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魔王「ろくな勇者がおらぬ!」
[8] -25 -50 

1: :2015/3/17(火) 01:53:52 ID:44SiIGczZI
魔王「我が魔界と人間界を治め、世界が平和に包まれてから久しいが」

魔王「世界を混沌へと包もうとせん大魔王なる者が現れた!」

魔王「そこで我は十面に待ちかまえる大魔王を討つべく、名声に包まれし勇者を募った!大臣よ、どのような勇者が集った?」

大臣「現在、肉じゃが勇者・歯磨き勇者・弱い勇者・残尿勇者の四名が集まっています」

魔王「ろくな勇者がおらぬ!」

大臣「一応これの続編ですhttp://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch4/1367944388/1-10


51: 名無しさん@読者の声:2015/3/19(木) 09:15:13 ID:Oq0PUJKEMY
ゴブリンさんイケメン過ぎワロタ
そして、頼むから王様にも救いを……!
支援!
52: 名無しさん@読者の声:2015/3/20(金) 19:22:57 ID:jEhYspVy4o
早く王様と魔王(の心の平和)を安心で包んでやってくれwwww
53: :2015/3/21(土) 00:56:30 ID:44SiIGczZI
>>50-52
支援ありがとうございます!

やめて!王様は蘇ったけど、このまま敵に攻め込まれたら、王様の命がまた尽きちゃう!
お願い、死なないで王様!あんたが今ここで倒れたら、この国はどうなっちゃうの?
ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、安心に包まれるんだから!
次回「城之内死す」
デュエルスタンバイ!


スレ立てから早々で悪いんですけど、次回分の投下が少し遅れます。
次回更新はいつかって具体的に言えないですけど、たぶん空いて数日のもんだと思います。
その間ちょっとまっててください。ごめんね。
54: おまたせ:2015/3/24(火) 00:16:32 ID:v9MSuJK322
翌日

大臣「王様、勇者を募ったところ、数名の勇者が来てくれましたよ」

王「屑なんだろうけどなあ!だって今この国、屑しか残ってねえもん!」

王「後てめえ俺を縛りあげてんじゃねえよ!何なんだこの扱い!?」

大臣「いや、だって王様、自由にさせてたら敵国に寝返りそうじゃないですか」

王「よくわかってんな!その通りだよ!こんな国滅ぶべきなんだもん!」

大臣「いけませんよ。王様はこの国の王様なんですから。最悪滅ぶとしても、一緒に心中してください」

王「ついこないだまで死んでて治めてなかったけどな!俺は死ぬために生き返ったのか!?何だこの拷問!?」

王「死なないためには戦うしかねえのか!で、そのための戦力はどういうのが集まったんだよ!?」

大臣「現在、蘇生勇者・大喜利勇者・ひげ剃り勇者・三割方勇者の四名が集まっています」

王「死んだねぇ!俺もう国と心中決まったようなもんだねぇ!残酷なまでに死刑宣告だわ!」

大臣「何で敵わないと決めつけてるんですか?」

王「敵うわけねえだろうが!まともな奴は保護されて、今この国には屑しかいねえと改めて思い知ったわ!」

王「相手はゴブリン&ヘルドラゴンだろ!?勝てるわけねえだろ!負けイベントだわ!」

大臣「そんなフラグはへし折るに限ります。というわけで勇者紹介に移り……」
55: :2015/3/24(火) 00:20:24 ID:v9MSuJK322
大臣「あ、そうそう。システムの変更がありますので、説明しておきますね」

王「システムの変更!?」

大臣「今まではこっちが攻めてたんですけど、今回は攻められてるわけじゃないですか」

大臣「なので、今回は勇者を各面に配置しないといけません」

王「そうか、待ち構えるの俺らなんか!だから一面に何々勇者とか、そう配置しろと!?」

大臣「そういうことです。なので、一面にこいつを置いて弱らせて二面はこいつにして……みたいな、采配を光らせる必要があります」

王「光んねえよ!いや、俺の采配云々じゃなくて駒が悪すぎんだわ!」

大臣「全部で十二面ありますので、よくよく考えて配置していただければと思います」

王「十面じゃねえのかよ!?何で急に二面も増えちゃった!?」

大臣「勇者の紹介が四人ずつなので、その方が都合がいいんですよ」

王「メタいな!メタ要素で面数を増やしてんじゃないよ!どういう地形なんだよ!?」

大臣「まあ今作も二作目なわけですから。色々新要素を足さないと駄目なんですよ」

王「ねえ、黙ろう!?そろそろメタ発言であれこれぶちまけるのはよそう!?」

大臣「まあ二作目以降は変に新要素加えてこけてもいいんです。一作目が受けてたら、駄作だろうが何だろうが連中は続編に食いつくんですから」

王「もう駄目だ、これ触れちゃいけない話題だ!何てこと考えてんだ!?仮に本音がそれでも、ぶっちゃけるなよ!?」

大臣「まあとにかくそういうわけですので。それでは、勇者の紹介に移りましょう」
56: :2015/3/24(火) 00:26:39 ID:v9MSuJK322
蘇生勇者「蘇生勇者だ……」

王「俺を生き返らせた奴だな!俺は感謝すべきなのか罵るべきか、迷ってるよ!」

大臣「生き返らせてもらったんですよ?感謝すべきでしょう。頭悪いんですか?」

王「うるせぇよ!生き返った先が地獄ではねぇ!死んでた方がまだ救いあったわ!」

蘇生勇者「そう、俺はそういう死んで救われる奴が許せねえ。誰もが生きて苦しめ……!」

王「薄々思ってたけど、けっこうな性格ですよねぇ!?やっぱこの国の勇者事情狂ってるよねぇ!」

王「能力は凄いんだけどな!それを扱う奴が屑だから、悪用されちゃうよねぇ!」

大臣「悪用とは、具体的には?」

王「おめえだよ!お前が俺を生き返らせたことだよ!おかげで俺は絶望の最中ですわ!」

大臣「またまたあ。生き返られて本当は嬉しいくせにぃ」

王「魔王んとこに避難できたら嬉しかったけどなぁ!俺このままじゃ国と心中っすわ!こんな腐った国と一緒になぁ!」

大臣「そうならないためにもゴブリンとヘルドラゴンを倒さねばなりません」

王「だから無理なんだってぇ!この件もうやったよな!?何で繰り返してんだよ!?」
57: :2015/3/24(火) 00:28:05 ID:v9MSuJK322
王「大体だな、蘇生勇者は性格は置いといて能力は凄いんすわ!」

大臣「ですから、あの二人を倒すのに大いに役立つ……」

王「違う違う!凄いのジャンルが違うんだって!生き返らせるとか超凄いけど、戦闘には役立たねえじゃん!?」

王「だからこいつは面とかに配置させず待機させて、死んだ勇者を片っ端から生き返らせた方がいいんじゃねえの!?」

大臣「正直言いますとね、王様を生き返らせたかっただけで、あんまり長く居られてもバランス崩れて困るんですよ」

王「ちょっとメタネタのペース上がってきてないですかね!?そんな赤裸々にぶっちゃけられてもねぇ!」

大臣「後先考えずに王様殺して困ったから、王様限定で蘇らせる奴が欲しかっただけです。後はもう死んでもらわないと困るんですよ」

王「能力が凄いから、下手に生きてもらっては困ると!?」

大臣「そういうことです」

王「黒いねぇ!お前の心ん中真っ黒だよ!俺の命を弄びやがって!ていうか、そういうの本人前にして言うかね!?」

蘇生勇者「死んで救われるのなら……それも悪くない……」

王「散々他人が救われるの嫌がったくせに自分はそれかよ!?他人に厳しく自分に甘くって最悪だな!」

大臣「そういうわけですので、しっかりと配置してください。じゃあ次の勇者を紹介します」
58: :2015/3/24(火) 00:29:21 ID:v9MSuJK322
大喜利勇者「どうも、大喜利勇者でーす」

王「だから何なんだよ!?うまいこと言って、座布団貰って、どう敵を止めるってんだよ!?」

大臣「大喜利、楽しいじゃないですか。あれ見るの大好きですよ」

王「楽しいよねぇ!うまいこと言うなあって感心するよねぇ!だから何なんですかって!」

大喜利勇者「日本サッカー、新監督にハリルホジッチを迎えて再始動。そのメンバー発表で、さっそくサプライズが。さて、誰を呼んだ?」

王「てめえ出題する側かよ!?答える側じゃねえのかよ!?」

大臣「王様、答えてください」

王「はあ!?え、あの……ば、ババンギダ」

大臣「……」

大喜利勇者「……」

王「もう殺せよ!いいよ、もう!俺が一面行って、あの二人に殺してもらうよ、糞がぁ!」

大臣「落ち着いてください、王様。大喜利勇者の恐ろしさ、よくわかったでしょう?」

王「それはもう骨の髄までなぁ!とても恐ろしいよ!願いが叶うなら今すぐ命を亡くしたいねぇ!」
59: :2015/3/24(火) 00:31:11 ID:v9MSuJK322
大臣「このように大喜利勇者は、無茶振りによって相手に多大なダメージを与えます。これで敵の二人もいちころです」

王「答えるわけねえだろ!出題してる途中で攻撃受けて他界ですわ!」

大臣「いや、でもゴブリンとヘルドラゴンなので、なんだかんだ聞いてくれるんじゃないですか?」

王「そう言われるとそんな気もするよ!でも結局力勝負になったら勝ち目がないんだよねぇ!」

大喜利勇者「野球選手の大谷翔平が、ピッチャーとバッターの他に何かを始めて三刀流になることに。さて、何を始めた?」

王「いや、出題してんじゃないよ!力勝負にしたらどうする!?って話をしてんですけどぉ!」

大臣「はい、王様」

王「またぁ!?いや、ちょ……あの……ぷろ、プロデューサー」

大臣「……」

王「もおお!何で俺こんなに火傷してんだよぉ!志々雄真実か、わしゃぁ!?」

大臣「あ、また滑った」

王「もうやめてえええ!許してえええ!助けてえええ!」

大臣「大喜利勇者が魔物討伐に役立つと認めれば王様は救われるでしょう」

王「認めるから!ゴブリンもヘルドラゴンも大火傷は必至さ!だからもう勘弁してくれ!」

大臣「わかりました。では次の勇者紹介に移りましょう」
60: :2015/3/24(火) 00:32:17 ID:v9MSuJK322
ひげ剃り勇者「わしがひげ剃り勇者だ」

王「剃ってねえだろ!とんでもなくひげモジャじゃねえか!たわしを何個もぶらさげてるレベルだぞ!」

大臣「ひげ伸びないと剃れないじゃないですか」

王「だけどこれは伸ばしすぎだろ!ひげ剃り勇者とちゃうんかい!?これ相当長い間剃ってねえぞ!」

ひげ剃り勇者「わしはひげを剃る回数ではなく、一回の質が高くて、有名になった勇者だからな」

王「どんなひげ剃りだよ!?ひげ剃りに質の良し悪しがあんのか!?」

大臣「実際に見ればわかるんじゃないですか?というわけで、剃ってもらいましょう」

王「今から剃るのかよ!?いいの!?一回剃ったら、伸びるの時間かかるよ!?」

ひげ剃り勇者「大丈夫だ。わしはひげ剃り勇者。この瞬間のために生きておるのだ」

大臣「ついに見れますね。ひげ剃り勇者のひげ剃りが」

王「全然ついにじゃねえけどね!微塵も興味抱いてなかったよ!これからもそうだよ!」

ひげ剃り勇者「いくぞ。はあああ!」ジョリ・・・ジョリ・・・

王「普通じゃねえかよ!?これただおっさんのひげ剃り見守ってるだけじゃないかよ!」
61: :2015/3/24(火) 00:35:41 ID:v9MSuJK322
大臣「あれがただのひげ剃りに見えますか?よく見てくださいよ」

大臣「ひげを剃る瞬間に真空の刃を発生させ、周囲を攻撃しているのです。あれこそ、ひげ剃り勇者の必殺技です」

王「へえ、そんな凄い効果が……いや、じゃあ今剃ったらまずいじゃんよ!?何で今剃ってんの!?」

大臣「いや、だって王様がひげ剃りに質の良し悪しがあるのかって言ってたから」

王「口で言えや!実際、今も口説明だったろうが!本番前に何必殺技放っちゃってんの!?」

ひげ剃り勇者「どうでしたかな、王様。わしのひげ剃りは」ボタボタ

王「お前はお前で何を顔血まみれにしてんだよ!?顔のすぐ横で真空刃なんか発生させてんだもん、そりゃ肌への被害は多大になるよねぇ!」

大臣「諸刃の剣ですが、威力はわかっていただけましたよね?これならゴブリン達も倒せるでしょう」

王「でももうひげ剃っちゃったんだよねぇ!本番までには伸びねえだろうし!ただの血まみれおじさんになったわ!どうすんだ!?」

大臣「ひげ剃り勇者なんですから、刃物の扱いには長けてるんじゃないですか?たぶんどうにかしますよ」

王「投げてんじゃねえよ!投げてえの俺だよ!」

大臣「采配光らせて、是非とも勝利に導いてください」

王「無理だよ!どんな名将でも敗北待ったなしだもん!血まみれのおじさんでどう勝てと!?」

大臣「それを考えるのがあなたの仕事ですから。はい、じゃあ次の勇者いきますよ」
62: :2015/3/24(火) 00:37:22 ID:v9MSuJK322
三割方勇者「三割方勇者です」

王「どういうことだよ!?勇者ってそんな数値化できるもんなの!?」

大臣「三割ってけっこう良い数字じゃないですか」

王「野球だったらねぇ!でもこいつ勇者なんだよねぇ!十割勇者じゃないと困るよねぇ!」

大臣「でも逆に考えてみてください。三割が勇者なら、残り七割はもっと良い能力があるかもしれないじゃないですか」

王「仕組みがもうよくわかんねえんだけど、黙っててやるよ!で、残り七割は何で占めてんだよ!?」

三割方勇者「残りは……三割がニートで四割がホームレスです」

王「どういう組み合わせなんだよ!?何でそいつらと勇者の同居が成り立ってんだよ!?お前何者なんだよ!?」

大臣「勇者ですよ。三割方勇者です」

王「違うねぇ!たとえ三割が勇者でも、残り七割屑なんだから、こいつはもう屑だわ!勇者じゃないね!」

三割方勇者「三割でも割と勇者できますよ。魔物のHPだって三割は減らせますし」

王「最後まで削り取れぇ!お前が仕留め損ねた魔物が民の平穏を脅かすんやで!?まあ今この国屑しかいないし別にいいけど!」

大臣「まあ未熟かもしれませんけど、一応勇者的な仕事は出来るっぽいんでいいじゃないですか」

王「国の一大事なんだけどね!?そんな時に未熟者呼ばないでほしいんだけどね!?」
63: :2015/3/24(火) 00:39:27 ID:v9MSuJK322
王「ねえ、俺こいつ使ってどうゴブリンとヘルドラゴンを倒せばいいの!?」

大臣「それがお前の仕事だろうが……まあいい、教えてあげます」

王「何で上から物を言ってんだよ!?調子乗んなよ、お前!?」

大臣「たとえ三割だけでも、十分戦えるんですよ。例えば三割の勇者要素が腕に来ていたら、勇者の打撃が可能になります」

王「どういうこと!?何かもうシステムからわかってないからさぁ、話についていけないんだよ!」

大臣「体積あるでしょ?体積の十割のうち、三割が勇者なんです。全体の三割もあれば、腕全部勇者ってのも十分可能でしょう?」

王「なるほど、三割とかいう数字はそうやって出てきてんのか!確かに腕は体積的に考えれば少なそうだし、三割もあれば腕全部勇者要素で埋まるかもな!」

王「で、体の三割のうち、実際に勇者要素が詰まってんのどこなんだよ!?」

三割方勇者「内蔵ですね」

王「内蔵かよ!?勇者要素外に出てねぇじゃんかよ!?内に秘めてんじゃねぇよ!」

王「大体何なんだよ内蔵が勇者て!?どう凄いんだよ!?めっちゃ健康で綺麗な内蔵ってしか思いつかんわ!」

大臣「内蔵が健康って素晴らしいことじゃないですか」

王「でもゴブリン達を倒すのには役立たないよねぇ!内蔵に勇者要素使ったから、残りはニートとかだわ!ただの健康志向な自宅警備員じゃねえかよ!」

大臣「では自宅のように面も守備してもらいましょう」

王「期待できるわけねえだろが!ぜってーザル守備だわ!セカンド辺りに置いてごらん!?一試合でエラー18個は記録するから!」
64: :2015/3/24(火) 00:41:34 ID:v9MSuJK322
大臣「さあ王様。勇者が四人も出揃いました。一面から四面までに配置して、ゴブリンとヘルドラゴンを倒すのです!」

王「絶対に無理だねぇ!これで勝てる奴ぁもれなく八百長やってるだろうねぇ!」

ひげ剃り勇者「何故だ……くらくらしてきた」ボタボタ

王「こいつなんか既に重傷だしよぉ!くらくらすんの血ぃ流しすぎたからだわ!血のひげ生やしてんじゃねえぞ!」

大臣「戦力が厳しくても、そこは王様の采配で勝たせればいいのです。つまり全ては王様にかかってます」

王「かけんなよ!こんなの押し付けられて、果てしなく重荷だわ!今にも俺が潰れるねぇ!」

王「ていうか、采配光らせろ言うんだったら、十二面分の勇者揃えてこいよ!三分の一だけ用意して頑張ってね、じゃねえんだよ!」

大臣「一気に十二人も勇者紹介したらテンポ悪くなりますので」

王「畜生めぇ!もういいよ、四人だけでも配置してやっからよぉ!」

王「とりあえず蘇生勇者は四面な!一〜三面で誰か死んだら生き返らせろ!」

大臣「駄目です。蘇生勇者は死んでもらわないと困ります。なので一面です」

王「俺に判断させろや!全てを俺に託したんじゃねえのかよ!?誰が指揮官なんだよ!?」

蘇生勇者「俺は一面か……了解した」

王「お前も従ってんじゃねえよ!ねぇ、俺のが偉いんだよね!?王様って偉いんだよね!?」

大臣「じゃあ王様は残りの三面の配置考えてください」

王「全然自由にやらせてくれないね!?もう嫌だ、お前らだけで勝手にやってくれよ!」
65: :2015/3/24(火) 00:43:44 ID:v9MSuJK322
王「……一応配置考えたぞ」

王「一面は何か蘇生勇者じゃないといけねえみたいだからもう諦める」

王「二面はひげ剃り勇者ね。ひげ剃りで、どうにか二人の体に傷つけて出血させろ」

王「で、三面の三割方勇者が時間稼ぎして血を多く流させて」

王「四面の大喜利勇者が大喜利で出題して更に時間稼ぎな。出血多量で頭が回らなくなるかもしれんし、うまく致死量の血を流させろ」

大臣「意外とちゃんとした采配じゃないですか」

王「本当だよ!自分も驚きっすわ!自分で言うことじゃねえけど俺名監督じゃねぇ!?」

大臣「これならゴブリンとヘルドラゴンも倒せますね」

王「そううまくいくとは思わんけどなぁ!なんせチートを相手にしているのですからね!」

王「一応今後に繋がるよう、ダメージだけは与えてほしいんだわ!頼む、多くは望まないから!」

大臣「それでは各勇者に、各面に行ってもらいましょう」

王「そうだな、配置させんことには話も始まらんわ!勇者達よ、魔物達を打ち倒すのじゃ!」
66: :2015/3/24(火) 00:45:35 ID:v9MSuJK322
翌日

大臣「ゴブリンとヘルドラゴンに四面まで突破されました」

王「ですよね!そりゃチートを相手にしてんだもん!それを屑が倒せるとは思いませんわ!」

王「いいんだよ、もう想像通りだから!問題は少しでもダメージ与えられたかどうかなんだよ!大臣、内容詳しく報告しろや!」

大臣「はい。まず一面の蘇生勇者ですが、普通に殺されました」

王「知ってます!そこだけは確実に采配ミスですもの!主にお前のせいで!」

大臣「二面のひげ剃り勇者は、ゴブリン達が到着すると、既に出血多量で死んでたそうで」

王「おいぃ!?何してんだ、あいつ!?今回の作戦の重要ポイントなんだぞ!?」

大臣「あの技は、自らも傷つける諸刃の剣……故に、命と引き換えになってしまったのですね……」

王「今回が初めてじゃねえんだろ!?ひげ剃ってきたから有名になったんだろ!?あいつどうやって今まで生き延びてきたんだよ!?何で今死ぬんだよ!?」

大臣「三面の三割方勇者は普通に戦いを挑み、そして負けました」

王「内蔵が綺麗なだけで、実質ニートだもんな!喧嘩慣れしてねえ奴の打撃って、大振りでよけやすいし威力も弱ぇ糞みたいな打撃なんだぜ!?」

大臣「最後に四面の大喜利勇者が出題するも、ゴブリン達に見事な回答をされてしまい、ショック死しました」

王「ショック死て!?面白い回答あってこその大喜利だろ!今までどうしてたんだ!?相手ずっと滑ってたのか、俺みたいにぃ!」

大臣「……残念ながら、勇者達は全滅です……」

王「知ってたよ!ノーダメはさすがに予想外だったけど、結果自体はもう知ってました!」

王「何なんだよ、どいつもこいつもぉ!半分が自滅とか、戦う気ないよねぇ!」
67: :2015/3/24(火) 00:47:23 ID:v9MSuJK322
大臣「これはまずいですね、王様。早急に残りの面にも勇者を配置させなくては……」

王「それがおかしいんだよな!敵動き出してんのに、こっちの対応後手後手すぎんだろが!」

大臣「幸いゴブリン達は四面で待ってくれてるので、急ぎ勇者を募り、備えるとしましょう」

王「優しいねぇ!強者に相応しい、慈悲に満ちた心だよ!」

大臣「この隙を突いて、我々は強い勇者を集めましょう」

王「集まんないよねぇ!隙がどうこう言うんだったら、うちの勇者事情こそ最大の隙っすわ!」

大臣「今までだって募集したら勇者が来たじゃないですか。何故急にそんな弱気に?」

王「いやそりゃ勇者は来るよ!?でも強い勇者なんか絶対に来ないかんな!?強い勇者なんか偽勇者・貧乏勇者・アルソック勇者くらいだから!」

大臣「じゃあその三人クラスの勇者さえ募集できれば勝ったようなもんじゃないですか」

王「それが起こらねえから最大の隙ってんだよ!いるわけねえだろ!いるなら連れてこいよ!もう嫌だよ俺!」

大臣「ネガティブな方ですね。明日、実際に勇者を目にして希望を抱いてもらうしかないですね」
68: :2015/3/25(水) 00:33:45 ID:v9MSuJK322
翌日

大臣「王様、勇者を募ったところ、新たに四名の勇者が来てくれました」

王「何度でも言うけどさ、全部で十二面なんだろ!?じゃあ十二面分の勇者を用意しろや!」

大臣「せっかく面接で四名まで絞ったのに、どうして責めるようなこと言うんですか?」

王「四人以上集まったのかよ!?じゃあそいつらでいいじゃん!何でそっから絞ったんだよ!?」

大臣「少しでも良い勇者をと思いまして」

王「質なんか良くなるわけねぇんだから数で勝負しろや!何を唯一の利点を投げ捨ててんだ!?」

大臣「勇者が数で押し切るなんて卑怯な真似していいんですか?」

王「勇者なんてそんなもんだろ、割りとマジで!大体四人がかりで魔王涙目だろうが!」

王「まあいいや、もう!それで、てめえが面接で絞った四人はどんなんなんだよ!?」

大臣「現在、将軍勇者・うざい勇者・勇者マン・不審者勇者の四名が集まっています」

王「節穴ぁ!お前の眼は完全に節穴ですわぁ!何でお前面接官務めちゃったかなぁ!?」

大臣「節穴かどうかは、直に見て判断していただけますか?」

王「見なくてもわかるんだけどねぇ!まあいいや、さっさと終わらせよう!無駄な時間をさぁ!」
69: :2015/3/25(水) 00:36:08 ID:v9MSuJK322
将軍勇者「わしが将軍勇者じゃ!頭が高い!控えおろう!」

王「控えんのおめぇだろうがよぉ!何なんだよこいつぁ!?」

大臣「今将軍勇者って名乗ったばっかりじゃないですか。話ちゃんと聞きましょうよ」

王「聞いてんよぉ!その上でこいつは何なんだっつってんの!」

王「将軍っぽい勇者に過ぎねぇんだろう!?だったら俺のが上だろ!俺王だぞ!勇者に命令できる立場なんですぅ!」

将軍勇者「控えおろう!この紋所が目に入らぬか!?」スッ

王「それ、うちの紋章じゃねぇか!?お前それいつ盗った!?返せボケェ!」

大臣「あれは王家の紋章!?ということはあの勇者は王家の方……ははー!」

王「ははー、じゃねぇんだよ、おめぇは!俺にははーってしろよ!」

大臣「何で王様にははーってしなきゃいけないんですか?」

王「本来あれで目に入らぬか!って出来るの俺だからだよぉ!お前普段俺のこと何て呼んでるか思い出せ馬鹿!」

王「あと勇者てめぇ普通に馬乗って来てんじゃねぇよ!文字だけだからばれないとでも思ったか!?俺は拾うねぇ!」
70: :2015/3/25(水) 00:38:05 ID:v9MSuJK322
大臣「さあ王様、この勇者をどう活かすか考えてください」

王「采配は俺に丸投げだもんな!あー辛いわぁ!学者が揃って匙を投げる難問ですわぁ!」

王「馬に乗ってるってことは暴れん坊を期待していいんだな!?じゃあ大暴れしてゴブリンさん達を倒してくれや!」

将軍勇者「それはならん!グワペラスはあまり走ったりは出来ぬ大人しい馬である!」

王「役に立たねぇなぁ馬ぁ!ていうか名前グワペラスて!お祭り男に出てきたロバちゃうんか、それ!?」

大臣「炎を浴びる祭りでしたっけ?大人しくて可愛いロバでしたよね」

王「でも敵を迎え撃つには困るねぇ!仕方ねぇ、お前ロバから降りて自力で戦え!」

将軍勇者「それはならん!わしは幼い頃より偉い者として甘やかされてきた!戦闘などしたこともない!」

王「じゃあ何で勇者になったぁ!?言うなれば勇者は戦う仕事だろうが!就職先間違えすぎてんだよ馬鹿が!」

王「そこはフィクション系でいいじゃんかよ!創作物だと大体アクティブだよ、将軍ってさぁ!」

王「大臣も何でこんなんを面接で通したんだよ!やっぱ節穴じゃねぇか!」

大臣「でも将軍って、大体強い取り巻きがいるじゃないですか」

王「でもこいつは単独での参戦だろうが!お前には取り巻きが見えてんのか!?それたぶん見えちゃいけない系の何かだぞ!」

大臣「じゃあ単独でも勝てるよう考えてください。王様の仕事ですし」

王「何か今回のシステム嫌だぁ!大臣が丸投げで押し付けてくるもん!」

大臣「頑張ってくださいねー。じゃあ次の勇者にいきましょう」
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