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三蔵「…岩から尻が生えている」
[8] -25 -50 

1: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 01:13:20 ID:clfaSnFbdM
尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」

三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」

尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」

三蔵「しかし無駄に毛深いな」

尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」

三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」

尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」

三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」

尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」

三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」

尻「おい」

三蔵「下の毛とか意味わかんない」

尻「おいこら」


153: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/3(火) 23:30:26 ID:L72rFc9g22
沙悟浄「うわ、頭の中から声がする。念話かい」

三蔵「菩薩とかの声とおんなじアレだな。これちょっと気持ち悪いよな」

八戒「出てきて話さんかい!聞けば天候すら操れる大妖怪じゃろ貴様!恥を知らんのか!」

悟空「八戒ちゃん戦う気マンマンで見栄を切ったのにねぇ…」

八戒「そうじゃっ!この気持ち何処に持って行けと言うんじゃ戦えぇえ!」

霊感大王『………だって…ズルい……そんなん…ムリ……』

小龍「…数の利を卑怯と言いますか」

八戒「あぁもう怒鳴り疲れたわい……!戦るのはワシひとりじゃ!ワシを負かせば退いてやる!出てこい!」

霊感大王『……そんなに……大勢…ゾロゾロと………やめて……大人も居るし……嫌だ…怖い…』

三蔵「…ん?」

霊感大王『……小さい子供だから喋れるのに……でも大声だし、なんか難しい事言うし、貴方達は嫌………退治とか勘弁して……無理無理お父さんお母さん以外の大人とか無理無理無理……』

悟空「ひきこもりだ!」

八戒「…あ、こりゃダメなヤツじゃ」

沙悟浄「うあぁアタイこーゆー奴イライラするっ!」

小龍「…なるほど。だから生け贄だけで祭壇に来させてたんですね…」

三蔵「うーん……じゃあ霊感大王さーん、せめてもう生け贄とか止めてくれるって約束してよー。そしたらなんもしないからさー。なんなら菩薩とかに俺から頼んで、天界で暮らすとかも出来るかもだし。ね?」

八戒「…女に甘い」

悟空「…お師匠さまウロコ系もいけるんですね…」

沙悟浄「くっ!目を離した隙にっ!」

小龍「…時と場合を選んで口説いて下さいよ」

三蔵「徳を示しただけだよお前ら俺が僧侶だって忘れてない!?」

霊感大王『…あはは何言ってんだろこの人、そしたら私のゴハンどーしろってのよデリバリー以外でどーやってゴハン食べろってゆーのよ、あと引っ越し?無理無理無理コミュ障になにムチャ振りしてんのよ、あーもー早く帰ってくんないかな私ヒザの匂い嗅ぐのに集中したい』

悟空「ブツブツとなんか怖いよお師匠さま!」

三蔵「軽くキレてるあたりがムカつく…!」
154: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/3(火) 23:32:40 ID:L72rFc9g22
>>152三蔵のセリフ
三蔵「距離をおいて後をつけるってのも、意外と面倒臭いな。生け贄の子供だけで河辺の祭壇まで…って、どんなルールだ全く。あと悟浄歩きにくい歩きにくい」

です。『おいて』が何故か抜けてましためんご。
155: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/4(水) 23:52:43 ID:oL9GrTiuj.
三蔵「……ご、悟浄……もっとひっついて…!」

沙悟浄「えっ…!や、やだ旦那様、そんな人の目が、ここ外だし、ア、アタイ心のじゅじゅ準備が…!」

悟空「来られると来られるで引いちゃうあたりが悟浄ちゃんだねぇ」

三蔵「…ちがう。寒、寒い…!」

八戒「確かに冷えるの。まるで北国じゃ」

悟空「だからってスク水の上にメイド服って八戒ちゃん……マニアック過ぎるよ…」

八戒「ワシはデリケートなんじゃ。小龍、焚き火が消えそうじゃぞ」

小龍「…はい、お待ちを」

沙悟浄「じゃ、じゃあ旦那様、まずは、まずは手から……ってかアタイもけっこー寒いのに、シャオと悟空姐さんは平気そうだね」

小龍「…私は実家が海底ですから。寒冷には慣れてます」

悟空「竜宮城って中は暖かいけど外は寒いもんねー」

三蔵「…お前ちょっと体毛分けろよズリィよ」

悟空「暖をとれるレベルで濃く見えます?ほら腕とか肌色!ほら肌色だよ?」

八戒「しかし、難儀じゃの」

沙悟浄「こっちが河の中に入ろうとしたら、まさかここまでしてくるなんてねぇ…」

小龍「…河全体を凍らせるとは、規格外にも程があります」

霊感大王『……あーもー早く帰ってくんないかなホント……次は雪でも降らせたら帰るかな……あれ疲れるのになんなのコイツらマジ迷惑なんですけど暇なのかよ帰れよ』

三蔵「くっ…!テレパシーで腹の立つ独り言を…!」

悟空「この子ちゃんとやれば強そうなのにね…」
156: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/4(水) 23:56:12 ID:oL9GrTiuj.
八戒「九歯馬鍬の炎でも溶けんかったからの、この氷。相当な妖力じゃ」

三蔵「まさに心の氷か。他者を寄せ付けない絶対零度の壁か」

小龍「…私と先生の間にあるヤツですね」

三蔵「いつか溶けると三蔵法師は信じてます」

沙悟浄「悟空姐さん、ぶっ壊せないかい?」

悟空「…どうだろ……普通の氷ならどんな厚くてもいけると思うけど…」

三蔵「試しにやっ」


ドォォォォォォォォォォォォン!!!!


三蔵「…て?」

悟空「なに、地震!?……うわ」

沙悟浄「河が…割れてる…!」

小龍「…上空に気配が、悟能様」

八戒「皆、隠れよ。嫌な気じゃ」

悟空「…この感じ……」





霊感大王「……やだ、やだ……なに…?またアイツら…?もうやだなんなの放っといて…!」

牛魔王「よう、霊感の」

霊感大王「ひっ」

牛魔王「なにやってんだお前?なんの遊びだよコリャ。ワカサギでも釣るのか?」

霊感大王「ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ…!!!!」

牛魔王「まあ良いや。この辺に坊さんが来なかったか?無駄に毛深い娘を連れてる坊さんなんだが」

霊感大王「う、う、う、う、ま、ま…!!!!」

牛魔王「お前人の名前言うだけでそれとか、いい加減なんとかしろよ」
157: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/5(木) 00:02:57 ID:dt9vImOcMU


沙悟浄「…シャオ、見えたかい?」

小龍「…姿形は確認出来ませんでしたが、氷の亀裂に入っていったようですね。此方には気付いていないかと」

八戒「なんじゃあの桁外れの圧は。久方ぶりに戦慄を覚えたぞワシは…」

三蔵「なんなの気配とか圧とか。パンピーにも解るように説明してくれ……あれ?悟空は?」

沙悟浄「あっちの方にビューンと」

三蔵「うんもう説明良いやわかった」





悟空「おおおおおお兄ちゃんだだだだだ…!!!逃げちゃダメなのはわかってる、わかってるんだけど一旦、一旦逃げよう山に帰ろ…痛たたたたたたたっ!!?わーんこうなるって知ってた!私知ってた!」





三蔵「今回粘るなあアイツ」

小龍「…よっぽど嫌なんですね…」

沙悟浄「とすると、やっぱ牛魔王かい」

八戒「じゃな。あの氷を一撃とは、姉者が恐れるのも納得かも知れん」




悟空「うわぁぁぁん頭痛いお兄ちゃん恐い頭痛いお兄ちゃん恐い頭恐いお兄ちゃん痛いぃぃぃぃいっ!!!」
158: 名無しさん@読者の声:2013/9/5(木) 01:43:16 ID:Y96HeWp78A
三蔵とシャオの漫談がいい。言葉のチョイスも面白いw
これは是非最後まで書いてほしいのでC
159: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/6(金) 18:09:11 ID:dt9vImOcMU
沙悟浄「残像呪!てあぁっ!」

牛魔王「おう、なかなか」

小龍「…悟能様、いけます」

八戒「うむ!焔重ねて、吹き飛ばせぃ九歯馬鍬!」

牛魔王「お、龍神のブレスか。天界で暴れてた頃を思い出すぜ」

三蔵「八戒熱い!こっちまで火の粉が!」

八戒「もっと離れとれい!こっちも余裕が無いっ!」

沙悟浄「敵さんは余裕綽々なのが腹立つね、まったく…!」

小龍「…これが、悟空さんの義兄……平天大聖牛魔王…!」

牛魔王「くくく、悪くねぇぞお前ら!どうだ?3人とも俺の妾にならねぇか?平等に愛してやるぜ?」

八戒「御免被るの。ワシは汗臭い男に興味は無い」

沙悟浄「アタイの頭の先から足の裏まで、すべて旦那様のモノだよっ!誰がアンタなんかにっ!」

小龍「…私は男です。目がお悪いようで」

牛魔王「くっくく、フラれたか、残念だ。それと少年、俺はお前ならオッケーだぜ?」

小龍「…何をふざけた事を」

三蔵「まあわかる」

八戒「小龍なら仕方ないのう」

沙悟浄「下手な女の子より可愛いからねぇ」

小龍「………」

三蔵「何故俺だけ睨む!?」




悟空「…………うわぁぁあ……バトってるよぅ…!急に輪っかが締め付けて来なくなったから、どーしたのかなーって思って戻って来たけど……どうしようお兄ちゃんだよやっぱり…!」
160: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/6(金) 18:11:35 ID:dt9vImOcMU
牛魔王「坊さんよ、良い弟子持ってんじゃねーか。大した顔してねぇクセに、これだけ上物を侍らすたぁ、見上げたぜ!」

三蔵「ことあるごとに顔を云々言われるが、そんなに悪かねーよちくしょう」

沙悟浄「そうだよ!旦那様は世界一のイケメンだよ!」

三蔵「そうだそうだ!」

八戒「あーもう師匠殿、黙っとれ。お主が喋ると何かこう、戦う気が失せる」

小龍「…離れててください。しっしっ」

三蔵「ホントに良い弟子だよ!」

牛魔王「そうか。戦の邪魔は良くねぇな。魂さえ無事なら構わねぇし、声帯でもかっ斬っとくか」

三蔵「え」

八戒「しまっ…!!」

小龍「待てっ!!」

沙悟浄「旦那様ぁぁぁぁあっ!!!」


ガキィィィィィィン!!!


牛魔王「…よう、孫」

悟空「…ひ、ひさしぶりだね、お兄ちゃん…」

三蔵「何が起こったのかすら……あ、悟空」

八戒「…姉者!ナイスタイミングじゃ!」

沙悟浄「良かった…!良かったぁぁ…!」

小龍「……ふぅ」

牛魔王「本当に久しいな、孫。俺に武器を向けるたぁ、成長したじゃねぇか」

悟空「え、えへへ。つい、その、えへへ」

牛魔王「お前が身体を張って人を守るなんてなぁ。まさかその坊さんに惚れたか?くく、あの孫が色恋たぁ、こりゃあ傑作だ!」

悟空「うん、お兄ちゃんちょっとタイム。お師匠さま露骨に『え〜…マジかよコイツ…』って顔しないで!あと悟浄ちゃん『キイィ…!こんな身近に敵が居たなんて…!』みたいな空気出さないで!違うから!」

八戒「姉者、大変じゃの色々と」

悟空「もういっぱいいっぱいなんだから!うわぁぁん!」
161: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:39:21 ID:Ie5.npZXAs
牛魔王「しかし安心したぜ孫。封印されてた割にゃあ、腕は衰えてねぇみたいだな」

悟空「え、うん、えへへへへ……」

三蔵「お前カッコよく出てきたのに敵と一切目を合わせないのな。カッコ悪いぞ悟空」

悟空「うるさいですよもう!お師匠様もいつまでも尻もちついてないで、離れてて下さいよ!」

三蔵「いや腰が抜けて立てねえんだよ」

悟空「そんな人にカッコ悪いとか言われたくない!」

牛魔王「おうおう、イチャイチャしやがって、くくく」

沙悟浄「そのイチャイチャちょっと待ったぁ!」

八戒「お主まで止めぃ悟浄、ワケがわからんことになる」

小龍「…本当に先生が絡むと、真面目が続きませんね…」

牛魔王「くく、こんな孫も面白ぇな。さて」

狐耳の幼女「……もう行こうよ、パパ」

牛魔王「うお、何だよ来たのかよ」

悟空「……誰?」

三蔵「紹介して欲しい」

沙悟浄「浮気だよ旦那様っ!キィィッ!」

八戒「娘を連れてくるとは、遊覧か何かのつもりかの、牛魔王」

小龍「…我々など遊びついで、とでも言うんですかね」

牛魔王「あ?コイツは俺の女だぜ?」

狐耳の幼女「……牛魔王が第二夫人、玉面公主」

八戒「なんと」
162: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:40:56 ID:Ie5.npZXAs
悟空「…お兄ちゃん……相変わらずの守備範囲の広さだね……」

小龍「…先生、何も泣かなくても」

三蔵「だって!だって夫人って!妻って!」

沙悟浄「なんで…!なんでアタイは幼女じゃ無いんだいっ…!」

牛魔王「玉、霊感の奴と遊んでろって言ったじゃねぇかよ。も少し俺にも遊ばせてくれよ」

玉面公主「……やだ。今日は玉と一緒の約束。それにあの魚つまんないから、壊しちゃったし」

四弟子「…!」

牛魔王「くくくくっ!夫の友人を殺すたぁ、流石は玉だぜ!仕方ねぇ孫、今日は仕舞いだ。そうだ玉、お前、コイツらどう見る?」

玉面公主「……三蔵法師は、まだ食べ頃じゃない。魂に不純物が多い」

悟空「つまり心が汚ないと」

三蔵「そーゆー意味だとしたら僧侶として少し反省」

玉面公主「……一番できるのは沙悟浄。動きがまあまあ。次が孫悟空。力は大きいけど使いこなせてない」

沙悟浄「なんか褒められたよ?」

悟空「えー納得いかない」

玉面公主「……玉龍はまだまだ若い。そして」

小龍「…まあ悟能様の例が有りますから、私より年上なのでしょうね、この方も」

玉面公主「……猪悟能。貴女は弱い」

八戒「………」

玉面公主「……まあ自分でも解ってるだろうけど。ねえパパ、もういいでしょう?」

牛魔王「おう、成る程な。坊さんよ、もっと修行しとけ、今じゃ食っても仕方ねえってよ。…よし、行くか玉。朝まで寝かせねえからな、くくく」

玉面公主「……いやん」
163: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:47:23 ID:lg2kHXsfJw








悟空「…か、帰ってくれたぁぁぁぁぁぁあ………!」

三蔵「悟空、地べたに寝るなよ汚ないぞ」

沙悟浄「よほど恐かったんだね、姐さん」

悟空「実は少し漏らしてます」 

三蔵「うわぁ近寄るな」

小龍「…悟能様」

八戒「…うむ。お主にも、皆にも説明せねば、の」

悟空「お師匠さまひどくないですか!?助けたのにそんなちょっと漏らしたくらいで!」

三蔵「いやお前よく見たらだいぶいってるじゃねぇか下半身グッショリじゃねぇか!」

沙悟浄「替えのズボンあったかねぇ…」

八戒「……皆、話がある。聞いて欲しい」

悟空「なんですか!幼女のおしっこと私のおしっこの何が違うっていうんですか!」

三蔵「高級シャンパンと出涸らしの番茶くれぇ違ぇよ」

沙悟浄「これが魂の不純物…!いつかアタイが取り除いてあげるからね旦那様…!」

悟空「でも取り除いちゃったら食べられちゃうよねお師匠さま」

三蔵「つまり未来永劫ロリコンでいろ、と」

八戒「おーい。これからワシけっこーシリアスな話するんじゃから纏まれい」
164: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/8(日) 18:36:39 ID:Ie5.npZXAs
八戒「結論から言うとじゃな。ワシの妖力は、もうゼロに近い」

悟空「…お腹空いてるの?」

沙悟浄「トシかい?」

小龍「……妖力、ですか」

八戒「…まあ、わからんじゃろな」

三蔵「頼むから俺みたいなフツーの人間にも解るように説明してくれ」

八戒「うむ。師匠殿もワシ等の戦闘を見ておるじゃろ?ほれ、姉者が毛で分身を作り出したり、悟浄が幻術を使ったり、じゃ。あれ全て、妖力という力を使うとる。仙力とも言うの。人間が使うところじゃと、法力や気力の様なものじゃ」

三蔵「習った習った。でもその試験、ヤマ張って外したなー」

悟空「よく僧侶になれましたねお師匠さま」

八戒「無論この力は、腕力や脚力…基本的な戦闘能力にも反映される。体力と同じで無限では無いが、まあ栄養を採って一晩ぐっすりと寝れば、回復するモノじゃな」

沙悟浄「……姐さん、つまりどーゆーことだい?」

八戒「じゃから、もうワシにその妖力が無いんじゃよ。ワシは妖力が回復せんのじゃ。先の牛魔王との小競り合いで、ほぼ使いきったからの」

小龍「…何か隠されているとは感じていましたが、妖力が回復しない…?呪いかなにか、受けられたのですか?」

沙悟浄「そんな呪い、聞いたことないねぇ」

八戒「…呪い、か。似たようなモノかもの。小龍、主は天帝に裁かれて、どうなった?姉者、悟浄にも訊こう」

小龍「…どう、と言われましても。ご存知の通り、極刑は免れましたが、下界へと堕とされました」

沙悟浄「アタイもおんなじだね」

悟空「…私は岩の中に封印のオマケ付きだけどね…」

八戒「ほほ、姉者は罪が図抜けておるからの。ワシも姉者程では無いが、天帝も相当お怒りでな。下界に堕とすだけでなく、人間へと転生させられかけたのじゃ」

沙悟浄「え、でも姐さん」

八戒「お前らアレじゃろ、ワシが豚ベースの妖仙じゃと思っとるじゃろ。これはの、転生させられる間、滅茶苦茶に抵抗したらどーゆーワケか、豚の胎内に入り込んでしもうたのじゃ」

悟空「うわあ」

沙悟浄「魂だけで暴れるとか、姐さんらしいねぇ…」

八戒「まあ人じゃろうと豚じゃろうと、そのままではワシはワシで無くなってしまう。必死で肉体情報を持ち越そうとした。で、先の話に戻るがの。なんとか妖仙として転生出来たは良いが、妖力だけは持ち越し『のみ』じゃった。この身体は、新たな力を一切生まぬ」

沙悟浄「…そういうワケかい…」

小龍「…悟能様」
165: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/8(日) 18:39:30 ID:Ie5.npZXAs
八戒「旅に出るまでは、力を使うほどの敵になど会わんかったからの。………そんな顔をするでない。九歯馬鍬もある、その辺の雑魚ならば……ん?師匠殿と姉者は?」

小龍「………あ、河の方に」



悟空「ねえ飼っていい?飼っていい?」

三蔵「水槽を持ち運ぶワケにもなあ」

八戒「これお主ら。人が真面目に話しとるのに、ちぃとは大人しく聞いてられんのか」

三蔵「いや、なんか水辺でバチャバチャと音がして」

沙悟浄「そういや氷が無くなってるね」

悟空「可愛いの見つけたんだよ!ねえお師匠さま飼いたい飼いたい!」

小龍「……これは……珍しい金魚ですね」

金魚『……金魚とか。そりゃ金魚だけど。好きでこんなんなってるワケじゃないっつの…あーもー嫌だ…ぞろぞろなによ煩い煩い…』

三蔵「この声」

八戒「…霊感大王」

沙悟浄「殺されたんじゃなかったのかい?」

金魚『……あんな狐なんかに殺されるとかあるわけないじゃん頭沸いてんのかなこの人……不意を突かれただけだし油断しただけだし私もともと喧嘩とかバカみたいなコトしないし……』

三蔵「…お前コイツほんとに飼いたい?」

悟空「やっぱ良いや口悪いしジメジメしてるし」

八戒「ほほ、何とか逃げたのか。しかし見たところ、力のほぼ全てを投げ出したようじゃの。音に聞こえた霊感大王も、これまでか」

金魚『……黙れば良いのにチビのくせに上から目線やめてよウザいウザい……あーあ、これじゃ何にも出来ないじゃんプランクトンでも食べながら生きてくしかないじゃん……』

小龍「…少し不憫ですね。まあ人を食らってきた報いですが」

金魚『……同情するならなんとかしてよ口だけで何言ってんのよ帰れよ……ほんと哀れむなら人参果の一つでも持ってきてよそしたら元の妖力だって戻るのに……』

八戒「…!おい霊感大王、その話詳しく」

金魚『……人にモノ訊く態度じゃないよね頭が高いよねまず呼び捨てって』

八戒「姉者、塩焼きと刺身、どちらが良い?」

悟空「あえての天ぷらかな」

金魚『はい話しますカラッと揚げないで』
166: 名無しさん@読者の声:2013/9/8(日) 20:28:54 ID:uCKO46U9Zc
一位おめでたうございます!!
167: 名無しさん@読者の声:2013/9/8(日) 21:54:27 ID:a1Vd159yFg
八戒ちゃんファイト!
っCCCCCCCCCCC
168: 名無しさん@読者の声:2013/9/8(日) 22:32:20 ID:GvDxSQ9qhY
支援私怨紫煙死怨
好きなのどうぞ
169: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/9(月) 12:47:01 ID:SCU1uCVRO.
虎力大仙「…牛魔王様、どうぞ一献」

牛魔王「おう。しかし虎力よ、見ねえ内に随分と女っぷりを上げたじゃねぇか。どうだ今夜?」

鉄扇公主「……ほほほ」

玉面公主「…………」

虎力大仙「ぎゅ、牛魔王様ったらお戯れを、あは、あはははは…(ひぃぃ睨んでる睨んでる奥様方めっちゃ睨んでるぅぅぅう!!!)」

玉面公主「……玉も、おかわり」

羊力大仙「は。畏まりました玉面公主様」

鉄扇公主「…あら。私の杯も、とうに枯れて久しいのですけど」

羊力大仙「…こ、これは…!今直ぐに!失礼をばっ…!」

紅孩児「で、どうされたのですか父上。皆で食事だなんて、珍しい」

牛魔王「なあに、酒は大勢でやった方が美味いだろ?ほら、アレだ、家族団欒ってヤツだ」

紅孩児「ふふふ、似合いませんよ父上。僕はてっきり、何かお叱りを受けるのかと恐々としましたよ」

牛魔王「叱られるようなコトでもしやがったのか?ん?」

紅孩児「さあ、どうでしょうね。ふふ」

玉面公主「……これ、美味しいよパパ。あげる」

鉄扇公主「…玉面さん。その『パパ』というのは止めませんこと?曲がりなりにも天下の平天大聖が第二夫人としては、ちょっと、ねぇ」

玉面公主「……玉はちいさいから。おばさんとは違う」

鉄扇公主「おばっ…!?」

虎力大仙「りょ、料理の追加をお持ちしますねっ!」

羊力大仙「鹿力!わ、我輩も厨房を手伝おうか?」

鹿力大仙「あん?ちょっと待てよ今いー感じでガチョウが焼けるんだからよ。火加減が命だぜ…よし!」

紅孩児「…では父上、僕から父上にお叱りがあるんですがね」

牛魔王「ほぉう?」

紅孩児「止めて下さいよ、横槍は。三蔵法師の件は、僕の預かりでしょう?上にチョコチョコと手を出されては、部下に示しがつきませんよ」

牛魔王「孫のヤロウに挨拶しただけじゃねぇか。義妹に会いに行って何が悪い」

紅孩児「聞けば霊感大王様のお命すら。…まあそれは兎も角、僕に全て任せる約束ですよ?牛魔王は一度下した言すら」
170: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/9(月) 12:58:57 ID:MKG0EmJtgQ
牛魔王「わーかったわーかった!全く生意気言うようになりやがって!」

玉面公主「……なんか食欲ない」

鉄扇公主「あら、ご気分が優れないの?でしたら無理にここに居なくとも、奥に寝室を御用意させますわよ?」

玉面公主「……誰かさんの香水がきつい。くさい。トイレの芳香剤?」

鉄扇公主「あらあらあら…!それは困った誰かさんですわねぇ…!」

虎力大仙(もー無理!もーっ無理!なにこのギスギスした空間!?紅孩児も牛魔王様になんか突っ掛かってるし!)ヒソヒソ

羊力大仙(我輩、胃に穴が空きそうである!帰りたい!帰りたいぞこれは!)ヒソヒソ

鹿力大仙「おーし!ガチョウがうまぁく焼けたぜ皆!皮はパリパリ肉はジューシー…って、どーしたお前ら、汗がすげぇぞ?」

虎力大仙「……馬鹿は気楽で良いわよね…」

羊力大仙「…その心臓、分けてくれ本当に…」

鹿力大仙「?」
171: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/10(火) 15:02:33 ID:esaHs83m3Q
虎力大仙「……はぁぁ……つかれた……」

紅孩児「…やあ」

虎力大仙「…紅孩児。奥様方は?」

紅孩児「母上はやっと部屋に戻ってくれたよ。玉面さんも帰った」

虎力大仙「牛魔王様が早々に寝てくれて助かったわね。あんなんで朝までコースとかやられたら堪んないわ」

紅孩児「ふふ、御苦労様。鹿力さんと羊力さんは?」

虎力大仙「…鹿力は『そーいや俺、作ってばっかでなんも食ってねぇ!』とか言ってゴハン食べに。羊力はマジで胃に穴が開いて病院。労災出るんでしょーね?」

紅孩児「なんとも正反対な二人だね……」

虎力大仙「…アンタも随分ゲッソリしてるじゃない。ママの愚痴の相手、きつかったみたいねー」

紅孩児「ふふふ。で、虎力さん、好きな人いるの?鹿力さん?羊力さん?まさかウチの父上?」

虎力大仙「いやなにイキナリその乙女チックな話題、気持ち悪っ!」

紅孩児「良いじゃないの女同士そんな照れないで」

虎力大仙「鹿力と羊力は家族みたいなモノだし、そ、そりゃ牛魔王様はカッコいいけど……じゃないわよ。なにどうしたの大丈夫アンタ?」

紅孩児「母上と玉面さん連続でドロドロとした愚痴を聞かされた身にもなってくれ!もう辛い!ピュアな空気に浸りたい!女の汚い所をもう見たくない!」

虎力大仙「お、おちついて」

紅孩児「父上に絡んでたのも、あの二人と話したく無いからなのに!虎力さんたちは片付けだなんだってすぐに逃げるし!玉面さんはなんか『パパと同じ匂いがする』とかで僕に引っ付いてくるしそれを見てさらに母上は激昂するし!しまいにゃ芭蕉扇持ち出そうとするし館ごと吹き飛ばす気かあの人は!」

虎力大仙「どうどう」

紅孩児「これだから女は…!僕はこんなことなら男で良かった…!ドロドロドロドロと面倒臭い…!」

虎力大仙「ま、まあまあ。紅孩児美人なんだから、そんな勿体無いコト、ね?」

紅孩児「……虎力さん…」

虎力大仙「さて、アタシも全然飲めなかったんだから、付き合いなさいよ。行くわよ」

紅孩児「…やさしい……もしかして虎力さん、僕のこと…!でも僕には悟空が……そうだそれなら二人とも」

虎力大仙「アンタやっぱ牛魔王様の子供だわ」
172: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/11(水) 19:27:16 ID:yNWzRbQuPg
「万寿ランドへ、ようこそ〜!」


三蔵「……なんだこりゃ」

八戒「……遊園地、じゃの」

小龍「……霊感大王さんの話では、万寿山は五荘観、という寺にあると言ってましたけど…」

悟空「お師匠さま!私あれ!あれ乗りたい!」

沙悟浄「デ、デートの定番…!ゆうえんち…!」

三蔵「うーん、俺もガキの頃ならワクワクもしたろうが、こうも原色でゴテゴテしてると気が引けちまうな。これが大人になるってコトなのか…」

八戒「回転木馬に興じとる幼子をガン見しながら何を言うとるか。しかしこの有り様……霊感大王が嘘を吐いたとは思えぬが、目当ての人参果、何処にあるものやら」

小龍「…お寺は見当たりませんね。奇妙な城やら、可笑しな建物だらけです」

沙悟浄「よし手分けして探そう!姐さん達とシャオはあっち、アタイと旦那様は観覧車を!」

悟空「えー、やっぱりまずはなんか食べたい!えっと…あっ!あのお店!」

三蔵「お前らマジで引っ張り合うの止めろ比喩じゃなく体が裂けるテーマパーク殺人事件になる」

八戒「…お主ら、遊びに来たワケでは無いぞ?」

悟空「違うよ八戒ちゃん、ほらあのお店!売ってるよ、人参果!」

八戒「そう、ワシの力を戻せるはずの人参果を………なんじゃと?」
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うpろだ
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