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後輩「先輩、落とし物です」
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1: :2011/10/16(日) 14:00:16 ID:coZ3jnnCPA

夏も終わったけど、オカルト系SSを。

下手ですが、支援してくれると嬉しいです。


164: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 20:45:13 ID:53ZNTmD6fY
>>162
フラグと見せかけてほとんどなんにもないですすいませんwww
支援ありがとうございます!

>>163
支援ありがとうございます!
165: ↑も1です ◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:34:26 ID:OPjjzsSZjw

「山岡先輩、いますか?」

教室のドアから、見知らない顔が覗いていた。呼ばれた名前は私のもので、まったく心当たりはないが一応知らない後輩のもとへ。

「なにか」
「あの、俺、結城の友達なんですけど…」
「ゆうき?」

"結城"と言われて少し戸惑った。ただ思い当たる人間は一人しかいない。後輩と結構時間を過ごしてきた割に、名前も知らなかったなんてな。少しだけ笑える。


166:
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:35:05 ID:OPjjzsSZjw

「先輩、あいつどこにいるか知りませんか!?」
「知らない、けど…。どうかしたの?」
「昨日家、帰ってないらしくって…」

やっぱプチ家出とかッスかねえ…と後輩の友達が頭をかく。そんなことじゃないような、イヤな予感がする。

「すいません知らないなら大丈夫ですありがとうございました!!」
「ねえ、ちょっと待って」
「なんすか?」
「どうして私のとこに来たの」
「あいつが俺になんかあったら先輩にって言ってたんですよ。それじゃあありがとうございます!さようなら!」

早速と去って行く後輩の友達を見送る。心当たりがないわけじゃない。だけど、もし本当にそうだったら、そこまで言われてるなら私が行くしかないじゃないか。


167:
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:35:36 ID:OPjjzsSZjw

久々に一人で歩く帰り道はなんとなく寂しい。少し前までは、これが当たり前だったんだけどな。寒い。じゃりと音を立てる公園の地面を踏む。"神隠し"の噂で子供が寄りつかなくなった公園は随分と静かだった。

「お姉ちゃん」

2つ結びの小さな女の子が私のスカートを掴んでいた。うん、これでいい。今日だけは後輩のせいで、よく見えるようになった自分の目に感謝する。

「かくれんぼ、しようよ」
「…いいよ。ただ、鬼は私」

元気よく頷いて女の子が駆けていく。かくれんぼ、始めようじゃないか。


168:
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:39:39 ID:OPjjzsSZjw
続きは最後なんでまた明日、ということで!日曜日は番外編でも投下しようかなあ。
169: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 21:41:08 ID:coZ3jnnCPA
最後…だと…
寂しいな(´;ω;`)
170:
◆OFa0FInsIU:2011/10/28(金) 21:47:32 ID:f79T6dgeUQ
>>169
そう言って貰えて嬉しいです
私もかなり寂しいです(;ω;`)自分のSS終わるのって寂しいんですね…
171: 169:2011/10/28(金) 22:30:49 ID:53ZNTmD6fY
1のSS毎日楽しみに待ってたから自分も寂しいよ。
今日の続きと番外編も楽しみにしてる。
つCCCCC
172: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 07:56:55 ID:tA6KOE9Ttw
終わっちゃうのか…
番外編まで熱烈C!!
173:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 09:10:01 ID:OPjjzsSZjw
>>171
本当にありがとうございます(´;ω;`)ブワッ
頑張って最後までやり通しますので、よろしくお願いします!

>>172
終わっちゃいます(・ω・`)
支援ありがとうございます!



さて、何時くらいから投下しましょうかね…。あと番外なに書こう。


174: 最後
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:05:19 ID:cC7z/02pUY

「いーち」

「にーい」

「さーん」

「しーい」

段々と夜に向かって暗くなる公園の真ん中で目を瞑る。シン、とした公園の空気の異常さが肌から伝わってくるみたいだ。

「じゅうご」

「じゅうろく」

後輩が見つかるかなんてわからない。ましてや、本当にこれに巻き込まれてるのかもわからない。だけどさ、会えなくなるなんて嫌じゃないか。

「さんじゅ、」

「もういいかい」

遠くから"もういいよ"と聞こえた。


175: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 19:13:19 ID:mLQbycA2bc
なんかせつなくなった
176:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:17:21 ID:f79T6dgeUQ
>>175
今日は私もせつなくやっていくつもりです


隠れられそうな場所なんていくつもない、公園を見て気が付いた。これならきっと見つけられるはずだ。ポケットに入っている、後輩に貰った御守りを握りしめた。


177:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:22:49 ID:DjOT1O.uW.

まずいなあ、とは思っている。
小さい頃からこういう関係のいろんなことに(自分から)巻き込まれて来たけど、自分でどうにかできないのは久しぶりだ。

まあ調子にノったのは僕だから、最後まであの子に付き合うのもいいかもしれない。隠れたらそのまま、魔法のように開かなくなった用具入れの扉に背を預ける。冬の夜は随分寒かった。お腹空いたな。

遠くで、先輩が僕を呼ぶ声が聞こえる気がする。

もしかしたらあの人なら、そんなどこか確信めいた期待を抱きながら先輩の声に小さく返事をした。


178:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:25:33 ID:joWeDhn5w.

「…見つかんないし」

日が暮れかけた公園で少し絶望に陥りそうになる。どこを探せばいいかもうわからない。めぼしい場所は全部見たつもりなんだけどな。

「あーもう、早く出てきなよね!」
「……あ、あの小屋まだ見てないか」

公園の角に立つ小さい小屋を見る。用具入れかなにかだろうか。これで見つからなかったら、さっき探した場所をもう一回探してみよう。地面を蹴って走り出す。


179:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:48:41 ID:OPjjzsSZjw

錆び付いた重そうな扉を見る。開けていいものなのか少し戸惑うが、それどころじゃないかと取っ手に手をかける。ガッ引いた扉はガラリと大きな音と、何かが倒れたような音がして勢いよく開いた。

「いった!…ってあれ、先輩?」

頭を抑えた後輩が私を見て目を丸くする。ああ、見つかった。じわりと滲む視界に声が震えないうちに、言わなきゃいけない台詞を言おう。

「…結城くん、みーつけた」


180:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:50:06 ID:rlDvAj2o/A

「安心してるところ悪いですが先輩、まだ"かくれんぼ"は終わってませんよ」

ああそうだ、あの子を見つけないと終われない。だけどどこにいるかもうわかる気がした。用具入れの裏に、小さな陰が見える。

「みーつけた」

女の子を見る。にっこりと彼女は笑った。

「見つかっちゃったあ」

夕暮れに女の子が消える、普通の空気が戻ってきたみたいに思える。


181: おわり
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:50:34 ID:rlDvAj2o/A

「先輩、なに泣いてるんですか」
「うるさいバカ!見つけてあげたんだからいちご牛乳とビスコ奢れ!」
「僕もお腹空きました。コンビニ行って肉まん買いましょう」
「…見つからないかと思った」
「僕は見つけてくれると思ってました。」

後輩が笑う。差し出された手を繋いでコンビニまで行こうじゃないか。夜が迫ってくるけど、明日も明後日もちゃんとやってくるんだから。


182: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 19:51:06 ID:.4WV2iSHNw
うわぁぁぁああん(;Д;`)!!!!!
ラストにむかってCCC
183:
◆OFa0FInsIU:2011/10/29(土) 19:54:38 ID:.yw9LayCwY
これで本編おわりです。最後まで見てくださったり、支援やいろいろほんっっっとうにありがとうございました!ここまで楽しくこれたのもみなさんのおかげです!(`・ω・´)初SSスレで至らないことも多かったと思いますが、本当にありがとうございました!!
75.15 KBytes

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