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魔王「何で女の子が一人もいないんだよ!」
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1:🎏 :2011/9/14(水) 23:03:02 ID:8OHTIHnybw
初めてSSを書かせていただきます。
ギャグ物にしようと思ってまして、そのせいで世界観を無視した発言や行動が多くなると思います。
あと、最終的にはスレタイ詐欺のような展開になるかもしれません。今のところ、そのように予定しています。
以上のような感じで書き進めていこうと思ってます。
問題ないという方は、よければ最後までお付き合いください。
よろしくおねがいします。

※長いため、携帯から読むと途中から読めなくなる可能性があります。読めなくなった場合、こちらから読んでみてください→>>887-891


543:🎏 :2011/10/28(金) 23:23:33 ID:bEpZo/Xb/k
女戦士の小話

……これは女勇者一行が魔王と出会う前のお話である。
魔王討伐を目指して旅をしていた女勇者達。その途中、とある街に到着した。
その日はまだ明るかった。しかし、その街から次の街への距離は遥かなる物で、入念なる準備が必要だと考えた女勇者は早めに宿をとったのだった。

女勇者「はい、今日も一部屋とったからねー」

女戦士「まーた一部屋かよ。たまには個室で贅沢しようぜー」

女勇者「いいでしょ。そういう贅沢してたらいざという時に良い武器買えないわよ?」

女僧侶「それに私達のパーティは女性しかいませんから特に問題もありませんでしょう?」

女魔法使い「……」

女戦士「わーったよ。いいよいいよ問題ないよ!これでいいだろ?」

女勇者「うん、それでいいよ!」
544:🎏 :2011/10/28(金) 23:24:00 ID:bEpZo/Xb/k
女勇者「明日は朝早くから旅立つから、今日はゆっくり休んでー」

女戦士「わかった!じゃあちょっくら酒飲んでくるわー」

女勇者「待ちなさい。ゆっくり休めって言われて、なんで酒場に直行なのよ?」

女戦士「馬鹿だなー女勇者は。酒は私にとってのカルシウムだぜ?」

女勇者「なんで数ある栄養素の中からカルシウムをチョイスしたのよ?」

女戦士「……栄養素、それしか思いつかなかった」

女勇者「あんたが馬鹿じゃない……」

女僧侶「疲労回復にはクエン酸がいいと聞きましたよ?」

女戦士「じゃあそれで。酒は私のくえんさんなんだよ」

女僧侶「まあ……確かに女戦士さんはお酒が好きですからね。好きな物を我慢するのも辛いでしょう」

女戦士「さっすが女僧侶は話がわかるー!」

女勇者「わかったわよ……でもお金たくさん使っちゃダメだからね?」

女戦士「大丈夫だよ、タダ酒飲む方法知ってっからwww」
545:🎏 :2011/10/28(金) 23:24:57 ID:bEpZo/Xb/k
女戦士「ってわけで酒場だー!」

女戦士「邪魔するぜー!!」

「うお!女戦士様だ!」「なんでこの街に!?」「うっ!……ふぅ」

女戦士「騒ぐな騒ぐなww酒飲みに来ただけなんだからよ」

女戦士「あー、でもここの人達にちょっと相談があるんだけど」

「相談?」「何ですかー?」「うっ!……ふぅ」

女戦士「強制はしないからさー、私と腕相撲勝負しないか?」

「腕相撲!」「女戦士様の手を握るチャンス!」「うっ!……ふぅ」

女戦士「私が勝ったらビールおごってほしいんだよね」

「ビール一杯で女戦士様の手を……!」「やるしかねえ!」「うっ!……ふぅ」

「あのー、もしも俺達が勝ったら、何かもらえるんでしょうか?」

女戦士「そうだな……私を負かした奴にはチューしてやろうか?なーんてwwwこんな男女のキスなんかいらないよな……」

「うおおおおお!!」「チューって!女戦士様のチューって!」「うっ!……ふぅ」

女戦士「いいのかよ……女勇者や女僧侶、女魔法使いじゃなくて私だぞ?……まあいいならいいか」
546:🎏 :2011/10/28(金) 23:25:28 ID:bEpZo/Xb/k
女戦士「よーし、そういうこった!私に挑戦する奴はいるかー!?」

「俺だー!」「勝っても負けても幸せイベント!」「うっ!……ふぅ」

女戦士「おーけっこういるなあ。よっしゃ、どんどん来やがれ!あ、でもそこの白い何かでぬちょぬちょの奴はダメな」

男(こうして俺は女戦士様との腕相撲勝負に挑むこととなった)

男(普段は鎧を装備してると聞く女戦士様だが、今日はもう戦う予定などないからか、私服でいる)

男(ラフな格好だけど、ボンキュッボンの女戦士様だから良い意味で凶悪なる存在と化している)

男(テーブル越しに手を取り合うと、女戦士様の美しい顔と深い谷間が俺の目に飛び込んでくる)

男(至福だ……至福の一時だ……これがビール一杯で堪能できるなんて、お得すぎる)

男(今頃「おい、そこ代われ」みたいにわめいてる野郎共がいると思うが……誰が代わるかよwww)

男(お前らざまあwwwwwざwwwwまwwwwあwwww)

女戦士「レディ……ゴッ!!」ブンッ

男「ぬわあああああ!!」グシャァ

女戦士「なんだよ、弱っちいなあ。そんじゃビール頼むぜ!」

男「いてえ……(幸せwww)」
547:🎏 :2011/10/28(金) 23:26:24 ID:bEpZo/Xb/k
女戦士「そんなこんなでタダ酒を堪能してきたぜwww」

女戦士「全戦全勝、向かうところ敵無しって感じだぜ!ひゃっほーいwww」

女戦士(……でもそれって女の子らしくないんだよなあ)

女戦士(私って力は強いしがさつな性格で……酒好きだし腕相撲はほとんど負け無し)

女戦士(皆と比べても……綺麗で可愛くてスラッとした女勇者達に対して私はデブだし綺麗じゃないし……)

女戦士(はあ……それを考えると憂鬱になってくるよ……)

女戦士(自分の好きなことばっかやってきて、美容や性格に無頓着だった報いを受けてるだけなんだろうけど……)

女戦士(女勇者達みたいに女の子っぽく在りたかったなあ……)

女戦士「……」

女戦士「酔って浮かれた気分も見事に沈んじまったな……宿に戻ろう」
548:🎏 :2011/10/28(金) 23:26:51 ID:bEpZo/Xb/k
女戦士「ただいまー。……なんだぁ、誰もいねえのか?」

女戦士「なんだよ、人には休めっつっといて、ちゃっかり満喫してんじゃねえかよ」

女戦士「……」

女戦士「寝るかな……」

女戦士「……」

女戦士「女勇者の荷物……」

女戦士「……」ガサゴソ

女戦士「うわあ、何これ!女勇者の私服、めっちゃ女の子っぽい!」

女戦士「あの美貌でこういう格好されたら男は堪らんだろうなー。私が男だったら絶対襲うわ」

女戦士「……」

女戦士「……私がこれ着たら少しは女の子っぽくなるかな?」

女戦士「……」キョロキョロ

女戦士「……いねえ、よな?よし……」キガエチュウ
549:🎏 :2011/10/28(金) 23:27:26 ID:bEpZo/Xb/k
女勇者「ただい……」

女戦士「うう、きっつ……やっぱ私デブだなあ……」

女勇者「」

女戦士「きつい……特に胸とか……あ、でも何とか入った」

女勇者(な、何これ……女戦士が私の服着てる……)

女戦士「確かこういうのを女勇者はこういう感じで着て……」

女勇者(あ……でもこれ……)

女戦士「よーし、完成!……うわあ、普段の私がぜってえしねえ格好だwww」

女勇者(素敵……やっぱ女戦士綺麗だなあ……しばらく黙って見てよう)

女戦士「あ、そうそう。このSS書いてんの糞童貞だから女性のファッションとか詳しくないからその辺描写はしねえよ」

女戦士「各々の好きな女の子ファッションで想像してくれな」
550:🎏 :2011/10/28(金) 23:28:16 ID:bEpZo/Xb/k
女戦士「なんか面白くなってきたww他には何かあったかなー」ガサゴソ

女戦士「……これとかもぜってえ似合わねんだろうなwww」

女戦士「くぬ……くっそー、着替える度に自分がデブだと思い知らされるぜ……」

女戦士「でも、着替え完了だぜ!……うっわー、似合わねええええwww」

女戦士「何これwww気持ち悪いなあ、私wwwww」

女戦士「服装だけは立派に女の子だっつーのにね」

女戦士「……」

女戦士「べ、別にあなたのためにやってるんじゃないんだからねっ!」

女戦士「……ぷっwwwwこれはないwwwこういうのは可愛い娘がやるから意味があるんであってwww」

女戦士「私みたいな男女がやってもうざいだけだっつーのwww」

女戦士「……」

女戦士「おかえりなさいませ、ご主人様!ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも……私?」

女戦士「……ないわーwwwwww私なんかが言える台詞じゃないわーwwwww」
551:🎏 :2011/10/28(金) 23:28:57 ID:bEpZo/Xb/k
女勇者「……」プルプル

女勇者(ああ、指摘したい!自分への感想が的外れだって!)

女勇者(綺麗な女戦士が私の服を着たことで、普段と違う……そう、可愛さが強調されてるのよ!)

女勇者(つまりギャップ!普段強気でかっこいい女戦士があんな格好、あんな台詞を言うから半端なく可愛く感じるの!)

女勇者(ていうか私は前々から女戦士を変えたかったのよ!本人が半端なく綺麗なんだから、身だしなみを整えれば最強になるって思って!)

女勇者(それが間違いではなかったって今日証明されたわ!そして未だ可能性を秘めている!」

女勇者「ああ、私がコーディネートしてあげたい!それで甘えた台詞を言わせるの!」

女勇者「そうしたらもう本当にやばいことになると思う!私、そう思うんだけど!」

女勇者「……ん?」

女戦士「」

女勇者「あ、あれ?気付かれ……あ、いつの間にか声が……」
552:🎏 :2011/10/28(金) 23:29:57 ID:bEpZo/Xb/k
女戦士「……」

女勇者「……に、似合ってるよ……うん、似合ってる」

女戦士「……いつから」

女勇者「はい?」

女戦士「いつから……そこにいた?」

女勇者「えっと……そこの、その服着たとこから」

女戦士「最初からじゃねえかよおおおおお!!ちくしょおおおお!!」ポロポロ

女勇者「ちょっと、落ち着いて!泣かないで!別におかしくなかったから……むしろ可愛かったから!」

女戦士「くそおおお!!私みたいなのが、それっぽい格好してるのを笑ってたんだろおおお!!」ポロポロ

女勇者「違うって!話を聞いてよ!」

女戦士「どうせ私みたいな太った男女を美少女な女勇者は馬鹿にしてんだ!」ポロポロ

女戦士「ああもう殺せよ!!死ねってことだろ!?」ポロポロ

女勇者「……ああもう、その顔とその体でそんなこと言われたら私もむかついてきた!」

女勇者「そんな綺麗なのに……遠まわしで嫌味言ってんのか、このー!」

女戦士「ああ、やんのかー!?」ポロポロ
553:🎏 :2011/10/28(金) 23:30:29 ID:bEpZo/Xb/k
女僧侶「……だから二人ともボロボロなんですね?」

女勇者「ごめんなさい……」ボロッ

女戦士「ごめんなさい……」ボロッ

女僧侶「宿屋も半壊して……修理費もすごいことなってますよ?」

女勇者「反省してます……」

女戦士「もうしません……」

女僧侶「……まあ反省しているのであれば、深く追及するのはもうやめにしましょう」

女勇者「うう〜、ごめんね、女僧侶〜」

女戦士「悪気はなかったんだよ〜、ホントだよ〜」

女僧侶「……とりあえず出発は明後日に変更しましょう。あと、良い武器は当分我慢ですからね」

女勇者「はーい……」

女戦士「そんなあ……」
554:🎏 今日はここまで!:2011/10/28(金) 23:31:26 ID:bEpZo/Xb/k
こうして一連の騒動は、互いの体に無数の傷と多額の負債を残して終わったのだった。
だが、実は残ったのはこれだけではない。他者にはわからない、騒動の張本人である両者にだけ残った物があった。
……まずは女勇者。

女勇者(う〜ん……どうしたら女戦士に自分の綺麗さがわかってもらえるのかな……あと、どんな服が似合うだろう?)

女戦士がお洒落した場面を目撃し、その美貌に見惚れたことで、女戦士改造計画の野望がその心に根付いたのだ。
その野望は今なお消えることなく、虎視眈眈と野望達成に向けて活動してるとかしてないとか。
……女戦士の場合はこんなものが残った。

女魔法使い「〜〜♪」

女戦士「……はうあぁぁ!!」

女魔法使い「っ!?」ビクッ

あの場面を目撃されたのがよっぽど恥ずかしかったのか、トラウマとなって女戦士を苦しめることになってしまった。
そして恥ずかしさのあまり突然奇声をあげ、その結果女魔法使いがびっくりするという悪循環が生まれてしまったのだった。

……以上、女戦士の過去、今なお苦しめる呪縛の話でした。いや、そんな大層な物じゃないけど……
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