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ドラえもん のび太の電脳大戦記
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1: :2012/5/2(水) 22:55:37 ID:NeNQDk43GY
ドラえもんのSSを書いていきます。
映画風なタイトルですけど、一つ問題があるとすると、俺映画のドラえもんは見たことないです。
なので、本当に映画っぽくするとかそういう作風ではないはずです。お気を付け下さい。
それでも良いという方は、最後まで頑張るつもりなので、何卒よろしくお願い致します。


360: :2012/5/28(月) 00:55:36 ID:NeNQDk43GY
「彼らの寿命があと40年くらいだとしたら……ゲーム世界の時間の感覚だと2000年くらいまで魂が朽ちることはない。自業自得とはいえ、少しかわいそうに思うよ」
「2000年……ですか」
「彼らは終身刑の身だったんだが……寝ることも食べることも許されないゲーム世界で、さすがにそれは酷かと思って……ゲームソフトを破壊する形で死刑にしようかと思ってる」
「は、破壊!?ちょっと待ってください!」

ドラミの慌てようを不審がったタイムパトロール。その隙を突くように、ドラミは本題に入った。
そう、兄がまだ生きてるかもしれないという可能性があり、それに関する調査をしたいという旨を伝えたのだ。

「……なるほど。確かに調査不足なのは否めないな」
「お願いです!大切なお兄ちゃんの命がかかってるんです!是非とも調査させてください!」
361: :2012/5/28(月) 00:56:22 ID:NeNQDk43GY
言い切って、ドラミは頭を下げた。
ここまでだんまりを決め込んでいた、同席しているセワシも同様に頭を下げた。
気持ちとしてはドラミと同じだ。可能性が僅かでも存在するなら、それにかけてみたかった。
それに対して、タイムパトロールはどのように反応したのか。

「……わかった。調査しよう。我々としても、救えるかもしれない命があるなら、全力を注ぐ所存だ」

その発言によって顔を上げた二人の表情は希望色に染まっていた。
もう二度と叶わないと思っていたドラえもんとの再会に大きく前進し、内心喜びを隠せない状態にあった。
362: :2012/5/28(月) 00:57:10 ID:NeNQDk43GY
「……ただし」

タイムパトロールは、調査に当たって以下の条件を出した。

まず、タイムパトロール側で技術者を用意し、プログラム等を外部からチェックして異変を探すという。
ドラミの言うとおり、空き容量などに紛れこんでいるのなら、プログラムの合間に何かしらの異変があってもおかしくない。
それをプログラミング言語の群れから探してみようというのだ。

それでも駄目な場合は、直接ゲーム内に入って探してみるという。
ただ、今もなおこのゲームはアインス達によって改悪された状態である。
なので、ゲーム内調査をする場合、ゲーム内容にまた手を出して、調査に適したものにしなければならない。
具体的に言えば、セーブポイントからのゲーム終了機能を蘇らせるのだ。
363: :2012/5/28(月) 00:58:20 ID:NeNQDk43GY
ついでに、敵のステータスなども全て最弱にし、スムーズな調査が可能になるよう工夫するという。

「これらを行う場合、我々の技術ではけっこうな時間を要するだろう。それ故、結果を伝えるのは数日後になると思うが、了承してもらえるか?」

その提案に、ドラミは黙って頷く。
それを確認して、タイムパトロールは更にこう続けた。

「あと、君も調査に加わりたいようだが、それは駄目だ。調査は我々だけで行う」

自らゲーム内に赴き、兄を救出するつもりでいたドラミにしっかりと釘を刺しておいたのだ。
攻略しやすい環境に変えるとは言え、危険が伴うことには変わりない。それを考えると、一般人を巻き込まないようにするこの判断は妥当と言えるだろう。
しかし、それでもドラミは諦めることが出来なかった。自らの手で、兄に降りかかったゲームの呪縛から救いたいと願っていた。
364: :2012/5/28(月) 00:59:18 ID:NeNQDk43GY
始めは提案した方針を折るまいと必死に拒絶していたタイムパトロールだったが、最終的にはドラミの熱意に負け、調査の参加を許可したのだった。

「……しょうがないな。でも、単独調査は絶対に許さないからね。我々と同伴し、無理そうだったらセーブポイントから脱出すること。いいね?」
「っ!は、はい!ありがとうございます!」

こうしてドラミ達はドラえもんを求めてのゲーム内への旅立ちが決まった。
まだドラえもんが生きていると決まったわけでもないし、技術者による外部からの調査で全てが片付く可能性も現段階ではあるのだが。
しかし、ドラミは自分が行動することで、兄を救えると心から信じているのだった。
365: :2012/5/28(月) 00:59:57 ID:NeNQDk43GY
結論から言えば、ドラミ達のゲーム内冒険は確定的になった。
タイムパトロール本部を訪ねてから数日、セワシ宅にゲーム内調査を行うという旨の連絡が来たのである。
技術者を集めた上で、ゲーム内からではなくゲーム外から調査したところ、特に異変を発見することはなかったという。

「じゃあゲーム内を探せばお兄ちゃんは見つかるのね!」
「ドラミちゃん、消滅しているという可能性もあるよ。希望を持ちすぎるのも危ないかもしれないよ」

セワシが言った通り、今のところ両方の可能性が残されている。
とはいえ、調べないことにはどちらが正解なのかわからないのも事実だ。真相を確かな物にすべく、ドラミ達は本部に行くことにした。
366: :2012/5/28(月) 01:01:00 ID:NeNQDk43GY
本部に着くと、既にゲームはセッティングされていた。
あとはコントローラーを握って、ゲームを始めるだけだ。

「まずは私が始めるから、君たちは私に続く形でゲームを開始してくれ」

そう指示してきたタイムパトロールの手には攻略本が握られている。
プレイヤーの身につけてる物も具現化されるシステムを利用して、スムーズな調査に役立てようというのだろう。
指示してから程なくして、そのタイムパトロールは抜け殻と化した。

「ドラミちゃん、僕達も行こう!」

続いてセワシがコントローラーを握り、同様に魂をゲーム内に移した。
魂を失った男性二人の体を見て、ドラミは兄の今を思い出した。
それ故、恐怖に支配されたが、それも一瞬のこと。兄を救うために勇気を奮い、コントローラーを持ってゲーム世界へと出発した。
367: :2012/5/28(月) 01:01:47 ID:NeNQDk43GY
気がつくと、ドラミの目の前には草原が広がっていた。
ゲーム世界に移ったのだと、彼女は一瞬で理解した。
ただ、不可解な点もあって、それに関して訊ねずにはいられなかった。

「あの、私の……私達の体が青白く光ってるんですけど」

そう、集いし三人の体から不自然に光が発せられているのだ。

「それも我々が施した改造のひとつだ」

どうやらこの現象はタイムパトロールが意図して起こしているらしい。
目的を理解できずにいるドラミとセワシ両名に理解してもらうべく、彼はこれの説明を開始した。
368: :2012/5/28(月) 01:03:24 ID:NeNQDk43GY
ドラミの推理では、ドラえもんはゲームの一部と化して生き残っている。
それが事実なら、マップ上にその姿を現すことはなく、見つけ出すのは困難だと思われる。

「そこで、この光が役立つんだ。これは魂や記憶データに反応して光を発するというプログラムだ」
「……そうか!それならマップやアイテムと同化してても、光でドラえもんがいるかどうかがわかる!」

セワシの解釈通り、これはドラえもんを発見するための改造結果だった。
技術者の協力の下、ゲーム終了機能の復活や敵の弱体化に加え、魂・記憶データから発光する機能を搭載させていたのだ。

「これらを施すのに数日かかったよ。……脱走の僅かな時間で改造を済ましたあいつはやはり天才だった。道さえ誤らなければな……」

そう言ったタイムパトロールの表情からは、相当な無念が容易に見て取れた。
369: :2012/5/28(月) 01:04:20 ID:NeNQDk43GY
その話を聞いて、やはりゲームのプログラミングって難しいんだなあ、と気楽にドラミはそう思っていた。
そう考えた流れの中で、同時に疑問も生まれた。それを素直にタイムパトロールにぶつける。

「そんなに難しい物なんですか。それって、仮にお兄ちゃんを見つけても、現実のお兄ちゃんの体に戻せるんですか?」
「プレイヤーでなくなってるのは確かだから難しいかもしれないけど……どこにいるかさえわかれば、時間をかければ助け出せるだろう」

それを聞けたら一安心である。つまり、見つけ出しさえすれば、ドラえもんの復活は確定するのだ。
あとはドラミ説が真実であることを祈って、ゲームの隅から隅まで探すだけである。

「よーし……待っててね、お兄ちゃん!絶対現実に戻してみせるから!」
370: :2012/5/28(月) 01:05:08 ID:NeNQDk43GY
ドラミの威勢のよい宣言を以て本格的なゲーム内調査を開始した一行。
だが、何時間、何十時間とかけて調査しても、無情にも青白い光を見つけ出すことはできなかった。
現実では数十分の出来事だが、ゲーム内の彼女達は食事・睡眠を取らぬまま一日中調査してる感覚である。
特にこういった調査に慣れていないドラミとセワシの二人は、精神的にだいぶ参っていた。

「……のび太さん、よくこんな環境でクリアまで頑張ったわね」
「そうだね。僕だったら途中で参っちゃうよ。おじいさん、すごいなあ……」

雑談を交えてどうにか乗り切ろうとし、弱体化した雑魚敵効果でさくさくシナリオを進めていた。
371: :2012/5/28(月) 01:06:15 ID:NeNQDk43GY
しかし一向に見つかる気配はなく、とうとう火山の大陸をクリアするところまで来てしまった。
ここはドラえもんがやられた場所である。それをのび太から聞いていた一同は、ここがドラえもんの眠る最有力地と踏んでいた。
だが、結果は今までと同じだった。火山の大陸のどこにも青白い光は存在しなかった。
一同の表情に暗さが宿る。条件的にここしか考えられなかったので、諦めの感情が芽生えたのだ。

「……ここにもいない。プログラミングにも異常が見られない。……悪いがこれは消滅したと結論付けていいだろう」

タイムパトロールがそう切り出した。答えはしなかったがセワシもそれに同意していた。
ただ、一人だけ諦めていなかった。言うまでもなくドラミのことである。
372: :2012/5/28(月) 01:06:51 ID:NeNQDk43GY
「待ってください!まだ隅々まで探したわじゃ……」
「被害者の一人である少年の証言では、ロボットはここでやられたんだ。ここしか考えられないし、ここにいないならもう消滅しか考えられない」

タイムパトロールの反論を受けて、ドラミは考え込んだ。
ここしか考えられない。消滅しか考えられない。……本当にそうだろうか。
可能性を広げるために、ドラミはのび太の証言を必死に思い出していた。
373: :2012/5/28(月) 01:07:41 ID:NeNQDk43GY
(お兄ちゃんはここでやられた。それは間違いない)
(だけどここにはいない。……マップに同化したわけじゃないのかも)
(だったらアイテム?でも、どのアイテムに?)
(……そういえば、のび太さん、こんなこと言ってたな)
(魔王戦で確かにお兄ちゃんの声を聞いたって)
(隣の部屋にいた皆の声も届かなかったのに、お兄ちゃんの声をハッキリと聞いたんだよね)
(……つまり、隣の皆より近くにいたから?)
(お兄ちゃんがやられた時に、お兄ちゃんに一番近かったアイテム……)
(のび太さんが魔王と戦ってたときに、のび太さんに一番近かったアイテム……)

しばらく考え込んだ後、ハッとした表情を見せながらドラミはこう叫んだ。

「……魔封じのアミュレット!」
374: :2012/5/28(月) 01:08:45 ID:NeNQDk43GY
……ドラえもんがいなくなってから2週間ほど経過した。
今日はテストが返ってきたんだけど、驚くなかれ、75点だった。
以前の僕とは大違いだ。しかもまぐれで取ったんじゃない。勉強して、内容を理解した上で75点を取ったんだ。
水泳に関しては季節を待つしかないとして、自転車とか他のスポーツ等も挑戦してて、緩やかに成長中である。
やっぱり努力次第で人は変われる。必ず頂点を掴めるわけじゃなくても、自分なりの成功は必ず掴めるんだと思う。
それもこれも努力を覚えた成果だ。命と引き換えに僕に教えてくれたドラえもんには感謝するしかない。
……今の僕を直接見せてあげたかったな。叶わぬ想いだとわかっていても、やはり後悔は消えない。
まあでも悔やんで進むのをやめたくはない。僕のためにも、ドラえもんのためにも、努力して成長していくと決めたのだから。
とにかく、今はママへの報告を目指そう。褒めてくれるかな?それともまだ甘いとか言われるのかな?
375: :2012/5/28(月) 01:09:32 ID:NeNQDk43GY
とにもかくにも家に着かねば始まらない。
学校が終わってからひたすらに歩き続けた僕は、自らを自宅の前まで運んだ。
玄関にさっさと移って、そのドアノブを捻った。

「ただいまー!」



「のび太くん!!」



ドラえもん のび太の電脳大戦記
おしまい
376: 後書き的な感じ:2012/5/28(月) 01:11:04 ID:NeNQDk43GY
というわけでおしまいです。
名前の通りなんですけど、今から後書きみたいなの書いていきます。
あ、そういうのどうでもいいですっていう方は、名前が1に戻るまでスルーしてください。

とりあえず、まずは完結出来てよかったです。
スレ立て時点で8〜9割くらいの書き溜めが完了してたので、大丈夫だろうとは思ってましたが。
とりあえずスレ立てから今日まで毎日更新できて、そこは満足でした。
とにかく、自分の中でこれを完結させなきゃいけない理由があったので、今この瞬間を迎えて、そこは安心しております。
377: 後書き的な感じ:2012/5/28(月) 01:12:09 ID:NeNQDk43GY
俺、一応「自分が楽しむために書いてる」って書きましたけど。
いろいろあって、今となってはこのスタンスで書いていこうと決意してるんですけども。
さすがに今回はやばいなと反省しております。
どういうことか説明しますと、レス少なすぎじゃね?ってことです。
人気のあるスレは支援が、そうでないスレは批判や中傷がけっこうあるってイメージなんですけども。
その両方がこのスレにはあまりにもないんじゃないかと思いまして。
話題にあがることもないので、このスレは多くの方々にとって本当にどうでもいいって立ち位置なんだというのをひしひし感じて心折れましたwww
本当に自分だけ楽しみたいだけならそもそもここに投稿する必要がないし、優先順位として負けてるだけで読者方の満足にも一応気をつけたい気持ちはあります。
それでこの状態なので、けっこう罪悪感あります。本来謝る必要のないことですけど、謝りたいっていう俺の自己満足のためにも謝ります。すみませんでした。
……まあでも結局自分の書きたいを今後も優先していきますけどね。支離滅裂ですねwww
378: 後書き的な感じ:2012/5/28(月) 01:13:24 ID:NeNQDk43GY
あんまり自虐に走ると、もし好意的に見てくれてる方がいましたら、その人に迷惑なので次のステップに行きます。
レス少ないと書きましたけど、少ないってことは書いてくれてる人も確かにいるってことで、その方々には大変感謝しております。
少ないと全部紹介できるんで、そこは良かったって言える要素ですねwww
>>102>>130>>135>>256の方々、レスしてくださって本当にありがとうございました。途中で心が折れるのを阻止できたのはあなた方のおかげですwww
どれだけいるかわかりませんが、ここまで読んでくれた方々にもお礼が言いたいです。書いてるからこそ楽しかったけど、俺が読む側ならスルーする内容なので尚更感謝しますwww
とにかく、このスレに関わってくれた人、向き合ってくれた人に感謝したいです。ありがとうございました!
これって後書きなのかなって書いてて思いましたけど、実は謝りたかっただけなので、これでいいことにしてくださいwww
379: :2012/5/28(月) 01:14:20 ID:NeNQDk43GY
後書き中に感謝の意は述べましたけど、スルーした人用にもう一度。
ここまで読んでくれた皆様方に、ありがとうございました。
レスしてくれた>>102>>130>>135>>256の方々に、ありがとうございました。
最後までお付き合いしてくださって、本当にありがとうございました!
終わります!
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