・ルール
参加希望者は1〜5レスを目処にSSを自由に作成して下さい。お題が欲しい場合は各自で希望して下さい。お題の提案や作品の感想は随時受け付けとします。覆面先生(SS作者)からのアドバイスも絶賛受け付け中とします。
66: タイトルなんてない:2013/7/11(木) 19:09:33 ID:KgrLfSUT4w
それは遠い遠い国のこと、そこにはどこか寒々しい色合いの、しかし白い城壁がとても美しいお城があった
暖炉がぬくぬくとその城のたった一室を、そしてそこにいた白髪交じりの裕福そうな男性を暖めていた
「お父さん」
男性が振り向くとその部屋の扉の隣に、絹のような金色の髪と瑠璃のボタンのような瞳をもつ少女が、鮮やかな赤いドレスを纏って立っていた
男性は穏やかに笑みを浮かべては彼女を部屋に招き入れた
二人は暖かな部屋でまどろんだりしながら、時が来ることを待っていた
本好きの男性にはもう、読むべき本がなく
歌好きの少女にもまた、歌うべき歌がない
そうして、まどろみの中、時は来た
白く美しい城壁には赤い炎がよく映えた、赤い美しい衣装には青い瞳がよく映えた
「…なんて過去があった、っていうのはどうかしら?」
「ほぉ…お話を考えるのが好きなのかね」
「えぇ!だってこの…本当の私のこと、忘れられるから」
そういって、病院のベッドの上で金色の髪の少女は笑った
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