どうした、壊れたか?」

悟空「ごくう?……お、おおっ、三蔵さんだ!おお、じゃあこれ悟空ちゃんか!おっぱいデカっ!重ぉっ!」

三蔵「おいマジでどうした脳ミソに毛が絡まったのか?しっかりしろ悟空!」

悟空「しっかりしてるんですけど?しっかりとショタを堪能してる」

三蔵「ご、悟空…?」

悟空「ふっふっふ。悟空ちゃんじゃないよー?愛と正義と半ズボンの味方、金蝉子ちゃんだよ!おひさっ!」

三蔵「…………あ?」
977: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/4(水) 22:46:30 ID:k6sxJkXSBQ


三蔵「うおおおお何最近の創作ダンスってここまですんのかそんなに脚を広げたらぁぁぁあ!」

金蝉子「いやいやいやこれはやはり西国特有の開放的なアレじゃないかな今見えた!白いブリーフが見えたぁぁあ!」

三蔵「じゃねぇよ俺もナチュラルに対応してんじゃねぇよ」

金蝉子「自分にまで突っ込むとかレベル高いね三蔵さん」

三蔵「……わかりやすく説明してくれ。俺は理解力には自信があるが、如何せん知識に乏しい」

金蝉子「えっとね。私さ、魂すら無いからさ。意識の欠片みたいなのがあちこちに散らばってるんだよね。この大陸とか地球とかなレベルじゃなくて、もっと広範囲で。で、他の生物の生命力を寄り代に、なんとか存在してる、みたいな?この私も、本体じゃ無いと思う」

三蔵「ウイルスかなんかかよ」

金蝉子「あ、うん近い近い。だからね、いつもはこんなハッキリクッキリ意識を持てないのよ。でもさっすが悟空ちゃんだね……生命力がめっさ強いからかな、勢い余って身体乗っ取れちゃったよ」

三蔵「それ逆に弱くね?」

金蝉子「……あんま心配そーじゃないね。可愛い弟子の身体だよ?」

三蔵「アンタは俺らになんもしねぇよ」

金蝉子「……あっはは。相変わらず、なかなか悪くないね」

三蔵「……そりゃどーも」




金蝉子「ふぅん……お師匠が私を探して…………えへへへ、さびしんぼうだな、お師匠ったら」

三蔵「今呼んだり出来ねーのか?」

金蝉子「こんなちっさい欠片の私なんて、見つけてもすぐ消えちゃうよん。多分本体はそこそこ力があるはずだから、見つけられれば復活の可能性も……何百年、いや何千年……いや何万、何億……」

三蔵「スケールがデカ過ぎてついていけん」

金蝉子「あっはは。でもこんなお喋り出来るくらいに自由になれるのは、相当ラッキーチャンスだね……よし…!」

三蔵「…なに見てんだよ、俺は法力とか使えねーぞ」

金蝉子「あのショタクール君はどこっ!?ショタクール君!」

三蔵「……小龍か?あー、どこだろ、この街に居るかどーかすら」

金蝉子「えええええええええ!?こんなチャンスなのにぃ!?この姿なら、濃っっっ厚なオネショタが出来るのにサクランボのパイ包みが出来ちゃうのにぃぃっ!!」

三蔵「いやそのカップリングは止めとけ方々に怒られる。主に悟空が」
978: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/4(水) 22:47:30 ID:k6sxJkXSBQ
金蝉子「くっそぉぉぉ……せっかくの生身なのに……せっかくの爆乳なのに……!」

三蔵「マジ泣きとか。え、なに俺も端から見たらこんなんなのか」

金蝉子「うう……あっ!組体操やってる!汚れた膝小僧ってなんであんなセクシーなんだろう!」

三蔵「こんなんなのか……」

金蝉子「あ、次は女子のパン食い競争だって。女子限定とか変態かよ」

三蔵「女子限定とかわかってんじゃねぇか変態かよ!」

金蝉子「うわ双眼鏡。次貸して次」




三蔵「ふう……堪能したぜ……!」

金蝉子「これで我が国は十年は戦える……!脳内ベストショットなんだった?私綱引きのメガネの子!歯を食いしばってちょー可愛いの足ピーンってなってんのピーンて!」

三蔵「……お弁当の時間の、サンドイッチを頬張る幼女だ…!」

金蝉子「なっ…!」

三蔵「……みんなで外でお弁当を食べるのが、とても楽しかったんだろう……慌ててしまったのか、水筒のお茶を溢しちゃったりしてな……眼福、ここに極まれりだ……」

金蝉子「きょ、競技そのものでは無く、食事風景……!普段よりたくさん身体を動かして、より空腹な状態で迎える昼食……!三大欲求のひとつを満たすその姿は、どんな競技種目より幼さ故の素が出る……そういう事か……!」

三蔵「……ケチャップで汚れてしまった体操服を、こしこしして誤魔化そうとする姿なんて……萌えるしかねぇだろ?」

金蝉子「ぐううっ……!ま、敗けだ……今回は、私の敗けだ……!私は、私は上っ面のエロスしか見えてなかった……!小児嗜好で地を舐めるなんて、この金蝉子もヤキが回ったか……!」

男「あのー」

三蔵「ふふふ……はい?」

男「自治会の者なんだけど、アンタらどこの子の関係者?ちょっと親御さんから苦情が……」

金蝉子「……脚に自信は?」

三蔵「……ふ、ガキの時分、韋駄天の紅流と呼ばれた俺に愚問を」

金蝉子「よし」

ダダダッ!!!

男「おいっ!ちょっとアンタらっ!?こ、こら待てーっ!」

979: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/4(水) 22:48:42 ID:k6sxJkXSBQ

三蔵「あー、あー、走ったぁ……!」

金蝉子「さすがに……はぁ……人様の身体でお縄になるのはマズイからね…!」

三蔵「………お前、良いのか?」

金蝉子「んう?何が?」

三蔵「よくわかんねーけど、本当に色々チャンスだったんじゃねーの?こんなバカやってないで、お師匠さんに会おうと出来たんじゃねーのか?」

金蝉子「……うーん………ま、良いよ」

三蔵「あっちは必死で探してるだろうに、薄情だなオイ」

金蝉子「………だって、見つけてくれるもん」

三蔵「……む」

金蝉子「私のお師匠も、きっとまた私を見つけてくれる。三蔵さんが、悟空ちゃんを見つけてあげたみたいに、ね?」

三蔵「……声が変だな。時間か?」

金蝉子「……うん。今度こそ、うーん……あんま早くは会えないかな?あー、『子供がどの程度の性知識を持ってるのが萌えるか』、また語れなかったね」

三蔵「あー、言ってたなそれ」

金蝉子「ま、それも次ってコトで♪」

三蔵「……見つけてもらえよ、お弟子さん」

金蝉子「……そっちも、この子を見失っちゃダメだよ、お師匠さん」

シュウウ……

悟空「んぅ……はっ!へっ?どこココ!?えっ!?……ゆ、夕方!?なんで!?」

三蔵「お前歩きながら寝てたんだよ、すげえな」

悟空「スゴい!って絶対ウソだ!えっなに、怖い怖い、お師匠さまっ、どうなったの何があったの!?記憶が無いんだけど!私どうしてたの!?」

三蔵「ショタコンになってた」

悟空「いやワケがわからないよ!?」

三蔵「……こんだけ騒がしいヤツ、見失えって方が難しいっつの」

悟空「?」


終了。
980: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/4(水) 22:51:29 ID:k6sxJkXSBQ
>>971
>>972
>>973
とりあえずこのスレ綺麗に終わらせてからで。あんがと。
981: ヨシュア【特番おまけ】 ◆.frSdr10QQ:2015/2/8(日) 20:44:02 ID:cSLvU9Mz7A
オークの首領「……部下が随分と世話んなったらしいじゃねぇか……ナニモンだ、テメェら……?」

紅孩児「ふう、こっちじゃウチの名前も意味無いから、面倒臭いね。ビジネスの話をしに来たのさ。……大人しく僕らの傘下になるか、死ぬか。はい選んで?」

オークの首領「……おい兄ちゃんよ。オレぁ『ナニモンだ』って訊いたんだぜぇ…?喧嘩は売った方から名乗れや…!!」

紅孩児「……正論だね。僕は紅孩児、中華最きょ」

鹿力大仙「中華最強の俺らを知らねーたぁ、嘗められたモンだぜ!」

紅孩児「あの、まだ僕がしゃべっ」

羊力大仙「我輩達は、かの地最大の義侠集団、牛魔である!」

紅孩児「ちょ、羊力さんまで」

虎力大仙「知らないってんなら、身体に教え込んでやるわ!いくわよ!」

紅孩児「ねえ聞いて!?僕の話を聞いて!?……って、え、なになんでちょっと下がるの?」

虎力大仙「縞々模様は夢見る模様!貴方のキモチを知りタイガー!乙女全開プリティ妖仙、虎力大仙!」

鹿力大仙「雄々しき角は勇者の証!更なる強敵とディアいたい!筋骨隆々パワフル妖仙、鹿力大仙!」

羊力大仙「高貴な白は忠節の色!染まらぬ義心はトップシープレット!知将良将ダンディ妖仙、羊力大仙!」

虎力大仙「我ら!」

鹿力大仙「三妖そろって!」

羊力大仙「三・大・仙!」

ドドーン!!!

オークの首領「………おい、兄ちゃん」

紅孩児「……オンナノコだってば」

オークの首領「…ギューマってのは、サーカスの一座かなんかか?」

紅孩児「……そうだね、アニマル率は高いね……」



『超短編・牛魔の未来』
982: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/8(日) 20:45:09 ID:cSLvU9Mz7A

紅孩児「……君達三人に、言いたい事がある」

虎力大仙「ねぇコレ美味しくない?なんのお酒?」

羊力大仙「ふむ、恐らく洋梨であるな。甘過ぎず、良い仕事をしてるである」

鹿力大仙「ウメェけど、魚料理には少し合わねーな。いや、タレを工夫すりゃ変わっか…?」

紅孩児「だから僕の話を聞こう!?君らは悟空たちか!」

虎力大仙「一緒にしないでくんない?アイツらは結構ガチめで話聞いてないじゃないの。アタシらのは、無視よ」

紅孩児「よけいヒドイ!」

羊力大仙「酒の席に、なにやら仕事の話をしそうな雰囲気を出すからである。真面目も結構であるが、程好く抜いて生きるべきであるぞ?」

鹿力大仙「そーだぜ紅孩児。オメェ全然飲んでねーじゃん。打ち上げくらいパーッと騒げよ、今回は呼んでやったんだから。ほら、杯出せって」

紅孩児「う、羊力さんにそれを言われるとか……あ、ありがとう鹿力さん………ん?え、今なんて?『今回は』?『呼んでやった』?え?いつもやってるの打ち上げ?ぼ、僕初耳だよ?今日が初めてじゃないの?」

虎力大仙「だっていつもは家とか宿とかでだもん。その辺の店より鹿力のゴハンのが美味しいし。でも西国良いわね、面白い料理出るし」

羊力大仙「多少バタ臭いであるがな。それに紅孩児殿、内々で行うのは他に理由もあるのだ。……打ち上げ代、経費で落ちぬであるしな。や、玉面様の経営なさる店ならば、なんとかなるが……」

鹿力大仙「都の方ならウメェ店もあっけど、ココみてーに遠いと、ファミレスとかしかねーしなー」

紅孩児「ぼ、僕はそれでも、呼んでくれたら行くよ…?」

虎力大仙「え?アンタを家とか宿に入れるの?なんで?」

紅孩児「本気で不思議がらないで!ヘコむから!」

虎力大仙「あっはは、冗談よ冗談。アタシとはよく飲んでるじゃない」

紅孩児「そ、そうだけどさ」

羊力大仙「しかし玉面様、手広くやり過ぎではないか?我輩この前、狐のマークのコンビニの二階に狐のマークの本屋があるのを見て、何事かと思ったであるぞ」

虎力大仙「あ、フォックスマートと玉藻堂書店ね。たまに一緒になってるわよねー」

鹿力大仙「ふーん。コンビニは行くけど、本屋行かねぇからなー、俺」

紅孩児「鹿力さん、字ぃ読めないもんね……じゃなくて!言いたい事があるの!聞いて!」

虎力大仙「っさいわね……なによもう、わかったわよ聞くわよ座りなさいよ」
983: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/8(日) 20:46:14 ID:cSLvU9Mz7A
紅孩児「……コホン。はっきり言うよ。……あの、いつもやってる変な口上とポーズ、なんなの?」

虎力大仙「なんのこと?」

紅孩児「アレだよ!あの『縞々模様は〜』とか『なんちゃらタイガ〜』とかだよ!なにあれ恥ずかしい!」

虎力大仙「はあ?……名乗りが恥ずかしいって……意味わかんないんだけど。ねえ?」

羊力大仙「うむ。武人の礼であろう?紅孩児殿とて名乗りくらい上げるであろうに。なあ?」

鹿力大仙「おう。なにお前シャイなの?」

紅孩児「違うよアレは武人の名乗りじゃない!戦隊ヒーローとか美少女戦士の名乗りだよ!えっ!?自覚無いの!?アレが普通だとでも思ってるの!?」

虎力大仙「まさか。んなこと無いわよ」

紅孩児「よ、よかった……そうだよねワザとあーゆー感じにしてるんだよね。でも流石にアレは」

虎力大仙「普通より断然カッコイイわよね、アタシ達の前口上と決めポーズ」

鹿力大仙「羊力が考えてくれてんだぜ!まあ言葉の意味たまにわかんねーけどな!今日のキンコツリューリューってなんだ?」

羊力大仙「お前みたいなマッチョのことである。少しは言葉を学べ、まったく」

紅孩児「うわぁぁ素だったんだ手遅れだ……!しかも考えてるの羊力さんなの?羊力さんが『夢見る模様』だとか『プリティ』だとか考えたの?勘弁してよ笑えないよ……!」

虎力大仙「なによケチつけないでよ。アレ大変なのよ?最後の決めとか上手く合わせるの、タイミング難しいんだから」

羊力大仙「内容にも苦心してるであるぞ、やはり同じ文言はあまり使いたく無いであるからな。そろそろまた新しいのを考えなくては」

鹿力大仙「あと後ろの爆発も気ぃ使うよな。ほらよ、前に火薬の量間違えちまって」

虎力大仙「あはは、あったあった。それで崖崩れ起きちゃって。あん時は相手、かなりポカーンとしてたわねー」

紅孩児「楽しそうなとこ悪いけど、なんでそんな苦労してまでアレを……」

虎力大仙「……じゃあ逆に聞くけど、どんなんなら納得すんのよ紅孩児は。てかアンタの名乗りってどんなんだっけ?ちょっとやってみなさいよ」

紅孩児「こ、ここで……?うう、まあ良いけど……。ん、んっ………平天大聖が一子、名を紅孩児!牛魔が流儀において、お命頂戴仕っちゃうよ?………みたいな感じ、だけど」

虎力大仙「つっまんな」

羊力大仙「捻りが無いである」

鹿力大仙「中途半端だよな」

紅孩児「あれぇ!?ダメ出しするはずがされてる!おかしい!」
984: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/8(日) 20:47:51 ID:cSLvU9Mz7A
虎力大仙「ウチの世継ぎともあろう者が、こんっっなクソつまんない見栄しか切れないとか、由々しき問題ね」

羊力大仙「うむ。大軍勢を率いる将として、あまりにも簡素。これではついて来る兵もついて来なくなるである」

鹿力大仙「お前コレがカッコイイとか思ってたのか?」

紅孩児「おかしいおかしい!僕の感性が普通のはず!ええ?さ、最後のセリフとか、そこそこ僕らしくて良い感じだと」

虎力大仙「よし紅孩児、今からアンタのセリフとポーズ、作ってあげるわ!羊力が!」

羊力大仙「仕方ないであるな……ふぅむ、紅孩児殿ならば……炎、男装、キザ……」

鹿力大仙「後ろの爆発の色は赤だよな、やっぱ!えっと調合は……」

紅孩児「話がおかしな方向に!あとキザってひどい!そして爆薬担当は鹿力さんなんだほんと物作り上手いよね!」



虎力大仙「はい、拍手拍手〜♪新生紅孩児の名乗り上げ!」

羊力大仙「やんややんや、であーる!」

鹿力大仙「よっ、大統領!」

紅孩児「ぐ……三人揃って酔っぱらうと、ここまで厄介だとは……!や、やるよわかったよ、もうヤケだよ!あ、爆発はダメだからね鹿力さん!」

鹿力大仙「あ、そっか危ねっ」

紅孩児「まったく……じゃあいくよ……すぅ……」

ビュオッ!!

紅孩児「……地獄に咲いた、紅き徒花……燃える視線は、君の心に灯す花火か、全てを滅す悪鬼の業火か……牛魔が紅蓮、フレイム・オブ・ビューティー紅孩児!」

三大仙「…………」

紅孩児「反応してよ!せめて笑ってよ!やらせといて無言はもはや死刑に近いよ!?てゆーか何コレ!?ただの怪しいホストだよこの後『ご指名ありがとうございます』って言うよコイツ!!」

虎力大仙「カッコイイ……!!やるわね羊力!これは痺れるわ!」

羊力大仙「ふふふん、会心の出来であーる!やはり炎という単語は使いやすいであるな!」

鹿力大仙「もういっそ四人でのポーズも考えようぜ!」

紅孩児「考えるな!君らの感性はおかしい!」
985: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/8(日) 20:48:45 ID:cSLvU9Mz7A
虎力大仙「あははは、怒鳴らない怒鳴らない、アンタほんと可愛いわね」

紅孩児「可愛っ……ねえ君達、僕をバカにしてない!?世継ぎだよ!?いずれ主君になる相手だよ!?そりゃ親父に比べたら、威厳も無いだろうけど……」

虎力大仙「牛魔王様と比べること自体がムダよムダ」

羊力大仙「あれほどのお方、世に二人と現れるモノではないである」

鹿力大仙「怖ぇけど、あの人しかいねー感があるもんな」

紅孩児「くっ……どうせ僕は、頼りない二代目だよ!ふんだ!」

虎力大仙「……古株の幹部連は、まだまだアンタを認めてないもんね」

紅孩児「……君達みたいにバカにしたりもしないけどね!」

虎力大仙「…なに言ってるのよ。アタシは、アンタについて行くって決めてるわよ?友として、臣下として」

紅孩児「……え?」

羊力大仙「…我輩が主君と仰ぐは、今生において牛魔王様ただ御一人。ならばこそ、牛魔の威名を世に轟かせることが我が使命……その御子が為身命を賭す覚悟、この羊力、出来ているであるぞ」

鹿力大仙「俺より強ぇ。そんだけでじゅーぶんだぜ。なあ二代目?」

紅孩児「こ、虎力さん……羊力さん、鹿力さん……!」

虎力大仙「期待してんのよ、アンタに。自信持ちなさい、紅孩児!」

紅孩児「み、みんな……や、やるよ僕!中華最強どころか、世界最強にしてみせるからね、牛魔を!」

虎力大仙「その意気よ、未来のボス!」

羊力大仙「我輩らの希望であーる!」

鹿力大仙「よっ、大統領!……あれ俺これさっき言ったな」

紅孩児「うん頑張るよ僕!ありがとう!ありがとう!」

虎力大仙「きゃーボスかっこいい!ところでこの店の支払いなんだけど」

紅孩児「もちろん僕が持つよ!」

羊力大仙「あと、今回のボーナスの上乗せの相談なのであるが」

紅孩児「期待してて!ガッツリ出させるから!」

鹿力大仙「あ、タバコ切れた」

紅孩児「買ってくるよ!七星のボックスで良いんだよね!」
986: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/8(日) 20:49:20 ID:cSLvU9Mz7A
ダダダダダッ!!

虎力大仙「……酔ってるとは言え、ほんとチョロいわね。ウチの二代目」

羊力大仙「我輩らの未来は安泰であるな。牛魔の未来的には不安であるが」

鹿力大仙「バカだよな、最近はイイヤツだけどよ」

虎力大仙「アンタにバカって言われたらおしまいね。……ま、あんなんでも次期ボスなのは確かだから。なんとか助けてあげましょか、これからも」



紅孩児「……同じ夜空を、君も見ているかい、悟空!こーちゃんは、公私ともに充実しているよ!ふふ、あははははっ!」




悟空「えっきし!」

三蔵「なんだ誰かに陰口言われたか」

悟空「そこはウワサで良いじゃないですかもう……この感じは……こーちゃんだ」

八戒「解るものなのか、すごいのう」

悟空「ねちっこい感じがするんだよね、うん」

沙悟浄「そういや紅孩児のヤツ、久しく見てないね。まあ別段会いたかないけど」

小龍「…厄介事しか持ち込みませんしね」

悟空「うん来なくていい。疲れる」

八戒「好かれとると言うに、姉者は紅孩児に対して辛辣じゃの。実はかなり嫌いか?」

悟空「嫌いじゃないよ?……どうでも良い、がシックリくる」

三蔵「嫌いよりヒデーよ」




紅孩児「悟空ーっ!僕、頑張ってるよぉーっ!!」



めでたくなし、めでたくなし。
987: 名無しさん@読者の声:2015/2/9(月) 11:14:05 ID:T6UjurwLo2
こーちゃん…肉まんあげるよ(´;ω;`)
っ〇 それとCCCC
988: ヨシュア【スレ終了】 ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:27:39 ID:fr1T4ByreU

天地創造の理を解したくば、この物語を読むと良い。


神が、魔物が、仙人が。

未だ天地の境無く、君の隣にも、奇怪で奇妙で奇天烈な、そんな素敵が、あった頃。


頭の中を、空っぽにして読むと良い。


龍が、麒麟が、鳳凰が。

君の心にへばりつく、不安を不満を不公平を、ほんの一時、消せるから。



物語へと、いらっしゃい。
989: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:28:30 ID:fr1T4ByreU
悟空「伸びて如意棒ーっ!」

山賊「ぐぎゃっ!?」

ドサッ…

悟空「っと!お師匠さまに、近付くなっ!」

三蔵「んにゃ、多分違うぞ悟空。コイツらが狙ってんのって」

山賊頭「へへ、さすがバケモノみてぇな強さだぜ……しかしテメェを殺せば、俺らは一躍有名人だ!」

悟空「えー?私ぃ?」

八戒「ほ、此処等でも悪名を轟かせたか。随分と世を狭く使っておるの、姉者」

山賊頭「……コスプレ姿のエルフ……テメェがチョハッカイだな?」

八戒「む。何じゃワシもか。しかし余程ワシはその、『えるふ』とやらに見えるんじゃのう。一度会うてみたいわ」

山賊頭「で、そっちの生意気そうなガキがシャオロン……赤毛の女がサゴジョーか。くく、盗賊ギルドにその首持ち込みゃあ、数年は遊んで暮らせるってもんだ!」

沙悟浄「はっ、裏で懸賞金を掛けられてたかい。少し賊を片付け過ぎたかねぇ」

三蔵「あっれー俺の名前が無い」

小龍「…先生、なにもしてないですし。…ちなみにいくら掛けられてるんですか?」

山賊頭「これから死ぬってヤツが、それを知ってもしょうがねぇだろうに。へ、テメェら全員合わせりゃ、金貨数百枚はくだらねぇよ!」

八戒「なんじゃそんなもんか」

沙悟浄「数年どころか、半年ぶんの食費にもならないじゃないのさ」

小龍「…そうですね、三ヶ月程度ですか」

山賊頭「テメェらのエンゲル係数どうなってんだよ怖ぇよ!」

三蔵「お前が食い過ぎるからなあ」

悟空「育ち盛りなんです」

三蔵「まだ生やすの?」

悟空「おっと毛の話じゃない」
990: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:29:20 ID:fr1T4ByreU
山賊頭「緊張感の無ぇヤツらめ……野郎共、囲めぇ!」

ゾロゾロゾロゾロ……!!

八戒「ほっほ、百は超えとるな。此程の大人数は久しいの」

沙悟浄「そんだけ食いっぱぐれが多い、ってコトだろねぇ。西は戦が多そうだし、あんまり安定してないね」

小龍「…中華と違い、それぞれの国が、完全に独立しているからですかね。中華においての王は、帝の臣下ですし。…表向きは」

山賊頭「油断してくれてんなら、願ったり叶ったりだ!良いか、一人として逃がすんじゃねぇぞ!特にその、ムダに乳のデケェ女は逃がすな!一番の高額首だ!」

悟空「ム、ムダじゃっ……無いよ!?断じてムダじゃ無いよ!」

三蔵「強い否定が涙を誘うなあ」

山賊頭「やっちまえ野郎共!死にやがれ、ソンゴリラ!」

ウオオオオオオオッ!!

悟空「だっ……れが………ゴリラだぁーっっ!!!」

ブウウウウウウンッッ!!

山賊「「ぐあわぁぁぁぁあっ!!?」」

シュウウウウウ……

山賊頭「……ひ、一振りで……全、員……!?」

八戒「こら姉者ぁ!ひとこと言うてから振り回せい!危のうて敵わん!」

悟空「だって!だってコイツがゴリラって!名前間違うにしても!名前間違うにしてもぉ!」

沙悟浄「旦那様、大丈夫かい?」

三蔵「うん大丈夫だから下ろそうか、お姫様抱っこされてる俺とか絵面がよろしくない。なんだよ悟空、良いだろ別に。似たようなモンだろ?」

悟空「全然違いますよ石猿とゴリラは!肉まんとピザまんくらい違いますよ!」

小龍「…系統は同じだと認めてませんか、それ」
991: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:30:39 ID:fr1T4ByreU



八戒「あんだけ偉そうに息巻いておったのに、迷い無く逃げて行ったのう、情けない頭目じゃ」

三蔵「目の前で百人以上吹っ飛ばされちゃ、戦意もクソも一緒に吹っ飛ぶだろ普通」

沙悟浄「旦那様の言う通りさね。ちったあアタイらにも残しといておくれってんだよ、まったく」

小龍「…悟空さん、腕、上がりましたよね」

悟空「え、そう?」

八戒「ほ、わかるか小龍。それならば御主も成長しておるの。うむ、以前より少し、力の運用に上達が見える。先の大振りも、せいぜい二分の力しか出しておるまい?」

悟空「んー、んん?」

沙悟浄「悟空姐さんはナチュラルに強いからね。そーゆー細かいアレはわかんないだろうねぇ」

悟空「それ誉めてるの?けなしてるの?」

三蔵「ふーん………あ、どうでも良いんだけどさ、お前らの中で一番強いのって、やっぱ悟空なのか?」

悟空「む」

八戒「…ほ」

沙悟浄「……一番、ねぇ」

三蔵「ん?どした?」

悟空「そうですねぇ……まともにやったら」

悟空「私かなぁ」

八戒「ワシじゃな」

沙悟浄「アタイだろうねぇ」

ビキキッ……!!

三蔵「……なんか俺、めんどいコト訊いた?」

小龍「…はい、ものすごく」

三蔵「……お前は混ざんねーの?」

小龍「…私は、お三方より弱いと自覚していますし」
992: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:31:41 ID:fr1T4ByreU
八戒「ほっほっほ、二人とも、『まともにやったら』じゃぞ?そんなんワシに決まっとるではないか、武のみで戦が決まるとでも思うとるのか?」

沙悟浄「いやいや姐さん達、『まともにやったら』ってのは、正味の武技の優劣だろう?アタイ悪いけど、サシの喧嘩で負ける気はしないねぇ」

悟空「違うよ絶対私だよ!『まともにやったら』私だよ!私が一番大技持ってるし!長姉だし!」

ゴゴゴゴゴゴ……!!

八戒「……サシの喧嘩?大技?ほ、幼い幼い。何でもアリならば、ワシは指ひとつ触れさせず、御主らに地を舐めさせる事、容易じゃぞ?あと別のトコも舐めさせる」

沙悟浄「……あはは、八戒姐さんも冗談がキッツいねぇ。喧嘩の勝敗を決めるのは、根性と気合いさね。そんな奸計に頼った考えじゃあ、ねぇ?で、悟空姐さんはスペック頼りだし?あとドコ舐めさせる気だい」

悟空「スペックになんて頼ってないもん!確かに私の棒術は我流だけど、仙術とかはめっちゃ修行したもん!あとドコ舐めさせる気かジェスチャーしなくていいから八戒ちゃん!」

八戒「……目にもの見せねば、わからぬかのう……!」

沙悟浄「いっつも自分が上手だと思ってたら、大間違いさね……!」

悟空「姉弟子の凄さを、そろそろ教えとくべきかなこれは……!」

バチバチバチ……!!

小龍「……止めないんですか」

三蔵「はん?なんで?それよりこの北欧神話バトルカード、まだよくルールわかんねんだよ、なんか休憩っぽいし対戦しよーぜ対戦」

小龍「…この人は……」


八戒「良い機会じゃ!神算鬼謀の将と恐れられた、この天蓬元帥が手練手管……直に味わうが良いわ!!」

沙悟浄「たまには末っ子らしく、好き勝手させて貰うのも悪くないねぇ!捲簾大将の名は、伊達じゃあ無いよっ!!」

悟空「斉天大聖孫悟空っ!お姉ちゃんらしく、妹を暴力で黙らせてやるからねっ!!」


三蔵「んー?この『まじっくぽいんと』ってのは減ってくんだろ?じゃあ魔法カードを使う場合は」

小龍「…ですから、使用毎に数値が……あの、やはり遊んでいる場合では」

三蔵「いーんだよ、アイツらだって遊んでんだし」

小龍「…確かに悟能様は、遊びで乗っていますが……」

三蔵「耳がソワソワしてるしな」

小龍「……御存知でしたか」
993: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:32:58 ID:fr1T4ByreU
三蔵「わからいでか。んで、悟浄は鼻だな、ピクピクする。意外に悟空がわかりにくいが、尻尾の付け根が、少しクイッと上がる。どっちも楽しかったり、嬉しかったりする時に出るクセだ」

小龍「……なんか気持ち悪いですよ、先生」

三蔵「そしてお前は、ツノを触るんだよな。そんな風に」

小龍「……っ」



八戒「ほほほっ!分身に幻術、ワラワラと煩いが……当たらなければどうと言う事は無いわい!凪ぎ払えい、九歯馬鍬っ!!」

沙悟浄「ち、二人してチョコマカと……!なら一人ずつ沈めてやるかね!散撃呪、らぁぁあっ!!」

悟空「おおっとお!どれがホンモノの攻撃かわかんないなら、全部弾いちゃえば済む話だねっ!よし、伸びて如意棒っ!!」

沙悟浄「うわっち!?……は、そんな真似が出来るのは」

八戒「姉者くらいのモンじゃな。ふざけた反射神経しおってからに」

悟空「そう?お兄ちゃんも同じコトできると思うよ?てりゃっ!」

八戒「牛魔王の奴や……よほっ!チェリー英雄あたりは、例外中の例外じゃ。比べるだけ無意味じゃて!ほれぃ足元っ!」

沙悟浄「させないよっ!そういや、虎のヤツから聞いたけど……八戒姐さん、ずいぶんヒッドイ倒し方したそうじゃないのさ、英雄さん……をっ!…あは、コレ避けるかい!」

悟空「いやけっこー危なかった!で、なにそれなにそれ。私にも教えて……って、ちょ、急に二人がかりはズッコイ!わ、わわわ!?」


三蔵「なー?お喋りしながらじゃれてるだけだよアレ。ううむ、やっぱスターターデッキじゃ俺好みのスタイルにならないな……」

小龍「…先生、一発逆転狙うタイプですもんね。……ですが皆さん、心持ちはどうあれ、本気でやり合ってはいます。見ているだけで勉強になる……!」

三蔵「そんなんよりカードカタログ見ようぜ俺このカード欲しい」

小龍「……自分でけしかけておいて、誰が一番か気にならないんですか?」

三蔵「うん全然」

小龍「……はあ…」

三蔵「四人とも、俺にとっちゃ一番だし。てかロリキャラ多いなこのカードゲーム。あんまり多いとありがたみ無くなるんだよなー、わかってねーなー」

小龍「……まったく、この人は」
994: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:34:13 ID:fr1T4ByreU

悟空「……えへへ、『みんな一番』だって」

沙悟浄「むふ、むふふ……旦那様だねぇ♪」

八戒「はん、揃いも揃って締まりの無い顔をしおって。手合わせの最中に、聞き耳なんぞ立てとるで無いわ」

悟空「そーゆー八戒ちゃんだってニヤけてるじゃん」

沙悟浄「素直じゃ無いねぇ、この幼女は」

八戒「あ、阿呆ぅ!ワシはただ、惚けた御主らの顔を見て『これで白目を剥かせればアへ顔になるのう、成程こんな顔になるんじゃなあ』と想像し欲情しとったダケじゃ!」

悟空「照れ隠しが恥さらしになってるよ黙ろうか!」

沙悟浄「……悟空姐さん、先にこの人やっちゃおう」

八戒「えーワシ、姦られるより姦るほうが」

悟空「知ってるよ黙ろうか!」





三蔵「おーい、もう良いだろー?腹減ったよ、町に向かおうぜー」

小龍「…悟能様、日暮れも近いです、そろそろ」

八戒「む、そうじゃの。ほほ、助かった助かった」

沙悟浄「ったく……また今度だね。次は黙らせてやるからね」

三蔵「そうだ、またにしろ。飯食ったらカードショップ行きたいし。って小龍が」

小龍「…先生が、でしょう。…行きますけど」

悟空「……また今度。えへへ…♪」

三蔵「なんだニヨニヨと。後頭部でも強く打たれたのかお前」

悟空「いえ、なんか……『また』があるって、良いなあって…」

三蔵「なぜ急に陰毛の話を」

悟空「『股』の話じゃないですよ!」
995: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:35:45 ID:fr1T4ByreU

物語は、始まったばかり。

天地創造の理を解したくば、真白き龍と、其を導こう。


それは、苦難を乗り越え、何事をも成し遂げる、強き力を得ることだ。

曰く、能(あた)うを悟れ。


それは、暗く淀み、濁り汚れた中にあっても、清んだ瞳を持つことだ。

曰く、浄(きよ)らかなるを悟れ。


そして、この世に在るものすべて、晴天の如き眩く、尊きものであると知ることだ。

曰く、空(くう)の心を悟れ。


天地創造の理を解したくば、真白き龍と、其を導こう。

優しき聖者が、君を導こう。



さあ往こう。共に遊ぼう。


西へ、西へ。



『西遊記』
996: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/2/12(木) 15:36:57 ID:fr1T4ByreU
読んでくれた人、コメントや支援くれた人、イラストまで描いてくれた人、ありがとうございましたー。

またねー。
997: 名無しさん@読者の声:2015/2/12(木) 16:12:37 ID:eB319qzgEA
ヨシュアさんお疲れさまでした!

締めが…締めが…何か泣きそうになったんですけど!!
楽しいSSをありがとうございました!
SSだけど、漫画読んでる気にさせてくれましたwww

気が早いかも知れませんが、次回作が楽しみです!
本当にお疲れさまでした&ありがとうございました!
998: 名無しさん@読者の声:2015/2/12(木) 18:12:38 ID:iivWwFL6Qc
これまとめに載せて欲しくなるなあ…
999: 名無しさん@読者の声:2015/2/12(木) 18:23:00 ID:bogumYyZB2

1000: 名無しさん@読者の声:2015/2/12(木) 18:25:06 ID:5YyML.wj9c
こんなに面白いと思えるSSは久し振りでした。ヨシュアさん、素敵な物語をありがとう!
1001: 1001:Over 1000 Thread
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ニニニ(゚Д゚∩コ
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えっ…と、
1001はここかな…と
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`ヽ   /)ニニニコ
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  ∧∧ ミ ドスッ
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