とある森。
光を浴びた小さな草むら。
花の香りの染み付いた、朽ちた梯子は木にもたれ、その脇近くの土の上には虫が群がる。そこから少しの距離置いて、またも群がる小さな虫。
静かな森に二つの羽音が広がった。
151: 1:2012/8/13(月) 20:33:33 ID:nOovXXZ/0c
静かな静かな森の中
聞こえる音はじゃりりさくさく、
少年の足音進む音
森のなかにいるけれど
木々のざわめき一つ聞こえません
とぼとぼ歩く少年は
暗く重いモノクロームに包まれて
体引きずりひた進む
152: 1:2012/8/13(月) 20:41:32 ID:nOovXXZ/0c
その道はただただ暗く、
先を見据えても
ずっと平坦な道が続いていました
この道に終わりなど無いのではないか、という不安が
少年の体をむしばみます
それでも少年は、
足を前に、前に出す
153: 1:2012/8/13(月) 20:47:39 ID:yYWADHzeSc
どのくらい歩いた頃でしょう
ふと、少年の前方から
光が差し込んできました
地面を見ていた暗い顔を上げれば
目に入ったのは光を浴びた花畑
そこにはぽつり、
せっせと花を摘む女の子がいました
それは、少年が
少年がずっと探していた、
大切な大切な――
そこまで考えると、
少年は胸いっぱいに走り出しました
疲れなど、何処かへ吹き飛びました
154: 1:2012/8/13(月) 20:50:01 ID:nOovXXZ/0c
あと数歩進めば少女に触れる、
そんな距離まで来たときでした
目の前の木の枝をくぐったときでした、
べちゃり、
頭上に、聞き覚えのある音が落ちてきたのです
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