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私には私の道がある
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1: ◆MEIDO...W.:2011/11/29(火) 00:10:33 ID:u154Dzic7I
注意
・この作品は第一作、第二作と同じ世界観です。しかし、物語としての関連性は全くありません。

・幼稚な文章で書かれるバトル物です。戦闘描写には過度な期待はしないでください。

・強キャラ沢山。

・人が死んだんだぞ!いっぱい人が死んだんだぞー!

・更新は一日二、三レスを目安にしています。


33:
◆MEIDO...W.:2011/12/18(日) 23:37:56 ID:EmDmjrcbTQ
「準決勝第一試合、始め!」

「ハンデをやる。攻撃予告と、移動禁止だ」

「ありがとうございます」

クシャンはまるで嬉しくなさそうに返事をした。

「二秒後、雷!」

クシャンは咄嗟に後ろに跳んだ瞬間、雷が落ちてきた。

「さすがにかわせると信じてたよ」

「結構ギリギリですがね」

クシャンは苦笑するしかなかった。

「せいぜい頑張りな。二秒後、雷! 五秒後、着地点!」

「くっそ、近づけやしない」
クシャンとエクレールの距離は少しずつ離れていくばかりだった。

「二、五、七、九、十二、十四!」

そんな事お構いなしと言わんばかりに、エクレールはさらに攻撃をしていく。

五発目の雷が落ちた瞬間、クシャンは一気にエクレールとの距離を詰めるために、駆け出した。

「一秒後、二歩前!」

クシャンは左足に力を込めて、右に跳び、何とか雷をかわした。

34:
◆MEIDO...W.:2011/12/18(日) 23:38:15 ID:UiUJFD97y6
「チャンスください……」

「なら、大チャンスだ!十五秒後にデカいの行くぞ!」

とんでもないハイリスクハイリターンだった。それでも、クシャンは槍で攻撃せず、エクレールに殴りかかった。しかし、それをあっさりとエクレールに止められた。さらに、クシャンは槍を投げ捨て殴った。これもエクレールには通らない。

「狂ったか?」

「まさか。このまま離れなかったらデカい雷はどこに落ちるんでしょうね?」

クシャンは少し笑っていたが、覚悟を決めた目をしていた。

「及第点だ」

エクレールはクシャンの胸ぐらを掴んで、場外に放り投げた。次の瞬間、雷がエクレールに落ちた。

「場外!エクレール選手の勝利!」

「発想は良かった。だが、相手の力を軽んじていたな。その程度対策が出来ていないわけがない」

エクレールは雷を纏いながら、平然と立っていた。そして、クシャンに背を向けて、自席に戻っていった。
35:
◆MEIDO...W.:2011/12/18(日) 23:38:21 ID:EmDmjrcbTQ
「お怪我は?」

「ない。二歩下がれ。感電するぞ」

二歩下がっても、まだ静電気の様な物を時折感じていた。

「くっそ、見せるんじゃなかった。髪が直らん」

雷を纏っている所為なのか、エクレールの髪がだんだん逆立ってきていて、それを直すのに必死だった。

「そう言えば、次はお前だったな」

「はい」

「あいつに勝つなら、死角からの不意打ちで一発で仕留めろ」

「了解しました」

ネージュはエクレールに軽く頭を下げてから、リングに向かった。

36: 名無しさん@読者の声:2011/12/19(月) 10:36:34 ID:72Oo58upPU
CCCCC
37:
◆MEIDO...W.:2011/12/20(火) 09:34:29 ID:B6HkiMrp42
>>36
ありがとうございます!



「さっきぶりね」

ソリアが小さく手を振ってきたが、ネージュは無反応だった。

「準決勝第二試合、始め!」

「ちょっとは反応してくれても良いじゃない」

「……」

「あんまり冷たいと嫌われるわよ」

「氷使いですから」

試合は始まっているのに、二人とも動こうとはしなかった。

「もしかして、私が話し終わるの待っててくれたの?」

ネージュは小さく頷いき、左手をソリアに向けた。そして、氷塊をソリアに向けて飛ばした。

「それはどうも。でも、最大のチャンスを失ったわね」

ソリアも同じように左手をネージュに向けて、同じくらいの大きさの氷塊を飛ばした。二つの氷塊は空中でぶつかり、二つとも消え去った。

「今からあなたの攻撃全部を真似してあげる」
38:
◆MEIDO...W.:2011/12/20(火) 09:34:39 ID:B6HkiMrp42
ネージュが氷弾を飛ばすと、ソリアも氷弾を飛ばして相殺する。氷柱を足元に生やすと、ネージュの足元にも生えてくる。

「だんだん攻撃が減ってきているけど、もしかして魔力切れ?」

「……」

ネージュはもう一度左手をソリアに向けて、氷塊を飛ばした。そして、ソリアの背後につららを形成して、ソリアの背中を狙った。

「残念」

ソリアは笑いながら左に一歩ずれて、つららをかわした。つららと氷塊は互いにぶつかり、砕け散った。

「昔の私だったら、確実に死んでたわ。でも、それはもう対策をとってある」

ソリアは持っている杖についている丸く透明な宝石を軽くたたいた。

「これには私の背後が映るのよ。誰かさんにお腹貫かれて以来手放せないわ。ねえ?エクレール」

ソリアはネージュに背を向けて、エクレールのいる主催者席を向いた。エクレールはそっぽを向いて、ソリアと顔を合わせようとしなかった。

「あらあら、相変わらず嫌われてるわね。で、どうする?どうやって私に勝つ?」

ネージュはソリアの話を聞かずに、ソリアに向かって走り出した。走りながら、氷の剣を作り上げ、右手で思いっきり剣を振り下ろした。

「魔法が効かないなら、接近戦。まあ、無難な考えね」

ソリアは杖で氷の剣を受け止める。

「でも、それも魔法の産物。そして、私に見せた」

いつの間にかソリアの左手には氷の剣が握られていて、それを何のためらいもなく振った。氷の剣はネージュの腹部を切り裂き、背骨によってその動きを止めた。

「読み間違いです。あなたの負けです。私があなたの顔を潰すのと、あなたが私を五回殺すのはどちらが早いですかね?」

ネージュは左手をソリアの顔に当てた。

「……」

ソリアは両手を開いて、自分の得物を捨てた。

「防ぎにくると思ったんだけどなー……まあ、良いわ。ギブアップ」

「ソリア選手ギブアップ!ネージュ選手の勝利!」

ネージュは体から氷の剣を引き抜いて、適当に投げ捨てた。破れたメイド服の間から見えていたおぞましい切り口は既に跡形もなく消えていた。

39:
◆MEIDO...W.:2011/12/21(水) 21:09:15 ID:kwLgI0/6TA
「良くやったわね。褒美をあげても良いくらいに」

エクレールは後ろ髪を押さえながらそう言った。

「ありがとうございます」

「本当に良くやったわ。私からも誉めてあげる」

いつの間にかソリアがネージュの肩に手を回して、立っていた。ソリアの顔を見たとたん、エクレールは不快そうな表情になった。

「何の用だ。チート」

「あなたじゃなく、あなたのメイドに用があるの。だから、ちょっと貸してね」

「ふざけるな!誰がお前なんかに!」

エクレールは髪から手を離して、ソリアに攻撃しようとしたが、すぐに髪を押さえなおした。

「あなた、私の弱点教えたでしょ?だから、私もあなたの弱点教えるのよ。どうせハンデをあげるなら、一番のをあげないと」

「……変なこと吹き込むなよ」

「じゃあ、こっち来て」

ソリアはネージュの手を引いて、どこかに行ってしまった。
40:
◆MEIDO...W.:2011/12/21(水) 21:09:41 ID:7RJL/fdGxQ
「決勝戦、始め!」

試合開始の合図と共に、ネージュは走り出した。

「あいつから何を教えてもらったか知らないが、威力は抑えといてやる」

エクレールは言い終わるとほぼ同時に雷を落とした。しかし、平然とネージュは雷を抜けてきた。

「ズレたか?」

エクレールは再び雷を落としてみたが、スピードを落とすことなくネージュは走っていた。

「私の雷を何かでズラしたな」

「はい。空中に氷塊を形成して、わずかに止めました。ですが、もう私の射程圏内です」

ネージュの手には巨大な氷のハンマーがあった。それを十二分についた助走のエネルギーを利用して、思いっきり横から振った。

「ハハハハ!流石だ!」

エクレールは後ろに跳んで、ハンマーをかわした。ネージュは右足だけを浮かせて、ハンマーを振った遠心力で体を一回転させてから、エクレールに向かってハンマーを投げた。しかしエクレールは、それを軽々とかわした。

「久しいな!お前と戦うのは!もっともお前は覚えていないだろうがな!」

エクレールは、笑いながらただ突っ立ていた。対してネージュは、両手に氷の剣を持って、再びエクレールと距離を詰めた。

「雷は空から。その思い込みは危険だ」

ネージュが左足に一瞬違和感を感じたときにはもう遅かった。雷が一気にネージュの体を駆け巡った。ネージュは為すすべもなく、倒れた。

「一回死んだか?まあ良い。まさか終わりじゃないだろうな」

ネージュはゆっくり立ち上がった。

「エクレール様……これ以上は私に不利しかありません。ですので、今、勝たせてもらいます」

「アッハハハハハハ!良いぞ!来い!」

「『エクレール様は今日も可愛らしいですね』」

ネージュは自分の凝り固まった表情筋を無理やり動かして、ぎこちない笑顔を浮かべた。

「わわわ私がか、可愛い?ば、馬鹿言うんじゃない!私は魔王だぞ!」

エクレールは耳まで真っ赤にして、恥ずかしがっていた。そこをすかさず、ネージュは勢い良く氷柱を生やして、エクレールを場外まで無理やり飛ばした。

「あ……」

「場外!ネージュ選手の勝利!優勝はネージュ選手です!」

激戦を予想された決勝戦はあっという間に勝負が付いてしまった。
41:
◆MEIDO...W.:2011/12/21(水) 21:09:49 ID:7RJL/fdGxQ
「おめでとー」

「このチートアマ!とんでもない事吹き込みやがったな!」

エクレールがソリアに飛びかかろうとしたが、あっさりかわされてしまった。

「本当は私もエクレールと戦いたかったけど、それはまた今度ね」

ソリアが杖を掲げると、どこからともなく青いドラゴンが現れた。ソリアはそのドラゴンの背中に跨がった。

「エクレール、あなたのメイドは過去に興味はないって言ってたけど、いずれ教えてやりなさい。それじゃあ」

ソリアが言い終わると、ドラゴンは西の方へ飛んでいった。

「言われなくても」

ドラゴンが飛んでいった方を見ながら、呟いた。
42: 名無しさん@読者の声:2011/12/21(水) 21:37:41 ID:yvEPXiu.Rw
っCCCCCCCCCC
43:
◆MEIDO...W.:2011/12/22(木) 22:51:53 ID:lvsJdXSM9o
>>42
ありがとうございます!



「どうした?何か言いたそうだな」

エクレールはベッドに腰掛けながら、本をゆっくり読んでいた。

「……少し顔が痛いです」

「顔が筋肉痛になる奴なんているんだな」

本から顔をあげて、呆れた顔でネージュを見た。

「申し訳ありません」

「謝ることはない」

エクレールは本を閉じて立ち上がった。

「ちょうど新しい本を探しに行こうと思っていた所だ。ついでに何か探してきてやる」

椅子にかけておいた黒いローブを着込んで、部屋を出て行った。
44:
◆MEIDO...W.:2011/12/22(木) 22:52:02 ID:apUuk9iOiY
城を出るとき、門番二人が上を見上げているのに気づいた。

「空に何か浮かんでいるのか?」

「エクレール様、先ほど冒険者が来たのです」

「通そうとしたら、『中にどんな罠があるかわからない!』と言って、壁を登って行きました」

エクレールが上を見上げてみると、確かに何かがよじ登っているのが見える。

「あー……まれにいるよなああいう馬鹿……まあ、良いんじゃないか?私は買い物してくる」

これから起こるであろう事を想像しながら、城下町に向かって行った。
45:
◆MEIDO...W.:2011/12/23(金) 23:23:07 ID:kwLgI0/6TA
「痛い……」

別段我慢できない痛みではないのだが、顔に断続的な痛みがあるのが嫌だった。

エクレールのベッドを整えてから、植物達の世話をするために、部屋を後にした。

部屋の扉を閉めると同時に、天窓が割れる音が響いた。

「はっはぁ!魔王め!一番上にこんな天窓を作るなど入ってくださいと言っているようなものじゃないか!」

赤いマントをはためかせながら、男が植物をクッションにして着地した。男が着地の時に何かが折れる音が響いた。

「……す」

「なんだお前は!魔王の手下か!死にたくなかったら、そこで大人しくしていろ!」

男はネージュを指差して、そう叫んだが、もうネージュの耳には入っていなかった。

「殺す」

ネージュは氷で男の足を貫いた。

「ぐあっ!」

男に反撃の隙を与えず、返しのついた氷で手を貫き、男の体を固定した。そして、助走をつけて、男の顔に向かって、跳び蹴りを決めた。

「殺す。たとえお前の骨が砕け、肉が裂け、血が枯れようとも、私はお前を許さない」

ネージュは倒れた男の顔を踏みつけながら、男の足を体から分離させた。

「ああああああ!」

男は叫んだが、すぐに口に氷を詰められて叫ぶことが出来なくなった。

その後、男はゆっくりいたぶられながら殺されたという。
46:
◆MEIDO...W.:2011/12/23(金) 23:23:13 ID:7RJL/fdGxQ
「ほら、薬だ。飲めば治りが早まるそうだ」

「ありがとうございます」

エクレールはネージュに薬を渡すとすぐにベッドに横になり、新しい本を読み始めた。

「そう言えば、何かあっただろ?」

「異常はありませんでした」

「なら良い」

エクレールはただうっすら笑っていた。
47:
◆MEIDO...W.:2011/12/24(土) 23:16:24 ID:D5RR5P0qOU
「ようこそ……」

「邪魔だぁ!」

ネージュが迎え入れようとしたが、重そうな鎧に身を包んだ男がいきなりネージュの腹を切り裂いた。

「おい、こいつは何にもやってないだろ」

鎧の男の後ろから、弓を持った男が口を出した。

「魔王に味方する奴は全員敵だ」

「門番に逃げられた癖に良く言う」

「行くぞ」

二人は更に奥へと進んでいった。

「扉が凍ってる?」

「ぶっ壊せって事か?」

「それは私の魔法です」

二人は突然背後から聞こえた声に驚き、それぞれの得物を構えて、振り返った。
「手前!なんで生きてる!」
鎧の男がもう一度、ネージュを切ろうと、剣を振り上げた。

「私、ちゃんと礼には礼をお返いしますよ」

そして、その剣は振り下ろされることなく、男は倒れた。

「当然、無礼には無礼をお返しします」

ネージュは鎧の男から、弓使いへと顔を向けた。

「攻撃しないのですか?」

「ああ……俺だけじゃ勝てねえ」

弓使いは弓と矢筒を捨てて、降伏の意を表した。

「ならば、遺体を持ってお帰りください。元々あなた方に挑戦権はありません」

「りょーかい。最後に良いかい?どうやって殺した?」

「汗とだけお答えします」

弓使いは鎧の男を引きずって出て行った。
48:
◆MEIDO...W.:2011/12/24(土) 23:16:31 ID:D5RR5P0qOU
「ネージュ……」

エクレールは眠そうに目をこすりながら、ネージュに話しかけた。

「なんでしょうか」

「お前は盲目の戦士は強いと思うか……?」

エクレールはベッドに倒れ込んでも、話を続けた。

「いいえ。視覚は重要です。森本が良い例です」

「ハズレだ……あの人間は強かった……見えないのに見える……そんな奴だった……」

エクレールは目を擦って、なんとか寝ないように頑張っているが、だんだんまぶたが下りてきていた。

「あの人間は……私……が……」

エクレールは目を閉じたまま、小さな寝息をし始めた。ネージュはそれを確認すると、エクレールをしっかりベッドに寝かせてから
、部屋を後にした。

「唯一……しとめ損ねた……人間だ……」

49:
◆MEIDO...W.:2011/12/25(日) 23:04:06 ID:CX5LhhRtAI
「……ここは?」

自室で寝ていたはずなのにいつの間にか、薄汚れた壁に囲まれた部屋にいた。

探索をするために、部屋を出て、どこまで続くかわからない薄暗い廊下をゆっくり歩いていった。

しばらく歩くと誰かの話し声が聞こえてきた。その部屋の中をこっそり覗いてみると、白髪頭の老人が液体の入った巨大なガラスの筒に向かって話しかけていた。

「お前は魔王を倒す存在だ……ネージュ」

興味ないと通り過ぎようとしたが、足を止めた。そして、もう一度中を見た。老人が話しかけている筒の中には確かに銀髪の少女がいた。

「魔王を倒すのは勇者でも百戦錬磨の騎士でもない。お前だ」

ネージュが部屋に音を立てずに入って、老人を捕まえようとしたが、後少しというところで、老人も少女も消え去った。

そこで目が覚めた。
50:
◆MEIDO...W.:2011/12/25(日) 23:04:28 ID:CX5LhhRtAI
「夢を見ました。おそらく私の過去の」

エクレールはそれを聞いて、しばらくネージュの顔を見つめた後、本を閉じた。

「どんな?」

そして、ベッドから起き上がって、ネージュの前まで移動した。

「私が魔王を倒す存在だと」

「展開が早いのはあんまり好きじゃないんだがな……」

エクレールは大きな溜め息をついた後、クローゼットから白いワンピースを取り出してきた。

「それはお前のだ。サイズは合うはずだから、それに着替えろ」

「畏まりました」

ネージュは言われたとおりに、メイド服を脱ぎ、ワンピースを着た。

「今からお前を私のメイドとしてではなく、ネージュという一人の人間として話をする」
51:
◆MEIDO...W.:2011/12/25(日) 23:04:43 ID:DHgqDkt.zs
「お前は魔王を倒す存在として、作られた人間だ。ホムンクルスと言った方が正しいかもしれんな」

エクレールは椅子に座って、話を続けた。

「長くはならないが、お前も座れ」

エクレールの対面にある椅子を引いて、腰を下ろした。

「お前を作った男はどこかの魔王に家族を殺されたそうだ。その復讐を果たすために、全てを投げ捨てホムンクルスを作り始めた」

ネージュは全く相槌を打つことなく、話を聞いていた。

「その中の唯一の成功作がお前だ。男はお前を解き放った後、死んだ。その後、お前は三人の魔王を倒した後、私の所に来た。お前を屈服させるのに三回も殺したんだ」

エクレールは楽しそうに笑ったが、すぐに真面目な顔に戻った。

「お前の存在理由から言うと、お前と私は敵だ。お前が進む道はお前が決めろ。私を倒しても、普通の村娘になっても良い」

ネージュはエクレールの話を嘘だとは微塵も思っていない。正直に言うとどうでもよかった。

「私は依然変わりなく、エクレール様に仕えるつもりです。私を生み出した男の望みなど私は覚えておりません。私があなた様に仕えているのは、敗者だからだとか恩だとかそんなものではありません。あなた様に仕えろと私の本能がそう言ったからです。これが私の道であり、私が歩むべき道です」

ネージュは言い終わると、ワンピースを脱ぎ捨てて、再びメイド服をまとった。

「……変わったな。初めて会った時は、ゴーレムと大差なかったのに、今でははっきり自分の意志を持っているくらいだ」

エクレールは立ち上がって、ゆっくりと部屋の奥に歩いていった。そして、クローゼットからメイド服を取り出して、着替えた。

「本当に良いんだな?」

ネージュはエクレールの問いに小さく頷いた。

「ネージュ!出かけるぞ!ついて来い!」

「畏まりました」

52:
◆MEIDO...W.:2011/12/25(日) 23:11:20 ID:DHgqDkt.zs
あとがき

どうも、竜頭蛇尾のメイドです。

今回は感情が希薄な子を書きたかったから、書きました。別に酉がメイドだから、メイドにしたわけじゃないよ。

バトル物と言ってもほとんど一方的だったからあんまり練習になってないような……

まあ、とにかく終わりです。ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。


えっ、伏線?なにそれ?美味しいの?この話は終わりだから、書かないよ。この話には。
53: ◆MEIDO...W.:2011/12/27(火) 23:45:41 ID:0Ipfh8jXB2
裏話も特にないので、これを置いていこう


城の中の部屋
天井は全て天窓になっていて、外の光を取り入れる。部屋の中央には噴水があり、そこから水路によって、色々な部屋へと繋がっている。植物の世話はネージュ一人で行っている。この部屋にある物全てに防火防風防雷防音防寒の魔法が施されている。

試練の間
エクレールが直接戦うかどうかを決める部屋。目標時間は三分。
部屋には巨大なゴーレムが一体いるだけ。


魔王の中でもっとも攻略が簡単な城。ほぼ一直線で魔王の部屋に行ける上に、警備は数体のゴーレムのみ。城で働いているのは九割が人間。




エクレールのクローゼット
ただのクローゼットだが、様々な種類の衣服が入っている。しかし、明らかにクローゼットの大きさと入っている量が合わない。この中身はネージュも知らない。

門番
城を守る双子の門番
向かって左側が弟のクシャン。右側が兄のルヴァン。
エクレールの方針で、ある程度戦ったら通すことになっているので、あまり本気で仕事が出来ない。エクレール、ネージュが揃っていないときにだけ仕事をしている。

城下町
エクレールが前の国を潰した時には、王族のみを倒したので、実質以前と変わっていない。最初は魔族がいる事に不満を漏らす者が多かったが、今はそんな者はほとんどいない。人口比は人間:魔族=7:3。

魔王総会
主催、魔界連合。地上に進出している魔王全員に送られる。魔王で集まって、情報交換など様々な目的としている。出席率は悪い。

魔王ランキング(地上)
制作、魔界連合。地上に進出している魔王全員に送られる。地上の魔王の力を国力、力、魔力、知力など様々な分野をランキング形式にした物。調査方法は一切不明だが、結構当たっている。
54: ◆MEIDO...W.:2011/12/27(火) 23:46:27 ID:0Ipfh8jXB2
名前:ネージュ
性別:女
種族:人間(ホムンクルス)
年齢:不明
身長:157cm
スリーサイズ:まな板
長所:家事を完璧にこなす
短所:冷淡
知性:普通
特技:氷魔法

一人称「私(わたくし)」
二人称「あなた」


容姿:銀髪のショート、青い瞳、メイド服

特徴:エクレールに仕えるメイド。忠実で、受けた命令を徹底する。が、極端で、柔軟性がない。また、感情がないので、非常に冷淡に思われる。

礼を持って接すれば、ちゃんと礼を返してくれるが、無礼には無礼で返す。

一日に五回まで、瀕死の怪我からも無傷の状態に回復出来る能力を持つ。

エクレールに仕える前の記憶はない。

実は対魔王用に作られた人間。本能でエクレールに仕えたらしいが、エクレールは何も言わない。

基本的には留守番していて。部屋の植物達の世話は彼女が全部やっている。

「畏まりました」「御意」「はっ」「仰せのままに」など返事を変えるのは、彼女なりの遊び心。だが、気づいてもらえない。
55: ◆MEIDO...W.:2011/12/27(火) 23:49:46 ID:0Ipfh8jXB2
名前:エクレール
性別:女
種族:魔族
年齢:不明
身長:163cm
スリーサイズ:普通
長所:高いカリスマ
短所:不真面目
知性:高い
特技:雷魔法

一人称「私」
二人称「お前」


容姿:金髪ロング、メイド服

特徴:辺境の地ではなく、海に近い国を潰して、新たに城を作った魔王。人間とは国交を結びたいのだが、なかなか上手くいかない。

不真面目であり、戦闘中も遊ぶ。例:手は使わない。
殺る殺られるかの世界でこそ、人も魔族もさらなる高みへと近づけると信じている。

服に関してのこだわりが一切なく、世間一般で言う庶民の服など平気で着る。クローゼットは唯一のプライベートで誰にも見せない。

非常に口が悪い。

「可愛い」「綺麗」など言われることに慣れていないので、それを言われると照れる。ただし身内限定。




茄子さんに、ネージュとエクレール描いていただいた時に、私髪の長さとかどこにも書いてなかったのに、ぴったり一致したんだよね。結構びっくりしました。
56: ◆MEIDO...W.:2011/12/27(火) 23:51:46 ID:0Ipfh8jXB2
名前:ソリア
性別:女
種族:魔族
年齢:不明
身長:166cm
スリーサイズ:
長所:圧倒的な魔力量
短所:体力が低い
知性:高い
特技:見た物をすぐ覚える

一人称「私」
二人称「あなた」


容姿:黒髪ロング、白いローブ

特徴:魔王ランキング一位の魔王。圧倒的な魔力量とラーニング能力を武器に戦う。エクレール曰わく、チート。

エクレールとは旧知の仲で、お互いを良く知っている。エクレールは嫌っているが、ソリアの方は結構好いている。

得意な魔法はドラゴンの召喚(移動用)。基本的に相手が魔法を使うならば、同じ魔法で返し、格闘系なら同じ技で返す。

唯一の弱点である体力の低さだが、常に魔法でステータスアップしている為、無いも同じ。素の体力は人間の子供程度。




モデルは一番でチートの方。
57: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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名前:
sage:


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