とある森。
光を浴びた小さな草むら。
花の香りの染み付いた、朽ちた梯子は木にもたれ、その脇近くの土の上には虫が群がる。そこから少しの距離置いて、またも群がる小さな虫。
静かな森に二つの羽音が広がった。
134: 1:2012/8/8(水) 22:12:38 ID:nOovXXZ/0c
洞窟の出口が奥の方に見えた頃
少年の頭上に何か小さなかたまりが落ちて来ました
べちゃ、と気味の悪い音が聞こえます
少年は何が落ちて来たのか確かめるため
恐る恐る、
頭に手をやろうとしました
135: 1:2012/8/8(水) 22:16:29 ID:nOovXXZ/0c
その瞬間、少年は軽いめまいにさいなまれました
ぐらり、視界が歪み
手は力が入らずに
ただだらりと垂れ下がり
足は前へと動き出しました
少年は驚きます
だって少年の足は、
少年の意思ではなく
独りでに動き出したのです
136: 1:2012/8/8(水) 22:20:11 ID:yYWADHzeSc
少年が止まろうとしても
足は言うことを聞きません
ちらりと目を前へやると
少年の前方、
洞窟の出口付近の天井に
騒がしく声を震わせる鳥達が見えました
137: 短いですが本日の更新は終了です:2012/8/8(水) 22:23:20 ID:yYWADHzeSc
勝手に動くその足は
ふらりふらりと覚束ない
けれど、だからといって
止まる気配はありません
自力での方向転換も出来そうにありません
ただただ前に足を動かす少年の
力無いその姿は
ぜんまい仕掛けの玩具の様で
一体、これを止めるには
ネジを止めるか、
玩具が壊れるか、
それ以外に方法などあるのでしょうか
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