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ドラえもん のび太の電脳大戦記
[8] -25 -50 

1: :2012/5/2(水) 22:55:37 ID:NeNQDk43GY
ドラえもんのSSを書いていきます。
映画風なタイトルですけど、一つ問題があるとすると、俺映画のドラえもんは見たことないです。
なので、本当に映画っぽくするとかそういう作風ではないはずです。お気を付け下さい。
それでも良いという方は、最後まで頑張るつもりなので、何卒よろしくお願い致します。


101: 今回はここまで:2012/5/9(水) 23:04:09 ID:NeNQDk43GY
巨人が苦しみだし、地面の揺れは止まり、出入り口を塞いでいた壁が砕けた。
最初のボスを撃破したのだ。普通なら喜ぶところだろう。普通なら。
しかし僕達を支配する感情は、スネ夫を失った絶望の方がはるかに上回っていた。

「くそ……人間で私を倒すほどの者が現れるとは!魔王様に報告するほかあるまい……!」

イベントをこなして消えゆく巨人もそっちのけで、僕たちはまたも口論へと突入することなったのだった。

「どういうことだよ!最初のボスだろ!?レベル二桁まであげて何でこんなことになるんだよ!」
「何故だろう……ボス戦の経験値でもレベルが上がらないことを考慮すると、決して低いレベルだったとは思えないのに……」

ジャイアンの怒鳴り声に対して弱弱しく呟くことしかできないドラえもん。
何でだろう。十分にレベル上げをしたはずなのに、どうしてこんなダメージになってしまうのだろう。
102: 名無しさん@読者の声:2012/5/9(水) 23:35:14 ID:GB2l8BsnBs
各キャラをディスる発言は…
103: :2012/5/10(木) 00:21:33 ID:NeNQDk43GY
>>102
レスありがとうございます!
俺、このまま誰からもレス貰えないで終わるのかなーって思ってたんで、すっげー嬉しいですwww
意見内容も、ちゃんと読んでないと出来ないような意見で……本当にありがとうございました!

意見に関してなんですけど、キャラをディスるのはネタ的な意味でやってます。
俺、版権物を書く時は大体キャラをディスります。言うほど版権物書いたことないですけどwww
とにかく、よくそういうのをネタにして話を展開します。そういうのを書くのも読むのも好きなんですwww
原作再現重視よりは、もうオリジナル作品っつーくらい自由に狂ってるSSの方が好きなんです。こちらも、書くのも読むのもですwww
一応このSSはシリアスに仕上げたいなーって思ってますので、後半はディスりネタも減りますけども。
書き溜めを大雑把に読みなおしてみたところ、たぶん今後30レスから50レスくらいはディスるノリが続くと思います。書き直す予定もありません。
そういうネタが不快でしかなく、耐えられそうにないのであれば、今後読まれるに当たって注意した方がいいかもしれません。
104: 嬉しいからもうちょっと更新しますwww:2012/5/10(木) 00:23:14 ID:NeNQDk43GY
「早くも二人目が来たな。ついてないね、おたくも」
「スネ夫さん……」

気がつくと、骨川スネ夫は牢獄の中にいた。先ほどまで、薄暗い洞窟の中で巨人と戦闘していたのに、と困惑していた。
混乱しているスネ夫に対して、先輩囚人のアインスが余興と称してスネ夫に説明した。
こうしてスネ夫も今回の騒動の真相を知るところとなった。

「しかし奇抜な髪型だな。俺はパスだな。ツヴァイあたりに譲るよ」
「えー嫌だよ、こんな頭。嫌なことを何でも僕に押し付けるのはやめてくれよー」

悠長にも体を乗っ取った後の話をしているアインスとツヴァイ。スネ夫としてはイケてると思ってる髪型を馬鹿にされたのが悔しかったのか、ついつい叫んでしまった。

「馬鹿にするなよ!かっこいいだろ!こんなにイケてる髪型なんてそうそうないだろ!だよね、しずかちゃん!?」
「……」
「……しずかちゃん?何で目を逸らすの?ねえ、何でそんな悲しそうな顔してるの?」
105: :2012/5/10(木) 00:24:33 ID:NeNQDk43GY
静香の反応が芳しくないことを悟ったスネ夫は、意見を変えて再度アインス達に噛みつくのだった。

「とにかく、お前達が僕の体を手に入れることはできないぞ!」
「何故だ?」
「何故って……ドラえもんが、僕の仲間が助けてくれるからだよ!」
「無理だな」

一言で淡々と否定するアインスの態度に、カチンときたスネ夫は掴みかかろうとした。
それを巨漢の先輩囚人、フュンフが取り押さえる。ほどなくしてスネ夫は牢獄の床に伏す形となった。
痛みのない世界だから別にいいのに、と呟いてから、見下しながらアインスはこう告げた。

「このゲームは一際難しいんだ。まだ二人しか死んでないってことは、恐らくおたくらは慎重に進めてるんだろう。しかし、それでも二人が既に死んでいるのだからな」
106: :2012/5/10(木) 00:26:21 ID:NeNQDk43GY
「そんなに難しいゲームなのか、これは?」

見上げる形でも力強く睨むことはやめず、アインスに訊ねた。そんなスネ夫の質問に、相変わらず律義に答えていった。

「俺達も脱獄後の僅かな時間で得た知識だから詳しくはないけどね」
と前置きを入れた上で、このゲームが22世紀でどのようなポジションに置かれているのかを説明し始めた。

「僕達は今、始まりを思い出す」……現在ドラえもん達がプレイしているドラクエ50のキャッチコピーである。
未来のゲームは技術が進んでおり、表現やシステムは格段に進化している。
その一方で、難易度やストーリーにおいては、不満を持つゲームファンが多かった。
ストーリーがよくないという批判、ライトユーザー向けの過度なヒントに手緩い難易度……そのせいで作業的に感じるユーザーが増えていったのだ。
彼らは新作を認めようとせず、昔は良かった、と過去作品としか向き合わなかった。
107: :2012/5/10(木) 00:27:14 ID:NeNQDk43GY
そこで記念すべき50作品目の今作は、テーマを原点回帰とした。
表現やシステムは進化した物を取り入れた上で、話や難易度は最初期のRPGを参考に作り出した。
その結果、シンプルなストーリーに沿って展開される理不尽な難易度のゲームが完成したのだった。

「ボスの強さはかなり高めに設定してあって、後半になれば雑魚敵だって異常に強くなるらしい。ターン制の戦闘ではないから一応パターンさえ掴めばノーダメージで倒せるらしいが、ボスのほとんどは初見殺しを一つか二つは持ってるみたいだ」

確かに、とスネ夫は納得するしかなかった。あの巨人が繰り出した地震攻撃は凄まじく、スネ夫は何もできないままHPを0にされた。
あんなものは事前にそういう攻撃があると把握してなければ対処などできないだろう。
身を以て理不尽な難易度を体験しているスネ夫にとって、それは受け入れるしかない残酷な事実だった。
108: :2012/5/10(木) 00:28:46 ID:NeNQDk43GY
「軽く攻略サイトをチェックしてみたが、初見プレイでゲームオーバー無しでのクリアは不可能とされてたぜ。今作は逆に難しすぎと批判されてたくらいだ」

アインスの説明に、更にスネ夫の気持ちは沈む。
クリアまでに全員が死亡すれば、自分達はおそらく永遠にゲーム世界に閉じ込められてしまうのだから。
このゲームの難易度を知れば知るほど、スネ夫の感情は絶望にまみれていった。
そんな中、囚われのお姫様は未だ諦めることを知らなかった。

「不可能なんて、ドラちゃんは幾多もの冒険の中で打ち破ってきたわ!今回だって、無事にクリアして私達を救ってくれるわ!」

静香の前向きな発言で、スネ夫の気持ちも少しだけ晴れた。
しかし、そんな二人の希望をアインスの不快な笑いが濁していく。

「ふあははは!そうか、精々クリアできるといいなあ!」
「何がおかしいんですか!」

怒鳴る静香に対して、ごめんごめんと中身のない謝罪を済まして、今もスネ夫を押さえてるフュンフにもういいと指示して床伏せ状態から解放させた。
109: :2012/5/10(木) 00:29:32 ID:NeNQDk43GY
「不可能を打ち破る。そんな凄い仲間だというなら、本当に打ち破ってクリアする瞬間を是非とも見てみたいものだよ」
「だったらもう少し待っててください。私達はドラちゃん達の隣で、あなた達はこの牢獄からその瞬間を見ることができるでしょうから」

全幅の信頼から成る強気の姿勢にアインスは素直に関心しながらも、内心では次のように考えていた。

(どんなに頑張ろうと、初見プレイヤーがクリアできないのは決まってるんだ。その表情が絶望に染まる瞬間が楽しみだ……)
110: 今回はここまで:2012/5/10(木) 00:30:45 ID:NeNQDk43GY
こうして口論は一応終わりとなり、時空犯罪者の面々は気楽に談笑し始めたのだった。

「私の体になる子は本当に良い子ねー。私ってば本当についてるね!」
「いいなあフィーア……ねえ、アインス。僕は本当にこの変な頭じゃないと駄目なの?」
「諦めろツヴァイ。たぶんお前の性格的にも似合ってるって」

その一方で、二人の空気は重く、言葉など生まれはしなかった。
しかし気持ちは共にあり、同じことを胸に秘めているのだった。

(ドラえもん(ドラちゃん)なら、きっとなんとかしてくれる……)
111: :2012/5/10(木) 01:17:50 ID:NeNQDk43GY
>>102
>>103で返レスしたのに、重ねて返レスして申し訳ないです。
書き溜めをちゃんと読み返してみたんですけど、案外これからディスりネタ少なくなるかもしれません。
次の更新で詳しく明かしますけど、今回のボス戦を通じてのび太の心境に少しだけ変化が起こります。
基本的にのび太視点で進む話ですので、そんなのび太の心境が少し変わったことでディスり表現が減ったのかもしれませんね。
正直言うと、俺SSでは大概キャラをディスってて、意見されるまで意識すらしてなかったことなので、判断に迷ってますwww
これってディスってるうちに入るのかな?って感じです。その辺が俺もうよくわかんないですwww
よくわかんないんですけど、まあ読まれるに当たって注意はした方がいいかもしれないっていう気持ちは今も同じですね。

それが書きたかっただけですwww寝ます。おやすみなさい!
112: :2012/5/10(木) 23:10:09 ID:NeNQDk43GY
大広間の首領だった巨人を倒した今なお、僕達はこの場に留まっていた。
ジャイアンがいろいろとドラえもんを責めてるところだ。レベルの判断を見誤ったんじゃないか、何故スネ夫がやられる前にタケコプターを出さなかったか、そんな内容。
レベルに関してはドラえもんだけでなく僕達全員の失敗だろうし、秘密道具の件については突然の意表を突いた地震攻撃で即座に冷静な判断を下すのは難しかっただろう。仕方ないと僕は思う。
だけど僕はドラえもんに加勢するほどの元気はなかった。これだけ入念に用意して、なお仲間を失ったショックは大きいんだ。察してほしい。
そんな中、ドラえもんはふと思い出したように突然口論を切り上げたのだった。
113: :2012/5/10(木) 23:10:43 ID:NeNQDk43GY
「……行こう。ここで言い争ってても仕方ない。村の人に報告しよう」
「待てよ!責任から逃げる気か!?」
「レベルや戦闘の判断を誤ったのは認めるよ!でも、それらに関してもめてても、しずかちゃんやスネ夫は助からないだろ!」

これを聞いてジャイアンはハッとした表情を見せて言葉を引っ込めた。
その機を逃さず、ドラえもんは諭すように優しくこう言った。

「仲間のためにここまで怒れるジャイアンの優しさは嬉しいけど、仲間のために僕達はやるべきことをやろう。ね?」
114: :2012/5/10(木) 23:13:23 ID:NeNQDk43GY
このように言われてしまっては、傍若無人戦士ジャイアンも従うしかない。
悪かった、と一言で謝ると、持ち主をなくして地に落ちてたランプを拾って帰路につこうとした。

……すごいや。正直僕は今もそこまで立ち直れてない。
後ろ向きな思考がドンドンと湧き出て止まらないんだ。
あれだけ入念に準備して、それでも僕たちはスネ夫を失ったんだよ。
そしてスネ夫を奪ったあの巨人より強いボスが、これから先たくさん待ち受けているんだ。
そんなの一回もゲームオーバー無しでクリアなんてできっこないじゃないか。
ましてや僕はのろまだ。内心毒づいて他人を見下そうとするクズだ。ドラえもん無しじゃ何もできない無能なんだよ。
巨人との戦いだって、ドラえもんがタケコプターで助けてくれないと、きっと僕も死んでいた。
そんなのが、仲間を救うなんて、そんな大それたことできるわけないじゃないか。

……こんな感じで、負の感情が渦巻いてる。ドラえもん、ジャイアンという希望の道標がなければ、きっと前進もままならない。
こんなメンバーの中で僕なんかが混ざってていいのだろうか。怖いけど……いっそあの時死んでた方がまだよかったのではないか。
不安は尽きることなどないけど、僕には希望を抱かせる者達の後を追うことしかできなかった。
115: :2012/5/10(木) 23:14:13 ID:NeNQDk43GY
「うわあ!」

後を追おうとして走り出すと、僕は何かに躓いて転んだ。
僕の悲鳴に心配して戻ってきてくれたドラえもんは、僕を躓かせた何かを発見したのだった。

「これは……宝玉っていう奴かな?」

よく見ると、確かに綺麗な球体がそこに転がっていた。
はて、このような物がこの広間にあっただろうか。いや、なかったはずだ。
そうなると、考えられるのは一つくらいだろう。

「……あの巨人が置いてったのか?」

新しいランプの所持者であるジャイアンも戻ってきてそう発言した。
僕もそう思う。要するにこれは巨人に勝つともらえるイベントアイテムということだろう。
僕達はスネ夫を失った動揺で気付かなかったけど、あの巨人がイベントで宝玉をここに残していったのだ。
116: :2012/5/10(木) 23:14:55 ID:NeNQDk43GY
「重要なアイテムのように思えるね。持っていった方がいいだろうね」

ドラえもんがそう提案し、僕もジャイアンも首を縦に振った。
こうして僕達は戦利品を手にして暗闇の洞窟から脱出したのだった。
村につくと、僕達の心情とは裏腹に明るく希望に満ちた村人達が歓迎してくれた。

「邪悪なる魔物の気配が消えました!」
「ありがとうございます!これで私達は平穏に暮らせていけます!」

次々に村人達からお礼の言葉が生まれるけど、前も言ったように僕らは聖徳太子じゃない。正直聞き取れへんよ。
というわけで、村人たちには悪いなあと思いつつ、攻略に必要そうな情報にだけ耳を傾けることにした。
117: :2012/5/10(木) 23:15:55 ID:NeNQDk43GY
攻略に必要そうな情報を吐きだしたのは、最初に語りかけてきた老人だった。

「勇者様方は世界を救われる御方。次の町を目指して進むのでしょう。しかし、一つ残念なお知らせが……」

絶対これ必要な情報だろって思って、僕は身を乗り出した。
ドラえもん同じように思ったみたいで、こちらは言葉にして訊ねていた。

「残念なお知らせとは?」
「ここから次の町を目指す場合、険しい山々が阻む故、ここより北にある湖を渡るしか方法はありません」
「それは、泳ぐなり船を用意するなりで解決するのでは?」
「昔はそれでよかったのですが、最近は魔物が侵攻し、なんと毒の湖に変えてしまったのです」

毒という、あまりよくないキーワードに軽くテンションが下がる。
毒なんて代物は昔からRPGプレイヤーを苦しめるものだと相場が決まっているのだ。
118: 今回はここまで:2012/5/10(木) 23:16:50 ID:NeNQDk43GY
老人が言うには、浸かった人間を毒に侵し、木船も忽ち腐らせてしまうそうで。

「魔物が毒の湖にしてからというものの、この村から隣町に行く方法は断たれてしまいました。何か方法があればいいのですが……」

その発言を受けて、僕達三人の視線はあるものに集中する。
そう、今は僕が持っている、巨人の落とし物である宝玉だ。
誰一人として発言こそしなかったが、自然と皆が何を思ってるかは理解できた。
これ、湖用のアイテムじゃね?って。
僕らの思いは一つとなった。これから復興してみせると前を向く村人達に別れを告げて、僕達は北の湖を目指すことにした。
119: :2012/5/11(金) 22:39:05 ID:NeNQDk43GY
湖に到着した。
老人から毒の湖と聞いてはいたが、想像以上に毒の湖だ。
透き通った水の色とはかけ離れた禍々しい紫はまさに毒をあらわしてる。これは目に毒だと、思わず誤用させるほどのインパクトだ。
沸騰してるわけでもないのに、水面にブクブクと気泡が生じているのが見られる。こんな中で生物が暮らしてるとも思えないので、一体全体どういうことなのか。
実際に見たわけではないが、確かにこれは木船も腐らせるわ、と無条件で信じられるほどに気持ち悪い湖が僕らを出迎えたのだ。

「のび太くん、宝玉を使ってみて」

ドラえもんに言われて、僕は宝玉を取り出した。
使うと言ってもどう使えばいいのかわからず、とりあえず宝玉を両手で掲げてみた。
120: :2012/5/11(金) 22:39:51 ID:NeNQDk43GY
すると宝玉はまばゆい光を放ち始めた。
そして光は毒の湖を照らし始めた。するとあら不思議。
モーゼの十戒よろしく湖が割れ始めたのだ。ただ、こちらは真っすぐではなく、何やら入り組んで割れている。
やがて宝玉が役目を終えて砕け散る頃には、立派な迷宮が出来あがっていた。

「次なるダンジョンってわけか」

ジャイアンが迷宮を前に呟いた。ゲームに言っても仕方ないけど、真っすぐ普通に通してくれよって感じだ。
まあ愚痴っても何も始まらないか。洞窟に続いて、僕たちは毒湖の迷宮に挑むのだった。
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