【プロローグ】
暑い・・・
ワイシャツを指でつまみパタパタと扇いで体に風を送り込み火照った体を冷まそうとする
クーラーの聞いた教室から一転、廊下は地獄かと錯覚するような暑さだ
級友達はそれなり休みを満喫したようで、肌の色も小麦色なのがちらほら見えた
さて、俺は今どこに向かってるかと言われれば、生徒会室である
理由はもちろん、呼び出しをくらったからだ
別に何も悪いことはしていないが、半ば自主的に生徒会室へは足を運んでいる
男「・・・暑いな」
独り言のように紡がれたそれは今の心情をそのまま表していた
八月は終わったというのに、太陽は遠慮という言葉を知らないらしい
クーラーが効いている事を願い、俺は生徒会室の戸に手を掛けた
二学期が…始まる
706: 1:2012/11/26(月) 18:34:28 ID:Ck6no1fVS2
男「そいじゃ、お前を家まで送りますかね」
女「ああ、頼む」
手を伸ばして男の手を握る
男もそれに指を絡めてくれて応えてくれた
女「男、今幸せか?」
男「なんだよ、急に」
女「いいから答えろ」
男「そうだな…幸せだよ。お前は?」
女「私はもちろん幸せさ」
お前の幸せが私の幸せなんだからな
愛してるよ。男
707: 1:2012/11/27(火) 21:41:43 ID:KdRzS59wow
翌日 学校
男「・・・そういや、もうすぐ卒業だな」
友「分かりやす過ぎる導入どうもありがとう」
幼「そっか…もうすぐ卒業か…皆と会えなくなっちゃうのかな?」
友「どうかな…少なくともこの四人は会えそうだけど…」
後輩「友先輩!?まさかその四人って、友先輩と幼先輩と先輩と私ですか!?」
男「お前だけはないから安心しろ」
後輩「私だって先輩の家くらい知ってますし、連絡先だって知ってますからね!!」
幼「えっと…後輩ちゃん。凄く久しぶりな気がするね…」
男「なんやかんやで色々バタバタしてたからな」
後輩「そうですよ!!修学旅行はまだいいとして、男さん!!」
男「なんだよ」
後輩「風の噂で聞きましたが…先輩を抱いたって…本当ですか?」
708: 1:2012/11/27(火) 21:57:48 ID:l5Pa902z2Y
男「・・・ああ」
後輩「っ!!なんで…」
女「それは私が望んだからだ。後輩」
後輩「先輩…」
女「案ずるな、お前との約束、忘れちゃいないさ」
後輩「そんな約束…どうだっていいです!!」ダッ
男「後輩!!」
女「そっとしといてやってくれ…頼む」
幼「女ちゃん…」
友「そうだね…僕達が後輩に出来る事はないし」
男「・・・」
709: 1:2012/11/27(火) 23:57:09 ID:OEv/Nma8qg
後輩「・・・はぁ、先輩に怒鳴っちゃった」
後輩「嫌われただろうな…やっぱり」
男「お、こんなところにいたか」
後輩「うわわ!?」
男「どうしたよ?遂に女離れか?」
後輩「っ!!貴方には関係ありません!!」
男「ああ、確かに俺には関係ないな。だが、女が気にしてるし、俺もあいつがあんな風になるのは見たくないからさ」
後輩「知ったような口を!!」
男「今でも女の事が好きなのか?」
後輩「・・・わかりません」
男「・・・」
後輩「わかんないんです。好きは好きなのに、前みたいに全力でぶつかっていけない…先輩にいつものような接し方が出来ないんです」
男「お前の中で女に対する見方が変わって来てるって事か」
710: 1:2012/11/28(水) 00:02:25 ID:RKYfkzbfdU
後輩「・・・」コクン
男「いつから異変に気づいた?」
後輩「・・・先輩と貴方が寝たって聞いた辺りから」
男「・・・」
後輩「なんで…私はいつもみたいに出来ないんでしょうか」
男「・・・俺から言うことでもないし、寧ろ俺から言ったらお前怒るだろうと思ってたから言わなかったけど、お前は女を神格化しすぎなんだよ」
後輩「・・・」
男「確かに、あいつは1人でなんでも出来るし、多分端から見れば超人って奴なんだろうな」
男「でも、近くにいて、あいつもやっぱりただの人間なんだよ。弱い部分もある」
男「綺麗でなんて、いられないし…」
後輩「・・・」
711: 1:2012/11/28(水) 00:06:18 ID:RKYfkzbfdU
男「お前と女が交わした約束の内容は俺は知らないけど、きっと体絡みなんだろ?」
男「お前は綺麗なままの女でいてほしかったんだ。違うか?」
後輩「そうかもしれません」
後輩「でも、だからって先輩を幻滅するようなことはしません…」
男「そうだ。お前は一生女を崇拝し続けるだろうな」
男「ただ、今までの崇拝の仕方が間違っていた事に気づいただけだ」
後輩「仕方が…間違っていた」
男「お前は自分の理想を押し付けていただけなんだよ。ありのままの女を見てやってくれ」
後輩「・・・」
712: 1:2012/11/28(水) 00:12:58 ID:RKYfkzbfdU
後輩「・・・全く、私も丸くなりましたね…貴方に説教されるなんて」
後輩「でも、ありがとうございます。お陰で自分を見つめ直す事ができそうです」
男「良かったな」
後輩「男さんでも役に立つときはありますから」
男「やっぱその方が後輩らしいわ」
後輩「・・・後輩、そうですね」
男「?」
後輩「ご卒業、おめでとうございます。男先輩」
男「!!」
男「え。おま…」
後輩「か、勘違いしないでくださいよ!?今を逃したら二度と言わないから今言ってあげただけなんですから!!」
男「・・・サンキュ」
後輩「っ!!先輩の所に戻ります!!」ダッ
男「もうあんな所にいるよ…」
男「男先輩…か、多分二度と言われないな、ありゃ」
男「俺も戻るか」
713: 1:2012/11/28(水) 00:16:06 ID:RKYfkzbfdU
皆様こんばんは
1です
とりあえず今時間を巻き戻せるなら、水曜日に終わるとほざいた自分を殴りにいきたい
終わらせる気がまるでありませんね、ええはい
でも、今週中には、頑張って終わらせたい…です
終わる終わる詐欺はしたくないですから…はは
ダイジョウブタブンオワルヨタブン
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました
714: 名無しさん@読者の声:2012/11/28(水) 00:28:49 ID:jQQv9H14xo
壁|ω・`)(…終わりが延びて喜んでるだなんて言えない…)
壁|ミ サッ
壁|つ⌒CCCCC
715: 名無しさん@読者の声:2012/11/28(水) 05:03:45 ID:.qrYyG1Zbc
壁|ω・`)(…延びたことへの謝罪もかねて)
壁|・`) (出産編・子供成長編まで決定だなこりゃ…)
壁|`)(…がんがれ…)
壁|ミ サッ
壁|つ⌒C
716: 名無しさん@読者の声:2012/11/28(水) 10:29:14 ID:Sbys4aIzKQ
壁|ω・`)(…壁から支援が流行ってるのかな?)
壁|・`)(ラストスパートがんがれ…)
壁|ミ サッ
壁|つ⌒C
717: 1:2012/11/28(水) 17:39:58 ID:9u8vOEqdD6
>>714
壁|ω・`)(…無期延期届なら出せますよ?)
壁|・`)(支援感謝…)
壁|ミ サッ
>>715
壁|ω・`)(…一体何スレ書かせるつもりなんだい?)
壁|・`)(支援は感謝だけど…)
壁|ミ サッ
>>716
壁|ω・`)(…壁支援があるなら壁レス返があってもいいじゃない)
壁|・`)(ラストスパートがんがるよ…)
718: 1:2012/11/28(水) 17:45:44 ID:9u8vOEqdD6
男「結構本格的に進んできたな、準備」
友「お帰り、どこ行ってたの?」
男「ちょっと体育館覗いて来た」
幼「怒られるよ?」
男「見つかる前に逃げたから多分大丈夫」
友「見つかって捕まって準備手伝わされれば良かったのに」
男「最近お前言い方が露骨になってきたよな」
男「って、あれ?女は?」
友「生徒会の最後の仕事」
男「まあ、思い入れあるからな…」
719: 1:2012/11/28(水) 17:51:40 ID:9u8vOEqdD6
生徒会室
女「・・・」
女「・・・副会長か」
副会長「バレてんのかよ、てか、いつから気づいた?」
女「この部屋に入った時から」
副会長「それ、つまり最初からって事だよな」
女「前生徒会長を覚えているか?」
副会長「ああ、あののほほんとした奴だろ?唯一俺を生徒会に入れる事に賛成した」
女「ああ…私は前生徒会長から託されて生徒会長に就任した。彼の志を継いだつもりだった…」
女「彼の理想は誰よりも綺麗で、誰よりも現実的だった」
女「私は、彼の意志を継げただろうか…継げたとして、それを後の代に受け継がせる事が出来るだろうか」
720: 1:2012/11/28(水) 18:00:47 ID:XwlCAHCuzs
副会長「お前はよくやってるよ。側で見てた俺が保証する」
女「そうか…」
副会長「それともあれか?まだしたりない事でもあるのか?」
女「いや、それはない。私は十分過ぎる程に職務を全うしたつもりだ」
副会長「ならいいいじゃねーか。後は若いやつらに任せて、俺達年寄りは隠居ってな」
女「まだそこまで年はとってないが?」
副会長「比喩だよ。わっかんねーかな?」
女「言わんとしていることは、大体理解しているつもりだ」
副会長「あ…そ…」
721: 1:2012/11/28(水) 19:56:59 ID:qf2Xyjydl2
副会長「大体、過保護じゃないか?そんなに後の代が心配かよ」
女「彼らならよくやってくれると信じてるさ」
副会長「どのみち、後少しで俺達とこの学校の関係は無くなるさ」
女「・・・」
副会長「冷たいような事言うけど、現実なんだよ」
女「わかっているさ」
ガラガラ
副会長「わかってる…か、半分は自分に言い聞かせてたんだけどねぇ」
副会長「お前以上に最高の生徒会長はいないよ」
722: 1:2012/11/28(水) 20:00:37 ID:MD.Og/oBiw
体育館
男「・・・」
男「・・・」
男「(なげぇ!!)」
男「(この卒業式特有の喋っちゃいけない感。たとえ練習だとわかってても従わざるを得なくなっちまう)」
男「(かといって眠くなるわけもなく…っておい!!あいつ寝てるぞ!!)」
男「(くっ、友や幼と話したいのに二人とも微妙に遠いから話しかけづらい…ていうか、あの二人は隣同士かよこんちくしょう!!)」
司会「続いて、生徒代表の言葉。女さん、お願いします」
女「はい」
男「・・・」
723: 1:2012/11/28(水) 20:06:13 ID:MD.Og/oBiw
女「・・・本番では恐らく、私が壇上で何かを話すだろう」
女「よって、私からは控える。しかし、練習とはいえ、本番と同じ気持ちでやってほしい」
女「終わります」
男「(やっぱあいつ壇上に上がると様になるよな…)」
男「(でも、いくら女でも本番と同じようにって言ったって直るわけ…)」
男「(全員キチンとしてるーー!?)」
男「(馬鹿な!?さっきまで涎を垂らして寝ていた奴でさえ寝てたのが嘘みたいなお目目ぱっちりだぞ!?)」
男「(なんつーか…こいつは本当に凄い奴だって改めて思うよな…)」
724: 1:2012/11/28(水) 20:10:42 ID:qf2Xyjydl2
先生「あー、お前ら。お疲れさん。楽にしていいぞ」
先生「まあ、これは練習だから本番は倍くらいかかると思えよ」
先生「で、だ。今週末にはいよいよ卒業式だ」
先生「俺を含める先生方がお前らガキに勉学を教える最後の週でもある」
先生「卒業すんのに今更勉強とか、かったりーよなんて思ってる奴。覚悟しとけよ」
先生「とにかく、先生からの話は以上だ。他に何もないならクラス毎に教室戻れー」
725: 1:2012/11/29(木) 00:09:42 ID:Jf7QBBD9R6
男「今週末には卒業ね、なんか実感沸かないわ」
女「皆、似たような気持ちだろう」
男「でも、卒業式してから実感するんだろうな」
友「当事者だと、中々わからない事もあるしな」
幼「・・・私、卒業したくないな」
友「幼さん?」
男「まーたお前は中学校の二の舞か?」
幼「・・・」
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