夏も終わったけど、オカルト系SSを。
下手ですが、支援してくれると嬉しいです。
101: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 07:22:42 ID:f79T6dgeUQ
>>99
おはようございます・ω・ノシ
ありがとうございます!!そう言って貰えると嬉しくて踊り出せるレベルるです(´∀`*)
>>100
プ、プロポーズですかわかりますん!
102: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:30:05 ID:OPjjzsSZjw
雨が窓を叩く音がする。バンバンと叩きつける五月蝿い音で、最近あまり無かった台風みたいな大雨が降っているに違いない。傘を忘れた私に喧嘩を売ってるんだろうか。
「先輩、発見ー。一緒に帰りましょう」
「君、傘持ってる?」
「傘?折りたたみなら持ってますけど。どうしてですか?」
「どうしてって…この大雨の中、傘無しで帰るのは嫌でしょ」
「…あ。ああ、はい!そういうことですか!」
後輩は何かに気付いたように、ニヤニヤと笑った。
103: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:30:38 ID:OPjjzsSZjw
「今日の朝はあれだけ晴れてたのに…」
「傘忘れたんですか」
「降ると思わなかったんだ」
今日の朝は快晴で、寒いながらに良い天気だった。それがこんな土砂降りになるなんて思わなかった。
「でも、大雨の日ってなにか起こりそうですよね」
「そうかな」
「晴れより薄暗い日の方が怪談向きって言うか」
「そりゃあ、確かにそうかも知れないけど」
「だけど、本当は逆かも知れませんね」
軽そうなバックを持った後輩が言う。逆ってなんだ、晴れの日の方が出やすいってか。
104: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:31:01 ID:OPjjzsSZjw
「口裂け女なんかいい例ですよね。傘さしてる口裂け女なんかあまり語られないわけで。だから、アレは晴れの日の方が出やすいわけです」
「ああ…そうだね」
「室内系のやつは雨の方が雰囲気出るかもしれません。天候関係ありませんけど」
ケラケラと後輩が笑う。まあ、この前のテケテケにしたって雨の日でも風の日でも出てきてくれるだろう。傘を差す幽霊が語られないのは、人間と同じで霊も雨の日には外に出たくないからだろうか。
105: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:31:35 ID:OPjjzsSZjw
「あ、そういえばひきこさんが表れるのは雨の日ですね」
「ひきこさんねえ…」
「あれ?先輩知ってるんですか」
「この前テレビでやってたから」
「最近のテレビなんでもありですね」
確か、内容的には口裂け女と似たような感じだった気がする。口裂け女より背景が悲しかったけど。
「新しい都市伝説ですよねー、僕が小学生の時にはあんまり聞きませんでしたから」
「口裂け女の方が主流だったよね」
「今じゃ逆ですもん」
「時代は変わるのね…」
当たり前だけど。いつまでも高校生じゃいられないし、あと少ししたらここも卒業なのか。雨の音が寂しい気持ちを増大させるみたいだ。
106: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:32:02 ID:OPjjzsSZjw
下駄箱からローファーを取り出し、上履きから履き替える。クラスの傘立てをちらっと見ると、傘の数はかなり少ない。みんな私と同じ考えなんだな。
扉を開ける。
「…え、晴れてる?」
薄暗い空気と湿気がやって来ると思っていた私を嘲笑うかのように、朝と同じ青空が広がっていた。
107: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 18:35:22 ID:coZ3jnnCPA
「止んだ、の?」
「先輩、雨の後は一つも無いですよ」
「え」
「ねえ、先輩。雨の音を聞いてから窓を見ましたか?」
そういえば、見てないかもしれない。
「雨の音、ですか」
「そう、だよ。ほんとに降ってて…」
「先輩、窓見えますよね」
「窓…?」
今まで歩いてきた、2階のろうかの窓を見上げる。
「あ…」
いくつもの手形が、窓を叩いたように残っていた。
「ずーっと窓叩かれてたんですけど、先輩気が付かないから」
「いつから気づいてたの!?」
「最初っから」
どうやら私はかなり恥ずかしい勘違いをしていたみたいだ。ニヤニヤ笑う後輩の背中をバンッとバックで叩いた。気付いてたんなら言ってほしかった!
108: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 18:48:23 ID:rlDvAj2o/A
更新されると毎回先輩に胸キュンしてしまう
先輩に献上ついちご牛乳
先輩にベタベタしやがる後輩はこれでも食ってろ!!つあんまん
109: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 18:49:47 ID:qdHG6dVYtM
山岡先輩萌える…!
ひきこさんは怖いあれ怖い。
110: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 19:19:13 ID:9TKb6tgblk
先輩と後輩は最終的にくっ付く?
111: 67:2011/10/22(土) 19:24:02 ID:/ybsy4r3kw
イラスト描いたよ〜(≧∇≦)
ちょっとラノベの表紙風にしてみましたw
スペック出る前に描きはじめたもんだから、微妙に先輩の髪型が違いますが、そこはご愛嬌ということで;
イメージ違ったらゴメンね…
112: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/22(土) 19:34:50 ID:53ZNTmD6fY
>>108
先輩「ありがとうございます」
後輩「………」
先輩「拗ねてるね」
後輩「あんまんも好きだからいいんですー…」
>>109
ひきこさん、口裂け女は永遠のトラウマです
>>110
まだ秘密ですww
>>111
ふおわあああ!!ありがとうございます(;ω;)ブワッ
113: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 00:27:59 ID:P4/4CFrZ3o
勝手にイラスト描いたよwイラスト上げてきた。
髪型とかスペックと違うかも……すまぬ。
114: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 08:23:54 ID:ipJaufw0BE
>>113
うっひゃああありがとうございます!!
115: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:04:55 ID:OPjjzsSZjw
「暇ですね」
「勉強教えてくれっていったのは君なのにね」
これっぽっちもやる気の見られない後輩に溜め息をつく。夕日の入る教室は、蛍光灯で人工的な明るさで照らされている。広げられたノートは数行の書き込みだけで終わっていた。
「どうする?」
「んー、どうしましょうか。せっかく良い時間ですし、何かやりますか?」
「何かってなに?」
「キューピットさんとか」
やっぱりそういうのか。
116: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:05:39 ID:OPjjzsSZjw
確かに、放課後の黄昏時で雰囲気出るとは思うけど。机の上に置いてあったいちご牛乳に手を伸ばしながら、そういうのは大体何も起こらないからなと考える。
「怪人アンサー、やってみませんか?」
「なにそれ」
「ケータイを使った降霊術、ですかね」
本当は10人必要なんですけど、まあ平気だと思います。
僕が先輩に先輩が僕に同時に電話をかける。
通話中になるはずの電話が、"アンサー"に繋がる。
どちらかにはどんな質問にも答えてくれて、もう片方には逆にアンサーから質問される。
それに答えられなければ、アンサーがやってきて体のどこか一部をもぎ取られてしまう。
よくある都市伝説でしょう?
後輩がニヤリと笑いながらケータイを取り出した。
117: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:06:07 ID:OPjjzsSZjw
「君にかければいいんでしょ?」
「はい。じゃあせーの、でお願いします」
「はいはい」
「せーの」
ピッと通話ボタンを押す。かかるわけないんだ。誰かが考えた作り話みたいな、こんなもの。そう思いながら耳に当てたケータイから聞こえる音はプルルルと続くコール音だった。
「あれ。タイミングあわなかった?」
「残念ですが、先輩。僕もコール音が聞こえてます」
今すぐにケータイを投げ飛ばしたい衝動に駆られる。少し耳から話して見た、ケータイの画面は通話中、に切り替わっていた。
118: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:06:48 ID:OPjjzsSZjw
『質問は』
ケータイ越しに聞こえる声は、聞いたことのないような酷く不気味な声だった。かかってしまった。冷や汗がツウと首筋を落ちる。
「…あなたは、アンサー、さんですか?」
もっと聞きたいこともあるような気がするが、これを確認しないことには今、私が誰と話しているかわからない。間違い電話ならいいのに。
『私はアンサー。今度は私から質問』
119: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:07:17 ID:OPjjzsSZjw
私が質問を出来たんだから、質問に答えるのは後輩ということになる。この状況になにがおかしいのか後輩はニヤニヤと笑いっぱなしだ。
「どうぞ」
『2031年10月23日の天気は』
「?!」
答えられる質問じゃないじゃないか!考える素振りを見せる後輩に不安を覚える。20年後の今日の天気、だなんてわかるわけない。
『20』
『15』
『10』
カウントダウンをするように電話の向こうの"アンサー"が数字を並べる。心拍数が上がる。
トス、トス、と廊下から足音とも違うような"音"が近づいてくるのが聞こえる。
120: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/10/23(日) 17:08:15 ID:coZ3jnnCPA
『5』
『4』
『3』
"音"が一層近くなる。多分、今いる教室まで後2歩くらいだ。ケータイを握りしめる手が、汗でベタベタする。
『2』
『1』
「晴れ。」
0、と声が告げる前に後輩が言う。扉がガタンッと何かがぶつかったように大きな音を立てた。磨り硝子に映った影は、見たこともないような不気味な形をしていた。
もう駄目かも。
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