鬼「お前は俺を怖がらないのか?」
少女「どうして?」
鬼「だって、ほら……俺こんなんだし」
少女「?見た目なんてほぼ人間だよ?ちょっと頭にいらないあるけどね」
鬼「……ありがとな」
少女「ううん」
94: 名無しさん@読者の声:2012/7/20(金) 01:10:26 ID:KgzQHlTql2
楽しみに見てます!
支援!
95: 名無しさん@読者の声:2012/7/20(金) 19:45:14 ID:E4mGsN8p.g
続き楽しみに待ってます!
つCCCC
96: 名無しさん@読者の声:2012/7/22(日) 22:14:45 ID:REVtjlG9dw
C
97: 名無しさん@読者の声:2012/7/22(日) 22:25:45 ID:UFaqZLRQeo
少女「じゃあ、鬼さんまたね」
鬼「気を付けてな」
少女「うん」
98: 名無しさん@読者の声:2012/7/22(日) 22:29:48 ID:EvAzpROGN6
鬼「ふぅ…疲れ」
巫女「遅いぞ!!!」
鬼「!!!?」ビックゥ
巫女「貴様手を出そうとしたな」
鬼「……」
巫女「答えろ、僕に誤魔化しは通用しないぞ」
鬼「あぁ…」
巫女「やはりそろそろ限界だな」
鬼「かもしれない」
巫女「どうする?」
鬼「……大切な人を殺めるくらいなら、
――いっそ死んでしまった方が楽だろうな」
99: 名無しさん@読者の声:2012/7/22(日) 22:45:05 ID:xZdXCOmvGQ
巫女「……」
鬼「恐がられて避けられて、」
巫女「おい」
鬼「また昔みたいに一人は嫌だ……」
巫女「…おい!」
鬼「早く殺してくれよっ……もう…、苦しい…」ポロポロ
巫女「っ…」グッ
鬼「早くっ!!!!」
100: 名無しさん@読者の声:2012/7/23(月) 13:39:12 ID:REVtjlG9dw
どうなる…
っC
101: 名無しさん@読者の声:2012/7/23(月) 14:06:07 ID:2TFT4mDCRU
女友「少女ちゃん聞いてる?」
少女「え、…何だっけ?」
女友「もう!だからここの近くに新しいお店出来たから行かない?」
女友2「食べ放題あるんだー!少女も行くよね?」
少女「……」
女友2「少女?」
少女「ごめん!私今日用事あるから!本当にごめん!」
女友「なら仕方ないかー、また今度行こうね」
102: 名無しさん@読者の声:2012/7/23(月) 14:17:42 ID:2TFT4mDCRU
少女(あれからまた行ってないや…)
少女(何だか怖いし)
少女(でも会いたいな)
少女(少しだけなら、大丈夫だよね)スタスタ
103: 名無しさん@読者の声:2012/7/23(月) 14:53:00 ID:0CncDXXLC.
少女「鬼さん……いる?」ヒョコ
少女「あれ?」
少女(巫女さんの所に行ったのかなー)キョロキョロ
少女「待っててみよ」
少女「いつもならいるはずなのに……」
巫女「なにしてる」
少女「うああああ!?」
巫女「色気がない悲鳴だな」
少女「い、いいいいつからそそそこに!」
巫女「ついさっきだ」
104: 名無しさん@読者の声:2012/7/23(月) 14:57:07 ID:yNzGmcFMN2
少女「そいえば…!」バッ
巫女「ん?」
少女「鬼さん、知らない?」
巫女「……さあ」
少女「そっか、どこ行っちゃったんだろう」
巫女「気になるか?」
少女「うん、大切なお友達だから…でも私が勝手に思ってるだけなんだけどね」
巫女「……少女、少し昔話をしよう」
少女「…?」
巫女「聞き流してくれても構わない」
105: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 08:59:41 ID:cG3pS4Wp8I
紫煙
106: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 11:38:21 ID:hsxByxJUlA
人里離れた場所に小さな村があった。
小さな村ではあったが、住人全員仲良く暮らしており、争いも起こることはなかった。
その村の子供たちが、ある日海岸へ行ったときだった。岩場の影に村では見かけない顔を見た。
一人の子供が言った。
「そんなところで何をしているの?」
相手は小さな声で言った。
「なにもしていないよ」
また違う子供が言った。
「一緒に遊ぼう」
相手は嬉しそうに目を細め、笑って頷いた。
107: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 11:41:25 ID:2ggFDejXpI
それから村の子供たちは内緒で海岸に行っては、その相手と遊んだ。
日に日に相手に似た容姿が現れるようになった。
名前を聞いていなかった子供たちは、思いきって聞いてみることにした。
相手はただ一言「おに」と答えた。
そして、遅くまで遊んでは「また明日」と言って帰っていく。
いつも遅く村に帰る子供たちに、親は「いつもなにしてるんだい?」と、訊ねる。
遅くと言っても、今で言ったらまだ5時前だが……。
子供たちは首を振り何度も「ないしょ」と言っては、黙りしてしまう。
親は不審に思ったんだろうな。
108: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 11:44:08 ID:2ggFDejXpI
次の日になり、また遊びに行く子供たちの後をつけることにした親。
海岸は、村から結構場所が離れていた。子供たちにとったら楽々に進める道でも、親にとったら厳しいもんだ。
その日は諦めて、親は素直に家に帰った。
また何日かすると、親はまた後を着けた。今回は帰ることはなかった。
海岸につき、子供たちはいつものように遊び始める。
泳いだり、貝殻を集めたり、走り回ったり。
そして、一人の子供が「おに」と呼んだ瞬間、親の表情が強張る。
その村は鬼が災いとされていたんだ。鬼は人間に化け、人間を喰い、力を得る。
確かにそうなんだが、鬼だってそうそう人間を食べたりしないさ。
さて、話を戻そうか……。
鬼と遊ぶ子供を見て、その親は何を思ったんだろうね?
109: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 11:46:27 ID:hsxByxJUlA
またその次の日だ。
いつものように遊びに行こうとした子供を親は閉じ込めた。
「鬼に会ったらいかん!喰われちまう!」
子供もまだ幼かったわけで、鬼のことなんて、何にも知らなかった。
そして、その言葉を聞いた子供たちは泣きじゃくった。ずっと泣きながら「出して」と、何度も何度も叫んだ。
そして、一人の子供が小さな穴を見つけた。そこを抜け、外に出た子供たちは海岸へ走っていった。
海岸に辿り着いた子供が見た光景は、大人たちが鬼を捕まえている場面。
今で言ったら鬼ごっこみたいなもんだろうか。
昔は鬼かけっこと言って、人間役が鬼役を追いかけた。
しかし鬼が人間を喰うというのが、いまだに残っていて、その真逆の"鬼ごっこ"になったんだよ。
……また話が逸れたな。
110: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 18:27:08 ID:V1xdh5jVhQ
争いがない村だったもんだから、その光景に子供たちは腰を抜かし、逃げることも出来なかった。
子供たちに気付いた後をつけていた親は、子供たちを強く抱き締め、見せないようにした。
それからどれくらいの時間が経ったのだろうか、もう何も聞こえなくなり、何事もなかったかのように、子供たちの手を引いて村へと帰っていった。
鬼が出たということで、村人はその村を出ていくことにした。
まだどこにいるかもしれないからね。
子供たちは何も出来なかった自分たちを責めながらも、その村を出ていった。
……まあ村人の勘は当たっていて、何日かして鬼が海岸にやってきた。
しかし誰もいない。
鬼は殺され、村人は出ていったから。
だけども、その生き延びた鬼は何も知らなかった。
111: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 18:41:24 ID:0YbkPN9Fys
鬼は海岸を探し回った。
どこかで遊んでいるんじゃないか、と。
しかし見つけたのは波打ち際に倒れている、殺された鬼の山。
その鬼は嘆いた。
そして、泣き叫んだ。
「どうして」そう思っただろう。
しかし子供たちが言った「また明日」を信じていた。
ずっとずっと待っていたんだ。
だけど、来るはずもなく鬼はひとりぼっちで生きていった。
それでも鬼は信じていたんだ「また明日」と言った子供たちを。
そして月日は流れ、遊んだ海岸も無くなり、村も無くなった。そこは森となり、鬼はそこでひっそりと暮らし始めた。
何百年もして、鬼の前に子供が現れた。
その子供は昔の遊んだ子供と同じ「また明日」と言って、いつも去っていく。
鬼はその言葉が怖く、しかしそれとは逆に嬉しいという感情が出来た。
112: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 19:02:07 ID:.bMWHj9yPU
何百年もすれば、鬼の本来の力も薄れる。
だから、人を喰わなければならない。
しかしそれをしたくない鬼は自分が死ぬということを選択した。
馬鹿だろう?
『大切な人を殺めるくらいなら、いっそ死んでしまった方が楽だろうな』
そう言ったんだ。
昔のこと思うなら、喰ってしまうのが妥当だとは思わないか?
……恨んでるのかと思ったら、そんなことはなかった。
――どうして、鬼に生まれて来たんだろうな。
113: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 20:55:52 ID:odDgfJ6YoQ
なんか切なくなってきた。
つCCCCC
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