魔王「えーと、はじめまして四天王の皆さん。それでは、一人足りていませんが時間なので会議を始めます」
サキュバス「はーい。しっつもーん。あんた誰ですかー?」
魔王「前魔王が死去された為に、新しく即位した魔王です。以後お見知りおきを」
サキュバス「えっ?魔王様死んぢゃったの?この前攻め込んできたっていう勇者に討たれたとか?」
魔王「えーと、その件に関しましては秘書のナーガさんから」
ナーガ「どうも、皆さんには何度か会ってますので、改めて挨拶する必要もなさそうですが、ナーガです。正式には1000のナーガを統べるカドゥルーなのですが、そう呼ばれると照れますのでナーガで結構です」
サキュバス「知ってまーす」
ナーガ「で、前魔王様ですが、検分するに、どうやら酔っぱらってトイレで運悪く仰向けに寝てしまい、吐瀉物を器官に詰まらせて亡くなられてしまったようです」
サキュバス「弱っ!?魔王様弱っ!!情なっ!!」
魔王「そこにタイミング悪く勇者が乗り込んできまして、それを退けた(?)為に僕が魔王に仕立てあげられました」
176: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 15:59:45 ID:sIxfOn5D3s
魔王「とりあえずはナーガさんの眷族を向かわせて、ガルーダさんの思惑を計りましょう」
ナーガ「御意に」
魔王「そして最悪の事態も想定しなければなりませんので、各自ガチンコでガルーダさんと戦うことを想定して頂きたいのですが…」
キマイラ「……」
メドゥーサ「……」
サキュバス「私は無理ね。良くて勝負つかず。負ける公算の方が高いわ」
パシリ「降参する公算の方が高いんですね」ドヤ
サキュバス「……死ねばいいのに」
キマイラ「流石に今のはねーお」
メドゥーサ「思ってても口にするべきではありませんでしたね…」
パシリ「メドゥーサさんまで…」
177: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 16:04:18 ID:dCLv9AGz/g
魔王「ええと、理由もお聞かせ願えますか?ガルーダさん含め皆さんの戦力を確認したいので」
サキュバス「アタシとガルーダじゃそもそも戦うフィールドが違うのよねー。アタシはエナジードレインとオートチャームで乱戦、混戦、集団戦が得意で、ガルーダは肉弾戦で、まあ集団戦でも無双するけど、基本は一対一、少数同士での戦いを得意としてるから」
魔王「ふむ。実際に戦うとなるとどういった様相になるでしょう」
サキュバス「あの脳筋にはチャーム効かないからなー。アタシは飛べるから、エナジードレインの射程内で飛びつつ、ガルーダからの飛び道具をひたすら回避することになるわね。吸い尽くす前に逃げられるでしょうけど」
178: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 16:06:08 ID:dYjUAH.9VA
魔王「なるほど。勝ちの目がないと」
サキュバス「前言撤回しちゃうけども、絶対にそうという訳でもないんだけどね。アタシもガルーダも、と言うかここにいる皆、奥の手の一つや二つ隠し持っているでしょうから。ガチで殺し合う、滅ぼし合うって言うならどう転ぶかわからないわね」
魔王「ほう」
サキュバス「もっとも、今のはあくまでガチンコのタイマンを前提にしているから、実際に単身向かうとしたら、向こうには実力未知数の勇者もいる以上、やっぱり敗戦は濃厚ね」
魔王「隙のない読みですね」
サキュバス「ふぅ。マジレスしすぎて疲れちゃったわ。お姉さん休憩するからメドゥーサちゃん突っ込み役お願いねー」
メドゥーサ「えええぇっ…!?」
179: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 16:09:02 ID:0HFDaHFS5s
魔王「では次に、先ほどふざけたことぬかしたパシリくんはいかがでしょう?」
パシリ「うっ…。しっかり拾われた…。…僕は、第一形態で遠くから燃え盛る槍を投擲するものの、当たらなければどうということもないとか言われながら、距離詰められてる隙に、第二形態になって上空に逃避するのが関の山でしょうね」
魔王「例によって、勝ちの目はないということですか…」
パシリ「僕は、そうですね。第四形態になれば、わからないかもしれません」
魔王「!?」
ナーガ「……!」
キマイラ「ちょw」
メドゥーサ「し、知ってたのかよぅ…!…うぅ、サキュバスさんやっぱり荷が重いですよぅ…」
サキュバス「律儀ねー」
180: C:2012/10/27(土) 11:08:14 ID:op05FyvkDY
いつも楽しく読ませてもらっています
181: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 20:07:52 ID:95lgeecnec
C
182: Cサンクス。予想外に間があいてしまったぜ:2012/10/29(月) 00:43:28 ID:EF3b5DnEJk
魔王「その、第四形態と言うのは…?」
パシリ「何か皆さんリアクションが変ですね?第四形態というのは、僕もよくは知らないんですけどね?伝承であるとかないとかって話なんですけども。なんか凄く強いらしいので、なれるものなら勝っちゃったりするんじゃないですかねー?」
サキュバス「憶測かよっ!」
メドゥーサ「おー」チパチパチパ
サキュバス「…やめて。突っ込みに拍手しないで。何か凄い恥ずかしい」
魔王「…パシリくん、近々お話しがあります」
パシリ「えっ?何ですか?僕また何かやらかしました?」
魔王「そういうことではありませんよ。とりあえず、今回はパシリくんは後方支援役となりそうですね」
183: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 00:44:19 ID:gFtlI362hQ
魔王「さて、それでは本命二人いきましょうか。メドゥーサさんはどうでしょう?」
メドゥーサ「私は、奇襲が成功すれば、それで終わります」
サキュバス「まあぶっちゃけ視るだけで済むからね」
メドゥーサ「ええ、ただ有効射程範囲内までの接近をガルーダさん相手に、どう詰めるかが問題になりますけど」
魔王「有効射程範囲というのは?」
メドゥーサ「だいたい顔を認識出来る距離ですね」
魔王「ふむ」
メドゥーサ「ですので、そこに至るより早くに気付かれてしまえば、鏡を用意されて返り討ちにあうと思います」
魔王「奇襲の方法次第という訳ですか」
184: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 00:45:12 ID:PshM9LK1Oo
魔王「キマイラさんは、どうでしょう?」
キマイラ「正直なんとも言えねーお」
魔王「とは?」
キマイラ「地の利を活かせば、まず勝てるお。例えば水中に引きずり込むだとかしてお」
サキュバス「ああ、なるほどねぇ。陸地、平地に特化してるからねぇアイツは」
キマイラ「ただまあ、お互いにそれは知ってることだお。だから狙ってそこで戦うことはまず出来ない筈だお」
魔王「では、ガルーダさんが得意とするフィールド、または双方に利がない場所の戦闘ではどうでしょう?」
キマイラ「小細工の効かない奴だから、奴の得意とする開けた平地ってのは、逆に僕には苦手なフィールドなんだお。サキュバス同様空に逃げることになると思うお。イーブンな戦場でも同じことだお。不利になるより先に、勝敗つかずと見たら僕か奴のどちらかが逃げることになるお」
185: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 02:00:51 ID:gFtlI362hQ
魔王「しかし、以前キマイラさんが暴走した時には、三人がかりでやっと止めることが出来たとおっしゃっていませんでしたか?」
キマイラ「城の中っていう狭い場所だったのと、三人が止めにかかってたからだお。殺しにかかってこられていたら、僕と三人のうち一人か二人は今ここにいねーお」
魔王「…さりげなく大問題だったんですね」
ナーガ「危うく人間たちに平和がもたらされるところでしたからね」
サキュバス「んで、互いに手の内を大まかに知ってる上に、向こうには勇者もいるから、どうしても出たとこ勝負になりそうね」
キマイラ「味方にいても大して役に立たねー癖に敵にすると途端に厄介な奴だお」
サキュバス「その姿でアンタが言う?」
186: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 02:01:49 ID:EF3b5DnEJk
魔王「ふむ、とりあえず今回の会議はここまでとしますか」
サキュバス「中途半端じゃない?」
ナーガ「ここから先は魔王様のお仕事ですからね」
魔王「ええ。まだ定かではありませんが、ガルーダさんが敵に回るのであれば、ロール・プレイに徹する必要はありませんからね」
パシリ「と言うと?」
魔王「…いえ、こちらの話です」
ナーガ「私は何をすれば?」
魔王「ガルーダさんの思惑と、一向の進軍速度と目的地を調べておいて下さい。迅速に。恐らくは東の魔城に向かうでしょうけどもね」
ナーガ「御意に」
サキュバス「アタシらはー?」
187: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 02:03:11 ID:V5NCU2kcCg
魔王「一先ずは解散とします。が、二、三日もせずにまた召集をかけますので、いつでも会議に出られる準備はしておいて下さい」
サキュバス「りょーかーい」
キマイラ「承りたろうだお」
ナーガ「パシリ以外は、魔王城に滞在していても構いませんので」
パシリ「…えー」
魔王「パシリくんには東の魔城で仕事がありますので、この後もちょっと残ってくださいね。皆さんお疲れ様でした」
サキュバス「おつかれー。何だか緊迫してきたわねー」
キマイラ「お疲れ様だお。目下の敵が勇者じゃねーのにお」
メドゥーサ「あははは…、お疲れ様でした」
188: 名無しさん@読者の声:2012/11/3(土) 16:01:41 ID:9ZMBJTs0O.
どうしよう…キマイラにDANDAN心惹かれてく
つCCCCCCC
189: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 02:16:53 ID:GlzETAUq3E
魔王「それでは会議を始めます」
メドゥーサ「は、はじめまーす…」
サキュバス「あれっ?今回パシリはお休み?」
魔王「ええ、仮にも東の魔城の城主ですから。防衛にあたっていただいています」
サキュバス「なーる」
キマイラ「文字通りに仮の城主でしたものね」ウジャウジャ
魔王「……」
サキュバス「あのさ。喋らないでくれない?視界に入らないでくれない?速やかにご退場願えない?」
キマイラ「何故です?」ウゾウゾ
サキュバス「一言で言うとキモい」
魔王「久しぶりに凄い格好で来ましたね…。夥しい数のムカデが蠢きながら人の形を形成しているとは」
キマイラ「魔を統べる王がこの程度で動じるのもどうかと思いますよ?」モジョモジョ
ナーガ「それについては同意です」
魔王「……」
190: Cサンクス。シリアスパート入ろうと思ったけど失敗したぜww:2012/11/10(土) 02:18:36 ID:dlQNzFl2N6
魔王「それでは、議題の方へいきます。ナーガさんその後は何がどうなりました」
ナーガ「はい。眷族であるナーガラージャを通してガルーダとのコンタクトに成功しました」
サキュバス「おおー、名前持ちの眷族」
魔王「ラージャということは、種族の階級的にはナーガさんの上位にあたるのではないのですか?」
ナーガ「忘れられてそうな設定ですが、私はカドゥルーですから」
魔王「…?」
ナーガ「後でググるかウィキるかして下さい」
191: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 02:19:35 ID:sO.j3XTpmo
メドゥーサ「…それで、結局ガルーダさんは勇者側についたんですか?」
ナーガ「いいえ。それ以前に勇者だという認識がなかったようです」
サキュバス「またかよっ」
魔王「全員の想定の上をいきましたね…」
キマイラ「何だと思って付き添っていたのです?」
ナーガ「魔物相手に、やけに友好的というかフレンドリーな人間という程度の認識だったようです」
サキュバス「なんだかなぁ…」
キマイラ「僧侶と魔法使いを引き連れた冒険者ということで、気づかないものですかね?」
ナーガ「それもその筈でして」
魔王「ん?」
192: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 02:20:28 ID:CmdQzk9Fwc
ナーガ「ガルーダですが、元勇者である狂戦士と幾度か拳を交えたことがあるそうでして」
サキュバス「へぇー」
ナーガ「ガルーダの中ではいまだに狂戦士と戦っていたようです」
魔王「……」
サキュバス「……」
キマイラ「……」
メドゥーサ「……」
魔王「いや、まあ、しばらく会議に出てなかったどころか、僕は顔を合わせたことすらありませんからねぇ」
ナーガ「ええ、狂戦士のその後と、勇者と魔王様が代わったことに驚いていたそうです」
サキュバス「暢気すぎるだろ…」
キマイラ「先代魔王は何を思って、彼を四天王に抜擢したんでしょうね…」
ナーガ「狂戦士と真っ向から戦って生き延びている戦闘力じゃないでしょうか?」
193: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 02:21:49 ID:GlzETAUq3E
魔王「それで、ガルーダさんと勇者とはどうなったのですか?」
ナーガ「無論、勇者と魔物の四天王ですからね。相容れぬ存在ですから、とはいえ寝食を共にした仲ということで、その場で開戦はせず、ナーガラージャが言うには強敵とかいてトモと呼ぶ別れ方をしたそうです」
サキュバス「なにそれ?」
キマイラ「男の世界、ということですよ…」
サキュバス「わかんないし、性別ないアンタに言われてもピンと来ない」
魔王「その後ガルーダさんは?」
ナーガ「東の魔城へと赴きまして」
キマイラ「本拠地で正々堂々迎え撃とうというわけですか」
サキュバス「ああ、アイツの考えそうなことだわ」
ナーガ「そして、原因東の魔城にて、パシリ第二形態もといケツアルクアトルと交戦中にあります」
194: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 02:25:39 ID:GlzETAUq3E
>>193
誤字ったorz
最後の台詞は原因じゃなくて現在な↓
ナーガ「そして、現在東の魔城にて、パシリ第二形態もといケツアルクアトルと交戦中にあります」
195: 名無しさん@読者の声:2012/11/16(金) 01:25:50 ID:M97GWVJjkM
楽しみに待ってます。
つC
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