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後輩「先輩、落とし物です」
[8] -25 -50 

1: :2011/10/16(日) 14:00:16 ID:coZ3jnnCPA

夏も終わったけど、オカルト系SSを。

下手ですが、支援してくれると嬉しいです。


2: :2011/10/16(日) 14:00:49 ID:coZ3jnnCPA
寒くなったな、と思う。
冬服になった制服でも寒いくらいなのに、これからもっと寒くなる冬を私は乗り切れるんだろうか。

朝のバスでくだらない思考と眠気に流されそうになりながらも、ペラペラと単語帳をめくる。

中間テスト最終日

考えるだけでめんどくなる言葉を単語帳が訴えてきた。溜め息を吐いて、眠気をグッと押さえ込む。あーあ。本当、嫌になるくらい寒い日だな。



3: :2011/10/16(日) 14:01:09 ID:coZ3jnnCPA

「あのー、先輩?」

肩を叩かれて振り返ると、知らない子が立っていた。私のことを先輩と呼んだからには、1つか2つ年下なんだろう。

「これ、落としましたよ。」
「あ、どうもありがとう」

後輩の手に握られていたのは、確かに私のバックに着いていた御守りだった。
あちゃあ、紐が切れたのか。
御守りをポケットに入れ、もう一度お礼を言う。



4: :2011/10/16(日) 14:01:32 ID:coZ3jnnCPA
スッと足の辺りに、寒い風が通り抜け体の体温を持っていかれた気がした。

「体調悪かったりしませんか?」
「?…大丈夫だけど」

初対面なのに、変なことを聞く子だ。季節の変わり目は風邪を引きやすいけども。
足元をじ、と見つめられる。
後輩はにやりと怪しい顔で笑っていた。



5: :2011/10/16(日) 14:03:13 ID:ipJaufw0BE

気持ち悪い。
勿論、キモイの方の気持ち悪い。
「それじゃあ」と言って、私は教室の方へ逃げるように歩きだした。

「先輩!気をつけてくださいね!!」

何にだ。君にか。


6: :2011/10/16(日) 14:04:08 ID:ipJaufw0BE

「あれ、御守りどうしたのー?」
「ごめん、朝取れちゃって」
「あらら」
「佳奈から貰ったやつだったのに、ほんとごめん」
「いいっていいって!」

友人が気にしないでと笑う。
ホームルームが始まるチャイムが鳴った。


7: :2011/10/16(日) 14:04:34 ID:ipJaufw0BE
開始のチャイムが鳴り、配られたテスト用紙を捲る。
形式ばかりのテストなんてやらなきゃいいのに。

3年の10月の中間テスト。

学校推薦は1学期までの成績で決まり、一般入試組は学校のテストなんてどうでもいい。

中途半端な暖房をつけた教室は生ぬるかった。気分が悪い。頭がボーっとして、吐き気と目眩で問題が霞んで見える。

カツンとシャーペンが落ちた音が鼓膜にぐわんぐわんと響いた。


8: :2011/10/16(日) 14:31:05 ID:OPjjzsSZjw

気がついた時には白いカーテンが見えた。
保健室だ。私は倒れたのか。

「先生ー」
「あら、起きたの。具合はどう?」
「大丈夫です。」

保健の先生が病院に行くか聞いてきたが、それを断ってもう一度ベッドに戻る。もうテストは終わる時間だろう。帰りのホームルームは出ないでもう帰ってしまおうか。


9: :2011/10/16(日) 14:43:34 ID:OPjjzsSZjw

カーテンが勢いよく開いて、朝の後輩が立っていた。

「大丈夫ですか」
「どうして君がここにいるの」
「僕、保健室の掃除当番なんですよ」

嫌な偶然。
にやにやと笑っている後輩がなんとなく気に食わない。イライラする。

「"やっぱり"テスト中に倒れたんですね、山岡先輩」
「名前、なんで知ってるの。ていうか"やっぱり"って…」
「先輩、吹奏楽部でしょ?去年あたり部長もやってた。吹部に友達いますもん。名前くらい知ってますよ。」
「ああそう」
「それでー、本題なんですけど。先輩最近恨まれるようなこと、しましたか」


10: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 14:59:00 ID:h16rtZcKgQ
C
11: :2011/10/16(日) 15:16:50 ID:53ZNTmD6fY
>>10
支援ありがとうございます!


ゾクッと気持ちの悪い寒けがした。恨まれるようなことなんて、してないつもりだ。私はかなり普通の人生を送ってきたし。

「友達から好きな人寝取ったりしませんでしたか?」
「そんなことしてないよ!」
「冗談です。なんでもいいですよ。あーそうだ。大学、もう合格してたりしますか?」
「大学…?うん、まあ。」

大学は学校推薦で最近決まった。そんなとこだろうと思いました、と後輩が言った。


12: :2011/10/16(日) 15:25:25 ID:DjOT1O.uW.

「御守り、見せてください」
「え、なんで」
「いいから」

ポケットから御守りを取り出し、後輩に渡す。閉じられている御守りの口をを後輩は無理に開けた。

「ちょっと、なにして…」
「これが、僕が言った"やっぱり"の正体ですよ」



13: :2011/10/16(日) 16:04:24 ID:53ZNTmD6fY

御守りの中から取り出されたのは、一枚の小さな紙。
いや、何重にも折り畳まれて、小さくなった紙。
それをスッと後輩が引き伸ばす。

「!」

思わず息を飲んだ。
白い紙に赤いペンで書かれていたのは、私に対する暴言だった。
ウザイ、ズルい、酷い、受験落ちろ、いなくなれ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ


死んじゃえ



14: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 16:04:24 ID:tMXuJA2ahY
ドキドキ…
C

15: :2011/10/16(日) 16:05:07 ID:53ZNTmD6fY

「朝から、おかしいと思ってたんです」
「バスの中で、真っ黒な人がいるから」
「最初は何かに取り憑かれてるのかなー、と思ってたんですけど」
「御守り拾って、ああ呪いかあって」
「寒かったでしょ?先輩。それも呪いの効果」
「ほんとは1学期のテストで、今日みたいなことしたかったんでしょうけど」
「ちょっと、うまくいかなかったみたいですね」

後輩がつらつらとそう言ってのける。


16: :2011/10/16(日) 16:05:39 ID:53ZNTmD6fY

いつの間にか握りしめたシーツに皺が寄っていた。

「まあ、あんまり気にしないで下さいね、先輩。僕たちが見たから呪いの効果はもうありませんよ」
「………」
「このくらいの被害で済んで驚きです。先輩が持ってれば持ってるほど、ヒートアップする類の呪いですよ、コレ」
「………」


「それに、跳ね返りがありますから。人を呪わば穴二つ、ってね」


悲しいとか、悔しいとか、ムカつくとか、全部見透かしたように後輩がそう言った。



17: :2011/10/16(日) 16:06:47 ID:cC7z/02pUY
>>14
支援ありがとうございます!!

次の日、佳奈は学校に来なかった。
次の日も次の日も。
先生は体調不良のため、と言っていた。
跳ね返り、てやつかもしれないなあと私はぼんやり思っている。

「山岡先輩ー」
「なんの用」
「一緒に帰りましょう」
「嫌」
「そう言わないで!」

佳奈がこなくなった以外にも、変化がもう一つ。
あの事件があった日から、どうしてか後輩が私に付きまとうようになった。


18: :2011/10/16(日) 16:07:29 ID:cC7z/02pUY

「そういえば、アレどうして呪いだなんてわかったの?」
「あー僕、霊感あるんですよ霊感」

不適な笑いを後輩が浮かべる。

「…へえ」
「うわ、興味無さそう」
「信じてないわけじゃないよ」
「まあいいですけど。そういえば思ったんですけど、先輩もあると思うんですよねー霊感」
「変なこと言わないでよ」
「マジですよ。だって、あの呪い効かなかったじゃないですか」
「まぐれだよ」
「いや、極端に強いんだと思います。だから今後一緒に付き合ってほしいところがあるんですけど」

不穏な流れだ。嫌な予感しかしない。

「心霊スポットとか、嫌だよ!」
「だあいじょぶですって!」


19: :2011/10/16(日) 16:07:56 ID:cC7z/02pUY

このあと、後輩から私はいろんなとこに連れ回されることになるのだが、
それはまた別の機会に。


20: :2011/10/16(日) 16:11:39 ID:.yw9LayCwY
とりあえず1つの話終了です。中間試験が終わり次第今回よりオカルトちっくな話が書きたいと思っています。
21: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 16:16:09 ID:W2StYRlO7.
こういうオカルトなSSを待っていた
22: :2011/10/16(日) 16:21:06 ID:cC7z/02pUY
>>21
ありがとうございます!
でも今回はあんまり怖くできなかったorz
23: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 17:04:01 ID:cC7z/02pUY
酉付けてみるテスト
24:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 17:47:46 ID:cC7z/02pUY

「学校の怪談?」
「はい」

後輩はずこーっとパックのコーヒー牛乳を啜った。昼休みの学食はずいぶん混んでいて、なんでこいつと偶然出会ってしまったのか謎なくらいだ。

「先輩、知らないんですか?テケテケのやつです」
「チラっと聞いたことはある気はするけど覚えてない」
「だめですねえ、まったく。テケテケは知ってますよね?」

テケテケ…
学校の七不思議とかで割とよく出ててくるスタンダードな幽霊じゃなかっただろうか。私は黙って頷いた。
25:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 17:48:33 ID:cC7z/02pUY

「うちの学校にも出るんですって」
「…うちの学校、築30年くらいだよ?」
「新校舎じゃなくて、旧校舎です」

旧校舎か。それなら納得できる。物置になっている旧校舎は確かにそういう噂が立っても可笑しくないような。

「夜の8時。旧校舎4階。一番端のA組から一番端のH組まで一気に走る。D組あたりから追いかけてくる足音が聞こえるらしいですよ」
「なんか、度胸試しみたい」

びびりを試すような話だ。
最後まで走れなかったら臆病者みたいな。


26:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 17:49:08 ID:cC7z/02pUY

にやりと後輩が笑う。

「てわけで、やりましょう」
「遠慮させていただきます」
「先輩、びびりなんですか」
「違うよ」
「幽霊信じてますか」
「あんまり」
「じゃあ大丈夫ですね。決行です」
「どうしてそうなるのかな」
「いちご牛乳おごりますから!」
「…仕方ないな。」

いちご牛乳の誘惑に負けた私は、ほんの数時間後激しく後悔することになる。


27: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 17:54:11 ID:QA351TjTuc
テケテケだと…怖いの苦手だけどおもしろい
つCCCC
28:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:03:58 ID:ipJaufw0BE
>>27
ありがとうございます!私は怖いの好きだけど寝れなくなるタイプですww



セキュリティーロックがかかるのが21時。生徒最終下校19時。20時って、なんとも微妙な時間だ。
いや、微妙な時間だからこういううわさは流行るんだろうか。

「暗い…。」
「暗いですねー」
「楽しそうだね」
「楽しいですもん」

鼻歌まで歌い出しそうな後輩は、相変わらずあのにやにやした笑顔を浮かべている。
暗い旧校舎はなんだか、来てはいけない場所に来てしまったみたいだ。


29: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 18:04:36 ID:cPmNuQJNtE
いちご牛乳とは可愛いじゃないかw
30:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:05:13 ID:OPjjzsSZjw

「AからHまで走って、向こうの階段から降りましょう。あ、先輩!そろそろ時間ですよ!」
後輩が腕時計を見る。ライト付きだ。…用意周到。4階に着いた時点で早くも帰りたくて仕方がなくなってきた。

カチ、カチ、と秒針の音がなる。

「8時まで。10秒前。…5、4、3、2、1」

後輩に手を引かれて走りだす。
A組。誰もいない。当たり前か。旧校舎だし。
B組も、誰もいない。


C組、



31:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:06:05 ID:53ZNTmD6fY

「あっ、あれ、」
「先輩黙って!」

叫び出したくなるのを、寸前で止める。
C組を覗いた時に、誰かが座っているのが見えた。いや、今も見えている。
腕を組んでいる、真っ黒な影のような人。

「やべ…っ」

後輩は口元だけに、笑顔を浮かべていた。


32:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:07:21 ID:rlDvAj2o/A
D組が見える。
後ろでガタンッ!!と大きな音がした。扉にぶつかったような、椅子が倒れたようなそんな音が。

「山岡先輩!振り向かないで下さいね!」
「振り向くわけ、ないでしょお!?」

通りでD組の前から足音が聞こえ始めるはずだ。だってC組から出てくるんだから。いや、足音じゃないけど!なんかガサガサいってるから!

「ひっ…」

走っている私達の足元に、手がチラリと見えた。


33:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:08:38 ID:53ZNTmD6fY

駄目だ、駄目だ、駄目だ。追いつかれる。早い。早い早い。

E組、F組を通りこす。

足元の手は、もう常に見えている状態だ。

後輩は口元からも笑みを消し、ただひたすらに走っている。

これ、捕まったらどうなるんだろう。異次元空間行きです、とか?もしくは次のテケテケはお前だ!とか?

粗い息を肺から絞り出す。


34:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:27:08 ID:joWeDhn5w.

G組を越し、H組の前を走る。
これが終われば階段。これが終われば階段。そう頭の中で唱えながら、走る。

「なんっで、…ッ!」

後輩の声に何事かと、手を見ていた視線を前に戻す。

階段が、ない…!?


35:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:28:52 ID:OPjjzsSZjw

頭の中が真っ白だ。階段があるはずの場所には壁があるだけ。もうだめだ。異次元空間行き決定だ。

「…左に寄ってください!」
「えっ!?」

訳がわからないまま、廊下の左側による。

「お先にどうぞ!!」

スピードを落とした後輩が叫ぶ。開いた右側を真っ黒な上半身だけの何かが通り過ぎる。意味がわからない。怖い。

「先輩、先輩」
「なに」
「ほら、階段」

どうやら異次元空間行きは免れたらしい。


36:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:30:23 ID:DjOT1O.uW.
トントントンとリズムよく階段を降りる。ケータイを取り出し、時間を確認すると8時15分だった。永遠に感じたあの時間は30分にも満たなかったらしい。

「ねえ、なにあの最後の終わり。お先にどうぞって…」
「続きです、怪談の。"「お先にどうぞ」って先に通らせれば追いかけてこない"」
「先に言いなさいよ先に」
「先に言ったら先輩E組あたりで言っちゃうでしょ。どうせなら最後まで行きたいじゃないですか」
「最低」

笑顔に戻った後輩は、愉快そうに声を出して笑う。そのくせ、結構怖がっていたじゃないか。

「先輩、なにが見えました?」
「なにって…上半身だけの黒い影、みたいな」
「ああ、そうだったんですか」
「そうだったんですかって…君も見たでしょ?」
「僕には、男の顔まで見えましたよ」


にっこりと後輩は笑った。
37:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 18:32:48 ID:C98SaZwlWc

また明日ー、と後輩が大きく手を振った。恥ずかしいから止めてくれと明日伝えなければ。

明日があると信じ切っていた私達のはなしは、もう少しだけ続く。


38: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 19:42:05 ID:joWeDhn5w.
なんという意味深な終わりかた…
つCCCCC
39:
◆OFa0FInsIU:2011/10/16(日) 19:49:41 ID:DjOT1O.uW.
>>38
支援ありがとうございます!

見てる人少ないと思いますが、この怖い話(都市伝説とか心霊スポットとか)やってくれーみたいなのあったらよろしくお願いします。続きは明日か明後日に。
40:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 15:00:10 ID:cC7z/02pUY

「なにしてるの」
「あ、山岡先輩ー」

夕方。一人、公園でブランコを漕ぐ後輩を見つけた。彼が案外近くに住んでいることを私は最近知った。小学校と中学校はギリギリ学区が違うらしい。

「先輩もブランコ乗りますか?」
「はあ?」
「たまには童心に帰るのもいいですよ」

ほらほらと後輩がブランコの方から手招きをする。時間もあるし、付き合うのもいいかもしれない。


41:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 15:00:55 ID:cC7z/02pUY

「コンビニ帰りですか?」
「うん」
「もう肉まんがおいしい季節ですもんね」
「肉まんは買ってないけどね」
「なあんだ」

半分貰おうと思ったのにと後輩が少し拗ねる。図々しいぞ。
ブランコまで行く。公園はこんなに狭かったかな。私が大きくなっただけか。

「ブランコ、座るんなら俺から一つ開けて座って下さい」
「なんで?」
「いいからいいから」

指示された通り、後輩からひとつ開けてブランコに座る。私、誰も座ってないブランコ、後輩。なんとも可笑しな図だ。


42:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 15:02:16 ID:cC7z/02pUY

キイコキイコと頼りない音を出すブランコに身を任せる。簡単に足が着いてしまうブランコ。なんだか寂しい。

「先輩はこの公園で遊んだこと、ありますか?」
「小学校1、2年のときなら」
「僕はないですねー」

間延びした声が勢いよく揺らされたブランコの上から降ってくる。思い出の場所でも無いのに、一人で座ってたのか。暇人め。


43: 名無しさん@読者の声:2011/10/17(月) 15:26:26 ID:qdHG6dVYtM
先輩→女
後輩→男
でおk?
44:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 15:28:21 ID:f79T6dgeUQ
>>43
おkです(・ω・´)


「通るたびに大きい公園なのに、おかしいなと思ってたんですよ。僕が遊んだことないの」
「確かに」

池まである大きな公園だ。近所に住んでいたのに遊んだことないなんて変な話だ。

「だけど、理由わかりました」

意味深に後輩がまたにやりと笑う。

「先輩は、どうですか?」


45:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 15:44:42 ID:53ZNTmD6fY

先輩は、どうですか?

なにがどうなんだろう。
この公園は小学校低学年のうちは遊んでいたんだ。
あれ?じゃあなんで高学年になってこなくなったんだ?
多分、それは家で遊ぶことの方が多くなったからだろう。
本当にそれだけか?もっとなにか大事な、

大事な、


「あ、」


――――…、ふと風が私の髪を揺らす。ひとつ開いたブランコが柔らかに揺れた。キイとなったそこに、小さな女の子が見えた気がした。


池の側に、瓶に入った綺麗な花。


46:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 17:28:31 ID:joWeDhn5w.

「…なつみちゃん」

思い出した。
小学2年の頃。
1つ年上の友達だった、女の子。夏休み明けた頃から、学校で会わなくなって、公園には一時期黄色テープが貼ってあった。
誰かの噂で聞いたのは、なつみちゃんが溺れて、それきり…だと。

「思い出しましたか」
「…知ってたの?」
「親から昔聞いたことがありましたから」

なんてことのない声で後輩が言う。後輩の乗るブランコは高くまで揺れていた。


47:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 17:32:23 ID:cC7z/02pUY

「帰りましょっか」
「あ、うん」

速度を落としたブランコから後輩が飛び降りる。夕焼けにきらきらと輝く彼の髪はずいぶん綺麗だった。

「昔からずっといますよ」
「昔…」
「彼女の時間は動きませんから」
「…そうだね」

ブランコから公園の出口に歩き出す。振り返った、1つ開けてたブランコはぐっしょり塗れていた。

「ばいばい」

次は、花を持ってこよう。
肉まんも買って、花と一緒に。
そろそろ秋になったっていいじゃないか。



48: 名無しさん@読者の声:2011/10/17(月) 19:16:49 ID:K9qNJO3ZaM
CCC
一つだけ、ふと思ったんだけど「お先にどうぞ」って言うのはテケテケじゃなくてべとべとさんじゃなかったっけ?
間違ってたらすみません
どちらにしろこれは好きなのでCCC
49:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 19:31:06 ID:OPjjzsSZjw
>>48
支援ありがとうございます(´∀`*)
べ、べとべとさん…!?
そうなんですか!!
テケテケの話は私の通ってた学校の七不思議の設定をそのまま持ってきたので、いろいろ可笑しいところが多いかもしれません…。ちょっとべとべとさん調べてきます!
50: 名無しさん@読者の声:2011/10/17(月) 19:54:09 ID:53ZNTmD6fY
俺もべとべとさんだった気がする。でも、土地や時代ごとに変化していくものが、伝承だったり怪奇だったりするから、別にいいんじゃないかと。

51:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 20:11:57 ID:rlDvAj2o/A
>>49>>50
調べたらべとべとさんでした。すいません…!

>>50さん
そう言って貰えると救われます…or2

べとべとさん…テケテケより可愛らしいじゃないか!
52: 48:2011/10/17(月) 21:38:17 ID:gQcuutKZ3M
>>50さんの言う通りだと思うのでお気になさらず!

53:
◆OFa0FInsIU:2011/10/17(月) 21:43:37 ID:DjOT1O.uW.
>>52さん
ありがとうございます!
54: 名無しさん@読者の声:2011/10/17(月) 22:47:44 ID:u.qZdwGW4Q
支援!!

どのやつでも良いので鏡に関する怪談(合わせ鏡とか紫の鏡など)を書いて頂けるとうれしい!
55:
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 07:22:10 ID:C98SaZwlWc
>>54
支援ありがとうございます(´ω`*)

鏡ですか!ちょっと考えてきますー!
56: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 13:07:45 ID:3jXct7SwVY
先輩愛してる支援
57:
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 17:57:31 ID:cC7z/02pUY
>>56
山岡「ありがとうございます!」

四話目、始めていきます。
58:
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 17:58:09 ID:cC7z/02pUY
どうしてこうなったんだろう。後悔で答えの出ない問いをさっきからずっと考えている。
また、旧校舎だ。この前と違うのは、もうすでに日付を跨いでいるということだろうか。

「帰りたい」
「でも先輩、ほんとはちょっと楽しみでしょ」
「そんなこと…」

"ない"と言い切れないのは心の何処かで少しだけ、何かを期待してるからだろうか。


59:
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 18:03:31 ID:DjOT1O.uW.



「旧校舎の怪談、もう1つあるんですよ。」
「…で?」

放課後に教室までやってきた後輩が言った。バックに荷物を詰めながら私は軽く受け流す。

「先輩…ノリ悪いですよ」
「全然悪くない。」
「僕が言いたいこと、わかってますよね?」
「残念ながらエスパーじゃないからわからないわ」
「………」

少し拗ねた様子の後輩を置いて、廊下を歩き出す。すぐにパタパタと後ろから追いかけてくる上履きの音がする。

「確かめに行きませんか」
「またあんな思いをするのは嫌です。」
「いちご牛乳おごりますよ」
「しにたくない」

「仕方ない…ビスコも付けます。」
「危ないのは嫌」
「危なくなったら、僕が先輩を助けます」
「………今度は何時?」
「さすが先輩!」

嬉々とした声が後輩から上がる。なんか癪に触るからビスコは2つ買わせよう。


60:
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 18:09:21 ID:OPjjzsSZjw

後輩が持つ懐中電灯の、灯りが目に眩しい。
薄灯りに照らされた旧校舎はこの間よりさらに不気味だった。

「それより君、なんで校門の鍵なんて持ってるの」
「先代の部長がくれたんですよー」
「…君、何部?」
「オカルト研究部。略してオカ研!代々、夜中の学校に忍び込むのが伝統らしくて」

何やってんだオカルト研究部。頼むからそんな伝統作らないで欲しかった。

「えーと、ああ2階と3階の間だから…ここで待機しましょうか」

2階の階段前で後輩がにやりと笑った。


61:
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 18:23:04 ID:DjOT1O.uW.

2階と3階の踊場の全身鏡。
下から階段を上っていくと普通なら下から登ってくる自分が映るはずだが、深夜2時、その時間だけ上から降りてくる自分が映るらしい。
鏡の中で二人が出会ってしまうと、鏡に取り込まれてしまう。
鏡の中から、階段を見ると、にやりと笑った自分が映る………後輩が語ったのはそんな内容の話だった。

「鏡の中の自分は、こっちと入れ替わる機会をいつも伺ってる…ていう割とよくある話ですね」
「丸パクリして、この学校の話にしただけみたい」
「実際、そうだと思いますよ。他でもよく聞く話ですから。でも、それが嘘だとは限りません」

ニヤニヤと口元歪みっぱなしの後輩が言う。嘘から出た真、ってか。そんなのあってたまるか。


62: 需要あるんだろうか…
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 18:46:38 ID:WM.6ZBGSjg

「さ、そろそろ良いですかね」
2を指した時計の針を見ながら、後輩が言う。まだなにも映らない鏡を見ながら、ゆっくりと私は階段を上がり始めた。

「なんで来ないの?」
「一人の方が上手くいきそうじゃないですか?」
「じゃあ君が行きなよ?!」
「先輩の方が守護霊強いですから」
「いや、ほんとわけわかんないから」

ひらひらと階段下で手を降る後輩に頭が痛くなる。どうせ言ったってこないだろう。諦めて、早く帰るためにも階段を登る。

63: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 19:18:33 ID:3jXct7SwVY
>>62
少なくとも僕は毎日更新楽しみにしてますよー
64: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 19:23:30 ID:tMXuJA2ahY
>>62
>>63さんと同じく、です
65:
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 19:45:07 ID:rlDvAj2o/A
>>63>>64
ありがとうございます(´;ω;`)ブワッ



一段、二段、と進む度に少しずつ鏡に映るようになっていく。
…なんだ、やっぱりデマじゃないか。

一向に映らないもう一人の私にホッと胸を撫で下ろす。かつんかつんと靴を慣らしながら、八段目を上がる。

「先輩、止まってください!」
「え、なん…」
「いいから!それで、こっち向いて。はい、そのまま振り返らないで降りてきて下さい」

ぐい、と彼が私の手を勢いよく引く。ぐらりとよろけた私の体を後輩が受け止めた。

「なんで急に」
「すいません」
「あ……」

振り向いて見上げた鏡には、べったりと"鏡の向こう"からべったりと鏡に手をつけて私たちを見下ろす"私"が映っていた。


66:
◆OFa0FInsIU:2011/10/18(火) 20:08:48 ID:C98SaZwlWc
↑上最初のべったりといらないですorz
67: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 00:05:53 ID:drVSjBkMFA
紫煙〜

イラスト描いてもいいですか?
68:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 00:17:52 ID:ipJaufw0BE
>>67
支援ありがとうございます(´ω`*)
イラスト!!全然大丈夫ですむしろ描いていただけたら嬉しくて発狂します!!
69: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 19:38:55 ID:xYHv2yZO6M
今日は更新ないのかな
しえんー
70:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 21:18:37 ID:WM.6ZBGSjg
>>69
支援ありがとうございます!

今日も今から更新始めますよー
71:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 21:19:04 ID:WM.6ZBGSjg

「うわ、寒っ」
「もう冬なのかな…」

声を上げた後輩の気持ちがわからないでもない。肌を撫でる風が刺すように冷たく感じる。あったかいココアが飲みたい。

「コンビニよって帰ろうよ。寒いし。」
「何買うんですか?肉まん?」
「君、コンビニと言えば肉まんなの?」
「先輩は違うんですか?」
「からあげクンおいしいよ」

Lチキでもいいけど。不服そうにそうですか、と呟いた後輩は肉まんの回し者なんだろうか。

72:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 21:19:38 ID:WM.6ZBGSjg

コンビニに行くために横断歩道で信号が青に変わるのを待つ中、後輩がガサガサとバックを覗いて何かを探している。なにしてるんだか。
ゾクリと背筋を寒い風が吹き抜ける。
横断歩道の向こう側に視線をやると、真っ赤なワンピースを着た女の人がぼんやりと立っていた。なんとなく視線が私達を見ている気がする。

「ねえ、あの人こっち見てない?」
「あー、ありました。先輩これ持ってて下さい」
「なにこれ」
「御守りです。それと、あの人はこっちを見てませんよ」
「え、思いっきり見てるでしょ」
「見てませんったら」

見てないどころか睨んでるよ、と言おうと思ったが興味が無さそうな後輩に、自分の気のせいな気がして言うのを止めた。


73:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 21:21:07 ID:WM.6ZBGSjg
後輩が渡してきた小さい御守りは、赤い巾着のような袋だった。

「コレ開けてもいい?」
「良いですけど、中身ただの塩ですよ?」
「塩だけ?」
「塩だけでも結界とかお祓いの効果ありますから」

にやにやと笑う後輩に、一応礼を言う。いやあ、しかし塩だけで身を守れるもんなのか。

「てか、先輩最近かなりいろいろ見えてますよね」
「君と関わるようになってからね」
「良かったじゃないですか」
「なにも良くない」
「でも霊感強い同士とかだと、お互いのそういう感性が高まるらしいですよ」
「もう君と合わない」
「う、嘘ですから!そんなこと言わないでください!」

少し慌てた後輩を見て、私が今度はにやにやする番だ。


74:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 21:23:41 ID:OPjjzsSZjw

信号が赤から青に変わる。大きな横断歩道だからたくさんの人が行ったり来たりだ。
だけど、赤いワンピースの女の人は綺麗に真っ直ぐこっちに来ているように見える。なんか嫌な感じだ。

「山岡先輩?」
「なに」
「いや…なんでもないです」
「そ。」
「あ、そうだ。今度、お化け屋敷行きましょう」
「"本物"見てるから行きたくない」
「まあまあそう言わないで」

視界の端にちらちらと赤いワンピースが見えた。もう凄く近くなっていたようだ。バチリと合った目は血走っていて、ギと私を睨んだ。

「見えてるくせに」

赤いワンピースの女の人の唇がそう動く。頭に響くような気持ちの悪い声が鼓膜を揺らす。


75:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 21:25:15 ID:f79T6dgeUQ
すれ違い、通り過ぎてから振り返る。目立つ赤いワンピースはどこにも見えなかった。

「今のって」
「たちの悪い"本物"ですよ。悪霊みたいな?」
「そんな…」

またニヤニヤしながら後輩が言う。世の中にはそんなにそういうもので溢れかえっているのだろうか。

「事故とか引き起こしたりしますね、ああいうのは。だから、この横断歩道は事故が多い」
「嫌なこと聞いた」
「要は、気にしなければいいんですよ。先輩みたいにガン見してたら向こうも突っかかってきますし。」

それに好きの反対は無関心、でしょう?
そう笑う後輩に、いつものことながら少し呆れる。人間だけじゃなくて、それは幽霊にも通じるのか甚だ疑問である。
なにがともあれ、からあげクンが私を待っているから早く暖かいコンビニに行こう。
76: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 21:33:11 ID:f79T6dgeUQ
更新だー(*´∀`)
あ、先輩はいただいていきますね
代わりにこれをつCCCCC
77: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 21:43:39 ID:cPmNuQJNtE
更新してた!
山岡先輩はぼくが頂きます。
78:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 22:30:48 ID:DjOT1O.uW.
>>76
支援ありがとうございます(´∀`*)

先輩「いちご牛乳とびすこをくれるなら貰われるのも考えるよ」

>>77
後輩「僕はいりませんか」
先輩「君はお呼びでないのだよ」


先輩人気だなあ
79: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 23:00:32 ID:CvKkESkAd6
後輩ほしい!!
ホラー苦手だけど後輩がほしい!肉まん買ってあげるからおいでー…
っCCC
80:
◆OFa0FInsIU:2011/10/19(水) 23:26:56 ID:53ZNTmD6fY
>>79
支援ありがとうございます!ホラー苦手なのにほんとありがとうございます

後輩「………」
先輩「ニヤニヤしないで」


81: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 13:13:09 ID:b4XTnJVifI
支援。あなたの小説好きです。
82:
◆OFa0FInsIU:2011/10/20(木) 15:19:04 ID:cC7z/02pUY
>>82
わあああありがとうございます(;ω;)

83: ◆OFa0FInsIU:2011/10/20(木) 20:59:54 ID:OPjjzsSZjw
今日は更新出来なさそうなので、またあした!
84:
◆OFa0FInsIU:2011/10/21(金) 21:03:40 ID:OPjjzsSZjw
マンションの階段を登る。薄暗いような階段はあんまり人の住んでいないような雰囲気だ。

「ねえ、ここ来てなにするの」
「もうちょっとでわかりますよー」

暢気な声が階段を先に登る後輩から聞こえてくる。7階立てのマンションの非常階段は人一人ぐらいしか通れないくらい狭く、結構急だ。そろそろ息が切れるぞ。


85:
◆OFa0FInsIU:2011/10/21(金) 21:04:48 ID:cC7z/02pUY

「つ、疲れた…」
「お疲れ様です」

余裕な後輩の体力が羨ましい。10階を登りきった先はなかなか見晴らしがいい。まだ続く階段の上にある扉が、屋上へ行けることを物語っていた。

「んー、もう少しですかね」
「なにが」
「後のお楽しみってことで」

ニヤニヤと後輩が笑う。嫌な予感。

ぎい、と扉の開く音がする。誰もいないのにどうしてだ。

「お、来ましたね」


86:
◆OFa0FInsIU:2011/10/21(金) 21:05:32 ID:joWeDhn5w.
ひゅうっと開いたままの扉が風が吹き抜ける。

「先輩、見るなら左側ですよ」
「見るってなにを」

扉から視線を外し、外が見える左側を向く。案外高くてどきどきする。

「ねえ、なにがある―…ッ!?」

一瞬、ほんの一瞬。見開かれた瞳と目が合った。重力に逆らってそのままの髪とふわりと揺れた白いスカートが脳裏に焼き付く。ドンという鈍い音が下から響いた気がした。

「な、うそ、飛び降り…?」
「はい。て、言っても「救急車呼ばないと!」…先輩、人の話は最後まで聞いてください」

119に掛けようとする私の手からケータイを奪い、後輩が溜め息を吐く。


87:
◆OFa0FInsIU:2011/10/21(金) 21:07:23 ID:rlDvAj2o/A

「君、事の重大さ分かってる!?」
「先輩、気持ちはわかりますが、まずはここから下を覗いてみて下さい。」

ポンポンと肩を叩かれながら言われ、黙って階段の手すりから身を乗り出し下を見る。正直グロいものは見たくな…

「…あれ?」
「わかりましたか?」

あるはずの"モノ"が無い。血溜まりを予想していた私には普通の道路にかなり衝撃を受けた。

88:
◆OFa0FInsIU:2011/10/21(金) 21:08:11 ID:cC7z/02pUY

「3年前くらいですよ、飛び降りがあったのは」
「そう、なんだ」

放心状態の私に後輩が言う。

「自殺者の霊、っていうのは何回も何回も死ぬ事を繰り返すんです。半永久的にずっとずーっと。」

いつものニヤニヤ笑いでなく、後輩は少し険しい顔をしながらそう言い切った。白いワンピースの彼女は何を思って落ち続けているのだろうか。また開いた扉に心のどこかが締め付けられる気がした。
89: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 21:48:19 ID:WM.6ZBGSjg
更新されてた!!(*・∀・*)
毎日楽しみに待ってるよー
つC
90: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 22:07:38 ID:qdHG6dVYtM
更新だー!
明日も頑張ってください!
つC
ついちご牛乳
91:
◆OFa0FInsIU:2011/10/21(金) 22:42:21 ID:cC7z/02pUY
>>89
ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです(´∀`*)

>>90
支援ありがとうございます!明日も頑張るつもりです!

山岡「いちご牛乳は私が貰った!」


92: ◆OFa0FInsIU:2011/10/21(金) 23:22:34 ID:WM.6ZBGSjg
二人のスペックって需要あるかな。寝れないから投下しようかな。
93: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 23:28:59 ID:WM.6ZBGSjg
>>92
ちょっと気になる
94: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 23:30:08 ID:cC7z/02pUY
ID被ったwwww
95: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 23:33:22 ID:EXjY2ApqEg
>>92
是非お願いしますー!
96:
◆OFa0FInsIU:2011/10/21(金) 23:47:38 ID:ipJaufw0BE
>>93>>95
無いと思ったら需要あった嬉しいです(・ω・*)

先輩
・女
・162cmくらい
・高3(18歳)
・元吹奏楽部部長
・綺麗系
・成績上、体力中の下
・好物いちご牛乳
・霊関係は見えるときと見えないときがある
・犬派

後輩
・男
・177cmくらい
・高2(16歳)
・オカルト研究部
・ひょろい
・成績中、体力上
・好物肉まん
・霊関係ははっきりばっちし見える
・ぬこ派

みたいな感じです。他になにかあったかな。
97: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 00:08:20 ID:8H6.ft1E.w
>>96
作品が好きなのでキャラの事も気になるのですよっ

あ、よかったら先輩の髪の長さを…w
98:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 00:13:06 ID:.yw9LayCwY
>>97
なんと嬉しいお言葉を…!!

先輩はボブなイメージですねー。でも見た目のイメージは正直全然決まってないですww
99: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 00:24:56 ID:EXjY2ApqEg
>>98
毎日更新楽しみにしてますよー。

ありがとうございます!
もっと先輩が好きになりましたw
明日(今日?)も更新待ってます!
おやすみなさい(。・ω・)ノシ
100: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 01:05:47 ID:P6NKs4j.xY
主が好きすぎて生きるのがつらいよ…
101:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 07:22:42 ID:f79T6dgeUQ
>>99
おはようございます・ω・ノシ
ありがとうございます!!そう言って貰えると嬉しくて踊り出せるレベルるです(´∀`*)

>>100
プ、プロポーズですかわかりますん!
102:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:30:05 ID:OPjjzsSZjw
雨が窓を叩く音がする。バンバンと叩きつける五月蝿い音で、最近あまり無かった台風みたいな大雨が降っているに違いない。傘を忘れた私に喧嘩を売ってるんだろうか。

「先輩、発見ー。一緒に帰りましょう」
「君、傘持ってる?」
「傘?折りたたみなら持ってますけど。どうしてですか?」
「どうしてって…この大雨の中、傘無しで帰るのは嫌でしょ」
「…あ。ああ、はい!そういうことですか!」

後輩は何かに気付いたように、ニヤニヤと笑った。


103:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:30:38 ID:OPjjzsSZjw

「今日の朝はあれだけ晴れてたのに…」
「傘忘れたんですか」
「降ると思わなかったんだ」

今日の朝は快晴で、寒いながらに良い天気だった。それがこんな土砂降りになるなんて思わなかった。

「でも、大雨の日ってなにか起こりそうですよね」
「そうかな」
「晴れより薄暗い日の方が怪談向きって言うか」
「そりゃあ、確かにそうかも知れないけど」
「だけど、本当は逆かも知れませんね」

軽そうなバックを持った後輩が言う。逆ってなんだ、晴れの日の方が出やすいってか。


104:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:31:01 ID:OPjjzsSZjw

「口裂け女なんかいい例ですよね。傘さしてる口裂け女なんかあまり語られないわけで。だから、アレは晴れの日の方が出やすいわけです」
「ああ…そうだね」
「室内系のやつは雨の方が雰囲気出るかもしれません。天候関係ありませんけど」

ケラケラと後輩が笑う。まあ、この前のテケテケにしたって雨の日でも風の日でも出てきてくれるだろう。傘を差す幽霊が語られないのは、人間と同じで霊も雨の日には外に出たくないからだろうか。


105:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:31:35 ID:OPjjzsSZjw

「あ、そういえばひきこさんが表れるのは雨の日ですね」
「ひきこさんねえ…」
「あれ?先輩知ってるんですか」
「この前テレビでやってたから」
「最近のテレビなんでもありですね」

確か、内容的には口裂け女と似たような感じだった気がする。口裂け女より背景が悲しかったけど。

「新しい都市伝説ですよねー、僕が小学生の時にはあんまり聞きませんでしたから」
「口裂け女の方が主流だったよね」
「今じゃ逆ですもん」
「時代は変わるのね…」

当たり前だけど。いつまでも高校生じゃいられないし、あと少ししたらここも卒業なのか。雨の音が寂しい気持ちを増大させるみたいだ。


106:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:32:02 ID:OPjjzsSZjw

下駄箱からローファーを取り出し、上履きから履き替える。クラスの傘立てをちらっと見ると、傘の数はかなり少ない。みんな私と同じ考えなんだな。

扉を開ける。

「…え、晴れてる?」

薄暗い空気と湿気がやって来ると思っていた私を嘲笑うかのように、朝と同じ青空が広がっていた。


107:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:35:22 ID:coZ3jnnCPA

「止んだ、の?」
「先輩、雨の後は一つも無いですよ」
「え」
「ねえ、先輩。雨の音を聞いてから窓を見ましたか?」

そういえば、見てないかもしれない。

「雨の音、ですか」
「そう、だよ。ほんとに降ってて…」
「先輩、窓見えますよね」
「窓…?」

今まで歩いてきた、2階のろうかの窓を見上げる。

「あ…」

いくつもの手形が、窓を叩いたように残っていた。

「ずーっと窓叩かれてたんですけど、先輩気が付かないから」
「いつから気づいてたの!?」
「最初っから」

どうやら私はかなり恥ずかしい勘違いをしていたみたいだ。ニヤニヤ笑う後輩の背中をバンッとバックで叩いた。気付いてたんなら言ってほしかった!
108: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 18:48:23 ID:rlDvAj2o/A
更新されると毎回先輩に胸キュンしてしまう
先輩に献上ついちご牛乳
先輩にベタベタしやがる後輩はこれでも食ってろ!!つあんまん
109: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 18:49:47 ID:qdHG6dVYtM
山岡先輩萌える…!
ひきこさんは怖いあれ怖い。
110: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 19:19:13 ID:9TKb6tgblk
先輩と後輩は最終的にくっ付く?
111: 67:2011/10/22(土) 19:24:02 ID:/ybsy4r3kw
イラスト描いたよ〜(≧∇≦)
ちょっとラノベの表紙風にしてみましたw
スペック出る前に描きはじめたもんだから、微妙に先輩の髪型が違いますが、そこはご愛嬌ということで;
イメージ違ったらゴメンね…
112:
◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 19:34:50 ID:53ZNTmD6fY
>>108
先輩「ありがとうございます」
後輩「………」
先輩「拗ねてるね」
後輩「あんまんも好きだからいいんですー…」

>>109
ひきこさん、口裂け女は永遠のトラウマです

>>110
まだ秘密ですww

>>111
ふおわあああ!!ありがとうございます(;ω;)ブワッ
113: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 00:27:59 ID:P4/4CFrZ3o
勝手にイラスト描いたよwイラスト上げてきた。
髪型とかスペックと違うかも……すまぬ。
114:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 08:23:54 ID:ipJaufw0BE
>>113
うっひゃああありがとうございます!!
115:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:04:55 ID:OPjjzsSZjw

「暇ですね」
「勉強教えてくれっていったのは君なのにね」

これっぽっちもやる気の見られない後輩に溜め息をつく。夕日の入る教室は、蛍光灯で人工的な明るさで照らされている。広げられたノートは数行の書き込みだけで終わっていた。

「どうする?」
「んー、どうしましょうか。せっかく良い時間ですし、何かやりますか?」
「何かってなに?」
「キューピットさんとか」

やっぱりそういうのか。


116:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:05:39 ID:OPjjzsSZjw

確かに、放課後の黄昏時で雰囲気出るとは思うけど。机の上に置いてあったいちご牛乳に手を伸ばしながら、そういうのは大体何も起こらないからなと考える。

「怪人アンサー、やってみませんか?」
「なにそれ」
「ケータイを使った降霊術、ですかね」

本当は10人必要なんですけど、まあ平気だと思います。
僕が先輩に先輩が僕に同時に電話をかける。
通話中になるはずの電話が、"アンサー"に繋がる。
どちらかにはどんな質問にも答えてくれて、もう片方には逆にアンサーから質問される。
それに答えられなければ、アンサーがやってきて体のどこか一部をもぎ取られてしまう。
よくある都市伝説でしょう?

後輩がニヤリと笑いながらケータイを取り出した。


117:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:06:07 ID:OPjjzsSZjw

「君にかければいいんでしょ?」
「はい。じゃあせーの、でお願いします」
「はいはい」
「せーの」

ピッと通話ボタンを押す。かかるわけないんだ。誰かが考えた作り話みたいな、こんなもの。そう思いながら耳に当てたケータイから聞こえる音はプルルルと続くコール音だった。

「あれ。タイミングあわなかった?」
「残念ですが、先輩。僕もコール音が聞こえてます」

今すぐにケータイを投げ飛ばしたい衝動に駆られる。少し耳から話して見た、ケータイの画面は通話中、に切り替わっていた。


118:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:06:48 ID:OPjjzsSZjw

『質問は』

ケータイ越しに聞こえる声は、聞いたことのないような酷く不気味な声だった。かかってしまった。冷や汗がツウと首筋を落ちる。

「…あなたは、アンサー、さんですか?」

もっと聞きたいこともあるような気がするが、これを確認しないことには今、私が誰と話しているかわからない。間違い電話ならいいのに。

『私はアンサー。今度は私から質問』


119:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:07:17 ID:OPjjzsSZjw

私が質問を出来たんだから、質問に答えるのは後輩ということになる。この状況になにがおかしいのか後輩はニヤニヤと笑いっぱなしだ。

「どうぞ」
『2031年10月23日の天気は』
「?!」

答えられる質問じゃないじゃないか!考える素振りを見せる後輩に不安を覚える。20年後の今日の天気、だなんてわかるわけない。

『20』

『15』

『10』

カウントダウンをするように電話の向こうの"アンサー"が数字を並べる。心拍数が上がる。
トス、トス、と廊下から足音とも違うような"音"が近づいてくるのが聞こえる。


120:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:08:15 ID:coZ3jnnCPA

『5』

『4』

『3』

"音"が一層近くなる。多分、今いる教室まで後2歩くらいだ。ケータイを握りしめる手が、汗でベタベタする。

『2』

『1』

「晴れ。」

0、と声が告げる前に後輩が言う。扉がガタンッと何かがぶつかったように大きな音を立てた。磨り硝子に映った影は、見たこともないような不気味な形をしていた。

もう駄目かも。


121:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:10:23 ID:ipJaufw0BE
プツリと電話が切れ、ツーツーと通話終了の合図が聞こえる。ケータイを耳から離し、ほっと息をついた。

「当たったの?」
「そうみたいですね」
「どうしてわかったの?」
「勘。ですね」

晴れ、雨、曇り、で大体3択みたいなもんですし。と後輩が笑う。

「外れてたらどうするつもりだったのよ」
「その時はその時かなと思いまして」

ある意味度胸のあるこの後輩は一回痛い目みればいいなと、少しだけそう思う。私はもうこんなことしない。


122: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 18:27:33 ID:oBArjX6dlE
うは〜ぃ!
更新してるぅぅぅ!
CCCC〜
123: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 18:31:43 ID:Vu4dJaZiYU
読めば読むほど好きになる(*´Д`*)
先輩可愛いよhshs支援
124: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 18:38:12 ID:cC7z/02pUY
このSSが毎日の楽しみだよ〜
(`・ω・´)つC
125:
◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 18:41:48 ID:cC7z/02pUY
>>122
支援ありがとうございます!

>>123
先輩「支援ありがとう。hshs…だと…?」

>>124
嬉しいです!ありがとございます(・ω・´)!
126:
◆OFa0FInsIU:2011/10/24(月) 19:03:59 ID:rlDvAj2o/A

「憑かれてますね」
「知ってる」

きゃいきゃいと騒がしい子供の声を聞いて、心が折れそうになる。なにが悪いってここが子供が入れない高校ということ、その子供が後輩と私以外見えていないってことだ。

「どこで拾って来たんですか」
「わからない」
「馬鹿ですか」
「断じて違う」

だって朝気づいた時にはいたんだもん。私のせいじゃないじゃないか。


127:
◆OFa0FInsIU:2011/10/24(月) 19:04:33 ID:rlDvAj2o/A

名前もわからない。見た目5歳くらいの男の子。半袖長ズボン。以上、私に憑いてる霊の特徴。

「どうするんですか」
「…どうにかしてくれない?」
「ええー」
「君、たまに薄情だよね」
「だって多分僕の言うこと聞かなそうですし」

明らかに面白がっている様子の後輩にどうにかしてくれる気はあまり無いみたいだ。

「先輩、子供の霊って怖いんですよ」
「………」
「無邪気だからこそ、怖い。」
「……君なんて嫌いだ」
「ちょ!?」


128:
◆OFa0FInsIU:2011/10/24(月) 19:05:10 ID:rlDvAj2o/A

教壇に立ち、なにかやっている男の子を見る。授業中もずっと走り回ってみたりドアを開けてみたり窓を叩いてみたり、うちのクラスは今日1日お化け屋敷状態だった。

「どうしようかなあ…」

キイイイイイとおぞましい音がする。黒板を笑顔で引っ掻いている男の子がいる。

「先輩止めてきてくださいよ!」
「そう言ったってさあ!君ぃ!」

パチリと音が止む。なんだ素直じゃないか。ダダダダッと机と机の間を駆け抜け、こちらにやってくる男の子。ひらりと足元に風が吹いたと思ったらバタンと扉が閉まっていた。制服のスカートが揺れる。

「…ピンク」
「…くそが!」

アッパーカットが後輩にクリティカルヒットした。


129:
◆OFa0FInsIU:2011/10/24(月) 19:05:42 ID:rlDvAj2o/A

「ちょっと待って!」

男の子が走る廊下を自分も全速力で走る。後輩も数歩遅れて走っている音がする。伸ばした手が男の子の右手を掴んだ。

「言うけどね、ここは君のいる場所じゃないの。わかるかな?」

男の子が首を振る。

「えーと、君は天国に行けるの。ここにいたって、いいことはないんだよ。だから、さ、そろそろ行かなくちゃ」

手を離し、背中を押す。光に融けるように崩れて男の子が消えた。


130:
◆OFa0FInsIU:2011/10/24(月) 19:06:10 ID:rlDvAj2o/A

パチパチと後ろから拍手する音がする。後輩がにやにやと笑いながら立っていた。

「お疲れ様です」
「どーも」
「交通事故でしょうね、アレ」
「……君、何が見えてたの?」
「左手と片目が飛び出した男の子だったナニカが。」
「ちくしょう先に言ってよね!」

見えなくて良かったのか、見えなくて悪かったのか私には分からなかった。
131: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 21:30:25 ID:WM.6ZBGSjg
ピンク!!〈●〉〈●〉
132: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 21:39:33 ID:qdHG6dVYtM
ピンク把握w
後輩が羨ましいな(´・ω・)
133:
◆OFa0FInsIU:2011/10/24(月) 22:18:23 ID:joWeDhn5w.
>>131
ピンクです<●><●>

>>132
後輩「アッパーくらうんですよ?」
先輩「あれは君が悪い。あなたも把握しない!」


134: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 22:26:23 ID:klZmCv3cl2
てっきり黒だと思ってたのにピンクとは可愛らしいなw
後輩はどう思う?
135:
◆OFa0FInsIU:2011/10/24(月) 22:52:33 ID:DjOT1O.uW.
>>134
後輩「うーん…黒も捨てがたいですが、僕としてはやっぱり白グベラッ」\エルボー/
136: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 22:54:34 ID:EL/i/oK8C.
無地ですかしましまですか水玉ですか花柄でしたかっ!?<●><●>
137:
◆OFa0FInsIU:2011/10/24(月) 23:10:02 ID:WM.6ZBGSjg
>>136
後輩「花がrアベシッ」
先輩「次は命がないと思いなよ」
後輩「はい、すいません…でもやっぱ浪漫じゃないですか!」
先輩「変態か」
後輩「男はみんな変態ですよ。」

138: 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 00:05:57 ID:DjOT1O.uW.
花柄のピンク把握しました。
で、もちろんブラもおそろいですよね?
139:
◆OFa0FInsIU:2011/10/25(火) 07:26:50 ID:DjOT1O.uW.
>>138
後輩「先輩脱いでくだs」
先輩「セクハラ禁止!」

お揃いです
140: 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 17:22:17 ID:02FBh6Qukk
なにこれ面白い!
良SS発見できて嬉しい(*´∀`*)
先輩愛してるよー
後輩には つピザマン
141:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 11:37:16 ID:C98SaZwlWc
>>149
嬉しいですありがとうございます!
後輩「…………」グスッ
先輩「ありがとうございます」
142: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 13:44:05 ID:joWeDhn5w.
いつまでも肉まんをもらえない後輩にこれを(´・ω・`)つカレーまん
143: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 17:17:36 ID:Kv92L3edQ2
では私は後輩にこれを
っフカヒレまん
144: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 19:12:47 ID:sBrVYo19lY
みんな意地悪だなw
つ豚まん
145:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 20:44:12 ID:rlDvAj2o/A
>>142>>143>>144
先輩「…全部おいしいよ?」
後輩「肉まんの方が安いのに!」
先輩「食べていい?」
後輩「嫌です僕のなんで」
先輩「ケチ!」
146:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 20:44:46 ID:rlDvAj2o/A
小学生くらいのよいこが帰るチャイムが聞こえる。最強はこの時間でも薄暗い。木枯らし1番も吹いたらしいし。そろそろマフラーの季節か。

「最近、この辺り"神隠し"が流行りらしいですよ」
「なにその嫌な流行り」
「小学生がいなくなったかなにかで、神隠しじゃないか、と近所の子供が言ってました。」
「行方不明て…結構な事件じゃないか」
「かくれんぼしてたらいなくなったみたいですよ。怖いですね。」

あんまり怖くなさそうに後輩が言う。見つけられなかったから、いなくなってしまったのだろうか。

「でもかくれんぼをやってた公園、有名な心霊スポットだったみたいです。あっちの世界の鬼に見つかっちゃたのかもしれませんね」

さらりと不吉なことを後輩が言った。


147:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 20:45:11 ID:rlDvAj2o/A

「今度確かめに行きましょうか」
「私は行かないけどね」
「いいですよーだ、一人でも行きますから」
「そんなに行きたいのか」

拗ねた様子の後輩を少し笑う。心霊スポットなんて私はかなり嫌な部類だから行かないけども。

「どうしたんだろう、あの人」

電柱に向かい合うような形で女の人がしゃがみ込んでいた。長い髪に隠れて顔は見えない。どうしたんだろうあれ。なにかあったようにしかみえないのだけど。


148:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 20:45:34 ID:rlDvAj2o/A

「声、かけてみますか?」

ニヤリと笑いながら後輩が言う。その笑顔のときはほぼ確実に霊関係なことは最近よくわかってきた。

「困ってる人は助けないといけませんもんね」
「え、ちょ、まっ」
「すいません、どうかしたんですか?」

止める間もなく、突っ込んだ後輩を止める術を誰か教えてほしい。


149:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 20:46:05 ID:rlDvAj2o/A

いつの間にか、あたりが随分暗くなっていた。電柱にパチリと明かりが灯る。

「あのー…」
「……………」

答えが返って来ないのを見て、後輩と顔を見合わせる。応答してくれないと意志疎通をすることが出来ないんだけど。困ったな。

「わた……、………な…?」

聞き取れない程の小さな声が聞こえた。蚊の鳴くような声とはこういうことを言うんじゃないだろうか。


150:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 20:46:37 ID:rlDvAj2o/A

「私……ない?かな。なにか無いのかな」
「いや知らない?じゃないですか?」
「あ、そか」

少しだけ聞き取れた内容から推測する答えを出す。ちらりと目に入った置き看板に、轢き逃げがあったと書かれていた。日付は一昨日だ。17時頃、調度今くらいの時間だ。


「わたしを殺した犯人を知らない?」


随分聞き取れた声がひんやりとした風とともに耳に響いた。


151:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 20:47:04 ID:rlDvAj2o/A


「…すいませんが、わからないです」

ぐいと引っ張られて、歩き出した後輩に引っ張られるようにして歩き出す。女の人はまだそこにしゃがみ込んだままだった。

「また憑かれますよ」
「でもなんか、嫌だ、なあ」
「犯人、捕まればいいですね」

彼女がいつか幸せにいなくなれるといい、そう思う。


152:
◆OFa0FInsIU:2011/10/26(水) 20:48:58 ID:DjOT1O.uW.
一応、今週中に終わらせようと思っています。もう少しお付き合いお願いします(`・ω・´)!
153: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 20:59:07 ID:mLQbycA2bc
終っちゃうのー?(´・ω・`)
154: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 21:09:36 ID:lEq.1G7bZU
後輩一人で行くとかフラグだからやめなさいwwww
終わっちゃうのかさみしい(´・ω・`)
155: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 22:10:42 ID:C98SaZwlWc
終わっちゃうの…?
寂しいけど、1が決めたことだもんね。
終わるまで全力で支援(`・ω・´)

156:
◆OFa0FInsIU:2011/10/27(木) 08:14:57 ID:ipJaufw0BE
>>153
まだ予定ですが(・ω・`)

>>154
フラグwwww
すいませんネタが発見出来なくて…

>>155
ありがとうございます!
そろそろ2週間ですしキリもいいかなあ…と
157:
◆OFa0FInsIU:2011/10/27(木) 22:02:28 ID:OPjjzsSZjw

「これなんだと思いますか」

ニヤニヤと笑う後輩がバックからなにかを取り出した。華奢な手に握られて出てきたのは随分懐かしい着せ替え人形だった。

「りかちゃん?なんで君がそんなの持ってるの」
「とある筋から」
「そういう趣味があるなんて知らなかった」
「変な誤解しないで貰えますか」

いや、変な誤解もするでしょうよ。


158:
◆OFa0FInsIU:2011/10/27(木) 22:03:10 ID:OPjjzsSZjw

「ワタシリカチャン呪ワレテルノ」
「裏声気持ち悪いね」
「三本足のりかちゃん人形、聞いたことありますよね?」
「なんとなく知ってるけど。アレでしょ、足が三本有るりかちゃん人形が存在して、それを持つと呪われるとかそんな感じの」
「それがこれです」

机に置かれたりかちゃん人形のスカートからのぞいた足は、本当に三本あった。ビニール製の足が当然のように三本あって気持ち悪い。

「友達から貰ったんですけど、捨てても戻ってくるらしいですよ」
「まさに呪いだね」

最近ちょっとやそっとじゃ驚かなくなってしまった気がする。動かなければ怖くないような。


159:
◆OFa0FInsIU:2011/10/27(木) 22:03:35 ID:OPjjzsSZjw

「人形に魂が宿るって言うじゃないですか」
「言うけど」
「それですよ」

たまたま、何億分の1のような確率で製造されてしまった三本足のりかちゃん。廃棄処分されたんでしょうけど、もしそのときからこの人形になにか、思いが宿っていたら?自分が捨てられるのをわかっていたら?

「…そりゃあ戻ってくるよね」
「そう思った上で触ってください」

微笑んだまま表情を崩さないりかちゃんと目が合った気がした。


160:
◆OFa0FInsIU:2011/10/27(木) 22:04:10 ID:OPjjzsSZjw

手を伸ばす。ツ、と触れたソレはまだ微笑んでいる。
だけど、思いが聞こえるみたいだった。辛い悲しい寂しい理不尽怖い…負の感情のばっかりだ。いつかの呪いと同じ感じだ。消せない、消えない、思い。

「先輩、せんぱーい」
「んあ?なに?」
「持ってかれますよ。しっかりして下さい。とりあえず手を離して」
「あ、うん」

りかちゃんから手を離す。だけどまだなんだかモヤモヤした気分が晴れない。

「どうするの、ソレ」
「供養して貰うつもりです。それから、足1本ちゃんとしたところで取って貰って幼稚園にでも寄付しようかと」

「そっか、」

それならこの思いも消えるだろうか。


161:
◆OFa0FInsIU:2011/10/27(木) 22:04:39 ID:OPjjzsSZjw

「帰りましょう」

後輩が笑う。いつものニヤニヤ笑いではなく綺麗な笑顔だった。珍しいこともあるな。

「うん、帰ろう」

すっきりとした空が赤に染まっていく。なんとなく不安な気持ちになるのはきっと空が綺麗すぎるせいだ。

終わりの始まりなんて、このときに私にわかるはずもなくて、明日は必ず来るはずだったんだ。


162: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 08:10:16 ID:cC7z/02pUY
>>154のせいでもう全てがフラグに見えるwww
全力で支援(`・ω・´)
163: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 10:10:51 ID:7zW0Gj9LRo
支援
164: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 20:45:13 ID:53ZNTmD6fY
>>162
フラグと見せかけてほとんどなんにもないですすいませんwww
支援ありがとうございます!

>>163
支援ありがとうございます!
165: ↑も1です
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:34:26 ID:OPjjzsSZjw

「山岡先輩、いますか?」

教室のドアから、見知らない顔が覗いていた。呼ばれた名前は私のもので、まったく心当たりはないが一応知らない後輩のもとへ。

「なにか」
「あの、俺、結城の友達なんですけど…」
「ゆうき?」

"結城"と言われて少し戸惑った。ただ思い当たる人間は一人しかいない。後輩と結構時間を過ごしてきた割に、名前も知らなかったなんてな。少しだけ笑える。


166:
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:35:05 ID:OPjjzsSZjw

「先輩、あいつどこにいるか知りませんか!?」
「知らない、けど…。どうかしたの?」
「昨日家、帰ってないらしくって…」

やっぱプチ家出とかッスかねえ…と後輩の友達が頭をかく。そんなことじゃないような、イヤな予感がする。

「すいません知らないなら大丈夫ですありがとうございました!!」
「ねえ、ちょっと待って」
「なんすか?」
「どうして私のとこに来たの」
「あいつが俺になんかあったら先輩にって言ってたんですよ。それじゃあありがとうございます!さようなら!」

早速と去って行く後輩の友達を見送る。心当たりがないわけじゃない。だけど、もし本当にそうだったら、そこまで言われてるなら私が行くしかないじゃないか。


167:
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:35:36 ID:OPjjzsSZjw

久々に一人で歩く帰り道はなんとなく寂しい。少し前までは、これが当たり前だったんだけどな。寒い。じゃりと音を立てる公園の地面を踏む。"神隠し"の噂で子供が寄りつかなくなった公園は随分と静かだった。

「お姉ちゃん」

2つ結びの小さな女の子が私のスカートを掴んでいた。うん、これでいい。今日だけは後輩のせいで、よく見えるようになった自分の目に感謝する。

「かくれんぼ、しようよ」
「…いいよ。ただ、鬼は私」

元気よく頷いて女の子が駆けていく。かくれんぼ、始めようじゃないか。


168:
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:39:39 ID:OPjjzsSZjw
続きは最後なんでまた明日、ということで!日曜日は番外編でも投下しようかなあ。
169: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 21:41:08 ID:coZ3jnnCPA
最後…だと…
寂しいな(´;ω;`)
170:
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:47:32 ID:f79T6dgeUQ
>>169
そう言って貰えて嬉しいです
私もかなり寂しいです(;ω;`)自分のSS終わるのって寂しいんですね…
171: 169:2011/10/28(金) 22:30:49 ID:53ZNTmD6fY
1のSS毎日楽しみに待ってたから自分も寂しいよ。
今日の続きと番外編も楽しみにしてる。
つCCCCC
172: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 07:56:55 ID:tA6KOE9Ttw
終わっちゃうのか…
番外編まで熱烈C!!
173:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 09:10:01 ID:OPjjzsSZjw
>>171
本当にありがとうございます(´;ω;`)ブワッ
頑張って最後までやり通しますので、よろしくお願いします!

>>172
終わっちゃいます(・ω・`)
支援ありがとうございます!



さて、何時くらいから投下しましょうかね…。あと番外なに書こう。


174: 最後
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:05:19 ID:cC7z/02pUY

「いーち」

「にーい」

「さーん」

「しーい」

段々と夜に向かって暗くなる公園の真ん中で目を瞑る。シン、とした公園の空気の異常さが肌から伝わってくるみたいだ。

「じゅうご」

「じゅうろく」

後輩が見つかるかなんてわからない。ましてや、本当にこれに巻き込まれてるのかもわからない。だけどさ、会えなくなるなんて嫌じゃないか。

「さんじゅ、」

「もういいかい」

遠くから"もういいよ"と聞こえた。


175: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 19:13:19 ID:mLQbycA2bc
なんかせつなくなった
176:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:17:21 ID:f79T6dgeUQ
>>175
今日は私もせつなくやっていくつもりです


隠れられそうな場所なんていくつもない、公園を見て気が付いた。これならきっと見つけられるはずだ。ポケットに入っている、後輩に貰った御守りを握りしめた。


177:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:22:49 ID:DjOT1O.uW.

まずいなあ、とは思っている。
小さい頃からこういう関係のいろんなことに(自分から)巻き込まれて来たけど、自分でどうにかできないのは久しぶりだ。

まあ調子にノったのは僕だから、最後まであの子に付き合うのもいいかもしれない。隠れたらそのまま、魔法のように開かなくなった用具入れの扉に背を預ける。冬の夜は随分寒かった。お腹空いたな。

遠くで、先輩が僕を呼ぶ声が聞こえる気がする。

もしかしたらあの人なら、そんなどこか確信めいた期待を抱きながら先輩の声に小さく返事をした。


178:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:25:33 ID:joWeDhn5w.

「…見つかんないし」

日が暮れかけた公園で少し絶望に陥りそうになる。どこを探せばいいかもうわからない。めぼしい場所は全部見たつもりなんだけどな。

「あーもう、早く出てきなよね!」
「……あ、あの小屋まだ見てないか」

公園の角に立つ小さい小屋を見る。用具入れかなにかだろうか。これで見つからなかったら、さっき探した場所をもう一回探してみよう。地面を蹴って走り出す。


179:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:48:41 ID:OPjjzsSZjw

錆び付いた重そうな扉を見る。開けていいものなのか少し戸惑うが、それどころじゃないかと取っ手に手をかける。ガッ引いた扉はガラリと大きな音と、何かが倒れたような音がして勢いよく開いた。

「いった!…ってあれ、先輩?」

頭を抑えた後輩が私を見て目を丸くする。ああ、見つかった。じわりと滲む視界に声が震えないうちに、言わなきゃいけない台詞を言おう。

「…結城くん、みーつけた」


180:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:50:06 ID:rlDvAj2o/A

「安心してるところ悪いですが先輩、まだ"かくれんぼ"は終わってませんよ」

ああそうだ、あの子を見つけないと終われない。だけどどこにいるかもうわかる気がした。用具入れの裏に、小さな陰が見える。

「みーつけた」

女の子を見る。にっこりと彼女は笑った。

「見つかっちゃったあ」

夕暮れに女の子が消える、普通の空気が戻ってきたみたいに思える。


181: おわり
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:50:34 ID:rlDvAj2o/A

「先輩、なに泣いてるんですか」
「うるさいバカ!見つけてあげたんだからいちご牛乳とビスコ奢れ!」
「僕もお腹空きました。コンビニ行って肉まん買いましょう」
「…見つからないかと思った」
「僕は見つけてくれると思ってました。」

後輩が笑う。差し出された手を繋いでコンビニまで行こうじゃないか。夜が迫ってくるけど、明日も明後日もちゃんとやってくるんだから。


182: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 19:51:06 ID:.4WV2iSHNw
うわぁぁぁああん(;Д;`)!!!!!
ラストにむかってCCC
183:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:54:38 ID:.yw9LayCwY
これで本編おわりです。最後まで見てくださったり、支援やいろいろほんっっっとうにありがとうございました!ここまで楽しくこれたのもみなさんのおかげです!(`・ω・´)初SSスレで至らないことも多かったと思いますが、本当にありがとうございました!!
184:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:55:52 ID:ipJaufw0BE
>>182
最後まで支援ありがとうございます(・ω・´)番外もよろしくです!
185: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 20:06:22 ID:mLQbycA2bc
初SSでこんなに面白いなんて…!!
お疲れ様!番外も楽しみにしてる
186:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 20:28:27 ID:ipJaufw0BE
>>185
ありがとうございます!頑張ります!




えーと、それでなんですが番外編ってみなさんどんなのみたいですかね?言ってみたもののなに書けばいいのかよくわからないのです…。
187: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 20:36:15 ID:ochZEk/WO.
後輩と先輩が誰かを心霊関係のトラブルから助けるお話が見たい

188:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 20:57:09 ID:C98SaZwlWc
>>187
面白そうですね!ありがとうございます(´∀`*)
189: 111:2011/10/29(土) 22:31:55 ID:BjDXenWqUs
すごいいいラストでした…
最後の最後まで、私の理想な感じで、二人にキュンキュンさせられまくったよ…
>>1さんありがとう
番外編も全力で支援なんだからねっ!
190:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 22:35:45 ID:OPjjzsSZjw
>>189
キュンキュンさせられたようでなによりです!イラストまで描いていただいた上に最後まで読んでもらえてこちらこそ本当にありがとうございます!こちらも番外編まで全力で頑張ります(・ω・´)!
191: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 23:19:33 ID:joWeDhn5w.
お疲れ様でした!!
1のSSとても楽しませていただきました。
番外編も全力支援(`・ω・´)

番外編は1話だけですか?
192:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 23:27:14 ID:ipJaufw0BE
>>191
ありがとうございます!楽しんで頂けたようで良かったです!番外編も頑張るんでもうちょっと楽しんでもらえると嬉しいです(・ω・´)

いやいやもう何話か書きたいです!リクエストなりなんなりあったらどぞ!
193: 191:2011/10/30(日) 00:39:27 ID:WM.6ZBGSjg
まだまだ1の作品が読めるんですね(*・∀・*)

それでは、一つリクエストしてもいいですか?
後輩視点の話とか読んでみたいんですけど、平気ですかね…
194:
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 01:19:11 ID:53ZNTmD6fY
>>193
大丈夫ですよー!ありがとうございます!もうちょっとお付き合いお願いしますね
195: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 11:18:31 ID:6BkTiQ0rv.
やっと昼間に見れたー!
すっごい雰囲気好き!
いい話しだー!
怖いけどせつなくて先輩も後輩も素敵だーヽ(*´∀`)ノ

196:
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 12:39:47 ID:ipJaufw0BE
>>195
ありがとうございます!昨日は楽しかったです!←
先輩・後輩「ありがとうございます!」
197:
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 12:41:46 ID:rlDvAj2o/A
ランキング7位とほんとに嬉しい結果をありがとうございます!みなさん大好きです!!

そういうわけで、番外編投下いっきまーす(´∀`*)
198: 番外1
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 12:42:20 ID:rlDvAj2o/A

「憑かれてると思うんです」

どんよりとした顔の女の子たちがそう言う。後輩は一瞬顔をしかめ、視線を女の子の目に移した。

「…はあ、そうですか」
「どうにかして貰えませんか」
「そんなこと言われても困るんですけど」
「そこをなんとか!!お二人の噂は聞いてます!本当に困ってるんです!」

どんな噂が流れているのか気になるところだ。ろくなものじゃないだろうけど。

「なにしたらそうなったんですか?」
「肝試しに心霊スポット行ったんです。ほら、あのトンネルの…。そしたら、なんかいろいろ気持ち悪いことが起こり出して…」
「あーはいはい、わかりました。それじゃ、あとはこっちでやるんでさようなら」

ずいぶんと投げやりな態度の後輩を見た後、ありがとうございますと去っていく女の子たちの後ろ姿を見た。黒い影を背負うその背中は、良くないことを案じさせるようだった。


199: 番外1
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 12:42:47 ID:rlDvAj2o/A

「そりゃ良くないことも起こりますよ、相当まずいですもんアレ」
「あ、やっぱり見えてたんだ」
「むしろ見えない方がおかしいかと。神社だとか寺だとかに行けばいいのに」
「後ろめたいことでもあるんじゃない?」
「なら教会に行って懺悔をしにいけばいいと思います」

それはもう違うなにかなんじゃないだろうか。後輩が持っていたペットボトルをゴミ箱に投げる。綺麗に放物線を描いてスッポリとそれはゴミ箱に収まる。

「準備しないと行けませんね」

あ、行くんだ。ニヤニヤと笑う後輩に急かされて立ち上がった。

200: 番外1
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 12:43:19 ID:rlDvAj2o/A

トンネルから出るひんやりと重苦しい空気が肩を圧迫しているように重い。後輩は気持ち悪いと呟いている。

「しかしなぜ自転車」
「ほんとは車が良かったんですけど、免許もなにもないので自転車です。」

一度家に帰り、もう一度集まった夜の10時。自転車にラフな格好の後輩はこの場所で異質だった。私も人のこと言えないけど。

「さ、ドライブに行きましょう」

自転車の荷台に乗り、後輩の運転で自転車が軽快に走り出す。キン、と耳鳴りがした。



※自転車の二人乗りは法律で禁止されています。やらないでくださいねー!


201: 番外1
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 12:43:55 ID:rlDvAj2o/A

ポツリポツリとつくだけのトンネルの明かりはすごく頼りなかった。結構長いトンネルな割に、すれ違う車はほぼ0。地元でも有名な心霊スポットだからだろうか。

「早速居ますね」

後輩の視線の先をたどる。反対側の壁側に長い髪の女の人が見える。裸足だし明らかに様子がおかしい。だけど目が離せない私と、その人の目がバチリと合ってしまった。

「何してるんですか、普通目合わせます!?」
「合っちゃったんだもん!あれ、いない…」
「なに言ってるんですか、後ろです先輩後ろ!」

振り返って私と話していた後輩が立ちこぎにシフトして自転車がスピードを上げる。今まで向こう側にいたその人は、振り向けばすぐ後ろにいた。


202: 番外1
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 12:44:24 ID:rlDvAj2o/A

ヒタリヒタリと言う足音に神経を尖らせながら、とりあえず黙ったまま目をつむる。こんなベタな怖い話を経験することになるなんて思わなかった!
ガシャリと自転車が時たま揺れる。明らかに後ろから来る振動なので、もうこの際触れないことにしよう。

「よし、出口…ッ!」

息を切らす後輩の声が耳に届いて目を開ける。おぼろげなトンネルのライトはもう目に入らず、そのかわりに月が見えた。足音はもう聞こえない。

「うえ、疲れました…」
「ごめんお疲れ様」

自転車を止め、一休みする後輩に水を渡す。

「…あ、」

トンネルのすぐわきに花の入った花瓶が倒れていた。あの事故現場にあるような奴だ。

「あの人たちはあれを倒したから、憑いてきたんですね。直しときますか」
「そうだね」

花瓶を起こし、水はさっき後輩に渡したものを入れる。これで一件落着だろう。

「先輩。すごく言いにくいんですが、パーカーの後ろ手形ついてます」
「え」

急いでパーカーを脱ぐと真っ赤な手形がひとつついていた。いつの間に…。

「あー!僕の自転車にも!!」

ベタベタといくつか後輩の自転車には手形がついていた。


203: 番外1
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 12:46:04 ID:f79T6dgeUQ

後日、女の子たちからは「なにも起こらなくなりました!ありがとうございます!」とお礼にいちご牛乳を献上された。後輩はコーヒー牛乳だった(なんせうちの学校に肉まんは置いてない)
こうしてパーカーと自転車という犠牲を出しながら、一応成功に至ったわけである。


204: 番外2
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 18:30:45 ID:.yw9LayCwY
また随分なものを背負ってるなあ…。これが今日の先輩の第一印象。見える割にどこかうといらしい先輩は、霊的なものが纏わりついているときが結構ある。今日は鎧甲の武士…?みたいなのだ。随分強そうなことで。

「人の斜め後ろ見ながら喋るな止めてくれないかな」
「すいません」
「…なにかいるの?」
「あー…ちょっと強そうな方が」
「イメージわかない」

斜め後ろを先輩が見るが、なぜか素早く逆に移動した武士を先輩は見れなかったらしい。


205: 番外2
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 18:31:20 ID:.yw9LayCwY

「塩まけばいなくなるかな」
「もっと簡単にいなくなりますよ」

良いこと思いついた。自分でも口の端が上がっているのがわかる。

「どうやるの?」
「まず"私じゃなにも出来ませんので他をあたってください"って念じながら3回回ってください」
「わかった」

クルクルと先輩が回る。なかなか面白い構図。

「そしたらワンと言ってー…」
「ワ……って君、これ絶対嘘だよね?」
「あ、バレました?」
「普通にバレるかな!」

先輩が腕を組んで口を尖らせる。もうちょっと面白いとこまでいくと思ったんだけどな。


206: 番外2
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 18:31:56 ID:.yw9LayCwY

「やっぱり塩まこう塩」
「念じる、までは本当ですよ。除霊じゃないですけど、それだけでも効果がありますから」
「あ、そうなの」

はい、と返事をしてなにもいなくなった先輩の斜め後ろを見た。ああやって念じると"その人より霊感が強い人に霊が移る"ことが多くなる。そういうもんらしい。

「よし霊もいなくなったみたいだし、午後の授業受けに教室戻ろうかなあー」
「そうですね」

残すところ2時間、退屈な授業を受けに教室へ戻ろう。その間ちらつくであろう鎧甲の武士をどうやって邪魔にならないようにするかを考えなくちゃいけないし。すでに歩き出した先輩の後ろを追いかけるようについて行った。


207:
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 18:34:15 ID:joWeDhn5w.
さて、これで番外投下も終了です。二人の話し方を書くのがもうないとなるとかなり寂しいですね…。なにがともあれ
お付き合いしていただき!
先輩後輩「どうもありがとうございました!」


208: 187:2011/10/30(日) 20:36:07 ID:D40Af.WWi2
書いてくださってありがとうございました(`;Д;´)!すごくよかったです(*´∀`*)続編を!続編をこれから書いてほしい!とわがままを言わせてください!
209:
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 21:16:31 ID:WM.6ZBGSjg
>>208
楽しんでもらえたみたいで良かったです(´∀`*)ありがとうございました!続編はまた書けたらいいなあと思っております!!そこまで言って貰えるなんて嬉しいです!
210: 193:2011/10/30(日) 23:27:34 ID:WM.6ZBGSjg
リクエスト受けていただきありがとうございました。なんだよ後輩優しいな!!
そんな優しい後輩につ肉まん
かわいい先輩についちご牛乳
そして1につ乙
本当に楽しませてもらいました!!
また1のSSが読める日を待っています(*・∀・*)
211:
◆OFa0FInsIU:2011/10/30(日) 23:31:13 ID:WM.6ZBGSjg
>>210
ありがたく乙頂いていきます!!最後までお付き合いありがとうございました(´∀`*)なんやかんや後輩は優しいみたいですww書き溜め終わったらまたスレ立てようと思ってるのでそのときもまた読んでいただけたら嬉しいです!
212: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 06:15:12 ID:kU0.TrIKHA
>>1乙!!
記念カキコ
213: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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sage:


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