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忘却線上の星
[8] -25 -50 

1: 名無しさん@読者の声:2011/9/5(月) 01:09:18 ID:.gB2sDwzQY

自分を流れ星に例えた人が居た。光るのは一瞬だけ、あとは消えて忘れ去られるのがオチさって。あの人は明るく伝えてくれたけど内心は分からない。



女の子「星が綺麗です。」

謎の影「そうですね。」

女の子「私は忘れたくありません。だから、毎日夜空を見上げるのです。」

影「風邪を引く前に部屋に入りましょう。」

女の子「忘れるのは、哀しいです。」

影「そうですね。」

女の子「…冷たいです。」

影「今日は生憎の雨ですから。」

女の子「誰かが泣いているのですか。」

影「それは…─、」

────────



働く女とそれに付き従う男の話。生暖かい目でお付き合い下さいませ。


127: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 02:59:09 ID:bN69lXYabc
少女を落ち着かせる事へ必死で、忍び寄る足音に気づかなかった。懐中電灯の灯りが眩しい。

少年は少女を担ぎ、無理矢理突破した。暗く、もうどこを走って居るか分からない。どれくらい距離をおいたのかも分からない。

自分の体力の限界も有り、その場に座り込んだ。

?「陽人、無駄な抵抗は止めて下さい。」

?「ハル君、男前〜。」

少年「……っ!嫌だっ、嫌だっ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!」

再度懐中電灯で照らされ、大きな影に恐怖心が募る。彼女を守らなければ、必死で抵抗を試みるも簡単に抱き抱えられてしまう。

仁己「…っ、帰ったら爪切りしなきゃいけませんね。」

春子「あら〜、パパ大丈夫?」

仁己「大丈夫です、…それより、美月さんは。」

少年「お姉ちゃんが…っ!お姉ちゃんが、苦しそうに、で、…僕がっ…守ってあげなきゃ…!だから、だからっ!離してぇ…っ!」

仁己「言う事を聞きなさい、今から家に帰りますよ陽人。」

懐中電灯で照らされた顔は、少年の父と母だった。もう誰が敵で誰が味方が混乱し、少年は父親の顔を凝視した。

春子「…さ、美月ちゃんも帰りましょう。」

仁己「陽人も落ち着きなさい、…良く頑張りました。」
128:
◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 03:08:58 ID:0F6P3PjF1g

────────

春子「あの後、美月ちゃんと美月ちゃんの家に行ったの。そしたらね、…美月ちゃんのママ、が。」

真剣に話を聞く美月の目を見て、普段は陽気な春子の瞳に涙が浮かぶ。

仁己「母さん、…俺が言います。美月さんの母親はあなたを要らない、と母さんに告げたんです。」

春子「…美月ちゃん、美月ちゃん、そのショックから、軽い記憶喪失になったの。美月ちゃん自身が混乱してて、記憶がごちゃごちゃで、断片的で。今すぐは治らない、って言われたの。」

仁己「1から、作り上げて行こうと春子と約束して、現在に至ります。養育費・生活費は美月さんの父親が出してくれていました。はじめは断ったんですけどね。」

美月「……ありがとう、ございます。…仁己さん、春子さん、本当に今まで、…沢山、色々、ありがとうございます…っ。」

129:
◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 03:14:35 ID:bN69lXYabc
春子「私、美月ちゃん大好きだもの。…お礼なんていらないわ!」

美月「…私、ちゃんと、お父さんとお母さんって呼べるようになりたいんです。」

仁己「……うちの愚息でよければ。」

春子「……!もしかして。」

美月「名字を椎名に、する日は近いと思います。」

大粒の滴を止めどなく溢れさせ、美月は今までの分も泣いた。春子も勿論貰い泣きした。仁己は穏やかな表情で、二人を撫でた。
130:
◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 12:23:58 ID:aB8gXMzUg2
仁己「美月さんの御両親は、まだ生きています。もし、逢いたいのなら連絡先を…」

美月「…私の両親は、此処に居ますから。」

春子「美月ちゃん…、今日は泊まって行く?」

美月「あ…、陽人さんに行こうかt」

陽人「ただいまー。」

美月「!?」
131:
◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 12:29:34 ID:sQ7xs5wTYI
陽人「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん、美月さん…聞いたの。」

美月「椎名っ…、その、っ……わたしっ…!」

陽人「大丈夫、僕が側に居るから、…なんて。母さんと父さんもありがとうございます、美月さんもお疲れ様。…美月さん。」

美月「本当に…、迷惑ばかり、…ごめんなさい、椎名。」

陽人「美月さん。…俺、美月さんの中から消されるのはもう勘弁です。だから、ずっと傍に居たいし、居て下さい。俺が、美月さんを守ります。」



陽人「結婚、して下さい。」
132:
◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 12:35:44 ID:sQ7xs5wTYI
仁己「…親の前で。」

春子「ハル君やっぱり男前。パパに似たのね〜。」

美月「…此方こそ、宜しくお願いします…っ!」

返事を言い切らぬうちに、美月は陽人の腕の中に引き寄せられていた。羞恥で顔が暑い。

仁己「さ、母さん。」

春子「やだパパ、恥ずかしい〜!」

陽人「父さん、母さん…、結婚します。」

仁己「どや顔で言われても。」

春子「おめでとう〜!椎名美月ちゃん、いらっしゃい…!」

美月「…椎名、そろそろ、離してくれないと御両親に顔が向けれない…!」
133:
◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 12:43:53 ID:aB8gXMzUg2
さて、寝落ちしながら書いたこの作品も終了に近付いて参りました。貴重な支援、本当にありがとうございます。

次はさっくり読めるギャグ多めを書いてみたいけどセンスがorz

これが完結したら、
後は番外編となります。

・妊娠発覚
・彩月の暴走
・孫誕生
・みっちゃんと上司

需要がなければはじめてのSSは削除願いへ出してきます(`ω´)b書いてて楽しかった反面、なんだか自己満な物語になってしまいましたorz
134:
◆Rfq4NUNFd6:2011/10/1(土) 13:31:16 ID:TZ5or1PSAM

─────────

春子「ハル君、…美月ちゃんねの事なんだけどね。」

陽人「大丈夫だよ!…あのねママ、僕、ぷろぽーずしたんだ。」

春子「あら、素敵!誰に…?」

陽人「美月ちゃんに…!」



──…今の、ママとパパ位になったら。
135:
◆Rfq4NUNFd6:2011/10/1(土) 13:40:03 ID:TZ5or1PSAM


少女は毎日お願いする。



流れ星が、消えませんように。

どうか、消えませんように。

まるで自分の曖昧な記憶と闘うように。何時かの約束を手繰り寄せ、離さないように。



────────

陽人「もう消えませんから。」

美月「もう消さないからな。」



忘却線上の星が、やっと見えた。其れは彼女が掴んだ中で一番の誇りで有り、温もりだった。



忘却線上の星::fin
136: 名無しさん@読者の声:2011/10/1(土) 13:49:30 ID:yP/F4NCETk
乙!
激しく保管庫希望!
137: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/1(土) 14:22:52 ID:SQsKa.TPWw
>>136
このような拙い作品を保管娘へ入れても良いのでしょうか(´;Д;`)ブワッありがとうございます。



終わる頃には、ちゃんと書き溜めてもっと彼等を動かしてあげたかったと後悔してしまいました。作者として未熟です。

支援、本当にありがとうございます。
138:
◆Rfq4NUNFd6:2011/10/2(日) 13:12:59 ID:SnP2cyRSbc
削除依頼する事に決めました、読んでくださった方本当にありがとうございます(´;ω;`)b
139: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 17:30:37 ID:8H6.ft1E.w
え、もう終わり…?
140: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 17:32:47 ID:BA4ZmfDMAk

削除依頼やめてぇえ!!!!!

お願いだからやめてぇえ!!!

削除したら卵投げるから!
フルスイングで卵投げるからね。・゜・(/Д`)・゜・。ウワァアアン!!
141:
◆Rfq4NUNFd6:2011/10/2(日) 18:42:47 ID:hPOCZiyTz6
>>139
ごめんなさい、…番外編に需要が無い気がして終わらせてしまいました。

>>140
もう、依頼してしまいました。本当にありがとうございます。泣きますよ…泣きますよ!(大事な事ry)

卵は投げるものではなく、己の懐で暖めて羽化させるものですよ(´ω`)なんて

続けても良いよ!
って方他にいらっしゃいますか…?
142: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 18:50:12 ID:aWkvQL1Wxc
はいノシ
俺はこの雰囲気が好きです!
143: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 19:02:30 ID:mLQbycA2bc
構ってちゃんくせーぞ!!削除は許さねー保管庫ったら保管庫に入れやがれー!!
144: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/2(日) 19:10:06 ID:iUqifnsgnc
>>142
雰囲気ですか…、ありがとうございます(*゚∀゚*)

なんだかもう…せっかちな自分殴りたいorz

>>143
構ってちゃん覚悟です。キリッ

なんて、皆様のお声が無ければ続ける理由が無いんです。ただでさえ自己満足な作品になってしまって、それを偉大なる保管庫だなんておおおえそれおおいいいうえう((((;;゚ж゚;;))))です。

やば、本気で泣きそうな私はなんなんだwww嬉しいのと感動でwww

(´;ж;`)
145: 140:2011/10/2(日) 19:54:45 ID:yY3nABhL3k
お願い!保存庫!
昨日から読み出してまだ読み終わってないんです。・゜・(/Д`)・゜・。ウワァアアン
それに今後も何回もみたいんです!!
今日の昼ご飯がオムライスだったのはこのSSのせいなんだから責任持って
保存庫へ(・`ω・)キリ!!!!

146: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 22:36:50 ID:PVFnxfxmws
保管庫よりも番外編をかいてほしい……
147:
◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 00:42:13 ID:W.VRo3TgFg
>>140
保管庫願いありがとうございます(´;ж;`)何度も読み返して頂けるような内容だと嬉しいです。

美月「そうか、なら私もオムライスを食べて責任を取ろう」

陽人「そんな期待の眼差しでみなくても作りますから。」

>>146
かしこまりました!こんな話が良い、ここはどうなったの?など有ればなんなりとお申し付け下さいませ(´`*)

私めも、御好意に甘え番外編を書く覚悟を致しました。本当にありがとうございます。

それでは寝る前に少し。

【妊娠発覚】
148: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 00:47:04 ID:1vEpWDI0fk
それは、美月と陽人が実家に帰っていた時だった。

春子「またね〜、二人とも。」

仁己「美月さん、今度美味しいオムライス食べに行きましょうね。」

美月「はいっ…!お邪魔しました。」

陽人「勿論俺m「早く帰りなさい。」

陽人(俺だって最近忙しくてデートしてないのに…!)

陽人「さ、帰りましょう美月さん。」
149: ◆PNH1xCGbTU:2011/10/3(月) 00:49:03 ID:Kv92L3edQ2
春子「二人が居なくなるとやっぱり静かね、パパ。」

仁己「これで孫でも授かったら、また楽しくなるんでしょうね。」

春子「……ふふ。」

仁己「どうしたんですか母さん?」

春子「何でもないわ〜、パパ…未来のお爺ちゃんね。」


150: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 00:55:38 ID:1vEpWDI0fk
【とある日のオフィス】

時刻は午後23時、オフィスには二人しか居なかった。

陽人「美月さん。」

美月「なんだ。」

陽人「良い加減にして下さい。」

美月「何がだ。」

陽人「そろそろ潮時です。」

美月「……、駄目か。」

陽人「当たり前です。」

美月「でも一人だと不安で仕方無いんだ。春子さんや仁己さんには仕事が有る、なるべくこの場にいたいんだ。」


151: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 01:03:06 ID:Kv92L3edQ2
陽人「俺、頼りないですか?」

美月「…え?」

陽人「俺に、仕事任せられないですか?」

美月「あの、そう言うわけじゃないんだ椎名…!」

陽人「それなら、安心して休んで下さい。」

美月「お前か、上司に色々吹き込んでるのは。最近、休め休めとうるさいんだが。」

陽人「さぁ、なんのことやら。」
152: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 01:14:23 ID:Kv92L3edQ2
今日はこの辺で、お休みなさいませ(*゚ω゚*)ノ
153: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 23:18:48 ID:OTGYPq8VP.
美月「…分かった、…分かった。」

陽人「拗ねないで下さい。」

美月「拗ねてない。」

陽人「…帰りましょうか。」

美月「そうだな、明日上司に言うよ。」

陽人「今日、俺の家来ませんか?」

美月「…どうした?」

陽人「美月が淋しくて寝れないかなー、と。」

美月「あぁ、転がり込む。」



陽人(…本気で淋しくいのか。)
154: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/4(火) 00:06:08 ID:S6BEHeF2Xw
美月(……美月?呼び捨て、呼び捨てしなかったかこいつ。)



社外に出て、ふと空を見上げると今夜は月が霞んで居た。
155: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/4(火) 00:17:14 ID:3eZP0LpeFc
美月「上司さん、お時間頂けますか?」

上司「うん、良いよー。」

美月「私、…実は妊娠5ヶ月目に入ってるんです。」

上司「それはびっくりだね。もっとお腹が膨らむものだと思ってた。」

美月「私も心配したんですが、…順調みたいです。」

上司「確かに、笑顔が素敵になったね星川くん。」
156: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/4(火) 00:32:48 ID:ochZEk/WO.
美月「…ありがとう、ございます。」

美月「引き継ぎは、椎名と早乙女にお願いします。」

上司「復帰に関しては、良く椎名くんと話すと良いよ。はい、これ、産休と育休の用紙ね。」

美月「復帰はさせて頂きます。」

上司「ははっ、君ももうすぐわかるよ。家族ってどんなものなのか。」
157: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/4(火) 01:49:25 ID:tMXuJA2ahY

────────

美月「とは言われたものの。…─今日から仕事しなくて良いのか。変な気分だ。」

腹部を圧迫しない服装になるとやはり目立つ。最近は少し胎動を感じるようになった。

美月「さて、我が子よ今日は何を聴くか。」

美月「…そうだな、一人じゃ無かった、君が居たな。ごめん。」

腹部を撫でながら一人呟く。きっと、産まれてくるこの子が、何かを紡いでくれるそんな気がした。
158:
◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 19:52:17 ID:K9qNJO3ZaM
お久しぶりです(´・ω・`)ノ皆様の忘却の彼方へ飛んでいるであろう私ですww

妊娠発覚はこれにて終わり。

番外編2
「みっちゃんと上司」

行きたいと思います(`ω´*)
159: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 19:59:15 ID:wnLpg.lGXw
彼女(?)の心臓は破裂寸前、身体全体が時限爆弾になったかのように鼓動が響く。手汗が止まらない。


男「…そっかぁ。」

み「───。」

男「あのね、みっちゃん。」

み「何よ。」

男「ごめんなさい。」

み「わ、…分かってるわよ!そんな事!はじめっから…っ!」

男「ううん、僕はね君とずっと友達で居たいんだ。」

み「分かったからこれ以上傷を抉らないで頂戴。」



ひたすら勉強して見付けた、自分なりの化粧をした、秘密の引き出しに仕舞い込んだ服を着た。誰よりも私は女の子だった。

ただあなたに見て欲しかった。
160: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:08:04 ID:K9qNJO3ZaM

それはもう、昔の話。

───────

み「なぁんて時もあったわねぇ…。」

お気に入りのソファーに身体を預け天井を見詰める。手入れを怠る事無く伸ばし続けた黒髪はさらりと重量に従った。

携帯を耳に当てる。

み「…もしもし〜?」

美月「あ、みっちゃんさん…あの。」

み「どうしたの、喧嘩でもした?」

美月「授かった、みたいなんです。…今、四ヶ月目で。」

み「あら!御祝いしなきゃ〜!身体大事にするのよ〜、おめでとう。また顔見せに来てネ。」

他愛の無い会話で通話を終了した。うまくやっているようで安心だ。

み「好きな人の子供授かれるなんて、女って憎いわぁ〜、羨ましい、…─やんなっちゃう。」

今の私は醜いわね、ブスだわ、彼女(?)は小声で吐露する。素直に喜べない、自分が居た。
161: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:15:02 ID:wnLpg.lGXw
こんな時は未だに彼の声が聴きたくなる。まだ、仕事かもしれないが臆する事無く通話ボタンを押した。

上司「はい、もしもし。」

み「あのカップル、うまくやってるみたいねぇ。」

上司「みっちゃん、どうしたの?」

み「美月ちゃんが四ヶ月だそうよ、アナタにはまだ報告来てないのかしら?」

上司「まだだね。相変わらず仕事してる。」

み「─…そう。ちゃんと見ててあげなさいよ。」

上司「ありがと、みっちゃん。今回もお世話になりました。今度、みっちゃんの好きな中華食べに行こうか。」

み「何よ、デートの御誘い?」



自然と笑みが浮かぶ。気付けば不細工な自分は隅に追いやられていた。彼の声は魔法でもかかっているのだろうか。
162: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:19:24 ID:K9qNJO3ZaM
一時期、徹底して男で居た。変な話ではあるが、兎に角周囲の意識に溶け込んだ。

み「俺は、男。」

鏡の中の人は完璧に他人の求めるそれだった。内面は後からついてくれば良いと、泣きそうな自分に言い聞かせる。
163: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:23:14 ID:K9qNJO3ZaM
男「みっちゃん、…やけに気合い入ってるね?」

み「そ、そんなことないぜ!これが当たり前なんだから!」

男「…そっかぁ。みっちゃんって男前だよね。」

み(やだ、全然嬉しくないわ…!)

み「まぁな…!」



気付けば彼女が出来た。相手からの告白。しかし、女の子への接し方が良く分からなかった。

友達以上になれない。
164: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:27:11 ID:K9qNJO3ZaM
カテゴリーは誰もが羨むハズの彼女なのに、違和感が生じるのはそう遅くは無かった。

彼女「…みーくんは、私の事嫌いなのかな?」

み「そんな事ねぇよ、大好きに決まってんだろ?」

彼女「…みーくんは、優しいからね。でもね、私他に好きな人が出来たの。」

み「だから、別れよう。」

彼女「……え?」

み「ごめんな、大事にしてやれなくて。新しい人と、幸せに、な。」

あぁ、やっと解放される。
彼女も自分も。
165: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:29:57 ID:wnLpg.lGXw
男「みっちゃん、別れたんだって?」

み「おう、…俺じゃ幸せにできないから。」

男「そっかぁ…。みっちゃん、気合い入れたんじゃなくてずっと無理してたんだねぇ。」

み「…は?」

男「無理しなくて良い時がきっと来るよ。みっちゃんはみっちゃんだから。」



み(…私にも好きな人が出来たって断ったのは伏せようかな。)
166: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:32:19 ID:wnLpg.lGXw

─────────
上司「久しぶり、みっちゃん。」

み「相変わらずね。あ、餃子5人前追加で。」

上司「最近どう?」

み「特に何も無いわ。あのカップルの行く末を見守るくらい、…そうね、石焼きビビンバも食べたいわ。」

上司「みっちゃんも相変わらずだね。」
167: 名無しさん@読者の声:2011/10/8(土) 21:16:41 ID:EXjY2ApqEg
きたー!
倍プッシュつG
168: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 23:32:39 ID:IrfKoGehyE
み「女の子の身体はデリケートなのよ。気を付けてあげなさいよね。」

上司「まぁ、それは彼がやってるからね。」

み「…─はぁ。」

上司「そんな顔してたら餃子、僕が食べちゃうよ。」

み「別に良いわよ。」

上司「え。」
169: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 23:45:23 ID:OKTsxd6gOQ
み「…何よ。」

上司「みっちゃん、また無理してる。」

み「別に〜。」

上司「みっちゃん。」

み「羨ましいだけ。」



こんな事言っても、アナタを悩ませるだけなのに。

み(私も馬鹿よねぇ…。)
170: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/9(日) 00:43:46 ID:ClSXzuKyZs
み「アンタ、何時結婚するわけ?」

上司「そうだなぁ…、なるようになると思ってるから。」

み「そのまま童貞拗らせて死ぬわよ。」

上司「あはは、それは嫌だなぁ。」


171: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/9(日) 00:54:06 ID:ClSXzuKyZs
み「部下に先越されてどうすんのよ。」

上司「はは、結婚ってそんなにあせるものなのかな。」

み「そりゃそうだけど…!」



さっさとアンタが幸せになって、アンタが愛した奥さんとの間に授かった愛する子供をその手に抱いてる姿を見なければ、きっとこの気持ちに区切りは付かない。

み「どうせただのお節介よ!悪かったわね…!」

上司「みっちゃん、僕は今のみっちゃん好きだよ。」

み「な、何よ、急に…っ!」

上司「凄くみっちゃんらしいから、見てて安心する。」
172: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/9(日) 00:59:56 ID:D40Af.WWi2
確かに、あの時の自分の気持ちは偽りだらけで。他人にも自分にも嘘を付いていた。しかし開き直ってからと言うもの、視野は広がり世界に色が付いた。

み「そうね、確かに私は私だわ。とっても楽。」



あの日からずっと、一番大切な思いに蓋をしている。これを開ける日は何時くるのだろうか。嘘偽り無い自分がそこに有る。



み「私、アナタの事好きよ。」

上司「ふふ、ありがとう。」

み&上司「「でも僕達は男同士だからね。」」



友達以上にはなれない。君との関係を壊したくは無いから。

み「馬鹿ね、友達としてって意味よ。」
173: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/9(日) 01:02:05 ID:D40Af.WWi2
>>167
ありがとうございます(´;ω;`)!!!

上司とみっちゃん、これにて終わりです。次は彩月の恋模様を描こうかと(`ω´*)

皆様もう暫くお付き合い下さいませ。
174: 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 08:03:07 ID:xYHv2yZO6M
age
175:
◆Rfq4NUNFd6:2011/10/13(木) 10:33:07 ID:GHouc4qzko

このような拙い作品を読んで頂き本当にありがとうございました。海外研修へ行くため、これ以降の更新が出来なくなるのでこれにて終了とさせて頂きます。

もっと深く、自分の作った彼等を動かしたかったのですが残念です(´・ω・`)



保管庫希望を頂いていたので、御言葉に甘えさせて頂きます。

本当にありがとうございました(´;Д;`)ノシ
176: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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