書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10
基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984
注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。
887:🎏 1:2012/11/15(木) 23:25:50 ID:7RuR6mIcnA
家族のお話・龍人編
子゙ーレム「龍人!遊ぼ遊ぼ!」
龍人「やめろ!今作業中なんだから!終わったら遊んでやっから!」
ゴーレム「そうだよ、子゙ーレム。龍人さんは我々の住処の補強をしてくれてるんだから」
ゴーレム「龍人さん、すみませんね。本来なら我々がやるべき仕事を押し付けてしまって」
龍人「気にすんなよ、おやっさん。ゴーレム族の大人達が殻を提供してくれたからこそ、あの糞馬鹿な魔王が帰ってこれたんだ」
龍人「こっちは感謝してんだぜ。そのせいで弱くなっちまって日常生活に支障出てんだ。だったら、魔王城の者でサポートすんのは自然なことさ」
龍人「山ん中の洞窟に住んでんだから、崩れでもしたら大変だろうが。しっかり補強しといてやっから」
龍人「……だから、今はこのやんちゃ坊主をどうにかしてくれや。てめぇの子だろが」
ゴーレム「その通りです。ほら、子゙ーレム。龍人さんの作業が終わるまではお父さんと遊んでいようね」
子゙ーレム「はーい。龍人、後で一緒に遊んでね!約束だよ!」
龍人「おう。約束だぁ」
888:🎏 1:2012/11/15(木) 23:26:34 ID:7RuR6mIcnA
龍人「しかし、よくもまあこんな坑道作れたもんだよ……」
龍人「……」チラッ
子゙ーレム「パーンチ!パーンチ!」デュクシッデュクシッ
ゴーレム「いててて……強くなってるな、子゙ーレム」
子゙ーレム「うん!龍人みたいな強いヒーローになるんだもん!頑張ってるもん!」
ゴーレム「そうかあ。龍人さんのように強くなったら、ゴーレム族は安泰だな」
ゴーレム「いてて、強いなあ……痛い痛い、ちょっマジ痛い」
龍人「……」
889:🎏 1:2012/11/15(木) 23:27:26 ID:7RuR6mIcnA
作業終了し子゙ーレムと遊んでから魔王城に帰宅しました。
龍人「ただいまぁ」
魔王「おかえりー!するめ買っといたよー」
龍人「おぅ、サンキュー。後で食っとくわ」
側近「死霊鉱山はどうだった?」
龍人「まあ問題はなさそうだけどな。大人共が重労働厳しくなってるし、万が一坑道が崩れたりしたらやべぇから定期的にこっちでチェックする必要はあるだろうな」
側近「そうか。定期的にでも子゙ーレムに会いに行ける口実が出来てよかったな」
龍人「うっせーよ。黙ってろよ、S野郎」
魔王「照れないでいいのにーww」
龍人「お前も黙れよ、腐れ租チン生ゴミが」
魔王「俺だけ悪口酷くない!?」
龍人「……なあ、側近。ちょっと話に付き合ってくれるか?」
側近「何だ?真面目な雰囲気じゃねえか。仕方ねえな、ちょっとだけ付き合ってやるよ」
魔王「俺もいるよ!」
龍人「糞ゴミドM坊やは帰ってろよ」
魔王「だから何で俺には辛辣な感じなの!?傷ついて引き籠るよ!?」
側近「じゃあ引き籠っててください。今ゴミ袋用意しますんで」
魔王「俺はどこに引き籠るの気なの!?それじゃ朝方ゴミとして出されちゃうよ!」
890:🎏 1:2012/11/15(木) 23:28:31 ID:7RuR6mIcnA
側近「……やっと魔王様が部屋に戻られたな。で、何の話だよ?」
龍人「……家族ってのは、やっぱり必要なんかなって思って」
側近「どうした?やけにセンチメンタルじゃねえか」
龍人「いや、子゙ーレムがおやっさんと遊んでんのを見ててちょっとな」
龍人「子゙ーレムは良い子だ。おやっさんも良い奴だ。家族愛って言葉がぴったりの関係を築いててよ。そんなだから二人とも良い奴なのかなって」
龍人「ああいう家族愛が普通で、そんな愛情が良い人格を形成するなら、俺はどうなんだろうなって……」
龍人「実際昔にやらかしてるしよ、あの頃から生まれ変わろうとはしてっけど、本当に変われているのか……」
龍人「愛情を知らずにここまで育っちまった俺は、本当に子゙ーレムが思い描くようなヒーローになれてるのかなぁ……」
龍人「俺は誰かから愛情を貰うに値するのか、誰かに愛情を捧げるられるのか、そんな奴になれてんのかなぁって、いろいろ思ったんだよ」
龍人「あの馬鹿魔王に訊いても、絶対大丈夫とかそんなんしか言わねえだろ。だからお前はどう思うかなって」
側近「……」
891:🎏 1:2012/11/15(木) 23:29:47 ID:7RuR6mIcnA
側近「……ドラゴン達には帰る場所や家族があるけどよ」
側近「俺や魔王様は幼い頃に家族を失ってる。俺たちだって愛情を知らずに育ってきた」
側近「それに俺だって過去に殺しをやってきた。屑なんだよ、俺は」
側近「そんな屑が屑のまま大きくなって、表面だけ綺麗に見繕って生きてて……」
龍人「そんなんじゃねぇだろ、お前は!」
龍人「確かに過去はちょっとやらかしてるのかもしれないが……今は仲間に恵まれて、良い奴になれてんだろ!」
龍人「お前は大丈夫だよ!お前は今、決して悪い奴じゃねぇ!」
側近「……それが俺のお前に対する答えだよ」
龍人「っ!」
側近「過去が暗いからこそ、魔王様や子゙ーレムみたいな輝きを見てしまうと、余計に自分がどす黒く感じる。それは俺もわかる」
側近「でも、過去を気にしすぎる必要もない。俺達は今、確かに変わることが出来てる」
側近「それとも、自分の言葉すらも信じられないのか?」
龍人「……」
魔王「だ、大丈夫!?何か龍人の怒鳴り声聞こえたけど!」ドタドタ
側近「大丈夫ですよ。魔王様は気にしなくていいです」
魔王「気にすんなって言われても……」
側近「魔王様うざいねって話をしてただけです。で、あんまりうざいからつい大声が出たわけです」
魔王「そんなこと話してたの!?そりゃ俺引き籠ってた方がよかったね!」
892:🎏 1:2012/11/15(木) 23:30:44 ID:7RuR6mIcnA
魔王「あんな怒鳴るほど、うざかったんだ……ショックだなあ……」トボトボ
側近「……よし、戻ったな。それじゃ再開するか……まあもうほとんど言うこともないけどな」
側近「ちょっと臭いこと言うけどよ……幼少に家族の温もりを知らなくても、今ここには家族みてえな温もりがあるだろ」
側近「温もりに触れて、愛情を知り、仲間に恵まれ、俺達は変わった。不安に駆られたら、またこうして確認し合えばいいんだ」
側近「どうだ?これで納得できたか?」
龍人「ああ……」
側近「……なんか納得してない感じだな。そんなに今の自分に自信ないのか?」
龍人「本当にそんな温もりや愛情を持ってんのかって不安は正直拭えねぇよ。ただの戦闘馬鹿な俺だからな」
龍人「お前や魔王、女勇者のように誰かの心を動かして変えていくような力はねぇんだぜ」
龍人「未だに王都の連中にも許されてないっぽいしよ……俺は本当に子゙ーレムのヒーローになれてるのかな……」
側近「……お前よ、一回里帰りしたらどうだ?」
龍人「……はぁ?」
893:🎏 1:2012/11/15(木) 23:32:07 ID:7RuR6mIcnA
側近「どうやら俺や魔王様の言葉じゃ回復できそうにねえしな」
側近「俺や魔王様の両親は既に他界してるが、里を追い出されただけのお前は別だろ」
側近「家族見てへこんだ問題なんだから、家族で直したらいいんじゃねえの?」
龍人「馬鹿かよ、お前!?俺はっ!……俺は、里の仲間を殺して追い出されたんだぞ」
側近「怒鳴るなよ。また魔王様が来るぞ」
側近「理由があっても殺すのは悪いことだ。でも、お前の話を聞く分には、里の連中にも落ち度はあるだろ」
側近「ああ、そうだ。一年半前の、まだ俺とお前が敵対してた時の話だけどさ」
側近「あの時……俺、お前だけが一方的に悪いから追い出されたって感じで言ったよな」
側近「でも、はっきり言って、連中だって悪いと思う。あの時は、お前の過去もよく知らずにお前を否定してしまって悪かった」
龍人「いや、いいよ。俺だって悪かったんだし。あの時お前が言ったように、強さの答えは一つじゃなかった。それを理解せず、暴走した俺が悪かったんだよ」
側近「……話を戻すが、とにかくお前一回帰ってみろよ」
龍人「俺が行って大丈夫か?里の皆も嫌だろうし……正直、俺だって恨んでる部分はある。もしまた暴走したら……」
側近「今のお前なら大丈夫だよ。お前は変わった。そしてお前は誰かを変えることが出来る」
龍人「……」
743.01 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】