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変態女と苦悩男と天然幼と真面目友2
[8] -25 -50 

1: :2012/8/28(火) 13:41:09 ID:TJpqaaoXyE
【プロローグ】

暑い・・・

ワイシャツを指でつまみパタパタと扇いで体に風を送り込み火照った体を冷まそうとする
クーラーの聞いた教室から一転、廊下は地獄かと錯覚するような暑さだ

級友達はそれなり休みを満喫したようで、肌の色も小麦色なのがちらほら見えた

さて、俺は今どこに向かってるかと言われれば、生徒会室である
理由はもちろん、呼び出しをくらったからだ
別に何も悪いことはしていないが、半ば自主的に生徒会室へは足を運んでいる

男「・・・暑いな」

独り言のように紡がれたそれは今の心情をそのまま表していた
八月は終わったというのに、太陽は遠慮という言葉を知らないらしい
クーラーが効いている事を願い、俺は生徒会室の戸に手を掛けた

二学期が…始まる


2: :2012/8/28(火) 13:45:18 ID:4lCRqu7Hkw
生徒会室

男「ういーす」

副会長「お、来たか」

男「来たか、じゃねーよ。呼び出しやがって」

副会長「しょうがないだろ。呼び出したのは俺じゃない」

男「・・・まあな」

副会長「ま、ゆっくりしてけよ」

男「そうさせてもらう」

書記「おはよう…ございます」

男「おはよう、書記」

男「そういや、他の連中は?」

副会長「庶務と会計は飲み物の買い出し。会長は文化祭の原案作成。俺達は留守番だ」

男「ふーん。ご苦労なこった」

副会長「まあ、留守番というよりは子守りだな。まるで手のかからない」

書記「・・・」
3: :2012/8/28(火) 13:49:50 ID:TJpqaaoXyE
ガラガラ

庶務「ただいまっすー、うひー、暑いー」

会計「そんなところでへたりこまないの」

庶務「あ、すんません」

会計「あら、男もう来てたの?」

男「時間にうるさい知り合いがいるんでね」

庶務「相変わらずアツアツっすねー」

男「・・・もぐぞ?」

庶務「どこを!?」

副会長「いいから、早く飲み物を寄越せ」

会計「はいはい、せっかちなんだから…」

庶務「男さんはコーラでいいっすよね?」

男「こういうときだけ気がきくな」

庶務「こういうときだけ!?」

会計「はい、書記はいつもどおりに果汁100のりんごジュースね」

書記「はい…ありがとう…ございます」
4: :2012/8/28(火) 13:55:05 ID:4lCRqu7Hkw
ガラガラ

女「皆!!待たせたな!!」

会計「お帰りなさい。どうでした?」

女「うむ。時間はかかったが、なんとか文化祭出店の制限をある程度は解除出来た」

庶務「お、じゃあ喫茶店とかありですか?」

女「常識の範囲内でだがな」

副会長「まあ、さすがに暴力沙汰になることはないとは思うんだがな…」

女「まあ、これから話し合っていこう。各クラスの出店を聞かない事にはどうにも出来ないからな」

女「では、会議を始めよう」
5: :2012/8/28(火) 14:01:46 ID:TJpqaaoXyE
女「さて、ここまで話した中で何か質問は?」

会計「はい。今年は他校からの生徒に対する取り締まりはどうしますか?」

庶務「取り締まりって…」

女「言い方は悪いがな…事実そう呼ばれてもおかしくはないのだよ。庶務」

庶務「そんなに厳しいんすか?」

男「逆だよ。庶務」

庶務「へ?」

副会長「ぬるすぎるんだ。風紀が」

庶務「・・・マジすか?」

副会長「じゃなきゃなんで俺が生徒会副会長なんかやってんだよ」

庶務「会長の推薦だからじゃないんですか?」

女「それもあるが、生徒会の役職に就く場合、まずは風紀委員会に報告をしなければならない」

女「風紀委員会が風紀を乱すと判断した場合、生徒会の役職には就けんのだ」

庶務「あー、そういやなんかいかつそうな人達の前に行ったっけ…」

副会長「そいつらが風紀委員だ」
6: :2012/8/28(火) 14:18:38 ID:V9s2qbYObw
庶務「でも、あんないかつそうなら、逆に厳しいんじゃ?」

副会長「んー、まあ、あれだ。風紀委員会のメンバーは全員世話好きというか、人情家というか」

男「お世辞にも、風紀には向いてないって感じの性格ばっかりの奴らってこと」

庶務「へぇ〜」

女「だが、この学校を良くしたいと思う気持ちは私以上にあるんだ、あまり悪くは思わないでくれ」

庶務「いや、悪くは思ってないですよ?」

女「ならいいんだ…ふむ、時間が余ったな」

庶務「・・・」チラッ

会計「・・・」コクッ

庶務「あ、自分は家の事情で帰らせてもらいます」

会計「私は塾です」

女「そうか?気をつけてな」

庶&会「さようならー」
7: :2012/8/28(火) 14:22:49 ID:QoV99feevk
男「あれ?確かこの時間は庶務の家は誰もいなかったような…」

女「会計…塾に通ってるなど聞いてはいないのだが…まあいいか」

男「いいのかよ」

女「お前たちは?」

副会長「石像かなんかだと思ってくれて構わないぜ」

書記「同じく…」

女「そうか」

女「ふむ…ようやくお前をここに呼び出した本当の用件を伝えられるな」

男「全くだ。呼び出された挙げ句、会議に参加しなきゃならんとか、どこの罰ゲームだよ」

女「私はそれでも構わないのだがな」
8: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 14:29:26 ID:3nNf90lwJg
どぅふふwwwww楽しみにしてたでござるよwww
さっそくC円
9: :2012/8/28(火) 14:33:17 ID:V9s2qbYObw
男「で?用件ってのは?」

そこまで言ったとき、俺は天井を見ていた…否、向かされていた
視線を少し下にするとそこには嬉しそうに微笑む女の顔がある。女に押し倒されたと能が判断するのにあまり時間はかからなかった

女「随分と余裕だな?」

女がワイシャツのボタンに手をかけながら面白そうに聞いてくる

男「そりゃあ…こんなことをほぼ毎日されてればなぁ…」

慣れとは恐ろしい物だ
そう思いながら視線を周りに投げると、戸棚を背もたれにし、腕を組ながらこちらを見る副会長と目があった。その目が冷やかしと同情の色をしていたのは言うまでもない

女「なあ、いい加減こちらを向いてくれないか?」

女の声に渋々ながら顔を戻す
そこには前を完璧に開いてある意味全裸より色気を放つ女の姿があった

男「なあ、まさか学校でか?」

後に迫る危険を予想し、先手を打つ

女「・・・ふむ」

女は何かを考える素振りを見せると、ボタンを閉め始めた
10: :2012/8/28(火) 14:39:48 ID:V9s2qbYObw
女「学校でのリアクションと、自宅でのリアクションの違いを確かめたかったが…やはり自宅の方がいいな」

女がボタンを閉め終わり、俺を起こしながら残念そうに言う

男「そりゃそうだろ」

女が学校で大胆になれないのは生徒会長という荷物を背負ってるからである。いくら俺達の関係が公認だからといって、こんなことをしていたら流石にやばいだろう
だから学校では多少は冷静になり、余裕が持てるのである
ふと、視線が気になり書記の方を向く。こら、そんな残念そうな顔をしない

書記「イチャイチャ…終わり…ですか?」

女「すまないな。私にも立場というものがある」

女が書記を慰めながら言うが、生徒会長がこんなことを言うんだから、この学校はある意味終わってると思う
11: :2012/8/28(火) 14:42:31 ID:QoV99feevk
女「さて、そろそろ帰ろうか」

男「そうだな」

書記「はい」

副会長「んじゃ、戸締まりしとくから、三人は先に出ててくれ」

女「すまないな」

副会長「構わねぇよ」

書記「手」

男「ん?」

書記「繋いで…下さい…会長も」

男「了解」

女「わかった」

書記「・・・えへへ」
12: :2012/8/28(火) 14:46:39 ID:V9s2qbYObw
皆様お久しぶりです
1です

調子のり、2スレ目を建ててしまいました。前作同様、身の無い、つまらない話ですが、少しでもお暇を潰していただければ幸いにございます

さて、今回もは地の文を試験的にいれてみましたが、どうでしょうか?
といっても、特定の状況でしかいれないので、読みにくいと思った場合は普通の書き方に戻しますが

ともかく、このスレもよろしくお願い致します
また後程お会いしましょう

>>8

おぅふ、初支援感謝です
13: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 16:16:51 ID:gYb/l1VPKE
文章の雰囲気が変わったと思ったら変えてたのか
作者がやりやすい方でいいと思うよ。

14: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 16:24:01 ID:ezXADJatZw
  キ

  タ
    ァ
     ァ
     ァ
      ァ
     ァ
     ァ
    ァ
   ァ
   ァ
    ァ
    ァ
 ヽ\  //
   ∧∧ 。
  ゚ (゚∀゚)っ ゚
   (っノ
    `J

支援(`・ω・´)
15: :2012/8/28(火) 17:47:09 ID:IMc0N1gmSo
>>13

わかりました
では、しばらくこのままでいかせてもらいます

>>14

ちょ、声大きいですって!!支援感謝です


それでは、うすらほんのり投下していきます
16: :2012/8/28(火) 17:51:17 ID:IMc0N1gmSo
副会長「んじゃ、書記と俺はこっち方面だから」

書記「さようなら」

男「気をつけて帰れよー」

男「・・・」

女「どうした?」

男「いや…二学期が始まったんだな…って」

女「そうだな」

男「色々…あったな」

女「まあな」

男「過去なんて、あくまで思い出に過ぎないし、大事なのは今だからな」

女「言うようになったな」

男「どっかの誰かさんのせいだろ」

女「男…」スッ

男「ん…」

女「大丈夫さ。私達なら」

男「ああ」

女「ではな」
17: :2012/8/28(火) 17:56:44 ID:Dch5pfOfDw


男「ただいまー」

母「お、と、こ、くぅぅぅぅぅぅぅん!!」

男「・・・」

母「父君に浮気されちゃったよぉぉ!!うわぁぁん!!」

男「落ち着いて、母さん」

男「何があったの?」

母「ひぐっ、父君がね、一緒に帰ろうっていったのにね、社員の歓迎会があるとかでね、飲み会にいっちゃったの…」

男「母さんも行けばよかったじゃん」

母「それがね!!女の子は駄目だって言うの!!信じられる!?」

男「女・・・の子?」

男「女子禁制なら、構わないんじゃないの?」

母「だって歓迎されり社員ちゃんって女の子なんだよ!?」

男「・・・あー」

母「女の子禁制って、絶対酒に酔わせてエロい事するつもりなんだー!!」
18: :2012/8/28(火) 18:04:15 ID:IMc0N1gmSo
男「父さんに限ってそんな事はないだろ…」

そういった瞬間、母さんは俺を指差しながら

母「甘い!!プリンみたいに甘い!!」

まるでマンガのように決め台詞を吐き捨てた。どうでもいいが、比べられる相手に不満を感じるんだが?

男「どこがだよ…」

母「えっと…それは…」

女「なるほど、つまり同性からみた視点と異性からみた視点は違う。こう仰りたいのですね?お母様」

この場に似合わない涼やかな声
十中八九確信しながらも顔を向けると…まあ、いますよね
居間の入り口に、助っ人参上と言わんばかりに誇らしげに女が立っていた

母「そうなの!!女ちゃんわかってる!!流石私の娘!!」

女はまだ娘ではなく、あくまで義娘になる予定である事を忘れないでいただけたい
19: :2012/8/28(火) 18:10:39 ID:IMc0N1gmSo
女「しかしですね、お母様。私もお父様に限ってはそのような事はありえないと考えています」

母「・・・」

女「私みたいな者がお父様の良さを語ろう等、おこがましくはありますが、お父様は私が知る限りでは間違いなく誠実な男性です。それは長年共に歩まれたお母様が一番よくお分かりになられているかと思います」

母「うん…父君は、かっこよくて、優しくて、頼りになって、時々天然で…いつも私を守ってくれる」

女「そうです。そして、お母様がそうお想いになられてると同時に、お父様もお母様を同じようににお想いになられてると私は信じております」

女「あのお方が、お母様を裏切るような行為をなさるとは、私は思いません」

母「そうだよね…父君は大丈夫だよね」

母「ありがと女ちゃん。少し混乱してたみたい」

女「いえ、私でよければいつでも頼りになさってください。全力を尽くします」

男「これ、完璧に俺は蚊帳の外だな…」
20: :2012/8/28(火) 18:17:39 ID:Dch5pfOfDw
母「男君も、ごめんね?」

男「いいんだよ。家族なんだから」

母「家族といえば…二人はもう済ませたの?」

女「・・・まだです」

男「直球すぎんだろ。もうちょいオブラートに包めよ」

母「孫の問題を遠回しにできますか」

母「女ちゃん、初めては早めに済ませないと、後が辛いからね?」

女「はあ…」

母「二人は相思相愛なんだから、きっと大丈夫よ!!あの日も父君が私を優しく押し倒して…///」

男「長くなりそうだから、とりあえず俺の部屋いくか」

女「ふむ。ならばお邪魔しよう」
21: :2012/8/28(火) 18:24:44 ID:IMc0N1gmSo
男「ていうか、どうやって入ったんだよ」

コップに注いだ麦茶を渡しながら少し強めに問いかける
まあ、こいつには効かないし、どうやってはいったかも知ってるんだが

女「忘れたのか?お前から合鍵をくれたんだぞ?」

そういいながら大事そうに我が家の鍵を抱える
母さんが作ったのを渡したらえらく喜び常備すると言ってたしな

男「合鍵を渡したのは失敗か…?」

そんな憎まれ口を叩きつつ麦茶を一口飲む
冷たい麦茶が体に行き渡る感覚を覚えながら女に問いかける

男「なあ、今年は文化祭とかどうなるんだ?」

女「ん?まあ、例年通りじゃないか?」

俺のベッドに横たわり(枕、布団を引き寄せ)ながら女が答える
例年通りなら特に心配する必要はないか

女「うむ…この香り…やはりこの家にお邪魔したときにはこの香りに限る…」


22: :2012/8/28(火) 18:30:08 ID:IMc0N1gmSo
確か、鍵を渡したのは約一週間前である。だが今の口振りからしてかなりの常連らしい

男「なあ、ひょっとしなくてもさ」

女「ああ。鍵をもらってから今日に至るまで通いつめているが?」

確実に通報されるレベルである。今日もこいつの変態は絶好調らしい

女「・・・」ジー

女がなにやらこちらを見つめてきている
目にはなんとなしに色気が宿り、呼吸がやや早くほんのり頬が赤みを帯びて…どうみても発情です本当にありがとうございry

危ない空気が漂い始めたので無理矢理にでも話題を作る事にする。そうでないと食われるからだ
23: :2012/8/28(火) 18:34:55 ID:IMc0N1gmSo
男「朝の校長のスピーチ、長かったよな」

女「そうだな…だが同じような内容を繰り返してばかりだったが…」

男「そらお前のせいだ」

女「ふむ、今度から書記にスピーチを頼むか」

男「別の意味で長くなりそうだ」

女「違いない」

男「こう話してると、学校が始まったんだなって思うよ」

女「意識を高めるのはいいことだ」

男「ていうか、正直一学期に1スレ使っちまったからな…」

女「そういうメタ発言は控えた方がいいと思うが」

男「悪い」
24: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 18:46:56 ID:1WbNn7tjXo
地の文入れるなら毎回いれた方がいい気がするかも?
急に入ってて驚いたけど、どっちでも分かりやすい!
25: :2012/8/28(火) 22:04:44 ID:.7pdmL8Vio
>>24

むう…いきなりだと少々わかりづらい…ですか
まあ、書き慣れてるのはSS形式ですから、ある程度読みにくい部分も出ちゃいますよね…でもSS形式じゃ表現しきれないような場面が多々ある(はず)ので、地の文は入れないときついかなってのもあります
毎回はしんどいですけど徐々に回数は増やしてみたいと思います
26: :2012/8/28(火) 22:10:57 ID:Ug.dOx/0Xo
女「さて、そろそろ帰るか」

女が俺の布団を名残惜しそうに離しながら立ち上がる。そういやこいつ制服のままだ

男「お前の事だから、家に帰ってないんだろ」

女「まあな」

男「お前な…年頃なんだからもうちょい配慮をしてやれよ」

女「あの二人に配慮する必要はあるか?」

女が出来の悪いような生徒を見るような目で見てくる。そんな目をされる覚えはないんだがな

女「ではな、また明日」

男「おう、また明日」
27: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 22:18:50 ID:TDG1DwxLLg
2スレ目おめでとうございます!!CC
僕はどちらも大丈夫なので気になりませんね。
さぎしさんが良いと思う書き方で良いと思います。
28: :2012/8/28(火) 22:19:56 ID:.7pdmL8Vio
母「男君♪夕飯何がいい?」

男「任せる…つか、どしたの?」

母「父君がね〜、予定より早く帰ってきてくれるんだって♪」

男「ああ…そう」

母「でね〜、帰りに外で一緒に食べようって♪」

男「(教育上いいのか?それ)」

男「なんでもいいよ。母さんの料理は美味しいからさ」

母「やぁだ、男君嬉しい言ってくれるんだから!!」

男「うん。わかったから」
29: :2012/8/28(火) 22:28:04 ID:.7pdmL8Vio
皆様こんばんは
1です

皆様のご支援のお陰でなんとか2スレ目に突入することが出来ました
当面の問題は書き方ですが、まだ先は長いのでのんびりやっていこうかと思います

>>27

ありがとうございます
なんとかなるもんですな。支援に合わせ感謝です

今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
30: :2012/8/29(水) 17:33:27 ID:mucch7CT5s
数十分後

そこにはホカホカと湯気をたてて旨そうなシチューが机の上に鎮座していた

鍋いっぱいに

男「・・・」

なるべく母さんの負担を減らすためにシチューを提案したつもりだが、しっかりサラダやステーキ等の盛り合わせをつけているあたり流石と言いたいが…

男「まさか…こんなに食えってか?」

自分はかなり食べる方だが、流石に鍋いっぱいはきついものがある。とするとこのシチューは翌日まで持ち越すのだろうか。カレーなら1日置いておけばそのぶん旨味やコクがでるがシチューに関してはまるでわからない

男「とにかく…食べるか」
31: :2012/8/29(水) 17:39:27 ID:MPgyKButMg
男「・・・」モグモグ

男「・・・」ズズズ

男「・・・」モシャモシャ

男「・・・」ズズズ

男「あ、シチュー無くなった」

男「・・・」カチャカチャ

男「・・・」ズズズ

男「・・・静かだな」

男「こんなとき…女がいてくれればな…」

男「って、何考えてんだか…」

ピンポーン

男「ん?誰だ?」
32: :2012/8/29(水) 17:41:51 ID:MPgyKButMg
男「はい?」ガチャ

女「よう」

男「・・・なんでいるんだよ」

女「ちゃんとインターホンは鳴らしたぞ?」

男「とにかく、あがれよ」

女「ふむ、いい匂いがするな」

男「ああ、母さんがシチュー作ったんだ。食うか?」

女「いただこう。お母様のお手製なら何も問題はない」
33: :2012/8/29(水) 17:49:20 ID:uniFqLdXcw
机を挟み女とシチューを食べる。静かなのは変わらなかったが、なんとなく空気が軽くなった気がした

男「で、なんで来たんだよ」

女「来てはいけないか?」

男「別にいいけどよ…」

女「そうだな…強いて言うならなんとなくお前に会いたくなった…かな」

男「!!」

男「はは、なんだそりゃ…」

口では軽く言うものの、俺は女を直視出来なかった
どうしようもなく嬉しかった。嬉しさでにやけてしまうほどに

しかしそんなのを女に見られたが最後、確実に弱みを握られる。それだけは絶対に避けたかった
34: :2012/8/29(水) 17:57:09 ID:uniFqLdXcw
下を向いて思案していると、背後に人の気配がした
振り替える前に抱き締められ耳元で囁かれる

女「全く…お前は本当に馬鹿だな…お前の顔を見れば一目瞭然だ」

男「・・・」

女「安心しろ。私がいる」

その言葉を聞くと同時に立ち上がり後ろを振り返り女を抱き締める
女は呆気に取られていたようだが、すぐに元に戻り背中に手を回し、子供をあやすかのように背中を軽く叩き始めた

女「とんだ大きな子供だ」

楽しそう呟くそれに俺は抱き締める力を強くして抗議する

女「こらこら、わかったから力を緩めろ。痛いじゃないか」
35: :2012/8/29(水) 18:05:13 ID:uniFqLdXcw
女をから離れ少しの間見つめ会う
女は腰に手を当てながら

女「落ち着いたか?」

男「・・・まあな」

女「ふふ、ホームシックならず構ってちゃんか?」

くくくと笑いながら女が問いかける。構ってほしいと思った事はない。失敬な

男「寂しがる時だってあるだろ。人間なんだから」

女「まあ、そういう事にしておいてやろう」

どこか腑に落ちない言い方だが気にしたら負けだと思いあえて言わないでおく

女「私はお前の為ならどこへでも駆けつけるからな」

確信。そう呼ぶに相応しい光を目に宿しながら強い口調でいい放つ
全く、相変わらず変に自信家なんだから…まあ、それがこいつと一緒にいて安らぐ、一緒にいたい理由なんだけどな…
36: :2012/8/29(水) 18:12:39 ID:MPgyKButMg
男「もういいのか?」

玄関で靴を履きながら私に問いかける男

女「ああ…だいたいの用事は済ませたからな」

まあ今回のは完璧な予感であり、予定ではなかったからな

男「その…ありがとな」

多少言いにくそうに声を小さめにして礼を述べる男。どうやらまだ恥ずかしさが残っているらしい…押し倒したい

女「気にするな。ただし、今度は呼べよ?」

理性を総動員してなんとか男を押し倒す気持ちを抑え、携帯をちらつかせて確認をする

男「ああ…そうだな」

よし。これでこの家に入る名分がまた出来た

女「ではな、暑いからといってあまり体を冷やすなよ?」

男「お前もな、道中変な奴に絡まれるなよ」

女「問題はないさ」

男の気遣いに感謝しつつ、私はドアに手をかけた
37: :2012/8/29(水) 18:21:40 ID:uniFqLdXcw
女「・・・」

街灯が照らす夜の道をゆっくり歩き続ける
8月が終わり、暦上では秋になったはずだが、この時期は夜はまだ蒸し暑いらしい
タンクトップでも十分なのだから余程暑いのだろう

女「・・・」

ピタリと立ち止まり一度振り替える
男が寂しがっていると感じで男の家にいったが、本当は私が男に会いたいだけだったのかもしれない

女「強く見えてるようで実は脆い…か」

いつかに友に言われた言葉を呟く。言われた時は何も感じなかったが、時間が経つにつれいい得て的を射ていると感じるようになった

女「男…私達はやはり、似た者同士なのかもしれんな」

男の出会いを思い出しながらまた歩き始める
私達の出会いは偶然だったのか、それとも似た者同士だから引き合わせたのか

いずれにせよ私がここにいて男がここにいる
それでいいと思う
38: :2012/8/29(水) 18:26:26 ID:uniFqLdXcw
女が帰った後、家にはまた静寂が訪れた

男「・・・」

だが、寂しいとは思わなかった…いや、思っちゃいけなかった
何故なら先程礼を言ったときに、完璧に女の目は狩る者の目をしていた

男「バリケード…しとくか?」

女には感謝している
している…が、やはり怖いものは怖い

男「まあ、なんにせよ寝るか」

戸締まりをチェックし、ベッドに入り眠りについた
39: :2012/8/29(水) 18:38:08 ID:uniFqLdXcw
翌日 学校

友「・・・」

男「だー!!服を脱がすな!!そんなところ触るな!!肌を擦り付けるな!!」

女「ふふふ、だが体は正直だな?物欲しそうにしているではないか?」

後輩「駄目です先輩!!そんな汚ならしい汚物を触っちゃいけません!!」

男「お前かなり失礼!!」

僕が学校に着くと、いつも通りの光景が広がっていた。夏休みを挟んで少しグレードアップしてる気もするけど、まあどうでもいい
自分の席に鞄を置き、挨拶を済ませておく

友「おはよう、幼さん」

幼「おはよう♪友君」

友「今日も平和だね」

幼「そうだね〜」

男「お前らこれをみて平和だと思うのかよ!!」
40: :2012/8/29(水) 18:44:11 ID:uniFqLdXcw
男「あー、疲れた」

ようやく女から解放されて机にうなだれる
くそっ、朝からなんでこんなに疲れなきゃいけないんだ

女「もうスタミナ切れか?情けないぞ男」

腰にまとわりつく後輩の頭を撫でながら女が言ってくる

後輩「しょうがないですよ♪男さんはかなりのヘタレ粗チン野郎ですから♪」

撫でられてご満悦な後輩は可愛い顔してとんでもない毒を吐き捨てやがった

幼「粗チンって何?」

友「男性に対する最上級の罵倒みたいなものだよ」

相変わらずの天然を発揮する幼にそれを丁寧に説明する友。タイトルで主要人物なのにいまいち出番が少なかっ…

友「男、それ以上言ったらもぎ取るよ」

・・・夏休み明けに読心術を会得したらしい。おおこわいこわい
41: :2012/8/29(水) 21:49:30 ID:VL6ZnMwTdA
友「それで、文化祭の件なんだけど…」

女「ああ、書類なら受け取った。問題ない」

友「ありがとう」

男「そういや、お前文化実行委員だっけ」

友「こんな時くらいしか出番ないからね」

男「作者の陰謀」ボソッ

友「何か言った?」

男「何も」
42: :2012/8/29(水) 22:04:36 ID:mucch7CT5s
友「そうだ、渡した原案に多少変更があるんだ」

女「ふむ」

友「まずこの来場客の受付だけど…」

後輩「いい雰囲気ですね〜?」ニヤニヤ

男「何が言いたい」

後輩「別に〜?友先輩みたいな人が先輩にお似合いだな〜って」

男「それは無理な話だな。友には好きな奴がいるから」

後輩「ええ!?だ、誰ですか!?」

友「そこ、うるさい」

後輩「あ、すみません…」

男「ホント、俺以外には素直だよな」

後輩「男さんにも素直ですよ。自分に」

男「自分かい」
43: :2012/8/29(水) 22:10:51 ID:mucch7CT5s
後輩「なんかこう、馬が合わない人っているじゃないですか」

男「まあ、いるな」

後輩「そんな感じです」

男「そうかい」

友「でね、やっぱりここを来賓受付にするとどうしても来場客と被って混雑すると想うんだ」

女「しかし、来賓には別の受付を用意するというのはあまり承諾しかねるぞ?」

友「うん。それで、こうすればいいんじゃないかな」

女「・・・なるほど」

友「これなら大丈夫でしょ」

女「ふむ、概ね捌けるな」

男「この場所だと、生徒入り口が狭くならないか?」

友「それに関しては学年ごとに違う入り口を用意してあるから」

男「うわ、めんどくさ」

友「・・・これ考えたの女さんだよ?」

後輩「男さん…あの世に旅立つ準備は出来ましたか?」

男「・・・」
44: :2012/8/29(水) 22:15:05 ID:mucch7CT5s
女「まあ落ち着け後輩」

女「すまない男、やはり学校では個人より大勢の意見を優先しなければならないからな」

男「いや、不満はないけどさ」

後輩「嘘だー、どうせ心の中で不満垂れ流してますよ」

男「あのなぁ…」

女「まあどうしても不満だというなら…」

男「ん?」

女「体で満足させてやるが?」

男「慎んで遠慮いたします。見事な配置お見事です」

女「まあ確定事項だがな」

男「おい!?」

後輩「先輩が抵抗出来ないのをいいことに…最低!!」

男「どうしてもこの扱いなんだな。慣れたけどさ」
45: :2012/8/29(水) 22:21:51 ID:mucch7CT5s
男「でも文化祭って10月だろ?今からしっかり決めなくてもいいんじゃないか?」

友「石垣はより強固に造れば、城を落とすのは難くなる」

友「つまり今のうちから準備をしておけば、当日が近づいてあたふたすることがなくなるって事」

女「それに前回の反省もあるしな」

男「ん?前回?」

幼「前回って何か失敗したっけ?」

友「多分、幼さんが考えている前回と女さんが考えている前回は違うと思うよ」

後輩「流石先輩!!わかる人にしかわからない範囲でメタ発言をする!!そこに痺れる憧れるぅ!!」

男「そして空気の読めない発言をする後輩であった」

後輩「貴方に言われたくありません!!」
46: :2012/8/29(水) 22:28:42 ID:VL6ZnMwTdA
皆様こんばんは
1でございます

今日の投下を終了をお知らせします
更新率なんとかしなきゃな見てくださってる方々に申し訳ありませんね


見てくださった方々
ありがとうございました!!
47: :2012/8/30(木) 11:14:48 ID:QoV99feevk
友「とまあ、色々な反省点を踏まえつつ企画していこうというわけだよ」

男「んー、まあ了解」

友「クラスごとの出し物や出品出店はある程度は限定されるけど最終的には全部僕の所に集まる予定だから」

男「ほほう?それはつまり事前にどこのクラスが何をやるかわかるということか…」

友「わかるのは僕だけだし、見せるつもりもないから」

友「後輩、この時期辺りからはどこのクラスも話し合いとかで忙しいだろうし、自分のクラスに戻ったら?」

後輩「わかりました!!友先輩!!」

後輩「それでは失礼しますね、幼先輩。先輩」

女「ああ」

幼「じゃあね〜」
48: :2012/8/30(木) 11:19:33 ID:QoV99feevk
男「それで、うちは何をやるつもりなんだ?」

友「・・・」

男「まさかのノープラン?」

友「いや、喫茶店なんかでいいんじゃないかな…」

男「鉄板過ぎるだろ。大体どこの場所でも取り合いになるわ」

幼「はい!!お化け屋敷!!」

男「高校生にもなってお化け屋敷はきつくないか?」

女「そうだな、我が校風や歴史を皆で調べた物を教室一面に貼り…」

男「そんなところには入りたくない」

友「ちなみに、女さんと幼さんの案は既に出てるよ。企画段階だけどね」

男「どんだけ客離れさせたいんだよ…」
49: :2012/8/30(木) 11:25:01 ID:V9s2qbYObw
女「そういう男は何か案があるのか?」

男「あるっちゃある」

男「うちのクラスは手先が器用な奴が多いし、それなりに大抵の事をこなせるだろ?」

友「確かに…」

幼「なんか…男君がまともな事言ってる!!」

男「それらを踏まえて…五分間クッキングなんてど…」

女「やはり需要があるとしたら喫茶店か?」

友「喫茶店はかなりの激戦になるからね…インパクトが大事だよ」

幼「先着十名様は無料!!とか?」

友「それじゃあ少なすぎるよ」

女「せめて人数を増やして割引が安牌だろう」

男「・・・俺の意見は虫か?」
50: :2012/8/30(木) 11:30:26 ID:QoV99feevk
女「ほう、お前の意見は虫だったのか?」

男「違う、俺が間違えたんじゃない」

友「どちらにせよ、クッキングは経費がかかりすぎるから却下」

男「んなこと言ったら喫茶店だって経費がかかるだろ」

友「インパクトがでかければ、学校もそれなりに出してくれるよ」

男「こいつ…学校にたかる気まんまんだな…」

幼「うむむ…インパクトかぁ…」

女「・・・」

男「執事…とか」

友「・・・」

男「なにその可哀想な動物を見るような目。見んなよ、俺を見んなよ」
51: :2012/8/30(木) 21:13:19 ID:MPgyKButMg
女「いや、案外いいかもしれない」

女「他校からの生徒の来場も許可はしているし、若年層が多いだろう」

女「インパクトとしては十分ありだろう」

友「でも執事をするには圧倒的に男子が足りないよ」

男「女子から見目がいいのを何人かチョイスして男装させればいいんじゃねーの」

幼「ふええ!?だ、男装!?」

女「ふむ、スーツか」

男「案外お前とかスーツ似合いそうだよな」

女「・・・本当か?」

男「へ?」

女「私は…スーツが似合う女か?」

男「多分そこらへんの奴よりは似合うだろ。凛々しいし、格好いいし」

女「・・・そうか」
52: :2012/8/30(木) 21:19:36 ID:uniFqLdXcw
友「まあ、執事喫茶店は案に入れるでいいかな?」

文化祭のプランが書いてあるらしきプリントをはためかせながら友が聞いてくる。俺に聞くな

女「いいのではないか?」

俯きながら友の案を推す女。それにしてもなんでこいつ俯いてるんだ?まあ、大体理由は察してるが

女「・・・///」

幼「女ちゃん。顔赤いよ?保健室いく?」

女「な、なななんでもない!!気にするにゃ!!」

思いっきり動揺されておられる

友「とりあえず、他のクラスも出揃わないとなんとも言えないからね」

男「そうしてくれ。決まった時に色々準備をしやすいだろうしな」
53: :2012/8/30(木) 21:27:05 ID:uniFqLdXcw
放課後

男「さて…どうするかな」

文化祭の時期が近いとはいえ、まだまだ余裕があるため、部活にいくもの、友人と雑談するものがちらほらいる。用事があるというのは良いことだと勝手に解釈しているが、生憎俺の辞書には用事がたくさんという項目は無いらしい
何もすることがないので家に帰ろうとすると

女「・・・」

女が俺の裾を掴んでいた。なんだそのアピールは、無言か?無言のアピールか?少しだけキュンとしちまったじゃねーか

女「あ、あの…だな」

言いにくそうにどもりながら明後日の方向を見る女。いけませんねぇ、人と話すときはその人の目を見てと習いませんでしたか?
周りに気づかれないように素早く女の顎に手をあてこちらを向かせる

女「あ…///」

思った通り、頬を紅潮させて恥じらっておられる

男「何?なんか用か?」

わざとらしく目を見ながら問いかけると

女「う…あの…だな」

視線を泳がせ、しどろもどろになる女。すごく…焦れったいです
54: :2012/8/30(木) 21:33:04 ID:uniFqLdXcw
女「お母様は、その、スーツを所持していただろうか?」

男「母さんが?」

記憶を探り思い出してみる。確かクローゼットの中に数着あったはずだ

男「少しな。何?着たいの。」

女「め、迷惑だろうか?」

男「そんなことねーよ」

女の頭をポンポンと軽く叩きながら

男「お前のスーツを似合いそうだって言ったのは俺だし、見たいって思ってたからな」

女「そ、そうか?」

顔を輝かせて喜色を見せる
本当にこういう所はわかりやすいのな

男「まあ…俺も気になるしな」

この時間。おそらく母さんが帰っているだろう
つまり、スーツを着させろと言ったら当然カメラ片手にホイホイついてくるわけで…

半狂乱になりながらシャッターを切り続ける母さんの姿を想像しながら女と一緒に家に向かった
55: :2012/8/30(木) 21:41:11 ID:uniFqLdXcw


男「というわけなんだが」

母「任せなさい」

家に帰りに、母さんに簡単な説明をすると、すぐにスーツを数着持ってきてくれた。もちろんカメラを携えて

母「女ちゃんは背が大きいからメンズ物でも着れると思うけど、やっぱりレディースの方が着心地がいいのよね」

男「具体的にメンズとレディースの違いって何?」

母「作ってる会社によるけど、腰回りと胸回り、それから素材ね」

母「メンズは体格とかがそこそこいい人向けだから多少大きく作られてるんだけど、レディースはお母さんみたいな小さ…低身長の人にも着れるようにサイズを調整してるの」

男「ふーん、つまり女にはレディースよりメンズがいいと?」

母「サイズ調整すればいけると想うんだけど…ちょっと待ってて」
56: :2012/8/30(木) 21:47:00 ID:MPgyKButMg
母さんはスーツを漁った後に、一枚のスーツを取り出した

母「これ、着てみて」

そのスーツはサイズは女にあっていたが、母さんが着るには少々大きいサイズだった

男「・・・母さん?」

母「だってしょうがないじゃない!!女ちゃんの身長と私の身長を一緒にしないでよ!!あ、それと男君は出てった!!」

男「なんで?」

母「・・・女ちゃんの着替え、見たいの?」

男「お邪魔しました」

バタンと音を立てて引き戸を閉める
危ない…危うく変態の仲間入りをする所だった
57: :2012/8/30(木) 21:52:15 ID:MPgyKButMg
母「どんな感じ?」

女「少し…違和感が」

母「あちゃーやっぱ駄目か…じゃこれは?」

女「えっと…こうですか?」ゴソゴソ

母「そうそう、どんな感じ?」パシャッ

女「えっと…スカートが短すぎやしませんか?」

母「あ、その恥じらうように抑える仕草goodよ」

女「あの…」

母「じゃあ…次これ」

女「こ、こんなフリフリなのが!?」

母「大丈夫!!女ちゃん可愛いから何着ても似合う!!私を信じて!!」

女「し、しかし…これは」

母「貴方が信じる私を信じなさい!!」

男「こりゃ…完璧に着せ替えスイッチ入ったな…」

母「やーん♪可愛い〜♪」パシャッパシャッ
58: :2012/8/30(木) 22:14:36 ID:MPgyKButMg
数分後

母「お待たせ〜♪」

ご満悦な顔で引き戸を開ける母さんに

男「出来は?」

母「もうヘブン物よ」

親指を立てながらウィンクをかます
なるほど、相当な出来栄えらしい
部屋の奥を見ると、女が立っていた…スーツ姿でメガネをして

女「ど、どうだろうか…」

男「・・・」

母「おやおやぁ?見とれて何も言えないかなぁ?」

母さんの冷やかしはともかく、一瞬誰かわからなかった
メガネをかけているから知的なイメージがあるのに少しだけ涙目で恥じらう姿はいつもの女とはまるっきり正反対でそのギャップが良くて…

女「へ、変だろうか…」

男「そんなことない!!」

自分でもびっくりするくらいの強い肯定

男「うん…似合ってる…」
59: :2012/8/30(木) 22:22:32 ID:uniFqLdXcw
なんだか俺も恥ずかしくなり赤面してしまうが、ここである重要な事を思い出す

男「って、これは文化祭用のなんだからこんな可愛いくちゃ駄目だろ!?」

母「ふっふっふ…まだわかってないようね…」

男「なんだと…!?」

母「どう?女ちゃん」

女「はい…先程に比べれば大分慣れました」

母「さあ、そこでセリフを一発!!」

女「では…いらっしゃいませ、お嬢様」ニッコリ

反則だ
何がとは言わない
反則だ

先程までの可愛らしさから一転、凛々しさ気品さを出している見事な執事になっていた

母「ね?二度おいしいでしょ?」

鼻血を出しながらシャッターを切りまくる母さん

母「しかも…初見限定…」

恥じらう姿と今の姿を比べ、俺は気を失った
60: :2012/8/30(木) 23:09:04 ID:bNgsl92qwg
「こ…とこ…」

誰だ?俺を呼んでるのは…

「起…ろ…とこ」

寝かしてくれよ。俺はもう眠いんだよパルシオン

女「起きろ男!!」

男「そぉーい!!」

大きな声にびっくりして飛び起きる
気がつくと俺は女に膝枕をされていたらしい

女「しっかりしろ」

男「あ、ああ…悪い」

ゆっくりと体を起こしながら今までを思い出す
そうだ…確か女のスーツを見て…

そこまで思い出した時、どうしようもなく恥ずかしくなり、女から顔を逸らしてしまった

男「わ、悪い…」

女「気にする事はないさ…それより」

女「気絶するほど、悪かったか?」

男「は?」

一瞬、女が何を言っているのかよくわからなかったが、スーツ姿の事だと理解して急いで取り繕う

男「そ、そんなことねーよ!!大丈夫だって!!俺が客だったらマジで指名したいくらいだったから!!」

女「そうか…///」

男「あ…うん…」

しばしの沈黙…く、気まずい!!
61: :2012/8/30(木) 23:13:47 ID:bNgsl92qwg
女「お、お母様は買い物にいかれたぞ。お前を頼むと」

男「あ、そうなんだ」

空気を変えようと気を使っているが、完全にしらけている。顔が強ばっているため何を言っても無理だろう

男「なあ…さっきのなんだけどさ…」

女「それがどうかしたか?」

男「いや…凄い似合ってたからさ…その、もう一回いいか?」

女「・・・いいだろう」

女「向こうを向いててくれ」

男「あ、ああ」クル

女「・・・」シュルパサッ
62: :2012/8/30(木) 23:18:57 ID:8t7JqUWKX2
女「できたぞ…」

男「おう…」

振り返ると、そこには先程目にしたスーツ姿の女が立っていた。さっきと違うのはメガネをかけていないことか

男「あのメガネ、伊達なんだよな?」

女「耳が疲れるんだ。お前が望むならつけるが?」

男「いや、つけなくてもいいよ」

そういいながら女に近づき、髪を撫でる

女「あ…」

男「やっぱり…似合う」

女「ん…おと…こ」

髪を撫でながら耳元で囁くと、くすぐったいのか目をキュッと瞑った
その反応が可愛くて腰に手を回して抱き締めた
63: :2012/8/30(木) 23:24:16 ID:bNgsl92qwg
女「男…」

熱っぽい瞳で俺を上目遣いで見上げてくる女
その距離はごくわずかで肌と肌が擦れあうくらいだった

男「女…」

俺はそのままゆっくりと女に口づけをする

女「ん…ふふ」

女は嬉しそうにそれに応えながら

女「この格好だと…何やら新鮮だな」

男「・・・」

女「ん…んむ」

そんなこと言う女が可愛くてもう一度口づけをする。今度は舌を絡ませる激しいやつ

女「んむ…はぁ、男ぉ…//」

俺の中でなにかが膨れ上がっていくのを感じた
独占欲とか征服欲とか、とにかくそんなものが大きく膨れ上がり…もう一度キスをしようとしたとき

母「たっだいまー♪」
64: :2012/8/30(木) 23:27:58 ID:bNgsl92qwg
玄関のドアが開き、元気な母さんの声が聞こえてきた
その声で今まで何かに操られていたような雰囲気は一気に壊れ

男「っ!!/////」

女「っ!!/////」

気がついたらお互い顔を真っ赤にして背を向けあっていた

母「聞いて聞いて!!お野菜がいつもより安くて…あり?」

母「何かあった?ていうか、また女ちゃん着てるの?でもメガネが無いのも…」ジュルリ

相変わらずの空気クラッシャーだが、この時ばかりは母さんに感謝した。もしあのとき母さんが帰ってこなかったらどうなっていたか…
65: :2012/8/30(木) 23:31:44 ID:bNgsl92qwg
そのあとは適当に雑談をしたりしつつ女を家に帰した
女が帰った後、母さんに

母「ふふふ〜、浴場するのは構わないけど、時間帯考えようね〜?」

こんなことをニヤニヤしながら言われた
確かにまだ陽は明るかったので心底安心した
その後は母さんに冷やかされつつも孫は何人欲しいだの、しっかりリードしてやりなさい等を言われつつ夕食にした

明日、女に会ったときにいつも通りに振る舞えるだろうか…それだけが気がかりだった
66: :2012/8/30(木) 23:34:20 ID:8t7JqUWKX2
皆様こんばんは
1でございます

地の文…すごく難しいですね…小説体で書いている人は本当に尊敬します

でもやっぱり地の文ってかなり便利ですよね
表現がしやすいしやすい

それでは、本日の投下を終了させて頂きます
見てくださった方々
ありがとうございました!!

67: 1(誤字大杉申し訳ありません):2012/8/31(金) 15:00:58 ID:8mM/cVN3gE
翌日

友「つまり、スーツ姿の女さんに改めて惚れ直して寝てる間も浮かんでは消えを繰り返して起きてるんだか寝てるんだかわからないまま朝を迎えたと」

男「体は寝てるのに、脳は起きてるって状態だな」

友「ふーん」

男「今日は女が生徒会関係で早めに学校に言ってて本当に良かった…」

友「あ、そうそう。通ったよ執事喫茶」

男「へ?」

友「執事喫茶。うちのクラスで出店ね」

男「マジで?」

友「この時期にしては、かなり早めの決定になったからね、他のクラスもボチボチ出揃ってきてるみたいだし」

男「なんか…今年はやる気あんのな」

友「そうみたいだね…PCを使ってのプログラミングの技術応用とかもやるらしいし」

男「まあ…最後だしな」
68: :2012/8/31(金) 15:11:59 ID:8mM/cVN3gE
友「感傷に浸るのはいいけど、折角早く決まったんだし準備はしっかりね」

男「おう」

ガラガラ

女「おはよう、皆」

男「!!」ガタッ

友「なんで反応してんの」

女「友、全てのクラスの出店が決まったぞ」

友「早いね…どれどれ」

友「・・・うん。いいと思うよ」

女「じゃあこれに先生の印を押してもらってきてくれ」

友「了解」

女「さて、それじゃあ私達も頑張るか」

男「あれ?そういや生徒会からは何もやんないのか?」

女「うむ…見回りを提案したんだが…」
69: :2012/8/31(金) 15:16:06 ID:8mM/cVN3gE
10分前

副会長「はあ?見回り?」

女「ああ。いいと思うんだが…」

会計「お言葉ですが、会長。何かゴタゴタがありましたっけ?」

女「騒動は無かったが、毎年そうやって油断するのは良くないだろう」

庶務「風紀委員に任せとけばいいんじゃないですか?」

女「生徒会は後ろで命令しているだけと思われたくないからな」

副会長「んなことしなくても大丈夫だろ」

女「なら私が自主的に…」

全員「それは駄目(です)」

女「!?」
70: :2012/8/31(金) 15:27:21 ID:CsZ7SsDZ/w
副会長「お前な、高校生活最後の文化祭なんだぞ?思い出を残そうとしろよ」

女「見回りも十分な思い出に…」

会計「甘すぎますよ会長。楽しい時間なんて一瞬で過ぎる物です」

女「・・・否定はしない」

庶務「ていうか男さんとの思い出を作りましょうよ」

女「・・・」

書記「会長…男さんと一緒…凄く楽しそうだから」

書記「だから…一緒じゃないと…駄目」

女「皆…」

副会長「普段役に立たない風紀委員をこきつかって見回りはどうにかするから、お前は自分の事を考えろ」

女「・・・」
71: :2012/8/31(金) 15:30:59 ID:CsZ7SsDZ/w
女「というような事があってな」

男「生徒会メンバーのヌクモリティーの本気だな」

女「皆の思いを無下にするような事はできないからな…少しだけ素直になってみる事にした」

男「それがいいんじゃないか?文化祭くらい力を抜いてこーぜ」

女「男…」

女「ちなみに今の抜くという単語は…」

男「素直になるのは悪くないけど、少しだけ、な」

女「・・・ケチ」

男「お前を解放したら、お前を崇拝してる奴らから死人が出るわ」
72: :2012/9/1(土) 07:22:35 ID:i8W2P4ZWyk
女「さて、やることも決まったし。そろそろ本格的に準備をするか」

男「早くないか?」

女「男、この世界では通常の三倍のスピードで時間が進むのだぞ?」

男「なにそれ怖い」

女「つまり、ボーッとしていたらいつの間にか文化祭が終わっていたなんて事もあり得る!!」

男「ウソダドンドコドーン!!」

女「とまあ、冗談はこれくらいにして」

男「冗談なのかよ」

女「時間が進むのが早いのは本当だが、三倍ではない」
73: :2012/9/1(土) 07:28:44 ID:5UyKhw0emw
女「決めるのは、メニュー、衣装、それと…接客か?」

男「執事なんだから笑顔でお嬢様とか言ってればいいんじゃねーのか?」

女「甘い!!」

男「うおっ!?」

女「微笑んで心にもない戯れ言を言うのなら小学生にでも出来る!!」

男「そんな腹黒い小学生は嫌だな」

女「ここは工夫を加えて独創性を出した方がいいと思うんだが」

男「独創性…ねぇ」

男「いっそのこと男装させた奴だけを前に押し出して、残りはヘルプとかで入るとかどうだ?」

女「・・・」

男「何か言えよ!!」
74: :2012/9/1(土) 07:34:40 ID:5UyKhw0emw
女「いや…案外いいかもしれん」

男「まさかの乗り気!?」

友「独創性という観点からならこれ以上ない案だと思うよ」

男「そしてお前はどこから生えた?」

友「失敬な、ちゃんと戻ってきたんだよ」

友「女の子が男装していると言うなら、同じ性別の女の子が入りやすいし、ある意味男より男らしい人もいるし(口調とか)」

男「・・・ああ」

女「?」

友「とにかく、客層を広げるのと呼び込みが一度に出来るいい案だと思う」
75: :2012/9/1(土) 07:41:12 ID:5UyKhw0emw
女「その口振り…何か裏がありそうだな」

友「まあね…最悪客の固定化が起きちゃうかもしれない」

男「なんだそれ?」

友「簡単に言うと、同じ人が何度も長い時間居座る事だよ」

男「なるほどな、常連気取りがくるわけか」

友「流石にそんな横柄な態度をとるような人はいないと思うけど、やっぱり同じ人が何度も来るっていうのは体裁が悪いからね」

女「ふむ…ならば午前午後と人員を分ければいいのではないか?」

友「それは考えてあるよ。ちなみにこのままだと二人は同じ時間に働いて、自由時間が出来るけど…いい?」

女「勿論だ」

男「異論はないな」

友「そう言うと思ったよ…じゃあ文化祭まで頑張って準備していこう!!」
76: :2012/9/1(土) 23:01:58 ID:LGMHK2442.
男「・・・全員一致団結して準備しようって切った所で、どうするんだ?」

男「まさかなんの変哲もない準備を繰り返すだけなのか?」

友「まさか、ちゃんと手は打ってあるよ」

男「お前は何者なんだよ」

友「どうして作者が普段滅多に使わない地の文を使ったと思う?」

男「表現のしやすさか何かだろ」

友「残念ながらそれは間違いだ」

男「なんでだよ」

友「作者が地の文を使い出した理由…それは!!」

友「普段滅多に書かないエロを書くため!!」

男「いい病院を紹介しますね」
77: :2012/9/1(土) 23:07:02 ID:LGMHK2442.
男「ていうか、いきなりお前どうしたの!?お前はそんな事を声高に宣言するようなキャラじゃないだろ!?」

友「しょうがないじゃないか」

男「何がしょうがないだよ。本編とまるで関係無いだろ!!」

友「いやいや、本編に織り込む形で収録するよ?文化祭編までの繋ぎみたいな物で」

男「・・・なんか、自棄っぱち感が漂っているんだが」

友「まああれだよ。ただイチャイチャしてるだけのSSに潤いをもたらそうとした粋な計らいだよ」

男「そんな潤いこっちから願い下げだよ」

友「いい案だと思うんだけど…ねえ?女さん」

女「・・・」

友「女さん?」
78: :2012/9/1(土) 23:11:35 ID:LGMHK2442.
男「こ、こいつ…いっそ清々しい程までに無表情だ」

友「なるほど、突然の方向性カミングアウトに思考がブラックアウトしたんだね」

女「地の文?…エロ?…表現?…潤い?…ふふふ」

女「それはつまりあれか?私と男の濃い1日を無修正でお送りしますというわけか!?」

男「もう止めて。このSSのライフはもう0だ」

友「じゃあ僕達は準備の話し合いしてるから…ゆっくり…ね?」

男「おい!!友!!待て!!」

女「男…」ユラリ
79: :2012/9/1(土) 23:17:13 ID:vIZmfe15Hw
フラフラと近寄ってくる女から思わず後ずさる
両手をダランと力無くぶら下げながらも、しっかりとした足取りと視線はさながら幽霊を思わせるようで俺は思わず尻餅をついてしまった

立とうにも腰が抜けてたてずに、手で這いながら後ろに下がるといった具合だった
ちなみにクラスメートは全員見てみぬふりをしている。薄情な奴らめ

ついに背中が壁に当たりこれ以上下がれなくなった所で、女の顔が目前まで迫ってきた

男「っ!!」

覚悟を決めて目を瞑る
もうどうにでもなれだ、どんとこい
80: :2012/9/1(土) 23:22:55 ID:vIZmfe15Hw
男「・・・?」

しかし、いつまで経っても何も起こらなかったので怪訝に思い目を開ける。その瞬間にフワリとした感覚が体を包み、女に抱き締められていると体が判断するのに時間はかからなかった

女「友の気遣いは非常にありがたい…しかし、いくら私とてTPOはわきまえているつもりだ」

俺の肩に顎を乗せるような体制で女が呟く
それを聞いた俺は、安堵と、心のどこかでそういう展開を期待していた自分がいるのがわかってかなり恥ずかしかった

男「・・・そうだな」

恥ずかしさを隠すように女を抱き締め返す
女は微笑みながら返してくれた
81: :2012/9/1(土) 23:27:29 ID:vIZmfe15Hw
男「おい友」

友「ん?」

男「まさかとは思うが…お前」

友「ごちそうさまでした」

男「てんめぇぇぇ!!」

友「冗談だよ。もうすぐ放課後だから一緒に帰ろうか」

男「ったく…わかったよ」
82: :2012/9/1(土) 23:45:47 ID:vIZmfe15Hw
放課後

男「そういや、こんな風にお前と帰るの久しぶりだな」

友「まあね」

男「今思えば懐かしいな〜」

友「時間が経つのは早いからね」

男「んなおっさんみたいな事を言うなよ…」

友「ねえ、いつから女さんを意識しだした?」

男「突然なんだよ」

友「いいから」

男「・・・俺が記憶を失った辺りからかな」

友「・・・」

男「あいつさ、強いけど弱いんだよ…矛盾してるけど…何て言うのかな…」

友「男が女さんにしたこと、言ったことは女さんの世界を変えたからね」

男「まさか俺も人の世界を変えるなんて思ってなかったよ」

友「本当に…懐かしいね…」

男「・・・ああ」
83: :2012/9/1(土) 23:49:37 ID:vIZmfe15Hw
友「女さんのこと、ちゃんと守らないとね?」

男「わかってるさ」

友「文化祭、上手くいくといいね」

男「お前はまたそんなフラグを建てる」

友「大丈夫大丈夫」

男「そうだな。上手くいかせなきゃな…」

友「うん。じゃあね」

男「おう。また明日な」
84: :2012/9/1(土) 23:55:53 ID:vIZmfe15Hw
翌日

男「ういーす…ん?何かもめてんのか?」

女子「あ、男!!男はどう思う?」

男「んー?」

男子「喫茶店のメニューなんだけど、飲み物と食べ物を両方出したら数点しか出せないんだ」

男「それでいいんじゃないか?」

男子「良くないよ!!品数が少なかったら宣伝もできないじゃないか!!」

男「そこは執事達の色気でカバーだろ」

男「大体、執事喫茶なんだからメニューをあてにしてる奴らなんて少数なんだから」

男子「・・・ああ」

男「問題はメニューの中身だろ」

男子「あ、ああ…一応仮で決まったんだけど…」

男「・・・」ピラッ
85: :2012/9/2(日) 00:01:25 ID:vIZmfe15Hw
男「・・・まあ、このサンドイッチ、コーヒー、紅茶に関しては目を瞑るとして」

男「コーラにカレーってなんだよ。しかもオムライスって」

男子「駄目か?」

男「駄目すぎだろ。執事なのになんでカレーなんだよ。なんでコーラなんだよ。なんでオムライスなんだよ。メイド喫茶にでもいけよって話になるだろ」

男子「でも、喫茶店の定番だし…」

男「それが駄目だって言ってんだよ。定番に乗っかってどうすんだよ」

ガラガラ

友「おはよう…どうしたの?」

男子「友〜助けてくれー」
86: :2012/9/2(日) 00:10:43 ID:LGMHK2442.
友「ふーん、定番メニューね」

男「頼むよ孔明」

友「誰が孔明か」

友「つまり…定番じゃなければいいんだよね」カキカキ

男子「?」

友「はい。コーラに関してはとりあえずメニューから削除して、今のところはこれでいいでしょ」

男「お嬢様の為に真心を込めてお作りいたしました。執事お手製カレー。お嬢様の笑顔が私達の宝となります。執事特製オムライス。お嬢様の事だけを考えてお作りいたしました。執事お手製サンドイッチ」

男「・・・お前」

友「嘘は書いてないよ」

男子「おお!!これなら出せそうだ!!サンキュー友!!」

友「どういたしまして」
87: :2012/9/2(日) 00:15:43 ID:LGMHK2442.
男「お前は何してたんだ?」

友「ん?執事になってもらう人をリストアップしてただけだよ」

男「どらどら」

男「・・・おい、この幼って」

友「・・・」

男「お前これただ見たいだけだろ」

友「なんのことかな」

男「とぼけんじゃねぇ」

友「とにかく、厳正な審査の結果、この人達にやってもらおうと思ってる」

男「約一名厳正じゃない審査があったんだが」

友「実行委員権限で」
88: :2012/9/2(日) 00:23:42 ID:LGMHK2442.
皆様こんばんは
1でございます

今日の投下を終了させていただきます

見てくださった方々
ありがとうございました
89: 名無しさん@読者の声:2012/9/4(火) 23:04:10 ID:6rU0piSKq2

応援してます!

頑張って下さい!
つCCC
90: :2012/9/5(水) 22:27:33 ID:pc/9dJv9U.
>>89

ありがとうございます
まだ応援して下さる方がいらっしゃって感激です

三日間の放置すみませんでした
本当に申し訳ありません
今日からまた更新を頑張りますので、もしよろしければ見守ってやってください
91: :2012/9/5(水) 22:32:37 ID:pc/9dJv9U.
友「そんなことより、執事の練習はいいの?文化祭まで後少ししかないんだよ?」

男「ボチボチ」

友「色々不安だけど、リストの人達にも声かけておいてね」

男「おう」

友「じゃあ、僕は他のクラスを見てくるよ」

男「あれ?そんなこと出来るのか?」

友「出店に使う備品や、金額等の最終調整は全部僕を通さないと駄目なんだ」

男「なるほど、そりゃ便利」

友「じゃ、頑張ってね」
92: :2012/9/5(水) 22:37:41 ID:pc/9dJv9U.
女「男ー、リストの者に衣装等を渡してきたぞ」

男「お、サンキュー」

女「構わないさ。しかし…お前が文化祭に積極的な性格だったとはな」

男「残念ながら、俺も長いものに巻かれる派だからな」

男「友が頑張ってるし、まあ手伝ってやるかなぁくらいの気持ちだよ」

女「そうか」

男「なんとなく、嬉しそうだな?」

女「わかるか?」

男「これぐらいは当たり前だろ」

女「そうだな…お前と一緒に文化祭を楽しめるからな…」

男「・・・」
93: :2012/9/5(水) 22:41:51 ID:pc/9dJv9U.
女「だからといって、準備を怠るわけにはいかん」

男「へいへい」

女「皆の意志…私が継がねば…」

男「言っとくけど、誰も死んでないからな?」

女「というわけで、私と接客の練習だ」

男「ああ」

女「私が客を演じるからお前が執事をやれ」
94: :2012/9/5(水) 22:45:57 ID:pc/9dJv9U.
ガラガラ

男「いらっしゃいませ。お嬢様」

男「お席にご案内いたします。お嬢様」

男「ご注文はお決まりでしょうか?お嬢様」

女「お前で」

男「はいストップ」

男「メニューから選べよ。メニューから」

女「す、すまん…つい…な?」

男「まあ…実際にありそうだし…とりあえずメニューの中からってのを付け加えておくか…」

女「ああ」ジュルリ

男「よだれ拭け、そして攻守交代だ」
95: :2012/9/5(水) 22:49:22 ID:pc/9dJv9U.
ガラガラ

女「いらっしゃいませ。お嬢様」

男「・・・」

女「ん?何か変か?」

男「いや、多分本番はそれでいいと思うが、俺みたいに男の客が来ないとは限らないわけよ。男装させてるわけだし」

女「ああ、そうだったな」

女「なら気を取り直して…いらっしゃいませ。ご主人様」

男「・・・そこ、旦那様に変更で」

女「あ、ああ…」
96: :2012/9/5(水) 23:01:22 ID:pc/9dJv9U.
女「ご注文はお決まりでしょうか?旦那様」

男「ああ、この執事お手製カレーをお願いします」

女「かしこまりました。旦那様」

女「・・・注文の時はどうする?」

男「そうだな…とりあえず執事っぽく雰囲気を出せばいいわけなんだから…」

男「机の上に呼び鈴を置いて、それを鳴らしてメニューを伝えるってのは?」

男「一回だったらコーヒー、二回だったら…ってな感じで」

女「それはいい考えだな」
97: :2012/9/6(木) 19:27:35 ID:koM/BSjXgI
女「ふむ、大筋は決まってきたな」

男「ああそうだな…ていうかなんで俺は押し倒されてるんだ?ていうかなんで教室に誰もいなくなってるんだ?」

女「ご都合主義という言葉がある」

男「わかったからせめて執事の服を脱いでくれ、なんか特殊なプレイみたいになってるだろ」

女「・・・いいな」

男「よくない。帰る」

女「すまないな。もう帰ろうか」

男「おう」
98: :2012/9/6(木) 19:47:25 ID:koM/BSjXgI
放課後

男「何故朝に始まった出来事が放課後までなっているのかは聞かないでくれ」

女「安心しろ。聞く人なんていないさ」

男「皆、結構準備を頑張ってるな」

女「まあ、文化祭まで二週間もないしな」

男「いまいち焦ってるような感じがしないんだよな〜」

女「焦っては上手くいくものもいかなくなるからな、心にゆとりが持ててると言うべきだろう」

男「焦っても特に何も変わらないしな…なるようになるだろ」
99: :2012/9/6(木) 20:39:56 ID:Iin4jnaMs6
女「まあ、当日は大勢の客が来るからな。醜態を晒すわけにはいかないだろう」

男「そうだな…」

女「あえて醜態を晒して思い出を作るというのもありだがな」

男「断固断る」

男「当日はどうなんだ?」

女「ん?」

男「いや、多分俺はボーッとしてるだろうし…お前は生徒会の仕事とかあるだろ」

女「そうだな…最初の内は忙がしいが…まあ時間は作るつもりだ」

女「お前と…回りたいしな…」

男「女…」

男「それ、俺のセリフなんだが」
100: 1(100突破感謝!!):2012/9/6(木) 20:46:32 ID:g47LUYbxvo
文化祭三日前

友「じゃあ、最終確認ね?」

友「呼び込み班はなるべく人がいそうな場所に行って一人でも多くのお客を連れてくること」

友「接客班は各自臨機応変に対応すること、客の無理な要望には答えなくていいからね」

友「調理班は買い出し班と連携してミスをしないように。買い出し班はすばやい状況把握をしっかりね」

友「じゃあ、最終調整始め」
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