狼(何故こんな森のはずれに子兎が一匹で…)
兎「…ZZZ」スピー
狼「……どうしたものか」
狼(しかし、こんな所に一匹で放り出しておくのは危険だな…)
狼「仕方ない…」
31: 1:2011/12/28(水) 12:48:32 ID:W.YwX.TgTA
兎「……ZZZ」スピースピー
ガチャ…
狼「…ん、起きろ兎
もう朝だぞ」
兎「むにゃ…」スピースピー
狼「………」
狼「………」ピコピコ
兎「…うむぅ…」
狼「………」ピコピコピコピコ
兎「むうう…」
狼「………」ピコピコピコピコピコピコ
兎「ほわああわたしの耳ピコピコするのやめてくださいいいい!」ガバッ
狼「おはよう」
32: 1:2011/12/28(水) 16:52:03 ID:6CrHi9jo.I
兎「ふわぁ…」ボーッ
狼「…まだ眠いかもしれないが、
食事の準備ができてしまったからな
起きてもらわないと困る」
兎「うぅ…だ、だいじょぶです…」ゴシゴシ
狼「……ほら、椅子に座れ」
兎「は、はい…よいしょっ…」
兎「…!うわぁ、おいしそうです…!」
狼「……早く食べなさい」
兎「はい!」ムグムグ
兎「……!お、おいしいです!」パァァ
狼「……そうか、良かった」
兎「お、狼さんはとってもお料理がじょうずなんですね!」
狼「…もう1人で暮らすようになって長いからな」
兎「にんじんおいひい…」ホワー
狼(…キャロットスープ、すっかり気に入ってくれたようだ)
33: 1:2011/12/28(水) 20:15:44 ID:6CrHi9jo.I
狼「…さて、今日は忙しくなるな」
兎「むぐ…、?何がですか?」
狼「…お前に森を案内しなければならないし、色々と話さなきゃいけないことがある」
兎「ほあっ、そういえばそうでした!」
狼「…だから、食事はしっかりとっておけ」
兎「わかりました!…あっ、そういえば狼さん」
狼「?何だ?」
兎「…あの、昨日リスくんに、狼さんはよく町に下りてるってきいたんですけど」
狼「………」
兎「な、なんでそんなあぶないところに自分から…?」
狼「………はぁ」
狼「………リスめ、本当にアイツはお喋りだな…」
兎「…あっ、あの!いうのがいやなら、いいんです、けど…」ワタワタ
狼「…………」
狼「…いや、別に構わないよ」
34: 1:2011/12/28(水) 21:30:01 ID:35K7yLKyUg
狼「お前も知っていると思うが…俺たち半獣は、あまり歓迎された存在じゃない」
兎「……」
狼「人間からは気味悪がられ、動物たちには迫害される、どちらの世に生まれたって絶対認められない存在なんだ
…俺も、生まれてからずっとそうだった」
兎「…狼、さん」
狼「…生まれた群れからは子供のときに追い出された
死にかけだった俺は、それでも必死で生き延びようとしたよ
自分の命を繋ぐために、まだろくに狩りの方法も覚えてないくせして死ぬ気で小動物たちを捕まえて食らってた」
狼「物心ついた時には、もう目に入るもの全部が憎く思えて、意味もなくたくさんの命を奪った
動物も、人間も…半獣もな」
兎「………!」ビクッ
狼「……怖いか、兎」
兎「……!そ、そんなことないです!その、わたしだって同じ半獣で、きもちはわかりますから…」
狼「…………ありがとう」
35: 1:2011/12/28(水) 21:50:41 ID:6bZnwfxYfA
狼「…でも、そんな生活を続けてたら、やっぱり人間からも動物からももちろん半獣からも俺は恐れられるようになって、そのうち誰もよりつかなくなった」
狼「……1人になったんだ」
狼「…でも、ある時そんな俺のことを気に掛けてくれる物好きな人間の女の子が現れたんだ」
兎「……にんげん、の?」
狼「……あぁ
もう随分前に、死んでしまったけれど」
兎「……そうなんですか…」
狼「…兎、お前が悲しむ必要はないよ」
兎「…でも、やっぱりだれかがしぬのは、かなしいです…」
狼「……お前は優しいんだな」
兎「ほあ!?そ、そんなことは…!」カァァ
狼「…あと、わかりやすいな」
兎「うう……」プシュー
36: 1:2011/12/28(水) 22:13:00 ID:35K7yLKyUg
狼「…それから、その人間のおかげで俺は、もう誰かを傷つけるのはやめようと思えたんだ」
狼「…まぁそういうわけで今は、自分の食い扶持を稼ぐために町に下りて働かせてもらってる」
兎「!?ははは、はたらいてるんですか!?」
狼「あぁ、半獣に理解のある店があってな
色々と縁があって、表向きには人間として働いているんだ
耳と尻尾を隠せば、見た目は人間と大差ないし」
兎「ほわぁ…す、すごいですね、狼さん…わたしにはとてもマネできそうもないです…」
狼「…そりゃあ、お前みたいなチビを雇ってくれる店はまだないだろうな」
兎「!?ひ、ひどい!わたしちびじゃないですよ!そりゃ、ち、ちょっとだけちいさいかもですけど、お、おとなになれば、きっとぼんきゅっぼんです!」プンプン
狼「…ほう、ボンキュッボンねぇ」
兎「あっ!そっその顔はばかにしてますね!」
37: 1:2011/12/29(木) 00:38:19 ID:lQK1J33lwk
狼「…まぁ、そういうわけで俺は時々家を空けるから、お前にはこの家に1人でいてもらわなければならないんだが…平気か?」
兎「…は、はいそれくらいなら…
…はっ!そっそれよりも、狼さんははたらいてるのにわたしがなにもせずにおいてもらうわけにはいけません!」
狼「……余計な気遣いをするな
お前は俺が拾ったんだ
何も気にせず、ここにいればいい」
兎「あう…で、でも、それでもわたしだってなにかおてつだいしたいんです!」
狼「……兎……」
狼「……わかった
じゃあ、お前には俺がいない間家を守ってもらいたい
……難しい仕事だ、頼めるか?」
兎「……!は、はい!わたし、このおうちを守れるように、がんばります!」
狼「……ふふ、頼んだぞ」
狼「さぁ、話はここまでだ
早く食べて森を見に行かなければ、日が暮れてしまうぞ」
兎「はいっ!」
38: 1:2011/12/29(木) 00:45:58 ID:72Oo58upPU
今日の更新はここまでで…!
なかなか森にいけませんね…
つ、次こそようこそどうぶつの森的な話を書きたいですww
おやすみなさい!ノシ
あ、あと…もしも誰か見てくださってる方いましたら、キャラのスペックとか需要ありますかね…?
39: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 08:25:09 ID:1sFWJKg1r2
っCCCCCCCCCC
スペックkwsk
40: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 10:01:30 ID:UAkKQY3ANI
スペック分かったら是非絵を描かせていただきたい…!
支援CCC
41: 1:2011/12/29(木) 10:21:18 ID:72Oo58upPU
>>39
うわぁい支援いっぱいありがとうございます!\(´∀`*)ノ
スペックぜひ書かせていただきます!
>>40
支援うれしやありがたや!ありがとうございます…!
絵を描いて頂ける…だと…!?(゜ω゜ )
うわぁぁすっごいうれしいです!
張り切ってスペック書いてきます´///`
42: 1:2011/12/29(木) 10:54:14 ID:M1hgOw/KZ6
というわけでスペック⊃
[兎]
怖がりでおっとりした半獣の兎の女の子。
見た目年齢は人間でいうと大体7歳くらい。
ふわふわとした茶色いくせっ毛に、茶色いたれ耳としっぽが特徴。
同じくふわふわでおおきなリボンのついた白のワンピースを身につけている。
まだちっちゃいのでセリフはひらがな多め。
何故か「ほあっ」とか「ほわぁ」みたいな奇声をよくあげる。
[狼]
無口だけど心優しい半獣の狼の青年。
見た目年齢は20代前半くらい。
背が高く整った顔をしているが、あまり表情を表に出さない。
こげ茶色のピンピン跳ねた髪の毛とフサフサの耳としっぽが特徴。
スーツにリボンタイといった、結構しっかりとした格好をしている。
料理が得意で、小さくて可愛いものが好き。
セリフの頭に「…ん」と言ってしまうのが口癖
[リス]
快活でイタズラ好きな半獣のリスの少年。
見た目年齢は11歳くらい。
栗色のくるくるしたくせっ毛と耳、大きなしっぽが特徴。
いつも動きやすそうなサロペットを着ている。
何気に常識人。
43: 1:2011/12/29(木) 13:18:54 ID:X7SBxhlvQ.
ガチャ
兎「ほわぁ…やっぱりこの森ってすごくきれいですね!」
狼「…人の手が入ってないからな
ここは森の中心部で周りでは茂った深い森が迷路のようになっているから、獣も猟師もここには入ってこれないんだ」スタスタ
兎「ほぁ…そういえば狼さんのおうちのまわりにはどうして大きな木がいっぽんしかはえてないんですか?まるで野原みたいです」テクテク
狼「…あぁ、ここは森の中心部から少しそれた場所だからな
あそこの草むらと林を抜けた場所が、本当の中心だ」スタスタスタ
兎「そ、そうなん、です、か」テクテクテク
狼「他の半獣たちは殆どが中心部に住んでいて…」スタスタスタスタ
兎「お、狼さ、まってくださ…、はや、はやいです!あるくのはやいです!」
狼「…あ、すまない
喋りながら何かをするのがどうも苦手で…」ピタッ
兎「お、おいてかれちゃうかとおもいました…」ゼーゼー
44: 1:2011/12/29(木) 14:31:07 ID:X7SBxhlvQ.
狼「…ん、ここからは背の高い草むらが続くな…
…兎、俺の背中に乗れ」
兎「ほぁ!?せ、せせせ背中にですか!?」
狼「…あぁ、こう草が高いとお前は歩くのが大変だろう」
兎「そ、そそそーですけど…!でもでも…」ワタワタ
狼「……そうか…やっぱりまだ俺が怖いのか…」シュン
兎「!!」
狼「…それなら仕方ない…俺が先に行って誰か呼んでこよう…」ショボン
兎「あ、あの、ちがうんです狼さん!その、こわいんじゃなくて、えっと、は、はずかしいというか、なんというか…」カァァ
狼「…………」
狼「……じゃあ、別に怖くないのか?」
兎「…は、はい…」
狼「………!」パァァ
兎「お、狼さん!な、なんかしっぽがっ、しっぽがとれそうなくらいぶんぶんしてます!」ビクッ
45: 1:2011/12/29(木) 14:52:27 ID:M1hgOw/KZ6
狼「………」ザッザッ
兎「…おぉ、らくちんです…!」
狼「……ん…楽しいか」ザッザッ
兎「はい!なんだかわたしもおっきくなったみたいです!」キラキラ
狼「……そうか」ザッザッ
兎「…ほぁ」
兎(そーいえば狼さんの耳、こんなにちかくで見たのはじめてです…
やっぱりおっきくてふさふさでりっぱですねぇ…)
兎「………」ウズッ
狼「………」
兎「………」ウズウズ
兎「……えいっ」ピコピコ
狼「!!!」ビクビクッ
兎「……はっ!す、すいませんつい!」
狼「……!……!」ドキドキ
46: 名無しさん@読者の声:2011/12/29(木) 15:27:41 ID:Jdp./cgd1A
可愛いいいいいいい!!!
兎も狼もまとめて嫁にこいいいヽ(*´∀`)ノ!!
47: 1:2011/12/29(木) 15:59:14 ID:lQK1J33lwk
>>46
ありがとうございます!(´∀`*)
兎「お…およめさん…///」テレテレ
狼「…オスの俺でも嫁とやらになれるのだろうか」
48: 1:2011/12/29(木) 16:15:01 ID:6bZnwfxYfA
兎「ごごごめんなさい狼さん…!だいじょうぶですか!?」
狼「…う…大丈夫だ…
…耳を触られるのは苦手だから、今度からはできれば触らないでくれ…」プルプル
兎「は、はい…すみません…」シュン
狼「……ん…気を取り直して行こう
もうすぐ抜けるぞ」ザッザッ
兎「はっはい!」シャキッ
兎「………あれ?」
狼「…?どうした兎」
兎「あっあの、空のうえにみえるあのくろい点、なんでしょう?なんだかとんでるみたいですけど…」
狼「……ん、あれは小鳥だな」
兎「ことり?」
狼「…あぁ、鳥の半獣でこの森の郵便係みたいなものをしてくれてるんだ
確かお前やリスと同じくらいの年だな…」
兎「ほぁ…ことりさんですかぁ…」
兎(おともだちに、なれるでしょうか…
はやくあってみたいなぁ…)
49: 1:2011/12/29(木) 16:49:10 ID:W.YwX.TgTA
狼「……ん、ついたな」ザッ
兎「ほわぁ…!」
兎「半獣がいっぱいです…!それに、森の中心は外よりももっときれいですね…!」
狼「…あぁ、水も空気も綺麗で植物がよく育つから、草食の半獣にとってとても住みやすい環境なんだ
…現にここに住んでいる半獣はほとんどが草食だしな」
兎「そうなんですかぁ…」
?「あれぇ、狼?」
兎「ほぁ?」
狼「……ん?あぁ、お前かネズミ」
ネズミ「やぁ、ひさしぶりだね!
キミがこっちに来るなんて珍しいじゃないか」
狼「……あぁ、今日は少し用事があってな」
兎(ど、どちらさまでしょうか…狼さんおしりあいみたいですけど…)ドキドキ
ネズミ「……あれ?キミ…」ジーッ
兎「!」ピャッ
ネズミ「狼のとこの新入りかい?…いやーまたかわいいのを見つけてきたねぇ狼」ニヤニヤ
狼「……いかがわしい言い方をするな」
兎「……あ、あの…」オドオド
ネズミ「ん?あぁ、ゴメンゴメン
自己紹介がまだだったね!」
50: 1:2011/12/29(木) 17:04:15 ID:M17aQNLWVU
ネズミ「ボクの名前はネズミ!キミと同じ半獣さ
んーこれはボクの直感だけど、キミとは仲良くなれそうだね」ニコニコ
兎「は、はぁ…えっと、わたしのなまえは兎っていいます」
狼「…兎、ネズミはこの森の案内役みたいなものだ
面倒見もいいから、またいろいろと教えてもらうといい」
ネズミ「フフッ、キミからお褒めの言葉をもらえるとは光栄だねぇ
ま、とりあえずそういうことだ
よろしくね兎ちゃん」ニコッ
兎「は、はい!よろしくおねがいします…!」
狼「…ネズミ、早速だが案内を頼めるか」
ネズミ「お安いご用さ
どこへ行きたいんだい?」
狼「…家にはコイツに合うサイズの服を置いてないんだ」
ネズミ「…あぁ、なるほどそういうことかぁ
よしわかった、ついておいで」
兎(ほ、ほあ?ど、どういうことでしょう…)
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