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アストロガール☆ミスリバティー
[8] -25 -50 

1: ◆DPehMNPNeE:2011/6/9(木) 03:19:30 ID:YbP4RsnKas
俺は穂村健太、小学5年生だ。愛読書は六法全書。趣味はがんもどきを分解すること。力み過ぎて箸を折っちゃうのがタマにキズなイケメンさ♪

ある日の事。
象に踏まれても揺るがない、そんなタフガイな俺でも驚きを隠せない大事件が起きたんだ・・・クール!

夢みたいだった、まるでB29が現代の日本に牙を剥いて襲い掛かるような非現実感。通行人のカツラさえ逃げ惑う喧騒の中。

アニメのように敵が現れたんだ。燃える!でもアニメじゃない、ホントのことさ。

ワクワクしたことを表す為にわざとスキップして帰った帰り道。何故か空中で旋回しているモヤイ。全てが懐かしい。

戦いはこの日から始まったんだ!ハレルーヤ!

穂村健太、英雄伝記序章-始動-(日記)より一部抜粋。

すみません、SSスレです


2: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:20:22 ID:rkea0SKagg
頑張って
3: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:21:14 ID:YbP4RsnKas
広い建物の中、音を立てて勢いよく駆け抜ける少年が一人。頭に被っている赤い帽子も不安定に揺れ動いている。

少年「じいさん!どうなってるんだよ!またトンデモ発明か!!」

声変わりもしていない、甲高い声に呼ばれたのか。奥の影になっていたところから老人が現れる。

老人「じいさんではない、博士と呼べバカモン。あれはモヤイじゃ」
4: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:22:26 ID:YbP4RsnKas
>>2
ありがとうございます。頑張らせて頂きます
5: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:23:36 ID:YbP4RsnKas
少年「見れば分かるわ!なんであんなんが飛んでんだよ!」
老人「たくさんの人の待ち合わせに使われておると考えるとつい、な」

老人「そう睨むな、冗談だ。原因は儂ではない、対抗策は考えておる」

言いながら背を向け、散乱するがらくたを避けながら歩く老人に追従する形で少年は進む。

都会の真ん中にあるとは思えない程の広さの研究所の地下、その先には巨大な人型の像が待っていた・・・
6: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:25:59 ID:YbP4RsnKas
老人「これが汎用人型決戦兵器、ミスリバティーだ」

呆ける少年に構わず、語り始める老人。目の前にあるのは、誰もが知っている自由の女神像だ。

老人「彼のモヤイ達の編隊は既にヨーロッパ、米国、中国、中東などで発見されておる」
老人「奴らは巨大な体の重量に任せ、体当たりで市街地を攻撃するのが主な行動だ」
老人「そして、当たり前だが今の日本で対抗出来る者は少ない」

老人「悲しいことだが、な」
7: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:28:30 ID:YbP4RsnKas
老人「突然で済まないが・・・健太君。君にこのミスリバティーのパイロットをお願いしたい」


少年「なんで、なんでだよ。大人が乗ればいいだろ!」


老人「その・・・な。何と言うか、コックピットのサイズがな。合わないのだよ、大人じゃ」


少年「・・・・・・」

老人「・・・・・・アハ、アハハ」
8: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:30:45 ID:YbP4RsnKas
少年「ハァ・・・。給与は?社保付いてる?社員食堂や通勤、住居手当出る?」
老人「努力は、しよう」
少年「冗談だって、困ってるんでしょ?ならしょうがないじゃん。俺、やるよ」

老人「ありがとう、操作は副座にいるもう一人が今日は全て行う。君は少しずつ慣れてくれれば良い」
老人「健闘を、祈る」
9: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:33:49 ID:YbP4RsnKas
老人の指示に従って健太はリバティーに乗り込む。
サイズに合わない狭いコックピット、説明の通りだ。すぐ横の座席には健太と同年代と思われる少女が先に待っていた。

少年「お邪魔、するね」
少女「やっぱり、男女一組がこういうときのお約束よね」

自身の髪を弄びながら、興奮を隠せないかのように呟く少女。引き攣った笑顔で話している相手は壁だ。健太の声が届いているのかすら怪しい。

少年(これは・・・厄介事を引き受けちゃったかな)
10: :2011/6/9(木) 03:34:16 ID:bcIAowEy4g
頑張って
11: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:35:00 ID:YbP4RsnKas
健太が安全ベルトを締めると、リバティーが勢いよく動き出した。コックピット内に金切り声が響き渡る。

反射的に耳を塞ごうとした手は健太の頭を掠めただけに終わり、役目を果たせずしばらく宙に浮いたままだった。
12: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:36:49 ID:YbP4RsnKas
少女「動く、こいつ動くわ!」
少女「あははははは、見てよ。みんなゴミのよう。家とか踏んでもいいのかしらね」

少年「・・・・・・」

少女「中原茉巳、ミスリバティー発進する!」
少女「ヤダー、言っちゃった〜言っちゃったあ〜憧れてたのよね〜///」

少年「・・・・・・」
13: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:38:37 ID:YbP4RsnKas
少女「見える!私もνTYPEのハズよ」
少女「・・・敵は近くにいないわね。きっと、ゴルゴムの仕業だわ」
少女「モヤイ・・・こんなところで朽ち果てる己の身を呪うがいいわ!」

少年「・・・・・・」

少女「敵は12体、三分ってところかしら。」
少女「フフ・・・アハハははハはははははハはハはハッ!!!!!」
少女「楽しいねェ・・・」

少年「・・・・・・帰りたい(小声)」
14: 名無しさん:2011/6/9(木) 03:40:35 ID:YbP4RsnKas
>>10
度々ありがとうございます〜。

ふぅ、本日はこの辺りで一休みさせて頂きたく思います
15: 名無しさん:2011/6/9(木) 08:46:06 ID:0jzkni0c2A
なんかしらんがいいぞ!
16: 名無しさん:2011/6/9(木) 09:38:07 ID:BDKRTRECcU
素敵だ!

つC
17:
◆DPehMNPNeE:2011/6/10(金) 00:31:49 ID:PgMfgjaySU
>>15-16
ありがとうございます。励みになりますー。
18: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:33:00 ID:PgMfgjaySU
初めての戦い、モヤイ飛び交う戦場の中で少年少女は何を想う?
19: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:34:37 ID:PgMfgjaySU
汎用人型決戦兵器ミスリバティー。操手は俺、穂村健太。口癖はバーロー、円周率は3.14まで言えるクールガイさ。

戦場と化したリア充の街で交わされる愛と友情。天翔ける無機質な石塊、慌てふためく企業戦士達。

任せろ!俺がやらねば誰がやる!石の悪魔を叩いて砕く!!
地球の平和を守る為、愛と真実をこの胸に、喰らえ!必殺健太コレダー!

しかし、苦戦を強いられる俺達。そこで新たな仲間が現れる・・・

背に背負いし期待、その腕(かいな)に抱える愛情。学園の、いや日本の守護神二宮金二郎。彼の灰色の眼には何が映る?

穂村健太、英雄伝記一章-愛戦士-(日記)より一部抜粋。
20: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:36:24 ID:PgMfgjaySU
博士に誘導され、モヤイの出現ポイントにたどり着いたミスリバティー。だが、そこには先客が待っていた。
21: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:37:32 ID:PgMfgjaySU
少年「体躯に合わぬ程背に担いだ、文字通り山ほどのマキ。手に携えた無骨な本に視線を固定する姿は。見飽きる程に見た、いや見ているそのフォルムは・・・」

少年「に、にのみ・・・フグゥッ!?」
少女「ジャマよ。すっこんでなさい!」
少女「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと私を呼ぶ。アストロガール☆ミスリバティー、参上よ♪」
22: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:38:55 ID:PgMfgjaySU
少年「良いパンチ持ってるね・・・ハハハ・・・俺、要らないんじゃないかな」

少女「さあさ、雑魚は消えなさい。これからはヒーローの時間よ」
コックピットの中で腕を交差する構えを激しく行う茉巳。肘やら、拳やらぶつけられる健太。その一幕を一顧だにせず、微動だにしない二宮金二郎。
23: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:40:35 ID:PgMfgjaySU

空を旋回していたモヤイが二宮に間合いを詰めて行く。すると、まるで菩薩のような表情をした二宮が初めて視線を本から外す。

二宮金二郎は本を、閉じた。
24: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:43:32 ID:PgMfgjaySU
二宮「その姿・・・。この二宮、汝らのような夷狄に道を譲る気はカケラもない。神国日ノ本の力、その一端を見せてやろう」

少年「背中のマキが、独りでに動き出した!?」
少年「そして、二宮の後ろで放射状に開いて御光のように輝いているっ!!」
25: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:45:29 ID:PgMfgjaySU
二宮「我が智、我が信、我が誠全てここにあり!全国数多の幼子の魂受けてみるがいい」
二宮「モヤイ、貴様らは何人の幼子の笑顔を奪った?ランドセルを、上履きを、リコーダーを、赤白帽子をっ!」
二宮「万死に価する・・・せめて、プリキュアの放送されているこの時間に散ることが出来ることを喜べ」

二宮が口を閉じると同時にマキがモヤイに向かう。風を切り音を立て、さながら一筋の流星のように。



少女「な、なによ、アレ。バケモノじゃない・・・」
少年「モヤイ12体が一瞬で塵に・・・。何も、もう何もない・・・」
26: 名無しさん:2011/6/10(金) 00:46:45 ID:PgMfgjaySU
っと、本日はここまでで失礼致します。
27: 名無しさん:2011/6/10(金) 08:15:57 ID:a1JFU5/0EI
ワロタwwwww
なんかいいぞwww
28:
◆DPehMNPNeE:2011/6/11(土) 00:38:36 ID:v4VY7KQi7E
>>27
ありがとうございます。なんかいいぞ・・・もしや>>15ww
29: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:39:49 ID:v4VY7KQi7E
再び本に視線を移し、立ち去る二宮を何も出来ずに見送る二人。人々も逃げたした静かな街。そこにはもう戦場の面影はない。
30: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:40:56 ID:v4VY7KQi7E
少女「アタシは・・・・アタシは・・・、なんでよ、やっと出撃出来たのに、やっとチャンスが出来たのに・・・」
少女「パパの造ったリバティーで、パパの造ったママで」
少女「なんでアタシは・・・」


少年(パパの造ったママ?)

31: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:42:54 ID:v4VY7KQi7E
少年「・・・・・・」
少年「そろそろ、帰ろうか。今日はもう休もう」
少年「動かすね。・・・また、明日も明後日も続くからさ」
少年「ハンカチ、ほら。使ってないやつだから」
少年「後で洗って返せよ?一応高いんだぜ、ソレ」
32: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:43:46 ID:v4VY7KQi7E
少年(また厄介事を引き受けちゃったな・・・これも性分か。しかし、本当に給料貰っても良いぐらいだなコレ)



少年「晩飯なにかなぁ・・・」
33: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:45:01 ID:v4VY7KQi7E
初戦闘から数ヶ月。モヤイが日本に現れる事はなかった。その間、錬度の足りない茉巳と健太は少しずつ、少しずつ操縦訓練を積んでいった。

住宅街での動き、兵装の扱い、パイロット間のコンビネーション。エネルギー管理。そして、何より自己防衛の方法を。広い研究所は驚くぐらいに無駄がなく、その全てを不足なく行うことが出来た。
34: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:45:50 ID:v4VY7KQi7E
望狹小学校5年1組教室。昼休み。
給食のがんもどきと一人の少年が格闘している。
35: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:46:51 ID:v4VY7KQi7E
腹を裂かれて内容物をさらけ出すがんもどき。少年は箸で丁寧に外枠をなぞる。
外から内に、いよいよ内容物に箸が触れたとき。重圧に耐え切れなかったのか、中程から音を立てて崩れ落ちた。

反動で汁が服に掛かり、白い服が黄色に濁る。ふと知人の少女が脳裏に浮かび、堪らなく切なくなった。
36: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:47:37 ID:v4VY7KQi7E
ハンカチ・・・
少年は一気にがんもどきを頬張り、太陽に向かって走り抜けた・・・
37: 名無しさん:2011/6/11(土) 00:49:42 ID:v4VY7KQi7E
本日はここまでです。読んで下さっている皆様、本当にありがとうございますm(__)m
38:
◆DPehMNPNeE:2011/6/12(日) 02:44:03 ID:j7rmkwr5RY
とあるスレをROMしておりました。色々と考えさせられます。

恥ずかしながら自分は書き溜めは構想の半分程しかありませんw書き足し、修正しながら続けさせて頂いてます。

派手さも、早さもないですが。是非よろしくお願いします。
39: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:48:48 ID:j7rmkwr5RY
やあ、諸君。今日も元気に過ごしているかね?

この前は夷狄、などと罵ってしまい大変申し訳なかった。勘違いも甚だしい、この二宮深く謝罪致す。

博士からも話は伺っている。君達のような若者(幼子)が神国日ノ本を護る有志である事を誇りにさえ思う。これからも是非その務め、果たして欲しい。

さて、本題だ。来たる八月某日、拙者はある戦場に向かわねばならない。恐らく、辛い戦いになるだろう。

〜前略〜
40: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:50:04 ID:j7rmkwr5RY
しかし、一限だろうと何だろうと挑戦する気概が重要なのだ!命の叫びなのだ!!
前日から列ぶ?チケット?転売?惰弱惰弱惰弱、否否否、だ・ん・じ・て、認めん!!!

〜中略〜

拙者はそんな下衆共を駆逐し、漢の誇りと魂と萌えを見せつける為。京都ビゲストサイトに向かう。
41: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:50:55 ID:j7rmkwr5RY
〜後略〜

止めてくれるな、おっかさん。死は元より覚悟の上。拙者は全ての幼子を護らねばならぬ。言うまでもないが、これは国に劣らぬ大事だ。不在の間、どうか日ノ本を頼む。
二宮金二郎

二宮金二郎の置き手紙より、抜粋省略。
42: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:52:34 ID:j7rmkwr5RY
少女「なに・・・・・・コレ?」
少年「置き手紙、みたいだね・・・」

少女「こんなのに・・・こんな頭の悪いヤツにアタシが、アタシがぁっ・・・・・・」
43: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:53:44 ID:j7rmkwr5RY
少女「売り切れれば良いのに!ヤツの目の前で全部売り切れれば良いのに!」
少女「DQNに絡まれれば良いのに!一限のグッズを壊されれば良いのに!あまつさえ、壊されたグッズを公衆の面前に晒されれば良いのに!」

少女「ああ、手袋はどう投げるのが良い作法なのかしらね・・・」
44: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:55:02 ID:j7rmkwr5RY
少年(胃が痛い・・・・・・胃が痛むなぁハハハ)

少年「これって、場合によっては俺達だけで戦う事になるのかな」
少女「そうね、そうなるわね」
少年「だよなあ」
45: 名無しさん:2011/6/12(日) 02:56:45 ID:j7rmkwr5RY
少年「しょうがないか・・・なんだかなあ・・・」
少女「やるしかないでしょ!ほら訓練よ、ワンモアセッ!」
少年「過労死しても労災は下りないんだぞぉー、下りないんだぞぉー・・・ハハハ」

少女「休みは死んでからいくらでも取れるわ」
46: 名無しさん:2011/6/12(日) 03:01:34 ID:j7rmkwr5RY
っと、この辺りで本日は失礼致します
47:
◆DPehMNPNeE:2011/6/13(月) 01:13:42 ID:otChspDOvc
二宮「コミパよ!私は帰って来た!!!」
二宮「このギラつく太陽、お世辞にも爽やかとは言えない風、漢達の漂うスメル!これぞコミパ!これぞ聖地!」

二宮「今日は聖戦の日だ!二次元も三次元も、幼子は拙者が護る!!」
48: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:14:39 ID:otChspDOvc
二宮「ん?走るなというアナウンスが聞こえないのか、クズが!我がマキ殺法を喰らうが良い」

二宮「・・・・・・8HITか、今年は少ないな。良いことだ」
二宮「店主。保存用、布教用、鑑賞用、実用、予備で五つずつ包んでくれ」
49: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:15:23 ID:otChspDOvc
二宮「ほう、新規サークルか」
二宮「何ィッ!チェック漏れの新刊だと!?」
二宮「抽選でトーク&サイン会キタ!!」
二宮「あそこの袋、デザインが素晴らしい・・・・・・」



二宮「しまったな、帰宅用資金が無くなってしまった。だが仕方なきこと、優先順位に差があっただけだ」

二宮「今年も、夏が終わるな・・・・・・」
50: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:16:55 ID:otChspDOvc
一方、健太達は。

老人「健太君!茉巳君!モヤイが出現した。直ちに出動願う!」

自宅で夏休みを満喫していた健太に博士から連絡が届く。よりによって、二宮が書き置きに残したこの日に・・・
51: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:18:31 ID:otChspDOvc
半ば覚悟はしていたが、実際にあるとやはり緊張する。

震える手を抑え、健太は手早く限定モデルのスニーカーと愛用の帽子を引っ掴み、母に一言『友達のところに出かける』とだけ残して研究所に向かった。




少年「じいさん!来たぜ。茉巳も来てるか?」
老人「博士と呼べ。と言っておろうに全く」
老人「既に準備は出来ておる。頼んだぞ、健太君」
52: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:19:33 ID:otChspDOvc
実用本位の階段を駆け上がりながら汗をかく、脂汗なんだか冷や汗だか分からないがとても不快だ。

少年(遊びじゃないって分かっちゃったせいかな)

手の甲で汗を拭い、頬を張る。気合いを入れる。
このリバティーで平和を、自由を護るんだ。
53: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:21:59 ID:otChspDOvc
例の如く機体が派手に揺れ、動き始める。揺れは訓練のおかげでもう慣れた。・・・金切り声は追い追いなんとかしよう。
54: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:22:48 ID:otChspDOvc
老人「襲われているのは璞浜火力発電所の近くだ。被害が拡がらないよう注意してくれ」

サブモニタに映るじいさんが何時になく真面目な表情をしている。その事に気付くと何故か緊張は解れた。
55: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:23:57 ID:otChspDOvc
少女「了解、内陸部を廻るから、避難誘導を先にお願い」
少年「了解、急ぎだね。数は少ないし、市街地だ。軽装で向かおう」
少女「ええ!アストロガール☆ミスリバティー、出撃する!!」
56: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:24:54 ID:otChspDOvc
緊張しているのか、茉巳は以前より口数が少ない。また、最近になってようやく理解出来たのだが、壁に向かって話をするのはどうやら癖のようだ。


少女「やぁってやるわよー。そもそも石くれなんかが回遊する空なんて不粋なんだから、冗談じゃないわ」
57: 名無しさん:2011/6/13(月) 01:26:03 ID:otChspDOvc
本日はここまでで、失礼致します。
58:
◆DPehMNPNeE:2011/6/13(月) 18:13:19 ID:/n6kOWhKK.
また、戦いが始まる・・・人間ってヤツは・・・!
業に苛まれるのが主人公の宿命さ。

地を這う俺達を嘲笑うように天駆けるモヤイ、ヤツの目的はなんなんだ!?

不在のペド、いつになく真面目なキティにじいさん。不安要素はままあるけれど、過酷な訓練を積んだこの俺に不可能はない!

天より降された破邪顕正の剣、魔を燃やし滅する生命の炎を纏いし流麗なるカタシロ。
火群(ほむら)の血族であり、当主であるこの俺が受け継いだ。想い幾千も波打つ魂の塊、煌めきのウツワ。

本来虚ろなハズの双子が出逢い交わり、今ここに顕現する。

《松明サーベル》
その剣、絶てぬモノ無く。触れるモノ無く。覚るモノ無い。
雷電の力により虚空より顕れ、見た者魂をうばい放心させるとまで言われている現代の奇跡。

俺はこの剣で親父の敵を取る!!!

穂村健太、英雄伝記二章-龍脈の血筋-(日記)より抜粋。
59: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:14:41 ID:/n6kOWhKK.
空飛ぶモヤイなどという、目立ち過ぎる目印を探し戦地に足を踏み入れるリバティー。

敵勢は目視出来る範囲に4機、これは事前の情報の通りか。
60: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:15:45 ID:/n6kOWhKK.
少年「情報の通りかな。なに、前の三分の一の数だよ。こっちは三分の二、楽勝だね」
少女「アタシがガラクタ二つ、アンタが一つ。文句はないわね」
少年「あるよ。“二人”で三つ、だろ?」

健太は見せつけるように笑顔を作る。
61: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:16:28 ID:/n6kOWhKK.
少女「こりゃ良いわ!アンタもアツいこと言うようになったわね」
少女「ちゃっちゃと片付けるよ!夕方から起動侍劫墮淫(キドウザムライ-ゴーダイン-)が始まるんだから。あんなヤツにアタシの日常を壊されて堪るもんですか!!」
62: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:18:08 ID:/n6kOWhKK.
少年「朱に交わればなんとやら・・・ってね。さて、一仕事しますか」
少年「脚部クーリング施行、コントロールロック解除!兵装第二次強襲用完了、排熱ラインキープ!」

少女「よし、30分で終わらせる!!ヒトナナマルマル作戦開始!」
63: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:19:09 ID:/n6kOWhKK.
少年「了解、合わせて調整する!余剰アーマーパージ!戦闘モードに移行完了」

少年少女「機械戦士アストロガール☆ミスリバティー、発進!!」
64: 名無しさん:2011/6/13(月) 18:20:55 ID:/n6kOWhKK.
初めて日付変わる前に来れた・・・w
とりあえず、ここいらで失礼致します。
65: 名無しさん:2011/6/14(火) 15:06:45 ID:Dsu7jkcuyE
しえーん
66: 名無しさん:2011/6/14(火) 19:13:51 ID:eyiXSnv7S6
C

67:
◆DPehMNPNeE:2011/6/15(水) 04:20:07 ID:LhClSdRQ.A
>>65-66
おお!支援ありがとうございます
68: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:21:52 ID:LhClSdRQ.A
渋啄区西に浮かぶモヤイ4機。来ました!ミスリバティーです!おや?二宮金二郎はいませんねどうしたのでしょうか!?

現在、渋啄区西の璞浜火力発電所周辺にて現れたモヤイ4機とリバティーが交戦しております!
69: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:23:01 ID:LhClSdRQ.A
冗談のような出来事を至極真面目に語るアナウンサーに、世も末だなと人事のように笑みが零れる。

ー貴方も本当は早く逃げた方が良いのにー
70: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:23:48 ID:LhClSdRQ.A
少女「やってくれるわね、健太!損耗率は?」
少年「27%損耗率は許容範囲だけど、熱量がまずいね」
少女「あんなふざけた見た目してて、狙いは的確とかやんなっちゃうわ・・・」
71: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:24:27 ID:LhClSdRQ.A
少年「排熱タービン損傷は痛かったね、電磁警棒は効いてる?」
少女「駄目ね、弾かれるわ。効いてたとしてもじり貧よ」
少年「ライフルは・・・当たらないなきっと。ショットガンはここじゃ撃てないし・・・」

少女「ああ、もう!必殺技とかないの!!ヒーローなら基本でしょうに!!」
72: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:25:28 ID:LhClSdRQ.A
老人「必殺技、実は・・・ある」

少女「博士!?最初から言ってよ!もう劫墮淫終わっちゃったじゃない!」
老人「何を言っておる、ピンチのときに使うのが必殺技だろう?」

少年(二人共良い笑顔だな・・・まるで分からない・・・)
73: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:26:38 ID:LhClSdRQ.A
老人「しばし、まて。承認許可を取る」

老人「あ、もしもし?儂だよ儂、わたるんだよ。知ってるだろうけど・・・ごめんね芝ちゃん、非常事態だわ許可お願い」
74: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:27:46 ID:LhClSdRQ.A
老人「いや、そうだけど。このままじゃ璞浜潰れるよ。うん、マジマジ」
老人「いや、ホントに頼むよ。今度ラーメン奢るからさ。電気量は計画停電でなんとかなるっしょ?」

老人「分かった、チャーシューね。いつもの店でいいよね?うん、ありがとう。やっぱり持つべきものは友達だわ」
75: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:28:27 ID:LhClSdRQ.A
老人「よし!許可は取れた」

老人「コホン・・・承認!セーフティーデバイスリリーヴ!!」
老人「健太!茉巳!背部装甲パネル裏にある松明を使え!!」
76: 名無しさん:2011/6/15(水) 04:29:58 ID:LhClSdRQ.A
っと、本日はここまでで失礼致します。
77:
◆DPehMNPNeE:2011/6/16(木) 06:11:57 ID:uptXgOjyMk
少年「パネル裏・・・これか!」
少女「松明・・・サーベル?ダサッ・・・」
78: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:12:43 ID:uptXgOjyMk
老人「バカモン!儂らがそんな面白味のないところで満足するか。エネルギーバイパスを全てサーベルに繋げ!面白いものが見られるだろうよ」

少女「キタ!ライトサーベルじゃないコレ!ヤダ〜持ち帰りたい〜」
79: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:13:32 ID:uptXgOjyMk
少年「なんだ!?このエネルギー使用量・・・じいさん!どうなってるんだよ!!」
老人「大丈夫だ、このエネルギーは関東電力が負担してくれている。」
老人「さっさと決着を付けてしまえ、三分で終わらせろ!出来るハズだ、でないと儂が怒られる」
80: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:14:44 ID:uptXgOjyMk
耳障りな音が警棒との威力の差を表している。束を強く握ると、自信が湧き立つ。

少女「考えるな・・・感じろ・・・」
少年「ここからいなくなれー!!」
少女「見える!そこね、当てて見せる!」
少年「墜ちろカトンボ!」
81: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:15:17 ID:uptXgOjyMk
裂帛の気合いと共にサーベルを振り下ろす度、まるで不沈艦のように感じられたハズのモヤイは中心の核ごと消え去った。

その瞬間を見る事が出来なかった二人の操手はしばしの間放心していた。
82: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:15:52 ID:uptXgOjyMk
少年「パワーがダンチだ・・・」
少女「まさか、本当に三分でイケるとはね・・・」
少女「流石必殺技じゃない!これでこそヒーローよね〜」
83: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:16:47 ID:uptXgOjyMk
新たな必殺技を手に入れたリバティー!
輝く刃が涙を弾く・・・

モヤイとの戦いにも慣れ、平和も近づいたと思われたとき。闇の中から真なる脅威が迫り来る!

雄々しき鬣に鋭い牙、鱗に覆われたその体表。その姿、さながら陸の王者と海の姫のハイブリッド。

何を望み空に浮かぶ、何を想い歎き叫ぶ。
母なる海に拒絶されし姫、父なる大地を見限る王。

絡み合う歎きと怒りをまとめて消しさろう。
我は希望を創る者、我は平和を体現せし者、我は自由を護るただ一つの存在。

悪しき過去を裁ち切り、正しき未来を切り拓く。アストロガール☆ミスリバティー!!

君は刻の涙を見る・・・

穂村健太、英雄伝記三章-新生-(日記)より抜粋。
84: 名無しさん:2011/6/16(木) 06:17:27 ID:uptXgOjyMk
っと、ここまでで失礼致します。
85: 名無しさん:2011/6/16(木) 09:44:30 ID:xvACFx7sdY
予告が地味にカッコいいwww
86:
◆DPehMNPNeE:2011/6/17(金) 01:42:16 ID:zilbNMpG/6
>>85
まさか健太の厨日記が褒められるときが来るとは・・・・
87: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:43:45 ID:zilbNMpG/6
少女「・・・やっぱり劫墮淫は良いわー、キラリーン!-MURAMASABLADE-」
少女「悪即斬・・・またツマラヌものを切ってしまった・・・」
88: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:45:11 ID:zilbNMpG/6
少年「・・・・・・・・・・・・」

少年(うわぁ・・・新聞紙でG叩いてはしゃいでるよこの人・・・)
老人(昔からだ、諦めろ)
89: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:46:48 ID:zilbNMpG/6
少女「私の強さに全米が泣いた、涙はこれで拭いとけ・・・」
少年「俺のハンカチ!いや、ちょまてよティッシュでいいだろティッシュで!」
少年「ブランドでプレミアで、品薄なんだよぉー・・・」
90: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:48:30 ID:zilbNMpG/6
・・・・・・・・・・・。

少女「アレ?そうだったっけ?道理で地味だと思った」
少女「安物でしょこれ、真っ白だし。イチキュッパ?」
91: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:49:31 ID:zilbNMpG/6
少年「ブランドモノだよ、一葉さん一人分」
少女「やっぱり安物じゃない、見なさい、この劫墮淫ハンカチ。オクなら稲造三人分は下らないわ!」

少年「・・・メイドインチャイナ」
少女「数量限定なの!プライスレスなのよ!」
少女「あ!!指紋付けんなこの野郎。その頭二度と帽子を被れないようにしてやる!」
92: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:50:42 ID:zilbNMpG/6
老人「平和だな、こんな時が続けばよいのだが」
93: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:51:28 ID:zilbNMpG/6
都内某所。
暗い部屋の中、中年男性が多量の本と箱に囲まれている。
94: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:52:27 ID:zilbNMpG/6
中年「一つ積んでは乳のため〜。二つ積んでは腰のため〜。三つ積んではあ・・・」

四方から雪崩のように崩れ落ちる本と箱に、男は呪文のような呟きを止めた。
何故か男と雪崩の間にはマキがクッションになっている。
95: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:53:10 ID:zilbNMpG/6
中年「積みゲーが崩れた、だと・・・」

中年「拙者のパトスが崩れ去る?馬鹿な!!アグネスの手の者の仕業か?」
中年「違うな・・・しかし、嫌な予感がする・・・。コミパの時期まで持ち応えられれば良いが」
96: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:54:13 ID:zilbNMpG/6
中年の懐の携帯電話から朝8時半放送の変身アニメのテーマソングが流れる。
勿論音質は最高で、圧縮などしていない。更にセリフが入るところを重点的に入れ、神編集をしてある。それが、ジャスティス。

中年「出撃要請か!」
97: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:57:56 ID:zilbNMpG/6
たっぷり二週着信を聞いてから電話を取り、通話後にはフルで初代から通しで聞く。

すると、体中から萌え出づる情熱が中年男性の体を造り換える。萌えは堀、萌えは石垣、萌えは城。言うなれば、現代の錬金術だ。

錬金術によって、構成される《神機》二宮金二郎がここに召喚される!!

二宮「幼子の守護神、二宮金二郎。推して参る!!」
98: 名無しさん:2011/6/17(金) 01:59:31 ID:zilbNMpG/6
本日は以上で失礼致しますー
99:
◆DPehMNPNeE:2011/6/18(土) 05:53:22 ID:CtrAd3L7PI
背中に負いしマキが疼く。強敵だ、二宮の戦士の本能が告げている。

このような出来事は何年ぶりだろう。恐らく最後に本能を呼び起こしたのは奈良の方との喧嘩したときだっただろうか。
100: 名無しさん:2011/6/18(土) 05:54:11 ID:CtrAd3L7PI
負ける訳には行かない。
積みゲー、冬コミ、ライブ、コノザマに頼んだドラマCDもある!
101: 名無しさん:2011/6/18(土) 05:54:49 ID:CtrAd3L7PI
小学校から拝借したリコーダーを舐めつつ敵影を待つ。

二宮「青春の味だ・・・何もかもが懐かしい」
二宮「これがドで、こうすればシ。ん?ここだけ使い込んであるなぁ。苦手なのかなフフフ」
102: 名無しさん:2011/6/18(土) 05:55:37 ID:CtrAd3L7PI
二宮「敵が来た、か。至福の時にやって来るとはニクい奴め」
二宮「悪いが、手加減は出来んぞ?」

マキが放射状に拡がり、輝き始める。
吹きすさぶ風をも従えたマキが回転し、空間を支配する。
103: 名無しさん:2011/6/18(土) 05:59:03 ID:CtrAd3L7PI
これが二宮の神技《ポン=デ=リング》だ。

神気を宿した自身の一部を空間に放出し、触れるものを削り取り同化させる・・・《吸収》の神機の完成形とも言える奥義!
104: 名無しさん:2011/6/18(土) 06:02:06 ID:CtrAd3L7PI
余談

後半に入り、一休みの各キャラ別テーマソング

穂村健太 アニメじゃない
中原茉巳 仮面ライダーBLACK
二宮金二郎 DANZEN!ふたりはプリキュア(初代)
西郷並盛 ターゲット〜赤い衝撃〜
奈良の方 gravitation

博士(穂村亘) ルビーの指輪
芝ちゃん(芝崎輝) MURAMASA

モヤイ さくらんぼキッス〜爆発だも〜ん〜
マーライオン ライオン
ジーン 誰かの願いが叶う頃
月影 仮面ライダーBLACKRX
首領 In My Dream

Secret(32) FRYING IN THE SKY
Secret(22) チェリー

まだ出て来ていないキャラや空気も混じっているのはご愛敬。
本日はさらばノシ
105: 名無しさん:2011/6/18(土) 09:46:53 ID:DaJq6JBeL2
>小学校から拝借したリコーダー
通報しますた

支援
106: 名無しさん:2011/6/19(日) 03:22:33 ID:mgizhlyZ7U
>>105
支援、ありがとうございます。
107: 名無しさん:2011/6/19(日) 03:23:57 ID:mgizhlyZ7U
二宮「あれは!!!獅子の頭に魚の体・・・神獣マーライオンか!?」

二宮「何故、何故日ノ本に。何故だッッ。まだ来る時期には早いハズだ!」

108: 名無しさん:2011/6/19(日) 03:26:05 ID:mgizhlyZ7U
二宮「博士は何をやっている・・・。やはり博士は・・・」

困惑している間にも《神獣》は動きを止めない。重量を無視し、悠然と空を歩む。
109: 名無しさん:2011/6/19(日) 03:31:26 ID:mgizhlyZ7U
二宮「くぅ・・・。コミパの時期ならば遅れは取らぬと言うのに」

二宮の額に汗が滲む。時期が悪い、神気が足りない・・・
恐らく《神獣》は《維持》の神機、地力では分が悪いだろう。


牙でマキが砕かれる。《吸収》はされていないようだ。

二宮「まさか、我がマキを砕く程の神気を帯びているとはな・・・」
110: 名無しさん:2011/6/19(日) 03:35:04 ID:mgizhlyZ7U
二宮(ポン=デ=リングは格上の神気を持つ者には通用しない・・・、魔導書を使うときなのか?)

本を握る手に力が入る。神気の循環が加速し、神経を蝕む。

111: 名無しさん:2011/6/19(日) 03:37:52 ID:mgizhlyZ7U
頭にノイズが走る。こんなときにー
循環を止め、神気を凝縮させる。

老人「二宮君!済まない。増援を送る、しばし持ち応えてくれ」
二宮「博士!!どうなってる!情報は、預言は嘘だったのか!?」

老人「一つ言えるのは、彼らも一枚岩ではない、という事かもしれん」
112: 名無しさん:2011/6/19(日) 03:42:01 ID:mgizhlyZ7U
二宮「・・・・・・・・」
老人「儂は、守護者としての君を誰より信頼している。君は、君の信じる道を進んでくれ」

二宮「・・・言われるまでもない」
二宮「この二宮、護国の鬼となろう」



《神獣》の咆哮が街に響き渡る。
113: 名無しさん:2011/6/19(日) 03:43:33 ID:mgizhlyZ7U
本日はここまでで失礼致しますー
114:
◆DPehMNPNeE:2011/6/20(月) 03:40:21 ID:17XUTqHg1Q
神の使いである神獣を倒すも、生まれる疑惑。

並ぶ謎の符号《預言》《魔導書》《博士の秘密》《突如顕れた神獣》《彼ら》・・・・・・

運命に流されし少年少女達の未来は何処に?
誇りと幼子の為に戦う守護神。二宮の行く道は?

そして、鍵を握る《米軍》の暗躍。沈黙を貫く博士の身にはどんな過去が?

謎が謎を呼び、混沌の世界を形作る・・・
闇を切り裂き、未来を拓く、みんなの希望ミスリバティー。

彼女は心の闇を照らし、払う事が出来るのか?

崩れ落ちる現実さえも再構築をして見せる!
消え去りし希望をも再び生み出して見せる!
未来は僕らの手の中・・・

穂村健太、英雄伝記四章-アガナイ-(日記)より抜粋。
115: 名無しさん:2011/6/20(月) 03:43:38 ID:17XUTqHg1Q
少年「じいさん。なんだよ彼らってなんだよ、預言って!?」
老人「本来なら君にも話すべきなのだろうな・・・」

老人「いい加減、儂も覚悟を決めなければな・・・」
116: 名無しさん:2011/6/20(月) 03:44:48 ID:17XUTqHg1Q
老人「だが、今は無理だ」
老人「その前に、招かれざる客人のお相手をせねば、な」

老人「我が根城に忍び込む勇気は認めるが、所詮蛮勇よ。命が惜しくば出て来るがいい」
117: 名無しさん:2011/6/20(月) 03:50:52 ID:17XUTqHg1Q
博士が虚空に声を放つと視界の外からにゅっと人影が現れた。

優しげな表情とは裏腹に機敏な動きで間を詰める。姿から考えると軍人だろうか。

軍人風の男「いや、失礼しました。ご挨拶をする前に見つかってしまったようで」

見本のように綺麗にお辞儀をする男。健太は初めて笑顔が怖いと思った。
118: 名無しさん:2011/6/20(月) 03:55:06 ID:17XUTqHg1Q
老人「見つけなかったら挨拶などしないだろう?そんなお国柄でもあるまい」

軍人風の男「手厳しい・・・。紹介が遅れました。米国国務局保安課のジーンと申します。日本風に名乗るならば、ですがね」

少年(米国!?・・・・・・冗談だろ。なにやってんだよじいさん)
119: 名無しさん:2011/6/20(月) 03:57:02 ID:17XUTqHg1Q
老人「現場の人間を知り合いに持った覚えはないがね」
軍人風の男「リバティーについてのお話です。少将もご存知かと思いますが」



老人「・・・健太君、行きたまえ。説明は後でする」
120: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:03:23 ID:17XUTqHg1Q
少年「じいさん!そう言われても、そう言われてもさ」
老人「二宮は今も苦しい戦いを続けておる。分かるな、今は為すべきことを為せ」

少年「分かったよ。一つ、貸しだぜ、しっかり返せよ」
121: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:04:46 ID:17XUTqHg1Q
今日はここまで。失礼致します。
122: 名無しさん:2011/6/20(月) 06:36:19 ID:HsrkRRUnpA
見てるよ
支援
123: ◆DPehMNPNeE:2011/6/20(月) 21:27:23 ID:TCELlkEZ0w
>>122
支援、ありがとうございます。

ご報告。
申し訳ありません。体調不良と、あと書き足しの増え方が尋常じゃない&書き溜め尽きてきたので、これからペースが落ちそうです。
124:
◆DPehMNPNeE:2011/6/21(火) 19:14:58 ID:Ky8RaUWM2k
少女「アストロガール☆ミスリバティー参上!月に代わってお仕置きよ♪」

二宮「遅い、遅過ぎる。昼寝でもしていたのか?重役出勤もいいところだな」

リバティーに視線も向けず話す二宮。
125: 名無しさん:2011/6/21(火) 19:15:53 ID:Ky8RaUWM2k
二宮「流石に神獣相手は辛かったな・・・、だが拙者の前で小学校の敷地に入る、などと言う愚を冒したのが運の尽きよ」

校庭に転がる石くれに向かい、二宮が話し掛ける。石くれ、二宮共に体中傷だらけで満身創痍といった様子だ。
126: 名無しさん:2011/6/21(火) 19:18:25 ID:Ky8RaUWM2k
少女「何・・・コレ・・・モヤイじゃないの?」
少年「獅子の頭に魚の体・・・なんだか気持ち悪い」


二宮「神獣、マーライオンだ。もう刻が満ちるか・・・」
二宮「日は沈み、夜が来る」
127: 名無しさん:2011/6/21(火) 19:19:20 ID:Ky8RaUWM2k
二宮「これからが大変だな・・・まだ足りない・・・このままではまずい、な」

少年「二宮?博士も似たようなことを言っていたけれど、どういうことだよ」
少年「何故かアメリカの軍人みたいな奴も来るしさ・・・訳がわからないよ!」
128: 名無しさん:2011/6/21(火) 19:22:35 ID:Ky8RaUWM2k
言葉を選びながら語る二宮。

二宮「んー。端的に言うと、モヤイは飽くまで只の斥候。上に操り手がいるという事だ。夷狄は何を企んでいるのだろうな・・・拙者にもわからん」

二宮「一つだけ言えることは、近々大きな戦いが起こるのは避けられない。たとえ神仏の力があろうとも、たとえ日ノ本が神国であろうとも」
129: 名無しさん:2011/6/21(火) 19:24:22 ID:Ky8RaUWM2k


二宮「太陽が陰り、月が昇る・・・月は光を吸い、地はやがて果てる。恐山の巫女の預言の言葉、だったな」

二宮「時代の歯車が一つずつズレていっている・・・吉と出るかはたまた・・・」
130: 名無しさん:2011/6/21(火) 19:25:23 ID:Ky8RaUWM2k
本日は以上で失礼致しますー
131: 名無しさん:2011/6/21(火) 19:37:43 ID:1wrL3v2gjU
これすごい好き
支援
132:
◆DPehMNPNeE:2011/6/23(木) 03:42:10 ID:lfWLtFCqLI
>>131
嬉しいお言葉、ありがとうございますー。
133: 名無しさん:2011/6/23(木) 03:43:36 ID:lfWLtFCqLI
軍人風の男「素晴らしい!あの運動性能、出力、装甲。燃費の面さえ無ければ今すぐ合衆国で使いたいぐらいですよ」

軍人風の男「希代の発明家、中原礼司。希代の科学者、穂村亘。奇跡の合作。流石の性能と言ったところでしょうかね」
134: 名無しさん:2011/6/23(木) 03:44:54 ID:lfWLtFCqLI
老人「御託はいい・・・何があった?不測の事態だ。引き揚げに来たと判断して良いのか?」

軍人風の男「少しぐらいは談笑に付き合って頂いても良いかと思いますがね・・・その件ではなく不測の事態について伺いに参りました」
135: 名無しさん:2011/6/23(木) 03:46:29 ID:lfWLtFCqLI
老人「・・・つまり、そちらも知らんと」
軍人風の男「・・・・空振り、ですか。本当に不測の事態のようですね・・・」

老人「ゴルゴムが本格的に動き始めたのかもしれんな」
軍人風の男「リミットは二月と少し・・・私も少し急がなければいけませんね」
136: 名無しさん:2011/6/23(木) 03:46:59 ID:lfWLtFCqLI
軍人風の男「オペレーション《蒼弓》第一段階、イグニション・・・」
襟元に口を近付け、呟く男。こうして小さな戦争が始まった。
137: 名無しさん:2011/6/23(木) 03:48:23 ID:lfWLtFCqLI
老人「・・・・・・・・・・・・・」
老人(こちらの札は三枚、二宮君にリバティー。そして最後の札、JOKER。)
老人(まずは、二宮君がどう動くか・・・)
138: 名無しさん:2011/6/23(木) 03:49:31 ID:lfWLtFCqLI
本日はここまで。失礼致します。
139:
◆DPehMNPNeE:2011/6/23(木) 23:27:15 ID:b3doDe9Vdk
二宮「同士リバティー、君に重大な任務を託す!」
二宮「半年、いや四ヶ月。この街を、日本を護ってくれ」

少女「なんでよ、今度は何?偽装入学もしくは転校でもしてリアルergキタコレ!!!とでもやるつもり?」
140: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:28:36 ID:b3doDe9Vdk
・・・・・・・・・・・・。

二宮「その想像力には完敗だ、平和になったら是非やらせて貰おう」

二宮「本気は置いといて・・・。これからは神獣を始め、どんな化け物が出て来るかわからない。打てる手は、打てる内に打って置きたいのだ」
141: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:29:36 ID:b3doDe9Vdk
二宮「君達だけでも・・・やれるな」

静かに見詰める二宮。
142: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:30:24 ID:b3doDe9Vdk
少年(なんだよ、お前が迷ってるじゃないか二宮・・・表情に出すなよ、全く甘いったらもう)

少年「やr」
少女「やれるわ!!アタシは!アタシ達は!平和の、自由の護り手ミスリバティーよ!!!」
143: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:31:13 ID:b3doDe9Vdk
少女「護るため、そのために存在しているの。アタシは母さんの魂と、父さんの命で造られた・・・。この、リバティーで・・・遺志を果たすんだから・・・」

後半になるにつれ、涙声になる茉巳。今回は自分でハンカチを出して拭いている(使っているのは健太のハンカチだが)
144: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:32:21 ID:b3doDe9Vdk
二宮「気持ちは、わかった」
二宮「全て終わったら、皆で冬コミに行こう。一限だろうとなんだろうと、この人数なら恐るるに足りん!」

二宮「・・・では、日本を頼むぞリバティー」
145: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:33:02 ID:b3doDe9Vdk
二宮は静かに去る。
健太達は、何故か最初の戦いのときのように動くことは出来なかった。
146: 名無しさん:2011/6/23(木) 23:33:48 ID:b3doDe9Vdk
本日は以上で失礼致しますー
147:
◆DPehMNPNeE:2011/6/25(土) 01:03:48 ID:bsCupHtDfU
二宮が去った今、日本を護るのは俺達だけだ!

月は満ち、日は陰り。黄昏を飛び越え、暗黒に向かう。
地を這う魔獣。天翔ける天馬。つんざく悲鳴は誰のものか。

ミスリバティー
彼の希望、暗雲切り裂くその剣は返す刀で自らをも刺す。

二宮金二郎
思うところは何処にあるのか。腕に抱いた未来を護り通す為、命を育む糧となれ。

博士の言う《JOKER》は何を指し示すのか。
茉巳の言う魂とは何なのか。
二宮の打つ手とは。
そして俺は何処に向かうのか。

交錯する想いと思惑。希望と思想。


あの日の気持ちは無駄にはしない。
あの子の想いを壊させはしない。

めくられる《JOKER》
めくられる真実。

目を背けることは出来ない未来。
目を背けて生きた人が言う。

つんざく悲鳴は皆の想いだったのだろうか。
確かめる術はもう、ない。

穂村健太、英雄伝記終章-無題-(日記)より全文。
148: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:04:47 ID:bsCupHtDfU
モヤイが顕れる。毎月、毎週、毎日。
月が陰り行く。毎月、毎週、毎日。
149: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:05:26 ID:bsCupHtDfU
休む暇もなく出撃する健太と茉巳。戦いは激化する一方だ。
150: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:06:11 ID:bsCupHtDfU
まだ、小学生なのに。と、心配する世間が煩わしい。なら手伝いでもしたらどうだ。
151: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:06:52 ID:bsCupHtDfU
無責任な団体が研究所まで来て邪魔をする。
今リバティーが出撃しなかったらどうなる?
152: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:07:45 ID:bsCupHtDfU
自衛隊がいる。団体は決まってこう言う。

張り付く笑顔が気持ち悪い。
153: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:08:43 ID:bsCupHtDfU
結局、人任せだ。

結局、人事だ。

結局、神機を前にして逃げ出す。何もしない。

お前達はもう一人の儂だ。憎いほどに似通っている。違うのは立場だけ。
154: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:09:21 ID:bsCupHtDfU
想うのは過去の事ばかりだ。
中原・・・・・・

155: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:10:51 ID:bsCupHtDfU
もうすぐだ。月が満ちる。全てが終わる。
もうすぐだ。JOKERを切る刻が来る。全て終わらせる。終わることが許される。
156: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:11:31 ID:bsCupHtDfU
痛む頭を抑え、薬を流し込む。すると、体が疲れを訴えあっさりと意識を飛ばした。
157: 名無しさん:2011/6/25(土) 01:12:23 ID:bsCupHtDfU
今日はここまでで、失礼。
158:
◆DPehMNPNeE:2011/6/26(日) 19:47:05 ID:u0sdxT4HCo
敵が来る-----。
空から-----。
俺に-----。




159: 名無しさん:2011/6/26(日) 19:47:56 ID:u0sdxT4HCo
眼前にあるモヤイの鼻に蹴りをくれ、鎚を振り下ろす。

背後から来たヤツは茉巳がシールドを上手く使い叩き落としてくれた。止めにサーベルを顎に突き刺し核ごと砕く。
160: 名無しさん:2011/6/26(日) 19:48:28 ID:u0sdxT4HCo
少年「神機は!今回は来ないのか!?」
少女「だと、良いんだけどね・・・」
161: 名無しさん:2011/6/26(日) 19:49:05 ID:u0sdxT4HCo
言いながら索敵をする茉巳。損耗率は軽微ね、とついでのように伝えてくる。
片付けたモヤイは16機。通常ならそろそろ打ち止めの頃合いだ。
162: 名無しさん:2011/6/26(日) 19:50:07 ID:u0sdxT4HCo
淡い、期待だった。よくよく考えば増長していたのだと思う。

自分は一端の戦士だと。唯一の《日本の護り手》だと。多分、茉巳も同じようなものだろう。
163: 名無しさん:2011/6/26(日) 19:50:51 ID:u0sdxT4HCo


甘い夢はいずれは消え去る。俺達はただ早く知ってしまっただけだ。
164: 名無しさん:2011/6/26(日) 19:51:42 ID:u0sdxT4HCo
今日はここまでで失礼致します。
165:
◆DPehMNPNeE:2011/6/28(火) 00:12:56 ID:pmPEmUzuYk
オペレーション《蒼弓》。最終段階イグニション。
166: 名無しさん:2011/6/28(火) 00:13:56 ID:pmPEmUzuYk
長い間舞台の傍観者であった男は呟く。既に蒔かれた種も芽が出ている・・・。

やれることはやった。後は結果のみ。
167: 名無しさん:2011/6/28(火) 00:14:34 ID:pmPEmUzuYk



月が満ちる-----。
太陽に隠蔽されていた陰りが顔を出す。
168: 名無しさん:2011/6/28(火) 00:15:07 ID:pmPEmUzuYk
月に魅入られしイニシエの神機。いや、もはや《神》そのものなのかもしれない。
169: 名無しさん:2011/6/28(火) 00:15:46 ID:pmPEmUzuYk
月影王《シャドームーン》
秘密結社ゴルゴムの最高傑作にして、最強と謳われる《神機》
170: 名無しさん:2011/6/28(火) 00:17:06 ID:pmPEmUzuYk
《神機》を撃ち破る。この日の為に、この日の為に私は・・・

来なければ良い、と長年思っていた日も。来てみれば存外楽しいものだ。
171: 名無しさん:2011/6/28(火) 00:18:15 ID:pmPEmUzuYk
気付くと手元のワインも底をついている。少々飲み過ぎたか。

良い気分のときはつい、止まらなくなってしまう。
172: 名無しさん:2011/6/28(火) 00:19:01 ID:pmPEmUzuYk
時間だ。
我が国の全てを費やした-----人類の希望。
《人造神機 B=ドライガー》その力、私に見せてみろ!!
173: 名無しさん:2011/6/28(火) 00:19:36 ID:pmPEmUzuYk
本日はここまでで、失礼致しますー
174:
◆DPehMNPNeE:2011/6/30(木) 02:27:21 ID:PV6L7IO3bY
戦場に足を向ける。この高揚感が堪らない・・・
175: 名無しさん:2011/6/30(木) 02:29:18 ID:PV6L7IO3bY
軍人風の男「只今より《蒼弓》最終段階、リバティーの接収及び《シャドームーン》の排除を行う。これは訓練ではない」

欠伸をしている下士官を睨みつつ言い放つ。
176: 名無しさん:2011/6/30(木) 02:31:44 ID:PV6L7IO3bY
軍人風の男「国益の為ではない!世界の為の戦争だ。気を引き締めろ」

軍人風の男「繰り返す!これは訓練ではない。目標探知、イグニション」

人造神機の群れが飛び立つ。群れは空を獲物に見立て駆け回る。
177: 名無しさん:2011/6/30(木) 02:32:33 ID:PV6L7IO3bY
《B=ドライガー》を先頭に据え。半身獅子、半身魚の獣の群れが空を翔ける。
空の自然の色は消え、蒼は力に塗り替えられる。
178: 名無しさん:2011/6/30(木) 02:33:20 ID:PV6L7IO3bY
軍人風の男(二宮がいないという報告を受けたが、油断はしない方が良いな・・・。《神機》がこの機を逃すなど、有り得ない)


軍人風の男(風向きが、悪いな・・・)
179: 名無しさん:2011/6/30(木) 02:33:56 ID:PV6L7IO3bY
索敵開始から程なくしてリバティーを感知する。交戦中、もしくは交戦後のようだ。
180: 名無しさん:2011/6/30(木) 02:36:53 ID:PV6L7IO3bY
軍人風の男(好都合だな・・・)
軍人風の男「イグニション!!蹂躙せよ」

爆弾に、火が付けられた。
181: 名無しさん:2011/6/30(木) 02:37:36 ID:PV6L7IO3bY
本日は以上で失礼致しますー
182: 名無しさん:2011/6/30(木) 09:55:22 ID:1l2LI1ElNs
続きwktk
183:
◆DPehMNPNeE:2011/7/2(土) 00:05:28 ID:MdiYI/fhzI
>>182
嬉しいお言葉・・・。ありがとうございます。
184: 名無しさん:2011/7/2(土) 00:06:33 ID:MdiYI/fhzI
レーダーが反応した。気付くとアンノウンが距離を300まで積めている。後続もいるようだ。


少年(まずいな・・・)

185: 名無しさん:2011/7/2(土) 00:08:05 ID:MdiYI/fhzI
少女「アーマーパージ!!排熱優先でエネルギー武器は避けるよ!」
少年「了解。ライフルを使う。ターゲットインサイト・・・」

照準の先、あれは・・・
186: 名無しさん:2011/7/2(土) 00:08:44 ID:MdiYI/fhzI
少女「今度はライオンみたい、マーライオンを思い出すわね」
少年「となると《神機》ってヤツか。後続もいるとか、まるで悪夢だ」

少女「死ぬには良い日よ」
少年「・・・・・・・・反応に困る」


少年「引き付けた!ブーステッドライフル、シュート!」
187: 名無しさん:2011/7/2(土) 00:09:42 ID:MdiYI/fhzI
少年「当たらない!?凄い運動性能だな・・・」
少年「・・・しゃあない。消耗戦、生きますかー」

ライフルをしまい、ショットガンを出す。流石にショットガンを撃ち尽くす頃にはライオンもがらくたになっているだろう。

後はライオンに接近を許さないことと、後続が問題だ。
188: 名無しさん:2011/7/2(土) 00:10:26 ID:MdiYI/fhzI
少女「こいつを倒せれば、二宮はもうお払い箱ね。醜いカラダ、砕かせて貰うわ」
189: 名無しさん:2011/7/2(土) 00:12:48 ID:MdiYI/fhzI
本日はここまでで失礼致しますー
190: 名無しさん:2011/7/2(土) 07:06:05 ID:FWtLB43s2c
支援
191:
◆DPehMNPNeE:2011/7/3(日) 02:59:50 ID:HB2TP8jvhc
>>190
支援ありがとうございます
192: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:01:02 ID:HB2TP8jvhc
眼前の女神がショットガンを乱射する。シュールな光景だ。
弾丸が装甲を僅かに削る感覚に身震いする。
193: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:01:36 ID:HB2TP8jvhc


軍人風の男(ふむ。装甲、運動性はこちらの方が上。出力、兵装はあちらの方が上、か)

194: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:02:06 ID:HB2TP8jvhc
状況を分析している間に後続が追い付いて来た。勝利は決まったようなものだ。

後続の《量産型マーライオン》が女神を囲む。途中、何機かがショットガンの餌食になったが大勢に影響は無い。
195: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:07:12 ID:HB2TP8jvhc
軍人風の男「ついに、ついに合衆国の技術が穂村に追い付いた!この力、見せてやろう」

内心、興奮が治まらない。この日を夢見たと言っても過言ではないのだ。

リバティーは完成してから今まで越えることの出来なかった壁であり、合衆国の拭い切れない汚点。憎いとすら思った。いっそ壊れて欲しいとも。

その汚点は今日、消し去る。私が。
196: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:09:27 ID:HB2TP8jvhc
軍人風の男「《クライム》」

《B=ドライガー》が空気の壁を垂直に駆け登る。疾く、ただ疾く。高く、ただ高く。
197: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:10:19 ID:HB2TP8jvhc
軍人風の男「《シューティングスター》」

空駆ける獅子が天を越え、そして失墜する。元の速度に重力を合わせ、獅子の姿はもはや視認出来ない。

《B=ドライガー》の牙が輝く。ここに一つの流星が発現する。
198: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:11:29 ID:HB2TP8jvhc
余談2
声のイメージ

穂村健太 石田彰
中原茉巳 豊水めぐみ
二宮金二郎 飛田展男
西郷並盛 中田譲治
奈良の方 うえだゆうじ

博士(穂村亘) 秋元洋介
芝ちゃん(芝崎輝) 諏訪部順一

モヤイ 清水愛
マーライオン 大谷育江
ジーン 置鮎龍太郎
月影 山寺宏一
首領 速水奨

Secret(32) 豊水めぐみ
Secret(22) 鳥海浩輔

敬称略
199: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:12:14 ID:jXTA59XFaU
豪華過ぎてなにがなんだかwww
200: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:12:49 ID:HB2TP8jvhc
今日はここまでで、失礼致しますー
201: 名無しさん:2011/7/3(日) 03:16:28 ID:LJFDLnS9t.
>>199
やっぱり?wwwでも、石田さんと速水さんと飛田さんは外せないw
202:
◆DPehMNPNeE:2011/7/5(火) 04:06:08 ID:Gac0pHUslk
言葉を発する間もなく衝撃が走る。左側面の簡易装甲が吹き飛んだのが視界の隅に映った。

墜ちた流星はそのまま空間を破壊していく。音が、消える・・・
203: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:07:48 ID:Gac0pHUslk
少女「修復、推進剤の流出が激しいわ。急いで!」

少年(なんだ・・・あれは?なんだ、なんなんだ!?)
204: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:09:46 ID:Gac0pHUslk
少女「サーベルを使う!!」
少年「でも、この距離じゃ・・・」

少女「こうすれば良いのよ」

茉巳は笑う、引き攣った笑み。いつも通りの笑い方。
205: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:12:27 ID:Gac0pHUslk
振りかぶり、サーベルをライオンに投擲した。

少女「それぐらい、想定内よ」
回避運動を取ろうとするライオンを見て、予想が当たり思わず頬が緩む。

投げつけた《サーベル》をライフルで撃ち抜く。《サーベル》は爆発し、閃光と共にライオンを爆風に巻き込む。
206: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:13:33 ID:Gac0pHUslk
ついでとばかりに後続の大半をも消し飛ばし、後には残骸と砂埃を残した。



少女「汚い花火ね。それに、随分と脆いわ」
207: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:14:24 ID:Gac0pHUslk


砂埃が治まり、視界が晴れる。すると、爆心地のクレーターの上に雄々しく立つライオンがいた。
208: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:18:18 ID:Gac0pHUslk
少年「効いて、ない・・・・・・そんな・・・」
少女「なんですって!?冗談じゃないわ」

少女「こうなるんだったら、サーベルを犠牲にしなければよかったわね」
209: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:19:53 ID:Gac0pHUslk
汗が滲み、呼吸が荒くなる。信じられない。今までどんな敵にも致命傷どころか、粉微塵にしたサーベルが効かない!?

想定外だ・・・装甲があまりにも厚過ぎる。もし、まともにサーベルを当てたとしてもどれだけダメージを与えることが出来たのやら。想像するだけで恐ろしい。
210: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:21:31 ID:Gac0pHUslk
いきなりライオンから音声が発信される。

音声「少々驚かされたが、リバティーにはもう対抗策はないだろう。私は知っている。降伏をし、リバティーを渡して頂こうか」

どういう、ことだろうか。リバティーを知っている?
211: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:23:02 ID:Gac0pHUslk
何と無く聞き覚えのある声。誰だったか。
確かに対抗策はないが、優越感に満ちたような態度が気に入らない。そう、気に入らないのだ。
212: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:25:05 ID:Gac0pHUslk
音声「三分間、待ってやる。よくよく考えるのだな」

どこまでも偉そうに・・・
歯噛みするも、どうしようもない。力の差はついさっき見せつけられている。分かってしまった。

けど、それでも。アタシ達は・・・
213: 名無しさん:2011/7/5(火) 04:26:09 ID:Gac0pHUslk
本日はここまでで、失礼致します。
214: 名無しさん:2011/7/5(火) 06:27:19 ID:YgxuUT4qEk
むすかW

つC
215:
◆DPehMNPNeE:2011/7/6(水) 01:33:07 ID:U8fn9ge1N2
>>214
支援、ありがとうございますー
はいwムスカです、ついでに言えばあちこちに小ネタは仕込んであります。
216: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:33:52 ID:U8fn9ge1N2
街のど真ん中に女神とライオンが相対している。何の冗談かと言いたくなる光景。

もはや、それくらいは日常となりつつある。
217: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:35:31 ID:U8fn9ge1N2
老人(あれからこれだけの月日を掛けて、米国はたかがあの程度だと。あの程度で満足しているだと!?ふざけるな・・・こんなことだから儂らは・・・・・・・・)

中原の予想通りになってしまった。準備は無駄にならなくて済んだが、虚しさが募る。苛立ち、震える腕を体で抑え込む。
218: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:37:16 ID:U8fn9ge1N2
元凶。ヤツらゴルゴムが憎い
中原にこんな決断をさせた世界が憎い
無力な米国、日本。世界各国が憎い
そして、中原を止めなかった自分が憎い

憎い、許さない、憎い、許さない、憎い、許さない、憎い、許さない、憎い、許さない、憎い、許さない、憎い、許さない、憎い、許さない、憎い、許さない、憎い、許さない。
219: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:39:28 ID:U8fn9ge1N2
老人「ん・・・アァッ」
無理矢理にでも声を捻り出す。

老人「茉巳君、ギアをトップに。タービンフル回転。プログラム《リバーシ》を起動」

老人「・・・・・・・・・君の、茉巳君のための力だ」
深呼吸をしたら、少し落ち着いて声を出せた。

老人(中原・・・終わりが始まったよ。《僕等》の終わりが)
220: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:42:07 ID:U8fn9ge1N2
少女「《リバーシ》?」
博士の言葉にただならぬものを感じながらも、指示通りに操作をする。

途中。慣れない操作に手間取りながらも、なんとか起動までこぎつける。

プログラム《リバーシ》
モニタに大きく映る。文字。背景は・・・・・・ママだ。

少女「う・・・・・・・・・・そ・・・・」
221: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:44:27 ID:U8fn9ge1N2
白。澱みのない、白の装甲のリバティーが変化する。造り換えられる。真っさらな想いは黒く塗り潰され黒色の女神となる。

今までのリバティーとは別の存在・・・。確信する。リバティーには勝負のついた盤面すらひっくり返す力がある。
222: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:45:13 ID:U8fn9ge1N2
涙が自然に出る。ママの感情がリンクしているのかと思ってしまう。何故だろう。
リバティーはママに似過ぎている。顔立ち?雰囲気?わからない、でも似ている。
223: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:46:46 ID:U8fn9ge1N2
リバティーが手に持っていたショットガンがゆっくりと溶ける。更には鎚もライフルも全て。

女神に武器は似合わない、そう世界が定めたように引き剥がされてゆく。空間が、歪む。
224: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:49:45 ID:U8fn9ge1N2
音声「嘘だッッッ!!!」
沈黙していた音声が再び聞こえる。もはや、先程までの余裕はなく半狂乱だ。

音声「何故だ・・・何故《人造神機》が神気を帯びているッッ!!」
音声「有り得ん・・・有ってはならない。我が国が1番であらなければならないのだ!!!」
225: 名無しさん:2011/7/6(水) 01:50:34 ID:U8fn9ge1N2
本日はここまでで失礼致しますーノシ
226: 名無しさん:2011/7/6(水) 09:39:00 ID:I96X6d0KFw
レナwwwww
227:
◆DPehMNPNeE:2011/7/7(木) 16:28:35 ID:.kFKx6uqCw
>>226
ばれたw違和感なく滑り込ませたつもりが・・・
228: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:29:42 ID:.kFKx6uqCw
老人「・・・・・・・・、中原のレポートを知っているかね?」

229: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:30:20 ID:.kFKx6uqCw
老人「彼は、《想い》こそが神気の源だと言っておった。愛着、宗教、恨み、悲しみ。その《想い》が重なり、やがて神の高みへと至ると」

老人「まあ、普通科学者はそんなものを鵜呑みにはせんがね」
230: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:31:21 ID:.kFKx6uqCw


老人「もし・・・・。もし人間一人分の《想い》を《人造神機》に詰め込んだらどうなると思う?」
231: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:32:11 ID:.kFKx6uqCw
老人「これが、その答えだ」

232: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:32:58 ID:.kFKx6uqCw
理解が、追いつかなかった。博士は何を言っているんだろう?
233: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:33:38 ID:.kFKx6uqCw
気付けば、涙が胸元まで流れていた。そういう事なのだろう。薄々考えてはいた。だが、毎回目を逸らしていた。

アタシは弱いから。戦闘中に涙を流してしまうぐらいに・・・

234: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:34:31 ID:.kFKx6uqCw
ママはアタシのせいで、死んだ。
ママはアタシのために、死んだ。

アタシのせいで死んだんだから、アタシには泣く資格はない。
アタシのために死んだんだから、アタシは遺志を継いでゴルゴムを倒さなければならない。
235: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:35:17 ID:.kFKx6uqCw
全部、わかっていた。わかっていたんだ。
236: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:36:43 ID:.kFKx6uqCw
音声「何を馬鹿な事を言っている・・・それで仮に神気を宿したとして、指向性を持たせるなんて不可能だ!!夢物語だ!」
音声「こんなことは、有り得ないんだ。認めない、私は認めない・・・・・・・」
237: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:37:26 ID:.kFKx6uqCw
老人「それだけ、母の愛は強いということなのだろうよ」
238: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:41:20 ID:.kFKx6uqCw
音声「・・・では、その力見せて頂きましょうか。どちらが《月影王》を倒す器か、ね」

理解が出来ない。いや、納得が出来ない。

黙っていられるものか!こちらにも意地がある。イレギュラーの一つや二つで引くなど、私を私自身が許さない。
239: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:42:30 ID:.kFKx6uqCw
音声「今度は核を狙う・・・・・・舞い上がれ《B=ドライガー》!!!」

またもや、《B=ドライガー》が空気の壁を垂直に駆け登る。疾く、ただ疾く。高く、ただ高く。

ただ一人昇る高みを目指して。
240: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:43:05 ID:.kFKx6uqCw
軍人風の男「散るがいい!《シューティングスター》!!!」

空駆ける獅子が天を越え、そして失墜する。元の速度に重力を合わせ、獅子の姿はもはや視認出来ない。

全て先程の繰り返し。異なるのはリバティーの色ぐらいか。
241: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:43:37 ID:.kFKx6uqCw
モノクロの世界に、流星が煌めく。
242: 名無しさん:2011/7/7(木) 16:44:18 ID:.kFKx6uqCw
本日はここまでで失礼をば
243:
◆DPehMNPNeE:2011/7/10(日) 01:57:17 ID:3Bgiz2sYOA
流星が失墜する。

牙がリバティーの胸元を掠め取るのを見た。少なくともジーンはそう感じた。
244: 名無しさん:2011/7/10(日) 01:58:30 ID:3Bgiz2sYOA
だが、次の瞬間。
そんなものはまやかしだと、希望的観測だったのだと。吹き飛んだ、《ドライガー》の右腕の残骸を発見して理解した。
245: 名無しさん:2011/7/10(日) 01:59:04 ID:3Bgiz2sYOA
なまじ、神気に詳しい自分が恨めしい・・・。
恐らく、リバティーの神気に耐え切れず吹き飛んだのだろう。
246: 名無しさん:2011/7/10(日) 01:59:42 ID:3Bgiz2sYOA
近付く事すら許されなかった。そういう事だ。
247: 名無しさん:2011/7/10(日) 02:00:21 ID:3Bgiz2sYOA
握る拳から血が溢れる。久々に感じる悔しさ。何年ぶりだろうか。

もう、後の事など知らん。この《人造神機》に。今、勝ちたい・・・
248: 名無しさん:2011/7/10(日) 02:01:27 ID:3Bgiz2sYOA
無線に向かい、叫ぶ。

軍人風の男「《デス・スター》を動かす。責任は私が取る」
軍人風の男「我等は、我等は世界の警察なのだ。退くという選択肢はない!!」
249: 名無しさん:2011/7/10(日) 02:01:59 ID:3Bgiz2sYOA
建前だと自分でも分かっている。だが、戦士の血のたぎりを抑える術を知らない。

きっと、この先大きな戦争は無くなるだろう。彼らか、私達の手によって。
250: 名無しさん:2011/7/10(日) 02:03:05 ID:3Bgiz2sYOA
ああ、幕の引き方はとうに心得ている。死に方ぐらい選ばせろ。
251: 名無しさん:2011/7/10(日) 02:04:11 ID:3Bgiz2sYOA
本日はここまでで、失礼しますー
252:
◆DPehMNPNeE:2011/7/11(月) 02:04:17 ID:2GFlP0phLQ
初めて神機を見たその時から。私は惹かれていた。美しいフォルム、強過ぎて吐き気を催す程の力。
253: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:04:55 ID:2GFlP0phLQ
これだ、このバケモノこそ私が倒すべき敵。全ての力を出し切れる、許される敵だ。そう、人類の敵。
254: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:05:38 ID:2GFlP0phLQ


これは天啓だ。

255: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:06:37 ID:2GFlP0phLQ
怯える同期を無視して、ただただ眺めていた。初めて人前で声を上げて笑った。止めようにも、止められなかった。

こんな愉快な事は二度とないだろう。夢のようだ。
子供の頃の父親からのプレゼントや、数多の戦場より遥かに胸躍る。そう思った。
256: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:08:18 ID:2GFlP0phLQ
後に、空軍を辞めて開発に携わり、《保安課》という名の隠れ簔を被って戦場に舞い戻った。私に出来る事を余す事無くやり切った。それは今も同じ。
257: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:09:08 ID:2GFlP0phLQ
そして、ここに至る-----。
258: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:10:19 ID:2GFlP0phLQ
神機をも超える《人造神機》
目指したものが確かにある。《B=ドライガー》、リバティー。

何故、こうまで差がついた?

そんなものはどうでもいい・・・・・・

今は全力を出せる戦に悦びをぶつけるのみ。
259: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:11:42 ID:2GFlP0phLQ
《デス・スター》がレーダーの範囲内に入る。

起動要塞《デス・スター》。ミサイルを主兵装とし、内部で《量産型マーライオン》を生産出来る兵器。

自身が開発した物が運用されるのを目にするなんて、堪らない。全てはこの日の為に。
260: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:12:31 ID:2GFlP0phLQ
これ程の幕はそうない。これが、私の全てだ。
261: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:13:31 ID:2GFlP0phLQ


《デス・スター》が速度を上げた。急激に、本来出来ようもない速さで。

違和感を感じる前に《デス・スター》に《ドライガー》ごと押し潰され、ジーンの意識は刈り取られた。
262: 名無しさん:2011/7/11(月) 02:15:23 ID:2GFlP0phLQ
本日はここまでで失礼致します。
263:
◆DPehMNPNeE:2011/7/13(水) 02:22:10 ID:jhPuSRugYY
空が墜ちてくる-----。




264: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:22:40 ID:jhPuSRugYY
反射的に避けた。良く避けられたものだ。
これも《リバーシ》による能力向上のおかげか、冷や汗を掻きつつ周囲を見渡す。
265: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:23:36 ID:jhPuSRugYY
ライオンは・・・。いや、今はいい。
゙何故"この《隕石のようなもの》は墜ちてきた?
266: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:24:28 ID:jhPuSRugYY
偶然か?いや、そんな甘い考えじゃいけない。今は、《戦争》中なのだから・・・・・・・・・・・・。
267: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:25:07 ID:jhPuSRugYY


気付けば、何かが視線の先にいた・・・。
268: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:25:42 ID:jhPuSRugYY
白銀の、騎士-----。
269: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:26:29 ID:jhPuSRugYY
笑っているのだろうか、奇声がこだまする。機械のような体を大きく震わせている姿が見えた。
270: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:27:02 ID:jhPuSRugYY
少しの違和感。
緩やかに植物は枯れ果て、ビルはひび割れ崩壊する。
271: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:28:13 ID:jhPuSRugYY
体が震えている。怖い。怖い。怖い。
272: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:28:46 ID:jhPuSRugYY
アレに触れてはならない-----。
アレには敵わない-----。
273: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:29:49 ID:jhPuSRugYY
後ろから呟く声が聞こえた。
《月影王》シャドームーンと。
274: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:30:39 ID:jhPuSRugYY
本日はここまででー、サラバーノシ
275:
◆DPehMNPNeE:2011/7/14(木) 07:14:22 ID:fDMi/gFbk2
堪らず振り向くと、二宮ともう一人仏像がいた。
276: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:15:07 ID:fDMi/gFbk2
二宮「丁度、か。西郷どんを置いてきたのは良い判断だったみたいだな」
仏像「マア、西郷どんは忙しいみたいだの、犬が逃げたとかなんとか」

二宮「相変わらずで良い事だ」
277: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:15:41 ID:fDMi/gFbk2
にこやかに談笑している二人に気が抜ける。

278: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:17:07 ID:plb9JOYtVo
少年「まったく、重役出勤も良いトコだぜ・・・・・・」
少年(久しぶりだな・・・。まったく、楽しそうに笑いやがってこの野郎)

ほっと息をつく。パニックになりそうだった心も噛み付いたら少し落ち着いた。

《シャドームーン》は何かとは、この際気にしないことにする。処理が追いつかない。
279: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:17:55 ID:plb9JOYtVo
二宮「大事なときには間に合ったろう?まあ、良く頑張った。後は大人の仕事だ。なあ、奈良の」

仏像「ウム」
奈良の、と呼ばれた仏像は、愛想などかけらもなく頷く。
280: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:18:27 ID:plb9JOYtVo
もしかしなくても、あの有名な大仏様か。荒唐無稽な出来事には慣れたハズだが、驚きは隠せない。これは仕方ないのだろうか。



281: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:19:05 ID:plb9JOYtVo
二宮「よし。拙者が護りに入るから、攻撃を頼む」
背のマキを全て渡す二宮。既に先程とは表情が違う。
282: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:19:47 ID:plb9JOYtVo
仏像「ホウ、大盤振る舞いだの」
二宮「釣りはいらん。考えてもみろ相手は月影王だ。安いものさ」

仏像「アア、そうさな・・・・・・」
何かを砕くような音を立てながら、首を伸ばす仏像。
283: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:20:23 ID:plb9JOYtVo
二宮「ヤツを倒せば拙者が最強の神機。これは燃えるな」
二宮「何より、幼子にも大人気。間違っても手など抜けんさ」
284: 名無しさん:2011/7/14(木) 07:21:32 ID:plb9JOYtVo
ありゃ、途中でIDが変わっとる。珍しいw今日はここまでで失礼をば。
285: 名無しさん:2011/7/14(木) 13:18:00 ID:sqMBjNDvfQ
し、支援しちゃうんだからねっ
286: ◆DPehMNPNeE:2011/7/17(日) 03:27:02 ID:I9nWBJn3qw
>>285
か、感謝しちゃうんだからねっ
287: 名無しさん:2011/7/17(日) 03:28:13 ID:I9nWBJn3qw
仏像「サテ、出来るならここは力試しでもしたいの。二宮は勝率はどのくらいと見るかな」

二宮「見たところ、リバティーなら良くて二割、奈良のや拙者なら三割強といったところか?二人合わせてとんとんといった辺りかと思うが」
288: 名無しさん:2011/7/17(日) 03:28:55 ID:I9nWBJn3qw
仏像「似たような判断か・・・。だが、我はお主が思っているより強いぞ?」
仏像「と、なると我の勝率は四割程度、お主は三割強。二人合わせれば、いくらか分が良いかの」

不敵に笑う仏像。
289: 名無しさん:2011/7/17(日) 03:29:50 ID:I9nWBJn3qw
二宮「待て、拙者も奈良のが思っているより強いぞ?」

同じく笑う二宮。
290: 名無しさん:2011/7/17(日) 03:31:16 ID:I9nWBJn3qw
仏像「ならば、これは落ちてる小銭を拾うようなもの。負けようがないの」

二宮「そうだな。最強の神機とやらも大したことはないようだ。強過ぎるのも考えものだな」
言いながら懐から様々なグッズを空に投げ放つ。
291: 名無しさん:2011/7/17(日) 03:32:18 ID:I9nWBJn3qw
本、DVD、CD、ギャルゲ、erg、ゲーム、設定資料集、画集、抱きまくら、フィギュア、Tシャツ、トレカ、ポストカード、テレカ、ポスター、タペストリ、おっぱいマウスパッド、目覚まし時計、携帯ストラップ、袋etcetc・・・

実用的なものから、飾りにしかならないもののまでの数々。同じものも複数見受けられる。
292: 名無しさん:2011/7/17(日) 03:33:00 ID:I9nWBJn3qw
二宮(見よ、これが拙者の魂よ!!!!!!!!!!)

そして、それぞれが空にて発光し《神気》に変わる。
293: 名無しさん:2011/7/17(日) 03:34:13 ID:I9nWBJn3qw
本日はここまでで失礼をば。
294:
◆DPehMNPNeE:2011/7/18(月) 07:42:39 ID:IDiep1a1Xo
《シャドームーン》と相対する二宮と仏像。

互いに擦り足で間合いが少しずつ詰め、やがて接敵範囲内に納まる。
295: 名無しさん:2011/7/18(月) 07:43:18 ID:IDiep1a1Xo
サーベルで切り掛かる《シャドームーン》を二宮はリズム良く本でいなす。サーベルと本が触れる度、火花のように《神気》が弾けて光る。
296: 名無しさん:2011/7/18(月) 07:44:14 ID:IDiep1a1Xo
月影王「ピャアアアアッッ!フォワアアアアッッ!!アアアアアアッッ!」
二宮「ぐううっ・・・!!ふざけたヤツだ!耳が痛い」

金属音のような声が二宮を苛む。二宮と《シャドームーン》が打ち合っている間にも周囲の物は崩れ落ちて行く。
297: 名無しさん:2011/7/18(月) 07:45:29 ID:IDiep1a1Xo
仏像「サテ、あまり隙がないのう・・・」

仏像「まずは、一つ・・・。華厳肆十伍式。破ァ!」
仏像がマキを左手で砕くと《シャドームーン》の左手が爆発する。爆風で二宮と《シャドームーン》の距離が僅かに開く。
298: 名無しさん:2011/7/18(月) 07:46:15 ID:IDiep1a1Xo
二宮「おい、無傷だぞ?手を抜くなよ横着モンが」
仏像「肩慣らしさね。マア、騒ぐな」
299: 名無しさん:2011/7/18(月) 07:47:43 ID:IDiep1a1Xo
首を回してため息を一つ。

仏像「流石に45%では足りなかったかな。45、60・・・80%、そしてこれが・・・」

仏像「100%中の100%だ・・・。華厳佰捌式。破ァ!!」
300: 名無しさん:2011/7/18(月) 07:48:33 ID:IDiep1a1Xo
各指でマキをまとめて砕き、華厳を放つ。破ァ!!と叫ぶ声を境に、飽和する光に包まれ視界が全て閉ざされ、激しく金属音がこだまする。
301: 名無しさん:2011/7/18(月) 07:49:05 ID:IDiep1a1Xo
今日はここまでで失礼致しますー
302:
◆DPehMNPNeE:2011/7/21(木) 17:55:30 ID:pPl7VevLuU
仏像「手応えなしか、ほんにかったいのう・・・」

言葉通り、《シャドームーン》はまだ健在だ。白銀の装甲が大分剥げてはいるが、致命傷にはまだ足りない。
303: 名無しさん:2011/7/21(木) 17:56:03 ID:pPl7VevLuU
仏像「悪い、二宮。マキも神気ももうないし、手は尽きたわ」

肩を回し、首を回し、背中を叩きながら仏像はあっさり言い放つ。
304: 名無しさん:2011/7/21(木) 17:57:21 ID:pPl7VevLuU
----------。

突如、耳に伝わる金属音が更に強くなる。
305: 名無しさん:2011/7/21(木) 17:58:18 ID:pPl7VevLuU
《シャドームーン》から微かな光が顕れる。二宮達が金属音に怯んでいる間に、光は線となり仏像を貫かんと迫る。

二宮「避けろ!奈良のッッ!!」
仏像「・・・・・・・・・・ッッ!!!」
306: 名無しさん:2011/7/21(木) 17:59:18 ID:pPl7VevLuU
光が仏像を割く、切り裂くのではなく分断するように割れる。まるで、元から二つであったかのように自然と肩から腕が落ちた。

回避体勢を取っていたおかげで胴は避け、被害は腕のみに止まった。これは幸運と言って良いだろう。
307: 名無しさん:2011/7/21(木) 18:00:00 ID:pPl7VevLuU
仏像「油断したの。腕を持ってかれた。しゃあない、後は任せた」
世間話でもするように話す仏像。その場で胡坐を掻き、大声で笑う。
308: 名無しさん:2011/7/21(木) 18:00:38 ID:pPl7VevLuU
金属音と笑い声は混ざり、反響する。
309: 名無しさん:2011/7/21(木) 18:01:25 ID:pPl7VevLuU
本日はここまでで失礼致します。
310:
◆DPehMNPNeE:2011/7/23(土) 18:47:51 ID:.RFUtWgkqY
二宮「簡単に言ってくれる」
二宮「開け、《魔導書》・・・」

二宮の手の中の本が新たなページを開く。
311: 名無しさん:2011/7/23(土) 18:48:29 ID:.RFUtWgkqY
描かれた少女達の笑顔が眩しい。嫁の笑顔は生きる支えだ。
312: 名無しさん:2011/7/23(土) 18:49:13 ID:.RFUtWgkqY
有名な言葉で、現実などクソゲーだ等もある。虹嫁はこの暗い世の中を照らすただ一つの灯台、なのかもしれない。
313: 名無しさん:2011/7/23(土) 18:50:34 ID:.RFUtWgkqY
このページには、コミパのカタログ数十冊が凝縮されている。夏の日の、冬の日の、一年の漢達の情念の象徴・・・。思い出が駆け抜け、胸が熱くなる。

纏わり付くような神気は聖遺物を彷彿とさせる程だ。
314: 名無しさん:2011/7/23(土) 18:51:03 ID:.RFUtWgkqY
二宮「《ポン=デ=リング》」
二宮の神気が空間を支配する。砕けた《シャドームーン》の装甲は瞬く間に消え失せた。

だが、これだけでは終わらせない。
315: 名無しさん:2011/7/23(土) 18:52:03 ID:.RFUtWgkqY
二宮「全ての悲しみに別れを、《ポン=デ=ライオン》」

神気で巨大な獅子を創る。獅子は《シャドームーン》に食らい付き、削り取った神気を撒き散らす。
316: 名無しさん:2011/7/23(土) 18:52:28 ID:.RFUtWgkqY
削り取り、吸収した神気を使い再び削り取る。神経が悲鳴を上げているが、歯を食いしばり耐える。
317: 名無しさん:2011/7/23(土) 18:56:58 ID:.RFUtWgkqY
二宮(ああ・・・嫁が、魂がこんなものと心中か・・)

グッズを、《魔導書》を犠牲にして得た神気が湯水のように消える。同じく《シャドームーン》の神気も。

あってはならない力が自壊して行く過程に似ている。脳裏に浮かんだ感傷的な思いを振り切り、戦いを終わらせた。
318: 名無しさん:2011/7/23(土) 18:57:29 ID:.RFUtWgkqY
本日はここまでで失礼致します。
319: 名無しさん:2011/7/25(月) 22:31:51 ID:XtRb1Fs4Xk
嫁のくだりに不覚にもワロタ
320: ◆DPehMNPNeE:2011/7/26(火) 01:31:59 ID:B7zCp5aZko
>>319
一般人には笑えてしまう感覚でも、我々逸般人にとっては事実であり、確かな希望なのです。日常生活に必要な必須ビタミン。ビタミンM(萌え)なのです。

そもそも日本にはやお八百万の萌えが存在し、古くは伊弉諾に始まり天そ(ry
321: 名無しさん:2011/7/26(火) 01:32:39 ID:B7zCp5aZko
二宮「終わった、か」
322: 名無しさん:2011/7/26(火) 01:33:20 ID:B7zCp5aZko
仏像「そうだの・・・詰まらんな」

二宮「戦いなどこんなものさ。本当に詰まらんな、奈良の」
323: 名無しさん:2011/7/26(火) 01:34:01 ID:B7zCp5aZko
二宮「一段落ついたら、遠くに、旅に出ようか。遠くに」
二宮「また一つ増えた神機を片付けてから、な」

仏像「しゃあない、ナア。しっかし、西郷どんは面倒事を避けるのが上手い、今度御教授お願いしたいところだわ」
324: 名無しさん:2011/7/26(火) 01:34:38 ID:B7zCp5aZko
二宮「拙者も切実に思うよ、まったく・・・」
二宮「月影王もわざわざ日ノ本に来る必要などなかっただろうに」

二宮「今度は何が来るやら・・」

325: 名無しさん:2011/7/26(火) 01:35:14 ID:B7zCp5aZko
仏像「リトルボーイやファットマンではないのは確かだろうなア」

二宮「笑えない冗談だな」
326: 名無しさん:2011/7/26(火) 01:36:21 ID:B7zCp5aZko
眉を寄せ、天を仰ぐ二宮。雨が額に当たる。

風も冷たい。嫌な天気だ。
327: 名無しさん:2011/7/26(火) 01:37:05 ID:B7zCp5aZko
本日はここまででお暇しますーノシ
328:
◆DPehMNPNeE:2011/7/28(木) 00:40:31 ID:P3Kuehp7Mg
また一人神気に惹かれ《神機》がやって来る。

消えた建物。消えた月影王。荒れ地を飛び越えて無に戻ったこの地。
329: 名無しさん:2011/7/28(木) 00:41:18 ID:P3Kuehp7Mg
ついて行けない。現実に。
330: 名無しさん:2011/7/28(木) 00:42:13 ID:P3Kuehp7Mg
見たくない。現実など。
331: 名無しさん:2011/7/28(木) 00:42:42 ID:P3Kuehp7Mg
だって-----。

だって----------。
332: 名無しさん:2011/7/28(木) 00:43:52 ID:P3Kuehp7Mg
今、目の前にいた奈良の方が何故か“いなくなっている”のだから。
333: 名無しさん:2011/7/28(木) 00:46:01 ID:P3Kuehp7Mg
奈良の方がいた場所には見知らぬ“神機”が居座っていた。見知らぬヤツは笑っている。笑って、いる。

嘲笑う声、声、声。
334: 名無しさん:2011/7/28(木) 00:47:34 ID:P3Kuehp7Mg
怒声を上げて突っ込む二宮。“神機”は二宮より遥かに速く間合いを詰め、二宮の頭を掴み握り潰した。

綺麗に、ツブレタ。朱い花火が飛び散る。
335: 名無しさん:2011/7/28(木) 00:48:58 ID:P3Kuehp7Mg
テシタヨリヨワイシュリョウガイルトデモオモッタカ?
音が脳を通り抜ける。

二宮が霧散して、消えた。

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッーーーーーーーーーー。
336: 名無しさん:2011/7/28(木) 00:50:22 ID:P3Kuehp7Mg
本日はここまでで失礼をば
337: 名無しさん:2011/7/28(木) 16:16:20 ID:arwVIe7vNo
二宮アアアアアアッ!
338: 名無しさん:2011/7/28(木) 21:03:42 ID:C5K.9h26vo
死亡フラグだったのか…
339:
◆DPehMNPNeE:2011/7/29(金) 18:22:48 ID:YtoxVvU4qw
>>337-338
読んで頂き、ありがとうございますー
340: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:23:40 ID:YtoxVvU4qw
黄金の巨人----------。

忘れもしない。あの姿、声、強靭さ、速さ。


341: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:24:26 ID:YtoxVvU4qw
まるでスタート地点に戻ったようだ。初めて見た《神機》、初めて災害となった《神機》。リバティー開発のきっかけとも言える生きる災害。
342: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:24:58 ID:YtoxVvU4qw
ヤツは壊れた《神機》だった。
神気に惹かれては顕れ、全てを破壊し尽くし、そのまま嘲笑と共に消え去る悪魔。
343: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:25:36 ID:YtoxVvU4qw
中原を、中原の妻を犠牲にして始めた今までの道、無駄にはしない。

344: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:26:16 ID:YtoxVvU4qw
ここまで来るのに犠牲が出る事は承知だった。
奈良の方、二宮金二郎。見方を変えれば米国や茉巳に健太も犠牲と言えるだろう。
345: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:27:22 ID:YtoxVvU4qw
言い訳はしない。儂が望み、決めた事だ。
責任はある。重過ぎて取り切れない程の責任が。

全て理解している。
346: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:27:58 ID:YtoxVvU4qw
これが最後の犠牲、最期の仕上げだ。
347: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:28:48 ID:YtoxVvU4qw
さあ、儂と幕を引こうか。悪魔よ、貴様のグラン・ギニョールももう終幕だ。
348: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:29:53 ID:YtoxVvU4qw
プログラム。《リバーシリバーシ》
力という真理に従い永久に眠れ。
349: 名無しさん:2011/7/29(金) 18:30:34 ID:YtoxVvU4qw
本日はここまでで失礼致します。
350:
◆DPehMNPNeE:2011/7/31(日) 02:10:36 ID:5lQrkeeKzA
少年「おい、おい二宮。冬コミ一緒に行くんじゃなかったのかよ・・・」
351: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:12:20 ID:5lQrkeeKzA
少年「強過ぎて困る程強いんだろ?どこ言ったんだよ。まだ戦い方も教わり足りないし、話しもあるんだ」

少年「幼子を遺してあっさり死ぬような、そんなふざけた守護神なんて俺は認めないぞ」
352: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:13:24 ID:5lQrkeeKzA


少年「絶対、認めて堪るかよ」
353: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:15:03 ID:5lQrkeeKzA


老人「・・・・・・・・・・健太君。目の前の敵を見ろ、ヤツを倒せ。さもなくば、死ぬ」


老人「茉巳君。ヤツが、君の父さんのカタキだ。君の母さんが君を護る為に死んだ相手でもある」
354: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:17:32 ID:5lQrkeeKzA
老人(卑怯よな、頑是ない子供達にこの仕打ち、か)

老人(それも今更か・・・。これくらいで弱気になるとは、儂も歳を食ったものだ)


老人「健太君。プログラム《リバーシリバーシ》起動だ。操作はこちらでする」
355: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:19:45 ID:5lQrkeeKzA
少年「じいさん!おい!!様子がおかしくないか?ふざけるなよ、リバーシって事はまた誰かの命を使って戦うってのか?」

変なところで勘が良い・・・幸せになれんぞ?
思った言葉を飲み込み作業に集中する。
356: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:26:34 ID:5lQrkeeKzA
流れは身に染みついている作業だ。すぐに、終わった。

老人「目の前の事に全力を出せない人間に未来を語る資格などありはせんよ」

視線に揺らがない、揺らぐと困るのは健太だ。だから畳み掛ける。
想いのカケラすら言葉に出す事の出来ない歯痒さ、苛立ち、自嘲。感情が流れ行く。

馬鹿な事だ。歳を食っても何も満足に出来やしない。でも、それはこれが最期だ。

老人「安い買物だ。老人の命一つで命が幾つも助かる。どっちみち長くは無いだろうしな・・・」
357: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:27:30 ID:5lQrkeeKzA
《リバーシリバーシ》と流れ行く文字。様々な駆動音が、聞いた事が無い程騒ぎ立て、不協和音を奏でる。
358: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:28:36 ID:5lQrkeeKzA
少年「なんでだよ、なんでなんだよ・・・・・・そんなに、軽い訳ないだろ・・・・・・・・」

こんなときに笑うなよ、クソジジイ-----------。
359: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:29:36 ID:5lQrkeeKzA
じいさん、穂村亘が力無く倒れるのがモニタに映った。
360: 名無しさん:2011/7/31(日) 02:30:23 ID:5lQrkeeKzA
本日はここまでで失礼致しますー
361: ◆DPehMNPNeE:2011/8/1(月) 01:58:25 ID:e.IWrPEkZA
人気が無いのは分かっておりましたがキツイw

我が道を行きまする。
362: 名無しさん:2011/8/1(月) 01:59:41 ID:e.IWrPEkZA
リバティーが、換わる。
守護者の白色でも、復讐者の黒色でもなく、“抹殺者”の無色に。
363: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:00:47 ID:e.IWrPEkZA
人知を超え、《神機》を超えて無法を正す力。

穂村亘が渇望した力。
364: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:02:46 ID:e.IWrPEkZA
黒の《放出》の神気と白の《吸収》の神気がうねる。

通常、《神機》は三つある内の一つの属性しか有しない。相反して自壊を引き起こすからだ。

リバティーは白と黒、二つで一つの《人工神機》。内部で分離している事により、自壊のリスクを減少させて動いている。

尤も、それを理解している人間はもはやいないブラックボックスだが。
365: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:03:58 ID:e.IWrPEkZA
機械仕掛けの女神が想いの力で煌めく。
それがたとえ黒く濁った復讐心や、灰に塗れた悲しみであっても・・・。

全てを受け入れて、微笑を浮かべる。全てを許さず、この世から消し去る。グレーゾーンをたゆたう危うい均衡。
366: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:05:28 ID:e.IWrPEkZA
神気を引き寄せては突き放す。引き寄せては突き放す。そして、やがては神気に耐え切れずに物質は消える。それがリバティーの、力。
367: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:06:46 ID:e.IWrPEkZA
中原。ついに出来たよ、僕等が望んだ力だ。
368: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:10:59 ID:e.IWrPEkZA
この期に及んで“神機”はまだ笑っている。嘲笑。何が可笑しいのか。もしくは何も感じることはないのか。

宙をふらつく視線が印象的だ。
369: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:12:27 ID:e.IWrPEkZA
少年「人が、人が死んだんだぞ・・・。二宮が、奈良の方が、じいさんが」
少年「命は大切なんだよ、それも分からないようなヤツは生きていてはいけないんだ・・・」

涙を拭う。涙が流れる。また、ヤツが嘲笑う。
370: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:16:06 ID:e.IWrPEkZA
少年「怒り、嘆き、悲しみ、愛全て。ここにある全ての想い、使うぞ」

視界が、歪む。感覚が無くなる。例えるなら、全てが自分であり自分が全てになる感覚。神気が外から流れ込む。

二宮、奈良の方、ジーン、名も知らない逃げ遅れた人々。
それに茉巳の母さんとじいさん。

全部、無駄じゃなかったんだ。無駄にしない。
371: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:16:57 ID:e.IWrPEkZA



湧き出す万能感-----。




372: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:18:38 ID:e.IWrPEkZA
《放出》と《吸収》で挟み、“神機”に動きを封じる。ヤツにはもう何もさせない、赦さない。これで釘付け、ただの人形。処刑を待つ罪人。
373: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:22:18 ID:e.IWrPEkZA
少年「ここからいなくなれーーッッッッ!!」

想いのたぎるままに叫ぶ。喉が、焼ける。

指で“神機”の腹に触れた。《放出》と《吸収》を“神機”に
繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し通し自壊させる。
374: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:24:10 ID:e.IWrPEkZA
“神機”は消えた。抹殺した。二度と戻らない。
375: 名無しさん:2011/8/1(月) 02:25:00 ID:e.IWrPEkZA
本日はここまでで失礼致します。
376:
◆DPehMNPNeE:2011/8/2(火) 21:54:18 ID:hKejtaqnFk
少女「終わった、のね」

地平線が見える。建物もかつてあった何もかもが、ない。
冗談みたいな風景にリバティーは佇む。
377: 名無しさん:2011/8/2(火) 21:55:21 ID:hKejtaqnFk
機械の獅子の群れも、巨大な隕石のようなものも。敵も味方もいない。
全部が喰い合って、消えた。
378: 名無しさん:2011/8/2(火) 21:56:01 ID:hKejtaqnFk
夢か幻か現実か。地に足が着かない感覚。
379: 名無しさん:2011/8/2(火) 21:56:55 ID:hKejtaqnFk
だが、間違いなく終わったのだ。
散華した命を振り返ることはなく、身に秘めた想いが暴れることもない。結果は全て出てしまった。
380: 名無しさん:2011/8/2(火) 21:57:58 ID:hKejtaqnFk
手元に有った武器が無いのが少し寂しい。

縋るように隣人に話し掛けようとする。そこには穏やかな表情で寝ている見慣れた顔がいた。
381: 名無しさん:2011/8/2(火) 21:58:42 ID:hKejtaqnFk
少女「疲れて寝ちゃったのかな。仕方ないよね、頑張ったんだから」

起こさないように優しく髪を撫でた。癖っ毛が指に絡まってくすぐったい。
382: 名無しさん:2011/8/2(火) 22:01:49 ID:hKejtaqnFk
少女「アストロガールミスリバティー、帰還します!」

応える声の無いモニタに宣言する。すると不思議な事に、母さんと父さんの事が吹っ切れた気がした。
383: 名無しさん:2011/8/2(火) 22:04:50 ID:hKejtaqnFk
余談3

各機スペック。

ミスリバティー
開発:穂村亘、中原礼二

神気属性:通常時は神気を帯びておらず、リバーシ、リバーシリバーシの二つのプログラムを起動する事により吸収、放出の神気を得る事が出来る。猶、各プログラムは人の想いを使う為、想いの強さや量によって神気量は大きく異なる。

兵装:松明サーベル
    ブーステッドライフル
    ショットガン
    電磁警棒
    他
開発者の一人、中原礼二の趣味により往年の浪漫溢れる武器多数があるが、実用性が無い為倉庫の肥やしとなっている。

操手技量:☆☆
運動性:☆☆〜☆☆☆☆☆
装甲:☆☆☆〜☆☆☆☆☆☆
神気量:〜☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
リバーシ、リバーシリバーシによって得た神気の使用の仕方により変動。

必殺技等:松明サーベル:威力C
      松明サーベル爆破:威力D(範囲中心のみC)
      神気放出:威力B
      神気循環:威力∞

備考:神気は使えるが人造神機故に消耗が早く、神気を使用する戦闘では継戦能力に欠ける。
リバーシ:自身の体の周りに放出の神気を巡らせ、能力向上。擬似維持の神機としても戦える
リバーシリバーシ:範疇外の力。二種の神気を操り、自壊を起こす攻撃に耐える術はない。
384: 名無しさん:2011/8/2(火) 22:08:05 ID:hKejtaqnFk
二宮金二郎
開発:-

神気属性:吸収

兵装:マキ
    本

操手技量:☆☆☆☆☆☆☆☆
運動性:☆☆
装甲:☆☆☆
神気量:☆☆☆☆(グッズにて補充で+☆魔導書使用で+☆☆☆モチベーション変動は測定不可)

必殺技等:ポン=デ=リング:威力B
      ポン=デ=ライオン:威力A+

備考:幼子の守護神。幼子と漢より神気を得ている。自身のモチベーションも大きく神気量に影響し、むらっけの強さは随一。しかし、異常なまでの技量でカバーしている為、本人は気にならない様子。
また、通常吸収属性の神気は攻撃能力に欠けるものだが、吸収を攻撃まで昇華させて安定した攻撃能力を得た。
385: 名無しさん:2011/8/2(火) 22:10:09 ID:hKejtaqnFk
奈良の方
開発:-

神気属性:放出

兵装:-

操手技量:☆☆☆☆☆☆
運動性:☆☆
装甲:☆☆☆☆
神気量:☆☆☆☆☆

必殺技等:華厳各種:威力B〜S(各種類により威力、範囲は異なる)

備考:全てにおいて安定した能力を持つ。放出属性の神気により、豪快な一撃を見舞う事が出来る生ける主砲。反面対価となる神気は湯水のように使用する。
重量感溢れる肉体からの肉弾戦も好むが、長年使い慣れた柔道が彼の真価である。
386: 名無しさん:2011/8/2(火) 22:11:41 ID:hKejtaqnFk
話しはこれからエピローグになります。ではサラバノシ
387:
◆DPehMNPNeE:2011/8/3(水) 23:59:27 ID:Z1TzBNWYJk
モヤイ
開発:-

神気属性:維持

兵装:-

操手技量:☆☆
運動性:☆☆
装甲:☆☆
神気量:☆☆

必殺技等:-

備考:信仰はされているが、如何せん数が多過ぎる為。一体一体の神気量は低く戦闘能力も高くはない。とは言え、自衛隊にはやはり荷が重い代物。

マーライオン
開発:-

神気属性:維持

兵装:-

操手技量:☆☆
運動性:☆☆☆
装甲:☆☆☆☆
神気量:☆☆☆

必殺技等:技は無いが、維持属性の神機は常時全ての能力が二割増し。

備考:所謂神獣と呼ばれる神機の一種。一般的には神機より弱いとされているが、これは数少ない例外。並の神機では相手にならない。
388: 名無しさん@読者の声:2011/8/4(木) 00:01:42 ID:Z1TzBNWYJk
量産型マーライオン
開発:ジーン、米国

神気属性:-

兵装:牙
   爪

操手技量:☆☆☆
運動性:☆☆☆☆
装甲:☆☆☆
神気量:-

必殺技等:-

備考:指揮官機との連携を前提とした機体。B=ドライガーの設計思想を色濃く受け継ぎ、運動性は高いが装甲は薄く、ピーキーな性能は否めない。
腕が戦果に直結する、と。叩き上げの荒くれには人気らしい。

B=ドライガー
開発:ジーン、米国

神気属性:-

兵装:牙
   爪

操手技量:☆☆☆☆☆
運動性:☆☆☆☆☆
装甲:☆☆☆☆(前面のみ☆☆☆☆☆)
神気量:-

必殺技等:シューティングスター:威力B

備考:爪や牙で相手を消耗させるのが戦いの主体となる機体。前面の厚い装甲を攻守に渡って活用する。
汎用性を犠牲にし、徹底的に無駄を削って高い運動性と攻撃力を両立する事が出来た名機。切り札のシューティングスターは自身の装甲や駆動部への負担も大きい両刃の剣。
389: 名無しさん@読者の声:2011/8/4(木) 00:04:59 ID:Z1TzBNWYJk
シャドームーン
開発:秘密結社ゴルゴム

神気属性:維持

兵装:サタンサーベル
   内蔵フラッシュコア

操手技量:☆☆☆☆☆(☆☆☆☆☆☆☆)
運動性:☆☆☆☆☆(☆☆☆☆☆☆☆)
装甲:☆☆☆☆☆(☆☆☆☆☆☆☆)
神気量:☆☆☆☆☆(☆☆☆☆☆☆☆)

必殺技等:内蔵型フラッシュコア:威力S
維持属性の神機は常時全ての能力が二割増し。

備考:月を象徴するかつて最強の神機と謳われた神機。神気を共有していた番い、ブラックサンが破壊された後は戦闘能力が著しく下がっている。
彼の維持している神気は強過ぎる為、周囲の物が自然に破壊される。
弱体化した今でも、圧倒的地力に裏打ちされた基礎戦闘能力は鈍る事はない。
390: 名無しさん@読者の声:2011/8/4(木) 00:20:12 ID:Z1TzBNWYJk
首領
開発:-

神気属性:吸収

兵装:肉体

操手技量:☆☆☆☆☆☆☆☆☆
運動性:☆☆☆☆
装甲:☆☆☆☆☆☆
神気量:☆☆☆☆☆☆☆☆☆

必殺技等:必要としない。

備考:長い時間を生きた神機。神気は全て吸収にて得たもの、吸収して溜めた神気の量がその長さを物語る。
ゴルゴムの首領であり、戦いの為に生きる事を是としている。五年前、自ら造った黒陽王ブラックサンを倒した後は更なる強い神気を求め世界を流浪する。

攻撃の意思を持った場合、触れた物を吸収する。触れた時の衝撃や相手の体積、神気量によって吸収する速度は変わる。
391: 名無しさん@読者の声:2011/8/4(木) 00:24:15 ID:Z1TzBNWYJk
何故か接続悪い・・・なんぞ
本日はこれで失礼致します〜ノシ
392:
◆DPehMNPNeE:2011/8/5(金) 03:41:15 ID:rVqlc9wg4s
エピローグ、魔を断つ剣。
393: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:41:52 ID:rVqlc9wg4s
読み返していた、日記を。茶色い、色褪せた日記を。
394: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:42:26 ID:rVqlc9wg4s
静かに閉じて角を指でなぞる。剥げたカバーに触れる感覚が癖になる。おかげで角は特にボロボロだ。
395: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:42:59 ID:rVqlc9wg4s
途中で終わった。続けられなくなった日記。懐かしくもあり、ちょっと苦い。アタシの原動力。

それはアタシに燃えるような熱さをくれる。
396: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:43:50 ID:rVqlc9wg4s
ふっと力を抜いた瞬間、眠る前など。そんなとき思い返す過去。戦いで失われた人々。

アタシには触れられない痛み。彼らの全て。
397: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:44:29 ID:rVqlc9wg4s

奈良の方は盛大な葬儀が行われた。地元の人々は主のいない寺を大切に手入れをし、毎年命日に祈りを捧げている。


398: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:45:16 ID:rVqlc9wg4s

二宮は遺言の通りHDを、中身を見ずに壊した。そして、各地の小学校、中学校から密かに彼の守護像が消えた。


399: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:45:57 ID:rVqlc9wg4s

後で名前を知った。ジーン、あの軍人の研究は今に活かされている。どうやら、神気の研究の方は未だに安定化がネックらしい。


400: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:46:34 ID:rVqlc9wg4s

街の復興は西郷どんが行った。三ヶ月もすればほぼ元通りになった事は、語り継がれる小さな伝説だ。


401: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:47:16 ID:rVqlc9wg4s
そしてアタシは-----。
アタシは、戦い続けた。
長年の実戦経験は良くも悪くも結果をくれた。
402: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:48:31 ID:rVqlc9wg4s
良い方は。
最多の《神機》破壊数を誇る技量を買われ、二十七の時に特例で佐官待遇を受け、そのまま司令補佐、基地司令と、とんとん拍子に出世したこと。

権力に興味なんかないけど、何かと無茶をするアタシにはなんだかんだで有り難い。
403: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:49:27 ID:rVqlc9wg4s
悪い方は。
婚期を逃した、と一々突かれる事。後は《神機》の真実を知ってしまったこと。

あの時の“神機”達みたいなのは《壊れた神機》らしい。長く生き過ぎた為に心が壊れた《神機》。

なまじ《神機》であるが故に自殺も出来ずに苦しみ、死に場所を求める者が多く、理解もされない。
404: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:50:14 ID:rVqlc9wg4s
知りたくはなかった。誰にも言わないが、知ってる人はきっと他にもいるだろう。ただ胸に秘めて心を痛める人が。

護り手の痛み。苛むのは自分、苛まれるのも自分。それを助けるヒーローなんていない。
405: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:50:54 ID:rVqlc9wg4s
“だってアタシがヒーローなんだから”
自分を奮い立たせる。それには言い過ぎなくらいでちょうどいい。
406: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:51:30 ID:rVqlc9wg4s
アタシは最強の女、中原茉巳。
誰より多くの魔を断ち、誰より多くの血を浴びる剣。

今も、そしてこれからも。
407: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:52:08 ID:rVqlc9wg4s
これでいい。これで、いいのだ。

さあ、納得したなら笑えよ。笑った、引き攣った顔がアタシの本質なんだから。
408: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 03:53:38 ID:rVqlc9wg4s
本日はここまでで失礼致しますー
409: 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 05:20:29 ID:V5Rn3F/IBg
アストロノーカ
410:
◆DPehMNPNeE:2011/8/6(土) 03:35:25 ID:UVAlq/C0NE
>>409
なんぞ、それ?、とググって見たら癒されたでござる
411: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:36:16 ID:UVAlq/C0NE
没入していた思考が強制的に途切れる。
ランプが光を撒き散らし、サイレンが鳴っている・・・。来た、《神機》だ。
412: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:36:51 ID:UVAlq/C0NE
スイッチを切り替えて口角を上げる。
さあ、一仕事だ。アタシよ。
413: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:37:55 ID:UVAlq/C0NE
通路を駆け抜けてシャープにL字カーブ、止めに勢いをつけて司令の椅子に飛び乗る。この間10秒。

特に飛び乗る必要は無いが、これは様式美だ。落ち着いたら、手摺りを擦り熱を持った袖同士を合わせる。
414: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:38:59 ID:UVAlq/C0NE
司令「出撃はまだしていないみたいね。ゴライガーは?」

傍にいる副官に問い質す。普段は、聞いてもいないのに自らハキハキと話すハズなのに黙っていたからだ。何かがあるに違いない。
415: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:41:33 ID:UVAlq/C0NE
副官「ゴライガーはレッド、ピンク、イエロー、グリーンが来ておりません」

ほぼ全員ではないか。

アタシが眉を歪めたのに気付いたのか、表情が変わる。
笑った。何故笑うのか、理解出来ない。こいつはアタシには、一生理解するのは不可能だ。
416: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:43:25 ID:UVAlq/C0NE
副官「レッドがピンクとイエローに二股をかけて、イエローは元々グリーンと付き合っていたらしく、その為関係が上手く行かず、纏めてサボタージュですね」

大仰に話す厭味面が良く似合う。お前、実は黒幕じゃないか?と邪推をしてしまいそうになる程に。

もっと言うなら、あながち的外れでもない事があるからタチが悪い。
417: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:44:48 ID:UVAlq/C0NE
司令「ピンクは懲戒免職。レッドとイエローは後で直々に拳をあげる。グリーンは・・・・・・・・・・相談にのってあげて」

司令「不安だけど・・・リバティーの子供達は?」

副官「遠足ですね。流石に可哀相かと」

司令「そうね、分かったわ。アタシが《ブレイド》で出撃する」

418: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:45:16 ID:UVAlq/C0NE
司令「数は一機ね、フォローは要らないわ。対空砲と自衛隊戦力は撤収。万が一があったら《インベーダ》を使いなさい」

いつもの事、失敗したら爆雷と心中。最後の切り札。最小の被害で安全を買う。

亘さんのやり方。
419: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:45:49 ID:UVAlq/C0NE
決めたら迷う必要はない。
副官の返事を待たずに出撃準備を整え、格納庫に向かった。
420: 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 03:46:28 ID:UVAlq/C0NE
本日はここまでで失礼致しますー
421:
◆DPehMNPNeE:2011/8/7(日) 23:39:40 ID:8h/whm/bWo
後ろを見ず、翔ける。人工の《神機》の力、その全てを使って。
422: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:40:30 ID:8h/whm/bWo
引き攣った笑みで笑うアタシ。いつも通りのアタシ。

・・・・・・・・・・。




423: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:41:09 ID:8h/whm/bWo
あれは。あの、姿は。

モニタに見えた、人魚。今回の敵。
半人半獣の姿。どことなくマーライオンを思い出させる姿が忌ま忌ましい。
424: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:41:40 ID:8h/whm/bWo

ふざけるな、冗談じゃない。思い出させるな。お前如きがアタシの内側に入るんじゃない・・・!


425: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:42:23 ID:8h/whm/bWo


ああああああ。ったく、今日はどいつもこいつも・・・・・・・・・。



426: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:42:45 ID:8h/whm/bWo
そうか、そうだ。よし、分かったよ。
お前は特別だ。光栄に思うがいい。
最初からクライマックスで行ってあげる・・・・・。動くなよ。お前が陸に上がる事など赦さない。一気に仕留める!
427: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:43:30 ID:8h/whm/bWo


魔を、絶つ-----------。



428: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:44:23 ID:8h/whm/bWo
司令「《ブレイド》」

自機の右半身が分離し剣となる。本体と同じ重量の剣を抱え、間合いを詰める。
429: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:44:51 ID:8h/whm/bWo


放たれた白い矢-----。
斬る。この一点を見つめて-----。



430: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:46:07 ID:8h/whm/bWo
風を切り、熱を溜め、今巨大な剣を振るう。速度と重量に任せて暴れ廻る。抗っても無駄だ。全てを、斬る。


斬、斬、斬、斬、斬、斬、斬、斬。


纏う神気を強引に払い、芯を突く。剣の先から熱を流し込み核を焼き尽くす。

431: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:47:13 ID:8h/whm/bWo
食らえ、もう一つ。


司令「更に燃やせェ・・・。ヒート、エンドッッ・・・!!!」
432: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:47:51 ID:8h/whm/bWo
爆発と共に消え失せろ、ジャンク・・・。

僅かに遅れて轟音が響く。


出現から15分。住人に見られることもなく、人魚は消えた。
433: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:48:43 ID:8h/whm/bWo
余談4

エピローグ機体スペック。ゴライガーやリバティー、人魚はございません。ブレイドのみ。

ブレイド
開発:篠塚重工

神気属性:-

兵装:右半身の剣

操手技量:☆☆☆☆☆☆☆☆
運動性:☆☆☆☆☆
装甲:☆☆
神気量:-

必殺技等:ブレイド:威力A+

備考:ジーンの設計思想を受け継いだ日本の自動車会社が開発した機体。
使い勝手が悪過ぎて格納庫で眠っているのを茉巳が掘り出し、見た目が気に入った為、長らく愛用している。
兵装として右半身を分離する時点で、ピーキーを超えて狂った性能であり、操手に掛かる負担は尋常ではない。
加えて軽量化による脆弱な装甲。兵装の汎用性。継戦能力。どれを取っても量産機にすら劣る。

望むはただ一つ。身を裂いて得た剣に全てを注ぎ、斬る。渾身の攻撃で相手を断つ事に特化した機体。
434: 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 23:50:11 ID:8h/whm/bWo
本日はここまでで失礼致します。
435: 名無しさん@読者の声:2011/8/10(水) 22:11:28 ID:LlNFA9gV5.
支援

右半身が剣になってるときは片手片足状態ということ?
436:
◆DPehMNPNeE:2011/8/11(木) 06:45:21 ID:3gbAbNyoyQ
>>435
支援、ありがとうございます〜。

そうですね、その通りです。見た目は酷いものかと。
437: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:48:05 ID:3gbAbNyoyQ
白いハンカチで汗を拭き、コックピットから降りる。

やってしまった・・・!失態だ。
438: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:48:49 ID:3gbAbNyoyQ
やってしまった・・・!失態だ。
これでまた情緒不安定だのなんやかんや言われる。それで、何故か男関係に話しを繋げられてしまう。



ハァ・・・・・・・・・・。
439: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:49:30 ID:3gbAbNyoyQ
いや、それにしても一直線だったなアタシ。
確かに何があっても避け切って、カウンターを入れる自信はあったけれども。

やり過ぎた。これに尽きる。
440: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:50:10 ID:3gbAbNyoyQ
推進剤にエネルギーもいつもより多く使っている。念のために半分は残すのが、いつもの癖だから目立たないものの、自分は騙せない。
441: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:50:44 ID:3gbAbNyoyQ
司令「減給モノだな、こりゃ」
司令「公僕がこんなんじゃ、駄目だあ・・・」

同じような呟きを続けながら歩く。


ん?人の気配がする。
442: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:51:34 ID:3gbAbNyoyQ
司令(おや。まぁた、お出迎えか。熱心な事で)

人が一人、隅に立っている。若いと言うよりも幼い顔立ちの青年。今年採用した訓練生だ。

防衛大卒業で、ウチの実技を一発合格。そこまではまあ、珍しいだけでちょくちょく見かけるライン。
443: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:53:27 ID:3gbAbNyoyQ
問題は面接だ。ヤツは言い放った。

『司令。中原さんに憧れてこの道を目指しました』と。

間違いなく、アタシ以外の面接官は食いついていた。関係ない事だろうに。
444: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:54:51 ID:3gbAbNyoyQ
それだけじゃない。
ヤツは真っ直ぐ見詰めやがる。やめろ、免疫なんてカケラも無いんだよオバサンは。分かれよ、頼むよ、止めてくれ。

そのまま語るな。面と向かってヒーローとか言うな。こそばゆいったらありゃあしない!いったいこれは何の罰ゲームか。

445: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:55:34 ID:3gbAbNyoyQ



あの時生涯で初めて神に祈った。


生き生きと話すあの野郎が、変死でもなんでもいいから今すぐ黙って欲しいと。
446: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:56:18 ID:3gbAbNyoyQ



・・・・・・・・。もちろんそんな事はある訳もなく、野郎は無事に合格。採用。


採用。採用。採用。たった二文字が重い。


分かってる、こんな私的な理由で落としたら理不尽な事くらい。だが、それは割り切るには実害が多過ぎた。
447: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:56:55 ID:3gbAbNyoyQ
案の定。噂好きの暇人達に電撃のように流れ、知れ渡った。

それから、おっきな尾鰭を付けた上で(多分、彼女達は半ば本気なのだろうが)何かとネタにされて困る。切実に。
448: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:57:44 ID:3gbAbNyoyQ
普通に考えてないでしょうが。一回り差とか。そもそもアタシとか。常識的に考えて向こうにも迷惑だ。

残念ながら、若いツバメもありかも・・・なんて考える程お花畑でもない。
449: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:58:38 ID:3gbAbNyoyQ
何より、前提条件として。
自分の面倒も満足に看れないアタシが男と付き合うなんて、天地がひっくり返っても有り得ない。論外だ。誰が赦しても自分が赦しゃしない。
450: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 06:59:22 ID:3gbAbNyoyQ
だから皆、自重して!これ以上頭痛の種を増やさないで欲しい-----。

アタシの小さなお願いです。
451: 名無しさん@読者の声:2011/8/11(木) 07:01:20 ID:3gbAbNyoyQ
本日はここまでで失礼致します。加筆修正に悩み、ペースが遅れてすみません。
恐らく、次回の投下でリバティーは終わると思いますので。

ではでは。
452:
◆DPehMNPNeE:2011/8/13(土) 03:55:57 ID:LNLwBKugZI
頭痛の種、もとい野郎が話し掛けるそぶりを見せる。少し、緊張した。

今度はいったい何が飛び出す?
453: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 03:56:28 ID:LNLwBKugZI
不安と期待が混じる。案外アタシも楽しみなのかもしれない。認めたくはないけど。




454: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 03:57:00 ID:LNLwBKugZI
野郎「司令。今日は少し余裕のない操縦に見えました」


野郎が切り出す。珍しく感情的に見えるのは気のせいか。
455: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 03:57:37 ID:LNLwBKugZI
野郎「何と言うか、無理をしているというか・・・無茶苦茶というか・・・」


無茶苦茶・・・!そこまでか。反駁する意志が萎えた。傍から見ると余程だったらしい。

これはまずいな。言い訳を考えるべきか。
456: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 03:58:17 ID:LNLwBKugZI


野郎「あと、表情が暗いです。引き攣ったような・・・何かありましたか?」

野郎「司令は、時折そんな顔をしていますね。嫌いです、司令のその表情は。報道で見ていた時はずっと憧れだった・・・貴女のその表情が・・・・・・・・」
457: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 03:59:16 ID:LNLwBKugZI



ちょっと、まて・・・。どう取ればいいんだ?その発言。




458: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 03:59:59 ID:LNLwBKugZI



野郎「立場を弁えていないのは承知です。でも・・・・・!それでも、貴女には《ブレイド》から降りて頂きたい。《ブレイド》は貴女を不幸にしている。貴女もいい加減楽になって良いハズだ」




459: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:00:38 ID:LNLwBKugZI
反射的に手が出た-----。
胸倉を掴み、後ろの壁に叩きつける。


多少もがこうが、ガキの抵抗なんざ話しにならん。普段の鍛え方が違うんだよ。


460: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:01:04 ID:LNLwBKugZI
・・・・・ったく、悲鳴を上げるなよ。女かお前。そそるだろうが。
461: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:01:46 ID:LNLwBKugZI
司令「もし、本当にお前がアタシに《ブレイド》を降りろって言うなら、引き擦り降ろせよ。こうやって力ずくなり、操縦の腕なりで」

アピールするように腕に更に力を入れる。
軽いな・・・もしかしたら本気を出したら体が浮くんじゃないか?これは。

司令「女に腕力で負ける坊ちゃん。お前にはまだ、前線は任せられんなあ」
462: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:02:24 ID:LNLwBKugZI
舐めた事を言うガキが・・・。睨んでも眼を逸らさないのだけは評価してやるよ。だが、今のお前はそれだけだ。


司令「お前は、まだ子供だ。良くも悪くも。黙って大人の影でよく見てろ、それがガキの仕事だ」





463: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:02:56 ID:LNLwBKugZI




司令「・・・・・・・・・・」

あ、ああ。
まただ、まだ悪い癖が抜けないか。熱くなるな・・・。少しは落ち着け、アタシ。




464: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:03:39 ID:LNLwBKugZI
司令「ふぅ・・・悪い、やり過ぎた」

息を深く吸い、胸倉から手を離す。自分の汗が気持ち悪い。動揺、してたのかアタシは。

本当に何も変わっちゃいない。昔から。何も。



465: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:04:36 ID:LNLwBKugZI
野郎「分かり、ました・・・」

本当にクソ真面目だなコイツは・・・・・・。
この馬鹿が。わざわざ打たれに出るなんて酔狂にも程がある。

引き下がれよ、こっちも大人の振りするの大変なんだよ。

本当に馬鹿なんだから。
466: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:05:09 ID:LNLwBKugZI


野郎の渇いた唇を人差し指でなぞる。


ざらざらだ。指に引っ掛かる。



467: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:05:51 ID:LNLwBKugZI
司令「随分、渇いてるな。流石に緊張し過ぎだろう」

何が起きたか必死に理解しようとしている顔。これは、楽しい。凄く楽しい。

散々振り回された相手にやり返すのは痛快だ。



468: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:06:40 ID:LNLwBKugZI


久しぶりに、穏やかに笑えた。


そのまま自分の唇もなぞる。



469: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:07:16 ID:LNLwBKugZI
やっぱり、違う・・・・・って、何やってんのさ。


なんだか色々と自制が効かなくなりそうなので、その場を足早に去る。

人を避け避けすいすいと。



冷静になるまで、ゆっくり休もうか-----。

470: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:07:52 ID:LNLwBKugZI
部屋に戻り、白いハンカチを握り締めて毛布を被る。染み付いた自身の香りが眠気を誘う。

暖かい・・・・・・・・・・。

静かに迫る睡魔は限りなく優しかった。


アストロガール☆ミスリバティー
終。
471: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:14:14 ID:LNLwBKugZI
長かった。二ヶ月掛け、なんとか完走。
本当はもう少し短くまとめるつもりでしたが、力不足やら詰め込みやらで叶いませんでした。

ここで、宣伝スレで、ランキングスレで、オセロで応援して下さった方々及び読者の皆様本当にありがとうございます。

初スレだったのですが、次回・・があれば今回を参考により良いものを考えたいと思っております
472: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 04:16:26 ID:LNLwBKugZI
質問等ありましたら受け付けておりますー。

また、次回作にはこんなのを書いてみたら〜
など、出来ればご意見伺いたいところ。
473: 名無しさん@読者の声:2011/8/13(土) 09:11:26 ID:dr.5Wx6LoI
乙!

…俺の読解力の問題だったら申し訳ないが、健太はどこに…?
474:
◆DPehMNPNeE:2011/8/13(土) 14:13:48 ID:iv1MhxeHPM
>>473
どーもです。
ぼかしました。彼はあのまま帰らぬ人に・・・。
475: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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