ユクモ村
自然溢れるこの村は周囲に緑が多い
俺の名前はセネル=ボルアス
一応この村のハンターだ…新米だけど
今俺はハンターの基礎を教わるべく訓練所に訪れている。もちろん村長からのいいつけもあるが、それ以前に両親との約束で、ハンターになるなら必ず訓練所にいけと言われていた
両親は二人ともハンターだった。ただ…この世にはもういない
ヤマツカミ討伐中に飛竜に襲われて死んだらしい
その場にいたハンターの証言と、遺品が送られてきたからまず間違いないだろう。ハンターは死と隣り合わせの職業だといつも父さんが言っていたし、覚悟はしていたつもりだった
それに悲しみに暮れるよりも、ハンターとなって父さんと母さんの意思を受け継ぐ事が、俺に出来る一番の弔いなんだと思っていた
422: 名無しさん@読者の声:2013/1/9(水) 00:20:03 ID:5doDPcEGjU
ナルガたーん!!
423: 名無しさん@読者の声:2013/1/9(水) 00:25:01 ID:r2FnmB6dc2
ナルガたん…
つ 古の秘薬
つ こんがり肉
424: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/9(水) 22:38:27 ID:mB1el9yyaE
>>421
>>422
なんだろう。私の心の中がとても重いです
>>423
・・・もはや、何も言いません
425: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/9(水) 22:45:02 ID:mB1el9yyaE
ナルガクルガと交戦を開始してから10分が経過した頃、私はある違和感を覚えていました
このクエストでは確かドスファンゴがいたはず
しかしいつまでたっても出てこない…
恐らくルーさんが交戦中と思われますが…ルーさん程の人が遅れを取るなどはないでしょう…なにやら嫌な予感がしますね…
「セネル君!!」
私は弓をしまいながらポーチから閃光玉を取りだし
「ここは一時撤退しましょう!!ルーさんと合流し、体制を整えます!!」
セネル君は小さく頷くと、閃光玉が当たりやすい位置までナルガを誘導してくれました
私は閃光玉を投げつけ走り出します
背後で目映い光が起こったかと思うと、ナルガの苦しげな鳴き声
「こっちです!!」
私はセネル君を先導しながらルーさんを探し始めました
426: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/9(水) 22:52:41 ID:mB1el9yyaE
ルークの指示でナルガから撤退した俺達はルーを探していた。ルークによるとこのクエストにはドスファンゴも確認されており、多分ルーはドスファンゴと戦っているとのこと
ルーがドスファンゴに苦戦するとは思えないんだけどな…
そう思いながら探索をしていると、見慣れた金色を見つけた
「ルー!!」
俺は急いでルーに駆け寄る
ルーはドスファンゴの死体に背を預け荒い息をしていた
「・・・セネルか」
「ルー!!どうしたんだ!?」
「大丈夫だ…問題ない」
どう見たって大丈夫じゃない。心なしか顔が赤い
俺はルーの額に手を置く
「っ!?熱!!」
「・・・」
ルーはやや疲れたような表情で
「・・・すまない、足手まといにはなりたくなかったんだ…だから、大丈夫だと…思って…」
ルーの言葉が徐々に小さくなっていく
俺はルーを必死に揺さぶった
427: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/9(水) 22:58:37 ID:mB1el9yyaE
「ルー!!駄目だ!!」
「セネル君、落ち着いてください。これをルーさんに」
ルークから手渡された薬をルーに飲ませる
荒い息が少しだけ収まり、楽になったように見えた
「いずれにせよ、ここでは応急処置もまともにできません。まずはベースキャンプに…」
「ガアアアアアアア!!」
「っ!?」
いつの間にか追ってきていたのか、ナルガが俺達の少し先に降り立っていた
俺とルークは咄嗟に武器を取り出す
「セネル君。私が全力でナルガを引き付けます。その内にルーさんを」
「・・・わかった」
俺は武器をしまいルーを背負おうとしたとか
「ガアアッ!!」
「セネル君!!」
「なっ!?ぐはっ!!」
突然ナルガが左翼のブレードで俺に襲いかかる
かなり距離はあったのに一瞬でここまで縮めてくるなんて…
「ギャウウ!?」
ナルガの体が炎に包まれる
ルークが弓をひたすらに射っていた
「今のうちです!!早く!!」
428: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/9(水) 23:04:07 ID:bQ3wFvPoik
ルークの支援を受けながらなんとかルーを背負い走り出す。その間もナルガは俺達を攻撃しようとしてはルークに止められていた
「よし…もうちょっと!!」
「ガアアアアアアア!!」
後ろでナルガの咆哮が聞こえる
・・・咆哮?
驚いて振り返ると
「っ!?」
ナルガが目前にまで迫っていた
ナルガはブレードを振りかぶっており、今から避けるのは不可能…ルーか俺がどちらかが直撃を受けるしかない
俺は…ルーを…
「くっ!!」
俺はルーを地面に落とし、双剣を構える。気休め程度に目の前で交差させて攻撃を受け流そうしたが
「ぐあっ!!」
双剣ごと弾き飛ばされ地面に叩きつけられる
ルーはちょうどナルガの真下にいて気づかれてはいなかった
429: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/9(水) 23:09:13 ID:bQ3wFvPoik
「そうだ…それでいい…」
俺はフラフラと立ち上がりながら双剣を拾う
ナルガは俺のことを敵とみなして臨戦体勢を取っていた
ルーには辛いかもしれないが…俺がここでナルガを引き付ければ…
「っ!!はあああ!!」
「ギャウウ!!」
突然ナルガが悶え苦しむ。見ると、ルーが下から槍を突き刺し背中を貫いていた
「はあ…!!はあ…!!」
ルーは顔をしかめながらも槍を離さない
俺は双剣を構えナルガに突撃する
真っ直ぐに剣を突きだし、捻りながら切りつける
「セネル…!!やれ!!」
ルーが苦しそうな声で止めを促す
俺は、高く跳躍しナルガの頭上から双剣を降り降ろした
430: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/9(水) 23:15:01 ID:bQ3wFvPoik
ズルッとナルガから槍が引き抜かれる
ルーは返り血で真っ赤だった
「ルー…」
俺はフラフラとルーに近づく
ルーはと息を切らしながら、それでも笑顔で
「やったな…セネル」
「俺は何もしてないよ、ルークやルーがいてくれたからだよ…」
俺はルーの隣に座りルーを見る
ルーはまだ起き上がれないらしく、大の字で寝そべったままだった
「なんとかなりましたね」
所々がボロボロなルークが近づいてくる
「助かった、ルーク…本当に感謝している」
「いえいえ、最後の一突き、お見事でした」
ルークが一礼をする
「ナルガの素材を剥ぎ取って…ギルドに帰ろう。ルーの治療もしたいし」
俺達はナルガの素材を剥ぎ取った後、ギルドへと戻ることにした
431: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/9(水) 23:17:19 ID:mB1el9yyaE
皆様こんばんは
さぎしです
とりあえず半分ちょいが終わりましたね、はい
ただ問題は…まあ、はい。うん
戦闘の表現がまるで出来てませんね…精進します
本日の投下は終了となります。見てくださった方々ありがとうございました
ここまでのご回覧
乙狩れ様でした♪
432: 名無しさん@読者の声:2013/1/10(木) 09:15:28 ID:hsi.8HSAe6
っCCCCC
433: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/10(木) 20:09:08 ID:y4tJpZ5ZuI
>>432
支援感謝です♪
うーむ、まともに支援もらえるように頑張らんと…
434: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/10(木) 20:15:34 ID:y4tJpZ5ZuI
「お帰りなさいませ。ナルガクルガの討伐を確認をいたしました」
カエデさんが一礼して労いの言葉をかけてくれる。でも、今の俺達はそれが必要なんじゃなくて…
「・・・医療班をお呼びします」
カエデさんがルーをチラと見ただけで察してくれる
「本当に…頼りになるな…」
「それ、どういう意味?」
「うわ!?コノハか…びっくりさせんなよ…」
俺の呟きを聞いていたのか、すぐ横にいたコノハが俺をジトっと睨み付ける
「はいはい。どうせ私はお姉ちゃんみたいに落ち着いてないし、胸も大きくないですよーだ」
「胸は関係ないだろ。というより、お前が落ち着いてたら逆に怖い」
「なによそれー!?」
コノハが膨れっ面になり俺に掴みかかる
「ちょ、おま、俺怪我して…」
435: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/10(木) 20:21:12 ID:b4dYJxAukI
「仲がいいですねぇ…」
ルークがからかうように俺達に話しかける
「ほんと!?ルークさんそう見える!?」
コノハが素早い動きでルークに詰め寄るが、それはるかに越えるスピードど俺の後ろに移動したルークは
「もちろん。私が見たなかで二番目くらいに」
親指をたてながら爽やか笑顔を向ける
若干俺の肩を掴んでる手が震えてるように感じるのは気のせいという事にした
「じゃあ、一番は?」
コノハが不安気に問いかける
「それはもちろん…」
ルークが治療されているルーと俺を交互に見る
「・・・そっか」
コノハは項垂れてカウンターに戻った
いったい何がそんなに気を落とすような言葉だったのか
「腹痛か?コノハ、休めるときは休めよ?」
「・・・君は鈍感ですねぇ」
「は?」
「いや、なんでも」
やれやれといった風に肩をすくめるルーク
なんなんだよ…
436: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/10(木) 20:27:39 ID:y4tJpZ5ZuI
そんなことより、俺はルーが心配だった
仮設のベッドに寝かされ治療を受けているルーに近づく
「申し訳ありませんが、現在治療中ですので」
医療班の一人が俺を制止する
邪魔しちゃ悪いかと思い離れようとすると…
「まて…そいつは…セネルは…いい」
ルーが息絶え絶えに俺を呼んだ
「・・・どうぞ」
医療班が道を開けてくれる
俺はルーの側に行き、しゃがみこみながら
「調子は?」
「無茶を…し過ぎたらしい…しばらく絶対安静…だ」
ルーは笑っていたが、明らかに辛そうだった
「・・・ルーを、お願いします」
「おまかせください」
後を医療班に任せて俺は家に戻る。素人が口だす必要はないし、餅は餅屋ということだ
437: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/10(木) 20:42:10 ID:b4dYJxAukI
「ルーさんの症状は、疲労から来る風邪だそうです」
家に戻ると、お茶を準備してくれていたルークが話し出す
何故俺の家の構造を把握しているのか
「多分数日前から具合はあまりよろしくなかったようですね。加えてドスファンゴの牙による裂傷から細菌が入り込んだみたいです」
「・・・」
「ご安心を、あそこにいた医療班はギルドナイツが誇る最高の医療班ですから」
ルークが俺を安心させるように微笑む
「ですが、やはり安静は必要ですね。しばらくは狩りには出れないみたいです」
「いいよ…それで」
俺もお茶を飲みながらルーの狩りに反対する
ルーはどうも狩りで無茶をする傾向にあるからな
「それまでは私と組んでいただきますが…お願い出来るでしょうか?」
「こちらこそ、頼りにしてるよ。ルーク」
「ご期待に応えられるように頑張ります」
ルークはにっこりと微笑んだ
438: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/11(金) 20:18:53 ID:1rWYGP2MtE
「では、セネル君。早速ですが、ベリオロスについて知ってる事を」
俺とルークはギルドで依頼を受けて凍土に来ていた。ベリオロスの討伐である
「えっと…凍土のナルガクルガと呼ばれるくらいに速くて…琥珀色の牙に、翼の棘、それから尻尾に針があって、それらがスパイクの役割わ果たしてる。だっけ」
「そうですね。良くできました」
ルークは笑顔で拍手をする
ルークはなんとなく先生に向いているような気がした
「では、次です」
ルークの顔から笑顔が消える
「クエストが始まり、目の前にベリオロスがいた場合は?」
「・・・距離をとる!!
「グオオオオオオ!!」
439: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/11(金) 20:28:06 ID:whq.aZ6wWc
ルークと俺が左右に散らばる
ルークは左翼を、俺は右翼に同時に攻撃を仕掛けた
「ベリオロスのスピードは尋常ではありませんが、翼の棘を破壊すれば機動力を奪う事が出来ます!!積極的に狙ってください!!」
ルークは言うが早いか、矢を何本か掴むと、ろくに狙わず射つ
しかし、それらは全てベリオロスの左翼に当たっているのだから、恐るべき腕前だ
「俺もボヤボヤしてられないな!!」
俺は右翼に数回切りつけ蹴り飛ばす
しっかり定着してしまった蹴りだが、戦いやすいので問題はない
そのまま流れるように切り刻み少しずつ右翼にダメージを蓄積させていく
「グギャアアアア!!」
突然ベリオロスが左翼から倒れこんだ
見ると、ルークが矢でベリオロスの左翼を切りつけていたのである
ルークは小さく親指を立てると、ベリオロスの顔に近づき、立派な琥珀色の牙に物凄い速さで矢を射ち始めた
「ガウッ!!ガァッ!!ギャン!!グギャアア!!」
矢が刺さったかと思えば次の矢がすでに刺さっている一瞬の隙さえ与えない見事な速射に俺はただ立ち尽くしているだけだった
ベリオロスがようやく立ち上がる。きれいな琥珀色の牙はすでにボロボロだった
「でえいやああああ!!」
ルークに遅れを取るまいと俺も右翼を切り裂く
しかし、ベリオロスは俺をターゲットに切り替えると、猛然と襲いかかってきた
440: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/11(金) 20:34:42 ID:whq.aZ6wWc
「ふっ!!」
短く息を切る音が聞こえ振り返る
ルークはいつの間にか遠くに移動していて、弓から何かを放っていたようだった
いったい何を…そう思った瞬間
「ギャアアアア!!」
ベリオロスの頭上から無数の矢が降り注ぐ
予想もしていない攻撃にベリオロスは完全に虚を疲れた
「今だ!!はああ!!」
俺は渾身の力を込めて右翼を切り裂く
バキィ!!っという音がして、ベリオロスは右翼から崩れた
「流石ですセネル君!!」
ルークはまたいつの間にか俺のすぐそばまで来ていて
「せめて…安らかに逝かせてあげましょう」
そういいながら弓を構える
ベリオロスはもがき苦しむが、ルークが弓を構えると動かなくなってしまった
「・・・心臓を自ら止めましたか」
ルークが残念そうに呟き弓をしまった
441: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2013/1/11(金) 20:40:21 ID:whq.aZ6wWc
「し、死んだふりじゃ…」
剥ぎ取りナイフを構えたルークに聞く
あまりにも早すぎるような気がしたからだ
「ゲリョスじゃありませんし、多分問題ないでしょう」
そういいながらルークは手早くベリオロスを解体していく
・・・ゲリョスっつてなんだよ
「ほら、セネル君。急がないと死体が消えてしまいますよ」
ルークに急かされ俺もベリオロスを剥ぎ取りにかかる。今日はなんだかルークの本気を垣間見たような気がした
「これで戻りましょうか。ルーさんの治療も終わってるかもしれませんし」
「そうだな…って!?時間潰すためだけにクエスト出たのかよ!?」
「一番時間を潰せるのが狩りだけなんですよ」
ルークは肩をすくめながらやれやれと呟いた
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