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ダンガンロンパ・フェイク
[8] -25 -50 

1: :2013/7/4(木) 01:04:59 ID:GdDqM49c02
モノクマ「えー、このスレを開いたオマエラ、ボクは学園長のモノクマです」

モノクマ「皆さんにボクの学園がどんなに愉快か知ってもらおうと思ってスレ立てしました!」

モノクマ「スレタイの通り、原作とは違う偽物なんだけどね!うぷぷぷぷ!」

モノクマ「そうそう、入学の際には>>2を読んでからお願いします。守れない生徒にはおしおきしちゃうぞー!クマー!」


691: :2013/12/15(日) 01:07:30 ID:q00uIOJBx6
こうして俺とエリカはまだまだ兎の練習に付き合うこととなった。
兎が素振りをして、俺が横やりを入れ、ビデオの映像を確認し微調整をして、そのサイクルを繰り返して。
だけども、元々上手くない兎が、いくら意識を変えたからって一日で劇的に上手くなるはずもなく、何ら経験値がたまることなく時間は流れた。
進展もないまま同じサイクルを繰り返すのは単調で苦痛だ。正直なところ、もう兎だけに任せていいんじゃねえの?と思ったわけだが。
野球を全然知らないエリカにとっては、単調なサイクルの繰り返しを見学するだけでも楽しいみたいだ。
……まあエリカが楽しいんなら、それでいいかな。兎のそれとは違って、エリカの笑顔なら永遠に見てられるような気もするしな。
だけど、兎の野球練習を永遠に見てるわけにはいかない。しばらく兎に付き合ってると、昼になった。これを機に俺はエリカを昼食に誘った。
エリカはそれに賛同し、ようやく兎と別れる運びとなるのであった。
692: :2013/12/17(火) 01:04:32 ID:q00uIOJBx6
食堂には、既にここの守り神と化している健太が当たり前のようにいた。
今日の朝に何故だかそこそこ料理が出来ると発覚した俺は、エリカに昼食作りを手伝わされ、これまた何故か健太の分まで作った。
俺とエリカは守り神と共に食事をし、それが終わると彼だけ残して食堂を後にした。

朝は兎の練習に付き合ってどうにか暇を潰したわけだが、脱出を諦めてる手前、本当にやることがなくて暇である。
皆はこれから何を希望に生きていくか見出すという目的があるかもしれないが、俺とエリカはもう既に見つけているような状態だ。故に暇だ。
まさか午後からも兎に付き合う気にはなれんし、ていうかこの短期間でフォームを完成させるとも思えんし。
さてどうしたものか、と悩んでいるところに、こいつが話しかけてきた。

「ひだりあめ、みずへや、お前らひまかー?」

名前を表記しなくてもわかるだろうが、一応。相田鳥子その人である。
693: :2013/12/17(火) 01:06:28 ID:q00uIOJBx6
左雨瑞樹「おう、鳥子。俺の名前はささめだからな。で、何だ?」

氷室エリカ「相田さん、私はみずへやじゃなくてひむろ。水じゃなくて点一個加えた氷だからね」

相田鳥子「お前らひまなら、あたしのべんきょーをてつだってほしいんだー」

左雨瑞樹「勉強?どうしてまた?」

相田鳥子「……あたしって馬鹿だろー。みんなと話てて、うまく話せないこと多いだろー」

相田鳥子「これからいっしょに生きてくのに、そんなんじゃうまくいっしょにすごせないじゃねーか」

相田鳥子「だからあたしはかしこくなりてーんだ。だからお前らにべんきょーおしえてほしいんだ」

左雨瑞樹「そっか。鳥子も前向きにここでの生活を受け入れようとしてんだな」

左雨瑞樹「どうするよ、エリカ?鳥子に付き合って勉強会やるか?」

氷室エリカ「やろうよ!相田さんの考え方はいいことだと思う!その力になれるなら、惜しむ理由なんてないよ!」

左雨瑞樹「だってさ、鳥子。俺らでよければ勉強、手伝ってやるよ」

相田鳥子「サンキューひだりあめ!じゃあきょーしついこうぜ!あたしはかしこくなるんだー!」

こうして午後は鳥子の勉強に付き合うこととなった。
俺達は校舎の教室を目指して移動を開始した。
694: :2013/12/17(火) 01:07:59 ID:q00uIOJBx6
ここは希望ヶ峰学園という名の監禁場所である。
本当に希望ヶ峰学園なのか、という議論は昔やったことあるけど、俺らには知りようもなく、また、知る必要もないってんで不明のままである。
ただ、その内装は豪華な学校という体ではあり、もちろん教室だって存在している。授業がねえから機能はしてねえけどな。
そんな無駄に存在してただけだった教室に、とうとうスポットライトが当たる時が来た。学生が学生たる所以である、勉強をするためである。
先生は俺とエリカ、生徒は鳥子の特別授業だ。よくよく考えてみると、俺はそれほど学力があるわけではなく、人に何かを教える立場となるのは初めてだな。
ていうかそもそも何を教えるのかも把握してない。これから生徒に授業しようって先生が教科を把握してないのは異常事態だよな。
そういうわけで不安な要素はそこそこあるけど、まあ相手は鳥子だし、どうにかなるかと、気楽に特別授業は開始されるのだった。
695: :2013/12/17(火) 01:10:03 ID:q00uIOJBx6
氷室エリカ「というわけで、授業を始めます!」

左雨瑞樹「ノリいいな、おい……」

相田鳥子「たのむぞーこうりべやー」

氷室エリカ「ひむろです。氷室先生と呼んでください」

左雨瑞樹「氷室先生、そんなノリでやってて恥ずかしくないんですかー?」

氷室エリカ「中岡くんと漫才やった瞬間から羞恥心なんてかなぐり捨てたよ!」

左雨瑞樹「笑が聞いたら悲しむぞ……」

氷室エリカ「さて、相田さんが学園生活を円滑に生きていくための授業なんだけど……具体的に何を教えればいいのかな?」

左雨瑞樹「そこは俺も考え中なんだけどよ……とりあえずエリカの得意な科目は何だよ?」

氷室エリカ「私は数学かなー。瑞樹くんは?」

左雨瑞樹「俺は……国語かなあ?」

氷室エリカ「あー、何かイメージできるなあ。で、相田さんは何か教えてほしい科目とかある?」

相田鳥子「かもくって何だー?馬鹿かー?」

氷室エリカ「……瑞樹くん、これどうすればいいの?」

左雨瑞樹「御自分で考えればいいんじゃないですか、氷室先生」

氷室エリカ「そんなこと言わないでくださいよー、左雨先生〜」
696: :2013/12/17(火) 01:12:38 ID:q00uIOJBx6
左雨瑞樹「……とにかく、鳥子は学園生活において、皆と一緒にちゃんと生きていきたいって思ってんだろ」

相田鳥子「そう言ってんだろー。馬鹿かー?」

氷室エリカ「別に相田さんは今のままでいいと思うけどなあ。相田さんがちょっとお馬鹿だからって、誰も何も気にしてないよ」

左雨瑞樹「周りの評価と本人の感想は別物なんだよ。俺がいいって言ったとしても、エリカは昔のままでいいって思えるか?」

氷室エリカ「……思えないなあ。無口で拒絶して迷惑になる自分が嫌で変わりたいって思ったんだし」

左雨瑞樹「ほらな。鳥子だって一緒だよ。俺達仲間は気にしてなくても、本人は変わりたいんだ」

氷室エリカ「そっか。じゃあもう全力を尽くして協力するよ!」

左雨瑞樹「話を戻すけど、鳥子は学園生活を円滑にしたいだけだ。だから普通の授業をしてもあんま意味ないと思うんだ」

左雨瑞樹「学校の授業で習うことの何が人生に役立つんだ?社会で役立つのなんか、精々国語と算数くらいだろ」

氷室エリカ「瑞樹くん、それ、勉強できない奴の負け惜しみだよ……」

左雨瑞樹「とにかく、普通の授業なんかしたって、ここでの生活には役立たない知識が多い」

左雨瑞樹「そこで俺は、対鳥子特別授業として、こんなことをしたいと思う」

氷室エリカ「こんなこと?」

左雨瑞樹「題して、皆の名前を覚えよう!漢字の読み方なんだろな〜!?」

氷室エリカ「……瑞樹くんもノリいいじゃん」

左雨瑞樹「どうしよう、何かすごい恥ずかしくなってきた……」
697: :2013/12/17(火) 01:17:00 ID:q00uIOJBx6
左雨瑞樹「ごほんっ……鳥子、俺が今から皆の名前を黒板に書く。15人全員のだ」

左雨瑞樹「……で、書いたわけだけど。鳥子、これ、誰が誰だかわかるか?」

相田鳥子「そんなんわかるわけねえだろー。馬鹿かー?」

左雨瑞樹「うん、想像はしてた。じゃあ鳥子、黒板の文字は無視していいから、15人の名前を正しく言ってみてくれないか?」

相田鳥子「やってみようじゃねーかー。それくらいならあたしだってできるぜー!」

相田鳥子「まずあたしだろ。ひだりあめ、こうりべや……デブ、すべりやろう、はくちょう、ハゲ、なかうしろ!」

左雨瑞樹「まずは生存組を挙げてるんだろうけど……何で小百合だけ正解してんだ?」

氷室エリカ「中後さんって漢字そのまま読んだらいい感じだから、相田さん的にはわかりやすい名前なんじゃない?あと、ハゲって?」

左雨瑞樹「たぶん兎だろ。あいつ坊主くらいの短髪だし。おしゃれ坊主的な」

相田鳥子「あとはだなー……サッカー女、でか女、もえっこ、おおさか、ハゲ、すげえやつ!これでぜーいんだな!」

氷室エリカ「瑞樹くん、ハゲ二人目なんだけど。あと、すげえ奴って?」

左雨瑞樹「二人目のハゲは闘球だろうな。あいつはもう完全に坊主だし。すげえ奴はたぶんキングだ。キングの中二発言を鳥子は真に受けてたしな」

氷室エリカ「なるほどねー。それはともかく、単なるあだ名なのに、割と誰のこと言ってるかわかりやすい良いネーミングはしてるよね」

左雨瑞樹「そして普通に忘れ去られてる崇……」

氷室エリカ「水留くんは早々にモノクマの犠牲になっちゃったからね……」

相田鳥子「ひだりあめー、なに話てんだよー?あたしの言ったのすごかっただろー?」

左雨瑞樹「ああ、凄かった。凄かったよ……」
698: :2013/12/17(火) 01:19:32 ID:q00uIOJBx6
左雨瑞樹「鳥子、今言ってくれたのはな、本名じゃなくてあだ名なんだ」

相田鳥子「あだなー?」

氷室エリカ「ちゃんとした名前が、相田さんが言ってくれた名前とは別にあるんだよ」

相田鳥子「マジでかー!?馬鹿かー!?」

左雨瑞樹「これから一緒に過ごしていく仲間は言うまでもなく大切な存在だ」

左雨瑞樹「そして、犠牲になった仲間も、ちゃんと覚えてなきゃならないと思う」

左雨瑞樹「そういう大切な人達の名前をちゃんと覚えるって大切なことだと思うぞ」

左雨瑞樹「相手の名前を覚えて呼んだり、相手に覚えてもらったりすることは、親密な関係の第一歩なんじゃないかな」

相田鳥子「なるほどなー。あたしがそれをべんきょーしたら、あたしはみんなのなかまになれんのかー?」

氷室エリカ「もう仲間だけど、より仲良くなれるきっかけにはなるかもしれないよ」

相田鳥子「マジかー!じゃあべんきょーするっきゃねえなー!」

左雨瑞樹「正直骨は折れそうだが、しっかり付き合うからよ。この授業で覚えちまおうぜ」

相田鳥子「え?ほねおれるのか?やばいんじゃないか?馬鹿かー?」

氷室エリカ「相田さん、今のは凄い疲れそうだなーって意味だよ」
699: :2013/12/17(火) 01:21:55 ID:q00uIOJBx6
かくして仲間の名前を覚える鳥子の授業は始まった。
単純に漢字の読み方を教えてみたり、その漢字の意味合いなどを教えて、個人の名前を覚えてもらうよう努めた。
例えば肉丸健太なんかはわかりやすいと思う。食うのが大好きなあいつの名前は、大好きな肉で丸々健やかに太る、こんな具合だ。いや、全然健やかレベルじゃないから丸々なってんだけども。
全員が都合よくわかりやすい名前をしているわけではないが、こういう感じで何かを連想させながら覚えたりすると、忘れなかったりするもんだ。
こういった内容で氷室先生と左雨先生の授業は続き、マイペースに午後の時間を使っていった。
放課後も無駄なく使いこむ勢いで授業したわけだが、どれだけ結果がついてくるんだろうな。
それを試そうっていうのと、もう夕暮時で飯にしてもいいんじゃないかってことで、俺達は食堂へと向かった。
700: :2013/12/17(火) 01:23:34 ID:q00uIOJBx6
左雨瑞樹「……やっぱりお前はここにいるんだな」

肉丸健太「うるさいなー。僕はどんなことがあっても食べ物と共に生きるよー」

相田鳥子「そんなんじゃデブるぞー肉丸ー。たまにはうごけよー。馬鹿かー?」

肉丸健太「相田さんまでそんなこと言わ……あ、相田さんが僕を名前で呼んだ!?」

相田鳥子「左雨と氷室がおしえてくれたんだー!どうだー?いいかんじかー?」

肉丸健太「いい感じだよ相田さん!僕、正直相田さんから名前で呼ばれるの諦めてたから、凄い嬉しいよ!」

相田鳥子「それはよかったなー!あたしも肉丸がうれしくてうれしいぞー!」

相田鳥子「左雨、氷室、ありがとな!これで、あたしもちゃんとしたなかまにちかずけたきがするぞ!」

氷室エリカ「相田さんが喜んでくれてよかったよ。これからも勉強して、相田さんも納得して仲間と思えるよう頑張ろう!」

相田鳥子「おー!」

左雨瑞樹「……授業、今後も続ける気なんだ」

氷室エリカ「当たり前だよ!相田さんが前向きに頑張ろうとしてるんだもん!それに瑞樹くん、暇でしょ?」

左雨瑞樹「うん、まあ、暇だけどな。それに……」

肉丸健太「相田さん、凄いねー!きっと他の皆も喜ぶよー!」

相田鳥子「そりゃよかった!あたし、これからもがんばっからな!」

左雨瑞樹「ああやって喜んでもらえるなら、やってもいいかなって気はするよ。あーあ、だから俺は貧乏くじなんだろうな」

氷室エリカ「私はいいことだと思うけどね」
701: :2013/12/17(火) 01:26:04 ID:q00uIOJBx6
こんな感じで第一回鳥子特別授業は大成功という形で落ち着いた。
エリカ曰く今後も続けていくみたいだが、今言った通り、それも別に悪くはないかと思う。
人は変われる。それは、エリカが証明してくれたことだ。
超高校級と銘打たれた孤独という才能。才能とまとめるとピンとこない単語だが、何故だか孤独になってしまう能力を指している。
そんなエリカは自らの努力で、その超高校級の能力から脱却した。望まなかったその才能を、自ら無くすことに成功したんだ。
だったら鳥子もできるかもしれない。正直大変そうではあるが、本人の頑張り次第では、超高校級の馬鹿から脱却できるかもしれない。
そうして頑張ることで前向きになれる。その手伝いが出来るなら、大変だったとしても悪い気はしねえってことだ。
……才能をなくす、か。できればこの貧乏くじともおさらばしてみたいものだ。まあそれも大変そうだなあって気は進まねえけど。
それに、エリカがいいと思っているなら、無くさなくてもいいかなって気持ちにもなる。これが俺ってことでいいんだ。

夕食を終えると、俺はエリカと別れて、一人で部屋へと戻った。
朝から飯作りを手伝ったり、兎の野球練習に付き合ったり鳥子の勉強に付き合ったり、割と充実した日だったんじゃないかなって思う。
充実してたと思えるほどいろいろやってたせいか、眠気はすぐにやってきた。
風呂入ったり何やらしてるうちに眠気も消えたりしたが、それはすぐに戻ってくる。夜時間を知らせるモノクマの放送も流れたことだし、そろそろ素直に受け入れてもいいのかもしれないな。
こうして俺は一日を終えようと、ベッドに入って目を閉じた。夢に辿り着くまで、時間はそれほどいらなかった。
702: :2013/12/17(火) 01:27:36 ID:q00uIOJBx6
〜モノクマ劇場〜

人間の賞味期限は意外と早いのです。
夢破れ、自分は特別なんかじゃなかったと思い知らされたその日。
大した目標もないままずるずると生きてきたのに気付かないふりをしたその日。
理想と現実の違いを身を以て知ってしまったその日。
他にもいろいろありますけど、人間は何かを機会に簡単に腐ります。
それでも生きてはいますよ?でも、それだけです。生きてるだけなんです。
仕方ないと言い訳を重ねてただ生きていく人間は、とうに腐っているのです。
703: 名無しさん@読者の声:2013/12/17(火) 18:12:37 ID:3PtiMlAxMk
案外胸に刺さること言うな
モノクマ
704: 名無しさん@読者の声:2013/12/17(火) 23:48:01 ID:DXnse18Cdk
花言葉を調べてたらアイビーって花があった
アイビーの花言葉は「死んでも離れない」らしい
物語的にちょっと怖い つC
705: 名無しさん@読者の声:2013/12/18(水) 07:00:05 ID:14tG25mR66
相田さんがここでの生活を受け入れるということを忘れてなくてよかった
さすがにそこまでバカじゃないんだね
706: 1「その花言葉は知らなかったww怖いwww」:2013/12/19(木) 01:31:06 ID:q00uIOJBx6
起きた。すっかりモノクマの朝の放送が目覚まし代わりとして定着している。
慣れというのは怖いもので、忌々しいと感じる気持ちが薄れてしまっている。あの糞野郎の声を聞くことで発生する憎しみが、少しずつ薄れている。
……まあでも、その方がいいのかもしれない。憎しみなんて、普通に生きていく上では邪魔な物だしな。意識を変えれば国民的アニメな声に聞こえる気もするし。
俺達はここで普通に生きていく。ここを普通にするために俺という個人が順応している、そういうことなんだと考えよう。
過ぎた憎しみや悲しみは、人を狂わせて凶行へと走らせる。仲間達が辿った悲しい結末に、生き残っている俺達が続いてはならない。
だからモノクマを意識して憎しみを抱く感情が薄れているのは、現状では良いことだと思いたい。
それに俺にはエリカがいる。案外、憎しみが薄れているのは、エリカとの尊い時間のおかげかもしれないな。どんなマイナスの考えも、エリカが前へと向かせてくれる。
朝っぱらから色々考え込んでしまったわけだが、ここで俺はその間も時間が経過していることに気がつく。
皆を待たせてしまっているのは毎日のことだが、このままではいつも以上に待たせてしまう。俺は身支度を済ませて食堂へと急いだ。
707: :2013/12/19(木) 01:32:15 ID:q00uIOJBx6
食堂につくと、いつものように全員集合していた。
何か皆が鳥子を囲んでワイワイ話してる。何やねんと思ったが、昨日の出来事を思い出したらすぐに謎は解けた。
昨日、鳥子は皆の名前をちゃんと覚えることに成功した。しかし、それを披露できたのは健太だけだった。
今は朝で、故に皆が集まっている。その機会を逃さずに勉強の成果を披露した結果、この状態になっているんだろうな、と考えた。
とりあえず到着を知らせる意味も込めて、俺もその輪に入ることにした。俺を除け者にすんじゃねえ。いや、俺が遅れてるのが悪いんだけどな。
708: :2013/12/19(木) 01:34:08 ID:q00uIOJBx6
左雨瑞樹「鳥子、ちゃんと名前覚えただろ?教えんの苦労したんだぜ」

氷室エリカ「あ、瑞樹くん!毎朝毎朝遅いよー」

左雨瑞樹「ああ、わりいわりい」

中後小百合「しかし驚いたな。相田がここまで賢くなるなんてな」

相田鳥子「べんきょーしたからな!中後のなまえもばっちりだぜ!」

中岡笑「高校生が人の名前覚えただけで褒められるって、馬鹿にされてるようにしか思えないですけどね……」

相田鳥子「あたしが馬鹿なのはほんとーのことだろー?だからべんきょーすんだろー?馬鹿かー?」

中岡笑「いや、だから……ああ、もういいです」

肉丸健太「相田さんが頑張ったねって話はもうわかったから、早くごはんにしようよ!僕の胃袋が限界を通り越そうとしてるよ!」

黒魔帝兎「お前は本当にそればっかりだな……」

左雨瑞樹「何だ?飯まだ作ってないのか?別に俺を待たなくてもよかったのに」

氷室エリカ「何言ってるの?瑞樹くんも作るんだから、瑞樹くんがいなきゃ始まらないでしょ?」

左雨瑞樹「は?」

白鳥輝穂「左雨さんが昨日手伝ってくれて、本当に助かったんです。それに、氷室さんと一緒にいる時間も必要でしょう」

左雨瑞樹「え……もしかして、今後も俺が手伝う流れなのか?」

氷室エリカ「当たり前だよ。私達が一緒にいられるようにっていう白鳥さんの優しさなんだし!」

氷室エリカ「それに、手伝ってくれると助かるのは本当だしね」

左雨瑞樹「マジかよ……」
709: :2013/12/19(木) 01:36:09 ID:q00uIOJBx6
氷室エリカ「そういうわけで、瑞樹くん、今後はもうちょっと早く来てね!」

左雨瑞樹「面倒なことになったなあ……まあ、エリカも輝穂も、毎朝その面倒を頑張ってくれてんだし、仕方ねえか。それに……」

肉丸健太「僕のお腹が減って震えるぅ!食い物寄越せと轟き叫ぶぅ!」

左雨瑞樹「……いい加減飯作らねえと健太が暴走してしまうだろうしな」

氷室エリカ「じゃあ調理開始だね!アイビーを預けておきたいんだけど……相田さんはアイビーを滅茶苦茶にしちゃうしなあ」

氷室エリカ「だから中後さん、アイビーをちょっと持っててくれないかな?」

中後小百合「心得た。ぬいぐるみを抱くなど久方振りだなあ。年甲斐もなくはしゃぎたくなるね」

氷室エリカ「……あれ?何か中後さんに預けるのも危ないような気がしてきた。や、やっぱり他の人に……」

白鳥輝穂「アイビーさんを預けましたね。それでは朝食を作りましょう」

左雨瑞樹「そうだな。急がないと健太がラードフィンガーとか炸裂させるかもしれないしな」

氷室エリカ「嫌な必殺技だね!?じゃあもう中後さんに預けるけど……アイビーに変なことしないでよね」

中後小百合「ふふふ……ふふふふ」

氷室エリカ「返事もせずに笑ってるよ!絶対何かやらかそうとしてるよ!」

左雨瑞樹「まあまあ、いいから一緒に厨房行こうぜ」

氷室エリカ「アイビーが!アイビーが大変なことになっちゃう!」
710: :2013/12/19(木) 01:38:14 ID:q00uIOJBx6
左雨瑞樹「半ば無理やり連れてきて、厨房へと来たわけだが」

氷室エリカ「うわー……アイビーが心配で仕方ないよ」

白鳥輝穂「中後さんを信じましょう。それより、私達は調理をしましょう!」

氷室エリカ「昨日と同じようにちゃんと指示するから、安心してね、瑞樹くん」

左雨瑞樹「頼むよ、ほんと……」



氷室エリカ「……指示してるからってのもあるんだろうけど、それ抜きで考えても瑞樹くん料理上手だと思うよ」

白鳥輝穂「本当ですよね。凄く助かります。料理をしてたとかじゃないんですよね?」

左雨瑞樹「家庭科以外だとほとんどやったことねえよ。だから意外と出来てる現状が不思議で仕方ないんだよなあ」

氷室エリカ「ほぼ初めての状態でこれだけ出来るんなら、才能あるんじゃないの?超高校級の料理人だね!」

左雨瑞樹「俺は一人でどんだけ才能を秘めてんだよ……」

氷室エリカ「貧乏くじにモノクマメダル集め、あと……あとは、キングくんの翻訳……」

左雨瑞樹「……それ、無駄な才能になっちまったな。話変えるか。輝穂、お前は今後どう生きていこうとか言う目標ってあるか?」

白鳥輝穂「え、目標ですか?急にどうしたんですか?」

左雨瑞樹「いや、鳥子が勉強頑張るとか言い出してるだろ。皆、ここでの生活を前向きに頑張ろうとしてる」

左雨瑞樹「輝穂はそういうの、見つけることが出来てんのかなあって思ってさ」
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