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3センチメンタル・ヤング・ピーポー
[8] -25 -50 

1:🎏 :2012/1/28(土) 22:24:39 ID:kbMCzVk3I2

高校生の馬鹿馬鹿しくて、

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティ───開幕。



※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。




957:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:46:31 ID:i4fPg2J7q6

清瀬「えっと、でも、その……」


白雪姫は迷いました。

林檎は食べたいが、小人との約束がある。

このドアを開けていいものか、と。


桃山「あら、恐がらなくていいのよ?アタシはただの林檎売りなんだから」

清瀬「桃さん!?」バタン!

桃山「ぎゃっ!いきなり過ぎるわよ!」


林檎売りの声に反応した白雪姫は、約束も忘れてドアを開けてしまいました。

驚いた様子の林檎売りは、いつぞやの魔法使いによく似た黒いローブを身に纏ったオカマでした。


958:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:52:28 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬「やっぱり桃さんや!」

桃山「桃さんって誰よ、ちょっと可愛いじゃないの」

清瀬「も、桃さんまでそんな事言わはるんですか」

桃山「何処のプリティーボーイと間違えてるか知らないけれど、アタシはただの林檎売りですぅー」

清瀬(どう考えても桃さんやねんけどなあ……)

桃山「そんな事より、これ!アンタ可愛いから特別にタダであげちゃう!」


ずい、とオカマの林檎売りが差し出したのは、赤く光った一つの林檎。

ピカピカと太陽の光を反射して、とても甘くて美味しそう。



959:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:55:28 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬「これ、うちに…?」

桃山「ふふ、そうよ。可愛子ちゃんにプレゼント」

清瀬「えへへ、可愛子ちゃんやなんて」テレテレ


そう言って、白雪姫は林檎を受け取りました。


桃山「とっても甘くて美味しいのよ!食べてみて頂戴!」

清瀬「あの、ホンマに貰てもええんやろか……」

桃山「勿論よ。お友達のしるしに」ニコ

清瀬(友達…)

清瀬「ありがとうございます!」


白雪姫は涙を目に浮かべながら、貰った林檎を噛りました。

涙で歪んだ視界の先の、不適な笑みには気付かずに。



960:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:57:51 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬「うっ……!?」


林檎を飲み込んだその直後、白雪姫は喉を押さえて苦しみました。

苦しい、息が出来ない。

縋る思いでオカマの林檎売りに手を伸ばします。


清瀬「桃、さ……助けて……」

桃山「何度言ったら分かるのかしら。アタシは桃さんじゃないわよ、このちんちくりん!」

桃山「アタシは魔女。林檎売りでも何でもない、世界一美しい魔女様よ!」


何という事でしょう。

オカマの林檎売りは魔女だったのです。

真実を知らされ、ちんちくりんと罵られた白雪姫は、ぱたりと倒れてしまいました。



961:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:00:32 ID:RKZRGBLt.Q

桃山「……ふふ、うふふふ、やったー!これでアタシが世界一の──…」

鳴海1「何してやがるこのオカマー!」


魔女の後ろから飛び蹴りを食らわせたのは、狩りから戻った小人達でした。


鳴海2「あー、やっべー…間に合わなかった」

鳴海3「マジで!?白雪姫死んだのかよ!」

鳴海4「嘘だろ、おい……」

鳴海5「だから開けるなって言ったのに」


白雪姫を取り囲み、悲しみに暮れる小人達。

皆が何を言っても、白雪姫からの返事はありません。

その時、小人達の背後から魔女の叫び声が聞こえてきました。



962:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:01:28 ID:RKZRGBLt.Q

桃山「きゃー!イケメン!イケメンよー!」


魔女が指差す方に目をやると、其処にはイケメンと噂の王子様の姿がありました。


篠原「あはは、なんか楽しそうだねー」

鳴海6「王子じゃん!ナイスタイミング!」

鳴海7「あのさ、こいつ助けてやってくんね?」

篠原「ん?ちっこくて可愛い子だねー」ヘラッ


王子様が覗き込むと、白雪姫の指がぴくりと動きました。

だけど、誰もそれに気付いていません。

皆、白雪姫は死んでしまったと思い込んでいるのです。



963:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:02:13 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬(この声は、しし、し、篠原くん!?)

清瀬(どないしよう、林檎が喉に詰まって気絶してしもただけやなんて、今更……)


そんな白雪姫の事など露知らず、小人達は一斉に言いました。


鳴海1「王子が白雪姫にする事って言ったら、何か分かるよな?」

鳴海2「キース!キース!」

篠原「えぇー…でも、それはちょっと、白雪さんにも悪いし」

鳴海3「何言ってんだよ」

鳴海4「白雪姫といえば王子のキスだろ」

篠原「そっか、それもそうだね!」


小人達に囃し立てられながら、王子様は白雪姫に覆い被さってゆきました。

ゆっくり、ゆっくりと、吐息を感じる程、近く。


篠原「白雪姫……」




964:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:05:25 ID:i4fPg2J7q6

──────‐‥


鈴木「そして白雪姫は──…」

清瀬「わーわーわー!ごめんなさいごめんなさいもう止めてー!」カァァ

鈴木「何をそんなに慌ててるの、清瀬」

清瀬「だだ、だってだってだって、そ、そんな事、うち……」

鈴木「単なる私の夢の話なのに」

一年女子「ていうか、なんであたし意地悪な姉役なのー?」

一年女子「しかもちょい役wwクッソちょい役ww」

鈴木「ごめんね、二人共モブだから」

一年女子「クッソwwクッソww」


めでたし、めでたし。


 おとぎの国の清瀬さん‐fin.



965:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:09:09 ID:i4fPg2J7q6

遂に残すところ40レスを切りました…!

後一話、何かを書かいてこのスレは終わりにさせて頂こうかと思います。
恐らくレス数も余ってしまうので、ぼそぼそ何かを語らせて頂く事になるかもしれません。

それでは、これにて投下終了します。読んで下さった皆さんに最大級のありがとうを!


966:🎏 名無しさん@読者の声:2012/7/18(水) 22:01:00 ID:xUXB9EWsRg
皆可愛すぎるw狼の橘が欲しいw
次も期待してますね(`・ω・´)
>>1000まで後少しえん!!
967:🎏 名無しさん@読者の声:2012/7/19(木) 17:40:53 ID:EoFuB4olmQ
ピヨたん可愛いhshs
赤ずきんが一番似合うと思うw

>黒いローブを身に纏ったオカマでした。
これで飲んでたお茶吹いたw

何はともあれ支援でございまーす
968:🎏 名無しさん@読者の声:2012/7/20(金) 18:31:39 ID:MKaRFRAGmM
まさかの夢落ちw
しかもピヨちゃんじゃなく鈴木嬢のwww


いい意味で裏切られたー!
期待以上のwktkをさんきゅーです☆

次のお話しも期待CCC
969:🎏 名無しさん@読者の声:2012/7/22(日) 02:43:45 ID:/PfUkg98SY
1位!1位!三冠おめでとー!
次スレも楽しみにしてます(´ω`)

つCCCCCCCC
970:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:30:30 ID:2D4H6t5a5Y
>>966
あんな変態狼で宜しいのでしょうかw危険すぎて女の子を近付けられませんw
ゴールまで後少し、頑張ります!

>>967
赤ずきんは確かに似合いそうです!白雪姫は似合わないな、と想像しながら書きましたがw
楽しんで頂けて嬉しいです!

>>968
968さんの期待を裏切らなくてよかったです…!
あの語り口調の正体は鈴木でした、という安易なオチにしてしまったので少し心配だったりしたので。次も968さんに楽しんで頂けますように!

>>969
ありがとうございますうわー!
もう、何度お礼を言っても足りないくらいです。感無量です。
なかなか終わりが見えなくて飽きられないか不安でしたが、一人でも楽しみにして下さっている方が居るだけで幸せです(´;ω;`)


更新が遅くて申し訳ございません。支援感謝です。


971:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:32:21 ID:2D4H6t5a5Y

──7月某日、校内

ワイワイ ガヤガヤ…


桃山「お祭りよー!」

橘「校内でやるちょっとした催し物でよく其処まではしゃげるな」

篠原「浴衣姿でそれは説得力がないと思うよ、橘」

橘「は?俺はお前らと違ってご近所さんだし?妹と弟が浴衣がいいって言うから仕方なくだし?其処の馬鹿共と一緒にしないで貰いたいんだが?」

鳴海「もういいからかき氷食おうぜ、かき氷!」

桃山「いいわねー!アタシいちごミルク!」

篠原「じゃあ、俺はレモンにしようかなー」

橘「……まったく、これだから脳みそがガキの奴らは」ヘッ

鳴海「おい、メガネは何がいいんだよ」

橘「みぞれ一択だ」←食い気味


972:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:35:08 ID:IXBBWrnuUQ

篠原「かき氷くださーい」

一年女子「はーい、何味……イケメン先輩じゃんヤバーイ!///」

一年女子「皆さんお揃いでwwちーっすww」

橘「誰だこいつら」

鳴海「あー、鈴木達の同級生」

一年女子「今日の当番あたし達なんですよ、明日は自由なんだけどー」チラッチラッ

桃山「ふふ、残念でした!アタシ達は明日当番なのよ!篠くんに自由なんてないんだから!」

一年女子「クッソwwクッソwww」

篠原「そういえば清瀬さんと鈴木さんが居ないね」

一年女子「あの二人なら今日は当番じゃないですよ?居るのはあたし達だけー」チラッチラッ

一年女子「そこら辺に居ると思われw探してみては如何かねw」

橘「……何故か物凄く苛つく女共だな」


973:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:35:57 ID:IXBBWrnuUQ

桃山「さて、かき氷も食べたし次は林檎飴ね!」

鳴海「綿飴だろ、綿飴!」

篠原「お腹空いたから先に焼きそば買いに行こうよー」

橘「俺は喉が渇いたから何か飲み物を買ってくる」

桃山「林檎飴!」

鳴海「綿飴!」

篠原「焼きそばー!」

橘「ええい喧しい!各々目当ての物を買いに散らばればいいだけの話だろうが!解散!」

篠原「えー、鳴海小さいからはぐれたら見付けるの大変じゃん」

鳴海「マジ殴るぞお前」

桃山「じゃあ、後で此処に集合しましょうか。解散!」


974:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:36:52 ID:IXBBWrnuUQ

──焼きそば売場


篠原「うー…やっぱり焼きそばは凄い行列だなあ。最初に買いに来るべきだったかな……」ブツブツ

橘父「おや、君は確かお兄ちゃんの!」

篠原「へ?あー!橘のお父さん!妹ちゃんと弟くんも来たんだね、今晩はー」

橘妹「今晩は、ふほーしんにゅーのお兄ちゃんその1」

橘弟「おにちゃんのお祭り来たの!」

篠原「二人共、浴衣着せて貰ったんだね。可愛い可愛い」

橘父「お兄ちゃんはなかなか器用な子でね、この子達も喜んでるよ」

篠原「あはは、本当にお母さんみたいだ」


975:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:41:38 ID:IXBBWrnuUQ

橘父「お兄ちゃんとは一緒じゃないのかい?当番は明日だって聞いていたけど」

篠原「あ、さっきまで一緒だったんですよー。皆買いたい物がバラバラで一旦解散って事で」

橘妹「お兄ちゃんは何買いに行ってるの?」

篠原「うーん、何だろ?コーヒー牛乳かな」

橘弟「僕、コーヒ牛乳好きー!」

篠原「あはは、流石は兄弟。お兄ちゃんと一緒だね」

橘妹「兄妹だけど、私はあんまり好きじゃないよ。お砂糖って太るげんいんなんだって」

橘父「親子だけど、父さんもコーヒー牛乳は甘過ぎてちょっと……ブラックがいいなあ」

篠原「なんかごめんなさい」


976:🎏 ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:43:27 ID:IXBBWrnuUQ

──綿飴売場


鳴海「綿飴一つ!あ、やっぱり二つ!」

桃姉「相変わらず元気だな、弟の友人の内の一人の背の低い子の鳴海」

鳴海「長いわ!」

鳴海「(咄嗟にツッコミ入れちまった…)あ、あー、オカ……桃山の姉ちゃんじゃん。来てたんすか」

桃姉「ああ、今日は母と一緒でね。私も一度来てみたかったものだから」

鳴海「そっすか。所詮学校行事だからショボいっすよ」ケラケラ

桃姉「あまり騒がしいのは苦手でね。このくらいの方が私には丁度良いようだ」

鳴海(まあ、確かにお祭りって柄じゃねぇよな。ロボットだし……)


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