ハロウィンＳＳです。
本日中の完結を目指しますが、間に合わなかったらご愛敬……。
130： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 21:56:12 ID:c9ImGJ5RyM
男「……まぁイメージしやすいから、そのあたりで良いような気も」
女「じゃ、それでお願いします」
テン「かしこまいりました」
女「最初は？」
テン「ルートから考えると、狼男、吸血鬼、魔女の順でしょうかねぇ」
テン「これだと、帰りに百鬼夜行と並走出来るかもしれませんよ？」
男「そんなのまでいるんですか……」
女「そういえばまだ百鬼夜行は見たことないなぁ」
131： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 21:56:33 ID:c9ImGJ5RyM
テン「それでは、出発いたします！」
女「出発進行！」
男「……オートだけどね、これ」
テン「スイッチ１つで安全運転です」
132： 名無しさん＠読者の声：2011/10/31(月) 22:28:09 ID:c9ImGJ5RyM
すいません……>>118の途中に入るはずだった部分が抜けておりました……。
こ、心の目でうまいこと修正お願いします……すいません。
男「……どこからそんなソファーとテーブルを」
女「気にしちゃ駄目なんだよ男」
テン「そうですよ、おばけのすることです」
女「突拍子がなかろうが、物理的に無理があろうがどうにかなるんだよ」
テン「道理も引っ込みます」
男「無理が通り過ぎてるよ！」
133： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:28:48 ID:c9ImGJ5RyM
男「ねぇ、これ外見てもいいの？」
女「なんで？
男「いやさ、今まで中国にいたけど狼男ってヨーロッパっぽいし」
男「どんな道走ってんのかなって」
テン「あまりお勧めはしませんよ？」
男「……何があるんですか？」
テン「いえ、かぼちゃ畑ぐらいしかありませんから」
134： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:29:04 ID:c9ImGJ5RyM
男「かぼちゃ畑？」
テン「はい。かぼちゃ畑です」
女「かぼちゃロードを走ってるんだよ」
男「……カーテン開けても？」
テン「見たいのでしたら、ご自由にどうぞ」
男「……」じゃっ
135： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:29:47 ID:c9ImGJ5RyM
女「……見渡す限りのかぼちゃだね」
テン「テーマはファンシーなのですが、如何せん道が長いもので……」
男「まぁ、顔が彫ってあったり、浮いてたりとファンシーちゃファンシーだけど」
女「あー」
男「どうしたの？」
女「よく見たらさ、月がビスケットで星が金平糖なんだんだよね」
男「えっ、本当っ？」
テン「おや、本当だ」
男「テンちゃん知らなかったの……？」
テン「私、普段は運転席にしかおりませんから」
136： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:30:09 ID:c9ImGJ5RyM
女「凝ってるねー」
男「これ、どういう仕組みなの？」
テン「私に聞かれましても」
女「不思議なことはまだまだ沢山あるってことさ」
137： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:30:23 ID:c9ImGJ5RyM
男「あ、トンネル」
テン「あれを抜ければ、狼男の家ですよ」
女「わんこさん！ わんこさん！」
男「狼だからわんこじゃないと思うよ」
女「もふもふ！ フルもっふにしてくれる！」
138： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:30:47 ID:c9ImGJ5RyM
女「……なんか長くない？」
テン「長いですね」
女「私トンネル苦手なんだよね……」
テン「今しばらくの辛抱ですよ」
男「ほら、もふもふについて考えときな」
女「うん……もふもふ、もふもふ……もふもふ王国」
139： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:31:04 ID:c9ImGJ5RyM
男「出口が見えてきたよ」
女「もふもっふ……もふもふの国……」
男「駄目だこりゃ」
テン「はいはーい、抜けますよー」
女「もふもふもふもふふるもっふ！」
男「逆に怖いよっ！」
140： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:52:11 ID:c9ImGJ5RyM
『狼男様宅―、狼男様宅―。お出口は、右側です』
女「ついたー！」
男「もふもふに目が輝いてるね」
テン「いってらっしゃいませー」
141： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:52:33 ID:c9ImGJ5RyM
男「テンちゃんは行かないの？」
テン「私は電車から離れるわけにはいきませんから」
女「流石プロ！」
男「カップ片手にケーキ食べながら言われてもなぁ」
テン「気にしてはいけません」
142： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:52:45 ID:c9ImGJ5RyM
女「ささっ！ 男、いざもふもふの元へと！」
男「もうお菓子なんてどうでもよくなってるでしょ」
女「もふもふの魅力はお菓子にも勝るものなり」
143： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:53:10 ID:c9ImGJ5RyM
男「見た感じは普通の家だね」
女「さぁ、行くぞ！」
こんこんこん
狼男「なんだ」
女「もふもふアンドトリート！」
男「なんか違う、なんか違う！」
狼男「なんだそりゃ……」
144： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:53:41 ID:c9ImGJ5RyM
女「……あれ？」
狼男「どうした？ あ、ほら菓子やるよ」
男「ありがとうございます」
女「あれ？ あれあれあれ？」
狼男「……おい、この子は一体どうしたんだ？」
男「あ、はいすいません……ほら、女」
女「……もふもふしてない」
狼男「は？」
145： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:54:25 ID:c9ImGJ5RyM
男「……大変失礼なことになるんですが」
狼男「おう」
男「あなたが普通の男性の姿をしていることにショックを受けているみたいなんです」
女「もふもふぅうううう！！！！」
狼男「えええええ」
146： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:55:01 ID:c9ImGJ5RyM
狼男「そりゃお前……狼男だってそんな年がら年中狼の姿をしてるわけじゃないだろ」
男「そりゃあそうでしょうね……すいません」
狼男「まぁよく言われるから別にいいけどさ」
女「せめてっ、せめて耳としっぽがあれば……」
男「……なんか、本当にすいません」
狼男「いや、お前も苦労してそうだし……気にすんなよ」
男「……ありがとうございます」
147： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:55:20 ID:c9ImGJ5RyM
女「……犬耳だけでも付けてみませんか？」
狼男「断る」
男「女、いい加減にしなさい」
女「……もふもふ」
狼男「あー、狼はいないけど犬ならいるぞ？」
女「もふっ！」
148： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:55:46 ID:c9ImGJ5RyM
狼男「時間あるなら、ちょっと遊んで行かないか？」
女「もふ！ もふもふもふっ！」
男「女、日本語喋って……」
男「あれ？ そういえば狼男さん、どうして日本語を……」
狼男「通信教育で習った。この企画に参加する条件なんだよ」
男「へぇ……」
149： 南瓜おばけ：2011/10/31(月) 22:56:04 ID:c9ImGJ5RyM
女「もふもふ……もふもふ」
男「女……」
狼男「裏にいるぜ。連れてくるから待ってな」
女「ふるもっふ！」
男「……もういいや」
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