冬ですね、今度は特殊能力です。
また支援していただけると嬉しいです。
2:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:43:46 ID:ke8kDwatac
親愛なるお嬢様へ
お久しぶりです。お元気でしょうか?僕はそこそこ元気でやっています。貴女のお名前を耳にすることが多くなって来ました。さぞ、ご活躍していらっしゃるのでしょう。
先日、久しぶりに虹を見たのでお手紙を送らせて頂いた次第です。貴女との出会いから、振り返っていこうと思っておりますので、どうぞよろしく。
ああ、それと。文章が可笑しいのは気にしないでくださいね。僕は貴女のように学が無いので。
3:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:44:43 ID:ke8kDwatac
あの頃、僕はしがない弱小マフィアの構成員だった。ちなみに元はスラム街出身であり、ボスに拾われてマフィアなどという血塗られた職業についたわけだ。
しかしどういうことか、僕にはその職業が合っていたようで、マフィア界を牛耳る巨大ファミリーに引き抜かれたのである。元居たファミリーのボスはとても喜んでくれ、僕は晴れてエリートマフィアになったわけだ。
「豪邸っていうか…城だろコレ」
森の奥にそびえ立っていた、新しいファミリーのアジトを見上げ、僕はひとりで呟いた。
4:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:45:33 ID:ke8kDwatac
バタンッと玄関の扉が開き、誰かとぶつかった。
「うわっとすいません!」
「あーこちらこそすいません」
ぶつかった彼はへらりと笑い、門の方へ歩いていった。これから仕事かなにかなのだろう。
「お、来たね」
少し開いたままだった扉から、黒い髪の男の人が顔をのぞかせる。
「初めまして」
「待ってたよ。オレ、ここの幹部の一人ね。君をボスのとこに案内するから、着いてきて」
「あ、はい!」
どうやら、僕の名前と顔はもうファミリー内に知れ渡っているらしい。
5:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:46:25 ID:ke8kDwatac
重くて、大きく、豪華な扉を開いた先の部屋には、窓を背に足を組んで座っている強面の男の人がいた。これが新しいボス、だろう。
「は、じめまして、こんにちは!僕、アルと言います。よろしくお願いします!」
「ああ、よろしく。とりあえず君の上司はさっき君をここまで連れてきた奴。仕事はそいつに言われたことをしてくれ」
「あ、わかりました」
「それと、もう一つ君の仕事がある。いやこっちの方がメインだ」
「なん、ですか?」
「私の娘の世話だ」
6:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:47:30 ID:ke8kDwatac
はあ?と言いたいのをやっとの思いで堪える。ここまで来てそんなメイドみたいな仕事しなくちゃならないのか。なんでだ。
「"アレ"はなかなか付き合い難い。普通じゃない。だから、君に"アレ"を使えるようにしてほしい」
「マフィアとして…ですよね?」
「勿論だ。わかったなら行きたまえ。娘の部屋はこの階の一番端だ」
有無を言わせない口調に従い、部屋を出る。まるで物を扱うような調子で自分の娘のことを言うボスにあまり良い感じはしなかった。
7:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:55:48 ID:AK.WDzviWU
言われた通り、一番端まで進みこざっぱりした扉の前で止まる。とんとんと小さく2回ノックを鳴らした。
「どうぞ」
「失礼します」
小さく息を飲んだ。人形のように生気の無い深い青色の瞳が僕を見る、太陽の光を知らないような透き通った肌がどこか彼女を現実離れさせていた。
8:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:57:14 ID:AK.WDzviWU
「…君が新しい私の執事?」
世話係だけど執事じゃないからな!とは言えず、僕は黙って頷いた。
「賭けてあげる1ヶ月持たないで辞めるわよ、君」
「え、なに言って」
ひらりと彼女は手を振り、窓枠に頬杖を着いて外を見始めた。失礼すぎるにも程があると思うんだけど。
9:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:58:59 ID:JP3KYIqJtA
「ちょ、ちょっとまてくださいよ、お嬢様」
「なに、それ以上近づかないで殺すわよ」
「物騒ですね!」
彼女はピストルを構え、僕に向ける。諦め半分で、僕は溜め息を吐いた。
「僕は辞めませんからね」
「あ、そ。勝手に言ってなさいよ。どうせ辞めたくなるんだから」
「なんでそういうことを…」
「君が今、"私に嫌悪感を持っているし、イライラしてる、それとあとここに来たことを後悔してる"からよ。」
「なっ…!」
「あと、財布かなにかスられてないかしら」
「え」
10:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 21:59:54 ID:JP3KYIqJtA
心の中を見透かされているかのような、お嬢様の発言に目を見開く。それと財布が入っているジーンズのポケットを手で探る。しかし、空気を掴むだけだった。
「ほんとにない…」
「ちなみに犯人はさっき君がぶつかった子でしょうね。残念。」
「なんで知ってるんですか」
「見てたから」
窓を差し彼女が言う。確かにここからならぶつかったのぐらい見えるだろうが、スリをしたのは見えないんじゃないか。じゃあどうして…
「特殊能力があるの」
また、心を見透かしたように彼女が言った。
11:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 22:01:38 ID:q5FQ2QIDbc
これが、僕とお嬢様の、出会いでしたね。あれから何年過ぎたでしょうか。
さあ、これからは二人でやったことの話しをしましょうか。
12:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/5(土) 22:48:26 ID:AK.WDzviWU
というわけで、また需要なさげなSSです。よろしくお願いします!更新はまた明日
13:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 20:31:15 ID:irZwQUuv.6
面白そう、期待しえんっしえんっ
14:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:00:23 ID:sMCa5523Yo
>>13
支援ありがとうございますー!!
15:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:00:58 ID:sMCa5523Yo
昼頃、上司に良いスーツを渡された。就職祝いか、と思ったらどうやら違うらしい。
「今日のパーティー、君はお嬢様の護衛ね」
「あ、了解でーす」
興味なさそうにこちらの話を聞いていたお嬢様は溜め息を吐いてから、上司に向かって口を開いた。
16:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:01:24 ID:sMCa5523Yo
「私、出なくちゃいけないの?」
「ボスの御命令です」
「…ふうん、お父様のねえ」
「はい。ですから出席なさってくださいね、お嬢様」
お嬢様は小さく舌打ちをしてから頷き、着替えてくると場を後にした。
「パーティーが嫌いなんだよ、お嬢様は」
「そう、なんですか」
上司は困ったように笑い、僕によろしくねと言って去っていった。あー、僕も早く準備しないと。
17:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:01:51 ID:sMCa5523Yo
ガヤガヤと笑いとBGMと社交辞令の挨拶が飛び交うパーティー会場の隅で、僕とお嬢様は壁の花になっていた。
「挨拶回りはしなくていいんですか、お嬢様」
「平気よ。私に挨拶したい人が勝手に来るから」
「…そうですか」
手に持ったグラスを傾け、中に入っている飲み物をお嬢様が飲み干す。
18:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:02:16 ID:sMCa5523Yo
「ねえ」
「なんでしょう」
「あの蝶ネクタイの人とあそこにいる眼鏡。あとあっちの水色のシャツの方、処分しといて。じゃ、私気分悪いから部屋に戻るわ」
「!?ちょっと待ってください!」
びっと3人に指を差し、会場の出入り口へ向かおうとするお嬢様の手を反射的に掴む。
「な、なんですかコレ」
19:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:02:39 ID:sMCa5523Yo
お嬢様の手を握った途端、パーティー会場が"色"で溢れかえった。その色はごちゃごちゃと混ざり合い、しかし個人を識別させていた。
「離して!」
バッとお嬢様が手を引く。あっけなく僕の手から、お嬢様の手は引き抜かれた。
「い、いまのって…?」
「…言ったでしょ、"特殊能力"よ」
自嘲がまじった声でお嬢様が呟いた。
20:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:03:04 ID:sMCa5523Yo
「…色が見えるのよ。人と物のね。あと、動物もかしら。雰囲気とか、オーラって言われるものの色が。」
「その人の性格なんかで決まる元の色と、感情とかで決まる今の色、どっちもが見える。」
「声のトーンと表情を色と組み合わせれば、心が読めるみたいなものだわ」
一気にお嬢様が言う。だから最初の日、僕の気持ちを言い当てたのか。
21:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:03:38 ID:sMCa5523Yo
「…あの3人も色が…?」
お嬢様が頷く。
「暗い色してるの。うちのファミリーに悪意があるんじゃない?パーティー中になにかおこすわよきっと」
刺すような視線をその中の一人に送りながらお嬢様が言う。とりあえず上司に知らせるべきだろうか。
22:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/6(日) 23:04:02 ID:sMCa5523Yo
気持ちの良い風が入るお嬢様の部屋で、僕とお嬢様は向かい合って座っていた。
「あの3人、それぞれ手榴弾持っていたそうです。それに仲間がもう少し。あと少しで大事になるところでした」
「そう」
「お手柄ですお嬢様の」
「ハズレなしだからね私のは。」
また興味無さそうに彼女が言い、僕は仕事に戻ることにした。開けられたら窓からは気持ちのいい青空が広がっていた。
23:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/7(月) 23:01:04 ID:AK.WDzviWU
僕の1日はお嬢様を起こすことから始まる。カーテンを明け、お嬢様を揺り起こす。低血圧の彼女は眠そうに唸った。
「ほら、お嬢様早く起きてください」
「…うううう」
「朝食がもう出来てますよ!」
「ねむい…」
ベッドでむくりと起き上がったお嬢様の後ろ髪がひょこりとはねていた。
24:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/7(月) 23:01:37 ID:AK.WDzviWU
「お嬢様、寝癖ついてますよ」
「ふうん」
「…起きてますか?」
「半分は」
とろんした目をして、ベッドから降りようとしないお嬢様は完璧に半分も起きてないと確信する。仕方なしに、とりあえず寝癖を確認させようと鏡を探す。
「…お嬢様、この部屋に鏡はないんですか?」
「ないよ。」
「なんでまた…」
「嫌いなの、鏡。」
25:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/7(月) 23:02:03 ID:AK.WDzviWU
ぐいーと伸びをした彼女が、冷たく言い放つ。
「寝癖直して」
「…わかりました」
「櫛はその棚」
指示された棚を開き、高そうな櫛を取る。触れた髪は線が細く柔らかだった。
「どうして鏡がお嫌いなんですか?」
「自分の"色"を知るのが怖いから。」
考えや性格で色は変わるらしい。
「きっと真っ黒だからね。」
お嬢様が自嘲的な笑い声を上げる。すっかり跳ねが直った髪を少し撫でる。
でも、僕はお嬢様の色はきっとあなたの髪のような綺麗な色だと思います、と伝えたら彼女はどんな顔をするだろうか。
26:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/8(火) 02:07:04 ID:wfet.hi7A.
支援!
お嬢様は主人公よりも年下とみた!
27:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/9(水) 17:08:22 ID:JP3KYIqJtA
>>26
支援ありがとうございます!
お嬢様はそうですね!執事くんより年下がいいです
28:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/9(水) 17:08:52 ID:JP3KYIqJtA
書類を見ながら顔をしかめる。とても面倒な仕事を回されたみたいだ。
「どうしたもんですかね…」
「なにが?」
「僕の任務です」
どうやら最近、ファミリーにスパイが入り込んでいるらしい。そして今回の僕の任務はそのスパイを探し出し、逆にそいつの情報を聞き出すこと。
そう伝えれば、お嬢様はへえと呟やきソファーに腰を下ろした。
29:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/9(水) 17:09:05 ID:JP3KYIqJtA
「私知ってるわよ、スパイ」
「へ」
「紅茶入れてくれないかしら。アールグレイね」
「わかりました…って知ってるってどういうことですかそれ!」
言われた通り紅茶を入れながら、本を読むお嬢様に言う。なぜ知っているんだか。
30:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/9(水) 17:09:14 ID:JP3KYIqJtA
「見たもの」
「え、あ、そっか…見えるんですもんね…」
「"下っ端の下っ端"だわ。まだ情報なんてこれっぽっちもいってないんじゃないかしら」
「お茶入りました」
「ありがとう」
「お嬢様、そのこと誰かに言いましたか?」
「言ってないわ」
本を読みながら紅茶を飲むお嬢様は、最初から最後まで淡々と告げていた。小さくため息を吐く。
31:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/9(水) 17:09:26 ID:JP3KYIqJtA
「ま、勝手にしたらどうかしら"下っ端の下っ端"くん」
「最初から気付いていたんですか?」
「もちろん」
「…そうですか」
他の人間にバレなかったから良かったのか、それよりこの人に関わってしまったのが悪かったのか、どっちみちプラマイゼロか。仕込んでいたピストルを取り、ロックを外す。
32:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/9(水) 17:09:36 ID:JP3KYIqJtA
カチリと銃口をお嬢様の頭に向ける。それでも彼女は本から目を離そうとしなかった。
「すいませんが、知られてしまったからには…」
「スコーン、持ってきてくれないかしら。それと、」
あまりにも場に似つかわしくない台詞。ゆっくりとお嬢様が顔を上げ、綺麗な深い青い色の瞳と視線が合う。
「潰してよ、こんな家」
表情を変えず、お嬢様がはっきりと言う。厨房に行けば、スコーンはあるだろうか。
33:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 21:25:40 ID:BhHGk/K4Z6
お嬢様の家族は、父親と母親そして弟で構成されている。もちろん父親は僕たちのボスだ。そして弟が次代のボスらしい。
「お嬢様はボス候補じゃないんですか?」
「私がそういうことできる人間に見える?」
クッキーに手を伸ばしながらお嬢様が答える。だけど、能力があるんだから期待されないわけでもないだろう。
34:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 21:25:48 ID:BhHGk/K4Z6
「期待されてるわけないじゃない。ただの引きこもりだしね。」
確かに。任務に行くわけでもなく、なにかを開発するわけでもなく、たまにパーティーに出る以外はほとんど部屋にお嬢様はいる。ご飯も部屋で食べるし。
「外に行って、任務でもすればいいじゃないですか」
「嫌よ。」
「じゃあせめてご家族と食事くらい…」
「もっと嫌。」
「どうしてですか」
眉間に皺を寄せ、お嬢様が僕を見る。睨んだって怖くないのが残念だ。
35:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 21:25:56 ID:BhHGk/K4Z6
「あの人たちが私を嫌いなのよ」
「そう、なんですか?」
「そ。母親とは血のつながりもないし、弟は腹違いの兄弟だし。それだけで、私は邪魔でしょう」
「だけどボスは…」
「お父様は私のことを道具だと思ってるわよ。全部見たらわかるわ。」
便利な道具を手元に置いておきたい、ただそれだけなのか。
「だから、私だってあの人たちが嫌いだわ」
36:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 21:26:04 ID:BhHGk/K4Z6
「あなたこそ"仕事"しなくていいの?」
「内部の人間がそれいいますか?普通」
「普通じゃないからわからないわ」
クスリとお嬢様が笑う。その顔は見とれるほど綺麗で上品だった。そして
「…それじゃあ、お嬢様。僕に協力する気はありませんか?」
「スパイの?」
「はい。お嬢様がいれば事がスムーズに進みます。」
僕はにっこりと笑う。なにかを見るようにお嬢様は僕の顔をじっと見つめていた。
「………いいわよ」
肯定の返事。言った割に受け止められるとは思わなかった。
「嬉しいです」
「そりゃどうも」
37:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 21:26:12 ID:BhHGk/K4Z6
「僕の"任務"はここの情報を聞き出し、今のボスを亡き者にすることです」
「ずいぶんはっきり言うわね」
「きっと次のパーティーあたりで、実行されるでしょう」
「…へえ」
「成功したら、僕と一緒に来ますか?」
お嬢様は一瞬目を丸くする。静かな風がカーテンを揺らす、お嬢様は小さく頷いた。
38:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 22:42:49 ID:sD77sy2OF2
っC
39:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 22:52:42 ID:q5FQ2QIDbc
>>38
支援ありがとうございますー(´∀`*)
40:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 23:04:34 ID:IPOYYxWBsA
面白い、支援
41:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 23:09:52 ID:N0nxWG/O6Y
>>40
嬉しいです、ありがとうございます!
42:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 23:14:13 ID:abfFXIg/oE
嫌いなら、盗聴器みたいなの仕掛けられそうなもんだがな
43:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 23:17:48 ID:KXnfP1O8Pc
>>42
そういう機械にも色があるから…なんていう後付け設定でどうでしょうか!
44:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 23:18:53 ID:gMBCdlvBpY
ま、いいんじゃない
SSだし細かいとこ気にしてたらキリないよね
45:🎏 支援中ですが何か?:2011/11/12(土) 23:20:49 ID:Bz5Vxk9m2I
この子にドラえもん見せたら何色なんだろう
というふとした疑問
CCC
46:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/12(土) 23:26:25 ID:AK.WDzviWU
>>44
すいません、至らないところが多くて(;ω;)
>>45
支援ありがとうございまーす!!
ドラえもん!面白そうですね!
ドラえもん自身の色と、道具各々の色もあって…書いてみたいですねw
47:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 00:15:21 ID:q5FQ2QIDbc
「アル君おはよー」
「あ、おはようございます」
上司がへらへらと笑いながら、僕の肩を叩く。何枚かの仕事の書類を渡され、それにザッと目を通す。
「お嬢様は元気かい?」
「はい、そりゃもう」
「ならよかった」
ほっと安心したように上司が息を吐いた。そういえばお嬢様は結構上司に懐いているみたいだ。
48:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 00:15:34 ID:q5FQ2QIDbc
「君は、色のことを聞いたかい?」
「はい。」
「…それでも仲良くやってる?」
「やっていると、思います。」
「そっか…ありがとうね。」
優しく上司が笑う。ああ、これはただの僕の勘だけど、きっとこの人はずっと昔からお嬢様の味方なんだろう。
「お嬢様はあの通り少し変わっていたから、昔から一人になりやすくてね。」
「それにあんまり外にも出なかったし、ほらボスもあれだから」
「君みたいに、仲良くしてくれる人がいてくれてよかった」
「それに、君の前に少しだけ僕もお嬢様の世話係をやってたし」
懐かしむように上司が目を細める。
49:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 00:15:44 ID:q5FQ2QIDbc
「ん、そろそろ時間だね」
上司の言葉に、腕時計を見る。げ、お嬢様を起こさないとならない時間まであと5分もないじゃないか。
「すいません、失礼します!」
「うん、いってらっしゃい」
上司に頭を下げる。必要なのは保険と情報か。僕はきっと結構お嬢様のことが好きなんだろう。扉を開け、大きなベッドで眠るお嬢様を起こすために近寄った。
50:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 14:57:24 ID:JP3KYIqJtA
綺麗に輝くシャンデリアが、なぜだか少し気持ち悪かった。
準備は万全だ。僕のスパイ活動も今日で終わり。忍び込ませた自分のファミリーの人間に情報も渡せた。あとは変に失敗することがないように祈るだけ。そう、祈るだけだ。
「上手くいくんでしょうね」
「当たり前じゃないですか」
相変わらず壁の花になっているお嬢様の隣りに立つ。きっと、大丈夫だろう。僕の計画に穴は無いはずだ。
「さあ、始まりますよ」
お嬢様の手を強く握った。
51:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 14:57:34 ID:JP3KYIqJtA
バチリと作っておいたリモコンでパーティー会場の電気を消す。これが合図だった。パーティー参加者の悲鳴やうろたえがよく聞こえる。
ピストルの音が2回響く。
「…当たったわよ、今の。お父様と弟に」
ポツリとお嬢様が呟いた。
52:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 14:57:42 ID:JP3KYIqJtA
暗闇に目が慣れ始める。お嬢様は暗闇も関係なく"見えている"らしい。トントンと僕の肩を叩いた手にお嬢様の手を握らせる。
「なにして…」
「静かにしてください、お嬢様。それじゃあよろしくお願いします」
上司の頭が上下に揺れたのがぼんやりと見えた。彼は"坊ちゃん"じゃなく"お嬢様"に、と考えている。だから、"僕の"計画は完璧なんだ。
53:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 14:57:52 ID:JP3KYIqJtA
「さよなら、お嬢様。」
「ちょっと、待ちなさいよ!どういうこと!?」
疑問に答えることはなく、僕はお嬢様に背を向け窓から外に出る。隠して止めてあった仲間の車に乗りこむ。任務完了、そろそろ他の仲間も帰ってくることだろう。
少しだけ遠くなった喧騒の音を聞きながら、目を閉じる。
「…良い明日を、お嬢様。」
呟いた声に色はない。彼女には届かないだろう。
54:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 14:58:28 ID:JP3KYIqJtA
――――…
僕が去ったあと、貴女がすぐにファミリーの指揮を取ったおかげで僕のファミリーには少なからず損失が来ました。まあ、別に大したことはないのでいいのですが。
長い手紙になってしまいました。
最後になりましたが、
ボス就任と結婚、おめでとうございます。元上司と末永くお幸せに。
P.S.
虹の色は、貴女には何色に見えるのでしょうか
55:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 15:00:13 ID:q5FQ2QIDbc
これでおしまいです。
最後までぐだぐだで申し訳ありませんでした(・ω・`)
支援してくださった方、読んでくださった方、本当にどうもありがとうございました!
56:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 15:09:30 ID:iI8pAQvmS.
おつ!
57:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 15:54:42 ID:KXnfP1O8Pc
>>56
ありがとうございます!
58:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 19:25:47 ID:emIXT3i.Lo
お疲れ様 (*´ω`)
59:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 19:52:47 ID:emIXT3i.Lo
>>58
ありがとうございます(´ω`*)
60:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 19:54:52 ID:p03NM465TM
お疲れ様でした!
61:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 20:43:25 ID:emIXT3i.Lo
>>60
ありがとうございます!
62:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 22:24:13 ID:qSwxP77vlw
思ったより早く終わって焦ったw
お疲れ様!また次SS立ったら見に行きますわ!
63:🎏 ドラえもん ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 22:26:22 ID:N0nxWG/O6Y
青いロボットが、私の前に立っていた。
「…これはなに?」
「僕にもさっぱりです」
執事がお手上げだ、と肩をすくめる。困るじゃないどうしてくれるの。
「ほんやくこんにゃく〜…これを食べたからもう大丈夫なはずだぞ。こんにちは、ぼくドラえもんです」
「…こんにちは、ドラえもん」
丸い手と私の手が握手を交わす。なんだか不思議だ。お腹についたポケットからいろんな色が見える。それは綺麗であり、凶悪である。きっとたくさんの道具でも詰まっているんだろう。
「ドラえもん、さん?どうしてここに来たんですか?」
「いやあ、ちょっとのび太くんの間違いで…。すぐに帰ります!」
ドラえもんは出てきたのと同じように、突然現れたピンク色のドアを開ける。その扉から少しだけ見えたのは、確か日本の"タタミ"と呼ばれるものだ。
「それじゃ、ご迷惑をおかけしました。さよならー」
「さ、さよなら」
ぱたりと扉が閉まり、また突然それが消える。随分と唐突な来客だった。
「なんだったんでしょうか、今のは」
「さあね」
だけど、きっと悪いものじゃないんだろう。ドラえもんと彼の来た世界からは、優しい夕焼けと同じ色が見えたのだから。
――――――――――
すいません、やってみたくなったので。
64:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/13(日) 22:28:16 ID:q5FQ2QIDbc
>>62
なんだかかなり短くなってしまって自分でもちょっと驚いていますww
次スレもすぐに立てる予定なのでよろしくお願いします。
ありがとうございました!
65:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 22:31:24 ID:wfet.hi7A.
ど、ドラえもんやってくれたんだ…!
帰るの早いww
でも嬉しい!
どうもありがとうございますm(_ _)m
お疲れ様でした!
66:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 23:55:30 ID:8tkFDEA3hA
ちょいまち
>>52の最後の文の意味を教えてくれ、俺の頭じゃ分からん
67:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 00:01:15 ID:wfet.hi7A.
>>66
上司は弟ではなく
お嬢様にボスになってほしいって思ってるのかと
僕の
はよくわからなかった←
68:🎏 67:2011/11/14(月) 00:04:53 ID:wfet.hi7A.
うわあ何言ってんだ自分いみわかんね
ごめん>>66
69:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/14(月) 00:06:26 ID:NkcF/Q9mp6
>>55
ありがとうございます!
なんだかすごい怪しいドラえもんになってしまいましたww楽しそうだったのに残念クオリティという…
>>56
確かに伝わりにくかったですね。すいません!
ええと、彼の組織の計画はまず、「情報収集とボス暗殺」です。
そこで彼の考えた計画は、「ボス暗殺にのっとってお嬢様を次期ボス候補にしちゃえばいんじゃね?」ってことでした。弟よりお嬢様を可愛がっている上司を味方につけて。彼は自分と行くよりも、その方がお嬢様にとっての幸せになると考えています。
…と、この説明もわかりづらいというorz
70:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 00:25:49 ID:AY51fdUhxg
1!1!安価安価!
71:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/14(月) 07:05:00 ID:AK.WDzviWU
最近安価ミス多い…
上は、>>65、>>67宛てです
72:🎏 66:2011/11/14(月) 08:05:23 ID:n.c7U/3INQ
(´・ω・)
73:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 08:19:53 ID:N0nxWG/O6Y
>>72
(・ω・`)
74:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 12:28:14 ID:uoyb.8XSIM
>>73
(´・ω・`)
75:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 17:11:47 ID:n.c7U/3INQ
>>74
こっちみんなwwww
76:🎏 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/14(月) 18:54:38 ID:BhHGk/K4Z6
(`・ω・´)シャキーン
77:🎏 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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