2chまとめサイトモバイル

2chまとめサイトモバイル 掲示板
カロル「ボクが世界を変えてみせる」
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/24(日) 19:26:09 ID:j5u3Ryt06o
前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-50


―――あらすじ―――

人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。

母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。

しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。

幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。


866: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 17:58:06 ID:F7QSLrs3M6
信者13「いました!大聖堂で修行中とのことです!」

教徒1「お呼びでしょうか?」スタスタ

アントリア「君はノワール司祭のお気に入りだった宣教師を知っているかね?」

教徒1「えぇ、知ってるも何も有名でしたよ」

アントリア「ここにいる皆に話してやってくれないか?彼女という人物を?」

教徒1「いいですけど…なぜ今?」

アントリア「彼女が逆恨みしてノワール司祭に復讐を企んでいるのだよ。だが彼らは信用してくれないのだ?」

教徒1「えぇっ!それは一大事ですね!」

ルーボイ「だって嘘だもん!」

ミシング「あの娘はそんなことしないよー!」プンプン

教徒1「あの宣教師という娘はね、それはもう大層可愛がられていましたよ!
幼い頃から司祭様のお気に入りだと大聖堂内でも有名でした!」

ミシング「うんうん。あの娘ったら、ああ見えてかわいいとこ、いっぱいあるからねー」コクコク

教徒1「それがある日、突然ホビットの差別を促すような布教内容は改めるべきだと司祭様に進言したのです!」

ミシング「うんうん。あの娘ったら頑固で正義感強いから、頭いいように見えて意外と後先考えないんだよねー」コクコク

教徒1「そこで司祭様を嘘つき呼ばわりしたり、ホビットが可哀想だとわめき散らしまして…さすがの司祭様も庇いきれなくなってしまったのです」

ミシング「うんうん。あの娘ったら一度、思い込んだらひたすらそればっかり突き詰めちゃうもんねー」コクコク

教徒1「その後、頭を冷やすようにと地下牢に送られたのですが…。
捕らえたホビットと一緒にいかがわしい手段で脱獄したり、神父や牢の見張りをたぶらかして、やたら司祭様の弱味を握ろうとしたり…」

ミシング「うんう……うん?」

教徒1「正直、みんなあきれ返ってましたよ。
司祭様は何度も更正させようとしてきたのに最後にはお客人だった大臣を誘惑して王都に逃げましたからねぇ」

ミシング「え?え?あの娘ったら、いつの間にそんな色っぽい感じになっちゃってんの?
そんなのミシングちゃん、知らない。あの娘はウブでかわいいもん!」

ルーボイ「おっちゃん!嘘つくなよ!」

教徒1「はぁ!?おっちゃんじゃないよ!まだ36だよ!」

ルーボイ「おっちゃんじゃねーか!?」
867: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:06:36 ID:F7QSLrs3M6
アントリア「大臣はどこにいる?」

ミシング「こ、今度は大臣?」

ヒメ「ちっ!」

信者17「あ、ここに…猿ぐつわ外しますか?」

アントリア「あぁ…話を伺いたい」

シュルルッ

大臣「ぶっふぅ〜!はぁっ!はぁっ!」スーハー

アントリア「…分かるね?」ギロッ

大臣「ぶひぃ!?」

アントリア「宣教師はどんな人物だったか…それだけを語ればいい?」

大臣「も、もぉちろぉ〜ん?心得てますともぉ?」ヘラヘラ

ルーボイ「きもちわりーおっちゃんだな…」

ミシング「思っても口に出しちゃダメよ?」

大臣「アレはもうとんでもない好き者でしてねぇ?
わたくしの寝室に乗り込んではそりゃ〜求めてきましたよ!?」ブヒヒ

大臣「まぁわたくしもねぇ…やぶさかではなかったもんですから?
まぁ彼女の欲求に応えてあげましたよ?
まさか神に仕える者があれほどふしだらに乱れ狂うとはねぇ〜?
いやぁ、貴重な体験でした!」ブヒブヒ

アントリア「御苦労様?もういいよ?」

信者14「はい」シュルッ

大臣「えっ…わぐっ!もごっ!」モガモガ
868: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:09:33 ID:BTDVpUAdHc
シーン

信者5「さ、最低だ…。とんでもない淫売女じゃないか…」

教徒1「最初は優秀でおまけに美人だから教団の幹部候補間違いなしと噂されてたのですが、どこで道を踏み外したのやら…」

信者13「そ、それじゃ司祭様を殺したのは私怨ってことか」

信者15「ホビットに手懐けられて…あげくに子供まで利用するなんて…まさしく魔性の女だ」

ルーボイ「ちげーし!ちげーし!ちげーし!バっカじゃねーの!?」

ミシング「あたしの天使が汚されるぅ…。あんなブタさんに抱かれてるなんてやだぁ…」シクシク

ヒメ「……」

アントリア「分かってくれたかな?あの宣教師は信用ならない人物だと?」

ナラ「ちが……うよ…!」メソメソ

アントリア「……?」

ナラ「わたし…しってるもん…。せんきょうしさまは…やさしくて、きれいで、つよい…ひと!」グシグシ

信者10「な、ナラちゃんが泣き止んだ!」

信者8「よかったぁ…」ホッ

アントリア「諦めが悪いな…」
869: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:11:25 ID:BTDVpUAdHc
アントリア「君がどう庇おうが彼女の犯した悪行の数々は拭い去れないのだよ?」

ナラ「うそ!だって…そのひと、せんきょうしさまのこと…しらない!」ビシィッ

教徒1「え?」ビクッ

ナラ「せんきょうしさまと…おはなし…したこと、ないでしょ!」ジトー

教徒1「いや、ないですけど…だから?」

ナラ「しってる、ひとは…せんきょうしさまを…わるくいわない!」

教徒1「……?」

ナラ「ルーボイも…ミシングさんも…わたしも…しってる。ちゃんと、おはなし…したもん!」

ルーボイ「そうだ、そうだ!知らねぇくせに知ったかぶりすんなよな!」

ミシング「そ、そうよー!親友のあたしが彼氏無しなのに宣教師が男とイチャイチャするなんてありえないもん!」

教徒1「で、でも…噂では……」

アントリア「いや、まったく見事としか言いようがないな。ここまで人心を自在に操るとは…稀代の悪女だよ?」

信者16「や、やっぱり魔性の女…」

ナラ「…しんじゃさん。…しんじて?」ウルウル

信者7&8&9&10&11「イエッサー!!」ピシッ

教徒1「……」

アントリア「君たちは僕が騙していると?」

信者7&8&9&10&11「」ビクッ

ナラ「……?」ウルウル

信者7&8&9&10&11「イエッサー!!」

ミシング「小さいのに小悪魔ちゃんだねー…?」タハハ

アントリア「……!」
870: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:14:55 ID:BTDVpUAdHc
ザワザワ ザワザワ

ヒメ「(今のところ意見は五分…いや、七分くらいアントリア側に流れてるか)」チラッ

アントリア「…諸君、忘れてはならないよ。宣教師は司祭を殺害させた張本人だ」

ヒメ「それはおまえのあてにならない推測だろ?」ジッ

アントリア「君の意見もあてにならないのではないかな?ホビットにそそのかされているのだから?」

ルーボイ「宣教師様は悪くねぇかんな!」

ナラ「そう、だよ!せんきょうしさまは…いいひと!」

信者7&8&9&10&11「サー!イエッサー!」ピシッ

アントリア「…ふむ」

ミシング「(って言ったって…肝心のあの娘が来てくんなきゃ完全には話がまとまらないと思うんだよねー)」ウーン

ヒメ「(一番手っ取り早いのは証拠の果実を持って宣教師が現れる事…。
アントリアはなんとしても果実を自分の手元に置けるように多少の矛盾を誤魔化しながら交渉を迫るだろう…。
そこをとことん追及して果実も信用も根こそぎ奪い取る…!)」

ヒメ「(けど…宣教師がラムに殺されてたら…実はラムの手に渡ってるんじゃ…)」

ラム「…いたいた!人間の群れがわんさかいるね?」タッ

全員「」ビクビクッ

アントリア「ほ、ホビット…!?」

ヒメ「ラムっ…あいつ!?」

ミシング「な、なんか兵隊さん引き連れてるけど…!?」ビクビク
871: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:20:18 ID:F7QSLrs3M6
ザッザッ ザッザッ

近衛兵1「王子……」ボーッ

ヒメ「おまえらまでなにしに来た!?」

ラム「こいつらが僕の仲間を皆殺しにしたんだ。
だから罪滅ぼしさせてあげようと思ってさ?」ニコッ

ヒメ「えっ…!?」

近衛兵1「申し訳…ございません」

ラム「そういうことだから?」ニコニコ

ヒメ「お、おまえら…なんで…」アゼン

ルーボイ「か、カロルもか!?カロルも……」

ラム「カロルくんは生きてるよ。たぶん?ね?」チラッ

近衛兵1「はい…。彼あの場に残ってないでした」

ラム「優しいよね、僕って?
君らみたいな出来損ないのクズでも許してあげて、罪滅ぼしまでさせてあげるんだからさ!」ニコニコ

近衛兵1「ありがとうございます」

ラム「とりあえず君らは教団だけ殺ってくれたらいいよ?」

近衛兵1「はい…。我々の罪が許されるのですね…」

ラム「もっちろん!」ニッコリ

ヒメ「ふざけるなぁ!?」

ラム「は?」ジロッ
872: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:23:49 ID:F7QSLrs3M6
ヒメ「やめろ!命令だ!」

近衛兵1「しかし…このままでは…我々はどうしていいか…」

ヒメ「それがそもそもの間違いなんだよ!
勝手に思い悩んで空いた穴を埋める為に誰かを犠牲にして、自己満足して…結局は繰り返してるんじゃないのか!?」

近衛兵1「うっ…」

ラム「なに?やっぱりやめるの?僕の空いた穴はどうする気?」

近衛兵1「……」

ラム「人間は約束も守れない種族なんだね?そうやって僕の同族を殺したんだもんね?」

近衛兵1「や、やり…ます。やらないと…罪悪感に殺される…!」ガタガタ

ヒメ「バカじゃないのか!?」

近衛兵1「」ビクッ

ヒメ「なんでこんな簡単な事が分からないんだよ!?
また後悔して繰り返すんだろ!?
それで最後は自殺でもするんだろ!?
バカじゃないのか、ホント!?」

近衛兵1「なんとでも…我々は…剣を振るうしかない愚か者です…」

ルーボイ「ラム!やめさせろよ!」

ラム「んー…ムリ?」クスッ

ミシング「…教団ってあたしたちも入っちゃってたりして?」

ナラ「」ガクガクブルブル

信者7&8&9&10&11「ナラちゃんをお守りするぞー!エイエイッオー!!」

アントリア「(ま、まずいな…。武装した兵が本気で来れば…いくら数で勝っていても一般人の信者や教徒では相手にならない…)」

アントリア「(そもそもこれはなんだ…。なぜこうも計画から外れた出来事ばかりが…!)」
873: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:25:46 ID:F7QSLrs3M6
ヒメ「今すぐ武器を捨てろ!命令だ!」

オロオロ オドオド

ラム「…うるさいな」ザッ

ヒメ「……!な、なんだよ!?」キッ

ラム「君が黙ってくれなきゃ、こいつらが働いてくれないだろ?」チャキッ

ヒメ「お、オレと戦う気か!?」

ラム「ふふ!初めから気に入らなかったんだよね?」ダッ

ヒメ「ま…まっ……!」グッ

スパッ ポトポト

ヒメ「はぁっ!はぁっ!」ドキドキ

ラム「つつ!ゆ、指がぁ…!」タラァー

ヒメ「お、おまえが悪いんだぞ!いきなり切りかかるから思わず……」チャキッ

ラム「」ブンッ

ピシャッ

ヒメ「あうっ!?」ピッ

ヒメ「(目に血が…!?)」ゴシゴシ

シャッ ズドッ

ヒメ「うっ…ふぐっ」ブハッ

ラム「……」シュゥゥゥゥ

ヒメ「お…まえ……そのゆ…び…?」プルプル

ラム「勝手に治るんだ?いいでしょ?」ブシュッ

ヒメ「ぎゃっ!あぁぁあ!」ガクンッ

ヒメ「こ、この…ひきょう…だぞ…!?」ガクガク

ラム「喜んでくれて嬉しいよ?」ニコッ

ザワザワ ザワザワ
874: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:27:47 ID:BTDVpUAdHc
ラム「これで悩む必要はなくなったかな?あとは修道服を着た連中を切り刻むだけだよ?」

近衛兵1「お、王子は…聞いてない…」

ラム「気を失ってもらっただけだよ?後で治すから?」

近衛兵1「……」

ラム「ね、ほら?やっちゃってよ?」ウインク

近衛兵1「み、皆…修道服を切るぞ…」ザッ

ザッザッ ザッザッ

ミシング「う、うっそーん…?」ビクビク

ルーボイ「来んなし!兵隊のくせに弱いものいじめとかダセーぞ!」

ナラ「こ、こわい…」ダキッ

ミシング「な、ナラちゃん…!大丈夫だよ!お姉さんが付いてるからね?」ヒシッ

信者7&8&9&10&11「奴らをナラちゃんに近付けるなー!!」ババッ

アントリア「……」ススッ

ラム「あ、あれあれ!」ビシィッ

近衛兵1「は?」ピタッ

ラム「あのおじいさんさ、なんか偉い人間っぽいよ?見せしめにしちゃおっ!」ニヤニヤ

アントリア「……!」
875: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:31:21 ID:F7QSLrs3M6
近衛兵1「……こうしないと我々は償えないんだ」ジャキッ

ザッザッ ザッザッ

アントリア「…落ち着きなさい。君たちは今、なにをしようとしているのか考える必要がある…」

近衛兵1「」トロォン

アントリア「」ハッ キョロキョロ

ゾロゾロ ゾロゾロ

アントリア「(そ、そういうことか!)」ギリッ

ラム「どうしたの?なんか気付いちゃった?」

アントリア「舞台裏のテントから調達したのかね?」ジロッ

ラム「ふふ!鋭いね…?」ニヤリ

アントリア「あぁ…ヘマトバザールについては、よく知っているからね?」

ラム「あっそ?じゃあこいつらに何を言っても無駄なの分かるよね?」

アントリア「…恐ろしいな。君は悪魔だ」

ルーボイ「な、なんの話だよ!?」

ラム「傷心のあいつらを舞台に集めて、ヘマトがショーでよく使ってたタイマとかいう香料を嗅がせながら僕に協力するよう呼びかけてやったのさ。
そしたらあっさり騙されてくれたよ?目がトロンとして物事を深く考えなくなるみたい?」クスクス

ルーボイ「(そ、それって…旅人が村のみんなにした…?)」

ラム「さすがに主を切るのはためらったけどね?だから教団だけでいいって約束させた?」

アントリア「…なるほど、説得に応じようとしないのはその為か」
876: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:33:29 ID:BTDVpUAdHc
近衛兵1「うおおお!」ビュバッ

アントリア「くっ!」サッ

近衛兵7「しゃっ!!」ブンッ

アントリア「……!」スラッ ガキンッ

近衛兵8「」フラッフラッ

アントリア「ま、まずい…な!」ギギッ

近衛兵8「」バタッ

アントリア「……!?」チラッ

近衛兵8「」ブクブク

ラム「慣れてない奴に吸わせると倒れたりするんだよね。つっかえない!」ゲシッゲシッ

アントリア「…ほあっ!」ギンッ

近衛兵7「ととと!」フラッ

アントリア「ふむ、言うことを聞かせやすいが弱体化してしまうのか…」ジャキッ

近衛兵9「ひゅうううっ!」ザウッ

アントリア「はっ!」シュバッ
877: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:35:21 ID:BTDVpUAdHc
ザシュッ

近衛兵9「おっぐ!ん!ん!んぅぅ!」ボタボタ

アントリア「これなら一斉に攻撃されない限りは…」ホッ

ラム「よそ見してていいの?」

近衛兵12「うがぁ!!」ブンッ

アントリア「あぁ、危ない?ご忠告、感謝するよ?」サッ

ラム「いや、そっちじゃなくてさ」

近衛兵9「んぎゅうっ!?」バウンッ

アントリア「えっ」ガチィッ

ラム「ちゃんとした判断とか動きは鈍くなるかもね。でも正気じゃない分しぶといし、しつこいよ?」ニヤニヤ

アントリア「な、なるほど…!?」ギギッ

教徒1「な、内臓撒き散らしたまんま戦ってる!?」ヒィィ

信者's「わぁぁ!逃げろー!!」ダダダッ

ラム「逃がさないでね?ほら、追いかけて切らなきゃ?」

近衛兵's「ウガアアアアア!!!」ダダダッ
878: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:38:03 ID:BTDVpUAdHc
ミシング「きゃあっ!ナラちゃん!ルーボイくん!あたしたちも!」ダッ

ルーボイ「ちょっと待って!あいつも!」ダッ

ナラ「おうじ…さま?」トットッ

ミシング「ま、間に合わないって!ナラちゃんの親衛隊みたいな人達もあっさり逃げちゃったよ!?」

ルーボイ「うるせぇ!ナラたちは先に逃げればいいじゃんか!」タタッ

ナラ「わたしも!」タタッ

ミシング「えぇっ!?二人とも!」

近衛兵13「ヒャヒャ!」バッ

ミシング「きゃー!」ビクッ

近衛兵13「」カクンッ ドサッ

ミシング「ほっ…タイマに耐えられなかった人でラッキー…」チラチラ

ドドドドドドドッ

ズバッ ザシュッ ズドッ

ギャアアアアアアアアアアア

ミシング「じ、地獄絵図だよぉ…。やだぁ…こんなの…」ウルウル

近衛兵14「きええいっ!!」シャッ

ミシング「あ、あぶなっ!?」バッ

ガッキィィン!

ミシング「え……あれ?」オソルオソル

団長「大事ないか、お嬢さん?」ギギッ

ミシング「あ、はい…!」ドキドキ

団長「急ぎ駆けつけてみれば、またも不義を犯すとは…つくづくワシには見る目がない、な!」ガンッ

近衛兵14「きょえっ!?」ドサッ

ミシング「おぉー!」パチパチ
879: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:41:28 ID:BTDVpUAdHc
ヒメ「うっくっ…くそっ…」ズルッズルッ

ルーボイ「おーい!死んだか?」タタッ

ナラ「ルーボイ!しつれいだよ!」タタッ

ヒメ「お、おまえらか…」

ルーボイ「よくこっちまで来れたな?ほふくぜんしんってやつ?」

ナラ「…みんな、ばらばらになっちゃった…?だれがどこか…わかんない、ね」キョロキョロ

ヒメ「くそっ…近衛のやつら…僕の命令に背くなんて…」ギリッ

ルーボイ「うわ…腹、血だらけじゃん!大丈夫かよ!?」

ナラ「……!」プイッ

ヒメ「い、いいから…おまえらは離れてろ…!危ない…ぞ!」

ルーボイ「お前のが危ないっつの!ほら、一緒に逃げようぜ!ナラも手伝え!」ガシッ

ナラ「る、ルーボイ!」ハッ

ルーボイ「え?」

近衛兵15「修道服……」ザッ

ヒメ「やめろぉっ!?」ググッ

ナラ「いやぁぁぁぁあ!!」ブルッ

ルーボイ「げっ!?」ビクッ

近衛兵15「き…る……」ビュッ

ザクッ!
880: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:43:43 ID:BTDVpUAdHc
近衛兵15「……」

ヒメ「あっ…う……」ブルブル

ルーボイ「あっぶねぇ〜〜〜!」ハラハラ

ナラ「あ、あとちょっとで…ルーボイにささるとこだった…」ドキドキ

近衛兵15「」ズボッ

ピトッ フワッ

近衛兵15「」ピクッ

ヒメ「に、逃げろ!今度は助からないぞ!?」

ルーボイ「お、お前も…!」

???「もう平気だよ!」

ヒメ&ルーボイ&ナラ「え!?」ハモリ

近衛兵15「あ、あれ!?私は何を……」キョロキョロ

ナラ「え…へいたいさん?」

近衛兵15「な、なに?ってわぁぁ!?お、王子!?失礼致しましたぁ!?」ズザッ

ヒメ「どうなって……さっきの声は?」

近衛兵15「ん!?今、なんか踏んづけたような……」ソーッ

???「ひ、ひどいよー!?」ムクッ

ルーボイ「カロル!?」

カロル「えへへ…?久しぶり!」サスサス
881: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 20:29:42 ID:Ei6luXh5hM
ルーボイ「か、カロルぅ…!」ウルウル

ナラ「うっ…うっ…」グスッ

ヒメ「無事…だったんだな?」ピクッピクッ

カロル「先に傷を癒さないと?」ピトッ

ヒメ「」フワァッ

カロル「ごめんなさい…。王子さまを置いて逃げちゃって……」シュン

ヒメ「気にするな!おかげで助かったんだからな!」 スクッ

カロル「ルーボイくんも…ごめんなさい。大切な物、たくさん取っちゃって……」

ルーボイ「バッカじゃねーの?ホントはぜんぜん怒ってねーし!」

カロル「そうなの!?ボク、首絞められたと思うんだけど!?」

ナラ「ううん?わたしがね、はなしたの?ルーボイに…カロル、わるくないよって?」

ルーボイ「お、おい!言うなよ!?」アタフタ

カロル「そうなんだ…!ありがとう、ナラ?」ニコッ

ナラ「う、うん…!」ポッ

ルーボイ「ちぇっ!そうだよ!ナラから全部聞いたんだよ!
ホントは司祭様が悪巧みしててお前は騙されただけだって!」プンスカ

カロル「じゃ…じゃあ…あの…?」モジモジ

ルーボイ「は?」

カロル「ぼ、ボクと…仲直り…して…くれますか?」チラッチラッ

ルーボイ「はぁ!?」

カロル「……!ご、ごめんっ!」ビクッ

ルーボイ「最初っからともだちじゃねーのかよ!バーカ!」

カロル「!?」パチクリ

ルーボイ「だから!仲直りとかいらねーだろ!?」

カロル「う、うん!」パァァ
882: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 20:41:10 ID:H.kvyPRca6
ナラ「ルーボイね、おしえてあげるまで、カロルのわるぐちばっかりだったよ?」コショコショ

カロル「え?」ガーン

ルーボイ「わっわー!!ちげーかんな!?ナラ、なんでそういうの言っちゃうんだよ!?」アセアセ

ナラ「だって…ホントだもん」ムスッ

カロル「ぷっ!」

ルーボイ&ナラ「え?」

カロル「あはははは!」

ルーボイ&ナラ「……あはははは!!」

ヒメ「」ジーッ

近衛兵15「す、すみません!すみません!なにせ気を失っていたもので…!」ペコペコ

ヒメ「気を失ってた…か。それならさっきみたいに癒しの力で治せば元に戻るんだな?」

近衛兵15「わ、私はこの通りピンピンしております!」

ヒメ「おい、カロル!」クルッ

カロル&ルーボイ&ナラ「あはははは!!!」キャッキャッ

ヒメ「…いつまで笑ってんだよ!?」

カロル「あ、ううん!なんでもないの!つい懐かしくなっちゃって!」ニコニコ

ヒメ「……」ムスッ

カロル「王子さま?」キョトン

ヒメ「なんでもいいけどな!どーせオレには関係ないし!?」イライラ

ルーボイ「なに怒ってんだ?」キョトン

ヒメ「さっさと全員、元に戻すぞ!?」

カロル「うん!そうだね!」ニコニコ

ナラ「たぶん…やきもち?」ヒソヒソ

ルーボイ「あー!俺らの方がカロルとともだちになったの早いもんな?」ヒソヒソ

ヒメ「そこ!勝手に推測するな!?」ムカッ
883: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/25(月) 17:12:53 ID:6Xqddv/IAk
―――平原―――

アントリア「はぁ…!はぁ!」タタタッ

ババッ ザッザッ ザッザッ

アントリア「囲まれたか…!」ピタッ

近衛兵16「がぁぁ〜」フラッフラッ

近衛兵17「ヒヒヒヒヒ!」ジャキッ

ラム「あの変態男もいいオモチャ残してくれたよね?」スタスタ

アントリア「ウォルター君には即効性の強い品種は後に残りやすいからやめておくよう忠告した筈なんだがね…!」ギリッ

ラム「見てよ?空を暗くしてた雲が離れて月が見えるよ?」スッ

アントリア「……?あぁ、おかげで闇に慣れた視界が澄み渡ってきた?」

ラム「こんなにキレイなお月様が照らしてくれる夜はあんまりないかもね…。
きっと人間の惨めな死に様が見たくて顔を覗かせたんじゃない?」

アントリア「…君のようなホビットが俗に言う世間一般のイメージなのだろうね?
ズル賢く、非道かつ残忍で…人間に敵意を持った悪魔…」

ラム「そう植え付けたのはお前らだけどね?」

アントリア「…話し合う余地はないだろうか?」

ラム「ないよ。死ね」

アントリア「まぁそうだろうね…」

ゾロゾロ ジリジリ

アントリア「一つだけいいかな?」シュルッ

ラム「殺っちゃって?」クイッ

バッ バッ バッ バッ

アントリア「せっかちだねぇ…!老いぼれの話に付き合ってくれてもいいだろうに…!」ババッ バサッ

ラム「(服を脱ぎ捨てた…?)」

ズバッ ザシュッ ブバッ

ギャアアアアアアアアアアア
884: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/25(月) 17:17:29 ID:YDR0adIOWk
団長「やぁっ!」シュッ

ドガッ!

近衛兵18「ぐえっ!?」ガタンッ

ビシッ バキッ ガスッ ドカッ

ドサッ バタッ ガタンッ ドンガラガッシャン

ミシング「すっ…ごーい。バッサバッサ切っちゃう…?」ポカーン

団長「む?切ってはおらんよ?峰打ちだ?」

ミシング「え…でも両側に刃が付いてますよね?」

団長「はっはっは!真ん中は平坦だろう?」ガンッ

ドサッ

ミシング「(…あんな大勢と戦いながら狙って平面で叩けるんだ)」

近衛兵1「団長!?」

団長「むっ!」バッ

近衛兵1「あ、違います!私は正気です!」アタフタ

団長「…っ!」ダッ

近衛兵1「ひぁっ!も、申し訳……」ビクッ

タタタッ ギャリィンッ バコッ

近衛兵19「むしゅっ!?」ドカッ

団長「ケガはないか!」

信者5「あ、ありがとうございます!危うく切られるとこでした!」

近衛兵1「わ、私じゃなかった…」ホッ

ミシング「あ、あれ?あなたも…おかしくなってましたよね?」

近衛兵1「そ、それが…王子とその友人方に治してもらいまして」

団長「詳しく聞かせろ!」ガキンッ

近衛兵1「はっ!な、なんというか…煙を嗅がされながら洗脳に近い形で……」

団長「そんなのはどうでもいい!言い訳より、まずこの状況の打開策を教えろ!」キンッキンッ
885: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/25(月) 17:23:24 ID:6Xqddv/IAk
ミシング「癒しの力で治るの?じゃあ癒しの力を使えるホビットが味方にいるってこと!?」

近衛兵1「え、えぇ。そのホビットと協力して王子たちが走り回ってます。
正気に戻った者から加勢して狂った兵を取り押さえるようにと…」

団長「それで!ワシになんの用だ?」ブンッ

バキッ ドガッ

ミシング「(話ついでにあたし達を守りながらバタバタ薙ぎ倒しちゃってる…。ちょっとかっこいいかもー)」ポーッ

近衛兵1「『キリがないから、なんとかしろ』と…団長にお伝えするよう仰せつかりまして」

団長「あの方も大雑把な命令を下すものだな…。いや、信頼されてる証か!」ニヤリ

ミシング「(きゃっ!ニヒルな笑み…渋いよぅ!)」ドキッ

団長「王子たっての厳命、必ずや果たしてみせると伝えてくれ!」

近衛兵1「はっ!」ピシッ

団長「…腕が鳴る!」ブォンッ

近衛兵20「ぎゃんっ!?」ズサー

団長「むん!」ブォンッ

近衛兵21「うごぉ!?」ビタンッ

ミシング「ふれー!ふれー!おっじさま!ダンディー!ダンディー!おっじさま!」パチパチ

団長「!?」ガクンッ

近衛兵22「ひぃぃっ!」ブンッ

ミシング「きゃー!おじさまー!?」

ガキンッ

団長「くっ!?」ギギッ

近衛兵22「ひひ!」バッ ブンッ

団長「せやぁっ!!」シュッ

ドゴッ

近衛兵22「ぷげらっ!?」ズダァンッ

ミシング「ほっ…!な、殴り倒しちゃうなんてステキー!」ヒューヒュー
1002.46 KBytes

名前:
sage:


[1] 1- [2] [3]最10

[4]最25 [5]最50 [6]最75

[*]前20 [0]戻る [#]次20

うpろだ
スレ機能】【顔文字