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三蔵「…岩から尻が生えている」
[8] -25 -50 

1: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 01:13:20 ID:clfaSnFbdM
尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」

三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」

尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」

三蔵「しかし無駄に毛深いな」

尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」

三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」

尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」

三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」

尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」

三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」

尻「おい」

三蔵「下の毛とか意味わかんない」

尻「おいこら」


186: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/15(日) 21:26:23 ID:GjE.pg6sLA
創作板のイベントだって言うんでお話止めてなんかしました見逃して。

今日は疲れてるんでイベントの更新はこの番外編で見逃して。

台風気を付けてねー。
187: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/16(月) 14:01:44 ID:dDcXJHxXRg
三蔵「はい皆さんありがとうございましたー!サプライズ演劇、これにて終了とさせて頂きまーす!」

女「すごかったねー!」

男「褐色のねーちゃんの演舞、色っぽかったぜぇ…」

子供「おにーちゃんが竜になったね!ね!」

母親「ねえ、カッコよかったねぇ」




八戒「…なんとか誤魔化せたかの」

悟空「いっぱい拍手貰ったね!楽しかった!」

沙悟浄「姐さん……よくまあそうコロコロと気分が切り替えられるねぇ…」

小龍「…疲れました。私らがここまでする必要があるんですかね」

三蔵「こーでもしなきゃギャラリー散らせなかったろ。みんなお疲れー」

玉面公主「……面白かったわ……」

八戒「なんじゃ、まだ居ったのかお主」

悟空「割り込み子!なんですかまだお説教が足りませんか!」

玉面公主「……三蔵法師…」

三蔵「え?」

沙悟浄「旦那様に近付くな殺すよ餓鬼」

玉面公主「………敵意は無いわ。貴女達のボスは、彼なのでしょう?」

小龍「…何を企んでいるんです」

玉面公主「………これ」

三蔵「…名刺?」
188: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/16(月) 14:03:34 ID:dDcXJHxXRg
八戒「摩雲カンパニー総帥代理、白面企画(株)代表取締役、玉面公主…」

小龍「…本当にこの遊園地の出資者だったんですね…」

悟空「だからって割り込みはダメだよ!お客さんを蔑ろにして」

玉面公主「……貴女には、これ」

悟空「偉い人だったんだねぇ、じゃあしょーがないねぇ♪」

沙悟浄「年間パスひとつで懐柔されないどくれ姐さん!」

三蔵「ロリで人妻で社長かよ。属性多いなアンタ」

玉面公主「……死んだパパの会社よ……まあ玉が大きくしたんだけど。玉、優秀だから」

八戒「ほほ、自尊の強い者は嫌いではないがの。で?こんな物を見せて何のつもりじゃ?」

玉面公主「……だから、ウチで働かない?ショーのスタッフとして。お給金、弾むわよ……?」

沙悟浄「馬鹿言ってんじゃあないよ!敵の下になんて、アタイらを舐めたら痛い目見せるよ!」

小龍「…立場、というものを知らないようですね」

玉面公主「……人参果」

八戒「…っ!」

玉面公主「……欲しいんでしょう?人参果。働きによっては考えてあげるわよ?……都城ひとつより値の張る代物だけど……玉、やさしいから」

沙悟浄「…し、信用できないね!アンタは旦那様を食らおうとしてる牛魔王の」

小龍「………悟浄、さん…!」

沙悟浄「……シャオ…」

八戒「……」
189: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/16(月) 14:05:53 ID:dDcXJHxXRg
玉面公主「……まあ、そうなるでしょうね………だから、ボスに訊いたのよ。…どう?三蔵法師」

小龍「…先生、罠だとは解っています。いますが、しかし…!」

八戒「小龍、冷静になれい!」

三蔵「うん、やろう」

沙悟浄「旦那様っ!?」

八戒「師匠殿、悟浄の言う通りじゃ。ワシも敵の情けなぞ………」

三蔵「俺はまだ食べれるレベルじゃないんだろ?捕まっちゃったらまた助けてくれ。八戒、悟浄、お前らの考えはわかるけど、小龍が俺に頭下げてんだぞ?断ったら多分、今後の罵倒で消し飛ぶぞ、俺」

小龍「…先生…!」

沙悟浄「…あーもう!わかったよ!でも少しでも危なくなったら暴れるからねアタイは!」

小龍「…ありがとう、ございます……」

八戒「………いや、皆…すまぬ。小龍、すまぬ。感謝する…!」

玉面公主「……美しい情ね。………決まったかしら」

三蔵「おう。キチッと仕事してやる。そしたら約束通り人参果ってやつを寄越せよ。それと」

玉面公主「……それと?」


ガラガラガラガシャァァァァァァアン…!!!


三蔵「…この弁償代、チャラで」

悟空「ケホッ、ケホッ………あれ?故障?」

八戒「ちょ、なにやっとんじゃ姉者!?」

悟空「え、いや、ジェットコースター乗ってたんだけど」

沙悟浄「何をどーしたらジェットコースターが崩壊するんだい!?てかいつの間に乗って!?」

悟空「いや、なんかもっとスピード出ろ出ろ〜って思ってたら、あれ?」

小龍「……路銀の残りでは、払えそうにありませんね」

三蔵「弁償代プラス旅費も下さい」

玉面公主「………考えとくわ……」
190: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/17(火) 17:45:50 ID:FYaeDtpdPU
小龍「…やあやあ我こそは、天下無双のそんごくう…」

玉面公主「……もっと元気に。やりなおし」

小龍「…やはり孫悟空役は、悟空さんのが合ってると思うのですが」

玉面公主「……舞台を壊されちゃ敵わないわ。いいじゃない、主人公は男の子の方が映えるわ」

悟空「壊さないよ!私だけ仲間外れ嫌だっ!」

玉面公主「……玉龍役は白馬を用意すれば良いだけだし。子供向けの劇でムダ乳を揺らすのも良くないし」

悟空「すごい怖い目!?」

八戒「…のう、ワシの台詞じゃが、どーしても語尾に『ブヒ』って付けねばならんのか?」

玉面公主「……世間に広まってる猪八戒像は、どんくさくてマヌケでスケベな豚の妖怪だもの……諦めなさい…」

八戒「なんでそんな風に伝わっとるんじゃ!」

沙悟浄「それでもスケベって情報だけは伝わるあたり姐さんだねぇ」

三蔵「で、俺と悟浄が逆なのは?」

玉面公主「……最近の京劇の流行りよ。三蔵法師役は美形の女優が演るものなの」

沙悟浄「美形……!旦那様、聞いた?聞いた?」

三蔵「持ち上げに弱いよなお前も」

玉面公主「……それに沙悟浄って地味で見せ場も無いし、誰でも出来るから」

沙悟浄「なんだってぇ!?」

三蔵「上げられたり下げられたり大変だなお前も」
191: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/17(火) 17:47:08 ID:FYaeDtpdPU
玉面公主「……子供向けだから、大事なのは殺陣のシーンよ。物語部分は舞台でやるけど、そこは舞台前の広場まで出てきて貰うわ。……孫悟空、貴女はそこでパパ…牛魔王役をやってもらうから。鎧を着込めばクソ乳も隠せるし」

悟空「お、お兄ちゃんの役……てかクソ乳って悪口初めて!なにそれ!」

沙悟浄「…本当に何も企んで無いんだろうね」

玉面公主「……勿論。企んでるのは劇の成功だけよ。……そうそう、殺陣のシーンでは玉が観客に防御結界を掛けておくから。多少本気でやりあってもいいわ。………それじゃ、稽古を続けてて」



沙悟浄「…まったく信用出来ないねぇ……女狐だよ本当」

八戒「何度か殺気を送ってみたがの、眉ひとつ動かさん。あれは強いぞい」

小龍「…無事に終われば良いですが…」

悟空「……クソ乳はひどいよぅ…」

三蔵「でもちょっと楽しんでるだろお前ら」

沙悟浄「い、いやそりゃまあ美形とか言われるとヤル気が出ないでも無いさねムフフゥ…♪」

八戒「台本読んでみたが、猪八戒っておいしい役どころじゃの。台詞も出番も多いしさすがワシじゃ」

小龍「…この京劇の悟空さんの衣装、格好良いなあ、とは……」

悟空「お兄ちゃんのモノマネ本気でいこうと思います」

三蔵「それでこそお前らだ」
192: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/19(木) 13:07:52 ID:FYaeDtpdPU
三蔵「やー、小龍の孫悟空も板についてきたな。もう一番弟子あの子でいーんじゃないかと思えてきた」

悟空「もともと悟浄ちゃんより兄弟子なんですけどね。無理ですよお師匠さま、『兄さん』って呼べないよ可愛いもん」

玉面公主「……稽古、サボり?」

三蔵「サボりも何もほとんど台詞ねーんだもん沙悟浄」

悟空「私なんて『てきとーに悪い奴やって倒されて』って、これしか書いてないよ台本!紙切れ1枚!差別だよ!」

玉面公主「……それもそうね。三蔵法師、隣、良いかしら」

三蔵「良いけど君が俺に近付くと舞台の上の三蔵法師がメッチャ睨んでくるんだが」

悟空「悟浄ちゃん大丈夫だから私居るから殺気を止めて!乗ってる白馬が怯えてるかわいそう!」

玉面公主「……………」

三蔵「あの、顔が近いです顔が近いです。どうしよう悟空このままだと本能に負けて抱き締めてしまいそうになる!」

悟空「お師匠さま頑張って耐えて!そんなんしたら舞台の上の三蔵法師が爆発しちゃう!白馬今でさえもう汗だくかわいそう!」

玉面公主「………やはり、魂は濁っている。それなのに………」

三蔵「な、なんだよまたレベル鑑定かよ」

悟空「よく耐えたねお師匠さま!魂濁ってるクセに!」

三蔵「……緊箍児?」

悟空「ノー緊箍児。このくらいでやられてたら私のおでこが持たない」

玉面公主「……玄奘三蔵法師……いえ、陳 紅流。貴方は何者……?」

悟空「ちんこ…うりゅー?」

三蔵「そこで切るな!…なんで俺の本名知ってんだよアンタ。喋ってねーぞ俺」

悟空「本名なんてあったのお師匠さま!?」
193: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/19(木) 13:10:03 ID:FYaeDtpdPU
玉面公主「……父は陳蕚、母は満堂嬌。江州長官と帝国宰相の娘が一子……良いとこのボンボンね……」

三蔵「ぐ、そこまで」

悟空「ストーカー…?」

玉面公主「……摩雲カンパニーの情報収集能力は大陸一………色々あって金山僧侶学園に入学、成績はいつも赤点ギリギリ、しかしムダに解呪の実技だけは得意という典型的なヤル気の無いタイプ……」

三蔵「こわいこわいプライバシーが無い」

悟空「お師匠さま法術とか全く出来ませんもんね」

玉面公主「……当時の担任僧侶、法明和尚のインタビューによると、『修行中も隠れてロリエロ漫画三昧、態度も不遜で何度破門にしようと思ったかわからない。しかし何故かお偉方に気に入られてて手が出せず、もういっそ殺してやろうかと』」

三蔵「あのハゲ!」

悟空「お坊さんはみんなハゲですよ」

玉面公主「………どこをどう突っついても、徳も仁も見当たらないわ。………何故……貴方が……」

三蔵「だから近い!」

玉面公主「……いっそ……少し食べれば………」

悟空「あ」

沙悟浄「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!もう我慢ならないっ!!!近付くんじゃないよ女狐ぇぇえっ!!!」

三蔵「バカお前その勢いでへぶらっ!?」

悟空「お師匠さまーっ!?」

沙悟浄「やっぱり離さない離れない!もうこのままくっついて生きるからねアタイ!」

三蔵「ギブ、ぎ、くるし、ご、悟空っ、助けっ…!」

悟空「悟浄ちゃんストップストップ!魂食べられる以前に魂出ちゃう多分口から!玉面さん止め……居ないし!あーもー二人も見てないで手伝って!」

八戒「…やめるでブヒ、兄貴!……違うのう。……やめるでブヒよ、兄貴ぃ!…おお、こうじゃな!」

小龍「……『我こそは天下無双!』のところで一回如意棒を地面に突き立てて……うん、その方が格好良いですね…!」

悟空「二人ともってばーっ!」
194: 名無しさん@読者の声:2013/9/19(木) 13:14:39 ID:WVZHgk7m4w
玉面ちゃんにつまみ食いされたい
支援
195: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/20(金) 20:26:32 ID:dCYYu0Pb2o
沙悟浄(三蔵)「出たな妖魔め。みな、お師様をお守りするのだ」

猪八戒(八戒)「ひ、ひいいっ!あ、あれは牛魔王でブヒ!あんな強いやつ、敵わないでブヒよ!」

三蔵法師(沙悟浄)「なにを弱気になっているのですか。沙和尚、猪八戒、孫行者よ。これも試練、天竺にてありがたいお経を授かるまで、挫けてはならないのです」

孫悟空(小龍)「おう、お師匠さま!我こそは天下無双、斉天大聖孫悟空だ!正義の如意棒、受けてみやがれ!」

牛魔王(悟空)「くっくっく、このおれをぎゅーまおーとしってなお、むかってくるか。さけのさかなにしてやるぜ!」

孫悟空(小龍)「いくぞ牛魔王っ!」

ワーッ ワーッ


 



男児「そんごくー、かっこよかったー!」

女児「さんぞーほーしさま、きれいだった!」

母親「すごい力の入った京劇だったわねぇ」

父親「さすがは摩雲カンパニーの擁する遊園地のショーだな。でも牛魔王役、清々しいまでに棒読みだったなー」

男児「またみたいねー♪」

女児「ねー♪」





沙悟浄「おわったぁぁあ…!」

八戒「物凄い声援だったのう。娯楽の力は強いわい」

小龍「…緊張しましたね」

三蔵「疲れた。おい棒読み、お茶取って」

悟空「その呼び方やめて!反省してます!」
196: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/20(金) 20:28:40 ID:dCYYu0Pb2o
玉面公主「……ブラボー。素晴らしかったわ…」

三蔵「まあ俺達にかかればこれくらい」

八戒「ほっとんど台詞の無い奴が何を威張っとるか。やはりワシの役どころを捉えた演技が……いや、ノリノリの小龍が決め手じゃったの、ほほ」

小龍「…ご、悟能様…!」

玉面公主「……約一名、ひっっっっどい棒読みだったけど……」

悟空「悟浄ちゃあん、みんながいじめるぅ」

沙悟浄「よしよし姐さん。頑張ったのにねぇ。ただ倒れるシーンで『ばたーん』って口で言った時にゃ、この人マジですか、って思ったけど」

悟空「みんながいじめる!」

八戒「そんなことより玉面公主よ。約定は違えぬであろうの?」

玉面公主「……もちろん。予想以上の出来だったし、文句無いわ。………よいしょ。……はい、これ…」

沙悟浄「これは……」

小龍「…なんというか……」

悟空「……赤ちゃん?」

三蔵「赤ちゃんだな」

八戒「いやいやいや玉面公主。ワシは赤子をくれとは言うとらんぞ。人喰いの趣味は……てか誰の子じゃこれ」

玉面公主「……だから、それが人参果」

八戒「いや、これどう見ても人間の赤子…」

玉面公主「……そーゆー形なの」

八戒「あ、頭とかうっすら髪とか生えとるし」

玉面公主「……柿のヘタみたいなものよ。あ……全部食べないと効果、無いからね…?」

八戒「こ、これを……?全部……?って、おいお主ら。なぜワシから離れる」

悟空「た、食べるトコ、見たくないなぁ……と」

三蔵「右に同じ」

小龍「…………」

沙悟浄「姐さん、ファイト!」

八戒「こぉの薄情者どもめぇっ!!」
197: 名無しさん@読者の声:2013/9/20(金) 21:07:39 ID:P5ppY8CIwY
地面に落としたらあかんやつか。
埋まっても掘り出したら食えるのかなあれ
198: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 00:24:37 ID:4Qd8sJLF2c
ズルッ……ビチャッ……シャリッ……


悟空「うううう、音が、音がなんかスプラッタな想像を掻き立てるよぅ!」

小龍「…先生、ちょっと今どんな感じか振り向いて見てください」

三蔵「はっはっは断る!」

沙悟浄「赤ん坊を貪る幼女……ホラー以外の何物でもないねぇ…」

グチュ……ピチャ……

八戒「……食べ、終わった、ぞい…!」

沙悟浄「姐さんよく頑張ったね!……って、うわ」

悟空「て、手とか口許とか、真っ赤…!」

小龍「…す、すぐに拭くものを…」

三蔵「なにこれ血?」

玉面公主「……果汁よ。しかしよく食べたわね、あんなもん……キモッ……」

八戒「……ほ、ほほ。言い返す気力も残っとらんわい……」

三蔵「八戒、そーゆーの大丈夫だと思ってたんだが」

八戒「ほほ……内蔵から脊髄まで精巧に模してある果肉や芯を口にした感想、事細かに語ってやろうか。ん?」

三蔵「うわあそれはキツイ。いいから涙と血でぐちゃぐちゃな顔を拭け」

八戒「血では無いと言うとろうが!」

小龍「…悟能様、タオルを。……それで、御力の方は…?」

沙悟浄「そうだよ!妖力は戻ったかい?」

悟空「これで戻って無かったら余りにも八戒ちゃんか不憫」

八戒「……お、おお………うむ。なんとも形容し難い感覚じゃの。身体が、軽い……いや、膂力が増したか……?」

玉面公主「……戻ったどころか、恐らく数段パワーアップしてる筈よ………試してみる?」

小龍「…っ!」
199: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 00:26:22 ID:4Qd8sJLF2c
八戒「…ほ。やはり素直には解放せぬか」

沙悟浄「良いねぇ。アンタの清ました頬っ面、打ち叩いてみたいと思ってたトコさね」

悟空「……4対1とか、私ですら無謀だってわかるよ?玉面さん」

玉面公主「……違う違う……玉じゃない……そろそろ来ると思うわ……」

三蔵「…来る?」

悟空「……あ、窓の外」



虎力大仙「ここよ!ここに憎きあの豚が…!」

羊力大仙「玉面第二夫人様によれば、奴は今妖力を失っているとの事。好機である!」

鹿力大仙「ケンカに卑怯も糞も無ぇ。俺ら三大仙をコケにし続けた報い、受けて貰うぜ!」

虎力大仙「出てこいクソ豚小娘!今日こそローストポークにして喰ってやる!」



三蔵「……あれが噂の」 

小龍「…三大仙……通称3馬鹿トリオですか…」

悟空「八戒ちゃん、ご指名三番テーブル〜♪」

八戒「ほほほほ♪こりゃあ丁度良い力試しじゃ。では、いただきま……行ってくるぞい♪」

沙悟浄「玉面の……アンタ鬼かい……」

玉面公主「……くすくす」
200: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 23:22:24 ID:QCeojctKq.
三蔵「おー、すげえすげえ。あ、鹿角の兄ちゃんが吹っ飛んだ」

沙悟浄「八戒姐さん、武術が基本だとばかり思ってたけど……本来は妖術寄りのスタイルだったんだねぇ」

小龍「…生き生きとされてますね」

悟空「私も混ざりたい……おおっ、水術からの雷撃!」

玉面公主「……沙悟浄。これ」

沙悟浄「ん?…金じゃないか。うえ!?ゆうに4、50万銭はあるじゃないのさ!」

玉面公主「……約束の路銀よ。三蔵法師に近付くと、また貴女が煩そうだから………それじゃ。……あ、アレ……殺さない程度で止めてあげてね……」

小龍「…結局、敵に塩を贈っただけですよ。良いのですか」

玉面公主「………パパが……牛魔王が殺せと言うならば、玉は従うわ………それは玉龍、あなた達も同じでしょう……?」

小龍「…従いませんよ無視しますよ」

三蔵「即答だ!」

沙悟浄「従わないね。うん」

悟空「うんうん」

三蔵「お前らこのやろう悟浄までっ。八戒ならきっと……うん断るな」

玉面公主「……あら。思ったより慕われてないのかしら………玉の思い違い……?」

悟空「お師匠さまは、『殺せ』なんて言いませんよ!お、お、お、お兄ちゃんとは違うもん!」

小龍「…低俗で下劣ですが、悪人ではありませんから先生は」

沙悟浄「けど旦那様が優しいからって勘違いするんじゃあないよ?舐めたマネしてくるなら、アタイの独断で殺してやる」

玉面公主「……そう。………その路銀、遣いきれる事を祈っているわ………またね………」
201: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 23:26:16 ID:L72rFc9g22



悟空「…消えちゃった。良いなー、これ私も出来ない術だ」

小龍「…なんとも掴めない方ですね」

沙悟浄「やっぱりこの場で消しとくべきだったかねぇ…」

悟空「いやー、さすがにお金まで貰ったのにそれは私でも躊躇いがあるよ!」

小龍「…何れにせよ、先生のレベルとやらが奴等の考える値に達した時には、当たらねばならない相手ですから」

三蔵「…………」

悟空「お師匠さま、どしたの外ばっかり見て……あ、八戒ちゃん終わったの?」

三蔵「いや、あれ」

悟空「羊マントさんが…うわぁ、黒焦げ。可哀想に…」

小龍「…鹿角の人も、地面にめり込んでますね。大丈夫でしょうか」

沙悟浄「奴等、かなりタフだからね、その心配は…」

三蔵「いや、それよりさ」

悟空「虎ビキニちゃん、なんか喚いてるね」

小龍「…悟能様が悪い顔をしています」

沙悟浄「お、逃げようとしてるね虎女」

悟空「あー、回り込まれちゃった」

小龍「…捕まえて、そして」

沙悟浄「ムリヤリ茂みに連れ込む、と」

三蔵「アカンアカン止めろ!ここ遊園地!夢の国でなんばしよっとですかあの幼女は!」
202: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:26:55 ID:8x9GO0HEAA
悟空「あー、もっと遊んで行きたかったなぁ」

三蔵「遊園地はともかく、宿の飯も美味かったしな、気持ちはわかる」

沙悟浄「次は子供が出来たら来たいねぇ♪家族サービスは夫の務めだよぅ旦那様ぁ♪」

三蔵「君の将来設計はどこまで勝手に進んでるんですかね。あと毎度毎度歩きにくい離れろ!マジで歩きにくいんだぞコレ!」

悟空「もう慣れなよお師匠さま……およ、立て札だ。なになに、この先……これなんて読むの八戒ちゃん」

八戒「……知らん。どーでもええわい」

小龍「…悟能様、そろそろ機嫌を直されては……」

八戒「……ふんじゃ。ワシまだなーんもしとらんかったのに。欲求不満じゃ欲求不満!」

沙悟浄「いや結構ギリギリアウトだったよ姐さん」

悟空「うんうん。『白昼の凌辱!引き千切られたビキニ!』みたいな絵面だったよ」

三蔵「反省どころか不貞腐れるとは。おい小龍、このダメ主人なんとかしろよ」

小龍「…暴れないだけ、丸くなっていますので…」

沙悟浄「これで暴れたら悟空姐さんよりタチ悪いねぇ」

悟空「おっと最近は悟浄ちゃんまでだよ!姉弟子ってなんだろう!」

三蔵「で、立て札だっけか。なになに、このさき比丘(びく)国……比丘…なに、坊さんの国がなんか?」

小龍「…遊園地で聞き込みをした際、近くの国の話なども聞きました。仏信仰の厚い国があるとかなんとか…」

三蔵「ふむ。つまんなそうな国だな。よし避けて通ろう」

悟空「さっすがお師匠さま!それで良いのか僧として!」

沙悟浄「まあ確かに面白味のある国とは思えないしねぇ」

八戒「……女が居らなそうじゃ。避けい避けい」

小龍「…では、多数決なので別のルートを」

観音『……御待ちなさい……玄奘三蔵法師、そして弟子たちよ……』

三蔵「おっと幻聴が疲れてんのかなー俺」
203: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:29:06 ID:8x9GO0HEAA
悟空「嫌がるのを通り越してますねお師匠さま。リアルだよリアル」

沙悟浄「菩薩様かい。何の用だい?」

観音『……その国……比丘国では、王の悪政によって罪も無き民が苦しんでおります……悪を誅して正道を為す……これは仏が御心……』

三蔵「よし観世音様、ちょい待ってくださいタイム」

観音『……え?はあ……』

三蔵(どうしようメチャクチャ面倒臭い。なにこれ行かなきゃダメな感じ?)ヒソヒソ

悟空(でも拒否ると毎晩枕元に立たれますよ?良いんですか?)ヒソヒソ

沙悟浄(面倒臭いってのには同意だねぇ。なんせ相手は王様だろう?)ヒソヒソ

小龍(…あの、このヒソヒソ話、観世音菩薩の前で意味あるんですか?)ヒソヒソ

三蔵(むー……仕方ない。おい、おい八戒!)ヒソヒソ

八戒「……なんじゃ耳元で気色悪い」

三蔵(お前の話術で観世音を説得してくれ!八戒なら出来るだろ?)ヒソヒソ

八戒「嫌じゃそれこそ面倒臭い。暴れて国王をぶっ潰せばええんじゃろ?その方がストレス解消にもなるわい」

三蔵(……次。一回に限り、ナニしても目を瞑るから)

八戒「乗った」
204: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:31:23 ID:8x9GO0HEAA
観音『……あの……丸聞こえですけど……説得とかされても……』

八戒「ほほほほ、観世音菩薩ともあろうお方が、随分と筋違いな事を仰る」

観音『……筋違い……?猪八戒、貴女は罪を購う気が……』

八戒「そも王の悪政を打ち破り民を救えと言うは、王の首を獲れということに他ならぬ。そうして国の長をすげ替えたところで、それは根本的な解決となるのか否や!」

観音『……そ、それは………しかし現に民が苦しんで…』

八戒「苦しみの無い政など幻想じゃ!王という者は敬愛されてはならぬ考えもある!民に過度の情を生んでは、それ即ち国の滅びる元となる!」

観音『……あの、そーゆー政治の話をしてる訳じゃ……』

八戒「そして愚王と言えどその国の王じゃ!その国の歴史じゃ!真にその政が国の為にならぬとあらば、立ち上がるべきはワシら余所者ではない!民じゃ!観世音よ、そなたは民の力を、否、人の力を信じぬのか!?」

観音『……う、ぐっ……』

八戒「血と汗と涙を流し、そうして人も国も成長してゆくのじゃ!それをワシらが人知を超えた力を以て無理矢理の平和を与えたとて、それでは人が腐る!国が腐る!これだけ言うてもわからんのなら、菩薩など名乗るで無いわっっ!!!」

観音『………ふぐぅぅぅぅ……!』

悟空「八戒ちゃん、なんかよくわかんないけどカッコ良い…!」

沙悟浄「おぉぉ……菩薩様が何も言えなくなってるよ…」

三蔵「予想以上だな。小龍、あの幼女かなり詐欺紛いの悪事を働いて来たろ」

小龍「…ノーコメントです」
205: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 01:03:12 ID:LGBzHj3e.c
観音『……あ、あなたたち……それでも仏の遣いですか……!ええいっ!』

ペカーッ

三蔵「うわ実体化しやがった」

悟空「あ、観音様久しぶりに見た」

沙悟浄「天帝様の宴で見かけて以来だねぇ、アタイも」

八戒「ワシも最後に会うたのは……軍事演習じゃったかの」

小龍「…皆さん、観世音菩薩が『姿まで見せたのに反応が地味…!』みたいな顔してますので、もう少し形だけでも平伏す感じにしてあげても」

観音「そんな哀しい気遣いは要りません玉龍!」

三蔵「何気に小龍は天界全般に辛辣」

観音「…おほん。孫行者?例えば、道中に足を挫いて動けず、空腹で苦しんでいる人が居たらどうします?」

悟空「とどめをさす!」

観音「違います!いっそ楽にしてやらないで!…お、おほん。沙和尚よ。賊に捕らわれ泣いている乙女が居れば、助けるのが正義でしょう?」

沙悟浄「旦那様に女を近付けたくないんで、賊もろとも消し去るのがアタイの正義さね」

観音「そんなハードな正義は菩薩認めません!貴女いちばんマトモに見えるのに!…げほ、おほん。猪八戒……は、少し口が立ちすぎるので……玉龍。貴方は傘を持っています。そして雨に濡れて泣いている子供を見つけます。さあ、どうします?」

小龍「…………」ボソボソ

八戒「空模様を読まずに傘を用意しなかったその子供の自業自得ですね、知りません。…と、言うておる」

観音「会話すらしたくないほど嫌われてる!?玄奘三蔵!あなた一体この者達にどんな教えを施しているのですか!徳の『と』の字も無いじゃないですか!」

三蔵「いや、俺の教えってゆーか、単に観世音様がナメられてるだけじゃないっスかね」

観音「なぜ私を軽んじるのです!?旅立ちの時は皆厳かに私の声を聞いていたではありませぬか!」

三蔵「いやー、なんつーかさっきから生の姿と声を聞いてると、なあ?」

悟空「弄り甲斐があってかわいい!」

沙悟浄「観音様、思ったより面白いねぇ」

小龍「…………」ボソボソ

八戒「簡単に転がせそうなお方じゃの。小龍は『頭が悪そうです』と言っておる」

三蔵「ほら」

観音「ひどい!特に玉龍!」
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うpろだ
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