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幼い兄、進むはモノクローム
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1: :2012/3/13(火) 20:41:31 ID:JCMcRY0PdY

とある森。

光を浴びた小さな草むら。

花の香りの染み付いた、朽ちた梯子は木にもたれ、その脇近くの土の上には虫が群がる。そこから少しの距離置いて、またも群がる小さな虫。

静かな森に二つの羽音が広がった。




101: 名無しさん@読者の声:2012/5/6(日) 13:23:27 ID:/Z2zYzpsb2
なんだかよくわからない感情だ!
でも好きです、このss!
支援です
102: :2012/5/6(日) 18:31:27 ID:LJlRNNysec
>>101
読後に何かしらの感情を持っていただける事ほど光栄なことはありません、ありがとうございます!
支援感謝です。


そして、前回に引き続き今回もランクイン出来るとは思っていませんでした…!
投票してくださった皆様、読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。
これからもお付き合い頂ければ幸いです。それでは、また。
103: :2012/5/8(火) 18:08:33 ID:buY.QArEr2

登った崖の奥には暗いトンネル
ぎゃあぎゃあ喚く鳥達の声

声はトンネル内部に反響し、少年の耳へ入り込む
わんわん響く鳥の声に耐え切れず
足早にトンネルを抜けました

104: :2012/5/8(火) 18:10:27 ID:KLMpaCsVQ2

少年は鳥達が何をしているのか気になって、たった今通り抜けたほの暗いトンネルを振り返ります

トンネルの中、うっすら見えたのは数羽の群れた黒い鳥
そのくちばしの先には白くうねったなにかの幼虫
きっとそれが食事なのでしょう

一匹しかないその芋虫を奪い合い、群れた鳥達ひた喚く

105: :2012/5/8(火) 18:22:57 ID:KLMpaCsVQ2

鳥達に引っ張らればらばらにちぎれた芋虫は
それでもなお、鳥の口の中に消えるまでうねっていました

それを見た少年は
大きさも形も何もかもが違うのに、なぜだかあの蜘蛛を思い出しました

ふう、と一つ息をつき
くるりと体の向きを変え
少年は洞窟を後にしました


106: :2012/5/12(土) 19:26:14 ID:7aF5ik90QM

洞窟を抜けて進んでしばらくたって
次に立ちはだかるのは深い大きな水溜まり
池といった方が良いくらい、大きな大きな水溜まり
水は相変わらず嫌な感じがします

そしてその水溜まりにはいやに沢山、羽虫が群がっていました

少年はそこに目をこらす
ぷかり浮かぶは二つの陰

107: :2012/5/12(土) 19:29:27 ID:7aF5ik90QM

一つは酷い腐臭がします
虫が群がりぶよぶよふやけて、元は生き物だったということしかわかりません

もう一つは崖でこっちを見ていた男の子でした
背中しか見えないけれど、少年には確かにそれがあの男の子だとわかりました


縦に並んだそれは二つとも
動く気配がありません
泳ぐのは極力避けたい少年は、これを浮き島変わりに渡ろうと思いました


108: 名無しさん@読者の声:2012/5/16(水) 21:44:53 ID:cw8wxtQdpE
面白い
つC
109: :2012/5/19(土) 16:35:06 ID:pYiNGEDLCU
>>108
うわあああ支援ありがとうございます!すごい嬉しいです!!
これからも楽しんで頂けるよう精一杯がんばりますね

そして長らく更新停滞していてすみません。只今予定が立て込んでいる状態でして、次の更新までもう少しだけお待ち頂くことになりそうです。
読んでくださっている皆様、お待たせしてしまって申し訳ありません。それでは、また。
110: :2012/5/22(火) 18:03:31 ID:SK4UkjkGQY
そうと決まれば助走をつけて地面を蹴り、ぴょいと少年身軽に跳ぶ

足を浮き島に着けると水のはねる音に重なって
ぐちゃり、腐った肉が潰れる音


その感触が体に伝わらないうちに
少年の重さで足場が沈まないうちに

足を踏ん張りもうひとっ跳び

111: :2012/5/22(火) 18:06:23 ID:vTEEKrBc4w

次は動かない男の子の背中に着地しました

ぐらりと数度浮き沈み、みなもに波紋が広がります
少年は落ちないように不安定な足場でバランスをとります

みなもが静かになった頃、少年はここから向こう岸までの距離を見ました
その距離は、少年の身長二つ分といったところでしょうか

いくら少年が身軽でも、助走無しの跳躍ではどうにも届きそうにありません

112: :2012/5/22(火) 22:06:29 ID:LlFVCsszw6

困ってしまって少年は一か八か向こう岸へ跳んでしまおうかと思いました

すると、水溜まりの向こうから足音が
少年が音の方へ目をやれば、頭を垂らした男の子がこちらに向かって歩いて来るのが見えました
今、少年の足場になっている男の子と一緒に崖にいた男の子でした

彼は目前の水溜まりなんてありもしないとでも言うように
ただただ真っすぐ、うなだれたまま進んできます

113: :2012/5/22(火) 22:10:20 ID:LlFVCsszw6

一歩、
音をたてて足が水に浸かります
一歩、
足から波紋が広がります
一歩、
腰から下はもう見えません


一歩、
一歩、
また一歩、
それでも男の子は歩みを止めません

そしてとうとう男の子は水の中に飲み込まれて行きいました


114: :2012/5/22(火) 22:16:35 ID:rBPFzPgsNU

それでもまだ、足を前へ動かしていたのでしょうか
男の子が沈んだあたりを中心に、波紋が広がり波打ちます

しばらくすると、そこからあぶくがこぽりこぽり湧き出てきました

そしてあぶくが無くなったみなもを眺めていると、ぷかり、男の子だったものが浮かんできました
男の子だったものをよく見ると、その頭に洞窟で鳥達の餌になっていた芋虫がくっついていました

115: :2012/5/22(火) 22:22:44 ID:LlFVCsszw6

うねる芋虫は四肢の生えた浮き島から離れ、しばらくすると水にのまれて沈んで行きました

少年は新しく出来た浮き島に跳び移り、そこから向こう岸に渡ることが出来ました


そして幼い少年は、次の関門へと進むのです


116: :2012/5/22(火) 22:30:20 ID:LlFVCsszw6
一週間以上も更新せず大変申し訳ありませんでした!とりあえず本日の更新はここまでです。
お付き合い頂きありがとうございます!それでは、また。
117: :2012/6/17(日) 09:51:46 ID:NZIGCpgE5A

皆様お久しぶりです、1です。
約一ヶ月も放置してしまいすみませんでした。
そして大変申し訳ないのですが、これからも当分予定がつまっていてなかなか執筆する時間がとれないのです。

満足に更新も出来ないのにずっと現行に居座っているのもおかしいと思うので、一旦このSSを未完庫に置かせて頂くことにしました。

来月か再来月には必ず戻って来ます。必ず完結まで持っていくので、また復帰した際にはお付き合い頂ければ嬉しいです。
それでは、また。
118: 名無しさん@読者の声:2012/6/19(火) 07:56:09 ID:6WEqWqJN4E
支援
119: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
120: 真・スレッドスターター:再開
再開しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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