夏も終わったけど、オカルト系SSを。
下手ですが、支援してくれると嬉しいです。
2: 1:2011/10/16(日) 14:00:49 ID:coZ3jnnCPA
寒くなったな、と思う。
冬服になった制服でも寒いくらいなのに、これからもっと寒くなる冬を私は乗り切れるんだろうか。
朝のバスでくだらない思考と眠気に流されそうになりながらも、ペラペラと単語帳をめくる。
中間テスト最終日
考えるだけでめんどくなる言葉を単語帳が訴えてきた。溜め息を吐いて、眠気をグッと押さえ込む。あーあ。本当、嫌になるくらい寒い日だな。
3: 1:2011/10/16(日) 14:01:09 ID:coZ3jnnCPA
「あのー、先輩?」
肩を叩かれて振り返ると、知らない子が立っていた。私のことを先輩と呼んだからには、1つか2つ年下なんだろう。
「これ、落としましたよ。」
「あ、どうもありがとう」
後輩の手に握られていたのは、確かに私のバックに着いていた御守りだった。
あちゃあ、紐が切れたのか。
御守りをポケットに入れ、もう一度お礼を言う。
4: 1:2011/10/16(日) 14:01:32 ID:coZ3jnnCPA
スッと足の辺りに、寒い風が通り抜け体の体温を持っていかれた気がした。
「体調悪かったりしませんか?」
「?…大丈夫だけど」
初対面なのに、変なことを聞く子だ。季節の変わり目は風邪を引きやすいけども。
足元をじ、と見つめられる。
後輩はにやりと怪しい顔で笑っていた。
5: 1:2011/10/16(日) 14:03:13 ID:ipJaufw0BE
気持ち悪い。
勿論、キモイの方の気持ち悪い。
「それじゃあ」と言って、私は教室の方へ逃げるように歩きだした。
「先輩!気をつけてくださいね!!」
何にだ。君にか。
6: 1:2011/10/16(日) 14:04:08 ID:ipJaufw0BE
「あれ、御守りどうしたのー?」
「ごめん、朝取れちゃって」
「あらら」
「佳奈から貰ったやつだったのに、ほんとごめん」
「いいっていいって!」
友人が気にしないでと笑う。
ホームルームが始まるチャイムが鳴った。
7: 1:2011/10/16(日) 14:04:34 ID:ipJaufw0BE
開始のチャイムが鳴り、配られたテスト用紙を捲る。
形式ばかりのテストなんてやらなきゃいいのに。
3年の10月の中間テスト。
学校推薦は1学期までの成績で決まり、一般入試組は学校のテストなんてどうでもいい。
中途半端な暖房をつけた教室は生ぬるかった。気分が悪い。頭がボーっとして、吐き気と目眩で問題が霞んで見える。
カツンとシャーペンが落ちた音が鼓膜にぐわんぐわんと響いた。
8: 1:2011/10/16(日) 14:31:05 ID:OPjjzsSZjw
気がついた時には白いカーテンが見えた。
保健室だ。私は倒れたのか。
「先生ー」
「あら、起きたの。具合はどう?」
「大丈夫です。」
保健の先生が病院に行くか聞いてきたが、それを断ってもう一度ベッドに戻る。もうテストは終わる時間だろう。帰りのホームルームは出ないでもう帰ってしまおうか。
9: 1:2011/10/16(日) 14:43:34 ID:OPjjzsSZjw
カーテンが勢いよく開いて、朝の後輩が立っていた。
「大丈夫ですか」
「どうして君がここにいるの」
「僕、保健室の掃除当番なんですよ」
嫌な偶然。
にやにやと笑っている後輩がなんとなく気に食わない。イライラする。
「"やっぱり"テスト中に倒れたんですね、山岡先輩」
「名前、なんで知ってるの。ていうか"やっぱり"って…」
「先輩、吹奏楽部でしょ?去年あたり部長もやってた。吹部に友達いますもん。名前くらい知ってますよ。」
「ああそう」
「それでー、本題なんですけど。先輩最近恨まれるようなこと、しましたか」
10: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 14:59:00 ID:h16rtZcKgQ
C
11: 1:2011/10/16(日) 15:16:50 ID:53ZNTmD6fY
>>10
支援ありがとうございます!
ゾクッと気持ちの悪い寒けがした。恨まれるようなことなんて、してないつもりだ。私はかなり普通の人生を送ってきたし。
「友達から好きな人寝取ったりしませんでしたか?」
「そんなことしてないよ!」
「冗談です。なんでもいいですよ。あーそうだ。大学、もう合格してたりしますか?」
「大学…?うん、まあ。」
大学は学校推薦で最近決まった。そんなとこだろうと思いました、と後輩が言った。
12: 1:2011/10/16(日) 15:25:25 ID:DjOT1O.uW.
「御守り、見せてください」
「え、なんで」
「いいから」
ポケットから御守りを取り出し、後輩に渡す。閉じられている御守りの口をを後輩は無理に開けた。
「ちょっと、なにして…」
「これが、僕が言った"やっぱり"の正体ですよ」
13: 1:2011/10/16(日) 16:04:24 ID:53ZNTmD6fY
御守りの中から取り出されたのは、一枚の小さな紙。
いや、何重にも折り畳まれて、小さくなった紙。
それをスッと後輩が引き伸ばす。
「!」
思わず息を飲んだ。
白い紙に赤いペンで書かれていたのは、私に対する暴言だった。
ウザイ、ズルい、酷い、受験落ちろ、いなくなれ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ
死んじゃえ
14: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 16:04:24 ID:tMXuJA2ahY
ドキドキ…
C
15: 1:2011/10/16(日) 16:05:07 ID:53ZNTmD6fY
「朝から、おかしいと思ってたんです」
「バスの中で、真っ黒な人がいるから」
「最初は何かに取り憑かれてるのかなー、と思ってたんですけど」
「御守り拾って、ああ呪いかあって」
「寒かったでしょ?先輩。それも呪いの効果」
「ほんとは1学期のテストで、今日みたいなことしたかったんでしょうけど」
「ちょっと、うまくいかなかったみたいですね」
後輩がつらつらとそう言ってのける。
16: 1:2011/10/16(日) 16:05:39 ID:53ZNTmD6fY
いつの間にか握りしめたシーツに皺が寄っていた。
「まあ、あんまり気にしないで下さいね、先輩。僕たちが見たから呪いの効果はもうありませんよ」
「………」
「このくらいの被害で済んで驚きです。先輩が持ってれば持ってるほど、ヒートアップする類の呪いですよ、コレ」
「………」
「それに、跳ね返りがありますから。人を呪わば穴二つ、ってね」
悲しいとか、悔しいとか、ムカつくとか、全部見透かしたように後輩がそう言った。
17: 1:2011/10/16(日) 16:06:47 ID:cC7z/02pUY
>>14
支援ありがとうございます!!
次の日、佳奈は学校に来なかった。
次の日も次の日も。
先生は体調不良のため、と言っていた。
跳ね返り、てやつかもしれないなあと私はぼんやり思っている。
「山岡先輩ー」
「なんの用」
「一緒に帰りましょう」
「嫌」
「そう言わないで!」
佳奈がこなくなった以外にも、変化がもう一つ。
あの事件があった日から、どうしてか後輩が私に付きまとうようになった。
18: 1:2011/10/16(日) 16:07:29 ID:cC7z/02pUY
「そういえば、アレどうして呪いだなんてわかったの?」
「あー僕、霊感あるんですよ霊感」
不適な笑いを後輩が浮かべる。
「…へえ」
「うわ、興味無さそう」
「信じてないわけじゃないよ」
「まあいいですけど。そういえば思ったんですけど、先輩もあると思うんですよねー霊感」
「変なこと言わないでよ」
「マジですよ。だって、あの呪い効かなかったじゃないですか」
「まぐれだよ」
「いや、極端に強いんだと思います。だから今後一緒に付き合ってほしいところがあるんですけど」
不穏な流れだ。嫌な予感しかしない。
「心霊スポットとか、嫌だよ!」
「だあいじょぶですって!」
19: 1:2011/10/16(日) 16:07:56 ID:cC7z/02pUY
このあと、後輩から私はいろんなとこに連れ回されることになるのだが、
それはまた別の機会に。
20: 1:2011/10/16(日) 16:11:39 ID:.yw9LayCwY
とりあえず1つの話終了です。中間試験が終わり次第今回よりオカルトちっくな話が書きたいと思っています。
21: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 16:16:09 ID:W2StYRlO7.
こういうオカルトなSSを待っていた
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