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魔王「何この子超弱い!」
[8] -25 -50 

1: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/3(火) 00:25:15 ID:GoOVcwF126
勇者「あ、あああああなたが魔王ね!!」
魔王「・・・1人でのこのこと殺されに来るとは殊勝な事だ。
ふむ、まさか勇者がこんな歳若い娘とはな・・・ククク」
勇者「う、うるさい!ここで会ったが百年目!世界に平和を取り戻すために
あなたを倒してみせる!」
魔王「いいだろう。倒せるものならしてみるがいい。・・・さぁかかってくるがよい!」
勇者「言われなくとも!てやー!!!」

ズルッ
ドテッ

勇者「ふぎゃっ」
魔王「えっ」



95:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:20:00 ID:GoOVcwF126

側近「勇者は絶望しました。守りたい者の為に成してきた事が全て水の泡、無かった事にされたんですから」

側近「人じゃ無くなりましたし」

勇者「酷い・・・そんなのって・・・」

勇者「頑張ってきたのに・・・報われないなんて・・・」

側近「・・・それが、今の魔王様ですよ」

勇者「えっ・・・」


96:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:20:46 ID:GoOVcwF126
>>94のGは特に意味はないです気にしないで下さい。



側近「だから、貴女に強くなって早く自分を殺してもらいたいんですよ」

側近「自殺も出来ないし、勇者に殺されるしか無いんですからね」

側近「魔王様が魔物を殺れば話は早いんでしょうがなんせ数が多いからね」

側近「最近、魔物も増えたし、前よりも凶悪になってきたから余計ですね」

勇者「・・・」


97:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:21:10 ID:GoOVcwF126

側近「この話を聞いても聞かなくても、今のあんたの性格じゃいつまで経ってもあの人を殺せないと思うんです」

側近「しかもこんな生活じゃね。だからあの人は馬鹿なんだ。人間なんて情が湧きやすい生き物だという事を自分が一番よく知っている癖に。・・・何百年も魔王やってたら感覚鈍るか」

側近「まぁ鈍っても普通は分かるけど」

勇者「・・・さっき側近さんは、魔王さんが人を襲わないのは、人間を恨んでないからと、言いましたよね」

側近「ええ、言いましたね」

勇者「・・・あんな事されたのに?」

側近「馬鹿ですから」


98:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:21:30 ID:GoOVcwF126

側近「馬鹿だから、いくら絶望しようと疎まれようと石を投げつけられようと、人間は悪くないの一点張りですよ」

勇者「悪い悪くない、とかそんな問題じゃ・・・」

側近「それが、魔王様のいい所です。悪い所でもありますが」

スライムA「俺もそんな魔王様だからついてきてるしね!」

側近「お前居たの」

スライムA「酷い・・・」



99:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:21:46 ID:GoOVcwF126

側近「とにかく、そういう事です」

側近「お人好しですから、かなり弱々しい貴女を見過ごす事が出来なかったんでしょうね」

側近「魔王としては失格ですが」

勇者「私、・・・」

側近「まぁ貴女はまだまだ弱いですからね。此処で勇者放棄してもいいですけど、世界は平和になりませんよ?魔物が溢れるだけです。我々が殲滅しようとも間に合わないかもしれませんね」


100:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:22:04 ID:GoOVcwF126

勇者「ど、どうすれば、いいの・・・」

スライムA「どうするんですか側近さん、勇者さん困ってるじゃないですか」

側近「最初に言っただろ。この人の性格じゃどちらにせよこうなるって」

スライムA「それにしたって・・」

側近「何も知らずに終わるよりは良いと思うけど」

スライムA「あんたも十分デリカシー無いよ」

側近「魔物にデリカシーもへったくれもあるかい」

スライムA「あんた・・・」


101:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:22:22 ID:GoOVcwF126

スライムA「思ったんだけど」

側近「うん」

スライムA「勇者の剣で魔王様殺せるなら、魔王様棒立ち状態にしてそのまま心臓ブッ刺しちゃえばいいんとちゃいます?」

側近「・・・未だにマトモに剣扱えてないのにか?」

スライムA「・・・いやでも心臓ぶっさすくらいなら」

側近「・・・あんた魔王様の体の丈夫さ忘れたのか?」

スライムA「心臓まで刃が届かないってか!」

側近「あんなに弱いとなー・・・」


102:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/8(日) 19:23:31 ID:GoOVcwF126
とりあえず一旦ここで終わります
超展開もいいところですね、すみません
gdgdですがなんとか完走させるよう頑張ります

そして支援及びレスありがとうございました

103: 名無しさん@読者の声:2012/1/8(日) 21:56:06 ID:rcYVC/WIFc
なんか泣けてきた
魔王すき
うん
勇者も可愛い
側近かっこいい


たがスライムA
テメーはダメだ
減給

支援
104: 名無しさん@読者の声:2012/1/8(日) 22:39:43 ID:vie1bqmG1I
1も早く更新しね〜と減給すっぞゴラァwwww


つCCCCC
105:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 01:52:42 ID:GoOVcwF126

31日目
とある村

賢者「よし・・・準備出来たな?」

魔法使い「ええ」

戦士「おーけー」

賢者「じゃあ魔法で魔王城付近に転送するから目、瞑っとけよ」

魔法使い「・・・はぁ」

賢者「・・どうした?溜息なんか吐いて」

魔法使い「どうしたもこうしたもないわよ。一カ月よ?貴方が勇者を魔王城に転送してから一ヶ月。貴方言ってたわよね?妹は選ばれし勇者だから絶対魔王を討ち取る、と。世界を平和に取り戻すと」

戦士「可哀想だよなー。勇者に抜擢された次の日にろくに修行もせず実の兄に半ば無理矢理魔王城に転送させられてさ」

賢者「・・・あの時は浮かれていて、絶対に魔王を倒せれると思ったんだ。まさかこんな事になるなんて」

魔法使い「・・・ほんとアンタ達兄妹は考え無しなんだから。子供でも分かるわよ。無謀だって」

賢者「申し訳ない・・・」

魔法使い「あたしに謝らないで」


106:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 01:54:32 ID:GoOVcwF126


魔法使い「あの子が簡単に魔王を討ち取る筈がないのは重々承知だったでしょうに。とりあえず一ヶ月は待ってみたけども、倒していないのはこの状況を見たら明白ね」

戦士「魔物は、消えていないもんな」

魔法使い「村の被害も酷過ぎる。貴方自分のした事分かってるわよね?無責任な行動をするとこうなるのよ」

戦士「実際、お前たち兄妹を疎んじてる奴だって居るぞ。この際だから言ってみるけどさ―」

賢者「あぁ・・・申し訳ない、本当に・・・」

戦士「謝ってばっかだな、おにーさん。先ずは安否も分からない妹に謝罪しとけよ」

賢者「・・・・勇者」



107:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 01:55:12 ID:GoOVcwF126


戦士「しかし、勇者ちゃん大丈夫かねー」

魔法使い「それは分からないわ。行ってみないと。・・・死んでたら、あたしはアンタを絶対に許さないからね」

賢者「・・・」

魔法使い「あの子はあたし達にとっても妹なんだから。幼い頃からずっと一緒に居たのよ。賢者、アンタも辛いだろうけど、あたし達も辛いの」

戦士「死んだか、はたまた生きているが死んでると同等の扱いをされているか。・・・肉奴隷とかな」

賢者「!お前・・!」

戦士「何怒ってるんだよ。可能性は無いってこた無いだろ?言っとくけどなぁ、お前が全部悪いんだからな!!!勇者の気持ちも能力も考えず、浮かれやがって!何が勇者なら大丈夫だ!確証あんのかよ!いつもピーピー泣いていた女の子だぞ!お前兄として最低な事したんだぞ!一緒についていければ良かったものの・・・」

賢者「くっ・・・」

魔法使い「・・・とりあえず、今は責めても仕方が無いわね。一刻を争うもの・・・。賢者、ごめんなさい」

賢者「・・・」

戦士「・・・悪かったな」

魔法使い「時間、とらせてしまったわね・・・。ごめんなさい」

賢者「いや、じゃあ・・・行こうか」


108: 名無しさん@読者の声:2012/1/9(月) 02:39:33 ID:EYvskT0Xck
あらいきなりシリアスモード?wktk

    ∧_∧
    ( ;・∀・)ドキドキ
  oノ∧つ⊂)
  ( ( ;・∀・)ハラハラ
  ∪( ∪ ∪
    と__)__)
109:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 23:39:49 ID:GoOVcwF126


−−−

魔王「・・・どうした、剣が鈍いな」

勇者「え、あ、す、すみません・・・」

魔王「慈悲の心もいいけど、お前は勇者だろがよ。そんな考えは捨てろって言わなかったか?」

勇者「はい、そう、ですね・・・・」

魔王「・・・魔物を狩ろうと言う気も感じられないんだけど」

勇者「・・・はい」

魔王「・・・っつーかいつも以上に覇気がねぇんだけど」

勇者「・・・ごめんなさい」

魔王「・・・」

勇者「・・・」

魔王「あー!!!」

勇者「!?」ビクッ


110:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 23:40:16 ID:GoOVcwF126


魔王「休憩だ、休憩!!!っつーか今日はもう終わり!!!今日の修行は終わりです!!!」ドカッ

勇者「えっ!?え!?ご、ごめんなさい!だらしなくて!今から、今から、頑張ります!!」

魔王「うっせ!そんな今にも死にそうな面で修行なんか出来るわけねーだろ!いいから座れ!!」

勇者「は、はい!」ストン

魔王「チッ、人間の女はいつもそうだな。色々と面倒くさい。つか面倒くさい」

勇者「ごめんなさい・・・」

魔王「・・・はぁ、まあいいや。んで?何があった」

勇者「えっ・・・」


111:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 23:40:57 ID:GoOVcwF126


勇者「そ、それは・・・」

勇者(魔王さんの秘密を、知ってしまって、案の定意志が鈍っただなんて・・・)

魔王「・・・」

勇者「言え、ないです・・・ごめんなさい」

勇者(本当は魔物じゃなくて私達と変わらない人間・・・)

勇者(どうすればいいんだろう・・・。今のままじゃ世界を平和にするなんて私には荷が重すぎる)

勇者(心の何処かで魔王城のみんなに甘えていたのかもしれない・・・いや、甘えていた)

勇者(思っちゃいけないのに、楽しかった・・・)

魔王「・・・別に」

勇者「・・・ごめん、なさい」

魔王「何謝ってんだよ」

勇者「ごめん、なさい、ごめ・・・」ポロ

魔王「!?」



112:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 23:41:17 ID:GoOVcwF126


魔王「ちょっ、ちょ、おまっ、急に泣くなよ!何があったんだよ!俺か!?俺が悪いのか!?面倒くさいとか言ったからか!?あ、今朝の飯が不味かったか?」

勇者「ちがっ、わた、私・・・もう」

魔王「えっ、え?・・・泣くなって!よく分かんねーけど!!」

勇者「私、世界を救えないです、まお、魔王さんも倒せないっ、嫌ですっ、ぐすっ」

魔王「はぁ?お前それは聞き捨てならんぞ、何回も言ってるけど嫌だ言われてもお前がやんねぇと無理なんだってば」

勇者「・・・ごめ、ごめんなさいっ・・・私弱くて・・・」

勇者「皆さんの、優しさに、甘えて・・・」

勇者「魔王さんも、辛いのに・・・弱くて、ごめんなさい・・!」

魔王「・・・よく分からんけど、とりあえず泣きやめ。落ち着け。話にならん」

勇者「う、ごめ、んなさい」

魔王「謝んな」



113:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 23:41:37 ID:GoOVcwF126


魔王「落ち着いたか?」

勇者「はい・・・」

魔王「じゃあ聞くけど、何で泣いたんだ?何があったんだ?」

勇者「そ、れは・・・」

魔王「言いたくないのか、それとも俺には言えないのか」

勇者「・・・どちら、とも」

魔王「ふーん・・・」

勇者「ごめんなさい」

魔王「お前謝りすぎ」


114:
◆Gw31v9ceXw:2012/1/9(月) 23:42:29 ID:GoOVcwF126
ああ展開が早い(;´Д`)
また明日更新します
210.61 KBytes

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