フネ「かっとなってしまった・・・」
自分を気持ちを落ち着かせようと考えて磯野フネは、呟いた
場所は磯野家の台所
時間は深夜2時
フネの右手には深紅が滴る包丁
足元にはフネの夫である波平がいた
いた、というよりは死んでいた
そうフネが刺したのである
なぜ、こんなことになってしまったのか・・・
フネは高鳴る心臓を抑えて、回想してみる
28: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:28:07 ID:dhwnfalxmU
掘っていると、何かが出てきた
骨・・・?
フネは拾いあげてみる
フネ「これは・・・骨?」
29: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:31:31 ID:U7KJ6HZvos
フネ「きゃー!」
悲鳴をあげてしまう
が、すぐに我にかえり声を抑える
この悲鳴、恐怖や驚愕ではない
そう・・・
いうなれば記憶の出現
30: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:33:33 ID:U7KJ6HZvos
記憶の出現により、様々な感情が入り混じり悲鳴となったのだ
フネ「・・・思い出した・・・」
そう言いながらより深く掘るフネ
どんどん骨が出て来る
人間5人分ほどの骨が埋まっていた
31: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:35:06 ID:U7KJ6HZvos
フネ「私がやりました」
まるで犯罪を自供する犯罪者の様な口ぶりでフネはいった
いや、ような、ではない
フネは犯罪者なのだ
32: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:37:41 ID:dhwnfalxmU
カツオが失踪したあの日
あの日はフネと波平がふたりで食事に行く予定だった・・・
しかし、カツオが皆で行きたいと提案し、結局家族みんなで行くことになったのである
33: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:44:50 ID:dhwnfalxmU
そこまでは仕方ないと思っていた
しかし、食事から帰宅した時のカツオの台詞で我を忘れたのだ
カツオ「父さんも母さんと二人の食事じゃあつまらないでしょww」
悪気があったワケじゃないカツオ
それはわかっていた
だが、我を忘れていたのだ
気が付けば血まみれのカツオが足元にいて
フネの右手には包丁が
フネ「埋めなければ」
そして埋めた
34: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:46:26 ID:dhwnfalxmU
同時にフネが埋めたものがある
記憶である
記憶を埋めて忘れさった
35: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:48:44 ID:dhwnfalxmU
カツオが死んだ
愛する長男が死ねば夫の愛が私に向けられると思っていた
しかし、夫が私にむけたものは愛ではなく、拳や花瓶などの暴力だった
36: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:50:49 ID:dhwnfalxmU
誤算だった
私は愛してもらいたいが故にカツオを殺したのに・・・
フネは何度も嘆いた
そして、さらに誤算が生じた
37: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:53:03 ID:dhwnfalxmU
マスオ「カツオくんは殺されたのかもしれない」
と言い出した
警察は家出だ、と考え捜索していたのにマスオは言い出した
警察が家出だと考えたのはカツオの荷物が家から消えていたからである
その荷物はフネが処分したのだが・・・
38: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:55:33 ID:U7KJ6HZvos
マスオは独自に捜査しはじめた
フネは記憶を埋めていたのだが、少しずつ真相に近づいてゆくマスオに掘り返されてしまう
フネ「・・・ばれてしまう・・・」
危惧したフネは再度、犯罪を犯した
溢れる鮮血と光る銀色
また、足元に死体がころがった
39: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:56:12 ID:dhwnfalxmU
また、フネは呟く
フネ「・・・とにかく埋めなければ」
40: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:56:53 ID:dhwnfalxmU
また記憶とともに埋めた
盆栽の下に
41: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 09:00:57 ID:dhwnfalxmU
庭で遊んでいて偶然、盆栽の下の秘密を発見したタラオ
波平の愛を受けているサザエ
つづいてこの二人も
地中の秘密とした
もう、フネは殺すことに罪悪感を感じなくなってきていた
フネ「・・・嫌なモノは・・・とにかく埋めなければ」
42: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 09:04:15 ID:dhwnfalxmU
そして磯野家は3人になった
波平、フネ、ワカメである
3人になっても波平の暴力は依然として続いていた
43: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 09:05:54 ID:U7KJ6HZvos
むしろ、暴力は酷くなっていた
もう磯野家に愛なんて存在しない
44: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 09:08:59 ID:dhwnfalxmU
そんな中、ワカメが失踪した
そう、フネの仕業である
ワカメは言ってはならぬ事を言った
ワカメ「もう、私たちの家族に愛なんてないわね。私はこの家が嫌。お父さんもお母さんも、いらない」
フネ「なら、私も、ワカメなんていらないよ」
銀色を突き立てる
地中に秘密を増やした
45: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 11:41:18 ID:QWoUZ5elQQ
そして二人になった磯野家
夫の愛が私だけに向くのを信じていた
現実は違った
波平はフネへの暴力をやめなかった
46: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 11:43:16 ID:KYyA7Wj2II
あの頃の波平もフネもいなかった
二人とも老けこんでいた
もう・・・
47: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 11:43:49 ID:KYyA7Wj2II
殺すしかない
フネは決断した
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