フネ「かっとなってしまった・・・」
自分を気持ちを落ち着かせようと考えて磯野フネは、呟いた
場所は磯野家の台所
時間は深夜2時
フネの右手には深紅が滴る包丁
足元にはフネの夫である波平がいた
いた、というよりは死んでいた
そうフネが刺したのである
なぜ、こんなことになってしまったのか・・・
フネは高鳴る心臓を抑えて、回想してみる
13: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 04:28:03 ID:r517UsUXT6
つCCCC
14: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 07:40:00 ID:Kkh511QEhI
そして半年前、3月5日、ついにワカメが失踪した
15: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 07:52:45 ID:V0Q8UCTJaM
(´;ω;)っC
16: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 07:53:12 ID:dhwnfalxmU
フネ「辛かったわ。家族がどんどんいなくなってゆく・・・。でも、あなたの愛が私だけに向くかもしれないという希望が少しありました・・・でもあなたは暴力をやめなかった・・・」
話しかけても死人は話さない
17: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 07:55:09 ID:U7KJ6HZvos
どんどん酷くなる波平の暴力
あんなに優しかった、不器用だけど愛に溢れた波平はどこに消えた・・・
あの人はもう・・・波平ではないのだ
18: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 07:56:57 ID:dhwnfalxmU
そんなことを考えるようになってきた
そう考えることで、波平から、愛する夫から暴力を受けている悲しみを薄れさせようとしたのだ
だが、悲しみも痛みも増してゆく
19: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:00:47 ID:U7KJ6HZvos
このままでは私は殺される・・・
フネはそう思いはじめていた
殺される・・・
あの人に
夫ではない化け物に・・・
20: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:02:00 ID:U7KJ6HZvos
そう・・・殺さなければ殺される・・・
なら、殺しましょう
フネはそう考えた
21: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:04:50 ID:dhwnfalxmU
そして実行した
波平は深夜、必ず水を飲みに起きる
深夜ならば、物音がしても近所に気づかれないだろう
それに力で劣るフネが波平を狙うならば奇襲でなければならない
22: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:08:10 ID:dhwnfalxmU
フネ「あなたがわるい・・・」
つぶやきながら波平の背中に銀色の刃を突き立てる
溢れる鮮血
声にならない悲鳴
波平が力尽きるのにあまり時間は要しなかった
23: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:11:37 ID:dhwnfalxmU
そして現在にいたる
24: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:14:30 ID:dhwnfalxmU
フネ「あなたが悪いのよ・・・」
返事はなかった
フネ「私を愛してくれないから・・・」
返事はなかった
フネ「愛してくれていれば、何も起きなかった」
返事はなかった
フネ「私・・・ひとりになっちゃったじゃない・・・」
もうじきに朝がくる
25: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:16:24 ID:U7KJ6HZvos
朝がくれば
全てが光に晒される
・・・そうだ
フネ「・・・とにかく埋めなければ」
26: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:21:32 ID:U7KJ6HZvos
埋める場所はどこが良いか・・・
庭ではすぐばれる・・・いや
むしろ近くの方がばれないかもしれない
ただ、庭ではダメだ
波平の盆栽
その下に埋めるのが安全だろうか
そうしよう
フネが思考を巡らせ、答えを出した
27: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:25:49 ID:U7KJ6HZvos
誰も見ていない事を確認し、作業を開始する
スコップで地面を掘っていく
全てを忘れるために無心で
ただ無心で
28: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:28:07 ID:dhwnfalxmU
掘っていると、何かが出てきた
骨・・・?
フネは拾いあげてみる
フネ「これは・・・骨?」
29: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:31:31 ID:U7KJ6HZvos
フネ「きゃー!」
悲鳴をあげてしまう
が、すぐに我にかえり声を抑える
この悲鳴、恐怖や驚愕ではない
そう・・・
いうなれば記憶の出現
30: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:33:33 ID:U7KJ6HZvos
記憶の出現により、様々な感情が入り混じり悲鳴となったのだ
フネ「・・・思い出した・・・」
そう言いながらより深く掘るフネ
どんどん骨が出て来る
人間5人分ほどの骨が埋まっていた
31: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:35:06 ID:U7KJ6HZvos
フネ「私がやりました」
まるで犯罪を自供する犯罪者の様な口ぶりでフネはいった
いや、ような、ではない
フネは犯罪者なのだ
32: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:37:41 ID:dhwnfalxmU
カツオが失踪したあの日
あの日はフネと波平がふたりで食事に行く予定だった・・・
しかし、カツオが皆で行きたいと提案し、結局家族みんなで行くことになったのである
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