狼(何故こんな森のはずれに子兎が一匹で…)
兎「…ZZZ」スピー
狼「……どうしたものか」
狼(しかし、こんな所に一匹で放り出しておくのは危険だな…)
狼「仕方ない…」
2: 1:2011/12/26(月) 22:49:36 ID:35K7yLKyUg
-狼の住処-
狼「結局連れてかえってきてしまった」
狼(運んでいる間も微動だにせず眠ってたな)
兎「……ZZZ」
狼(…ちいさい)ツンツン
兎「んんー…」ムニャムニャ
狼「………」ツンツンツンツンツン
兎「んみゅぅー…」イヤイヤ
3: 1:2011/12/26(月) 22:54:01 ID:6bZnwfxYfA
狼「…ハッ!」
(つい夢中になって遊んでしまった…)
兎「……ンジン…」
狼「…ん?」
兎「…ニンジン……」ムニャムニャ
狼「………」
狼(…もしかして腹が減っているのだろうか…)
4: 1:2011/12/26(月) 23:00:14 ID:6CrHi9jo.I
兎「……ZZZ」スピー
兎「……ん…、ほぁっ!」ガバッ
兎「…い、いけない…すっかりねむりこんでしまってました…」
兎「……はれ?」
兎(わ、わたし森の中でねむっていたはずなのに…)
兎(どうしてふかふかのおふとんさんの上にいるのでしょうか…)
フワン…
兎「…そ、それに…なんだかおいしそうなにおいがします…」ヒクヒク
5: 1:2011/12/26(月) 23:06:11 ID:Xjydrs6GU2
狼「……ん、目が覚めたのか」ヒョコッ
兎「!………」シーン
狼「……?」
狼「………おい、どうしt「ぴ、ぴゃああああああ!!!」ズザザッ
狼「!!?」ビクーッ
兎「ななななんでここに、お、おおおお狼が…!?」プルプル
兎「い、いやです!わたし、た、たべられちゃいますぅぅぅ!!だれかたすけて!たすけてくださぁい!」ガシャーンゴトーン
狼「………」
6: 1:2011/12/26(月) 23:13:01 ID:W.YwX.TgTA
狼「……おい、とりあえず落ち着け」
兎「ひぃっ!しゃ、しゃべったぁ!」ガタガタ
狼(…そうあからさまに怯えられると、流石に傷つくな…)
狼「………」スッ
兎「……!」ビクッ
狼「……そう怖がらないでくれ
誰もお前をとって食おうなんて思ってない」
兎「……こ、これは…」
狼「キャロットスープだ
…腹が減っているようだったから」
兎「………ほあ…」グゥー
7: 1:2011/12/26(月) 23:19:56 ID:lQK1J33lwk
兎「お…狼……さん…」
狼「なんだ」
兎「…な、なんで、わたしをたべようと、しないんですか…?」
狼「…俺はお前みたいなちびまで捕まえて食べる程、食糧に困ってないからな」
狼「…それに、もうやめたんだ
動物たちを手にかけるのは」
兎「……よ、よくわからないけど、そうなんですか…」
8: 1:2011/12/26(月) 23:22:58 ID:35K7yLKyUg
狼「…まぁ、話は後でいい
とりあえず食え」
兎「………は、はい」オズオズ
兎「………」コクコク
兎「……!と、とってもおいしいです!」パァァ
狼「そうか……それは良かった」
9: 1:2011/12/26(月) 23:33:11 ID:35K7yLKyUg
兎「ほぁー…ほんとに、とってもおいしいです…」モクモク
狼「…いい食べっぷりだ
よほど腹が減っていたんだな」
狼「………ところで、お前は見た所…俺と同じ半獣のようだな」
兎「!」
狼「人間の体に、獣の特徴を併せ持つ種族……兎の半獣は、久しぶりに見たよ」
兎「………」
狼「……何か事情があるようだな
…まぁいい、今はゆっくりと体を休めろ」
兎「………はい…」シュン
10: 1:2011/12/26(月) 23:40:07 ID:M17aQNLWVU
兎「ご、ごちそうさまでした」
狼「……ん」
兎「……あの…狼さんは、ずっとここにひとりですんでるんですか?」
狼「……あぁ、随分前からな」
兎「他に動物はすんでないんですか?」
狼「…いや、今は姿が見えないが、ここの森は半獣たちばかりの住む隠れ家のようになっているんだ」
兎「は、半獣たち、だけの…」
狼「…後で外を見に行ってみるといい
誰かと会えるかもしれないからな」
兎「は、はい!ありがとうございます狼さん」
11: 1:2011/12/27(火) 00:03:01 ID:M17aQNLWVU
さ、早速煮詰まりました…
遅くなりましたが、初SSです
拙いですがよろしくお願いします…!
12: 1:2011/12/27(火) 00:42:35 ID:M17aQNLWVU
狼「ふぁー…一仕事したら眠くなってきた…」
兎(う、うわあ…やっぱり狼さんお口おっきくて牙もするどいし…こわいです…わるい狼さんではないみたいですけど…)ビクビク
狼「…ん、俺は少し眠ってくる…
お前もベッドでもう少し休め」
兎「は、はい…」
バタン
兎(狼さん…ねむりにいってしまいました)
兎「あっ」ピコーン
兎(そうです…少し、森にいってみましょう…!)
13: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 00:59:21 ID:533uxJR/yw
キャー可愛いっ!
支援してやるぜ(・∀・´)
つCCC
14: 1:2011/12/27(火) 10:10:35 ID:35K7yLKyUg
>>13
うわああ支援ありがとうございます!
励みになります!
15: 1:2011/12/27(火) 10:19:30 ID:Xjydrs6GU2
ガチャ
兎「……ほわぁ、きれいな森ですね…!」
兎「うーん…だれもいないみたいですけど…ほんとにだれかすんでるんでしょんでしょうか?」
テクテク
兎「…ほあっ!そういえば狼さんにことわらずにでてきてしまいました!」ハッ
兎「…でも、もうねむってしまってるかもしれませんし…すぐもどれば、だいじょうぶですよね…」
兎「…よぉし!まずあっちのくさむらにいってみましょう!」
…ガサッ
?「…………」
16: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 11:41:57 ID:3EPWydNmto
支援age〜(*・ω・)ノ
何か可愛過ぎるww
17: 1:2011/12/27(火) 13:15:09 ID:X7SBxhlvQ.
>>16
支援ありがとうございます\(´∀`*)シ
狼「…お前がかわいいらしいぞ」
兎「ほあ!?そ、そんな、てれちゃいます///」
18: 1:2011/12/27(火) 16:10:24 ID:M1hgOw/KZ6
兎「んしょ、んしょ…」ガサガサ
兎「はぁ…おもったより草がたかくてうまくすすめないです…」ガサガサ
兎「……ん…あれ?」
ガサ…ガサ…
兎「…なんだか、手前の草がうごいてるような…」
兎「な、なんでしょう?」
ガサッガサガサガサ!
兎「!?」ビクーッ
ガサガサガサガサ!
兎「ひ、ひやああああ!?なななっなんでおっかけてくるんですかー!?」ガサガサ
ガサガサガサガサ!
兎「い、いやあああ!たすけてくださぁぁい!」ガサガサ
兎「っぶぇ!」ビターン
兎「い…いたいです…」グスッ
ガサガサ…
?「……プッww」
19: 1:2011/12/27(火) 16:19:38 ID:x2apvB4eTs
?「おまっマヌケすぎwwぶはっww」
兎「???な、なに!?なんなんですか!?」
?「まんまとイタズラに引っかかってくれたなー
おまえ、おどかしがいがあるぜ」ニヤニヤ
兎「あっあなたですか!?さっきおいかけてきた犯人は!」
?「そのとーり!いやぁ見かけない顔がいるなぁと思って、ちょっとあいさつがわりにね」
兎「ひ、ひどいです!こんなのあんまりです!わたしすごくこわかったんですよ!」
?「あー悪かったって!ほら、いつまでもずっこけてないで、手かせよ!」グイッ
兎「…あ、ありがとう、ございます…」ヨロッ
リス「オレ、この森に住むリスって言うんだ!お前の名前は?」
兎「あっ…え、えっと、兎、です…」
リス「兎な!これからよろしく新入り!」
兎「ほぁ…い、いえ、こちらこそ」ペコッ
20: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 16:24:34 ID:BZzj2zjrf.
兎ちゃんきゃわわ支援
21: 1:2011/12/27(火) 16:30:51 ID:eAGcRsPD1k
兎「…ってちがいますー!」プンブン
リス「うおっいきなり暴れだした!」
兎「なんでいきなりおどかしたりするんですか!いたずらはいけないことなんですよ!」プンスカ
リス「うわーお前、怒っても全然怖くねーなぁ」プスー
兎「な、なにお!」
リス「だからさっきからごめんって言ってんじゃんか
オレのイタズラは親睦を深める手段なんだよ!」
兎「……むぅ…」
リス「それよりも、お前の話を聞かせてくれよ!
いつこの森に来たんだ?」
兎「……う、え、えっと…」
兎「よ、よくわかんないんです…」
リス「はぁ!?」
22: 1:2011/12/27(火) 16:37:04 ID:M17aQNLWVU
>>20
支援感謝です!ありがたやー(´ω`)
兎「ほぁ…、あ、ありがとうございますっ!」
23: 1:2011/12/27(火) 16:46:10 ID:eAGcRsPD1k
リス「何だそれ、わかんないってどういうことだよ」
兎「うぅ…ねむってるあいだに連れてこられたというか、なんというか…」
リス「連れてこられた?誰に?」
兎「えっと、あそこのおっきな木の下のおうちにすんでる、半獣の狼さんです」
リス「……あー…、狼かぁ…何となく理解できたわ…」
兎「へ?ど、どういう意味ですか?」
リス「アイツなぁ、ちっちゃくてか弱いものをほっとけないっつーか何つーか…」
リス「…お前もしかして、森のはずれとか獣や人間のよく通る場所で、一匹で寝てたんじゃないか?」
兎「!?な、なんでわかったんですか!?」
リス「…やっぱりか」
24: 1:2011/12/27(火) 17:05:12 ID:Xjydrs6GU2
リス「狼はな、町へ下りるために、よく森のはずれの道を使うんだ」
兎「ま、町に!?どうして人間のいっぱいいるきけんなところにいくんですか!?」
リス「…ま、アイツにもいろいろ事情があるのよ
んで、その森のはずれの道ってのが、よく半獣の子供が捨てられてる場所なんだけどさ」
兎「……!」ビクッ
リス「凶暴な獣や猟師が、よく獲物を狙ってやってくる場所だからかもしれないな」
リス「…お前が何でそこにいたのかはあえて聞かないけど…
とりあえず、狼がまた困ってヤツでさぁ」
兎「…困ったヤツ?」
リス「そう。捨てられた半獣の子供を見つけては、危ないからーとか何とか言ってホイホイ連れてかえってきちまうんだ」
兎「…で、でもわたし…狼は、こわくてあぶない動物だとおしえられました…」
リス「…他の狼がどうかはしらないさ
でもアイツは、あの狼は特別なんだ」
兎「とく、べつ…」
リス「そぉそぉ、それに実はアイツ、ロリコンだs」
狼「…喋りすぎだ」ゴン!
リス「あいってぇ!!」
兎「お、狼さん!?」
25: 1:2011/12/27(火) 17:40:36 ID:x2apvB4eTs
狼「…コラ、勝手に外に出てはダメだろう」
兎「…ご、ごめんなさい…」
リス「あーっもう!いってぇな!お前のゲンコツ痛いんだからもうちょっと加減しろよ!」
狼「…お前がペラペラと喋るのが悪い」
リス「何だとぉ!?」
狼「それに俺はロリコンじゃない
…ただ小さくてかわいい生き物が好きなだけだ」
リス「嘘つけ!それをロリコンっつーんだよ!」
狼「……ん」
兎(リスくんと狼さん…なかよしなんでしょうか…)
26: 1:2011/12/27(火) 20:04:29 ID:6CrHi9jo.I
狼「…兎、今日はもう家に戻れ
森の案内は、また明日俺がしてやる」
兎「…は、はい…すみません…」
狼「…別にいい。ほら…帰ろう」スッ
兎「…!」ビクッ
狼「………兎」
狼「…やっぱりまだ俺が、怖いのか…」
兎「…ご、ごめんなさい…」
リス「やーい怖がられてやんのーww」
狼「…………」シュン
リス(あ、やべぇ本気で落ち込んでる)
27: 1:2011/12/27(火) 23:17:20 ID:Xjydrs6GU2
リス「お、おーい狼…冗談だって、本気で落ち込むなよ…」
狼「…………」ショボン
兎「……!あっあの…わ、わたし、リスくんに狼さんは良い狼だってきいたんです」
狼「!……兎…」
兎「…狼さん、おいしいごはんつくってくれたし、あったかいおふとんにねかせてくれたし…そ、それに、よくわかんないけどわたしをたすけてくれたんですよね?」
狼「………」
兎「だ、だからその…狼さんはわるい狼じゃないって、おもって…でも、からだがかってにこわがっちゃって…」
兎「ほ、ほんとにごめんなさい…」ペコ
狼「………」
狼「……いいんだ、それはしょうがないことだから」
狼「……わるい狼じゃないって思ってくれて…ありがとう」
兎「……狼さん…」
リス(……あれ?よ、よくわかんないけどこれいい雰囲気ってやつなのか…?)
リス(うわぁ…狼めっちゃ尻尾振ってるし…居心地悪ぃぃぃ!)
28: 1:2011/12/27(火) 23:33:16 ID:6bZnwfxYfA
リス「い…いやぁハハハ!よ、良かったなぁ狼!これもオレのおかg…」
狼「…あぁ、そうだな
感謝する、リス」
リス「うぇ!?や、やめろよそういう返しが一番困るんだよ!」
兎「わ、わたしからも、ありがとうです!
…あ、でも、もういたずらはしないでくださいね?」
狼「…なに?リス、お前何かしたのか?」ジトッ
リス(!!や、やべぇ…!)
リス「ああっ!も、もうこんな時間かーあはは!オ、オレ帰らないと!じゃじゃじゃじゃあまた!」ピュン
狼「あ……」
狼「…アイツ…逃げ足だけは速いな」
兎「あらしのようにさっていきました…」
狼「………」フゥ
狼「……兎」
兎「ほぁ?は、はい!」
狼「……帰ろうか、今度こそ」ニコ
兎「!」
兎「……はい!」
29: 1:2011/12/27(火) 23:42:15 ID:8bDNuZt/kI
わたしは子兎
ひろったあなたは狼さん
おおきな木の下の
ちいさなおうちをめざして
でこぼこなふたりは
トコトコあるく
さすがにまだ手は
つなげないけれど
狼さんのとなりは
とってもぽかぽかあったかい
わたしは子兎
ひろったあなたは狼さん
森をまっかにそめていく
ひぐれの光をあびながら
でこぼこなふたりは
トコトコあるく
30: 1:2011/12/28(水) 00:03:55 ID:x2apvB4eTs
とりあえず一区切りです
なんだか成り行きで伏線張りまくってしまって、いつ回収すればいいのやら…ww
明日の更新からもうちょっとギャグや新キャラ増やしていきたいです(´ω`*)
それでは、支援くださった皆さんありがとうございました!
おやすみなさいノシ
31: 1:2011/12/28(水) 12:48:32 ID:W.YwX.TgTA
兎「……ZZZ」スピースピー
ガチャ…
狼「…ん、起きろ兎
もう朝だぞ」
兎「むにゃ…」スピースピー
狼「………」
狼「………」ピコピコ
兎「…うむぅ…」
狼「………」ピコピコピコピコ
兎「むうう…」
狼「………」ピコピコピコピコピコピコ
兎「ほわああわたしの耳ピコピコするのやめてくださいいいい!」ガバッ
狼「おはよう」
32: 1:2011/12/28(水) 16:52:03 ID:6CrHi9jo.I
兎「ふわぁ…」ボーッ
狼「…まだ眠いかもしれないが、
食事の準備ができてしまったからな
起きてもらわないと困る」
兎「うぅ…だ、だいじょぶです…」ゴシゴシ
狼「……ほら、椅子に座れ」
兎「は、はい…よいしょっ…」
兎「…!うわぁ、おいしそうです…!」
狼「……早く食べなさい」
兎「はい!」ムグムグ
兎「……!お、おいしいです!」パァァ
狼「……そうか、良かった」
兎「お、狼さんはとってもお料理がじょうずなんですね!」
狼「…もう1人で暮らすようになって長いからな」
兎「にんじんおいひい…」ホワー
狼(…キャロットスープ、すっかり気に入ってくれたようだ)
33: 1:2011/12/28(水) 20:15:44 ID:6CrHi9jo.I
狼「…さて、今日は忙しくなるな」
兎「むぐ…、?何がですか?」
狼「…お前に森を案内しなければならないし、色々と話さなきゃいけないことがある」
兎「ほあっ、そういえばそうでした!」
狼「…だから、食事はしっかりとっておけ」
兎「わかりました!…あっ、そういえば狼さん」
狼「?何だ?」
兎「…あの、昨日リスくんに、狼さんはよく町に下りてるってきいたんですけど」
狼「………」
兎「な、なんでそんなあぶないところに自分から…?」
狼「………はぁ」
狼「………リスめ、本当にアイツはお喋りだな…」
兎「…あっ、あの!いうのがいやなら、いいんです、けど…」ワタワタ
狼「…………」
狼「…いや、別に構わないよ」
34: 1:2011/12/28(水) 21:30:01 ID:35K7yLKyUg
狼「お前も知っていると思うが…俺たち半獣は、あまり歓迎された存在じゃない」
兎「……」
狼「人間からは気味悪がられ、動物たちには迫害される、どちらの世に生まれたって絶対認められない存在なんだ
…俺も、生まれてからずっとそうだった」
兎「…狼、さん」
狼「…生まれた群れからは子供のときに追い出された
死にかけだった俺は、それでも必死で生き延びようとしたよ
自分の命を繋ぐために、まだろくに狩りの方法も覚えてないくせして死ぬ気で小動物たちを捕まえて食らってた」
狼「物心ついた時には、もう目に入るもの全部が憎く思えて、意味もなくたくさんの命を奪った
動物も、人間も…半獣もな」
兎「………!」ビクッ
狼「……怖いか、兎」
兎「……!そ、そんなことないです!その、わたしだって同じ半獣で、きもちはわかりますから…」
狼「…………ありがとう」
35: 1:2011/12/28(水) 21:50:41 ID:6bZnwfxYfA
狼「…でも、そんな生活を続けてたら、やっぱり人間からも動物からももちろん半獣からも俺は恐れられるようになって、そのうち誰もよりつかなくなった」
狼「……1人になったんだ」
狼「…でも、ある時そんな俺のことを気に掛けてくれる物好きな人間の女の子が現れたんだ」
兎「……にんげん、の?」
狼「……あぁ
もう随分前に、死んでしまったけれど」
兎「……そうなんですか…」
狼「…兎、お前が悲しむ必要はないよ」
兎「…でも、やっぱりだれかがしぬのは、かなしいです…」
狼「……お前は優しいんだな」
兎「ほあ!?そ、そんなことは…!」カァァ
狼「…あと、わかりやすいな」
兎「うう……」プシュー
36: 1:2011/12/28(水) 22:13:00 ID:35K7yLKyUg
狼「…それから、その人間のおかげで俺は、もう誰かを傷つけるのはやめようと思えたんだ」
狼「…まぁそういうわけで今は、自分の食い扶持を稼ぐために町に下りて働かせてもらってる」
兎「!?ははは、はたらいてるんですか!?」
狼「あぁ、半獣に理解のある店があってな
色々と縁があって、表向きには人間として働いているんだ
耳と尻尾を隠せば、見た目は人間と大差ないし」
兎「ほわぁ…す、すごいですね、狼さん…わたしにはとてもマネできそうもないです…」
狼「…そりゃあ、お前みたいなチビを雇ってくれる店はまだないだろうな」
兎「!?ひ、ひどい!わたしちびじゃないですよ!そりゃ、ち、ちょっとだけちいさいかもですけど、お、おとなになれば、きっとぼんきゅっぼんです!」プンプン
狼「…ほう、ボンキュッボンねぇ」
兎「あっ!そっその顔はばかにしてますね!」
37: 1:2011/12/29(木) 00:38:19 ID:lQK1J33lwk
狼「…まぁ、そういうわけで俺は時々家を空けるから、お前にはこの家に1人でいてもらわなければならないんだが…平気か?」
兎「…は、はいそれくらいなら…
…はっ!そっそれよりも、狼さんははたらいてるのにわたしがなにもせずにおいてもらうわけにはいけません!」
狼「……余計な気遣いをするな
お前は俺が拾ったんだ
何も気にせず、ここにいればいい」
兎「あう…で、でも、それでもわたしだってなにかおてつだいしたいんです!」
狼「……兎……」
狼「……わかった
じゃあ、お前には俺がいない間家を守ってもらいたい
……難しい仕事だ、頼めるか?」
兎「……!は、はい!わたし、このおうちを守れるように、がんばります!」
狼「……ふふ、頼んだぞ」
狼「さぁ、話はここまでだ
早く食べて森を見に行かなければ、日が暮れてしまうぞ」
兎「はいっ!」
38: 1:2011/12/29(木) 00:45:58 ID:72Oo58upPU
今日の更新はここまでで…!
なかなか森にいけませんね…
つ、次こそようこそどうぶつの森的な話を書きたいですww
おやすみなさい!ノシ
あ、あと…もしも誰か見てくださってる方いましたら、キャラのスペックとか需要ありますかね…?
39: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 08:25:09 ID:1sFWJKg1r2
っCCCCCCCCCC
スペックkwsk
40: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 10:01:30 ID:UAkKQY3ANI
スペック分かったら是非絵を描かせていただきたい…!
支援CCC
41: 1:2011/12/29(木) 10:21:18 ID:72Oo58upPU
>>39
うわぁい支援いっぱいありがとうございます!\(´∀`*)ノ
スペックぜひ書かせていただきます!
>>40
支援うれしやありがたや!ありがとうございます…!
絵を描いて頂ける…だと…!?(゜ω゜ )
うわぁぁすっごいうれしいです!
張り切ってスペック書いてきます´///`
42: 1:2011/12/29(木) 10:54:14 ID:M1hgOw/KZ6
というわけでスペック⊃
[兎]
怖がりでおっとりした半獣の兎の女の子。
見た目年齢は人間でいうと大体7歳くらい。
ふわふわとした茶色いくせっ毛に、茶色いたれ耳としっぽが特徴。
同じくふわふわでおおきなリボンのついた白のワンピースを身につけている。
まだちっちゃいのでセリフはひらがな多め。
何故か「ほあっ」とか「ほわぁ」みたいな奇声をよくあげる。
[狼]
無口だけど心優しい半獣の狼の青年。
見た目年齢は20代前半くらい。
背が高く整った顔をしているが、あまり表情を表に出さない。
こげ茶色のピンピン跳ねた髪の毛とフサフサの耳としっぽが特徴。
スーツにリボンタイといった、結構しっかりとした格好をしている。
料理が得意で、小さくて可愛いものが好き。
セリフの頭に「…ん」と言ってしまうのが口癖
[リス]
快活でイタズラ好きな半獣のリスの少年。
見た目年齢は11歳くらい。
栗色のくるくるしたくせっ毛と耳、大きなしっぽが特徴。
いつも動きやすそうなサロペットを着ている。
何気に常識人。
43: 1:2011/12/29(木) 13:18:54 ID:X7SBxhlvQ.
ガチャ
兎「ほわぁ…やっぱりこの森ってすごくきれいですね!」
狼「…人の手が入ってないからな
ここは森の中心部で周りでは茂った深い森が迷路のようになっているから、獣も猟師もここには入ってこれないんだ」スタスタ
兎「ほぁ…そういえば狼さんのおうちのまわりにはどうして大きな木がいっぽんしかはえてないんですか?まるで野原みたいです」テクテク
狼「…あぁ、ここは森の中心部から少しそれた場所だからな
あそこの草むらと林を抜けた場所が、本当の中心だ」スタスタスタ
兎「そ、そうなん、です、か」テクテクテク
狼「他の半獣たちは殆どが中心部に住んでいて…」スタスタスタスタ
兎「お、狼さ、まってくださ…、はや、はやいです!あるくのはやいです!」
狼「…あ、すまない
喋りながら何かをするのがどうも苦手で…」ピタッ
兎「お、おいてかれちゃうかとおもいました…」ゼーゼー
44: 1:2011/12/29(木) 14:31:07 ID:X7SBxhlvQ.
狼「…ん、ここからは背の高い草むらが続くな…
…兎、俺の背中に乗れ」
兎「ほぁ!?せ、せせせ背中にですか!?」
狼「…あぁ、こう草が高いとお前は歩くのが大変だろう」
兎「そ、そそそーですけど…!でもでも…」ワタワタ
狼「……そうか…やっぱりまだ俺が怖いのか…」シュン
兎「!!」
狼「…それなら仕方ない…俺が先に行って誰か呼んでこよう…」ショボン
兎「あ、あの、ちがうんです狼さん!その、こわいんじゃなくて、えっと、は、はずかしいというか、なんというか…」カァァ
狼「…………」
狼「……じゃあ、別に怖くないのか?」
兎「…は、はい…」
狼「………!」パァァ
兎「お、狼さん!な、なんかしっぽがっ、しっぽがとれそうなくらいぶんぶんしてます!」ビクッ
45: 1:2011/12/29(木) 14:52:27 ID:M1hgOw/KZ6
狼「………」ザッザッ
兎「…おぉ、らくちんです…!」
狼「……ん…楽しいか」ザッザッ
兎「はい!なんだかわたしもおっきくなったみたいです!」キラキラ
狼「……そうか」ザッザッ
兎「…ほぁ」
兎(そーいえば狼さんの耳、こんなにちかくで見たのはじめてです…
やっぱりおっきくてふさふさでりっぱですねぇ…)
兎「………」ウズッ
狼「………」
兎「………」ウズウズ
兎「……えいっ」ピコピコ
狼「!!!」ビクビクッ
兎「……はっ!す、すいませんつい!」
狼「……!……!」ドキドキ
46: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 15:27:41 ID:Jdp./cgd1A
可愛いいいいいいい!!!
兎も狼もまとめて嫁にこいいいヽ(*´∀`)ノ!!
47: 1:2011/12/29(木) 15:59:14 ID:lQK1J33lwk
>>46
ありがとうございます!(´∀`*)
兎「お…およめさん…///」テレテレ
狼「…オスの俺でも嫁とやらになれるのだろうか」
48: 1:2011/12/29(木) 16:15:01 ID:6bZnwfxYfA
兎「ごごごめんなさい狼さん…!だいじょうぶですか!?」
狼「…う…大丈夫だ…
…耳を触られるのは苦手だから、今度からはできれば触らないでくれ…」プルプル
兎「は、はい…すみません…」シュン
狼「……ん…気を取り直して行こう
もうすぐ抜けるぞ」ザッザッ
兎「はっはい!」シャキッ
兎「………あれ?」
狼「…?どうした兎」
兎「あっあの、空のうえにみえるあのくろい点、なんでしょう?なんだかとんでるみたいですけど…」
狼「……ん、あれは小鳥だな」
兎「ことり?」
狼「…あぁ、鳥の半獣でこの森の郵便係みたいなものをしてくれてるんだ
確かお前やリスと同じくらいの年だな…」
兎「ほぁ…ことりさんですかぁ…」
兎(おともだちに、なれるでしょうか…
はやくあってみたいなぁ…)
49: 1:2011/12/29(木) 16:49:10 ID:W.YwX.TgTA
狼「……ん、ついたな」ザッ
兎「ほわぁ…!」
兎「半獣がいっぱいです…!それに、森の中心は外よりももっときれいですね…!」
狼「…あぁ、水も空気も綺麗で植物がよく育つから、草食の半獣にとってとても住みやすい環境なんだ
…現にここに住んでいる半獣はほとんどが草食だしな」
兎「そうなんですかぁ…」
?「あれぇ、狼?」
兎「ほぁ?」
狼「……ん?あぁ、お前かネズミ」
ネズミ「やぁ、ひさしぶりだね!
キミがこっちに来るなんて珍しいじゃないか」
狼「……あぁ、今日は少し用事があってな」
兎(ど、どちらさまでしょうか…狼さんおしりあいみたいですけど…)ドキドキ
ネズミ「……あれ?キミ…」ジーッ
兎「!」ピャッ
ネズミ「狼のとこの新入りかい?…いやーまたかわいいのを見つけてきたねぇ狼」ニヤニヤ
狼「……いかがわしい言い方をするな」
兎「……あ、あの…」オドオド
ネズミ「ん?あぁ、ゴメンゴメン
自己紹介がまだだったね!」
50: 1:2011/12/29(木) 17:04:15 ID:M17aQNLWVU
ネズミ「ボクの名前はネズミ!キミと同じ半獣さ
んーこれはボクの直感だけど、キミとは仲良くなれそうだね」ニコニコ
兎「は、はぁ…えっと、わたしのなまえは兎っていいます」
狼「…兎、ネズミはこの森の案内役みたいなものだ
面倒見もいいから、またいろいろと教えてもらうといい」
ネズミ「フフッ、キミからお褒めの言葉をもらえるとは光栄だねぇ
ま、とりあえずそういうことだ
よろしくね兎ちゃん」ニコッ
兎「は、はい!よろしくおねがいします…!」
狼「…ネズミ、早速だが案内を頼めるか」
ネズミ「お安いご用さ
どこへ行きたいんだい?」
狼「…家にはコイツに合うサイズの服を置いてないんだ」
ネズミ「…あぁ、なるほどそういうことかぁ
よしわかった、ついておいで」
兎(ほ、ほあ?ど、どういうことでしょう…)
51: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 17:22:11 ID:B6Xn5v1Ojo
かわいい(*´∀`*)つCC
52: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 17:29:26 ID:7yUYKTB.9o
(*´∀`)♪支援
可愛いのぅ…ジュルリ
53: 1:2011/12/29(木) 18:01:49 ID:eAGcRsPD1k
ふぉぉいっぱい支援が…!
>>51
支援ありがとうございます!
兎「お、狼さん、Cってなんのことですか?」
狼「…ん、4と円だから…支援ってことじゃないか?」
兎「なるほど…!」
>>52
支援ありがたいです(´ω`*)
兎「わ、わたしおいしくないですよぉ!」ビクビク
狼「…そういう意味のよだれではないと思うが…」
54: 1:2011/12/29(木) 19:04:32 ID:lQK1J33lwk
なんかその場のノリで書いてたらどんどん考えてたのとちがう方向に…(゜Д゜)
またネタ考えて夜に続き書きにきますノシ
あ、ちなみにネズミさんはボクっ娘ですww
55: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 21:23:28 ID:kaDaz5GZLQ
♀かい
っ紫煙
56: 1:2011/12/29(木) 23:26:16 ID:M17aQNLWVU
>>55
支援ありがとうございます(´∀`*)
ネズミ「まぁよく紛らわしいって言われるけどねぇ
狼なんて、ついこないだまでボクのこと男だと思ってたしさ」
狼「…………」
57: 1:2011/12/29(木) 23:43:58 ID:W.YwX.TgTA
兎「あっあのっ今からどこに行くんですか?狼さんっ」
狼「……実は今日は、お前に森を案内するのを兼ねて買い物をしようと思ってな」
兎「か、かいもの?」
狼「あぁ、お前の服や生活用品を買わないと、これから困るだろう」
兎「ほぇっ!?わ、わたしの!?」
狼「…お前以外に誰がいるんだ」
兎「あう…す、すみません…わたしのために」
狼「……お前はすぐ謝る癖を直した方がいいな」クス
兎「……うぅ……」
ネズミ「…ンッフッフ」
狼「…?何だネズミ、気持ち悪い声出して」
ネズミ「相変わらずひどいなぁ君は
いやぁね、あの狼が、こんな子兎ちゃんにメロメロだなんて考えてたら笑えてきちゃってさ」ニヤニヤ
狼「………何のことだ」
ネズミ「付き合いの長いボクでもキミの笑顔なんか半年に一回見れるか見れないかだってのに、このおちびちゃんの前ではとんでもなくだらしない顔してるよ、キミ
当の本人は気づいてなかったみたいだけどねぇ」クスクス
狼「……」ムッ
58: 1:2011/12/29(木) 23:59:19 ID:M1hgOw/KZ6
狼「……本当に変わってないな、お前は…色んな意味で」ムスッ
ネズミ「おいおい、すねないでくれよ
別にバカにしてるわけじゃないんだからさぁ
いいじゃないか、キミもすっかり丸くなったってだけだろう?」
狼「………ふん」
ネズミ「…そら、そうこう言ってるうちに目的地に着いたよ
この森で一番腕のいい仕立て屋だ」
兎「……仕立て屋さん……」
兎「…あ、あの、ネズミさん」
ネズミ「ん?なんだいおちびちゃん」
兎「この森にも、お店があるんですか?…その、仕立て屋さんみたいな」
ネズミ「あぁ、そうそう
元々この森に移住してきた半獣たちが、自分たちの得意な分野の技術を使って助け合ってたのが名残なんだよ
今じゃ仕立て屋の他にも大工やパン屋、修理屋なんて店もある
いわば森の中にひとつのちっさい町ができたようなもんさ」
兎「へぇ…そうなんですかぁ…」
ネズミ「…さ、話がすんだら早速中に入っておちびちゃんのための服を見繕ってもらおうじゃないか」
狼「……あぁ、すまないな、ネズミ」
ネズミ「フフッ、どういたしまして」
59: 1:2011/12/30(金) 00:54:22 ID:72Oo58upPU
カランカラン…
羊「はぁいいらっしゃーい…って、あらぁ、ネズミちゃんに狼ちゃんじゃなぁい!」
ネズミ「ンフフ、ひさしぶりだね羊」ニコニコ
狼「……ちゃん付けはやめてくれといつも言ってるだろう」
羊「あらぁ…ウフフ、私にとってはネズミちゃんも狼ちゃんもまだまだ子供だもの」
羊「…………あら?あら、あらあらぁ…」マジマジ
兎「…!」ピャッ
ネズミ「ありゃりゃ、おちびちゃんキミの後ろに隠れちゃったよ?」クスクス
狼「……羊、近すぎだ
怯えてるだろう」
羊「…あら、ごめんなさいねぇ
あんまり可愛いお客様だったから、つい」
羊「ねぇ、ちっちゃな子兎さん
あなた、狼ちゃんのところの新入りさんかしら?」
兎「ほぁ…は、はい…」オズオズ
羊「あらぁ、やっぱり!
…うん、いい……いいわ………あなた、とっても可愛いわ!」キラキラ
兎「…へ?」
ネズミ「…あーあ、また始まった」
狼「…………」ハァ
60: 1:2011/12/30(金) 01:13:58 ID:M1hgOw/KZ6
羊「んーっ本当にとっても可愛い!ふわふわでちっちゃくてぷにぷにしてて、もう食べちゃいたいくらい可愛いわ!」スリスリ
兎「た、たべる…!?」ガーン
狼「…落ち着け兎、ソイツは草食だ」
羊「ねぇ狼ちゃん!ここに来たってことは私、この子のお洋服を見立てればいいのかしら?」ムギュゥゥ
狼「…あぁ、話が早くて助かるが…そろそろ兎を離してやってくれ、つぶれそうになってるから」
兎「むぎゅう…」キュー
羊「あらっ!ごめんなさいねぇ子兎さん…私、そこの狼ちゃんとおんなじで可愛いものに目がないの」
狼「……ゴホン
羊、コイツの名前は兎だ
…何着か頼めるか」
羊「えぇ、もちろん!こんな可愛い子のためにお洋服を作れるなんて嬉しいわぁ」キラキラ
兎「…あう…」プシュー
ネズミ「…羊、すっかりおちびちゃんを気に入ったみたいだねぇ
…おちびちゃんは茹でダコみたいになってるし」
狼「………そうだな」
羊「さぁ、早速だけど服を作るために少しサイズを測らせてくれるかしら?
狼ちゃん、少し兎ちゃん借りるわねぇ」
狼「…………あぁ」
ネズミ(羊すっごく活き活きしてるなぁ)
61: 1:2011/12/30(金) 01:20:50 ID:6CrHi9jo.I
よし、今日はここまでで…!
ようやく新キャラ登場させれました(´ω`*)
狼さんがどんどんいじられキャラになってくなぁ…
それでは、支援くださった皆様ありがとうございました!
おやすみなさいノシ
62: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 18:24:30 ID:EuWe9QML4A
C
63: 1:2011/12/30(金) 18:35:48 ID:6CrHi9jo.I
>>62
支援ありがとうございます(´ω`*)
大そうじ終わったー!
今から更新しますノシ
64: 1:2011/12/30(金) 20:11:02 ID:35K7yLKyUg
(別室)
羊「さぁて、兎ちゃん
少しサイズを測らせてもらうわね」
兎「は、はい…!」ピキーン
羊「ウフフ、そんなに緊張しなくても大丈夫よぉ」
兎「あっ、はいすみません…」
羊「…ねぇ、兎ちゃん
やっぱりあなた、森のはずれで狼ちゃんと出会ったの?」ゴソゴソ
兎「あ、はい……
…あの、わたし、狼さんに拾ってもらってから、この森のひとたちによくそう聞かれるんですけど
…なんでわかるんでしょう…」ムゥ
羊「あらぁ、そうなのぉ
狼ちゃん、常習犯だものねぇ」クスクス
兎「じょうしゅうはん?」
羊「同じことをよく繰り返す人って意味かしら…
この森にいる半獣の子供の殆どは狼ちゃんが拾ってきたようなものねぇ」
兎「そ、そんなにですか!?………あっ、じゃあリスくんは」
羊「あらぁ、もうリスちゃんとはお友達になったの?
そうねぇ、あの子も狼ちゃんが拾ってきた子よ」
兎「…そうだったんですか…」
兎(だからリスくん、あんなに狼さんのことよく知ってたんですねぇ…)
65: 1:2011/12/30(金) 20:34:20 ID:lQK1J33lwk
狼「………」ジー
ネズミ「…………」
狼「…………」ジー
ネズミ「……………ねぇ、狼」
狼「……何だ」ジー
ネズミ「ドアにへばりついて中の様子をうかがうのやめなよ
変質者みたいだよ」
狼「……放って置いてくれ」
ネズミ「過保護な父親かい、キミは」
狼「………」
ガターンッ
狼・ネズミ「!」ビクッ
『ほわああ羊さんやめてくださいいい!』
『よいではないかー!えいっコチョコチョコチョー!』
『ひゃああっ!あは、あははははっ、だ、だめですっおなかはだめなんですぅぅぅ!』
ネズミ「………」
狼「………」ガタッ
ネズミ「……コラ、ダメだよ狼」
狼「…………」プルプル
66: 1:2011/12/30(金) 21:50:00 ID:Xjydrs6GU2
ガチャ…
狼「!」
羊「お待たせぇー、採寸終わったわよぉ」
狼「う…兎、大丈夫だったか」
兎「は、はいっわたしはへいきですよ」
ネズミ「おつかれ2人共
いやぁこっちにも大きな子供が1人いて困ったよ」
兎「おっきなこども?」キョト
狼「……う」
羊「あらあら、ウフフ
狼ちゃん、お洋服は出来次第すぐにお家に届けさせてもらうから、それまでお店に置いてある服を持って帰ってね」
狼「……わかった、ありがとう羊」
羊「いいえー」ニコニコ
ネズミ「…さて、それじゃ次はどうするんだい?狼」
狼「……長に会いにいこうと思う」
兎「おさ?」
狼「…この森で一番長く生きている半獣のことだ
色々な知恵をくれるから、森の半獣達から一目置かれている」
狼「…一応、兎のことを言っておこうと思ってな
それに、いくつか聞きたいことがある」
ネズミ「なるほどね、それなら早いとこ長の所へ向かおうか」
狼「…あぁ。……それじゃあ、羊…世話になった」
兎「あ、ありがとうございました羊さん!」ペコッ
羊「ウフフ、またいつでも遊びにきてちょうだいね、兎ちゃん」
67: 1:2011/12/30(金) 22:12:50 ID:M1hgOw/KZ6
今日の更新はこれで終わりますー
何か最近狼さんのキャラが掴めなくなってきましたww
次の更新は年明けになるかと思われます…
それでは皆さん良いお年をノシ
68: 名無しさん@読者の声:2011/12/31(土) 00:10:13 ID:6CrHi9jo.I
キャラがことごとく可愛い///
狼さんが好きすぎてもう…!!
CCCCCC
69: 1:2011/12/31(土) 23:39:23 ID:W.YwX.TgTA
>>68
うわぁぁ何といううれしいお言葉…!
ありがとうございます(´///`)
狼「………」
ネズミ「ごめんねぇ、狼って照れると無口になっちゃうんだよねー」ニヤニヤ
今年もあと少しで終わりですね!
ビクビクしながら立てたこのスレですが、予想外にたくさんの方に支援して頂き、本当にありがたい限りです…!
色々と至らない点もありますが、良ければ来年もお付き合いくださいませ!
皆様良いお年を(´ω`*)ノシ
70: 茄子:2012/1/1(日) 15:09:48 ID:M2x7A5cHg6
以前スペック分かったら絵を描きたいと申し出たものです!遅ればせながら絵スレに投下させていただきました!
是非、また描かせていただきたい…狼さんもうざぎさんもみんな可愛い(*´`)
昨年はお疲れ様でした!
今年も楽しみにしています!
71: 1:2012/1/1(日) 20:20:16 ID:H14IB7fYFw
>>70
すでに絵スレで叫びましたがこちらでも叫ばせてくださいw
あれは茄子さんだったんですね!びっくりですほんと…!
本当に素敵な狼さんありがとうございました(´ω`*)
わーうれしいです!またお暇な時にもしも気が向いたらぜひお願いしますww
茄子さんもお疲れ様でしたー
頑張ってもりもり書きます(`・ω・´)
72: 1:2012/1/2(月) 17:56:16 ID:w0y4/CrD5Y
カランカラン…
ネズミ「さっ、次の目的地へ急ごうか!
…と言いたいとこなんだけど」
狼「…?何かあるのか?」
ネズミ「長のとこまで案内してあげたいのは山々なんだけどさ…実はこの後、大事な用事があったのを思い出してねぇー」
狼「…何故そういうことを早く言わないんだ」
ネズミ「アハハ、ごめんごめん
最近何かと忘れっぽくてさぁ」
狼「…………」ハァ
兎「…でも、ネズミさんに用事があるならしょうがないですよね…どうしましょう」
狼「…そうだな…」
ネズミ「てかさぁ狼、仕立て屋にも長のとこにも何度も行ったことがあるのに、道順を覚えられないキミもどうかと思うけど」
狼「……しょうがないだろう」
ネズミ「あーまだ直ってなかったんだねぇその方向音痴」ニヤニヤ
狼「………」ムスッ
兎「ほうこうおんち?」
ネズミ「あーあのねぇおちびちゃん、方向音痴っていうのはー…」
狼「ネズミ、説明しなくてもいい!」バッ
73: 1:2012/1/2(月) 18:35:51 ID:8milIh2Bi2
ネズミ「それにしても森から街までは抜けられるのに、なんでここで迷うのかねぇ…ほんと不思議だよ」
狼「…街にはよく行ってるし、森の中には目印もたくさんある」
ネズミ「目印の点で言ったらここの方が……ま、いいや。どうせ聞いても分かんないだろうし」
ネズミ「…それじゃ、ボクも忙しいからここら辺でそろそろお暇するよ」タッ
狼「…おい、待てネズ…」
ネズミ「よいしょっと」ヒョイッ
狼・兎「!?」
ネズミ「それじゃ、頑張ってね狼、おちびちゃん!」タッタッ
狼「…………」ポカーン
兎「…………」ポカーン
狼「…あいつ、屋根の上を走って逃げていったな…」
兎「…ほわぁ…す、すごいですネズミさん…」キラキラ
狼「………感心してる場合じゃないぞ、兎…」
兎「…ハッ!そういえばそうです!ど、どうしましょう狼さん!」アセアセ
狼「…困ったな、これでは長の所に行けない…」
兎「だ、だれかほかに案内してくれるひとはいないでしょうか…」
狼「…そうだな…他に誰か…」
リス「よぉ!お前らこんなとこで何やってんだ?」
兎・狼「あ、いた」
74: 1:2012/1/2(月) 23:43:54 ID:H14IB7fYFw
狼「…リス、折り入って頼みがある」ガシッ
リス「うぇ?な、なんだよいきなり…大体オレ、まだ買い物の途中で…」
狼「……頼む、俺たちを長の所へ案内してくれないか」ギリギリ
リス「いてっ!いてぇよ力入れんな!てかお前顔怖ぇよ!」
兎「お、お願いしますリスくん!わたしたちこのままじゃ迷子になってお家にも帰れずに、い、いきだおれちゃいます…!」ジワァ
リス「えぇぇ!?な、何で泣いてんだよ兎!」ワタワタ
狼「……リス、お前……」ジトォ
リス「いや、何でオレが悪いみたいになってんだよおかしいだろ!」
兎「うぅっ…い、いきだおれはやですぅぅぅ!」ブワァッ
狼「………」ギリギリギリ
リス「ちょっ痛!やめっ……っあぁぁもう!泣くな泣くな分かった案内するからお前らちょっと落ち着けぇぇぇ!」
兎「えっほんとですかリスくん!あ、ありがとうございます!よかったですね、狼さん…!」パァァ
狼「……ん」コクン
リス「もうやだコイツら…めんどくさい…」ゼーハー
75: 1:2012/1/3(火) 00:10:10 ID:8milIh2Bi2
リス「…ったく、何でオレがこんなこと…」ブツブツ
狼「…すまないな。途中までネズミがついていたんだが」
リス「あーもしかしてまたいきなりどっか行っちゃったのか?」
兎「ほぁ…ま、また?ネズミさんよく途中でいなくなっちゃうんですか?」
リス「ん?あー、そうなんだよ…
新入りの半獣の道案内とかしてるときに自分の気になるものを見つけたりすると、全部すっぽかしてヒョイヒョイどっかに行っちまって…」ハァ
兎「そ、そうなんですか…」
リス「くっ…何度アイツの尻拭いをさせられたことか…!」
狼「…お前も苦労してるんだな」
リス「今まさにお前に苦労かけられてんだけどな」
76: 1:2012/1/3(火) 01:34:34 ID:5qvfeQjtIk
兎「で、でもリスくんがきてくれてほんとによかったです…どうなることかと思いました…」
リス「…まぁ、とりあえず狼にはいい加減方向音痴を直してもらいたいとこだけどな…」
狼「……ん、努力はする」
リス「すっげぇ当てにならない返事だな!」
兎「…あの、リスくん
わたしはじめてリスくんと会ったとき、いたずらされて最初はリスくんのことすごくいじわるな子だとおもってたんです」
リス「えぇ!?なんでオレこのタイミングでいきなり悪口言われてんの!?」ガーン
兎「ち、ちがうんですっ
でも、えっと、狼さんのことについておしえてくれたり、今みたいに道案内してくれたり、リ、リスくんってほんとはすごくやさしいんだなっておもって…」
リス「なっ!?」カァァ
兎「その、だから、あの、…わ、わたしなにが言いたいんでしょう…とにかくリスくんってやさしいなって」
リス「…な、なんだよいきなり!
オ、オレ別に優しくなんか…!」プイッ
狼「……」ハッ
リス「おい誰だ今鼻で笑ったやつ!」
77: 1:2012/1/3(火) 01:46:27 ID:Pw/lscaFwo
兎「?あ、あの、だいじょうぶですかリスくん
お顔がまっかです…」
リス「べっ別にこれはその…!あ、あれだ、ただちょっと暑いだけだ!」アセアセ
狼「…今は秋だから少し肌寒いくらいだが」
リス「ち、ちくしょー!うるせぇよ!何だよ狼なんてこの前兎に怖がられてたくせに!」
狼「…残念ながら今はおんぶさせてもらえるくらいの仲だ」フッ
リス「どや顔うざいな!」
78: 1:2012/1/3(火) 01:50:36 ID:H14IB7fYFw
ということで新年初更新でした!
一向に前に進まない狼たちですが、これからどうすればいいのか私にもわかりませんww
それでは皆様おやすみなさいノシ
79: 1:2012/1/3(火) 21:44:16 ID:gbWhdOcPAg
リス「はー…もうほんとつかれる…」グッタリ
兎「あ、あはは…」
リス「……で、狼
お前長のとこに何しに行くんだよ
兎のことを報告するのか?」
狼「…それもあるが、少し長に聞きたいことがあるんだ」
リス「聞きたいこと?」
兎「…あっ狼さん、さっきもネズミさんといっしょのとき聞きたいことがあるって…」
狼「…あぁ、リスはもう知っているかもしれないが…オオカミについてのことだ」
リス「!」
兎「ほぁ…オオカミ?狼さんのことですか…?」
リス「…いや、ちがうよ
オオカミはオオカミでも、半獣じゃない本当のオオカミのことだ」
兎「は、半獣じゃない…ほんとうのオオカミ…?」
狼「……あぁ、事の始まりは1ヶ月前のことだ」
80: 1:2012/1/3(火) 22:26:07 ID:PlpNruQFh6
狼「…兎には今日の朝、森の中には獣も人も入ってこれないと話したな」
兎「は、はい…森が迷路みたいになってるから中まではいってこれないって…」
狼「……あぁ、この森に半獣が隠れ住むようになってからは、今まで誰も侵入してきたことはなかったんだ」
狼「……でも、1ヶ月前にこの森の中でオオカミの群れの足跡が無数に発見された」
兎「あ、あしあとが…?」
狼「……それから森の周りのいろんな場所で、何度もオオカミの足跡が発見されるようになった
…俺自身も、町に抜ける途中で足跡を見つけたり、獣のいる気配を何度も感じたことがある」
兎「…そ、それって、そのオオカミの群れがこの森の中にはいってこようとしてるってことですか…?」
狼「…ただ単に群れが迷い混んだだけならいいんだが…この周辺にあまり動物は寄り付かない
その可能性はないと考えていい」
リス「…なぁ、狼…もしも、もしもその群れが半獣を狙って森に入ってこようとしてるなら、オレたち…」
狼「…………」
81: 1:2012/1/3(火) 22:56:50 ID:Pw/lscaFwo
狼「…心配するな、リス
きっと長が何か考えているはずだ」
リス「…でも…!動物の中には、オレたちが存在していること自体を嫌って根絶やしにしようとしてるヤツらがいっぱいいる!そのオオカミたちだって、きっと…!」
兎「…リスくん…」
狼「…例えそうだったとしても、そんなことは俺がさせない
…絶対に森のみんなを守ってやる」
リス「………狼…」
狼「…だから、心配するな」
リス「……う、うん……」
狼「……ふふ、憎まれ口ばかり叩く奴だと思っていたが、お前も案外まだまだ子供だな」
リス「なっ…!う、うっせぇよ馬鹿狼!ロリコン!」カァ-
狼「…俺はロリコンじゃない」
リス「てかいつまで頭に手置いてんだ!はーなーせー!」ジタバタ
狼「……痛くも痒くないな」
リス「ちくしょぉぉぉ!」プシュー
兎「ふ、ふたりともおちついてくださいっ」アセアセ
兎(…………)
兎(……何もおこらなければいいんですけど…)
82: 名無しさん@読者の声:2012/1/4(水) 02:48:32 ID:cqqgxw6Hz2
しえん!
兎さん可愛いです´▽`*
絵スレに兎さんのイラストをUPしましたのでよろしければ受け取ってやって下さいっ
83: 名無しさん@読者の声:2012/1/5(木) 21:13:50 ID:qclLErWVpU
照れてるリスさんかわいいよハァハァ
つCCCC
84: 名無しさん@読者の声:2012/1/6(金) 10:03:45 ID:97n7vEZrAI
狼さんはイケメンな予感w兎ちゃんかわいすぎCC
85: 名無しさん@読者の声:2012/1/8(日) 01:28:03 ID:TvUmzdgtiI
半獣設定なのは承知なのですが100%動物としてイラストを書かせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
可愛い可愛い兎を書きたいんですううう!!!
86: 1:2012/1/10(火) 14:56:05 ID:QF3.fevRUA
>>82
支援感謝です!
もう全力で保存させて頂きましたww
ありがとうございます!
>>83
支援ありがとうございます!
照れたリスくん書くの楽しいですww
>>84
精一杯イケメンに書こうとしております(`・ω・´)
支援ありがとうございますー!
>>85
なんとありがたい…!
よければぜひ描いてやってください!
私も100%動物な兎見てみたいです(´∀`*)
87: 1:2012/1/10(火) 15:02:57 ID:QF3.fevRUA
リス「とっ、とにかくもうそろそろ着くからな!とっとと行くぞっ」スタスタ
狼「……ん」
兎「あっ、ま、まってくださいリスくんっ!」
兎「……あ、あれ?」
狼「…?どうした兎」
兎「お、狼さん、森の上にいっぱい並んでるあのおっきくて赤いの、なんですか…?」
狼「…あぁ、見えてきたな
あれは鳥居だ」
兎「とりい?」
狼「…あれが長のいる場所の目印だ
どういうものかは俺にもよくわからないが……あの先は神に祈りを捧げる場所だとか、何とか…」
兎「か、かみさまですか!なんだか鳥居ってすごいですね、狼さん!」キラキラ
狼「…………すごいか?」
兎「はい!すごいです!」
狼(…俺にはただの赤い柱にしか見えん…)
88: 1:2012/1/10(火) 15:06:54 ID:gbWhdOcPAg
リス「…おい、ついに来たぞおまえら…」ピタッ
狼「……ん?」ピタッ
兎「ふぎゃっ!」ドンッ
狼「…あ…す、すまない兎」
兎「うぅ…は、鼻うちました…いたいです…」プルプル
リス「…兎、気をひきしめろ!
半端な覚悟で行くと…死ぬぞ…」ゴゴゴゴゴ
兎「ほぁ…リ、リスくんの周りからなんだかすごいオーラが…!」
リス「……見ろ、兎!」ゴゴゴゴゴ
兎「ほぁ!?」ビクッ
リス「…あれが…!」ゴゴゴゴゴ
兎「なっ、なな、なんですか!?」
リス「……魔の石階段・無限地獄だぁぁぁ!」ドーン
兎「ほわぁぁ!?」ビクビクッ
狼「…コラ、あまり兎を怖がらせるな」ペシッ
リス「あでっ」
89: 1:2012/1/10(火) 15:11:51 ID:39h3UgKPxQ
狼「…階段の段数が少し多いくらいで大袈裟な…」
リス「す、少し!?お前あれが少しに見えんのか!?上見えないじゃん!少しじゃないじゃん!」
狼「…お前は毎回たかが階段くらいで騒ぎすぎなんだ」
リス「狼はでかいからそんなことが言えるんだろ!オレはお前と違ってデリケートなんだよ!」
狼「……あぁ…ちびだからな、なるほど」
リス「な、納得したような顔で言うな!」
狼「…まぁ、とりあえず上るしかないだろう
足があればいつかは着く」
リス「……や、やっぱ、オレも上らなきゃダメ…?」
狼「………」ジィ-
リス「う……」
狼「………」ジィ-
リス「……うぐ………わ、分かったよ…」ガクッ
狼「…そうか、がんばれ」グッ
リス「…お前顔怖いんだよ…
ていうか親指立てんなうざい」
兎「……で、でもほんとにのぼるのたいへんそうですね…途中でつかれちゃいそうです」
狼「あぁ、心配するな
兎は俺がおぶってやる」サッ
リス「やっぱお前なんかロリコンだぁぁぁぁ!!」
90: 1:2012/1/10(火) 15:14:44 ID:2gxkR.B2dQ
リス「はぁ…はぁ…」ヨロヨロ
狼「………」スタスタ
リス「……うぅっ……、はぁ…はぁ…っ…もう…だめ、だ…」バタッ
狼「……おい、しっかりしろリス
まだ半分も上ってないぞ」
兎「リ、リスくん、だいじょうぶですか?」
リス「…だ、誰のせいで…っはぁ…こんなことになってると…!」ゼ-ゼ-
狼「…あまり自分の小ささを恨むなよ」ポン
リス「オレの身長じゃねぇよ!お前だよ!」ガバッ
兎「おぉ…リスくん元気になりました!」
リス「元気なんじゃないっつの!怒ってんだよ!」
リス「………うぅっ…、ツッコミに無駄な体力使っちまった……」ガクッ
狼「……リス、歩けそうか」
リス「……も……無理、かも…」グッタリ
兎「リスくん…」
狼「……困ったな」
兎「…あ、あの、狼さん、わたしはいいからリスくんをおぶってあげてください」
狼「……しかし…」
「…そこにいるのはどなたですか?」
91: 1:2012/1/10(火) 17:49:25 ID:2gxkR.B2dQ
狼「!」
兎「あれ…?今、声が…」
?「……もしかして、そこにいるのは狼様とリスさんですか?」
狼「……あぁ、お前か狸」
リス「…げっ…!」
兎「…たぬき、さん?」
狸「…随分と久しいですね
お変わりないようで何よりです」ニコッ
狼「……あぁ、お前も」
狸「……リスさんの方は」チラッ
リス「!」ビクッ
狸「……こちらもお変わりないようで」
リス「う、うっせぇよ!どうせ成長してないって言いたいんだろ!」
狸「おや、私は別にそのようなことは口にしていませんが」
リス「…お前相変わらず性格悪いな、狸オヤジめ…」
狸「オヤジだなんて酷いですね、私もまだまだ若いですよ」
リス「存在が胡散臭いって意味だっつーの!」
狼「…リス、そう突っかかるな」
リス「…ぐぬ……」
92: 1:2012/1/10(火) 18:32:41 ID:5qvfeQjtIk
狸「……ところで狼様、こちらのお嬢さんは」
狼「…あぁ、コイツは俺の家の新入りだ」
兎「…え、えっと…あの、はじめまして、兎ですっ」ペコッ
狸「あぁ、狼様の所の…
…名乗るのが遅れて申し訳ありません
私、この森の長様に仕える狸と言います
よろしくお願いしますね兎さん」
兎「ほぁ…はっ、はい、こちらこそ…!」
狸「…さて、どうやらあなた方は長様に会いに来られたようですが」
狼「……あぁ、その通りなんだが」
狸「…ふむ、この状況を見るに、階段の途中でリスさんがへばってしまって困っていたと」
リス(うっ…バ、バレてる…)
狸「……しょうがないですね、リスさんはまだチ………子供ですし」
リス「おい今チビって言おうとしたろ!」
狼「…狸、どうにかならないか」
狸「…仕方ありませんね
どれ、私が少し手を貸しましょう」
リス「…お前…まさか、手を貸すってオレをおんぶで…」ガタガタ
狸「嫌ですよ、何で私があなたをおんぶしなきゃならないんですか」ハッ
リス「お前ほんとムカつくな!」
93: 1:2012/1/10(火) 19:28:15 ID:39h3UgKPxQ
狸「もっと簡単な方法ですよ
私も長様に仕える者の端くれですし」
狼「…あぁ、なるほどな」
兎「?…どういうことですか?」
狼「…言い忘れていたが、長は不思議な力を持っていると言われているんだ」
兎「ふしぎな力?」
狼「あぁ…占いや幻術、読心術から未来予知まで出来るらしい」
兎「な…なんだかよくわからないけど、すごいですね…」
狼「…だから、その長に仕える狸もその類のものが扱えると…」
狸「ええ、そういう事です」
兎「な、なるほど…」
狼「…すまないが、頼めるか狸」
狸「えぇ、狼様の頼みですしね
お受けしますよ」
リス「…コイツに助けられるなんて屈辱だ…」
狸「さ、つべこべ言わずに早く目を瞑ってくださいね」
リス「うぐ……しょうがねぇ…」
兎「は、はいっ」ギュッ
狸「それでは行きますよ」
フワッ
94: 1:2012/1/10(火) 20:01:16 ID:PlpNruQFh6
兎「ほわっ!?な、なんだか今ふわってしました!」ビクッ
狼「…大丈夫だ、じっとしておけ」
狸「………ふぅ……」
狸「…さて、もう目を開けて下さって構わないですよ」
兎「………!す、すごいです…さっきとぜんぜんちがう場所に…」
狼「……何度見てもどうやっているのか不思議だな」
狸「ふふ、種も仕掛けもありませんよ
さぁ、長様の所へ案内いたしましょう」
兎「………すごいですね狸さん…」
狼「…あぁ、長の側にいるくらいだしな
食えない奴だが」
兎「狸さんがあんなにすごいなら、その長さんはきっともっとすごいんですよね…」
狼「…そうだな」
兎「長さんはしわくちゃで仙人みたいなおじいさんなんでしょうか…どきどきします…」
狼「……それならきっとお前はすごくびっくりするだろうな」
兎「?どうしてですか?」
狼「…見てからのお楽しみだ」
兎「むぅ………
…………あっ!」ピタッ
狼「…どうした?」
兎「リ、リスくんがいないです!」
狼「………あ」
狼・兎「………」クルッ
リス「……よ、酔った…」フラフラ
兎「だ、だいじょうぶですかリスくん!?」ワタワタ
狼「…いくらなんでも弱すぎだろ…」
95: 1:2012/1/10(火) 20:06:43 ID:8milIh2Bi2
溜まってた分の更新終わりました…!
長らく無断で放置してしまい申し訳ないです…
すみませんが試験の関係であとちょっとだけ放置が続きます
ご容赦を!
皆様放置の間たくさん支援してくださってありがとうございました(´∀`*)
それではノシ
96: 名無しさん@読者の声:2012/1/11(水) 07:50:25 ID:G8O1eWp1v6
長wktkつCCCCC
97: 名無しさん@読者の声:2012/1/11(水) 19:28:56 ID:TvUmzdgtiI
絵スレにイラスト載せたのでよかったら見てください!
試験頑張ってくださいね!!
帰ってくるのを楽しみに待ってます
98: 1:2012/1/15(日) 21:06:58 ID:G8O1eWp1v6
お久しぶりです!
>>96
wktkと支援ありがとうございます!
>>97
遅くなりましたが見させて頂きました!
2人とも可愛すぎてもう(´ω`*)
実は試験まだ終わってないんですが俄然やる気が出ましたww
ありがとうございます!
99: 1:2012/1/15(日) 21:20:52 ID:8milIh2Bi2
狼「まったく…相変わらず打たれ弱いなお前は」
リス「うぷっ…あんだけ疲労困憊状態で無重力味あわされたらそりゃ酔いもするっつーの…」
狼「……ん、仕方ないな
ほら、背中に乗れ
おぶってやろう」
リス「…はぁ!?何でだよ!やだよ!」
狼「…?なんだ、恥ずかしいのか」キョトン
リス「ちげぇよバカ狼!この年になってそんな情けない真似できるか…ってうわぁぁぁ担ぎ上げるなぁぁぁ!」ジタバタ
狼「…まぁそう遠慮するな」
リス「遠慮してねぇ!むしろお前がもうちょっと遠慮しろ!」
狼「ほら、置いていかれるから早く行くぞ」スタスタ
リス「人の話を聞けぇぇぇ!」
狼「……そういえば最後にお前をおぶったのはいつだったかな
…確か四年前にお前が森の中で迷子になってしまって大泣きした時に」
リス「うわああああっ!やーめーろぉぉぉ!わーっ!わーっ!」プシュー
狸(…相変わらず喧しいですねこの方達は…)
兎「狼さんとリスくんたのしそうだなぁ…」ジー
狸「え?楽しそうですかあれ」
100: 1:2012/1/15(日) 21:21:43 ID:QF3.fevRUA
兎「………」キョロキョロ
狸「…おや、どうかされましたか」
兎「…あっ、す、すみませんっ
…ええと、なんだかここにたってるおうちって森の中のとぜんぜんちがうんだなって思って…」
狸「…あぁ、そういえば兎さんは初めてここに来られたんでしたね
この場所は森の中心と少し違っていて、神社と言うんですよ」
兎「じんじゃ…?」
狸「長様は長い間生きてらっしゃいますが、元々生まれ育ったのは東の方の国でしてね
この神社も東国独特のものなんです
分かりやすく言うと…そうですね
こちらで言う、教会のようなものでしょうか」
兎「へぇ…そうなんですかぁ…東の国ってふしぎなものがあるんですね」
狸「ふふ、そうですね
少し変わっているかもしれないです」
兎「…でもわたし、ここすきです
…静かできれいで、なんだかおちつく気がします」
狸「…それは嬉しいですね
その言葉を聞いたら長様もきっと喜ばれますよ」ニコ
兎「…そ、そうですか…?」
狸「はい、きっと」
狸「……おや」ピタッ
兎「?」
狸「…お話をしている間に本殿の前に着いたようです」
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