自分を流れ星に例えた人が居た。光るのは一瞬だけ、あとは消えて忘れ去られるのがオチさって。あの人は明るく伝えてくれたけど内心は分からない。
女の子「星が綺麗です。」
謎の影「そうですね。」
女の子「私は忘れたくありません。だから、毎日夜空を見上げるのです。」
影「風邪を引く前に部屋に入りましょう。」
女の子「忘れるのは、哀しいです。」
影「そうですね。」
女の子「…冷たいです。」
影「今日は生憎の雨ですから。」
女の子「誰かが泣いているのですか。」
影「それは…─、」
────────
働く女とそれに付き従う男の話。生暖かい目でお付き合い下さいませ。
44: ◆266c16tTwk:2011/9/6(火) 21:18:00 ID:UHbjGnE77Q
女「…そう、か。」
父「ませガキですね男くん、誰に似たのやら。」
男「と言うわけで俺は本気です。正式に…俺等の家族になりませんか。」
母「両親がいる前でプロポーズなんて、ムードの欠片も無いわね〜。」
女「…断る。」
女は席を立ち、自室へと足を歩めた。記憶の整理が追い付かない、大きな波の用に氾濫している。この家族の一員に、正式に…。女にはそんな勇気が、まだ無かった。
45: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/6(火) 21:31:26 ID:RXzqRISjrs
>>43
貴重な支援ありがとうございます!ぶっとばしていきますよ\(^o^)/
────────
女(私はどうすれば良いんだ…!)
女は葛藤していた。人間として真面目な告白をあんな一つ返事で返答して良かったのか。寝台の上に腰掛け頭を抱える。伸びた黒髪が五指に絡まった。
あの日の私は、忘れる事が悲しくて、忘れられる事が哀しくて。必死で。
でも彼はもっと必死で、気付けば傍に居てくれた。
女(…最悪だな、人間として、私は。)
46: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/6(火) 21:41:30 ID:UHbjGnE77Q
母「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん!」
女「!?」
母「下二人は男同士、ここは女同士で…どうよ?」
女「母さん…、私。」
母「黄色いオムライス。本当はグレープフルーツジュースが良かったけど、苦くて飲めなくて…、ちょっと似てるオレンジジュースにしたんだよね〜。」
女「懐かしい、ですね。」
母「男くん、ちょっとごり押し過ぎた?」
女「いえ、私が臆病なだけで、まだこの家にすら馴染めないのに…、お礼も…」
母の優しい声音が、女の震える声を遮る。
母「今からでも、遅くないでしょう?正式に名字も同じにしちゃって、本当の実家になっちゃえば女ちゃんが気負う事なんて何にも無くなるのよ。だって、家族だもの。」
今までのボーダーラインが、逆に消えちゃいます。と母は最後に付け足した。
女「私…何かが、良いんですか。」
母「大好きな女ちゃんと、大好きな男くん。そのこから授かる子供なんて、もっともっと大好きになっちゃうわ。」
女「………。」
47: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/6(火) 21:55:42 ID:RXzqRISjrs
その瞬間、人一人が倒れる音がした。視線の先を辿ってみると、本当に180を越える男が投げ捨てられて居る。
父「母さん、こいつ埒があかないので放り込みますね。バトンタッチして下さい。」
母「男くんハイタッチ〜!何があったか知らないけど頑張ってね!」
女「大丈夫か、男…っ!」
男「大丈夫です、投げられただけなので。」
女「…お前の大丈夫の基準が分からん。」
男「俺は、本気ですから。」
女「有り難う、男。」
女「どうやら、私には男がいないと駄目みたいだ。後…、父さんと母さんも、な。」
48: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/6(火) 22:03:34 ID:RXzqRISjrs
※捕捉
黄色いオムライスとグレープフルーツジュースは小さな頃の女にとってお星様を連想させるもの=好物
これ見て下さってる方いたら挙手願います…!ラストスパートへの励みです(`・ω・´)
即興文、なので話もあれよあれよと変化しております。もう少しのお付き合い、お願い致します。г●ペコリ
49: 名無しさん@読者の声:2011/9/6(火) 22:46:07 ID:8716w8b2Xg
みてるぜー!
50: 名無しさん@読者の声:2011/9/6(火) 22:59:31 ID:/W08sWJM1I
めっちゃみてるノ
51: 名無しさん@読者の声:2011/9/6(火) 23:43:39 ID:VRXjpgMd3g
ノ
もうラストスパートか!?
頑張れ!
52: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/6(火) 23:57:59 ID:MxOS5ew99c
父「マリア様よりみられてる予感がします。良かったですね。」
母「やっと結ばれたみたい、良かった〜。」
父「ちなみに今はラストスパートですが、女の両親、そして孫、何より、孫…等イベントはありますのでお付き合い下さい。」
母「宜しくお願い致します。」
53: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/7(水) 00:05:35 ID:MxOS5ew99c
男「………!」
女「もう忘れないから。」
男は女の隣に腰掛け、優しく抱き寄せた。あんなに立派に見えた背中を、こんなに頼りなく小さく感じた事は無い。
何よりも涙を堪えたその笑顔に、誰よりも女を守りたいと再確認することが出来た。
男「大丈夫です、俺が傍に居ます。これからもずっと。」
女「……っ、ありがとう。」
男「こちらこそ。」
男の胸中に身を預けた女は、男が僅かに泣いていたなんて一生知るよしも無い。
54: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/7(水) 00:45:26 ID:yr6EEq7SPg
父「さて、足音がします。」
母「どうだったのかなぁ…。」
父「…泣かせたとはどう言う了見ですか。」
女「違う、違うんです。…お父さん、お母さん…これから、もお世話になります。」
父「中々、やりますね男くん。」
母「女ちゃん…!」
母がひしと女を抱き締める。母親と言うのはこんなにも安心するものなのか、女は自ら腕を回し体温を共有した。
男「さっき、息子を放り投げた人に抱き着けと。」
父「良くやりました、男くん。」
父が両手を広げ男を待ち構える。男は渋々といった感じで父の懐におさまった。
男「シュールです。」
父「そうですね。女ちゃん、オレンジジュース冷えてますよ。」
母「私は梅酒かな。」
男「父さんはビールですか?」
女「皆、ありがとう。」
新しい一家の誕生と共に、日付は新しい今日を告げた。
55: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/8(木) 01:52:16 ID:vHGA7SRHJw
皆様のおかげで一段落致しました。ここからは二人の恋愛模様や結婚、出産などゆっくり書いて行こうと思います。
何か要望等御座いましたら書いてみますのでお気軽に\(^o^)/
女「支援ありがとう。」
男「ぱっと思い付きでここまで来れるんですね。」
女「最後は少々甘くなりすぎた…、不覚だ。」
男「俺は全力で萌えました。」
女「お父さん、後は頼みました。お母さん、買い物いきませんか?」
母・父「喜んで!」
56: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/8(木) 01:59:11 ID:vHGA7SRHJw
父「それは、貴方の傍には常に男くんがつきまとって居るからです。」
少女「…!」
父「だから大丈夫ですよ。僕達も少女さんの味方です。」
少女「ごめんなさい。」
父「謝る必要なんて有りません。さ、帰りましょう。」
一番大切なものから忘れてしまう。本当に大切だったのかも曖昧になって行く、彼等の存在が唯一の少女の存在理由。
───────
女「………はっ、」
女(………!?)
昨夜一人で床に着いた筈か隣には男の姿があった。見上げると安らかな寝顔がある。
女は久しぶりに穏やかな朝を迎えた。
女(沈まれ沈まれ…っ、沈まれ心臓…!)
安堵と引き換えに、妙な胸の動機を覚えてしまった女だった。男を蹴り飛ばそうと思案した結果、僅に寄り添い目を閉じた。
今日は二人で有給休暇だ。
57: 名無しさん@読者の声:2011/9/8(木) 23:34:10 ID:lrFmj5/bxM
っC
58: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/10(土) 00:41:46 ID:sGskfbDDd6
中々更新出来ずすみませんorzそして支援ありがとうございます…!おっと目からオレンジジュースg(ry
59: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/10(土) 02:35:29 ID:eJTSDc8Acg
女「後…5ふん。」
男「家でまったりコースも良いかも知れないですね。ツ●ヤでDVDでも借りてきましょうか。」
女「置いていったら怒る。」
男(萌え過ぎて、なんかもう…!)
女「わかった…、起きる、起きるから。」
女「なぁ…男。」
女「ちゅう、シよう?」
────────
男「と言う夢を見たのさ。と、言うわけで女さん…!」
女「右の頬を差し出した後に左も差し出しだせ。」
60: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/11(日) 18:33:06 ID:aqZvmbwtMY
男「おはようございます。」
女「あぁ、おはよう。」
男「今日、何処か行きたいとありますか。」
女「…分からない。普通の女子じゃなくて申し訳無い、な。」
男「いえ、俺は女さんと行けるなら会社でも宇宙でも未来でも良いんです。」
女「えらく大規模だな。」
女「そして男。」
女「ちゃっかり私の隣で寝ていた理由を説明して貰おうか。」
61: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/11(日) 18:40:55 ID:aqZvmbwtMY
男「…あ。」
女「なんだ。」
男「いえ、特に。さて、今日は女さんのお洋服でも見に行きましょうか…!」
女「服…。」
男「気分、転換に。」
女(確かに昨日の今日で頭はついていかない。しかもまだ隣にこいつは居る、起きなければいけないのはわかっていながら何故か離れられない…!)
女「…分かった。特に好みは無いからお前のコーディネートを見たい。」
男(私を貴方色に染めて…だと。)
男「わ、わかりました。お任せ下さい。俺も準備してきます、お邪魔しました。」
瞬間、男の大きな手が女の頭に触れる。寝癖混じりの黒髪が絡まる中女は微動だにしなかった。
女(……な、なんだっ、また動機が…!)
咄嗟に頭頂部を押さえ暫し呆然する女の姿を誰も見る事は無かった。
女「…─、こう言う時はどんな服を着れば良いんだ。」
62: 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 23:23:35 ID:X2EqQYRtaw
女は何故記憶を失うかとかはこれから物語で語られるのかー?
63: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/11(日) 23:54:10 ID:n9/skE8h1M
>>62
そうですね、はじめが少々軽く行き過ぎたので女の記憶については後々書いて行こうと思っています。
ゆっくり更新になりますが、宜しくお願い致しますг●
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