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変態女と苦悩男と天然幼と真面目友2
[8] -25 -50 

1: :2012/8/28(火) 13:41:09 ID:TJpqaaoXyE
【プロローグ】

暑い・・・

ワイシャツを指でつまみパタパタと扇いで体に風を送り込み火照った体を冷まそうとする
クーラーの聞いた教室から一転、廊下は地獄かと錯覚するような暑さだ

級友達はそれなり休みを満喫したようで、肌の色も小麦色なのがちらほら見えた

さて、俺は今どこに向かってるかと言われれば、生徒会室である
理由はもちろん、呼び出しをくらったからだ
別に何も悪いことはしていないが、半ば自主的に生徒会室へは足を運んでいる

男「・・・暑いな」

独り言のように紡がれたそれは今の心情をそのまま表していた
八月は終わったというのに、太陽は遠慮という言葉を知らないらしい
クーラーが効いている事を願い、俺は生徒会室の戸に手を掛けた

二学期が…始まる


2: :2012/8/28(火) 13:45:18 ID:4lCRqu7Hkw
生徒会室

男「ういーす」

副会長「お、来たか」

男「来たか、じゃねーよ。呼び出しやがって」

副会長「しょうがないだろ。呼び出したのは俺じゃない」

男「・・・まあな」

副会長「ま、ゆっくりしてけよ」

男「そうさせてもらう」

書記「おはよう…ございます」

男「おはよう、書記」

男「そういや、他の連中は?」

副会長「庶務と会計は飲み物の買い出し。会長は文化祭の原案作成。俺達は留守番だ」

男「ふーん。ご苦労なこった」

副会長「まあ、留守番というよりは子守りだな。まるで手のかからない」

書記「・・・」
3: :2012/8/28(火) 13:49:50 ID:TJpqaaoXyE
ガラガラ

庶務「ただいまっすー、うひー、暑いー」

会計「そんなところでへたりこまないの」

庶務「あ、すんません」

会計「あら、男もう来てたの?」

男「時間にうるさい知り合いがいるんでね」

庶務「相変わらずアツアツっすねー」

男「・・・もぐぞ?」

庶務「どこを!?」

副会長「いいから、早く飲み物を寄越せ」

会計「はいはい、せっかちなんだから…」

庶務「男さんはコーラでいいっすよね?」

男「こういうときだけ気がきくな」

庶務「こういうときだけ!?」

会計「はい、書記はいつもどおりに果汁100のりんごジュースね」

書記「はい…ありがとう…ございます」
4: :2012/8/28(火) 13:55:05 ID:4lCRqu7Hkw
ガラガラ

女「皆!!待たせたな!!」

会計「お帰りなさい。どうでした?」

女「うむ。時間はかかったが、なんとか文化祭出店の制限をある程度は解除出来た」

庶務「お、じゃあ喫茶店とかありですか?」

女「常識の範囲内でだがな」

副会長「まあ、さすがに暴力沙汰になることはないとは思うんだがな…」

女「まあ、これから話し合っていこう。各クラスの出店を聞かない事にはどうにも出来ないからな」

女「では、会議を始めよう」
5: :2012/8/28(火) 14:01:46 ID:TJpqaaoXyE
女「さて、ここまで話した中で何か質問は?」

会計「はい。今年は他校からの生徒に対する取り締まりはどうしますか?」

庶務「取り締まりって…」

女「言い方は悪いがな…事実そう呼ばれてもおかしくはないのだよ。庶務」

庶務「そんなに厳しいんすか?」

男「逆だよ。庶務」

庶務「へ?」

副会長「ぬるすぎるんだ。風紀が」

庶務「・・・マジすか?」

副会長「じゃなきゃなんで俺が生徒会副会長なんかやってんだよ」

庶務「会長の推薦だからじゃないんですか?」

女「それもあるが、生徒会の役職に就く場合、まずは風紀委員会に報告をしなければならない」

女「風紀委員会が風紀を乱すと判断した場合、生徒会の役職には就けんのだ」

庶務「あー、そういやなんかいかつそうな人達の前に行ったっけ…」

副会長「そいつらが風紀委員だ」
6: :2012/8/28(火) 14:18:38 ID:V9s2qbYObw
庶務「でも、あんないかつそうなら、逆に厳しいんじゃ?」

副会長「んー、まあ、あれだ。風紀委員会のメンバーは全員世話好きというか、人情家というか」

男「お世辞にも、風紀には向いてないって感じの性格ばっかりの奴らってこと」

庶務「へぇ〜」

女「だが、この学校を良くしたいと思う気持ちは私以上にあるんだ、あまり悪くは思わないでくれ」

庶務「いや、悪くは思ってないですよ?」

女「ならいいんだ…ふむ、時間が余ったな」

庶務「・・・」チラッ

会計「・・・」コクッ

庶務「あ、自分は家の事情で帰らせてもらいます」

会計「私は塾です」

女「そうか?気をつけてな」

庶&会「さようならー」
7: :2012/8/28(火) 14:22:49 ID:QoV99feevk
男「あれ?確かこの時間は庶務の家は誰もいなかったような…」

女「会計…塾に通ってるなど聞いてはいないのだが…まあいいか」

男「いいのかよ」

女「お前たちは?」

副会長「石像かなんかだと思ってくれて構わないぜ」

書記「同じく…」

女「そうか」

女「ふむ…ようやくお前をここに呼び出した本当の用件を伝えられるな」

男「全くだ。呼び出された挙げ句、会議に参加しなきゃならんとか、どこの罰ゲームだよ」

女「私はそれでも構わないのだがな」
8: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 14:29:26 ID:3nNf90lwJg
どぅふふwwwww楽しみにしてたでござるよwww
さっそくC円
9: :2012/8/28(火) 14:33:17 ID:V9s2qbYObw
男「で?用件ってのは?」

そこまで言ったとき、俺は天井を見ていた…否、向かされていた
視線を少し下にするとそこには嬉しそうに微笑む女の顔がある。女に押し倒されたと能が判断するのにあまり時間はかからなかった

女「随分と余裕だな?」

女がワイシャツのボタンに手をかけながら面白そうに聞いてくる

男「そりゃあ…こんなことをほぼ毎日されてればなぁ…」

慣れとは恐ろしい物だ
そう思いながら視線を周りに投げると、戸棚を背もたれにし、腕を組ながらこちらを見る副会長と目があった。その目が冷やかしと同情の色をしていたのは言うまでもない

女「なあ、いい加減こちらを向いてくれないか?」

女の声に渋々ながら顔を戻す
そこには前を完璧に開いてある意味全裸より色気を放つ女の姿があった

男「なあ、まさか学校でか?」

後に迫る危険を予想し、先手を打つ

女「・・・ふむ」

女は何かを考える素振りを見せると、ボタンを閉め始めた
10: :2012/8/28(火) 14:39:48 ID:V9s2qbYObw
女「学校でのリアクションと、自宅でのリアクションの違いを確かめたかったが…やはり自宅の方がいいな」

女がボタンを閉め終わり、俺を起こしながら残念そうに言う

男「そりゃそうだろ」

女が学校で大胆になれないのは生徒会長という荷物を背負ってるからである。いくら俺達の関係が公認だからといって、こんなことをしていたら流石にやばいだろう
だから学校では多少は冷静になり、余裕が持てるのである
ふと、視線が気になり書記の方を向く。こら、そんな残念そうな顔をしない

書記「イチャイチャ…終わり…ですか?」

女「すまないな。私にも立場というものがある」

女が書記を慰めながら言うが、生徒会長がこんなことを言うんだから、この学校はある意味終わってると思う
11: :2012/8/28(火) 14:42:31 ID:QoV99feevk
女「さて、そろそろ帰ろうか」

男「そうだな」

書記「はい」

副会長「んじゃ、戸締まりしとくから、三人は先に出ててくれ」

女「すまないな」

副会長「構わねぇよ」

書記「手」

男「ん?」

書記「繋いで…下さい…会長も」

男「了解」

女「わかった」

書記「・・・えへへ」
12: :2012/8/28(火) 14:46:39 ID:V9s2qbYObw
皆様お久しぶりです
1です

調子のり、2スレ目を建ててしまいました。前作同様、身の無い、つまらない話ですが、少しでもお暇を潰していただければ幸いにございます

さて、今回もは地の文を試験的にいれてみましたが、どうでしょうか?
といっても、特定の状況でしかいれないので、読みにくいと思った場合は普通の書き方に戻しますが

ともかく、このスレもよろしくお願い致します
また後程お会いしましょう

>>8

おぅふ、初支援感謝です
13: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 16:16:51 ID:gYb/l1VPKE
文章の雰囲気が変わったと思ったら変えてたのか
作者がやりやすい方でいいと思うよ。

14: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 16:24:01 ID:ezXADJatZw
  キ

  タ
    ァ
     ァ
     ァ
      ァ
     ァ
     ァ
    ァ
   ァ
   ァ
    ァ
    ァ
 ヽ\  //
   ∧∧ 。
  ゚ (゚∀゚)っ ゚
   (っノ
    `J

支援(`・ω・´)
15: :2012/8/28(火) 17:47:09 ID:IMc0N1gmSo
>>13

わかりました
では、しばらくこのままでいかせてもらいます

>>14

ちょ、声大きいですって!!支援感謝です


それでは、うすらほんのり投下していきます
16: :2012/8/28(火) 17:51:17 ID:IMc0N1gmSo
副会長「んじゃ、書記と俺はこっち方面だから」

書記「さようなら」

男「気をつけて帰れよー」

男「・・・」

女「どうした?」

男「いや…二学期が始まったんだな…って」

女「そうだな」

男「色々…あったな」

女「まあな」

男「過去なんて、あくまで思い出に過ぎないし、大事なのは今だからな」

女「言うようになったな」

男「どっかの誰かさんのせいだろ」

女「男…」スッ

男「ん…」

女「大丈夫さ。私達なら」

男「ああ」

女「ではな」
17: :2012/8/28(火) 17:56:44 ID:Dch5pfOfDw


男「ただいまー」

母「お、と、こ、くぅぅぅぅぅぅぅん!!」

男「・・・」

母「父君に浮気されちゃったよぉぉ!!うわぁぁん!!」

男「落ち着いて、母さん」

男「何があったの?」

母「ひぐっ、父君がね、一緒に帰ろうっていったのにね、社員の歓迎会があるとかでね、飲み会にいっちゃったの…」

男「母さんも行けばよかったじゃん」

母「それがね!!女の子は駄目だって言うの!!信じられる!?」

男「女・・・の子?」

男「女子禁制なら、構わないんじゃないの?」

母「だって歓迎されり社員ちゃんって女の子なんだよ!?」

男「・・・あー」

母「女の子禁制って、絶対酒に酔わせてエロい事するつもりなんだー!!」
18: :2012/8/28(火) 18:04:15 ID:IMc0N1gmSo
男「父さんに限ってそんな事はないだろ…」

そういった瞬間、母さんは俺を指差しながら

母「甘い!!プリンみたいに甘い!!」

まるでマンガのように決め台詞を吐き捨てた。どうでもいいが、比べられる相手に不満を感じるんだが?

男「どこがだよ…」

母「えっと…それは…」

女「なるほど、つまり同性からみた視点と異性からみた視点は違う。こう仰りたいのですね?お母様」

この場に似合わない涼やかな声
十中八九確信しながらも顔を向けると…まあ、いますよね
居間の入り口に、助っ人参上と言わんばかりに誇らしげに女が立っていた

母「そうなの!!女ちゃんわかってる!!流石私の娘!!」

女はまだ娘ではなく、あくまで義娘になる予定である事を忘れないでいただけたい
19: :2012/8/28(火) 18:10:39 ID:IMc0N1gmSo
女「しかしですね、お母様。私もお父様に限ってはそのような事はありえないと考えています」

母「・・・」

女「私みたいな者がお父様の良さを語ろう等、おこがましくはありますが、お父様は私が知る限りでは間違いなく誠実な男性です。それは長年共に歩まれたお母様が一番よくお分かりになられているかと思います」

母「うん…父君は、かっこよくて、優しくて、頼りになって、時々天然で…いつも私を守ってくれる」

女「そうです。そして、お母様がそうお想いになられてると同時に、お父様もお母様を同じようににお想いになられてると私は信じております」

女「あのお方が、お母様を裏切るような行為をなさるとは、私は思いません」

母「そうだよね…父君は大丈夫だよね」

母「ありがと女ちゃん。少し混乱してたみたい」

女「いえ、私でよければいつでも頼りになさってください。全力を尽くします」

男「これ、完璧に俺は蚊帳の外だな…」
20: :2012/8/28(火) 18:17:39 ID:Dch5pfOfDw
母「男君も、ごめんね?」

男「いいんだよ。家族なんだから」

母「家族といえば…二人はもう済ませたの?」

女「・・・まだです」

男「直球すぎんだろ。もうちょいオブラートに包めよ」

母「孫の問題を遠回しにできますか」

母「女ちゃん、初めては早めに済ませないと、後が辛いからね?」

女「はあ…」

母「二人は相思相愛なんだから、きっと大丈夫よ!!あの日も父君が私を優しく押し倒して…///」

男「長くなりそうだから、とりあえず俺の部屋いくか」

女「ふむ。ならばお邪魔しよう」
21: :2012/8/28(火) 18:24:44 ID:IMc0N1gmSo
男「ていうか、どうやって入ったんだよ」

コップに注いだ麦茶を渡しながら少し強めに問いかける
まあ、こいつには効かないし、どうやってはいったかも知ってるんだが

女「忘れたのか?お前から合鍵をくれたんだぞ?」

そういいながら大事そうに我が家の鍵を抱える
母さんが作ったのを渡したらえらく喜び常備すると言ってたしな

男「合鍵を渡したのは失敗か…?」

そんな憎まれ口を叩きつつ麦茶を一口飲む
冷たい麦茶が体に行き渡る感覚を覚えながら女に問いかける

男「なあ、今年は文化祭とかどうなるんだ?」

女「ん?まあ、例年通りじゃないか?」

俺のベッドに横たわり(枕、布団を引き寄せ)ながら女が答える
例年通りなら特に心配する必要はないか

女「うむ…この香り…やはりこの家にお邪魔したときにはこの香りに限る…」


22: :2012/8/28(火) 18:30:08 ID:IMc0N1gmSo
確か、鍵を渡したのは約一週間前である。だが今の口振りからしてかなりの常連らしい

男「なあ、ひょっとしなくてもさ」

女「ああ。鍵をもらってから今日に至るまで通いつめているが?」

確実に通報されるレベルである。今日もこいつの変態は絶好調らしい

女「・・・」ジー

女がなにやらこちらを見つめてきている
目にはなんとなしに色気が宿り、呼吸がやや早くほんのり頬が赤みを帯びて…どうみても発情です本当にありがとうございry

危ない空気が漂い始めたので無理矢理にでも話題を作る事にする。そうでないと食われるからだ
23: :2012/8/28(火) 18:34:55 ID:IMc0N1gmSo
男「朝の校長のスピーチ、長かったよな」

女「そうだな…だが同じような内容を繰り返してばかりだったが…」

男「そらお前のせいだ」

女「ふむ、今度から書記にスピーチを頼むか」

男「別の意味で長くなりそうだ」

女「違いない」

男「こう話してると、学校が始まったんだなって思うよ」

女「意識を高めるのはいいことだ」

男「ていうか、正直一学期に1スレ使っちまったからな…」

女「そういうメタ発言は控えた方がいいと思うが」

男「悪い」
24: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 18:46:56 ID:1WbNn7tjXo
地の文入れるなら毎回いれた方がいい気がするかも?
急に入ってて驚いたけど、どっちでも分かりやすい!
25: :2012/8/28(火) 22:04:44 ID:.7pdmL8Vio
>>24

むう…いきなりだと少々わかりづらい…ですか
まあ、書き慣れてるのはSS形式ですから、ある程度読みにくい部分も出ちゃいますよね…でもSS形式じゃ表現しきれないような場面が多々ある(はず)ので、地の文は入れないときついかなってのもあります
毎回はしんどいですけど徐々に回数は増やしてみたいと思います
26: :2012/8/28(火) 22:10:57 ID:Ug.dOx/0Xo
女「さて、そろそろ帰るか」

女が俺の布団を名残惜しそうに離しながら立ち上がる。そういやこいつ制服のままだ

男「お前の事だから、家に帰ってないんだろ」

女「まあな」

男「お前な…年頃なんだからもうちょい配慮をしてやれよ」

女「あの二人に配慮する必要はあるか?」

女が出来の悪いような生徒を見るような目で見てくる。そんな目をされる覚えはないんだがな

女「ではな、また明日」

男「おう、また明日」
27: 名無しさん@読者の声:2012/8/28(火) 22:18:50 ID:TDG1DwxLLg
2スレ目おめでとうございます!!CC
僕はどちらも大丈夫なので気になりませんね。
さぎしさんが良いと思う書き方で良いと思います。
28: :2012/8/28(火) 22:19:56 ID:.7pdmL8Vio
母「男君♪夕飯何がいい?」

男「任せる…つか、どしたの?」

母「父君がね〜、予定より早く帰ってきてくれるんだって♪」

男「ああ…そう」

母「でね〜、帰りに外で一緒に食べようって♪」

男「(教育上いいのか?それ)」

男「なんでもいいよ。母さんの料理は美味しいからさ」

母「やぁだ、男君嬉しい言ってくれるんだから!!」

男「うん。わかったから」
29: :2012/8/28(火) 22:28:04 ID:.7pdmL8Vio
皆様こんばんは
1です

皆様のご支援のお陰でなんとか2スレ目に突入することが出来ました
当面の問題は書き方ですが、まだ先は長いのでのんびりやっていこうかと思います

>>27

ありがとうございます
なんとかなるもんですな。支援に合わせ感謝です

今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
30: :2012/8/29(水) 17:33:27 ID:mucch7CT5s
数十分後

そこにはホカホカと湯気をたてて旨そうなシチューが机の上に鎮座していた

鍋いっぱいに

男「・・・」

なるべく母さんの負担を減らすためにシチューを提案したつもりだが、しっかりサラダやステーキ等の盛り合わせをつけているあたり流石と言いたいが…

男「まさか…こんなに食えってか?」

自分はかなり食べる方だが、流石に鍋いっぱいはきついものがある。とするとこのシチューは翌日まで持ち越すのだろうか。カレーなら1日置いておけばそのぶん旨味やコクがでるがシチューに関してはまるでわからない

男「とにかく…食べるか」
31: :2012/8/29(水) 17:39:27 ID:MPgyKButMg
男「・・・」モグモグ

男「・・・」ズズズ

男「・・・」モシャモシャ

男「・・・」ズズズ

男「あ、シチュー無くなった」

男「・・・」カチャカチャ

男「・・・」ズズズ

男「・・・静かだな」

男「こんなとき…女がいてくれればな…」

男「って、何考えてんだか…」

ピンポーン

男「ん?誰だ?」
32: :2012/8/29(水) 17:41:51 ID:MPgyKButMg
男「はい?」ガチャ

女「よう」

男「・・・なんでいるんだよ」

女「ちゃんとインターホンは鳴らしたぞ?」

男「とにかく、あがれよ」

女「ふむ、いい匂いがするな」

男「ああ、母さんがシチュー作ったんだ。食うか?」

女「いただこう。お母様のお手製なら何も問題はない」
33: :2012/8/29(水) 17:49:20 ID:uniFqLdXcw
机を挟み女とシチューを食べる。静かなのは変わらなかったが、なんとなく空気が軽くなった気がした

男「で、なんで来たんだよ」

女「来てはいけないか?」

男「別にいいけどよ…」

女「そうだな…強いて言うならなんとなくお前に会いたくなった…かな」

男「!!」

男「はは、なんだそりゃ…」

口では軽く言うものの、俺は女を直視出来なかった
どうしようもなく嬉しかった。嬉しさでにやけてしまうほどに

しかしそんなのを女に見られたが最後、確実に弱みを握られる。それだけは絶対に避けたかった
34: :2012/8/29(水) 17:57:09 ID:uniFqLdXcw
下を向いて思案していると、背後に人の気配がした
振り替える前に抱き締められ耳元で囁かれる

女「全く…お前は本当に馬鹿だな…お前の顔を見れば一目瞭然だ」

男「・・・」

女「安心しろ。私がいる」

その言葉を聞くと同時に立ち上がり後ろを振り返り女を抱き締める
女は呆気に取られていたようだが、すぐに元に戻り背中に手を回し、子供をあやすかのように背中を軽く叩き始めた

女「とんだ大きな子供だ」

楽しそう呟くそれに俺は抱き締める力を強くして抗議する

女「こらこら、わかったから力を緩めろ。痛いじゃないか」
35: :2012/8/29(水) 18:05:13 ID:uniFqLdXcw
女をから離れ少しの間見つめ会う
女は腰に手を当てながら

女「落ち着いたか?」

男「・・・まあな」

女「ふふ、ホームシックならず構ってちゃんか?」

くくくと笑いながら女が問いかける。構ってほしいと思った事はない。失敬な

男「寂しがる時だってあるだろ。人間なんだから」

女「まあ、そういう事にしておいてやろう」

どこか腑に落ちない言い方だが気にしたら負けだと思いあえて言わないでおく

女「私はお前の為ならどこへでも駆けつけるからな」

確信。そう呼ぶに相応しい光を目に宿しながら強い口調でいい放つ
全く、相変わらず変に自信家なんだから…まあ、それがこいつと一緒にいて安らぐ、一緒にいたい理由なんだけどな…
36: :2012/8/29(水) 18:12:39 ID:MPgyKButMg
男「もういいのか?」

玄関で靴を履きながら私に問いかける男

女「ああ…だいたいの用事は済ませたからな」

まあ今回のは完璧な予感であり、予定ではなかったからな

男「その…ありがとな」

多少言いにくそうに声を小さめにして礼を述べる男。どうやらまだ恥ずかしさが残っているらしい…押し倒したい

女「気にするな。ただし、今度は呼べよ?」

理性を総動員してなんとか男を押し倒す気持ちを抑え、携帯をちらつかせて確認をする

男「ああ…そうだな」

よし。これでこの家に入る名分がまた出来た

女「ではな、暑いからといってあまり体を冷やすなよ?」

男「お前もな、道中変な奴に絡まれるなよ」

女「問題はないさ」

男の気遣いに感謝しつつ、私はドアに手をかけた
37: :2012/8/29(水) 18:21:40 ID:uniFqLdXcw
女「・・・」

街灯が照らす夜の道をゆっくり歩き続ける
8月が終わり、暦上では秋になったはずだが、この時期は夜はまだ蒸し暑いらしい
タンクトップでも十分なのだから余程暑いのだろう

女「・・・」

ピタリと立ち止まり一度振り替える
男が寂しがっていると感じで男の家にいったが、本当は私が男に会いたいだけだったのかもしれない

女「強く見えてるようで実は脆い…か」

いつかに友に言われた言葉を呟く。言われた時は何も感じなかったが、時間が経つにつれいい得て的を射ていると感じるようになった

女「男…私達はやはり、似た者同士なのかもしれんな」

男の出会いを思い出しながらまた歩き始める
私達の出会いは偶然だったのか、それとも似た者同士だから引き合わせたのか

いずれにせよ私がここにいて男がここにいる
それでいいと思う
38: :2012/8/29(水) 18:26:26 ID:uniFqLdXcw
女が帰った後、家にはまた静寂が訪れた

男「・・・」

だが、寂しいとは思わなかった…いや、思っちゃいけなかった
何故なら先程礼を言ったときに、完璧に女の目は狩る者の目をしていた

男「バリケード…しとくか?」

女には感謝している
している…が、やはり怖いものは怖い

男「まあ、なんにせよ寝るか」

戸締まりをチェックし、ベッドに入り眠りについた
39: :2012/8/29(水) 18:38:08 ID:uniFqLdXcw
翌日 学校

友「・・・」

男「だー!!服を脱がすな!!そんなところ触るな!!肌を擦り付けるな!!」

女「ふふふ、だが体は正直だな?物欲しそうにしているではないか?」

後輩「駄目です先輩!!そんな汚ならしい汚物を触っちゃいけません!!」

男「お前かなり失礼!!」

僕が学校に着くと、いつも通りの光景が広がっていた。夏休みを挟んで少しグレードアップしてる気もするけど、まあどうでもいい
自分の席に鞄を置き、挨拶を済ませておく

友「おはよう、幼さん」

幼「おはよう♪友君」

友「今日も平和だね」

幼「そうだね〜」

男「お前らこれをみて平和だと思うのかよ!!」
40: :2012/8/29(水) 18:44:11 ID:uniFqLdXcw
男「あー、疲れた」

ようやく女から解放されて机にうなだれる
くそっ、朝からなんでこんなに疲れなきゃいけないんだ

女「もうスタミナ切れか?情けないぞ男」

腰にまとわりつく後輩の頭を撫でながら女が言ってくる

後輩「しょうがないですよ♪男さんはかなりのヘタレ粗チン野郎ですから♪」

撫でられてご満悦な後輩は可愛い顔してとんでもない毒を吐き捨てやがった

幼「粗チンって何?」

友「男性に対する最上級の罵倒みたいなものだよ」

相変わらずの天然を発揮する幼にそれを丁寧に説明する友。タイトルで主要人物なのにいまいち出番が少なかっ…

友「男、それ以上言ったらもぎ取るよ」

・・・夏休み明けに読心術を会得したらしい。おおこわいこわい
41: :2012/8/29(水) 21:49:30 ID:VL6ZnMwTdA
友「それで、文化祭の件なんだけど…」

女「ああ、書類なら受け取った。問題ない」

友「ありがとう」

男「そういや、お前文化実行委員だっけ」

友「こんな時くらいしか出番ないからね」

男「作者の陰謀」ボソッ

友「何か言った?」

男「何も」
42: :2012/8/29(水) 22:04:36 ID:mucch7CT5s
友「そうだ、渡した原案に多少変更があるんだ」

女「ふむ」

友「まずこの来場客の受付だけど…」

後輩「いい雰囲気ですね〜?」ニヤニヤ

男「何が言いたい」

後輩「別に〜?友先輩みたいな人が先輩にお似合いだな〜って」

男「それは無理な話だな。友には好きな奴がいるから」

後輩「ええ!?だ、誰ですか!?」

友「そこ、うるさい」

後輩「あ、すみません…」

男「ホント、俺以外には素直だよな」

後輩「男さんにも素直ですよ。自分に」

男「自分かい」
43: :2012/8/29(水) 22:10:51 ID:mucch7CT5s
後輩「なんかこう、馬が合わない人っているじゃないですか」

男「まあ、いるな」

後輩「そんな感じです」

男「そうかい」

友「でね、やっぱりここを来賓受付にするとどうしても来場客と被って混雑すると想うんだ」

女「しかし、来賓には別の受付を用意するというのはあまり承諾しかねるぞ?」

友「うん。それで、こうすればいいんじゃないかな」

女「・・・なるほど」

友「これなら大丈夫でしょ」

女「ふむ、概ね捌けるな」

男「この場所だと、生徒入り口が狭くならないか?」

友「それに関しては学年ごとに違う入り口を用意してあるから」

男「うわ、めんどくさ」

友「・・・これ考えたの女さんだよ?」

後輩「男さん…あの世に旅立つ準備は出来ましたか?」

男「・・・」
44: :2012/8/29(水) 22:15:05 ID:mucch7CT5s
女「まあ落ち着け後輩」

女「すまない男、やはり学校では個人より大勢の意見を優先しなければならないからな」

男「いや、不満はないけどさ」

後輩「嘘だー、どうせ心の中で不満垂れ流してますよ」

男「あのなぁ…」

女「まあどうしても不満だというなら…」

男「ん?」

女「体で満足させてやるが?」

男「慎んで遠慮いたします。見事な配置お見事です」

女「まあ確定事項だがな」

男「おい!?」

後輩「先輩が抵抗出来ないのをいいことに…最低!!」

男「どうしてもこの扱いなんだな。慣れたけどさ」
45: :2012/8/29(水) 22:21:51 ID:mucch7CT5s
男「でも文化祭って10月だろ?今からしっかり決めなくてもいいんじゃないか?」

友「石垣はより強固に造れば、城を落とすのは難くなる」

友「つまり今のうちから準備をしておけば、当日が近づいてあたふたすることがなくなるって事」

女「それに前回の反省もあるしな」

男「ん?前回?」

幼「前回って何か失敗したっけ?」

友「多分、幼さんが考えている前回と女さんが考えている前回は違うと思うよ」

後輩「流石先輩!!わかる人にしかわからない範囲でメタ発言をする!!そこに痺れる憧れるぅ!!」

男「そして空気の読めない発言をする後輩であった」

後輩「貴方に言われたくありません!!」
46: :2012/8/29(水) 22:28:42 ID:VL6ZnMwTdA
皆様こんばんは
1でございます

今日の投下を終了をお知らせします
更新率なんとかしなきゃな見てくださってる方々に申し訳ありませんね


見てくださった方々
ありがとうございました!!
47: :2012/8/30(木) 11:14:48 ID:QoV99feevk
友「とまあ、色々な反省点を踏まえつつ企画していこうというわけだよ」

男「んー、まあ了解」

友「クラスごとの出し物や出品出店はある程度は限定されるけど最終的には全部僕の所に集まる予定だから」

男「ほほう?それはつまり事前にどこのクラスが何をやるかわかるということか…」

友「わかるのは僕だけだし、見せるつもりもないから」

友「後輩、この時期辺りからはどこのクラスも話し合いとかで忙しいだろうし、自分のクラスに戻ったら?」

後輩「わかりました!!友先輩!!」

後輩「それでは失礼しますね、幼先輩。先輩」

女「ああ」

幼「じゃあね〜」
48: :2012/8/30(木) 11:19:33 ID:QoV99feevk
男「それで、うちは何をやるつもりなんだ?」

友「・・・」

男「まさかのノープラン?」

友「いや、喫茶店なんかでいいんじゃないかな…」

男「鉄板過ぎるだろ。大体どこの場所でも取り合いになるわ」

幼「はい!!お化け屋敷!!」

男「高校生にもなってお化け屋敷はきつくないか?」

女「そうだな、我が校風や歴史を皆で調べた物を教室一面に貼り…」

男「そんなところには入りたくない」

友「ちなみに、女さんと幼さんの案は既に出てるよ。企画段階だけどね」

男「どんだけ客離れさせたいんだよ…」
49: :2012/8/30(木) 11:25:01 ID:V9s2qbYObw
女「そういう男は何か案があるのか?」

男「あるっちゃある」

男「うちのクラスは手先が器用な奴が多いし、それなりに大抵の事をこなせるだろ?」

友「確かに…」

幼「なんか…男君がまともな事言ってる!!」

男「それらを踏まえて…五分間クッキングなんてど…」

女「やはり需要があるとしたら喫茶店か?」

友「喫茶店はかなりの激戦になるからね…インパクトが大事だよ」

幼「先着十名様は無料!!とか?」

友「それじゃあ少なすぎるよ」

女「せめて人数を増やして割引が安牌だろう」

男「・・・俺の意見は虫か?」
50: :2012/8/30(木) 11:30:26 ID:QoV99feevk
女「ほう、お前の意見は虫だったのか?」

男「違う、俺が間違えたんじゃない」

友「どちらにせよ、クッキングは経費がかかりすぎるから却下」

男「んなこと言ったら喫茶店だって経費がかかるだろ」

友「インパクトがでかければ、学校もそれなりに出してくれるよ」

男「こいつ…学校にたかる気まんまんだな…」

幼「うむむ…インパクトかぁ…」

女「・・・」

男「執事…とか」

友「・・・」

男「なにその可哀想な動物を見るような目。見んなよ、俺を見んなよ」
51: :2012/8/30(木) 21:13:19 ID:MPgyKButMg
女「いや、案外いいかもしれない」

女「他校からの生徒の来場も許可はしているし、若年層が多いだろう」

女「インパクトとしては十分ありだろう」

友「でも執事をするには圧倒的に男子が足りないよ」

男「女子から見目がいいのを何人かチョイスして男装させればいいんじゃねーの」

幼「ふええ!?だ、男装!?」

女「ふむ、スーツか」

男「案外お前とかスーツ似合いそうだよな」

女「・・・本当か?」

男「へ?」

女「私は…スーツが似合う女か?」

男「多分そこらへんの奴よりは似合うだろ。凛々しいし、格好いいし」

女「・・・そうか」
52: :2012/8/30(木) 21:19:36 ID:uniFqLdXcw
友「まあ、執事喫茶店は案に入れるでいいかな?」

文化祭のプランが書いてあるらしきプリントをはためかせながら友が聞いてくる。俺に聞くな

女「いいのではないか?」

俯きながら友の案を推す女。それにしてもなんでこいつ俯いてるんだ?まあ、大体理由は察してるが

女「・・・///」

幼「女ちゃん。顔赤いよ?保健室いく?」

女「な、なななんでもない!!気にするにゃ!!」

思いっきり動揺されておられる

友「とりあえず、他のクラスも出揃わないとなんとも言えないからね」

男「そうしてくれ。決まった時に色々準備をしやすいだろうしな」
53: :2012/8/30(木) 21:27:05 ID:uniFqLdXcw
放課後

男「さて…どうするかな」

文化祭の時期が近いとはいえ、まだまだ余裕があるため、部活にいくもの、友人と雑談するものがちらほらいる。用事があるというのは良いことだと勝手に解釈しているが、生憎俺の辞書には用事がたくさんという項目は無いらしい
何もすることがないので家に帰ろうとすると

女「・・・」

女が俺の裾を掴んでいた。なんだそのアピールは、無言か?無言のアピールか?少しだけキュンとしちまったじゃねーか

女「あ、あの…だな」

言いにくそうにどもりながら明後日の方向を見る女。いけませんねぇ、人と話すときはその人の目を見てと習いませんでしたか?
周りに気づかれないように素早く女の顎に手をあてこちらを向かせる

女「あ…///」

思った通り、頬を紅潮させて恥じらっておられる

男「何?なんか用か?」

わざとらしく目を見ながら問いかけると

女「う…あの…だな」

視線を泳がせ、しどろもどろになる女。すごく…焦れったいです
54: :2012/8/30(木) 21:33:04 ID:uniFqLdXcw
女「お母様は、その、スーツを所持していただろうか?」

男「母さんが?」

記憶を探り思い出してみる。確かクローゼットの中に数着あったはずだ

男「少しな。何?着たいの。」

女「め、迷惑だろうか?」

男「そんなことねーよ」

女の頭をポンポンと軽く叩きながら

男「お前のスーツを似合いそうだって言ったのは俺だし、見たいって思ってたからな」

女「そ、そうか?」

顔を輝かせて喜色を見せる
本当にこういう所はわかりやすいのな

男「まあ…俺も気になるしな」

この時間。おそらく母さんが帰っているだろう
つまり、スーツを着させろと言ったら当然カメラ片手にホイホイついてくるわけで…

半狂乱になりながらシャッターを切り続ける母さんの姿を想像しながら女と一緒に家に向かった
55: :2012/8/30(木) 21:41:11 ID:uniFqLdXcw


男「というわけなんだが」

母「任せなさい」

家に帰りに、母さんに簡単な説明をすると、すぐにスーツを数着持ってきてくれた。もちろんカメラを携えて

母「女ちゃんは背が大きいからメンズ物でも着れると思うけど、やっぱりレディースの方が着心地がいいのよね」

男「具体的にメンズとレディースの違いって何?」

母「作ってる会社によるけど、腰回りと胸回り、それから素材ね」

母「メンズは体格とかがそこそこいい人向けだから多少大きく作られてるんだけど、レディースはお母さんみたいな小さ…低身長の人にも着れるようにサイズを調整してるの」

男「ふーん、つまり女にはレディースよりメンズがいいと?」

母「サイズ調整すればいけると想うんだけど…ちょっと待ってて」
56: :2012/8/30(木) 21:47:00 ID:MPgyKButMg
母さんはスーツを漁った後に、一枚のスーツを取り出した

母「これ、着てみて」

そのスーツはサイズは女にあっていたが、母さんが着るには少々大きいサイズだった

男「・・・母さん?」

母「だってしょうがないじゃない!!女ちゃんの身長と私の身長を一緒にしないでよ!!あ、それと男君は出てった!!」

男「なんで?」

母「・・・女ちゃんの着替え、見たいの?」

男「お邪魔しました」

バタンと音を立てて引き戸を閉める
危ない…危うく変態の仲間入りをする所だった
57: :2012/8/30(木) 21:52:15 ID:MPgyKButMg
母「どんな感じ?」

女「少し…違和感が」

母「あちゃーやっぱ駄目か…じゃこれは?」

女「えっと…こうですか?」ゴソゴソ

母「そうそう、どんな感じ?」パシャッ

女「えっと…スカートが短すぎやしませんか?」

母「あ、その恥じらうように抑える仕草goodよ」

女「あの…」

母「じゃあ…次これ」

女「こ、こんなフリフリなのが!?」

母「大丈夫!!女ちゃん可愛いから何着ても似合う!!私を信じて!!」

女「し、しかし…これは」

母「貴方が信じる私を信じなさい!!」

男「こりゃ…完璧に着せ替えスイッチ入ったな…」

母「やーん♪可愛い〜♪」パシャッパシャッ
58: :2012/8/30(木) 22:14:36 ID:MPgyKButMg
数分後

母「お待たせ〜♪」

ご満悦な顔で引き戸を開ける母さんに

男「出来は?」

母「もうヘブン物よ」

親指を立てながらウィンクをかます
なるほど、相当な出来栄えらしい
部屋の奥を見ると、女が立っていた…スーツ姿でメガネをして

女「ど、どうだろうか…」

男「・・・」

母「おやおやぁ?見とれて何も言えないかなぁ?」

母さんの冷やかしはともかく、一瞬誰かわからなかった
メガネをかけているから知的なイメージがあるのに少しだけ涙目で恥じらう姿はいつもの女とはまるっきり正反対でそのギャップが良くて…

女「へ、変だろうか…」

男「そんなことない!!」

自分でもびっくりするくらいの強い肯定

男「うん…似合ってる…」
59: :2012/8/30(木) 22:22:32 ID:uniFqLdXcw
なんだか俺も恥ずかしくなり赤面してしまうが、ここである重要な事を思い出す

男「って、これは文化祭用のなんだからこんな可愛いくちゃ駄目だろ!?」

母「ふっふっふ…まだわかってないようね…」

男「なんだと…!?」

母「どう?女ちゃん」

女「はい…先程に比べれば大分慣れました」

母「さあ、そこでセリフを一発!!」

女「では…いらっしゃいませ、お嬢様」ニッコリ

反則だ
何がとは言わない
反則だ

先程までの可愛らしさから一転、凛々しさ気品さを出している見事な執事になっていた

母「ね?二度おいしいでしょ?」

鼻血を出しながらシャッターを切りまくる母さん

母「しかも…初見限定…」

恥じらう姿と今の姿を比べ、俺は気を失った
60: :2012/8/30(木) 23:09:04 ID:bNgsl92qwg
「こ…とこ…」

誰だ?俺を呼んでるのは…

「起…ろ…とこ」

寝かしてくれよ。俺はもう眠いんだよパルシオン

女「起きろ男!!」

男「そぉーい!!」

大きな声にびっくりして飛び起きる
気がつくと俺は女に膝枕をされていたらしい

女「しっかりしろ」

男「あ、ああ…悪い」

ゆっくりと体を起こしながら今までを思い出す
そうだ…確か女のスーツを見て…

そこまで思い出した時、どうしようもなく恥ずかしくなり、女から顔を逸らしてしまった

男「わ、悪い…」

女「気にする事はないさ…それより」

女「気絶するほど、悪かったか?」

男「は?」

一瞬、女が何を言っているのかよくわからなかったが、スーツ姿の事だと理解して急いで取り繕う

男「そ、そんなことねーよ!!大丈夫だって!!俺が客だったらマジで指名したいくらいだったから!!」

女「そうか…///」

男「あ…うん…」

しばしの沈黙…く、気まずい!!
61: :2012/8/30(木) 23:13:47 ID:bNgsl92qwg
女「お、お母様は買い物にいかれたぞ。お前を頼むと」

男「あ、そうなんだ」

空気を変えようと気を使っているが、完全にしらけている。顔が強ばっているため何を言っても無理だろう

男「なあ…さっきのなんだけどさ…」

女「それがどうかしたか?」

男「いや…凄い似合ってたからさ…その、もう一回いいか?」

女「・・・いいだろう」

女「向こうを向いててくれ」

男「あ、ああ」クル

女「・・・」シュルパサッ
62: :2012/8/30(木) 23:18:57 ID:8t7JqUWKX2
女「できたぞ…」

男「おう…」

振り返ると、そこには先程目にしたスーツ姿の女が立っていた。さっきと違うのはメガネをかけていないことか

男「あのメガネ、伊達なんだよな?」

女「耳が疲れるんだ。お前が望むならつけるが?」

男「いや、つけなくてもいいよ」

そういいながら女に近づき、髪を撫でる

女「あ…」

男「やっぱり…似合う」

女「ん…おと…こ」

髪を撫でながら耳元で囁くと、くすぐったいのか目をキュッと瞑った
その反応が可愛くて腰に手を回して抱き締めた
63: :2012/8/30(木) 23:24:16 ID:bNgsl92qwg
女「男…」

熱っぽい瞳で俺を上目遣いで見上げてくる女
その距離はごくわずかで肌と肌が擦れあうくらいだった

男「女…」

俺はそのままゆっくりと女に口づけをする

女「ん…ふふ」

女は嬉しそうにそれに応えながら

女「この格好だと…何やら新鮮だな」

男「・・・」

女「ん…んむ」

そんなこと言う女が可愛くてもう一度口づけをする。今度は舌を絡ませる激しいやつ

女「んむ…はぁ、男ぉ…//」

俺の中でなにかが膨れ上がっていくのを感じた
独占欲とか征服欲とか、とにかくそんなものが大きく膨れ上がり…もう一度キスをしようとしたとき

母「たっだいまー♪」
64: :2012/8/30(木) 23:27:58 ID:bNgsl92qwg
玄関のドアが開き、元気な母さんの声が聞こえてきた
その声で今まで何かに操られていたような雰囲気は一気に壊れ

男「っ!!/////」

女「っ!!/////」

気がついたらお互い顔を真っ赤にして背を向けあっていた

母「聞いて聞いて!!お野菜がいつもより安くて…あり?」

母「何かあった?ていうか、また女ちゃん着てるの?でもメガネが無いのも…」ジュルリ

相変わらずの空気クラッシャーだが、この時ばかりは母さんに感謝した。もしあのとき母さんが帰ってこなかったらどうなっていたか…
65: :2012/8/30(木) 23:31:44 ID:bNgsl92qwg
そのあとは適当に雑談をしたりしつつ女を家に帰した
女が帰った後、母さんに

母「ふふふ〜、浴場するのは構わないけど、時間帯考えようね〜?」

こんなことをニヤニヤしながら言われた
確かにまだ陽は明るかったので心底安心した
その後は母さんに冷やかされつつも孫は何人欲しいだの、しっかりリードしてやりなさい等を言われつつ夕食にした

明日、女に会ったときにいつも通りに振る舞えるだろうか…それだけが気がかりだった
66: :2012/8/30(木) 23:34:20 ID:8t7JqUWKX2
皆様こんばんは
1でございます

地の文…すごく難しいですね…小説体で書いている人は本当に尊敬します

でもやっぱり地の文ってかなり便利ですよね
表現がしやすいしやすい

それでは、本日の投下を終了させて頂きます
見てくださった方々
ありがとうございました!!

67: 1(誤字大杉申し訳ありません):2012/8/31(金) 15:00:58 ID:8mM/cVN3gE
翌日

友「つまり、スーツ姿の女さんに改めて惚れ直して寝てる間も浮かんでは消えを繰り返して起きてるんだか寝てるんだかわからないまま朝を迎えたと」

男「体は寝てるのに、脳は起きてるって状態だな」

友「ふーん」

男「今日は女が生徒会関係で早めに学校に言ってて本当に良かった…」

友「あ、そうそう。通ったよ執事喫茶」

男「へ?」

友「執事喫茶。うちのクラスで出店ね」

男「マジで?」

友「この時期にしては、かなり早めの決定になったからね、他のクラスもボチボチ出揃ってきてるみたいだし」

男「なんか…今年はやる気あんのな」

友「そうみたいだね…PCを使ってのプログラミングの技術応用とかもやるらしいし」

男「まあ…最後だしな」
68: :2012/8/31(金) 15:11:59 ID:8mM/cVN3gE
友「感傷に浸るのはいいけど、折角早く決まったんだし準備はしっかりね」

男「おう」

ガラガラ

女「おはよう、皆」

男「!!」ガタッ

友「なんで反応してんの」

女「友、全てのクラスの出店が決まったぞ」

友「早いね…どれどれ」

友「・・・うん。いいと思うよ」

女「じゃあこれに先生の印を押してもらってきてくれ」

友「了解」

女「さて、それじゃあ私達も頑張るか」

男「あれ?そういや生徒会からは何もやんないのか?」

女「うむ…見回りを提案したんだが…」
69: :2012/8/31(金) 15:16:06 ID:8mM/cVN3gE
10分前

副会長「はあ?見回り?」

女「ああ。いいと思うんだが…」

会計「お言葉ですが、会長。何かゴタゴタがありましたっけ?」

女「騒動は無かったが、毎年そうやって油断するのは良くないだろう」

庶務「風紀委員に任せとけばいいんじゃないですか?」

女「生徒会は後ろで命令しているだけと思われたくないからな」

副会長「んなことしなくても大丈夫だろ」

女「なら私が自主的に…」

全員「それは駄目(です)」

女「!?」
70: :2012/8/31(金) 15:27:21 ID:CsZ7SsDZ/w
副会長「お前な、高校生活最後の文化祭なんだぞ?思い出を残そうとしろよ」

女「見回りも十分な思い出に…」

会計「甘すぎますよ会長。楽しい時間なんて一瞬で過ぎる物です」

女「・・・否定はしない」

庶務「ていうか男さんとの思い出を作りましょうよ」

女「・・・」

書記「会長…男さんと一緒…凄く楽しそうだから」

書記「だから…一緒じゃないと…駄目」

女「皆…」

副会長「普段役に立たない風紀委員をこきつかって見回りはどうにかするから、お前は自分の事を考えろ」

女「・・・」
71: :2012/8/31(金) 15:30:59 ID:CsZ7SsDZ/w
女「というような事があってな」

男「生徒会メンバーのヌクモリティーの本気だな」

女「皆の思いを無下にするような事はできないからな…少しだけ素直になってみる事にした」

男「それがいいんじゃないか?文化祭くらい力を抜いてこーぜ」

女「男…」

女「ちなみに今の抜くという単語は…」

男「素直になるのは悪くないけど、少しだけ、な」

女「・・・ケチ」

男「お前を解放したら、お前を崇拝してる奴らから死人が出るわ」
72: :2012/9/1(土) 07:22:35 ID:i8W2P4ZWyk
女「さて、やることも決まったし。そろそろ本格的に準備をするか」

男「早くないか?」

女「男、この世界では通常の三倍のスピードで時間が進むのだぞ?」

男「なにそれ怖い」

女「つまり、ボーッとしていたらいつの間にか文化祭が終わっていたなんて事もあり得る!!」

男「ウソダドンドコドーン!!」

女「とまあ、冗談はこれくらいにして」

男「冗談なのかよ」

女「時間が進むのが早いのは本当だが、三倍ではない」
73: :2012/9/1(土) 07:28:44 ID:5UyKhw0emw
女「決めるのは、メニュー、衣装、それと…接客か?」

男「執事なんだから笑顔でお嬢様とか言ってればいいんじゃねーのか?」

女「甘い!!」

男「うおっ!?」

女「微笑んで心にもない戯れ言を言うのなら小学生にでも出来る!!」

男「そんな腹黒い小学生は嫌だな」

女「ここは工夫を加えて独創性を出した方がいいと思うんだが」

男「独創性…ねぇ」

男「いっそのこと男装させた奴だけを前に押し出して、残りはヘルプとかで入るとかどうだ?」

女「・・・」

男「何か言えよ!!」
74: :2012/9/1(土) 07:34:40 ID:5UyKhw0emw
女「いや…案外いいかもしれん」

男「まさかの乗り気!?」

友「独創性という観点からならこれ以上ない案だと思うよ」

男「そしてお前はどこから生えた?」

友「失敬な、ちゃんと戻ってきたんだよ」

友「女の子が男装していると言うなら、同じ性別の女の子が入りやすいし、ある意味男より男らしい人もいるし(口調とか)」

男「・・・ああ」

女「?」

友「とにかく、客層を広げるのと呼び込みが一度に出来るいい案だと思う」
75: :2012/9/1(土) 07:41:12 ID:5UyKhw0emw
女「その口振り…何か裏がありそうだな」

友「まあね…最悪客の固定化が起きちゃうかもしれない」

男「なんだそれ?」

友「簡単に言うと、同じ人が何度も長い時間居座る事だよ」

男「なるほどな、常連気取りがくるわけか」

友「流石にそんな横柄な態度をとるような人はいないと思うけど、やっぱり同じ人が何度も来るっていうのは体裁が悪いからね」

女「ふむ…ならば午前午後と人員を分ければいいのではないか?」

友「それは考えてあるよ。ちなみにこのままだと二人は同じ時間に働いて、自由時間が出来るけど…いい?」

女「勿論だ」

男「異論はないな」

友「そう言うと思ったよ…じゃあ文化祭まで頑張って準備していこう!!」
76: :2012/9/1(土) 23:01:58 ID:LGMHK2442.
男「・・・全員一致団結して準備しようって切った所で、どうするんだ?」

男「まさかなんの変哲もない準備を繰り返すだけなのか?」

友「まさか、ちゃんと手は打ってあるよ」

男「お前は何者なんだよ」

友「どうして作者が普段滅多に使わない地の文を使ったと思う?」

男「表現のしやすさか何かだろ」

友「残念ながらそれは間違いだ」

男「なんでだよ」

友「作者が地の文を使い出した理由…それは!!」

友「普段滅多に書かないエロを書くため!!」

男「いい病院を紹介しますね」
77: :2012/9/1(土) 23:07:02 ID:LGMHK2442.
男「ていうか、いきなりお前どうしたの!?お前はそんな事を声高に宣言するようなキャラじゃないだろ!?」

友「しょうがないじゃないか」

男「何がしょうがないだよ。本編とまるで関係無いだろ!!」

友「いやいや、本編に織り込む形で収録するよ?文化祭編までの繋ぎみたいな物で」

男「・・・なんか、自棄っぱち感が漂っているんだが」

友「まああれだよ。ただイチャイチャしてるだけのSSに潤いをもたらそうとした粋な計らいだよ」

男「そんな潤いこっちから願い下げだよ」

友「いい案だと思うんだけど…ねえ?女さん」

女「・・・」

友「女さん?」
78: :2012/9/1(土) 23:11:35 ID:LGMHK2442.
男「こ、こいつ…いっそ清々しい程までに無表情だ」

友「なるほど、突然の方向性カミングアウトに思考がブラックアウトしたんだね」

女「地の文?…エロ?…表現?…潤い?…ふふふ」

女「それはつまりあれか?私と男の濃い1日を無修正でお送りしますというわけか!?」

男「もう止めて。このSSのライフはもう0だ」

友「じゃあ僕達は準備の話し合いしてるから…ゆっくり…ね?」

男「おい!!友!!待て!!」

女「男…」ユラリ
79: :2012/9/1(土) 23:17:13 ID:vIZmfe15Hw
フラフラと近寄ってくる女から思わず後ずさる
両手をダランと力無くぶら下げながらも、しっかりとした足取りと視線はさながら幽霊を思わせるようで俺は思わず尻餅をついてしまった

立とうにも腰が抜けてたてずに、手で這いながら後ろに下がるといった具合だった
ちなみにクラスメートは全員見てみぬふりをしている。薄情な奴らめ

ついに背中が壁に当たりこれ以上下がれなくなった所で、女の顔が目前まで迫ってきた

男「っ!!」

覚悟を決めて目を瞑る
もうどうにでもなれだ、どんとこい
80: :2012/9/1(土) 23:22:55 ID:vIZmfe15Hw
男「・・・?」

しかし、いつまで経っても何も起こらなかったので怪訝に思い目を開ける。その瞬間にフワリとした感覚が体を包み、女に抱き締められていると体が判断するのに時間はかからなかった

女「友の気遣いは非常にありがたい…しかし、いくら私とてTPOはわきまえているつもりだ」

俺の肩に顎を乗せるような体制で女が呟く
それを聞いた俺は、安堵と、心のどこかでそういう展開を期待していた自分がいるのがわかってかなり恥ずかしかった

男「・・・そうだな」

恥ずかしさを隠すように女を抱き締め返す
女は微笑みながら返してくれた
81: :2012/9/1(土) 23:27:29 ID:vIZmfe15Hw
男「おい友」

友「ん?」

男「まさかとは思うが…お前」

友「ごちそうさまでした」

男「てんめぇぇぇ!!」

友「冗談だよ。もうすぐ放課後だから一緒に帰ろうか」

男「ったく…わかったよ」
82: :2012/9/1(土) 23:45:47 ID:vIZmfe15Hw
放課後

男「そういや、こんな風にお前と帰るの久しぶりだな」

友「まあね」

男「今思えば懐かしいな〜」

友「時間が経つのは早いからね」

男「んなおっさんみたいな事を言うなよ…」

友「ねえ、いつから女さんを意識しだした?」

男「突然なんだよ」

友「いいから」

男「・・・俺が記憶を失った辺りからかな」

友「・・・」

男「あいつさ、強いけど弱いんだよ…矛盾してるけど…何て言うのかな…」

友「男が女さんにしたこと、言ったことは女さんの世界を変えたからね」

男「まさか俺も人の世界を変えるなんて思ってなかったよ」

友「本当に…懐かしいね…」

男「・・・ああ」
83: :2012/9/1(土) 23:49:37 ID:vIZmfe15Hw
友「女さんのこと、ちゃんと守らないとね?」

男「わかってるさ」

友「文化祭、上手くいくといいね」

男「お前はまたそんなフラグを建てる」

友「大丈夫大丈夫」

男「そうだな。上手くいかせなきゃな…」

友「うん。じゃあね」

男「おう。また明日な」
84: :2012/9/1(土) 23:55:53 ID:vIZmfe15Hw
翌日

男「ういーす…ん?何かもめてんのか?」

女子「あ、男!!男はどう思う?」

男「んー?」

男子「喫茶店のメニューなんだけど、飲み物と食べ物を両方出したら数点しか出せないんだ」

男「それでいいんじゃないか?」

男子「良くないよ!!品数が少なかったら宣伝もできないじゃないか!!」

男「そこは執事達の色気でカバーだろ」

男「大体、執事喫茶なんだからメニューをあてにしてる奴らなんて少数なんだから」

男子「・・・ああ」

男「問題はメニューの中身だろ」

男子「あ、ああ…一応仮で決まったんだけど…」

男「・・・」ピラッ
85: :2012/9/2(日) 00:01:25 ID:vIZmfe15Hw
男「・・・まあ、このサンドイッチ、コーヒー、紅茶に関しては目を瞑るとして」

男「コーラにカレーってなんだよ。しかもオムライスって」

男子「駄目か?」

男「駄目すぎだろ。執事なのになんでカレーなんだよ。なんでコーラなんだよ。なんでオムライスなんだよ。メイド喫茶にでもいけよって話になるだろ」

男子「でも、喫茶店の定番だし…」

男「それが駄目だって言ってんだよ。定番に乗っかってどうすんだよ」

ガラガラ

友「おはよう…どうしたの?」

男子「友〜助けてくれー」
86: :2012/9/2(日) 00:10:43 ID:LGMHK2442.
友「ふーん、定番メニューね」

男「頼むよ孔明」

友「誰が孔明か」

友「つまり…定番じゃなければいいんだよね」カキカキ

男子「?」

友「はい。コーラに関してはとりあえずメニューから削除して、今のところはこれでいいでしょ」

男「お嬢様の為に真心を込めてお作りいたしました。執事お手製カレー。お嬢様の笑顔が私達の宝となります。執事特製オムライス。お嬢様の事だけを考えてお作りいたしました。執事お手製サンドイッチ」

男「・・・お前」

友「嘘は書いてないよ」

男子「おお!!これなら出せそうだ!!サンキュー友!!」

友「どういたしまして」
87: :2012/9/2(日) 00:15:43 ID:LGMHK2442.
男「お前は何してたんだ?」

友「ん?執事になってもらう人をリストアップしてただけだよ」

男「どらどら」

男「・・・おい、この幼って」

友「・・・」

男「お前これただ見たいだけだろ」

友「なんのことかな」

男「とぼけんじゃねぇ」

友「とにかく、厳正な審査の結果、この人達にやってもらおうと思ってる」

男「約一名厳正じゃない審査があったんだが」

友「実行委員権限で」
88: :2012/9/2(日) 00:23:42 ID:LGMHK2442.
皆様こんばんは
1でございます

今日の投下を終了させていただきます

見てくださった方々
ありがとうございました
89: 名無しさん@読者の声:2012/9/4(火) 23:04:10 ID:6rU0piSKq2

応援してます!

頑張って下さい!
つCCC
90: :2012/9/5(水) 22:27:33 ID:pc/9dJv9U.
>>89

ありがとうございます
まだ応援して下さる方がいらっしゃって感激です

三日間の放置すみませんでした
本当に申し訳ありません
今日からまた更新を頑張りますので、もしよろしければ見守ってやってください
91: :2012/9/5(水) 22:32:37 ID:pc/9dJv9U.
友「そんなことより、執事の練習はいいの?文化祭まで後少ししかないんだよ?」

男「ボチボチ」

友「色々不安だけど、リストの人達にも声かけておいてね」

男「おう」

友「じゃあ、僕は他のクラスを見てくるよ」

男「あれ?そんなこと出来るのか?」

友「出店に使う備品や、金額等の最終調整は全部僕を通さないと駄目なんだ」

男「なるほど、そりゃ便利」

友「じゃ、頑張ってね」
92: :2012/9/5(水) 22:37:41 ID:pc/9dJv9U.
女「男ー、リストの者に衣装等を渡してきたぞ」

男「お、サンキュー」

女「構わないさ。しかし…お前が文化祭に積極的な性格だったとはな」

男「残念ながら、俺も長いものに巻かれる派だからな」

男「友が頑張ってるし、まあ手伝ってやるかなぁくらいの気持ちだよ」

女「そうか」

男「なんとなく、嬉しそうだな?」

女「わかるか?」

男「これぐらいは当たり前だろ」

女「そうだな…お前と一緒に文化祭を楽しめるからな…」

男「・・・」
93: :2012/9/5(水) 22:41:51 ID:pc/9dJv9U.
女「だからといって、準備を怠るわけにはいかん」

男「へいへい」

女「皆の意志…私が継がねば…」

男「言っとくけど、誰も死んでないからな?」

女「というわけで、私と接客の練習だ」

男「ああ」

女「私が客を演じるからお前が執事をやれ」
94: :2012/9/5(水) 22:45:57 ID:pc/9dJv9U.
ガラガラ

男「いらっしゃいませ。お嬢様」

男「お席にご案内いたします。お嬢様」

男「ご注文はお決まりでしょうか?お嬢様」

女「お前で」

男「はいストップ」

男「メニューから選べよ。メニューから」

女「す、すまん…つい…な?」

男「まあ…実際にありそうだし…とりあえずメニューの中からってのを付け加えておくか…」

女「ああ」ジュルリ

男「よだれ拭け、そして攻守交代だ」
95: :2012/9/5(水) 22:49:22 ID:pc/9dJv9U.
ガラガラ

女「いらっしゃいませ。お嬢様」

男「・・・」

女「ん?何か変か?」

男「いや、多分本番はそれでいいと思うが、俺みたいに男の客が来ないとは限らないわけよ。男装させてるわけだし」

女「ああ、そうだったな」

女「なら気を取り直して…いらっしゃいませ。ご主人様」

男「・・・そこ、旦那様に変更で」

女「あ、ああ…」
96: :2012/9/5(水) 23:01:22 ID:pc/9dJv9U.
女「ご注文はお決まりでしょうか?旦那様」

男「ああ、この執事お手製カレーをお願いします」

女「かしこまりました。旦那様」

女「・・・注文の時はどうする?」

男「そうだな…とりあえず執事っぽく雰囲気を出せばいいわけなんだから…」

男「机の上に呼び鈴を置いて、それを鳴らしてメニューを伝えるってのは?」

男「一回だったらコーヒー、二回だったら…ってな感じで」

女「それはいい考えだな」
97: :2012/9/6(木) 19:27:35 ID:koM/BSjXgI
女「ふむ、大筋は決まってきたな」

男「ああそうだな…ていうかなんで俺は押し倒されてるんだ?ていうかなんで教室に誰もいなくなってるんだ?」

女「ご都合主義という言葉がある」

男「わかったからせめて執事の服を脱いでくれ、なんか特殊なプレイみたいになってるだろ」

女「・・・いいな」

男「よくない。帰る」

女「すまないな。もう帰ろうか」

男「おう」
98: :2012/9/6(木) 19:47:25 ID:koM/BSjXgI
放課後

男「何故朝に始まった出来事が放課後までなっているのかは聞かないでくれ」

女「安心しろ。聞く人なんていないさ」

男「皆、結構準備を頑張ってるな」

女「まあ、文化祭まで二週間もないしな」

男「いまいち焦ってるような感じがしないんだよな〜」

女「焦っては上手くいくものもいかなくなるからな、心にゆとりが持ててると言うべきだろう」

男「焦っても特に何も変わらないしな…なるようになるだろ」
99: :2012/9/6(木) 20:39:56 ID:Iin4jnaMs6
女「まあ、当日は大勢の客が来るからな。醜態を晒すわけにはいかないだろう」

男「そうだな…」

女「あえて醜態を晒して思い出を作るというのもありだがな」

男「断固断る」

男「当日はどうなんだ?」

女「ん?」

男「いや、多分俺はボーッとしてるだろうし…お前は生徒会の仕事とかあるだろ」

女「そうだな…最初の内は忙がしいが…まあ時間は作るつもりだ」

女「お前と…回りたいしな…」

男「女…」

男「それ、俺のセリフなんだが」
100: 1(100突破感謝!!):2012/9/6(木) 20:46:32 ID:g47LUYbxvo
文化祭三日前

友「じゃあ、最終確認ね?」

友「呼び込み班はなるべく人がいそうな場所に行って一人でも多くのお客を連れてくること」

友「接客班は各自臨機応変に対応すること、客の無理な要望には答えなくていいからね」

友「調理班は買い出し班と連携してミスをしないように。買い出し班はすばやい状況把握をしっかりね」

友「じゃあ、最終調整始め」
101: :2012/9/6(木) 20:54:37 ID:Iin4jnaMs6
周りが慌ただしく動き始める中、友が近づいてきた

友「準備は?」

男「もちろんだ」

伊達にこの数週間思わず悶絶したくなるようなセリフを吐き続けたわけではない。女はノリノリだったが

友「そう、ならいいんだ」

友が納得したような顔をした時

幼「い、いらっしゃいましぇ!!あ、噛んだ!!」

泣きそうな顔でセリフを必死に練習している幼の姿が目に入る。そういえばセリフを暗記していないのは幼だけだったな

幼「友君〜やっぱり私には無理だよう〜」

捨てられそうな子犬を見てるかのような錯覚に陥るのは俺だけか?
102: :2012/9/6(木) 23:13:34 ID:QiE5ZH/akU
友「大丈夫だよ。幼さん」

友が優しく微笑みながら幼を励ますように

友「それが幼さんの魅力なんだよ。自信をもっていい。少なくとも僕には魅力的に見えるよ」

幼「そ、そうかな…//」

近距離で微笑まれて思わず赤面をする幼。相変わらず乙女な反応だ

女「乙女な反応だな」

男「音もなく近寄るな。心を読むな」

女「ふふ、すまない」

しっかり燕尾服を着こなした女が俺の隣立つ
幼を羨ましげに見ながら

女「やはり、お前もあんな反応がいいのか?」

男「いや、そうでもない」

あの反応は幼にのみ許された反応であり友の言葉を借りるなら、幼の魅力というやつだ

男「それに、お前があんな反応したら俺は全力で逃げる」

女「なら、私は全力でお前を捕まえる」

実際にやりそうな答えを出しながら笑う女
相変わらず有言実行の塊みたいな奴だ
103: :2012/9/6(木) 23:18:48 ID:pc/9dJv9U.
幼「わー!!女ちゃん格好いいね!!」

先ほどまでの子犬はどこへやら、友に諭された(説得された?)幼はこちらにトコトコと近より歓声をあげている

幼「女ちゃんはいいなぁ…美人さんだし、スタイルいいし」

女「そんなことはないさ、私には幼みたいな可愛さは出せないよ」

幼「そ、そんなことないよ!!」

女「謙遜を」クイッ

幼「あ…//」

友「どう思う?」

男「どうって…」

体格に差がある二人が並び、あまつさえ女が幼の顎を掴み上に向かせるという構図…

男「あれ、お前の指示?」

友「まさか、幼さんと女さんの化学反応とでも言っておこうか」

あんな化学反応は…ありと言えばありだが、無しと言えば無しだろう…
個人的にはありだが
104: :2012/9/6(木) 23:24:21 ID:pc/9dJv9U.
友「まあ良いもの見れたでしょ?」

あからさまに計画通りみたいな顔されながら言われたら説得力がない
しかし、反論するのも疲れるので、黙って頷く

友「問題は彼女達をいつ前線に出すかだよね…」

男「別々じゃ駄目なのか?」

友「別々でも集客率はあるけど、二人でセットなら性別問わず集客率があがるよ」

男「・・・まあな」

チラリと二人を見ながら頷く。確かに集客はできそうだ

友「ただ問題は二人を出すことにより集客しすぎるということなんだよね」

男「いいんじゃないか?」

友「良くないよ。君は女さんと回るんだろ?」

男「・・・」

全く、こいつにはいつも頭が上がらない
俺が考えてる二手三手先を見据えているからだ
今はその配慮がとても助かるが
105: 1(投下終了):2012/9/6(木) 23:30:01 ID:QiE5ZH/akU
男「構わねーよ。女にはなんとか言う」

友「でも…」

男「あいつの事だ。大事なのはやった事じゃなくて俺と回る事だろうよ」

友「随分わかったような口振りだね?」

男「・・・」

実は全然分かっていない。完璧なでまかせだ
だが、それでも俺は女を説得出来る自信があった…後はどうやるか、だが

男「ともかく、お前は喫茶の事を考えてろ」

友「・・・わかった」

渋々というような感じで頷く友。あいつの行為を無下にするようで少し心苦しいが、あいつの実行委員としての頑張りを見ているので応援したくなってしまったのだ

男「さて…どうするかね」

どうやって女を説得するか、それを考えながら女達に近づいた
106: :2012/9/7(金) 15:19:40 ID:x3YWRW.2Kw
男「なあ…女」

女「私と幼をセットで出れば集客出来そうだな」

全てを見透かした様子で呟く女。本当にこいつは質が悪い

男「気づいてたのか」

女「当然だ。お前の声ならどんな雑音の中でも聞き取れる自信がある」

どんな自信だよと突っ込みたかったが、本題に入る事にする

男「でだ、その件なんだが」

女「構わない。しかし条件がある」

こいつの出す条件はろくなのが無いが、ここは黙って聞くことにする
107: :2012/9/7(金) 15:42:12 ID:n.HpD09wVY
男「で、なんなんだ?」

女「・・・」

女はゆっくりとこちらを振り向き、口を開いた

女「文化祭直後の振替休日…私に監禁されろ」

一瞬時が止まったような気がした
近くで聞いていた幼は唖然とした顔をしているし、聞こえていたのか、友は複雑な表情をしていた

そしてこの条件にはいそうですかと言えるわけがない

男「おいおい、それは勘弁してくれよ」

女「少し言葉が悪かったな…お前の1日を私にくれ」
108: :2012/9/7(金) 15:46:21 ID:x3YWRW.2Kw
男「1日?」

女「1日」

男「俺の?」

女「お前の」

男「お前が?」

女「私が」

端から見ればアホ丸出しの会話だが、本人はいたって真剣である
現に女の目はこれまでに数回したみたことないくらいに真剣に輝いている

男「・・・わかった」

女「よし!!」

盛大にガッツポーズをしながら

女「では、友と最後の調整をしてくる」

そういって行ってしまった
あそこまで喜ばれるなら、1日くらいならいいか
109: :2012/9/8(土) 12:32:20 ID:08c30a87cE
文化祭当日

男「校長の話及び今までのを全カットで」

友「うん…もう何も言わないよ…」

幼「つ、ついに…だね…」

女「これまでの準備の成果を見せるときだな」

友「うん。じゃあ各自配置について」

友「絶対に、成功させるよ」

男「おう!!」
110: :2012/9/8(土) 12:37:08 ID:08c30a87cE
客「ねえ!!見てみて!!執事喫茶だって!!」

客「えー、どうせブサメン揃いでしょ?止めた方がいいって」

客「でも中見なくちゃわからなくない?」

客「どうせ期待外れよ…」

ガラガラ

幼「い、いらっしゃいませ!!お嬢様!!」

客「「・・・」」
111: :2012/9/8(土) 12:40:20 ID:08c30a87cE
客「(なにこれ!?新種のプレイ!?いじめ!?)」

客「(わ、わからない!!)」

幼「お、お席へご案内いたします!!」

客「あ、あの…せっかくですけど…」

幼「あ…お帰りに…なっちゃいますか?」

客「!!」ズキューン!!

客「ま、まあ入ったんだしね…うん」

客「冷やかしだと思われたくないからね…」

幼「ありがとうございます!!」

客「(完璧な子犬だわ…)」
112: :2012/9/8(土) 12:46:15 ID:08c30a87cE
客「しっかし…あれもアリっちゃアリなのかな…」

客「男装させてるってことは、男の子が少ないのかな?」

客「うーん…パッと見共学の男子寄りだと思ったんだけd」

女「お待たせいたしましたお嬢様、メニューをお持ちしました。どうぞごゆっくり吟味なさってください」ニコ

客「「・・・」」

客「(ちょ!?なにこれ!?)」

客「(この子も執事なの!?ていうか男装してるの!?)」

客「(にしても格好よすぎでしょ!!)」
113: :2012/9/8(土) 12:49:58 ID:.aIZMltCmw
男「・・・あれ、どうなんだ?」

友「ばっちりクリティカル」

幼「女ちゃん凄いね…」

友「いやいや、幼さんがいなくちゃあれは成り立たないんだよ」

幼「そうなの?」

友「うん」

男「ま、お前はお迎えさえしてくれりゃいいんだ」

幼「皆頑張ってるのに…私だけそんな楽でいいのかな…」

友「何を言ってるの、幼さんの動きしだいでこの喫茶に人が来るかどうか決まるんだよ?」

男「つまり、この喫茶の存続はひとえにお前にかかっている」

幼「お、脅かさないでよ〜」
114: :2012/9/8(土) 12:56:42 ID:.aIZMltCmw
友「ほら、次のお客さん来たよ」

幼「あ、行かなくちゃね」

友「今度は僕がサポートするから」

幼「ありがとう♪」

友「どういたしまして」

友「男、ここは任せたよ?」

男「任された」
115: :2012/9/8(土) 14:12:45 ID:MkT7bHZ.jk
幼「い、いらっしゃいませ〜!!」

友「いらっしゃいませ」

客「お、かわいー」

客「ねえねえ、ここ執事喫茶なんでしょ?サービスしてよ〜」

幼「え、えーと…」

友「・・・」

客「ね、ね?少しだけ…」

友「旦那様。失礼でございますが、休憩に来られたのですよね?」

客「あ?」

友「他のお嬢様方の迷惑になるようでしたら…旦那様といえどご退室願います」

客「あのなぁ…こちとら客なん…いてて!!」

女「迷惑だというのがわからんのか?」

客「な、なにしやがる!?」

女「見てわからないか?腕を捻ってるんだ」

客「は、離しやがれ!!」
116: :2012/9/8(土) 14:17:38 ID:MkT7bHZ.jk
幼「お、女ちゃん…私は何もされてないから」

女「・・・そうか」パッ

客「てめぇら…この店を悪く言いふらしてやるからな!!客に暴力を振るう店だって!!」

女「勝手にしろ」

客「は!?」

女「私は大事な友人を守っただけだ。何も悪いことはしていない」

客「っ!!ふざけ…」

パチパチパチパチパチ

客「凄い!!格好いい!!」

客「自分の店も気にせずに友達を助けるなんて…」

客「ただ格好いいだけなんじゃなくて、心が綺麗なのね!!」

女「・・・お嬢様方、大変お見苦しい所をお見せしまして、深くお詫び申し上げます」ペコリ

客「・・・ちっ!!」

ガラガラ
117: :2012/9/8(土) 14:21:39 ID:MkT7bHZ.jk
幼「女ちゃん…」

女「すまない友、私はとりかえしのつかない事をしてしまったかもしれん…」

友「・・・いや、寧ろいいかもしれない」

女「?」

友「いつの時代も、物事を動かすのは個人より大衆だからね」

友「あのお客には悪いけど、いいスケープゴートになってもらおうか」

幼「え?えーと…よくわからないんだけど…」

男「女が身も心も綺麗で格好いいという印象を持たせるため、だろ?」
118: :2012/9/8(土) 14:28:57 ID:eCvMu14NRk
友「その通り」

男「少なくとも、あん時あの場所にいた客は全員女の印象を覚えたはずだからな…後はクチコミで広がってくれればいいんだが…」

女「だが…あまり許された事ではないだろう」

男「まあな、だからお前は少し執事を休憩」

男「気にするなと言っても、お前は気にするんだろうな」

女「・・・」

男「だから、気分転換に少し回ろうぜ」

女「!!」
119: :2012/9/8(土) 14:32:56 ID:MkT7bHZ.jk
女の手を取り扉に行く

男「じゃ、一時間か二時間ちょいでてくる」

友「はい、いってらっしゃい」

誰にも言ってなかったはずだが、やはりこいつは全てを見越してるらしい…

幼「リフレッシュもたまにはいいからね、女ちゃん」

女「ああ」

幼と友、それから厨房や執事数人に見送られながら俺は扉に手をかけた
120: :2012/9/8(土) 14:40:01 ID:eCvMu14NRk
男「さて…どこいくか」

パンフレットを見ながら女に問いかける

女「そうだな…そういえば」

女がスカートのポケットを探った後に二枚の紙切れを取り出した
その紙にはアイス半額と書いてあるが…

女「後輩からもらった物だ。後輩のクラスでは特製のアイスを販売しているらしい」

男「そうだな。じゃあそこにいくか」

女と手を繋いで歩き始める。そういえば公共の場でこんな風に手を繋ぐのは初めてだ
そう考えたらなんだか恥ずかしくなり、女の方を見る。くそっ、涼しい顔をしてやがる

女「ん?どうした?」

視線に気づいた女が聞いてくる

男「なんでも」

特に何も返答することがないからはぐらかしておく。女は微妙な表情をしたが何も聞いてこなかった
121: 名無しさん@読者の声:2012/9/9(日) 01:54:26 ID:zFkWfYhEvQ
これが最上級のSSか・・・・
まじ面白過ぎる!!

CCCC
122: :2012/9/9(日) 14:52:28 ID:9Q6DHey63.
>>121

そ、そんなこと言われてもクオリティ上がったりとかそんなこと起きませんからね!?
せいぜい更新が異様に早くなるくらいで…

支援感謝です!!
123: :2012/9/9(日) 14:58:27 ID:P.JbKZwLyY
後輩「いらっしゃいませ…あ、先輩!!」

後輩のクラスにいくと、ウェイトレス姿の後輩が俺達を出迎えてくれた

女「招待感謝するぞ。後輩」

後輩「いえいえ♪先輩に来てもらって本当に嬉しいです♪右の人はどうでもいいですけど」

上の文に一部訂正があったな。ウェイトレス姿の後輩が女を迎えたに直してくれ

後輩「お席に案内しますね♪御座と地べたくらいなら選ばせてあげますよこの変態」

さりげなく俺に対しての罵倒も忘れない。こやつやりおる
124: :2012/9/9(日) 18:21:49 ID:qZWNGufANc
席に案内され数分
後輩がオーダーを取りにきた

後輩「お待たせしました♪ご注文はお決まりですか?」

女「ああ、このカフェオレアイスを頼む」

男「俺は…」

後輩「カフェオレアイスに水道水ですね?かしこまりました♪」

男「・・・」

後輩「・・・ご注文は?」

すっごい嫌そうな顔をしながら聞かれても反応に困るんだが…

男「ココアイスを頼む」

女「男、ココアアイスだ」

男「・・・」

女に指摘された瞬間後輩が極上の笑みを浮かべたのは言うまでもない
125: :2012/9/9(日) 18:26:50 ID:qZWNGufANc
女「あ、そうだ…これを」

女がチケットを取りだし後輩に差し出す
慣れた手つきで女からチケットを受けとる(受けとる時にやたら女の手を握ってたのは見間違いにすることにした)後輩
しかし、チケットを一枚しか受け取らなかった
これは、つまり…
女も気づいたようで

女「後輩、これは私達が…」

後輩「わかってますよ」

後輩は笑顔でチケットを見せながら

後輩「これ、一枚で二人が半額なんです♪」

女「・・・」

チケットを見ると、確かにしたのほうに書いてあった

男「お前…ちゃんと確認しろよ…」

女「し、仕方ないだろ!!あまり真剣に見る時間が無かっただけだ!!」
126: :2012/9/9(日) 18:31:37 ID:qZWNGufANc
後輩「ふふ、先輩可愛いなぁ…カフェオレアイスとココアアイスですね?ただいまお持ちします」

後輩は微笑みながら厨房のほうに歩いていった

男「全く、いらん恥をかいたわ」

女「・・・」

女は何も言わないが、恥ずかしいのだろうな

男「ん?」

視線を感じたので、立ち入り禁止と書かれているのれんがかけられている場所に目をやると、数名の女子生徒がこちらを、いや、女を見ていた

男「おい、生徒会長」

女「?」

指で女子生徒達を指すと女も気づいたみたいでそちらの方に笑顔で手を振っていた
直後に黄色い歓声があがったが気のせいにすることにした
127: :2012/9/9(日) 18:36:35 ID:qZWNGufANc
後輩「お待たせしました、カフェオレアイスにココアアイスです」

数分後、後輩がアイスを持ってきたが、そのアイスがかなり本格的な出来に驚いた

男「凄いな…これ本当に手作り?」

後輩は精一杯の嫌そうな顔を俺に向けて答えた

後輩「レシピや手順は全部書記ちゃんが作ってくれましたから、後はそのレシピ通りにやれば余程のバカじゃないかぎり誰にでも出来ます」

女「そうか、書記と後輩は同じクラスだったのだな」

後輩「そうなんです♪だから書記ちゃんいなかったらこの出店も出来なかったかもしれないんですよ。先輩♪」

この温度差は最早通過儀礼なんだろうな。多分
128: :2012/9/9(日) 18:43:59 ID:G7RbKkeCx2
書記「後輩…バニラビーンズが足りない…買い出しに行かせて…あ」

後輩と話していると、奥から書記が顔だけを出した

男「よう、書記」

書記「いらっしゃい…ませ」

パタパタと近づいて来ながら会釈をする

書記「会長も…いらっしゃいませ」

女「ああ」

そのまま後輩に近づき

書記「バニラビーンズと…砂糖…それから塩も足りないかも…」

後輩「わかった。買い出しにいかせるね」

書記「うん…それと」

おもむろに後輩に近づきそのまま頬をつねりながら

書記「会長と…男さん来たら…知らせてって…言ったよね?」

後輩「い、いひゃい!!いひゃい!!ごめんってばぁ!!」

書記「駄目」

後輩「た、助けてくださぁい!!先輩!!」

女「ふふ、書記。その辺にしてやれ」

書記「・・・」スッ
129: :2012/9/9(日) 18:50:38 ID:G7RbKkeCx2
後輩「うう…だって書記ちゃん。裏方の中でもかなり奥にいるんだもん…」

つねられた頬を擦りながら後輩が呟く

男「そういや、レシピや手順を作ったのお前なんだっけか、凄いな」

書記の頭を撫でながら誉めてやると、嬉しそうな顔をしながら頷いた

女「誰もが出来る事ではないからな」

女が続いて称賛の言葉を出すと、書記は満面の笑みになった。といっても、微笑よりやや笑っている程度にしか見えず、俺も最近これが笑みだと気づいたのだが

後輩「そうだ!!休憩時間に先輩の所いきますね!!」

女「構わないぞ、アイスを食べ終わったら少し歩いて戻るつもりだからな」

男「副会長や主将辺りを冷やかしにいかないとな」
130: :2012/9/9(日) 19:04:13 ID:qZWNGufANc
後輩「楽しみだなぁ…先輩の執事姿…」

うっとりとした表情で呟く後輩。状況や場所だったらかなり危なく聞こえるな
そうこうしてる内にアイスを食べ終わってしまった

女「さて、これ以上は他のお客にも迷惑になるし、私達は出ようか」

男「そうだな。ごっそさん」

書記「ありがとう…ございました」

後輩「後で私達もそっちにいきますね〜」

書記「・・・私達?」

やや突っ込み所があったものの、俺達は後輩の店を後にした
131: :2012/9/10(月) 17:46:41 ID:ikrajvckXg
男「さて、次はどこにいくかだが…」

パンフレットを見ながら次に向かう場所を考える。しかし足は既に目的の場所に向かっていた

副会長「ん?なんだ、ご両人じゃねーか」

女「遊びに来たぞ。副会長」

副会長「わざわざご苦労なこって」

めんどくさそうに受付と書かれた椅子から立ち上がり小さな紙を俺達に渡してきた

男「これは?」

副会長「スタンプカードだ」

副会長がカードを見せながら説明してくる

副会長「うちはテーマパークみたいなもんだ。輪投げ、ストラックアウト、くじ引き…etc」

副会長「そんで、係の奴にこれを渡してスタンプを貰う。そしてスタンプを全部貰ったら俺に渡して豪華商品を受けとる仕組みだ」

男「豪華商品って?」

副会長「それは受け取ってからのお楽しみだな」

副会長が意地悪く顔を歪ませた。うーん、やっぱりこいつはこんな顔が似合うんだな…
132: :2012/9/10(月) 17:51:50 ID:ikrajvckXg
女「ものは試しだ。早速やってみる事にしよう」

女はカードを受けとると手近にある輪投げに向かい歩き出した

係員「いらっしゃい!!輪投げだよー!!三個全部入れば豪華商品プレゼント!!って、はひょ!!会長!!」

女「やらせてくれるか?」

係員「ぜ、是非是非!!」

あ、あいつさりげなく近づけやがった

女「・・・そこ!!」

ヒュン!!カコン

係員「ブラボー!!エクセレント!!ブリリアント!!」

係員の行き過ぎたヨイショはこの際目を瞑るが、かなり本気で投げやがったな

女「ふう…意外に集中するものだな」

係員「ま、ま、会長!!後二回ですよ!!」

そしてあいつはまたさりげなく近づけやがった
133: :2012/9/10(月) 17:58:30 ID:ikrajvckXg
結局女は三回とも見事に入れる事に成功した
勿論、その間も係員のヨイショは絶えなかった

女「さて…三回入ったわけだが」

係員「はい!!もちろん豪華商品を進呈します!!」
係員が何やら箱を探ると…中から木彫りの手乗りサイズの熊が出てきた

女「・・・これか?」

係員「はい!!」

女「ふふ、随分可愛らしいな」

係員「!!」ズキューン!!

係員に見事にクリティカルを入れる女の微笑み、そのまま隣のストラックアウトへ

副会長「見てるだけでいいのかよ」

男「は?」

すっかり呆然としている俺に肩に手を起きながら副会長が聞いてくる

副会長「会長の隣にいてやったほうがいいだろ」

男「・・・そうだな」

案外楽しそうにしている女たまにはあんなのを近くで見るのも悪くはないか
134: :2012/9/10(月) 22:47:12 ID:gbBXIXtcNQ
その後、ストラックアウトや的当て、射的等を一通り踏破した女が両手にあまる程の商品を持ったのは言うまでもない
ちなみに俺は嫌がらせを受けた

女「こんなにたくさん…いいのだろうか…」

係員「どうぞどうぞ!!」

副会長「お前ら…甘過ぎだろ」

男「ま、いんじゃねーの?」

女「男…」

女「随分と手持ちが空いてるが…ひょっとしてこの手のやつは苦手だったか?」

男「気にすんなよ」

決して苦手なわけではない。係員共の絶妙な連携で散々な結果を出しただけだ。まあスタンプをくれたのは最低限の譲歩なんだろうな

副会長「さて、スタンプを全部埋めた商品を進呈だな」

副会長が笑うと、手に持っていた物を差し出した
135: :2012/9/10(月) 22:52:53 ID:2g0FUMUaTs
男「ん…これ、十字架か?」

女「これは…女神像か?随分小さいな」

副会長「お前らは特別。その2つをやるよ」

男「何か呪いとかかかってるんじゃないんだろうな?」

副会長「察しがいいな。その通り」

副会長「その2つにはある呪いがかかっている。それはお互いがお互いを引き付けあう呪いだ」

副会長「俺の家のひい爺さん辺りからある物でな。物に頼らずとも自分達の愛は不滅だって証明したいから適当に処分してくれだとよ」

男「適当な爺さんだな…」
136: :2012/9/10(月) 22:58:01 ID:gbBXIXtcNQ
副会長から貰った十字架を調べてみる
決して重くはないが、手に感じる重みは何かを感じさせるようだった

男「・・・薄気味悪い」

ボソリと率直な意見を述べる。副会長は苦笑しながら続けた

副会長「ま、その十字架と女神像はセットみたいなもんだからな。離したらどうなるか俺にもわからねー」

男「脅すなよ」

副会長「冗談だよ」

お前は冗談を言うキャラじゃない。それを言おうとしたが、無駄そうなので止めておいた

男「女、いこうぜ」

女「・・・」

男「・・・女?」
137: :2012/9/10(月) 23:00:51 ID:2g0FUMUaTs
見ると、女は女神像をじっと見つめたまま動いていなかった

男「女、大丈夫か?」

肩を軽く揺さぶってみる

女「あ、ああ…問題ない」

正気に返ったらしく慌てて女神像をポケットにしまいこむ

女「ありがとう副会長。いいものを貰った」

副会長「喜んでくれて何よりだ。ほら、早くいったいった」

男「ああ、じゃあな」

副会長「おう」
138: :2012/9/10(月) 23:05:44 ID:2g0FUMUaTs
副会長と別れて廊下に出る

男「そろそろ戻るか?向こうも心配だし」

女「そうだな」

「ねえ、ちょっと」

男「ん?」

聞き覚えのある声に振り返ると、中々センスのある服に身を包んだ少女が立っていた

男「・・・どちらさん?」

「あんた…もう忘れたの?信じらんない」

少女の目がごみを見るような目付きになる。ん?その目付き、どこかで見覚えが…

男「あ、お前ひょっとして大将か?」

大将「なんでわからないのよ」

女「大将とは、大会の決勝の?」

男「まあな」

詳しくは大会編参照
宣伝ではない。多分
139: :2012/9/10(月) 23:09:22 ID:2g0FUMUaTs
男「で、何か用か?」

大将「用も何も、主将に会いに来たんだけど」

男「え」

おいおい、こいつら既にそんな関係に…

大将「なっ!?ばっ!!勘違いしないでよね!!主将に呼ばれただけで別に主将な会いたいとかそんなんじゃないから!!寧ろ暇だったから来てあげたっていうか!!」

女「そのわりには気合いの入った格好だな」

大将「じ、地味な私服がこれくらいしか無かったのよ!!」

とりあえずめんどく…一部の人に需要がありそうな事はわかった
140: 1(投下終了):2012/9/10(月) 23:14:34 ID:2g0FUMUaTs
大将「それで、このパンフレット見ながら剣道場探してんだけど、見当たらないのよ」

パンフレットをつきだしながら早口で喋る大将
ちなみに剣道場があるのは部室棟であり、今俺達がいるのは校舎だ

男「あー、まずこの階段を下に降りて部室棟を目指せ。そしたら案内板があるから」

大将「ふーん。意外に簡単ね」

女「そういえば、主将は剣道の体験をしていたな」

大将「そう!!それよ!!」

大将「剣道体験が終わったら主将と試合が出来るのよ!!決勝でのここで返すわ!!」

随分根に持っているらしいが、目が嬉しそうに見えるのは俺の気のせいか?
141: :2012/9/12(水) 18:07:38 ID:XF5EdUucZs
女「まあ、頑張れとしか言いようがないな」

大将「そうね…ところで」

大将がジロリとした目付きで俺達を交互に見ながら

大将「あんたら…付き合ってんの?」

男「・・・まあな」

大将「あんたには聞いてない」

実に横暴である

大将「ねえ、今幸せ?」

女「私か?当然だ」

女「何せ一緒にいたいと願っている相手が側にいるんだから」

横目で俺を見ながら誇らしそうに語る女
その顔には幸せや充実感といったものが確かに浮かんでいた

大将「ふーん…ま、お幸せにね」

力なく手を振り俺達に背を向ける大将。その背中に向かって

男「主将はちゃんとお前の事を考えてるからな!!」

大将「・・・」

走って行ってしまった
142: :2012/9/12(水) 18:20:33 ID:PZvQTrMq0w
女「応援したくなる恋路だな」

男「まあな」

この発言から既に余裕が感じられるとかは言わないでくれ

女「ふむ、主将の場所に行きたかったが…邪魔をしては悪いな」

男「なら、もうそろそろ戻らないか?」

女「それもいいな。よし。戻るとしよう」

黙って手を差し出す
女は驚いたような顔をしたがすぐに微笑んで手を握ってくれた
143: :2012/9/12(水) 22:56:45 ID:STqlvzkUhY
教室に戻ると幼が取り囲まれていた。女性客に

幼「お、押さないでくださーい!!」

客「写メとっていいですか!?」

幼「え、えーと…」

客「腕組んでもいいですか!?」

幼「そ、そのぅ…」

客「笑ってー」

幼「こ、こうですか?」

客「「きゃああああ!!」」

黄色い声援が飛び交うなか、友が少しやつれた表情で歩いてきた

男「よう、友」

友「・・・お帰り」

男「少しは嬉しそうな顔をしろよ。大繁盛じゃねーか」

友「・・・君は、裏方だからそんなことが言えるんだよ」
144: :2012/9/12(水) 23:08:44 ID:STqlvzkUhY
いまいち要領を得てない俺を見かねてか、友が説明してくれた。ちなみに女はお着替え中

友「君達が出掛けた後、物珍しさからそれなりに客足がきたんだけど…どうも幼さんの執事キャラが受けるらしく…クチコミで広がっていったんだよ」

男「なるほどな」

幼の執事キャラがいまいちわからんが、母性本能やら保護欲やらを掻き立てると以前考えていた事がある

友「それで…同性を盾にセクハラまがいの事をしてくる客がいるから…対応に疲れてね」

男「まあ…お疲れさん」

友「でも、女さん来てくれたから少しは楽になるかな…」

疲れたように笑う友
その笑みから、俺達がいない間に凄まじい心労をしたのが伺えた

男「まあ、女ならやってくれるだろ」

友「・・・そうだね」
145: :2012/9/12(水) 23:12:43 ID:LbUdCWbUo2
女「話し合いは終わったか?」

着替えを済ませた女が出てくる。友から聞いた状況を簡単に説明すると

女「なるほどな、了解した」

女はちらりと幼の状況を 確認すると、おもむろに髪を後ろで束ねた
所謂ポニーテールという奴である

女「じゃ、いってくる」

綺麗なウィンクをかまして幼の元へと颯爽と歩いていく。これほど頼もしいと思った事はあるだろうか?いや、無い

この場は女がまとめてくれるであろう事を期待して、俺は裏方室へと入った
146: :2012/9/12(水) 23:19:39 ID:STqlvzkUhY
男から聞いた情報を元に、幼の元へと向かう
幼の周りは既に人だかりができていた

客「いいなぁ…お肌ツルツルだなぁ…」

幼「あ、あの…それ以上は…」

客「女同士だから気にしない♪」

なるほど、男から聞いたよりも酷い状況だな
確かに幼の可愛らしさは人を引き付ける魅力があるし、私もそれをうらやましいと思った事はあるが、流石にこのままではまずいだろう
とりあえず私は幼を取り囲んでいる内の客の一人の肩を軽く叩いた
客が振り向くと同時に悩殺スマイル(命名 友)をすると

客「ほあああ!?」

声にならない叫びをあげた
その声に反応した客が次々と私を見る
私は大体の視線が私に注目したのを確認すると

女「大変お待たせいたしました。お嬢様」

胸に手をあて、静かに一礼をした
147: :2012/9/12(水) 23:33:49 ID:STqlvzkUhY
さて…どうするか

女の華麗なる先制により一先ず幼に群がっていた客の大半は女に流れた
しかし今度は女が群がられている状況になってしまった
裏方室の、店内を見れる穴から覗きながら俺は次の一手を打ちあぐねていた

男「・・・このまま女で押せばおそらく過去最高の集客になるだろうが、その内ファンのたまり場になってしまう・・・それだけは絶対に避けなきゃな」

やはり最善は幼と女を交互に出す事だが、それだと持久戦になってしまうし、幼が先に倒れてしまうだろう
他の執事もそれなりに頑張ってはいるが、いかんせん二人と比べると人気は雲泥である

男「女、幼と交互に出して、間に友を挟むか?」

唯一男性執事の中で一番の人気を誇る友なら、あの二人に劣りはしないはずだが、最近の客は目が肥えているため油断はならないのだ

男「だが、三人のローテーションが最善か」

あの三人なら臨機応変に対応してくれるだろう
俺は作戦を執事長に伝えた
148: :2012/9/12(水) 23:42:58 ID:STqlvzkUhY
友「了解」

幼「わ、わかった」

女「任せろ」

男から送られた指令を元に他の執事達に動きを伝える
皆も僕達以外では捌ききれないと判断していたのか素直にしたがってくれた
さて、問題はいつローテーションをするか

男は何も言わなかったということは、こちらで判断していいのか、それとも変わるタイミングを男が教えてくれるのか
どうやら女さんも同意見らしく、幼さんを素早くフォロー出来る位置にいた

でもどうせならそこは僕が立ちたかったんだけどな…
焼きもちを妬いていても仕方がないし、来るであろう指令を待つことにした
149: 1(投下終了):2012/9/12(水) 23:51:34 ID:STqlvzkUhY
三人に指令を送ってから数分後、読み通り客足は増えていた

男「にしても増えすぎだろ…」

幼の人気もさることながら、女や友の人気もうなぎ登りである
他の執事達が霞んで見えてるな…なんか仕事が減って嬉しそうな顔をしてるように見えるけど

客足の多さを確認し、幼がやや多めなのを確認すると、他の執事がカバーに入るように指示
だが、肝心なサービスを幼が行う事も忘れない

男「・・・あの客、また来てるな」

幼がサービスしている客は見覚えのある客だった

友曰く一番幼にセクハラまがいの行動を行ってくる客だとか
確かになんとなくそんな気がするな。本人にその気が無いことを信じたいが
150: 名無しさん@読者の声:2012/9/13(木) 07:10:53 ID:Rsylasjr7A
なにこれつまんね 削除
151: 名無しさん@読者の声:2012/9/13(木) 08:25:37 ID:MF/65LuAL6
支援です

いつも楽しみにしてます
152: 名無しさん@読者の声:2012/9/13(木) 20:11:41 ID:H26A0w.m8Y
幼可愛いよ幼
153: :2012/9/13(木) 22:25:41 ID:dg94C.YWHA
>>150

すみません
でも私にはこれが精一杯なので、どうか削除だけは見逃してください。本当にすみません

>>151

支援感謝です!!
よかった…まだお読みになられてくださってる方がいてくださって…

>>152

幼ちゃんが凄いくらいに人気がありますね
これは幼ちゃんが主人公の短編を作れるかもわからんな…
いや、ただの独り言です
154: :2012/9/13(木) 22:33:03 ID:dg94C.YWHA
ともかく、このままでは幼が働けないので女にヘルプを要請する
後は女が空けた穴を友が埋めきれればいいんだが…

男「なん・・・だと?」

女がヘルプに入ろうとした瞬間、女がいっせいに客に囲まれた
女は困ったような顔をしながらも笑顔で対応している。
あいつは本当に営業スマイルが上手いな

友が上手い具合に捌いてはいるものの、やはり数が多すぎる

幼「ふぇぇ…お、押さないでくださーい」

そして気がついたら肉か…客に埋まっていた幼
もうあれは駄目かもわからんな
155: :2012/9/13(木) 22:38:56 ID:gA0eBsTIYQ
しかしここで幼を見捨てては裏方の名が廃る
どうでもいいことだが俺が何故裏方に徹しているのかは、こんな不測の事態に臨機応変に対応がうんたらかんたら…

とにかく、俺にはある秘策があった

副会長「おーい、このクラスは大丈夫かー?」

女「副会長?」

客「・・・ちっ」

幼「た、助かった…」

そう、秘策とは、生徒会の見回りである
通常の営業をしているかどうかや、問題を起こす客がいないかどうかの見回りである

客が幼から離れた瞬間さりげなく幼を裏方室に誘導
これで幼はしばらくは休めるだろう
156: :2012/9/13(木) 23:27:18 ID:2g0FUMUaTs
幼「た、助かったぁ…」

男「お疲れ」

幼「大変だったんだよ!?お尻とかいっぱい触られたんだから!!」

どう聞いてもセクハラです本当にありがとうごさいry

幼「でも…友君や女ちゃん…それに男君がいなかったらもっと酷くなってたかもしれないんだよね…」

男「俺はなんもしてねーよ。あの二人にきちんとお礼言っておくんだな」

幼「うん♪」

よくやったの意味を込めて頭を撫でてやる
幼は背が小さいから撫でやすいのだ

男「・・・ん?」

ふと視線を感じ、入口を見てみると

友「・・・」

女「・・・」

二人が微妙な表情で覗いていた

男「違う。誤解だ。ていいか友!!目が怖い!!」

友「気のせいなんじゃないの?」

男「絶対に気のせいじゃねーから!!」

幼「ほえ?なんで押すの?」

幼を生け贄に捧げる事で怒りを沈めるなんて口が裂けても言えないな
157: :2012/9/13(木) 23:34:35 ID:2g0FUMUaTs
女「やれやれ、思った以上に幼の人気があったな」

男「ああ、完璧な想定外だったな」

女「次は注意しないとな」

男「ああ」

女「文化祭も残すところあとわずかだ。気を引き締めていこう」

男「そうだな」

男「友ー、これからの事なんだがー」

友「わかってる。幼さんをどうするかだよね」

幼「わ、私まだ頑張れるよ」

男「お前が無理することで、心労を重ねるのが約一名いるんだよ」

友「!!」
158: :2012/9/13(木) 23:38:42 ID:gbBXIXtcNQ
幼「誰だろう…?」

男「お前もよく知ってる奴だよ」

友「男、それ以上いったら潰すよ?」

男「ちょ!?目が怖いから!!殺る気満々じゃねーか!!殺る気スイッチいれんなよ!!」

幼「うーん…女ちゃん誰か知ってる?」

女「私からは何も言えないな…ただ」

女「そいつは、さりげないところでいつもお前を助けてくれている奴だ」

友「・・・//」

女「なあ?友?」

友「そうだと思うよ」

幼「うーん…男君や女ちゃんや友君が知ってる人かぁ…」

三人「!?」

幼「難しいなぁ…」
159: :2012/9/13(木) 23:44:00 ID:gbBXIXtcNQ
男「・・・お前も苦労するな」

友「君にだけは言われたくない」

男「だろうな」

女「ほう?お前は私といて苦労すると?」

男「ちが…」

友「うん」

女「なるほど、今一度わからせる必要があるな、体に」

男「ちょ!?おま!!」

友「幼さん」

幼「うん?」

友「幼さんは何もせずに、ただその人に感謝をすればいいと思うよ」

幼「・・・そうかな」

友「その人も見返りを求めてしているわけじゃないと思うし、ただ感謝してくれるだけで嬉しいと思うよ」

幼「そうだね…ありがと、友君♪」

友「どういたしまして」


男「いい雰囲気だな」

女「全くだな」

友「とりあえず女さんはそのまま男を剥いていいよ」

女「よしきた」

男「やめーい!!」
160: :2012/9/13(木) 23:55:06 ID:gbBXIXtcNQ
幼「あ、そうだ友君」

友「ん?」

幼「さっき…さりげなく庇ってくれてありがとうね?」

友「いいよ、別に」

幼「女の子同士でも、あそこまで触られちゃうとね〜」

友「大事になるまえで良かったよ。それより女さんや男にもお礼を言うんだよ?」

幼「んー、なんかね、友君には一番には伝えたかったんだよ」

友「・・・そっか」

幼「えへへ〜♪」

友「残り少ないけど、頑張ろうね」

幼「うん!!」

男「馬鹿!!執事服が皺になるだろ!?」

女「恐れていては何も始まらない!!」

男「ぬおおおおおお!!」

友「今日も平和だね」

幼「そうだね〜」
161: :2012/9/13(木) 23:58:32 ID:gbBXIXtcNQ
皆様こんばんは
1でございます

この投下終了挨拶も久しぶりですね
もちろん投下終了をお知らせしますが、その前に

改めて支援をしてくださっている方、そしてこれをお読みになっている方

本当にありがとうございます。今更なような気がしますが、何分伝えたかったもので

それでは今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
162: 名無しさん@読者の声:2012/9/14(金) 23:27:30 ID:dmXRQzVaH6
楽しく読ませてもらってます。
これからも頑張って下さい。
つまらないものですが
つC
163: :2012/9/15(土) 10:12:06 ID:dCqYqrq8L6
>>162

暖かいお言葉と支援感謝です!!
はい、頑張らせていただきます!!
164: :2012/9/15(土) 10:17:31 ID:sKlXmE7NK2
ガラガラ

後輩「こんにちはー」

書記「・・・」

後半のラストくらいの頃に後輩と書記が来店した

幼「あ、いらっしゃ…後輩ちゃん!!書記ちゃん!!」

後輩「きゃああああ!!幼先輩可愛い過ぎますぅぅぅぅ!!」

幼「え!?わっ!!もう〜」

後輩が半ば突進するくらいの勢いで幼に抱きつく。身長にあまり差が無いのでかなりの衝撃だろうに

後輩「幼先輩も執事やってるんですか?」

幼「うーん…私は案内人かな?奥にいかないとね…人が多いと私もなんだけど、今は落ち着いてるからね…あ、そうだ」

幼「こほん…ようこそいらっしゃいました。お嬢様」

後輩「きゃああああ!!」

書記「・・・」

幼「そんなくっつかれたら動けないよ〜」
165: :2012/9/15(土) 10:22:43 ID:sKlXmE7NK2
女「いらっしゃ…おお、後輩に書記か、よく来たな」

後輩「・・・」

書記「会長…凛々しいです」

女「ありがとう。後輩?どうした?」

後輩「・・・」

女「こうは…」

そういいながら女が後輩の肩に手をかけた瞬間

後輩「んにゃああああ!!先輩!!先輩!!可愛い過ぎます!!凛々しすぎます!!似合い過ぎます!!ポニテが誘ってるとしかいいようがありません!!なんですか!?そのエロボイスは!?いつもの先輩はどこにいったんですか!?いや先輩は先輩なんですけどエロすぎるというか!!ていうか普通に紛れててもわからないくらいに格好いいです!!同性でも構いません!!抱いてください!!」

女「こ、後輩…」

流石の女も対応に困ってるらしい…そりゃそうだ。俺でさえドン引きだからな
166: :2012/9/15(土) 10:40:46 ID:sKlXmE7NK2
どう対応していいかわからずやや困惑気味の女
その女を目の前にしてご満悦を通り越してもうヘブン顔である
さらに口からは涎がうすらほんのり…
非常にエロいようなシチュエーションではあるが興奮しているのが後輩じゃ…うーん…

書記「男さんは…」

ここでこの状況を打破しようとしての一言か、単なる偶然か、書記が口を開いた

女「あ、ああ…あいつは裏方だ」

助かったとばかりに急いで書記に答える
ちなみに後輩はまだヘブンである

書記「そうなんですか…執事姿…見たかったです…」

ションボリとする書記に女がすまなそうに言う

女「・・・あいつが執事役をするのを反対したのは私なんだ」

書記「・・・」

女「私は我が儘な女でな…男の執事姿を他の女性に見せたくない…私だけが独占したいと思っているんだ…」

書記「でも…男さんは…」

女「わかっている…執事をやるなと言っておきながら私が執事をやるなんて…あいつの気持ちを踏みにじってるのと同じだ」

男「・・・」
167: :2012/9/15(土) 10:46:27 ID:dCqYqrq8L6
女「だから私はやらなくてはならない。皆の為に、男の為に…」

書記「・・・」

男「・・・ったく、背負いこみやがって」

ポツリと漏らした言葉
しかし、それがいけなかった

書記「声…男さんの…」

男「!!」

なんてこった
あの呟きに敏感に反応したらしい…どんだけ耳がいいんだよ。ていうか今までの会話を全部聞いている事になるから殺られる。主に後輩辺りに

俺は急いで逃げ出そうとしたが、裏方室は小さいスペースに作った仮設であり、抜け出す場所なんてない
あるのは出入口のドアが一つだけだが、開けたら確実にあの微妙な雰囲気とご対面してしまう
それだけはなんとしても避けねば
168: :2012/9/15(土) 10:52:40 ID:sKlXmE7NK2
何かいい方法は無いか
そんな事を考えていると

ガチャガチャ

背後でドアノブが回る音がして叫びそうになるのを堪える
そして覗き穴から覗くと、ドアの前に書記が立っていた

書記「・・・開かない」

ドアノブを握ったままぼそりと呟く
冷静に考えたら鍵をかけてるから入れるわけが無かったのだ

後輩「蹴破ってみる?」

後輩がさらりと物騒な発言をする。お前それ意味わかってんのか?

女「後輩、流石に蹴破るのはまずい。そこは裏方室だから関係者以外は立ち入り禁止というやつだ」

後輩「むー」

書記「じゃあ…せめて顔だけでも…」

書記が頼むように呟く
まあ…顔見せるくらいなら
169: :2012/9/15(土) 10:57:16 ID:sKlXmE7NK2
書記「・・・」

男「・・・」

出てきたはいいが、なんともいえない空気が流れる

書記「・・・引きこもり?」

男「違う。断じて違う」

書記の問いに高速で答える引きこもりの称号はまだ得たくない

男「えっと…何か用か?」

とりあえず書記に要件を聞く。こいつが顔を見たいと言い出したんだから

書記「・・・」

すると書記はにっこりと笑い抱きついてきた

男「書記!?」

女「・・・」

書記「さあ…会長も」

女「ククク、なるほど…そういうことか…」

女が書記の意図を察したらしい
俺?ちんぷんかんぷん
170: :2012/9/15(土) 20:03:55 ID:IzR5kuzlS.
女は書記の背後に回り、書記ごと俺に抱きついてきた

男「は!?」

書記を挟み込むようにして抱きついてくる女
間に挟まれてる書記は実に満足気である。こいつ、こんな顔出来たんだな…って、そうじゃない

書記がやりたかった事がこれかどうかはわからんが、このままでは業務に支障が出てしまう

男「なあ書記。これ以上は俺も仕事ができないんだが…」

書記「わかってます…」

書記は俺に抱きついたまま

書記「格好はそのままで…男さんが…サービスしてください」

まさかの無茶ぶりである
171: :2012/9/15(土) 20:28:52 ID:IzR5kuzlS.
男「あのなあ…俺は裏方で本来サービスは…」

書記「・・・決算」

男「ぐっ!!」

書記が呟いた言葉に思わず動揺する
書記が言った決算とは、所謂文化祭含めた学校収入支出の事である
この決算に貢献したクラスは表彰されるとか
ちなみにこの計算は生徒会が担当しており、会計が計算したのを書記がまとめるのだ
つまり、書記は数値をいじり放題というわけだ

男「お前…ゆする気か?」

書記「私は…本気です」

男「・・・女を敵に回してもか?」

書記はちらりと女を見たが

書記「サービスを…受けるためです」

ああ…どうやら本気みたいだ
172: :2012/9/15(土) 20:57:24 ID:iRtMbtAEYo
女「ふふ、面白いな」

今度は女が口を開く
頼むからこれ以上ややこしくするなよ?

女「物事を達成するが為に圧力を恐れない…実にいい素晴らしい…」

女「いいだろう…書記、望み通り私達がサービスをしよう」

書記「妹設定で…頼みます」

やたら輝く目でさらに注文してくる書記
こいつは将来大物になりそうな予感がする
173: :2012/9/15(土) 21:08:11 ID:iRtMbtAEYo
かくして、俺も執事の真似事をしなくてはならなくなったのだが…

男「妹設定って、どういう風に接すればいいんだ?」

女「妹みたいに接すればいいのではないか?」

男「妹って…」

正直言ってしまえば、妹なんて出来た事なんて無いのだからどうしていいかわからない

とりあえず名前を呼びながら優しく頭を撫でてやる

男「お帰り、書記」

書記「・・・♪」

密かにご満悦である

女「ふふふ、相変わらず甘えん坊だな、書記は」

さりげなくメニューを書記の前に置く
書記はメニューを開き

書記「お兄ちゃん…書記、執事特製オムライスが食べたいな…」
174: :2012/9/15(土) 21:24:53 ID:iRtMbtAEYo
男「オムライスか、ちょっと待ってろ」

オーダーをしに席を離れようとすると、書記に裾を捕まれた

書記「側に…いて?」

男「・・・」

上目遣いで懇願される
正直、クラッときた

女「わかったわかった。私達は離れないよ」

女がその手を握り包み込むようにして自分の胸に持っていく

書記「・・・うれしい」

本当に楽しいのか?これ
175: :2012/9/15(土) 23:19:46 ID:v03vdgiwxg
その後、30分くらい書記の相手をした(女は後輩の相手も含む)

書記「満足…です」

後輩「はぁぁん…私、もう今日は二度と忘れません…もちろん先輩との思い出を忘れるつもりありませんけど」

男「そいつは良かった」

女「む、そろそろ閉会式ではないか?」

後輩「あ、本当だ」

友「片付けをして、体育館に集合だね」

女「参ったな…何も言うことを考えていなかった…」

男「アドリブでいいだろ」

女「皆にはすまないが、そうさせてもらうか」

男「体育館にいこうぜ」
176: :2012/9/15(土) 23:25:48 ID:v03vdgiwxg
放課後

男「なんか…準備してるときは長く感じたけど…終わってみたら一瞬だったな…」

女「そんな物さ。でも、後悔はしてないだろう?」

男「まあな」

この数週間はすごく楽しかったと、今なら胸を張って言える

友「お疲れ様」

幼「お疲れ〜」

男「お疲れさん」

友と幼が揃って労いの言葉をかけてくる
心なしか、友は疲れてるみたいだった

男「ご苦労様」

友「まあね…」

男「悪かったな。大変な役押し付けて」

友「大丈夫だよ」

男「全部終わったんだから、もう気張らなくてもいいんだからな?」

友「・・・そうだね」
177: :2012/9/15(土) 23:31:26 ID:v03vdgiwxg
男「さてと…さっさと片付けてとっとと帰ろうぜ」

友「うん」

友と協力して机を動かしかけた時、視界の端に女が電話をしているのが見えた

女『ああ…何?今からか?しかし…そうだな…明日…ああ、頼む』

男「誰からだ?」

女「父からだ」

男「女父さんからか、なんて?」

女「明日、文化祭の慰労会をお前の家族を招待してするらしい」

男「ふーん。いいんじゃない?」

女「そうか、両親には話が通ってるらしい」

男「何故俺を通さないのか甚だ疑問に思うな」
178: :2012/9/15(土) 23:37:30 ID:v03vdgiwxg
そんな会話をしていたら、いつの間にか教室は片付いていて、教室には俺と女しか残っていなかった

女「む…いつの間に」

全くだな。あいつら、トランザムでもしたのか?

そして俺はこの状況をもう一度思い出す
人気のない教室。二人っきり。校舎には生徒はほとんど残っていなかった

女「・・・」

女の目が怪しく光ったが、すぐに疲れたような表情になり

女「折角の機会だが…私もお前も疲れているだろうし、これで済ますとしよう」

そういいながらゆっくりと近づき唇を重ねた
179: :2012/9/15(土) 23:40:10 ID:rDlYHUoi0s
触れるだけのキス
それを終えると女は鞄を持ち

女「ではな、また明日会おう」

そういって教室から出ていった

男「また明日…ね」

いくら疲れていようと、女ならいかなる状況でも俺を押し倒していただろう。キスだけで済ませたのは俺に対する気遣いなのかもしれない

男「やれやれ、また気を遣わせちまったかな」

そう呟きながら、教室を出た
180: :2012/9/15(土) 23:42:45 ID:rDlYHUoi0s
皆様こんばんは
1でございます

文化祭編はこれで終わりとなります…長いですよね、すみません
後は小ネタを挟み次の演劇編(?)と続いていきます

それでは、今日の投下を終了します
見てくださった方々
ありがとうございました!!
181: :2012/9/16(日) 08:55:47 ID:9jgT1v9PDc
翌日

俺は叩き起こされるようにしてベッドから起きた

男「・・・なんだよ」

母「なんだじゃないでしょ!!朝よ?起きなさい!!」

男「・・・今日休みなんだが」

母「朝は起きなきゃ駄目なんです」

そりゃどういう理屈だと言いたかったが、屁理屈捏ねさせたら母さんには勝てないので素直に従う事にした

母「朝ごはんはもうできてるからね」

そういいながら部屋を出ていく母さん
俺は横目で時計を見ると、時計は7時を指していた

男「・・・早すぎだろ」

折角の休日なのに…
そんなことを思いながらフラフラと居間にリビングに向かった
182: :2012/9/16(日) 09:04:03 ID:D8/zNlLNVQ
男「・・・家には居間とリビング二つもねーよ」

母「何一人で突っ込んでんのよ」

男「・・・ほっとけ」

リビングに入るて、味噌汁のいい匂いがしてきた

父「おはよう。早起きだね男君」

男「起こされたんだよ」

女「それはいかんな。朝には自然と起きられるようにしておかねば段々と辛くなるぞ」

男「たまの休日くらいゆっくりさせてくれ」

母「休日だからこそちゃんとしないと」

女「流石お母様。素晴らしいです」

母「えへへ〜♪あ、女ちゃん。お醤油とって」

女「どうぞ」

母「大丈夫かな?まずくない?」

女「まさか、お母様の料理が食べれて私は幸せです」

母「もう〜上手なんだから〜」

・・・突っ込まん
俺は絶対に突っ込まんぞ
183: :2012/9/16(日) 09:09:35 ID:D8/zNlLNVQ
男「で、こんな朝早くに起こした意味は?」

母「・・・えっとね」

なんかいまあからさまに可哀想な子を見るような目をしなかったか?

母「やっぱりご飯は家族皆で食べないとね!!」

ほう?俺はそれだけの為に起こされたのか?後約一名他人がいるんだが

男「なるほどな、家族の団欒を作るにおいてはいいかもしれないが…毎回あんたらのイチャイチャを見せつけられる俺の気分にもなってくれ」

母「え?私達イチャイチャしてるかなぁ?父君」

父「してるかもしれないし、してないかもしれないね」

母「わぁ、父君ミステリアスー」

意味わかっていってんのか?
184: :2012/9/16(日) 09:12:54 ID:D8/zNlLNVQ
母「あ、ひょっとして男君マザコンなの!?」

なんでだよ

女「男、いくらお母様が魅力的だからといってそれは無いだろう」

お前は黙ってろ

父「男君、母さんを好きなのはわかるけど、母親だということを忘れないでね?」

あんたはややこしくするなよ

男「てか、別に母さんの事好きじゃないし」

母「!!」

母「父君!!男君が反抗期だよ!!」

父「男君、母さんに謝りなさい?」

女「お前が明らかに悪い場合、素直に謝罪すべきだろう」

・・・ナンダコレ?
185: :2012/9/16(日) 12:24:13 ID:TJ09xxAWr6
男「ていうかいい加減にしろよ!!」

俺はバンと机に手を置きながら

男「休日なのになんで早く起きなきゃなんねーんだよ!!ていうか、なんで女がここにいるんだよ!!そもそも普通に朝御飯をつまむなよ!!ていうかなんで二人とも何も言わねーんだよ!!和気あいあいとしてるんだよ!!」

三人「・・・突っ込み待ち」

男「・・・」

聞かなきゃ良かった
世の中には聞くべきことと聞かなくてもいい事の二種類があり、これは間違いなく後者である
186: :2012/9/16(日) 12:31:16 ID:TJ09xxAWr6
母「朝早くに可愛い彼女がいたらテンション上がるかな〜って」

女「・・・//」

なんでそこで頬を染めるんだよ。可愛いなんて思ってないんだからな?

父「まあ冗談は置いといて…僕達二人が休日出勤になったんだ」

男「なるほどね、それで早いわけか…で?なんで女がいるんだ?」

父「・・・一人ぼっちは寂しいかなって」

男「絶対に今考えただろ」

父「まあ、男君だけって家に潤いが無いじゃない?だから留守中に女さんをいれば潤うでしょ」

どういう理屈だ
ていうか女は加湿器かなんかか?

男「潤いなら母さんがいるんじゃないの?」

父「やだなぁ…君の潤いだよ?」

パードゥン?

父「だから、君の潤い」

ちらりと女を見る

女「・・・」

ああ…めっちゃ期待に満ちた眼差しをしておられる…
187: :2012/9/16(日) 12:35:00 ID:YrIECV.Knk
父「まあそんなわけだから、二人でお留守番よろしくね」

母「お菓子とお茶は戸棚に入ってるから」

小学生か

女「お任せを、この家を必ず守り通してみせます」

いったい何から守るんだよ。お前は何と戦ってるんだよ。お前には何が見えちゃってるんだよ

父「うん。これなら安心だね」

不安しかない

母「じゃあ行ってきまーす♪」

父「帰りは多分9時を過ぎると思うから」

男「ああ、はいはい」

半ば諦めたように力なく二人を見送る
果たして、俺は無事にいられるだろうか…
188: :2012/9/16(日) 17:34:33 ID:gA0eBsTIYQ
二人が出てった後、俺はゆっくりと席につく
女は先程から静かにご飯を食べていた。時折頷きながら箸を口に運ぶ

男「・・・」

俺の視線に気づいたのか、女が照れくそさそうに

女「お母様の前で下品な食べ方は出来ないからな」

今の食べ方は別に下品では無かったと思うが…

男「まあいいや、静かなのが一番いい」

俺も席についてご飯を食べ始める
一足先に食べ終わっている女はそれを微笑ましそうに見ていた

男「・・・なんだよ」

女「ふふ、別に?」

そう言われると気になるが、今は食べる事に集中する
189: :2012/9/16(日) 17:38:57 ID:gA0eBsTIYQ
女「で、これからどうする?」

男「どうするとは?」

女「今日についてだ」

男「寝る」

女「っ!!」

男「どうした?」

女「そ、その…寝たい…だなんて…まだ陽は明るいというに…///」

男「お前、確実に勘違いしてるよな」

女「冗談だ」

男「俺の邪魔をしない範囲なら、家を荒らしていいからな…ふあああ…」

女「普通そんなこと言わないのではないか?」
190: :2012/9/16(日) 17:44:44 ID:gA0eBsTIYQ
男「じゃあな…お休み」

そういって自室の入った男を見送った私
さて…どうしようか

もちろん荒らす気は無いので散策のしようがないが

女「やはりここは寝込みを」

男の部屋の扉に手をかけようとした時

バン!!

男「言っておくが、寝るのを邪魔すんなよ?」

女「・・・はい」

勢いよく扉が開き、男に釘を刺されてしまった
仕方ない。寝込みを襲うのは男が寝静まってからにしよう
191: 1(少しえっちぃかもです):2012/9/17(月) 03:40:38 ID:i8W2P4ZWyk
居間に戻り戸棚から紅茶を取りだしお湯を注ぐ
作った紅茶を飲み、一息つきながら私は束の間の休息を味わっていた

そういえば、こんな風に何も考えずに一息つくというのは久しぶりだな
いつもなら男の事を考えているのだが…

そこまで考えた時、私は自嘲気味に笑った
私はここまで男に入れ込んで…いや、いっそ依存と言ってしまった方がいいのかもしれないな

だが、その男だが
先程から何度も部屋に侵入を試みているのに、失敗が続いている
ドアに手をかけようとすれば、ドアを叩かれ牽制されるし、静かに近づいたら咳払いが聞こえる
奴はひょっとして私の行動が見えているのではないか?
192: 1(投下終了です):2012/9/17(月) 03:45:24 ID:i8W2P4ZWyk
そんなことがあり、私は居間まで退散し、紅茶を飲みながら次の作戦を考えているのだが…
何も思い浮かばないのが現状だ

女「せめて…男が寝てくれればな…」

そんなことを呟きながらも、なんとなくそろそろ男が寝静まっている頃だろうと踏んでいた

つまり、休息をすると同時に相手が寝静まるのを待つ時間稼ぎだったのだ

・・・後からなら、なんとでも言えるがな

とにかく、これが最後のチャンスだと思い、使った食器を片付け、男の部屋に向かった
193: 1(少しえっちぃかもです):2012/9/17(月) 13:24:03 ID:6XXCQhKMhI
慎重にゆっくりとドアを開ける

ベッドにはスースーと寝息をたてている男の姿があった

女「寝てる…のか?」

この期に及んで寝たふりなどとは考えたくはないが、ありえない話ではない。どちらにせよ油断はしない方が良さそうだ

まずは近くに寄り観察
表面上は寝ているようだ

だがそれだけでは安心は出来ない
私は男の手を掴むとそれを舐めあげた

女「ん…大丈夫みたいだな」

ここまですればもう確認する必要は無いだろう。私は勝利を確信し、笑みを浮かべた
男の寝込みを襲う時はいつも感情が昂り、まるで自分ではないかのような錯覚に陥る事がある
まあ、そんなことは些細な事なんだがな
194: :2012/9/17(月) 13:34:08 ID:VkzQHqwq/I
寝た事を確認したので、ここからは大胆にいくとしよう
男の布団に潜り込み体を密着させると、温もりある布団と男の体温が私を安心させる

女「男の…匂い…」

首筋に唇を落としながら顔を埋めて香りを堪能する
これがあるから寝込みを襲うのをやめられないのだな

女「ん…はぁ…」

徐々に口づけを激しくしていき空いた左手で男の胸を撫でる
体が熱くなり、火照っているのを感じながらも、私は口づけを止めない

ついに口内に舌を差し込み蹂躙する
無意識に男の舌が逃げようとするのを追いかけ絡めとる
195: :2012/9/17(月) 13:41:33 ID:VkzQHqwq/I
男「ん…」

男が息苦しさに顔をしかめたところで唇を離す
二人の間に銀のアーチがかかったのを興奮の眼差しで見ていた

女「はあ…はあ…」

まるで絶頂に達したかのように肩で息をしながら男を見つめる
もしかしたら、男と体を重ねないのはこれが原因かもしれんな

女「まだだ…まだ私は満足していない…」

一人ごとのように呟き、男の手を掴むと指を口に含んだ

女「はむ…じゅる…ん…じゅるじゅる…」

舌を巻き付けたり吸ったり時々甘噛みをして味を確かめるように指を舐めあげる

唇の端から溢れた唾液が零れ、男の手を伝っていった時、私は堪らなく興奮した
196: :2012/9/17(月) 13:47:47 ID:6XXCQhKMhI
異変に気づいたのは、口の中に何か柔らかいモノが入ってきた時だった

逃げようとすると、追い付かれ絡めとられたとき、それが舌だと脳が判断した

何者かが俺の布団の中に潜り込み、俺にキスをしているという所まで判断したとき、今度は手に、いや、正確には指柔らかい何が這い、温かいのに包まれた
指は巻き付かれ舐めあげられ、時折水滴が腕を伝ってベッドに落ちていく

うっすらと目を開けると、女が恍惚とした表情で俺の手を舐めあげていた

その顔は戦慄すら感じさせる。それほどまでに美しく艶やかで恐ろしかった
197: 1(えっちぃの終了!!):2012/9/17(月) 13:53:18 ID:6XXCQhKMhI
男「おい変態」

声をかけると、ビクッと肩を跳ねて俺を見た
その表情は先程から一転、驚愕、困惑、怯えが感じた

女「い、いつから…」

女がやや震えた声で聞いてくる

男「お前がキスした辺りくらいから」

そう言うと、怯えた小動物のような瞳で俺から離れる
昔ならなにしてんだと問い詰めたが、どうやら俺も末期らしい
その表情が可愛いと思い、気がついたらキスをしていた
198: :2012/9/17(月) 23:41:03 ID:QiE5ZH/akU
女が驚いて目を見開く
唇を離し、やや呆れ顔をしながら

男「お前って、忍び込んで主導権握れば強いのに、真正面からだと弱いのな」

女「あ…う…//」

男「まあ、終始強気なお前だとこっちも辛いからいいんだけどな」

女「・・・」

女の頭を優しく撫でながら微笑むと女は俯いてしまったが、その顔は赤かった
199: :2012/9/18(火) 00:00:46 ID:QiE5ZH/akU
女「…えが…い」

男「ん?」

女「お前が!!お前が無防備な寝顔を私の前に晒すから悪いんだ!!」

男「はあ!?」

実に理不尽な物言いである

男「まてまてまて、睡眠をして何が悪い」

女「私の前で寝るな!!」

男「無理だろ!?てか、お前が勝手に見るんだろ!!」
200: 1(投下終了):2012/9/18(火) 00:24:18 ID:QiE5ZH/akU
子供じみた言い争いを暫く続けていると、段々とおかしくなり気がついたら二人で笑っていた

男「ったく、腹いてえ…」

女「涙だ出るくらい…笑わすんじゃない」

男「お前だろうに」

ベッドの上で笑い転げる二人。端から見ればおかしいことこの上ないと思ったが、気にしない事にした

男「はー、全く…眠気吹っ飛んだよ…」

女「なら好都合だ。続きをするか?」

男「明日嫌ってほどやるんだろ?わかってるよ」

女「・・・そうだな」

せめて嘘でも否定して欲しかった
201: 1(200突破支援感謝):2012/9/18(火) 21:00:57 ID:YgAKzMedqQ
そんな感じで女と話していたらいつの間にか夜になっていた

男「っと、そろそろ夕飯食わなきゃな…お前も食うだろ?」

女「いただこう」

男「よし、ちょっと待ってろ」

女にリビングに待つように指示して台所に向かう

そのまま戸棚をあさくり数分後

男「お、あったあった」

女「・・・なんだそれは」

気がついたら女が背後に立っていた。驚かすんじゃない

男「何って…レトルt」

バキッ!!

男「ぐはっ!?」
202: :2012/9/18(火) 21:05:59 ID:D8/zNlLNVQ
手に持っているレトルトカレーを掲げようとした瞬間、綺麗なアッパーを決められた

男「何しやがる!?」

女「それはこちらのセリフだ!!」

いつになく真剣な女の表情。ひょっとしてこいつレトルトが駄目な奴か?だとしたら悪い事を…

女「お前の手で調理された物が食べれると思っていた私の期待を返せ!!」

・・・うん、こいつはこういう奴だよね

男「心配すんなよ。お前の分は違うの…おぼっ!!」

今度は綺麗なローキックを腹に直撃された。痛いでござる

女「貴様は!!そんなに!!孤食がしたいのか!!」

男「いやだって…めんどくさ…」

女「めんどくさがるな!!お前はやれば出来る奴だ!!」
203: :2012/9/18(火) 21:12:40 ID:D8/zNlLNVQ
男「やれば出来るというのは人を追い詰めるって偉い人が言ってたような」

女「・・・」スッ

女がラリアットの構えをした瞬間俺のなかで危険信号が全力で警報を鳴らした

男「だ、だって!!一人じゃめんどくさいし!!」

女「なら私が手伝う」

男「はい?」

女「一人がめんどくさいなら私が手伝おう」

かけてあるエプロンを取りながら女が提案する
ひょっとして、この方向に持っていきたかったんじゃないか?
204: :2012/9/18(火) 22:46:41 ID:o7aPTZruPQ
かくして、俺と女の初めてでもない共同作業が始まったわけだが…
二人ともそれなりに料理をこなせるためフォローなんているはずもなく
淡々と調理をした

女は時折不満そうな目で俺を睨んできたが、手伝うと言ったのは向こうだし、こうなると予想出来ないわけではなかったので、完璧な向こうの落ち度である

俺は悪くない

どっかの親善大使が出てきた所で、カレーが完成した
205: 名無しさん@読者の声:2012/9/19(水) 00:31:06 ID:hn/IGE5VEU
俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!
という訳で支援
206: :2012/9/19(水) 19:48:13 ID:g.4f2WBCgc
>>205

おうふ…こんなSSにまだ支援して下さるとは…
しかもレプリカさんじゃないですか

ありがとうございます
励みになります
207: :2012/9/19(水) 19:52:42 ID:c/F59Ully6
まるで熟年夫婦のような重苦しい空気のなか、カレーを食べる

当然と言えば当然なんだが上手い…が、空気が重い

男「なあ…機嫌直せよ」

女「・・・」

男「悪いとは思ってるけどさ、俺がお前をフォロー出来る場面無かっただろ?」

女「・・・」

男「・・・はあ」

どうやらそうとうご立腹らしい
俺とて良心はあるし、責任の一端は俺にもあるから放置というわけにはいかない

男「俺に出来る範囲で、何でもしてやるからさ」

女「・・・」
208: :2012/9/19(水) 19:55:55 ID:g.4f2WBCgc
女の肩がピクッと震える。どうやら効果はありそうだな…一歩間違えればピンチだが

男「なんかして欲しいことあるか?言ってみろよ」

女「・・・膝枕」

男「俺のか?言っちゃなんだが、固いぞ?」

女「膝枕・・・させろ」

男「へいへい。これ食い終わったらな」

女「・・・」コクン

ようやく重苦しい空気から解放され、カレーがいつもより上手く感じた
209: :2012/9/19(水) 20:00:16 ID:c/F59Ully6
夕食を終え、食器を片付けてリビングに戻ると、女が正座して待っていた。やる気満々らしい

女「・・・」

女が無言で自分の膝をポンポンと叩く

男「そいじゃ、失礼しますよっと」

女の膝に頭を乗せ寝転がる。なかなか柔らかく心地よかった

男「こりゃいいな…」

ボソリと呟くと、女が髪の毛に指を絡ませてきた。こそばゆい感覚が頭を撫でる
210: :2012/9/19(水) 20:04:51 ID:c/F59Ully6
女「・・・悪かったな」

ポツリと紡がれた言葉を聞き女を見ると、バツの悪そうな顔をしながら

女「駄々っ子のようにみっともないことをしてしまった…すまない」

男「いいんじゃねーの?」

手を伸ばし、女の髪に触れる

男「たまにはそんな顔見るなら、新鮮味があるからな」

そういって微笑むと、ようやく女も笑ってくれた
211: :2012/9/19(水) 20:08:09 ID:c/F59Ully6
男「もうすぐ父さん達帰ってくるな」

女「ん」

男「どうせからかわれるんだろうな〜新婚気分は味わえたか〜?っ」

女「ふふ」

男「さらにこの状況。完璧に拍車をかけてるよな」

女「なら、もう止めるか?」

男「いや…もう少しこのままでいさせてくれ」

男「ようやく自分に素直になれたんだからな」

女「・・・ああ」
212: :2012/9/19(水) 23:52:38 ID:EzXYzelY9o
ガチャ

母「ただいま〜♪」

男「お帰り」

女「お帰りなさい」

母「あー!!いい匂いする!!カレー!?ね、カレー!?」

男「そうだよ。あんまはしゃぐな」

母「二人が作ったの!?」

女「ええ」

母「わーい!?カレー大好き!!」

男「だからはしゃぐなっつに!!」
213: :2012/9/19(水) 23:54:56 ID:CuVi1ge0hg
父「ただいま」

男「お帰り」

女「お帰りなさい」

父「なんともなかった?大丈夫?」

男「ガキじゃねぇんだから」

父「あはは、女さんも留守番ありがとうね」

女「いえ、当然の事をしたまでです」

父「さてと…じゃあ僕と母さんは君達のカレーを食べてくるから…まあ、ゆっくりしていって」

男「?」

父「じゃあ、後で」
214: :2012/9/20(木) 00:00:45 ID:CuVi1ge0hg
男「父さんの言ってる意味がよくわからねーが…」

女「・・・」

男「なにソワソワしてんだ?」

女「いや…お二人が私の作ったカレーを食べるなどと…お口に合うかどうか…」

男「へんな所が謙虚と言おうか、遠慮しがちと言おうか」

男「で?お前わかる?父さんの言葉の意味」

女「あ、ああ…恐らくこのあと始まる慰労会についてだろうな」

男「慰労会?ああ…そんな話もあったな」

女「うむ。200も越えたのに未だに一話しか終わってない話の遅さに急遽削るかどうかの会議にかけられた小ネタの慰労会編だ」

男「メタ発言乙」
215: 1(投下終了):2012/9/20(木) 00:20:30 ID:2g0FUMUaTs
女「しかし…良かったな、カレーを作っておいて」

男「まあな」

女「私達二人じゃ食べきれなかったし…父と母にも持っていってやるか」

女「たとえ調理中に会話が無くとも、食事の際に話の花が咲く…ふふ、私は間違いをしていたようだな」

男「あんまり気にすんなよ。間違いなら誰にでもある。完璧な奴なんかいないさ」

女「そうだな」

男「(いい話を持ち出して強引に話を進めようとしてる所とかな)」
216: :2012/9/20(木) 20:47:47 ID:QiE5ZH/akU
男「さてと…暇だな」

女「確か、慰労会は私の家でやるらしい」

男「逃げ場が無いな」

女「ちなみにお前以外の満場一致で決定だ」

男「当事者が除け者にされてる件について」

女「細かい事は気にするな」

男「気にするよ」
217: :2012/9/20(木) 20:50:26 ID:QiE5ZH/akU
父「二人とも、ちょっといいかい?」

父「今から女さんの家に向かうんだけど、準備してね?」

男「なんのだよ」

父「男君は明日は女さんの家で過ごすんじゃないの?」

男「・・・」ギロッ

女「ん?どうした?」

男「べ、つ、に?」

男「(謀られたな…こりゃ)」

母「それじゃあ、いこっか」
218: :2012/9/20(木) 20:53:32 ID:pc/9dJv9U.
女の家

女母「いらっしゃい。ようこそお越し下さいました」

父「夜分にすみません」

女母「いいえ」

母「お邪魔しまーす」

女「ただいま」

男「お邪魔します」

女父「おう、来たか」

女母「お父さん。もうちょっと愛想よくしたらどうです?」

女父「なよなよしいのは性に合わねぇんだよ」
219: :2012/9/20(木) 20:59:49 ID:pc/9dJv9U.
女母さんに案内されリビングに入ると、そこには数々の料理や飲み物、パーティーグッズがあった

女母「ほんのささやかですが…」

父「いえいえ大変豪勢ですよ」

よくもまあ、こんなに集めたものだと感心していると、あることに気づく

男「なあ…わりかし酒の比率が多くないか?」

途端に大人達がピクッと反応する
なるほどな…そういうことか

女「つまり、私達の慰労会と称して大人は飲み会をするというわけか」

女が冷静に分析した結果を喋ると、女母さんと父さんがいたずらっ子がいたずらがばれたみたいな顔をした
220: :2012/9/20(木) 21:03:12 ID:QiE5ZH/akU
女父「なんでぇ、酒がやけに多いと思ったらそういうことかよ」

女父さんが驚いたように口を開く。それに女母さんが

女母「家には酒豪がいますから、足りないと思ったんですよ」

女父「違いねぇ」

ガッハハと豪快に笑う女父さん。でもこの中で多分一番酒に弱いのはあなたなんだよな…

母「えへへ〜、じゃあ私は父君にお酌してあげるね〜」

父「ありがとう、母さん」

二番目に弱い母さんが父さんにお酌って凄いシュールなんだが
221: :2012/9/20(木) 21:08:04 ID:QiE5ZH/akU
そこでふと疑問に思い、父さんに聞いてみる

男「なあ、父さんと女母さんってどっちが酒強いの?」

父「半々ってところでしょう」

いきなり敬語になるな
あとわかる人にしかわからないネタを使うな

父「まあ、それを今日確かめるんだけどね」

なんてこった
慰労会のはずが、飲み会になっており気がついたら飲み比べになっていたよ

男「なあ、これ慰労会なんだよな?」

確認のために女に聞いてみるが

女「大人には大人の楽しみがあるのだろうし、私達は私達で楽しめばいいのではないか」

ごもっともな発言である
222: :2012/9/20(木) 21:15:32 ID:QiE5ZH/akU
結局なんやかんやで慰労会は始まった

文化祭に来れなかった大人達は文化祭の様子を聞き、それに俺たちが答える

母さんが自慢気に女の執事姿を自慢すると、何故持っているのか女母さんが執事服を奥から持ってきた
そこからは大人からの着替えろコール。ちなみにこの時女父さんは完璧に酔っぱらい、母さんは頬が赤かった。酒に強い二人は素面である

女が執事服を着て、母さんをノックアウトさせた頃、女父さんが酔い潰れログアウト。それに続いて母さんもログアウトした

残ったのは俺と女、そして父さんと女母さんだった

男「まあ…この面子が残るよなぁ…」

女「ふふ、最初から予想していたのではないか?」

手に持っているワイン…でなく、ワイングラスに注がれた葡萄ジュースを傾けながら溜め息をつくと、女が当然といったように返してきた
223: :2012/9/20(木) 21:20:33 ID:pc/9dJv9U.
父「まあ僕としてはこの状況は計画通りって感じなんだけどね」

父さんが笑顔でワイン(本物)を傾ける
ちなみに俺が数えてる限りで三本くらいを飲み干してるんだが

女母「本当に家の主人はお酒に弱くて…でもそれでも飲みたがるから」

父「余ったのはこっちで飲んじゃえばいいですしね」

女母「そうですね」

クスクスと笑いながら話す二人だが、俺としては肝臓が凄く心配である

女「母、はしゃぐのは構わないが、あまり飲み過ぎるなよ?」

女母「あら?誰に言ってるのかしら?」

女母さんの目が怪しく光る
女の発言は完璧な失言だったな
224: :2012/9/20(木) 21:26:25 ID:QiE5ZH/akU
女「やれやれ…」

机に置いてあるグラスを取り口に含む。それと同時に

父「あれ…なんかこれ甘い」

父さんが不思議そうに呟くのと同時に

バタン!!

女が倒れた

男「女!!」

急いで駆け寄り様子を確かめる
ただ気絶しただけみたいだが…何故?

女母「これ…ワインね」

女母さんが女の飲んでいたグラスを飲みながら中身を言う

男「なんで…」

父「多分、間違えたんだろうね」

赤ワインに葡萄ジュース。確かに間違う要素はあるが

男「だ、大丈夫なんですか?」

女母「この子はお酒なんて飲んだことないから…多分大丈夫なはず」
225: :2012/9/20(木) 21:31:41 ID:QiE5ZH/akU
女母さんが言い終わらない内に、女が起きあがった

女「・・・」

男「女!!大丈夫か!?」

揺さぶるのはまずいと思い肩に手を起きながら顔を覗きこんで問いかける

女「・・・」

女はボーッとした表情で俺を見た後、いきなり抱きついてきた

男「ちょ!?女!?」

抱きつかれ時に体制を崩してしまったが、なんとか立て直す。それにしても抱きしめる力が半端なく強い

女母「この表情…この仕草…まさか…」

女母さんが何か思い当たるふしがあるのか何か呟いている

父「何かわかったんですか?」

父さんが問いかけると、女母さんは半ば確信したような顔で

女母「確かめて…みます」
226: :2012/9/20(木) 21:36:33 ID:pc/9dJv9U.
奥に行った女母さんが持ってきたのは大きいサイズの熊の人形。そして

女母「おいで女ちゃん。熊さんですよ」

そう声をかけると、女はゆっくりと振り向き、熊を確認すると、フラフラとした足取りで熊に近づき先程と同じように抱き締めた

父「これは…一体?」

動揺を隠しきれない父さんに女母さんが告げる

女母「これは女が小さいころによくしていた癖で、ところ構わず抱きつくんですよ。特にあの熊の人形はお気に入りでした」

父「つまり…幼児退行したって事ですか」

女母「・・・そうなりますね」

俺は二人の会話についていけなかった
227: :2012/9/22(土) 19:02:16 ID:kziv3FHw6c
男「えと…つまり…女が子供みたいになったって事ですか?」

幼児退行という聞き慣れない言葉を反復しなんとか意味を探る

女母「そうなりますね」

男「マジかよ」

女の様子を伺うと、熊のぬいぐるみを抱き締めたまま離さず微動だにしなかった
なんか、少しだけムカつく

男「・・・ぬいぐるみ相手になに嫉妬してんだよ、俺」

溜め息をつき、女に近づく
女は熊を抱き締めたまま俺を見上げる

男「声、聞こえてっか?」

なんとなく聞こえてなさそうだったので、顔の前で手を振りながら聞いてみる。すると

女「・・・」ガバッ

男「のわあ!?」

熊を掴んだまま俺に抱きついてきた。思考が子供とはいえ、姿や力は女のままなわけで、何が言いたいかと言うと俺は押し倒された形になった

父「・・・非常に美味しい展開ですが、流石にこのままにしとくわけにもいきませんしね」

おいそこ、聞こえてんぞ
228: :2012/9/22(土) 19:06:52 ID:kziv3FHw6c
女母「多分…飲酒をしたことによる一時的な物だと思いますが…」

父「様子を見るしか手は無さそうですね」

女母「ええ…それにしても」

女母さんが改めて俺達を観察する
そのまま微笑みながら

女母「女は本当に男君が好きなのね…その熊を片手間に抱いているのがいい証拠だわ」

そういうもんなのかと、女を見る
当の本人は実に満足そうな顔をしてるが

男「こいつの小さい頃って、あんまし表情に変化なかったんかね」

下らない事を考えながら、とりあえずはもう暫くこのままらしい。いつもの女ではないから安心は出来るが
229: :2012/9/22(土) 19:12:07 ID:GiTtRvhYII
色々考えた挙げ句、結局酒を抜くには水が手っ取り早いという結論に達した

ちなみにその間に女は俺にしがみつきながらスヤスヤと寝息をたてていた。全く、自由な奴だ

父「女さん、寝ちゃいましたね」

女母「そうですね〜男君、申し訳ないけど、女を部屋まで運んでくれる?」

父「ついでに添い寝もね」

男「わかりました。父さんは?」

父「まだまだ飲み足りないしね、もう少ししたら母さん回収しておいとまするよ」

男「ああ、そう」

女母「それでは、よろしくお願いしますね」
230: :2012/9/22(土) 19:22:39 ID:kziv3FHw6c
女を部屋に運び込み、ベッドに寝かせたまでは良かったが、女が俺にくっついて取れなかった為、俺までベッドに入ることになった

相変わらず女は気持ち良さそうに寝息をたてている

男「やれやれだ」

何故に小さい頃のこいつはこんなにも甘えん坊なのだろうか
というより子供みたいになったとは、大体何歳くらいまで戻ったのか

男「正直、甘えるって年齢じゃないんだから。お前」

背中をポンポンと叩きながら呟く
子供のあやしかたなんてのは知らないから完全に手探りである
231: :2012/9/22(土) 19:29:37 ID:GiTtRvhYII
暫くすると、女の様子がおかしくなった
何かにうなされるように顔をしかめながら

女「・・・ち・・・で」

何かを呟いた。よく聞き取れなかったので、耳を近づけると

女「ちち…はは…どこに…いるの?…くらいよ…こわいよ…一人に…しないで…」

男「・・・」

信じられない気分だった。あの女がこんなことを言うなんて

そこまで考えた時に、ふと思い出した
女は小さい頃に、家に一人にされた事があったと 。その時はあまり本気にはしなかったが…どうやら本当だったらしい

男「・・・悪いことしちまったな」

誰に聞かせるわけでもなく呟く
女はまだうなされていた
232: :2012/9/22(土) 19:35:28 ID:kziv3FHw6c
俺は女を優しく、しかし力強く抱き締めながら

男「大丈夫だ。俺はここにいるよ。頼りないかも知れないけどさ…俺はお前から離れないから…だから、お前は一人じゃない」

女「・・・にぃに?」

女はうっすら目を開けて俺を見る

男「もう眠れ。これは夢だからな…」

そのままゆっくりと、女の頭を撫でると、女は静かに目を閉じた
さっきと違うのは女が嬉しそうに、安心したような顔で寝たことだ

男「子供相手に何言ってんだか」

女の指に手を絡ませながら、俺も目を閉じた
233: :2012/9/22(土) 22:33:27 ID:VbQdnV4PUk
翌日

私は頭痛で目が覚めた

女「ここは…私のベッドか?」

どうも昨日の慰労会ではしゃいで寝てしまったらしく、誰かが見かねて私を運んでくれたらしい

女「・・・痛い」

頭の痛みと戦いながら昨日の事を思い出そうとするが、全く思い出せない。何故だ?

とりあえず考えているだけでは仕方ないので、体を起こそうとすると、ぐにっと柔らかい感触がした

女「これは…ぬいぐるみか?まだこんなのを抱いて寝るとはな…」

子供の頃にお気に入りだったぬいぐるみが側にあり、私もまだまだ子供なのだなと自嘲しながらどけた瞬間、私は驚愕した

女「・・・男!?」
234: :2012/9/22(土) 22:55:27 ID:VbQdnV4PUk
男が、男が私のベッドで寝息をたてていた

思考と行動が一瞬フリーズする。そんななかで私が取った行動は頬をつねるという単純なものだった

女「夢…ではないみたいだな」

男が私のベッドにいるという妄想なら何度もしたことがあるが、現実になるとは思っていなかった

男「ん…起きたか?」

眠そうに目をこすりながら起きた男

正直…我慢出来ない
235: :2012/9/22(土) 23:00:13 ID:VbQdnV4PUk
女「男ー♪」

私はまだ寝ぼけているであろう男にのし掛かる

男「んー、朝から元気だな…」

男はまだ脳が寝てるらしく、拒否の反応を見せない

女「ん」

私は素早く唇を重ね、舌を絡ませる
男はそれにされるがままになっていた

征服感が私を支配し、感覚が研ぎ澄まされる

ここでようやく男が正気に戻ったのか、少し暴れ始めた
これ以上は無理だと判断し、素直に唇を離す

男「ぷはっ、お前なぁ…」

男が呆れたような目を私に向けるが、今の私にはそれすらも快感だった
236: 1(投下終了):2012/9/22(土) 23:03:02 ID:VbQdnV4PUk
女「全く、朝から嬉しい、もといビックリするようなドッキリをするな」

男「ドッキリは普通ビックリさせる為にするんだろ…てか、ドッキリじゃねーし」

女「どういう事だ?」

男「お前、昨日の事を覚えてないのか?」

女「ああ、何かあったのか?」

男「・・・言っていいかわからないし、とりあえず下に降りようぜ」

女「そうだな」
237: :2012/9/23(日) 17:01:10 ID:Utrmrdn/jw
女「おはよう…と、もう出掛けているか」

男「ああ、この家には俺とお前の二人だけだ」

女「ほう」

男「怪しく目を光らせるんじゃない」

女「ともかく食事にしよう。まずは体力をつけなくてはな」

男「へいへい」

女「座って待っていろ」
238: :2012/9/23(日) 17:05:09 ID:Utrmrdn/jw
女「お待たせ」

男「そんなに待ってはないがな」

女「口に合うといいんだが」

男「今更お前の料理にケチつけるかよ」

男「・・・うん、これは旨い」

女「よかった」

男「これから用事あるのか?」

女「そうだな…好きなだけお前を弄くり回したいが…」

男「・・・」

女「まあそれは後にとっておくとして」

女「そういえば、昨日の出来事をあまりよく覚えてないのだが、何があったんだ?」

男「ああ…それか」
239: :2012/9/23(日) 17:12:05 ID:0VwdmNt3m.
男「お前が間違って酒を飲んじまって…」

女「何!?飲酒だと!?」

男「間違ってだからな?」

女「くっ!!私とした事が…未成年の飲酒は法律で禁じられているし…何より発達途中の脳の機能にも悪影響を及ぼす…更に肝機能の低下や呼吸機能の…」

男「・・・まあ、とにかく酒を飲んじまって、幼児退行しちまったんだよ」

女「幼児退行?私が?」

男「ああ、要は体はそのまま、思考や行動が小さい頃のお前になるってことだ」

女「小さい頃の…っ!!///」

女「わ、私は、何か変な事をしなかったか?」

男「んー、まあ、熊のぬいぐるみを抱き締めてた事くらいか」

女「・・・迂闊だった////」
240: :2012/9/23(日) 17:16:11 ID:Utrmrdn/jw
男「それ以外は特にはな、大人しかったし」

女「お前から見た私は…どんな印象だった?」

男「静かで、とにかく大人しかったな」

女「そうか」

女「それで?なんでお前が私のベッドに?」

男「それも説明しなくちゃか?」

女「薄々は感づいてはいるがな」

男「お前が俺にひっついて、そのまま寝ちまったんだよ」

女「・・・やっぱりか///」

男「女母さんは、熊のぬいぐるみ以外に抱き付くなんて珍しいなんて言ってたな」
241: :2012/9/23(日) 17:19:44 ID:Utrmrdn/jw
女「小さい頃の私は、両親とそのぬいぐるみ以外にはかなり静かだったらしい」

男「まあ、実際見たしな」

女「やれやれ…まさか私の幼少の癖を知られるとはな」

男「事故だったし…しょうがないだろ」

女「寝る時は…何も無かったか?」

男「・・・なんも」

女「そうか」

男「なんでだ?」

女「幼少の頃は、よく悪夢にうなされていたらしい…それで父と母を困らせた物だ」
242: :2012/9/23(日) 17:22:59 ID:0VwdmNt3m.
男「悪夢…ねえ」

女「ああ…悪夢さ」

女「暗闇に…放り出されて一人にされるという内容だったな」

男「よく覚えてられるな」

女「記憶してるものさ。たとえそれが嫌な記憶だったとしても」

女「だが…今日見たのは違ったな」

男「・・・」

女「暗闇に放り出されるまでは同じだったが…声が聞こえた」

女「私は一人じゃないと、励ましてるような内容だったのは覚えてる」

女「いかんな、これ以上は時間の無駄だ」
243: :2012/9/24(月) 22:08:38 ID:x3YWRW.2Kw
女が食器を洗っている姿を眺めながら、俺は過去の事を思い出していた

女と出会ったのは高校が始まってすぐの頃である

そのときはまさかこんな関係になるなんて思いもよらなかったが…こいつは当時から俺の事を気にかけていたし、こうなるのはある意味必然だったかもしれない

女「どうした?ボーッとして」

いつの間にか食器を洗い終わっていたであろう女が紅茶をだしてくれていた

男「悪いな、俺とお前が出会った時を思い出してた」

女「ああ…それか」

男「あれからかなり経ったよな…」

そう思いながら、ゆっくりと過去に思いを馳せた
244: :2012/9/24(月) 22:13:01 ID:n.HpD09wVY
二年前 入学式

幼「やったね!!高校も一緒だよ、男君」

男「ここまで来ると、ある種の呪いを感じるな」

幼「ひっどーい!!」

これから始まるであろう高校生活に特に何も感じずに終えた入学式
小中と一緒だった幼とはもはや腐れ縁じゃ説明しきれないなと考えていた

幼「あ、でもクラスは違うかもしれないし、私がいなくてもきちんとやるんだよ?」

男「そりゃこっちの台詞だ」

幼「じゃあ、また後でね」

男「やれやれ」
245: :2012/9/24(月) 22:17:33 ID:x3YWRW.2Kw
教室

先生「えー、これから三年間皆と一緒に過ごしていく。また、三年間同じ面子と顔を合わせることになるからな、しっかりと分け隔てなく接するように。お互いの顔と名前くらいは最低限覚えておけよ」

先生が出ていった後、途端にざわつく。恐らく同じ中学校の出身で集まっているのだろう

幼「クラスも一緒なんだね」

幼がトコトコと俺の机に近づく

男「なんつーか…もうこれは呪いだな」

幼「いいじゃーん、男君いないと寂しいし、友達もいっぱいつくらないと!!」

小さくガッツポーズを取る幼、この仕草と性格なら友達くらい余裕に作れるだろうよ
246: :2012/9/24(月) 22:19:43 ID:n.HpD09wVY
幼「あ、男君。教えて欲しいんだけど」

男「ん?塾の課題か?」

幼「うん。合格と入学祝いでいっぱい」

男「それ、どんな嫌がらせだよ」

幼「でねー、ここなんだけど…」

男「・・・わからん」

幼「えー!!どうしよっかなー」

「その問題なら、3を代入すれば解けるよ」
247: :2012/9/24(月) 22:30:14 ID:n.HpD09wVY
声のする方向に振り向くと、男子学生が課題を見下ろしながら立っていた

幼「え?3を…あ!!本当だ!!」

男「すげーな…えっと」

友「ああ、友っていうんだ。よろしく」

男「よろしくな、俺は男。こっちは幼」

幼「よろしくね♪友君」

男「しかし、よくわかるな、頭いいのか?」

友「そんなに凄くないよ。ただの応用だから、そんなに難しく考える必要はないよ」

男「それをさらっと言える所が凄いっつの」
248: :2012/9/24(月) 22:38:16 ID:.mOSlinmUo
友「なんにせよ、お役に立てたようでなりより」

男「帰るのか?」

友「色々とあってね。じゃあまた明日」

幼「じゃあねー」

男「悪い奴じゃあないみたいだな」

幼「いい人だよね」

男「俺達も帰るか?」

幼「そうだね」
249: :2012/9/25(火) 23:46:56 ID:hhUEuuojxg
それから友は自然に俺達の側にいるようになった。友曰く、一緒にあがった友人がいないから寂しかったらしい

そして…その日が来た

男「あちゃー、雨降りだしてきたな」

幼「傘持ってきて本当によかった〜」

友「天気予報でも言ってたしね」

この頃になると、クラスの緊張は大分解れてきていて、笑いが起こったりしていた。一部を除いて

幼「うーん…私は用事があるから帰らないとな〜」

友「僕も、男は?」

男「うーん、もう少しいる」

幼「そう?じゃあねー」

男「気をつけて帰れよー」
250: :2012/9/25(火) 23:51:34 ID:hhUEuuojxg
男「さて…俺も出るか」

二人にはまだ残るとは言ったが、実は特に何の用事も無かった。ただ、なんとなく二人と一緒だと悪い気がしたのだ

玄関にいき下駄箱から靴を取り出す

男「ん?」

玄関には、女生徒が空を見上げて立ち尽くしていた

男「あれは…」

見覚えのある顔だった
確か、同じクラスの…

そこまで考えた時、女生徒がこちらに気付き振り返る

「・・・同じクラスの」

どうやら向こうも同じ事を考えていたらしい

251: :2012/9/25(火) 23:54:00 ID:hhUEuuojxg
男「男だ」

女「私は女だ。よろしく」

右手を差し出すと、握手に応じてくれた

男「何やってんだ?傘忘れたのか?」

女「いや、傘はあるんだ」

鞄から黒の折り畳み傘を取り出す女。雨に困っているわけではないらしい

男「じゃあなんでだ?」

女「・・・そうだな」

女はやや悩むような仕草をした後、こちらに向き

女「私の事、どう思う?」
252: :2012/9/25(火) 23:59:09 ID:nZJb5SSDcU
男「は?」

質問の意味がわからずもう一度聞き返す

女「つまり、君にとって、私はどういう風に写っている?」

男「どうって…」

改めて女を見る

整った顔立ちに、聡明そうな目線。同年代の女子に比べれば少しばかり身長が高いが、スタイルはかなりいい方だ

男「別に、普通に綺麗だと思うが」

女「普通…か」

女は小さくため息をつき、外を見る

外には相合い傘をして楽しそうに会話している女子の二人組が歩いていた

男「うらやましいのか?」

女が羨ましそうな目で女子を眺めていたので聞いてみたが

女「・・・そうだな、私は羨ましいのかもしれんな」

男「俺から見ればお前も十分あの女子たちみたいだが?」
253: :2012/9/26(水) 00:04:59 ID:nZJb5SSDcU
女はこちらに向き、少しの間を開いた後、口を開いた

女「私は…変人なんだ。分かりやすく言えば生意気、というのかな」

女が言った言葉に俺は違和感を覚える

男「なんだそりゃ。お前が生意気?」

女「ああ、口調や、態度がな」

男「別に、生意気なんてもんじゃないだろ」

確かに、俺は女のようなタイプの人間に会ったことがなく、単に新鮮なだけかもしれないだけかもしれないが

女「私は、人を不快にさせるらしい」

男「少なくとも俺は不快にはならないが?」

女はちょっと驚いた顔をしたが、すぐに表情を戻して続けた

女「それは君が私のような人間に出会った事がないからだろう。直にわかる」

こいつは心が読めるのか?
254: :2012/9/26(水) 00:09:02 ID:nZJb5SSDcU
男「直にわかるって、何が?」

女「めんどくさい奴」

男「お前…」

女「いいんだ。慣れているからな」

男「そう思わない奴もいるかもしれないだろ」

女の言葉に少し憤りを感じ、少し口調を強くしてしまったが

女「自分の意見しか押し通さないのだぞ?めんどくさいと思われて当然さ」

自嘲気味に笑う女を見た瞬間。俺の中でなにかが弾けた

男「ふざけんな!!そんなんただの被害妄想じゃねーか!!」

女「!!」
255: :2012/9/26(水) 00:14:16 ID:nZJb5SSDcU
男「お前がめんどくさい奴って思われてるんじゃなくて、お前がめんどくさい奴って思うように振る舞ってるだけだろ?」

女「だが…私は…」

男「俺は自分の意見を言える奴をめんどくさい奴だなんて思わない!!」

女「!!」

男「自分の意見を言えるって凄い事だと思う。だから俺はお前の事すげーって思ってるよ!!」

男「でもお前はそんな凄いのをめんどくさいで片付けるんだ!!それって凄い勿体ないだろ!?」

女「勿体…ない」

男「大体、中学なんて自分の意見を言いたいだけの子供の集まりなんだから、そう思われて当然だろ」

男「でも、高校ならある程度は理解する奴もいる」

男「でもお前はその意見を潰して過ごそうって言うんだ!!」
256: :2012/9/26(水) 00:19:35 ID:hhUEuuojxg
女「君は…私を惜しむのか?」

女が震える声で問いかける。その瞳はまるで救いを求めてるようだった

男「俺は馬鹿だから、難しい事はよくわかんねーけどさ…」

男「たった少ししか話してない俺でも凄いってわかるんだから…他の奴らもきっと分かってくれるよ」

女「・・・」

女は俯き、だがすぐに

女「私は…怖かっただけなのかもしれんな…拒絶されるのが」

女は笑顔になり、俺に向きながら

女「ありがとう男。君のお陰で目が覚めた…君は、芯がしっかりしてるんだな」

男「お前もな」

女「私も?」

男「ああ、お前らしく…それが出来るのはお前しかいないんだからさ」

女「私しかいない…」
257: :2012/9/26(水) 00:21:56 ID:nZJb5SSDcU
男「・・・って、やばっ!!もうこんな時間かよ!?」

女と話し込んでいる内に、もう遅い時間になっていた

雨はもう小雨になっていた

男「これなら走って帰れるな…悪い!!俺帰らないと!!」

女「ああ、道中気をつけてな」

男「じゃあな!女!!また明日!!」

女「・・・ああ、また明日」
258: :2012/9/26(水) 00:24:41 ID:nZJb5SSDcU
現在

男「意外に覚えてるもんだな」

女「忘れるわけがないさ。あの時の出来事は私の人生観を変えたからな」

男「もし、あんときにお前に出会わなかったらどうなってたかな?」

女「さあな、私はもしも話が苦手だからな」

女「それより、今を、未来を大切にしていきたい。過去は、戻せないからな」

男「・・・そうだな」
259: :2012/9/26(水) 00:28:16 ID:hhUEuuojxg
皆様こんばんは

1です

お久しぶりです。ここ最近の不定期更新非常に申し訳ないです
お読みになってる方々がまだいらっしゃるのであれば、ここでお詫びを申し上げます

さて、意味もなく過去に突入して見ましたが、本編にはまるで関係ないという件について

次回の投下から本編に起動修正いたしますのでよろしければご覧になっていただけるとありがたいです。

長々となってしまいましたが、これで投下を終了とさせていただきます

見てくださった方々
ありがとうございました!!
260: :2012/9/26(水) 20:28:25 ID:9QlgQLDvyE
そんな感じで話していると、女が何かを思い出したような顔をする

男「どうした?」

女「・・・この日の為に色々準備していたのに」

それは何の準備なのか
分かった事は怖くて聞けなかったのと、背筋が寒くなった事だけだった

女「この時間じゃ…放置プレイで終わってしまうな…いや、いっそその方が…」

なにやら俺にとって怖い事を呟き始めた時

玄関のドアが開いた
261: :2012/9/26(水) 20:31:49 ID:9QlgQLDvyE
女母「ただいま」

玄関に迎えにいくと、女母さんが帰ってきた

男「お帰りなさい」

女母「ただいま。なんだか新鮮ね、男君に言われると」

女「母か…お帰り」

女母「その残念そうな目をしてる所を見ると、どうやら上手くいかなかったみたいね」

女「・・・くっ!!」

女母「大体、あなたがやりそうな事くらいお見通しよ。もちろん犯罪もさせないからね」

ちょっとまて、こいつは犯罪になるような事をしようとしてたのか?
262: :2012/9/26(水) 20:38:14 ID:o98K1yG5ww
女母「お留守番ご苦労様」

男「そんな大した事はしてませんよ」

女母「違うわよ。うちの娘に犯罪させなくてありがとう」

男「ああ…」

最早女が行う行動は犯罪に等しいのだろうか

そう考えたら、また背筋がゾクリとした

女母「もう少しいるんでしょ?ゆっくりしていってね」

女「・・・♪」

後ろで小さくガッツポーズを取る女。凄く不安だ
263: :2012/9/26(水) 22:49:43 ID:CuVi1ge0hg
女母さんが台所に向かった後、俺は半ば引きずられるようにしながら女の部屋に拉…連れてこられていた

男「こうなる事は予想していたんだがな」

女「ん?なにがだ?」

女は俺に馬乗りになりながら楽しそうに胸を撫でる

男「なんでもねーよ」

やられっぱなしは性に合わないので、肩を掴み引っ張る

女「っと」

女が体制を崩し、俺に倒れ込むような形になる
俺は顔を向かせ、キスをした

女「ん…」
264: :2012/9/26(水) 22:54:08 ID:EzXYzelY9o
このままなんとか俺のペースに…

ガチャン

そう考えた瞬間、金属音と共に手の自由が聞かなくなった
見ると、手錠がかけられている

男「・・・おい、なんだこれ」

女「いきなり積極的で嬉しかったが、お前のことだから何か裏があるだろうと思ってな、準備させてもらった」

男「これ、そういう話じゃないんだけどな」

女「気にするな」

女はクスリと笑うと、首に手を回し抱きついてきた

男「なんだ。あんまり積極的じゃないんだな」

女「こうすると落ち着くんだ」

男「出来ればこれ、外してくれると助かるんだけど?」

女「それはできない」

笑顔で死刑宣告しやがった
265: :2012/9/26(水) 22:57:47 ID:CuVi1ge0hg
だが、現実というのは俺に味方しているらしい

女の部屋の扉が開き、女母さんが入ってきた

女母「女、夕飯の準備するから手伝いなさい」

女「今いいところなんだ」

女母「お父さんが今日は早く帰ってくるらしいのよ、急いで」

女「む、それなら仕方ないか」

女は俺から離れると部屋から出ていった

女母「・・・まあ、大丈夫ね」

女母さんも何が大丈夫なのか、一人で納得し部屋を出ていってしまった

数分後、女の机から鍵を見つけ手錠を外し、俺も部屋を後にした
266: :2012/9/26(水) 23:03:01 ID:EzXYzelY9o
下に行くと、女が忙しなく動いていた。俺の顔をみるやいなや、悲しそうな顔をする

なんだ、外してしまったのか

その目は明らかにそんな事を訴えていた

いつまでも放置を喰らっているわけにはいかないのだ。事情もある

女母「男君、よかったら手伝ってもらえないかしら」

男「あ、はい」

女母「お皿を机の上に並べてくれる?」

女母さんに手渡された皿を並べ始めるが…近い
女が凄く近い

半分以上まとわりついてくる女を受け流しながら皿を並べた
267: :2012/9/26(水) 23:10:51 ID:iRtMbtAEYo
皿を並べ終わり、一息つくと、女がすかさず唇を重ねてくる

といっても、触れるだけの簡単なやつなので、一応こいつも時と場合をわきまえているようだ

男「他に何かあります?」

女母「そうね…特に何もないし、座って待ってて」

言われた通りに腰かけると、女が後ろに回ってきて首に手を回し後ろから抱き締めてくる

男「お前、さっきからどうした?」

女「別に、私もたまには甘えたいのだよ」

その甘えたいが俺にとっては恐怖なんだが…でもいつかはそれを受け入れなきゃいけない時がくるのかもしれない

男「・・・とりあえず、みられるかもしれないからやめてくれ」

女「今更何を恥ずかしがる必要がある」

男「なんとなくだよ」

冷静に考えれば、女母さんにも女父さんにも、正式に付き合ってる事は伝えたが、それ以上…つまり、婚約云々は一切告げてないのだ

そもそも婚約出来るかどうかわからんのに
268: :2012/9/26(水) 23:14:56 ID:iRtMbtAEYo
男「今日辺りが潮時なんかな」

ボソリと呟くそれに女が反応する

女「なにがだ?」

男「んー、婚約とか」

女「・・・」

途端、今まで抱きついていた力が急に抜けた
不思議に思い振り返ってみると

女「っ//////」

顔を真っ赤に染めていた女が小刻みに震えていて、やや涙目にもなっているみたいだ

女「す、少し忘れ物をした!!」

女は顔を押さえながら部屋に戻っていく
あんなに過剰に反応されると、言ったこっちもなんだか恥ずかしいんだが
269: :2012/9/27(木) 20:29:54 ID:.YrbR8ehH6
女父「おーう、ただいま」

女母「お帰りなさい」

女「・・・お帰り」

女父「あん?どうした?元気ねーな」

男「あ、お帰り…なさい」

女父「・・・おう」

女父さんが帰宅して夕飯を食べ始める
女との交際を告げてから、何故か冷たくされてるような気がする

女母さんは気のせいだというが、こうもあからさまだと正直へこむな
270: :2012/9/27(木) 20:36:23 ID:PuOqFWbPlw
女母「それで同僚さんったら、大事な書類無くしちゃったのよ」

女父「へぇ、仕事が出来ない奴か」

女母「仕事は出来るのよ。たまに天然かますだけ」

女父「ま、どうでもいいがな」

食卓には女母さんの話に女父さんが相槌を打つのが響く

女母さんは気を使ってるのかそれともいつもなのか。女がいつもより無口なのは多分あれのせいだろうな

女父「女、どうした。なんか元気ねぇじゃねーな」

女「・・・気にするな」

女父「そりゃおめー、気にするなって方が無理だっつの」

全くその通りである

女父「おう、男よ」

男「はい!?」

いきなり名前を呼ばれて思わず上ずった声を出してしまう

女父「んなびっくりした小鹿みたいな声だすんじゃねーよ」
271: :2012/9/27(木) 20:41:12 ID:PuOqFWbPlw
女父「どうなんだよ。女とは上手くやれてんだろうな?」

男「えーと…」

思わず返答が濁る

別にやましいことは何もしていないが、婚約を告げるというのもあり、半分頭が混乱していた

女父「あ?なんかあったのか?」

疑うような目線を向ける女父さん

男「い、いやいやいや!!上手くいってますよ!!」

女父「ふん、どうだか」

黙って味噌汁を啜る女父さん。こりゃ間違いなく疑われてんな

女母「この二人に限ってそんなことはありませんよ」

女母さんがフォローを入れてくれるが、どうやらまだ疑っているらしい
272: :2012/9/27(木) 20:44:59 ID:PuOqFWbPlw
男「きょ、今日は、話があるんですよ」

女父「話?」

チラリと女の方を見る
女はまだ黙々と食べていた

男「えーと…ですね」

箸をおいて居住まいを正す

男「その今日は…娘さん、いえ、女さんと…こ、婚約をさせていただきたいんですが…」

「「「・・・」」」

沈黙

先程までの空気が凍りつくのを感じた

女父「てめぇ…今、なんつった?」

味噌汁を置いて威圧するように睨み付ける女父さん

これは駄目かもわからんね
273: :2012/9/27(木) 20:47:53 ID:PuOqFWbPlw
男「で、ですから…女さんと…婚約を…」

女父「もっとでっけぇ声で言ってみろぉ!!」

机をひっくり返しそうな勢いで返す女父さん
俺はもう自棄になり

男「っ!!女との婚約を許してください!!」

女父「よく言った!!」

・・・・・・は?
274: :2012/9/27(木) 20:53:08 ID:PuOqFWbPlw
一瞬女父さんの言葉がわからず、ぽかんとしていた

周りを見渡すと、女が真っ赤になりながら唖然としており、女母さんは笑みが消えていた

しかし、女父さんはにかっと笑い

女父「ようやく腹括りやがって!!こちとら1ヶ月待ったんだぞ!?遅すぎじゃぼけぇ!!」

どうやら、拒否はされてないらしい。どういう顔をしていいかわからなかったが

女父「てめぇが腹括らなかったら、女との付き合いをもう少しで終わりにしてもらうところだったが…ちっ、運のいい」

女父「持ってけ持ってけ、ただし大事にしなかったらすぐ持って帰るからな」

女「全く…私は物か」

呆れながらも女が呟く
しかしその表情からは喜色がありありと浮かんでいた。女母さんも微笑みを浮かべている

俺は苦笑いしかできなかったが
275: :2012/9/27(木) 22:49:48 ID:wZ8fc6rHUk
女父「まあ、俺はお前なら大丈夫だと思ってるよ」

静かに盃を傾けながらしんみりと呟く女父さん

女父「いやぁ…全く男っ気がなかった娘に…相手がねぇ…」

女「・・・///」

男「お、俺そろそろ帰ります」

これ以上ここにいたら妙な空気になりそうで怖かったので俺は早めに退散することにした
276: :2012/9/28(金) 23:25:35 ID:gbBXIXtcNQ


自宅に帰宅した俺はリビングで一息をつく

幸いにして両親はまだ帰ってきてはないらしい
今はとにかく疲れていた

男「でも…わからないことだらけなんだよな」

決意や覚悟はあるが、それだけでは事が成せないのが現実である
身近にいる両親というなの先人に助言を受けた方がいいだろう

全力で茶化されそうだが

男「ま、腹は括ったんだ。なんとかしてみせるさ」
277: :2012/9/28(金) 23:32:37 ID:gbBXIXtcNQ
母「きゃぁぁぁ!!ようやく覚悟を決めたのね!?お母さん凄く嬉しい!!」

父「いい決断だよ。女さんを大切にね」

母「やっぱり式は卒業してから!?日取りは!?誰を呼ぶ!?」

父「時間はまだたくさんあるから、ゆっくり考えるんだよ」

母「想像しただけで幸せだわぁ…あの女ちゃんが私の娘になるなんて…」

男「・・・」

数分後、帰宅した親に婚約の旨を伝えると、狂喜乱舞しながらも祝福してくれた。かなりうるさかったが

男「それで…その、指輪とか?ほら、色々準備あるじゃんか。色々教えてほしいんだけど」

母「まっかせなさい!!私がぜーんぶやったげるから!!」

父「母さん、少し待って」

母「ほえ?」
278: :2012/9/28(金) 23:35:31 ID:gbBXIXtcNQ
父「自分で準備したい…そうだね?男君」

男「・・・ああ」

母「あ…そっか…」

男「ありがとう母さん。気持ちは嬉しいよ」

父「僕たちとしては男君の意見を尊重するよ」

男「ありがとう、父さん」

父「その代わり、わからない事があったらなんでも聞くんだよ?知らないのは悪いことじゃないからね」

男「うん…わかってる」

父「よろしい…では、まず…」
279: :2012/9/28(金) 23:40:02 ID:2g0FUMUaTs
翌日

母「ふわぁ〜おはよう〜」

男「おはよう」

母「・・・男君が、早い?」

男「そりゃ早起きぐらいするだろうよ」

母「待っててね〜今朝ごはん作るから〜」

男「そのまえにパジャマから着替えろよ」

母「了解〜」

男「・・・本当にわかってんのか?」
280: :2012/9/28(金) 23:43:21 ID:gbBXIXtcNQ
男「そんじゃ、いってきます」

母「いってらっしゃ〜い」

ガチャ

男「・・・よう」

女「早いな」

男「まあな…お前こそこんな早くから待ってるつもりだったのか?」

女「ただの散歩だ。気にするな」

男「にしては、完璧な登校スタイルじゃねーか」

女「・・・」

男「いこうぜ」

女「ああ」
281: :2012/9/28(金) 23:46:42 ID:gbBXIXtcNQ
学校

幼「おはよう〜♪」

友「おはよう」

幼「男君、女ちゃん。おはよう♪」

男「おう」

女「おはよう。幼」

幼「文化祭終わると…やっぱり落ち着くんだね〜」

男「なにいってんだ。これからが大変なんだ」

友「やること、しなくちゃいけないこと。やらなきゃいけないこと。色々あるからね」

男「そうだな…俺も頑張らなきゃな」

幼「何を?」

男「なんでも」

友「ところで女さん」

女「ん?」

友「風の噂で聞いたんだけど、男と婚約したって本当?」
282: :2012/9/28(金) 23:49:05 ID:2g0FUMUaTs
女「・・・ああ」

幼「え!?婚約!?」

友「おめでとう。それで?式には呼んでくれるんだよね?」

女「もちろんだ」

「女さんが婚約!?」

「マジかよ…男め…」

「くそっ!!女さんが…女さんが!!」

男「結局これかよ」

女「いつかは話さねばならなかっんだ。タイミングが早まったに過ぎん」

男「そりゃそうだけどよ…」

ガラガラ
283: :2012/9/28(金) 23:53:31 ID:gbBXIXtcNQ
会計「会長!!いらっしゃいますか!?」

女「会計か、どうした?」

会計「例の演劇の件なんですが、お伝えしたいことが!!」

女「わかった」

女「すまん。すぐ戻る」

女「それで?なんだ?」

会計「公演を予約していた演劇団が急遽予約をキャンセルしたいと…」

女「なんだと!?」

会計「公演まで1ヶ月しかありませんし…今更キャンセルは不可能かと…」

女「まずいな…」

会計「生徒会役員を代役に充てたとしても…後四名ほど…」

女「・・・四名か」
284: :2012/9/28(金) 23:56:47 ID:2g0FUMUaTs
女「・・・」

男「お、話は終った…」

女「説明は後だ。黙って会計に着いていってくれ」

男「は?」

友「わかった」

幼「ちょ、ちょっと?」

女「頼む…」

男「・・・わかった。後でちゃんと説明してくれよ?」

女「ああ」

男「いくぞ」

友「うん」

幼「なんかよくわかんないけど…女ちゃんが頼んでるなら断れないよね!!」
285: :2012/9/28(金) 23:58:30 ID:2g0FUMUaTs
皆様こんばんは

1です

ようやく演劇編に突入いたしました
まあだからといって特になんもいうことはありませんが…

今日の投下はこれで終了となります

見てくださった方々
ありがとうございました
286: :2012/9/29(土) 13:53:43 ID:TydJj8U.Ao
生徒会室

副会長「あ?お前らなにしてんの?」

書記「おはよう…ございます」

庶務「あれ?先輩方?」

男「女の命令で連れてこられたんだよ」

副会長「会長の…ああ、それか」

友「何かあったの?」

副会長「会長戻ったら説明してくれるだろうから、とりあえず寛いどけ」
287: :2012/9/29(土) 13:58:52 ID:DZIaV84G1Q
書記「男さん…男さん」

男「ん?」

書記「ご婚約…おめでとう…ございます…」

男「あいつ…どんだけ触れ回ってんだよ…」

書記「ようやく…ですね」

男「何がようやくなのかさっぱりわからないんだが」

書記「家族…です!!」

男「なんか…お前変わったな」

幼「でも、意外だよねぇ…私、書記ちゃんは男君の事がずっと好きなんだと思ってたのに…」

書記「男さんは…好きです」

幼「へ?」

友「幼さん。好きにも色々種類があってね」

幼「そうなのかな…うん。きっとそうなんだね」

男「絶対にわかってないな」
288: :2012/9/29(土) 14:04:02 ID:DZIaV84G1Q
ガラガラ

女「皆、待たせた」

男「おう…お帰」

後輩「ハアハア、息を切らせる先輩ハアハア」

男「・・・なんか、腰に一人くっついてるんだが」

後輩「先輩の腰…柔らかいです」

女「早速だが集まってもらったのにはいくつか理由がある。手短に話すのでよく聞いてほしい」

女「今から1ヶ月後に演劇で競うコンクールがあるんだが、我が高校も客演という形で参加することになった」

女「ところが公演を依頼していた演劇団が急遽キャンセルしてしまったのだ」

女「1ヶ月後というのもあり、今更プログラムの変更は出来ない」

女「つまり、生徒会役員含め、君達に演劇をやってもらいたい」
289: :2012/9/29(土) 14:07:17 ID:DZIaV84G1Q
男「・・・」

友「うーん…演劇ね」

幼「え、演劇!?それって…お芝居?」

後輩「ロミオとジュリエットで私がジュリエットで先輩がロミオ…ふふ、ふふふふふ」

庶務「ちょ!?後輩さん!!落ち着いてください!!」

書記「・・・」

副会長「なんか、めんどくせー事になったな」

女「ああ、特に君達四人には私が出来るという期待を込めている…引き受けてくれるだろうか…」
290: :2012/9/29(土) 14:11:24 ID:TydJj8U.Ao
幼「女ちゃんの頼みでも…私、下手だし足をひっぱっちゃうかも」

友「僕達は素人だしね」

後輩「私はやりますよ」

女「後輩!!引き受けてくれるか!?」

後輩「先輩の頼みでしたら私なんでも聞いちゃいますからね♪」

男「俺もやるぞ」

女「男!!」

後輩「ちっ」

男「大体、何を怖がってるんだよ、二人とも」

後輩「そうですよ、出来る出来ないの問題じゃありません。大事なのは」

男&後輩「やるかやらないか、だ(です)」
291: :2012/9/29(土) 14:15:39 ID:DZIaV84G1Q
男「珍しく意見があったな」

後輩「・・・」

男「なんでそんなこの世の終わりみたいな顔をされなくちゃいかんのだ」

後輩「男さんと意見があってしまった…死にたい」

男「そこまで!?」

友「やるかやらないか、か…そうだね」

友「やっぱり僕もでるよ」

女「ありがとう…すまないな」

幼「えーと…私は、私は…」

副会長「やってみなくちゃわからないだろ。やればいいじゃねーか」

幼「そうだね…うん、やってみる」

友「・・・」

副会長「友、俺を睨むんじゃない」
292: :2012/9/29(土) 22:33:47 ID:A1Lw79ZXjg
男「それで?具体的には何をするんだ?」

女「うむ。劇自体はそんなに長くなく、30分から一時間までの間に済ませればいいらしい」

男「なるほどね…やるやつは決まってるのか?」

副会長「一応な、あまり俺は乗り気じゃないが」

友「・・・白雪姫?」

幼「え、これって童話じゃ…」

庶務「主催側が、話の起承転結が合えばどんなアレンジをしても構わない…だそうです」

後輩「つまり…童話を選んでギャップの違いで印象付けるってことですか?」

庶務「そうっす。流石後輩さん」
293: :2012/9/29(土) 22:40:21 ID:ObOZRmb9kA
男「なるほど、それならこの少ない人数でも、登場人物の少ない童話なら出来るからな」

書記「そういう…事です」

女「とにかく、本番まで1ヶ月しかない。役を決めたら早速練習だ」

副会長「白雪姫は会長で、王子は男な。これ安定」

男「はあ!?」

副会長「んー、じゃあ俺狩人やるわ。なんか楽そうだし」

後輩「あ、じゃあ私魔女やります!!」

書記「私…鏡」

男「ちょいまち」

男「お前は魔女でいいのか?女を殺しかけるんだぞ?後、鏡ってなんだよ」

後輩「起承転結が合えばいいんなら、途中は何をしても許されるんですよね?」

男「まあ…そうだが」

後輩「つまり、私と先輩のハッピーエンドフラグを建てても…」

男「却下」
294: :2012/9/29(土) 22:43:56 ID:A1Lw79ZXjg
後輩「ヘタレ粗チン野郎は黙っててください」

男「お前…相変わらず容赦ねーな」

男「で、鏡ってなんだ」

書記「喋る…鏡」

男「そういや、そんなんあったな」

書記「男さんと…会長を…くっつけます」

男「おいおい、魔女の味方じゃなかったのかよ」

書記「終わりよければ…すべてよし」

男「まあいいや、で?他の奴らはどうする?」

友「無難に木こりじゃない?」

男「四人もいらねーよ」
295: :2012/9/29(土) 22:48:15 ID:A1Lw79ZXjg
会計「あ、じゃあ私ナレーションやりますよ」

男「ナレーションか…確かに重要だよな」

女「なら会計に任せよう。庶務は?」

庶務「俺っすか?証明とか音響とか、裏方とか駄目ですかね?」

女「構わないが…向こうでそれは整っているらしい」

庶務「あ、じゃあシナリオ作りますよ。起承転結があってればいいならなにしても許されますよね?」

女「ん?まあな」

男「とりあえずはこんな感じでいいだろ。足りない所とかあったらまた相談で」

女「そうだな…皆、頑張っていこう!!」

「はい!!」「おう」「わかった!!」「頑張ります!!」
296: :2012/9/30(日) 10:18:52 ID:Utrmrdn/jw
男「しかし…練習ね…」

女「シナリオが決まらない内はとりあえず原作通りにやればいいだろう」

副会長「そもそも白雪姫ってどんな話だっけ」

幼「えっと…魔女が白雪姫の美しさを妬んであの手この手で殺そうとして、王子様のキスで目が覚めて…」

友「まあ、大体そんな感じだよね」

男「まあ、配役が少ないからな」

女「とりあえず、原作をなぞってやってみよう。会計、導入を頼む」

会計「わかりました」
297: :2012/9/30(日) 10:23:00 ID:0VwdmNt3m.
あるところに、白雪姫というたいへん美しく、心優しい娘がいました

白雪姫は、森の動物といつも楽しく遊び、暮らしていました

ある日、自分の美しさに自信を持つ魔女が魔法の鏡にこう聞きました

後輩「鏡よ鏡よ鏡さん。この世で一番美しいのはだーれ?」

すると、鏡はこう答えました

鏡「それは…白雪姫」

後輩「ですよねー!!やっぱり先輩が一番可憐で麗しく凛々しく尊い存在ですよねー!!」
298: :2012/9/30(日) 10:27:51 ID:Utrmrdn/jw
男「ちょいまち」

後輩「なんなんですか、先輩の美しさにケチをつけるつもりですかこの包茎」

男「違うわ!!ていうか、お前魔女なのに白雪姫を全力プッシュすんな!!」

後輩「先輩だからいけないんです。先輩以外なら全力で殺りにかかります」

男「いやいやいや、お前魔女なんだから!?それと書記!!」

書記「なんですか?」

男「お前、その鏡どっから持ってきた?」

書記「美術室の…大きいのを…持ってきました…」

男「それ、持ってきていいの?」

女「とにかく、早く続きをしようか」
299: :2012/9/30(日) 10:31:21 ID:Utrmrdn/jw
後輩「コホン、本当にそんな娘がいるの?」

書記「ええ」

魔女は自分以外の美貌を持つものを許せませんでした

後輩「その白雪姫を手籠めにするいい策はないかしら…」

何かを間違っている魔女が呟くと

書記「狩人に…頼んで…捕獲する…後は、ここに持ち帰り…ひたすらに…調ky」

後輩「それでいきましょう」

書記「・・・」
300: :2012/9/30(日) 10:36:12 ID:0VwdmNt3m.
しばらくして、魔女の城に一人の狩人が呼ばれました

その狩人は白雪姫と面識がある狩人でした

魔女は狩人にこう告げました

後輩「あなたの手で白雪姫を捉え、ここに連れてきなさい。そうすれば褒美は望みのままです」

副会長「御意」

後輩「それと、間違っても私の名前を出さない事、そして白雪姫を傷つけない事。破ったら…」

副会長「破ったら?」

後輩「死にます」

副会長「死ぬの!?」

厳しい約束でしたが、褒美に目が眩み、狩人はこれを引き受けました
301: :2012/9/30(日) 10:46:35 ID:0VwdmNt3m.
一方、白雪姫はそんなことを知らずに、森の動物達と遊んでいました

そこへ、狩人が現れました

森の動物が一目散に逃げ出します

副会長「白雪姫、何も言わずに俺に着いてきてもらいた…」

女「断る!!」

副会長「・・・」

とりつくしまもなく断られてしまった狩人

狩人は魔女との約束を守ろうとしましたが、先ほどの楽しそうな白雪姫の顔を思いだし

狩人「実は…魔女の命令で、君を魔女の元につれていくように命じられたのだ」

女「ほう?魔女が私を?なんのために」

狩人「詳しくは聞いていない…だが、ひどい目にあうのはわかる」

狩人「一瞬とはいえ、君をそんな目にあわせようとした…すまない」
302: :2012/9/30(日) 10:50:23 ID:0VwdmNt3m.
謝る狩人に白雪姫はいいました

女「謝る事はない。人間は欲に目が眩んでしまう生き物だ。私にそれを責める権利はないよ」

副会長「仙人か」

狩人の突っ込みを無視して白雪姫はいいました

女「しかし魔女め…私を捕まえようなどとはいい度胸だ…逆に捕らえてやるとするか」

怪しく笑うと、森の中へと消えていきました

狩人は何をどうしていいかわからず。とりあえず魔女に報告するために城に戻る事にしました
303: :2012/9/30(日) 10:54:53 ID:0VwdmNt3m.
城に戻った狩人は魔女に告げました

副会長「白雪姫は、追跡中に崖から足を滑らせ転落しました」

後輩「なんですってぇぇぇ!?」

魔女は凄い形相で狩人につかみかかり

後輩「この地球のゴミ!!白雪姫を返してよ!!」

なんだか主張が間違ってる魔女に、狩人は言いました

副会長「しかし、当初の目的である、美貌を持つものがいなくなったぞ」

狩人に言われた魔女は渋々頷きました

後輩「・・・わかりました。あなたの活躍に免じて不問としましょう。褒美は無しですが」
304: 名無しさん@読者の声:2012/9/30(日) 13:16:39 ID:UJpt7C/5I6
っC…今後も楽しみにしてます
305: :2012/9/30(日) 17:10:44 ID:TS4prC5CT6
>>304

ありがとうございます!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!

凄く嬉しいです!!
本当にありがとうございます!!
拙い文ですが、楽しみにしていただけるなら全力で投下を捧げます!!
306: :2012/9/30(日) 17:26:33 ID:TS4prC5CT6
その頃、白雪姫は森に住む木こりの兄妹を訪ねていました

女「木こり、いるか」

幼「あー、白雪姫ちゃんだー!!」

友「いらっしゃい。ハーブティー飲む?」

女「ありがとう二人とも。だが、今はそんな場合じゃないんだ」

白雪姫は先ほど起こった出来事を二人に話しました

友「なるほど…魔女がね」

女「ああ、二人には魔女を捕ら…懲らしめる手助けをしてほしい」

幼「そうだね!!魔女を懲らしめないとね!!」

完全に利害が一致していませんが、ともかく、白雪姫は木こり達と魔女の城に向かいました
307: :2012/9/30(日) 17:31:34 ID:6mwH87uZZE
その頃、お城では

後輩「はあ…白雪姫もいなくなっちゃたし…何を生き甲斐にすればいいのかしら…」

書記「世界一の美貌は…てにいれたよ」

後輩「白雪姫がいなくちゃつまらないの」

書記「・・・」

最早完全に目的を見失ってしまった魔女ですが

後輩「折角だし、別の美貌を持った娘でも探して八つ裂きにでもしますかね」
308: :2012/9/30(日) 17:36:40 ID:6mwH87uZZE
後輩「鏡よ鏡よ鏡さん。この世で一番美しいのはだーれ?」

すると、鏡はこう答えました

書記「それは…白雪姫」

後輩「きゃああ!!やっぱり白雪姫は生きてたんだわ!!流石先輩!!崖から足を滑らした程度に死ぬもんですか!!」

後輩「で?今どこにいるの!?私のマイスイートハニーは!!」

書記「現在…城に向かってます」
309: :2012/9/30(日) 17:46:07 ID:6mwH87uZZE
後輩「なん…ですって?」

魔女は顔をひきつらせましたが、すぐににやけ

後輩「んもうっ!!先輩ったら私に会いに来てくださるなんて、これは相思相愛ですよね!?」

書記「・・・」

後輩「そうと決まれば早速準備しなくちゃ!!鏡!!ここは任せましたよ!」

書記「鏡に…どうしろと…」

魔女は鏡を残して奥の部屋にいきました
310: :2012/9/30(日) 18:23:04 ID:iRtMbtAEYo
その頃、場内では白雪姫達が魔女を探していました

幼「魔女、いないね〜」

女「そんな簡単には見つからないだろう。それに簡単に見つかっては困る」

幼「そうだね!!懲らしめられないよね!!」

友「(多分白雪姫と妹の考えてる事違う気がする)」

幼「頑張ろうね!!お兄ちゃん!!」

友「・・・そうだね」
311: :2012/9/30(日) 22:28:04 ID:g47LUYbxvo
白雪姫達が魔女の部屋へとたどり着くと、そこには誰もいませんでした

女「どういう事だ…まさか、罠?」

後輩「おーっほっほ!!その通り!!」

白雪姫が上を見上げると、高らかに笑いながら魔女が降りてきました

後輩「初めまして。私のマイハニーもとい白雪姫」

女「貴様が魔女か、随分と想像と違うな」

後輩「ふふふ、私の城へようこそ…といっても、これからここに住むことになるんですけど」

友「なんだと!?」

後輩「これを見てもまだその口が聞けるかしら!?」

魔女が勢いよく袖口から取り出したのは、真っ赤な美味しそうな林檎でした
312: :2012/9/30(日) 22:32:50 ID:Iin4jnaMs6
友「林檎?そんなので…」

後輩「強がるのはおよしなさいな。白雪姫は林檎が大好きだということぐらいとっくの昔に調査済みよ」

女「くっ!!卑怯な!!」

悔しそうに魔女を睨み付ける白雪姫
ですが、その目は明らかに林檎を食べたそうでした

幼「駄目だよ!!白雪姫ちゃん!!」

木こり妹が必死に止めようとしますが

魔女「一口だけでいいんだよ?こんなチャンス滅多にないよ?こんな美味しそうな林檎…食べれる機会…あるかい?」

言葉巧みに白雪姫を惑わす魔女
白雪姫は遂にその林檎を手にとってしまいました
313: :2012/9/30(日) 22:37:45 ID:Iin4jnaMs6
女「一口…だけ…一口」

友「白雪姫!!食べちゃ駄目だ!!」

木こり兄の必死の懇願空しく、白雪姫は美味しそうな林檎を思いっきりかじりました

その瞬間、ドタン!!という大きな音と共に白雪姫が倒れてしまいました

友「白雪姫!!」

木こり兄が急いで駆け寄り白雪姫を揺すりました

後輩「くくく…計画通り」

魔女がまるでどこかの死神のノートの所有者のような笑みを浮かべました
314: :2012/9/30(日) 22:42:52 ID:Iin4jnaMs6
幼「白雪姫ちゃんに何をしたの!?」

木こり妹が叫ぶようにして問い掛けます

後輩「ふふふ…その林檎には毒を塗っておいたのさ…」

友「なんだって!?

後輩「そう!!媚薬いりの劇薬をね!!」

「「・・・」」

得意満面といった顔で魔女は続けます

後輩「その劇薬には発情効果をふんだんに使用してね、目が覚めた時に一番最初に見た人間を死ぬほどに愛してしまうの。性別関係なくね」

魔女はうっとりしたような顔で

後輩「だから、目が覚めるまでの間…この城で大事に保護するという作戦よ…」
315: :2012/9/30(日) 22:48:37 ID:aKfTwrJ5tM
書記「でも…その効果を…解く方法も…存在する」

友「!?」

後輩「こら!!鏡!!」

書記「それは…白雪姫を…心から愛する者の…口づけ」

幼「つ、つまり…白雪姫ちゃんを好きな人がちゅーすれば…目が覚めるの?」

書記「そう」

後輩「ふん!!今更知ったところでもう遅いわ!!」

魔女が杖を振り上げ白雪姫を拐おうとします

友「させない!!」

木こり兄が素早く斧を投げ、杖を弾きました

友「妹!!よく聞くんだ!!王国にいって、王子様をここに連れてくるんだ!」
316: :2012/9/30(日) 22:51:50 ID:aKfTwrJ5tM
幼「王子様を!?」

友「王子様は白雪姫を愛しているという噂を聞いた事がある!!彼をここに連れてくれば…あるいは」

幼「でも…お兄ちゃんは!?」

友「僕はここで魔女の魔法を押さえて白雪姫を守る!!」

後輩「ふん!!木こり風情が何を言うか!!」

魔女の手に光があつまり木こり兄を襲います

友「うわぁ!!」

幼「お兄ちゃん!!」

友「いくんだ!!妹!!白雪姫は、君にかかってる!!」

幼「わかった…わかったよ!!お兄ちゃん!!」

幼は背を向けて、一目散に駆け出しました

317: :2012/9/30(日) 22:54:23 ID:dhEabYie3M
木こり妹が王国に着くと、お城から狩人と王子様が出てくるのが見えました

幼「狩人さん!!王子様!!」

男「君は?」

副会長「王子、こいつは俺の知り合いだ。どうした木こり妹。兄は?」

幼「お兄ちゃんが!!魔女に!!白雪姫ちゃんが!!早くしないとお兄ちゃんが死んじゃう!!」

男「白雪姫が!?」

副会長「落ち着け木こり妹。まずは何があったのかを詳しく話すんだ」
318: :2012/9/30(日) 22:58:06 ID:dhEabYie3M
木こり妹は魔女のお城であった事を二人に話しました

男「なんてことを…魔女!!許すまじ!!」

副会長「なるほど…愛する者の口づけね」

狩人は王子様に向き直り

副会長「王子、どうやら白雪姫を救えるのはお前だけらしい…出来るか?」

男「この白雪姫に対する私の気持ちに嘘偽りはない!!見事真実の愛にて白雪姫を救いだしてみせる!!」

狩人は力強く頷くと

副会長「なら急ごう。急がないと木こり兄がもたないかもしれん」
319: :2012/9/30(日) 23:02:02 ID:dhEabYie3M
友「ぐわああ!!」

後輩「ええい!!しつこいね!!」

お城では、木こりが必死に白雪姫を守っておりました

後輩「木こり風情が、私の手を煩わせるんじゃないよ!!」

魔女はそう叫ぶと、手に光を集め、それを木こり兄にぶつけました

友「はあ…はあ…、僕は諦めない…妹なら、きっと王子様を連れてくると…」

後輩「ふん!!どうせ怖くなって逃げ出したに決まってる」

魔女が意地悪く笑いますが、木こり兄は

友「それでも、僕は妹を信じる…家族だから」

後輩「っ!!むかつく木こりだね!!そんなに命が惜しくないか!!」

そう叫ぶと魔女は、手に大きな光の珠を作ります

後輩「あの世で、私と白雪姫の幸せな生活を見届けるがいい!!」
320: 1(投下終了):2012/9/30(日) 23:06:11 ID:dhEabYie3M
男「そこまでだ!!魔女!!」

後輩「何!?」

バン!!という大きな音と共に、剣を抜いた王子様が部屋に飛び込みました

幼「お兄ちゃん!!しっかりしてぇ!!」

木こり妹が兄の元へ駆け寄ります

友「いも…うと」

幼「ごめんね!!遅くなってごめんね!!」

友「大丈夫…来るって…信じて…たから…」

そのまま木こり兄は動かなくなってしまいました

幼「お兄ちゃん!!」

副会長「気を失っただけだ」

弓を引き絞りながら狩人がいいます

副会長「魔女、降参しろ。勝ち目はないぞ」

後輩「捨て駒狩人に、お坊っちゃま王子が…私の邪魔をしてぇ!!」
321: :2012/10/2(火) 20:27:51 ID:LzvT75sMRQ
しかし、魔女は勝ち誇ったように高らかに笑いました

後輩「そういえばあんたたちが白雪姫を起こせるかもわからないのに警戒する必要は無かったわね!!」

男「そんなの…やってみなくちゃわからない」

後輩「お黙り!!わざわざキスさせると思うかい!?」

副会長「白雪姫をどうするつもりだ。魔女よ」

狩人が魔女に問いかけると。魔女はこう答えました

後輩「もちろん私と白雪姫の幸せな生活よ!!」

男「この国では同性の結婚は認められていない!!」

副会長「王子、突っ込む所違う」
322: :2012/10/2(火) 20:31:52 ID:im7weDzxe.
後輩「何も出来ないとは思うけど…災いの芽は早めに摘み取らなくちゃね…」

魔女はにたりと笑うと、手に光を集めました
木こり兄を吹き飛ばしたあの光の珠です

書記「・・・駄目」

しかし、鏡が魔女の姿を映した瞬間
魔女の動きがピタリと止まりました

後輩「な!?鏡!!裏切る気!?」

書記「王子…今のうちに…口づけを…」
323: :2012/10/2(火) 21:09:27 ID:LzvT75sMRQ
副会長「なんかよくわからんが…チャンスだ!!王子!!」

男「ああ!!」

王子様は素早く白雪姫に近づくと

男「白雪姫…我が愛を受け取りください」

白雪姫の唇に、唇を落とす…ふりをしました

副会長「おま!?なにしてんの!?」

男「こ、こここんな一目あるところで出来るか!!」

白雪姫もチラチラとキスを待ち遠しそうにしています

男「おい!!ナレーションもういいから!!」

友「男、早くしないと場面が進まないよ」

男「ええい!!くそ!!」

ちなみに後ろでは魔女が怒り狂った瞳で…

男「だからナレーションはもういいっつに!!」
324: :2012/10/2(火) 21:15:07 ID:LzvT75sMRQ
王子が白雪姫に唇を落とすと…白雪姫はゆっくりと目を開けました

女「おう…じ?」

男「白雪姫!!しっかりしてください!!」

白雪姫はぼんやりとしていましたが、状況を思い出すと王子様の手に掴まり立ち上がりました

女「王子!!剣を!!」

白雪姫が王子様に手を差し伸べると、王子様は黙って金の装飾が施された剣を手渡しました

女「魔女!!貴様の野望もここまでだ!!大人しく投降するがいい!!」

魔女「は〜い♪喜んで…じゃなかった、おのれ、まさか魔法が解けるなど!!」
325: :2012/10/2(火) 21:20:14 ID:im7weDzxe.
魔女は怒りに震え、目をぎらつかせながら言いました

後輩「もうよい!!ごちゃごちゃと策を労したところで、結局最後に頼れるのは自分!!白雪姫以外、貴様らまとめてあの世に送ってくれる!!」

書記「メシウマ…展開」

後輩「ええい!!もとはといえばあんたが裏切るからでしょーが!!」

書記「今時…監禁百合は…流行らない」

まるで何を言っているかわかりません

女「私たちは貴様を倒し、もといた場所に帰る!!白雪姫、参る!!」
326: :2012/10/2(火) 21:28:49 ID:im7weDzxe.
白雪姫が剣を振り上げ魔女の元へと走り出します

後輩「白雪姫!!そのまま私の胸に!!」

魔女が手を広げて白雪姫を迎えましたが

女「はっ!!」

後輩「あ…う、ぐ…」

魔女を切りつけました

後輩「こんな…筈じゃ…」

女「魔女よ…静かに眠れ」

白雪姫が祈ると、魔女は静かに眠りました

副会長「よかったのか?」

女「ああ…これに懲りただろう」

男「それは良かった…その…白雪姫…」

王子様が顔を赤くしながら白雪姫の手を取り

男「そ、その…もしもよろしければ…私と、け、結婚を!!」

女「・・・」

白雪姫はぽかんとした表情になりましたが、すぐに笑顔になり

女「ああ…これからよろしく頼む」

笑顔で快諾しました
327: :2012/10/2(火) 21:31:22 ID:im7weDzxe.
こうして、白雪姫達は魔女を倒し、お城へと戻りました

お城で結婚式をしていると魔女が乱入してきましたが、狩人が白雪姫の寝顔を写した写真をばらまくと途端に大人しくなりました

二人は結婚し、子供に恵まれ、末永く幸せに暮らしましたとさ

めでたしめでたし
328: :2012/10/2(火) 21:33:49 ID:im7weDzxe.
友「お疲れー」

幼「お疲れ様♪」

後輩「お疲れ様です♪」

書記「お疲れ…です」

副会長「意外となんとかなるもんだな」

庶務「全くっす」

会計「でも、ナレーションしてて凄く楽しかったです」

女「皆、よく頑張ってくれたな」

男「・・・」

女「男、どうした?」

男「・・・これ、白雪姫か?」
329: :2012/10/4(木) 21:44:57 ID:lsPgG/HhZU
女「細かい事を指摘するな」

男「いや、細かくねーからな?ていうか!!色々と言わせろよ!!」

男「だいたいなんで魔女が全く白雪姫を殺そうとしないんだよ!!これそういうお話だろ!?」

後輩「なんで愛しの先輩を殺さなくちゃいけないんですか!?この落ち目主人公!!」

男「止めて!!このSS自体に言える言葉だから!!」

男「そもそも鏡も一言多い上に裏切っちゃ駄目だろ!!」

書記「だって…イチャイチャ…見たかった…」

男「完璧な私情!?そういえばキスシーンの時もお前だけ凄いキラキラした目で見てたような…」
330: :2012/10/4(木) 21:48:42 ID:J4.jYVdsAg
副会長「その辺もおいおい直していけばいいだろ?」

男「ああ…そうだな、とりあえず木こり兄妹と狩人はなんとか想定の範囲内だが…」

友「僕がそんなミスをするとでも?」

幼「い、一生懸命頑張ったよ!?」

男「ああ…頑張ってくれたな…でもな、一番間違ってるのがな」

男「お前だ白雪姫ェェェ!!」
331: :2012/10/4(木) 21:52:50 ID:lsPgG/HhZU
女「私が?一体何を…」

男「言動!!行動!!物語の改竄!!」

女「・・・」

男「言っとくがな、世界広しと言えど、魔女に戦いを挑みあまつさえ捕らえようとするなんてお前くらいしかいないからな!?」

女「古いしきたりに縛られたくはないからな」

男「しきたり云々の前に世界観が崩壊してんだよ!!」

女「じゃあどうすればいいのだ?」

男「普通に白雪姫やればいいだろが!!」
332: :2012/10/6(土) 20:54:21 ID:1E6A1L9Auw
会計「でも男さん。白雪姫ってただ読むだけじゃ全然つまらないんですよ?まるでこのSSのように」

男「おいばかやめろ」

会計「ですから多少の改竄には目を瞑っていただきたいです」

男「んなこと言われても」

会計「ではこれを」

男「なんだこれ?」

会計「白雪姫の原稿です。まずは読んでみてください」

男「・・・」ペラッ

男「・・・普通だな」
333: :2012/10/6(土) 20:57:47 ID:1E6A1L9Auw
会計「わかっていただけましたか?」

男「だが…原作を再現しなければ…」

会計「原作は絵本や童謡にでも任せとけばいいんです。私達には私達なりの白雪姫をやればいいでしょう。ね?会長」

女「ああ、全くその通りだ」

女「いつまでも古いしきたりに縛られていては何も見えない…自分から踏み出さなければ何も見えないんだ」

女「だから、我々は今、古いものを壊す勇気を試されていると思え」

女「これを壊した時、きっと何か見えてくるはずだ!!」
334: :2012/10/6(土) 21:01:16 ID:1E6A1L9Auw
幼「女ちゃん格好いい!!」

後輩「ああん!!もう先輩ったらこんなに凛々しい事を連発して!!なんなんですか!?私を萌え殺す気ですか!?死にますよ!?全身の穴という穴から鼻血を吹き出しながら死にますよ!?」

友「後輩、鼻血は鼻からしかでないよ」

副会長「いや、突っ込み所が大分違うだろ」

書記「(根本的に…ずれてる)」

男「一理ないと言えば嘘になるが…」

男「そうだしな…せっかく演るんなら、俺達らしさでやるか!!」
335: :2012/10/6(土) 21:04:48 ID:1E6A1L9Auw
2時間後

幼「ふいー、疲れた…」

後輩「お疲れ…様です」

幼「あはは、皆ヘロヘロだぁ…」

副会長「俺達はまだましな方だ」

友「そうだね…男は…」

男「・・・」

女「・・・ふぅ」

書記「返事がない…ただの…屍のようだ…」

庶務「いや、それよりも会長の顔がやたらツヤツヤしてるのに誰か突っ込みましょうよ」

会計「キスシーンの部分だけ何回もやり直しましたからね」
336: :2012/10/6(土) 21:08:39 ID:1E6A1L9Auw
男「お前さ…悪魔だろ」

女「なにがだ?」

男「とぼけんな!!最初にキスをしたと思ったらやる気がないだの言われ!!リテイクしたら角度がおかしいだのいちゃもんつけて!!最終的には50回くらいその部分だけをやったぞ!?」

女「練習に時間をかけるのは当然だろう」

男「お前の場合は完璧な私情だろが!!」

会計「会長、そろそろ下校時間ですよ」

女「む、そうか…練習をしていてすっかり忘れてしまっていたな」

男「練習…?」

女「皆、今日はご苦労だった。帰宅準備をして速やかに下校しよう」
337: :2012/10/8(月) 01:57:36 ID:2JI8AKaQF2
男「うわ…暗いな…」

空を見上げてポツリと呟いた一言

暦の上ではもう神無月になっているので当たり前と言えば当たり前なのだがどうにも慣れない。まるでいきなり暗くなったかのような錯覚に陥ってしまうかのようだ

女「6時でこんなに暗いと、これからは大変だな」

隣に立つ女が空を見上げながら呟いた

男「確かにな、幼や書記、後輩なんかは危なそうだしな」

女「この時期は変質者も多い…もっとしっかりしなければな…」

後輩「大丈夫ですよぉ♪私、先輩と一緒なら地獄までお供できますしぃ!!」

書記「大丈夫…です」

男「・・・」
338: :2012/10/8(月) 02:02:20 ID:5aIfFdEzGw
男「まてお前ら、少し聞きたい事がある」

後輩「なんなんですか?脳内下半身は黙れ下さい」

男「いや、さっきまでの文学的雰囲気をだな…というか、どっから湧いた?」

後輩「こんな暗い夜道を先輩一人に歩かせられるわけないじゃないですか!!」

女「すまないな後輩。だが、必ずお前は私が守ろう」

後輩「きゃふぅぅん♪」

男「さりげなく俺が人にカウントされてないんだな」

書記「後輩ちゃんは…私と同じ方向だから…途中まで…一緒にって…」

男「そうだったのか…確かに友達想いの奴だしな」

書記「私…ついでっぽいですけど…」

男「それは言うな」
339: :2012/10/8(月) 02:06:56 ID:2JI8AKaQF2
書記「でも…いいんです」

書記「後輩ちゃんが…会長を抑えている間…私が男さんを独り占めできますから…」

男「利害が一致したわけか」

男「なあ、書記…一つだけ聞かせてくれないか?」

書記「?」

男「お前は…多分俺に好意を抱いているん…だと思う。でもわからないんだ。俺と女の仲を引き裂こうというわけでもない…教えてくれ。お前にとって俺はどういう存在なんだ?」

書記「・・・」
340: :2012/10/8(月) 02:10:51 ID:5aIfFdEzGw
後輩「先輩〜♪」

女「おいおい、腰に引っ付かれたら歩きにくいだろ?」

後輩「・・・ねえ、先輩」

女「ん?」

後輩「先輩は…男さんの事を好きなんですよね?」

女「もちろんだ。愛している」

後輩「先輩…以前私が言ったこと覚えてます?」

女「・・・同性なのはわかってます。でも、そんなことを忘れるくらい貴女の事が好きなんです」

後輩「あはは…丸々そっくり覚えてますか」

女「かなり驚いたからな。後輩みたいな可憐な少女に告白されるとは普通思わないだろう?」

後輩「普通…そうですよね…」

女「後輩?」
341: :2012/10/8(月) 02:13:54 ID:2JI8AKaQF2
後輩「ねえ…先輩?私、まだ貴女の事が好きなんですよ?」

女「・・・」

後輩「私達は同性で…先輩には好きな人がいて…それはわかってるんです…でも」

女「理屈じゃない…というわけか…」

後輩「先輩…もし、先輩が本当に私の事を大事に思って下さって、考えて下さるのなら…」

後輩「私に…忘れられない思い出を…下さい」

女「・・・」
342: :2012/10/8(月) 02:17:05 ID:2JI8AKaQF2
書記「私…一人っ子ですから…兄弟とかに憧れてたんです…」

男「あー、それはわかるな」

書記「最初は…ただ単に憧れ…だったんです」

書記「同じ女性なの…凛々しい会長」

男「凛々しすぎるのも問題だがな」

書記「会長は…私の中で格好いい…お姉ちゃんでした…」

書記「でも…私は凄く…我が儘で…お兄ちゃんも欲しくなりました…」

男「それが俺か?」

書記「・・・」コクン
343: :2012/10/8(月) 02:21:16 ID:2JI8AKaQF2
書記「初めて…会ったときを…覚えてますか?」

男「女が生徒会長になって、新生徒会役員とかいって紹介された時だな」

書記「はい」

男「で…女がお前を紹介して…お前がちっちゃかったから…とりあえず頭を撫でて…」

書記「それです」

男「ん?」

書記「男さんの手は…暖かくて…おっきくて…優しかった…」

書記「そのときに私は思ったんです…お兄ちゃんは…この人以外あり得ないって…」
344: :2012/10/8(月) 02:27:03 ID:2JI8AKaQF2
書記「もちろん…時には…男さんを一人の男性として…見たことがありました…」

書記「でも…会長が…私達には見せないような笑顔を…貴方の前だけでは見せるから」

書記「うらやましいと思いました…嫉妬もしました…でも、それ以上に…その笑顔を近くで…見ていたいと思いました…」

男「・・・」

書記「血が繋がってなくたっていいんです…私は…貴方たちの…間に立ちたい…ただそれだけですから…」

男「書記…」
345: :2012/10/8(月) 02:30:40 ID:2JI8AKaQF2
書記「これが…私の考えてる事…男さんへの想い…そして、ささやかだけど…凄く重い願い…」

男「多分…それはきっと叶うんじゃないかな」

書記「?」

男「血とか…繋がりとか…あんまり関係ないだろ」

男「大事なのはさ、気持ちだよ。俺や女も、お前の事を妹みたいに思ってるからさ」

書記「・・・はい」

男「まあ、多少大きい気がするが…年が離れすぎてるよりかはましだしな」

男「とりあえず、よろしくな。書記」

書記「はい…よろしくです…」
346: :2012/10/8(月) 02:35:10 ID:2JI8AKaQF2
女「・・・それはできない」

後輩「・・・」

女「お前は、私にお前を抱けと言っている。この言葉の意味、わかるな?」

後輩「そう…ですよね…はは、わかってますよ…」

女「勘違いするな。別に同性がどうので抱かないわけじゃない」

後輩「へ?」

女「私がお前を抱かない理由…それは」

後輩「・・・」

女「私が処女だからだ」

後輩「・・・へ?」
347: :2012/10/8(月) 02:38:20 ID:5aIfFdEzGw
女「やはり初めては男とがいいしな。体を重ねるわけにはいかんのだ」

後輩「え、ちょ、それって…」

女「後輩」

後輩「は、はい!!」

女「私が男と体を重ね、それでもなお私への気持ちが変わらないのであれば…訪ねてこい」

後輩「!!」

女「私はお前を拒絶しない」

後輩「せ…せんぱ…」

女「泣くな。可愛い顔が台無しだぞ?」

後輩「ふ、ふぇぇ…ふぇぇん!!」
348: :2012/10/8(月) 02:40:37 ID:5aIfFdEzGw
皆様こんばんは

1でございます

深夜のノリと勢いとテンションと激流に身を任せ流れと共に更新いたしました

それでは投下を終了させていただきます

見てくださった方々ありがとうございました!!
349: 名無しさん@読者の声:2012/10/8(月) 09:27:19 ID:37ll5EK7HI
ずっと楽しみに見てます
(´・ω・`)っC
350: :2012/10/8(月) 22:45:14 ID:6qNbzuL50E
>>349

ありがとうございます!!

見てくださる方がいて本当に良かったです
少しでもご期待に答えられたと思います

支援感謝です♪
351: :2012/10/8(月) 22:51:15 ID:rgPbKUYqLw
書記「あ…後輩ちゃん…泣いてる」

男「え?あ、本当だ」

女「わ、私は泣かせていないぞ!?」

書記「会長が…後輩ちゃん泣かせた…」

男「女…お前って奴は…」

女「ち、違うからな!?」

後輩「全く…相変わらず妄想が激しいですねこの脳内下半身は」

男「そしてこの罵倒である」

女「おっとそうだ。一応他の者にも伝えておくが…明日は放課後に生徒会室にな」

男「劇の練習だろ?」

女「ああ、ノープランで事を進めるわけにもいかないからな」
352: :2012/10/8(月) 22:56:18 ID:6qNbzuL50E
後輩「それじゃあ私達はこの辺で、先輩♪また明日です♪」

女「ああ、気をつけるんだぞ」

書記「明日…です」

男「了解」

女「・・・なあ、男」

男「?」

女「さっき…書記と何を話していた?」

男「ただの世間話だよ。お前は?」

女「私も似たようなものだ」

男「そうか」

女「・・・」
353: :2012/10/8(月) 22:59:01 ID:rgPbKUYqLw
男「んじゃ、この辺りで」

女「ああ」

女「男、本当に世間話だけだったのか?」

男「それ以外に何があるんだよ」

女「それは…その…」

男「・・・ひょっとして、やきもち?」

女「・・・///」

男「心配すんな。お前に関係あるけど、そんなに気にするような内容じゃないからさ」

女「そうか…」

男「そういうこと。じゃあな」

女「ああ…」
354: :2012/10/8(月) 23:07:33 ID:6qNbzuL50E
翌日 放課後

男「さて、またこのメンバーが集まったわけだが」

女「うむ。早速練習をしよう」

男「その前に庶務、シナリオは出来たか?」

庶務「はい。バッチリっす」

庶務「昨日の大部分を利用して、現実的に再現不可能な部分は切り取りまして、再構成しましたっす。これがその台本っす」

男「どれどれ」

男「・・・おい、あんま変わってないぞ」

庶務「まっさかー、王子の口調を変えたっすよ」

男「そこだけかよ!!」

庶務「だって男先輩が敬語とか聞いただけで吐きそうっす」

男「何気に失礼だなこの野郎」
355: :2012/10/8(月) 23:16:30 ID:rgPbKUYqLw
女「別に構わんだろう?支障が出るわけでもないし」

男「そうじゃないんだがな…まあいいや、次、衣装調達班」

副会長「とりあえず知り合いとかその他諸々当たって色々仕入れてきたぞ」

会計「お姫様の衣装とか、王子様の衣装もそれっぽいの持ってきたよ」

男「ほう…衣装調達班は比較的まとも…」

友「ちょっとまった」

副会長「ん?」

友「なんで木こり妹の衣装がこんなミニスカなの?」

幼「うわ〜、凄く短いよ〜」

副会長「俺に言うなよ、用意したのは俺じゃないんだから」
356: :2012/10/8(月) 23:18:50 ID:rgPbKUYqLw
男「とまあ、大体こんな感じでいいか?」

女「そうだな…実際に衣装を着てやってみるか?」

男「気持ちが入るかもしれないしな。よし、着替えようぜ」

後輩「先輩の着替え見たら砕きますからね?」

男「誰が覗くか!!」

女「・・・ちっ」

男「舌打ちすんな!!」

書記「やっぱり…小さいから…魅力ない…?」

男「書記はいきなり何を言い出すんだ!?」
357: :2012/10/8(月) 23:22:51 ID:rgPbKUYqLw
副会長「おー、男、中々似合ってんな」

男「少し派手過ぎる気がするがな…お前は…野党?」

副会長「・・・狩人だ」

友「二人とも、準備するよ」

男「友は、まあ、木こりだな」

友「この帽子、一体どうやって作ったんだろうね?てっぺんにあるこの羽、本物の白鳥の羽を使ってるよ?」

幼「男性陣ー、着替え終わったー?」

友「終わったよ」

幼「じゃあ、御披露目だねー!!」
358: 1(投下終了):2012/10/8(月) 23:34:23 ID:rgPbKUYqLw
幼「えへへ…どう、かな?」

友「似合ってるよ。幼さん」

幼「ありがと♪友君も似合ってるよ」

副会長「すげえな、流石会長」

男「正直、あいつに着こなせない服なんかないんじゃないか?」

後輩「きゃああああ!!もう先輩ったら!!私の前でそんな格好するなんてサービスですか!?私を出血多量で殺す気ですか!?もういっそ殺して!!」

男「後輩はいったいどこに向かおうというのだろうか」

副会長「少なくとも俺達には理解出来ない境地だな」
359: :2012/10/10(水) 23:17:14 ID:LoYRYfBqTc
女「ふむ…中々皆は着こなしているじゃないか」

男「お前が言うな」

女「一応王子に見えるな…脱がしても?」

男「断固拒否する」

女「それで…副会長は…」

副会長「・・・」

女「・・・野党か?」

副会長「狩人だ」

男「女、そのボケはもうやってる」
360: :2012/10/10(水) 23:20:19 ID:LoYRYfBqTc
書記「あの…私の格好には…誰も…言わないんですか?」

男「・・・書記、お前って確か」

書記「鏡…です」

男「だよな…」

男「おい、なんであんなのまであるんだよ」ヒソヒソ

副会長「仕方ないだろ、借りてきたのがそこそこ大きい劇団なんだから」ヒソヒソ

男「むしろ俺はどうしてお前がそんなとことお知り合いなのかが知りたいね」

副会長「色々あったんだよ…」

男「あっそ」

女「衣装を着れば気分で出てくるだろう。早速から初めから通してみよう」
361: :2012/10/10(水) 23:26:28 ID:v.Z.DKY7OI
二時間後

男「はあ…はあ…」

女「なんだ…もうバテたのか?だらしが…ないな」

男「うるせえ…お前だって…肩で息してんだろが…」

女「ふっ…少し…白熱し過ぎたか…?」

副会長「・・・いや、お前らが勝手に取っ組み合いして疲れてるだけだからな?」

男&女「・・・」

友「男、いくらキスシーンがやりたいからって舌を絡ませる必要はないと思うよ?」

男「こいつが絡めてきたんだよ!!」

女「お前が絡めてほしそうな顔で見つめてくるから悪い!!」

男「責任なすりつけやがった!?」

後輩「地獄を見る覚悟は出来てるみたいですね」

男「後輩!!落ち着け!!」
362: :2012/10/10(水) 23:29:15 ID:v.Z.DKY7OI
幼「で、でも!!皆なんか上手くなってるよね!?」

会計「うん。昨日に比べて気持ちが入ってる感じがしたよね」

庶務「ま、皆さんならできるって俺は信じてましたからね」

女「とにかく、公演までは1ヶ月を切ってるからな…気合いをいれていくぞ!!」

男「(俺、生き残れるかな…)」
363: 1(お詫び):2012/10/11(木) 07:27:32 ID:/LeE4pFiKU
皆様、今日はお知らせがあります

誠に勝手ながらリアルが多忙の為満足に更新が出来ない状況になっています

そのため、二週間くらい更新ができません

まだこんなSSをお読みになっていただき、楽しみになさっている方には本当に申し訳ないと思っています

すみません
364: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 07:48:04 ID:.UMgxrG0To
首を長くして待つる。
つCCCCC
365: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 23:16:50 ID:cx2G6O.rRs
>1の留守を狙って書記と後輩は頂戴しました

あ、これ置いておきますね!

つCCCCCC
366: 名無しさん@読者の声:2012/10/13(土) 18:02:25 ID:op05FyvkDY
じゃあ俺は会計頂くか…

あ、代わりといってはなんですが
つCCCCCCC
367: 名無しさん@読者の声:2012/10/13(土) 23:14:26 ID:SsZ2TaGctg
わたしまーつーわっ
368: :2012/10/20(土) 19:37:25 ID:J4.jYVdsAg
皆様、お久しぶりでございます

1です

ようやく用事が一段落いたしましたので更新できます
とはいえ、多忙なのには代わりありませんが…

ですが、皆様のご支援を拝見して、まだこのSSをご覧になり応援をしてくださる方がいると知って頑張ろうと思いました
現金ですみません

>>364

お待たせいたしました
支援感謝です

>>365

後輩組を持っていくとは…支援感謝です

>>366

まさかの会計ですかwww
支援感謝です

>>367

いつまでもまーつわっ
お待たせしました
369: :2012/10/20(土) 19:41:25 ID:lsPgG/HhZU
前回までのあらすじ

生徒会が予定していた演劇に出演するはずだった劇団が急遽キャンセルをしてしまった

公演までは1ヶ月しかなく今さら公演を断れるはずもなく生徒会メンバーは俺達四人をいけに…助っ人として一緒に劇をやるようにした

練習と称して執拗にボディタッチをしてくる女から果たして俺は生き延びる事が出来るだろうか?

そんなこんなで公演まで1ヶ月を切った…
370: :2012/10/20(土) 19:48:59 ID:lsPgG/HhZU
友「で?なにこれ」

男「ん?」

友「なんで前回までのあらすじなんて出してるの?」

男「かなり間が空いたからな、忘れてる人もひょっとしたらいるかもしれんだろ」

友「普通に遡ればわかるでしょ?」

男「遡らないめんどくさがりやさんもいるだろ」

友「それは君だけだ」
371: :2012/10/20(土) 19:52:54 ID:lsPgG/HhZU
幼「二人ともー、何を話してるのー?」

男「あー、気にすんな」

女「気にするなと言われれば気になるのが人間というわけで」

男「お前は遠慮という言葉を覚えろ」

副会長「おい、遊んでないでさっさと続きやるぞ」

女「了解した」

男「へいへい」
372: :2012/10/20(土) 19:59:26 ID:J4.jYVdsAg
後輩「鏡よ鏡よ鏡さん?この世で一番美しいのはだ〜れ?」

書記「それは…白雪姫」

後輩「ですよねー!!美しく凛々しい先輩が一番ですよねー!!」

男「相変わらずこの部分の台本無視は絶好調だな」

女「後輩は私の事を過大評価しているのさ、といっても尊敬されて悪い気は…ん?」

男「どうした?」

女「すまない。今のシーンをもう一度頼む」
373: :2012/10/20(土) 20:09:30 ID:lsPgG/HhZU
書記「それは…白雪姫」

後輩「ですよねー!!見目麗しく華やかな先輩が一番なのはわかりきってることですよねー!!」

女「もう一度」

後輩「ですよねー!!容姿端麗成績優秀人望厚いと三拍子の先輩が至高なのは当然の事で…」

女「もう…」

男「いや、その辺にしておけ」
374: :2012/10/20(土) 20:18:28 ID:J4.jYVdsAg
男「おい後輩」

後輩「なんなんですか?脳味噌包茎は黙っててくださいこの童貞」

男「関係ないだろ!!」

女「童貞…」ジュルリ

男「なんで一回毎にセリフが変わるんだよ」

後輩「先輩への愛を全力で表現した結果です」

男「あのなぁ…」

女「後輩、気持ちはありがたいが台本がドンドン変わってしまうから一つに絞ってくれないか?」

後輩「ご、ごめんなさい…」

女「謝ることはないさ。私は嬉しく思ってるぞ?」

男「ていうか、ひとまとめにすりゃいいんじゃねーの?」

後輩「・・・変態のくせに頭の回転早いですね」

男「変態は余計だ」
375: :2012/10/20(土) 20:43:05 ID:dnK2CvxVF6
後輩「仕方ありませんね。先輩も仰ってますし…ひとまとめにしてみます」

男「ありがとよ」

後輩「・・・包茎」ボソッ

男「・・・あのなぁ」

ガラガラガラ

会計「会長、今いいです?」

女「む?会計か…そういえばどこに行ってたんだ?途中から姿が見えなかったが…」

会計「皆さんがコントを繰り広げてる最中に体育館の貸し出しを申請してきました」

幼「体育館?」

会計「いつまでもこんな狭い生徒会室じゃあ練習しても身になりませんし、どうですか?」

女「そのほうがいいかもしれないな」

会計「じゃあ行きましょう」

女「行くって…許可は?」

会計「すでにとってあります」
376: :2012/10/20(土) 20:48:31 ID:dnK2CvxVF6
体育館

男「おお〜〜〜」

幼「ひ、広い…ね」

友「普段は朝礼とかで人が集まってるから広くは感じないけど…これはすごいね…」

書記「・・・っ」ギュー

男「書記、あまり服を引っ張らんでくれ」

女「ふむ…あまりの広さに多少怯えて服を掴むのもあり…か」

後輩「きゃー!!先輩ー♪広いです!!」

女「こらこら、あまりくっつくな」

男「そっちもあまり変わってないけどな」
377: :2012/10/21(日) 00:28:19 ID:TnsRbjetPM
友「でも、これだけ広ければ練習のしがいがあるね」

書記「緊張感も…あります」

男「だな。んじゃ、早速やってみようぜ」

幼「う〜…ドキドキするなぁ…」

副会長「観客いねぇし、気楽に行こうぜ」

女「副会長のいう通りだ。あまり力を入れずにな」
378: :2012/10/21(日) 00:32:37 ID:TnsRbjetPM
男「幼!!声が小さい!!もうちょい大きく!!」

幼「お、お兄ちゃんが魔法でコテンパンに!!」

友「幼さん!!セリフ違う!!」

幼「ま、魔女が白雪姫をコテンパンに!!」

男「セリフ混ざってる!!」

女「ふむ…やはり体育館だとまるで違うな…」

会計「ええ、書記さんと幼さんには荷が重いかもしれませんね…」

庶務「あー、二人とも声を張り上げるってタイプじゃないっすからね」

副会長「最悪マイク使うって手もあるが?」

後輩「むー、それはちょっと…」

書記「・・・」

女「書記、出せそうか?」

書記「やって…みます」
379: :2012/10/21(日) 00:35:43 ID:TnsRbjetPM
書記「それは…白雪姫」

副会長「・・・無理だな」

女「やはりマイクか…」

男「幼は頑張ればいけるんだけどな…そっちはどうだ?」

女「書記がな…」

男「あー」

男「よし、書記」

書記「?」

男「上手く出来たら俺に出来る範囲でなんでもしてやる」

書記「!!」

女「!?」

書記「やり…ます!!」

男「よし!!その意気だ」
380: :2012/10/21(日) 00:39:25 ID:pngDnOEULM
女「後輩、頼む」

後輩「鏡よ鏡よ鏡さん!!この世で一番美しいのはだ〜れ?」

書記「それは!!…白雪姫!!」

書記「どう…ですか?」

男「よしよし、上手くできたな」

書記「えへへ…」

女「・・・」

副会長「会長。相手は書記」

女「副会長、妹が兄に甘えて何が悪い?」

副会長「あん?悪くはないが…てか、書記はお前達の妹なのかよ」

女「似たようなものだ」
381: :2012/10/21(日) 00:43:03 ID:pngDnOEULM
会計「あー、言い忘れてましたけど、この体育館。利用時間決められてますよ」

女「いつまでだ?」

会計「今何時ですか?」

女「5時55分だが?」

会計「6時までですね」

男「後5分しかないじゃなぇーか!?」

会計「まあ着替えは生徒会室にありますし」

女「ふむ、延長届でも出すか?」

副会長「切羽詰まったらでいいだろ」

女「そうか…なら片付けて帰宅しようか」
382: :2012/10/21(日) 00:45:41 ID:TnsRbjetPM
友「ところで男」

男「ん?」

友「さっき噛んだよね?」

男「・・・」

友「否定はしない…か」

男「事実だしな」

友「皆には黙っておくよ」

男「・・・悪いな」

女「(噛んだ男ハアハア)」

書記「(男さん…噛んだ…可愛い)」

友「若干二名には気づかれてるみたいだけど」

男「・・・」
383: :2012/10/21(日) 00:50:00 ID:pngDnOEULM
男「ん?メール?」

母『唐突に旅に出たくなったので父君と女母さん達と出ます。帰りは多分明日のお昼頃になるかな♪』

男「・・・」

女「む?メールか?」

女母『なぜか男君の母さんに拉致されて旅に出ることになりました。帰りは恐らく明日のお昼頃になると思います。戸締まりはしっかりするように。PS、男君にあまり迷惑はかけないように』

女「・・・」ニヤリ

男「なあ、女。お前の家族なんか…って、なんでほくそ笑んでるんだ?」

女「なんでもないぞ」

男「怪しさ満点なんだが」
384: :2012/10/21(日) 00:52:28 ID:pngDnOEULM
副会長「全員、荷物まとめたか?」

男「おう」

副会長「んじゃ、帰るか」

男「また月曜にな」

友「じゃあ僕達も」

幼「また月曜ね〜」

後輩「私達もこれで…書記ちゃんいこ」

書記「さようなら…」

男「夜道気を付けろよ」

男「・・・さて、俺達もいくか」

女「ああ」
385: :2012/10/21(日) 00:56:21 ID:TnsRbjetPM
皆様こんばんは

1です

今日は今までの遅れを取り戻すためにかなり更新いたしました

多分まだ続きます

ところで、変態女って題名だし、今までに何回か生殺しのような表現をいたしましたが…決断します

明日、深夜、sageで、書きます

稚拙で幼稚ですが、そこはそういうものと割り切っていただけると非常にありがたいです

それでは、今日の投下はこれで終了となります
明日またお会いしましょう
386: 名無しさん@読者の声:2012/10/21(日) 06:12:52 ID:zCHQv1DUQI
‖ω・)っC
387: 名無しさん@読者の声:2012/10/21(日) 11:19:51 ID:nqZXszjjQE
つCCCCC
388: :2012/10/21(日) 12:30:29 ID:rgPbKUYqLw
>>386

そんな恥ずかしがらなくても…
支援感謝です♪

>>387

支援感謝です♪
389: :2012/10/21(日) 12:34:45 ID:6qNbzuL50E
男「お前の両親も拉致されてるんだよな?」

女「そういうことになるな」

男「やれやれ、思い付いたら即行動って…アグレッシブ過ぎんだろ」

女「お母様は行動力があるお方だからな」

男「そういうもんかね」

男「で、今日はどうするんだ?」

女「え?」

男「だから、泊まるのか、泊まらないのか」

女「泊まる」

男「即答かよ…じゃ、いくか」
390: :2012/10/21(日) 12:36:40 ID:rgPbKUYqLw


男「ただいま…って、誰もいないんだったな」

女「お邪魔します」

男「誰もいねーし」

女「な、なあ…その…」

男「ん?」

女「なんでもない」

男「そうか、適当にリビングで寛いでいてくれ」

女「わかった」
391: :2012/10/21(日) 12:41:14 ID:6qNbzuL50E
男「さて…」

台所で食材を確認しながら考える

なぜこのタイミングで両親は出掛けてしまったのか、なぜ女の両親を拉致したのか

そしてあの時の女と後輩の会話

部分部分聞こえていただけにどう反応していいかわからなかったが…多分そういう事なのだろう

男「心の準備が必要…ってか?」

女と付き合い始めてからかなりの月日が経っているし、女もいままでずっと我慢していただろう

男「演劇に支障出ないといいけどな…」

変な心配をしつつ、鍋に火をかけて夕食の準備をし始めた
392: :2012/10/21(日) 12:46:05 ID:6qNbzuL50E
ガランとしたリビングに一人静かにソファーに腰かける

手近にあったクッションを引き寄せ抱き抱える
恐らくお母様の物だろう

今日は何かがおかしい

確信もないが、漠然とした違和感だけが私を包み込んでいた

いつもなら男が家に招くなどしないだろう
さらに、両親不在の時に、だ

ここまでくれば察しがつく…というより察しなければいけない

女「・・・」

不安からか、クッションを抱き締める
仄かに感じるこの胸の痛みはこれから行う行為に対しての背徳感からか

女「不安なのか…?私は」

自問してみるものの、答えてはくれない
393: :2012/10/21(日) 12:49:10 ID:rgPbKUYqLw
男「おわっ!?電気くらいつけろよ…」

リビングがいつまでも暗いの不思議に思い、リビングに向かうと女が暗い部屋でクッションを抱き抱えていた

女「…すまない」

男「いや、謝らんでも」

返事の代わりにクッションを更に抱き締める女
あれは確か母さんが無理矢理買った俺のクッションだったはずだが…

男「カレーだけど、いいよな?」

女「・・・ああ」

男「カレーしか作れないからな…レシピさえ覚えればなんとかいけそうなもんだが」

女「・・・そうだな」
394: :2012/10/21(日) 12:55:13 ID:rgPbKUYqLw
男「・・・部屋が暗いから気持ちまで暗くなるんだろ」

電気をつけて女の隣に座る

女は不安そうな眼差しで虚空を見つめていた

男「・・・不安か?」

女「・・・わからない、私は、どうすればいい?」

助けを求めるように俺を見つめる女
俺はそれを黙って受け止める事しか出来なかった

男「・・・確かに、色々思う事あるだろうけど」

女の頭に手を乗せながら慰めるようにしつ

男「俺はお前の事好きだし…お前の気持ちはとっくの昔に理解してるから…だから、信じてくれ」

女「男…」
395: :2012/10/21(日) 13:02:27 ID:6qNbzuL50E
女「そうか…そうだったな…ふふ」

声の調子が戻り、ようやく落ち着いたのかと安心し、立ち上がろうとすると

ドサッ

腕を捕まれソファーに引っ張り倒された

女「貴様に言われなくても、私はそのつもりだ」

笑いながら俺の手を握る女

俺はそれに苦笑した返すしか出来なかった

女「カレー、出来てるのか?」

男「仕上げがまだだ」

女「わかった」

女が立ち上がり台所に向かう

女「後は私が引き受ける。お前は座っていろ」
396: 1(続きは深夜):2012/10/21(日) 13:07:25 ID:rgPbKUYqLw
カレーをよそってリビングで二人で食べる

会話が無いのが辛いが、少なくとも重い空気でない事が俺を助けていた

カレーは我ながら上手い出来だが、所々味が違うのは女のせいだろう
いい意味で味を出している

早々に食べ終わり食器を洗おうとすると、女が食器洗いを申し出た。
自分でやろうとしたが、何故か必死だったので代わる事にした

その間手持ちぶさただったので風呂に向かう事にした
397: :2012/10/22(月) 00:07:01 ID:.63IdrrYSo
風呂場で体を流し湯船に浸かる

そういえばここ最近はゆっくりと湯船に浸かるなんて事をしていなかったような…

そんな事を考えながら気を緩めていると

ガラガラガラ

風呂場のドアが空いてタオルを巻いただけの女が入ってきた

女「一緒に…いいだろうか?」

この時俺は多分麻痺してたんだろう

二つ返事で承諾し、女と一緒に浸かる事になった
398: :2012/10/22(月) 00:14:37 ID:Bdk0KZ2dcg
女「・・・」

男「・・・」

お互いに言葉を交わさずにただ見つめ合う
その内に女の方から唇を重ねてきた

女「ふむ…くちゅ…はぁ…」

舌を絡ませ口内を蹂躙する

男「おい、風呂場でやったら逆上せるんじゃないのか?」

たしなめるように厳しく問いかけてみるが

女「なに…どうせ夢中になるのだ…今も後も変わりあるまい」

男「そりゃそうだが…んむ」

再度口づけを交わして女が俺に体重をかける
あまり広くはないから当然密着するわけで…

女「・・・硬い」

男「そりゃそうだ」

女の手が触れるとそこはビクビクと脈打つかのように動く

女「じっくり鑑賞したいな…仕方ない、あがるか」

女の言葉に頷き、風呂場から出ることにした
399: :2012/10/22(月) 00:21:49 ID:.63IdrrYSo
寝室に入ると早速女に押し倒された

男「強引だな…」

女「気が変わらない内にな」

それはどっちのだという言葉を飲み込み女の行動を見守る

女は風呂場であまり見えなかったそれをマジマジと見つめていた

男「そんなに見るもんじゃない」

女「もっと凶悪だと思っていたが…案外可愛らしいんだな…」

男「どんな見方だよ…うぐ」

女が突然指を絡ませ上下にしごいたので変な声を出してしまった

女「痛いか?」

男「いや…大丈夫だ」

女「そうか…」

女は俺が特に嫌がる様子がないと判断すると、手の上下の動きを速めた
400: :2012/10/22(月) 00:29:29 ID:Bdk0KZ2dcg
男「うっ…くっ…」

女が手を動かすと同時に快楽が腰を駆け巡る
こいつは本当に初めてなのか?やけに手慣れてるような…

そうこうしてる内に限界が近づいてきた

男「駄目…だ、出る!!」

限界を迎える寸前、女が突然手を離した

男「あ…?」

突然の行動に俺は間抜けのような声を出してしまった。女はそれを見ながら妖艶に笑い

女「すまないな、まだ出させる訳にはいかん」

そのまま股間に顔を近づけると、手で支えながら舐め上げた
401: :2012/10/22(月) 00:36:07 ID:.63IdrrYSo
男「うあぁぁぁ…」

手でされるのと比べ物にならないくらいの刺激に俺は声を漏らしていた

女「どうだ…?気持ちいいか?ふふ…」

女が舐めながら聞いてくる

男「お…まえ、本当に初めてかよ…?」

女「色々と知識を得たのでな…なら、これはどうだ?」

女は口を大きく開けたかと思うと、そのまま自身をくわえこんだ

女「はむ…じゅる…んむ」

口をすぼめて上下に顔を動かす度に俺は声を出していた

男「あっ!!ぐっ!!」

じゅるるると音を出しながら女が吸い上げた瞬間、俺は限界に達した
402: :2012/10/22(月) 00:39:51 ID:.63IdrrYSo
女「ん!!…んむ!?」

予告も無しにいきなり射出してしまい、女の喉にかなり当たってしまっらしく、女は少しえづいていた

男「わ、悪い…」

慌てて謝るが、女は気にせずに

女「ん…大丈夫だ…」

少し開いた口から白い液体が見え隠れしていて、俺が出したのだと思うとひどく扇情的に見えてきた

男「・・・気持ちよくしてもらったし、今度はこっちの番だな」

女を押し倒し唇を重ねる

少し苦い味がしたが構わず舌を絡めた
403: :2012/10/22(月) 00:45:20 ID:Bdk0KZ2dcg
女「ん…んく…」

女の形のよい胸を揉みしだき鎖骨に口を落とす
女は口に手を当て声を押し殺してるらしくあまり声が聞こえない

声を出させたい。もっと聞きたい

そんな欲望が俺の中で沸々と沸き上がり、空いた手で女の手を掴み上に上げる

女「あっ…」

女が油断した瞬間、乳首を口に含み甘噛みをした

女「あっ!!ふぁぁぁぁぁ!!」

一際大きな声を出して体をビクビクと痙攣させる女。もしかして…

男「・・・イッた?」

女「おそ…らく…」

肩で息をしている女の顔はもう真っ赤で、口からはだらしなく唾液を流していた
404: :2012/10/22(月) 00:49:44 ID:Bdk0KZ2dcg
女が気持ちいいと判断し、乳首を摘まんだり引っ張ったりしてみる

女「あっ!!ま、まだ敏感で!!ひぃん!!」

乳首を弄る度に女から艷声が出る
乳首をこねくり回し、甘噛みをし、形が変わるくらいに強く揉みしだく

女「くぁっ!!ふあっ!!…それ…だめぇ!!」

とどめて言わんばかりに乳首を強く引っ張ると

女「やぁぁぁぁぁっ!!」

女は体を痙攣させて達した
405: 1(なんか恥ずかしくなってきた):2012/10/22(月) 00:55:17 ID:.63IdrrYSo
女「はあ…はあ…」

女が息を整えてる間に顔を下に向ける
初めて見る秘所だが、素人が見てもわかるくらいに濡れていた

そこに指を沈めて上下に動かす

女「ひゃあ!?ひうっ!!」

前に知識で得た事を試そうと思い秘所に舌を這わせる

女「ふぁあっ!!ひゃん!!」

そろそろ頃合いと判断して自身を取り出す
女もそれを見ると、静かに頷いた
406: :2012/10/22(月) 01:00:57 ID:Bdk0KZ2dcg
男「挿れるぞ?」

女「ああ…頼む」

女の秘所にあてがい、ゆっくりと腰を沈める

女「ん…うぐ…」

女が苦痛に顔を歪めたので、少しでも気を紛らわせようと思いキスをする

女「はあ…はむ…ん…ちゅ…」

女が必死に唇を重ねて来るのをなんだか凄く愛しく思えてきて、女を力強く抱き締めた
女も背中に手を回して応えてくれた

男「動くぞ?」

女「・・・」コクン

女が小さく頷くのを確認して、静かに腰を動かし始めた
407: :2012/10/22(月) 01:09:24 ID:.63IdrrYSo
女「はっ!!はあ…はあ…」

女の声に徐々に快楽の色が混ざり始める

女「痛みは…引いてきた…もっと…早くして…いいぞ」

女が途切れ途切れに懇願してきたので腰の動きを早める

女「ふっ!!はあっ!!あっ!!」

腰を突き入れ最奥を突く度に上がる艷声
その声を聞くたびに腰を動かす速度を早める

女「はぁっ!!ひゃあっ!!あっ!!ふぁっ!!」

腰を叩きつけるかのように激しく突く

女「あぁっ!!やっ!!も、もうっ!!」

男「くっ!!出すぞ!!」

女「な、中に!!ひん!!中に出して!!」

最奥に押し付け、自分を解放する

女「んぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

女が体をを弓なりにしならせガクガクと震え意識を失った
俺も急激な疲労に襲われ意識を手放した
408: :2012/10/22(月) 01:12:51 ID:Bdk0KZ2dcg
皆様こんばんは
1でございます

まずはひとつだけお詫びを

正直すまんかった…

慣れないことはするもんじゃありませんね
投下してる間ずっと赤面しながら書いてました。本当に恥ずかしいです
もう二度とこんな表現出来ない…ていうかしない

とにかく…精神的に疲れました…

えっと、今日の投下はこれで終了となりますが、しばらくはsageで進めます

だって…あれがあがるなんて考えたくもありませんし

とにかく、見てくださった方々ありがとうございました
409: 名無しさん@読者の声:2012/10/22(月) 08:22:01 ID:IarihlNj1Y
いい描写だったと思います

1さん愛してるよ☆
つCCCCC
410: :2012/10/22(月) 08:41:09 ID:iOfEskmDAg
>>409

あ、愛し!?

あ、ありがとう…ございます

少なくとも読める表現を出来たようでよかったです

途中から何を書いているかわからなくなってきてたんでwww
支援感謝です♪
411: :2012/10/22(月) 08:44:44 ID:qoThbcz9PM
翌朝

男「ん…んん…」

体が朝だと伝え、脳が起床を促す
妙な気だるさを感じながら徐々に鮮明になってきる昨日の記憶に俺は赤面していた

男「ついに…しちまったな…」

後悔なぞしてないが、妙に引っ掛かる事があった

男「あれ…確か俺…あんとき中に…」

女「起きたか?おはよう」

男「そぉい!?」
412: :2012/10/22(月) 09:12:01 ID:Poqj.MdNPM
驚いて振り替えると、そこにはいつも通りの女が立っていた

男「驚かすなよ…」

女「いきなり驚いたのはお前だろう」

女がやれやれといった表情で肩をすくめる
こいつはもう平気なのだろうか

女「・・・気になるか?」

女がまるで俺の心を読んだかのように笑いながら問いかける

こんなところでエスパーなんぞ発動するもんじゃない

女が俺の隣に座り手を握る

女「念願叶ったんだ。嬉しくないわけがないだろう…といっても、気絶させられるとは思わなかったがな…ふふ」

悪戯っぽく笑いながらやや責めるように言う女

誰のせいだ誰の
413: :2012/10/22(月) 12:26:00 ID:hHymL3JH/Y
男「そういや…体とかは大丈夫か?」

女「問題ない。寧ろ満足感に満ち溢れている」

男「そうか…」

特に問題なさそうだったので、多分大丈夫だろうと安心した

女「朝食が出来ている。食べるか?」

男「ああ…食べるよ」
414: :2012/10/22(月) 12:30:00 ID:ioWP3.zHhw
テーブルにつきながらもやはり不安は拭えなかった

自己診断というのは一番的確で一番疑うべき方法だと習った事がある
万が一の事態に備えておいた方がいいかもしれない

女「どうした?浮かない顔をしているな」

男「あ、ああ?そうか?」

女「変な奴だな…」

女は何事もなかったかのように食事を続ける
女なら事の重大さを知っていそうなもんだが…
俺は意を決して女に聞いてみた

男「なあ…昨日の事なんだが…」

女「妊娠の事か?」

男「・・・ああ」
415: :2012/10/22(月) 12:32:22 ID:hHymL3JH/Y
女「私なりに体調管理をしているし、昨日は大丈夫な日のはずだ…だが、万が一の可能性もあるかもしれないな」

男「・・・」

女「もし万が一の事態になったら、お前は私を捨てるか?」

女が試すかのように問いかける


男「んなもんきまってんだろ」

男「お前もひっくるめて、しっかり責任取るよ」

我ながら良い事を言ったと思う。赤面してたが
416: :2012/10/22(月) 12:38:35 ID:ioWP3.zHhw
女「そうか…その言葉が聞けて私は良かったよ」

女は安心したように食事を続ける
俺はそんな女を見ながら自分のこれからについて考えていた

もちろん言葉に偽りはないし、新しい命が出来たとしても、それを守るのが俺の役目だ

男「頑張らなきゃな…」

とても重い役目だが、他の誰でもない、俺にしか出来ない役目だ
417: :2012/10/22(月) 12:50:53 ID:ioWP3.zHhw
女「お母様達の帰宅は昼頃だったな?」

物思いに耽っていた頭に女の言葉が入り、慌てて意識を向ける

男「あ、ああ…確かな」

メールを信じるなら昼頃に母さん達が帰ってくるはずだが

女「いずれにせよまだ時間はある。のんびりしていよう」

男「そうだな…ていうか、お前からのんびりなんて言葉聞けるなんてな」

女「私だってたまにはのんびりしたい時くらいあるさ」

男「どこにいくんだ?」

女「お前の部屋で休ませてもらう」

男「まあ、いいけどよ…」
418: :2012/10/22(月) 22:49:32 ID:3DaiQuaCZ.
女「ふぅ…」

男のベッドに腰掛けため息をつく

男に一つの嘘をついてしまった

女「大丈夫…なんて、最も根拠のない言葉だな」

自虐気味に笑い、改めて事の重大さに落ち込む
男の手前大丈夫だといったが、自分自身大丈夫だとは思ってない

ただ…初めてはやはりそのままで感じたい…ただそれだけの我が儘の為に男を振り回してしまったと思うと非常に申し訳なく思えてくる

女「万が一の可能性…か」

男のベッドに横たわり思案を巡らすも、思い付くのは最悪の事態ばかり

絶え間なく押し寄せる重圧から逃れるように、私は目を閉じた
419: :2012/10/22(月) 22:53:54 ID:qEvpe1B0x6
数時間後

母「たっだいまーん♪」

男「たっだいまーん♪じゃねーよ、この放浪夫婦が」

父「ごめんごめん、留守番出来たかい?」

男「小学生かよ…女母さん達は?」

母「家に戻ったみたいだよ〜男君は?一人?」

男「いや、女がいる」

母「・・・」キュピーン

男「・・・古」

母「ええ〜!?頑張ってなにかを察した表現したのに!!」

男「頑張るなよ、もうすぐ四十路」

母「あー!!気にしてる事を!!」
420: :2012/10/22(月) 22:56:21 ID:3DaiQuaCZ.
父「まあまあ、女さんが男君の部屋にいるって事でいいんだよね?」

男「まあな」

母「呼んできて!!お土産買ってきたから!!」

男「そういう所はしっかりしてんのな…んじゃ、呼んでくる」

父「無理矢理じゃなくていいからね。出来ればでいいから」

男「あいつなら母さんが呼んでるっていえばすっ飛んでくるよ」
421: :2012/10/22(月) 22:59:21 ID:3DaiQuaCZ.
男の部屋

男「・・・」

女「スー、スー」

男「どこが問題ないだよ。すっかり寝やがって」

女「ん…?男か?」

男「おはようさん。母さん達が帰ってきた」

女「そうか…出迎えしなくては…」

男「お土産あるらしいしな…いこうぜ」

女「私の為にか…本当にありがたい」

男「かなり寝ぼけてんな」

女「少しな」
422: 1(投下終了):2012/10/22(月) 23:03:41 ID:qEvpe1B0x6
女「お帰りなさいませ、お母様、お父様」

母「ただいま♪女ちゃん♪」

父「ただいま、留守を守ってくれてありがとうね」

女「いえ、私もご厄介になりましたし」

母「もうっ、硬いなぁ…」

女「すみません」

母「そうそう!!お土産買ってきたんだよ!!女ちゃんに似合うかな〜って!!」

女「ありがとうございます。私なんかのために」

母「女ちゃんは私達の娘みたいなもんだから気にしないの!!」

男「なんで母さんこんなテンション高いんだ?」

父「んー、まあ…色々あったんだよ」

男「ふーん」
423: :2012/10/23(火) 19:14:07 ID:.d3pHPOFNw
母「んきゃあああああ!!似合う!!似合うよ〜!!」

女「あ、あの…私には…その…この格好は似合わな…」

母「次!!これ!!カチューシャも!!」

女「え、えーと…」

母「もう!!お人形さんみたい〜♪」

男「みたいじゃなくて、マジでお人形さんだよな」

父「あはは」

男「父さん、笑いが乾いてる」

父「さて、母さんが女さんに夢中になってる間に僕たちはドライブにでもいこうか」

男「は?」

父「母さん。男君連れてくね」

母「はいは〜い♪」

父「じゃあ、いこうか」

母「・・・」
424: :2012/10/23(火) 19:17:58 ID:pMnSrD0TcY
数分後

父「はい、着いたよ」

男「おー、懐かしいな」

父「でしょ?男君が小さい時によく来たよね」

男「海にダイブして困らせてた記憶しかないんだけどな」

男「でも、なんでここに?」

父「悩んでる時はとりあえず広い所にいた方が考えやすいからね」

男「!!」

父「僕を出し抜けるなんて考えない方がいいよ。父親なんだから」

父「男、なにかあったんだね?」

男「・・・俺、女と寝たよ」

父「・・・」
425: :2012/10/23(火) 19:21:57 ID:pMnSrD0TcY
父「男が悩んでるのは、それだけ?」

男「・・・」

父「そうだねぇ…今の自分で責任を取れるかってとこかな?」

男「なんでもお見通しなのな」

父「まあ君たちならいつかは直面する問題だと思ってたからね」

父「で?どうなの?責任、取るの?」

男「取るさ…でも、取るって気持ちだけじゃ何も出来ないんだ…現実は厳しい」

男「学校とか、生活とか、体裁とか…多分色々あるだろうし…俺に、女を守りきれるか、自信がない」

男「あいつは強いから、きっと一人で抱えこんじまうから」
426: :2012/10/23(火) 19:25:26 ID:.d3pHPOFNw
父「なるほど…未来への不安か」

男「・・・」

父「僕からは何も言えないよ。ただ人生の先輩としてのアドバイスね」

父「悩むっていうのは、若者の特権なんだ。だから好きなだけ悩みなさい。そしてがむしゃらに全力でぶつかっていきなさい」

父「そうすればきっと結果がついてくるから」

男「父さん…」

父「まあ、検査してみなきゃわからないし…とりあえずは様子見だね」

男「・・・」

父「大丈夫。君達は君達が思ってる以上にたくさんの人に愛されてるんだからさ」

男「・・・ああ」

父「戻る?」

男「いや、もう少しここにいる」

父「そう」
427: :2012/10/23(火) 19:36:55 ID:qEvpe1B0x6
母「次これ!!」

女「あの…」

母「んー、なんか微妙…これ」

女「その…」

母「やっぱりフリルをどうにかして合わせなきゃ駄目よね…」

女「お母様」

母「んー?」

女「その…私に何か話したい事があるのでは?」

母「・・・なんでそう思うの?」

女「そ、それは…その」

母「心にやましい事がある…よね?」

女「っ…はい」

母「あのこ初めてだったからね、乱暴にされなかった?」

女「いえ…優しく…//」

母「あら意外、もっとガッツリいくのかと」
428: :2012/10/23(火) 19:40:43 ID:qEvpe1B0x6
母「でも、違う所でガッツリいかれちゃったみたいね」

女「男は悪くありません!!私が願った事ですから!!」

母「へ〜?」ニヤニヤ

女「っ!!//」

母「ま、あのこに無理矢理なんて度胸もないし、ましてや貴女が相手なんだから逆もありえるからね〜」

女「・・・」

母「後悔してる?」

女「そんなことはありません」

母「即答…するとは思ったけど」

母「いいじゃない。お互い承知の上なんだから。無理矢理されたならぶっ飛ばすけど」
429: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 21:59:56 ID:iJQjq.rECQ
壁|・`)
壁|´・ω・)キョロ
壁|・ω・`)キョロ
壁|ミ サッ
壁|*´・ω・*)つ⌒C
壁|ミ サッ
430: :2012/10/23(火) 23:23:46 ID:mpRWVyq7lE
>>429

支援感謝…って、ええ!?

なんで隠れちゃうんですか
恥ずかしがらずに出てきてくださいお願いします
431: :2012/10/23(火) 23:28:03 ID:mpRWVyq7lE
女「その…私は男にされるのが嫌なわけではなくて…」

母「わかってるわよそんなこと」

母「赤ちゃん…でしょ?」

女「・・・はい」

母「一応ご両親にも伝えてね?全く無関係じゃないから」

女「・・・はい?」

母「それと、次する時は必ず注意すること。流石に出来ちゃったら庇いきれないしさ」

女「いや…あの…」

母「うーん…まあ、とりあえずは検査よね。結果はわかりきってるけど」

女「その、話がよく見えてこないんですが…」

母「えっとね、男君…っていうか、父君のご家族は皆子供が出来にくい体質なの」
432: :2012/10/23(火) 23:32:36 ID:mpRWVyq7lE
母「詳しく説明すると難しくなっちゃうから簡単に話すと、他の人に比べて赤ちゃんができる可能性が低いのよ」

女「つまり…」

母「そんなに気にしなくてもいいって事よ。油断は出来ないけどね」

女「そう…ですか…」

母「安心した?」

女「胸のつかえが取れた気がします…」

母「良かった。でも、これからが大変よ?」

女「へ?」

母「子供が出来にくいって事は、いっぱいしなくちゃいけないんだから」

女「ああ…それに関しては大丈夫です」

女「私が襲いかかりますから」

母「ふふ、頼もしいわね」

女「では、私は一度帰宅します」

ガチャ
433: :2012/10/23(火) 23:35:03 ID:I47y/PgF6s
女&男「あ」

父「ただいま〜、あれ?」

母「お帰り〜♪」

父「話は終わったみたいだね」

母「そっちもね」

男「女…」

女「ん?」

男「俺さ、頑張るから…」

女「・・・ああ」

女「そうでなくては困る」
434: :2012/10/23(火) 23:38:45 ID:I47y/PgF6s
皆様こんばんは

1です

いやぁ…大分本編から脱線しちゃってる気がしますが、後々必ずこの話が関係します

といっても、次回投下からは本編に戻りますが…

実はこの話は既に終わりは考えてはいるんですよ。問題はそこにどうやってこぎつけるかなんですねwwwあと526レスありますが、あまり長引くと3スレ目に突入する恐れががが、この526は大切に使わなくてはなりませんね

話が脱線してしまった所で今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々ありがとうございました
435: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 23:45:06 ID:EgaZNdBB0.
壁|`)
壁|・ω・`)デテイッテイイノ?
壁|ミ サッ
壁|
壁|・`)3スレメトツニュウキボンヌ
壁|ミ サッ
436: 名無しさん@読者の声:2012/10/24(水) 10:19:34 ID:44MUc9qXRE
本編も楽しみだ。
支援支援
437: :2012/10/24(水) 20:18:07 ID:.UMgxrG0To
>>435

そうですよ!!勇気を持って扉を開けば光が見えてくるとどっかの偉い人が言っていたよう気がしないでもないですよ!!

ちなみに3スレ目は基本的には無しの方向です
これ以上話を考えるとなると頭があぼんしちゃいますしwww
ですが、嬉しいお言葉ありがとうございます

>>436

支援感謝感激です♪
脱線しまくって申し訳ない
438: :2012/10/24(水) 20:22:43 ID:.UMgxrG0To
女「では、お邪魔しました」

バタン

父「見送らなくて良かったの?」

男「うーん、なんかそうしない方がいい気がするしさ」

父「そう?じゃあ何も言わないけど」

男「よし…じゃあせっかくの休日だし…寝る」

ピリリリリリリリ

男「・・・」

母「携帯なってるよ?」

男「・・・はぁ」
439: :2012/10/24(水) 20:25:35 ID:rZSMriZHNY
副会長『よう、俺だ』

男『副会長?珍しいな、お前が電話するなんて』

副会長『本来なら絶対にしないけどな、会長知ってるか?』

男『女?女なら多分家にいるんじゃないか?』

副会長『場所がわかるならいいんだよ。今日暇だよな?』

男『・・・なんでだ?』

副会長『昼頃に学校こい』

男『・・・わかった』

副会長『じゃあな』
440: :2012/10/24(水) 20:31:50 ID:rZSMriZHNY
男「昼頃って、今じゃねーか…」

父「出かけるのかい?」

男「ちょっと学校行ってくる」

母「いってらっしゃい」

男「はあ…全く休日くらい休ませてくれよ」
441: :2012/10/24(水) 20:42:33 ID:rZSMriZHNY
女の家

ピンポーン

男「すいませーん、男なんですけど、女います…」

ガチャ!!

女「男!?何故きた!!」

男「へ?いや、用があるから…」

女「話はいい!!いいから逃げろ!!」

男「は?」

女母「男君!?なんでいるの!?」

男「え!?」

女母「いいから逃げて!!」

女父「男!!てめぇ!!この野郎!!」

男「うわっ!?」
442: :2012/10/24(水) 20:49:49 ID:rZSMriZHNY
女父「てめぇどの面下げて来やがった!!こっちこい!!ぶっ殺してやる!!」

女母「落ち着いてあなた!!」

女「落ち着け父!!」

女父「これが落ち着いていられるかってんだ!!」

男「・・・」

女「何してる!?いいから逃げろ!!」

男「女父さん…聞いてください」
443: 名無しさん@読者の声:2012/10/24(水) 21:14:15 ID:o0XlKNpLqI
壁|(´・ω・)ノ ヤア

と言うわけで出てきました
3スレ目は無いですか…

願わくは、ずっとこのSSを読んでいたいのですがねぇ…
男と女2人の子供が成人するくらいまで…

それくらいこのSS大好きです。
もちろん1さんも大好きですよ愛してますよ

つ⌒C⌒C⌒C
444: :2012/10/25(木) 00:19:26 ID:.BqTUML2Mw
>>443

そ、そんなこと言われても書かないんだからね!!

いや、本当に凄く嬉しくて自分には勿体なさすぎるくらいのお言葉を頂いて本当になんといっていいか

でもやっぱり3スレ目は無理そうです
多分失踪するか、放置するか、削除するかのいずれかになってしまいそうですから

こんな私でも作者の端くれですから、作品はきちんと完結させたいと思ってます

でも、本当に嬉しいです。私みたいな人間にそんなお言葉をかけていただいて

支援感謝です
より一層励ましていただきます
445: :2012/10/25(木) 00:23:00 ID:jbbvN.EpKE
男「俺が、女にやったことは…凄く重い事だと思います」

男「責任を取る…気持ちだけなら、言葉だけならなんとでも言えます」

男「でも、俺はまだ子供で、何にも出来ない事も知ってます」

男「ですが、俺は逃げません」

男「俺は女を愛してますから。女が信じてくれてますから」

女「男…」

女父「・・・けっ」

女父「どっかいっちまえ、これ以上俺にその面見せんじゃねぇ」

バタン
446: 1(投下終了):2012/10/25(木) 00:26:54 ID:.BqTUML2Mw
男「・・・嫌われたよな、絶対」

女「すまない…」

男「いや、いいんだ。こうなる事はわかってたから」

女母「一応弁解しておくけど、そこまで嫌いにはなっていないと思うわよ」

男「へ?」

女母「あの人、先に手が出るタイプの人間だから」

女「そういえば、私に用があるのではなかったか?」

男「あ、ああ…学校にいくぞ」

女「学校に?」

男「副会長に呼び出された」

女「副会長が…それはいかねばなるまい」

女「というわけだ、いってくる」

女母「はいはい、こっちは任せときなさい」
447: :2012/10/25(木) 23:07:39 ID:91GhtNBsvE
学校

副会長「おせーよ」

女「すまない。待たせたな」

副会長「もう皆集まってる」

女「悪い」タッタッタ

男「よう、相変わらず番か?」

副会長「てめぇらが俺をそのポジションに追いやったんだろうが」

男「悪かったよ。でも、つまらなくはないだろ?」

副会長「・・・昔に比べればな」

男「そういや、そろそろ一周忌じゃないのか?」

副会長「・・・」

男「花とか、置いてきてやれよ」

副会長「・・・ああ」
448: :2012/10/25(木) 23:10:18 ID:hib0MTjhgU
体育館

会計「会長、来てくださいましたか」

女「ああ、だが体育館貸し切りとは…思いきった事をするな?」

会計「どうやったかは機密で」

女「わかっ…」

後輩「せーんぱーい♪」

女「おっと、急に飛び付くな。びっくりするだろ」

後輩「えへへ〜、嬉しくてつい」
449: :2012/10/25(木) 23:15:45 ID:91GhtNBsvE
男「・・・ん?幼がいなくないか?」

友「幼さんなら二時間前に連絡したんだけどね」

男「早すぎだろ。それで?」

友「電話越しでもわかるくらいに寝ぼけてた」

男「あー…」

友「来てくれるといいんだけどね」

男「お前…幼にお兄ちゃんと言われるのに味をしめたな?」

友「さあ?どうだろうね」
450: :2012/10/25(木) 23:19:08 ID:91GhtNBsvE
書記「・・・」ツンツン

男「お、書記か」

書記「お兄ちゃん…」

男「ぶふっ!!」

後輩「駄目!!書記ちゃん!!」グイ

書記「あう…」

後輩「こんな人の妹なんかになったらいつか襲われちゃうよ!?」

男「失礼な、そんな気は起こらん…多分」

女「私とは…遊びだったのだな…」

男「誤解を招く発言すんな」

後輩「遊び?先輩の事はどうでもいいと?」

男「しまえ、殺気をしまえ」

書記「・・・//」

男「なんでそこは頬染めしてんだよ」
451: :2012/10/25(木) 23:22:15 ID:hib0MTjhgU
副会長「とりあえずやろうぜ?キャスト足りないけどなんとかなるだろ」

友「・・・」

副会長「友、あからさまな不機嫌オーラをだすんじゃない」

後輩「はえ?友先輩具合でも悪いんですか?」

友「大丈夫だよ。後輩」

後輩「ならいいんですけど…無理はなさらないでくださいね?」

友「もちろん」

ガラガラガラ

幼「お、遅れてごめ…ふぎゃ!?」ベチャ

男「あ、こけた」

幼「ううう…痛い」
452: :2012/10/25(木) 23:26:04 ID:hib0MTjhgU
友「大丈夫?立てる?」

幼「あはは、ありがとう友君」

男「なんで制服着てんだ?」

幼「え?だって学校来いって…あれ?皆制服じゃない?」

男「当たり前だろ。なんで休日にまで制服を着なきゃならん」

幼「え?え?でも友君から電話かかってきて、お昼寝して、そういえば学校いかなきゃって思って、急いで着替えて…あれ?」

幼「今日お休みだよ!?」

男「今更!?」

副会長「相変わらずどっか抜けてんのな」

後輩「そこが幼先輩の可愛い所なんです!!」

副会長「それ、誉めてんのか?」
453: :2012/10/25(木) 23:28:36 ID:91GhtNBsvE
女「幸い人は集まったようだ。始めるぞ」

男「よし…やるか」

女「とりあえず更衣室で衣装に着替えて壇上に上がって動きを確認しながら練習していこう」

男「そうだな。ただその前に」

女「ん?」

男「何故俺の衣装を持って男子更衣室に入ろうとする?」

女「決まっているだろう?着替えを手伝いに…」

男「出てけ」
454: :2012/10/25(木) 23:40:39 ID:hib0MTjhgU
女「全員、着替え終わったな?」

会計「でしたら、冒頭シーンから狩人を差し向けるシーンまで通してやってみましょうか」

女「そうだな。ナレーションを頼む」

会計「了解しました」

男「俺達はまだ出番は無いな…少し寝る」

幼「寝ちゃ駄目だからね?」

友「いいと思うよ」

友「・・・」

友「寝たら張り倒すからね」

男「即行で意見を変えるなよ」
455: :2012/10/25(木) 23:43:37 ID:hib0MTjhgU
女「よし、次は木こり妹が王子を呼びにいくシーンだ」

男「お前、動きっぱなしだけど疲れないのか?」

女「問題ない」

幼「えっと…じゃあ友君が魔女にやられて…」

友「うん。そこからだね」

男「んじゃま、ボチボチやりますか」
456: :2012/10/25(木) 23:45:47 ID:hib0MTjhgU
男「ふぅ…これで全部通したかな?」

女「意義あり、あれは触れるだけであってキスとは言わないのではないか?」

庶務「あー、ちょっといいっすか?」

男「ん?」

庶務「狩人が白雪姫を殺そうとするシーン、少し変えたいんですが…」

女「私は構わないが?」

副会長「俺も問題ない」

庶務「じゃあ、こんな感じに」
457: :2012/10/25(木) 23:49:27 ID:hib0MTjhgU
副会長「久しいな…白雪姫」

女「狩人か、どうした?眉間に皺を寄せて」

ヒュン

女「っ!!」ヒョイ

副会長「理由は言わない…死んでもらう」

女「どうやら…冗談ではなさそうだな」

副会長「・・・」

女「動物乱獲の際に助けてやった命を自ら捨てに来るとはいい度胸だ…来い。血祭りに上げてやる」
458: 1(投下終了):2012/10/25(木) 23:54:05 ID:hib0MTjhgU
庶務「とまあこんな感じに」

男「却下」

庶務「うえ!?」

男「どっちが悪者だかわからねーよ!!ていうか、狩人は白雪姫を生け捕りにするんじゃなかったのか!?」

庶務「過去に白雪姫に負けた設定でいけば、生け捕りは難しいから相討ち覚悟で殺りに来たって事で一応通りますよ」

男「狩人に勝つ白雪姫ってなんだよ!!」

庶務「・・・少し強い一般人?」

男「既に魔女とバトルしてる時点で少しじゃないし一般人でもねーよ」
459: 名無しさん@読者の声:2012/10/26(金) 00:00:28 ID:R1BNGsoKM6
壁|(`・ω・)ノ ヨッ

今日は大量投下でしたな…ホント感謝、感謝

展開が気になって受験勉強手につかないんです(笑

女父さん気持ちはわかる
だが落ち着け

幼タンみたいな娘はどこにでもいますね(笑

そして女タンハアハア
1タンハアハア

つ⌒C⌒C⌒C
460: :2012/10/26(金) 16:38:43 ID:PP20B5Qs1o
>>459

む、大量でしたか?
基本的にイレギュラーがない限り10レス更新を目安にしてるので…

って、受験勉強に集中しなくちゃいけませんよ!?こんなSSほっぽといてもいいですから!!

男「娘さんを俺にください!!」

女父「娘はやらん!!」

↑のやり取りがどうしてもしっくりこない不思議

支援感謝です♪
私にハアハアしても何もありませんよフヒヒwww
461: :2012/10/26(金) 16:42:36 ID:Jsnvar1iaA
庶務「えー、じゃあ考え直しですか?」

男「そうだな…」

副会長「別に直さなくてもいいだろ」

男「はい?」

副会長「一度会長と本気で闘りあいたかったんだ…いい機会だぜ」

女「そうだな…昔からお前は歯ごたえがありそうだと目をつけていたとこだ」

女「・・・こい」スッ

副会長「いくぜ!!」ダッ
462: :2012/10/26(金) 16:47:32 ID:Jsnvar1iaA
※ただいま二人がガチで戦っています。しばらくお待ちください

男「って、なんだよこのテロップは」

友「尺稼ぎ」

男「んな真面目に返さなくても…」

友「まあいいじゃない。劇自体はほぼ完成してるんだから…」

友「不安要素あるけどね」

幼「お、お兄ちゃんが白雪姫の代わりにバーン!!って!!」

後輩「幼先輩、それじゃあ木こり兄が魔法使ったみたいに聞こえますよ」

幼「あう…またやっちゃった…」

書記「落ち着いて…ゆっくりやりましょう…」

幼「ありがとう…二人とも」
463: :2012/10/26(金) 16:52:19 ID:Jsnvar1iaA
女「はあ…はあ…」

副会長「ふぅ…ちっ…」

男「あり?終わった?」

副会長「逆だ」

男「ん?」

女「攻撃が…当たらない…」

副会長「さすがフェンシング全国二位…動きが違うな…」

女「貴様こそ…元不良にしておくには惜しいな…ふふふ」

男「・・・」スタスタ

男「ていっ」ペシ

副会長「いて」

女「何をする!?」
464: :2012/10/26(金) 16:56:07 ID:PP20B5Qs1o
男「お二人さん。ここらで話を少し見直そうや」

男「これは青春ラブコメもどきなんだよ」

友「(もどきって言った)」

男「バトル物でもねぇしましてやシリアスでもスポーツでもねぇんだよ」

女「しかし>>397辺りからラブコメじゃ無くなって…」

男「シャラーップ!!」

男「劇自体はほぼ完成してんだ。後は細かい動きを確かめるだけ。おけ?」

女「わ、わかった…」

副会長「悪い、調子乗りすぎた」
465: :2012/10/26(金) 17:04:43 ID:PP20B5Qs1o
後輩「みなさーん、幼先輩が一通りセリフを覚え終わりましたよ〜」

男「お、ありがとな」

後輩「・・・うわ」

男「おおひどいひどい」

書記「後輩ちゃんは…ツンデレなんですよ…」

男「今の所俺に対してツン100%なんだけど。デレがないんだけど」

書記「デレは…会長限定」

男「それツンデレじゃねーよ!!ただの二面性激しいやつじゃねーか!!」

友「アホなコント繰り広げてないで、初めからもう一回通すよ」
466: :2012/10/26(金) 23:31:49 ID:JP.5qVNL/A
会計「こうして白雪姫は王子様と結婚し、なかむつまじく幸せに暮らしましたとさ。おしまい」

男「一時間弱…か」

友「時間的にもいいんじゃない?」

男「そうだな…こんな感じでいいだろ」

男「いつまでも話を引っ張ってらんないし」

女「何か言ったか?」

男「何にも」

会計「じゃあ片付けをして帰りましょうか」
467: :2012/10/26(金) 23:37:36 ID:JP.5qVNL/A
幼「やっとセリフ覚えられたよ〜」

友「お疲れ様」

幼「手伝ってくれてありがとうね♪」

友「どういたしまして」

書記「手を…繋ぎたい…です」

後輩「駄目ー!!右手が腐っちゃう!!」

書記「手…」

後輩「私と先輩と繋ごう!!ね!?」

男「なんか日に日にエスカレートしてないか?」

女「ふふ、後輩は私と書記をお前に取られそうになっているからな」

男「子供かよ」

女「ああ…私達はまだまだ子供だ。出来る事に限界があるからな…」

男「・・・」
468: :2012/10/26(金) 23:44:19 ID:JP.5qVNL/A
それから数日が経った

練習のかいあってか、本番一週間前には皆驚く程に演技に磨きがかかっていた

その間俺は演劇のこととこれからの事で板挟みになっていて、はっきりいえば苦しい状況だった

女にはまだ変化はない
そんな簡単にはわからないと母さんに笑われたがこちらはかなり真剣なのだ

悶々とした状況の中
遂に本番の日がやって来た
469: :2012/10/26(金) 23:48:33 ID:zbm6gd2Kqc
皆様こんばんわ

1です

ようやく演劇編に終わりが見えて来ました

疲れる…

明日明後日をつかってなんとか終わらせられるように頑張りたいですね

演劇編さえ終わればちょこちょこ小ネタ挟みつつ本編進めて…最終回に突入すれば文句なし…うむ

なるべく10月中には終わらせたいですが…多分無理ですな…

とりあえず、今日の投下はこれで終了となります

見てくださった方々
ありがとうございました


PS どうでもいいことですが、私がこの板に来て一年が経ちました
今更ながら応援してくださっている方々に心より感謝いたします
470: 名無しさん@読者の声:2012/10/26(金) 23:50:25 ID:t7HmaZr/4Q
壁|`・ω・)ノ

何も言わずにCCCCC
471: 名無しさん@読者の声:2012/10/27(土) 06:17:15 ID:9QAeYdg71w
いつも楽しみにしています。
1イイヨ、カワユスヨ
我が家の子にならないかい?
つCCCCC
472: :2012/10/27(土) 08:17:05 ID:r75WTALHJI
>>470

何かいってくだしゃあ…(´・ω・`)

支援感謝です♪

>>471

ありがとうございます♪

ははは、嬉しい冗談ですね
私ですよ?暇さえあれば寝ていて口を開けば下ネタ連発の変態ですよ?

支援感謝です♪
473: :2012/10/27(土) 08:28:15 ID:r75WTALHJI
本番当日

女「皆…よく聞いてくれ」

女「今日に至るまでの1ヶ月…皆はよく頑張ってくれた」

女「今日はその練習の成果を試す時だ。皆!!存分に力を出しきろう!!」

女「・・・と、ここだけ見れば演劇に汗を流すありふれた展開だが、これは私と男の愛を描くラブエロコメなのでな」

男「エロいらねーし、今ので台無しだよばか野郎」

女「細かい事は気にするな」

男「本番だから気にするんだろーが!!」

友「(夫婦だな…)」

幼「(仲良しだなぁ…)」

副会長「(またかよ…)」

会計「(風物詩ですねぇ…)」

書記「(男さん…楽しそう)」

後輩「(男さん殺す男さん殺す男さん殺す男さん殺す男さん殺す)」


474: :2012/10/27(土) 08:32:44 ID:dnK2CvxVF6
「会場の皆様、大変長らくお待たせいたしました」

「プログラム一番、白雪姫の開演です」

「突然の劇団のキャンセルにもめげずに、学校の有志を募り今日までたくさんの練習をしてきました」

「皆で意見を出しあい、そして出来た一風変わった白雪姫、どうぞお楽しみ下さい」

母「一風変わった白雪姫だって!!楽しみだね♪」

父「そうだね…それにしても学生が劇?」
475: :2012/10/27(土) 08:40:07 ID:dnK2CvxVF6
会計「むかしむかし、あるところに白雪姫という大変可愛らしい娘がおりました。白雪姫は森の動物達と楽しく暮らしていました。」

会計「しかし、、ある日城に住む自分の美しさに絶対の自信を持つ魔女が魔法の鏡にこう訪ねました」

後輩「鏡よ鏡よ鏡さぁ〜ん?この世で一番美しいのはだ〜れ?」

書記「それは…白雪姫…」

後輩「ですよねー!!先輩がこの世で最も美しく気高く凛々しく優雅で雄々しく完璧な存在ですよねー!!」

書記「・・・」

母「あれ…白雪姫ってこんな話だっけ?」

父「魔女が白雪姫を猛プッシュしてるのは斬新だけどね」
476: :2012/10/27(土) 08:44:54 ID:r75WTALHJI
会計「鏡に哀れみの眼差しを向けられながら魔女は思い付きました。そんなに美しいのなら、是非自分の手元に置いて美しさの秘密を知りた…」

後輩「違います!!先輩と一緒に暮らして幸せで甘甘な時間を過ごすんです!!あわよくば…きゃっ//」

会計「完璧に何かを間違っている魔女は白雪姫を捕まえようと策を巡らします」

会計「そして思い付いたのは白雪姫の顔見知りの狩人に城に連れてきてもらうというなんともお粗末な作戦でした」

後輩「う、うるさいですよ!!」

母「ナレーションの子、少し酷くないかな?」

父「母さん、世の中には毒舌という言葉があってね…」
477: :2012/10/27(土) 08:49:42 ID:r75WTALHJI
会計「数時間後、城にやってきた狩人に魔女はこう言いました」

後輩「白雪姫をこの城に連れてきなさい。そうすれば褒美は望みのままです」

後輩「ですが、条件があります」

副会長「条件?」

後輩「白雪姫に怪我をさせない。白雪姫に色目を使わない。白雪姫に必要以上に触れない。白雪姫に愛を語らない。白雪姫に…」

副会長「・・・」

会計「狩人は納得がいかないという顔をしていましたが、渋々魔女の依頼を受けました」

母「魔女って白雪姫の事好きなのかな?あれ?でもどっちも女の子だよ?」

父「母さん…考える事を止めようか」
478: :2012/10/27(土) 08:53:39 ID:r75WTALHJI
会計「数時間後、森についた狩人は白雪姫の住む森の家を目指していました」

会計「その歩き方はさながら今から幼女を捕まえようととするロリコンの如く…」

副会長「やかましい」

会計「とにかく、森を歩き続けて数分後、目の前には小屋が見えてきました」

会計「築1年、木こり兄妹がせっせと働き1から組み立てたこのお宅。しかし、ここにある問題を抱えた…」

副会長「それ以上言ったら色々都合悪くなるからやめとけ」

会計「狩人は用心しながらゆっくりと小屋の戸を開けました」
479: :2012/10/27(土) 09:00:06 ID:dnK2CvxVF6
会計「狩人が戸を開けると、小屋の中には誰もいませんでした」

会計「留守かと思い狩人が帰ろうとすると。ヒュッという音と共に弓矢が狩人を襲います」

会計「狩人が短剣で弓矢を落とすと、部屋の奥から弓を構えた白雪姫が出てきました」

女「久しいな狩人」

副会長「久しぶりだが…ご挨拶だな?白雪姫…」

女「何やら嫌な気配がしたものでな」

会計「しばらくの沈黙が流れた後、狩人が口を開きました」

副会長「白雪姫、何も言わずに俺と来てほしい…」

女「断る!!」

副会長「・・・」
480: :2012/10/27(土) 09:07:21 ID:dnK2CvxVF6
会計「絶対の自信を持った女にナンパしたのにまさかのお断りを食らったチャラ男のように立ち尽くす狩人」

副会長「そんなにショックは受けてない」

会計「しかし、魔女の頼みと依頼が重なって狩人は力ずくでも白雪姫を城に連れていこうとしました」

副会長「仕方ない…多少手荒になるが…ぐはっ!!」

会計「スパーンという小気味よい音と共に白雪姫が綺麗な蹴りを放ちます。ここでパンチラ的な物がお約束でしょうが、残念ながら白雪姫はスカートっぽい何かのしたにハーフズボンを履いていました」

母「・・・ねえ、あれって」

父「女さん。だね」
481: :2012/10/27(土) 09:16:14 ID:dnK2CvxVF6
女「慢心したな狩人よ。私に勝てると思うなら出直してこい」

副会長「くっ…」

会計「白雪姫の圧倒的な力の前に手も足も出ない狩人は観念して、白雪姫に事の顛末を伝えました」

副会長「実は…魔女にそそのかされて…君を捕まえようとしたんだ」

女「魔女が?」

副会長「詳しくは聞いてないが、捕まったらきっと酷い目にあうはずだ…それなのに俺は…君を」

会計「あながち間違ってはない狩人に白雪姫は優しく語りかけます」

女「いいさ。人間というのは欲が深い生き物。私だって欲はある」

女「しかし魔女め…私を捕まえようとはいい度胸だ…ふふ」

会計「怪しい笑みを称えながら白雪姫は狩人にこう伝えました」

女「狩人。魔女には私が崖から転落して死んだと伝えておいてくれ。そうすれば時間が稼げる」

会計「何の時間だという疑問を押し込め、狩人は頷きました」

母「白雪姫かっこいいね!?」

父「中身女さんだからね」
482: :2012/10/27(土) 12:53:52 ID:kXnG4/tm7o
会計「狩人は魔女の城へと戻り魔女にその旨を知らせました」

会計「魔女は狩人から白雪姫が死んだと聞かされると、膝を落として泣き始めました」

後輩「そ…んな…先輩が…先輩がぁ…ひっく…ぐすっ、うぇっ」

書記「泣かないの…」

後輩「ううう…鏡には私の気持ちはわからないわよ!!」

書記「白雪姫は死んだ…もういない…でも…あなたはいつでも白雪姫を見れる…私を使って」

後輩「そんなの、そんなの惨めなだけじゃない!!」

書記「過去を引きずるのと…過去を忘れないのは…違う」

書記「過去を忘れずに強く生きる…そうすれば…きっと…」

後輩「鏡…」

母「そうよね…過去に縛られちゃいけないよね…ぐすっ」

父「もらい泣きしてどうするの」
483: :2012/10/27(土) 12:58:21 ID:EK7eqCDaM.
会計「何やら方向性が間違い始めている魔女に狩人がいいました」

副会長「今回の件で俺は大事な人を失った…俺はお前を、許さ」

後輩「あ、帰っていいですよ。もう用済みなんで」

副会長「・・・」

会計「かなり酷い扱いを受けている狩人を尻目に魔女は新しい作戦を考え始めました。狩人はそれに背を向けると城を後にしました」

母「これからどうなるんだっけ?」

父「うーん。確か魔女が白雪姫の所まできて毒リンゴを食べるっていうのが本筋だけど…どうなるんだろ」
484: :2012/10/27(土) 18:19:56 ID:TnsRbjetPM
会計「一方、森では白雪姫が知り合いの木こり兄妹に事情を説明していました」

友「・・・魔女を捕まえる?」

幼「そ、そんなこと出来るの!?」

女「やるしかないんだ。木こり妹。私を捕まえようとした度胸は認めるが…曲がった根性を調教してやらないとな」

友「具体的に策はあるの?」

女「これから城に乗り込もうと思う」

友「罠とかあったらどうするつもりなんだい?」

女「問題ない。狩人に一計を授けた。今頃うまく効いている頃だろう」

友「それで、僕たちにどうしろと?」

女「お前達には着いてきてもらいたい」
485: :2012/10/27(土) 18:26:57 ID:pngDnOEULM
友「・・・いいよ。着いてく必要ないと思うけど」

幼「よくわからないけど…白雪姫ちゃんは魔女をこらしめるためにいくんだね?私も着いてくよ!!」

女「ありがとう。二人とも」

会計「こうして白雪姫は木こり兄妹と共に魔女の城に乗り込みにいきました」

母「乗り込んじゃっていいの!?」

父「少なくとも白雪姫はそんなに武闘派じゃなかった気がするけどね」
486: :2012/10/27(土) 19:00:03 ID:TnsRbjetPM
会計「その頃お城では魔女がまるで生きる希望を失った若者のように堕落していました」

後輩「はあぁぁ…前向きに生きるって決めたけど…やっぱり白雪姫がいないってわかると…どうにもやる気がおきないわね…」

書記「まあまあ…そんなこと言わずに…」

後輩「しょうがない…新しい美少女探して内臓抉るか…」

会計「非常に物騒な事を言いながら魔女が鏡に問いかけます」

後輩「鏡よ鏡よ鏡さん、この世で一番美しいのはだーれ?」

書記「それは…白雪姫」

後輩「!?」

会計「魔女は自分の目を疑いましたが、確かに鏡が映していたのは紛れもなく自分が愛した白雪姫でした」

後輩「んきゃああああ!!やっぱり白雪姫は生きてたのよ!!流石白雪姫!!死ぬわけないって思ってたのよ!!」

会計「主人を見つけた子犬のようにはしゃぎはじめる魔女白雪姫が生きていた事が余程嬉しかったようです」
487: :2012/10/27(土) 19:06:27 ID:pngDnOEULM
後輩「っ!?しかも白雪姫ったら、わざわざ私に会いに来たのね!?」

会計「目敏い魔女は白雪姫が自分の城の中にいることを知ると笑みを浮かべ」

後輩「それじゃ、たくさんお出迎えしないと!!」

会計「そういいながら魔女が指を鳴らすと、城中に可愛らしい装飾が施され、いたるところにようこそ白雪姫の文字が浮かび上がりました」

後輩「さて…後はこの部屋を掃除して、模様替えして…例の物も用意して…ふふふ、楽しみ♪」

会計「無邪気な子どもらしい笑みを浮かべると、魔女は部屋の奥に消えていきました」
488: :2012/10/27(土) 19:11:25 ID:TnsRbjetPM
女「ここか!!魔女!!」

会計「勇ましい音と共に白雪姫達が一番奥までたどり着きました」

友「妙な気配を察したと思ったら…いきなり魔術をかけられるとはね…」

幼「でも、お城の中お花だらけで綺麗だったね〜」

女「いきなり花を被せられたのは勘弁だがな…」

会計「白雪姫達が部屋を探索していると、奥から魔女が現れました」

後輩「ようこそ白雪姫…よく来てくれましたね…」

女「貴様が私を捕まえようとしてると聞いてな…」

後輩「狩人め…やはり謀っていましたか…まあ、いいです。あんな小物」
489: :2012/10/27(土) 19:14:29 ID:TnsRbjetPM
会計「魔女は杖を振りかざし光の玉を三つ作り出しました」

後輩「それで…ここには何しに?まさかわざわざ自分からですか?」

女「いや、違うな」

後輩「?」

女「魔女!!貴様を捕まえに来たのだ!!」

後輩「もう!!是非私を捕まえて離さないで…」

書記「台本破り…駄目…絶対」

会計「鏡が魔女を止めると、魔女は本来の目的を思いだしました」
490: :2012/10/27(土) 19:20:41 ID:pngDnOEULM
後輩「流石白雪姫…ですが、私も捕まるわけには参りません」

会計「そういいながら魔女が袖口から取り出したのは真っ赤になった美味しそうな林檎でした」

女「うっ!?」

会計「林檎を見た途端、白雪姫の表情が変わりました」

女「り…林檎…」

後輩「ふふふ…白雪姫、貴女が無類の林檎好きというのは知っています。ですからこれを差し上げましょう」

会計「魔女が魔法を使い、白雪姫の手元にその林檎を置きます」

友「白雪姫!!食べちゃ駄目だ!!」

会計「木こり兄が必死に白雪姫を止めますが…」

女「・・・」

会計「白雪姫は口を開け、その林檎をかじりました」
491: :2012/10/27(土) 19:30:35 ID:BmFuUWJeOk
会計「白雪姫が林檎をかじった瞬間、白雪姫が倒れました」

幼「白雪姫ちゃん!!」

友「くっ!!白雪姫に何をした!?」

後輩「その林檎にはある薬を塗りました…それは…」

後輩「白雪姫を真に愛する者が口づけをしたらその人だけを永遠に愛するようになる薬!!」

友「・・・」

後輩「ですから私がこれでキスをすれば…」

友「五月雨!!」

後輩「うわっ!?」

友「妹!!君は国にいって王子様を連れてくるんだ!!」

幼「お兄ちゃんは!?」

友「僕はここで魔女を食い止める!!早く!!」

幼「わ、わかった!!」
492: :2012/10/27(土) 23:52:08 ID:zK/P5Hk5to
会計「木こり妹が駆け出した後、木こり兄は斧を構え白雪姫を守るように立ちはだかりました」

後輩「小賢しい…ファイヤーボール!!」

友「ぐぅっ!!」

会計「魔女の手から火球が飛び出し木こり兄に襲いかかります」

後輩「そこをどけばこれくらいで許してあげますよ?」

友「っ、それは出来ない相談だ!!」

会計「木こりが切りかかりますが、不思議な壁に弾かれてしまいます」

後輩「流石木こり、力だけはあるようですね…」

友「(妹…頼む…早く王子様を!!)」
493: :2012/10/27(土) 23:55:56 ID:EDMJho3bZ2
会計「その頃、木こり妹は走り続け、国へとたどり着きました」

幼「はあ…はあ…早く、早く王子様を探さないと…お兄ちゃんが…」

会計「木こり妹が最悪の事態を考えて、目から大粒の涙を溢します」

副会長「木こり妹?何をしているんだ?」

幼「狩人さん!!」

会計「泣いている木こり妹を見かねて、狩人が声をかけました。なんと、近くには王子様もいます」

男「どうしたんだ?何があった?」

幼「お、お兄ちゃんが、白雪姫ちゃんを守って、魔女に!!殺されちゃう!!」

男「白雪姫が!?」

副会長「木こり妹、落ち着いてゆっくり話すんだ」
494: 1(投下終了):2012/10/28(日) 00:00:58 ID:EDMJho3bZ2
会計「落ち着いた木こり妹は、狩人と王子様に事情を説明します」

副会長「なるほど…毒林檎か」

男「しかし…それと僕が一体なんの関係が?」

母「ブフーーーー!!」

父「ちょ!?母さん!!」

男「・・・」

副会長「恐らく、真実の愛で薬の呪いを解こうとしているのだろう」

男「真実の愛?」

副会長「魔女が白雪姫に向ける愛は歪んだ愛。お前のように真っ直ぐに白雪姫を愛してはないだろう」

男「僕は…白雪姫を…」

副会長「何にせよ、ここで話していてもらちがあかない。魔女の城に行くぞ」

男「うん。馬を出すから、それに乗って!!」

副会長「木こり兄…耐えてくれよ…」

幼「お兄ちゃん…」
495: :2012/10/28(日) 16:43:49 ID:LzvT75sMRQ
会計「王子様達がお城に向かっている間、木こり兄は必死に白雪姫を守っていました」

後輩「くっ…しぶといですね…そんなに死にたいんですか!?」

友「はあ…はあ…妹が、必ず王子様を連れてきてくれるから…うぐ」

後輩「理解不可能です。連れてくるわけありませんよ」

友「来るさ…必ず」

後輩「理解…できません!!ウィンドカッター!!」

友「ぐあっ!!」

会計「魔女の恐ろしい魔法が次々に木こり兄に襲いかかります。しかし、木こり兄は倒れません」

会計「次第に魔女に焦りが見え始めました。このままでは王子様がたどり着くのは時間の問題です」
496: :2012/10/28(日) 16:47:31 ID:LzvT75sMRQ
後輩「これでお仕舞いにします!!」

友「っ!?」

会計「魔女の手に光が集まった瞬間、巨大な雷の剣が出来上がりました」

後輩「サンダーブレード!!」

会計「木こり兄の頭上から降りかかる雷剣を見て、木こり兄は静かに目を閉じました」

友「ごめん…妹、不甲斐ないお兄ちゃんで…ごめ…」

男「でゃあああ!!」

友「!!」

会計「その時、王子様が剣を抜き、雷剣を受け止めました」

友「王子様!?」

男「無事かい!?」
497: :2012/10/28(日) 16:53:08 ID:LzvT75sMRQ
幼「お兄ちゃんー!!」

会計「扉から駆け込んでくる木こり妹、その近くには狩人の姿も」

友「よかった…間に合ったんだね…」

幼「お兄ちゃん!!」

会計「木こり兄はそう呟くと、糸が切れたように倒れこみました」

副会長「気絶したか…よくやったな…木こり兄」

会計「狩人が木こり兄の無事を確かめると、王子様の横に立ち、弓を構えます」

男「魔女!!ここまでだ!!白雪姫を解放しろ!!」

副会長「いや、白雪姫はどちらかといえばこっちにいるからな?」

後輩「ぐぬぬ…お坊ちゃん王子が…生意気です!!ファイヤーボール!!」

副会長「させん!!」

会計「王子様に飛んできた火球を狩人が弓で落とします」
498: :2012/10/28(日) 17:08:32 ID:LzvT75sMRQ
副会長「王子、魔女は俺が押さえる。その隙に口づけを」

会計「王子様はコクリとうなずくと、白雪姫の元に走り出しました」

後輩「させませ…うわわっ!?」

会計「会計は矢に火をつけると、それを魔女に向かって放ちます」

後輩「な、なにするんですか!?当たったらどうするんですか!?」

会計「先ほど当たったらヤバい物を連射していた人の台詞とは思えませんが、魔女の注意が一瞬王子様から外れます」

男「今だ!!」

後輩「しまった!!」

会計「魔女が魔法を放ちますがもう間に合いません。王子様は白雪姫の側にいくと、眠っている白雪姫に口づけをしました」
499: :2012/10/28(日) 17:18:04 ID:im7weDzxe.
女「・・・ん」

男「白雪姫!!無事ですか!?んむっ!?」

副会長「!?」

後輩「は!?」

会計「な、なんと白雪姫は王子様を抱き寄せると深い口づけをしました」

男「おい、演出と違うぞ。女?」ヒソヒソ

女「・・・」スッ

女「礼を言うぞ。王子、助かった」

男「は、はい…」

会計「白雪姫は魔女に向き直ると」

女「私の好物に毒を塗るなど…魔女、貴様はその根性を叩き直さなくてはならないようだな…」

女「王子、剣を」

会計「王子様は腰に差してあるもう一本の剣を白雪姫に渡すと、自分も魔女に向かって剣を構えます。白雪姫も、王子様から受け取った剣を構えます」

女「ゆくぞ!!魔女!!」
500: 1(500突破!!支援感謝!!):2012/10/28(日) 17:25:08 ID:LzvT75sMRQ
会計「白雪姫達が魔女と戦い始めてから十数分が経過したころ、遂に魔女は魔法を唱える事が出来なくなるくらいに追い詰められました」

後輩「はあ…はあ…もう…駄目」

会計「ドサッという音と共に魔女が倒れこみます」

女「・・・」

会計「白雪姫はその様子を黙って見ていました」

後輩「ふふ…完敗です…白雪姫。これが、絆というやつ…ですか…」

女「そうだ。一人一人の力は貴様に及ばずとも、力を合わせれば打ち勝てる」

後輩「そう…これが…絆」

後輩「殺しなさい…貴女にならこの命、取られても惜しくはありません」

女「ならば一つだけ聞かせろ。こんなことは止めると誓うか?」

後輩「今さら遅いとは思いますが…誓います」

女「そうか…」
501: :2012/10/28(日) 17:29:31 ID:LzvT75sMRQ
女「王子、剣をありがとう。これは返す」

男「え?あ、はい」

女「狩人、すまないが木こり兄を頼めるか?」

副会長「わかった」

女「よし。それでは皆。帰ろう」

後輩「・・・」

男「よろしいのですか?魔女は…」

女「魔女はもうしないと誓った。命を奪う必要はない。それにもし同じような事をやったら…」

女「やる気が起きなくなるようにしてやる」

男「白雪姫…貴女という人はなんと潔く気高いのだろう…」
502: :2012/10/28(日) 20:09:07 ID:EK7eqCDaM.
会計「こうして、魔女を打ち倒した白雪姫達は森に帰りました」

会計「その後、国に戻った王子様は白雪姫の事を忘れられずにいて、遂に白雪姫に結婚を申し込みます」

会計「白雪姫はそれを承諾し、二人は結婚しました」

会計「その後、子どもにも恵まれて、二人とも末永く幸せに暮らしましたとさ」

会計「めでたしめでたし」
503: :2012/10/28(日) 20:16:38 ID:kXnG4/tm7o
楽屋裏

女「ふぅ…皆、お疲れ様」

男「あー、つっかれたわー」

友「全くだね」

後輩「友先輩!!さっき私に本気で剣道の技仕掛けませんでした!?」

友「ごめんごめん、熱演だったからさ」

後輩「ぶー」

書記「やっぱり…皆さん疲れてますね…」

男「まあな…てか、書記はずっと立ちっぱなしじゃなかったか?大丈夫か?」

書記「実は…途中から丁度いい感じの鏡があったんで…それとチェンジしました…」

男「お前な…」

幼「・・・」

男「幼、お疲れ…幼?」

幼「・・・」スースー

男「寝てやがる…まあ、無理もないか」
504: :2012/10/28(日) 20:23:03 ID:EK7eqCDaM.
男「あ、女!!あれはどういう事だ!!」

女「ん?」

男「キスシーンのあれだよ!!あんなん演出になかっただろ!?」

女「・・・すまん」

男「うえ?」

女「よくよく考えたら私の行動一つで劇が崩れたかもしれなかったのだな…本当に、すまない」

男「あ…いや…まあ、わかってくれたならいいんだよ。うん」

女「・・・」ニヤリ

副会長「おーい、その邪悪な笑みに気づけ」
505: :2012/10/28(日) 20:29:09 ID:kXnG4/tm7o
ガチャ

司会「いや〜、皆さんお疲れ様でした〜」

司会「観客の方々にすっごく好評でしたよ!!ひょっとしたら大賞とっちゃうかも!!」

女「ありがとうございます」

司会「とりあえずは私は進行があるので、これで。本日はお疲れ様でした〜」

バタン

女「よし…我々も帰るとしよう」

男「そうだな…」
506: :2012/10/28(日) 20:34:18 ID:kXnG4/tm7o


男「ただいま…って、そういや今日はデートしてたんだっけか…」

男「・・・あん時に聞こえた吹き出し、絶対に母さんだよな」

男「てことは、一部始終見られてるわけで…はぁ…」

男「まじ勘弁だよ…全く」

ピンポーン

男「ん?誰だ?」

女「男ー、帰ってるかー?」

男「・・・まあ、予想はしてたがな」

男「帰ってるから、少し待ってろー」
507: :2012/10/28(日) 23:44:35 ID:d5wGeLh/XU
男「ほいほいようこそっと」

扉を開けて女を招き入れる

女「・・・」

静かに入ってきた女だが、何故か浮かない顔をしていて、少し俯いているようにも見えた
変だとは思ったがとりあえずリビングに通してお茶でも置いておく
その間、女はずっとだんまりだった

男「どうした?何かあったのか?」

さすがに不審に思ったので疑問を投げ掛けてみるが

女「いや…気にするな…」

珍しく歯切れが悪い返し方をされた
これは何かあると思い俺は少し強くしてまた問いかけた

男「気にするなって方が無理だろ。で?何かあったのか?」

女「・・・」
508: :2012/10/28(日) 23:49:53 ID:r/ihziH8Hk
女は少し固い表情をしていたが、やがて決心したかのように口を開いた

女「演劇の…件だ」

演劇の件

そう言われて思い当たるのはあれしかない

男「あれか、結局なんでああなったんだ?」

女「・・・笑わないか?」

男「ん?」

女「欲求…不満だ」

男「はい?」

女が言ってる事がいまいち理解出来ないが女はそれでも続ける

女「ここ最近は練習づくめでろくにイチャイチャ出来なかったし、イチャイチャしようにもお前が疲れはてている顔を見ると襲うののも躊躇うから…その…」

男「・・・」
509: 1(投下終了):2012/10/28(日) 23:55:43 ID:d5wGeLh/XU
つまり、こいつはただ俺と一緒にいたかっただけらしい
それが練習だのでなんやかんやでお預けを食らっていて、劇でそれが爆発したのだ

女「自己管理の甘さが原因で、劇そのものを潰してしまう所だった…すまない。私の責任だ」

うつむきながら謝罪をする女
しかし、これは本当に女だけに非があるのだろうか?
俺はこいつと付き合ってるのだからこいつの事も気にかけてやらなくちゃいけないだろうが、最近は練習に手一杯だった

ほんの少しの罪悪感と、劇が終わった後の労いがまだだった事に気がついた俺はある提案をしてしまう

男「わかったよ。今日1日は好きに甘えていいからさ」

女「・・・疲れてないのか?」

男「散々お預け食らわせてたしな。このぐらいいいだろ」

女「・・・本当か?」

男「ああ、本当だ」
510: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 23:57:08 ID:wFBMesljCc
さぁて…とりあえず脱いだぞ…

支援
511: :2012/10/29(月) 17:50:44 ID:kXnG4/tm7o
>>510

せっかく脱いでもらった所悪いですが、多分そんな展開にはならないかと

寧ろ…そっちの方がどんなに良かったか…

支援感謝です♪
512: :2012/10/29(月) 17:54:59 ID:kXnG4/tm7o
それは突然だった

俺はただ、元気が無い女を慰めようとしただけなんだ

なのに…なのに、何故女は俺に馬乗りになって、妖艶な笑みを浮かべてるんだ?

い、今起こった事をありのまま話すぜ…
女の頭を撫でようと思って手を伸ばしたらその腕を捕まれ床に引き倒されて馬乗りされたんだ

何を言ってるかわからないと思うが、俺もわからない

トランザムとか、超スピードとか、そんなチャチな物じゃあ、断じてない

もっと恐ろしい物の片鱗を味わったような気がする…
513: :2012/10/29(月) 17:59:53 ID:EK7eqCDaM.
男「って、うぇぇぇぇ!?」

何が起こったかわからない俺はただ絶叫するしかなかった
女はというと、うわぁ、なんてイイ笑顔

女「まさかお前がそこまで私の事を考えてくれていたとはな…礼を言うぞ。男」

あの〜、さっきまでの悲壮感漂うあの表情はどこにいかれたんでしょうか?

男「てめぇ…ハメやがったな?」

女「何を言う。全部事実だ。ただ、人間の最も弱い部分。つまり罪悪感につけこんだだけさ」

女は生徒に物を教えるかのように丁寧に語る
つまり、こいつは本当に寂しかったのだが、ただ寂しいというだけじゃ俺が構ってくれないと考えこのような作戦に出たのだ
514: :2012/10/29(月) 18:03:56 ID:EK7eqCDaM.
男「目的はなんだ?」

女「決まってるだろう?ハメだ」

男「・・・」

凄い、真顔でいってのけるこいつが凄い。悪い意味で

しかし、ここでこいつのペースに巻き込まれたら本当に第二次男女大戦になってしまう。それだけは避けねば

男「あのなぁ、お前がヤりたいからって、俺がはいそうですかと言うと思うか?」

女「貴様の意見は聞いていない」

一刀両断である

男「まてまてまて、シャワーも浴びてないんだぞ?」

女「心配するな。汗くらい嘗めとってやる」

こいつには恥じらいが無いらしい。まあ今更だが
515: :2012/10/29(月) 18:08:11 ID:EK7eqCDaM.
男「け、検査の結果はどうなんだよ?まだ何もわかってないんだろ?」

女「来月に受ける予定だ」

男「だからって、避妊とかどうするんだよ?俺は何も用意してないぞ?」

女「ほら」

女がスカートの中から取り出したのはゴムの愛称で親しまれているとある界隈では近藤さんと呼ばれている正方形の小箱だ

男「なんつーもん持ち歩いてるんだよ」

女「こんな機会があるかもしれんと思ってな」

用意周到…というより、こいつなら狙わずともそんな機会くらいいつでも作れそうだ

この手段だけは使いたくなかったが…背に腹は変えられないだろう…
516: :2012/10/29(月) 18:13:07 ID:EK7eqCDaM.
男「お前なぁ、前回作者がどんな思いで描写したかわかってんのか?」

女「わからん」

男「作者があの描写をするためにどんだけ悶絶したか、お前ならわかるだろうよ」

女「ああ、あの描写をする為だけに官能小説から同人誌、薄い本やDVDにまで手を出したからな」

男「さらっとバラしやがったな…な?そんな苦難を乗り越えてようやく書き上げたのがあの酷い描写なんだぞ?」

女「作者は私とお前の絡みを頭の中で幾度となく考えているのだがな」

男「それは頭の中でだろ?分にした悶死するレベルなんだよ。どうすんだよ?作者が悶死したらこのSS終わるぞ?」

女「作者など知ったことか」

男「・・・はいぃぃぃ!?」
517: :2012/10/29(月) 18:17:40 ID:kXnG4/tm7o
男「・・・本気か?」

女「本気だ」

この女、仮にも創造主に向かってなんて事を
いいのか?知らんぞ俺は

女「それに…いつまでもズルズルと引きずってる作者に全く非がないわけではないだろう?」

おうふ…こいつ、痛いところ突きやがる
俺は痛まないけど

男「そ、そんなことしたらまた遥か下の方に下がってからこっそりと書くかもしんねーだろ」

女「そして間違えてあげてしまい恥ずかしさのあまり失踪…良くできたシナリオだな」

現実にありそうで怖い事を言うなこいつは
518: :2012/10/29(月) 18:22:20 ID:EK7eqCDaM.
男「と、とにかく!!俺はこのSSと俺自身を守る為にも、お前にハメられるわけにはいかない!!」

女「ふふふ…ならば、力ずくなだけさ」

女の手に力がこもり、徐々に俺の腕が引っ張られる

なんでこいつこんな力が強いんだよ

女「恋する乙女は時に常識を越える力をだす。理屈じゃないんだよ」

男「やめ…ろ…」

女の顔が俺の鎖骨まで到達した時

ガチャ

母「たっだいま〜ん♪」

男「・・・」

女「・・・」

母「あ…れ?」
519: :2012/10/29(月) 18:30:00 ID:kXnG4/tm7o
なんともタイミングが悪い

いや、俺にとっては女神のようなタイミングだ

母「あ、あはは…ごめ…お楽しみ中だったか…ごめ…」

苦笑いしながらドアを閉めようとする母さん
よくみて、あなたの息子がピンチですよ?

しかし、何かを思い出したのか、凄い形相で駆け込んできた

母「こらーー!!女ちゃん!!駄目でしょ!!」

女「痛い」

ポカリと女の頭を叩く母さん
普段ならそんなことは絶対にしないのに…まさか、遂に俺のSOSが届いたのか!?

母「検査の結果出るまでやっちゃ駄目って言ったでしょ!?」

女「避妊具があるので…大丈夫かと」

母「避妊具だって絶対じゃないのよ!?」

女「…すみません」

あ…、そっちの心配ですか…息子が大事とかじゃないんですね
520: :2012/10/29(月) 18:34:09 ID:kXnG4/tm7o
母「男君も!!女ちゃん誘っちゃ駄目でしょ!?」

男「濡れ衣だ」

母「女ちゃん、我慢出来ないのはわかるけど、結果出るまで駄目だよ?ね?」

女「はい…お母様」

母「検査結果でたら好きなだけ襲っていいから」

女「わかりました」

男「何故そこを了承する?」

母「わかったね!?男君!!」

いや…だからなんで俺まで…

女は実に悔しそうな顔をしていたが、裏を返せば来月の結果次第では俺は安息を過ごせるかもわからんのだ

恨むぜ…
521: :2012/10/29(月) 23:10:36 ID:rGuf0.wHZg
母「そういえば、名演技だったね!!二人とも」

男「ああ…やっぱり母さんいたのか」

母「なによぉ、その反応は」

女「お恥ずかしい所をお見せしました」

母「んーん♪新鮮だったよ!!あの白雪姫!!」

男「果たしてあれを白雪姫と呼べるかどうか甚だ不安だがな」

母「細かい事は気にしない気にしない♪二人とも今日はお疲れ様♪」

女「はい。ありがとうございます」

母「ねぇねぇ、あのキスシーンってさ、本気?」

男「・・・まあな」

母「うは…やるねぇ」

母「お母さんもそんな情熱的な愛をしてみたかったわ〜」

父「つまり、僕の愛じゃ物足りないと?」
522: :2012/10/29(月) 23:13:24 ID:rGuf0.wHZg
母「もぅ〜、そんなことないよ〜♪父君が〜い、ち、ば、ん♪」

父「ありがとう。僕も母さんが一番だよ」

母「きゃうぅぅぅん♪」

男「…馬鹿っぽい」

女「そんな事を言うな。素敵な夫婦じゃないか」

女「互いを生涯の伴侶として認めあう…本当に素晴らしいよ」

男「・・・俺達もだけどな」

女「ん?」

男「なんでもねぇよ。今日は本当にお疲れ。女」

女「・・・ああ」
523: :2012/10/29(月) 23:17:12 ID:rGuf0.wHZg
皆様こんばんは

1です

ようやく演劇編が終了しましたよ…ええ

長かった…長い上に辛かった!!
でも、ようやくおさらばですよ

さて、本編での主な大きい話は後二つとなります。長いようで短い、ていうか、このSSにようやく終止符を打てますよ…

とまあ、まだ終わってもないのに過去に思いを馳せてもしょうがないので、続きは全編終了後にでも

本日の投下はこれで終了となります

みてくださった方々
ありがとうございました!!
524: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 23:24:45 ID:77Y90A.HVQ
壁|ω・`)つ⌒C
525: :2012/10/30(火) 19:34:46 ID:cEoJCipry.
>>524

YOU、恥ずかしがらずに出てきちゃいなYO

支援感謝です♪
526: :2012/10/30(火) 19:40:39 ID:cEoJCipry.
学校

男「修学旅行?」

女「ああ、我々三年の最後のイベントだ。まさか、忘れてたなんて言うつもりはないだろうな?」

男「(ガッツリ忘れてた)」

友「そっか…今年だっけ」

女「ああ、毎年三年生を見送る側だったが、今度は私達が見送られる側というわけだな」

男「で、なんで今?」

女「・・・修学旅行まで一週間もないぞ?」

男「はい!?」

友「あー、演劇とかでバタバタしてたからね」

幼「へほ、はんへほんはひゃんはひひっへふほ?」

男「幼、口に物を入れたまま喋らない」

幼「ほへん」

男「・・・」

友「なんで女さんがしきってるのか気になるみたいだよ?」

男「なんでお前はわかるんだよ」
527: :2012/10/30(火) 19:44:21 ID:LFiSSpyqaM
女「うむ、生徒会長としては、生徒が自主的にプランを建て、自立を促すための一環で修学旅行が組み込まれているが、これは私の生徒会長としての最後の仕事だからな」

男「最後?」

女「ああ、12月末日で私は生徒会長を辞任するからな」

男「んな政治家みたいな…」

女「だから…しっかりとやりとげたいんだ」

男「あんま気張るなよ?」

女「わかっている」

男「お前が俺達のために動いてくれてるのは知ってるからさ」

女「・・・ああ」
528: :2012/10/30(火) 19:49:01 ID:LFiSSpyqaM
女「さて、話を戻そうか」

女「まず、わかっているとは思うが、修学旅行では行動班と部屋班に分かれる」

男「基本だな」

女「部屋班は既に作ってあるから問題はないが、行動班の事だ」

友「何か問題が?」

女「四人〜六人で組んでもらうのだが、具体的なメンバーを何一つ決めていない」

男「適当に組めばいんでね?好きな奴同士とかで」

女「ただ、その場合積極性がある者ばかりが集まる班と集まらない班が出来てしまう可能性がある。積極性があるなら大丈夫だが、積極性がないと集合や行動の際に問題はないとは言い切れないからな」
529: :2012/10/30(火) 19:52:51 ID:LFiSSpyqaM
友「つまり、この四人で組むと些か問題があると?」

女「そういう事になるな」

男「なんだ、それじゃ今回は別行動ってか?」

女「そういう事になるな」

幼「えー!?皆別々になっちゃうの!?」

女「幼…」

幼「嫌だよ〜!!皆一緒がいい〜!!」

男「幼…いい年してみっともないぞ」

友「(可愛い…)」

女「すまない…こればかりは私も…」

幼「嫌だよ〜!!女ちゃんと友君と男君と一緒じゃなきゃ嫌だ〜!!」
530: :2012/10/30(火) 19:56:47 ID:LFiSSpyqaM
女「お、おい…泣くな、幼…お、男!!なんとかしろ!!」

男「無駄だよ。幼がだだっ子モードに入ったら誰にも止められねーから」

友「ネーミングセンス…」

男「やかましい」

女「・・・はぁ」

女「わかったよ。皆一緒だ。幼」

幼「本当に…?」

女「ああ、本当に本当だ」

幼「えへへ…嬉しいな…」

女「全く…幼は卑怯だな」

男「そうか?ただのだだっ子にしか見えな…」

友「・・・」

男「オーケー、その物騒な殺気をしまおうか」
531: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 19:25:41 ID:nqXimMOCzg
壁|`)
壁|ω・`)サッチャンドウシタノカネ
壁|ミ サッ
壁| ゴソゴソ
壁|つ愛
532: :2012/11/1(木) 22:09:30 ID:OEv/Nma8qg
>>531

いや…愛をもらっても…

まあ、あれです。昨日はなんやかんやありまして更新が出来ずじまいでした

申し訳ない

533: :2012/11/1(木) 22:12:44 ID:RKYfkzbfdU
女「では…他の班だが…」

男「女、もう決まってるみたいだぞ」

女「・・・」

友「このクラスは、女さんが思ってる程協調性がないわけじゃないよ」

女「・・・そうか、そうだったな」

女「最後の仕事と張り切るあまり、回りを見ていなかったな…」

男「ま、気合い入れすぎて空回りすんなってことだ」
534: :2012/11/1(木) 22:22:57 ID:RKYfkzbfdU
幼「ねぇねぇ、ところで修学旅行ってどこにいくの?」

男「京都だろ。定番だしな」

友「その考えは安直過ぎやしないかい?」

男「うるせーな」

女「ふむ…今年は北海道にいくらしいぞ」

男「北海道か…生チョコあるかな」

友「それは札幌ね」

幼「北海道かぁ…寒いよね?」

友「確かに…11月入ったしね」

男「ていうか、この時期に修学旅行行くのって、多分俺達だけだろうな」

女「他校との接触や問題を避けるために組まれたからな」

男「まあ、大人の事情ってやつか」

女「そういう事だ」
535: :2012/11/1(木) 22:25:19 ID:OEv/Nma8qg
女「まあ、詳しくは明日先生が説明してくれるだろう…」

男「それを願うよ」

女「それでは私は生徒会に行ってくるが、お前たちも気をつけて帰れよ」

男「ほいほい」

幼「あ、あたしも部活いかないと…じゃあねー、友君、男君」

友「じゃあね、幼さん」

男「なんもやることないし、帰るか」

友「そうだね」
536: :2012/11/1(木) 22:28:52 ID:OEv/Nma8qg
友「ねぇ、男」

男「ん?」

友「女さんと何かあった?」

男「・・・なんでだ?」

友「やっぱり。なんか女さん微妙にすっきりしてるような顔をしてたから」

男「んなことに気づくの、めざといお前だけだよ」

友「で?何があったの?僕に言えない事?」

男「んー、お前にはなんだかんだで結構相談してるし…」

友「ほらほら、早く言う」
537: :2012/11/1(木) 22:33:04 ID:RKYfkzbfdU
友「・・・本当?」

男「こんなんで嘘つくかよ」

友「そっか…遂にとうとう…」

男「なんだよ…言いたいことあるなら言えよ」

友「いやいや、進歩したなぁって」

男「いい加減前に進まなきゃなって、思ってな」

友「間違った方向に進まないか心配だけどね」

男「そうなったらお前が修正してくれ」

友「殴ってでも直すよ」

男「おう、頼りにしてるぜ」

友「じゃあね」

男「ああ、じゃあな」
538: :2012/11/1(木) 22:37:56 ID:RKYfkzbfdU
翌日

先生「あー、まあ皆わかってる通り、修学旅行が迫ってる」

先生「班とかは決まってるからいいとして、しおり配るからな〜」

先生「まあ、中身見て適当に決めとけや」

男「相変わらずのずさんさだな」

先生「目的地は札幌。二泊三日でそれぞれルートを通ってチェックを受けてから観光しろよ〜」

先生「わかってるとは思うが、高校生らしい節度ある行動をしろよ〜」

先生「先生からは以上だ。後の細かい事はそっちで決めてくれや」
539: :2012/11/1(木) 22:46:57 ID:RKYfkzbfdU
男「そんじゃ、俺達の班の行動ルートを決めるとするか」

幼「おーー」

友「女さんは?」

男「生徒会。忙しいんだろ…無理しなきゃいいんだけどな…」

幼「うんうん。女ちゃん心配だもんね…」

男「・・・ありがとな、幼」

幼「ほえ?」

男「なんでもない。気にすんな」
540: :2012/11/1(木) 22:53:49 ID:RKYfkzbfdU
男「さて、肝心の観光ルートですが」

友「なんで敬語?」

男「実はこの作者、国外どころか地元からすら出たことがない程にニートであり」

友「あー、なるほど」

男「札幌と言っていたが作者自身はまるでわからないのである」

友「わからない所を表記しろってのも無理があるよね」

男「っつーわけで、この話し合いはまるで意味がないんだな」

友「なんという無駄作業」

幼「えーと…え?」

友「幼さんはありのままの幼さんでいてね」

幼「なんかよくわからないけど…わかった」
541: :2012/11/1(木) 22:57:06 ID:RKYfkzbfdU
皆様こんばんは

1です

はい。本編で男が説明してくれた通り、次回からの更新は不定期になります

もちろん資料を漁ったり絵を書いたり寝たりするためです

ノリと勢いで札幌とか言っちゃったけど、札幌とかまじでわからん…

札幌在住の方に怒られないように頑張りたいと思います…

今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました
542: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 22:59:22 ID:r517UsUXT6
札幌は碁盤の目状の町並みだからわかりやすいよ!

頑張ってください!

つCCC
543: :2012/11/4(日) 14:47:48 ID:EgOrOssl86
お待たせして申し訳ない

>>542

ありがとうございます!!

確かに碁盤みたいな町でしたwww

る○ぶや、グー○ル先生監修の下、無難な観光スポットをいくつかチョイスいたしました

とりあえず先に言っておきます
札幌在住の方々、申し訳ない!!
544: :2012/11/4(日) 14:52:32 ID:dM0NqCm5NY
男「とりあえずパンフレットとか貰ってきた」

友「よくやった」

男「まあ…実際はあんまし細かく描写しないんだろうけど」

友「作者はハロウィンイラストを書くのに忙しかったしね」

男「まあ、そんなことは置いておこう」

男「これを見る限り、札幌市時計台、札幌ドーム、円山動物園、札幌ステラプレイス辺りが有名みたいだな」

友「実際に何が有名で何があまり知られてないのかわかったもんじゃないからね」

男「まあ、俺達は関係ないがな」

友「(こいつ…作者に罪を擦り付けやがった…)」
545: :2012/11/4(日) 14:55:39 ID:dM0NqCm5NY
幼「動物園!?動物園いくの!?」

友「え?まあ…予定では…」

幼「熊さん!!熊さんみたい!!」

男「おいおい、旭川じゃないんだからそんなメジャーな…」

友「観光先、動物園決まりね」

幼「やった!!」

男「ちょ!?勝手に決めんなよ!!」

友「・・・笑顔が見たいから、さ」

男「はぁ…まあ、いいか」
546: :2012/11/4(日) 15:00:00 ID:dM0NqCm5NY
男「二泊三日って事は、実際に回れるのは二日目の自由行動の時間か?」

友「そうだね、1日目は散策して、三日目は帰るから」

幼「えっと…動物園の後は、時計台?」

友「なんでもいいんじゃないかな?動物園を最後にしてもいいし」

幼「うーん…熊さんは早く見たいしなぁ…」

友「了解、一番最初に回ろうか」

男「ま、近いところから順番でいいだろ。旅館に間に合えばいいんだし」

友「そうだね、後はこれを女さんに見せるだけだけど」

女「私は構わないぞ。いい順番だと思う」
547: :2012/11/4(日) 15:05:23 ID:EgOrOssl86
男「女!?戻ってたのか」

女「ついさっきな。ふむ、動物園か…」

幼「女ちゃんも熊さん見る!?」

女「折角だが、私は熊よりもアライグマとかが好きだ」

男「意外だな、ライオンとかその辺が出るかと思ったのに」

女「ああいった小動物はな…虐めがいがありそうなんだ」チラリ

男「・・・」

幼「い、虐めちゃ駄目だよ!?」

女「わかってるさ。幼」

男「俺の扱いはアライグマとかと同列なのか?」ヒソヒソ

友「さてね」
548: :2012/11/4(日) 19:10:54 ID:gWo5pRD/ec
女「すまないな。話し合いに参加出来なくて」

男「構わねーよ、お前も忙しいんだろうし」

女「・・・」

友「あーあ…」

幼「男君って…天然?」

男「お前だけには言われたくない」

友「君もつくづく女心がわからない御仁だね」

男「なんだよ…この俺が悪いみたいな空気」

友「悪いみたいじゃなくて悪いの」
549: :2012/11/4(日) 19:23:36 ID:gWo5pRD/ec
放課後

女「ふぅ…」

副会長「珍しいな、お前がため息なんて」

女「む…そうか?」

副会長「少なくともいつものお前じゃねーな」

女「・・・」

副会長「何かあったのか?」

女「ああ…だが、プライベートな問題でな」

副会長「なるほど、プライベートな問題だが、当の本人には中々言い出せず一人で悶々としてると」

女「・・・エスパーか?」

副会長「どれくらいお前の下にいると思ってんだ」

女「・・・ふふ、やはりごまかせないか」

副会長「公に、私情を持ち込むなと言ってる本人が私情を持ち込みそうだがな」
550: :2012/11/4(日) 19:34:53 ID:gWo5pRD/ec
女「副会長は今から帰りか?」

副会長「まあな、会長も遅くならないようにな」

女「ああ…わかってる」

副会長「じゃ」

女「・・・はぁ」

男「あれ、なにしてんだ?」

女「うわああああ!?」

男「のわああああ!?」

女「びび、ビックリさせるな!!」

男「お前こそ、どっから声出してんだよ!?」

女「腹だ!!」

男「なんでさ!?」
551: :2012/11/4(日) 19:39:11 ID:gWo5pRD/ec
男「今から帰りか?」

女「いや、そういうわけではないが…」

男「用事でもあんのか?」

女「これといって…」

男「そっか…んじゃ、帰ろうぜ?」

女「え…?」

男「なんだよ」

女「いいのか?」

男「断る理由が見つからないんだが?それとも嫌か?」

女「嫌なわけあるか!!」

男「じゃあ問題ないだろ。行こうぜ」
552: :2012/11/4(日) 19:47:42 ID:gWo5pRD/ec


男「ほらよ、まあ飲め」

女「すまない…」

男「で、だ」

女「?」

男「何かあったのか?」

女「・・・検査の事だ」

男「・・・」

女「修学旅行が終わったら受けようと思っている」

男「そっか…」

女「結果次第では…学校に入れるかもわからんしな…」

男「・・・」

女「私は…生徒会としての職務を全うしたい…」
553: :2012/11/4(日) 19:57:39 ID:WdcfcM3W0U
男「何弱気になってんだよ」

女「・・・」

男「・・・いつもみたいに、偉そうにしてろよ」

女「・・・お前にはそんな風に見えてるのか」

男「割りと結構」

女「・・・」

男「俺が好きな女…は、そんな弱気な女じゃないからさ…」

女「男…」

男「・・・」スッ

女「ん…」
554: :2012/11/4(日) 20:47:42 ID:Y7BaV1vgDU
女「お前からキスとは…珍しいな」

男「・・・」

女「おと…こ?」

男「(やべぇ、めっちゃ可愛い…どうしよう。襲いたい)」

女「駄目…だぞ…」

男「(あれ?これひょっとして俺優勢?)」

女「男…何か喋ってくれ…」

男「(おいおいおい、立場逆転じゃないかこれ?)」
555: :2012/11/4(日) 20:52:56 ID:4HN.k5LX7c
男「ごめん…女、可愛い」

女「あ…ん…」

耳元で囁きながら女の首に唇を落とす
女がくぐもった声を出すたびに可愛いさが増していくようだった

女「おと…こ…」

女がトロンとした表情で見上げてくる

男「っ!!」

気がついたら力いっぱいに女を抱き締めていた

女「男…」

女も背中に手を回して応えてくれる

男「少しだけ…こうさせてくれ」

女「ふふ…この…甘えん坊め…」
556: :2012/11/4(日) 21:09:47 ID:Y7BaV1vgDU
女を抱き締めてからしばらく経った後、俺はどうしようもなく後悔していると同時に安堵していた

もしもあのまま雰囲気に流されていたら、色々な意味で手に負えなかった事態になっていたかもしれないと

男「危なかったな…」

女「全くだ」

ボソリと呟いた言葉に女がやれやれといった表情で答える

女「柄にもないな?欲情したか?」

男「かもしれんな…」

女がと笑いながら

女「私ともあろう者がまさか立場逆転されるとはな…」

男「いいだろ、たまにはこんなのも」

女「・・・そうだな、ふふ」
557: :2012/11/4(日) 21:15:46 ID:4HN.k5LX7c
皆様こんばんは

1です

いやぁ…危ない危ない

つい描写をしかけましたよ…全く

で、肝心の本編がまるで進みませんね…すいません

今日の投下はこれで終了となります

見てくださった方々
ありがとうございました!!
558: :2012/11/5(月) 19:50:10 ID:apt6p77LGE
修学旅行当日

母「準備出来た?」

男「ああ」

母「お小遣いもった?」

男「まあな」

母「ハンカチとかは?」

男「大丈夫だ」

母「しおりに書かれてる持ち物は?」

男「チェックしながらいれたし。問題ない」

母「・・・ゴム、持った?///」

男「あんたはいったいなんの心配をしてるんだ」
559: :2012/11/5(月) 19:53:08 ID:OSGANJ/Nfc
母「だって!!もしも修学旅行先で女ちゃんに欲情しちゃったら!?」

男「絶対に無いから安心しろ」

母「いい?浴衣が可愛いからって押し倒しちゃ駄目だからね?」

男「部屋が別々なんだからあり得ないし」

男「っと、もうこんな時間か…いってきます」

母「いってらっしゃい。気をつけてね!!」

男「はいはい」
560: :2012/11/5(月) 19:58:00 ID:apt6p77LGE
女「おはよう」

男「おはよう、じゃねーだろ。いつから待ってた?」

女「そんな待ってないさ。せいぜい10分程度だ」

男「・・・」ギュ

女「・・・あ」

男「手、冷えきってんじゃねーか。つまらん嘘つくな」

女「すまないな」

男「羽田空港の、第2ターミナルだっけか?」

女「ああ、今からなら余裕をもって着けるぞ」

男「了解、いくぞ」

女「手は繋いだままなのか?冷たくないか?」

男「つまらん嘘ついた罰だ。暖まるまで離さないからな」

女「・・・ああ」
561: :2012/11/5(月) 20:06:14 ID:apt6p77LGE
羽田空港第2ターミナル

女「・・・早く着きすぎたか?」

男「・・・先生、いないな」

女「第2ターミナルであってるはずなんだがな」

男「間違いは無いだろ」

先生「おー、ご両人。えらく早いな」

男「先生」

先生「他の奴ら…というより、先生方もまだ到着してないからな…ま、適当にその辺で愛の語らいでもしてろや」

男「・・・古いな」

先生「あ、今古いっつたな?」

女「お気遣い感謝いたします」

先生「なんつーか、今時お前らほどひねくれてないカップルも珍しいよ…ま、幸せにな」

男「・・・」

女「・・・」
562: :2012/11/5(月) 20:09:38 ID:OSGANJ/Nfc
男「修学旅行終わったら…結構いろいろあるんだな」

女「まあな」

男「いまいち、実感わかねーな…当事者なのに。情けないな」

女「お前が気にする事ではないさ」

男「気にするよ。命の問題なんだから」

女「・・・たとえ、どんな結末になろうと、私はお前に着いてくよ」

男「・・・ありがとう、女」


先生「(見せつけやがって…俺も帰ったらかみさんに優しくしてみるかな…)」
563: :2012/11/5(月) 20:13:08 ID:apt6p77LGE
幼「おーい、二人ともー」

男「おー、幼に友」

友「おはよう。相変わらず早いね」

女「もちろんだ」

男「大丈夫か?忘れ物ないな?」

幼「大丈夫だよぅ」

友「大丈夫だと思うよ。五回も確かめたし」

女「五回…」

男「幼にはこれくらいしなきゃ安心出来ないとはいえ、流石に多いよな」
564: :2012/11/5(月) 23:14:12 ID:Ck6no1fVS2
副会長「お、お揃いだなお前ら」

男「副会長、それに会計も」

会計「普段、こういう所でしか、あんまり一同に帰す機会がありませんからね」

女「まあ、残った者達がなんとかしてくれるだろうさ」

先生「おーい、そこの生徒会+α。飛行機出るから乗れー」

男「飛行機出るらしいし、行こうぜ」

女「ああ」
565: :2012/11/5(月) 23:17:16 ID:bd.VSVzfCA
千歳空港

男「旅客機内を全カット」

女「特に何も無かったしな。比喩じゃなく」

幼「・・・」

友「幼さん。ほら、着いたよ」

幼「あり…がと…」

友「大丈夫?肩とか貸そうか?」

幼「多分…大丈夫…」

友「危なくなったら言うんだよ?」

幼「うん…」

男「・・・まあ、幼が飛行機に弱いってのは分かったな」
566: :2012/11/5(月) 23:20:25 ID:Ck6no1fVS2
先生「よーし、お前らー!!こっから指示出すぞー」

先生「学校で決めた行動班に別れて、ワークシート埋めながら旅館を目指せー」

先生「常識の範囲内ならどんな交通手段を使っても構わないからなー」

先生「ただし、どんなに遅くても6時までには旅館の中にいとけー」

先生「詳しい事はワークシートに書いてあるからそれ読めよー」

先生「あと、他の班のやつを写すんじゃないぞー」

先生「それじゃあー、解散」
567: 1(投下終了):2012/11/5(月) 23:25:47 ID:bd.VSVzfCA
男「さて…いきますか」

女「ふむ…どうやらチェックポイントをそれぞれ回り、そのポイントに関連した課題をこなして進むらしいな」

友「余程適当にやらない限りは、まず記入漏れはないだろうしね」

幼「・・・」

男「幼、無事か?」

幼「男君…おんぶ」

男「はぁ?高校生にもなっておんぶはねーだろ」

友「幼さん、僕がしようか?」

幼「友君は…いいや」

友「!!」

幼「なんか恥ずかしいし…」

友「(これは意識されてると喜ぶべきなのか…?)」
568: :2012/11/8(木) 20:09:49 ID:QP6X0Gynu.
副会長「おーい、そこの四人」

男「ん?副会長か」

副会長「写させてくれ」

男「直球かよ!!」

女「副会長…仮にも生徒会に在籍しているのにそのような不正は…」

副会長「おっと、もちろんただとは言わないさ」

男「なんだこれ」

副会長「お前ら、二日目の行動ルートに動物園いれてるんだろ?ペアチケットだよ。それ一枚で二人入れる」

女「この裏の、恋人割とは?」

副会長「そのチケットを使って男女で入れば、色んなのが割引されるんだよ」

女&幼「!!」
569: :2012/11/8(木) 20:16:11 ID:FoW3zwzG66
男「ていうか、なんでお前がこんなの持ってるんだ?」

副会長「細かい事はいいだろ?で、どうなんだ」

男「うーん、女が駄目って言ってるし…」

女「副会長…」

副会長「おう」

女「足を引っ張るなよ?」

副会長「了解!!」

男「簡単に決まったな…じゃ、いくか」
570: :2012/11/8(木) 20:21:21 ID:FoW3zwzG66
男「女ー、ここって三本でいいのか?」

女「愚か者、四本だ」

副会長「ちなみにその下バリアフリーがある。な」

男「ほいほい。てか、お前俺達の写さなくても先にかけてるじゃねーかよ」

女「全くだな。私達のを写す必要なかったんじゃないか?」

副会長「この程度の課題。俺には楽勝過ぎるんだよ」

副会長「でも…一人でやるより。お前らとやった方が楽しいしな…」

男「副会長…」

男「金は貸さないからな」

副会長「・・・ちっ」
571: :2012/11/8(木) 20:27:52 ID:QP6X0Gynu.
1時間後

男「旅館…着いたな」

副会長「正直、課題こなす時間より、歩いた時間の方が大きかったな」

女「そうなるように作られてるからな。ふと気になったんだが」

副会長「ん?」

女「お前、一人なのか?」

副会長「ああ、俺は単独。頼み込んだら通った」

男「それ、職権濫用じゃね?」

副会長「いま使わないで、いつ使うんだよ」

女「とりあえず入ろうか。中で少し休みたい」
572: :2012/11/8(木) 21:09:46 ID:FoW3zwzG66
旅館

先生「おう、一番はやっぱりお前らか」

男「一番ってことは、まだ来てないのか?」

先生「まあな…時間ギリギリに到着するように作ったからな」

男「性格悪いな」

先生「そうだ。副会長、女、話がある」

先生「生徒会用に部屋をとったんだが…四人部屋の所を三人で使う事になりそうなんだ」

副会長「俺と、会計と、会長か?」

先生「まあな、そんで一人分空いてるんだが…まあ、お前らならここから先は言わんでもわかるだろ」

男「じゃ、俺、先に部屋に行ってるから」

女「つまり、規定の数を越えなければ人数調整をしてもいいと?」ギュー

先生「そうだな」

男「くっ!!進めん!!」

女「では、私達は部屋で休ませてもらいます」

男「おい、引きずるな」
573: :2012/11/8(木) 21:14:22 ID:FoW3zwzG66
部屋

女「・・・」ジー

男「あの…女さん?」

女「ん?」

男「なんか喋っていただけると助かるんですが」

女「襲わせてくれ」

男「断固拒否するよ馬鹿野郎」

男「おい!!副会長!!見てないで助け…」

女「副会長なら先程荷物を置いて出ていったが?」

男「な!?裏切りやがったな!?」

女「同盟など最初から組んでないだろうに」
574: :2012/11/8(木) 21:19:24 ID:QP6X0Gynu.
女「ふふふ…さあ?観念しろ?」

男「おいおいおいおい、検査の結果でるまで自重するんじゃなかったのかよ!?」

女「安心しろ。繋がらない範囲でお前で楽しむ」

男「なにいってんだこいつ!?」

女「いいから、動くな」

男「んむ!?」

女「んむ…くちゅ…はぁ…」

男「落ち着け女!!」

女「大丈夫だ。問題ない」

男「問題しかねーよ!!」
575: :2012/11/8(木) 23:06:44 ID:UKHLqDlbGE
女「・・・男、真面目に答えてほしい」

男「んあ?なんだよ…急に改まって…」

女「私は…お前にとってあまり魅力的に映ってないのか?」

男「・・・はい?」

女「・・・」

男「え…え、ちょ、待てよ、おい」

女「どうだろうか?」

男「いや…お前が魅力的に映んないわけないだろ。周りの奴らだってそう言ってるし…」

女「他の奴の事などどうだっていい!!」

男「・・・」

女「お前から見て…どうなんだ?」
576: :2012/11/8(木) 23:11:08 ID:UKHLqDlbGE
男「・・・馬鹿」

女「・・・」

男「俺にとって、お前が魅力的に映んないなら、今頃こんなことしてねーよ」

女「そうか…」

男「大体、お前が魅力的に映んないなんて、考えられないよ」

女「・・・私には、お前が凄く愛しく見える」

男「・・・」

女「だから…そんな愛しいものに触れたいと思うのは罪なのか?悪いことなのか?」

男「そりゃあ…」

女「私は…お前に触れたい。お前に触れて、お前しか考えられないようになりたい」

女「でもそれは今は無理だってわかってる。だから、触れるだけでいいから…お前を、感じたい…」

男「女…」
577: :2012/11/8(木) 23:15:14 ID:UKHLqDlbGE
男「ごめんな…お前はそうやってずっと我慢してたんだよな…」

男「それなのに…俺は…自分の事ばかり考えちまってさ…」

男「本当は、俺もお前に触りたいって思ってるんだよ。でも…今は無理なんだって、理性が言ってる」

女「・・・」

男「全て終わったら…そしたら、お前が俺のこと以外考えられないようにしてやるからさ…」

女「っ!!男!!」ギュー

男「女…」ナデナデ

男「で、本音は?」

女「今すぐお前を襲いたくてたまりません」

男「せっかくのいい話を返せ」
578: :2012/11/8(木) 23:19:26 ID:UKHLqDlbGE
皆様こんばんは

1です

まず、久しぶりの更新…というより、事前に知らせず間を開けてしまって申し訳ない

いるかどうかはわかりませんが、このSSをご覧になってる方々に申し訳ない事をいたしました

えっとですね…はい
話す事が何もないんでせね

時たまこのようになんの知らせもなく更新が途絶える事がありますが、私には何もないはずなので、そこの所をよろしくお願いいたします

それでは、今日の投下はこれで終了となります
579: 名無しさん@読者の声:2012/11/9(金) 05:34:03 ID:m5A7HqHqoI
無茶はしても、無理はしないでね。
続きを楽しみにして待ってます。
つCCCCC
580: :2012/11/10(土) 16:52:56 ID:vmIGY5yfM.
>>579

ありがとうございます

そのお言葉を貰えて、私はまた頑張れます

支援感謝です
581: :2012/11/10(土) 16:56:26 ID:vmIGY5yfM.
ガチャ

会計「何やってんですか、会長」

女「む、会計か」

会計「会計か、じゃないですよ。結構他の生徒帰ってきてますから、そろそろ準備した方がいいんじゃないんですか?」

女「ああ…そうだったな」

男「んじゃ、俺は自分の部屋に…」

会計「男さんの部屋はここなんじゃないですか?」

男「は?」

会計「だって、ネームプレートに私と会長と副会長と男さんの名前が書いてありましたよ」

男「・・・最初から仕組んでたのか?」

女「何事も先を読まねばな」
582: :2012/11/10(土) 16:58:44 ID:VtaVdMdf4E
会計「ほらほら、男さんも早く広間に集まる」

男「へいへい」

女「ではな、また後で」

ガチャ

男「さて…俺もいくか…」

男「確か、広間は一階にあったよな」
583: :2012/11/10(土) 17:04:30 ID:vmIGY5yfM.
広間

友「あ、男来た」

男「おー、悪い悪い」

友「全く…浮かれてはめを外さないようにね?」

男「外さねーよ」

男子「しっかし、男はいいよな〜あの女さんと同室とか」

男「どこがだよ」

男子「お前なぁ…学校の男子にそのセリフ吐いてみろよ?即行で雑巾だぞ?」

男「はあ…何も知らない奴は呑気でいいな」

男子「はぁ…俺も女さんとお近づきになりたい…」

男「・・・女の本性を知らなかったら、俺もこんな感じだったのかな」
584: :2012/11/10(土) 17:07:57 ID:vmIGY5yfM.
先生「えー、まあ、何人かギリギリだったが…これで全員がこの広間に集まった訳だ」

先生「今日はワークシートを埋めつつ、軽い散策をしてもらったが…」

男子「軽く…?」ヒソヒソ

女子「あれ、どう考えても交通機関使わせる気だよぬ?」ヒソヒソ

先生「なんか聞こえてるが、聞こえないふりをする」

先生「で、だ。明日からの事を話そうにも、こんなおっさんからじゃ嫌だろうし、代わりに女に話してもらう事にする」

先生「男子共、盛んじゃねーぞ」
585: :2012/11/10(土) 17:13:24 ID:VtaVdMdf4E
女「では、司会進行を私に変わり、引き続き連絡を行う」

女「明日はしおり通り各班で決めたルートを元に札幌の散策をしてもらう」

女「これといった制限は特にないが、学生らしい良識ある行動を心がけるように」

女「また、地元学生との接触も基本的には禁止されている」

女「制限を守り、門限までに帰ってくれば何をしてもいいということだ」

女「ただし、この修学旅行。生徒の自主性を重んじるが、常識を身につける授業の一環であることを忘れないように」

女「以上の事を守り、三日間共に過ごしていこう」
586: :2012/11/10(土) 22:53:17 ID:Kwo9hE/z3E
男子「はぁ〜、やっぱ女さんマジ格好いいな」

男「・・・」

男子「本当、お前が羨ましいわ」

男「もう好きにしてくれる」

友「この後は夕食まで自由行動。夕食を食べ終わったらお風呂だね」

男子「旅館の風呂ねぇ…あんましいい思い出がないわ」

男「どうだっていい。俺は寝る」
587: :2012/11/10(土) 22:58:33 ID:Kwo9hE/z3E
部屋

男「つーわけで、匿ってくれ」

友「何をどうして」

男「あのまま生徒会の部屋に戻ったら嫌な予感がするから」

友「それでこの部屋に逃げ込んできた訳ね。でも、多分無駄だと思うよ」

男「なんでだよ」

友「たった今僕が女さんに情報を漏洩したから」

男「てめぇぇぇ!?裏切りやがったな!?」

女「友は裏切ったのではない。私が買収したのだ」

友「情報を教えてもらったなら、その情報に見合う価値の情報を提供するのが当たり前だよね」

男「そういう問題かよ!!」
588: :2012/11/10(土) 23:04:13 ID:Ix/8/HR8zU
女「さあ、男…大人しく私に捕まるがいい」

男「くっ、ここまでか…」

女「と、言いたい所だが」

男「?」

女「生憎私はこれから忙しくてな、お前に引っ付く暇がなさそうなのだ。だから、ちゃんと就寝時にはこちらに来いよ?」

男「俺はもうそっちの部屋で確定なのかよ」

男「・・・はあ、わかったよ」

女「よろしい♪では、また後でな」

友「女さん…頑張ってるね」

男「まあな…俺達は何も出来そうにないけどな」

友「出来るよ」

男「あん?」

友「男が女さんの心の拠り所になっているくらい、気づいてるとは思うんだけどね」

男「・・・」
589: :2012/11/10(土) 23:08:15 ID:Kwo9hE/z3E
浴場

男「うっわ…広」

友「これは…凄いね」

男「なんか、こんな広い所使わせてもらって申し訳ない気分になるな」

友「だよね…」

男「ところで、さっき見えたんだがこの浴場、所謂男女の交代時間がないらしい」

友「男湯と女湯に別れてるって事かな」

男「しっかし、こんな広い浴場を二つも作るなんてね…」

友「幸い僕達しかいないみたいだし、一足先に入っちゃおうか」
590: :2012/11/10(土) 23:13:22 ID:Kwo9hE/z3E
男「あ〜、いい湯だな…」

友「爺臭い…」

男「なんだよ」

友「しかし…何となく作りが殺風景だよね」

男「確かに…白一色に覆われてるとな…」

友「あんまりゆったり出来そうにないよね」

男「この壁も、案外薄かったりして隣の音が聞こえてきたりしてな」コンコン

友「ははは、まさかそんな…」

幼「うわ〜〜!!広いよ!!」

友&男「!?」
591: :2012/11/10(土) 23:17:49 ID:Kwo9hE/z3E
女「こらこら、そんなにはしゃぐな幼」

会計「しかし、殺風景ですねここ」

女「設計の問題だろう」

幼「早く浸かろうよ〜」

男「おい、これどうなってんだよ!?」

友「わ、わからないけど…」

女「・・・む?」

会計「どうしました?会長」

女「・・・男の匂いがする」

会計「・・・まさか」

幼「そういえば、さっき友君が男君連れて男湯に入ってくの見たけど…」

女「本当か!?幼!!」

幼「え?うん…」
592: 1(投下終了):2012/11/10(土) 23:21:46 ID:Kwo9hE/z3E
男「向こう、何話してんだ?」

友「さあ?さっきからボソボソくらいにしか聞こえないけど…」

幼「ちょ!?女ちゃん何してるの!?」

女「この壁の向こうに男がいるんだ!!止めてくれるな!!」

会計「無理ですってこんなん登れませんよ!!」

女「公共の物を破壊するわけにはいかんから登るしかないだろ!!」

会計「変なところ常識的になんないでください!!」

女「私は!!男の!!裸体を!!見る!!」

幼「女ちゃん止めてー!!」


友「・・・上がろうか」

男「・・・だな」
593: :2012/11/11(日) 12:37:31 ID:QbzRe6e0TQ
浴場から上がり、多少げんなりした顔をしながら友が出ていく

二日目もあるし、ゆっくり浸かるよと言っていたが、風呂から出ることになった原因の一端の俺としては複雑な気分だった

友を見送った後に俺も部屋に戻る事にする
窓の外はすっかり暗く、街灯が無ければ何も見えない状態だった

男「はあ…」

思わず溜め息が出る

俺が立ち止まった部屋
その部屋のルームプレートには『生徒会御一行様』と書かれている
その左に名前が書かれているのだが…

男「なんで俺の名前があるんだよ…」

風呂に入る前には無かったのに、確かにネームプレートには俺の名前が書かれていた

ちなみに、元々の俺の部屋のネームプレートから俺の名前は消えていた
594: :2012/11/11(日) 12:54:55 ID:Xtx7gAHpjY
男「絶対に仕組まれてんだろこれ」

最早どうしようもない
というより、なるようにしてなったというべきか

部屋を開けると、窓際で副会長が誰かに電話していた

副会長『ああ、わかってる。大丈夫だよ。怪我なんかしねーって…うん。大丈夫。じゃあな』ピッ

男「おい、そこの不良」

副会長「元、な。風呂行ってたんじゃなかったのか?」

男「色々あったんだよ」

副会長に浴場での出来事を話ながら押し入れを開けて布団を取り出す

副会長「ああ…会長な…もう寝るのか?」

男「ん?ああ…まだ寝ない」

布団を敷いて寝転がり荷物を整理する

副会長「行儀悪いな」

男「いいんだよ。しばらくはゆっくりでき…」

バン!!
595: :2012/11/11(日) 13:06:35 ID:Xtx7gAHpjY
女「男!!貴様、折角私が男湯に侵入出来たのに先に上がるとはどういう了見だ!!」

男「侵入できちゃったのかよ!?」

女「大体、貴様は鴉の行水過ぎる!!もう少しゆったりと…」

突然女の言葉の歯切れが悪くなったのを不審に思い振り返ると

女「・・・」

男「・・・」

女は旅館で配られている浴衣に身を包んでいたのだが…頬が上気しているのは風呂上がりだからだよな?

女「男…お前…」

男「おい、こっちくんな 」

女が怪しい動きで俺に近づいてくる

女「布団を前もって敷いておくとは…中々に…わかっているではないか…」

女が俺に覆い被さり手足を蛇のように絡ませてくる…って、この描写前にもしなかったか?
596: :2012/11/11(日) 17:05:31 ID:QP6X0Gynu.
男「って、うぉぉぉい!?」

女はいつの間にか俺の布団に潜り込み浴衣をはだけさせながら腕を絡ませてきていた

男「ちょ!!まて!!それ以上は!!駄目!!」

女「女子のような発言をするな…それに、私はとっくの昔に限界など突破したぞ?」

男「そういう問題じゃねーよ!!おい!!副会長!!助けろ!!」

副会長に助けを求めるように視線を移したが…

会計「はい副会長。頼まれていた生チョコです」

副会長「サンキュ」

会計「人をパシりみたいに使うのは止めてくださいね」

副会長「悪いな、この光景を録画するのに忙しくてな」

会計「お土産用のもありましたよ」

副会長「そうか、じゃあ後で見に行くか」

男「お前ら生チョコ啜ってんなし!!ビデオ撮るなし!!お土産とかどうでもいいし!!お使いさせんなし!!目の前の惨事から目を背けんなし!!ていうか助けろし!!」
597: :2012/11/11(日) 17:27:59 ID:QP6X0Gynu.
人間、それはこの世でもっとも知恵がある生き物だと誰かが言っていた

それゆえ、その知恵の使い方は千差万別で、時にはその知恵が力以上を発揮すると

男「っ!!女!!」

女「ん…んむ!!」

俺は女の口を塞ぐと体を力いっぱいに抱き締めた

女「ん…んん…」

女は気絶し、力が抜けていく

俺は荷物から素早く竹刀を取り出すと、ビデオ目掛けて突きを繰り出した

男「はあっ!!」

副会長「っ!?」

副会長は咄嗟に避けたが俺が狙っていたのはビデオだ

ビデオは竹刀に貫かれ機能を停止した
598: :2012/11/11(日) 17:33:17 ID:QP6X0Gynu.
副会長「・・・なっ!?ビデオが!!」

会計「ああああ!!ビデオが!!」

男「はあ…はあ…」

副会長「お前!!あれ生徒会の経費なんだぞ!?」

男「だったら…今回の修学旅行の記録を撮るのに使えよ…」

副会長「だからって壊すことないだろ!?」

女「いや、男の言うことにも一理ある」

いつの間に起きていたのか、浴衣の乱れを直しながら女が

女「元々そのビデオは今回の修学旅行の記録として購入した物だ。それに…」

副会長「それに…?」

女「と、撮られてたなんて…は、恥ずかしいじゃないか…///」

副会長「・・・」
599: :2012/11/11(日) 17:37:10 ID:FoW3zwzG66
副会長「悪い…調子に乗りすぎた」

男「いいんだよ」

女「そうだな…男、今からでも遅くはない。部屋に戻っても構わないぞ」

男「・・・布団敷いたし、荷物も置いちまったし、もういいよ」

男「それに、なんか眠いし」

副会長「そうだな…もうすぐ消灯時間だし」

女「ちょうどいい、会議をして我々も眠ろうか」
600: 1(600突破皆様感謝):2012/11/11(日) 17:49:39 ID:FoW3zwzG66
会計「ていうか、今さらな気がするんですけど、皆さん寒くないんですか?」

副会長「んー、微妙」

女「私は大丈夫だが…男は?」

男「寒くないと言えば嘘になるな」

副会長「ほう?会長、いけ」

女「私は犬じゃないぞ」

会計「へ?添い寝をして暖めるんじゃないですか?」

女「な!?」

男「別に構わないぜ」

女「は!?」

男「もう何もしてこないだろうし」

女「・・・ま、まあ」

男「じゃあいいだろ。早く会議とやらを終わらせろよ」
601: :2012/11/11(日) 17:55:11 ID:FoW3zwzG66
会計「やはり、明日の行動ルートは大部分が札幌市時計台を占めています」

副会長「観光の鉄板だからな」

女「うむ…先生方と連携しながら逐一気を配るようにしよう」

会計「そうですね」

副会長「万一の事があるとな」

女「ふむ…ではこれで終わりにしようか…」チラッ

男「ん?」

女「あー、その…会議が…終わった…ぞ?」

男「なんで疑問系なんだよ」
602: :2012/11/12(月) 08:27:02 ID:3MiYLEePlw
男「んじゃ、さっさと寝ようぜ?俺も眠くて眠く…zzz」

副会長「セリフの途中で寝やがったぞこいつ」

会計「よほど眠かったんでしょうね、ね?会長」

女「あ、ああ…」

副会長「こっちもとっとと布団敷くか」

会計「そうですね」

女「・・・私のは?」

副会長「男の所で寝ればいいじゃねーか。お休み」

会計「お休みなさい。会長」

女「な、お前ら!!」

女「うう…くそ、裏切られた気分だ…」
603: :2012/11/12(月) 08:32:59 ID:3MiYLEePlw
翌日

男「ん…んん…」

男「朝か…寒っ!?」

男「これが札幌の朝か…ちっと厳しいわな」

女「ん…起きたか…?」

男「ああ、おはよう」

女「おはよう」

男「大丈夫か?寒くないか?」

女「貴様が暖かいから大丈夫だ」

男「俺で暖をとるなよ」

女「もう少し…このままでいさせてくれ…」

男「お前、寝ぼけてんな?まあ、30分くらいな」

女「うん…」
604: :2012/11/12(月) 08:39:10 ID:3MiYLEePlw
30分後

副会長「うあ…頭いてぇ…」

男「お前は二日酔いの親父か」

副会長「うっせーな、朝は弱いんだよ…」

会計「だらしないですよ。副会長」

副会長「朝は嫌いだ」

会計「会長は?」

男「少し前まで寝ぼけて俺に抱きついてスリスリしてたが、我に返った瞬間顔を真っ赤にして顔を洗いにいき今に至る」

女「そ、そんな大げさではない!!」

男「事実だ」

副会長「あー、要は会長が寝ぼけてたのか」

会計「会長、時たま天然ですからね〜」

女「う、うるさい!!貴様らも早く支度しろ!!」
605: :2012/11/12(月) 10:28:22 ID:9u8vOEqdD6
広間

先生「ふぁぁ…おっと、いかんいかん。お前らー、眠いかとは思うが、寝るんじゃないぞー」

生徒「(あんたが一番眠そうだよ…)」

先生「今日は…班に別れて…観光、散策をしてもらう…ねみぃ」

生徒「(もう限界きてるー!!)」

先生「もういいや。解散。あと好きにしろ。眠い」

生徒「(後半丸投げだー!?)」
606: :2012/11/12(月) 20:26:35 ID:S20/xVf06Q
女「さて、なし崩し的に解散になったわけだが」

男「俺達の班は集まったし、さっさと出発しようぜ」

友「その前に、最初はどこに向かうんだっけ?」

幼「えっとね…確か、札幌市時計台」

会計「今の時間、生徒でごった返してますからあまり近寄るのは得策じゃないかと」

副会長「行くなら夕方をおすすめするぜ。その方が人は少ないしな」

幼「そっか、ありがと♪会計ちゃん、副会長君」

副会長「役に立てたならそれでいいさ。さ、いこうぜ」

男「ちょいまち」
607: :2012/11/12(月) 20:30:59 ID:S20/xVf06Q
副会長「なんだよ」

男「なんでお前らが当然のように着いてくる」

副会長「俺達、単独行動」

会計「私達は二人一組で行動してるんですよ。しおりには班同士の集団行動は禁止されてないはずですが?」

女「確かに禁止されてはないしな」

副会長「どのみちここからなら動物園が近い。渡したチケットを使ういいチャンスだろ」

友「まあ…理にはかなってるね」

男「はあ…ま、一人二人増えたところでかわんねーし…いくか」
608: :2012/11/12(月) 20:36:01 ID:S20/xVf06Q
円山動物園

男「着いたな」

女「ふむ…中々に規模のある…」

副会長「旭川とかに目がいきがちだが、結構転々と動物園が各所にあるぜ。それに北海道にしか生息しない奴もいるから、上野とかより人気なのもある」

友「上野は近場で動物を見れるからね。でも、北海道ならではの動物だっているだろうし」

幼「ねえ!!友君!!」

友「ん?」

幼「熊さん見に行こ!!熊さん!!」

友「・・・」

幼「友君…?」

友「なんでもないよ。見に行こうか」

幼「うん♪」

副会長「そいじゃ、動物園内は別行動って事で」

男「時間までに正門に集まれよ?でないと置いてくからな」

副会長「へいへい」

女「それでは、私達も行こうか」
609: :2012/11/13(火) 18:57:18 ID:wUf5zKLk5A
女「ふむ…アライグマ、タヌキ、レッサーパンダ…色々いるな」

男「札幌なんだから、キタキツネくらいいても良さそうなのにな」

女「いるんじゃないか?私達が見逃してるだけで」

男「そうだといいな…」

女「それに、私はキツネはあまり好かん」

男「そうなのか」

女「まあな…む!!レッサーパンダだ!!」

男「ちょ!!走るなよ…全く、あいつもまだまだ子供だな…」
610: :2012/11/13(火) 19:00:39 ID:9uEahCTKxM
女「男!!見ろ!!」

男「あんまはしゃぎすぎんなよ…」

女「あのクリッとした目!!」

男「ううむ…不覚にも和んでしまうな…」

「見て、あそこのカップル。なんかほほえましいわね」

男「・・・おい、女」

女「なんだ?」

男「少し、な?」

女「貴様もわかるだろう?あのつぶらな瞳を見ているだけで…」

男「むぅ…」

女「実に調教したくなるぞ」

男「お前、危ないわ」
611: :2012/11/13(火) 19:06:46 ID:wUf5zKLk5A
男「お、ありゃ友と幼だな」

女「尾行てみるか?」

男「お前なぁ…ま、いいけど」

幼「熊さん、モフモフだったね〜♪」

友「そうだね」

幼「ライオンなんかも、鬣とかモフモフしてそうだよねぇ…ギュってしてみたいなぁ…」

友「させてくれると思うよ」

幼「無理だよ〜、ライオンってあまり人になつかないし…」

友「幼さん」

幼「うん?」

友「楽しんでる所悪いんだけど、あまりはしゃぎすぎないようにね?」

幼「あ…ごめん。恥ずかしいよね」

友「違うよ」

幼「へ?」

友「はしゃいでる幼さんを見てるのは僕としては非常に申し分ないんだけど、その辺の芋男が下卑た目線で幼さんのことを見てくるのがたまらなく嫌なんだ。幼さんは見せ物じゃない。ていうか、お前らが見ていいものじゃない。寧ろ僕が独占したいとさえ思っているよ?でも、その点を踏まえてなら確かに恥ずかしいのとあまりかわりないかもね」
612: :2012/11/13(火) 19:15:56 ID:wUf5zKLk5A
幼「え、えっと…早口でよくわからなかったんだけど…恥ずかしいってこと?」

友「そうだね…高校生らしい節度ある行動を心がけよう」

幼「はーい」

友「(もう幼さん可愛すぎる)」

友「じゃ、いこっか」

幼「うん♪」

男「・・・なぁ」

女「ふむ、幼はあんなに想われてるのだな」

男「想うってレベルじゃねーよ…想いじゃなくて重いだよ」

女「私もあれぐらい愛してもらいたいものだがな…」

男「いや、お前の場合愛したらなんやかんや起きそうな気がする」

女「そろそろ時間だな。正門にいくか」

男「そうだな」
613: :2012/11/13(火) 23:33:07 ID:YcLkyE1L4E
正門

男「皆、揃ってるか」

友「大丈夫。問題ないよ」

副会長「こっちもだ」

男「んじゃ、これから札幌ドームに向かうけど…ルートとかは大丈夫か?」

友「地図もばっちり」

男「んじゃ、いくか」

友「ああ、男、少し残って。皆は先に行ってて。すぐに追い付くから」

男「なんだよ」

友「・・・女さんが一緒だったから何も言わなかったけど、次やったら沈めるからね」

男「気づいてたのかよ…」

友「まあね、早く行こうか」
614: :2012/11/13(火) 23:37:11 ID:x4x9i9Nzlc
女「そういえば、幼」

幼「ん?」

女「友に告白はしないのか?」

幼「ぶふぉあ!?」

女「・・・大丈夫か?」

幼「にゃ、にゃにゃにゃ、にゃにを言うの!?///」

女「落ち着け。動揺し過ぎだ」

幼「と、友君の事はそんな風に見てないし!!」

女「ほう?つまり友の事はどうでもいいと?」

幼「そんなことないよ!!・・・あ」

女「幼、いい加減素直になれ」

幼「だって…出来ないよ。そんなの…」
615: :2012/11/13(火) 23:41:44 ID:YcLkyE1L4E
幼「私…一人じゃ何にも出来ないから…いつも皆に頼ってばかりだもん」

女「人間、出来る事と出来ない事がある。恥じることはない」

幼「でも、自分でも何かやらなくちゃって思うけど…なんも出来なくて、皆…特に友君はいつも私の事を気にかけてくれて、嫌な顔なんてせずに私の事をいつも助けてくれるんだよ?」

幼「友君は優しいから…ずるいよ…頼っちゃうんだもん」

女「幼、女にとって一番の特権を教えてやろうか?」

幼「へ?」

女「異性に甘える事だ」

幼「女ちゃん…全然甘えてないもん」

女「それは私が異常なだけさ」
616: :2012/11/13(火) 23:46:57 ID:x4x9i9Nzlc
女「それにな、幼」

幼「何?」

女「私達がお前を助けるのは私利私欲からではないことぐらいお前が一番よくわかってるだろう?」

幼「・・・わかってるから、辛いよ」

女「大切な友人を助けるのにいちいち理由を述べなければ駄目か?」

幼「・・・」

女「私達は目の前で困ってる人間を見過ごす事が出来ないお人好しだからな。でも、そんな自分を恥じているのは誰一人としていない」

女「それに…友がお前を助けるのは善意からだけではないからな」

幼「え?」

女「さて、もうすぐ目的地だ」

幼「あ、待ってよー」

幼「(友君が私を助けるのは善意だけじゃない…まさか!?)」

幼「(友君…ひょっとして亡くなった妹ちゃんの影を私に重ねて…!?)」

友「なんか寒気する」

男「風邪か?」
617: :2012/11/13(火) 23:51:01 ID:YcLkyE1L4E
皆様こんばんは

1です

こんな風にご挨拶するのは久しぶりでございますね

まずはランキングの件
ご投票、誠にありがとうございました
至極感謝いたします

期待に答えなきゃと思う反面プレッシャーががが

それでですね、今後の展開なんですが…

札幌県民の皆様
本当に申し訳ございません

多分これからなんやかんやで札幌の描写をまるでしないと思います。はい

それでは、今日の投下はこれで終了となります

見てくださった方々
ありがとうございました

※因みに、友に妹はいません
618: :2012/11/15(木) 23:29:42 ID:LXRil/g/Wc
札幌ドーム

男「うわ…広…」

女「これだけの広さで人混みだ。はぐれたら一貫の終わりだな」

男「別行動は止めとくか?」

友「一応、お互い連絡取り合えるし…大丈夫だとは思うよ」

女「ふむ…なら、そうしようか」

男「んじゃ、また後でだな」

女「ああ…って、副会長と会計はもうすでに行ってるな」

男「協調性ねーな」

友「しょうがないんじゃないかな」

幼「・・・」
619: :2012/11/15(木) 23:32:22 ID:LXRil/g/Wc
友「さて、僕たちもいこうか。幼さん」

幼「・・・」

友「幼さん?」

幼「えっ?あ、何?」

友「具合でも悪いの?」

幼「そ、そんなことないよ!?ね、早くいこ!!」

友「大丈夫ならいいけど…何か変だって思ったら無理せず言うんだよ?」

幼「・・・友君」

友「ん?」

幼「なんで…私に優しくしてくれるの?」
620: :2012/11/15(木) 23:36:42 ID:/kU2jJP7Ck
友「それは幼さんが僕にとって親しい仲だからだよ」

幼「じゃあなんでいつも気にかけてくれるの?助けてくれるの?」

友「大切な友人を助けるのに理由がいる?」

幼「・・・女ちゃんと、全くおんなじ事言う」

友「女さんが?」

幼「私…たまに友君がわからなくなる。なんで私を助けてくれるのかって、なんでいつも心配してくれるのかって、気にかけてくれるのかって」

友「・・・」

幼「女ちゃんに聞いても、答えてくれないし」

友「なるほど、つまり幼さんは女さんになんらかの質問をしたら、僕と全く同じ答えが返ってきたんだね?」

幼「・・・うん」
621: :2012/11/15(木) 23:41:08 ID:/kU2jJP7Ck
友「そっか…僕としては精一杯言葉を選んだつもりなんだけど、女さんに先を越されちゃったか」

友「そうだね…好きな人を助けるのに理由が必要?」

幼「あんまり変わって……へ?」

友「ん?」

幼「い、い、い、今…す、す、好き…って?」

友「うん」

幼「え、え…え!?」

幼「ら、ライクじゃなくて!?ラブ!?」

友「僕はそのつもりだけど?」

幼「は、はわ、はわわわわわ」

友「幼さん?大丈夫?」

幼「う、うう、嘘じゃないよね!?」

友「僕が幼さんに嘘をついたことある?」

幼「ごまかした事はある!!」

友「あはは、これは一本取られたね」
622: :2012/11/15(木) 23:45:09 ID:LXRil/g/Wc
友「で?どう?」

幼「へ?」

友「僕、告白したんだけどな」

幼「・・・えーと」

友「まあ、今すぐなんて無理だろうし。僕としても引きずって重い空気になるよりかは前の方がマシだしね」

幼「きょ、今日中に…答え…出し…ます///」

友「・・・ありがとう」
623: :2012/11/15(木) 23:48:40 ID:LXRil/g/Wc
男「しっかし…人が多いな…女ー、はぐれないようにしっかり…」

男「・・・いねえ!?」

女「なんだ?」

男「おおう!?どこに!?」

女「貴様の死角にいた」

男「死角に入るなよ…見つけづらいだろ」

女「すまないな。てを繋いだりすると邪魔になりそうだったからな」

男「だからって死角に入ること無いだろ…まあいいや、はぐれないようにしっかり着いてこいよ」

女「ああ、一生お前に着いてくからな」

男「それはありがたい…が、流石にトイレや風呂は勘弁してくれ」

女「だが断る」
624: 1(投下終了):2012/11/15(木) 23:52:28 ID:LXRil/g/Wc
男「そういや、なんか幼の様子おかしくなかったか?」

女「む?」

男「なんか物静かと言うか…考え込んでると言うか」

女「幼だってたまには悩む時くらいあるだろう」

男「それ、軽く幼に失礼だかんな?」

女「幼には悩むのは似合わない。いつでも笑顔でいてほしい」

男「それは同感」

女「私はお前がいればそれでいいと言いたいが…友と幼は大切な友人だからな」

男「そうだな」
625: :2012/11/16(金) 23:43:51 ID:k81ksGofh2
男「しっかし…友も大変だな」

女「ん?」

男「相手はあの天然幼だぜ?苦労するだろうよ」

女「そうでもないかもしれんぞ?」

男「なんでだよ」

女「ふふ、女の子の秘密。というやつだ」

男「まあいいや…そろそろ昼にするか。どこか入るか?」

女「私は弁当を持ってきているぞ」

男「ほう?それは?」

女「お前だ」

男「昼はいらないんだな」

女「うどんが食べたい気分だ」

男「了解」
626: :2012/11/16(金) 23:47:43 ID:uI2Wh2UJdg
店員「いらっしゃいませー」

男「二人で」

店員「すいません。今丁度満員で…」

男「あ、そうなんですか」

店員「六人掛けテーブルで、他のお客様と同席でよろしいのであればご案内いたしますが…」

男「どうする?」

女「お前が構わなければいい」

男「じゃあ、よろしくお願いします」

店員「はーい、二名様ご案内!!」
627: :2012/11/16(金) 23:51:31 ID:uI2Wh2UJdg
店員「こちらになります」

副&会&友&幼「あ」

男「同席って…お前らかよ」

女「偶然があるものだな」

友「幼さんがうどんが食べたいって言ったからね」

幼「友君の好きなので良かったんだよ?」

友「いいの、僕もうどんが食べたい気分だったから」

副会長「俺が強引に連れ込んだ」

会計「結構無理矢理でしたよ。腕掴まれて引っ張られて気がついたら入店ですもん」

副会長「お前らは?」

男「うどんが食べたい気分なんだと」

女「うむ」

副会長「ふーん…ま、別にどうでもいいけど」
628: :2012/11/16(金) 23:55:07 ID:k81ksGofh2
友「そっちはどんな感じだった?」

男「んー、まあ、一通り見て回ったって感じかな…そっちは?」

友「こっちも同じくらいだよ。幼さんがどうかはわからないけどね」

幼「わ、私はもう十分だよ!?」

友「そう?見たい物があったら遠慮なく言うんだよ?」

幼「う、うん…」

男「お前ら、なんかあった?」

幼「ぶふぉあ!!」

友「なんもないよ」

女「こうもリアクションが違うと笑えてくるな」

副会長「幼でバレバレだもんな」
629: :2012/11/17(土) 17:25:07 ID:3MiYLEePlw
幼「だ、だって男君が変な事言ってくるんだもん!!」

男「俺のせいかよ」

幼「うう〜」

女「まあ、落ち着け幼。何があったかは聞かないでおくから」

幼「も、元はと言えば女ちゃんが私に変な事言うから!!」

女「ほう?私に罪を擦り付けるか?」

幼「う、うぐ…だ、だって…初めてだったんだもん…」

女「友!?お前…」

男「お前、幼に何したんだよ」

友「激しく誤解だ」
630: :2012/11/17(土) 17:30:23 ID:X69mGgi7ZY
男「はあ…まあこの件はおいおい聞くとして」

幼「ふぇ!?」

男「どうする?昼食ったら次に移動するか?」

女「うむ、いい加減進展しないとまずいしな」

友「そうだね」

幼「進展?何が」

男「幼は黙ってなさい」

幼「あう」

男「次は?」

女「札幌ステラプライスだな」

男「・・・マジか」

友「作者が調べる事を投げ出したからね」

女「ともかく、いくしか無いだろう」
631: :2012/11/17(土) 17:33:35 ID:3MiYLEePlw
男「わー、すごーい」

友「見事な棒読み」

女「無理もないだろう。なんせドームでさえ描写してないのだからな」

男「よし、ここは無理矢理にでも時間軸を進めよう」

男「副会長!!聞きたい事がある!!」

副会長「ん?」

男「ずっと気になってたんだが、なんで会計と一緒にいるんだ?」

副会長「それは…」

会計「実は私達、付き合ってるんです」

男「嘘だ!!」

副会長「ああ、嘘だ」
632: :2012/11/17(土) 17:38:38 ID:X69mGgi7ZY
会計「ぶー、少しくらい反応してくれてもいいじゃないですか〜」

男「残念だが、この超絶シスコンなこいつに彼女なんて、後輩か書記くらいしかあり得ん!!」

副会長「お前、遠回しに俺に凄く失礼」

幼「あれ?副会長君って妹いた…もがが」

友「・・・」

副会長「・・・いた、だな」

女「副会長、今話すような事ではないだろう」

副会長「いいだろ。過ぎた事だし」

幼「今度会ってみたいな!!ね?友君」

友「ああ…うん」

副会長「来るか?墓参り」

幼「・・・え?」

副会長「死んでるんだ。俺の妹。二年前に」
633: :2012/11/17(土) 17:44:59 ID:3MiYLEePlw
幼「ご、ごめ…」

副会長「構わねーよ。・・・俺が殺したようなもんだし」

男「副会長。もういい」

副会長「そうだな、折角の修学旅行だし、楽しくいこうぜ」

幼「・・・」

副会長「幼、気にすんなって言っても無理かもしんねーけど、お前が気にする事じゃないから。そんなしょげるな」

幼「・・・うん」

副会長「友、なんとかしろ」

友「幼さんが可愛すぎて生きるのが辛い」

男「今のこいつには無駄だな」
634: :2012/11/17(土) 17:51:39 ID:3MiYLEePlw
女「どうだ?たまには趣向を変えて男女で別れるのはどうだろう」

男「お前はいいのか?」

女「なに、旅館に帰れば蹂躙出来るしな」

男「それが何かはあえて聞かないことにする」

女「それに、同性のケアは同性に向いているしな」

男「・・・わかった。幼の事任せたぜ」

女「ああ」
635: :2012/11/17(土) 17:55:40 ID:3MiYLEePlw
男「というわけで、男女別れるようになった」

友「それが賢明だろうね…悔しいけど」

男「にしても、副会長。まだ引きずってんのかよ」

副会長「一生引きずるだろうな」

友「副会長。君ならとっくに理解できてると思うんだけど」

副会長「わかってるよ。あれは事故で、運転手の飲酒運転のせいって言いたいんだろ…わかってるよ」

男「理屈じゃないんだよ」

副会長「全く、お前がシスコンだなんて言うから」

男「間違っちゃいねーだろ」

副会長「・・・そうだな」
636: :2012/11/17(土) 18:03:44 ID:X69mGgi7ZY
幼「ねぇ…女ちゃん」

女「さっきの事か?」

幼「・・・うん」

女「私から話していいかはわからんが…知っていても悪くないだろう」

女「副会長には二つ下の妹がいた。あいつによく似ていてなんでもこなせるよい娘だった」

女「しかし、ある日妹が事故に巻き込まれた。飲酒運転による事故だ」

女「副会長は目の前で妹が轢かれたらしい」

幼「それじゃあ、副会長君は」

女「ああ、副会長は何も悪くない。しかし、あいつは自分に責任を感じている」

幼「駄目だよ!!副会長君は何も悪くないもん!!」

女「・・・守れなかった事だろう、あいつの枷は」

幼「そんなの…そんなのおかしいよ!!」

女「ああ、おかしいな。私にもさっぱり理解出来ない」

女「だが…それは私達が兄弟がいないからだろう…もしいたとしたら、同じ気持ちになったかもわからんがな」
637: :2012/11/17(土) 18:09:34 ID:X69mGgi7ZY
副会長「今頃、向こうはどうなってんのかね」

友「幼さんが女さんに根掘り葉掘り聞いてる」

副会長「流石だな」

友「別に」

男「お前の方はどうなんだよ」

友「別に、告白して今日返事をもらう」

男「急展開過ぎるだろ」

副会長「むしろ俺はここまで気がつかない幼に拍手を送りたいな」

友「うん。それはもう駄目かと思ってた」
638: :2012/11/17(土) 23:23:27 ID:vmIGY5yfM.
副会長「で?実際どうなのよ?んん?相手の反応は」

友「爺臭い…」

副会長「うっせ、お前らと同年代だ」

男「おっさん、パン買ってこいよ」

副会長「ほう?おっさんをパシりに使うとは中々胆が据わっているな」

友「おっさん…」

副会長「いいから早く言えっての」

友「・・・悪くはないかな」

男「ま、幼なら多分大丈夫だろ」

副会長「ん、そろそろ移動の時間だしな。合流しようぜ」

友「そうだね」
639: :2012/11/17(土) 23:26:27 ID:vmIGY5yfM.
男「待たせたな」

女「心配するな。こちらも丁度到着した所だ」

副会長「暗いな…それに寒い」

会計「本当ですね。風邪には注意しないと」

女「ふむ、男、暖めてくれ」

男「一人相撲でもしてろ」

幼「ふに〜〜、寒い〜〜」

友「幼さん。はい」

幼「ふえ?」

友「コートとマフラー、一応持ってきてた」

幼「あ、ありがとと」

副会長「幼が凍えるまえに移動するか」
640: :2012/11/17(土) 23:29:14 ID:VtaVdMdf4E
札幌市時計台

副会長「ふむ…いい感じの暗さだな」

男「なにがだよ」

副会長「時計台を見てみろ」

女「・・・おお」

幼「わー!!綺麗!!」

友「凄いね…」

副会長「ライトアップされて、いい感じの夜景になるんだよ。ちなみに昼にいったらなんもならんけどな」

男「だから時計台を後回しにしようって提案したのか」

副会長「そういうこと、いいもん見れたろ?」

男「・・・ああ」
641: :2012/11/17(土) 23:32:12 ID:vmIGY5yfM.
皆様こんばんは

1です

今日は少し多目に更新いたしました
数日分の遅れを取り戻す為にですね

ようやくこの修学旅行編に終わりが見えてきましたよ…

後は上手い具合に最後まで繋げるだけです

あ、私は別に札幌が嫌いなわけではありませんからね?ただ、寒い所は苦手なのであまり機会がない限り行きたくはありませんね…

それでは、今日の投下はこれで終わりとなります

見てくださった方々
ありがとうございました
642: 名無しさん@読者の声:2012/11/17(土) 23:55:27 ID:cPyZimQKa.
お疲れさま。
ほーれ
CCC
643: :2012/11/18(日) 17:11:32 ID:qgiF/MRZ3c
>>642

うおう!?支援感謝です!!

いやぁ、私は支援がもらえるなら尻尾だって振っちゃいますよwww
まあ、人間だから尻尾なんてありませんけどね!!


・・・なにやら盛大に外した所で、本編再開します。今日で終わるといいけど
644: :2012/11/18(日) 17:18:42 ID:v61gFz7xyw
友「しかし…寒さが尋常じゃないね」

女「ああ、幼じゃなくても凍えるな、これは」

副会長「おおう、雰囲気ぶち壊し」

幼「・・・」

会計「ねえ、幼ちゃんこれ凍ってない?」

女「む?そんなこと…」ピタ

女「冷たい!!幼が冷たいぞ!!物理的な意味で」

友「ちょ!?」

男「なんで夏か春に来なかったんだろうな」

副会長「んなもん、先公にでも聞けよ」

女「仕方ない…幼の為に旅館まで戻るぞ」

645: :2012/11/18(日) 17:22:52 ID:v61gFz7xyw
旅館

先生「お帰り…って、早くないか?」

女「緊急事態が発生したので」

先生「あー、大方幼辺りが凍ったんだろ」

友「全くもってその通りです」

先生「部屋に連れ込んでさっさと暖めてやれ。もちろんいきなり暖めるんじゃなくて徐々にだからな?低温やけどさすなよ」

女「生徒会に用意された部屋を使おう。あそこなら暖めるんには適している」

先生「あー、それともひとつ」

先生「暖めるにゃ…人肌が最適だかんな?」ニヤリ
646: :2012/11/18(日) 17:27:35 ID:qgiF/MRZ3c
部屋

副会長「とりあえず幼を布団に寝かせたぞ」

会計「距離も考えてストーブもつけたけど…大丈夫かしら」

男「まあ、そんな深く考えなくてもいいだろ」

副会長「最悪は先生の仰せの通りに人肌、な」

友「あー手が滑ったー」

副会長「危ねっ!?おまっ!!何しやがる!?」

友「何って、竹刀振ってたら手からすっぽぬけたんだけど?」

副会長「振る必要ないだろ!?」

友「何か体を動かしてないと寒いんだよ」

副会長「お前には幼を暖めるっていう仕事がありだろうが!!」
647: :2012/11/18(日) 17:32:17 ID:qgiF/MRZ3c
友「…じゃ…いか…」

副会長「?」

友「そんなの…恥ずかしいじゃないか…」

男「あのなあ、恥ずかしがってる場合じゃ…」

女「男、寒い」

男「・・・もしも一刻を争う事になったらどうするんだよ」

友「そうなったら最善を尽くすだけだよ」

女「男、寒い」

男「走ってこい」

女「どうやら幼を運んでる最中に私も凍ってしまったようだ」

男「凍ってるのになんでそんなペラペラ喋れるんだよ」

女「口は動かせるが、体は動かせないみたいだ」
648: :2012/11/18(日) 20:01:15 ID:Sw0MpfAOAk
男「誰か、女に布団をかけてやれ」

女「いいから私を抱け!!」ガバッ

男「動けてんじゃねーか!!てか、布団に連れ込むなー!!」

幼「う…うん…」

友「幼さん。気がついた?」

幼「あれ…私…時計台に」

男「お前、凍りついたんだよ」

幼「そうなんだ…なにしてんの?」

女「男に暖めてもらってる」

幼「ごめんね。私には女ちゃんが男君を襲ってるようにしか見えないよ…」

男「その表現は間違ってない」
649: :2012/11/18(日) 20:08:03 ID:Sw0MpfAOAk
幼「そっか…ごめんね?私のために」

友「いいよ。幼さんが無事ならいいからさ。大丈夫?寒くない?」

幼「少し…寒いかな…」

友「そう…」

幼「友君…」ギュー

友「大丈夫だよ」

幼「あのね…その…」

友「・・・」

男「女、お土産見に行かね?」

女「奇遇だな。私もそう思っていた所だ」

副会長「駆け落ち…もとい、抜け駆けなんかさせるかよ」

会計「四人パーティーはRPGでは常識ですよね」

パタン
650: :2012/11/18(日) 20:21:54 ID:CT7VV0836g
幼「友君…私ね、ずっと考えてたんだ…」

友「・・・」

幼「友君に好きって言われて…私も友君の事嫌いじゃない…ううん、寧ろ好き、大好きだって」

幼「でも…友君は皆に頼りにされてて…優しくて…」

幼「私なんかが、いいのかなって…」

友「幼さんは自分を卑下し過ぎだよ。もっと自分に自信持って」

幼「でも…周りの女の子は皆凄い子ばっかりなんだもん…自信無くしちゃうよ…」

友「確かに、周りにいる女の子は皆凄いよね…だからって僕は幼さんが劣ってるとは思わないよ」

幼「・・・」

友「やっぱり、建前だけじゃ駄目かな…本音言わないと」

幼「え?」

友「幼さん。よく聞いてね」
651: :2012/11/18(日) 20:25:44 ID:CT7VV0836g
友「幼さんは確かに他の子に比べれば何も出来ないかもしれない。ていうか、出来てない」

幼「!!」

友「でも、その出来ない事に一生懸命なのが凄く可愛いんだよ。保護したくなるんだよ。寧ろ独占したくなるんだよ」

幼「・・・え」

友「幼さんに話しかける野郎とか、幼さんを見つめる野郎を片っ端から沈めたくなるくらいに幼さんを独占したい」

幼「・・・それ」


友「我が儘だよ。完璧なね」

友「でも、この我が儘だけはなにがなんでも押し通す」

幼「・・・」
652: :2012/11/18(日) 22:45:18 ID:ncjmZgKz..
友「つまり、僕は君を独占したいだけなんだ。これでも皆から頼りにされてるって言える?」

幼「・・・うん。ただの我が儘だよね」

幼「でも…その我が儘が、凄く嬉しい…」

幼「良いのかな?私が友君の優しさを独り占めしちゃって」

友「僕が君を独り占めするんだから、大丈夫だよ」

幼「・・・うん」

友「体、暖まった?」

幼「えへへ…全然」

幼「・・・暖めて?」

友「うん」

幼「あ、えっちぃのは無しだよ?」

友「わかってるよ。そんな風に見える?」

幼「一応…ね?」

友「ん…」
653: :2012/11/18(日) 22:50:28 ID:ncjmZgKz..
売店

男「今頃向こうは胸焼けを起こす展開になってんのかねぇ」

女「そうだな…む、このクッキーは捨てがたいな」

副会長「あの二人ほどお似合いなのもないだろ。男、これ買ってくれ」

男「お前の財布から金抜き取っていいなら」

会計「でも、いいですよね〜ああいう恋愛」

女「乙女思考という奴か…ふふ、私には縁が無さそうだな」

男「お前が乙女思考になったら落ち着くかもしれんし、俺は縁があって欲しいな…ほら、それ貸せ」

女「え?」

男「欲しいんだろ?」

女「いや…しかし」

男「遠慮すんなって、ほら」

女「君は…強引だな」

男「こうでもしなきゃお前は譲らないからな」

副会長「・・・この二人も十分お似合いだよな」

会計「全くもって」
654: :2012/11/18(日) 22:52:35 ID:ncjmZgKz..
皆様こんばんは

1です

いやぁ…あはははは
リア充爆発しろ

うん…いやね、わかってますよ?
こいつらは所詮SSの登場人物で、実際には存在しないって…しかも私が作り出したって

わかってるよ!!

今日の投下はこれで終わりとなります

見てくださった方々
ありがとうございました
655: 名無しさん@読者の声:2012/11/19(月) 00:12:56 ID:JPOJYwW2Gc
幼が可愛すぎて苦しいけどこれ以上は友が怖いからやめておくことにして僕はさっちゃんを頂きます

つ結納金
CCCCC
656: :2012/11/19(月) 23:08:03 ID:u154Dzic7I
>>655

そうですね…独占欲が強い彼の事ですから何をしでかすか…

あれ?さっちゃんなんてキャラいましたっけ?
ああ!!三丁目のおばちゃんの略ですね!!

・・・捕捉しておきますが、私は食べてもおいしくありませんし、友人からリアルで食ったら腹を壊しそうだと言われました
657: :2012/11/19(月) 23:12:40 ID:u154Dzic7I
部屋

男「ただいまー」

幼「お帰り♪」

友「お帰り」

女「中々いいものが揃っていた。お前たちも後で見に行くといい」

友「そうだね、見に行かせてもらうよ」

副会長「そんじゃま、俺は玄関に行ってくる」

会計「私は先生達と明日の事でお話してきますね」

幼「私は自分の部屋に戻ろうかな、友達待たせてるし」

友「途中まで送ってくよ。心配だし」

幼「ありがとう♪」

女「私は会計と共に先生方と打ち合わせをしなくてはならないな」

男「なんだ。暇人なのは俺だけか」

女「そういうことだ。いい子にしてろよ?」

男「小学生かっつの」

バタン
658: :2012/11/19(月) 23:21:01 ID:mUCDMF7VaQ
男「さーて、久しぶりの単独行動か」

男「いつもなら寝て過ごすんだが…時間が時間なだけに無闇に寝れんしな」

男「仕方ない。いい子にして待ってるか…いい子ってどうやって待ってるんだ?」

男「とりあえず荷物整理でもしとくか、なんだかんだいって明日にはここを発つしな」

男「・・・そういや、皆は何を持ってきてるんだ?」

男「少しくらいなら見てもばれないよな?」

女「人の持ち物を物色するのはあまり感心しないな」

男「うぉぅ!?いたのか!?」

女「忘れ物をしてな。お前がそんな奴だったとはな」

男「好奇心ってやつだよ」

女「・・・言ってくれれば、荷物くらい見せてやるのに」

男「へ?」

女「なんでもない。荷物を物色したりするなよ」

バタン
659: :2012/11/19(月) 23:27:36 ID:u154Dzic7I
男「・・・なんだってんだ一体」

男「まあ、もともと乗り気じゃなかったし…いいか」

ガラガラ

副会長「お、お前だけか」

男「副会長、どうした?」

副会長「ん?玄関で立ってて遅刻した班に説教。寒いったらありゃしねー」

男「はは、ご苦労だな」

副会長「全く、人は便利屋じゃねぇっての」

男「副会長という肩書きを呪え」

副会長「でも…こんな風に職権使えるのも…後1ヶ月もないんだよな」

男「・・・」

副会長「今になって思い出すよ。女が俺を副会長に勧誘しにきた事を」

男「あれか…正直あん時は俺もあまりお前とはお近づきにはなりたくなかった時だからな」

副会長「絶賛不良してたからな…」
660: :2012/11/19(月) 23:34:08 ID:u154Dzic7I
副会長「学校がつまんなくて、先公もウザくて、でもその皺寄せが親にきて、お小言をもらって、妹に励まされ、叱咤されて…」

副会長「あのときは自分は落ちこぼれだって本気で思ってたからな…」

副会長「むしゃくしゃして人を殴って、気がついたら不良のトップ張ってて…でも、まだ満たされてなかった」

副会長「そんな時にお前らがやって来て、副会長に推薦とか言われて…正直、こいつは頭がおかしいんじゃないかって思ったな」

男「それに関しては俺も同意するな」

副会長「でも…初めてだったんだよな…上っ面じゃなくて、中身も見てくれて、俺をぶん殴って説教してきた奴なんて」

副会長「こんな奴が会長やるってんなら、案外生徒会も面白いかもしれねーなって…」
661: :2012/11/19(月) 23:40:10 ID:u154Dzic7I
副会長「ところがどっこい、いざ蓋を開けてみたらお前にぞっこんのド変態だって事がわかったよ」

男「でも、嫌いじゃないんだろ?」

副会長「まあな、いくら綺麗事並べても、所詮それは理想論にしか過ぎない。理想を現実にする行動が必要なんだって」

副会長「でも、女はそれを完璧にやってのけた。化け物かと思ったよ」

副会長「でも、そんな完璧人間な女が変態だって知って、俺は寧ろ落ち着いたよ」

副会長「こんな変態でも、理想を現実に出来るってな」

男「・・・」

副会長「さってと、思い出話もこれくらいにして…と、そろそろ夕食の時間だし、いこうぜ」

男「ああ」

副会長「・・・男」

男「ん?」

副会長「俺、お前らに出会えて本当に良かったよ」

男「・・・」
662: :2012/11/19(月) 23:43:21 ID:mUCDMF7VaQ
皆様こんばんは

1です

まずは男と副会長に一言もの申す

思い出話は老化の証拠だ

今日はかなり短めにしました
それで、明日から金曜日まで個人的理由によりおそらくまともに更新できません。したとしても、過去最低の1レスかもしれないという事態に
楽しみになさっている方々には申し訳ないです


今日の投下はこれで終わりとなります

見てくださった方々
ありがとうございました
663: 名無しさん@読者の声:2012/11/21(水) 22:11:24 ID:.Lm55Anatw
|・)つC
664: 1(壁支援感謝):2012/11/23(金) 16:43:13 ID:5RiZkxhOv2
部屋

女「やはりおかしいだろう」

男「ああ、確かにおかしかったな」

副会長「全くだ。裁判を起こすのも辞さないな」

会計「えっと…皆さん、とりあえずいきなり不満を呟くのは止めた方が…」

男「だってそう思うだろ!?」

女「ああ、夕食に出てきたジンギスカン…あれに使われていた肉の八割は豚肉だった!!」

副会長「本場に来てまで何故紛い物を食べなくちゃならないんだ!!」

男「そうだそうだ!!」

女「私は実に不満だ!!だから男!!お前を抱くぞ!!」

男「そうだそうd…んぎゃーーー」
665: :2012/11/23(金) 16:47:04 ID:xhfzhuhFdc
男「さて、読者に会うのも久しぶりだから、前回のあらすじ的な物をやっておくか」

女「うむ。振り返るのも大事だしな」

会計「いや…読者さんは簡単操作でいつでも振り返れる…」

副会長「会計、今のご時世そんな簡単操作さえめんどくさがる奴もいるんだ」

男「ここの1みたいにな」

女「さて、前回のあらすじだが…」

男「友と幼がようやくくっついたな」

女「そして…私とお前も…濃厚にくっついたな…///」

男「いらん誇張をするな」
666: :2012/11/23(金) 16:52:10 ID:5RiZkxhOv2
男「そしてなんやかんやあって修学旅行二日目の夜である」

女「大事な部分をなんやかんやでぼかしたな」

男「そして!!明日には我らが故郷である凍京に帰るのだ!!」

副会長「字が違う」

会計「で、でも!!結構色んな事ありましたよね!!そう考えたら札幌を離れるのも名残惜しいかな〜なんて」

副会長「そうだな…確かに名残惜しいかもな」

副会長「せめて本場のジンギスカンを食べたかった!!」

会計「いつまでジンギスカンネタを引っ張るつもりですか!!」

女「せめて修学旅行の内に男と突き合いたかったら!!」

男「未遂までやっただろうが」

女「ヤった!?」ガタッ

男「違う、断じて」
667: :2012/11/23(金) 19:31:02 ID:svXBI68Hng
会計「と、とにかく!!明日に備えて早く寝ましょうよ」

副会長「だな…それには賛成」

男「副会長、隣いいか?」

女「会計、隣にいかせてもらうぞ」

会計「あ、はい…どうぞ」

副会長「俺は構わねーが…いいんだな?」

男「何をそんな…」

会計 女 男 副会長

男「・・・まて、この配置はおかしくないか?」

副会長「でもよ、俺の隣って壁だぜ?お前は壁に張り付いて寝るのか?」

男「ぐぐ…そう返されたら何も言えん」

女「会計」

会計「はい?」

女「いい配置だ。よくやった」

会計「は、はあ…」

会計「(配置の事で誉められても…)」
668: :2012/11/23(金) 20:41:00 ID:Sw0MpfAOAk
深夜

男「・・・」

男「・・・」

男「・・・寝れん」

男「いつか女が襲いかかってくると思うと…おちおち寝ていられん」

男「おい、副会長。壁際って寒いだろ?代わってやるよ」

副会長「zzz」

男「爆睡してらっしゃるー!!」

男「くっ!会計の位置だと女に隣り合わせになっちまうし…」

女「うーん…」モゾモゾ

男「っ!?…なんだ、寝相か」

男「・・・寝てるだけなら美人なのにな」

女「むぅ!!」ガバッ

男「!?」

女「んふふ〜♪」ギュー

男「寝相かよ…」

男「はあ…まあ、寝てるだけなら大丈夫だろ…」

男「それに…なんか…俺も眠く…zzz」
669: :2012/11/23(金) 20:55:25 ID:CT7VV0836g


女「今朝起こった事をありのまま話そう」

女「朝、私は男を抱きしめながら起床したのだ」

女「夢遊病とか無意識とかそんなチャチなものでは断じてない」

女「もっと…恐ろしいものの片鱗を見た気がする…」

男「いや、完璧に寝相だから。それ」

女「ああ…私はついに寝ながら間違いを…」

男「起こしてないからな」

副会長「男、口動かす前に手を動かせ」

会計「布団をしまってないの男さんだけですよ?」

男「へいへい」

副会長「今日のご予定は?」

女「千歳空港に向かう道すがら、班に別れて散策だ。2時には千歳空港に到着していないと駄目らしい」

男「はっはっは、シビアなこって」

女「といっても、この旅館から真っ直ぐ向かえば一時間で着くのだがな」
670: :2012/11/23(金) 20:58:22 ID:CT7VV0836g
広間

先生「お前らー、ちゃんと部屋を掃除したか?施設の方にお礼は言ったか?顔洗ったか?歯を磨いたか?トイレ行ったか?宿題やったか?」

先生「お前らも知ってる通り、今日で修学旅行は終わりだ」

先生「班に別れて千歳空港を目指してもらう。遅れた奴はマジで置いてくからそのつもりでな」

先生「んじゃ、朝食食ったら解散な」
671: :2012/11/23(金) 23:56:08 ID:iuXlfLsjlI
男「俺達はどうする?」

女「時間に余裕をもって行動したいしな…千歳空港に一直線で向かうぞ」

男「時間大幅に余るぞ」

女「千歳空港付近で稼げばいい」

友「下手に回って時間なくなるよりそっちの方がいいかもね」

幼「えっと…つまり空港まで向かうって事?」

友「そういうこと」
672: :2012/11/23(金) 23:59:29 ID:iuXlfLsjlI
男「しかし…修学旅行は色々あったなぁ…」

女「ああ、特に印象に残っているのはお前と過ごした濃厚な夜…」

男「過ごしてねぇから」

幼「が、学校でえっちぃのは駄目だよ!!」

友「幼さん。未遂だからね?」

幼「あ、そうなんだ」

友「ちなみに僕達はいつにする?」

幼「ふ、ふぇぇぇぇ!?」

友「冗談だよ。可愛いなぁ幼さんは」

男「ほぼ本気だったよな…あれ」ヒソヒソ


女「うむ…鬼気迫る様子を感じたぞ」
673: 1(投下終了):2012/11/24(土) 00:03:09 ID:iuXlfLsjlI
幼「女ちゃん。女ちゃん」

女「ん?」

幼「あ、あのさ…初めてって…どんな感じだった?///」

女「そうだな…やはり痛かったな」

幼「ひぃぃ!!」

女「だが、愛する人と繋がれたというのは、とても幸せなものだ」

幼「そうなの?」

女「幼は友の事を愛しているか?」

幼「・・・うん」

女「そうか…なら私からはもうなにも言うまい」

女「お前たちの事は、お前たちが協力して決めていけばいい」

幼「・・・うん」
674: :2012/11/24(土) 17:06:44 ID:svXBI68Hng
千歳空港

男「さて、真面目な話をしてるうちに空港に到着してしまったわけだが」

女「今の時刻は11時半、お昼の時間だな」

男「空港に着かなきゃいけないのは2時…つまり」

友「完璧に早く着きすぎた。だね」

幼「え?何か悪いの?」

女「悪くはないが…これからどうするかだ」

幼「空港内を見て回ろうよ。私、空港って初めてだし」

友「そうだね。それがいいと思うよ」

男「相変わらずの即答、おおはやいはや…げふっ!!」

友「ごめん男、腹に虫がついていたからさ」

男「だからって、おもいっきりブローすんな…」
675: :2012/11/24(土) 17:09:50 ID:9IAOdG2/VE
友「というわけで、僕は幼さんを連れて空港案内してくるよ」

幼「いってきまーす」

男「おう、いってら」

女「気を付けろよ。拐われないようにな」

男「いや、寧ろ拐う方が心配だわ」

男「さて、二人も行っちまったし…どうするか」

女「私たちも見て回るか?」

男「んー、別に構わないけど、めんどくさいしな…ここは」

男「キングクリムゾン!!」
676: :2012/11/24(土) 17:11:24 ID:9IAOdG2/VE
男「・・・」

女「出来るわけないだろう。愚か者」

男「へいへい」

女「時間を潰すだけだ。そんなに大したことはしない」

男「はー、んじゃ…いっちょいきますか」
677: :2012/11/24(土) 17:15:14 ID:svXBI68Hng
男「そういやお前さ」

女「ん?」

男「この修学旅行終わったら、検査しにいくんだよな」

女「まあな」

男「もしも、もしもだぜ?検査の結果が…」

女「・・・」

男「その時、お前はどうするんだ?」

女「なら逆に問おう。お前はどうするつもりだ?」

男「俺は…逃げないよ。そう決めたし」

女「そうか」

女「私は現実から目を背けないよ」

男「ってことは…」

女「ああ、学校をやめて、育てる」

男「・・・本気なんだな」

女「お前は逃げないと言ってくれた。なら、私も逃げるわけにはいかない」
678: :2012/11/24(土) 17:28:09 ID:svXBI68Hng
男「そっか…」

男「腹、括らなきゃ駄目だよな」

女「・・・」

男「今はこの事を考えても仕方ないし、時間もあれだからそろそろ友達と合流するか」

女「ああ」

女「こんなにも…早く経つものなのだな…」
679: :2012/11/24(土) 17:43:23 ID:9IAOdG2/VE
幼「ただいまー」

友「・・・」

男「お帰り…って、友?なんかやつれてないか?」

友「あはは…そう見えちゃう?」

女「何があった?」

幼「すごいね!!空港!!なんでも揃ってるよ!!」

男「・・・ああ、なるほどな」

女「?」

男「幼は動物園とか遊園地じゃあまりはしゃがないのに、空港とかデパートとかだと異様にはしゃぐんだよ」

友「凄いキラキラした目でね…眼福なんだけど…あちこち引っ張られて…」

女「流石に許容範囲外か」

友「最初の方は可愛いなぁって思ってたんだけど…流石に二時間引っ張り続けられてたら流石に…」

男「まあ、幼の新しい一面を知れたって事でいいじゃねーか」

友「ま、それはそれでいいんだけど」

女「とにかく、もうすぐ時間だ」

男「・・・さらば、札幌」
680: :2012/11/25(日) 00:54:11 ID:KdRzS59wow
羽田空港

男「あー、つっかれたー」

女「だらしがないな。もっとしっかりしないか」

男「飛行機に何時間も揺られる気持ちを考えろ」

友「飛行機だから揺られるという表現は間違ってるよ」

男「・・・やかましい」

幼「えっと…ここからはもう解散だっけ?」

女「そうだな」

幼「そっか…じゃあ、一緒に帰ろっか、友君」

友「!!」

幼「ほら…えっと…うん…あれだし…ね?」

幼「お父さんと、お母さんに報告しないと」

男「話飛躍し過ぎだろ!?」

友「えっと、スーツで行った方がいいかな?」

女「珍しく友がテンパっている!!」
681: :2012/11/25(日) 00:56:02 ID:l5Pa902z2Y
女「ふむ…ならば、私達も帰るか!!」

男「あー、そうだな」

女「さて、男よ」

男「む?」

女「道中手を繋いで帰るか、腕を組ながら帰るか、どっちがいい?」

男「・・・手」

女「わかった」スッ

男「ああ」

男「帰るか、家に」
682: :2012/11/25(日) 01:00:25 ID:l5Pa902z2Y


男「ただいまー」

母「お帰りっ♪」

男「な、なんだ?いやにハイテンションだな…」

母「それはもう♪久しぶりの出番なんだから!!」

男「・・・あー、ずっと放置プレイだったからな」

母「出番なかったから…お母さんずっと…」

男「悪かったよ、母さ…」

母「ずっと父君と口では言えないあんなことやこんなことを…」

男「・・・」

母「そんなことより、お土産とか、お土産話とかあるでしょ?」

男「おう、大量にあるぜ」

母「父君帰ってきたら、皆で見ようね〜」

男「(俺は中身知ってるんだけどな…)」
683: :2012/11/25(日) 01:03:10 ID:l5Pa902z2Y
あああああ!!あげちゃった…

まあ…いいか…orz

皆さんこんばんは

1です

ようやく修学旅行編が終わりました

残す本編は後一つとなり、いよいよこのSSに終わりが見えて参りました

未來への系譜編…とでも名付けておきますかね…

さて…いい加減眠気が半端無いんで、この辺で

見てくださった方々
ありがとうございました


684: 名無しさん@読者の声:2012/11/25(日) 09:03:10 ID:29JW/UwDGk
未來への系譜編……どこかで聞いたような気が…いや僕の気のせいだろう。
最後まで見てますので頑張って下さい。

つCCCCCCCCCC
685: 名無しさん@読者の声:2012/11/25(日) 09:56:37 ID:ixQO7s5Doc
なんと…いよいよですか…
楽しみに待ってます


つCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
686: :2012/11/25(日) 10:07:39 ID:CT7VV0836g
>>684

マモレナカッタ…

ありがとうございます
そんなお言葉を頂けて私は幸福者です

支援感謝です

>>685

私にとってはようやくなんですけどねwww
でも、いよいよなんですよ

支援感謝です♪
687: :2012/11/25(日) 10:14:52 ID:CT7VV0836g


布団を畳み、下へと降りる

下では母がもう朝食の用意をしていた

女母「あら、女」

女「相変わらず早いな」

女母「ふふ、私の目の黒い内は私より先には下に降ろしませんよ」

このスピードを別の事に活かせばいいのにと最近思う

女母「母さんはいつくるの?」

女「産婦人科かが開き次第」

女母「開き次第って…まだ時間あるわよ?」

女「お母様を待たせるわけにはいかない」

そう、待たせるわけにはいかない

私のような女を娘と呼び、大事に見守ってくれていたお母様を


688: :2012/11/25(日) 10:21:10 ID:Sw0MpfAOAk
女母「ちょっと嫉妬しちゃうわね、母さんに」

女「何を言っている」

女「母がいなければ、私はこのように生を受けず、男に出会えなかった」

母「あんたは本当に男君の事が好きなのね」

女「もちろんだ」

女「だが、同じくらい父も母も好きだぞ」

母「・・・そういうことにしておいてあげる」

悟られたか?いや、母の事だから恐らく感づいてるだろう

言葉に出来ないくらいに感謝しているとはこういう事をいうのだろうな
689: :2012/11/25(日) 10:26:25 ID:Sw0MpfAOAk
女母「さて、そろそろお父さんを起こさないとね」

母が立ち上がり寝室へ向かう

女「休日なのだし、起こさなくてもいいのではないか?」

女母「今日は荷物持ちに付き合ってもらうのよ」

そう言いながら寝室に入り父の側に立つ
父はここからでもわかるくらいに爆睡をしていた

女母「えい」

女父「ぶふぉっ!?」

母が華麗な肘鉄(布団越し)を食らわし、爽やかではない目覚めを父に与えた
690: :2012/11/25(日) 14:04:12 ID:O5X0CHOlqg
女父「ったく、腹壊したらどうするんだっつの…」

父がぶつくさいいながら椅子に座り朝食に手をつける

女母「大丈夫、あなたなら壊さないわ」

女父「壊れるもんは壊れるっつの」

女母「大丈夫ですよ、約束したじゃないですか」

女母「貴方は私を置いて逝ったりしないって」

女父「・・・ちっ、何年前の約束持ち出して来てんだよ」

女母「あら?何年前というなら付き合った当時の恥ずかしいセリフでも…」

女父「やーめーれ!!」
691: :2012/11/25(日) 14:10:47 ID:O5X0CHOlqg
女「相変わらず仲がいいな」

女母「誰かさんの育て親ですからね〜」

女父「といっても、男の所には負けるがな」

女母「あら?私達もラブラブしてみます?」

女父「ぶふぉ!?」

父が盛大に飲んでいた茶を吐き出す

確かに柄じゃない

柄じゃないのはわかるが汚い
692: :2012/11/25(日) 14:19:28 ID:iuXlfLsjlI
女父「…そういや、今日検査にいくんだよな」

女「ああ」

女父「・・・そうか」

父が黙って茶を飲む

やはり父親としては複雑な気分なのだろう
私は親不孝な娘だ

女父「まあ…あれだ、どんな結果が出ても、だ」

女父「俺とこいつは、お前の味方だからな」

女「ありがとう…父」

女父「ただし、認めたわけじゃねぇからな」

女「大丈夫だ。力ずくで認めさせる」

女父「お前怖いわ!!」
693: :2012/11/25(日) 14:46:33 ID:MD.Og/oBiw
ピンポーン

女母「来たみたいね」

女「ああ」

立ち上がり玄関へと急ぐ

扉を開けると、お母様がいた

母「こんにちわ〜♪」

女母「おはようございます。それでは早速いきましょうか」

母「はーい♪」

無邪気に微笑むお母様
やはりこのお方は可愛らしさが滲み出ている

私も、お母様のような母親になれるだろうか

母「私がお世話になった所だし、事情も説明してるから、優しく教えてくれるよ」

女「ありがとうございます」
694: :2012/11/25(日) 14:53:08 ID:MD.Og/oBiw
産婦人科

母「じゃあ、受付で診察券の発行手続きとかしてて。お金とかはもう払ってるから」

女「そんな、私のお金で…」

母「いいからいいから、早く書いてきちゃいなさい」

女「・・・すみません」

母「・・・母親として、一つ聞いてもいいですか?」

女母「どうぞ」

母「あの二人の子供が出来る事に賛成ですか?」

女母「母親としてなら大反対ね」

母「・・・私もです」

女母「でも、個人的には…あの二人には幸福になってもらいたいの…」

母「・・・ええ」

女母「今は二人ともまだまだ子供で、世間は容赦なくあの二人に襲いかかるでしょうね」

女母「でも、私達が思ってより、ずっと強いのよね」

母「・・・知ってます」
695: :2012/11/25(日) 15:00:13 ID:MD.Og/oBiw
診察室

医師「初めまして、貴女が女ちゃんね?母ちゃんから話は聞いてます」

女「え…あ?」

母「医師ちゃん、あんまり威圧しないで…」

医師「母ちゃんは黙ってなさい」

医師「じゃあ、自己紹介ね?私の名前は医師、年は24、独身。これくらいでいいかしら?」

女「年齢と独身はあまり関係無いのではないか?…あ、ないんじゃ…」

医師「いいのよ、いつもの態度で。変にかしこまられるよりそっちの方がよっぽどいいわ」

医師「それで、大体の話はすでに母ちゃんから聞いてるから、確認だけするわね?」

医師「男君として、中にしたのね?」

女「はい」

医師「了解、それじゃそこのベッドに寝て。これから検査するから」

女「はい」スッ

医師「あ、それともう一つ」

女「?」

医師「イけた?」

女「なっ!?ななな、何を!?///」

医師「その様子だとイッたみたいね。初めてでイクなんてあんまないんだけど…関係ないか」
696: :2012/11/25(日) 23:57:17 ID:/FPw2cAcBE
30分後

医師「ふーん…なるほどねぇ」

女「ど、どうだろうか?」

医師「結論から言うわね、妊娠してないわ」

女「・・・よかった」

医師「ただ、ちょっと注意が必要かもね」

女「え?」

医師「男君が普通の人より精子が少ないってのは聞いたわね?」

女「ええ」

医師「ああいうのは遺伝か家系かでよくあるんだけど…稀にいるのよ、特殊な体質を持った貴女みたいなのが」

女「・・・つまり?」

医師「簡単に言うと、貴女は人より受精しやすい体ってこと、受精率が高いのね」

医師「だから普通の人とやってたから確実に妊娠してたわ。たまたま相手が男君だから良かったけど…と、良いか悪いかは人次第か」

医師「とにかく、貴女は赤ちゃんが出来やすい体だって事を覚えておいてね」
697: :2012/11/26(月) 00:00:28 ID:HFamDqVsHc
女「・・・」

医師「立場上、貴女の今の年齢で子供を産むなんて賛成出来ないし、仮に産んだとしても、貴女と男君には辛い日々が待ち受けるわ」

医師「お互いが幸せなら、お互いがいるならそれでいいなんて甘い考えは早く捨てなさい。現実はもっと厳しいんだから」

女「・・・そんなことわかっている」

医師「わかってるならいいわ」

女「ありがとうございました」

医師「困ったらいつでもいらっしゃい。時間作ってあげるから。お大事に」

女「はい」
698: :2012/11/26(月) 00:03:47 ID:/FPw2cAcBE
皆様こんばんは

1です

今日は大量更新しました。
正直やり過ぎた感がありますが、気がついたら手が勝手に…

とまあ、なんやかんやで軽く重大な部分を終わらせましたが…

多分、多分ですよ?
水曜日までには終わると思います…今のペースなら

私が更新サボったり、後は用事が立て込んだりしなければの話ですがね


それでは、今日の投下はこれで終了となります

見てくださった方々
ありがとうございました
699: 名無しさん@読者の声:2012/11/26(月) 00:06:43 ID:eCsBSFeLfk
女と男はあらゆる面でbestなカップルなんだなぁ…

つCCCCC
700: :2012/11/26(月) 17:44:19 ID:Ck6no1fVS2
>>699

支援感謝です♪

本当になんなんですかねこの二人、まさに作られたとしか…おっと、誰か来たようだ
701: :2012/11/26(月) 17:48:47 ID:bd.VSVzfCA
帰路

女母「妊娠してなくて良かったわね」

女「ん…うむ」

母「でも、女ちゃん特殊な体質だったのね〜、子沢山じゃない♪」

女母「でも、私は普通だけどね」

女「え?」

女母「誤解しないでね?医師さんも言ってたけど、本当に遺伝とかじゃなく体質的な話なの」

女「・・・」

母「さってと、これから忙しくなるわよー」

女母「全くね」

母「女ちゃん!!ヤるときは必ず避妊しなさい!!」

女「は、はい」

女「って、何が忙しくなるのですか?」

女母&母「気持ちの問題的な?」

女「・・・はあ」
702: :2012/11/26(月) 17:56:47 ID:bd.VSVzfCA
家に向かう帰り道、私達はまるで同い年の学友かのように話し合った

駅前にケーキ屋が出来た話

商店街に食べ放題が出来た話

コンビニの新商品

思えば私はこんな会話をしたことがまるでなかった
男に会うまでは

…こんな時まで男の顔を思い出すなんて、本当に私は男に惚れてるらしい

まるで目の前にいるかのように…

母「あ、男君」

女「!!」

男「女三人よればかしましいって言うけど、あんたら二人でもかしましいな」

女母「女はいつでも甘い物を求めるのよ」

男「そんなもんすかね」
703: :2012/11/26(月) 18:01:39 ID:Ck6no1fVS2
女「何故ここに?」

男「別に、たまたま散歩してたら見つけただけだ」

女「そうか…」

何を期待しているんだ私は

男が私を探すなんて、あるわけがないだろ

母「あ、折角だし今から食べにいかない?コンビニの新商品」

女母「いいわね。すぐいきましょう」

母「というわけで、男君!!女ちゃんを無事家まで送るように。あ、お土産何がいい?」

男「プリン」

母「…おこちゃま」

男「あ?」

母「なんでもないよ♪いってきまーす」
704: :2012/11/26(月) 18:08:15 ID:Ck6no1fVS2
男と二人にされ、沈黙が続く
この時間さえ幸せに感じるなんて、私は真性らしい

男「検査…どうだった?」

女「妊娠はしていない。良かったな」

男「そっか…」

何やら男は言葉を選んでるような、なにかをいいかけているような素振りだった

男「悪い、女。俺嘘ついた」

女「?」

男「俺、お前のこと探しに来たんだよ。検査の結果がどうあれ、あんまり1人で抱え込ませたくないし…俺も力になりたいから」

今こいつはなんと言った?

探しに来た?私を?

女「・・・」

男「女?」

嬉しい!!嬉しい!!
男が!!私を探しに来てくれた!!
705: :2012/11/26(月) 18:30:32 ID:bd.VSVzfCA
女「・・・ふ、そんなに私が恋しかったか?」

男「なんでそうなるんだよ」

男に心配されたのが凄い嬉しくて、つい強がりを言ってしまう。私の悪い癖だ…要改善だな

女「私がそんなことでくじけたりはしないさ。だが、その気持ちはありがたく受け取っておくよ」

男「へいへい」

女「なあ…妊娠してなくて…安心したか?」

男「・・・安心、したかな」

男「でも、ほんのちょっとだけ、悔しい」

女「・・・そうか」

本当にこいつは私を悦ばせる事しか言わない
私の事を何もかも知っているように
私は男に自分の全てを見せても何も恥ずかしい事はないのだが、男はそうさせてくれない

こいつは誰よりも我が儘で、自分勝手で、優しい
706: :2012/11/26(月) 18:34:28 ID:Ck6no1fVS2
男「そいじゃ、お前を家まで送りますかね」

女「ああ、頼む」

手を伸ばして男の手を握る

男もそれに指を絡めてくれて応えてくれた

女「男、今幸せか?」

男「なんだよ、急に」

女「いいから答えろ」

男「そうだな…幸せだよ。お前は?」

女「私はもちろん幸せさ」

お前の幸せが私の幸せなんだからな

愛してるよ。男
707: :2012/11/27(火) 21:41:43 ID:KdRzS59wow
翌日 学校

男「・・・そういや、もうすぐ卒業だな」

友「分かりやす過ぎる導入どうもありがとう」

幼「そっか…もうすぐ卒業か…皆と会えなくなっちゃうのかな?」

友「どうかな…少なくともこの四人は会えそうだけど…」

後輩「友先輩!?まさかその四人って、友先輩と幼先輩と先輩と私ですか!?」

男「お前だけはないから安心しろ」

後輩「私だって先輩の家くらい知ってますし、連絡先だって知ってますからね!!」

幼「えっと…後輩ちゃん。凄く久しぶりな気がするね…」

男「なんやかんやで色々バタバタしてたからな」

後輩「そうですよ!!修学旅行はまだいいとして、男さん!!」

男「なんだよ」

後輩「風の噂で聞きましたが…先輩を抱いたって…本当ですか?」
708: :2012/11/27(火) 21:57:48 ID:l5Pa902z2Y
男「・・・ああ」

後輩「っ!!なんで…」

女「それは私が望んだからだ。後輩」

後輩「先輩…」

女「案ずるな、お前との約束、忘れちゃいないさ」

後輩「そんな約束…どうだっていいです!!」ダッ

男「後輩!!」

女「そっとしといてやってくれ…頼む」

幼「女ちゃん…」

友「そうだね…僕達が後輩に出来る事はないし」

男「・・・」
709: :2012/11/27(火) 23:57:09 ID:OEv/Nma8qg
後輩「・・・はぁ、先輩に怒鳴っちゃった」

後輩「嫌われただろうな…やっぱり」

男「お、こんなところにいたか」

後輩「うわわ!?」

男「どうしたよ?遂に女離れか?」

後輩「っ!!貴方には関係ありません!!」

男「ああ、確かに俺には関係ないな。だが、女が気にしてるし、俺もあいつがあんな風になるのは見たくないからさ」

後輩「知ったような口を!!」

男「今でも女の事が好きなのか?」

後輩「・・・わかりません」

男「・・・」

後輩「わかんないんです。好きは好きなのに、前みたいに全力でぶつかっていけない…先輩にいつものような接し方が出来ないんです」

男「お前の中で女に対する見方が変わって来てるって事か」
710: :2012/11/28(水) 00:02:25 ID:RKYfkzbfdU
後輩「・・・」コクン

男「いつから異変に気づいた?」

後輩「・・・先輩と貴方が寝たって聞いた辺りから」

男「・・・」

後輩「なんで…私はいつもみたいに出来ないんでしょうか」

男「・・・俺から言うことでもないし、寧ろ俺から言ったらお前怒るだろうと思ってたから言わなかったけど、お前は女を神格化しすぎなんだよ」

後輩「・・・」

男「確かに、あいつは1人でなんでも出来るし、多分端から見れば超人って奴なんだろうな」

男「でも、近くにいて、あいつもやっぱりただの人間なんだよ。弱い部分もある」

男「綺麗でなんて、いられないし…」

後輩「・・・」
711: :2012/11/28(水) 00:06:18 ID:RKYfkzbfdU
男「お前と女が交わした約束の内容は俺は知らないけど、きっと体絡みなんだろ?」

男「お前は綺麗なままの女でいてほしかったんだ。違うか?」

後輩「そうかもしれません」

後輩「でも、だからって先輩を幻滅するようなことはしません…」

男「そうだ。お前は一生女を崇拝し続けるだろうな」

男「ただ、今までの崇拝の仕方が間違っていた事に気づいただけだ」

後輩「仕方が…間違っていた」

男「お前は自分の理想を押し付けていただけなんだよ。ありのままの女を見てやってくれ」

後輩「・・・」
712: :2012/11/28(水) 00:12:58 ID:RKYfkzbfdU
後輩「・・・全く、私も丸くなりましたね…貴方に説教されるなんて」

後輩「でも、ありがとうございます。お陰で自分を見つめ直す事ができそうです」

男「良かったな」

後輩「男さんでも役に立つときはありますから」

男「やっぱその方が後輩らしいわ」

後輩「・・・後輩、そうですね」

男「?」

後輩「ご卒業、おめでとうございます。男先輩」

男「!!」

男「え。おま…」

後輩「か、勘違いしないでくださいよ!?今を逃したら二度と言わないから今言ってあげただけなんですから!!」

男「・・・サンキュ」

後輩「っ!!先輩の所に戻ります!!」ダッ

男「もうあんな所にいるよ…」

男「男先輩…か、多分二度と言われないな、ありゃ」

男「俺も戻るか」
713: :2012/11/28(水) 00:16:06 ID:RKYfkzbfdU
皆様こんばんは

1です

とりあえず今時間を巻き戻せるなら、水曜日に終わるとほざいた自分を殴りにいきたい

終わらせる気がまるでありませんね、ええはい

でも、今週中には、頑張って終わらせたい…です

終わる終わる詐欺はしたくないですから…はは

ダイジョウブタブンオワルヨタブン

今日の投下はこれで終了となります

見てくださった方々
ありがとうございました
714: 名無しさん@読者の声:2012/11/28(水) 00:28:49 ID:jQQv9H14xo
壁|ω・`)(…終わりが延びて喜んでるだなんて言えない…)

壁|ミ サッ

壁|つ⌒CCCCC
715: 名無しさん@読者の声:2012/11/28(水) 05:03:45 ID:.qrYyG1Zbc
壁|ω・`)(…延びたことへの謝罪もかねて)

壁|・`) (出産編・子供成長編まで決定だなこりゃ…)

壁|`)(…がんがれ…)

壁|ミ サッ

壁|つ⌒C
716: 名無しさん@読者の声:2012/11/28(水) 10:29:14 ID:Sbys4aIzKQ
壁|ω・`)(…壁から支援が流行ってるのかな?)

壁|・`)(ラストスパートがんがれ…)

壁|ミ サッ

壁|つ⌒C
717: :2012/11/28(水) 17:39:58 ID:9u8vOEqdD6
>>714

壁|ω・`)(…無期延期届なら出せますよ?)

壁|・`)(支援感謝…)

壁|ミ サッ

>>715

壁|ω・`)(…一体何スレ書かせるつもりなんだい?)

壁|・`)(支援は感謝だけど…)

壁|ミ サッ

>>716

壁|ω・`)(…壁支援があるなら壁レス返があってもいいじゃない)

壁|・`)(ラストスパートがんがるよ…)
718: :2012/11/28(水) 17:45:44 ID:9u8vOEqdD6
男「結構本格的に進んできたな、準備」

友「お帰り、どこ行ってたの?」

男「ちょっと体育館覗いて来た」

幼「怒られるよ?」

男「見つかる前に逃げたから多分大丈夫」

友「見つかって捕まって準備手伝わされれば良かったのに」

男「最近お前言い方が露骨になってきたよな」

男「って、あれ?女は?」

友「生徒会の最後の仕事」

男「まあ、思い入れあるからな…」
719: :2012/11/28(水) 17:51:40 ID:9u8vOEqdD6
生徒会室

女「・・・」

女「・・・副会長か」

副会長「バレてんのかよ、てか、いつから気づいた?」

女「この部屋に入った時から」

副会長「それ、つまり最初からって事だよな」

女「前生徒会長を覚えているか?」

副会長「ああ、あののほほんとした奴だろ?唯一俺を生徒会に入れる事に賛成した」

女「ああ…私は前生徒会長から託されて生徒会長に就任した。彼の志を継いだつもりだった…」

女「彼の理想は誰よりも綺麗で、誰よりも現実的だった」

女「私は、彼の意志を継げただろうか…継げたとして、それを後の代に受け継がせる事が出来るだろうか」
720: :2012/11/28(水) 18:00:47 ID:XwlCAHCuzs
副会長「お前はよくやってるよ。側で見てた俺が保証する」

女「そうか…」

副会長「それともあれか?まだしたりない事でもあるのか?」

女「いや、それはない。私は十分過ぎる程に職務を全うしたつもりだ」

副会長「ならいいいじゃねーか。後は若いやつらに任せて、俺達年寄りは隠居ってな」

女「まだそこまで年はとってないが?」

副会長「比喩だよ。わっかんねーかな?」

女「言わんとしていることは、大体理解しているつもりだ」

副会長「あ…そ…」
721: :2012/11/28(水) 19:56:59 ID:qf2Xyjydl2
副会長「大体、過保護じゃないか?そんなに後の代が心配かよ」

女「彼らならよくやってくれると信じてるさ」

副会長「どのみち、後少しで俺達とこの学校の関係は無くなるさ」

女「・・・」

副会長「冷たいような事言うけど、現実なんだよ」

女「わかっているさ」

ガラガラ

副会長「わかってる…か、半分は自分に言い聞かせてたんだけどねぇ」

副会長「お前以上に最高の生徒会長はいないよ」
722: :2012/11/28(水) 20:00:37 ID:MD.Og/oBiw
体育館

男「・・・」

男「・・・」

男「(なげぇ!!)」

男「(この卒業式特有の喋っちゃいけない感。たとえ練習だとわかってても従わざるを得なくなっちまう)」

男「(かといって眠くなるわけもなく…っておい!!あいつ寝てるぞ!!)」

男「(くっ、友や幼と話したいのに二人とも微妙に遠いから話しかけづらい…ていうか、あの二人は隣同士かよこんちくしょう!!)」

司会「続いて、生徒代表の言葉。女さん、お願いします」

女「はい」

男「・・・」
723: :2012/11/28(水) 20:06:13 ID:MD.Og/oBiw
女「・・・本番では恐らく、私が壇上で何かを話すだろう」

女「よって、私からは控える。しかし、練習とはいえ、本番と同じ気持ちでやってほしい」

女「終わります」

男「(やっぱあいつ壇上に上がると様になるよな…)」

男「(でも、いくら女でも本番と同じようにって言ったって直るわけ…)」

男「(全員キチンとしてるーー!?)」

男「(馬鹿な!?さっきまで涎を垂らして寝ていた奴でさえ寝てたのが嘘みたいなお目目ぱっちりだぞ!?)」

男「(なんつーか…こいつは本当に凄い奴だって改めて思うよな…)」
724: :2012/11/28(水) 20:10:42 ID:qf2Xyjydl2
先生「あー、お前ら。お疲れさん。楽にしていいぞ」

先生「まあ、これは練習だから本番は倍くらいかかると思えよ」

先生「で、だ。今週末にはいよいよ卒業式だ」

先生「俺を含める先生方がお前らガキに勉学を教える最後の週でもある」

先生「卒業すんのに今更勉強とか、かったりーよなんて思ってる奴。覚悟しとけよ」

先生「とにかく、先生からの話は以上だ。他に何もないならクラス毎に教室戻れー」
725: :2012/11/29(木) 00:09:42 ID:Jf7QBBD9R6
男「今週末には卒業ね、なんか実感沸かないわ」

女「皆、似たような気持ちだろう」

男「でも、卒業式してから実感するんだろうな」

友「当事者だと、中々わからない事もあるしな」

幼「・・・私、卒業したくないな」

友「幼さん?」

男「まーたお前は中学校の二の舞か?」

幼「・・・」
726: :2012/11/29(木) 00:13:42 ID:Jf7QBBD9R6
幼「皆と離ればなれになっちゃうんだよ?そんなの寂しいよ…」

友「幼さん…」

男「大丈夫だって。幼」

男「俺達はたとえ離ればなれになっても、ずっとずっと今のままさ」

幼「・・・」

男「それに、今ならお前を支えてくれる大事な奴がいるだろ?」

幼「・・・」

友「え?そこで僕に振る?」

友「えっと…僕じゃ役に立たないかもしれないけど…幼さんが寂しくならないように頑張るから…」

友「だから…えっと」

幼「…ありがとう。友君」

友「・・・うん」
727: 1(投下終了):2012/11/29(木) 00:18:27 ID:Jf7QBBD9R6
男「おうおう、見せつけてくれるねぇ」

女「うむ。実に妬くな」

友「君達、たちの悪いチンピラかなんか?」

友「だいたい、君達もいちゃつけばいいじゃないか」

男「残念ながら卒業するまでは無しだ」

幼「え?」

女「昨日、男と誓約を交わした。卒業までは一切手を出さない代わりに、卒業したら好き放題していいと」

男「・・・な?」

友「ああ…そう」

女「だから私ははやる心を抑えつつ、男をどうしようかずっと考えているのさ。そうだな…軽く20はあるか」

男「そんなにあんのかよ!?」

女「当然だ」

幼「やっぱり…二人はお似合いだね」ヒソヒソ

友「誰もこの二人の真似は出来ないだろうね」
728: :2012/11/29(木) 18:13:05 ID:Ou70Vp7aU.
産婦人科

医師「次の方、どうぞ」

ガチャ

男「おいーす」

医師「なんだ。君か」

男「なんだは無いだろ」

医師「何のようかな?一応こちらも職務に勤しんでいるのだが」

男「とか言いながらコーヒーを用意するその手はなんだ」

医師「仕事合間の一服だよ。案外暇でね」

男「職務に勤しんでるんじゃなかったのか」

医師「今はな、君も飲むか?」

男「ああ」
729: :2012/11/29(木) 18:20:28 ID:Ou70Vp7aU.
男「インスタントなのに旨いっていう不思議」

医師「淹れ方ににコツがあるのさ。それで?何の用かな?冷やかしなら警備員を呼ぶんだが」

男「女、特殊な体質なんだってな」

医師「ああ、聞いたの?」

男「まあ…一応」

医師「そっか…」

男「なんか、今更だけど良かったわ…俺の体質に感謝したの初めてかもしれない」

医師「どう解釈するかは人の勝手だから口を挟む必要はないけど、人間含む生物の基本行動は子孫を残す事だから、その点から言えば君は人より劣ってると言えるね」

医師「でも、今回ばかりは君がその体質で良かったよ」
730: :2012/11/29(木) 18:25:23 ID:2f6ATVrpfk
男「やっぱり、俺や女みたいな体質の奴って少ないのか?」

医師「君の場合家系によるものが大きいからなんとも言えないけど、女のは少ないよ。一万人に1人位の確率さ」

男「そんなに…か」

医師「でも、そんなと女と巡り会えた君はこれも運命なんだろうね」

医師「本来なら子沢山に恵まれそうだけど…果たしてどうかな?」

医師「ま、アタシから言えるのはこれぐらい」

男「サンキュ」

医師「もうすぐ卒業だっけか?」

男「ああ」

医師「しっかり責任取んなかったら、アタシがぶっ飛ばしにいくからね」

男「怖いな、そりゃ」
731: :2012/11/29(木) 18:29:06 ID:2f6ATVrpfk
卒業式当日

男「・・・いよいよか」

幼「えぐっ、ずるる…うぇっ、ひっく…」

友「幼さん。水飲む?」

幼「ありがど…どもぐん…ずるる」

男「泣きすぎだろ」

女「だが、これが幼らしさだからな」

友「まあね…ほらほら、涎も出てるじゃない」

幼「うう〜〜〜」

友「(嘗めとりたいなぁ…)」

先生「おーう、お前ら。さっさと準備しやがれー」

先生「・・・頑張れよ」ボソッ
732: :2012/11/29(木) 18:33:02 ID:2f6ATVrpfk
男「(やっぱり流石に本番じゃ誰も寝ないな…つーより、なんか凄く緊張するんだが…)」

男「(あ〜あ、幼の奴顔がぐしゃぐしゃだよ…って友!?殺気周りに向けんな!!)」

司会「続いて、生徒代表の言葉。女さん。お願いします」

女「はい」

男「(・・・来たか)」
733: :2012/11/29(木) 18:44:08 ID:Ou70Vp7aU.
女「三年前、私達はこの学舎で出会い、三年間を過ごしてきた。時間にしてみれば途方もなく長く感じるが、私にとってはあっというまの三年間だった。この中で千差万別、多種多様。様々な学園生活を送って来ただろう」

女「部活に精を出した者。学業に精を出した者。スポーツに精を出した者。行事に精を出した者」

女「私は二年で生徒会に入り、三年生で生徒会長を勤めさせてもらい、この学園の為に力を尽くした」

女「皆、私を支持してくれて、様々な行事や政に協力してもらった」

女「私は本当に感謝している。本当にありがとう」

女「今、私達はこの学園から巣立ち、社会に出ようとしている」

女「社会は苦しく、厳しく、誰もが一度は心を折られてしまうだろう」

女「だが、そんなときには思い出してほしい。共に過ごしたこの時間を、共に泣き、共に笑いあったこの時を」

女「私達は1人ではないことを、離れていても強い絆で結ばれていることを」

女「さよならは言わない。きっとまた出会えるから、だから私はこの言葉を皆に送る」

女「また会おう!!」
734: :2012/11/29(木) 18:52:12 ID:Ou70Vp7aU.
司会「・・・」パチパチ

先生「・・・」パチパチ

生徒「・・・」パチパチ

パチパチパチパチパチパチ

男「全く…最後の最後でかっこつけやがって…」

幼「ぶぇぇぇぇん!!」

友「ちょ!?幼さん!!」

司会「ありがとうございました。」

司会「卒業生が退場します。皆様、拍手でお見送りしてください」
735: :2012/11/29(木) 19:42:01 ID:YvGSKaKD7o
男「この学校ともおさらばか…なんか悲しいな」

幼「ふぇぇぇぇん!!」

友「もうハンカチないんだけど…」

女「友、すまないが幼を送ってやってくれないか?」

友「言われなくても。じゃあ、またね。二人とも」

幼「ま、まだ、まだね〜」

男「呂律が回ってねぇぞ…」

女「・・・」

男「心残りか?」

女「まさか、私はこの学園に甘えすぎていたのだぞ?」

女「ただ…思い出が多すぎる…」

男「ちょっと、着いてきてくれ」

女「?」
736: :2012/11/29(木) 19:56:17 ID:O9oYtu06ZI
公園

女「・・・ここは」

男「そ、俺とお前が出会って、お前が俺に告白した場所」

女「ふふ、あの時のお前のテンパり具合といったら…」

男「しょうがないだろ。あの時は初めてだったんだから」

女「確か、お前は返事は考えると言っていたが…結局返事はもらえなかったな」

男「お前の勢いに圧されたんだよ」

男「・・・でも、もう圧されない」スッ

女「え?・・・っ!?」

男「婚約だから、正式ではないけど…それでも形として残したいしさ…」

男「俺と、結婚してくれますか?」

女「・・・」

男「・・・」

女「・・・はい」
737: :2012/11/29(木) 21:49:38 ID:9T.4e7jXrM
【エピローグ】

学校

先生「はい。では皆?宿題の作文をやって来たかな?」

「「はーい!!」」

先生「はい。それでは少年君から」

少年「はい!!」

少年「ぼくのかぞく」

少年「ぼくのかぞくはさんにんかぞくです」

少年「お父さんとお母さんはとってもなかよしで、いつもニコニコしています」

少年「お母さんはお父さんの事がすごく大好きで、1日5回は抱きついています」

少年「ぼくは、そんなお父さんとお母さんがとっても大好きです!!」

先生「はい、よく読めましたね」
738: :2012/11/29(木) 21:53:12 ID:vjov.GZqPA
少年「せんせい、さようなら」

先生「はい。さようなら」

少年「あ、お母さん!!」

少年「おかあさーん!!」タッ

女「こらこら、あまり走ると転んでしまうぞ」

少年「きょうはね、お父さんとお母さんのおはなしをしたよ」

女「私達の?」

少年「うん。さんにんかぞくでなかよしだって!!」

女「そうか…それを聞いたら男も喜ぶだろうな」

少年「お父さんは?」

女「今日は早番で早く帰ってくるらしい」

少年「やったぁ!!」
739: :2012/11/29(木) 21:58:24 ID:vjov.GZqPA


少年「ただいまー」

男「おー、お帰り。早かったな」

女「お前こそ、一体どうしたんだ?」

男「先方の都合が合わないとかでドタキャン。いい迷惑だよ」

少年「お父さん!!きょうはね、お父さんとお母さんのおはなしをしたよ!!」

男「どんなお話?」

少年「とってもなかよしっておはなし!!」

男「仲良し…まあ、仲良しだな」

少年「えへへ〜」

男「ほら、手洗いうがいをしっかりな」

少年「うん!!」タタター
740: :2012/11/29(木) 22:06:48 ID:9T.4e7jXrM
男「仲良し…ね、まあ曇りなき子供の目からみたらそうなるのか」

女「ならお前はどんな風に映っているのだ?」

男「いつ喰われるか、戦々恐々」

女「・・・私と結婚して、後悔してるか?」

男「ばーか」グイッ

女「んむ!?」

男「後悔なんて、とっくの昔に捨てたよ」

女「ふふ、腹を括ったか」

男「当たり前だ」

少年「なんのおはなししてるのー?」

男「なんでもないよ。先に部屋に戻ってなさい」

少年「はーい」

この小さな幸せを守る
それが今の俺がやるべき事

苦悩なんてしてられない。俺の…いや、俺達の旅路は始まったばかりなのだから


変態女と苦悩男と天然幼と真面目友2

fin
741: :2012/11/29(木) 22:10:01 ID:vjov.GZqPA
皆様こんばんは

1です

はい、というわけで
変態女と苦悩男と天然幼と真面目友2

これにて完結となります

んーと、まあ…終わったからといって、特になんも言うことがありませんし…あるといえば

ここまで見てくださった方々や前作から見続けて下さっている方々には感謝の言葉を並べても足りないくらいです

本当にありがとうございました!!

それでは保管庫依頼してきますノシ
742: 名無しさん@読者の声:2012/11/29(木) 22:15:18 ID:S2cKUGff36
うあああいああああああっああうああああああえあああっっ!!(´;ω;`)
743: 名無しさん@読者の声:2012/11/29(木) 22:24:45 ID:TcxQr27ML2
お疲れ様です(^^ゞ
楽しい話をいつも有難うございます( ̄ー+ ̄)
744: 名無しさん@読者の声:2012/11/30(金) 00:30:02 ID:0fd8NEJ9sQ
友と幼はどうしてるんだろう…
745: 名無しさん@読者の声:2012/11/30(金) 02:53:10 ID:gWo5pRD/ec
お疲れ様でした(^-^)
楽しい作品ありがとうございました(^-^)。
746: 名無しさん@読者の声:2012/11/30(金) 04:54:02 ID:uPw7LDQPE.
>>1
と、>>744がこう仰ってますよ?(ニヤリ

ともあれ、完結乙!
747: :2012/11/30(金) 06:38:00 ID:x4x9i9Nzlc
沢山のお言葉が来てる…

>>742

涙をお拭きなさいつ◇

>>743

こちらこそ、ご回覧いただき感謝です♪

>>744

A.仲睦まじく暮らしています

>>745

そう思っていただければ作者冥利につきます
ご回覧お疲れ様でした

>>746

・・・新婚編は犠牲になったのだ

ご回覧お疲れ様でした♪
748: 名無しさん@読者の声:2012/11/30(金) 09:16:15 ID:qgiF/MRZ3c
今回も素晴らしい作品をありがとうございます!!
また作者の作品を読める日を楽しみにしてます!!
お疲れ様でしたm(__)m
749: :2012/12/1(土) 14:40:33 ID:ovgO5aKipM
>>748

こちらこそ、最後までご回覧いただきありがとうございました!!

感謝してもしたりないくらいです
750: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
373.12 KBytes

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