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アストロガール☆ミスリバティー
[8] -25 -50 

1: ◆DPehMNPNeE:2011/6/9(木) 03:19:30 ID:YbP4RsnKas
俺は穂村健太、小学5年生だ。愛読書は六法全書。趣味はがんもどきを分解すること。力み過ぎて箸を折っちゃうのがタマにキズなイケメンさ♪

ある日の事。
象に踏まれても揺るがない、そんなタフガイな俺でも驚きを隠せない大事件が起きたんだ・・・クール!

夢みたいだった、まるでB29が現代の日本に牙を剥いて襲い掛かるような非現実感。通行人のカツラさえ逃げ惑う喧騒の中。

アニメのように敵が現れたんだ。燃える!でもアニメじゃない、ホントのことさ。

ワクワクしたことを表す為にわざとスキップして帰った帰り道。何故か空中で旋回しているモヤイ。全てが懐かしい。

戦いはこの日から始まったんだ!ハレルーヤ!

穂村健太、英雄伝記序章-始動-(日記)より一部抜粋。

すみません、SSスレです


2: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:20:22 ID:rkea0SKagg
頑張って
3: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:21:14 ID:YbP4RsnKas
広い建物の中、音を立てて勢いよく駆け抜ける少年が一人。頭に被っている赤い帽子も不安定に揺れ動いている。

少年「じいさん!どうなってるんだよ!またトンデモ発明か!!」

声変わりもしていない、甲高い声に呼ばれたのか。奥の影になっていたところから老人が現れる。

老人「じいさんではない、博士と呼べバカモン。あれはモヤイじゃ」
4: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:22:26 ID:YbP4RsnKas
>>2
ありがとうございます。頑張らせて頂きます
5: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:23:36 ID:YbP4RsnKas
少年「見れば分かるわ!なんであんなんが飛んでんだよ!」
老人「たくさんの人の待ち合わせに使われておると考えるとつい、な」

老人「そう睨むな、冗談だ。原因は儂ではない、対抗策は考えておる」

言いながら背を向け、散乱するがらくたを避けながら歩く老人に追従する形で少年は進む。

都会の真ん中にあるとは思えない程の広さの研究所の地下、その先には巨大な人型の像が待っていた・・・
6: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:25:59 ID:YbP4RsnKas
老人「これが汎用人型決戦兵器、ミスリバティーだ」

呆ける少年に構わず、語り始める老人。目の前にあるのは、誰もが知っている自由の女神像だ。

老人「彼のモヤイ達の編隊は既にヨーロッパ、米国、中国、中東などで発見されておる」
老人「奴らは巨大な体の重量に任せ、体当たりで市街地を攻撃するのが主な行動だ」
老人「そして、当たり前だが今の日本で対抗出来る者は少ない」

老人「悲しいことだが、な」
7: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:28:30 ID:YbP4RsnKas
老人「突然で済まないが・・・健太君。君にこのミスリバティーのパイロットをお願いしたい」


少年「なんで、なんでだよ。大人が乗ればいいだろ!」


老人「その・・・な。何と言うか、コックピットのサイズがな。合わないのだよ、大人じゃ」


少年「・・・・・・」

老人「・・・・・・アハ、アハハ」
8: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:30:45 ID:YbP4RsnKas
少年「ハァ・・・。給与は?社保付いてる?社員食堂や通勤、住居手当出る?」
老人「努力は、しよう」
少年「冗談だって、困ってるんでしょ?ならしょうがないじゃん。俺、やるよ」

老人「ありがとう、操作は副座にいるもう一人が今日は全て行う。君は少しずつ慣れてくれれば良い」
老人「健闘を、祈る」
9: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:33:49 ID:YbP4RsnKas
老人の指示に従って健太はリバティーに乗り込む。
サイズに合わない狭いコックピット、説明の通りだ。すぐ横の座席には健太と同年代と思われる少女が先に待っていた。

少年「お邪魔、するね」
少女「やっぱり、男女一組がこういうときのお約束よね」

自身の髪を弄びながら、興奮を隠せないかのように呟く少女。引き攣った笑顔で話している相手は壁だ。健太の声が届いているのかすら怪しい。

少年(これは・・・厄介事を引き受けちゃったかな)
10: :2011/6/9(木) 03:34:16 ID:bcIAowEy4g
頑張って
11: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:35:00 ID:YbP4RsnKas
健太が安全ベルトを締めると、リバティーが勢いよく動き出した。コックピット内に金切り声が響き渡る。

反射的に耳を塞ごうとした手は健太の頭を掠めただけに終わり、役目を果たせずしばらく宙に浮いたままだった。
12: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:36:49 ID:YbP4RsnKas
少女「動く、こいつ動くわ!」
少女「あははははは、見てよ。みんなゴミのよう。家とか踏んでもいいのかしらね」

少年「・・・・・・」

少女「中原茉巳、ミスリバティー発進する!」
少女「ヤダー、言っちゃった〜言っちゃったあ〜憧れてたのよね〜///」

少年「・・・・・・」
13: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:38:37 ID:YbP4RsnKas
少女「見える!私もνTYPEのハズよ」
少女「・・・敵は近くにいないわね。きっと、ゴルゴムの仕業だわ」
少女「モヤイ・・・こんなところで朽ち果てる己の身を呪うがいいわ!」

少年「・・・・・・」

少女「敵は12体、三分ってところかしら。」
少女「フフ・・・アハハははハはははははハはハはハッ!!!!!」
少女「楽しいねェ・・・」

少年「・・・・・・帰りたい(小声)」
14: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:40:35 ID:YbP4RsnKas
>>10
度々ありがとうございます〜。

ふぅ、本日はこの辺りで一休みさせて頂きたく思います
15: 名無しさん:2011/6/9(木) 08:46:06 ID:0jzkni0c2A
なんかしらんがいいぞ!
16: 名無しさん:2011/6/9(木) 09:38:07 ID:BDKRTRECcU
素敵だ!

つC
17:
◆DPehMNPNeE:2011/6/10(金) 00:31:49 ID:PgMfgjaySU
>>15-16
ありがとうございます。励みになりますー。
18: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:33:00 ID:PgMfgjaySU
初めての戦い、モヤイ飛び交う戦場の中で少年少女は何を想う?
19: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:34:37 ID:PgMfgjaySU
汎用人型決戦兵器ミスリバティー。操手は俺、穂村健太。口癖はバーロー、円周率は3.14まで言えるクールガイさ。

戦場と化したリア充の街で交わされる愛と友情。天翔ける無機質な石塊、慌てふためく企業戦士達。

任せろ!俺がやらねば誰がやる!石の悪魔を叩いて砕く!!
地球の平和を守る為、愛と真実をこの胸に、喰らえ!必殺健太コレダー!

しかし、苦戦を強いられる俺達。そこで新たな仲間が現れる・・・

背に背負いし期待、その腕(かいな)に抱える愛情。学園の、いや日本の守護神二宮金二郎。彼の灰色の眼には何が映る?

穂村健太、英雄伝記一章-愛戦士-(日記)より一部抜粋。
20: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:36:24 ID:PgMfgjaySU
博士に誘導され、モヤイの出現ポイントにたどり着いたミスリバティー。だが、そこには先客が待っていた。
21: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:37:32 ID:PgMfgjaySU
少年「体躯に合わぬ程背に担いだ、文字通り山ほどのマキ。手に携えた無骨な本に視線を固定する姿は。見飽きる程に見た、いや見ているそのフォルムは・・・」

少年「に、にのみ・・・フグゥッ!?」
少女「ジャマよ。すっこんでなさい!」
少女「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと私を呼ぶ。アストロガール☆ミスリバティー、参上よ♪」
22: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:38:55 ID:PgMfgjaySU
少年「良いパンチ持ってるね・・・ハハハ・・・俺、要らないんじゃないかな」

少女「さあさ、雑魚は消えなさい。これからはヒーローの時間よ」
コックピットの中で腕を交差する構えを激しく行う茉巳。肘やら、拳やらぶつけられる健太。その一幕を一顧だにせず、微動だにしない二宮金二郎。
23: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:40:35 ID:PgMfgjaySU

空を旋回していたモヤイが二宮に間合いを詰めて行く。すると、まるで菩薩のような表情をした二宮が初めて視線を本から外す。

二宮金二郎は本を、閉じた。
24: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:43:32 ID:PgMfgjaySU
二宮「その姿・・・。この二宮、汝らのような夷狄に道を譲る気はカケラもない。神国日ノ本の力、その一端を見せてやろう」

少年「背中のマキが、独りでに動き出した!?」
少年「そして、二宮の後ろで放射状に開いて御光のように輝いているっ!!」
25: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:45:29 ID:PgMfgjaySU
二宮「我が智、我が信、我が誠全てここにあり!全国数多の幼子の魂受けてみるがいい」
二宮「モヤイ、貴様らは何人の幼子の笑顔を奪った?ランドセルを、上履きを、リコーダーを、赤白帽子をっ!」
二宮「万死に価する・・・せめて、プリキュアの放送されているこの時間に散ることが出来ることを喜べ」

二宮が口を閉じると同時にマキがモヤイに向かう。風を切り音を立て、さながら一筋の流星のように。



少女「な、なによ、アレ。バケモノじゃない・・・」
少年「モヤイ12体が一瞬で塵に・・・。何も、もう何もない・・・」
26: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:46:45 ID:PgMfgjaySU
っと、本日はここまでで失礼致します。
27: 名無しさん:2011/6/10(金) 08:15:57 ID:a1JFU5/0EI
ワロタwwwww
なんかいいぞwww
28:
◆DPehMNPNeE:2011/6/11(土) 00:38:36 ID:v4VY7KQi7E
>>27
ありがとうございます。なんかいいぞ・・・もしや>>15ww
29: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:39:49 ID:v4VY7KQi7E
再び本に視線を移し、立ち去る二宮を何も出来ずに見送る二人。人々も逃げたした静かな街。そこにはもう戦場の面影はない。
30: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:40:56 ID:v4VY7KQi7E
少女「アタシは・・・・アタシは・・・、なんでよ、やっと出撃出来たのに、やっとチャンスが出来たのに・・・」
少女「パパの造ったリバティーで、パパの造ったママで」
少女「なんでアタシは・・・」


少年(パパの造ったママ?)

31: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:42:54 ID:v4VY7KQi7E
少年「・・・・・・」
少年「そろそろ、帰ろうか。今日はもう休もう」
少年「動かすね。・・・また、明日も明後日も続くからさ」
少年「ハンカチ、ほら。使ってないやつだから」
少年「後で洗って返せよ?一応高いんだぜ、ソレ」
32: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:43:46 ID:v4VY7KQi7E
少年(また厄介事を引き受けちゃったな・・・これも性分か。しかし、本当に給料貰っても良いぐらいだなコレ)



少年「晩飯なにかなぁ・・・」
33: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:45:01 ID:v4VY7KQi7E
初戦闘から数ヶ月。モヤイが日本に現れる事はなかった。その間、錬度の足りない茉巳と健太は少しずつ、少しずつ操縦訓練を積んでいった。

住宅街での動き、兵装の扱い、パイロット間のコンビネーション。エネルギー管理。そして、何より自己防衛の方法を。広い研究所は驚くぐらいに無駄がなく、その全てを不足なく行うことが出来た。
34: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:45:50 ID:v4VY7KQi7E
望狹小学校5年1組教室。昼休み。
給食のがんもどきと一人の少年が格闘している。
35: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:46:51 ID:v4VY7KQi7E
腹を裂かれて内容物をさらけ出すがんもどき。少年は箸で丁寧に外枠をなぞる。
外から内に、いよいよ内容物に箸が触れたとき。重圧に耐え切れなかったのか、中程から音を立てて崩れ落ちた。

反動で汁が服に掛かり、白い服が黄色に濁る。ふと知人の少女が脳裏に浮かび、堪らなく切なくなった。
36: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:47:37 ID:v4VY7KQi7E
ハンカチ・・・
少年は一気にがんもどきを頬張り、太陽に向かって走り抜けた・・・
37: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:49:42 ID:v4VY7KQi7E
本日はここまでです。読んで下さっている皆様、本当にありがとうございますm(__)m
38:
◆DPehMNPNeE:2011/6/12(日) 02:44:03 ID:j7rmkwr5RY
とあるスレをROMしておりました。色々と考えさせられます。

恥ずかしながら自分は書き溜めは構想の半分程しかありませんw書き足し、修正しながら続けさせて頂いてます。

派手さも、早さもないですが。是非よろしくお願いします。
39: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:48:48 ID:j7rmkwr5RY
やあ、諸君。今日も元気に過ごしているかね?

この前は夷狄、などと罵ってしまい大変申し訳なかった。勘違いも甚だしい、この二宮深く謝罪致す。

博士からも話は伺っている。君達のような若者(幼子)が神国日ノ本を護る有志である事を誇りにさえ思う。これからも是非その務め、果たして欲しい。

さて、本題だ。来たる八月某日、拙者はある戦場に向かわねばならない。恐らく、辛い戦いになるだろう。

〜前略〜
40: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:50:04 ID:j7rmkwr5RY
しかし、一限だろうと何だろうと挑戦する気概が重要なのだ!命の叫びなのだ!!
前日から列ぶ?チケット?転売?惰弱惰弱惰弱、否否否、だ・ん・じ・て、認めん!!!

〜中略〜

拙者はそんな下衆共を駆逐し、漢の誇りと魂と萌えを見せつける為。京都ビゲストサイトに向かう。
41: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:50:55 ID:j7rmkwr5RY
〜後略〜

止めてくれるな、おっかさん。死は元より覚悟の上。拙者は全ての幼子を護らねばならぬ。言うまでもないが、これは国に劣らぬ大事だ。不在の間、どうか日ノ本を頼む。
二宮金二郎

二宮金二郎の置き手紙より、抜粋省略。
42: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:52:34 ID:j7rmkwr5RY
少女「なに・・・・・・コレ?」
少年「置き手紙、みたいだね・・・」

少女「こんなのに・・・こんな頭の悪いヤツにアタシが、アタシがぁっ・・・・・・」
43: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:53:44 ID:j7rmkwr5RY
少女「売り切れれば良いのに!ヤツの目の前で全部売り切れれば良いのに!」
少女「DQNに絡まれれば良いのに!一限のグッズを壊されれば良いのに!あまつさえ、壊されたグッズを公衆の面前に晒されれば良いのに!」

少女「ああ、手袋はどう投げるのが良い作法なのかしらね・・・」
44: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:55:02 ID:j7rmkwr5RY
少年(胃が痛い・・・・・・胃が痛むなぁハハハ)

少年「これって、場合によっては俺達だけで戦う事になるのかな」
少女「そうね、そうなるわね」
少年「だよなあ」
45: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:56:45 ID:j7rmkwr5RY
少年「しょうがないか・・・なんだかなあ・・・」
少女「やるしかないでしょ!ほら訓練よ、ワンモアセッ!」
少年「過労死しても労災は下りないんだぞぉー、下りないんだぞぉー・・・ハハハ」

少女「休みは死んでからいくらでも取れるわ」
46: 名無しさん:2011/6/12(日) 03:01:34 ID:j7rmkwr5RY
っと、この辺りで本日は失礼致します
47:
◆DPehMNPNeE:2011/6/13(月) 01:13:42 ID:otChspDOvc
二宮「コミパよ!私は帰って来た!!!」
二宮「このギラつく太陽、お世辞にも爽やかとは言えない風、漢達の漂うスメル!これぞコミパ!これぞ聖地!」

二宮「今日は聖戦の日だ!二次元も三次元も、幼子は拙者が護る!!」
48: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:14:39 ID:otChspDOvc
二宮「ん?走るなというアナウンスが聞こえないのか、クズが!我がマキ殺法を喰らうが良い」

二宮「・・・・・・8HITか、今年は少ないな。良いことだ」
二宮「店主。保存用、布教用、鑑賞用、実用、予備で五つずつ包んでくれ」
49: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:15:23 ID:otChspDOvc
二宮「ほう、新規サークルか」
二宮「何ィッ!チェック漏れの新刊だと!?」
二宮「抽選でトーク&サイン会キタ!!」
二宮「あそこの袋、デザインが素晴らしい・・・・・・」



二宮「しまったな、帰宅用資金が無くなってしまった。だが仕方なきこと、優先順位に差があっただけだ」

二宮「今年も、夏が終わるな・・・・・・」
50: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:16:55 ID:otChspDOvc
一方、健太達は。

老人「健太君!茉巳君!モヤイが出現した。直ちに出動願う!」

自宅で夏休みを満喫していた健太に博士から連絡が届く。よりによって、二宮が書き置きに残したこの日に・・・
51: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:18:31 ID:otChspDOvc
半ば覚悟はしていたが、実際にあるとやはり緊張する。

震える手を抑え、健太は手早く限定モデルのスニーカーと愛用の帽子を引っ掴み、母に一言『友達のところに出かける』とだけ残して研究所に向かった。




少年「じいさん!来たぜ。茉巳も来てるか?」
老人「博士と呼べ。と言っておろうに全く」
老人「既に準備は出来ておる。頼んだぞ、健太君」
52: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:19:33 ID:otChspDOvc
実用本位の階段を駆け上がりながら汗をかく、脂汗なんだか冷や汗だか分からないがとても不快だ。

少年(遊びじゃないって分かっちゃったせいかな)

手の甲で汗を拭い、頬を張る。気合いを入れる。
このリバティーで平和を、自由を護るんだ。
53: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:21:59 ID:otChspDOvc
例の如く機体が派手に揺れ、動き始める。揺れは訓練のおかげでもう慣れた。・・・金切り声は追い追いなんとかしよう。
54: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:22:48 ID:otChspDOvc
老人「襲われているのは璞浜火力発電所の近くだ。被害が拡がらないよう注意してくれ」

サブモニタに映るじいさんが何時になく真面目な表情をしている。その事に気付くと何故か緊張は解れた。
55: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:23:57 ID:otChspDOvc
少女「了解、内陸部を廻るから、避難誘導を先にお願い」
少年「了解、急ぎだね。数は少ないし、市街地だ。軽装で向かおう」
少女「ええ!アストロガール☆ミスリバティー、出撃する!!」
56: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:24:54 ID:otChspDOvc
緊張しているのか、茉巳は以前より口数が少ない。また、最近になってようやく理解出来たのだが、壁に向かって話をするのはどうやら癖のようだ。


少女「やぁってやるわよー。そもそも石くれなんかが回遊する空なんて不粋なんだから、冗談じゃないわ」
57: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:26:03 ID:otChspDOvc
本日はここまでで、失礼致します。
58:
◆DPehMNPNeE:2011/6/13(月) 18:13:19 ID:/n6kOWhKK.
また、戦いが始まる・・・人間ってヤツは・・・!
業に苛まれるのが主人公の宿命さ。

地を這う俺達を嘲笑うように天駆けるモヤイ、ヤツの目的はなんなんだ!?

不在のペド、いつになく真面目なキティにじいさん。不安要素はままあるけれど、過酷な訓練を積んだこの俺に不可能はない!

天より降された破邪顕正の剣、魔を燃やし滅する生命の炎を纏いし流麗なるカタシロ。
火群(ほむら)の血族であり、当主であるこの俺が受け継いだ。想い幾千も波打つ魂の塊、煌めきのウツワ。

本来虚ろなハズの双子が出逢い交わり、今ここに顕現する。

《松明サーベル》
その剣、絶てぬモノ無く。触れるモノ無く。覚るモノ無い。
雷電の力により虚空より顕れ、見た者魂をうばい放心させるとまで言われている現代の奇跡。

俺はこの剣で親父の敵を取る!!!

穂村健太、英雄伝記二章-龍脈の血筋-(日記)より抜粋。
59: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:14:41 ID:/n6kOWhKK.
空飛ぶモヤイなどという、目立ち過ぎる目印を探し戦地に足を踏み入れるリバティー。

敵勢は目視出来る範囲に4機、これは事前の情報の通りか。
60: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:15:45 ID:/n6kOWhKK.
少年「情報の通りかな。なに、前の三分の一の数だよ。こっちは三分の二、楽勝だね」
少女「アタシがガラクタ二つ、アンタが一つ。文句はないわね」
少年「あるよ。“二人”で三つ、だろ?」

健太は見せつけるように笑顔を作る。
61: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:16:28 ID:/n6kOWhKK.
少女「こりゃ良いわ!アンタもアツいこと言うようになったわね」
少女「ちゃっちゃと片付けるよ!夕方から起動侍劫墮淫(キドウザムライ-ゴーダイン-)が始まるんだから。あんなヤツにアタシの日常を壊されて堪るもんですか!!」
62: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:18:08 ID:/n6kOWhKK.
少年「朱に交わればなんとやら・・・ってね。さて、一仕事しますか」
少年「脚部クーリング施行、コントロールロック解除!兵装第二次強襲用完了、排熱ラインキープ!」

少女「よし、30分で終わらせる!!ヒトナナマルマル作戦開始!」
63: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:19:09 ID:/n6kOWhKK.
少年「了解、合わせて調整する!余剰アーマーパージ!戦闘モードに移行完了」

少年少女「機械戦士アストロガール☆ミスリバティー、発進!!」
64: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:20:55 ID:/n6kOWhKK.
初めて日付変わる前に来れた・・・w
とりあえず、ここいらで失礼致します。
65: 名無しさん:2011/6/14(火) 15:06:45 ID:Dsu7jkcuyE
しえーん
66: 名無しさん:2011/6/14(火) 19:13:51 ID:eyiXSnv7S6
C

67:
◆DPehMNPNeE:2011/6/15(水) 04:20:07 ID:LhClSdRQ.A
>>65-66
おお!支援ありがとうございます
68: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:21:52 ID:LhClSdRQ.A
渋啄区西に浮かぶモヤイ4機。来ました!ミスリバティーです!おや?二宮金二郎はいませんねどうしたのでしょうか!?

現在、渋啄区西の璞浜火力発電所周辺にて現れたモヤイ4機とリバティーが交戦しております!
69: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:23:01 ID:LhClSdRQ.A
冗談のような出来事を至極真面目に語るアナウンサーに、世も末だなと人事のように笑みが零れる。

ー貴方も本当は早く逃げた方が良いのにー
70: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:23:48 ID:LhClSdRQ.A
少女「やってくれるわね、健太!損耗率は?」
少年「27%損耗率は許容範囲だけど、熱量がまずいね」
少女「あんなふざけた見た目してて、狙いは的確とかやんなっちゃうわ・・・」
71: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:24:27 ID:LhClSdRQ.A
少年「排熱タービン損傷は痛かったね、電磁警棒は効いてる?」
少女「駄目ね、弾かれるわ。効いてたとしてもじり貧よ」
少年「ライフルは・・・当たらないなきっと。ショットガンはここじゃ撃てないし・・・」

少女「ああ、もう!必殺技とかないの!!ヒーローなら基本でしょうに!!」
72: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:25:28 ID:LhClSdRQ.A
老人「必殺技、実は・・・ある」

少女「博士!?最初から言ってよ!もう劫墮淫終わっちゃったじゃない!」
老人「何を言っておる、ピンチのときに使うのが必殺技だろう?」

少年(二人共良い笑顔だな・・・まるで分からない・・・)
73: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:26:38 ID:LhClSdRQ.A
老人「しばし、まて。承認許可を取る」

老人「あ、もしもし?儂だよ儂、わたるんだよ。知ってるだろうけど・・・ごめんね芝ちゃん、非常事態だわ許可お願い」
74: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:27:46 ID:LhClSdRQ.A
老人「いや、そうだけど。このままじゃ璞浜潰れるよ。うん、マジマジ」
老人「いや、ホントに頼むよ。今度ラーメン奢るからさ。電気量は計画停電でなんとかなるっしょ?」

老人「分かった、チャーシューね。いつもの店でいいよね?うん、ありがとう。やっぱり持つべきものは友達だわ」
75: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:28:27 ID:LhClSdRQ.A
老人「よし!許可は取れた」

老人「コホン・・・承認!セーフティーデバイスリリーヴ!!」
老人「健太!茉巳!背部装甲パネル裏にある松明を使え!!」
76: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:29:58 ID:LhClSdRQ.A
っと、本日はここまでで失礼致します。
77:
◆DPehMNPNeE:2011/6/16(木) 06:11:57 ID:uptXgOjyMk
少年「パネル裏・・・これか!」
少女「松明・・・サーベル?ダサッ・・・」
78: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:12:43 ID:uptXgOjyMk
老人「バカモン!儂らがそんな面白味のないところで満足するか。エネルギーバイパスを全てサーベルに繋げ!面白いものが見られるだろうよ」

少女「キタ!ライトサーベルじゃないコレ!ヤダ〜持ち帰りたい〜」
79: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:13:32 ID:uptXgOjyMk
少年「なんだ!?このエネルギー使用量・・・じいさん!どうなってるんだよ!!」
老人「大丈夫だ、このエネルギーは関東電力が負担してくれている。」
老人「さっさと決着を付けてしまえ、三分で終わらせろ!出来るハズだ、でないと儂が怒られる」
80: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:14:44 ID:uptXgOjyMk
耳障りな音が警棒との威力の差を表している。束を強く握ると、自信が湧き立つ。

少女「考えるな・・・感じろ・・・」
少年「ここからいなくなれー!!」
少女「見える!そこね、当てて見せる!」
少年「墜ちろカトンボ!」
81: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:15:17 ID:uptXgOjyMk
裂帛の気合いと共にサーベルを振り下ろす度、まるで不沈艦のように感じられたハズのモヤイは中心の核ごと消え去った。

その瞬間を見る事が出来なかった二人の操手はしばしの間放心していた。
82: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:15:52 ID:uptXgOjyMk
少年「パワーがダンチだ・・・」
少女「まさか、本当に三分でイケるとはね・・・」
少女「流石必殺技じゃない!これでこそヒーローよね〜」
83: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:16:47 ID:uptXgOjyMk
新たな必殺技を手に入れたリバティー!
輝く刃が涙を弾く・・・

モヤイとの戦いにも慣れ、平和も近づいたと思われたとき。闇の中から真なる脅威が迫り来る!

雄々しき鬣に鋭い牙、鱗に覆われたその体表。その姿、さながら陸の王者と海の姫のハイブリッド。

何を望み空に浮かぶ、何を想い歎き叫ぶ。
母なる海に拒絶されし姫、父なる大地を見限る王。

絡み合う歎きと怒りをまとめて消しさろう。
我は希望を創る者、我は平和を体現せし者、我は自由を護るただ一つの存在。

悪しき過去を裁ち切り、正しき未来を切り拓く。アストロガール☆ミスリバティー!!

君は刻の涙を見る・・・

穂村健太、英雄伝記三章-新生-(日記)より抜粋。
84: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:17:27 ID:uptXgOjyMk
っと、ここまでで失礼致します。
85: 名無しさん:2011/6/16(木) 09:44:30 ID:xvACFx7sdY
予告が地味にカッコいいwww
86:
◆DPehMNPNeE:2011/6/17(金) 01:42:16 ID:zilbNMpG/6
>>85
まさか健太の厨日記が褒められるときが来るとは・・・・
87: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:43:45 ID:zilbNMpG/6
少女「・・・やっぱり劫墮淫は良いわー、キラリーン!-MURAMASABLADE-」
少女「悪即斬・・・またツマラヌものを切ってしまった・・・」
88: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:45:11 ID:zilbNMpG/6
少年「・・・・・・・・・・・・」

少年(うわぁ・・・新聞紙でG叩いてはしゃいでるよこの人・・・)
老人(昔からだ、諦めろ)
89: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:46:48 ID:zilbNMpG/6
少女「私の強さに全米が泣いた、涙はこれで拭いとけ・・・」
少年「俺のハンカチ!いや、ちょまてよティッシュでいいだろティッシュで!」
少年「ブランドでプレミアで、品薄なんだよぉー・・・」
90: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:48:30 ID:zilbNMpG/6
・・・・・・・・・・・。

少女「アレ?そうだったっけ?道理で地味だと思った」
少女「安物でしょこれ、真っ白だし。イチキュッパ?」
91: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:49:31 ID:zilbNMpG/6
少年「ブランドモノだよ、一葉さん一人分」
少女「やっぱり安物じゃない、見なさい、この劫墮淫ハンカチ。オクなら稲造三人分は下らないわ!」

少年「・・・メイドインチャイナ」
少女「数量限定なの!プライスレスなのよ!」
少女「あ!!指紋付けんなこの野郎。その頭二度と帽子を被れないようにしてやる!」
92: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:50:42 ID:zilbNMpG/6
老人「平和だな、こんな時が続けばよいのだが」
93: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:51:28 ID:zilbNMpG/6
都内某所。
暗い部屋の中、中年男性が多量の本と箱に囲まれている。
94: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:52:27 ID:zilbNMpG/6
中年「一つ積んでは乳のため〜。二つ積んでは腰のため〜。三つ積んではあ・・・」

四方から雪崩のように崩れ落ちる本と箱に、男は呪文のような呟きを止めた。
何故か男と雪崩の間にはマキがクッションになっている。
95: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:53:10 ID:zilbNMpG/6
中年「積みゲーが崩れた、だと・・・」

中年「拙者のパトスが崩れ去る?馬鹿な!!アグネスの手の者の仕業か?」
中年「違うな・・・しかし、嫌な予感がする・・・。コミパの時期まで持ち応えられれば良いが」
96: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:54:13 ID:zilbNMpG/6
中年の懐の携帯電話から朝8時半放送の変身アニメのテーマソングが流れる。
勿論音質は最高で、圧縮などしていない。更にセリフが入るところを重点的に入れ、神編集をしてある。それが、ジャスティス。

中年「出撃要請か!」
97: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:57:56 ID:zilbNMpG/6
たっぷり二週着信を聞いてから電話を取り、通話後にはフルで初代から通しで聞く。

すると、体中から萌え出づる情熱が中年男性の体を造り換える。萌えは堀、萌えは石垣、萌えは城。言うなれば、現代の錬金術だ。

錬金術によって、構成される《神機》二宮金二郎がここに召喚される!!

二宮「幼子の守護神、二宮金二郎。推して参る!!」
98: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:59:31 ID:zilbNMpG/6
本日は以上で失礼致しますー
99:
◆DPehMNPNeE:2011/6/18(土) 05:53:22 ID:CtrAd3L7PI
背中に負いしマキが疼く。強敵だ、二宮の戦士の本能が告げている。

このような出来事は何年ぶりだろう。恐らく最後に本能を呼び起こしたのは奈良の方との喧嘩したときだっただろうか。
100: 名無しさん:2011/6/18(土) 05:54:11 ID:CtrAd3L7PI
負ける訳には行かない。
積みゲー、冬コミ、ライブ、コノザマに頼んだドラマCDもある!
105.57 KBytes

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