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魔王「何この子超弱い!」
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1: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/3(火) 00:25:15 ID:GoOVcwF126
勇者「あ、あああああなたが魔王ね!!」
魔王「・・・1人でのこのこと殺されに来るとは殊勝な事だ。
ふむ、まさか勇者がこんな歳若い娘とはな・・・ククク」
勇者「う、うるさい!ここで会ったが百年目!世界に平和を取り戻すために
あなたを倒してみせる!」
魔王「いいだろう。倒せるものならしてみるがいい。・・・さぁかかってくるがよい!」
勇者「言われなくとも!てやー!!!」

ズルッ
ドテッ

勇者「ふぎゃっ」
魔王「えっ」



77:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/4(水) 19:33:10 ID:GoOVcwF126

17日目

勇者「魔王さんは、わりと髪短いですよね?」

魔王「あ?あー、まぁそうだな。それがどうしたよ」

勇者「魔王ってロングストレートヘアーのイメージがあるからちょっと意外で・・・」

魔王「またイメージかよ・・・。さすがに髪型くらいは好きにさせてくれないか」

勇者「いや、短いのとてもお似合いですよ!かっこいいですし!ただ、やっぱり魔王さんって魔王っぽくないなぁと」

魔王「っていうかお前の言う魔王のイメージはどんなんだよ・・・」

勇者「え?んー・・・髪が長くて、ツノがはえてて、鎧着てて、大きいマントで、いかつい感じで、血色悪そうで・・・」

魔王「・・・ほー」

勇者「あ、あんまり当てはまってませんね・・・」

魔王「ツノは生えてるぞ」

勇者「え、あ、はい」

魔王「一応マントも・・・」

勇者「なんかすみません」


78:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/4(水) 19:33:46 ID:GoOVcwF126
19日目

勇者「ほ、本がいっぱいだ・・・!」

側近「ここは書斎です」

勇者「私、こんな沢山の本に囲まれたの初めてです・・・!」

側近「・・・魔力を向上させるには潜在能力も勿論のこと、知性も多少なりとも必要になります。今日はここで勉学に励んでもらおうと魔王様が」

勇者「べ、勉学・・・」

側近「お嫌いですか?」

勇者「私村でも成績が良い方じゃなくて、いつもドベか下から数える方が早かったりしてましたから・・・」

側近「あぁ・・・」

勇者「な、納得しないで下さい!」

側近「いえいえそんな。さて、アホの勇者さん、先ずはこの書物を読んでもらいましょうか」

勇者「あ、アホ!!?」


79:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/4(水) 19:34:26 ID:GoOVcwF126



勇者「・・・本当に沢山本があるなぁ・・・」

勇者「あ、これ何の本だろう」ガタッ

勇者「・・・呪いの本!?」

勇者「こ、こっちは解呪の本。これも呪い。これは解呪・・・。呪い関係ばっかだ・・・。さすが魔王城というか・・・こわい」

側近「見ましたね」

勇者「うわあああ!!」

側近「なんと色気のない叫び」

勇者「ほっといてくださぁい!!ってか、急に現れないで下さい!!!」

側近「はいはいごめんねごめんね。その本はアホの勇者さんにはまだ早いので元あった場所に戻しましょうね」ニッコリ

勇者「は、はひ・・・・」


80: 名無しさん@読者の声:2012/1/4(水) 20:33:36 ID:5qvfeQjtIk
きのこ派だが文句あるか?
81: 名無しさん@読者の声:2012/1/5(木) 03:37:26 ID:KKYnYHUpK6
食べやすさならきのこ
味ならたけのこ
そういう私はトッポ派です
82: 名無しさん@読者の声:2012/1/5(木) 08:07:15 ID:4c6./S/36M
トッポってすげえよな、最後まで(ry
83: 名無しさん@読者の声:2012/1/5(木) 18:17:24 ID:Hwuqpvf2x2
切り株派
84: たけちゃん:2012/1/5(木) 21:04:18 ID:stc8zXio6w
俺の小学生の頃のあだ名がたけちゃんだったww

凄まじい偶然ww
85:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/6(金) 01:41:40 ID:GoOVcwF126


20日目

魔王「お前が先ず俺の部下以外と戦いたいと言うから、この3週間程そこら辺の下級魔物と戦わせているんだけどさ」

勇者「はい・・・」

魔王「面識も何も無い初対面の魔物に対しての、その慈悲な心構え。うん、美しいと思うよ」

勇者「・・・」

魔王「でもさぁいい加減慣れろよ!マジで!魔物倒す度に泣かれたらこっちだって困るっつーの!!!最初は何も言わなかったけどさ!!!お前勇者だろがよ!!お前俺倒す気あんの!?世界を平和にしたくないの!?」

勇者「だ、だってこの魔物さん達にも家族が居ると思ったら・・・」

魔王「んなこたぁ考えなくていいんだよ!!お前は甘いんだよ!!!いいか、次は絶対に泣くなよ!絶対にだ!」

勇者「す、すみません・・・」

側近(あんたも十分甘々だけどな。初孫の誕生を祝う爺さん並に甘いけどな)



86:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/6(金) 01:42:26 ID:GoOVcwF126

25日目

スライムC「あ、勇者さん」

勇者「あ、C夫さん」

スライムC「お久しぶりですね。どうです?あれから順調ですか?」

勇者「はい、まぁ・・・ぼちぼちってとこですかね。頑張ってはいるんですが・・・」

スライムC「・・・ちなみに、現在のレベルはお幾つで」

勇者「・・・ろ」

スライムC「ろ?もしや60ですか!?めっちゃ強なったじゃないですか!!!」

勇者「6、です・・・」

スライムC「・・・あ、はー、はい・・・」



87: 名無しさん@読者の声:2012/1/8(日) 08:51:46 ID:LD1KM0hYD6
今一番好きなスレw

魔王が松岡修造で再生されて
とても楽しいです


C
88:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:17:52 ID:GoOVcwF126
30日目


スライムA「今日は魔王様が居らっしゃらないので変わりに自分がお相手をします!」

スライムA「初日ぶりですね!よろしくちゃっす!」

勇者「は、はい・・・」

スライムA「そんな硬くならなくても!聞きましたよ大分レベル上がったじゃないですか〜。それに最近調子いいじゃないですか〜」

勇者「・・・」

スライムA「今なら俺も倒さますね!さぁ初日の雪辱戦と行きましょうか!」

勇者「あの、その、でも・・・」

スライムA「情けなんかかけちゃ駄目っすよ!今はこうして修行のお手伝いをさせていただいていますけど、元々は敵同士です。それにどうせ魔王様倒したらみんな死ぬんですし!さぁ一思いに!」

勇者「そ、そんな死ぬだなんて簡単に言わないでくださいよ・・・」

スライムA「ごめん!でも割りと真面目にそんな考えじゃ駄目ですよ」

勇者「う」


89:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:18:12 ID:GoOVcwF126

スライムA「魔王様を倒せるのは勇者さんしか居ないんすよ。魔王様は、勇者がその勇者の剣で倒さない限り誰が何をやっても死なないんですから!」

勇者「私が・・・」

スライムA「魔王様が存命であり続ける事は君等にとって良い話じゃないんだろ?現に魔物が増えてるんだし」

勇者「それはそうですけど・・・」

スライムA「だったらほら!」

勇者「なんか・・・でも、やっぱり、ここまでフレンドリーなのに、優しくしてくれたのに殺すって・・・」

スライムA「・・・人間の感情はこういう時不便っすね。もっと割り切ればいいのに。まぁ必要以上に構ってるこっちもアレですけど」

勇者「分かってるなら・・・」


90:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:18:29 ID:GoOVcwF126

スライムA「そりゃまぁ気持ちは分からなくも無いですけど。いつかは淘汰しなきゃいけないんだから」

勇者「・・・A郎さんは、人を襲ったことありますか?」

スライムA「ある訳ないじゃないすかー。魔王様からそんな司令下ってませんし、俺も襲う気無いですし。まぁどっかの馬鹿達はあんな事やそんな事やってるみたいですけど」

勇者「・・・なんで、あの魔王さんは人を襲わないんですか?」

スライムA「それは」


91:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:18:51 ID:GoOVcwF126

側近「襲う理由が無いからですよ。別に人に恨みもありませんし」

勇者「側近さん・・・」

スライムA「側近さんじゃないですか!相変わらず男前ですね!」

側近「ありがとう。給料下げておくよ」

スライムA「な、何故だ!?」

側近「勇者さん、貴女だって嫌いでもない人をぶん殴りはしないでしょう?」

勇者「それはそうですけど・・・」


92:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:19:07 ID:GoOVcwF126

側近「あんまり聞かせたら勇者さんの意志が鈍るという事で口止めされていたんですが、こんな生活をさせてるのに鈍るも糞も無いと思いまして」

勇者「え?」

側近「あの人は馬鹿でデリカシーがありませんから」

側近「・・・魔王様は勇者様でしか倒せません。他のどんなに強い人間でも魔王様は死にません。勇者がその剣を心臓に突き刺さない限りは」

側近「魔物は、魔王が居るから増殖します。魔物を葬りたいなら魔王を殺さなければなりません。以前もそうでした」

勇者「・・・以前?」


93:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:19:24 ID:GoOVcwF126

側近「以前の魔王です。先代ですね」

勇者「えっ、でも、それじゃ魔物は・・・あれ」

側近「居ますね。ウジャウジャと。何故でしょう」

勇者「えっと、それは・・・」

側近「・・・以前の魔王はそれはそれは悪行三昧だったそうですよ。今の、うちの魔王様はそんな事一切しませんが」

勇者「言っていましたね・・・」



94:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:19:40 ID:GoOVcwF126

G
側近「以前の魔王は確かに勇者に殺されました。ですが、その時に勇者は魔王に呪いをかけられたのです」

側近「人で失くなる呪いを。それに伴って、膨大な魔力も手に入った。勇者は人間じゃなくなった」

側近「人間でもない、朽ち果てたモノを勇者と呼べますか。人々は勇者だったモノを脅え石を投げつけた。泣き叫んだ。無理もない、魔物は消えていないのだから」

側近「魔王はそれを狙っていたのかもしれない。今じゃ分からない」

側近「勇者は魔物になっていた」


95:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:20:00 ID:GoOVcwF126

側近「勇者は絶望しました。守りたい者の為に成してきた事が全て水の泡、無かった事にされたんですから」

側近「人じゃ無くなりましたし」

勇者「酷い・・・そんなのって・・・」

勇者「頑張ってきたのに・・・報われないなんて・・・」

側近「・・・それが、今の魔王様ですよ」

勇者「えっ・・・」


96:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:20:46 ID:GoOVcwF126
>>94のGは特に意味はないです気にしないで下さい。



側近「だから、貴女に強くなって早く自分を殺してもらいたいんですよ」

側近「自殺も出来ないし、勇者に殺されるしか無いんですからね」

側近「魔王様が魔物を殺れば話は早いんでしょうがなんせ数が多いからね」

側近「最近、魔物も増えたし、前よりも凶悪になってきたから余計ですね」

勇者「・・・」


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