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P「アイドル達の呼び方を変えてみようと思う」
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1: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/8(月) 20:36:55 ID:fe5N/HgVSg

律子「……はい?」

P「いや、だから、アイドル達の呼び方を変えてみようと思う」

律子「はあ。唐突ですね」

P「昨日思いついたばかりだしな」

律子「本人達さえよければいいんじゃないですか? あ、でもあまり馴れ馴れしいと事務所外の人達に勘繰られちゃうかもですね」

P「その点は大丈夫だろう。事務所の中だけにするつもりだ」

律子「なら大丈夫ですかね。でもどうして急にそんなことを思いついたのですか? プロデューサー殿」

P「なんとなく」

律子「なんとなくってあなた……」



26: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:25:08 ID:fe5N/HgVSg
―――
――


P「ぐぅ……すぅ……」スピースピー

P「はっ」パチン

P「まずい……座りながら寝てた」

P「書類は…しわになってないか」

P「うぅさむっ」ブルッ

P(目の前に律子……小鳥さんもいるし、ソファの方にもみんなが見える)

P「寝すぎたかっ!? あいたたた」

P「座ったまま寝てしまったから全身の節々が痛い……」

P「それに寒気が……春香や雪歩が来てるならタオルケットくらい掛けてくれそうなものだが……」

27: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:26:40 ID:fe5N/HgVSg
P「まあ願望を押しつけても仕方がない。情けないとこ見せちゃったし、とりあえず元気にあいさつして、それから昨日のことを謝ろう」

P「やあ、みんなおはよう!!」

伊織「ほら、やよい。寝癖ついてるわよ?」

やよい「ホントですかー!? 伊織ちゃん、ありがとー」

春香「ほら、やっぱり真にはこっちだって」

雪歩「真ちゃんにはこっちですぅ!」

真「二人ともわかってないなぁ。ボクにはこれだよこれ」

春香雪歩「それはない」

真「」

美希「zzz」スピー

P「…………」

P「………あ、あれ?」
28: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:28:03 ID:fe5N/HgVSg

P(俺結構デカい声であいさつしたよな? なんでみんな無反応なんだ?)

P「お、おーい、みんなー?」

伊織「はい、直ったわよ」

やよい「ごめんね伊織ちゃん、ありがとー」

伊織「どういたしまして」

真「ひどいよ二人とも……」

春香「あーでもない」

雪歩「こーでもない」

美希「zzz」スピー

P「…………」

P「…………」ジワッ

P(やばい泣きそう。なにこれなんだこれなんなんだこれ。いじめ? 春香や雪歩、やよいまでもが俺のこと嫌いになったのか?)
29: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:29:58 ID:fe5N/HgVSg

 ソレデー ヤダワー

P「応接間の方から声が」

P「貴音、響、千早、あずささんか」

P「他はともかく、あずささんなら……!」

P「お邪魔しま〜す……」カチャ…キィ

貴音「昨日の夜に頂いたらぁめんは真に美味でした」

あずさ「あらあら〜、貴音ちゃんったら〜。どうしてそんなに食べても太らないのか不思議だわ〜」

響「そうだそうだー! 完璧な自分でも、さすがにそんなアブラっこいものばっかりだと太っちゃうぞー……」

千早「くっ……」

P(千早のやつ……なんでこんな魔境に迷い込んでるんだ……)

P(ビッグサイズに囲まれちゃって……明らかに苦行だろ)

P(ガールズトーク中っぽいけど……いくっきゃない)

30: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:31:15 ID:fe5N/HgVSg
P「お前たちはこっちでお話か〜。なんの話してるんだ?」

貴音「………」

あずさ「………」

響「………」

千早「………」

ハム蔵「………」

P「………」

P「……すまん、邪魔したな」ジワッ

P「………」バタン

P「なんなのあの冷たい目……特にあずささんのあの目は放送できねえよ……」

P「ごほっ、ごほっ! ぅげほっ、がは!!」

アイドル「「「!?」」」バッ

P「ぅう……咳が血の味する……やばい、風邪引いたかな」

31: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:33:32 ID:fe5N/HgVSg
真美「おっはよ→!」

亜美「おっはよ→!」

P「!!」

P「お、おお、お前たち! 遅かった……」スルー

真美「……はるるん、何読んでんの→?」

春香「え、あっ、ファッション雑誌、だよ! 真に似合うのはどれかって選んでて……」チラッ

亜美「へぇ〜。あ、これなんかどお!?」

真「い、いやー……ちょっとハデかな……」チラッ

雪歩「あぅ……」チラッ

P「……な……」フルフル

P「………」ゼェヒュゥ

32: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:35:08 ID:fe5N/HgVSg

律子「……プロデューサー」

P「……え、ぅあ、なんだ律子!」パァァ

律子「うっ……あー、その。風邪を引いたなら帰っていただけます? アイドルたちにうつされても困りますし」

P「………」

律子「幸い、今日は近くのお店で取材を受けるくらいしかお仕事もありませんし」

P「………」ゼェ

律子「プロデューサーがいなくとも大丈夫ですので」

P「………」ヒュウ

P「……そう…だな。そうだよな! 病人に居られても……困るだけ、だよな……それじゃ……帰るな………おつかれさま、でした……」トボトボ
33: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:36:33 ID:fe5N/HgVSg
春香「……」チラッ

真「……」チラッ

雪歩「……」チラッ

やよい「……」チラッ

伊織「……」チラッ

真美「……」チラッ

亜美「……」チラッ

貴音あずさ響千早「……」ジーッ

小鳥「……」チラッ

P「………」ガチャ

P「………」チラッ

 しーん

P「………ぅぐっ……!」

 バタン タッタッタ ガタガタンドガッ
34: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:37:44 ID:fe5N/HgVSg

 しーん

一同「………」

律子「……行った、わね……」

春香「はぁ〜……プロデューサーさん、大丈夫でしょうか……?」

真「今にも死にそうな顔してたね……」

雪歩「風邪の方も心配ですぅ……」

真美「さすがに亜美と真美がスルーした時の顔やばかったね……」

亜美「ちょっと笑えない表情してたね……」

貴音「こちらに来た時も相当なものでした……」ガチャ

千早「半泣きでしたね」

あずさ「プロデューサーさんに悪いことしちゃったわね〜……」

響(あずさの目が一番怖かったさ……)
35: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:39:18 ID:fe5N/HgVSg
やよい「い、伊織ちゃん! 今からでも追いかけよう!? プロデューサーさんもきっと反省してるよ!」

伊織「だめよ。……この伊織ちゃんをコケにしたんだもの。これくらいじゃ許さない」

やよい「伊織ちゃぁん……」

春香(伊織こわい)

真(伊織こわい)

雪歩(伊織ちゃんこわい)

真美「けどさけどさ、やっぱ最後のりっちゃんのが効いたねー」

亜美「秘技! 期待させてからの帰れコール!!」

律子「バカ、そんなんじゃないわよ。ただ、本当の事を伝えただけよ……状況のせいできつく聞こえちゃうかもしれないけど」

響「でも、プロデューサーの泣きそうなのを我慢してた顔、やばかったさー。自分、何かに目覚めそうだったぞ」

律子「たしかに破壊力あったわねあれ」

一同「うんうん」

小鳥「ふっふっふ……こんなこともあろうかと、ビデオカメラを仕込んでましたよ!」

亜美「おお→、さっすがピヨちゃん!」

真美「やるぅ!!」
36: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:41:16 ID:fe5N/HgVSg
千早「水瀬さん、あとでプロデューサーの様子を見に行きたいのだけれど」

伊織「だめ。少なくとも今日明日は控えてちょうだい」

千早(多分怒ってるのは水瀬さんだけだと思うけど……)

春香(はるるんって呼ばれてむしろ嬉しかったし……///)

真(プロデューサーのあの輝いてた笑顔、また見たいなぁ)

雪歩(ゆき……ぴょん……うふ、うふふ……)

亜美(とかちってなんだったんだろ)

真美(全国のPって誰だったんだろ)

やよい(ちゃんと何か掛けてあげれば風邪も引かなかったのかなぁ……。と、とにかく伊織ちゃんにないしょでもやしとぱいなっぷるを差し入れしよう!)

貴音(らぁめんと『お姫ちん』の恩を仇で返してしまいましたね……申し訳ありません、あなた様)

あずさ(お見舞いに行きたいけど……一人だとまた道に迷いそうね〜)

響(やっぱりなんくるなくなかったなー……)

小鳥「うぇっへっへ……いい映像が取れたわ〜」

律子「小鳥さん、そういうのはせめて心の声でやってください……」

伊織(ふんっ、あいつが悪いのよ……いおりん、って呼んでくれさえすれば、そしたら……)

 パタ…ポタポタ ザァーーー

あずさ「あらあら〜……雨ね〜」

雪歩「天気予報じゃ曇りだったんですけど……」

律子「濡れてなければいいけどね……」

美希「zzz」スカピー

37: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 07:45:22 ID:fe5N/HgVSg
>>35のやよいは偽物ですね。やよいはPにさんをつけないはずっ
続きは夜にまた
38: 名無しさん@読者の声:2012/10/9(火) 09:50:40 ID:7sIL7TZOwU
CCCCC!!
39: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 18:56:57 ID:fe5N/HgVSg

 ――P宅

P「どうしてこうなった」

P「アイドルに無視されるわ、冷たく睨まれるわ、同僚にすげなく帰されるわ……」

P「挙句に、雨にまで降られて風邪悪化。まあ自業自得ですけど」

P「完全にドン底転落フラグですどうもありがとうございましたP先生の次回作にご期待ください」

P「……ふっ、次回作…か…」

P「さぶ……とりあえずあったまろう」

P「ストーブつけて……はふう。テレビもつけよう。さみしいし」ピッ

 オッヒルヤースミハ ウッキウッキウォッチン

P「いい○もかー……リアルタイムで見るの久々だなあ……」

P「竜宮小町がテレフォンショッキングに出て以来かな……」

P「あの時は他のみんなも暇で、事務所のボロテレビにたかって見てたっけ……」

P「…………」

P「一人の家ってのもさみしいもんだね」

40: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 18:58:22 ID:fe5N/HgVSg

 ジュピターノサンニンデス キャーキャー

P「あまとうか」

P「ふーん……やっぱテレビ映りはいいな。さすがだ」

P「……一人、だな」

P「…………飯つくろ」

 ガチャ

P「げっ……冷蔵庫何も入ってねーし」

P「昨日買って帰る予定だったからな……そりゃ何もねーか」バタン

P「………」

P「春香の焼いたクッキーが食いたい」

P「雪歩の淹れたお茶が飲みたい」

P「………はあ」

P「寝よ」ゲホッゲホッ
41: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 19:00:32 ID:fe5N/HgVSg
>>38
トンクス 投下前のお礼忘れてたゼ


 ――翌日

P「やばい……死ぬ……」

P「期待してなかったけどいやしてたけど、765プロのみんなからは何もなかった」

P「メールも電話も。お見舞いなんてあるはずもない」ズズッ

P「……嫌われたなあ」ズビズビ

P「死ぬ時もこんな感じなんだろうなあ……看取ってくれる人もいない」グズグズ

P「………」ゼェハァ

 アイシテルーアイシテルー

P「!?」ガバッ

 From:あまとう
 件名:なし!だぜ!
 本文:雨、ひどいな
    せっかくのオフなのに
    憂鬱だぜ
42: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 19:02:19 ID:fe5N/HgVSg

P「………」

P「あまどお……」グス

P「………」ピッピッピッピ

 To:あまとう
 件名:かゆ…うま…
 本文:風邪で死にそうなう
    さみしいしはらへったし
    ほんとうにやばひ

P「送信……と」

P「はあ」

 アイシテルーアイシテルー

P「早っ」

 From:あまとう
 件名:なし
 本文:どういううことだよ待ってろ

P「どんだけ動転してんだあいつ」



43: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 19:04:29 ID:fe5N/HgVSg
 ――三十分後

冬馬「大丈夫かよっ!!」

P「いや、お前が大丈夫か。びしょ濡れじゃん」

冬馬「お、おう……」

P「まあ上がれよ……さみしかったところだ」

冬馬「お、おう……」

冬馬「とりあえずいろいろ買ってきたぞ」

P「ありがたやありがたや」

冬馬「ゼリーにポカリ、冷えピタにレトルトたまごがゆ」

冬馬「とりあえず冷蔵庫に入れとくからよ」

P「すまんねえ……」

冬馬「気にすんなよ。困った時はお互い様だ」

P(あまとうが想像をはるかに超えていいやつ過ぎて困ってます)

44: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 19:06:01 ID:fe5N/HgVSg

冬馬「しかし意外だよな。アンタのとこのアイドルならこんな状況、一も二もなく見舞いに押しかけてきそうなものをよ」

P「は……はは……そうね……」

冬馬「? なんかあったのか?」

P「いや、なんかみんなに嫌われちゃってさ……」

 カクカクシカジカ コレコレウマウマ 

冬馬「はあ!? 呼び方を変えただけで無視!?」

P「情けないけど……これ、事実なのよね……」

45: にわかP ◆6MA9BFz/HA:2012/10/9(火) 19:07:42 ID:fe5N/HgVSg

冬馬「今の765プロがあんのはアンタのおかげみたいなもんなんだろ……? それをちょっと有名になったら手のひら返すのかよ……!」

冬馬「ゆるせねえ! 絶対に! だぜ!」ギリッ

P「いや、そんな熱血振るわなくてもいいから」

冬馬「お、おう……? そうか?」

P「別にいいんだ。元をただせば俺が悪いんだし」

P「それよりさみしくて死にそうだったのもまた事実」

P「お前が来てくれて助かったよ」ニコッ

冬馬「お、おう……」

 ――P宅窓の外

小鳥「こっここここっこっこけこっここれは」ガクガク

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